説明

呼吸器疾患の処置のためのビフェニルオキシ酢酸誘導体

本発明は、呼吸器疾患を処置する有用な薬学的化合物としての置換フェノキシ酢酸類、それらを含む医薬組成物、およびその製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器疾患を処置する有用な薬学的化合物としての置換フェノキシ酢酸類、それらを含む医薬組成物、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
WO 2004 089884 および WO 2004 089885 は、CRTh2受容体に活性である一連のフェノキシ酢酸類を開示している。WO 2004 089884 および WO 2004 089885 の一般的な範囲内であるが、その中で特に開示されていない特定の化合物が、驚くべきことに、動物種において良好な薬物動態学的性質を有すると共に、CRTh2受容体に高い力価を示すこと、そしてその結果、喘息およびCOPDを含む種々の呼吸器疾患の処置に有用である可能性があると期待されることが見出された。
【発明の開示】
【0003】
第1の態様において、本発明は、従って、式(I):
【化1】

[式中、
AおよびDは、水素、ハロゲン、ニトリル、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ(後二者の基は所望により1個以上のハロゲン原子によって置換され得る)から独立して選択され;
Xは、ハロゲンまたはC1−3アルキルであり、これは、所望により1個以上のハロゲン原子によって置換されており;
Yは結合であり;
Zは、アリールまたはヘテロアリールであり、これらは、水素、ハロゲン、ニトリル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、SO1−6アルキル、ヘテロアリールから選択される1個以上の基によって置換されており;後四者の基は、所望によりハロゲン原子、ニトリルまたはSO1−6アルキルによって置換されていてもよく;
およびRは、独立して、水素原子またはC1−3アルキル基を表すか、
あるいは、RおよびRは、一体となって、所望によりO、S、NRから選択される1個以上の原子を含む3員環〜8員環を形成することができ、またそれ自体、所望により1個以上のC−Cアルキルによって置換されており;そして
は、水素またはC−Cアルキルである。]
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0004】
本明細書の内容において、別記しない限り、アルキル基または置換基中のアルキル部分は、直鎖であっても分枝であってもよい。
アリールは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルと定義される。
ヘテロアリールは、5員〜7員の芳香環と定義されるか、または、所望によりN、S、Oから選択される1個以上のヘテロ原子を含む6,6−もしくは6,5−縮合二環式環であり得る。該二環式環は、炭素または窒素を介して結合していても5員環もしくは6員環を介して結合していてもよく、また完全にもしくは部分的に飽和であり得る。
【0005】
例は、ピリジン、ピリミジン、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、フラン、イソオキサゾール、ピロール、イソチアゾールおよびアズレン、ナフチル、インデン、キノリン、イソキノリン、インドール、インドリジン、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、1H−インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、プリン、4H−キノリジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8−ナフチリジン、プテリジン、キノロンおよび1,2−メチレンジオキシベンゼンを含む。
【0006】
好ましくは、Xは、クロロ、フルオロまたはメチルである。
好ましくは、基:SO−Y−Zは、フェニル環の4位に存在する。
【化2】

【0007】
より好ましくは、基:SO−Y−Zは、フェニル環の4位に存在し、基Aおよび基Dの両方に対してオルト位である。
【化3】

【0008】
最も好ましくは、基:SO−Y−Zは、フェニル環の4位に存在し、基Aに対してオルト位であり、基Dに対してメタ位である。
【化4】

【0009】
好ましくは、基AおよびDは、独立して、水素、ハロゲンまたはC1−3アルキル(後者は、所望によりハロゲン原子によって置換されている)であり;より好ましくは、Aは、水素、ハロゲンまたはCFであり;Dは、水素、ハロゲンまたはメチルであり;最も好ましくは、AおよびDは、水素およびハロゲンから独立して選択される。
【0010】
好ましくは、RおよびRは、独立して、水素またはC1−3アルキルであり、より好ましくは、水素またはメチルである。
好ましくは、Yは、結合である。
【0011】
好ましくは、Zは、所望によりハロゲンまたはC1−6アルコキシによって置換されているフェニルであり;より好ましくは、Zは、所望によりハロゲンによって置換されているフェニルであり;最も好ましくは、Zは、所望によりフルオロによって置換されているフェニルである。
【0012】
本発明の望ましい化合物は、次に掲げるものを含む。
{[5−クロロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
{[3',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
(2S)−2−{[3',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸;
({5−クロロ−3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
{[2',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
{[5−クロロ−2'−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
{[5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)−3'−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
(2S)−2−({5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸;
({5−クロロ−2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
(2S)−2−({5−クロロ−2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸;
(2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(2−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸;
(2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸;
(2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸;
({5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2'−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
(2S)−2−{[2'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸;
({3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
({5−クロロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
({4'−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−3',5−ジフルオロビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
(2S)−2−{[3'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸;
({4'−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−2',5−ジフルオロビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
({2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
{[3'−フルオロ−5−メチル−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
{[5−クロロ−3',5'−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
およびその薬学的に許容される塩。
【0013】
特定の式(I)の化合物は、立体異性体の形態で存在し得る。本発明は、式(I)の化合物の全ての幾何および光学異性体、ならびにラセミ体を含むその混合物を含むと理解されるであろう。互変異性体およびその混合物もまた、本発明の態様を形成する。
【0014】
上記の式(I)の化合物は、その薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物に、好ましくは塩基付加塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、ベンザチン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エタノールアミン塩、エチルジアミン塩、tert−ブチルアミン塩、メグルミン塩、トロメタミン塩またはプロカイン塩)、または酸付加塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩)に変換されてもよい。
【0015】
本発明の製造において、出発物質または中間体化合物中の特定の官能基が保護基によって保護される必要があり得ると、当業者によって認められるであろう。従って、式(I)の化合物の製造は、適切な段階で、1個以上の保護基の除去を含み得る。保護基の保護および脱保護は、‘Protective Groups in Organic Chemistry', edited by J. W. F. McOmie, Plenum Press (1973)、および‘Protective Groups in Organic Synthesis', 3rd edition, T. W. Greene & P. G. M. Wuts, Wiley-Interscience (1999)に詳細に記載されている。
【0016】
式(I)の化合物は、式(II)の化合物を加水分解することによって製造され得る。
【化5】

ここで、X、A、D、Y、Z、RおよびRは、式(I)で定義した通りであるか、または保護された誘導体である。Rは、C−C10アルキル基である。適当な基Rは、メチル、エチルまたはtert−ブチルを含む。エステル基Rの加水分解は、慣用の手順を用いて、例えばメチルおよびエチルエステルを水性水酸化ナトリウムで処理すること、そしてtert−ブチル エステルを酸(例えばトリフルオロ酢酸)で処理することによって行われ得る。
【0017】
式(II)の化合物は、式(III)の化合物を式(IV)の化合物と反応させることによって製造され得る。
【化6】

ここで、X、A、D、Y、Z、R、Rは式(I)で定義した通りであるか、または保護された誘導体である。Lは、適当な脱離基、例えばハロまたは活性化アルコールであり、特に塩素、臭素またはトシレートである。該反応は、適当な溶媒(例えばアセトニトリルまたはDMF)中で、塩基(例えば炭酸カリウムなど)を用いて行われ得る。Lはまた、ヒドロキシであってもよく、その場合、Mitsunobu反応は、化合物(II)と共に、例えばトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルを用いて行われ得る。式(II)の化合物は新規であり、本発明のさらなる部分を形成する。
【0018】
式(III)の化合物は、式(V)の化合物を脱保護することによって製造され得る。
【化7】

ここで、X、A、D、YおよびZは、式(I)で定義した通りであるか、または保護された誘導体である。Rは、適当な保護基、例えばベンジルまたはC1−6アルキル(例えばメチル)である。保護基Rは、適当な脱アルキル化剤(例えばBBr)を用いて、適当な溶媒(例えばDCMなど)中で除去され得る。Rがベンジルであるならば、それはまた、標準的な水素化条件を用いて、例えば密封した容器中で、水素雰囲気下、適当な有機溶媒中のパラジウム/炭を用いて除去され得る。式(V)の化合物は新規であり、本発明のさらなる部分を形成する。
【0019】
式(III)の化合物および式(V)の化合物は、式(VI)の化合物または式(VII)の化合物を、式(VIII)の化合物と、Suzukiカップリング反応により反応させ、続いてRを脱保護することによって製造され得る。
【化8】

ここで、X、A、D、YおよびZは、式(I)で定義した通りであるか、またはその保護された誘導体であり、Rは、式(V)の化合物で定義した通りである。Lは、適当な脱離基、例えばハロまたは活性化アルコールであり;適当には、ブロモ、ヨードまたはトリフレートである。式(VI)の化合物は、市販されているか、または WO 2004 089884およびWO 2004 089885に先に記載された通りに製造され得る。
【0020】
上記の段階はまた、反対にし得る。例えば、式(V)の化合物は、式(VIa)の化合物を式(VIIIa)の化合物と、suzukiカップリング反応を用いて反応させ、続いて上で記載した通りに保護基を除去することによって製造され得る。
【化9】

ここで、X、A、D、YおよびZは、式(I)で定義した通りであるか、またはその保護された誘導体であり、L、RおよびRは上で記載した通りである。
【0021】
式(VIII)の化合物は、式(IX)の化合物を式(X)の化合物と反応させることによって製造され得る。
【化10】

ここで、A、D、YおよびZは、式(I)で定義した通りであるか、またはその保護された誘導体であり、Lは上で記載した通りである。
【0022】
該反応は、マイクロ波で、高温で、または式(IX)の化合物を式(X)の化合物と共に高温で、例えば還流条件で加熱することによって、熱的に行われ得る。該反応は、ルイス酸触媒、例えば塩化鉄(III)を用いて行われる。
【0023】
式(VIII)の化合物はまた、下に記載した通りに形成され得る。
【化11】

ここで、A、DおよびZは式(I)で定義した通りであるか、またはその保護された誘導体であり、Lは、上で記載した適当な脱離基である。該チオールは、塩化スルフリルと、適当な有機溶媒(例えばジクロロメタン)中で、低温で、好ましくは0℃で反応させることによって二量化される。あるいは、該チオールは、ヘキサメチルジシラザンおよびDMSOと、適当な有機溶媒(例えばアセトニトリル)中で反応させることによって二量化される。次いで、ジスルフィド生成物は、式(XI)のハロゲン化アリールと、特にヨウ化アリール化合物と、標準的なグリニャール・カップリング条件を用いて反応させ得る。次いで、得られたスルフィドは、当業者に既知の標準的な酸化方法を用いて、例えばジクロロメタン中でmCPBAと反応させることなどによって酸化させ得る。
【0024】
あるいは、式(VIII)の化合物はまた、ジスルフィドから、式(VIV)のアニリンと、ジアゾ化条件を用いて、好ましくは適当な溶媒(例えばアセトニトリル)中で亜硝酸イソアミルを用いて、高温で、反応させることによって形成され得る。得られたスルフィドを、上で記載した通りに酸化した。
【化12】

