呼制御装置、代理応答方法
【課題】通信端末の電話番号が複数の呼制御装置のいずれかの管理下に置かれている場合に、通信端末が、自装置の電話番号と異なる呼制御装置の管理下に置かれている電話番号を有する通信端末への着信に対して、より短時間で代理応答できるようにした呼制御装置、代理応答方法を提供すること。
【解決手段】各SIPサーバ(呼制御装置)は、システム内の各電話番号と、電話番号が収容されているSIPサーバとを対応付けた電番分析テーブルを備えている。そして、SIPサーバは、自局に収容されている電話番号の通信端末から局間ピックアップの要求があった場合には、電番分析テーブルを参照して呼出中の電話番号が収容されているSIPサーバを特定し、その特定したSIPサーバとの間で呼の中継処理を行う。
【解決手段】各SIPサーバ(呼制御装置)は、システム内の各電話番号と、電話番号が収容されているSIPサーバとを対応付けた電番分析テーブルを備えている。そして、SIPサーバは、自局に収容されている電話番号の通信端末から局間ピックアップの要求があった場合には、電番分析テーブルを参照して呼出中の電話番号が収容されているSIPサーバを特定し、その特定したSIPサーバとの間で呼の中継処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末が他の通信端末への着信に対して代理応答する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば会社内の同一グループにおいて複数の電話機等の通信端末が配置されている場合に、そのグループ内のある通信端末への着信に対し、別の通信端末によって代理応答することが可能である。また、この代理応答の利便性を高めることを可能にするために、呼の発信元や各通信端末の表示画面に他の通信端末の動作状態(圏外、待受中、発信中、呼出中、通信中などの状態)を通知するようにした技術が知られている。例えば、通信端末の表示画面上で、他の通信端末の動作状態や発信元をユーザが確認できれば、代理応答をすべきか否かの判断も容易になる。
【0003】
他の通信端末の動作状態を通知する技術の一例として、プレゼンスサーバからの情報に基づき、代理応答端末の表示画面において、受信された着信先の番号に対応する通信端末の識別情報の表示を、着信中であることを示す表示に変更するようにしたものが知られている。この代理応答端末では、ユーザ操作に応じて、表示されたいずれかの通信端末の識別情報を選択し、選択された通信端末に代わって応答する。
【0004】
他の通信端末の動作状態を通知する別の技術の例として、代理応答端末内に、呼制御装置に対して呼出状態にある呼に関わる情報を要求する手段と、呼制御装置から通知された情報に基づいて代理応答する呼を特定した接続要求を発行する手段を備えたものが知られている。呼制御装置から代理応答端末に通知される情報には、呼出中の呼について発信者情報、着信者情報等の情報が含まれる。
【0005】
比較的大規模なシステムでは、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ等の呼制御装置が複数設けられ、各通信端末の電話番号はいずれかの呼制御装置の管理下に置かれる。このようなシステムにおいて、ある通信装置(通信端末)が、自装置と異なる呼制御装置の管理下に置かれている電話番号への着信に対して代理応答できるようにすることが好ましい。その理由としては、第1に、例えば会社内のグループ内のすべてのユーザの通信端末の電話番号が同一の呼制御装置(局)の管理下に置かれているとは限らない点がある。第2に、ユーザによるグループの区分けは短期間で見直されうるが、その都度、ユーザが使用する通信端末の電話番号が属する呼制御装置を切り替えるのは煩雑である点がある。
【0006】
ある通信装置(通信端末)が、自装置と異なる呼制御装置の管理下に置かれている電話番号への着信に対して代理応答できるようにすることに関する技術を以下のものが知られている。すなわち、例えば2つの呼制御システムA,Bが存在する場合に、システムA内の代理応答端末からのピックアップ(代理応答)要求時に、システムAに着呼があればピックアップ制御を行い、無ければシステムAとシステムBをインターワークするシステム間ゲートウェイ装置を介してシステムBに対して発呼を行うようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−34975号公報
【特許文献2】特開2007−174003号公報
【特許文献3】特開2007−243727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
自装置と異なる呼制御装置の管理下に置かれている識別情報(例えば電話番号)への着信に対して代理応答できるようにすることに関する技術の一例を挙げたが、この技術によれば、一方のシステム内の代理応答端末からのピックアップ要求に対して他のシステムに呼出中の呼を検索していくことになる。そのため、この例示の技術では、システム内の呼制御装置の数、つまりユーザが増加するほど、各呼制御装置に対して順に呼出中の呼の検索を行うことになり、代理応答端末が代理応答するまでに相当な時間が掛かると考えられる。
【0009】
よって、発明の1つの側面では、通信端末の識別情報が複数の呼制御装置のいずれかの管理下に置かれている場合に、通信端末が、自装置の識別情報と異なる呼制御装置の管理下に置かれている識別情報を有する通信端末への着信に対して、より短時間で代理応答できるようにした呼制御装置、代理応答方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の観点では、通信端末の識別情報を管理して通信端末間の呼を制御し、他の呼制御装置と通信可能な呼制御装置が提供される。
この呼制御装置は、
各通信端末の識別情報と、自装置を含み通信網に接続されている複数の呼制御装置のうち当該識別情報を管理するいずれかの呼制御装置と、が対応付けられている第1情報を記憶する記憶部;
呼出中の通信端末の識別情報を含む代理応答要求を、識別情報が自装置の管理下にある通信端末から受け、当該要求に応じて上記第1情報を参照して、上記呼出中の通信端末の識別情報を管理する他の呼制御装置を特定する制御部;
制御部によって特定された上記他の呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が上記呼出中の通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信する通信部;
を備える。
【0011】
第2の観点では、通信端末と、通信端末の識別情報を管理するとともに通信端末間の呼を制御する複数の呼制御装置と、各通信端末の動作状態を管理する状態管理サーバと、が通信網によって接続されている通信システムにおいて、通信端末が他の通信端末への着信に対して代理応答する代理応答方法が提供される。
この代理応答方法は、
複数の呼制御装置の各々は、通信網に接続されている通信端末ごとに、識別情報と、識別情報を管理する呼制御装置とが対応付けられている第1情報を予め記憶すること;
識別情報が第1呼制御装置の管理下にある第1通信端末は、自端末の動作状態が待受中から呼出中に変化した場合、自端末の動作状態を状態管理サーバ宛に通知すること;
状態管理サーバは、第1通信端末からの通知に応じて、第1通信端末の識別情報と、第1通信端末の動作状態とを対応付けて記憶すること;
識別情報が第1呼制御装置とは異なる第2呼制御装置の管理下にある第2通信端末は、呼出中の動作状態にある上記第1通信端末の識別情報を状態管理サーバから取得すること;
第2呼制御装置は、第1通信端末の識別情報を含む代理応答要求を第2通信端末から受け、当該要求に応じて上記第1情報を参照して、第1通信端末の識別情報を管理する呼制御装置として上記第1呼制御装置を特定すること;
第2呼制御装置は、特定した第1呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が第1通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信すること;
を含む。
【発明の効果】
【0012】
開示の呼制御装置、代理応答方法によれば、通信端末の識別情報が複数の呼制御装置のいずれかの管理下に置かれている場合に、通信端末は、自装置の識別情報と異なる呼制御装置の管理下に置かれている識別情報を有する通信端末への着信に対して、より短時間で代理応答することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態のシステムの構成を示す図。
【図2】第1の実施形態における代理応答方法の一例を概念的に示す図。
【図3】第1の実施形態の通信端末の構成の主要部を示すブロック図。
【図4】状態要求リストと状態通知リストの内容を示す図。
【図5】第1の実施形態のSIPサーバの構成の主要部を示すブロック図。
【図6】電番分析テーブルの例を示す図。
【図7】第1の実施形態のプレゼンスサーバの構成の主要部を示すブロック図。
【図8】プレゼンスサーバの例を示す図。
【図9】登録端末リストの例を示す図。
【図10】本実施形態のプレゼンスサーバが通信端末から特定のメッセージを受信したときの処理を示すフローチャート。
【図11】本実施形態のプレゼンスサーバが通信端末から特定のメッセージを受信したときの処理を示すフローチャート。
【図12A】第1の実施形態のシステム内の動作を示すフローチャート。
【図12B】第1の実施形態のシステム内の動作を示すフローチャート。
【図13】第1の実施形態の発信端末の動作の一部を示すフローチャート。
【図14】第1の実施形態の着信端末の動作の一部を示すフローチャート。
【図15】第1の実施形態の代理応答端末の動作の一部を示すフローチャート。
【図16A】着信端末の電話番号が収容されているSIPサーバの動作を示すフローチャート。
【図16B】着信端末の電話番号が収容されているSIPサーバの動作を示すフローチャート。
【図17A】代理応答端末の電話番号が収容されているSIPサーバの動作を示すフローチャート。
【図17B】代理応答端末の電話番号が収容されているSIPサーバの動作を示すフローチャート。
【図18A】第2の実施形態のシステム内の動作を示すフローチャート。
【図18B】第2の実施形態のシステム内の動作を示すフローチャート。
【図19】第2の実施形態の代理応答端末の動作の一部を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(1)第1の実施形態
以下、第1の実施形態について説明する。
なお、以下の各実施形態の説明において、電話番号は、通信端末の識別情報の一例である。通信端末の識別情報は特に限定するものではないが、他にIPアドレス等が適用されうる。
【0015】
(1)システム構成
本実施形態のシステム構成を図1に示す。本実施形態のシステムでは、通信網NWに対して、複数のSIPサーバ(局)1,2,3,4,5…と、複数の通信端末(以下、適宜「端末」と略記する。)A,B,C,D,…と、プレゼンスサーバPSとが接続されている。複数の通信端末の各々の電話番号(以下、適宜「電番」と略記する。)は複数のSIPサーバのいずれかの管理下に置かれており、SIPサーバが通信端末間の呼を制御する。プレゼンスサーバPSは、通信網NWに接続されている各通信端末の動作状態(圏外、待受中、発信中、呼出中、通信中などの状態)を管理している。各通信端末は、プレゼンスサーバPSから通信される情報を参照して他の通信端末の動作状態を表示することが可能となっている。各通信端末の通信網NWへの接続形態は特に限定しないが、例えば無線LAN(Local Area Network)または有線LANである。
なお、SIPサーバは呼制御装置の一例であり、プレゼンスサーバは状態管理サーバの一例である。
【0016】
(2)本実施形態における代理応答
本実施形態では、通信端末が、自装置の電話番号と異なるSIPサーバの管理下に置かれている(つまり、異なるSIPサーバに収容されている)電話番号の通信端末への着信に対して代理応答する場合(以下、適宜「局間ピックアップ」という。)を想定する。図2に、本実施形態における代理応答方法の一例を概念的に示す。
【0017】
図2に示す例では、通信端末Aと通信端末Bの電話番号がSIPサーバ5に収容されており、通信端末Cの電話番号がSIPサーバ1に収容されている。このとき、通信端末Aから通信端末Bへ発信された呼(つまり、通信端末Bの着信)に対して、通信端末A,Bとは異なるSIPサーバに属している電話番号の通信端末Cが代理応答する場合を想定する。プレゼンスサーバは、各通信端末から動作状態が変化する度に通知される情報に基づいて、通信端末の電話番号と、その通信端末の動作状態とを対応付けたプレゼンスデータを記憶および更新している。図2において、Subscribeは通信端末からプレゼンスサーバ宛に送信される、通信端末の登録メッセージであり、Notifyはプレゼンスサーバと通信端末の間でプレゼンスデータに変更があった場合に変更された情報について通知するためのメッセージである。一例として通信端末Cの表示画面(プレゼンス表示画面)を示すように、各通信端末では、通信網に接続されている複数の通信端末の動作状態が表示される。図2では「Aさん」に対応して「発信中」と表示された例が示されているが、各通信端末あるいはプレゼンスサーバでは、「Aさん」と電話番号(例えばaaaa)とが対応付けられているものとする。
【0018】
図2において、通信端末Aのユーザが通信端末Bの電話番号であるbbbbをダイヤルすると、SIPサーバ5を経由して通信端末Bが呼出中となり、通信端末Bの動作状態の変化(待受中→呼出中)がプレゼンスサーバへ通知される。この通知に応じて、プレゼンスサーバにてプレゼンスデータが更新されると、その更新されたデータが通信端末Cに通知されて、通信端末Cの表示画面上に表示される(Bさん−呼出中)。この表示内容を見た通信端末Cのユーザが、例えば表示画面上で「Bさん」を選択すると通信端末Cが代理応答処理(ピックアップ処理)を開始する。すなわち、通信端末Cは、ピックアップを表す特番(ピックアップ特番:この実施形態では、一例として「*12」)と、呼出中の電話番号(Bさんの電話番号であるbbbb)とを含むデータ(*12-bbbb;後述するINVITEに含まれる)をSIPサーバ1宛てに送信する。
【0019】
SIPサーバ1は、通信端末Cから受信したデータ(*12-bbbb)を分析することによって、通信端末Cによる代理応答要求であること、および、呼出中の電話番号bbbb(通信端末B)がSIPサーバ1に収容されていることを認識する。この認識処理については後述する。その結果、通信端末Bへの着信に対する通信端末Cの代理応答を行うことを可能にするため、INFOメッセージ(以下、適宜単にINFOという。)を生成してSIPサーバ5宛てに送信する。これによって、SIPサーバ5は通信端末Bの呼出中処理をキャンセルする。その後、SIPサーバ1とSIPサーバ5の間で、代理応答のための呼制御が行われる。
【0020】
(3)システム内の各装置の構成および機能
以下、図3〜11を参照して、本実施形態のシステム内の各装置の構成および機能について説明する。
【0021】
(3−1)通信端末
図3は、本実施形態の通信端末の構成の主要部を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態の通信端末は、CPU10、通信制御部11、プレゼンス処理部12、操作入力部13、表示部14、音声入出力部15、および、データバスおよび制御バスを含むバス16を備える。
CPU10は、通信端末内の各部とバス16によって信号を送受信可能に構成され、通信端末の機能を実現するための全体の制御を行う。
通信制御部11は、CPU10による制御の下で、自端末の電話番号が収容されているSIPサーバとの間で通信網NWを経由してSIP(Session Initiation Protocol)に従ったメッセージの送受信を行う。いったん呼が確立されると、RTP(Real-time Transport Protocol)に従って端末間でデータ転送が行われ、通話における音声の信号処理が音声入出力部15にて行われる。なお、通信制御部11とSIPサーバとの通信は、無線でも有線でもよい。
【0022】
通信制御部11は、CPU10による制御の下で、プレゼンスサーバとの間で通信網NWを経由して、メッセージの送受信を行う。通信制御部11は例えば、自端末の登録メッセージ(Subscribe)の送信、自端末の動作状態の変化についての通知メッセージ(Notify)の送信、あるいは他の端末の動作状態の変化について通知メッセージ(Notify)の受信の処理を行う。なお、通信端末とプレゼンスサーバとの間で通信網に接続されている他の通信端末の動作状態についてのデータ送受信が可能であれば、通信端末とプレゼンスサーバの間の通信に使用される通信プロトコルは問わない。また、通信制御部11とプレゼンスサーバとの通信形態は、無線でも有線でもよい。
【0023】
