説明

吸水ポリマー粒子の製造方法

酸基を有するエチレン性不飽和モノマーがベースの防臭性吸水ポリマー粒子の製造方法であって、ここで前記酸基は、40〜70mol%中和されており、前記ポリマー粒子は、縮合型及び/又は加水分解性タンニンで被覆される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸基を有するエチレン性不飽和モノマーをベースとする、防臭性吸水ポリマー粒子の製造方法に関し、ここで前記酸基は40〜70mol%中和されており、前記ポリマー粒子は縮合型及び/又は加水分解性タンニンで被覆する。
【0002】
吸水ポリマー粒子の製造は、モノグラフィー"Modern Superabsorbent Polymer Technology",F.L.Buchholz及びA.T.Graham,Wiley−VCH,1998,第71頁〜第103頁に記載されている。
【0003】
吸水ポリマーは、おむつ、タンポン、ナプキン及びその他の衛生物品を製造するために使用されるが、農業園芸における保水剤としても使用される。
【0004】
EP 1 510 562 A1は防臭性吸水ポリマー粒子の製造を記載しており、ここでポリマー粒子は植物抽出物、とりわけタンニン又はタンニン酸を含み得るもので被覆される。
【0005】
WO 2006/109842 A1は、吸水ポリマー粒子の製造方法を記載しており、ここではヒドロキノンモノメチルエーテル、及び鉄、及び僅かなプロトアネモニン、及びフルフラールの規定含分を有するモノマー溶液を重合させる。
【0006】
本発明の課題は、防臭性吸水ポリマー粒子を製造するための改善された方法の提供であった。
【0007】
この課題は、
i)酸基を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを、塩基で最大40〜70mol%の中和度に中和する工程、ここで前記塩基は鉄イオンを0.0005質量%未満含み、かつ塩基輸送のために使用される導管が特殊鋼及び/又はポリマー材料製であり、
ii)中和されたモノマーを、少なくとも1つの架橋剤及び少なくとも1つの開始剤の存在下で重合させる工程、ここで前記開始剤は鉄イオンをほとんど含まず、
iii)得られるポリマーゲルを乾燥させる工程、
iv)乾燥されたポリマーゲルを微粉砕してポリマー粒子にする工程、
v)得られるポリマー粒子を分級する工程、及び
vi)分級されたポリマー粒子を表面後架橋する任意の工程、
を含む吸水ポリマー粒子の製造方法であって、
前記ポリマー粒子を、0.01〜1質量%の縮合型及び/又は加水分解性の少なくとも1つのタンニンで被覆する、
吸水ポリマー粒子製造方法により解決された。
【0008】
中和度は好適には、45〜65mol%、特に好ましくは48〜62mol%、極めて特に好ましくは50〜60molである。
【0009】
この塩基は、好適には0.0001質量%未満、特に好ましくは0.00002質量%未満、極めて特に好ましくは0.00001未満、鉄イオンを含む。
【0010】
適切な特殊鋼は、例えば炭素を少なくとも0.08質量%有する、オーステナイト鋼である。有利にはオーステナイト鋼は鉄、炭素、クロム、ニッケル、及び任意でモリブデンの他に更なる合金成分、好適にはニオブ又はチタンを含有する。
【0011】
この好ましい特殊鋼は、DIN EN 10020準拠の材料数1.45××を有する特殊鋼であり、ここで××は0〜99の自然数であり得る。特に好ましい材料は、材料数1.4541及び1.4571を有する鋼、特に材料数1.4541を有する鋼である。
【0012】
適切なポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、及びシリコーン樹脂である。極めて特に好ましいのは、ポリプロピレンである。
【0013】
使用される開始剤系は、鉄イオンをほとんど含まず、使用される開始剤系はそれぞれ開始剤系の全質量に対して、好適には0.1質量%未満、特に好ましくは0.01質量%未満、極めて特に好ましくは0.001質量%未満、鉄イオンを含む。
【0014】
適切な縮合型タンニンは、エピカテキン及びカテキンをベースとするポリマー性フラバン−3−オール、又はロイコペラルゴニジンベースのポリマー性フラバン−3,4−ジオールである。
【0015】
適切な加水分解性タンニンは、サッカライド、例えばグルコースと、タンニン酸類、例えばタンニン酸、ガロイルタンニン酸、及びジガロイルタンニン酸とからのエステルである。
【0016】
ポリマー粒子は好適には、0.02〜0.5質量%、特に好ましくは0.05〜0.3質量%、極めて特に好ましくは0.1〜0.2質量%の縮合型及び/又は加水分解性タンニンで被覆する。
【0017】
ポリマー粒子の被覆は好適には、可動性混合装置による混合によって行う。表面後架橋のために使用可能な混合機はまた、本発明による被覆にも用いることができる。
【0018】
分級化v)の後、又は任意の表面後架橋vi)の後に得られるポリマー粒子を、錯形成剤で被覆することができる。さらにこの被覆は、表面後架橋と同時に行うことができる。
【0019】
好適にはキレート形成剤を、被覆のためポリマー粒子に適切な溶剤(好適には水)中の溶液として、吹き付ける。
【0020】
本発明の特に好ましい実施態様では、吸水ポリマー粒子を還元剤及び/又は亜鉛塩で被覆する。
【0021】
