説明

呼気凝縮液の採取のための使い捨てハンドヘルド装置

中央チャンバ(24)、呼気入力アセンブリ(50)、プランジャアセンブリ(30)及び呼気凝縮液採取ポート(39)を含む呼気凝縮液採取装置(10)。中央チャンバは、内側壁(22)、外側壁(32)及びそれらの間に密封された冷却材(34)を有する。呼気入力アセンブリ(50)は、チャンバの内部と流体連通する中央チャンバ(24)の側に配置される。凝縮液を形成することのできる表面積を増大するためにチャンバの内部に障害構造物が配設されることができる。装置は、取り外して試料採取ウェルと交換することができる出口アセンブリも含むことができ、凝縮液は緩衝液で試料採取ウェル中へ洗い流されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、「DISPOSABLE HAND−HELD DEVICE FOR COLLECTION OF EXHALED BREATH CONDENSATE FOR ASSAY OF BIOMARKERS FOR THE DETECTION AND PROGNOSIS OF LUNG ISCHEMEMIA」と称する2002年12月20日に出願した米国特許仮出願第60/434916号、および「DEVICE AND METHOD FOR COLLECTION OF EXHALED ALVEOLAR BREATH CONDENSATE」と称する2003年2月14日に出願した米国特許仮出願第60/447581号の優先権の利益を享有し、優先権を主張する。これらの各々を丸ごと参照によって本書に組み込む。
【0002】
本発明は、呼気凝縮液の採取医療検査および診断に関し、特に、内壁と外壁との間に埋め込まれた冷却材と、側面装着呼気入力アセンブリと、凝縮液をそこから採取することのできる出口と、凝縮液を出口から絞り出すためのプランジャとを有する二重壁チャンバに関する。採取された試料は次いで、肺虚血および関連する肺血管狭窄の存在および重症度を示すバイオマーカーについて検査することができる。
【背景技術】
【0003】
呼気の約6%は水蒸気および水滴である。呼気の水分の一つの源は、肺の肺胞の内側を覆う流体である。言い換えると、呼吸から吐き出される水蒸気は、気管支および肺胞内の流体と平衡化し、したがって呼気凝縮液の採取は、これらの流体の試料採取の非侵襲性手段を提供する。
【0004】
呼気凝縮液は、溶解ガス、有機溶質、イオン、およびタンパク質をはじめとする、水溶性および非水溶性分子を含む。特定の疾患を持つ患者からの呼気凝縮液試料は、炎症性分子の含有率が上昇することが示されてきた。例えば、以前の研究で、喫煙、喘息、および嚢胞性線維症はプロスタグランジン誘導体、トロンボキサン、ロイコトリエン、およびサイトカインの存在を増加させることが実証された。(SA KharitonovおよびPJ Barnes、Exhaled markers of pulmonary disease、Am J Respir Crit Care Med 163:1693−1722、2001)。しかし、最近まで、肺虚血の存在および重症度の決定に役立つ、呼気水蒸気中のバイオマーカーを同定する研究は、ほとんど行なわれてこなかった。
【0005】
しかし、最近の研究は、比較的少量の呼気凝縮液試料に一連の検査を実行することによって、肺虚血を検知することができることを示している。肺虚血について提案された一連の検査は、繊維素ペプチド、トロンボキサンB、血小板活性化因子、ロイコトリエンC、D、およびE、一酸化炭素対酸化窒素比、ならびにケモカインおよび他のタンパク質を含むことができる。呼気凝縮液中の繊維素ペプチドの測定は、肺脈管構造における血餅の存在のより局所的な測定を可能にする潜在的可能性を持つと思われる。トロンビンが、繊維素ゲル化の必須条件として、繊維素原から繊維素原Aペプチドを開裂することは、公知である。その小さいサイズのため、繊維素ペプチドは肺胞膜を横断して肺胞液中で平衡化し、それにより呼気凝縮液中に見られることが仮説として立てられる。
【0006】
また、肺血管狭窄は、PGF2α、トロンボキサンB2、PAF、ロイコトリエンC、D、およびE、ならびに凝縮液中のCO対NOの比を測定することによって検知することができ、肺血管拡張剤治療またはCOX1,2抑制を開始するための基礎がもたらされると思われる。我々の研究室は、ラットへのポリスチレン小球体の静脈注入によって誘導した実験的な肺血管閉塞(PVO)を使用して、呼気凝縮液分析に関連する三つの主要な研究結果を決定した。我々およびその他は、我々のラットモデルにおける肺洗浄液中のPGF2a、トロンボキサンB2、血小板活性化因子(PAF)、および血管収縮性ロイコトリエンC、D、およびEの含有量の増加を発見した(Nakos、Am J Resp Crit Care Med 1998、158:1504)。これらの血管収縮剤の濃度の大きさは、低酸素血症および肺高血圧症の重症度と相関した。我々はまた、ヘムオキシゲナーゼ1をコード化する遺伝子の極端に増加する発現、および誘導酵素、酸化窒素合成酵素をコード化する遺伝子の発現に関するほぼ完全な欠如を発見した。ヘムオキシゲナーゼはヘム基質から一酸化炭素(CO)を産生する一方、酸化窒素合成酵素は酸化窒素(NO)を産生する。両方とも血管拡張物質である。PVOにさらされたラットにおいて、我々はまた、サイトカイン誘導好中球誘引物質1および2(CINC 1&2)、ならびに単球/マクロファージ遊走因子(MCP)1および2、ならびに単球/マクロファージ炎症性タンパク質(MIP)1αおよび1βの遺伝子発現の肺における早期増加と共に、肺気道および肺胞からの洗浄液中の各タンパク質の同時増加が、PEの誘導から早くも2時間後に得られ、PE誘導から18時間後まで続くことを発見した。化学遊走分子はロイコサイトの患部への移動を引き起こすことがあり、このメカニズムを通して、治療再灌流中に傷害を増大させるおそれがある。
【0007】
さらに、呼気凝縮液中の特定のケモカインの存在は、再灌流傷害の素因になると考えられる。ラットで発見されたケモカインには、CINC1、CINC2、MIPlα、MIP1β、ならびにMCP1および2が含まれた。我々の装置で検査されるヒト相同体は、ZlotnickおよびYoshie、Immunity、2000、12:121‐127によって概説された命名法による、CXCL1、CXCL2、およびCXCL3、CCL2、CCL3、CCL4、およびCCL8を含むであろう。ケモカインは肺高血圧症の炎症性モデルで発見された。(Kimura、Lab Invest 1998 78:571‐81;Ikeda、Am J Physiol Heart Circ Physiol、2002、283(5):H2021‐8)。主に血流障害を引き起こす生体内PVOモデルとは異なり、後者の研究のモデルは炎症および組織修復を刺激し、それは数週間にわたって血管閉塞を導く。同様に、研究者らは、灌流および換気の両方を妨げる、肺門結紮またはクランプを受けた肺におけるケモカインの発現の増加をも発見した。肺胞換気は生体内PVOでは続行されるので、後者のモデルは生体内PVOとは著しく異なる。したがって、虚血性傷害は、生体内PVOと肺門結紮とでは異なる。
【0008】
呼気凝縮液を含む呼気を分析し、あるいは別の方法で呼気の特定の成分を測定する試みが行なわれてきた。例えば、Gaston IVらの米国特許第6419634号および第6033368号は、呼気凝縮液を十分に冷却して内管の壁に凝縮させるために、冷却剤が管を同軸的に包囲する、使い捨て装置を開示している。残念ながら、該装置は、酸化窒素の測定用に設計されており、呼気凝縮液におけるタンパク質またはエイコサノイドの決定を容易にするように意図されたものではない。その結果、それは多数の欠点を免れない。第一に、Gastonの装置は、分析機器に直接取り付けられ、したがって、救急治療部または他の外来患者の少量の凝縮液の採取のために、ベッドサイドで使用するには大きすぎ、かつ扱いが煩雑すぎる。Gastonの装置はまた、試料を一つのチャンバに集め、次いで分析のために、液滴融合および重力の複合作用によって別個の第二チャンバに移送しなければならないので、非効率な試料採取を免れない。おそらくもっと悪いことに、Gastonの装置は、装置が酸化窒素の分光光度分析用に特に設計されたチャンバで凝縮液を採取し、したがって、上記パネルの成分を測定するために、凝縮液をそこから吸引し、分注し、あるいは別の方法で回収して、その後に別個のアッセイウェルに移送するためのポートまたは他のアクセス可能な貯蔵所を持たないので、分析機器から分離して使用することができない。
【0009】
