説明

噴霧器およびこの噴霧器を含む噴霧装置

【課題】ランニングコストを低減するとともに使用者が外出時でも機能液を噴霧する。
【解決手段】噴霧装置は、所定の機能を有する機能液3を噴霧する噴霧器1および携帯用噴霧器2を備える。携帯用噴霧器2は、使用者に携帯されて用いられる。噴霧器1は、機能液3を貯蔵するタンク11と、タンク11が取り付けられた本体部12と、タンク11に貯蔵されている機能液3を本体部12の外部に噴霧する噴霧部13とを備える。さらに、噴霧器1は、タンク11に貯蔵するための機能液3を原材料から生成する機能液生成部14と、携帯用噴霧器2が着脱自在に取り付けられる取付部15と、取付部15に取り付けられた携帯用噴霧器2にタンク11から機能液3を供給する供給部41とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の機能を有する機能液を噴霧する噴霧器およびこの噴霧器を含む噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、薬液を噴霧する噴霧器が種々開発されている(例えば特許文献1参照)。従来の噴霧器は、特定の場所に設置され、設置場所の空間に機能液を噴霧する。機能液の残量が少なくなると、管理者が機能液を購入して噴霧器に補充する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−206182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の噴霧器では、上述したように機能液の残量が少なくなると管理者が機能液を購入して充填するため、機能液の購入によってランニングコストが高くなるという問題もあった。
【0005】
また、従来の噴霧器は、特定の場所に設置されて用いられる据置型の噴霧器であるため、例えば外出時など特定の場所以外の場所で機能液を噴霧することができないという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みて為され、本発明の目的は、ランニングコストを低減するとともに使用者が外出時でも機能液を噴霧することができる噴霧器およびこの噴霧器を含む噴霧装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の噴霧器は、使用者に携帯され所定の機能を有する機能液を噴霧する携帯用噴霧器とともに用いられる噴霧器であって、前記機能液を貯蔵するタンクと、前記タンクが取り付けられた本体部と、前記タンクに貯蔵されている前記機能液を前記本体部の外部に噴霧する噴霧部と、前記タンクに貯蔵するための前記機能液を原材料から生成する機能液生成部と、前記携帯用噴霧器が着脱自在に取り付けられる取付部と、前記取付部に取り付けられた前記携帯用噴霧器に前記タンクから前記機能液を供給する供給部とを備えることを特徴とする。
【0008】
この噴霧器において、前記取付部は、前記携帯用噴霧器の前記取付部への取付を検知する取付検知部を有し、前記供給部は、前記携帯用噴霧器の前記取付部への取付が前記取付検知部で検知されると、前記携帯用噴霧器に前記機能液を自動で供給することが好ましい。
【0009】
この噴霧器において、前記取付部は、前記本体部に設けられ、前記携帯用噴霧器が差し込まれる凹所が形成されていることが好ましい。
【0010】
この噴霧器において、前記本体部の上部に噴霧口が露出するように当該本体部に設けられ、前記機能液を前記噴霧口から斜め上方に噴霧することが好ましい。
【0011】
この噴霧器において、建物の出入口に設置され、屋外から屋内に入った人を検知する検知部を備え、前記噴霧部は、屋外から屋内に入った人を前記検知部が検知すると、前記機能液を噴霧することが好ましい。
【0012】
この噴霧器において、現在の日時を計測する時計部を備え、前記機能液は、前記原材料として水を含み、前記水の電気分解によって生成される電解水であり、前記機能液生成部は、前記水を電気分解する電解部を有し、前記電解部は、前記時計部で計測される日時ごとに前記水の単位体積あたりの通電電気量を変化させることが好ましい。
【0013】