プレゼンス処理部12は、通信制御部11で受信した、プレゼンスサーバからのメッセージの解析処理、メッセージの解析結果に応じた表示処理、プレゼンスサーバ宛のメッセージの生成処理等を行う。例えば、プレゼンスサーバへ送信するSubscribeには、図4(a)に例示する状態要求リストが含まれる。状態要求リストは、動作状態を取得したい電話番号の一覧を指定した情報である。図4(a)に示す例では、3個の電話番号aaaa, bbbb, ddddについて指定されている。また、プレゼンスサーバから受信するNotifyには、図4(b)に例示する状態通知リストが含まれる。状態通知リストは、状態要求リストを含むSubscribeに応じてプレゼンスサーバから通知されるリストである。図4(b)には、電話番号aaaaの通信端末は「発信中」であり、電話番号bbbbの通信端末は「呼出中」であり、電話番号ddddの通信端末は「圏外」であることが通知される例が示される。
【0024】
また、プレゼンス処理部12は、自端末の動作状態の変化を検出すると、自端末の電話番号と自端末の動作状態とを含むNotifyを生成する。このNotifyは、通信制御部11からプレゼンスサーバ宛に送信される。
【0025】
ある通信端末から送信される状態要求リストに含まれる、動作状態を取得したい電話番号の一覧には、典型的な例としては、その通信端末のユーザと同一グループ内の他の1または複数のユーザの電話番号が含まれる。つまり、一覧には、通信端末のユーザが代理応答する可能性のある他のユーザの通信端末の電話番号が含まれる。例えば、通信端末A(電話番号aaaa)、通信端末B(電話番号bbbb)、通信端末C(電話番号cccc)、通信端末D(電話番号dddd)のユーザが同一グループである場合、図4(a)に示す状態要求リストは、通信端末Cから送信される。
【0026】
CPU10は表示部14を制御し、プレゼンス処理部12で取得した状態通知リストの内容を再構成する等して表示画面(プレゼンス表示画面)に表示する。これにより、通信端末のユーザは、他の通信端末の動作状態を視認することができる。なお、操作入力部13はCPU10と協働して、表示画面に表示された状態の状態通知リストの中から、「呼出中」の通信端末のいずれかを選択操作(代理応答操作)、あるいは所定のピックアップ特番のダイヤル操作(代理応答操作)を受け入れる。
【0027】
CPU10は、「呼出中」の通信端末が選択されると、ピックアップ特番(この実施形態では、一例として「*12」)と、呼出中の電話番号とを含むデータ(図2に示した例では、*12-bbbb)を組み立て、そのデータを含むメッセージを通信制御部11から自端末の電話番号が収容されているSIPサーバ宛てに送信する。
【0028】
(3−2)SIPサーバ
図5は、本実施形態のSIPサーバの構成の主要部を示すブロック図である。図5に示すように、本実施形態のSIPサーバは、CPU20、通信制御部21、メモリ22、HDD(Hard Disk Drive;ハードディスク駆動装置)23、および、データバスおよび制御バスを含むバス24を備える。なお、HDD23には、バックアップのためのデータが記憶されている。
CPU20は、SIPサーバ内の各部とバス24によって信号を送受信可能に構成され、SIPサーバの機能を実現するための全体の制御を行う。CPU20は、制御部の一例である。
通信制御部21は、CPU20による制御の下で、自サーバが管理する電話番号の通信端末との間、および、通信網NWに接続されている他のSIPサーバとの間で、通信網NWを経由してSIPに従ったメッセージの送受信を行う。このとき、CPU20は、メモリ22内の呼処理プログラムを解釈して、通信制御部21に対する制御を含む呼処理(セッション制御処理)を実行する。通信制御部21は、通信部の一例である。
【0029】
メモリ22には、上記呼処理プログラムのほか、電番分析テーブルを含む局データと、端末データとが記憶されている。メモリ22は、記憶部の一例である。
電番分析テーブルには、通信網NWに接続されているすべての通信端末の電話番号と、各電話番号が収容されているSIPサーバとが対応付けられている。また、電番分析テーブルには、特番と、その特番のサービスとが対応付けられている。電番分析テーブルの例を図6に示す。図6(a),(b)に示す例では、それぞれSIPサーバ1,5に含まれる電番分析テーブルの例が示される。図6(a)のSIPサーバ1内の電番分析テーブルの例では、電話番号aaaa,bbbbがSIPサーバ5に収容され、電話番号cccc,ddddがそれぞれ自局収容の(つまり、自サーバ内に収容されている)通信端末C,Dであることを示している。図6(b)のSIPサーバ5内の電番分析テーブルの例では、電話番号cccc,ddddがSIPサーバ1に収容され、電話番号aaaa,bbbbがそれぞれ自局収容の通信端末A,Bであることを示している。また、*12がピックアップサービス、つまり代理応答を示す特番であることが示される。
なお、電番分析テーブルは、第1情報の一例である。
【0030】
端末データは、自サーバが収容している電話番号と、通信網NW上でユニークな識別情報とが対応付けられている。例えば、通信網NWとしてIPネットワークを利用する場合、通信制御部21は、端末データを参照し、電話番号に対応する発信元および着信先のIPアドレスを特定する。
【0031】
自サーバに属している電話番号の通信端末が、他サーバに属している電話番号の通信端末への着信に対して代理応答する機能(局間ピックアップ機能)は、呼処理プログラムをCPU20が解釈して実行することにより実現される。局間ピックアップ機能では、自サーバに属している電話番号の通信端末から、ピックアップ特番(この実施形態では、一例として「*12」)と、呼出中の電話番号とを含むデータ(図2に示した例では、*12-bbbb)を受信すると、そのデータに含まれる番号を、メモリ22内の電番分析テーブルを参照して分析する。例えば、図6(a)に示した例において、SIPサーバ1が、通信端末から*12-bbbbのデータを受信した場合、そのデータが電話番号bbbbに対する代理応答要求であること意味するため、bbbbをキーとして電番分析テーブルを検索する。その結果、SIPサーバ1は、bbbbがSIPサーバ5に収容されていることが分かるため、INFOメッセージ(INFO)を生成してSIPサーバ5宛てに送信する。INFOは、あるSIPサーバが他のSIPサーバに対し、他のSIPサーバに収容されている電話番号の着信に対して代理応答を行うときに送信される。INFOを受信した他のサーバは、そのINFOが示す電話番号に対する呼出の処理をキャンセルする等、代理応答についての所定の手続きを行う。
INFOメッセージは、第2情報の一例である。
【0032】
(3−3)プレゼンスサーバ
図7は、本実施形態のプレゼンスサーバの構成の主要部を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態のプレゼンスサーバは、CPU40、通信制御部41、メモリ42、HDD43、および、データバスおよび制御バスを含むバス44を備える。なお、HDD43には、バックアップのためのデータが記憶されている。
CPU40は、プレゼンスサーバ内の各部とバス44によって信号を送受信可能に構成され、プレゼンスサーバの機能を実現するための全体の制御を行う。
【0033】
通信制御部41は、CPU40による制御の下で、通信網NWに接続されている複数の通信端末との間で、通信網NWを経由してメッセージの送受信を行う。通信制御部41は例えば、各通信端末からの登録メッセージ(Subscribe)の受信、各通信端末の動作状態の変化についての通知メッセージ(Notify)の受信、あるいは各通信端末の動作状態の変化について通知メッセージ(Notify)の送信の処理を行う。
【0034】
CPU40は、メモリ42内のプレゼンスサービスプログラムを解釈して実行することにより、通信網NWに接続されている各通信端末に対してプレゼンスサービス機能を提供する。プレゼンスサービス機能には、各通信端末の登録、各通信端末からの他の通信端末の動作状態の要求に対する応答などが含まれる。例えば、CPU40は、通信制御部41で受信した、通信端末からのメッセージの解析処理、メッセージの解析結果に応じた処理、通信端末宛のメッセージの生成処理等を行う。例えば、通信制御部41が受信するSubscribeには、図4(a)に例示した状態要求リストが含まれる。また、通信端末宛に送信するNotifyには、図4(b)に例示した状態通知リストが含まれる。
【0035】
メモリ42には、上記プレゼンスサービスプログラムのほか、プレゼンスデータと、端末登録リストとが記憶されている。プレゼンスデータは、プレゼンスサーバに登録している電話番号と、その電話番号の通信端末の動作状態(圏外、待受中、発信中、呼出中、通信中などの状態)とが対応付けられたデータであり、その一例を図8に示す。CPU40は、各通信端末から動作状態が変化する度に送信されるNotifyに基づいて、プレゼンスデータの内容を更新する。また、CPU40は、通信端末から状態要求リストを受信すると、プレゼンスデータを参照して、状態要求リストで指定された通信端末の動作状態を取得して、通信端末宛の状態通知リストを生成する。
【0036】
登録端末リストは、Subscribeを送信した通信端末の電話番号と、Subscribeに含まれる状態要求リストに含まれる電話番号とが対応付けられているデータであり、その一例を図9に示す。図9に示す例では、例えば前述したように、通信端末A(電話番号aaaa)、通信端末B(電話番号bbbb)、通信端末C(電話番号cccc)、通信端末D(電話番号dddd)のユーザが同一グループである場合が想定されている。このとき、登録端末リストでは、電話番号aaaaと、同一グループ内の他の電話番号(bbbb, cccc, dddd)とが対応付けられる。
【0037】
以下、通信端末からメッセージを受信したときにCPU40によって実行される処理について、図10および図11を参照して説明する。図10は、通信端末からSubscribeを受信したときの処理である。図11は、通信端末からNotifyを受信したときの処理である。
図10において、プレゼンスサーバのCPU40は、通信端末からSubscribeを受信すると(ステップS10のYes)、登録端末リストを更新する。つまり、Subscribeには、状態要求リスト(図4(a)参照)が含まれているので、CPU40は、Subscribeを送信した通信端末の電話番号と、リスト内で指定されている電話番号とを、登録端末リスト内で対応付ける。次にCPU40は、プレゼンスデータを参照して、受信したSubscribe内の登録端末リストの各電話番号に対応した動作状態を取得する。そして、CPU40は、指定された電話番号に対応した動作状態を含む状態通知リスト(図4(b)参照)を生成し(ステップS13)、この状態通知リストを含むNotifyを、ステップS10でSubscribeを送信した通信端末へ送信する(ステップS14)。
【0038】
図11において、プレゼンスサーバのCPU40は、通信端末からNotifyを受信すると(ステップS20のYes)、プレゼンスデータを更新する。つまり、Notifyには、ステップS20でNotifyを送信した通信端末の電話番号と、その通信端末の動作状態とが含まれているので、これらの情報に基づいてCPU40はプレゼンスデータを更新する(ステップS21)。その後、CPU40は通信制御部41を制御して、SIPに従ったメッセージである200 OKを通信端末宛に返送する(ステップS22)。次に、ステップS20でNotifyを送信した通信端末の動作状態の変化を、例えば、その通信端末の電話番号と同一グループ内の他の電話番号の通信端末へ通知するために、登録端末リストが参照される。他の電話番号の通信端末への通知は、更新された状態通知リストを含むNotifyが使用される(ステップS23)。
【0039】
(4)システム内の動作および各装置の動作
以下、図12A〜17Bを参照して、本実施形態のシステム内の局間ピックアップ時の動作、および各装置の局間ピックアップ時の動作について説明する。
図12A,図12Bは、本実施形態のシステム内の動作を示すフローチャートである。図13は、発信端末Aの動作の一部を示すフローチャートである。図14は、着信端末Bの動作の一部を示すフローチャートである。図15は、代理応答端末(ピックアップ端末)Cの動作の一部を示すフローチャートである。図16A,図16Bは、以下の説明におけるSIPサーバ5(着信端末Bの電話番号が収容されているSIPサーバ)の動作を示すフローチャートである。図17A,図17Bは、以下の説明におけるSIPサーバ1(代理応答端末Cの電話番号が収容されているSIPサーバ)の動作を示すフローチャートである。
なお、以下の説明では、発信端末Aと着信端末Bの電話番号はSIPサーバ5に収容されており、代理応答端末Cの電話番号はSIPサーバ1に収容されているものとする。また、以下の説明において、着信端末Bは第1通信端末の一例であり、SIPサーバ5は第1呼制御装置の一例である。代理応答端末Cは第2通信端末の一例であり、SIPサーバ1は第2呼制御装置の一例である。
【0040】
以下では、基本的に、図12A,図12Bのフローを参照して全体の動作を時系列上で説明しつつ、適宜個々の装置の動作を補足的に付すことにする。また、各図では、SIPで定義されているメッセージを以下のとおり簡略的に記載してある。
【0041】
・100…100 Trying (受信完了を知らせ、INVITEの再送を止める)
・180…180 Ringing (呼出中)
・200…200 OK (要求が成功したことを示す)
・4xx…リクエスト失敗
・404…404 Not Found (ユーザが見つからないことを示す)
・INVITE…セッション開始
・CANCEL…キャンセル
・ACK…セッション確立確認
・BYE…セッション終了
【0042】
ステップS100:
先ず、通信網に接続されている端末A,B,Cは、状態要求リストを含むSubscribeをプレゼンスサーバ宛に送信する。状態要求リストでは、各端末が動作状態を取得したい電話番号の一覧が指定される。ここでは、端末A,B,Cのユーザが同一グループ内である場合を想定する。この場合、端末Aは、動作状態を取得したい電話番号として、端末Bの電話番号(bbbb)と端末C(cccc)の電話番号を指定する。端末Bは、動作状態を取得したい電話番号として、端末Aの電話番号(aaaa)と端末C(cccc)の電話番号を指定する。端末Cは、動作状態を取得したい電話番号として、端末Aの電話番号(aaaa)と端末B(bbbb)の電話番号を指定する。各端末からSubscribeを受信したプレゼンスサーバは、端末A〜Cを登録、つまり登録端末リスト(図9参照)を更新し、各端末宛に200を返す。
【0043】
ステップS110:
ここで、端末Aのユーザがbbbb(端末Bの電話番号)のダイヤル操作を行う。
【0044】
ステップS120:
ステップS110のダイヤル操作により、端末Aは電話番号bbbbを指定したINVITEをSIPサーバ5宛てに送信し、SIPサーバ5は端末Aに100を返す(図13のステップS30,S31、図16AのステップS60,S61)。
【0045】
ステップS130:
ステップS120の処理により、端末Aの動作状態は「待受中」から「発信中」へ動作状態が変化したので、端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図13のステップS32)。プレゼンスサーバでは、端末Aの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Aの動作状態の変化を他の端末B,Cに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末B,C宛に送信し、その後、端末B,Cから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0046】
ステップS140:
SIPサーバ5は、ステップS120で端末Aから送信されたINVITEに含まれる電話番号を分析して着信先が電話番号bbbbであることが分かると、電話番号bbbbの端末B宛てにINVITEを送信する(図16AのステップS62,S63)。端末BはこのINVITEを受信する(図14のステップS40)。このINVITEに応じて端末Bは、100および180(呼出中)をSIPサーバ5宛てに送信する(図14のステップS41,S42)。SIPサーバ5は、端末Bから100および180を受信する(図16AのステップS64,S65)。端末Bから180を受信すると、SIPサーバ5は、180を発信端末A宛に送信する。端末Aは、この180を受信する(図13のステップS33)。これにより、端末Aにおいて所定の発信音出力がなされ、端末Aが「発信中」であることが端末Aのユーザに認識される(図13のステップS34)。このようにして、発信端末Aから着信端末Bへの呼出中の状態となる(図14のステップS43、図16AのステップS66)。
【0047】
なお、図12Aには記載されていないが、ここで仮に、SIPサーバ5が端末Aから200を受信したならば(図16AのステップS67)、端末Aと端末Bの間で通信中(通話中)の状態となる(図16AのステップS68)。
【0048】
ステップS150:
ステップS140の処理により、端末Bの動作状態は「待受中」から「呼出中」へ動作状態が変化したので、端末Bは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図14のステップS44)。プレゼンスサーバでは、端末Bの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Bの動作状態の変化を他の端末A,Cに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末A,C宛に送信し、その後、端末A,Cから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0049】
ステップS160:
端末Cにおいてプレゼンス表示画面が表示される(図15のステップS50)。ここで、端末Cのユーザは、プレゼンス表示画面上で端末Bが「呼出中」であることを視認し、端末Bを選択する操作を行うこと等によって(図15のステップS51のYES)、コールピックアップ、すなわち、端末Bへの着信に対して代理応答する操作を行う。
【0050】
ステップS170:
ステップS160の操作により、端末Cは、ピックアップ特番である*12と、代理応答対象の電話番号(ここでは、端末Bのbbbb)とを順に組み立てた電番のデータ(*12-bbbb)を含むINVITEを生成する(図15のステップS52)。端末CはそのINVITEをSIPサーバ1宛てに送信する(図15のステップS53)。SIPサーバ1は、端末CからのINVITEを受信するとともに、端末C宛に100を返信する(図17AのステップS80,S81)。端末CがSIPサーバ1から100を受信する(図15のステップS54)。
なお、ここで端末Cから送信されるINVITEは、代理応答要求の一例である。
【0051】
ステップS180:
ステップS170の処理により、端末Cの動作状態は「待受中」から「発信中」へ動作状態が変化したので、端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図15のステップS55)。プレゼンスサーバでは、端末Cの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Cの動作状態の変化を他の端末A,Bに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末A,B宛に送信し、その後、端末A,Bから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0052】
ステップS190:
SIPサーバ1は、ステップS170で端末Cから受信したINVITEに含まれる電番のデータ(*12-bbbb)を、メモリ22内の電番分析テーブルを参照して分析する(図17AのステップS82)。具体的には、SIPサーバ1は、INVITEに含まれる電番のデータ(*12-bbbb)の先頭のコードが“*12”でない場合には(図17AのステップS83のNO)、例えば局内通話等の通常の呼処理を行い、先頭のコードが“*12”である場合には(図17AのステップS83のYES)、さらに後続コードを分析する(図17AのステップS85)。つまり、後続コード(本実施形態の場合には“bbbb”)が示す電話番号が自局収容の電話番号であるか否か判定する(図17AのステップS86)。つまり、SIPサーバ1は電番分析テーブルを参照して、後続コードが示す電話番号が収容されているSIPサーバを特定する。以上の分析結果から、SIPサーバ1は、端末Cから受信したINVITEに含まれる電番のデータ(*12-bbbb)が、他局(SIPサーバ5)の電話番号bbbbに対する局間ピックアップの要求であることを認識する。
【0053】
なお、図12Aおよび図12Bには示していないが、仮に後続コードが示す電話番号bbbbが自局収容の電話番号であると判定した場合には(図17AのステップS87)、SIPサーバ1において以下の局内ピックアップ処理が行われる。すなわち、SIPサーバ1は、自局収容の電話番号bbbbの端末Bに対してCANCELを送信し、端末Aおよび端末C宛に200を送信し、端末Aおよび端末CからACKを受信する処理を経て、端末A,C間で通信中となる(図17AのステップS87〜S90)。
【0054】
ステップS200:
SIPサーバ1は、ステップS190における分析結果に基づいて、INFOメッセージ(INFO)を生成し(図17BのステップS91)、bbbbの電話番号が収容されているSIPサーバ5宛てに送信する(図17BのステップS92)。SIPサーバ5はINFOを受信する(図16AのステップS69)。INFOには、bbbbの電話番号に対する代理応答要求(pickup,bbbb)を示すデータが含まれている。
【0055】
ステップS210:
SIPサーバ5は、SIPサーバ1からINFOを受信し、INFOの内容がbbbbの電話番号(つまり、自局収容の電話番号)に対する代理応答要求であることを認識すると(図16BのステップS70のYES)、通信端末Bの呼出中処理をキャンセルするためのメッセージであるCANCELを端末B宛に送信する(図16BのステップS72)。端末Bは、SIPサーバ5からCANCELを受信すると(図14のステップS45)、200をSIPサーバ5宛てに送信する(図14のステップS46)。SIPサーバ5は、端末Bから200を受信すると、SIPサーバ1宛てに200を送信する(図16BのステップS73)。SIPサーバ1では、SIPサーバ5から信号を受信し、その受信信号が200であることを認識する(図17BのステップS93、S94のYES)。
【0056】
なお、INFOの内容が自局収容の電話番号でない場合には(図16BのステップS70のNO)、SIPサーバ5は、SIPサーバ1宛てに404を送信し(図16BのステップS71)、端末Aから端末Bを呼出中の状態(図16AのステップS66)へ戻る。
【0057】
ステップS220:
ステップS210の処理により、端末Bの動作状態は「呼出中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、端末Bは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。プレゼンスサーバでは、端末Bの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Bの動作状態の変化を他の端末A,Cに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末A,C宛に送信し、その後、端末A,Cから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0058】
ステップS230:
SIPサーバ5は、ステップS210における200の送信に次いで、INFOの送信元サーバであるSIPサーバ1宛てにINVITEを送信する(図16BのステップS74)。SIPサーバ1は、SIPサーバ5からINVITEを受信するとともに(図17BのステップS96)、このINVITE受信に応じてSIPサーバ5宛てに100を送信する。SIPサーバ5は、SIPサーバ1から100を受信する(図16BのステップS75)。
【0059】
ステップS240:
SIPサーバ1は、ステップS230におけるINVITEの受信に対する200をSIPサーバ5宛てに送信するとともに(図17BのステップS97)、ステップS170におけるINVITEの受信に対する200を代理応答端末C宛に送信する。SIPサーバ5はSIPサーバ1から200を受信し(図16BのステップS76)、端末CはSIPサーバ1から200を受信する(図15のステップS56)。
また、SIPサーバ5は、SIPサーバ1から200を受信すると、ステップS120におけるINVITEの受信に対する200を発信端末A宛に送信する。端末Aは、SIPサーバ5から200を受信する(図13のステップS35)。
200を受信したSIPサーバ5、端末AおよびCはそれぞれ、200の送信元宛にACKを送信する(図16BのステップS77、図17BのステップS98)。
ステップS230およびS240の処理を経て、発信端末Aと代理応答端末Cの間で呼が確立される。
【0060】
ステップS250:
ステップS230およびS240の処理により、端末Cの動作状態は「発信中」から「通信中」へ動作状態が変化したので、端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図15のステップS57)。プレゼンスサーバでは、端末Cの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Cの動作状態の変化を他の端末A,Bに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末A,B宛に送信し、その後、端末A,Bから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0061】
ステップS260:
ステップS230およびS240の処理により、端末Aの動作状態は「発信中」から「通信中」へ動作状態が変化したので、端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図13のステップS36)。プレゼンスサーバでは、端末Aの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Aの動作状態の変化を他の端末B,Cに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末B,C宛に送信し、その後、端末B,Cから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0062】
ステップS270:
発信端末Aと代理応答端末Cの間で呼が確立されると、端末A,C間で、RTP(Real-time Transport Protocol)に基づくデータ通信が行われ、いわゆる通話中の状態となる(図13のステップS37、図15のステップS58、図16BのステップS78、図17BのステップS99)。
【0063】
ステップS280:
端末A,C間で通信が終了すると、端末AはSIPサーバ5宛てにBYEを送信し、SIPサーバ5はSIPサーバ1宛てにBYEを送信し、SIPサーバ1は端末C宛にBYEを送信する。
【0064】
ステップS290:
ステップS280でBYEを受信した端末Cの動作状態は「通信中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。プレゼンスサーバでは、端末Cの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Cの動作状態の変化を他の端末A,Bに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末A,B宛に送信し、その後、端末A,Bから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0065】
ステップS300:
ステップS280のBYEの送信に応じて、受信元はBYEの送信元に対して200を送信する。
【0066】
ステップS310:
ステップS300で200を受信した端末Aの動作状態は「通信中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。プレゼンスサーバでは、端末Aの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Aの動作状態の変化を他の端末B,Cに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末B,C宛に送信し、その後、端末B,Cから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0067】
以上、本実施形態のシステム内の局間ピックアップ時の動作、および各装置の局間ピックアップ時の動作について詳述した。上述したとおり、本実施形態の代理応答方法によれば、通信網に対して複数のSIPサーバ(局)が接続されたシステムにおいて、各SIPサーバは、システム内の各電話番号と、電話番号が収容されているSIPサーバとを対応付けた電番分析テーブルを備えている。そして、SIPサーバは、自局に収容されている電話番号の通信端末から局間ピックアップの要求があった場合には、電番分析テーブルを参照して呼出中の電話番号が収容されているSIPサーバを特定し、その特定したSIPサーバとの間で呼の中継処理を行う。そのため、代理応答対象の電話番号について他の複数のSIPサーバを個別に検索する必要がなく、局間ピックアップの処理を短時間で完了させることができる。
【0068】
(2)第2の実施形態
以下、第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態の代理応答方法では、予め代理応答端末Cがプレゼンスサーバに自端末の登録を行い、プレゼンスデータに基づいて表示されるプレゼンス表示画面上で、端末Cのユーザが代理応答のための所定の操作を行うことを契機として代理応答処理が開始される。これに対し、本実施形態の代理応答方法では、代理応答端末Cは、予めプレゼンスサーバに自端末の登録を行わず、端末Cのユーザが代理応答のための所定のダイヤル操作(代理応答操作)を行うことを契機として代理応答処理が開始される。例えば、他の呼出中の端末の鳴動動作を知覚して、端末Cのユーザが代理応答のための所定のダイヤル操作を行う場合が想定されている。
【0069】
以下、図18A〜19を参照して、本実施形態のシステム内の局間ピックアップ時の動作、および各装置の局間ピックアップ時の動作について説明する。図18A,図18Bは、本実施形態のシステム内の動作を示すフローチャートである。図19は、代理応答端末(ピックアップ端末)Cの動作の一部を示すフローチャートである。
第1の実施形態と同様、以下の説明では、発信端末Aと着信端末Bの電話番号はSIPサーバ5に収容されており、代理応答端末Cの電話番号はSIPサーバ1に収容され、端末A,B,Cのユーザが同一グループ内である場合を想定する。
【0070】
ステップS400:
先ず、端末A,Bは、自端末の登録要求を含むSubscribeをプレゼンスサーバ宛に送信する。端末A,BからSubscribeを受信したプレゼンスサーバは、端末A,Bを登録、つまり登録端末リスト(図9参照)を更新し、各端末宛に200を返す。
なお、図18Aおよび図18Bに示すフローチャートにおいて、プレゼンスサーバは以後、登録した通信端末からの通知に応じて通信端末の動作状態を更新するが、特定の通信端末の動作状態の変化を他の通信端末宛に通知しない場合が想定されている。
また、図18Aおよび図18Bに示すフローチャートでは、代理応答端末Cが代理応答処理を行うときに初めてプレゼンスサーバに登録して状態通知リストを取得する場合が示されているが、この限りではない。端末Cが予めプレゼンスサーバに登録されていてもよいし、代理応答処理後継続的に状態通知リストを取得するようにしてもよい。
【0071】
ステップS410:
ここで、端末Aのユーザがbbbbのダイヤル操作を行う。
【0072】
ステップS420:
ステップS410のダイヤル操作により、端末Aは電話番号bbbbを指定したINVITEをSIPサーバ5宛てに送信し、SIPサーバ5は端末Aに100を返す。
【0073】
ステップS430:
ステップS420の処理により、端末Aの動作状態は「待受中」から「発信中」へ動作状態が変化したので、端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。プレゼンスサーバではNotifyの受信に応じて、200を端末Aに返す。
【0074】
ステップS440:
SIPサーバ5は、ステップS420で端末Aから送信されたINVITEに含まれる電話番号を分析して着信先が電話番号bbbbであることが分かると、電話番号bbbbの端末B宛てにINVITEを送信する。端末BはこのINVITEを受信する。このINVITEに応じて端末Bは、100をSIPサーバ5宛てに送信する。SIPサーバ5は、端末Bから100を受信する。
【0075】
ステップS450:
ステップS440の処理により、端末Bの動作状態は「待受中」から「呼出中」へ動作状態が変化したので、端末Bは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。プレゼンスサーバではNotifyの受信に応じて、200を端末Bに返す。
【0076】
ステップS460:
SIPサーバ5は、端末Bから180が送信されてくると、発信端末A宛に180を送信する。このようにして、発信端末Aから着信端末Bへの呼出中の状態となる。
【0077】
ステップS470:
この時点で、端末Cのユーザは、着信端末Bの鳴動動作を知覚して所定のダイヤル操作(ここでは、ピックアップ特番を示す“*12”)を行う。このダイヤル操作、すなわち代理応答操作は、端末Bの操作入力部13を経てCPU10に認識される。
【0078】
ステップS480:
ピックアップ特番を示す所定のダイヤル操作を認識した端末Cは、状態要求リストを含むSubscribeをプレゼンスサーバ宛に送信する(図19のステップS800)。状態要求リストでは、動作状態を取得したい電話番号の一覧が指定される。ここでは、端末A,B,Cのユーザが同一グループ内である場合を想定されているため、端末Cは、動作状態を取得したい電話番号として、端末Aの電話番号(aaaa)と端末B(bbbb)の電話番号を指定する。端末CからSubscribeを受信したプレゼンスサーバは、端末Cを登録、つまり登録端末リスト(図9参照)を更新し、端末C宛に200を返す。
プレゼンスサーバは、Subscribeを受信すると、Subscribe内の状態要求リストで指定された端末A,Bの動作状態を含む状態通知リスト(例えば図4(b)参照)を含むNotifyを端末C宛に送信する。端末Cは、プレゼンスサーバから状態通知リストを含むNotifyを受信する(図19のステップS801)。
端末Cは、プレゼンスサーバからNotifyを受信すると、それ以降では、状態通知リストの受信は必ずしも必要ないので、そのリスト送信を止めるためのメッセージであるUnsubscribeをプレゼンスサーバ宛に送信し、プレゼンスサーバから200を受信する。
【0079】
ステップS490:
端末Cは、ステップS470のダイヤル操作に応じて、プレゼンスサーバから受信した状態通知リストの中で、「呼出中」の端末(本実施形態では、bbbbの電話番号の通信端末)あるいはその電話番号を特定する(図19のステップS802)。さらに、端末Cは、その「呼出中」の端末への着信に対するコールピックアップ、すなわち、端末Bへの着信に対して代理応答する処理を行うことを決定する。
【0080】
ステップS500:
端末Cは、ピックアップ特番である*12と、代理応答対象の電話番号(ここでは、端末Bのbbbb)とを順に組み立てた電番のデータ(*12-bbbb)を含むINVITEを生成する(図19のステップS803)。端末CはそのINVITEをSIPサーバ1宛てに送信する(図19のステップS804)。SIPサーバ1は、端末CからのINVITEを受信するとともに、端末C宛に100を返信する。端末CがSIPサーバ1から100を受信する(図19のステップS805)。
【0081】
ステップS510:
ステップS500の処理により、端末Cの動作状態は「待受中」から「発信中」へ動作状態が変化したので、端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図19のステップS806)。プレゼンスサーバではNotifyの受信に応じて、200を端末Cに返す。
【0082】
ステップS590〜S710
図18Aおよび図18BにおけるステップS590以降の処理は、図12Aおよび図12BにおけるステップS190以降の処理と実質的に同一であるので、以下では簡略化して説明する。
【0083】
SIPサーバ1は、ステップS500で端末Cから受信したINVITEに含まれる電番のデータ(*12-bbbb)を、メモリ22内の電番分析テーブルを参照して分析する(ステップS590)。その結果、SIPサーバ1は、端末Cから受信したINVITEに含まれる電番のデータ(*12-bbbb)が、他局(SIPサーバ5)の電話番号bbbbに対する局間ピックアップの要求であることを認識する。
SIPサーバ1は、ステップS590における分析結果に基づいて、INFOメッセージ(INFO)を生成し、bbbbの電話番号が収容されているSIPサーバ5宛てに送信する(ステップS600)。INFOには、bbbbの電話番号に対する代理応答要求(pickup,bbbb)を示すデータが含まれている。
【0084】
SIPサーバ5は、通信端末Bの呼出中処理をキャンセルするためのメッセージであるCANCELを端末B宛に送信し、端末Bから200を受信する。さらに、SIPサーバ5は、端末Bから200を受信すると、SIPサーバ1宛てに200を送信する(ステップS610)。これにより、端末Bの動作状態は「呼出中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、端末Bは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(ステップS620)。
【0085】
SIPサーバ5は、ステップS610における200の送信に次いで、INFOの送信元サーバであるSIPサーバ1宛てにINVITEを送信し、SIPサーバ1から100を受信する(ステップS630)。
【0086】
次に、以下のステップS640の処理が行われる。すなわち、SIPサーバ1は、ステップS630におけるINVITEの受信に対する200をSIPサーバ5宛てに送信するとともに、ステップS500におけるINVITEの受信に対する200を代理応答端末C宛に送信する。SIPサーバ5はSIPサーバ1から200を受信し、端末CはSIPサーバ1から200を受信する(図19のステップS807)。また、SIPサーバ5は、SIPサーバ1から200を受信すると、ステップS420におけるINVITEの受信に対する200を発信端末A宛に送信する。200を受信したSIPサーバ5、端末AおよびCはそれぞれ、200の送信元宛にACKを送信する。
【0087】
ステップS630およびS640の処理を経て、発信端末Aと代理応答端末Cの間で呼が確立される。その結果、端末Cの動作状態は「発信中」から「通信中」へ動作状態が変化したので、ステップS650において端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図19のステップS808)。同様にして、端末Aの動作状態は「発信中」から「通信中」へ動作状態が変化したので、ステップS660において端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。
【0088】
発信端末Aと代理応答端末Cの間で呼が確立されると、ステップS670において端末A,C間でRTPに基づくデータ通信が行われ、いわゆる通話中の状態となる(図19のステップS809)。端末A,C間で通信が終了すると、ステップS680に示すように、端末AはSIPサーバ5宛てにBYEを送信し、SIPサーバ5はSIPサーバ1宛てにBYEを送信し、SIPサーバ1は端末C宛にBYEを送信する。ステップS680でBYEを受信した端末Cの動作状態は「通信中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。
【0089】
ステップS700では、ステップS680のBYEの受信元は、BYEの送信元に対して200を送信する。ステップS700で200を受信した端末Aの動作状態は「通信中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、ステップS710において端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。
【0090】
以上、本実施形態のシステム内の局間ピックアップ時の動作、および各装置の局間ピックアップ時の動作について詳述した。上述したとおり、本実施形態の代理応答方法によれば、第1の実施形態と同様に、SIPサーバは、自局に収容されている電話番号の通信端末から局間ピックアップの要求があった場合には、電番分析テーブルを参照して呼出中の電話番号が収容されているSIPサーバを特定し、その特定したSIPサーバとの間で呼の中継処理を行う。そのため、代理応答対象の電話番号について他の複数のSIPサーバを個別に検索する必要がなく、局間ピックアップの処理を短時間で完了させることができる。
【0091】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の呼制御装置、代理応答方法は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
【0092】
例えば、上述した各実施形態では、発信端末Aと着信端末Bの電話番号が同一のSIPサーバに収容されている場合について説明したが、両者が異なるSIPサーバに収容されている場合についても、同様の局間ピックアップ機能を実現させることができる。
例えば、上述した各実施形態において、仮に着信端末Bの電話番号がSIPサーバ4に収容されている場合、電話番号がSIPサーバ1に収容されている端末Cから代理応答することができる。具体的には、図12AのステップS140において、SIPサーバ5は、SIPサーバ4(図示せず)宛てにINVITEを送信し、SIPサーバ4が端末B宛にINVITEを送信する。また、図12AのステップS200において、SIPサーバ1は、着信端末Bの電話番号がSIPサーバ4に収容されていることを認識した後、そのSIPサーバ4(図示せず)宛てにINFOを送信する。
【0093】
上述した各実施形態では、代理応答端末からSIPサーバ宛に送信されるINVITE、および、SIPサーバ間で送受信されるINFOには、ピックアップ特番と呼出中の電話番号を直列に組み立てたデータ(実施形態の例では、*12-bbbb)が含まれるが、このデータ構成は一例に過ぎない。装置間でなされる特定のプロトコルに従い、受信側において、代理応答であることと、代理対象の電話番号(識別情報)とが認識可能であれば、そのデータ構成(データフォーマット)は問わない。
【0094】
以上の各実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0095】
(付記1)
通信端末の識別情報を管理して通信端末間の呼を制御し、他の呼制御装置と通信可能な呼制御装置であって、
各通信端末の識別情報と、自装置を含み通信網に接続されている複数の呼制御装置のうち当該識別情報を管理するいずれかの呼制御装置と、が対応付けられている第1情報を記憶する記憶部と、
呼出中の通信端末の識別情報を含む代理応答要求を、識別情報が自装置の管理下にある通信端末から受け、当該要求に応じて前記第1情報を参照して、前記呼出中の通信端末の識別情報を管理する他の呼制御装置を特定する制御部と、
前記制御部によって特定された前記他の呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が前記呼出中の通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信する通信部と、
を備えた、呼制御装置。
【0096】
(付記2)
前記第2情報は、代理応答を示すピックアップ特番と、第1通信端末の識別情報としての電話番号とを含む、
付記1に記載された呼制御装置。
【0097】
(付記3)
通信端末と、通信端末の識別情報を管理するとともに通信端末間の呼を制御する複数の呼制御装置と、各通信端末の動作状態を管理する状態管理サーバと、が通信網によって接続されている通信システムにおいて、通信端末が他の通信端末への着信に対して代理応答する代理応答方法であって、
複数の呼制御装置の各々は、通信網に接続されている通信端末ごとに、識別情報と、識別情報を管理する呼制御装置とが対応付けられている第1情報を予め記憶し、
識別情報が第1呼制御装置の管理下にある第1通信端末は、自端末の動作状態が待受中から呼出中に変化した場合、自端末の動作状態を状態管理サーバ宛に通知し、
状態管理サーバは、第1通信端末からの通知に応じて、第1通信端末の識別情報と、第1通信端末の動作状態とを対応付けて記憶し、
識別情報が第1呼制御装置とは異なる第2呼制御装置の管理下にある第2通信端末は、呼出中の動作状態にある前記第1通信端末の識別情報を状態管理サーバから取得し、
第2呼制御装置は、第1通信端末の識別情報を含む代理応答要求を第2通信端末から受け、当該要求に応じて前記第1情報を参照して、第1通信端末の識別情報を管理する呼制御装置として前記第1呼制御装置を特定し、
第2呼制御装置は、特定した第1呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が第1通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信する、
ことを含む、代理応答方法。
【0098】
(付記4)
第2通信端末は、1または複数の通信端末の識別情報を指定して状態管理サーバに予め通知し、
状態管理サーバは、第2通信端末の識別情報と、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末の識別情報とを対応付けて記憶し、
状態管理サーバは、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末のいずれかの動作状態が変化する度に、当該動作状態の変化を第2通信端末に対して通知する、
ことをさらに含む、付記3に記載された代理応答方法。
【0099】
(付記5)
第2通信端末は、1または複数の通信端末の識別情報を指定して状態管理サーバに予め通知し、
状態管理サーバは、第2通信端末の識別情報と、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末の識別情報とを対応付けて記憶し、
第2通信端末は、自端末に対する所定の代理応答操作に応じて、状態管理サーバに対し、前記1または複数の通信端末の各々の動作状態の通知を要求し、
第2通信端末は、状態管理サーバから通知された動作状態の中で呼出中の状態の通信端末の識別情報を特定する、
ことをさらに含む、付記3に記載された代理応答方法。
【0100】
(付記6)
前記第2情報は、代理応答を示すピックアップ特番と、第1通信端末の識別情報としての電話番号とを含む、
付記3〜5のいずれかに記載された代理応答方法。
【符号の説明】
【0101】
(通信端末)
10…CPU
11…通信制御部
12…プレゼンス処理部
13…操作入力部
14…表示部
15…音声入出力部
16…バス
(SIPサーバ)
20…CPU
21…通信制御部
22…メモリ
23…HDD
24…バス
(プレゼンスサーバ)
40…CPU
41…通信制御部
42…メモリ
43…HDD
44…バス
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末が他の通信端末への着信に対して代理応答する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば会社内の同一グループにおいて複数の電話機等の通信端末が配置されている場合に、そのグループ内のある通信端末への着信に対し、別の通信端末によって代理応答することが可能である。また、この代理応答の利便性を高めることを可能にするために、呼の発信元や各通信端末の表示画面に他の通信端末の動作状態(圏外、待受中、発信中、呼出中、通信中などの状態)を通知するようにした技術が知られている。例えば、通信端末の表示画面上で、他の通信端末の動作状態や発信元をユーザが確認できれば、代理応答をすべきか否かの判断も容易になる。
【0003】
他の通信端末の動作状態を通知する技術の一例として、プレゼンスサーバからの情報に基づき、代理応答端末の表示画面において、受信された着信先の番号に対応する通信端末の識別情報の表示を、着信中であることを示す表示に変更するようにしたものが知られている。この代理応答端末では、ユーザ操作に応じて、表示されたいずれかの通信端末の識別情報を選択し、選択された通信端末に代わって応答する。
【0004】
他の通信端末の動作状態を通知する別の技術の例として、代理応答端末内に、呼制御装置に対して呼出状態にある呼に関わる情報を要求する手段と、呼制御装置から通知された情報に基づいて代理応答する呼を特定した接続要求を発行する手段を備えたものが知られている。呼制御装置から代理応答端末に通知される情報には、呼出中の呼について発信者情報、着信者情報等の情報が含まれる。
【0005】
比較的大規模なシステムでは、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ等の呼制御装置が複数設けられ、各通信端末の電話番号はいずれかの呼制御装置の管理下に置かれる。このようなシステムにおいて、ある通信装置(通信端末)が、自装置と異なる呼制御装置の管理下に置かれている電話番号への着信に対して代理応答できるようにすることが好ましい。その理由としては、第1に、例えば会社内のグループ内のすべてのユーザの通信端末の電話番号が同一の呼制御装置(局)の管理下に置かれているとは限らない点がある。第2に、ユーザによるグループの区分けは短期間で見直されうるが、その都度、ユーザが使用する通信端末の電話番号が属する呼制御装置を切り替えるのは煩雑である点がある。
【0006】
ある通信装置(通信端末)が、自装置と異なる呼制御装置の管理下に置かれている電話番号への着信に対して代理応答できるようにすることに関する技術を以下のものが知られている。すなわち、例えば2つの呼制御システムA,Bが存在する場合に、システムA内の代理応答端末からのピックアップ(代理応答)要求時に、システムAに着呼があればピックアップ制御を行い、無ければシステムAとシステムBをインターワークするシステム間ゲートウェイ装置を介してシステムBに対して発呼を行うようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−34975号公報
【特許文献2】特開2007−174003号公報