さらに、Gastonはその内管で凝縮液を下方に絞り出すのに、注射器のプランジャと同様の装置を使用することに言及しているが、Gastonは、そのようなプランジャを導入管とどのように統合させるかの問題を解決していない。また、Gastonの装置の内管で液を下方に絞り出すためにプランジャを含めても、前述した追加的問題は解決されない。つまり、Gastonは、採取された液を分析チャンバの外で検査するために取り出して移送するための簡単な方法を依然として開示していない。最後に、Gastonの冷却剤は、限られた呼吸数から較正された量の凝縮液の凝縮を可能にするように、較正されていない。それどころか、Gastonの装置は、十分な量の凝縮液を採取するために、長時間の呼吸を持続する必要であり、問題は装置から凝縮液をより効率的に取り出すプランジャの欠如によって悪化する。これは、主に、Gaston装置では、意図された種類の検査をそこで実行するために、かなりの量の凝縮液が必要なためである。前述の通り、本発明の主な目的は、上述した種類の検査を実行するために必要な、比較的少量の凝縮液を採取することである。そのような検査はGastonによって予想されていなかったので、Gastonの装置はそのような検査を可能にするために開発されたものではなかった。したがって、上述したような検査を実行するために、要望通りの分注を可能にするやり方で、少量の呼気凝縮液を採取するための高速かつ簡便な装置および方法の必要性が存在する。
【発明の開示】
【0010】
上述したような呼気水蒸気中の特定のバイオマーカーを測定する能力は、肺虚血の存在および重症度を決定する上で役立つという仮説が立てられる。肺虚血は、血栓塞栓症、鎌状赤血球病、脂肪および空気塞栓症をはじめ、多くの過程によって引き起こされ得る。ポイントオブケア装置で迅速かつ容易に呼気凝縮液を採取する能力は、特に救急治療部または臨床環境において、これを目的とする呼気に基づく診断の臨床的有用性を改善するであろう。本書に記載する装置は、患者がハンドヘルド型使い捨てチャンバ内に息を吹き込むことができ、約100〜1000マイクロリットルのエアロゾル化および気化した水および溶質の採取を促進するように設計され、それらは次いで、酵素結合免疫測定法を使用して特定のタンパク質および他の有機化合物の有無について、かつレーザ分光光度測定法を使用して酸化窒素に対する一酸化炭素の割合の測定のために、分析することができる。
【0011】
本発明の目的は、携帯可能な装置で呼気中水蒸気のコールドトラップを可能にする方法を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、既知回数の呼息の吹込み後に氷が融解して、凝縮した呼気中の水のエアロゾルおよび蒸気の採取ができるように、既知量の凍結水の使用を可能にするメカニズムを提供することである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、水蒸気および周囲空気による汚染を防止する一連の弁を有する、呼気凝縮液採取装置を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、プランジャ型のメカニズムを使用して、採取された凝縮液を小さい貯蔵所内に絞り出して液の採取を促進する、呼気凝縮液採取装置を提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、呼気凝縮液採取装置を、それが装置のコストを最小化する使い捨てユニットとなるように、装置の最小限のコストを可能にする材料を使用して作成することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、血管収縮剤分子についての検査、CO対NO比の測定、およびケモカインタンパク質の測定を促進するために、呼気凝縮液試料を迅速に採取し、分注するための方法を提供することである。
【0017】
本発明は、検査のために患者から呼気凝縮液を非侵襲的に採取するための装置および方法を含む。広義には、一態様に係る本発明は、二重側壁ならびに第一および第二の対向端を有する中央チャンバであって、二重側壁が相互に相隔たる関係の内側壁および外側壁を含む中央チャンバと、中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内側壁と外側壁との間に密封された冷却材と、中央チャンバの外側壁の外側に配置され、呼気入力アセンブリの内部が中央チャンバの内部と流体連通するように内側壁および外側壁の両方を貫通する呼吸入力アセンブリと、ピストンおよびハンドルを有するプランジャアセンブリであって、ピストンが内側壁とぴったり接触する状態で中央チャンバの内部に摺動可能に配置され、ハンドルが中央チャンバの第一端から、ピストンを中央チャンバ内で移動させることができるように伸長して成るプランジャアセンブリと、中央チャンバの内部と流体連通するように中央チャンバの第二端に配置された呼気凝縮液採取ポートと、を含む呼気凝縮液採取装置である。
【0018】
この態様の特徴では、プランジャアセンブリは、完全に後退した位置と、完全に押し込まれた位置との間で調整可能であり、プランジャがその完全に後退した位置にあるときに、呼気入力アセンブリと中央チャンバとの間の流体接続はピストンと中央チャンバの第二端との間に存し、中央チャンバの外側壁の外側の呼気入力アセンブリの位置は中央チャンバの第一端に隣接し、中央チャンバはその第二端に端壁を含み、呼気凝縮液採取ポートは中央チャンバの端壁に配置され、ピストンは中央チャンバの第二端の方向を向いた表面を含み、ピストンの該表面に突起が配置され、該突起は、プランジャアセンブリが中央チャンバ内に完全に押し込まれたときに、呼気凝縮液採取ポート内に嵌合されるように適応され、呼気凝縮液採取ポートおよび突起は各々半円錐形であり、突起の側面には、呼気凝縮液を呼気凝縮液採取ポートに向かって誘導するのを容易にするために、一つまたはそれ以上の溝が配置され、突起の内部には、呼気凝縮液を呼気凝縮液採取ポートに向かって誘導するのを容易にするために、一つまたはそれ以上の内部通路が配置され、呼気凝縮液採取ポートは中央チャンバの外側壁の外側にその第二端に隣接して配置され、呼気凝縮液採取ポートは中央チャンバの底部に配置され、呼気凝縮液採取装置はまた、中央チャンバの外側壁の頂部にその第二端に隣接して配置された出口および出口弁をも含み、呼気凝縮液採取装置はまた呼気凝縮液採取ポートを一時的に密封するためのキャップをも含み、呼気凝縮液採取装置は主軸心を画定し、呼気入力アセンブリはマウスピースと、マウスピースを中央チャンバの側面に接続する管構造とを有し、マウスピースは一般的に呼気凝縮液採取装置の主軸心と平行に方向付けられ、呼気凝縮液採取装置はまた、呼気凝縮液採取装置の移動または取扱いを容易にするように、その中に採取された呼気凝縮液が取り出されるときまで、プランジャアセンブリのハンドルを完全に押し込まれた位置でロックするために、中央チャンバの第一端に取り付けられた少なくとも一つのクリップをも含む。
【0019】
本発明の別の態様では、本発明は、二重側壁と、第一および第二の対向端と、中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内部側壁と外部側壁との間に密封された冷却材と、中央チャンバの第二端に配置された呼気凝縮液採取ポートとを有する中央チャンバを提供すること、冷却材の温度を下げて中央チャンバの少なくとも内壁を冷却すること、中央チャンバの外側壁の外側に配置された呼気入力アセンブリを介して、内側壁および外側壁を通して送り出された患者からの呼気を、中央チャンバの内部に受容すること、中央チャンバの内壁の内部表面に呼気の一部分を凝縮させること、プランジャアセンブリを中央チャンバ内で押し下げることによって、凝縮ステップ中に生成された凝縮液を中央チャンバから絞り出し、それによって凝縮液を呼気凝縮液採取ポート内に押し込むこと、および絞り出された凝縮液をその分析のために呼気凝縮液採取ポートから吸引することを含む呼気凝縮液を採取する方法である。
【0020】
この態様の特徴では、吸引ステップは絞り出された凝縮液をピペットに吸引することを含み、該方法はまた凝縮液をピペットからその分析用の別個のアッセイウェルに移すことをも含み、提供ステップは、中央チャンバの外側壁の頂部にその第二端に隣接して配置された出口および出口弁を有し、かつ中央チャンバの底部に配置された呼気凝縮液採取ポートを有する中央チャンバを提供することを含み、該方法はまた受容および凝縮ステップ中に呼気凝縮液採取ポートを一時的に密封することをも含み、提供ステップは、中央チャンバの第一端に取り付けられた少なくとも一つのクリップを有する中央チャンバを提供することを含み、該方法はまた、プランジャアセンブリを押し込むことによって凝縮液を絞り出した後で、呼気凝縮液採取装置の移動または取扱いを容易にするように、その中に採取された呼気凝縮液が取り出されるときまで、少なくとも一つのクリップを介して、プランジャアセンブリのハンドルを完全に押し込まれた位置でロックするステップを含む。
【0021】