この噴霧器において、前記取付部に前記携帯用噴霧器が取り付けられると当該携帯用噴霧器の表面を除菌する除菌部を備えることが好ましい。
【0014】
本発明の噴霧装置は、上述の噴霧器と、前記噴霧器とは別体であり使用者に携帯され前記機能液を噴霧する携帯用噴霧器とを備え、前記携帯用噴霧器は、前記噴霧器から供給された前記機能液を貯蔵する携帯用タンクと、前記携帯用タンクが取り付けられた携帯用本体部と、前記携帯用タンクに貯蔵されている前記機能液を前記携帯用本体部の外部に噴霧する携帯用噴霧部とを備えることを特徴とする。
【0015】
この噴霧装置において、前記携帯用噴霧部は、前記機能液を噴霧させる場合に操作される操作部を含み、前記携帯用本体部の同一表面に前記操作部および携帯用噴霧口が露出するように前記携帯用本体部に設けられ、前記操作部が操作されると前記携帯用噴霧口から前記同一表面に対して垂直方向に前記機能液を噴霧することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、機能液を原材料から生成することができるので、ランニングコストを低減することができる。特に、上記効果は、機能液の原材料が管理者の身近に存在して容易に使用することができる場合に顕著である。
【0017】
また、本発明によれば、携帯用噴霧器に対して機能液を供給することができるので、使用者が外出時でも機能液を噴霧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1に係る噴霧装置であって、(a)は外観図、(b)は噴霧器に携帯用噴霧器が取り付けられたときの(a)のA−A断面図である。
【図2】同上に係る噴霧器の構成を示すブロック図である。
【図3】同上に係る噴霧器であって、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図4】同上に係る携帯用噴霧器であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は上面図である。
【図5】同上に係る噴霧装置の使用状態を示す図である。
【図6】実施形態2に係る噴霧装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の実施形態1,2に係る噴霧装置は、所定の機能を有する機能液を噴霧するために用いられる装置である。
【0020】
(実施形態1)
実施形態1の噴霧装置は、図1に示すように、例えば玄関など建物の出入口に設置される据置型の噴霧器1と、使用者に携帯されて用いられる携帯用噴霧器2とを備えている。噴霧器1および携帯用噴霧器2は、ともに所定の機能を有する機能液3を外部空間に噴霧する。
【0021】
機能液3としては、例えば薬液または芳香剤(消臭剤を含む)などがある。薬液としては、例えば殺菌剤、除菌剤、防虫剤または殺虫剤などがある。本実施形態の機能液3は、次亜塩素酸(HClO)であり、原材料の電気分解によって生成される電解中性水である。次亜塩素酸は、水と食塩(NaCl)とを原材料とする食塩水(塩化ナトリウム水溶液)の電気分解によって生成される。食塩水の電気分解によって、陽極側生成水中に高濃度の残留塩素が溶存する。残留塩素には殺菌効果があることから、本実施形態の噴霧器1は、食塩水を電気分解して殺菌・除菌用の消毒液を生成することができる。
【0022】
続いて、噴霧器1について説明する。噴霧器1は、図1(a),(b)に示すように、機能液3を貯蔵するタンク11と、タンク11が取り付けられた本体部12と、機能液3を噴霧する噴霧部13と、機能液3を生成する機能液生成部14と、携帯用噴霧器2が取り付けられる取付部15とを備えている。また、噴霧器1は、図2に示すように、携帯用噴霧器2に機能液3を供給する供給部41と、噴霧器1の各機能を制御する制御部42とを備えている。さらに、噴霧器1は、噴霧時間を計測するタイマ43と、屋外から屋内に入った人を検知する検知部44と、現在の日時を計測する時計部45と、携帯用噴霧器2の表面を除菌する除菌部46と、使用者が噴霧器1を操作するときに用いられる操作部47とを備えている。
【0023】
図1(b)に示すタンク11は、機能液生成部14で生成された機能液3を貯蔵する。タンク11には供給管111が接続されている。