適切な還元剤は例えば、硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム(重亜硫酸ナトリウム)、ナトリウムジチオナイト、スルフィン酸、及びこれらの塩、アスコルビン酸、次亜リン酸ナトリウム、並びにホスフィン酸、及びこれらの塩である。しかしながら好適には、亜リン酸より低次の(unterphosphorig)塩、例えば次亜リン酸ナトリウム、及びスルフィン酸の塩、例えば2−ヒドロキシ−2スルフィナト酢酸の二ナトリウム塩を使用する。しかしながら還元剤として好適には、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸のナトリウム塩と、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩と、重亜硫酸ナトリウムとからの混合物を使用する。この種の混合物は、Brueggolite(R)FF6及びBrueggolite(R)FF7(Brueggeman Chemicals;Heilbronn;ドイツ)として入手可能である。
【0022】
還元剤の使用量はそれぞれ吸水ポリマーに対して、好適には0.01〜5質量%、特に好ましくは0.05〜2質量%、極めて特に好ましくは0.1〜1質量%である。
【0023】
適切な亜鉛塩は例えば、水酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、及び乳酸亜鉛である。好適には脂肪酸の亜鉛塩、例えばリシノール酸を使用する。
【0024】
亜鉛塩の使用量はそれぞれ吸水ポリマーに対して、好適には0.01〜5質量%、特に好適には0.05〜3質量%、極めて特に好適には0.1〜1質量%である。
【0025】
還元剤若しくは亜鉛塩は、通常適切な溶剤中、好適には水中の溶液として使用する。
【0026】
本発明はやや酸性の吸水ポリマー粒子と、縮合型及び/又は加水分解性タンニンとの組み合わせが、防臭性の明らかな改善につながるが、同時に不所望の変色は現れないという知見に基づく。変色は、微量の鉄イオンにより引き起こされる。鉄イオンの量を厳しく制限することにより、良好な防臭性を有しながら、変色傾向が僅かな吸水ポリマー粒子を準備することができる。
【0027】
鉄イオンの供給源としては例えば、しばしば塩基として用いられる苛性ソーダが考慮される。本発明による方法を実施するには、使用される苛性ソーダの鉄イオン含分が、可能な限り低いことに注意する必要がある。
【0028】
その上、中和の塩基が供給される導管も重要である。苛性ソーダは合金化されていない鋼に対して腐蝕性ではなく、それどころか不活性化のために使用される。ただし苛性ソーダは、合金化されていない鋼から微量の鉄イオンを溶かす。このため塩基は、特殊鋼又はポリマー材料製の導管によって中和に輸送しなければならない。このように関連する僅かな鉄イオンの導入が原因で、製造方法のその他の生成物接触装置部に特殊鋼又はポリマー材料を原料として使用することも有利である。
【0029】
さらに、触媒として鉄イオンを出来るだけ使用しない開始剤系を用いることに注意しなければならない。
【0030】
還元剤及び/又は亜鉛塩でポリマー粒子をさらに被覆することによって、変色傾向にさらに有利な影響を与えることができる。
【0031】
以下、吸水ポリマー粒子の製造をより詳しく説明する。
【0032】
吸水ポリマー粒子は例えば、
a)酸基を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、ここで前記酸基は40〜70mol%中和されており、
b)少なくとも1つの架橋剤、及び
c)少なくとも1つの開始剤
d)任意で、a)で挙げたモノマーと共重合可能な1つ又は複数のエチレン性不飽和モノマー、及び
e)任意で、1つ又は複数の水溶性ポリマー
を含むモノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合により製造され、当該ポリマー粒子は通常、水不溶性である。
【0033】
モノマーa)は、好ましくは水溶性であり、すなわち、23℃における水中での溶解度は、概して少なくとも1g/水 100g、好ましくは少なくとも5g/水 100g、特に有利には少なくとも25g/水 100g、極めて有利には少なくとも35g/水 100gである。
【0034】
適したモノマーa)は、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、及びイタコン酸である。特に有利なモノマーは、アクリル酸、及びメタクリル酸である。さらにアクリル酸が特に有利である。更なる適したモノマーa)は例えば、エチレン性不飽和スルホン酸、例えばスチレンスルホン酸、及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0035】
不純物は、重合に著しい影響を与えかねない。それゆえ、使用される原料は、可能な限り高い純度を有していることが望ましい。それゆえ、多くの場合、該モノマーa)を特別に精製することが好ましい。適した精製法は、例えばWO2002/055469A1、WO2003/078378A1及びWO2004/035514A1に記載される。適したモノマーa)は、例えばWO2004/035514A1による精製アクリル酸であり、アクリル酸99.8460質量%、酢酸0.0950質量%、水0.0332質量%、プロピオン酸0.0203質量%、フルフラール0.0001質量%、無水マレイン酸0.0001質量%、ジアクリル酸0.0003質量%及びヒドロキノンモノメチルエーテル0.0050質量%を伴う。