本発明の別の態様では、本発明は、相互に相隔たる関係の内側壁および外側壁を含む二重側壁を有する中央チャンバと、中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内側壁と外側壁との間に密封された冷却材と、内部が中央チャンバの内部と流体連通する呼気入力アセンブリと、凝縮液を形成することのできる表面積を増大するために中央チャンバの内部に配設された一つまたはそれ以上の障害構造物と、中央チャンバの内部と流体連通する呼気凝縮液採取ポートとを含む呼気凝縮液採取装置である。
【0022】
この態様の特徴では、障害構造物は格子状構造物を含み、障害構造物は離散的幾何学構造物を含み、離散的幾何学構造物は球体を含み、離散的幾何学構造物は金属から形成され、離散的幾何学構造物はガラスから形成され、障害構造物は中央チャンバの内部の所定の位置に固定され、障害構造物は中央チャンバの内部で自由浮動し、障害構造物の運動は中央チャンバの特定部分に制限される。
【0023】
本発明の別の態様では、本発明は、内部に配設された一つまたはそれ以上の障害構造物と、中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内側壁と外側壁との間に密封された冷却材とを有する二重壁中央チャンバを提供すること、冷却材の温度を下げて中央チャンバの少なくとも内壁および障害構造物を冷却すること、患者からの呼気を中央チャンバの内部に受容すること、中央チャンバの内壁の内部表面および障害構造物に呼気の一部分を凝縮させること、および凝縮ステップ中に生成された凝縮液を中央チャンバから取り出すことを含む呼気凝縮液を採取する方法である。
【0024】
この態様の特徴では、取出しステップは障害構造物から凝縮液を洗い流すことを含み、洗浄ステップは中央チャンバにある量の液体を加えることを含み、該量は中央チャンバに存在する凝縮液の量に対応するように選択され、洗浄ステップは中央チャンバにある量の液体を加えることを含み、該量は、患者が予め定められた期間中央チャンバ内に息を吹き込んだ後に中央チャンバ内に存在する見込みのある凝縮液の量に対応するように選択され、洗浄ステップは中央チャンバにある量の液体を加えることを含み、該量は、患者が予め定められた回数の呼気の吹込みを終了した後、中央チャンバ内に存在する見込みのある凝縮液の量に対応するように選択され、該方法は、洗浄ステップを実行する前に、中央チャンバから障害構造物を取り外すことをさらに含む。
【0025】
本発明の別の態様では、本発明は、着脱自在の出口アセンブリと中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内側壁と外側壁との間に密封された冷却材とを有する二重壁中央チャンバを提供すること、冷却材の温度を下げて中央チャンバの少なくとも内壁を冷却すること、患者からの呼気を中央チャンバの内部に受容すること、中央チャンバの内壁の内部表面に呼気の一部分を凝縮させること、出口アセンブリを取り外してそれを試料採取ウェルと交換すること、および凝縮ステップ中に生成された凝縮液を中央チャンバから試料採取ウェルへ移動させることを含む呼気凝縮液を採取する方法である。
【0026】
この態様の特徴では、凝縮液を移動させるステップは、中央チャンバから試料採取ウェルへ既知の液体で凝縮液を洗い流すことを含み、凝縮液を洗い流すステップは、予め定められた量の既知の液体を中央チャンバ内に導入すること、予め定められた量の既知の液体を凝縮液と混合すること、および既知の液体および凝縮液を中央チャンバから試料採取ウェルへ排出させることを含み、出口アセンブリを取り外すステップは中央チャンバに開口を形成することを含み、導入のステップは該開口を介して既知の液体を導入することを含み、該方法は、出口アセンブリを試料採取ウェルと交換する前に試料採取ウェルに既知の液体を貯蔵することをさらに含み、既知の液体は緩衝溶液である。
【0027】
本発明の別の態様では、本発明は、内部に配設された一つまたはそれ以上の障害構造物と、中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内側壁と外側壁との間に密封された冷却材とを有する二重壁中央チャンバを提供すること、予め定められた温度で開始するときに、典型的な患者から受け取る選択された回数の呼気が、十分な量の呼気凝縮液を生成して中央チャンバの内壁の内部表面上に採取されるように、二重壁中央チャンバの壁および冷却材を較正すること、冷却材の温度を予め定められた温度に下げて中央チャンバの少なくとも内壁を冷却すること、選択された回数の呼気に基づいて確立された予め定められた範囲内の呼気回数である複数の呼気を特定の患者から中央チャンバの内部に受容すること、中央チャンバの内壁の内部表面に患者から受容した呼気の一部分を凝縮させること、および凝縮ステップ中に生成された凝縮液を中央チャンバから取り出すことを含む呼気凝縮液を採取する方法である。
【0028】
この態様特徴では、予め定められた範囲は10回から25回までの呼気である。予め定められた温度は標準フリーザの温度であり、予め定められた温度は0°Fである。
【0029】
図面の簡単な記述
本発明のさらなる特徴、実施形態、および利点は、図面に関連する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1は、本発明の第一の好適な実施形態に係る呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
図2は、二重壁構造を示す図1の装置の、線2−2に沿って切った右端面断面図である。
図3は、図1の装置の右端面図である。
図4は、プランジャアセンブリが完全に押し込まれた位置にある、図1の呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
図5は、本発明の第二の好適な実施形態に係る呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
図6Aは、一つの型の突起を示す、図5のプランジャアセンブリの部分側面図である。
図6Bは、図6Aのプランジャアセンブリの右端面図である。
図7Aは、別の型の突起を示す、図5のプランジャアセンブリの部分側面図である。
図7Bは、図7Aのプランジャアセンブリの右端面図である。
図7Cは、図7Aのプランジャアセンブリの部分側面断面図である。
図8は、本発明の第三の好適な実施形態に係る呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
図9は、反転した配向で示される図1の呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
図10は、本発明の第四の好適な実施形態に係る呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
図11は、図10の装置用の着脱自在の出口キャップの断面略図である。
図12は、図10の装置用の着脱自在の試料採取ウェルの断面略図である。
図13は、試料採取ウェルが設置された状態の図10の呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
今、図面を参照すると、幾つかの図を通して類似の数字は類似の構成部品を表わしており、本発明の好適な実施形態に係る様々な呼気凝縮液採取装置10、110、210、310について次に示し、説明する。
【0031】
図1は、本発明の好適な実施形態に係る呼気凝縮液採取装置10の側面断面略図である。呼気凝縮液採取装置10は二重壁シリンジ20および呼気入力アセンブリ50を含む。シリンジ20の内壁22は、ピストン26と、ゴムガスケット28と、シリンジ20の一端から延びるハンドル30とを含むプランジャアセンブリ25が中に嵌合される、中央シリンダ24を画定する。外壁32は、内および外壁22、32の間に狭い空間が形成されるように、内壁22の周囲に配設される。図2は、二重壁構造を示す図1の装置10の、線2‐2に沿って切った右端面断面図であり、図3は、図1の装置の右端面図である。製造中に、内および外壁22、32の間の空間は冷却材34のジャケットで埋めることができ、次いで漏れを防止するように外壁32を内壁22に封着することができる。好適な実施形態では、冷却材34として水を使用することができるが、ポリエチレングリコール(「PEG」)および類似物のような、他の材料を同様に使用することができることは明らかである。
【0032】
シリンジ20はさらに、入口36、出口38、採取ポート39、および一対の一方向弁40、42を含む。吹き込まれた呼気の中央シリンダ24内の一方向のみの通過を容易にするために、第一弁40は、入口36にまたはそれに隣接して配置することのできる吸込み弁であり、第二弁42は、出口38にまたはそれに隣接して配置することのできる出口弁である。出口弁42は、以下で明らかになる目的のために、中央シリンダ24と採取ポート39との間に配置することが好ましい。出口38は、中央シリンダ24内に採取された物質をピストン26によって出口38から絞り出すことを可能にするために、プランジャハンドル30の反対側の端に配置することが好ましい。弁40、42は様々な図面に概略的にしか示されていないが、それらは例えば、プラスチックまたは別の変形可能なポリマから形成された二つまたは三つの自己密封弁葉を含むことができる。そのような弁の設計は、通常の当業熟練者には明白であろう。