【0024】
本体部12は、例えば樹脂などで形成され、図3(a),(b)に示すように、円形状の上面121および下面122と円筒状の側面123とを備えている。本体部12には、タンク11が収納されて内部に取り付けられている。上面121には、携帯用噴霧器2の装填部分に2枚の扉124が設けられている。
【0025】
噴霧部13は、本体部12の上面121に噴霧口131が露出するように本体部12に設けられている。噴霧部13は、制御部42から噴霧制御信号が入力されると、タンク11に貯蔵されている機能液3を噴霧口131から本体部12の斜め上方に噴霧する。噴霧部13から噴霧された機能液3は、空間上で放物線を描いて飛ぶことになる。具体的には、噴霧口からの機能液3の噴霧角度は、水平方向を0°とすれば、45°〜80°の範囲で設定されている。これにより、噴霧器1の傍を通った人に対して斜め上方から機能液3が降りかかるようにすることができる。噴霧部13の噴霧方式としては、例えば超音波式、ベンチュリー式、加圧式またはポンプ式などがあり、用途または仕様に応じて適宜選択される。なお、噴霧口131の設置場所は上面121に限定されず、例えば側面123の上半分など本体部12の上部であれば何れの場所であってもよい。また、噴霧部13は、機能液3の噴霧角度(噴霧方向)を調整するための噴霧角度調整機構を有していてもよい。これにより、用途または設置場所に応じて噴霧角度を適宜変更することができる。
【0026】
機能液生成部14は、水溶液の電気分解を行う電解部として、1対の電極141と、電極141間に直流電圧を印加する電圧印加部(図示せず)とを備えている。各電極141は、電極141間の距離が一定になるとともに各電極141を垂直姿勢に保持するようにタンク11内に設けられ、原材料である水と食塩との食塩水の中に浸かっている。電圧印加部は、例えば電子部品が回路基板に装着された回路ブロックである。
【0027】
機能液生成部14は、制御部42から生成制御信号が入力されると、電極141間に電流が流れて、食塩水を電気分解し、機能液3として次亜塩素酸を含む電解水を生成する。機能液生成部14によって生成された電解水(機能液3)は、そのままタンク11に貯蔵される。機能液生成部14は、時計部45で計測される日時ごとに食塩水の単位体積あたりの通電電気量を変化させることによって、電解水に含まれる次亜塩素酸の濃度を変化させることができる。なお、機能液生成部14は、タンク11内の食塩水が拡散および対流によって全体にわたって電気分解されるようになっている。
【0028】
ところで、機能液生成部14は、pH調整用の酢が所定量添加されると、電解水のpHを例えば5.5〜7に調整することができる。これにより、機能液生成部14は、pHを5.5〜7の範囲にすることで機能液3として電解中性水を生成することができる。また、pH調整用の酢によって電解水のpHが4〜6に調整されると、電解水の次亜塩素酸の割合を高めることができる。
【0029】
取付部15は、本体部12に設けられ、携帯用噴霧器2が差し込まれる凹所151が形成されている。凹所151の開口は扉124で塞がれている。取付部15には、携帯用噴霧器2が扉124を押しのけて装填される。携帯用噴霧器2は、取付部15に対して着脱自在である。本実施形態の取付部15は、2台の携帯用噴霧器2を同時に装填させることが可能である。
【0030】
また、取付部15は、携帯用噴霧器2の取付部15(凹所151)への取付を検知する取付検知部(図示せず)を備えている。取付検知部は、携帯用噴霧器2の取付部15への取付を検知した旨の情報を含む取付検知信号を制御部42に出力する。
【0031】
図2に示す供給部41は、制御部42から供給制御信号が入力されると、取付部15に取り付けられた携帯用噴霧器2にタンク11から機能液3を供給する。機能液3は、供給管111を通ってタンク11から携帯用噴霧器2に供給される。
【0032】
制御部42は、例えばマイクロプロセッサ(MPU:Micro Processing Unit)を主構成要素とし、噴霧器1の各機能を制御する。具体的には、制御部42は以下のような制御を行う。
【0033】