【0036】
モノマーa)の全量におけるアクリル酸及び/又はその塩の割合は、有利に少なくとも50mol%、特に有利に少なくとも90mol%、とりわけ有利に少なくとも95mol%である。
【0037】
該モノマーa)は、通常は重合禁止剤、好ましくはヒドロキノン半エーテルを、貯蔵安定剤として含有する。
【0038】
該モノマー溶液は、それぞれ未中和の該モノマーa)に対して、ヒドロキノン半エーテルを、好ましくは250質量ppmまで、有利にはせいぜい130質量ppm、特に有利にはせいぜい70質量ppm、有利には少なくとも10質量ppm、特に有利には少なくとも30質量ppm、殊に50質量ppm含有する。例えば、該モノマー溶液の製造のために、相応するヒドロキノン半エーテル含量を有するエチレン性不飽和の酸基含有モノマーを使用してよい。
【0039】
有利なヒドロキノン半エーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)及び/又はα−トコフェロール(ビタミンE)である。
【0040】
適した架橋剤b)は、架橋に適した基を少なくとも2つ有する化合物である。このような基は例えば、ポリマー鎖中にラジカル重合導入可能なエチレン性不飽和基、及び該モノマーa)の酸基と共有結合を形成可能な官能基である。さらに、該モノマーa)の少なくとも2個の酸基と配位結合を形成可能な多価金属塩も架橋剤b)として適している。
【0041】
架橋剤b)は、好適には、ポリマー網目にラジカル重合導入できる重合可能な基を少なくとも2個有する化合物である。適した架橋剤b)は、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルアンモニウムクロリド、テトラアリルオキシエタン(例えばEP0530438A1に記載)、ジアクリレート及びトリアクリレート(例えばEP0547847A1、EP0559476A1、EP0632068A1、WO93/21237A1、WO2003/104299A1、WO2003/104300A1、WO2003/104301A1及びDE10331450A1に記載)、アクリレート基の他に更なるエチレン性不飽和基を有する混合アクリレート(例えばDE10331456A1及びDE10355401A1に記載)、又は架橋剤混合物(例えばDE19543368A1、DE19646484A1、WO90/15830A1及びWO2002/032962A2に記載)である。
【0042】
有利な架橋剤b)は、ペンタエリトリットトリアリルエーテル、テトラアルコキシエタン、メチレンビス−メタクリルアミド、15箇所エトキシ化されたトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びトリアリルアミンである。
【0043】
極めて有利な架橋剤b)は、例えばWO2003/104301A1に記載されているような、アクリル酸又はメタクリル酸でジアクリレート又はトリアクリレートへとエステル化された多重エトキシ化及び/又はプロポキシ化されたグリセリンである。3〜10箇所エトキシ化されたグリセリンのジアクリレート及び/又はトリアクリレートが特に有利である。殊に、1〜5箇所エトキシ化された及び/又はプロポキシ化されたグリセリンのジアクリレート又はトリアクリレートが好ましい。最も有利なのは、3〜5箇所エトキシ化及び/又はプロポキシ化されたグリセリンのトリアクリレート、殊に3箇所エトキシ化されたグリセリンのトリアクリレートである。
【0044】
架橋剤b)の量は、それぞれモノマーa)に対して、有利には0.05〜1.5質量%、特に有利には0.1〜1質量%、特にとりわけ有利には0.3〜0.6質量%である。架橋剤含量が増えるにつれて、遠心保持容量(CRC)は低下し、21.0g/cm2の加圧下での吸収量は最大値に達する。
【0045】
開始剤c)として、重合条件下で全てのラジカルを生成する化合物、例えば熱開始剤、レドックス開始剤、光開始剤を使用することができる。適したレドックス開始剤は、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/アスコルビン酸、過酸化水素/アスコルビン酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム/重亜硫酸ナトリウム、及び過酸化水素/重亜硫酸ナトリウムである。好ましくは、熱開始剤とレドックス開始剤とからの混合物、例えばペルオキソ二硫酸ナトリウム/過酸化水素/アスコルビン酸が使用される。しかしながら還元性成分として好適には、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸のナトリウム塩と、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩と、重硫酸ナトリウムとからの混合物を使用する。この種の混合物は、Brueggolite(R)FF6及びBrueggolite(R)FF7(Brueggeman Chemicals;Heilbronn;Germany)として入手可能である。
【0046】