【0033】
さらに、ピストン26はシリンジ20の一端を塞ぎ、かつ出口38は反対側の端に配置されるので、入口36は、シリンジ20の側面に内および外壁22、32の両方を貫通するように配設することが好ましい。中央シリンダ24内を通過する吹き込まれた呼気と内壁22の内部表面44との間の最大の相互作用を引き起こすために、入口36はピストン26にできるだけ近くに配置することが好ましいが、本発明の範囲から逸脱することなく、これらの構成部品の他の配設が同様に可能であることは明らかであろう。
【0034】
呼気入力アセンブリ50は、マウスピース52と、フィルタ54と、吹き込まれた呼気をマウスピース52からシリング20の入口36に誘導するために必要な任意の配管56とを含む。マウスピース52は、患者の口部と快適に接触することができるような適切なサイズおよび形状である。穿孔または連続貫入を有するポリマ材を含むことのできるフィルタ54は、唾液および他の液体または最小サイズの固形物がそこを通過してシリンジ20内に入るのを防止するために、マウスピース52とシリンジ入口36との間で配管56内に配設することができる。唾液はさらに、呼気入力アセンブリ50を通過した呼気が上方に移動するように、呼気入力アセンブリ50をシリンジ20の下に配設することによって、中央シリンダ24に到達するのを防止することができる。この構成では、唾液および他の液体または固形物に対する重力の作用が、そのような物質の中央チャンバ24内への上昇移動を防止するのに役立ち、代わりにそれは配管56内で採取され易くなる。
【0035】
配管56は、マウスピース52または配管56の他の部分と、本書で記述するようなプランジャアセンブリ25の動作との間の干渉を防止するように構成することが好ましい。さらに好ましくは、マウスピース52は、シリンジ20およびその中のプランジャアセンブリ25と略平行に方向付けられ、言い換えると、マウスピース52は、シリンジ20によって画定される主軸心と平行に方向付けられる。この配向により、呼気は患者から、プランジャアセンブリ25の動作に干渉を引き起こすことなく受容することができ、患者が装置10を使用するときにシリンジ20の内部に形成される凝縮液は、出口38に向かって下方に排出され易くなる。
【0036】
装置10の寸法は、患者または付添い人によって容易に保持されるように十分に小型かつ軽量である装置10であって、患者がその呼吸パターンを変える必要のない装置10を使用して、十分な量の凝縮液を比較的短時間で採取することができるように選択される。壁22、32および装置10の他の構造は、白金硬化シリコンのような、タンパク質に結合する傾向のない材料から構成することが好ましいが、他の適切な材料として、ガラス、プラスチック、ポリエチレン、ポリカーボネート、またはポリビニルもしくは他の合成ポリマを挙げることができ、それらに限らない。プランジャアセンブリ25は同様に非タンパク質結合材料から構成することが好ましいが、プラスチック、ビニル、ポリエチレン、ゴム、白金硬化シリコン、またはテフロン(商標)をはじめ、それらに限らず、任意の適切な不活性材料から構成することができる。好適な実施形態では、シリンジ20は、長さが10cmから20cmの間、直径が2cmから5cmの間であり、採取ポート39は長さが5mmから20mmの間、内径が3mmから10mmの間である。冷却材ジャケット34の厚さは1mmから10mmの間とすることができ、一回の使用から絞り出される試料の量は、100μLから1000μLの間であることが好ましいが、わずか25μLの試料からでも有用な結果を得ることが可能であるかもしれない。
【0037】
動作の際には、最初に、温度を約0°Fに低下させることのできる、従来の家庭用または商業用フリーザのような冷凍装置に、一つまたはそれ以上のシリンジ20を貯蔵し、こうしてシリンジ20の内および外壁22、32の間に含まれる冷却材34のジャケットを冷凍させる。患者を検査するときに、単一のシリンジ20が最初にフリーザから取り出される。呼気入力アセンブリ50またはマウスピース52を装置10の残部とは別個に貯蔵している場合には、様々な構成部品を一つに結合することによって、装置10を使用するように組み立てる。次に、患者はマウスピース52を、彼の口部を密封するように配置し、マウスピース52に呼気を吹き込む。呼気は入口36を介して配管56を通って中央シリンダ24内に誘導される。吸込み弁40は正圧によって押し開かれるが、そのような圧力が無い状態では、中央シリンダ24内の空気が入口36から逸出するのを防止する。次いで呼気は、シリンダ24の吸込み端とは反対側の端の出口38から出る。出口弁42は、弁42のシリンダ側に正圧が存在するときにだけ、空気を中央シリンダ24から外に通過させ、そのような圧力が無い状態では、弁42は周囲空気が出口38を介して中央シリンダ24内に入るのを防止する。
【0038】
患者が装置10に呼気を吹き込むと、呼気中の水分が中央シリンダ24の内部表面44上に凝縮し始める。冷却剤34およびシリンジ20の温度の低下のため、凝縮液はすぐに内部表面44で凍結することができる。採取ポート39は好ましくはニップル形であり、長さが約1cm、直径は患者の吹込みに対する抵抗を最小限にするのに十分な小さい直径を有する。直径は、各吹込みが終了するのに約5秒かかるように、呼吸速度を低下させるように選択することが好ましい。これは、呼気が中央シリンダ24の内部表面44と平衡化するまでの時間の量を増加させる。
【0039】
患者が装置10内に呼気を吹き込み続けると、凍結した冷却材34は融解し始める。内部シリンダ24を包囲する冷却材ジャケット34の組成、容積、および厚さは、患者による約10〜15回の吹込み後に冷却材34が融解し始めるように、較正することが好ましい。所望の回数の吹込み後に冷却材34が溶融または解凍すると、凝縮液は同様に融解し始めることができる。凝縮液が融解すると、プランジャアセンブリ25を押し込んで、採取された凝縮液試料を出口38を通して補修ポート39内へ絞り出すことができる。図4は、プランジャアセンブリ25が完全に押し込まれた位置にある、図1の呼気凝縮液採取装置10の側面断面略図である。中央シリンダ24と採取ポート39との間の出口38の出口弁42の位置は次いで、採取された凝縮液を、従来のピペット(図示せず)を使用して、採取ポート39から吸引することを可能にする。次いで凝縮液は、希望するその分析のために、ピペットから別個のアッセイウェルへ移すことができる。最後に、凝縮液が採取され、かつ採取ポート39から抜き取られると、従来の廃棄物処分手順に従って装置10全体を廃棄することができる。
【0040】
必須ではないが、呼気凝縮液採取装置10のプランジャアセンブリ25はさらに、シリンジ20の採取ポート39とは反対側の端の周囲に配置された一つまたはそれ以上のクリップ31を含むことができる。これらのクリップ31は弾性材料から形成し、プランジャハンドル30がそれらの間に押し込まれたときに、シリンジ20から離れるように変形するように設計することが好ましい。ハンドル30が図4に示すようにシリンジ20内に完全に押し込まれると、クリップ31は次いでその自然な弾力性によって偏倚して所定の位置に戻る。ひとたびこの位置に着くと、プランジャアセンブリ25はクリップ31によって所定の位置に効果的かつ便利にロックされ、それによってシリンジ20をずっと安全かつ確実に移送したり、取り扱ったりすることが可能になる。しかし、本発明の様々な実施形態を実施することができるために、そのようなクリップ31は必要ないことは理解されるであろう。
【0041】
図5は、本発明の第二の好適な実施形態に係る呼気凝縮液採取装置110の側面断面略図である。この装置110は、出口38に対面するピストン26の表面に半円錐形突起127(図5に概略的に示す)が配置されること、採取ポート139が突起127をその中に嵌合状態に受容するような大きさおよび形状であること、および出口弁42が採取ポート139の遠端に配置されることを除いては、第一の好適な実施形態の装置10と同一とすることができる。次いで採取ポート139は、凝縮液の被分析物を検知するように設計された測色装置に接続することができる。
【0042】
特に、出口弁42および突起127は図面には概略的にしか示されていないが、出口弁42は採取ポート139の端にできるだけ近く配置することが好ましく、突起127は、プランジャアセンブリ25が中央シリンダ24内に完全に押し込まれたときに、弁42に当接するような大きさおよび形状であることが好ましい。この設計は、プランジャアセンブリ25が完全に押し込まれたときにシリンジ20内に残る液の量を最小にし、したがって、その後の検査に利用可能な凝縮液の量を最小にする。
