説明

吸着剤及びその製造方法、並びに含油排水の処理方法

【課題】 含油排水がエマルションである場合あるいは含油排水中の油分濃度が低い場合であっても、当該排水中の油分に対して十分な吸着能を示し、且つその吸着能を長期にわたって安定的に維持することが可能な吸着剤及びその製造方法、並びにその吸着剤を用いた含油排水の処理方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の吸着剤は、所定の炭素質材料を1000〜1500℃でか焼することにより得られるものであり、好ましくは、石炭系、石油系又は木炭系コークスを1000〜1500℃でか焼することにより得られる、BET表面積20m/g以下のか焼コークスからなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含油排水の処理に用いられる吸着剤及びその製造方法、並びに含油排水の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業排水や家庭からの排水は油分を含んでいることが多い。例えば、製油所では、各種設備から含油排水が排出される。また、植物油製造工場では、大豆油、菜種油、コーン油等の製造に伴い、油脂を含有した排水が排出される。また、自動車工場など多くの工作機械を使用している製造工場では切削面の冷却、潤滑のため水溶性の切削油(鉱物油)が使用されており、この水溶性の鉱物油を含む排水が当該製造工場から排出されることがある。更に、食品工場やホテル、レストランなどからは、動植物油に由来した比較的高濃度の含油排水が排出されている。従って、これらの含油排水を処理する際には、排水から油分を除去する必要がある。
【0003】
含油排水から油分を除去する方法としては、従来、吸着剤を用いて油分を吸着除去する方法があり、吸着剤としては活性炭や活性コークスなどの多孔性材料が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2002−254072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の排水処理に使用される活性炭や活性コークスは、含油排水中の油分を除去するための吸着剤としては必ずしも十分ではない。すなわち、活性炭や活性コークスの場合、油自体に対する吸着能が比較的良好であっても、含油排水がエマルションである場合あるいは含油排水中の油分濃度が低い場合には、排水から油分を十分に除去することができない。また、活性炭や活性コークスは、比較的短時間で油分に対する吸着能が低下する傾向にあり、寿命の点でも改善の余地がある。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、含油排水がエマルションである場合あるいは含油排水中の油分濃度が低い場合であっても、当該排水中の油分に対して十分な吸着能を示し、且つその吸着能を長期にわたって安定的に維持することが可能な吸着剤及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、排水中の油分を長期にわたって安定的に除去することが可能な含油排水の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ところで、活性炭や活性コークスなどの多孔性材料からなる吸着剤の場合、一般的には、その細孔構造に基づく表面積の大きさ(通常300〜2500m/g)が吸着能に寄与していると考えられているが、本発明者らの検討によれば、含油排水中の油分を吸着する際には細孔が十分に機能していないものと推察される。この原因としては、先ず、含油排水中の油分の粒径が活性炭や活性コークスの細孔径よりも大きい場合が多いことが考えられる。また、活性炭や活性コークスの製造方法としては、石炭や木材類を800〜900℃で水蒸気等により賦活処理する方法が一般的であるが、かかる賦活処理に伴い活性炭や活性コークスの表面に形成される極性基(カルボキシル基、フェノール性水酸基、キノン系カルボニル基など)も油分に対する吸着能の低下の原因であると考えられる。つまり、上記の極性基は、炭素質材料の表面の反応性が基底部よりもエッジ部で高いことに起因して、細孔の入口近傍に形成しやすく、このような極性基が細孔の入口近傍に存在すると、水分子が極性基に強固に結合して油分の細孔内への導入を阻害すると考えられる。
【0007】
そこで本発明者らは、細孔の形成による表面積の増大とは別のアプローチとして、炭素質材料の表面特性の改善より油分に対する吸着能を向上させる技術について検討した。その結果、所定の炭素質材料を、そのBET表面積が特定範囲内となるように、特定の温度条件でか焼処理することにより、油分に対して優れた吸着能を示す吸着剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の吸着剤は、含油排水から油分を除去するための吸着剤であって、所定の炭素質材料を1000〜1500℃でか焼することにより得られることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の吸着剤の製造方法は、含油排水から油分を除去するための吸着剤を製造する方法であって、所定の炭素質材料を1000〜1500℃でか焼するか焼工程を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の含油排水の処理方法は、上記本発明の吸着剤を含油排水に接触させ、含油排水中の油分を吸着剤に吸着させることにより、含油排水から油分を除去することを特徴とする。