エチレン性不飽和の酸基含有モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーd)は、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートである。
【0047】
水溶性ポリマーe)として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、変性セルロース、例えばメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリグリコール又はポリアクリル酸、好ましくはデンプン、デンプン誘導体及び変性セルロースを使用することができる。
【0048】
通常はモノマー水溶液が使用される。該モノマー溶液の含水率は、好ましくは40〜75質量%、特に有利には45〜70質量%、極めて有利には50〜65質量%である。モノマー懸濁液、すなわち、過剰のモノマーa)を有するモノマー溶液、例えばアクリル酸ナトリウムを使用することも可能である。含水量が増えるにつれて、引き続く乾燥に際してのエネルギー消費量が増大し、含水量が下がるにつれて、重合熱は不十分にしか除去することができない。
【0049】
好ましい重合抑制剤は、最適な作用のために溶解された酸素を必要とする。よってモノマー溶液から重合前に、不活性化、即ち不活性ガス、好適には窒素又は二酸化炭素を用いた貫流により、溶解した酸素を取り除くことができる。好ましくは、重合前の該モノマー溶液の酸素含有率は、1質量ppm未満に、特に有利には0.5質量ppm未満に、極めて有利には0.1質量ppm未満に低下させる。
【0050】
適した反応器は、例えば混練反応器又はベルト反応器である。ニーダー中では、水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合に際して発生するポリマーゲルが、WO2001/38402A1に記載されているように、例えば対向撹拌軸(gegenlaeufige Ruehrwellen)によって連続的に微粉砕される。ベルト上での重合は、例えばDE3825366A1及びUS6,241,928に記載される。ベルト反応器中での該重合に際してポリマーゲルが生じ、このポリマーゲルはさらなる方法工程において、例えば押出機中又は混練機中で微粉砕しなければならない。
【0051】
得られたポリマーゲルの酸基は、通常、部分的に中和されている。この中和は、有利には、前記モノマーの工程で実施される。中和は通常、中和剤を水溶液として、又は好ましくは固体として混合導入することによって行われる。中和度は、好ましくは45〜65mol%、特に有利には48〜62mol%、極めて有利には50〜60mol%であり、その際、通常の中和剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩、又はアルカリ金属炭酸水素塩、並びにこれらの混合物を使用することができる。アルカリ金属塩の代わりに、アンモニウム塩を使用することもできる。ナトリウム及びカリウムは、アルカリ金属として特に有利であるが、しかしながら、極めて有利なのは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、又は炭酸水素ナトリウム、並びにこれらの混合物である。
【0052】
しかし、重合後の中和を、該重合に際して発生するポリマーゲルの段階で実施することも可能である。さらに、該酸基を重合前に、該中和剤の一部をすでにモノマー溶液に添加し、かつ所望の最終中和度を重合後に初めて、ポリマーゲルの段階で調整することによって、40mol%まで、好ましくは10〜30mol%、特に有利には15〜25mol%中和することが可能である。該ポリマーゲルが少なくとも部分的に重合後に中和される場合、該ポリマーゲルは、好ましくは機械的に、例えば押出機を用いて微粉砕され、その際、該中和剤を吹き付けるか、振りかけるか、又は注ぎ込み、次いで入念に相互に混合することができる。そのため、得られたゲル組成物をなお繰り返し均質化のために押出すことができる。
【0053】
次いでポリマーゲルは、好ましくはベルト乾燥機で、残留湿分含有率が、好ましくは0.5〜15質量%、特に有利には1〜10質量%、極めて有利には2〜8質量%になるまで乾燥し、その際、該残留湿分含有率は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)より推奨される試験法No.WSP 230.2−05 "Moisture content"に従って測定する。残留湿分が高すぎる場合、乾燥された該ポリマーゲルは低すぎるガラス転移温度Tgを有し、さらに加工を行うにも困難となる。残留湿分が低すぎる場合、乾燥されたポリマーゲルは非常に脆くなり、かつ引き続く微粉砕工程において、不所望に低すぎる粒径("微粉(fines)")を有する大量のポリマー粒子が発生する。該ゲルの固体含有率は、乾燥前に、好ましくは25〜90質量%、特に有利には35〜70質量%、極めて有利には40〜60質量%である。しかしながら選択的には、乾燥のため、流動床乾燥機又はパドル乾燥機も使用できる。
【0054】
乾燥されたポリマーゲルは、この後に粉砕、分級され、その際、粉砕のために通常は単段式又は多段式のロールミル、有利には二段式又は三段式のロールミル、ピンミル、ハンマーミル又は振動ミルが使用できる。
【0055】