【0043】
図6Aおよび6Bは、一つの型の突起127を示す、図5のプランジャアセンブリ25のそれぞれ部分側面図および右端面図である。この型の突起127は、その表面に配設され、突起127の基部から先端まで延びる一連の溝129を含む。ピストン26が中央シリンダ24の端ぎりぎりまで押し込まれるときに、溝129はシリンジ20内に残っている凝縮液のための導管として働き、したがって少量の追加凝縮液が中央シリンダ24の端にトラップされずに、採取ポート139を介して採取されることが可能になる。凝縮液を突起127の溝129内に誘導するために使用できる追加的溝構造(図示せず)をピストン26の平坦な表面に含めることによって、この効果をさらに増強することができる。
【0044】
図7A、7B、および7Cは、別の型の突起127を示す、図5のプランジャアセンブリ25のそれぞれ部分側面図、右端面図、および部分側面断面図である。この型の突起127は、突起127の基部の周囲に配設され、突起127の先端を通り抜ける中空軸233に接続される複数の開口231を含む。開口231および中心軸233は、1mmから2mmの間の直径とすることができる。再び、ピストン26が中央シリンダ24の端ぎりぎりまで押し込まれるときに、開口231および中空軸233は、シリンジ20内に残っている凝縮液のための導管として働き、したがって少量の追加凝縮液が中央シリンダ24の端にトラップされずに、採取ポート139を介して採取されることが可能になる。凝縮液を突起127の開口231に誘導するために使用できる追加的溝構造(図示せず)をピストン26の平坦な表面に含めることによって、この効果もまたさらに増強することができる。液試料をそこを通して方向付けかつ押し出すことのできる針状延長部分を設けるために、1mmから2mm(外径)の剛性であるが中空の管構造(図示せず)を中心軸233に装着することもできる。
【0045】
図8は、本発明の第三の好適な実施形態に係る、呼気凝縮液採取装置210の側面断面略図である。第一および第二の実施形態の装置10、110と同様に、この呼気凝縮液採取装置210は、内および外壁222、232を有するシリンジ22と、呼気入力アセンブリ50とを含む。シリンジ220および呼気入力アセンブリ50は、第一実施形態の場合と一般的に同様である。しかし、第一実施形態とは異なり、出口238および出口弁42は、プランジャハンドル30とは反対側の端付近でシリンジ220の頂部に配置され、シリンジ220は、中央チャンバ224の端ぎりぎりでシリンジ220の底部に配置された採取ポート239と、採取ポート239を被覆するためのキャップ37とをさらに含む。採取ポート239を一時的に閉鎖するために、キャップは螺刻するか、または別の方法で採取ポート239にキャップ37を確実に接続するように適応させることができる。この装置210は、呼気はシリンジ220の頂部にある出口238から出るが、凝縮液はシリンジ220の底部にある採取ポート239を介して中央シリンダ224から採取して絞り出すことができることを除いては、第一の装置の実施形態10と同様に機能する。キャップ37は呼気が採取ポート239を通過することを防止するが、凝縮液を中央シリンダ224から採取することを希望する場合、螺脱するかまたは別の方法で取り外すことができる。これは、2003年2月14日に出願の同一人に譲渡された同時係属米国特許仮出願第60/447581号に記載されているように、例えば一時的にまたは永久的にシリンジ220上にまたはそれに隣接して装着された分析機器に凝縮液を直接絞り出す際に、特に有用である。
【0046】
前述の通り、唾液および他の物質が中央シリンダまたはチャンバ24、224に到達するのを防止するのを助けるために、これまで論じた三つの実施形態10、110、210の各々の呼気入力アセンブリ50は、それぞれのシリンジ20、220の下に配設することが有利である。しかし、呼気入力アセンブリ50は、むしろ呼気入力アセンブリ50がシリンジ20、220の頂部に配置されるように方向付けることができることは理解されるであろう。図9は、呼気入力アセンブリ50がシリンジ20の頂部に配置された、逆転した配向で示される、図1の呼気凝縮液採取装置10の側面断面略図である。唾液はシリンジ20内に入り易くなるかもしれないが、本発明の他の特徴はこの構成によって影響されないことは理解されたい。図示しないが、第二および第三実施形態の装置110、210は同様に再構成することができるが、第三装置210の呼気入力アセンブリ50は、その適切な動作を促進するために、採取ポート239の反対側に配置しなければならないことに留意する必要がある。
【0047】
図10は、本発明の第四の好適な実施形態に係る呼気凝縮液採取装置310の側面断面略図である。第一実施形態の装置10と同様に、この呼気凝縮液採取装置310は二重壁シリンジ320および呼気入力アセンブリ350を含む。シリンジ320の内壁322は中央チャンバ324を画定するが、第一実施形態の中央シリンダ24とは異なり、代替実施形態の中央チャンバ324は円筒形である必要はない。外壁332は、内および外壁322、332の間に狭い空間が形成されるような仕方で、内壁322の周囲に配設される。しかし、第一実施形態の装置10と同様に、内および外壁322、332の間の空間は、製造中に冷却材34のジャケットで埋めることができ、次いで漏れを防止するように外壁332は内壁322に封着される。
【0048】
シリンジ320は、入口36と、出口キャップ60と、第一の一方向弁40とをさらに含む。第一弁40は、入口36にまたはそれに隣接して配置することのできる吸込み弁である。図11は、図10の装置用の着脱自在の出口キャップ60の断面略図である。出口キャップ60は出口338と、中央チャンバ324内の呼気の一方向のみの通過を容易にするために出口338にまたはそれに隣接して配置された出口弁である、第二弁342とを含む。出口キャップ60は、中央チャンバ324の入口36とは反対側の端に配置することが好ましい。
【0049】
呼気入力アセンブリ350は、マウスピース52と、フィルタ54と、マウスピース52からシリンジ320の入口36へ呼気を誘導するために必要な任意の配管356とを含む。第一実施形態の装置10と同様に、マウスピース52は患者の口部と快適に接触することができるような適切なサイズおよび形状であり、フィルタ54は、唾液および他の液体または最小サイズの固形物がそこを通過してシリンジ320内に入るのを防止するために、マウスピース52とシリンジ入口36との間で配管356内に配設することができる。
【0050】
前述した実施形態とは異なり、第四実施形態の装置310はプランジャアセンブリを含まない。代わりに、図10に示すように、中央チャンバ324内を通過する呼気が接触することのできる表面積を増大するために、一つまたはそれ以上の障害内部構造物62を中央チャンバ324の内部に配設することができる。適切な障害構造物62として、金属、ガラス、または他の適切な材料から形成された、格子状構造物および他のバフル、図10に示すような球体、または他の幾何学的形状を挙げることができる。これらの構造体62は、適切な網、ボス、または類似物(図示せず)を使用して、シリンジ320内に適正位置に保持することができる。第一実施形態のシリンジ20と同様に仕方で冷却されると、その後中央チャンバ324の内部でより効率的に呼気凝縮液を生成することができる。
【0051】
しかし、障害構造物62は中央チャンバ324の内部を占有するので、そこに採取された凝縮液の除去は、既知の量および組成の適切な緩衝溶液72による中央チャンバ324の内部のフラッシュ洗浄を必要とするかもしれない。例えば溶液は、視覚比色法または分光測色法を使用して溶液のpHを示すために、有機染料を含む水、または蒸留水から構成することができる。図10に示す代替実施形態の好適な使用方法では、装置310は水平に向き付けられ(図示せず)、呼気凝縮液は、第一実施形態について述べたのと同様に、中央チャンバ324の内部表面44および障害構造物62に採取される。次いで装置310は、図10に示すように垂直の向きに回転することができる。装置310は図示した向きの状態で、シリンジ320の内部の凝縮液が逸出するおそれなく、出口キャップ60を取り外すことができる。そのような取外しを容易にするために、対応するねじ山または類似物のような適切な接続手段をシリンジ320および出口キャップ60に設けることが好ましい。
【0052】