【0011】
本発明の吸着剤が油分に対して優れた吸着能を示す理由について、本発明者らは以下のように推察する。
【0012】
すなわち、「か焼」とは、一般的には生コークス等の炭素質材料に含まれる揮発分や水分を除去するための乾燥処理であるが、本発明においては、炭素質材料を1000〜1500℃でか焼処理することによって、炭素質材料の表面の極性基のほとんどが除去されるものと考えられる。そして、か焼後の炭素質材料の表面に残存した微量の極性基により、当該表面に十分な疎水性(親油性)が付与され、水を脱着しやすく且つ油分を吸着しやすい親水性−疎水性バランスが実現されているものと本発明者らは推察する。
【0013】
また、本発明の吸着剤は、好ましくは、石炭系、石油系又は木炭系コークスを1000〜1500℃でか焼することにより得られる、BET表面積20m/g以下のか焼コークスからなることを特徴とする。
【0014】
このように、石炭系、石油系又は木炭系コークスを1000〜1500℃でか焼処理し、それにより得られるか焼コークスを用いて吸着剤を構成することで、含油排水中の油分に対して優れた吸着能を示す本発明の吸着剤を有効に実現することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、含油排水がエマルションである場合あるいは含油排水中の油分濃度が低い場合であっても、当該排水中の油分に対して十分な吸着能を示し、且つその吸着能を長期にわたって安定的に維持できる吸着剤及びその製造方法を提供することが可能となる。また、本発明によれば、排水中の油分を長期にわたって安定的に除去できる含油排水の処理方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0017】
本発明の吸着剤は、所定の炭素質材料を1000〜1500℃でか焼することにより得られるものである。
【0018】
吸着剤の原料として用いられる炭素質材料としては特に制限されないが、得られる吸着剤に、水を脱着しやすく且つ油分を吸着しやすいという表面特性を付与する点からは、黒鉛(膨張黒鉛を含む)などの非多孔性材料を用いることが好ましく、コークスを用いることが特に好ましい。
【0019】
なお、本発明では、炭素質材料として活性コークス、活性炭などの多孔性材料を用いてもよいが、これらの多孔性材料は賦活処理により形成された極性基(カルボキシル基、フェノール性水酸基、キノン系カルボニル基など)を多く有しており、その表面は本来的に高い親水性を示す。そのため、活性コークス及び活性炭を1000〜1500℃でか焼しても、コークスを用いた場合と比較して多くの極性基が表面に残存しやすく、得られる吸着剤の表面に十分な疎水性(親油性)を付与できないおそれがある。更に、本発明の吸着剤の吸着能はその表面特性に由来するものであるため、特定の内部構造(細孔構造)を形成するための賦活処理を経て得られる活性コークスや活性炭は、製造コストが高くなってしまう。
【0020】
本発明において好ましく用いられるコークスとしては特に制限されず、常圧残油、減圧残油、タールサンド、ビチューメン、シェールオイル、流動接触分解装置残油などの重質油、コールタール、コールタールピッチなどを原料として得られる石炭系又は石油系コークス、あるいは木材、おがくず、やしからなどを原料として得られる木炭系コークスが挙げられる。これらの原料は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、コークスを製造する際のコーキングプロセスとしては特に制限されず、フルードコーキングプロセス、フレキシコーキングプロセス、ディレードコーキングプロセスなどが適用可能である。コーキングプロセスにおける熱処理温度は、通常400〜600℃である。本発明においては、ディレードコーキングプロセスを経て得られるニードルコークスが好ましく用いられる。
【0021】
上記の炭素質材料を1000〜1500℃でか焼することにより、本発明の吸着剤が得られる。か焼工程は、ロータリーキルン等の横型か焼装置、あるいはリードハンマー炉やロータリーハース(回転炉床式カルサイナー)等の縦型か焼装置などを用いて実施することができる。
【0022】
か焼を行う際の処理温度は、前述の通り1000〜1500℃であり、好ましくは1200〜1450℃、より好ましくは1300〜1400℃である。処理温度が1000℃未満であると、炭素質材料の表面からの極性基の除去が不十分となり、得られる吸着剤の表面に十分な疎水性を付与することができない。他方、処理温度が1500℃を超えると、炭素質材料の表面から極性基が過剰に除去される傾向にあり、この場合も得られる吸着剤の表面において水を脱着しやすく且つ油分を吸着しやすい親水性−疎水性バランスを達成することが困難となる。
【0023】
また、か焼を行う際の雰囲気は、炭素質材料の表面からの極性基の除去が可能であれば特に制限されないが、本発明にかかるか焼工程は空気中、あるいは窒素などの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。なお、空気中でか焼する場合、炉内の酸素濃度が過剰とならないように制御することが好ましい。