【特許文献3】特開2007−243727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
自装置と異なる呼制御装置の管理下に置かれている識別情報(例えば電話番号)への着信に対して代理応答できるようにすることに関する技術の一例を挙げたが、この技術によれば、一方のシステム内の代理応答端末からのピックアップ要求に対して他のシステムに呼出中の呼を検索していくことになる。そのため、この例示の技術では、システム内の呼制御装置の数、つまりユーザが増加するほど、各呼制御装置に対して順に呼出中の呼の検索を行うことになり、代理応答端末が代理応答するまでに相当な時間が掛かると考えられる。
【0009】
よって、発明の1つの側面では、通信端末の識別情報が複数の呼制御装置のいずれかの管理下に置かれている場合に、通信端末が、自装置の識別情報と異なる呼制御装置の管理下に置かれている識別情報を有する通信端末への着信に対して、より短時間で代理応答できるようにした呼制御装置、代理応答方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の観点では、通信端末の識別情報を管理して通信端末間の呼を制御し、他の呼制御装置と通信可能な呼制御装置が提供される。
この呼制御装置は、
各通信端末の識別情報と、自装置を含み通信網に接続されている複数の呼制御装置のうち当該識別情報を管理するいずれかの呼制御装置と、が対応付けられている第1情報を記憶する記憶部;
呼出中の通信端末の識別情報を含む代理応答要求を、識別情報が自装置の管理下にある通信端末から受け、当該要求に応じて上記第1情報を参照して、上記呼出中の通信端末の識別情報を管理する他の呼制御装置を特定する制御部;
制御部によって特定された上記他の呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が上記呼出中の通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信する通信部;
を備える。
【0011】
第2の観点では、通信端末と、通信端末の識別情報を管理するとともに通信端末間の呼を制御する複数の呼制御装置と、各通信端末の動作状態を管理する状態管理サーバと、が通信網によって接続されている通信システムにおいて、通信端末が他の通信端末への着信に対して代理応答する代理応答方法が提供される。
この代理応答方法は、
複数の呼制御装置の各々は、通信網に接続されている通信端末ごとに、識別情報と、識別情報を管理する呼制御装置とが対応付けられている第1情報を予め記憶すること;
識別情報が第1呼制御装置の管理下にある第1通信端末は、自端末の動作状態が待受中から呼出中に変化した場合、自端末の動作状態を状態管理サーバ宛に通知すること;
状態管理サーバは、第1通信端末からの通知に応じて、第1通信端末の識別情報と、第1通信端末の動作状態とを対応付けて記憶すること;
識別情報が第1呼制御装置とは異なる第2呼制御装置の管理下にある第2通信端末は、呼出中の動作状態にある上記第1通信端末の識別情報を状態管理サーバから取得すること;
第2呼制御装置は、第1通信端末の識別情報を含む代理応答要求を第2通信端末から受け、当該要求に応じて上記第1情報を参照して、第1通信端末の識別情報を管理する呼制御装置として上記第1呼制御装置を特定すること;
第2呼制御装置は、特定した第1呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が第1通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信すること;
を含む。
【発明の効果】
【0012】
開示の呼制御装置、代理応答方法によれば、通信端末の識別情報が複数の呼制御装置のいずれかの管理下に置かれている場合に、通信端末は、自装置の識別情報と異なる呼制御装置の管理下に置かれている識別情報を有する通信端末への着信に対して、より短時間で代理応答することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態のシステムの構成を示す図。
【図2】第1の実施形態における代理応答方法の一例を概念的に示す図。
【図3】第1の実施形態の通信端末の構成の主要部を示すブロック図。
【図4】状態要求リストと状態通知リストの内容を示す図。
【図5】第1の実施形態のSIPサーバの構成の主要部を示すブロック図。
【図6】電番分析テーブルの例を示す図。
【図7】第1の実施形態のプレゼンスサーバの構成の主要部を示すブロック図。
【図8】プレゼンスサーバの例を示す図。
【図9】登録端末リストの例を示す図。
【図10】本実施形態のプレゼンスサーバが通信端末から特定のメッセージを受信したときの処理を示すフローチャート。
【図11】本実施形態のプレゼンスサーバが通信端末から特定のメッセージを受信したときの処理を示すフローチャート。
【図12A】第1の実施形態のシステム内の動作を示すフローチャート。
【図12B】第1の実施形態のシステム内の動作を示すフローチャート。
【図13】第1の実施形態の発信端末の動作の一部を示すフローチャート。
【図14】第1の実施形態の着信端末の動作の一部を示すフローチャート。
【図15】第1の実施形態の代理応答端末の動作の一部を示すフローチャート。
【図16A】着信端末の電話番号が収容されているSIPサーバの動作を示すフローチャート。
【図16B】着信端末の電話番号が収容されているSIPサーバの動作を示すフローチャート。
【図17A】代理応答端末の電話番号が収容されているSIPサーバの動作を示すフローチャート。
【図17B】代理応答端末の電話番号が収容されているSIPサーバの動作を示すフローチャート。
【図18A】第2の実施形態のシステム内の動作を示すフローチャート。
【図18B】第2の実施形態のシステム内の動作を示すフローチャート。
【図19】第2の実施形態の代理応答端末の動作の一部を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(1)第1の実施形態
以下、第1の実施形態について説明する。
なお、以下の各実施形態の説明において、電話番号は、通信端末の識別情報の一例である。通信端末の識別情報は特に限定するものではないが、他にIPアドレス等が適用されうる。
【0015】
(1)システム構成
本実施形態のシステム構成を図1に示す。本実施形態のシステムでは、通信網NWに対して、複数のSIPサーバ(局)1,2,3,4,5…と、複数の通信端末(以下、適宜「端末」と略記する。)A,B,C,D,…と、プレゼンスサーバPSとが接続されている。複数の通信端末の各々の電話番号(以下、適宜「電番」と略記する。)は複数のSIPサーバのいずれかの管理下に置かれており、SIPサーバが通信端末間の呼を制御する。プレゼンスサーバPSは、通信網NWに接続されている各通信端末の動作状態(圏外、待受中、発信中、呼出中、通信中などの状態)を管理している。各通信端末は、プレゼンスサーバPSから通信される情報を参照して他の通信端末の動作状態を表示することが可能となっている。各通信端末の通信網NWへの接続形態は特に限定しないが、例えば無線LAN(Local Area Network)または有線LANである。
なお、SIPサーバは呼制御装置の一例であり、プレゼンスサーバは状態管理サーバの一例である。
【0016】
(2)本実施形態における代理応答
本実施形態では、通信端末が、自装置の電話番号と異なるSIPサーバの管理下に置かれている(つまり、異なるSIPサーバに収容されている)電話番号の通信端末への着信に対して代理応答する場合(以下、適宜「局間ピックアップ」という。)を想定する。図2に、本実施形態における代理応答方法の一例を概念的に示す。
【0017】
図2に示す例では、通信端末Aと通信端末Bの電話番号がSIPサーバ5に収容されており、通信端末Cの電話番号がSIPサーバ1に収容されている。このとき、通信端末Aから通信端末Bへ発信された呼(つまり、通信端末Bの着信)に対して、通信端末A,Bとは異なるSIPサーバに属している電話番号の通信端末Cが代理応答する場合を想定する。プレゼンスサーバは、各通信端末から動作状態が変化する度に通知される情報に基づいて、通信端末の電話番号と、その通信端末の動作状態とを対応付けたプレゼンスデータを記憶および更新している。図2において、Subscribeは通信端末からプレゼンスサーバ宛に送信される、通信端末の登録メッセージであり、Notifyはプレゼンスサーバと通信端末の間でプレゼンスデータに変更があった場合に変更された情報について通知するためのメッセージである。一例として通信端末Cの表示画面(プレゼンス表示画面)を示すように、各通信端末では、通信網に接続されている複数の通信端末の動作状態が表示される。図2では「Aさん」に対応して「発信中」と表示された例が示されているが、各通信端末あるいはプレゼンスサーバでは、「Aさん」と電話番号(例えばaaaa)とが対応付けられているものとする。
【0018】
図2において、通信端末Aのユーザが通信端末Bの電話番号であるbbbbをダイヤルすると、SIPサーバ5を経由して通信端末Bが呼出中となり、通信端末Bの動作状態の変化(待受中→呼出中)がプレゼンスサーバへ通知される。この通知に応じて、プレゼンスサーバにてプレゼンスデータが更新されると、その更新されたデータが通信端末Cに通知されて、通信端末Cの表示画面上に表示される(Bさん−呼出中)。この表示内容を見た通信端末Cのユーザが、例えば表示画面上で「Bさん」を選択すると通信端末Cが代理応答処理(ピックアップ処理)を開始する。すなわち、通信端末Cは、ピックアップを表す特番(ピックアップ特番:この実施形態では、一例として「*12」)と、呼出中の電話番号(Bさんの電話番号であるbbbb)とを含むデータ(*12-bbbb;後述するINVITEに含まれる)をSIPサーバ1宛てに送信する。
【0019】
SIPサーバ1は、通信端末Cから受信したデータ(*12-bbbb)を分析することによって、通信端末Cによる代理応答要求であること、および、呼出中の電話番号bbbb(通信端末B)がSIPサーバ1に収容されていることを認識する。この認識処理については後述する。その結果、通信端末Bへの着信に対する通信端末Cの代理応答を行うことを可能にするため、INFOメッセージ(以下、適宜単にINFOという。)を生成してSIPサーバ5宛てに送信する。これによって、SIPサーバ5は通信端末Bの呼出中処理をキャンセルする。その後、SIPサーバ1とSIPサーバ5の間で、代理応答のための呼制御が行われる。
【0020】
(3)システム内の各装置の構成および機能
以下、図3〜11を参照して、本実施形態のシステム内の各装置の構成および機能について説明する。
【0021】
(3−1)通信端末
図3は、本実施形態の通信端末の構成の主要部を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態の通信端末は、CPU10、通信制御部11、プレゼンス処理部12、操作入力部13、表示部14、音声入出力部15、および、データバスおよび制御バスを含むバス16を備える。
CPU10は、通信端末内の各部とバス16によって信号を送受信可能に構成され、通信端末の機能を実現するための全体の制御を行う。
通信制御部11は、CPU10による制御の下で、自端末の電話番号が収容されているSIPサーバとの間で通信網NWを経由してSIP(Session Initiation Protocol)に従ったメッセージの送受信を行う。いったん呼が確立されると、RTP(Real-time Transport Protocol)に従って端末間でデータ転送が行われ、通話における音声の信号処理が音声入出力部15にて行われる。なお、通信制御部11とSIPサーバとの通信は、無線でも有線でもよい。
【0022】
通信制御部11は、CPU10による制御の下で、プレゼンスサーバとの間で通信網NWを経由して、メッセージの送受信を行う。通信制御部11は例えば、自端末の登録メッセージ(Subscribe)の送信、自端末の動作状態の変化についての通知メッセージ(Notify)の送信、あるいは他の端末の動作状態の変化について通知メッセージ(Notify)の受信の処理を行う。なお、通信端末とプレゼンスサーバとの間で通信網に接続されている他の通信端末の動作状態についてのデータ送受信が可能であれば、通信端末とプレゼンスサーバの間の通信に使用される通信プロトコルは問わない。また、通信制御部11とプレゼンスサーバとの通信形態は、無線でも有線でもよい。
【0023】
プレゼンス処理部12は、通信制御部11で受信した、プレゼンスサーバからのメッセージの解析処理、メッセージの解析結果に応じた表示処理、プレゼンスサーバ宛のメッセージの生成処理等を行う。例えば、プレゼンスサーバへ送信するSubscribeには、図4(a)に例示する状態要求リストが含まれる。状態要求リストは、動作状態を取得したい電話番号の一覧を指定した情報である。図4(a)に示す例では、3個の電話番号aaaa, bbbb, ddddについて指定されている。また、プレゼンスサーバから受信するNotifyには、図4(b)に例示する状態通知リストが含まれる。状態通知リストは、状態要求リストを含むSubscribeに応じてプレゼンスサーバから通知されるリストである。図4(b)には、電話番号aaaaの通信端末は「発信中」であり、電話番号bbbbの通信端末は「呼出中」であり、電話番号ddddの通信端末は「圏外」であることが通知される例が示される。
【0024】
また、プレゼンス処理部12は、自端末の動作状態の変化を検出すると、自端末の電話番号と自端末の動作状態とを含むNotifyを生成する。このNotifyは、通信制御部11からプレゼンスサーバ宛に送信される。
【0025】
ある通信端末から送信される状態要求リストに含まれる、動作状態を取得したい電話番号の一覧には、典型的な例としては、その通信端末のユーザと同一グループ内の他の1または複数のユーザの電話番号が含まれる。つまり、一覧には、通信端末のユーザが代理応答する可能性のある他のユーザの通信端末の電話番号が含まれる。例えば、通信端末A(電話番号aaaa)、通信端末B(電話番号bbbb)、通信端末C(電話番号cccc)、通信端末D(電話番号dddd)のユーザが同一グループである場合、図4(a)に示す状態要求リストは、通信端末Cから送信される。
【0026】
CPU10は表示部14を制御し、プレゼンス処理部12で取得した状態通知リストの内容を再構成する等して表示画面(プレゼンス表示画面)に表示する。これにより、通信端末のユーザは、他の通信端末の動作状態を視認することができる。なお、操作入力部13はCPU10と協働して、表示画面に表示された状態の状態通知リストの中から、「呼出中」の通信端末のいずれかを選択操作(代理応答操作)、あるいは所定のピックアップ特番のダイヤル操作(代理応答操作)を受け入れる。
【0027】
CPU10は、「呼出中」の通信端末が選択されると、ピックアップ特番(この実施形態では、一例として「*12」)と、呼出中の電話番号とを含むデータ(図2に示した例では、*12-bbbb)を組み立て、そのデータを含むメッセージを通信制御部11から自端末の電話番号が収容されているSIPサーバ宛てに送信する。
【0028】
(3−2)SIPサーバ
図5は、本実施形態のSIPサーバの構成の主要部を示すブロック図である。図5に示すように、本実施形態のSIPサーバは、CPU20、通信制御部21、メモリ22、HDD(Hard Disk Drive;ハードディスク駆動装置)23、および、データバスおよび制御バスを含むバス24を備える。なお、HDD23には、バックアップのためのデータが記憶されている。
CPU20は、SIPサーバ内の各部とバス24によって信号を送受信可能に構成され、SIPサーバの機能を実現するための全体の制御を行う。CPU20は、制御部の一例である。
通信制御部21は、CPU20による制御の下で、自サーバが管理する電話番号の通信端末との間、および、通信網NWに接続されている他のSIPサーバとの間で、通信網NWを経由してSIPに従ったメッセージの送受信を行う。このとき、CPU20は、メモリ22内の呼処理プログラムを解釈して、通信制御部21に対する制御を含む呼処理(セッション制御処理)を実行する。通信制御部21は、通信部の一例である。
【0029】
メモリ22には、上記呼処理プログラムのほか、電番分析テーブルを含む局データと、端末データとが記憶されている。メモリ22は、記憶部の一例である。
電番分析テーブルには、通信網NWに接続されているすべての通信端末の電話番号と、各電話番号が収容されているSIPサーバとが対応付けられている。また、電番分析テーブルには、特番と、その特番のサービスとが対応付けられている。電番分析テーブルの例を図6に示す。図6(a),(b)に示す例では、それぞれSIPサーバ1,5に含まれる電番分析テーブルの例が示される。図6(a)のSIPサーバ1内の電番分析テーブルの例では、電話番号aaaa,bbbbがSIPサーバ5に収容され、電話番号cccc,ddddがそれぞれ自局収容の(つまり、自サーバ内に収容されている)通信端末C,Dであることを示している。図6(b)のSIPサーバ5内の電番分析テーブルの例では、電話番号cccc,ddddがSIPサーバ1に収容され、電話番号aaaa,bbbbがそれぞれ自局収容の通信端末A,Bであることを示している。また、*12がピックアップサービス、つまり代理応答を示す特番であることが示される。