ここで、A、DおよびZは式(I)で定義した通りであるか、またはその保護された誘導体であり、Lは、上で記載した適当な脱離基である。
式(VIV)の化合物は、市販されているか、または文献の方法を用いて当業者によって容易に製造され得る。
【0025】
さらなる態様において、本発明は、治療に使用するための、式(I)の化合物、またはそのプロドラッグ、薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、医薬として、特にCRTh2受容体活性のモジュレーターとして活性を有し、そしてPGDおよびその代謝物の過剰もしくは非制御産生によって増悪するまたは引き起こされる、ヒトおよび非ヒト動物における状態/疾患の処置(治療のまたは予防の)に用いられ得る。
【0026】
本発明の化合物またはその薬学的許容される塩は、次に掲げる処置に用いられ得る。
1. 呼吸器:
次に掲げるものを含む閉塞性気道疾患:喘息(気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、運動誘発性喘息、薬物誘発性喘息(アスピリン誘発性およびNSAID誘発性を含む)、および塵埃誘発性喘息を含む)(断続性および持続性の両方を含み、全ての重篤度を含み、そして他の原因の気道過敏症を含む);慢性閉塞性肺疾患(COPD);気管支炎(感染性および好酸球性気管支炎を含む);肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;肺線維症(原因不明線維化肺胞炎を含む)、特発性間質性肺炎、抗悪性腫瘍治療および慢性感染(結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染を含む)と共存する線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管性および血栓性疾患、ならびに肺高血圧;鎮咳活性(気道の炎症性および分泌性状態を伴う慢性咳ならびに医原性咳の処置を含む);急性および慢性鼻炎(薬物性鼻炎および血管運動神経性鼻炎を含む);通年性および季節性アレルギー性鼻炎(神経性鼻炎(枯草熱)を含む);鼻腔ポリープ症;急性ウイルス性感染(普通の風邪、ならびに呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染を含む);
【0027】
2. 骨および関節:
骨関節炎/骨関節症を伴うもしくは含む関節炎(原発性および続発性の両方を含む)(例えば先天性骨盤形成異常);頸椎炎および腰椎炎、および腰痛および頚部痛;リウマチ性関節炎およびスティル病;血清反応陰性脊椎関節症(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、および未分化型脊椎関節症を含む);化膿性関節炎、および他の感染関連関節症および骨異常(例えば結核)(ポット病およびポンセット症候群(Poncet's syndrome)を含む);急性および慢性結晶誘発性滑膜炎(尿酸性痛風を含む)、ピロリン酸カルシウム堆積疾患、およびカルシウム アパタイト関連腱(calcium apatite related tendon)、滑液包および滑膜の炎症;ベーチェット病;原発性および続発性シェーグレン症候群;全身性硬化症および限局性強皮症;全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、および未分化結合組織病;炎症性筋疾患(皮膚筋炎および多発性筋炎を含む);リウマチ性多発筋痛症;若年性関節炎(特発性炎症性関節炎(関節の位置および関連症候群にかかわりなく)を含む)、およびリウマチ熱とその全身性合併症;脈管炎(巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発性動脈炎、顕微鏡的多発性動脈炎(microscopic polyarteritis)、およびウイルス感染に関連する脈管炎を含む)、過敏反応、クリオグロブリン、およびパラプロテイン;腰痛;家族性地中海熱、Muckle-Wells症候群、および家族性アイルランド熱、菊池病;薬物誘発性関節痛、腱炎(tendonititides)、および筋疾患;
【0028】
3. 疼痛および傷害(例えばスポーツ傷害)もしくは疾患による筋骨格障害の結合組織再構成:
関節炎(例えばリウマチ性関節炎、骨関節炎、痛風、もしくは結晶関節症(crystal arthropathy))、他の関節疾患(例えば椎間板変性もしくは顎関節変性)、骨再構成疾患(例えば骨粗鬆症、パジェット病、もしくは骨壊死)、多発性軟骨炎、強皮症、混合性結合組織病、脊椎関節症、または歯周病(例えば歯根膜炎);
【0029】
4. 皮膚:
乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、もしくは他の湿疹性皮膚疾患、および遅延型過敏反応;植物性および光線性皮膚炎;脂漏性皮膚炎、ヘルペス状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性浮腫、脈管炎、中毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭症、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;蜂巣織炎(感染性および非感染性の両方を含む);皮下脂肪組織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫皮膚癌および他の形成異常病変;薬物誘発性疾患(特定薬疹を含む);
【0030】
5. 眼:
眼瞼炎;結膜炎(通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む);虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に影響を及ぼす自己免疫性、変性もしくは炎症性疾患;眼炎(交感神経性眼炎を含む);サルコイドーシス;感染(ウイルス性、真菌性および細菌性を含む);
【0031】
6. 消化器:
舌炎、歯肉炎、歯周病;食道炎(逆流性を含む);好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、大腸炎(潰瘍性大腸炎を含む)、直腸炎、肛門掻痒症;セリアック病、過敏性腸症候群、および腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎もしくは湿疹);
【0032】
7. 腹部:
肝炎(自己免疫性、アルコール性およびウイルス性を含む);肝臓の線維症および肝硬変;胆嚢炎;膵炎(急性および慢性の両方を含む);
【0033】
8. 泌尿生殖器:
腎炎(間質性腎炎および糸球体腎炎を含む);ネフローゼ症候群;膀胱炎(急性膀胱炎および慢性(間質性)膀胱炎を含む)およびHunner潰瘍;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰膣炎;ペイロニー病;勃起不全(男性および女性の両方を含む);
【0034】
9. 同種移植片拒絶反応:
例えば腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚もしくは角膜の移植後の、または輸血後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;
【0035】
10. CNS:
アルツハイマー病および他の認知症となる疾患(CJDおよびnvCJDを含む);アミロイド症;多発性硬化症および他の脱髄性症候群;脳動脈硬化症および脈管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;急性および慢性疼痛(急性、断続性もしくは持続性、中枢由来もしくは末梢由来の何れか)(内臓痛、頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、非定型顔面痛、関節痛および骨痛を含む)、癌および腫瘍浸潤に由来する疼痛、神経因性疼痛症候群(糖尿病性、ヘルペス後、およびHIV関連神経障害を含む);神経サルコイドーシス;悪性、感染性もしくは自己免疫疾患の中枢および末梢神経系合併症;
【0036】
11. 次に掲げるものを含む他の自己免疫性およびアレルギー疾患:橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群;
【0037】
12. 炎症要因もしくは免疫学的要因を伴う他の疾患(後天性免疫不全症候群(AIDS)、ハンセン病、セザリー症候群、および腫瘍随伴症候群を含む);
【0038】
13. 循環器:
冠血管および末梢循環に影響を及ぼすアテローム動脈硬化症;心外膜炎;心筋炎、炎症性および自己免疫性心筋症(心筋サルコイドを含む);虚血性再灌流傷害;心内膜炎、弁膜炎、および大動脈炎(感染性(例えば梅毒性)を含む);脈管炎;近位および末梢静脈の疾患(静脈炎、および血栓症(深部静脈血栓症および静脈瘤の合併症を含む)を含む);
【0039】
14. 腫瘍:
前立腺癌、乳癌、肺癌、子宮癌、膵臓癌、腸および結腸の癌、胃癌、皮膚癌、および脳腫瘍、ならびに骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖系に影響する悪性腫瘍(例えばホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫)を含む、一般的な癌の処置(転移性疾患および腫瘍再発および新生物随伴症候群の予防および処置を含む);
【0040】
15. 消化器:
セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的腸炎(microscopic colitis)、不定型腸炎(indeterminant colitis)、過敏性腸疾患、過敏性腸症候群、非炎症性下痢、腸から離れた部位に発現する食物関連アレルギー(例えば偏頭痛、鼻炎および湿疹);および
16. PGDまたはその代謝物のレベルの上昇に関連する疾患。
【0041】
従って、本発明は、治療に使用するための上で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を提供する。
好ましくは、本発明の化合物は、ケモカイン受容体がCRTh2受容体サブファミリーに属する疾患を処置するために用いられる。
【0042】
本発明の化合物で処置され得る特定の状態は、喘息、鼻炎およびPGDまたはその代謝物のレベルが上昇する他の疾患である。本発明の化合物は、喘息を処置するために用いられることが望ましい。
【0043】
さらなる態様において、本発明は、治療に使用する医薬の製造における、上で定義した式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物の使用を提供する。
【0044】
さらなる態様において、本発明は、喘息および鼻炎を処置するために用いられる薬物(例えば吸入および経口ステロイド、吸入β2−受容体アゴニストおよび経口ロイコトリエン受容体アンタゴニスト)と組み合わせた治療に使用する医薬の製造における、上で定義した式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物の使用を提供する。
【0045】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは本発明の化合物を含む医薬組成物または製剤が、列挙された1種以上の状態を処置する別の治療薬(複数を含む)と同時にまたは連続して、または組み合わせ製剤として投与される組み合わせ治療に関する。
【0046】
特に、炎症性疾患、例えばリウマチ性関節炎、骨関節炎、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、および炎症性腸疾患(これらに制限されない)を処置するために、本発明の化合物は、下記の薬剤と組み合わせ得る:
局所または全身に適用される非選択的シクロオキシゲナーゼ COX―1/COX−2阻害剤を含む非ステロイド性抗炎症剤(以後NSAIDとする)(例えばピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸類、例えばナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、およびイブプロフェン、フェナメート類、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン、ピラゾロン類、例えばフェニルブタゾン、サリチレート類、例えばアスピリン);選択的COX−2阻害剤(例えばメロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルマロコキシブ(lumarocoxib)、パレコキシブ、およびエトリコキシブ);シクロオキシゲナーゼ阻害一酸化窒素ドナー(CINOD);グルココルチコステロイド(局所、経口、筋肉内、静脈内、もしくは関節内の経路によって投与される);メトトレキサート;レフルノミド(leflunomide);ヒドロキシクロロキン;d−ペニシラミン;オーラノフィン、または他の非経腸もしくは経口の金製剤;鎮痛剤;ジアセレイン;関節内治療、例えばヒアルロン酸誘導体;および栄養剤、例えばグルコサミン。
【0047】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、α−、β−、およびγ−インターフェロンを含む、サイトカインまたはサイトカイン機能のアゴニストもしくはアンタゴニスト(サイトカインシグナル伝達経路に作用する薬剤、例えばSOCS系のモジュレーターを含む);I型インシュリン様成長因子(IGF−1);IL 1から17を含むインターロイキン(IL)、およびインターロイキン アンタゴニストもしくは阻害剤、例えばアナキンラ(anakinra);腫瘍壊死因子α(TNF−α)阻害剤、例えば抗TNFモノクローナル抗体(例えばインフリキシマブ;アダリムマブ、およびCDP-870)、および免疫グロブリン分子(例えばエタネルセプト)を含むTNF受容体アンタゴニスト、および低分子量薬剤、例えばペントキシフィリンとの組み合わせに関する。
【0048】
さらに、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、B−リンパ球(例えば CD20 (リツキシマブ)、MRA-aILl6R およびTリンパ球、CTLA4-Ig、HuMax Il-15)を標的としたモノクローナル抗体との組み合わせに関する。
【0049】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、ケモカイン受容体機能のモジュレーター、例えばCCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、およびCCR11(C−Cファミリーにおいて);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、およびCXCR5(C−X−Cファミリーにおいて)、およびCXCR1(C−X−Cファミリーにおいて)のアンタゴニストとの組み合わせに関する。
【0050】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、マトリックス・メタロプロテイナーゼ(MMP)、すなわちストロメライシン、コラゲナーゼ、およびゼラチナーゼ、およびアグリカナーゼ;特にコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメライシン−1(MMP−3)、ストロメライシン−2(MMP−10)、およびストロメライシン−3(MMP−11)、およびMMP−9、およびMMP−12の阻害剤(例えばドキシサイクリンなどの薬剤を含む)との組み合わせに関する。
【0051】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、ロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤、または5−リポキシゲナーゼ活性化蛋白質(FLAP)アンタゴニスト、例えばジロートン(zileuton);ABT-761;フェンレウトン(fenleuton);テポキサリン;Abbott-79175;Abbott-85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド類;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン類;メトキシテトラヒドロピラン類、例えば Zeneca ZD-2138;化合物 SB-210661;ピリジニル置換 2−シアノナフタレン化合物、例えば L-739,010;2−シアノキノリン化合物、例えば L-746,530;インドールもしくはキノリン化合物、例えば MK-591、MK-886、および BAY x 1005 との組み合わせに関する。
【0052】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、フェノチアジン−3−オン類、例えば L-651,392 からなる群から選択される、ロイコトリエン(LT) B4、LTC4、LTD4、およびLTE4における受容体アンタゴニスト;アミジノ化合物、例えば CGS-25019c;ベンゾキサラミン類(benzoxalamine)、例えばオンタゾラスト(ontazolast);ベンゼンカルボキシイミドアミド類、例えば BIIL 284/260;および化合物、例えばザフィルルカスト、アブルカスト(ablukast)、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(verlukast)(MK-679)、RG-12525、Ro-245913、イラルカスト(CGP 45715A)、および BAY x 7195 との組み合わせに関する。
【0053】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、テオフィリンおよびアミノフィリンを含むホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、例えばメチルキサンタニン類(methylxanthanine);PDE4阻害剤、PDE4Dのアイソフォームの阻害剤、もしくはPDE5の阻害剤を含む選択的PDEイソ酵素阻害剤との組み合わせに関する。
【0054】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、ヒスタミン1型受容体アンタゴニスト、例えばセチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アクリバスチン、テルフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、レボカバスチン、クロルフェニラミン、プロメタジン、シクリジン、またはミゾラスチン(経口、局所、もしくは非経腸で適応される)との組み合わせに関する。
【0055】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、プロトンポンプ阻害剤(例えばオメプラゾール)または胃保護ヒスタミン2型受容体アンタゴニストとの組み合わせに関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、ヒスタミン4型受容体アンタゴニストとの組み合わせに関する。
【0056】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、α−1/α−2 アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮交感神経興奮薬、例えばプロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、シュードエフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリン、塩酸トラマゾリン、または塩酸エチルノルエピネフリンとの組み合わせに関する。