生成物画分として分離されたポリマー粒子の平均粒径は、好ましくは少なくとも200μm、とりわけ有利には250〜600μm、極めて有利には300〜500μmである。該生成物画分の平均粒径は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法No.WSP 220.2−05 "Partikel Size Distribution"によって算出されることができ、その際、該篩画分の質量割合は、累積的にプロットされ、かつ平均粒径は、グラフにより定められる。この場合、平均粒径は、累積して50質量%となる目開きの値である。
【0056】
少なくとも150μmの粒径を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
【0057】
低すぎる粒径を有するポリマー粒子は、透過性(SFC)を低下させる。それゆえ、小さすぎるポリマー粒子("微粉")の割合は低いことが望ましい。
【0058】
小さすぎるポリマー粒子は、それゆえ通常は分離され、かつ処理に返送される。これは、好ましくは、重合の前、重合の間又は重合直後に、すなわちポリマーゲルの乾燥前に行われる。小さすぎるポリマー粒子は、該返送の前又は間に、水及び/又は水性界面活性剤で湿らせてよい。
【0059】
また、後の方法工程で、例えば表面後架橋又は他の被覆工程により、小さすぎるポリマー粒子を分離することができる。この場合、返送した小さすぎるポリマー粒子は、表面後架橋若しくは他の方法で、例えば熱分解法ケイ酸により被覆されている。
【0060】
重合のために混練反応器が使用される場合、小さすぎるポリマー粒子は、好ましくは、該重合の最後の3分の1の間に添加される。
【0061】
小さすぎるポリマー粒子が、非常に早く、例えば、すでにモノマー溶液に添加される場合、それによって、得られた該吸水ポリマー粒子の遠心保持容量(CRC)は低下する。しかしながら、これは例えば架橋剤b)の使用量を適合させることによって補うことができる。
【0062】
小さすぎるポリマー粒子が、非常に遅く、例えば、重合反応器に後接続された装置中で、例えば押出機中で初めて添加される場合、小さすぎるポリマー粒子を、得られたポリマーゲルに組み込むのは非常に困難である。しかしながら不十分に組み込まれた小さすぎるポリマー粒子は、乾燥されたポリマーゲルから粉砕中に再び離れ、それゆえ分級に際して新たに分離され、返送されるべき小さすぎるポリマー粒子の量を高める。
【0063】
最大850μmの粒径を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
【0064】
最大600μmの粒径を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
【0065】
大きすぎる粒径を有するポリマー粒子は、膨潤速度を低下させる。それゆえ大きすぎるポリマー粒子の割合も同様に低いことが望ましい。
【0066】
それゆえ、大きすぎるポリマー粒子は、通常は分離され、かつ乾燥されたポリマーゲルの粉砕に返送される。
【0067】
ポリマー粒子は、特性の更なる改善のために表面後架橋することができる。適した表面後架橋剤は、ポリマー粒子の少なくとも2個のカルボキシレート基と共有結合を形成可能な基を有する化合物である。適した化合物は、例えば多官能性アミン、多官能性アミドアミン、多官能性エポキシド(例えばEP0083022A2、EP0543303A1及びEP0937736A2に記載)、二官能性又は多官能性のアルコール(例えばDE3314019A1、DE3523617A1及びEP0450922A2に記載)、又はβ−ヒドロキシアルキルアミド(例えばDE10204938A1及びUS6,239,230に記載)である。
【0068】
加えて、DE4020780C1の中で環状カーボネートが、DE19807502A1の中で2−オキサゾリドン及びその誘導体、例えば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンが、DE19807992C1の中でビス−及びポリ−2−オキサゾリジノンが、DE19854573A1の中で2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体が、DE19854574A1の中でN−アシル−2−オキサゾリドンが、DE10204937A1の中で環状尿素が、DE10334584A1の中で二環状アミドアセタールが、EP1199327A2の中でオキセタン及び環状尿素が、またWO2003/31482A1の中でモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が適した後架橋剤として記載されている。
【0069】
有利な表面後架橋剤は、エチレンカーボネート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアミドとエピクロロヒドリンとの反応生成物及びプロピレングリコールと1,4−ブタンジオールとからの混合物である。
【0070】
極めて有利な表面後架橋剤は、2−ヒドロキシエチルオキサゾリジン−2−オン、オキサゾリジン−2−オン及び1,3−プロパンジオールである。
【0071】
さらに、DE3713601A1に記載されているように、付加的な重合可能なエチレン性不飽和基を有する表面後架橋剤も使用することができる。
【0072】