まず、制御部42は、噴霧部13に機能液3を噴霧させる場合に噴霧制御信号を噴霧部13に出力する。噴霧時間は、タイマ43によって計測される。特に、屋外から屋内に入った人を検知部44が検知した場合、制御部42は、噴霧部13に噴霧制御信号を出力する。
【0034】
検知部44は、検知エリアに存在する人を検知する第1の人感センサ441および第2の人感センサ442と、屋外から屋内に人が入ってきたか否かを判定する判定部443とを備えている。第1の人感センサ441および第2の人感センサ442は、例えば人体から放射される熱線を検知する熱線センサなどであり、本体部12の側面123に露出して設けられている(図示せず)。第1の人感センサ441の検知エリアが屋外側になり、第2の人感センサ442の検知エリアが屋内側になるように噴霧器1が屋内に設置されている。第1の人感センサ441および第2の人感センサ442は、検知エリアに存在する人を検知すると、人を検知したことを示す検知信号を判定部443に出力する。判定部443は、例えば複数の電子部品を集積化して構成され、第1の人感センサ441から先に検知信号を取得し、その後、第2の人感センサ442から検知信号を取得した場合、屋外から屋内に人が入ってきたと判定し、判定結果を制御部42に出力する。
【0035】
制御部42は、判定部443から判定結果が入力されると、噴霧部13に噴霧制御信号を出力する。これにより、噴霧部13は、屋外から屋内に入った人を検知部44が検知した場合に、機能液3を噴霧することができる。
【0036】
一方、第2の人感センサ442から先に検知信号を取得し、その後、第1の人感センサ441から検知信号を取得した場合、第1の人感センサ441からのみ検知信号を取得した場合、第2の人感センサ442からのみ検知信号を取得した場合、判定部443は、屋外から屋内に人が入ってきたとは判定しない。したがって、判定部443から制御部42には判定結果は出力されない。
【0037】
他の機能として、制御部42は、使用者による操作部47への操作によって機能液生成部14に機能液3を生成させる場合に、生成制御信号を機能液生成部14に出力する。特に、制御部42は、時計部45で計測された日時ごとに機能液3の濃度が変化するように機能液生成部14を制御する。時計部45は、例えばリアルタイムクロック(RTC:Real Time Clock)などであり、年・月・日および時刻を計測する。制御部42は、時計部45で計測された日時に応じて、異なる設定濃度の情報を含む生成制御信号を機能液生成部14に出力する。これにより、機能液生成部14は、時計部45で計測された日時ごとに機能液3の濃度を変化させることができる。なお、操作部47としては、例えばスイッチなどが用いられる。
【0038】
さらに他の機能として、制御部42は、取付部15の取付検知部(図示せず)から取付検知信号が入力されると、供給部41に供給制御信号を出力する。これにより、供給部41は、携帯用噴霧器2の取付部15への取付が完了すると、携帯用噴霧器2に機能液3を自動で供給することができる。
【0039】
他の機能として、制御部42は、取付部15に携帯用噴霧器2が取り付けられたときに、除菌部46に除菌制御信号を出力する。
【0040】
本実施形態の除菌部46は、紫外光を放射する複数(図示例では3本)の光源461と、各光源461に電力を供給する電力供給部(図示せず)とを備えている。電力供給部は、制御部42から除菌制御信号が入力されると各光源461に電力を供給する。各光源461は、電力供給部から電力が供給されると紫外光を携帯用噴霧器2の表面に向かって放射する。携帯用噴霧器2の表面は、各光源461から放射された紫外光によって除菌される。
【0041】
続いて、携帯用噴霧器2について説明する。携帯用噴霧器2は、図4に示すように、外出時に持ち運びしやすい薄型タイプであり、例えばポケットまたはかばんなどに入れて携帯される。携帯用噴霧器2は、機能液3を貯蔵する携帯用タンク21と、携帯用タンク21が取り付けられた携帯用本体部22と、機能液3を噴霧する携帯用噴霧部23とを備えている。
【0042】
携帯用タンク21は、噴霧器1から供給された機能液3を貯蔵する。携帯用タンク21は、透明樹脂などで形成されている。これにより、携帯者6(図5参照)は、携帯用タンク21の外側から機能液3の残量を確認することができる。