ひとたび出口キャップ60を取り外すと、採取された凝縮液をそこから洗い流すために、緩衝溶液72を中央チャンバ324に加えることができる。適切な緩衝溶液および量は、通常の当業熟練者には明白であろう。図12は、図10の装置に使用される着脱自在の試料採取ウェル70の断面略図である。出口キャップ60を取り外し、装置を図10に示すように方向付けた状態で、図12に示すような試料採取ウェル70をシリンジ320の開端に固定して、該端を閉じることができる。図13は、試料採取ウェル70が設置された状態の図10の呼気凝縮液採取装置310の側面断面略図である。ひとたび試料採取ウェル70が所定の位置に着くと、装置310全体を図13に示す向きになるように反転することができ、こうして緩衝溶液72が採取された呼気凝縮液をシリンジ320の底部から試料採取ウェル70内へ洗い流す。ひとたび試料採取ウェル70内に採取されると、試料採取ウェル70を再び取り外すことができ、緩衝された凝縮液74を希望する検査用に分注することができる。
【0053】
本書に記載した様々な実施形態の変形で、シリンジ10、110、210、310はいずれも、代替的に、NH4NO3が1:4のモル比で水で水和される場合に発生するような吸熱反応を介して冷却し、0℃未満の温度を約10分間生じることができる。これは、シリンジ10、110、210、310の壁の間の空間で乾燥NH4NO3で囲まれた壊れやすいアンプルに水を貯蔵することによって、または同じ空間にNH4NO3だけを密封し、針ポートを介して水で水和させるか水を注入させることによって、促進することができる。NH4NO3が用意されるのは、看護師が静脈路に「フラッシュ」する方法と同様に、NH4NO3材に針ポートを介して予め定められた量の水道水または生理食塩水を注入することによって、反応をトリガすることができるからであるが、適切な吸熱反応を生成するために他の材料を同様に使用することができることを理解されたい。例えばシリンジの外壁のわずかな圧縮によって活性化することのできる市販のゲル冷却剤を同様に使用することができる。そのような物質の一つとして、カリフォルニア州オークランドのコールド・アイス・インコーポレイテッドによって製造されたコールド・アイスがある。
【0054】
本書に記載した様々な装置10、110、210、310のいずれかを使用して、または何らかの代替的手段によって、ひとたび試料が得られると、肺虚血を検知するために、試料に一連の検査を実行することができる。一連の検査は、繊維素ペプチド、トロンボキサンB、血小板活性化因子、ロイコトリエンC、D、およびE、一酸化炭素対酸化窒素比、ならびにケモカインおよび他のタンパク質の測定または検査を含むことができる。これらは各々、下述するように特定の目的を有する。様々な検査は全て、通常の当業熟練者に周知の方法で実行することができる。
【0055】
呼気凝縮液中の繊維素ペプチドの測定は、肺脈管構造における血餅の存在のより局所的な測定を可能にする潜在的可能性を持つと思われる。前述の通り、トロンビンは、繊維素ゲル化の必須条件として、繊維素原から繊維素原Aペプチドを開裂する。その小さいサイズのため、繊維素ペプチドは肺胞膜を横断して肺胞液中で平衡化し、こうして呼気凝縮液中に見られることが仮説として立てられる。したがって、呼気凝縮液試料中の繊維素ペプチドの存在は、血餅の存在を示す。
【0056】
また、肺血管狭窄は、PGF2α、トロンボキサンB2、PAF、ロイコトリエンC、DおよびE、ならびに凝縮液中のCO対NOの比を測定することによって検知することができ、肺血管拡張剤治療またはCOX1,2抑制を開始するための基礎がもたらされる。我々の研究室は、ラットへのポリスチレン小球体の静脈注入によって誘導した実験的な肺血管閉塞(PVO)を使用して、呼気凝縮液分析に関連する三つの主要な研究結果を決定した。我々およびその他は、我々のラットモデルにおける肺洗浄液中のPGF2α、トロンボキサンB2、血小板活性化因子(PAF)、および血管収縮性ロイコトリエンC、D、およびEの含有量の増加を発見した。(Nakos、Am J Resp Crit Care Med 1998、158:1504)。これらの血管収縮剤の濃度の大きさは、低酸素血症および肺高血圧症の重症度と相関した。我々はまた、ヘムオキシゲナーゼ1をコード化する遺伝子の極端に増加する発現、および誘導酵素、酸化窒素合成酵素をコード化する遺伝子の発現のほぼ完全な欠如を発見した。ヘムオキシゲナーゼはヘム基質から一酸化炭素(CO)を産生する一方、酸化窒素合成酵素は酸化窒素(NO)を産生する。両方とも血管拡張物質である。PVOにさらされたラットにおいて、我々はまた、サイトカイン誘導好中球誘引物質1および2(CINC 1&2)、ならびに単球/マクロファージ遊走因子(MCP)1および2、ならびに単球/マクロファージ炎症性タンパク質(MIP)1αおよび1βの遺伝子発現の肺における早期増加と共に、肺気道および肺胞からの洗浄液中の各タンパク質の同時増加が、PEの誘導から早くも2時間後に得られ、PE誘導から18時間後まで続くことを発見した。化学遊走分子はロイコサイトの患部への移動を引き起こすことがあり、このメカニズムを通して、治療再灌流中に傷害を増大させるおそれがある。
【0057】
さらに、呼気凝縮液中の特定のケモカインの存在は、再灌流傷害の素因になると考えられる。ラットで発見されたケモカインには、CINC1、CINC2、MIPlα、MIP1β、ならびにMCP1および2が含まれた。我々の装置で検査されるヒト相同体は、ZlotnickおよびYoshie、Immunity、2000、12:121‐127によって概説された命名法による、CXCL1、CXCL2、およびCXCL3、CCL2、CCL3、CCL4、およびCCL8を含むであろう。研究者らは肺高血圧症の炎症性モデルでケモカインを発見した。(Kimura、Lab Invest 1998 78:571‐81;Ikeda、Am J Physiol Heart Circ Physiol、2002、283(5):H2021‐8)。主に血流障害を引き起こす生体内PVOモデルとは異なり、後者の研究のモデルは炎症および組織修復を刺激し、それは数週間にわたって血管閉塞を導く。同様に、研究者らは、灌流および換気の両方を妨げる、肺門結紮またはクランプを受けた肺におけるケモカインの発現の増加をも発見した。肺胞換気は生体内PVOでは続行されるので、後者のモデルは生体内PVOとは著しく異なる。したがって、虚血性傷害は、生体内PVOと肺門結紮とでは異なる。
【0058】
上述した情報に基づいて、本発明が幅広く利用しかつ適用され得ることを当業熟練者は容易に理解する。本書に特に記載した以外の本発明の多くの実施形態および適応と同様に、多くの変形、変化、および同等の配列も、本発明の実体または範囲から逸脱することなく、本発明およびその上記説明から明白であり、あるいはそれによって合理的に示唆される。したがって、本書では、本発明をその好適な実施形態に関連して詳述したが、この開示は単なる本発明の例証であり典型であって、単に発明の完全かつ実施を可能にする開示を提供することを目的に行なったものであることを理解されたい。上記の開示は、本発明を限定したり、あるいは他の実施形態、適応、変形、変化、または同等の配列のいずれについても排除したりするよう解釈されることを意図したものではない。本発明は、添付する請求の範囲およびその等価物によってのみ限定される。本書では特定の用語が使用されているが、それらは限定のためではなく、単に一般的かつ説明的な意味で使用されているにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第一の好適な実施形態に係る呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
【図2】二重壁構造を示す図1の装置の、線2−2に沿って切った右端面断面図である。
【図3】図1の装置の右端面図である。
【図4】プランジャアセンブリが完全に押し込まれた位置にある、図1の呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
【図5】本発明の第二の好適な実施形態に係る呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
【図6】図6Aは、一つの型の突起を示す、図5のプランジャアセンブリの部分側面図である。図6Bは、図6Aのプランジャアセンブリの右端面図である。
【図7】図7Aは、別の型の突起を示す、図5のプランジャアセンブリの部分側面図である。図7Bは、図7Aのプランジャアセンブリの右端面図である。図7Cは、図7Aのプランジャアセンブリの部分側面断面図である。
【図8】本発明の第三の好適な実施形態に係る呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
【図9】反転した配向で示される図1の呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
【図10】本発明の第四の好適な実施形態に係る呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。
【図11】図10の装置用の着脱自在の出口キャップの断面略図である。
【図12】図10の装置用の着脱自在の試料採取ウェルの断面略図である。