表面後架橋剤の量は、それぞれポリマー粒子に対して、好ましくは0.001〜2質量%、特に有利には0.02〜1質量%、極めて有利には0.05〜0.2質量%である。
【0073】
本発明の有利な一実施態様において、表面後架橋の前、その間、又はその後に、表面後架橋剤に加えて多価カチオンが粒子表面に施与される。
【0074】
本発明による方法において使用可能な多価カチオンは例えば二価のカチオン、例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄及びストロンチウムのカチオン、三価のカチオン、例えばアルミニウム、鉄、クロム、希土類及びマンガンのカチオン、四価のカチオン、例えばチタン及びジルコニウムのカチオンである。対イオンとして塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン及びカルボン酸イオン、例えば酢酸イオン及び乳酸イオンが可能である。硫酸アルミニウム及び乳酸アルミニウムが有利である。金属塩以外に、ポリアミンも多価カチオンとして使用することができる。
【0075】
多価カチオンの使用量は、それぞれポリマー粒子に対して、例えば0.001〜1.5質量%、好ましくは0.005〜1質量%、とりわけ有利には0.02〜0.8質量%である。
【0076】
該表面後架橋は通常、表面後架橋剤の溶液を、乾燥されたポリマー粒子に吹き付けて実施する。該吹き付けに引き続き、表面後架橋剤で被覆されたポリマー粒子は熱乾燥され、その際、該表面後架橋反応は、乾燥前でも乾燥中でも行うことができる。
【0077】
表面後架橋剤の溶液の吹き付けは、好ましくは、可動式混合ツールを有するミキサー、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサー及びパドルミキサー中で実施される。特に有利なのは横型ミキサー、例えばパドルミキサーであり、極めて有利なのは縦型ミキサーである。横型ミキサー及び縦型ミキサーは、ミキシングシャフトの支持部により区別され、すなわち、横型ミキサーは、水平に取り付けられたミキシングシャフトを有し、且つ縦型ミキサーは、垂直に取り付けられたミキシングシャフトを有する。適したミキサーは、例えば横型Pflugschar(R)ミキサー(Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH;Paderborn;DE)、Vrieco−Nauta連続ミキサー(Hosokawa Micron BV;Doetinchem;NL)、Processall Mixmillミキサー(Processall Incorporated;Cincinnati;US)及びSchugi Flexomix(R)(Hosokawa Micron BV;Doetinchem;NL)である。しかし、表面後架橋剤溶液を流動床中で吹き付けることも可能である。
【0078】
該表面後架橋剤は、概して水溶液として使用される。非水性溶媒の含量若しくは全体の溶媒量により、ポリマー粒子中への表面後架橋剤の侵入深さを調整することができる。
【0079】
溶媒として主に水を用いる場合、界面活性剤を添加することが有利である。それによって濡れ挙動が改善され、凝塊形成が減少する。しかしながら好ましくは、溶媒混合物、例えばイソプロパノール/水、1,3−プロパンジオール/水、及びプロピレングリコール/水を使用し、ここで該混合物の質量比は、好ましくは20:80〜40:60である。
【0080】
この加熱乾燥は、好ましくは接触乾燥器、特に好ましくはパドル型乾燥器、殊に好ましくはディスク型乾燥器中で実施する。適した乾燥機は、例えばHosokawa Bepex(R)Horizontal Paddle Dryer(Hosokawa Micron GmbH;Leingarten;DE)、Hosokawa Bepex(R)Disc Dryer(Hosokawa Micron GmbH;Leingarten;DE)及びNara Paddle Dryer(Nara Machinery Europe;Frechen;DE)である。さらに、流動床乾燥機も使用することができる。
【0081】
乾燥は、混合機それ自体中で、ジャケットの加熱又は熱風の吹き込みによって行なうことができる。後接続された乾燥機、例えば箱形乾燥機(Hordentrockner)、回転管炉又は加熱可能なスクリューは、同様に好適である。とりわけ好ましくは、流動層乾燥機中で混合及び乾燥される。
【0082】
有利な乾燥温度は、100〜250℃、有利には120〜220℃、特に有利には130〜210℃、特にとりわけ有利には150〜200℃の範囲内にある。この温度での反応ミキサ又は乾燥器中での好ましい滞留時間は、好適には少なくとも10分、特に好ましくは少なくとも20分、極めて特に好ましくは少なくとも30分、及び通常最長60分である。
【0083】
引き続き、表面後架橋されたポリマー粒子を再度分級してよく、その際、小さすぎるポリマー粒子及び/又は大きすぎるポリマー粒子が分離され、かつ処理に返送される。
【0084】
表面後架橋されたポリマー粒子は、特性のさらなる改善のために被覆されるか又は後に湿らせてよい。
【0085】
後湿潤化は好適には、30〜80℃、特に好ましくは35〜70℃、極めて特に好ましくは40〜60℃で行う。低すぎる温度では吸水ポリマー粒子は固まりになる傾向があり、比較的高い温度では水が顕著に蒸発してしまう。後湿潤化に用いる水の量は、好適には1〜10質量%、特に好ましくは2〜8質量%、極めて特に好ましくは3〜5質量%である。後湿潤化によってポリマー粒子の機械的安定性が高まり、ランダムに積み重なる傾向が少なくなる。