【0043】
携帯用本体部22には、携帯用タンク21が取り付けられている。携帯用本体部22には、ストラップを取り付けるための孔部221が形成されている。
【0044】
携帯用噴霧部23は、機能液3を噴霧させる場合に操作される操作部231を備えている。操作部231は、図示例ではボタンであるが、ボタンに代えて、例えばスライドスイッチなどであってもよい。携帯用噴霧部23は、携帯用本体部22の同一表面222に操作部231および携帯用噴霧口232が露出するように携帯用本体部22に設けられている。携帯者6によって操作部231が操作されると、携帯用噴霧部23は、例えばベンチュリー式の噴霧方式を用いて、携帯用噴霧口232から同一表面222に対して垂直方向に向かって、携帯用タンク21に貯蔵されている機能液3を噴霧する。つまり、本実施形態の携帯用噴霧器2は、手動式の噴霧器である。なお、携帯用噴霧器2の噴霧方式は、ベンチュリー式ではなく、超音波式、加圧式またはポンプ式などであってもよい。
【0045】
次に、本実施形態に係る噴霧装置の動作について説明する。噴霧器1は、図5に示すように、住宅の玄関において例えば収納箱5などに設置されている。まず、タンク11に水と食塩と酢が投入される。使用者が操作部47を操作して制御部42が機能液生成部14に生成制御信号を出力すると、機能液生成部14が食塩水を電気分解して、次亜塩素酸を含む電解中性水(機能液3)を生成する。機能液3はタンク11に貯蔵される。
【0046】
家人が外出する場合、検知部44は、屋外から屋内に人が入ってきたと判定しないため、判定結果を制御部42に出力しない。その後、家人が帰宅すると、検知部44は、屋外から屋内に人が入ってきたと判定し、判定結果を制御部42に出力する。制御部42は、検知部44から判定結果が入力されると、噴霧部13に噴霧制御信号を出力する。噴霧部13は、制御部42から噴霧制御信号が入力されると、タンク11に貯蔵されている機能液3を一定時間噴霧する。
【0047】
続いて、携帯用噴霧器2の動作について説明する。まず、図5に示すように使用者(携帯者6)が携帯用噴霧器2を携帯している。このとき、携帯用噴霧器2の携帯用タンク21は、噴霧器1によって機能液3が充填される。外出先で携帯者6が操作部231を操作すると、携帯用噴霧部23が機能液3を外部に噴霧する。これにより、携帯者6は、好きなときに携帯用噴霧器2に機能液3を噴霧させることができる。
【0048】
その後、携帯者6が帰宅したときに携帯用噴霧器2の機能液3の残量が少ない場合、携帯用噴霧器2が噴霧器1の取付部15に取り付けられる。噴霧器1の取付部15の取付検知部(図示せず)は、携帯用噴霧器2が取付部15に取り付けられたことを検知し、制御部42に取付検知信号を出力する。制御部42は、取付検知部から取付検知信号が入力されると、供給部41に供給制御信号を出力する。供給部41は、制御部42から供給制御信号が入力されると、携帯用噴霧器2に機能液3を供給する。これにより、携帯用噴霧器2に機能液3が補充される。
【0049】
また、携帯用噴霧器2が取付部15に取り付けられた場合、噴霧器1の制御部42が除菌部46に除菌制御信号を出力する。除菌部46は、制御部42から除菌制御信号が入力されると、携帯用噴霧器2の表面を除菌する。
【0050】
以上、本実施形態の噴霧装置によれば、噴霧器1の機能液生成部14が機能液3を原材料から生成することができるので、噴霧器1および携帯用噴霧器2のランニングコストを低減することができる。
【0051】
また、本実施形態の噴霧装置によれば、噴霧器1の供給部41が携帯用噴霧器2に対して機能液3を供給することができるので、使用者(携帯者6)が外出時でも携帯用噴霧器2を用いて機能液3を噴霧することができる。
【0052】
さらに、本実施形態の噴霧装置によれば、携帯用噴霧器2が差し込まれる凹所151が取付部15に形成されていることによって、使用者が携帯用噴霧器2を取付部15に装填することができるので、噴霧器1が携帯用噴霧器2を安定して保持することができる。
【0053】