【0024】
また、か焼工程を効率よく行うために、上記処理温度まで昇温する際の昇温速度は、180〜220℃/hとすることが好ましい。更に、か焼工程後にか焼コークスを冷却する際には、か焼コークスの酸化防止及び極性基の生成の抑制の点から、か焼装置(キルンなど)の出口付近の温度を500℃以下とすることが好ましく、300℃以下とすることがより好ましい。また、冷却方法は特に制限されず、放置による自然冷却等を行ってもよいが、処理効率の更なる向上の点から、水冷による強制冷却を行うことが好ましい。
【0025】
例えば石炭系、石油系又は木炭系コークスを1000〜1500℃でか焼する場合、得られるか焼コークス(カルサインド コークス)のBET表面積は通常20m/g以下であり、好ましくは1〜10m/gである。このように、本発明にかかるか焼コークスは、従来の活性炭や活性コークスと比較して表面積が小さいものである。ところが、本発明者らの検討によれば、かかるか焼コークスからなる吸着剤は、含油排水中の油分に対して、従来の活性炭や活性コークスよりも高い吸着能を示す。このような対比からも、本発明の吸着剤の吸着能が、か焼により改質された表面の特性に起因するものであることが示唆される。
【0026】
本発明の吸着剤が上記のか焼コークスで構成される場合、その粒子形状は特に制限されないが、ニードル状であることが好ましい。また、か焼コークスの平均粒径としては、0.4〜5mmが好ましく、1〜2mmがより好ましい。
【0027】
なお、電極材料等に使用される焼コークスを製造する際には、ダストの防止を目的として、得られるか焼コークスに防塵油(デダスティングオイル)を吹き付けるのが通常であるが、本発明の製造方法はかかる防塵油処理工程を含まない。したがって、本発明の吸着剤には防塵油が含まれない。
【0028】
このようにして得られる本発明の吸着剤によれば、含油排水がエマルションである場合あるいは含油排水中の油分濃度が低い場合であっても、当該排水中の油分に対する十分な吸着能を得ることができ、且つその吸着能を長期にわたって安定的に維持することができる。
【0029】
次に、本発明の含油排水の処理方法について説明する。
【0030】
本発明の含油排水の処理方法は、上記本発明の吸着剤を含油排水に接触させ、含油排水中の油分を吸着剤に吸着させることにより、含油排水から油分を除去するものである。
【0031】
当該処理方法が適用される含油排水としては特に制限されず、例えば、製油所の各種設備から排出される含油排水、植物油製造工場において大豆油、菜種油、コーン油等の製造に伴い排出される油脂を含有する排水、工作機械を使用している製造工場において排出される水溶性の切削油(鉱物油)を含有する排水、食品工場やホテル、レストランなどから下移出される動植物油を含有する排水などが挙げられる。これらの含油排水はエマルションであってもよい。
【0032】
本発明の吸着剤を含油排水に接触させる方法としては特に制限されないが、例えば、従来の排水処理に使用される活性炭吸着槽と同様の処理槽に本発明の吸着剤を充填し、当該処理槽内に含油排水を通水する方法が挙げられる。この場合、吸着剤の充填量、通水量、処理温度などの処理条件は、吸着剤の吸着能や排水中の含油量などを考慮して適宜選定することができる。また、通水は下向流又は上向流のいずれであってもよいが、逆洗浄(上昇流)による吸着剤の再生が容易である点から、下向流が好ましい。
【0033】
また、本発明の吸着剤を処理槽に充填して含油排水を通水する場合、含油排水中に含まれる浮遊物質(SS)、COD、BOD等の他の物質を除去するために、ろ過、微生物処理、凝集沈殿、化学酸化(オゾン酸化等)などの処理手段と組み合わせてもよい。特に、炭素質材料に対して吸着性を示すSS等の物質が含油排水中に含まれる場合には、当該排水を本発明の接触させる前に、砂ろ過等によりSSを除去しておくことが好ましい。SSを含む排水をそのまま本発明の吸着剤と接触させると、SSにより本発明の吸着剤の吸着能が損なわれるおそれがある。
【0034】
また、多量の油分を含有している場合には、当該排水を本発明の吸着剤と接触させる前に、油水分離操作等によりできるだけ油分を除去しておくことが好ましい。従来の活性炭や活性コークスは、含油排水がエマルションである場合又は含油排水中の油分濃度が低い場合に油分に対する十分な吸着能を示さないが、本発明の吸着剤はエマルションや油分濃度の低い排水であっても良好な吸着能を示すため、上述の油水分離操作等と組み合わせることによって、排水からの油分の除去をより効率的に且つ高精度で行うことができる。
【0035】
また、本発明の吸着剤を含油排水に接触させる別の方法として、通油性を有する袋体に本発明の吸着剤を充填したものを含油排水に投入する方法が挙げられる。
【0036】
通油性を有する袋体としては、例えば、細孔を多数穿設した紙や不織布からなるシート材を、開口部を有する袋状に形成したものを使用することができ、本発明の吸着剤を包体に充填した後に開口部を閉じて吸着剤が袋体から出ないようにする。包体の形状は特に制限されず、マット状や棒状とすることができる。
【0037】