【0086】
膨潤速度並びに透過性(SFC)を改善するために適した被覆は、例えば無機不活性物質、例えば水不溶性の金属塩、有機ポリマー、カチオン性ポリマー並びに二価又は多価の金属カチオンである。粉塵結合のために適した被覆は例えばポリオールである。ポリマー粒子の不所望な凝結傾向(Verbackungsneigung)に対する適切な被覆は、例えば熱分解シリカ、例えばAerosil(R) 200及び界面活性剤、例えばSpan(R) 20である。
【0087】
本発明のさらなる対象は、本発明による方法に従って製造される吸水ポリマー粒子である。
【0088】
本発明による方法に従って製造された吸水ポリマー粒子は、鉄イオン含分が低い。鉄イオンの含分は、0.001質量%未満、好適には0.0005質量%未満、特に好適には0.0001質量%未満、極めて特に好ましくは0.00002質量%未満である。
【0089】
また、縮合型及び/又は加水分解性タンニンが、鉄イオンに比して充分な過剰量で存在することが重要である。鉄イオン対縮合型及び/又は加水分解性タンニンの質量比は、0.02未満、好適には0.01未満、特に好適には0.005未満、極めて特に好ましくは0.001未満である。
【0090】
本発明による方法に従って製造された吸水ポリマー粒子は、好ましくは1〜10質量%、特に有利には0.2〜8質量%、極めて有利には3〜5質量%の湿分含有率を有し、その際、該含水率は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)より推奨される試験法No.WSP 230.2−05 "Moisture content"に従って測定される。
【0091】
本発明による方法により製造された吸水ポリマー粒子は、概して少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、有利には少なくとも22g/g、特に有利には少なくとも24g/g、極めて有利には少なくとも26g/gの遠心保持容量(CRC)を有する。吸水ポリマー粒子の遠心保持容量(CRC)は、通常は60g/g未満である。遠心保持容量(CRC)は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨された試験法Nr.241.2−05"Centrifuge retention capacity"に従って測定される。
【0092】
本発明による方法により製造された吸水ポリマー粒子は、49.2g/cm2の加圧下で、概して少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、有利には少なくとも22g/g、特に有利には少なくとも24g/g、極めて有利には少なくとも26g/gの吸収量を有する。吸水ポリマー粒子の49.2g/cm2の加圧下での吸収力は、通常は35g/g未満である。49.2g/cm2の加圧下での吸収量は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨される試験法Nr.WSP 242.2−05 "Absorption under pressure"と同様に測定され、その際、21.0g/cm2の圧力の代わりに、49.2g/cm2の圧力に調整する。
【0093】
本発明のさらなる対象は、本発明による方法で製造された吸水ポリマー粒子を含む衛生用品、とりわけ女性生理用衛生用品、軽度及び重度の失禁用衛生用品、又は小動物の敷き床用の衛生用品である。
【0094】
実施例
以下の溶液を製造した:
1.ガロタンニン16.67g(タンニン酸;CAS no. [1401-55-4]; ABCR GmbH & Co. KG;ドイツ)を、広口のガラス容器に量り取り、100.02gになるまで蒸留水を注いだ。完全な溶液にするため、容器を水浴(約40℃)で軽く加熱した。
【0095】
2.硫酸鉄水和物1.67g(FeSO4 86.0〜89.0%;CAS no. [13463-43-9]; Riedel-de Haeen)を、広口ガラス容器に量り取り、100.10gになるまで蒸留水を注いだ。
【0096】
3.ガロタンニン16.72g(タンニン酸;CAS no. [1401-55-4]; ABCR GmbH & Co. KG;ドイツ)、及び硫酸鉄水和物1.70g(FeSO4 86.0〜89.0%;CAS no. [13463-43-9]; Riedel-de Haeen)を、広口ガラス容器に量り取り、100.13gになるまで蒸留水を注いだ。完全な溶液にするため、容器を水浴(約40℃)で軽く加熱した。
【0097】
吸水ポリマー粒子20.0g(HySorb(登録商標) B7065; BASF SE;ドイツ)を、特殊鋼製の付属品(内径8cm、内部高さ4cm、用具直径7cm、蓋での供給点は端から1.3cmの距離、蓋にじゃま板)を有する改造コーヒーミル(Blender 8012 Model 34BL99; Waring Laboratory; US)に満たした。改造コーヒーミルは、3時間稼働させた。射出部でカニューレにより、各溶液をそれぞれ0.60gゆっくりと加えた。添加終了後、吸水ポリマー粒子はガラスシャーレに移し替え、30分間、50℃で乾燥トレーで乾燥させた。より良好な均質化のため、吸水ポリマー粒子を10分間、陶製すり鉢(内径8.5cm)で乳棒を用いて粉砕した。