【0057】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、ムスカリン受容体(M1、M2およびM3)アンタゴニストを含む抗コリン作用薬、例えばアトロピン、ヒヨスチン、グリコピロレート、臭化イプラトロピウム、臭化チオトロピウム、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピンまたはテレンゼピンとの組み合わせに関する。
【0058】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、β−アドレナリン受容体アゴニスト(β−受容体サブタイプ1−4を含む)、例えばイソプレナリン、サルブタモール、フォルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、メシル酸ビトルテロール、またはピルブテロール、またはそのキラルなエナンチオマーとの組み合わせに関する。
【0059】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、クロモン類、例えばクロモグリク酸ナトリウムもしくはネドクロミル ナトリウムとの組み合わせに関する。
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、グルココルチコイド、例えばフルニソリド、トリアムシノロン アセトニド、ベクロメタゾン ジプロピオネート、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニド、またはフランカルボン酸モメタゾンとの組み合わせに関する。
【0060】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、核ホルモン受容体調節剤、例えばPPARとの組み合わせに関する。
【0061】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、免疫グロブリン(Ig)またはIg製剤またはIg機能を調節するアンタゴニストもしくは抗体、例えば抗−IgE(例えばオマリズマブ)との組み合わせに関する。
【0062】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、他の全身もしくは局所適用抗炎症剤、例えばサリドマイドもしくはその誘導体、レチノイド、ジトラノール、またはカルシポトリオールとの組み合わせに関する。
【0063】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、アミノサリチレート類およびスルファピリジン、例えばスルファサラジン、メサラジン、バルサラジド、およびオルサラジン;および免疫調節剤、例えばチオプリン類、およびコルチコステロイド、例えばブデソニドとの組み合わせに関する。
【0064】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、抗菌剤、例えばペニシリン誘導体、テトラサイクリン類、マクロライド類、β−ラクタム類、フルオロキノロン類、メトロニダゾール、吸入アミノグリコシド;アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル、アマンタジン、リマンタジン、リバビリン、ザナミビルおよびオセルタミビルを含む抗ウイルス剤;プロテアーゼ阻害剤、例えばインジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、およびサキナビル;ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビン、またはジドブジン;または非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばネビラピンもしくはエファビレンツとの組み合わせに関する。
【0065】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、心血管薬、例えばカルシウム・チャネル・ブロッカー、β−アドレナリン受容体ブロッカー、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン−2受容体アンタゴニスト;抗高脂血薬、例えばスタチン類もしくはフィブレート類;血液細胞形態のモジュレーター、例えばペントキシフィリン;血栓溶解剤、または抗凝血剤、例えば血小板凝集阻害剤との組み合わせに関する。
【0066】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、CNS薬、例えば抗うつ剤(例えばセルトラリン)、抗パーキンソン病薬(例えばデプレニル、L-dopa、ロピニロール、プラミペキソール、MAOB阻害剤、例えばセレギリン(selegine)およびラサジリン)、comP阻害剤(例えばタスマー(tasmar))、A−2阻害剤、ドーパミン再取り込み阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチン アゴニスト、ドーパミン アゴニスト、もしくは神経型一酸化窒素合成酵素阻害剤、または抗アルツハイマー薬(例えばドネペジル、リバスチグミン、タクリン)、COX−2阻害剤、プロペントフィリン、またはメトリホネート(metrifonate)との組み合わせに関する。
【0067】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、急性もしくは慢性疼痛の処置のための薬剤、例えば中枢作用性もしくは末梢作用性鎮痛剤(例えばオピオイドもしくはその誘導体)、カルバマゼピン、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム、アミトリプチン(amitryptiline)、または他の抗うつ剤、アセトアミノフェン、または非ステロイド性抗炎症剤との組み合わせに関する。
【0068】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、非経腸もしくは局所適用(吸入を含む)局所麻酔薬、例えばリグノカインもしくはその誘導体との組み合わせに関する。
本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩はまた、ホルモン剤、例えばラロキシフェン、またはビホスホネート、例えばアレンドロネートを含む抗骨粗鬆症剤との組み合わせに用いられ得る。
【0069】
本発明は、さらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩と、
(i) トリプターゼ阻害剤;
(ii) 血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;
(iii) インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;
(iv) IMPDH阻害剤;
(v) VLA−4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤;
(vi) カテプシン;
(vii) キナーゼ阻害剤、例えばチロシンキナーゼ(例えばBtk、Itk、Jak3、もしくはMAP)阻害剤(例えば、ゲフィチニブ、イマチニブ メシレート)、セリン/トレオニン キナーゼ阻害剤(MAPキナーゼ(例えばp38、JNK、プロテイン キナーゼ A、BもしくはC、またはIKK)阻害剤)、または細胞周期制御に関するキナーゼ(例えばサイクリン依存性キナーゼ)の阻害剤;
(viii) グルコース−6 ホスフェート デヒドロゲナーゼ阻害剤;
(ix) キニン−B.sub1.−もしくは−B.sub2.−受容体アンタゴニスト;
(x) 抗痛風剤、例えばコルヒチン;
(xi) キサンチン オキシダーゼ阻害剤、例えばアロプリノール;
(xii) 尿酸排泄剤、例えばプロベネシド、スルフィンピラゾンまたはベンズブロマロン;
(xiii) 成長ホルモン分泌促進物質;
(xiv) トランスフォーミング成長因子(TGFβ);
(xv) 血小板由来成長因子(PDGF);
(xvi) 線維芽細胞成長因子、例えば塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF);
(xvii) 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);
(xviii) カプサイシン クリーム;
(xix) タキキニン NK.sub1.もしくはNK.sub3.受容体アンタゴニスト、例えば NKP-608C、SB-233412 (talnetant) もしくは D-4418;
(xx) エラスターゼ阻害剤、例えば UT-77 もしくは ZD-0892;
(xxi) TNF−α変換酵素(TACE)阻害剤;
(xxii) 誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤;
(xxiii) TH2細胞で発現される化学誘引物質受容体相同分子(例えばCRTH2アンタゴニスト);
(xxiv) P38阻害剤;
(xxv) トール様受容体(TLR)機能調節剤;
(xxvi) プリン受容体(例えばP2X7)の活性調節剤;または
(xxvii) 転写因子活性化阻害剤、例えばNFkB、API、もしくはSTATS;
との組み合わせに関する。
【0070】
本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩はまた、癌の処置のための現存する治療薬との組み合わせに用いられ得る。例えば、適当な薬剤は次に掲げるものを含む:
(i) 例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェン マスタード、メルファラン、クロランブシル、ブスルファン、もしくはニトロソ尿素);代謝拮抗剤(例えば葉酸代謝拮抗剤、例えばフルオロピリミジン(5−フルオロウラシルもしくはテガフールなど))、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシン アラビノシド、ヒドロキシ尿素、ゲムシタビン、もしくはパクリタキセル;抗腫瘍抗生物質(例えばアントラサイクリン類(例えばアドリアマイシン)、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、もしくはミトラマイシン(mithramycin));有糸分裂阻害剤(例えばビンカ アルカロイド(例えばビンクリスチン)、ビンブラスチン、ビンデシンもしくはビノレルビン、またはタキソイド類(taxoid)(例えばタキソールもしくはタキソテール);またはトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン(例えばエトポシド)、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、もしくはカンプトテシン)などの内科的腫瘍学で用いられる抗増殖/抗腫瘍薬またはそれらの組み合わせ;
【0071】
(ii) 細胞分裂停止剤、例えば抗エストロゲン剤(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン(droloxifene)、もしくはヨードキシフェン(iodoxyfene))、エストロゲン受容体下方制御因子(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン剤(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミド(nilutamide)、もしくは酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニスト、またはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、リュープロレリン、もしくはブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール(vorazole)、もしくはエキセメスタンとして)、または5α−リダクターゼ阻害剤(例えばフィナステリド);
(iii) 癌細胞浸潤(invasion)を阻害する薬剤(例えばメタロプロテイナーゼ阻害剤(マリマスタットなど)もしくはウロキナーゼ・プラスミノーゲン活性化因子受容体機能阻害剤);
【0072】
(iv) 成長因子機能の阻害剤、例えば成長因子抗体(例えば抗erbb2抗体トラスツズマブ、もしくは抗erbb1抗体セツキシマブ[C225])、ファルネシル・トランスフェラーゼ阻害剤、チロシン・キナーゼ阻害剤、またはセリン/トレオニン・キナーゼ阻害剤、上皮成長因子ファミリーの阻害剤(例えばEGFRファミリー・チロシン・キナーゼ阻害剤、例えば−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ, AZD1839)、−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ, OSI 774)、または6−アクリルアミド−−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033))、血小板由来成長因子ファミリーの阻害剤、または肝細胞成長因子ファミリーの阻害剤;
【0073】
(v) 抗血管新生剤(例えば血管内皮成長因子の効果を阻害するもの(例えば抗血管内皮細胞成長因子抗体ベバシズマブ、WO 97/22596、WO 97/30035、WO 97/32856もしくは WO 98/13354に開示された化合物)、または他のメカニズムによって作用する化合物(例えばリノマイド(linomide)、インテグリンαvβ3機能の阻害剤またはアンジオスタチン);
【0074】
(vi) 血管損傷剤(例えばコンブレタスタチン A4、または WO 99/02166、WO 00/40529、WO 00/41669、WO 01/92224、WO 02/04434 もしくは WO 02/08213 で開示された化合物);
(vii) アンチセンス治療に用いられる薬剤(例えば上記で挙げた標的の1つに指向性であるもの(例えば ISIS 2503、抗rasアンチセンス));
【0075】
(viii) 遺伝子治療アプローチ、例えば異常遺伝子(例えば異常p53または異常BRCA1もしくはBRCA2、GDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ治療))を置き換えるアプローチ(例えばシトシン・デアミナーゼ、チミジン・キナーゼ、もしくは微生物性ニトロ還元酵素を用いるアプローチ)、および化学療法もしくは放射線治療に対する患者耐容性を増大させるアプローチ(例えば多薬剤耐性遺伝子治療)に用いられる薬剤;または
【0076】
(ix) 免疫治療アプローチ、例えば、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増大させる ex vivo アプローチおよび in vivo アプローチ、例えばサイトカイン(例えばインターロイキン 2、インターロイキン 4、もしくは顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)でのトランスフェクション、T細胞アネルギーを減少させるアプローチ、トランスフェクトさせた免疫細胞(例えばサイトカインをトランスフェクトさせた樹状細胞)を用いたアプローチ、サイトカインをトランスフェクトさせた腫瘍細胞株を用いたアプローチ、および抗イディオタイプ抗体を用いたアプローチに用いられる薬剤。
【0077】
また、さらなる態様において、本発明は、CRTh2受容体活性の調節が有益であるヒトの疾患または状態を処置する医薬の製造における、上で定義した式(I)の化合物の使用を提供する。
【0078】
本明細書の内容において、“治療”という用語はまた、特定の記載に反しない限り、“予防”を含む。“治療の”および“治療上”という用語は同様に解釈されるべきである。
【0079】
本発明は、さらに、プロスタノイドがその受容体(特にCRTh2受容体)に結合している、PGD2またはその代謝物が介在する疾患を処置する方法であって、患者に、治療有効量の上で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグを投与することを含む方法を提供する。
【0080】
本発明はまた、炎症性疾患に罹患しているまたはそのリスクがある患者において、炎症性疾患(特に乾癬)を処置する方法であって、該患者に、治療有効量の上で定義した式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
【0081】
上で記載した治療的使用において、投与される用量は、当然に、用いられる化合物、投与方法、望ましい処置および適応される疾患に伴って変化する。
上で記載した治療的使用において、投与される用量は、当然に、用いられる化合物、投与方法、望ましい処置および適応される疾患に伴って変化する。
【0082】
式(I)の化合物、そのプロドラッグ、薬学的に許容される塩および溶媒和物は、それ自身で用いられ得るが、一般的に、式(I)の化合物/塩/溶媒和物(活性成分)を薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と組み合わせた医薬組成物の形態で投与される。投与方法に依存して、医薬組成物は、好ましくは、0.05から99%w(重量パーセント)、より好ましくは、0.05から80%w、さらにより好ましくは、0.10から70%w、さらにより好ましくは、0.10から50%wの活性成分を含む。全ての重量パーセントは、組成物の総量に基づく。
【0083】
本発明はまた、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と組み合わせた、上で定義した式(I)の化合物もしくはその薬学的許容される塩またはそれらの溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。
【0084】
医薬組成物は、溶液、懸濁液、ヘプタフルオロアルカン・エアゾールおよび乾燥粉末製剤の形態で、局所に(例えば肺および/または気道に、または皮膚に);あるいは、例えば、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、粉剤もしくは顆粒剤の形態で経口投与によって、または、溶液もしくは懸濁液の形態で非経腸投与によって、または皮下投与によって、または坐剤の形態で直腸投与によって、全身に;または経皮で投与され得る。好ましくは、本発明の化合物は、経口で投与される。
【0085】
本発明は、下記の非限定的実施例によって説明され、別記しない限り、
(i) 示される場合、H−NMRデータを、主要な示性プロトンのδ値の形態で、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で示した;
(ii) 質量スペクトル(MS):一般的に、親マスを示すイオンのみを示した;
(iii) 実施例の表題化合物および方法を、IUPAC規則に従って、ACD/nameおよびACD/name batch (version 8.0)(Advanced Chemical Development Inc, Canada)を用いて命名した;
(iv) 別記しない限り、逆相HPLC(RPHPLC)を、Symmetry、NovaPakまたはEx-Terra逆相シリカカラムを用いて行った;
(v) 溶媒はMgSOまたはNaSOで乾燥させた;
(vi) 下記の略号を用いる。
【表1】