このように本発明の吸着剤が充填された袋体は、上述した製油所や工場等からの含油排水を処理する場合に使用可能である他、水面に流出した油の回収等の公害防止処理、更には家庭での廃油処理に有用である。
【実施例】
【0038】
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
酸素が過剰にならないように酸素濃度を制御した雰囲気中、ニードルコークス(S−JAカルサインド粉コークス)を、昇温速度約3〜4℃/分で1300℃まで昇温し、1300℃で4時間か焼した。その後、水冷による強制冷却を行い、か焼炉の出口温度を120℃に保持し、BET表面積3m/gのか焼コークスを得た。
【0039】
このようにして得られたか焼コークスを、実施例1の吸着剤として、以下の試験に供した。
[実施例2]
ニードルコークスをか焼する際の処理温度を1000℃としたこと以外は実施例1と同様にして、BET表面積3m/gのか焼コークスを得、実施例2の吸着剤として以下の試験に供した。
[比較例1]
ニードルコークスをか焼する際の処理温度を800℃としたこと以外は実施例1と同様にして、BET表面積4m/gのか焼コークスを得、比較例1の吸着剤として以下の試験に供した。
[比較例2]
実施例1で原料として用いたニードルコークス(BET表面積3m/g)を、か焼せずに、比較例2の吸着剤として以下の試験に供した。
[比較例3]
活性炭(商品名:太閤活性炭GM130A、二村化学工業株式会社製、BET表面積:1000m/g)を、比較例3の吸着剤として以下の試験に供した。
[油分吸着能評価試験(1)]
実施例1、2及び比較例1の各吸着剤について以下の試験を行い、含油排水中の油分に対する吸着能を評価した。まず、吸着剤100mLをカラム(容量:150mL)に充填した。このカラムに所定濃度の油分を含有する排水を通水速度150mL/分で通水し、カラムを通過した被処理水の油分濃度を測定した。含油排水の通水量及び油分濃度並びに被処理水の油分濃度を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
[油分吸着能評価試験(2)]
実施例1及び比較例2、3の各吸着剤について以下の試験を行い、含油排水中の油分に対する吸着能を評価した。まず、吸着剤30mLをカラム(容量:100mL)に充填した。このカラムに油分濃度50mg/Lの含油排水を通水速度60mL/分で通水し、カラムを通過した被処理水の油分濃度を測定した。含油排水の通水量と被処理水の油分濃度との相関を図1に示す。
[親油性及び親水性の評価試験]
実施例1、2及び比較例1〜3の各吸着剤100mLをA重油100mLと共に分液ロートに入れて撹拌し、2日間静置した。次いで、A重油を滴下分離し、A重油の回収量に基づき各吸着剤の親油性を評価した。得られた結果を表2に示す。
【0042】
また、A重油100mLの代わりに水100mLを用いたこと以外は上記と同様にして、水の回収量に基づき各吸着剤の親水性を評価した。得られた結果を表2に示す。
【0043】
【表2】

【0044】
以上の結果から明らかな通り、実施例1、2の吸着剤は、活性炭を用いた比較例3の吸着剤と比較して、表面積が小さく、また、A重油単独の場合の吸着能が低いにもかかわらず、含油排水中の油分に対して高い吸着能を示した。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1及び比較例1、2の各吸着剤についての油分吸着能評価試験で得られた、含油排水の通水量と被処理水の油分濃度との相関を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含油排水から油分を除去するための吸着剤であって、所定の炭素質材料を1000〜1500℃でか焼することにより得られることを特徴とする吸着剤。
【請求項2】
石炭系、石油系又は木炭系コークスを1000〜1500℃でか焼することにより得られる、BET表面積20m/g以下のか焼コークスからなることを特徴とする、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項3】
含油排水から油分を除去するための吸着剤を製造する方法であって、所定の炭素質材料を1000〜1500℃でか焼するか焼工程を備えることを特徴とする吸着剤の製造方法。
【請求項4】
前記か焼工程が、石炭系、石油系又は木炭系コークスを1000〜1500℃でか焼し、BET表面積20m/g以下のか焼コークスを得る工程であることを特徴とする、請求項3に記載の吸着剤の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の吸着剤を含油排水に接触させ、前記含油排水中の油分を前記吸着剤に吸着させることにより、前記含油排水から油分を除去することを特徴とする含油排水の処理方法。


【図1】
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【公開番号】特開2006−82062(P2006−82062A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272357(P2004−272357)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000231707)新日本石油精製株式会社 (33)
【Fターム(参考)】