なお、電番分析テーブルは、第1情報の一例である。
【0030】
端末データは、自サーバが収容している電話番号と、通信網NW上でユニークな識別情報とが対応付けられている。例えば、通信網NWとしてIPネットワークを利用する場合、通信制御部21は、端末データを参照し、電話番号に対応する発信元および着信先のIPアドレスを特定する。
【0031】
自サーバに属している電話番号の通信端末が、他サーバに属している電話番号の通信端末への着信に対して代理応答する機能(局間ピックアップ機能)は、呼処理プログラムをCPU20が解釈して実行することにより実現される。局間ピックアップ機能では、自サーバに属している電話番号の通信端末から、ピックアップ特番(この実施形態では、一例として「*12」)と、呼出中の電話番号とを含むデータ(図2に示した例では、*12-bbbb)を受信すると、そのデータに含まれる番号を、メモリ22内の電番分析テーブルを参照して分析する。例えば、図6(a)に示した例において、SIPサーバ1が、通信端末から*12-bbbbのデータを受信した場合、そのデータが電話番号bbbbに対する代理応答要求であること意味するため、bbbbをキーとして電番分析テーブルを検索する。その結果、SIPサーバ1は、bbbbがSIPサーバ5に収容されていることが分かるため、INFOメッセージ(INFO)を生成してSIPサーバ5宛てに送信する。INFOは、あるSIPサーバが他のSIPサーバに対し、他のSIPサーバに収容されている電話番号の着信に対して代理応答を行うときに送信される。INFOを受信した他のサーバは、そのINFOが示す電話番号に対する呼出の処理をキャンセルする等、代理応答についての所定の手続きを行う。
INFOメッセージは、第2情報の一例である。
【0032】
(3−3)プレゼンスサーバ
図7は、本実施形態のプレゼンスサーバの構成の主要部を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態のプレゼンスサーバは、CPU40、通信制御部41、メモリ42、HDD43、および、データバスおよび制御バスを含むバス44を備える。なお、HDD43には、バックアップのためのデータが記憶されている。
CPU40は、プレゼンスサーバ内の各部とバス44によって信号を送受信可能に構成され、プレゼンスサーバの機能を実現するための全体の制御を行う。
【0033】
通信制御部41は、CPU40による制御の下で、通信網NWに接続されている複数の通信端末との間で、通信網NWを経由してメッセージの送受信を行う。通信制御部41は例えば、各通信端末からの登録メッセージ(Subscribe)の受信、各通信端末の動作状態の変化についての通知メッセージ(Notify)の受信、あるいは各通信端末の動作状態の変化について通知メッセージ(Notify)の送信の処理を行う。
【0034】
CPU40は、メモリ42内のプレゼンスサービスプログラムを解釈して実行することにより、通信網NWに接続されている各通信端末に対してプレゼンスサービス機能を提供する。プレゼンスサービス機能には、各通信端末の登録、各通信端末からの他の通信端末の動作状態の要求に対する応答などが含まれる。例えば、CPU40は、通信制御部41で受信した、通信端末からのメッセージの解析処理、メッセージの解析結果に応じた処理、通信端末宛のメッセージの生成処理等を行う。例えば、通信制御部41が受信するSubscribeには、図4(a)に例示した状態要求リストが含まれる。また、通信端末宛に送信するNotifyには、図4(b)に例示した状態通知リストが含まれる。
【0035】
メモリ42には、上記プレゼンスサービスプログラムのほか、プレゼンスデータと、端末登録リストとが記憶されている。プレゼンスデータは、プレゼンスサーバに登録している電話番号と、その電話番号の通信端末の動作状態(圏外、待受中、発信中、呼出中、通信中などの状態)とが対応付けられたデータであり、その一例を図8に示す。CPU40は、各通信端末から動作状態が変化する度に送信されるNotifyに基づいて、プレゼンスデータの内容を更新する。また、CPU40は、通信端末から状態要求リストを受信すると、プレゼンスデータを参照して、状態要求リストで指定された通信端末の動作状態を取得して、通信端末宛の状態通知リストを生成する。
【0036】
登録端末リストは、Subscribeを送信した通信端末の電話番号と、Subscribeに含まれる状態要求リストに含まれる電話番号とが対応付けられているデータであり、その一例を図9に示す。図9に示す例では、例えば前述したように、通信端末A(電話番号aaaa)、通信端末B(電話番号bbbb)、通信端末C(電話番号cccc)、通信端末D(電話番号dddd)のユーザが同一グループである場合が想定されている。このとき、登録端末リストでは、電話番号aaaaと、同一グループ内の他の電話番号(bbbb, cccc, dddd)とが対応付けられる。
【0037】
以下、通信端末からメッセージを受信したときにCPU40によって実行される処理について、図10および図11を参照して説明する。図10は、通信端末からSubscribeを受信したときの処理である。図11は、通信端末からNotifyを受信したときの処理である。
図10において、プレゼンスサーバのCPU40は、通信端末からSubscribeを受信すると(ステップS10のYes)、登録端末リストを更新する。つまり、Subscribeには、状態要求リスト(図4(a)参照)が含まれているので、CPU40は、Subscribeを送信した通信端末の電話番号と、リスト内で指定されている電話番号とを、登録端末リスト内で対応付ける。次にCPU40は、プレゼンスデータを参照して、受信したSubscribe内の登録端末リストの各電話番号に対応した動作状態を取得する。そして、CPU40は、指定された電話番号に対応した動作状態を含む状態通知リスト(図4(b)参照)を生成し(ステップS13)、この状態通知リストを含むNotifyを、ステップS10でSubscribeを送信した通信端末へ送信する(ステップS14)。
【0038】
図11において、プレゼンスサーバのCPU40は、通信端末からNotifyを受信すると(ステップS20のYes)、プレゼンスデータを更新する。つまり、Notifyには、ステップS20でNotifyを送信した通信端末の電話番号と、その通信端末の動作状態とが含まれているので、これらの情報に基づいてCPU40はプレゼンスデータを更新する(ステップS21)。その後、CPU40は通信制御部41を制御して、SIPに従ったメッセージである200 OKを通信端末宛に返送する(ステップS22)。次に、ステップS20でNotifyを送信した通信端末の動作状態の変化を、例えば、その通信端末の電話番号と同一グループ内の他の電話番号の通信端末へ通知するために、登録端末リストが参照される。他の電話番号の通信端末への通知は、更新された状態通知リストを含むNotifyが使用される(ステップS23)。
【0039】
(4)システム内の動作および各装置の動作
以下、図12A〜17Bを参照して、本実施形態のシステム内の局間ピックアップ時の動作、および各装置の局間ピックアップ時の動作について説明する。
図12A,図12Bは、本実施形態のシステム内の動作を示すフローチャートである。図13は、発信端末Aの動作の一部を示すフローチャートである。図14は、着信端末Bの動作の一部を示すフローチャートである。図15は、代理応答端末(ピックアップ端末)Cの動作の一部を示すフローチャートである。図16A,図16Bは、以下の説明におけるSIPサーバ5(着信端末Bの電話番号が収容されているSIPサーバ)の動作を示すフローチャートである。図17A,図17Bは、以下の説明におけるSIPサーバ1(代理応答端末Cの電話番号が収容されているSIPサーバ)の動作を示すフローチャートである。
なお、以下の説明では、発信端末Aと着信端末Bの電話番号はSIPサーバ5に収容されており、代理応答端末Cの電話番号はSIPサーバ1に収容されているものとする。また、以下の説明において、着信端末Bは第1通信端末の一例であり、SIPサーバ5は第1呼制御装置の一例である。代理応答端末Cは第2通信端末の一例であり、SIPサーバ1は第2呼制御装置の一例である。
【0040】
以下では、基本的に、図12A,図12Bのフローを参照して全体の動作を時系列上で説明しつつ、適宜個々の装置の動作を補足的に付すことにする。また、各図では、SIPで定義されているメッセージを以下のとおり簡略的に記載してある。
【0041】
・100…100 Trying (受信完了を知らせ、INVITEの再送を止める)
・180…180 Ringing (呼出中)
・200…200 OK (要求が成功したことを示す)
・4xx…リクエスト失敗
・404…404 Not Found (ユーザが見つからないことを示す)
・INVITE…セッション開始
・CANCEL…キャンセル
・ACK…セッション確立確認
・BYE…セッション終了
【0042】
ステップS100:
先ず、通信網に接続されている端末A,B,Cは、状態要求リストを含むSubscribeをプレゼンスサーバ宛に送信する。状態要求リストでは、各端末が動作状態を取得したい電話番号の一覧が指定される。ここでは、端末A,B,Cのユーザが同一グループ内である場合を想定する。この場合、端末Aは、動作状態を取得したい電話番号として、端末Bの電話番号(bbbb)と端末C(cccc)の電話番号を指定する。端末Bは、動作状態を取得したい電話番号として、端末Aの電話番号(aaaa)と端末C(cccc)の電話番号を指定する。端末Cは、動作状態を取得したい電話番号として、端末Aの電話番号(aaaa)と端末B(bbbb)の電話番号を指定する。各端末からSubscribeを受信したプレゼンスサーバは、端末A〜Cを登録、つまり登録端末リスト(図9参照)を更新し、各端末宛に200を返す。
【0043】
ステップS110:
ここで、端末Aのユーザがbbbb(端末Bの電話番号)のダイヤル操作を行う。
【0044】
ステップS120:
ステップS110のダイヤル操作により、端末Aは電話番号bbbbを指定したINVITEをSIPサーバ5宛てに送信し、SIPサーバ5は端末Aに100を返す(図13のステップS30,S31、図16AのステップS60,S61)。
【0045】
ステップS130:
ステップS120の処理により、端末Aの動作状態は「待受中」から「発信中」へ動作状態が変化したので、端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図13のステップS32)。プレゼンスサーバでは、端末Aの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Aの動作状態の変化を他の端末B,Cに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末B,C宛に送信し、その後、端末B,Cから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0046】
ステップS140:
SIPサーバ5は、ステップS120で端末Aから送信されたINVITEに含まれる電話番号を分析して着信先が電話番号bbbbであることが分かると、電話番号bbbbの端末B宛てにINVITEを送信する(図16AのステップS62,S63)。端末BはこのINVITEを受信する(図14のステップS40)。このINVITEに応じて端末Bは、100および180(呼出中)をSIPサーバ5宛てに送信する(図14のステップS41,S42)。SIPサーバ5は、端末Bから100および180を受信する(図16AのステップS64,S65)。端末Bから180を受信すると、SIPサーバ5は、180を発信端末A宛に送信する。端末Aは、この180を受信する(図13のステップS33)。これにより、端末Aにおいて所定の発信音出力がなされ、端末Aが「発信中」であることが端末Aのユーザに認識される(図13のステップS34)。このようにして、発信端末Aから着信端末Bへの呼出中の状態となる(図14のステップS43、図16AのステップS66)。
【0047】
なお、図12Aには記載されていないが、ここで仮に、SIPサーバ5が端末Aから200を受信したならば(図16AのステップS67)、端末Aと端末Bの間で通信中(通話中)の状態となる(図16AのステップS68)。
【0048】
ステップS150:
ステップS140の処理により、端末Bの動作状態は「待受中」から「呼出中」へ動作状態が変化したので、端末Bは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図14のステップS44)。プレゼンスサーバでは、端末Bの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Bの動作状態の変化を他の端末A,Cに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末A,C宛に送信し、その後、端末A,Cから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0049】
ステップS160:
端末Cにおいてプレゼンス表示画面が表示される(図15のステップS50)。ここで、端末Cのユーザは、プレゼンス表示画面上で端末Bが「呼出中」であることを視認し、端末Bを選択する操作を行うこと等によって(図15のステップS51のYES)、コールピックアップ、すなわち、端末Bへの着信に対して代理応答する操作を行う。
【0050】
ステップS170:
ステップS160の操作により、端末Cは、ピックアップ特番である*12と、代理応答対象の電話番号(ここでは、端末Bのbbbb)とを順に組み立てた電番のデータ(*12-bbbb)を含むINVITEを生成する(図15のステップS52)。端末CはそのINVITEをSIPサーバ1宛てに送信する(図15のステップS53)。SIPサーバ1は、端末CからのINVITEを受信するとともに、端末C宛に100を返信する(図17AのステップS80,S81)。端末CがSIPサーバ1から100を受信する(図15のステップS54)。
なお、ここで端末Cから送信されるINVITEは、代理応答要求の一例である。
【0051】
ステップS180:
ステップS170の処理により、端末Cの動作状態は「待受中」から「発信中」へ動作状態が変化したので、端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図15のステップS55)。プレゼンスサーバでは、端末Cの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Cの動作状態の変化を他の端末A,Bに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末A,B宛に送信し、その後、端末A,Bから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0052】
ステップS190:
SIPサーバ1は、ステップS170で端末Cから受信したINVITEに含まれる電番のデータ(*12-bbbb)を、メモリ22内の電番分析テーブルを参照して分析する(図17AのステップS82)。具体的には、SIPサーバ1は、INVITEに含まれる電番のデータ(*12-bbbb)の先頭のコードが“*12”でない場合には(図17AのステップS83のNO)、例えば局内通話等の通常の呼処理を行い、先頭のコードが“*12”である場合には(図17AのステップS83のYES)、さらに後続コードを分析する(図17AのステップS85)。つまり、後続コード(本実施形態の場合には“bbbb”)が示す電話番号が自局収容の電話番号であるか否か判定する(図17AのステップS86)。つまり、SIPサーバ1は電番分析テーブルを参照して、後続コードが示す電話番号が収容されているSIPサーバを特定する。以上の分析結果から、SIPサーバ1は、端末Cから受信したINVITEに含まれる電番のデータ(*12-bbbb)が、他局(SIPサーバ5)の電話番号bbbbに対する局間ピックアップの要求であることを認識する。
【0053】
なお、図12Aおよび図12Bには示していないが、仮に後続コードが示す電話番号bbbbが自局収容の電話番号であると判定した場合には(図17AのステップS87)、SIPサーバ1において以下の局内ピックアップ処理が行われる。すなわち、SIPサーバ1は、自局収容の電話番号bbbbの端末Bに対してCANCELを送信し、端末Aおよび端末C宛に200を送信し、端末Aおよび端末CからACKを受信する処理を経て、端末A,C間で通信中となる(図17AのステップS87〜S90)。
【0054】
ステップS200:
SIPサーバ1は、ステップS190における分析結果に基づいて、INFOメッセージ(INFO)を生成し(図17BのステップS91)、bbbbの電話番号が収容されているSIPサーバ5宛てに送信する(図17BのステップS92)。SIPサーバ5はINFOを受信する(図16AのステップS69)。INFOには、bbbbの電話番号に対する代理応答要求(pickup,bbbb)を示すデータが含まれている。