【実施例】
【0086】
実施例1
{[5−クロロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
【化13】

【0087】
(i) 2'−(ベンジルオキシ)−5'−クロロビフェニル−4−イル フェニル スルホン
ジオキサン(20ml)中の5−クロロ−2−(フェニルメトキシ)フェニル]−ボロン酸(WO 2004 089885A1の方法によって製造) (0.5g)を、1−ブロモ−4−(フェニルスルホニル)ベンゼン(0.57g)(JACS (1952), 74, 394-7で用いた方法によって製造)で処理した。炭酸ナトリウム(0.40g)および二塩化 パラジウム (ジフェニルホスフィノフェロセン)(0.070g)を加え、該混合物を80℃で16時間加熱した。該混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、乾燥し、減圧下で蒸発させ、油状物を得た。該油状物をシリカのクロマトグラフィーによって精製し、イソヘキサン/ジエチルエーテル 2:1で溶出し、副題化合物を白色の固体として得た。収量0.9g。
1H NMR CDCl3: δ 8.00-7.92(4H, m), 7.67-7.49 (5H, m), 7.30-7.19 (7H, m), 7.02-6.95 (1H, d), 5.08 (2H, s).
【0088】
(ii) 5−クロロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−オール
実施例1の段階(i)の生成物(0.9g)を、乾燥DCM(20ml)中で、DCM中1.0M 三臭化ホウ素(3.10ml)で処理し、室温で1時間撹拌した。該混合物を氷水中でクエンチし、DCMで抽出し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮し、副題化合物を得た。収量0.9g。
MS: ESI(-ve) 343(M-1)
【0089】
(iii) {[5−クロロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸tert−ブチル
フラスコに、tert−ブチルブロモアセテート(0.42ml)、乾燥DMF(20ml)、炭酸カリウム(0.36g)および実施例1の段階(ii)の生成物(0.9g)を入れ、次いで室温で終夜撹拌した。該混合物を水中でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮し、油状物を得た。該油状物をシリカのクロマトグラフィーによって精製し、イソヘキサン/ジエチルエーテル 2:1で溶出し、副題化合物を無色の油状物として得た。収量0.6g。
MS: ESI (+ve) 476(M+NH4)
【0090】
(iv) {[5−クロロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
表題化合物を、段階(iii)の生成物(0.6g)から、これをTFA/DCM(1:1, 10ml)中で終夜撹拌することによって製造した。該混合物を減圧下で濃縮し、油状物を得た。残渣を逆相HPLCによって精製した。収量0.31g。
1H NMR: DMSO-d6: δ 8.03-7.62 (9H, m), 7.42-7.39 (2H, m), 7.08-7.05 (1H, d), 4.74 (2H, s).
MS: ESI (-ve) 401 (M-1)
【0091】
実施例2
{[3',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
【化14】

【0092】
(i) 4−ブロモ−2−フルオロ−1−(フェニルスルホニル)ベンゼン
塩化 4−ブロモ−2−フルオロ−ベンゼンスルホニル(2g)、ベンゼン(1.3ml)および塩化鉄(III)(35mg)を、密封管中、マイクロ波を用いて、200ワットで、15秒間加熱した。冷却後、フラッシュ・カラム・クロマトグラフィーによって精製(溶出液=20%EtOAc/ヘキサン)し、副題化合物を固体として得た。収量1.8g。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.03 - 7.95 (3H, m), 7.84 (1H, dd), 7.80 - 7.65 (4H, m)
【0093】
(ii) 3',5−ジフルオロ−2−メトキシ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル
トルエン(6ml)、エタノール(4ml)および2M NaCO(3ml)中の、段階(i)の生成物(0.55g)、5−フルオロ−2−メトキシ−フェニルボロン酸(0.3g)の溶液/懸濁液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.05g)を加えた。該混合物を85℃で3時間加熱し、減圧下で濃縮し、粗製の物質を得た。残渣を水中に懸濁し、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮した。フラッシュ・カラム・クロマトグラフィーを用いて精製(溶出液=10%ジエチルエーテル/ヘキサン)し、副題化合物を得た。収量0.39g。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.08 (1H, t), 8.00 (2H, d), 7.81 - 7.55 (5H, m), 7.28 (2H, m), 7.17 (1H, m), 3.77 (3H, s).
【0094】
(iii) 3',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−オール
段階(ii)の生成物(0.44g)を、DCM(10ml)中で、DCM中1.0M 三臭化ホウ素(3.7ml)で処理し、0℃で18時間撹拌した。該混合物を氷水中でクエンチし、EtOAcで抽出し、乾燥し(MgSO)、真空で濃縮し、副題化合物を得た。収量0.39g。
1H NMR DMSO-d6: δ 9.97 (1H, s), 8.07 (1H, t), 7.99 (2H, d), 7.80 - 7.60 (5H, m), 7.25 (1H, m), 7.10 (1H, m), 6.96 (1H, m).
【0095】
(iv) {[3',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.09 (1H, t), 8.00 (2H, d), 7.80 - 7.65 (5H, m), 7.34 (1H, m), 7.25 (1H, m), 7.07 (1H, m), 4.71 (2H, s), 1.37 (9H, s).
【0096】
(v) {[3',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 13.08 (1H, s), 8.08 (1H, t), 8.00 (2H, d), 7.80 - 7.66 (5H, m), 7.33 (1H, m), 7.24 (1H, m), 7.09 (1H, m), 4.75 (2H, s).
MS: APCI-ve 403 (M-1)
【0097】
実施例3
(2S)−2−{[3',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸
【化15】

【0098】
(i) (2S)−2−{[3',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸tert−ブチル
アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.19ml)を、テトラヒドロフラン(10ml)中の、実施例2の段階(iii)の生成物(250mg)、(R)−(+)−乳酸tert−ブチル(141mg)およびトリフェニルホスフィン(252mg)の溶液に、0℃で加えた。20分後、氷浴を除き、該反応物を室温で終夜撹拌した。次いで該反応混合物をシリカに吸着させ、フラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(溶出液=10%酢酸エチル/ヘキサン)を用いて精製し、副題化合物を油状物として得た。収量140mg。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.09 (1H, t), 8.00 (2H, m), 7.81 - 7.66 (5H, m), 7.34 (1H, m), 7.24 (1H, m), 7.02 (1H, m), 4.91 (1H, q), 1.40 (3H, d), 1.34 (9H, s).
【0099】
(ii) (2S)−2−{[3',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(i)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.08 (1H, t), 8.00 (2H, d), 7.80 - 7.67 (5H, m), 7.33 (1H, m), 7.23 (1H, m), 7.02 (1H, m), 4.95 (1H, q), 1.42 (3H, d).
MS: APCI-ve 417 (M-1)
【0100】
実施例4
({5−クロロ−3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
【化16】