【図13】試料採取ウェルが設置された状態の図10の呼気凝縮液採取装置の側面断面略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のものを含む呼気凝縮液採取装置:
二重側壁ならびに第一および第二の対向端を有する中央チャンバであって、二重側壁が相互に相隔たる関係の内側壁および外側壁を含む中央チャンバ;
中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内側壁と外側壁との間に密封された冷却材;
中央チャンバの外側壁の外側に配置され、呼気入力アセンブリの内部が中央チャンバの内部と流体連通するように内側壁および外側壁の両方を貫通する呼吸入力アセンブリ;
ピストンおよびハンドルを有するプランジャアセンブリであって、ピストンが内側壁とぴったり接触する状態で中央チャンバの内部に摺動可能に配置され、ハンドルが中央チャンバの第一端から、ピストンを中央チャンバ内で移動させることができるように伸長して成るプランジャアセンブリ;および
中央チャンバの内部と流体連通するように中央チャンバの第二端に配置された呼気凝縮液採取ポート。
【請求項2】
プランジャアセンブリが、完全に後退した位置と、完全に押し込まれた位置との間で調整可能であり、プランジャがその完全に後退した位置にあるときに、呼気入力アセンブリと中央チャンバとの間の流体接続はピストンと中央チャンバの第二端との間にあることを特徴とする請求項1に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項3】
中央チャンバの外側壁の外側の呼気入力アセンブリの位置が中央チャンバの第一端に隣接することを特徴とする請求項2に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項4】
呼気入力アセンブリの位置が中央チャンバの下側であることを特徴とする請求項3に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項5】
中央チャンバがその第二端に端壁を含み、呼気凝縮液採取ポートが中央チャンバの端壁に配置されることを特徴とする請求項3に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項6】
ピストンが中央チャンバの第二端の方向を向いた表面を含み、ピストンの該表面に突起が配置され、該突起が、プランジャアセンブリが中央チャンバ内に完全に押し込まれたときに、呼気凝縮液採取ポート内に嵌合されるように適応されることを特徴とする請求項5に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項7】
呼気凝縮液採取ポートおよび突起が各々半円錐形であることを特徴とする請求項6に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項8】
突起の側面には、呼気凝縮液を呼気凝縮液採取ポートに向かって誘導するのを容易にするために、一つまたはそれ以上の溝が配置されることを特徴とする請求項6に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項9】
突起の内部には、呼気凝縮液を呼気凝縮液採取ポートに向かって誘導するのを容易にするために、一つまたはそれ以上の内部通路が配置されることを特徴とする請求項6に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項10】
内部通路の一つから延びる剛性でかつ中空の管構造をさらに含み、管構造を通して突起の内部からの流体が方向付けられることができることを特徴とする請求項9に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項11】
呼気凝縮液採取ポートが中央チャンバの外側壁の外側にその第二端に隣接して配置されることを特徴とする請求項2に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項12】
呼気凝縮液採取ポートが中央チャンバの底部に配置され、呼気凝縮液採取装置が中央チャンバの外側壁の頂部にその第二端に隣接して配置された出口および出口弁をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項13】
呼気凝縮液採取ポートを一時的に密封するためのキャップをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項14】
呼気凝縮液採取装置が主軸心を画定し、呼気入力アセンブリがマウスピースと、マウスピースを中央チャンバの側面に接続する管構造とを含み、マウスピースが一般的に呼気凝縮液採取装置の主軸心と平行に方向付けられることを特徴とする請求項2に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項15】
呼気凝縮液採取装置の移動または取扱いを容易にするように、その中に採取された呼気凝縮液が取り出されるときまで、プランジャアセンブリのハンドルを完全に押し込まれた位置でロックするために、中央チャンバの第一端に取り付けられた少なくとも一つのクリップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項16】
呼気凝縮液を採取する方法であって:
二重側壁と、第一および第二の対向端と、中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内部側壁と外部側壁との間に密封された冷却材と、中央チャンバの第二端に配置された呼気凝縮液採取ポートとを有する中央チャンバを提供するステップ;
冷却材の温度を下げて中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するステップ;
中央チャンバの外側壁の外側に配置された呼気入力アセンブリを介して、内側壁および外側壁を通して送り出された患者からの呼気を、中央チャンバの内部に受容するステップ;
中央チャンバの内壁の内部表面に呼気の一部分を凝縮させるステップ;
プランジャアセンブリを中央チャンバ内で押し下げることによって、凝縮ステップ中に生成された凝縮液を中央チャンバから絞り出し、それによって凝縮液を呼気凝縮液採取ポート内に押し込むステップ;および
絞り出された凝縮液をその分析のために呼気凝縮液採取ポートから吸引するステップ;
を含むことを特徴とする呼気凝縮液を採取する方法。
【請求項17】
吸引ステップが絞り出された凝縮液をピペットに吸引するステップを含み、該方法が凝縮液をピペットからその分析用の別個のアッセイウェルに移すステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
中央チャンバの提供ステップが、中央チャンバの外側壁の頂部にその第二端に隣接して配置された出口および出口弁を有しかつ中央チャンバの底部に配置された呼気凝縮液採取ポートを有する中央チャンバを提供するステップを含み、該方法が受容および凝縮ステップ中に呼気凝縮液採取ポートを一時的に密封するステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
中央チャンバの提供ステップが、中央チャンバの第一端に取り付けられた少なくとも一つのクリップを有する中央チャンバを提供するステップを含み、該方法が、プランジャアセンブリを押し込むステップによって凝縮液を絞り出した後で、呼気凝縮液採取装置の移動または取扱いを容易にするように、絞り出された凝縮液を吸引するまで、少なくとも一つのクリップを介して、プランジャアセンブリのハンドルを完全に押し込まれた位置でロックするステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
呼気の受容ステップが、中央チャンバの下側に配置された呼気入力アセンブリを介して、内側壁および外側壁を通して送り出された呼気を受容するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
以下のものを含む呼気凝縮液採取装置:
相互に相隔たる関係の内側壁および外側壁を含む二重側壁を有する中央チャンバ;
中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内側壁と外側壁との間に密封された冷却材;
内部が中央チャンバの内部と流体連通する呼気入力アセンブリ;
凝縮液を形成することのできる表面積を増大するために中央チャンバの内部に配設された一つまたはそれ以上の障害構造物;および
中央チャンバの内部と流体連通する呼気凝縮液採取ポート。
【請求項22】
障害構造物が格子状構造物を含むことを特徴とする請求項21に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項23】