また、本実施形態の噴霧装置によれば、携帯用噴霧器2の取付部15への取付が完了すると噴霧器1の供給部41が携帯用噴霧器2に機能液3を自動で供給することによって、携帯用噴霧器2を取付部15に取り付けた後に別の操作が不要である。これにより、本実施形態の噴霧装置では、使用者の手間を少なくすることができる。
【0054】
さらに、本実施形態の噴霧装置によれば、噴霧器1の噴霧部13が機能液3を上方に噴霧することができるので、噴霧器1の設置場所の空間全体に機能液3を噴霧することができる。
【0055】
また、本実施形態の噴霧装置によれば、例えば外出先から家人が帰宅したときなど屋外から屋内に人が入ったときに、噴霧器1の噴霧部13が機能液3を噴霧することによって、より効果的に機能液3を用いることができる。
【0056】
さらに、本実施形態の噴霧装置によれば、機能液生成部14がタンク11内の水(塩化ナトリウム水溶液)の単位体積あたりの通電電気量を日時ごとに変化させることによって、機能液3に含まれる次亜塩素酸の濃度を日時ごとに変化させることができる。
【0057】
本実施形態の噴霧装置によれば、噴霧器1の取付部15に携帯用噴霧器2が取り付けられているときに、噴霧器1の除菌部46の各光源461が携帯用噴霧器2の表面に向かって紫外光を放射することによって、携帯用噴霧器2の表面を除菌することができる。これにより、本実施形態の噴霧装置では、噴霧器1によって携帯用噴霧器2を清潔に保つことができる。
【0058】
また、本実施形態の噴霧装置によれば、噴霧器1の供給部41が携帯用噴霧器2に機能液3を供給するときに、除菌部46が携帯用噴霧器2の表面を除菌することができる。これにより、本実施形態の噴霧装置では、除菌のための時間も不要であり、除菌に対する使用者の手間もかからない。
【0059】
本実施形態の噴霧装置によれば、携帯用噴霧器2に対して使用者(携帯者6)が操作部231を正面にして操作した場合に、携帯用噴霧部231が使用者の方向へ機能液3を噴霧することができる。
【0060】
(実施形態2)
実施形態2に係る噴霧装置は、機能液3である電解中性水を用いて携帯用噴霧器2の表面を除菌する点で、実施形態1に係る噴霧装置と相違する。以下、本実施形態の噴霧装置について図6を用いて説明する。なお、実施形態1の噴霧装置と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。図6は、本実施形態における図1(a)のA−A断面図である。
【0061】
本実施形態の除菌部46は、取付部15に携帯用噴霧器2が取り付けられた場合に、携帯用噴霧器2を電解中性水に浸すように構成されている。携帯用噴霧器2は、電解中性水に浸されると、表面が電解中性水によって除菌される。なお、本実施形態の携帯用噴霧器2は防水仕様である。
【0062】
以上、本実施形態の噴霧装置によれば、噴霧器1の取付部15に携帯用噴霧器2が取り付けられているときに、噴霧器1の除菌部46が携帯用噴霧器2を電解中性水に浸すことによって、携帯用噴霧器2の表面を電解中性水で除菌することができる。これにより、本実施形態の噴霧装置では、噴霧器1によって携帯用噴霧器2を清潔に保つことができる。
【0063】
なお、実施形態1,2の変形例として、第1の人感センサ441および第2の人感センサ442が噴霧器1とは別体に設けられてもよい。本変形例の場合、検知部44は、通信によって第1の人感センサ441および第2の人感センサ442から検知信号を取得して、屋外から屋内に入った人を検知する。
【0064】
また、実施形態1,2の他の変形例として、検知部44は、第1の人感センサ441および第2の人感センサ442に代えて電気錠またはドア開閉センサなどを用いて、屋外から屋内に入った人を検知してもよい。また、検知部44は、電気錠またはドア開閉センサなどと人感センサ441,442とを組み合わせることによって、屋外から屋内に入った人を検知してもよい。
【0065】
なお、実施形態1,2の変形例として、機能液生成部14は、各電極141が食塩水に浸かっているかどうかを判定するための判定手段、電極141間が何らかの原因で短絡し、過電流が流れたときを検知するための過電流検知手段を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 噴霧器