【0101】
i) 4−ブロモ−2−フルオロ−1−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ベンゼン
副題化合物を、実施例2の段階(i)の方法によって、塩化 4−ブロモ−2−フルオロベンゼンスルホニルおよびフルオロベンゼンを用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.04 (2H, m), 7.99 (1H, t), 7.86 (1H, d), 7.75 (1H, dd), 7.51 (2H, m).
【0102】
ii) 5−クロロ−3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−メトキシビフェニル
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および5−クロロ−2−メトキシフェニルボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.1-8.05 (3H, m), 7.65-7.44 (6H, m), 7.19 (1H, d), 3.78 (3H, s).
【0103】
iii) 5−クロロ−3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 10.27 (1H, s), 8.09-8.04 (3H, m), 7.7 (1H, dd), 7.63 (1H, dd), 7.52 (2H, m), 7.41 (1H, d), 7.29 (1H, dd), 6.99 (1H, d).
【0104】
iv) ({5−クロロ−3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.11-8.05 (3H, m), 7.73-7.66 (2H, m), 7.56-7.43 (4H, m), 7.09 (1H, m), 4.74 (2H, s), 1.38 (9H, s).
【0105】
v) ({5−クロロ−3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 13.13 (1H, s), 8.10-8.05 (3H, m), 7.73 (1H, s), 7.7 (1H, dd), 7.53 (2H, dt), 7.49 (1H, d), 7.44 (1H, dd), 7.11 (1H, d), 4.78 (2H, s).
MS: APCI(-ve) 436(M-1)
【0106】
実施例5
{[2',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
【化17】

【0107】
i) 1−ブロモ−2−フルオロ−4−(フェニルスルホニル)ベンゼン
副題化合物を、実施例2の段階(i)の方法によって、塩化 4−ブロモ−3−フルオロベンゼンスルホニルおよびベンゼンを用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.04-7.97 (4H, m), 7.74 (2H, m), 7.65 (2H, m).
【0108】
ii) 2,5'−ジフルオロ−2'−メトキシビフェニル−4−イル フェニル スルホン
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および5−フルオロ−2−メトキシフェニルボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.07 (2H, m), 7.91 (1H, dd), 7.85 (1H, dd), 7.75 (1H, m), 7.7-7.61 (3H, m), 7.29 (1H, m), 7.21 (1H, dd), 7.15 (1H, dd), 3.72 (3H, s).
【0109】
iii) 2',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 9.77 (1H, s), 8.06 (2H, d), 7.89 (1H, d), 7.83 (1H, d), 7.78-7.63 (4H, m), 7.12 (2H, m), 6.93 (1H, m).
【0110】
iv) {[2',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
表題化合物を、実施例1の段階(iii)および実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 12.97 (1H, s), 8.07 (2H, m), 7.91 (1H, dd), 7.85 (1H, dd), 7.77-7.64 (4H, m), 7.29-7.21 (2H, m), 7.05 (1H, dd), 4.67 (2H, s).
MS: APCI(-ve) 403(M-1)
【0111】
実施例6
{[5−クロロ−2'−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
【化18】

【0112】
i) 5'−クロロ−2−フルオロ−2'−メトキシビフェニル−4−イル フェニル スルホン
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、実施例5の段階(i)の生成物および5−クロロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.08-8.05 (2H, m), 7.91 (1H, dd), 7.84 (1H, dd), 7.75 (1H, m), 7.7-7.62 (3H, m), 7.50 (1H, dd), 7.37 (1H, d), 7.17 (1H, d), 3.73 (3H, s).
【0113】
ii) 5−クロロ−2'−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(i)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 10.09 (1H, s), 8.08-8.05 (2H, m), 7.89 (1H, dd), 7.83 (1H, dd), 7.77-7.72 (1H, m), 7.69-7.64 (3H, m), 7.32-7.27 (2H, m), 6.96 (1H, dd).
【0114】
iii) {[5−クロロ−2'−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
表題化合物を、実施例1の段階(iii)および実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 13.02 (1H, s), 8.09-8.06 (2H, m), 7.92 (1H, dd), 7.85 (1H, dd), 7.77-7.65 (4H, m), 7.46 (1H, d), 7.39 (1H, d), 7.06 (1H, d), 4.7 (2H, s).
MS: APCI(-ve) 419 (M-1)
【0115】
実施例7
{[5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)−3'−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
【化19】

【0116】
i) 4−ブロモ−1−(フェニルスルホニル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン
副題化合物を、実施例2の段階(i)の方法によって、塩化 4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルおよびベンゼンを用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.35 (1H, d), 8.25 (1H, dd), 8.21 (1H, d), 7.88 (2H, d), 7.76-7.72 (1H, m), 7.67-7.62 (2H, m).
【0117】
ii) 5'−フルオロ−2'−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル フェニル スルホン
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および5−フルオロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.47 (1H, d), 8.12 (1H, dd), 8.09 (1H, d), 7.92 (2H, d), 7.77-7.64 (3H, m), 7.40 (1H, dd), 7.31 (1H, td), 7.20 (1H, dd), 3.78 (3H, s).
【0118】
iii) 5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)−3'−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 10.06 (1H, s), 8.47 (1H, d), 8.21-8.15 (2H, m), 7.91 (2H, d), 7.77-7.62 (3H, m), 7.35 (1H, dd), 7.14 (1H, m), 6.99 (1H, dd).
【0119】
iv) {[5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)−3'−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.47 (1H, s), 8.25 (1H, d), 8.17 (1H, m), 7.92 (2H, d), 7.74 (1H, m), 7.66 (2H, m), 7.42 (1H, m), 7.28 (1H, m), 7.13 (1H, m), 4.74 (2H, s), 1.36 (9H, s).
【0120】
v) {[5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)−3'−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 13.10 (1H, s), 8.47 (1H, d), 8.31 (1H, d), 8.18 (1H, dd), 7.92 (2H, d), 7.74 (1H, m), 7.66 (2H, t), 7.42 (1H, dd), 7.28 (1H, td), 7.15 (1H, dd), 4.78 (2H, s).
MS: APCI(-ve) 453 (M-1)
【0121】
実施例8
(2S)−2−({5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
【化20】

【0122】
i) 4−ブロモフェニル 4−フルオロフェニル スルホン
副題化合物を、実施例2の段階(i)の方法によって、塩化 4−フルオロベンゼンスルホニルおよびブロモベンゼンを用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.1-8.02 (2H, m), 7.94-7.82 (4H, m), 7.53-7.44 (2H, m).
【0123】
ii) 5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−メトキシビフェニル
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および5−クロロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.13-8.06 (2H, m), 8.00 (2H, dt), 7.73 (2H, dt), 7.54-7.38 (4H, m), 7.17 (1H, d), 3.76 (3H, s).
【0124】
iii) 5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 10.14 (1H, s), 8.14-8.07 (2H, m), 8.01 (2H, d), 7.81 (2H, d), 7.54-7.46 (2H, m), 7.36 (1H, d), 7.29 (1H, dd), 6.99 (1H, d).
【0125】
iv) (2S)−2−({5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例3の段階(i)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.15-8.10 (2H, m), 8.03 (2H, d), 7.88 (2H, d), 7.54-7.42 (4H, m), 7.03-6.99 (1H, m), 4.95 (1H, q), 1.41 (3H, d), 1.36 (9H, s).
【0126】
v) (2S)−2−({5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.12-8.07 (2H, m), 8.0 (2H, d), 7.87 (2H, d), 7.49 (2H, t), 7.43-7.38 (2H, m), 7.0 (1H, d), 4.95 (1H, q), 1.41 (3H, d).
MS: APCI(-ve) 433 (M-1)
【0127】
実施例9
({5−クロロ−2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
【化21】

【0128】
i) 1−ブロモ−2−フルオロ−4−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ベンゼン
塩化鉄(III)(0.5g)を、塩化 4−ブロモ−3−フルオロ−ベンゼンスルホニル(2.5g)およびフルオロベンゼン(3ml)の混合物に加え、次いで18時間、還流下で撹拌した。該フラスコを室温まで冷却し、残渣を水性NaHCOとDCMの層間に分配した。DCM層を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残渣をエタノールから再結晶し、淡黄褐色の結晶を得た。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.15-7.98 (4H, m), 7.76 (1H, dd), 7.56-7.46 (2H, m).
【0129】
ii) 5'−クロロ−2−フルオロ−4−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2'−メトキシビフェニル
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および5−クロロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.12 (2H, dddd), 7.9 (1H, dd), 7.82 (1H, dd), 7.62 (1H, t), 7.51-7.44 (3H, m), 7.33 (1H, d), 7.14 (1H, d), 3.7 (3H, s).
【0130】
iii) 5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 10.12 (1H, s), 8.2-8.14 (2H, m), 7.93 (1H, dd), 7.86 (1H, dd), 7.68 (1H, t), 7.52 (2H, t), 7.35-7.28 (2H, m), 6.98 (1H, d).
【0131】
iv) ({5−クロロ−2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.21-8.14 (2H, m), 7.95 (1H, dd), 7.89 (1H, dd), 7.74-7.68 (1H, m), 7.58-7.41 (4H, m), 7.05 (1H, d), 4.68 (2H, s), 1.36 (9H, s).
【0132】
v) (2S)−2−({5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.18-8.13 (2H, m), 7.94 (1H, dd), 7.86 (1H, dd), 7.74-7.69 (1H, m), 7.54-7.48 (2H, m), 7.46 (1H, dd), 7.39 (1H, d), 7.06 (1H, d), 4.70 (2H, s).
MS: APCI(-ve) 437 (M-1)
【0133】
実施例10
(2S)−2−({5−クロロ−2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
【化22】

【0134】
i) (2S)−2−({5−クロロ−2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例3の段階(i)の方法によって、実施例9の段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.21-8.14 (2H, m), 7.96 (1H, dd), 7.89 (1H, dd), 7.78-7.73 (1H, m), 7.56-7.46 (3H, m), 7.42 (1H, d), 7.0 (1H, d), 4.88 (1H, q), 1.36-1.33 (12H, m).
【0135】
ii) (2S)−2−({5−クロロ−2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.18-8.12 (2H, m), 7.93 (1H, dd), 7.87-7.79 (2H, m), 7.53-7.47 (2H, m), 7.42 (1H, dd), 7.37 (1H, d), 6.97 (1H, d), 4.78 (1H, q), 1.31 (3H, s).
MS: APCI(-ve) 451 (M-1)
【0136】
実施例11
(2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(2−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
【化23】