障害構造物が離散的幾何学構造物を含むことを特徴とする請求項21に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項24】
離散的幾何学構造物が球体を含むことを特徴とする請求項23に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項25】
離散的幾何学構造物が金属から形成されることを特徴とする請求項23に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項26】
離散的幾何学構造物がガラスから形成されることを特徴とする請求項23に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項27】
障害構造物が中央チャンバの内部の所定の位置に固定されることを特徴とする請求項21に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項28】
障害構造物が中央チャンバの内部で自由浮動することを特徴とする請求項21に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項29】
障害構造物の運動が中央チャンバの特定部分に制限されることを特徴とする請求項28に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項30】
呼気入力アセンブリの位置が中央チャンバの下側であることを特徴とする請求項21に記載の呼気凝縮液採取装置。
【請求項31】
呼気凝縮液を採取する方法であって:
内部に配設された一つまたはそれ以上の障害構造物と、中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内側壁と外側壁との間に密封された冷却材とを有する二重壁中央チャンバを提供するステップ;
冷却材の温度を下げて中央チャンバの少なくとも内壁および障害構造物を冷却するステップ;
患者からの呼気を中央チャンバの内部に受容するステップ;
中央チャンバの内壁の内部表面および障害構造物に呼気の一部分を凝縮させるステップ;および
凝縮ステップ中に生成された凝縮液を中央チャンバから取り出すステップ;
を含む方法。
【請求項32】
取出しステップが、障害構造物から凝縮液を洗い流すことを含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
洗浄ステップが、ある量の液体を中央チャンバに加えるステップを含み、該量は中央チャンバに存在する凝縮液の量に対応するように選択されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
洗浄ステップが、ある量の液体を中央チャンバに加えるステップを含み、該量は、患者が予め定められた期間中央チャンバ内に息を吹き込んだ後に中央チャンバ内に存在する見込みのある凝縮液の量に対応するように選択されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項35】
洗浄ステップが、ある量の液体を中央チャンバに加えるステップを含み、該量は、患者が予め定められた回数の中央チャンバ内への呼気の吹込みを終了した後に中央チャンバ内に存在する見込みのある凝縮液の量に対応するように選択されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項36】
洗浄ステップを実行する前に、中央チャンバから障害構造物を取り外すステップをさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項37】
呼気凝縮液を採取する方法であって:
着脱自在の出口アセンブリと中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内側壁と外側壁との間に密封された冷却材とを有する二重壁中央チャンバを提供するステップ;
冷却材の温度を下げて中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するステップ;
患者からの呼気を中央チャンバの内部に受容するステップ;
中央チャンバの内壁の内部表面に呼気の一部分を凝縮させるステップ;
出口アセンブリを取り外してそれを試料採取ウェルと交換するステップ;および
凝縮ステップ中に生成された凝縮液を中央チャンバから試料採取ウェルへ移動させるステップ;
を含む方法。
【請求項38】
凝縮液を移動させるステップが、中央チャンバから試料採取ウェルへ既知の液体で凝縮液を洗い流すステップを含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
凝縮液を洗い流すステップが、
予め定められた量の既知の液体を中央チャンバ内に導入するステップ;
予め定められた量の既知の液体を凝縮液と混合するステップ;および
既知の液体および凝縮液を中央チャンバから試料採取ウェルへ排出させるステップ;
を含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
出口アセンブリを取り外すステップが、中央チャンバに開口を形成するステップを含み、導入のステップは該開口を介して既知の液体を導入するステップを含むことを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
出口アセンブリを試料採取ウェルと交換する前に、試料採取ウェルに既知の液体を貯蔵するステップをさらに含むことを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項42】
既知の液体は緩衝溶液であることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項43】
緩衝溶液が蒸留水であることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
緩衝溶液が、溶液のpHを示すために有機染料を含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項45】
出口アセンブリを試料採取ウェルと交換する前に、既知の液体を試料採取ウェルに貯蔵するステップをさらに含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項46】
出口アセンブリを試料採取ウェルと交換する前に、既知の液体を試料採取ウェルに貯蔵するステップをさらに含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項47】
呼気凝縮液を採取する方法であって:
内部に配設された一つまたはそれ以上の障害構造物と、中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するために内側壁と外側壁との間に密封された冷却材とを有する二重壁中央チャンバを提供するステップ;
予め定められた温度で開始するときに、典型的な患者から受容した、選択された回数の呼気が、十分な量の呼気凝縮液を生成して中央チャンバの内壁の内部表面上に採取されるように、二重壁中央チャンバの壁および冷却材を較正するステップ;
冷却材の温度を予め定められた温度に下げて中央チャンバの少なくとも内壁を冷却するステップ;
選択された回数の呼気に基づいて確立された予め定められた範囲内の呼気回数である複数の呼気を特定の患者から中央チャンバの内部に受容するステップ;
中央チャンバの内壁の内部表面に患者から受容した呼気の一部分を凝縮させるステップ;および
凝縮ステップ中に生成された凝縮液を中央チャンバから取り出すステップ;
を含む方法。
【請求項48】
予め定められた範囲が10回から25回までの呼気であることを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
予め定められた温度が標準フリーザの温度であることを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項50】
予め定められた温度が0°Fであることを特徴とする請求項49に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−511824(P2006−511824A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510061(P2005−510061)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/041209
【国際公開番号】WO2004/058125
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(505233608)ザ シャーロット‐メクレンバーグ ホスピタル オーソリティ (3)
【Fターム(参考)】