【0055】
ステップS210:
SIPサーバ5は、SIPサーバ1からINFOを受信し、INFOの内容がbbbbの電話番号(つまり、自局収容の電話番号)に対する代理応答要求であることを認識すると(図16BのステップS70のYES)、通信端末Bの呼出中処理をキャンセルするためのメッセージであるCANCELを端末B宛に送信する(図16BのステップS72)。端末Bは、SIPサーバ5からCANCELを受信すると(図14のステップS45)、200をSIPサーバ5宛てに送信する(図14のステップS46)。SIPサーバ5は、端末Bから200を受信すると、SIPサーバ1宛てに200を送信する(図16BのステップS73)。SIPサーバ1では、SIPサーバ5から信号を受信し、その受信信号が200であることを認識する(図17BのステップS93、S94のYES)。
【0056】
なお、INFOの内容が自局収容の電話番号でない場合には(図16BのステップS70のNO)、SIPサーバ5は、SIPサーバ1宛てに404を送信し(図16BのステップS71)、端末Aから端末Bを呼出中の状態(図16AのステップS66)へ戻る。
【0057】
ステップS220:
ステップS210の処理により、端末Bの動作状態は「呼出中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、端末Bは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。プレゼンスサーバでは、端末Bの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Bの動作状態の変化を他の端末A,Cに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末A,C宛に送信し、その後、端末A,Cから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0058】
ステップS230:
SIPサーバ5は、ステップS210における200の送信に次いで、INFOの送信元サーバであるSIPサーバ1宛てにINVITEを送信する(図16BのステップS74)。SIPサーバ1は、SIPサーバ5からINVITEを受信するとともに(図17BのステップS96)、このINVITE受信に応じてSIPサーバ5宛てに100を送信する。SIPサーバ5は、SIPサーバ1から100を受信する(図16BのステップS75)。
【0059】
ステップS240:
SIPサーバ1は、ステップS230におけるINVITEの受信に対する200をSIPサーバ5宛てに送信するとともに(図17BのステップS97)、ステップS170におけるINVITEの受信に対する200を代理応答端末C宛に送信する。SIPサーバ5はSIPサーバ1から200を受信し(図16BのステップS76)、端末CはSIPサーバ1から200を受信する(図15のステップS56)。
また、SIPサーバ5は、SIPサーバ1から200を受信すると、ステップS120におけるINVITEの受信に対する200を発信端末A宛に送信する。端末Aは、SIPサーバ5から200を受信する(図13のステップS35)。
200を受信したSIPサーバ5、端末AおよびCはそれぞれ、200の送信元宛にACKを送信する(図16BのステップS77、図17BのステップS98)。
ステップS230およびS240の処理を経て、発信端末Aと代理応答端末Cの間で呼が確立される。
【0060】
ステップS250:
ステップS230およびS240の処理により、端末Cの動作状態は「発信中」から「通信中」へ動作状態が変化したので、端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図15のステップS57)。プレゼンスサーバでは、端末Cの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Cの動作状態の変化を他の端末A,Bに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末A,B宛に送信し、その後、端末A,Bから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0061】
ステップS260:
ステップS230およびS240の処理により、端末Aの動作状態は「発信中」から「通信中」へ動作状態が変化したので、端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図13のステップS36)。プレゼンスサーバでは、端末Aの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Aの動作状態の変化を他の端末B,Cに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末B,C宛に送信し、その後、端末B,Cから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0062】
ステップS270:
発信端末Aと代理応答端末Cの間で呼が確立されると、端末A,C間で、RTP(Real-time Transport Protocol)に基づくデータ通信が行われ、いわゆる通話中の状態となる(図13のステップS37、図15のステップS58、図16BのステップS78、図17BのステップS99)。
【0063】
ステップS280:
端末A,C間で通信が終了すると、端末AはSIPサーバ5宛てにBYEを送信し、SIPサーバ5はSIPサーバ1宛てにBYEを送信し、SIPサーバ1は端末C宛にBYEを送信する。
【0064】
ステップS290:
ステップS280でBYEを受信した端末Cの動作状態は「通信中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。プレゼンスサーバでは、端末Cの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Cの動作状態の変化を他の端末A,Bに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末A,B宛に送信し、その後、端末A,Bから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0065】
ステップS300:
ステップS280のBYEの送信に応じて、受信元はBYEの送信元に対して200を送信する。
【0066】
ステップS310:
ステップS300で200を受信した端末Aの動作状態は「通信中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。プレゼンスサーバでは、端末Aの動作状態の変化に基づきプレゼンスデータを更新するとともに、端末Aの動作状態の変化を他の端末B,Cに通知するため、端末状態通知リストを含むNotifyを端末B,C宛に送信し、その後、端末B,Cから200を受信する。これにより、各端末におけるプレゼンス表示画面が更新される。
【0067】
以上、本実施形態のシステム内の局間ピックアップ時の動作、および各装置の局間ピックアップ時の動作について詳述した。上述したとおり、本実施形態の代理応答方法によれば、通信網に対して複数のSIPサーバ(局)が接続されたシステムにおいて、各SIPサーバは、システム内の各電話番号と、電話番号が収容されているSIPサーバとを対応付けた電番分析テーブルを備えている。そして、SIPサーバは、自局に収容されている電話番号の通信端末から局間ピックアップの要求があった場合には、電番分析テーブルを参照して呼出中の電話番号が収容されているSIPサーバを特定し、その特定したSIPサーバとの間で呼の中継処理を行う。そのため、代理応答対象の電話番号について他の複数のSIPサーバを個別に検索する必要がなく、局間ピックアップの処理を短時間で完了させることができる。
【0068】
(2)第2の実施形態
以下、第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態の代理応答方法では、予め代理応答端末Cがプレゼンスサーバに自端末の登録を行い、プレゼンスデータに基づいて表示されるプレゼンス表示画面上で、端末Cのユーザが代理応答のための所定の操作を行うことを契機として代理応答処理が開始される。これに対し、本実施形態の代理応答方法では、代理応答端末Cは、予めプレゼンスサーバに自端末の登録を行わず、端末Cのユーザが代理応答のための所定のダイヤル操作(代理応答操作)を行うことを契機として代理応答処理が開始される。例えば、他の呼出中の端末の鳴動動作を知覚して、端末Cのユーザが代理応答のための所定のダイヤル操作を行う場合が想定されている。
【0069】
以下、図18A〜19を参照して、本実施形態のシステム内の局間ピックアップ時の動作、および各装置の局間ピックアップ時の動作について説明する。図18A,図18Bは、本実施形態のシステム内の動作を示すフローチャートである。図19は、代理応答端末(ピックアップ端末)Cの動作の一部を示すフローチャートである。
第1の実施形態と同様、以下の説明では、発信端末Aと着信端末Bの電話番号はSIPサーバ5に収容されており、代理応答端末Cの電話番号はSIPサーバ1に収容され、端末A,B,Cのユーザが同一グループ内である場合を想定する。
【0070】
ステップS400:
先ず、端末A,Bは、自端末の登録要求を含むSubscribeをプレゼンスサーバ宛に送信する。端末A,BからSubscribeを受信したプレゼンスサーバは、端末A,Bを登録、つまり登録端末リスト(図9参照)を更新し、各端末宛に200を返す。
なお、図18Aおよび図18Bに示すフローチャートにおいて、プレゼンスサーバは以後、登録した通信端末からの通知に応じて通信端末の動作状態を更新するが、特定の通信端末の動作状態の変化を他の通信端末宛に通知しない場合が想定されている。
また、図18Aおよび図18Bに示すフローチャートでは、代理応答端末Cが代理応答処理を行うときに初めてプレゼンスサーバに登録して状態通知リストを取得する場合が示されているが、この限りではない。端末Cが予めプレゼンスサーバに登録されていてもよいし、代理応答処理後継続的に状態通知リストを取得するようにしてもよい。
【0071】
ステップS410:
ここで、端末Aのユーザがbbbbのダイヤル操作を行う。
【0072】
ステップS420:
ステップS410のダイヤル操作により、端末Aは電話番号bbbbを指定したINVITEをSIPサーバ5宛てに送信し、SIPサーバ5は端末Aに100を返す。
【0073】
ステップS430:
ステップS420の処理により、端末Aの動作状態は「待受中」から「発信中」へ動作状態が変化したので、端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。プレゼンスサーバではNotifyの受信に応じて、200を端末Aに返す。
【0074】
ステップS440:
SIPサーバ5は、ステップS420で端末Aから送信されたINVITEに含まれる電話番号を分析して着信先が電話番号bbbbであることが分かると、電話番号bbbbの端末B宛てにINVITEを送信する。端末BはこのINVITEを受信する。このINVITEに応じて端末Bは、100をSIPサーバ5宛てに送信する。SIPサーバ5は、端末Bから100を受信する。
【0075】
ステップS450:
ステップS440の処理により、端末Bの動作状態は「待受中」から「呼出中」へ動作状態が変化したので、端末Bは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。プレゼンスサーバではNotifyの受信に応じて、200を端末Bに返す。
【0076】
ステップS460:
SIPサーバ5は、端末Bから180が送信されてくると、発信端末A宛に180を送信する。このようにして、発信端末Aから着信端末Bへの呼出中の状態となる。
【0077】
ステップS470:
この時点で、端末Cのユーザは、着信端末Bの鳴動動作を知覚して所定のダイヤル操作(ここでは、ピックアップ特番を示す“*12”)を行う。このダイヤル操作、すなわち代理応答操作は、端末Bの操作入力部13を経てCPU10に認識される。
【0078】
ステップS480:
ピックアップ特番を示す所定のダイヤル操作を認識した端末Cは、状態要求リストを含むSubscribeをプレゼンスサーバ宛に送信する(図19のステップS800)。状態要求リストでは、動作状態を取得したい電話番号の一覧が指定される。ここでは、端末A,B,Cのユーザが同一グループ内である場合を想定されているため、端末Cは、動作状態を取得したい電話番号として、端末Aの電話番号(aaaa)と端末B(bbbb)の電話番号を指定する。端末CからSubscribeを受信したプレゼンスサーバは、端末Cを登録、つまり登録端末リスト(図9参照)を更新し、端末C宛に200を返す。
プレゼンスサーバは、Subscribeを受信すると、Subscribe内の状態要求リストで指定された端末A,Bの動作状態を含む状態通知リスト(例えば図4(b)参照)を含むNotifyを端末C宛に送信する。端末Cは、プレゼンスサーバから状態通知リストを含むNotifyを受信する(図19のステップS801)。
端末Cは、プレゼンスサーバからNotifyを受信すると、それ以降では、状態通知リストの受信は必ずしも必要ないので、そのリスト送信を止めるためのメッセージであるUnsubscribeをプレゼンスサーバ宛に送信し、プレゼンスサーバから200を受信する。
【0079】
ステップS490:
端末Cは、ステップS470のダイヤル操作に応じて、プレゼンスサーバから受信した状態通知リストの中で、「呼出中」の端末(本実施形態では、bbbbの電話番号の通信端末)あるいはその電話番号を特定する(図19のステップS802)。さらに、端末Cは、その「呼出中」の端末への着信に対するコールピックアップ、すなわち、端末Bへの着信に対して代理応答する処理を行うことを決定する。
【0080】
ステップS500:
端末Cは、ピックアップ特番である*12と、代理応答対象の電話番号(ここでは、端末Bのbbbb)とを順に組み立てた電番のデータ(*12-bbbb)を含むINVITEを生成する(図19のステップS803)。端末CはそのINVITEをSIPサーバ1宛てに送信する(図19のステップS804)。SIPサーバ1は、端末CからのINVITEを受信するとともに、端末C宛に100を返信する。端末CがSIPサーバ1から100を受信する(図19のステップS805)。
【0081】
ステップS510:
ステップS500の処理により、端末Cの動作状態は「待受中」から「発信中」へ動作状態が変化したので、端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図19のステップS806)。プレゼンスサーバではNotifyの受信に応じて、200を端末Cに返す。
【0082】
ステップS590〜S710
図18Aおよび図18BにおけるステップS590以降の処理は、図12Aおよび図12BにおけるステップS190以降の処理と実質的に同一であるので、以下では簡略化して説明する。
【0083】
SIPサーバ1は、ステップS500で端末Cから受信したINVITEに含まれる電番のデータ(*12-bbbb)を、メモリ22内の電番分析テーブルを参照して分析する(ステップS590)。その結果、SIPサーバ1は、端末Cから受信したINVITEに含まれる電番のデータ(*12-bbbb)が、他局(SIPサーバ5)の電話番号bbbbに対する局間ピックアップの要求であることを認識する。
SIPサーバ1は、ステップS590における分析結果に基づいて、INFOメッセージ(INFO)を生成し、bbbbの電話番号が収容されているSIPサーバ5宛てに送信する(ステップS600)。INFOには、bbbbの電話番号に対する代理応答要求(pickup,bbbb)を示すデータが含まれている。
【0084】
SIPサーバ5は、通信端末Bの呼出中処理をキャンセルするためのメッセージであるCANCELを端末B宛に送信し、端末Bから200を受信する。さらに、SIPサーバ5は、端末Bから200を受信すると、SIPサーバ1宛てに200を送信する(ステップS610)。これにより、端末Bの動作状態は「呼出中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、端末Bは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(ステップS620)。
【0085】
SIPサーバ5は、ステップS610における200の送信に次いで、INFOの送信元サーバであるSIPサーバ1宛てにINVITEを送信し、SIPサーバ1から100を受信する(ステップS630)。
【0086】