【0137】
i) 1,1'−ジチオビス(2−フルオロベンゼン)
塩化スルフリル(0.7ml)を、DCM(20ml)中の2−フルオロベンゼンチオール(1.5ml)の溶液に、0℃で滴下した。該反応混合物を30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をシリカのクロマトグラフィーによって精製し、イソヘキサンで溶出し、副題化合物を油状物として得た。収量1.7g。
MS: APCI(+ve) 254 (M+H)
【0138】
ii) 4−ブロモ−2−フルオロ−1−[(2−フルオロフェニル)チオ]ベンゼン
4−ブロモ−2−フルオロ−1−ヨードベンゼン(1.67g)を、THF(8ml)中の塩化 イソプロピルマグネシウム(2.79ml, THF中2M溶液)の溶液に加え、これを0℃に冷却し、さらに2時間撹拌した。次いで該混合物をTHF(5ml)中の段階(i)の生成物の溶液に加えた。該反応物を終夜かけて室温に至らしめ、次いで40℃で1時間、そして50℃でさらに1時間撹拌した。該反応物を室温まで冷却し、塩化アンモニウムで希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。該ジエチルエーテルのフラクションを乾燥し(MgSO)、減圧下で蒸発させた。収量1.9g。さらに精製することなく直接用いた。
MS: APCI(+ve) 302 (M+H)
【0139】
iii) 4−ブロモ−2−フルオロ−1−[(2−フルオロフェニル)スルホニル]ベンゼン
MCPBA(2.58g)を、DCM(25ml)中の段階(ii)の生成物(1.8g)の溶液に0℃で加えた。該反応混合物を室温に至らしめ、23時間撹拌した。該反応物を、水性メタ重亜硫酸ナトリウムで、水性NaHCOで洗浄し、乾燥し(MgSO)、次いで減圧下で蒸発させた。残渣をシリカのクロマトグラフィーによって精製し、イソヘキサンで、次いで4:1 イソヘキサン/酢酸エチルで溶出し、副題化合物を白色の固体として得た。収量0.71g。
1H NMR CDCl3: δ 8.16 (1H, t), 8.05 (1H, t), 7.67-7.62 (1H, m), 7.53 (1H, d), 7.37 (1H, d), 7.31 (1H, d), 7.13 (1H, t).
【0140】
iv) 3',5−ジフルオロ−4'−[(2−フルオロフェニル)スルホニル]−2−メトキシビフェニル
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(iii)の生成物および5−フルオロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.12 (2H, dddd), 7.9 (1H, dd), 7.82 (1H, dd), 7.62 (1H, t), 7.51-7.44 (3H, m), 7.33 (1H, d), 7.14 (1H, d), 3.7 (3H, s).
【0141】
v) 3',5−ジフルオロ−4'−[(2−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。
MS: APCI(-ve) 363 (M-H)
【0142】
vi) (2R)−2−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}プロパン酸メチル
アセトニトリル(33ml)中の(R)−(+)−乳酸メチル(6.66g)の溶液を、5℃に冷却し、トリエチルアミン(9.8ml)を加え、続いてトリメチルアミン塩酸塩(0.62g)を加えた。アセトニトリル(33ml)中の塩化 p−トルエンスルホニル(11.6g)の別の溶液を、温度を5℃未満に保ちながら、20分かけて滴下した。該反応混合物を濾過し、濃縮した。ジエチルエーテルおよび水を加え、有機フラクションを乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮し、副題化合物を黄色の油状物として得た(13.71g)。
1H NMR CDCl3: δ 7.82 (2H, d), 7.35 (2H, d), 4.95 (1H, q), 3.67 (3H, s), 2.45 (3H, s), 1.51 (3H, d).
【0143】
vii) (2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(2−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸メチル
アセトニトリル(10ml)中の段階(v)の生成物(175mg)、段階(vi)の生成物(124mg)および炭酸カリウム(133mg)をフラスコに入れ、65℃で終夜撹拌した。該反応混合物を冷却し、水(20ml)で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮した。残渣をシリカのクロマトグラフィーによって精製し、イソヘキサンで、次いで4:1 イソヘキサン/酢酸エチルで溶出し、副題化合物を無色の油状物として得た。収量121mg。
MS: APCI(+ve) 451 (M+H)
【0144】
viii) (2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(2−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
段階(vii)の生成物(121mg)、1M NaOH(0.4ml)、THF(2ml)およびDCM(2ml)をフラスコに入れ、3時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcに溶解し、1M HClで洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO)、減圧下で濃縮し、表題化合物を白色の固体として得た。収量63mg。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.12 (2H, q), 7.89-7.8 (2H, m), 7.75 (1H, dd), 7.56 (1H, t), 7.47 (1H, dd), 7.36 (1H, dd), 7.24 (1H, td), 7.03 (1H, dd), 4.96 (1H, q), 1.43 (3H, d).
MS: APCI(-ve) 435 (M-H)
【0145】
実施例12
(2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
【化24】

【0146】
i) 4−ブロモ−2−フルオロ−1−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ベンゼン
副題化合物を、実施例9の段階(i)の方法によって、塩化 4−ブロモ−2−フルオロベンゼンスルホニルおよびアニソールを用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.94 (1H, t), 7.89-7.85 (2H, m), 7.8 (1H, dd), 7.71-7.68 (1H, m), 7.18-7.14 (2H, m), 3.84 (3H, s).
【0147】
ii) 2−(ベンジルオキシ)−3',5−ジフルオロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(iii)の生成物および[2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニル]ボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.01 (1H, t), 7.9 (2H, d), 7.64 (1H, dd), 7.58 (1H, dd), 7.33-7.29 (6H, m), 7.26-7.23 (2H, m), 7.2-7.16 (2H, m), 5.12 (2H, s), 3.85 (3H, s).
【0148】
iii) 3',5−ジフルオロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−オール
酢酸(30ml)中の段階(ii)の生成物(838mg)の懸濁液および10% Pd/C(200mg)を、2barの圧力の水素下、30分間撹拌した。触媒を濾過によって除き、濾液を蒸発させ、副題化合物を得た。収量630mg。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.04-7.99 (1H, m), 7.91 (2H, dd), 7.68 (1H, dd), 7.6 (1H, dd), 7.23 (1H, dd), 7.18 (2H, dd), 7.09 (1H, td), 6.95 (1H, dd), 3.85 (3H, s).
【0149】
iv) (2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例3の段階(i)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.08-8.02 (1H, m), 7.93 (2H, dd), 7.73 (1H, dd), 7.68 (1H, dd), 7.33 (1H, dd), 7.28-7.15 (3H, m), 7.02 (1H, dd), 4.91 (1H, q), 3.86 (3H, s), 1.41 (3H, d), 1.34 (9H, s).
【0150】
v) (2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.01 (1H, t), 7.92 (2H, d), 7.86 (1H, d), 7.78 (1H, dd), 7.26 (1H, dd), 7.20-7.12 (3H, m), 6.96 (1H, dd), 4.74 (1H, q), 3.85 (3H, s), 1.34 (3H, d).
MS: APCI(-ve) 447 (M-1)
【0151】
実施例13
(2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
【化25】

【0152】
i) 1,1'−ジチオビス(3−フルオロベンゼン)
副題化合物を、実施例11の段階(i)の方法によって、3−フルオロベンゼンチオールを用いて製造した。
1H NMR CDCl3: δ 7.3-7.21 (6H, m), 6.92 (2H, tt).
【0153】
ii) 4−ブロモ−2−フルオロ−1−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]ベンゼン
乾燥アセトニトリル(25ml)中の段階(i)の生成物(1.98g)および亜硝酸イソアミル(1.6ml)の溶液を、50℃で撹拌した。4−ブロモ−2−フルオロアニリン(1.23g)を少しずつ加え、該反応混合物を60℃で2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣(2.1g)を、DCM(25ml)に溶解し、MCPBA(6g)を、0℃で少しずつ加えた。該反応物を室温で終夜撹拌した。該反応物を水性メタ重亜硫酸ナトリウム溶液で、そして水性NaHCOで洗浄し、乾燥し(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカのクロマトグラフィーによって精製し、9:1 イソヘキサン/酢酸エチルで溶出し、副題化合物を白色の固体として得た(0.67g)。
1H NMR CDCl3: δ 7.96 (1H, td), 7.8 (1H, dq), 7.7 (1H, dq), 7.56-7.49 (2H, m), 7.33 (2H, dd).
【0154】
iii) 3,5'−ジフルオロ−2'−メトキシビフェニル−4−イル 3−フルオロフェニル スルホン
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(ii)の生成物および5−フルオロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。
1H NMR CDCl3: δ 8.10 (1H, t), 7.85 (1H, d), 7.75 (1H, d), 7.54 (1H, td), 7.46 (1H, dd), 7.36-7.3 (2H, m), 7.07 (1H, ddd), 7.01 (1H, dd), 6.92 (1H, dd), 3.79 (3H, m).
【0155】
iv) 3',5−ジフルオロ−4'−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
MS: APCI(-ve) 363 (M-H)
【0156】
v) (2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸メチル
副題化合物を、実施例11の段階(vii)の方法によって、段階(iv)の生成物および実施例11の段階(vi)の生成物を用いて製造した。
1H NMR CDCl3: δ 8.11 (1H, t), 7.86 (2H, d), 7.76 (1H, d), 7.58-7.51 (2H, m), 7.47 (1H, dd), 7.33 (1H, dd), 7.04-6.98 (2H, m), 6.82-6.77 (1H, m), 4.72 (1H, q), 3.72 (3H, s), 1.51 (3H, d).
【0157】
vi) (2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸
表題化合物を、実施例11の段階(viii)の方法によって、段階(v)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.1 (1H, t), 7.87-7.736 (5H, m), 7.67 (1H, td), 7.33 (1H, dd), 7.24 (1H, td), 7.03 (1H, dd), 4.96 (1H, q), 1.43 (3H, d).
MS: APCI(-ve) 435 (M-H)
【0158】
実施例14
({5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2'−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
【化26】

【0159】
i) 4−ブロモ−3−メチルフェニル 4−フルオロフェニル スルホン
副題化合物を、実施例9の段階(i)の方法によって、塩化 4−ブロモ−3−メチルベンゼンスルホニルおよびフルオロベンゼンを用いて製造した。
1H NMR CDCl3: δ 7.97-7.92 (2H, m), 7.77 (1H, d), 7.67 (1H, d), 7.59 (1H, dd), 7.19 (2H, t), 2.45 (3H, s).
【0160】
ii) 5'−クロロ−4−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2'−メトキシ−2−メチルビフェニル
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および5−クロロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。
MS: APCI(+ve) 391 (M+H)
【0161】
iii) 5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2'−メチルビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
MS: APCI(-ve) 375 (M-H)
【0162】
iv) ({5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2'−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
MS: APCI(+ve) 435 (M-tBu)
【0163】
v) ({5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2'−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.10 (2H, ddd), 7.89 (1H, d), 7.8 (1H, dd), 7.49 (2H, tt), 7.43-7.39 (2H, m), 7.20 (1H, d), 6.99 (1H, d), 4.66 (2H, s), 2.2 (3H, s).
MS: APCI-ve 447 (M-1)
【0164】
実施例15
(2S)−2−{[2'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸
【化27】