【0098】
試料の色は、スペクトル分析計(LabScan XE; Hunter Associates Laboratory, Inc.; US)で測定した。吸水ポリマー粒子(SAP)は、ポリスチレン製ペトリ皿(内径3.9mm)の蓋に満たし、以下の調整で測定した。
【0099】
ポットサイズ:1.2ツォル
視認範囲:1ツォル
発光体:C
観察:2゜
【表1】

【0100】
溶液3で処理した吸水ポリマー粒子は、L値がより小さく、よって白色度がより低いことがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
i)酸基を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを、塩基で最大40〜70mol%の中和度に中和する工程、ここで前記塩基は鉄イオンを0.0005質量%未満含み、かつ塩基輸送のために使用される導管が特殊鋼及び/又はポリマー材料製であり、
ii)中和されたモノマーを、少なくとも1つの架橋剤及び少なくとも1つの開始剤の存在下で重合させる工程、ここで前記開始剤は鉄イオンをほとんど含まず、
iii)得られるポリマーゲルを乾燥させる工程、
iv)乾燥されたポリマーゲルを微粉砕してポリマー粒子にする工程、
v)得られるポリマー粒子を分級する工程、及び
vi)分級されたポリマー粒子を表面後架橋する任意の工程、
を含む吸水ポリマー粒子の製造方法であって、
前記ポリマー粒子を、0.01〜1質量%の縮合型及び/又は加水分解性の少なくとも1つのタンニンで被覆する、前記製造方法。
【請求項2】
前記ポリマー粒子を多価カチオンで被覆することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマー粒子を、吸水ポリマー粒子の少なくとも2つのカルボキシレート基と共有結合を形成可能な少なくとも1つの化合物により表面後架橋することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
表面後架橋されたポリマー粒子を、水溶液により後湿潤化することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマー粒子を、少なくとも1つの還元剤で被覆することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリマー粒子を、少なくとも1つの亜鉛塩で被覆することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合によって得られる吸水ポリマー粒子であって、
以下の成分:
a)酸基を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、ここで前記酸基は40〜70mol%中和されており、
b)少なくとも1つの架橋剤、及び
c)少なくとも1つの開始剤
を含み、ここで前記ポリマー粒子は鉄イオンを0.001質量%未満含み、かつ前記ポリマー粒子は0.01〜1質量%の縮合型及び/又は加水分解性の少なくとも1つのタンニンで被覆されており、ここで鉄イオン対縮合型及び/又は加水分解性タンニンの質量比が0.02未満である、前記吸水ポリマー粒子。
【請求項8】
前記ポリマー粒子を多価カチオンで被覆したことを特徴とする、請求項7に記載のポリマー粒子。
【請求項9】
前記ポリマー粒子を、吸水ポリマー粒子の少なくとも2つのカルボキシレート基と共有結合を形成可能な化合物により表面後架橋したことを特徴とする、請求項7又は8に記載のポリマー粒子。
【請求項10】
前記ポリマー粒子の少なくとも95%が、150〜600μmの粒径を有することを特徴とする、請求項7から9までのいずれか1項に記載のポリマー粒子。
【請求項11】
前記ポリマー粒子が1〜10質量%の湿分を有することを特徴とする、請求項7から10までのいずれか1項に記載のポリマー粒子。
【請求項12】
前記ポリマー粒子を少なくとも1つの還元剤で被覆したことを特徴とする、請求項7から11までのいずれか1項に記載のポリマー粒子。
【請求項13】
前記ポリマー粒子を少なくとも1つの亜鉛塩で被覆したことを特徴とする、請求項7から12までのいずれか1項に記載のポリマー粒子。
【請求項14】
前記ポリマー粒子が、15〜60g/gの遠心保持容量を有することを特徴とする、請求項7から13までのいずれか1項に記載のポリマー粒子。
【請求項15】
前記ポリマー粒子が49.2g/cm2の圧力下で、15〜35g/gの吸収力を有することを特徴とする、請求項7から14までのいずれか1項に記載のポリマー粒子。
【請求項16】
請求項7から15までのいずれか1項に記載のポリマー粒子を含む、衛生用品。

【公表番号】特表2012−508286(P2012−508286A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535084(P2011−535084)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064439
【国際公開番号】WO2010/052182
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】