11 タンク
12 本体部
13 噴霧部
131 噴霧口
14 機能液生成部
15 取付部
151 凹所
2 携帯用噴霧器
21 携帯用タンク
22 携帯用本体部
23 携帯用噴霧部
232 携帯用噴霧口
3 機能液
41 供給部
44 検知部
46 除菌部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に携帯され所定の機能を有する機能液を噴霧する携帯用噴霧器とともに用いられる噴霧器であって、
前記機能液を貯蔵するタンクと、
前記タンクが取り付けられた本体部と、
前記タンクに貯蔵されている前記機能液を前記本体部の外部に噴霧する噴霧部と、
前記タンクに貯蔵するための前記機能液を原材料から生成する機能液生成部と、
前記携帯用噴霧器が着脱自在に取り付けられる取付部と、
前記取付部に取り付けられた前記携帯用噴霧器に前記タンクから前記機能液を供給する供給部と
を備えることを特徴とする噴霧器。
【請求項2】
前記取付部は、前記携帯用噴霧器の前記取付部への取付を検知する取付検知部を有し、
前記供給部は、前記携帯用噴霧器の前記取付部への取付が前記取付検知部で検知されると、前記携帯用噴霧器に前記機能液を自動で供給する
ことを特徴とする請求項1記載の噴霧器。
【請求項3】
前記取付部は、前記本体部に設けられ、前記携帯用噴霧器が差し込まれる凹所が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の噴霧器。
【請求項4】
前記噴霧部は、前記本体部の上部に噴霧口が露出するように当該本体部に設けられ、前記機能液を前記噴霧口から斜め上方に噴霧することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の噴霧器。
【請求項5】
建物の出入口に設置され、
屋外から屋内に入った人を検知する検知部を備え、
前記噴霧部は、屋外から屋内に入った人を前記検知部が検知すると、前記機能液を噴霧する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の噴霧器。
【請求項6】
現在の日時を計測する時計部を備え、
前記機能液は、前記原材料として水を含み、前記水の電気分解によって生成される電解水であり、
前記機能液生成部は、前記水を電気分解する電解部を有し、
前記電解部は、前記時計部で計測される日時ごとに前記水の単位体積あたりの通電電気量を変化させる
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の噴霧器。
【請求項7】
前記取付部に前記携帯用噴霧器が取り付けられると当該携帯用噴霧器の表面を除菌する除菌部を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の噴霧器。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の噴霧器と、
前記噴霧器とは別体であり使用者に携帯され前記機能液を噴霧する携帯用噴霧器とを備え、
前記携帯用噴霧器は、
前記噴霧器から供給された前記機能液を貯蔵する携帯用タンクと、
前記携帯用タンクが取り付けられた携帯用本体部と、
前記携帯用タンクに貯蔵されている前記機能液を前記携帯用本体部の外部に噴霧する携帯用噴霧部とを備える
ことを特徴とする噴霧装置。
【請求項9】
前記携帯用噴霧部は、前記機能液を噴霧させる場合に操作される操作部を含み、前記携帯用本体部の同一表面に前記操作部および携帯用噴霧口が露出するように前記携帯用本体部に設けられ、前記操作部が操作されると前記携帯用噴霧口から前記同一表面に対して垂直方向に前記機能液を噴霧することを特徴とする請求項8記載の噴霧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−5981(P2012−5981A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145674(P2010−145674)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】