【0165】
i) 4−ブロモ−3−クロロフェニル フェニル スルホン
副題化合物を、実施例9の段階(i)の方法によって、塩化 4−ブロモ−3−クロロベンゼンスルホニルおよびベンゼンを用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.19 (1H, d), 8.05-8.03 (3H, m), 7.83 (1H, dd), 7.74 (1H, t), 7.65 (2H, t).
【0166】
ii) 2−クロロ−5'−フルオロ−2'−メトキシビフェニル−4−イル フェニル スルホン
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および5−フルオロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.11-8.07 (3H, m), 7.96 (1H, dd), 7.78-7.73 (1H, m), 7.68 (2H, t), 7.59 (1H, d), 7.28 (1H, td), 7.16-7.11 (2H, m), 3.69 (3H, s).
【0167】
iii) 2'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 9.68 (1H, s), 8.09-8.06 (3H, m), 7.94 (1H, dd), 7.77-7.72 (1H, m), 7.7-7.65 (2H, m), 7.59 (1H, d), 7.10 (1H, td), 7.02 (1H, dd), 6.92 (1H, dd).
【0168】
iv) (2S)−2−{[2'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例3の段階(i)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.12-8.06 (3H, m), 8.019-7.95 (1H, m), 7.79-7.72 (1H, m), 7.67 (3H, t), 7.25 (1H, td), 7.17 (1H, dd), 6.95 (1H, dd), 4.77-4.68 (1H, m), 1.32 (9H, s), 1.26 (3H, d).
【0169】
v) (2S)−2−{[2'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸
副題化合物を、実施例3の段階(i)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.12-8.07 (3H, m), 7.97 (1H, dd), 7.8-7.65 (4H, m), 7.21 (1H, td), 7.14 (1H, dd), 6.96 (1H, dd), 4.69-4.6 (1H, m), 1.25 (3H, d).
MS: APCI-ve 433 (M-1)
【0170】
実施例16
({3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
【化28】

【0171】
i) 3−フルオロ−2'−メトキシ−5'−メチルビフェニル−4−イル 4−フルオロフェニル スルホン
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、実施例4の段階(i)の生成物および(2−メトキシ−5−メチルフェニル)ボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.10-8.03 (3H, m), 7.60 (1H, dd), 7.55-7.50 (3H, m), 7.23 (1H, dd), 7.20 (1H, d), 7.04 (1H, d), 3.74 (3H, s), 2.28 (3H, s).
【0172】
ii) 3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(i)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 9.71 (1H, s), 8.09-8.02 (3H, m), 7.68 (1H, dd), 7.59 (1H, dd), 7.54-7.49 (2H, m), 7.16 (1H, d), 7.05 (1H, dd), 6.86 (1H, d), 2.23 (3H, s).
【0173】
iii) ({3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.09-8.04 (3H, m), 7.69-7.63 (2H, m), 7.55-7.49 (2H, m), 7.24 (1H, d), 7.19 (1H, dd), 6.93 (1H, d), 4.67 (2H, s), 2.28 (3H, s), 1.38 (9H, s).
【0174】
iv) ({3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
副題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.1-8.03 (3H, m), 7.71-7.67 (2H, m), 7.55-7.49 (2H, m), 7.23 (1H, d), 7.19 (1H, dd), 6.95 (1H, d), 4.71 (2H, s), 2.27 (3H, s).
MS: APCI-ve 417 (M-1).
【0175】
実施例17
({5−クロロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
【化29】

【0176】
i) 1−ブロモ−4−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ベンゼン
副題化合物を、実施例9の段階(i)の方法によって、塩化 4−ブロモベンゼンスルホニルおよびアニソールを用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.91-7.87 (2H, m), 7.86-7.80 (4H, m), 7.16-7.12 (2H, m), 3.83 (3H, s).
【0177】
ii) 2−(ベンジルオキシ)−3',5−ジフルオロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および[2−(ベンジルオキシ)−5−クロロフェニル]ボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.95-7.91 (4H, m), 7.77-7.74 (2H, m), 7.43 (1H, dd), 7.40 (1H, d), 7.31-7.29 (5H, m), 7.23 (1H, d), 7.16-7.13 (2H, m), 5.14 (2H, s), 3.83 (3H, s).
【0178】
iii) 3',5−ジフルオロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例12の段階(iii)の方法によって、酢酸中の段階(ii)の生成物および10% Pd/Cを用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.95-7.89 (4H, m), 7.76 (2H, dd), 7.32 (1H, d), 7.25 (1H, dd), 7.16 -7.11 (2H, m), 6.97 (1H, d), 3.83 (3H, d).
【0179】
iv) ({5−クロロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(iii)の生成物およびブロモ酢酸tert-ブチルを用いて製造した。これをさらに特性決定することなく段階(v)に直接用いた。
【0180】
v) ({5−クロロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
副題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.96-7.91(4H, m), 7.81-7.78 (2H, m), 7.42-7.39 (2H, m), 7.15 (2H, dd), 7.06 (1H, dd), 4.74 (2H, s), 3.83 (3H, s).
【0181】
実施例18
({4'−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−3',5−ジフルオロビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
【化30】

【0182】
i) 1,1'−ジチオビス(2−クロロベンゼン)
ヘキサメチルジシラザン(4.4ml)を、乾燥アセトニトリル中の2−クロロベンゼンチオール(2.0ml)およびDMSO(3.7ml)の溶液に撹拌しながら室温で加えた。2時間後、白色の沈殿物を濾過し、洗浄し(冷アセトニトリル)、副題化合物を白色の固体として得た(2.27g)。
1H NMR CDCl3: δ 7.56 (2H, dd), 7.36 (2H, dd), 7.26-7.14 (4H, m).
【0183】
ii) 4−ブロモ−1−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−2−フルオロベンゼン
副題化合物を、実施例13の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および4−ブロモ−2−フルオロアニリンを用いて製造した。
1H NMR CDCl3: δ 8.38 (1H, dt), 8.10 (1H, dd), 7.60-7.51 (3H, m), 7.45 (1H, dd), 7.29 (1H, dd).
【0184】
iii) 2−クロロフェニル 3,5'−ジフルオロ−2'−メトキシビフェニル−4−イル スルホン
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(ii)の生成物および5−フルオロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。これをさらに特性決定することなく段階(iv)に直接用いた。
【0185】
iv) 4'−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−3',5−ジフルオロビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(iii)の生成物および三臭化ホウ素を用いて製造した。
MS: MM(-ve) 379 (M-H)
【0186】
v) ({4'−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−3',5−ジフルオロビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。これをさらに特性決定することなく段階(iv)に直接用いた。
【0187】
vi) ({4'−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−3',5−ジフルオロビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(v)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.32 (1H, d), 8.14 (1H, t), 7.82-7.67 (5H, m), 7.36 (1H, dd), 7.24 (1H, td), 7.09 (1H, dd), 4.74 (2H, s).
MS: MM(-ve) 437 (M-H).
【0188】
実施例19
(2S)−2−{[3'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸
【化31】

【0189】
i) 4−ブロモ−2−クロロ−1−(フェニルスルホニル)ベンゼン
副題化合物を、実施例9の段階(i)の方法によって、塩化 4−ブロモ−2−クロロベンゼンスルホニルおよびベンゼンを用いて製造した。
MS: MM(-ve) 331 (M-H).
【0190】
ii) 3'−クロロ−5−フルオロ−2−メトキシ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および5−フルオロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.37 (1H, dd), 8.00 (2H,dd), 7.61 (3H, dd), 7.53 (2H, td), 7.07 (1H, ddd), 7.02 (1H, dd), 6.92 (1H, dd), 3.79 (3H, s).
【0191】
iii) 3'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
MS: MM(-ve) 361 (M-H).
【0192】
iv) (2S)−2−{[3'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸メチル
副題化合物を、実施例11の段階(vii)の方法によって、段階(iii)の生成物および実施例11の段階(vi)の生成物を用いて製造した。
MS: MM(+ve) 449 (M+H).
【0193】
v) (2S)−2−{[3'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸
表題化合物を、実施例11の段階(viii)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.32 (1H, d), 7.98-7.96 (3H, m), 7.93 (1H, dd), 7.76 (1H, tt), 7.67 (2H, t), 7.35 (1H, dd), 7.23 (1H, td), 7.03 (1H, dd), 4.95 (1H, q), 1.42 (3H, d).
MS: MM(-ve) 433 (M-H).
【0194】
実施例20
({4'−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−2',5−ジフルオロビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
【化32】

【0195】
i) 1,1'−ジチオビス(3−クロロベンゼン)
副題化合物を、実施例11の段階(i)の方法によって、3−クロロベンゼンチオールを用いて製造した。
MS: MM(+ve) 287 (M+H).
【0196】
ii) 1−ブロモ−4−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−2−フルオロベンゼン
副題化合物を、実施例13の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および4−ブロモ−3−フルオロアニリンを用いて製造した。
1H NMR CDCl3: δ 7.91 (1H, t), 7.82 (1H, dt), 7.74 (1H, dd), 7.68 (1H, dd), 7.61 (1H, dd), 7.59-7.56 (1H, m), 7.48 (1H, t).
【0197】
iii) 3−クロロフェニル 2,5'−ジフルオロ−2'−メトキシビフェニル−4−イル スルホン
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(ii)の生成物および5−フルオロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。
MS: APCI(-ve) 393 (M-H).
【0198】
iv) 4'−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−2',5−ジフルオロビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(iii)の生成物および三臭化ホウ素を用いて製造した。
MS: APCI(-ve) 381 (M-H)
【0199】
v) ({4'−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−2',5−ジフルオロビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(iv)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.10 (1H, t), 7.98 (2H, dd), 7.55-7.49 (3H, m), 7.45 (1H, dd), 7.07-7.02 (2H, m), 6.80 (1H, dd), 4.48 (2H, s), 1.44 (9H, s).
【0200】
vi) ({4'−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−2',5−ジフルオロビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(v)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.09 (1H, t), 8.00 (2H, t), 7.77-7.72 (4H, m), 7.32 (1H, dd), 7.24 (1H, td), 7.09 (1H, dd), 4.74 (2H, s).
MS: MM(-ve) 437 (M-H).
【0201】
実施例21
({2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
【化33】

【0202】
i) 2−フルオロ−2'−メトキシ−5'−メチルビフェニル−4−イル 4−フルオロフェニル スルホン
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、実施例9の段階(i)の生成物および5−メチル−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.00 (2H, ddd), 7.73 (1H, dd), 7.66 (1H, dd), 7.49 (1H, dd), 7.24-7.18 (3H, m), 7.01 (1H, d), 6.89 (1H, d), 3.76 (3H, s), 2.31 (3H, s).
【0203】
ii) 2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(i)の生成物を用いて製造した。
MS: MM(-ve) 360 (M-H)
【0204】
iii) ({2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
MS: MM(-ve) 472 (M-H).
【0205】
v) ({2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.14 (2H, ddd), 7.90 (1H, dd), 7.84 (1H, dd), 7.68 (1H, t), 7.50 (2H, dd), 7.20 (1H, dd), 7.09 (1H, s), 6.90 (1H, d), 4.62 (2H, s), 2.22 (3H, s).
MS: MM(-ve) 417 (M-H).
【0206】
実施例22
{[3'−フルオロ−5−メチル−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
【化34】

【0207】
i) 3'−フルオロ−2−メトキシ−5−メチル−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、実施例2の段階(i)の生成物および(2−メトキシ−5−メチルフェニル)ボロン酸を用いて製造した。
MS: ES+ve 357 (M+1).
【0208】
ii) 3'−フルオロ−5−メチル−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(i)の生成物を用いて製造した。
MS: APCI-ve 341 (M-1).
【0209】
iii) {[3'−フルオロ−5−メチル−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物を用いて製造した。
MS: APCI-ve 401 (M-[t-ブチル]).
【0210】
iv) {[3'−フルオロ−5−メチル−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
副題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.06 (1H, t), 7.99 (2H, d), 7.77 (1H, tt), 7.70-7.66 (4H, m), 7.23 (1H, d), 7.18 (1H, dd), 6.94 (1H, d), 4.71 (2H, s), 2.27 (3H, s).
MS: APCI-ve 399 (M-1).
【0211】
実施例23
{[5−クロロ−3',5'−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
【化35】