次に、以下のステップS640の処理が行われる。すなわち、SIPサーバ1は、ステップS630におけるINVITEの受信に対する200をSIPサーバ5宛てに送信するとともに、ステップS500におけるINVITEの受信に対する200を代理応答端末C宛に送信する。SIPサーバ5はSIPサーバ1から200を受信し、端末CはSIPサーバ1から200を受信する(図19のステップS807)。また、SIPサーバ5は、SIPサーバ1から200を受信すると、ステップS420におけるINVITEの受信に対する200を発信端末A宛に送信する。200を受信したSIPサーバ5、端末AおよびCはそれぞれ、200の送信元宛にACKを送信する。
【0087】
ステップS630およびS640の処理を経て、発信端末Aと代理応答端末Cの間で呼が確立される。その結果、端末Cの動作状態は「発信中」から「通信中」へ動作状態が変化したので、ステップS650において端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する(図19のステップS808)。同様にして、端末Aの動作状態は「発信中」から「通信中」へ動作状態が変化したので、ステップS660において端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。
【0088】
発信端末Aと代理応答端末Cの間で呼が確立されると、ステップS670において端末A,C間でRTPに基づくデータ通信が行われ、いわゆる通話中の状態となる(図19のステップS809)。端末A,C間で通信が終了すると、ステップS680に示すように、端末AはSIPサーバ5宛てにBYEを送信し、SIPサーバ5はSIPサーバ1宛てにBYEを送信し、SIPサーバ1は端末C宛にBYEを送信する。ステップS680でBYEを受信した端末Cの動作状態は「通信中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、端末Cは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。
【0089】
ステップS700では、ステップS680のBYEの受信元は、BYEの送信元に対して200を送信する。ステップS700で200を受信した端末Aの動作状態は「通信中」から「待受中」へ動作状態が変化したので、ステップS710において端末Aは、その状態変化を示すNotifyをプレゼンスサーバ宛に送信する。
【0090】
以上、本実施形態のシステム内の局間ピックアップ時の動作、および各装置の局間ピックアップ時の動作について詳述した。上述したとおり、本実施形態の代理応答方法によれば、第1の実施形態と同様に、SIPサーバは、自局に収容されている電話番号の通信端末から局間ピックアップの要求があった場合には、電番分析テーブルを参照して呼出中の電話番号が収容されているSIPサーバを特定し、その特定したSIPサーバとの間で呼の中継処理を行う。そのため、代理応答対象の電話番号について他の複数のSIPサーバを個別に検索する必要がなく、局間ピックアップの処理を短時間で完了させることができる。
【0091】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の呼制御装置、代理応答方法は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
【0092】
例えば、上述した各実施形態では、発信端末Aと着信端末Bの電話番号が同一のSIPサーバに収容されている場合について説明したが、両者が異なるSIPサーバに収容されている場合についても、同様の局間ピックアップ機能を実現させることができる。
例えば、上述した各実施形態において、仮に着信端末Bの電話番号がSIPサーバ4に収容されている場合、電話番号がSIPサーバ1に収容されている端末Cから代理応答することができる。具体的には、図12AのステップS140において、SIPサーバ5は、SIPサーバ4(図示せず)宛てにINVITEを送信し、SIPサーバ4が端末B宛にINVITEを送信する。また、図12AのステップS200において、SIPサーバ1は、着信端末Bの電話番号がSIPサーバ4に収容されていることを認識した後、そのSIPサーバ4(図示せず)宛てにINFOを送信する。
【0093】
上述した各実施形態では、代理応答端末からSIPサーバ宛に送信されるINVITE、および、SIPサーバ間で送受信されるINFOには、ピックアップ特番と呼出中の電話番号を直列に組み立てたデータ(実施形態の例では、*12-bbbb)が含まれるが、このデータ構成は一例に過ぎない。装置間でなされる特定のプロトコルに従い、受信側において、代理応答であることと、代理対象の電話番号(識別情報)とが認識可能であれば、そのデータ構成(データフォーマット)は問わない。
【0094】
以上の各実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0095】
(付記1)
通信端末の識別情報を管理して通信端末間の呼を制御し、他の呼制御装置と通信可能な呼制御装置であって、
各通信端末の識別情報と、自装置を含み通信網に接続されている複数の呼制御装置のうち当該識別情報を管理するいずれかの呼制御装置と、が対応付けられている第1情報を記憶する記憶部と、
呼出中の通信端末の識別情報を含む代理応答要求を、識別情報が自装置の管理下にある通信端末から受け、当該要求に応じて前記第1情報を参照して、前記呼出中の通信端末の識別情報を管理する他の呼制御装置を特定する制御部と、
前記制御部によって特定された前記他の呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が前記呼出中の通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信する通信部と、
を備えた、呼制御装置。
【0096】
(付記2)
前記第2情報は、代理応答を示すピックアップ特番と、第1通信端末の識別情報としての電話番号とを含む、
付記1に記載された呼制御装置。
【0097】
(付記3)
通信端末と、通信端末の識別情報を管理するとともに通信端末間の呼を制御する複数の呼制御装置と、各通信端末の動作状態を管理する状態管理サーバと、が通信網によって接続されている通信システムにおいて、通信端末が他の通信端末への着信に対して代理応答する代理応答方法であって、
複数の呼制御装置の各々は、通信網に接続されている通信端末ごとに、識別情報と、識別情報を管理する呼制御装置とが対応付けられている第1情報を予め記憶し、
識別情報が第1呼制御装置の管理下にある第1通信端末は、自端末の動作状態が待受中から呼出中に変化した場合、自端末の動作状態を状態管理サーバ宛に通知し、
状態管理サーバは、第1通信端末からの通知に応じて、第1通信端末の識別情報と、第1通信端末の動作状態とを対応付けて記憶し、
識別情報が第1呼制御装置とは異なる第2呼制御装置の管理下にある第2通信端末は、呼出中の動作状態にある前記第1通信端末の識別情報を状態管理サーバから取得し、
第2呼制御装置は、第1通信端末の識別情報を含む代理応答要求を第2通信端末から受け、当該要求に応じて前記第1情報を参照して、第1通信端末の識別情報を管理する呼制御装置として前記第1呼制御装置を特定し、
第2呼制御装置は、特定した第1呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が第1通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信する、
ことを含む、代理応答方法。
【0098】
(付記4)
第2通信端末は、1または複数の通信端末の識別情報を指定して状態管理サーバに予め通知し、
状態管理サーバは、第2通信端末の識別情報と、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末の識別情報とを対応付けて記憶し、
状態管理サーバは、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末のいずれかの動作状態が変化する度に、当該動作状態の変化を第2通信端末に対して通知する、
ことをさらに含む、付記3に記載された代理応答方法。
【0099】
(付記5)
第2通信端末は、1または複数の通信端末の識別情報を指定して状態管理サーバに予め通知し、
状態管理サーバは、第2通信端末の識別情報と、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末の識別情報とを対応付けて記憶し、
第2通信端末は、自端末に対する所定の代理応答操作に応じて、状態管理サーバに対し、前記1または複数の通信端末の各々の動作状態の通知を要求し、
第2通信端末は、状態管理サーバから通知された動作状態の中で呼出中の状態の通信端末の識別情報を特定する、
ことをさらに含む、付記3に記載された代理応答方法。
【0100】
(付記6)
前記第2情報は、代理応答を示すピックアップ特番と、第1通信端末の識別情報としての電話番号とを含む、
付記3〜5のいずれかに記載された代理応答方法。
【符号の説明】
【0101】
(通信端末)
10…CPU
11…通信制御部
12…プレゼンス処理部
13…操作入力部
14…表示部
15…音声入出力部
16…バス
(SIPサーバ)
20…CPU
21…通信制御部
22…メモリ
23…HDD
24…バス
(プレゼンスサーバ)
40…CPU
41…通信制御部
42…メモリ
43…HDD
44…バス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末の識別情報を管理して通信端末間の呼を制御し、他の呼制御装置と通信可能な呼制御装置であって、
各通信端末の識別情報と、自装置を含み通信網に接続されている複数の呼制御装置のうち当該識別情報を管理するいずれかの呼制御装置と、が対応付けられている第1情報を記憶する記憶部と、
呼出中の通信端末の識別情報を含む代理応答要求を、識別情報が自装置の管理下にある通信端末から受け、当該要求に応じて前記第1情報を参照して、前記呼出中の通信端末の識別情報を管理する他の呼制御装置を特定する制御部と、
前記制御部によって特定された前記他の呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が前記呼出中の通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信する通信部と、
を備えた、呼制御装置。
【請求項2】
通信端末と、通信端末の識別情報を管理するとともに通信端末間の呼を制御する複数の呼制御装置と、各通信端末の動作状態を管理する状態管理サーバと、が通信網によって接続されている通信システムにおいて、通信端末が他の通信端末への着信に対して代理応答する代理応答方法であって、
複数の呼制御装置の各々は、通信網に接続されている通信端末ごとに、識別情報と、識別情報を管理する呼制御装置とが対応付けられている第1情報を予め記憶し、
識別情報が第1呼制御装置の管理下にある第1通信端末は、自端末の動作状態が待受中から呼出中に変化した場合、自端末の動作状態を状態管理サーバ宛に通知し、
状態管理サーバは、第1通信端末からの通知に応じて、第1通信端末の識別情報と、第1通信端末の動作状態とを対応付けて記憶し、
識別情報が第1呼制御装置とは異なる第2呼制御装置の管理下にある第2通信端末は、呼出中の動作状態にある前記第1通信端末の識別情報を状態管理サーバから取得し、
第2呼制御装置は、第1通信端末の識別情報を含む代理応答要求を第2通信端末から受け、当該要求に応じて前記第1情報を参照して、第1通信端末の識別情報を管理する呼制御装置として前記第1呼制御装置を特定し、
第2呼制御装置は、特定した第1呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が第1通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信する、
ことを含む、代理応答方法。
【請求項3】
第2通信端末は、1または複数の通信端末の識別情報を指定して状態管理サーバに予め通知し、
状態管理サーバは、第2通信端末の識別情報と、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末の識別情報とを対応付けて記憶し、
状態管理サーバは、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末のいずれかの動作状態が変化する度に、当該動作状態の変化を第2通信端末に対して通知する、
ことをさらに含む、請求項2に記載された代理応答方法。
【請求項4】
第2通信端末は、1または複数の通信端末の識別情報を指定して状態管理サーバに予め通知し、
状態管理サーバは、第2通信端末の識別情報と、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末の識別情報とを対応付けて記憶し、
第2通信端末は、自端末に対する所定の代理応答操作に応じて、状態管理サーバに対し、前記1または複数の通信端末の各々の動作状態の通知を要求し、
第2通信端末は、状態管理サーバから通知された動作状態の中で呼出中の状態の通信端末の識別情報を特定する、
ことをさらに含む、請求項2に記載された代理応答方法。
【請求項1】
通信端末の識別情報を管理して通信端末間の呼を制御し、他の呼制御装置と通信可能な呼制御装置であって、
各通信端末の識別情報と、自装置を含み通信網に接続されている複数の呼制御装置のうち当該識別情報を管理するいずれかの呼制御装置と、が対応付けられている第1情報を記憶する記憶部と、
呼出中の通信端末の識別情報を含む代理応答要求を、識別情報が自装置の管理下にある通信端末から受け、当該要求に応じて前記第1情報を参照して、前記呼出中の通信端末の識別情報を管理する他の呼制御装置を特定する制御部と、
前記制御部によって特定された前記他の呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が前記呼出中の通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信する通信部と、
を備えた、呼制御装置。
【請求項2】
通信端末と、通信端末の識別情報を管理するとともに通信端末間の呼を制御する複数の呼制御装置と、各通信端末の動作状態を管理する状態管理サーバと、が通信網によって接続されている通信システムにおいて、通信端末が他の通信端末への着信に対して代理応答する代理応答方法であって、
複数の呼制御装置の各々は、通信網に接続されている通信端末ごとに、識別情報と、識別情報を管理する呼制御装置とが対応付けられている第1情報を予め記憶し、
識別情報が第1呼制御装置の管理下にある第1通信端末は、自端末の動作状態が待受中から呼出中に変化した場合、自端末の動作状態を状態管理サーバ宛に通知し、
状態管理サーバは、第1通信端末からの通知に応じて、第1通信端末の識別情報と、第1通信端末の動作状態とを対応付けて記憶し、
識別情報が第1呼制御装置とは異なる第2呼制御装置の管理下にある第2通信端末は、呼出中の動作状態にある前記第1通信端末の識別情報を状態管理サーバから取得し、
第2呼制御装置は、第1通信端末の識別情報を含む代理応答要求を第2通信端末から受け、当該要求に応じて前記第1情報を参照して、第1通信端末の識別情報を管理する呼制御装置として前記第1呼制御装置を特定し、
第2呼制御装置は、特定した第1呼制御装置宛に、識別情報が自装置の管理下にある通信端末が第1通信端末への着信に対して代理応答することを示す第2情報を送信する、
ことを含む、代理応答方法。
【請求項3】
第2通信端末は、1または複数の通信端末の識別情報を指定して状態管理サーバに予め通知し、
状態管理サーバは、第2通信端末の識別情報と、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末の識別情報とを対応付けて記憶し、
状態管理サーバは、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末のいずれかの動作状態が変化する度に、当該動作状態の変化を第2通信端末に対して通知する、
ことをさらに含む、請求項2に記載された代理応答方法。
【請求項4】
第2通信端末は、1または複数の通信端末の識別情報を指定して状態管理サーバに予め通知し、
状態管理サーバは、第2通信端末の識別情報と、第2通信端末によって指定された前記1または複数の通信端末の識別情報とを対応付けて記憶し、
第2通信端末は、自端末に対する所定の代理応答操作に応じて、状態管理サーバに対し、前記1または複数の通信端末の各々の動作状態の通知を要求し、
第2通信端末は、状態管理サーバから通知された動作状態の中で呼出中の状態の通信端末の識別情報を特定する、
ことをさらに含む、請求項2に記載された代理応答方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【公開番号】特開2012−169720(P2012−169720A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26717(P2011−26717)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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