【0212】
i) 4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル フェニル スルホン
乾燥アセトニトリル(20ml)中のジフェニル ジスルフィド(1.26g)および亜硝酸イソアミル(1.2ml)の溶液を50℃で撹拌した。4−ブロモ−2,6−ジフルオロアニリン(1.0g)を少しずつ加え、該反応混合物を60℃で2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣(2.1g)を酢酸(7.5ml)に溶解し、過酸化水素(0.7ml, 30%水性, w/w)を加え、該混合物を100℃で終夜撹拌した。氷を加え、該混合物をさらに30分間撹拌し、ベージュ色の固体を濾過して取り(0.76g)、さらに精製することなく次の段階を行った。
【0213】
ii) 5'−クロロ−3,5−ジフルオロ−2'−メトキシビフェニル−4−イル フェニル スルホン
副題化合物を、実施例2の段階(ii)の方法によって、段階(i)の生成物および5−クロロ−2−メトキシベンゼンボロン酸を用いて製造した。これをさらに特性決定することなく段階(iv)に直接用いた。
MS: MM(-ve) 394 (M-H).
【0214】
iii) 4'−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−3',5−ジフルオロビフェニル−2−オール
副題化合物を、実施例2の段階(iii)の方法によって、段階(ii)の生成物および三臭化ホウ素を用いて製造した。
MS: MM(-ve) 379 (M-H).
【0215】
iv) {[5−クロロ−3',5'−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸tert−ブチル
副題化合物を、実施例1の段階(iii)の方法によって、段階(iii)の生成物を用いて製造した。これをさらに精製することなく段階(iv)に直接用いた。
MS: ES(+ve) 495 (M+H).
【0216】
v) {[5−クロロ−3',5'−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
表題化合物を、実施例1の段階(iv)の方法によって、段階(v)の生成物を用いて製造した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.04 (2H, d), 7.81 (1H, tt), 7.71 (2H, t), 7.65 (1H, s), 7.62 (1H, s), 7.54 (1H, d), 7.46 (1H, dd), 7.12 (1H, d), 4.80 (2H, s).
MS: MM(-ve) 437 (M-H).
【0217】
ラットの薬物動態学的データ
IVおよびPOラット薬物動態学的試験
試験サンプルを、適切な溶媒中1mg/mlとして、スプラーグドーリーラットに、それぞれ尻尾の静脈を介して(IV, 1ml/kg)または口から(PO, 3ml/kg)投与する。血液サンプルを尻尾の静脈(IV投与の反対側)から、一連の時間点で採取し、氷上に置いた。次いで血液サンプルを遠心分離し、血漿を分析のために採取した。次いで血漿サンプルをMS/MSを用いて分析し、親化合物の濃度を標準曲線から決定した。血漿濃度−時間のプロットを、市販のソフトウェア WinNonLin 3.1 (Pharsight, Mountain View, CA)を用いて分析した。薬物動態学的パラメーター、例えばクリアランス、分布容積、および半減期を決定した。式(I)の化合物は、>2.5時間の半減期を有する。
【0218】
薬理データ
リガンド結合アッセイ
[H]PGD を、Perkin Elmer Life Sciences から、比活性100〜210Ci/mmolで購入した。全ての他の薬品は、分析用であった。
【0219】
rhCRTh2/Gα16を発現させたHEK細胞を、10%のウシ胎児血清(HyClone)、1mg/mlのジェネテシン、2mMのL−グルタミン、および1%の非必須アミノ酸を含むDMEM中に慣用の方法で維持した。膜の製造のためには、トランスフェクトされた接着HEK細胞を、2層の組織培養ファクトリー(Fisher, カタログ番号 TKT-170-070E)中にコンフルエントになるまで成長させた。受容体発現の最大レベルは、培養の最後18時間に、500mMの酪酸ナトリウムを添加することによって誘発された。接着細胞を、リン酸緩衝食塩水(PBS, 細胞ファクトリー当たり50ml)で1回洗浄し、細胞ファクトリー当たり50mlの氷冷した膜均質化緩衝液[20mM HEPES(pH 7.4)、0.1mM ジチオトレイトール、1mM EDTA、0.1mM フッ化 フェニルメチルスルホニル、および100μg/ml バシトラシン]を添加することによって分離させた。細胞を10分間4℃で、220×Gで遠心分離することによってペレットにし、元の容積の半量の新しい膜均質化緩衝液に再度懸濁し、チューブを全ての時間で氷中に維持して、Polytron ホモジナイザーを用いて2×20秒破砕した。非破砕細胞を220×Gで10分間4℃で遠心分離することによって除去し、膜フラクションを、90000×Gで30分間4℃で遠心分離することによってペレットにした。最終的なペレットを、細胞ファクトリー当たり4mlの膜均質化緩衝液に再度懸濁し、蛋白質含量を決定した。膜を、−80℃で、適切なアリコート中で保存した。
【0220】
全てのアッセイを、Corning 透明底, 白色96ウェルNBSプレート(Fisher)中で行った。アッセイの前に、CRTh2を含むHEK細胞膜を、SPA PVT WGA ビーズ(Amersham)上にコートした。コートするために、膜を、ビーズと共に、ビーズ1mg当たり典型的に25μgの膜蛋白質で、4℃で、定速撹拌しながら、終夜インキュベートした(最適コーティング濃度を膜のそれぞれのバッチで決定した)。ビーズを遠心分離(800×G, 7分間, 4℃)によってペレットにし、アッセイ緩衝液(5mMの塩化マグネシウムを含む50mM HEPES(pH 7.4))で1回洗浄し、最後にアッセイ緩衝液に10mg/mlのビーズ濃度で再度懸濁した。
【0221】
それぞれのアッセイは、20μlの6.25nMの[H]PGD、20μlの膜飽和SPAビーズを、アッセイ緩衝液および10μlの化合物溶液または13,14−ジヒドロ−15−ケト プロスタグランジン D2(DK−PGD(非特異的結合決定のために用いる), Cayman chemical company)の両方中に含む。化合物およびDK−PGDをDMSOに溶解し、同じ溶媒で100×求められる最終濃度に希釈した。アッセイ緩衝液を加え、10% DMSOの最終濃度とし (化合物は、10×求められる最終濃度であった)、そしてこれがアッセイ・プレートに加えられた溶液であった。アッセイ・プレートを、室温で2時間インキュベートし、Wallac Microbeta 液体シンチレーション計数機(ウェル当たり1分)で計数した。
【0222】
式(I)の化合物は、>8.5のpIC50値を有する。
特に、実施例7は、8.5のpIC50値を有し;実施例8は、8.8のpIC50値を有し;実施例15は、8.8のpIC50値を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
AおよびDは、水素、ハロゲン、ニトリル、C1−3アルキル、C1−3アルコキシ(後二者の基は所望により1個以上のハロゲン原子によって置換され得る)から独立して選択され;
Xは、ハロゲンまたはC1−3アルキルであり、これは、所望により1個以上のハロゲン原子によって置換されており;
Yは結合であり;
Zは、アリールまたはヘテロアリールであり、これらは、水素、ハロゲン、ニトリル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、SO1−6アルキル、ヘテロアリールから選択される1個以上の基によって置換されており;後四者の基は、所望によりハロゲン原子、ニトリルまたはSO1−6アルキルによって置換されていてもよく;
およびRは、独立して、水素原子またはC1−3アルキル基を表すか、
あるいは、RおよびRは、一体となって、所望によりO、S、NRから選択される1個以上の原子を含む3員環〜8員環を形成することができ、またそれ自体、所望により1個以上のC−Cアルキルによって置換されており;そして
は、水素またはC−Cアルキルである。]
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
Xが、クロロ、フルオロまたはメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
基:SO−Y−Zが、フェニル環の4位に存在する、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
基:SO−Y−Zが、フェニル環の4位に存在し、基Aおよび基Dの両方に対してオルト位である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
基:SO−Y−Zが、フェニル環の4位に存在し、基Aに対してオルト位で、かつ基Dに対してメタ位である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項6】
基AおよびDが、独立して、水素、ハロゲンまたはC1−3アルキル(後者は、所望によりハロゲン原子によって置換されている)である、請求項1から5の何れか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Aが、水素、ハロゲンまたはCFである、請求項1から6の何れか1項に記載の化合物。
【請求項8】
Dが、水素、ハロゲンまたはメチルである、請求項1から7の何れか1項に記載の化合物。
【請求項9】
AおよびDが、水素およびハロゲンから独立して選択される、請求項1から8の何れか1項に記載の化合物。
【請求項10】
およびRが、独立して、水素またはC1−3アルキルである、請求項1から9の何れか1項に記載の化合物。
【請求項11】
およびRが、独立して、水素またはメチルである、請求項1から9の何れか1項に記載の化合物。
【請求項12】
Yが結合である、請求項1から11の何れか1項に記載の化合物。
【請求項13】
Zが所望によりハロゲンまたはC1−6アルコキシによって置換されているフェニルである、請求項1から12の何れか1項に記載の化合物。
【請求項14】
Zが所望によりハロゲンによって置換されているフェニルである、請求項1から13の何れか1項に記載の化合物。
【請求項15】
Zが所望によりフルオロによって置換されているフェニルである、請求項1から14の何れか1項に記載の化合物。
【請求項16】
{[5−クロロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
{[3',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
(2S)−2−{[3',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸;
({5−クロロ−3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
{[2',5−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
{[5−クロロ−2'−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
{[5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)−3'−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
(2S)−2−({5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸;
({5−クロロ−2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
(2S)−2−({5−クロロ−2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸;
(2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(2−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸;
(2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸;
(2S)−2−({3',5−ジフルオロ−4'−[(3−フルオロフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)プロパン酸;
({5−クロロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2'−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
(2S)−2−{[2'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸;
({3'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
({5−クロロ−4'−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]ビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
({4'−[(2−クロロフェニル)スルホニル]−3',5−ジフルオロビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
(2S)−2−{[3'−クロロ−5−フルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}プロパン酸;
({4'−[(3−クロロフェニル)スルホニル]−2',5−ジフルオロビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
({2'−フルオロ−4'−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−5−メチルビフェニル−2−イル}オキシ)酢酸;
{[3'−フルオロ−5−メチル−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
{[5−クロロ−3',5'−ジフルオロ−4'−(フェニルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
およびその薬学的に許容される塩
から選択される、請求項1から15の何れか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
治療に使用するための、請求項1から16の何れか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項18】
プロスタグランジンが介在する疾患を処置する方法であって、患者に、治療上有効な量の請求項1から16で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項19】
プロスタグランジン D2が介在する疾患を処置する方法であって、患者に、治療上有効な量の請求項1から16で定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項20】
呼吸器疾患に罹患しているまたはそのリスクがある患者において、呼吸器疾患、例えば喘息および鼻炎を処置する方法であって、該患者に、治療上有効な量の請求項1から16で定義した式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与することを含む方法。
【請求項21】
式(II):
【化2】

の化合物。
【請求項22】
式(III):
【化3】

の化合物。
【請求項23】
式(V):
【化4】

の化合物。

【公表番号】特表2009−511454(P2009−511454A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534073(P2008−534073)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003697
【国際公開番号】WO2007/039741
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】