説明

回覧物作成方法およびそれを実現する画像形成装置

【課題】 回覧物を容易に作成し、かつ回覧先の変更や新規回覧先の設定を迅速かつ柔軟に行うことの出来る回覧物作成方法およびそれを実現する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 回覧先を指定した回覧物を作成する画像形成装置で、回覧先に係わる属性情報を受け付け、受け付けた属性情報に基づいて、回覧先を識別する識別情報と前記識別情報に付随する属性情報とを含む回覧先情報を格納する回覧先情報格納手段から、作成される回覧物に該当する識別情報を抽出し、抽出された識別情報を含む回覧表を、回覧物の一部として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷される回覧物のための回覧物作成方法およびそれを実現する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、たとえば特許文献1に、予め登録された宛先データ等の回覧先に関するデータを基に作成された回覧表を、回覧物とともに印刷する印刷装置が開示されている。
【0003】
特許文献1によれば、ユーザが操作部を介して登録すべき宛先データ等の回覧先情報を予め入力しておき、ユーザの操作部からのキー入力による回覧物の印刷命令とともに、回覧表を作成して回覧物とともに印刷する。
【特許文献1】特開平9−325871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例においては、登録されたグループを選択することで、各グループに対応付けられた人員のリストが出力される構成となっており、
回覧を必要とするグループ全てに対してそれぞれ回覧先を登録する必要があった。
【0005】
従って、人員の変更があった場合や、普段グループとして登録されていないカテゴリーの人員に対する回覧表を作成しなければいけない場合などは、以下のような問題があった。すなわち、メンテナンスモードから関連する全てのグループの編集を行う、あるいは新しいグループを登録し直す必要があり、変更に手間がかかり、修正漏れなどを生じやすいといった問題が発生する。
【0006】
さらに、同一の原稿を用いて複数のグループに対して回覧物を作成しようとする場合、それぞれの宛先の回覧表を出力し、別途出力した原稿複写物と合わせて最終成果物としての回覧表を作成する必要があり、手間がかかるといった問題もあった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、回覧物を容易に作成し、かつ回覧先の変更や新規回覧先の設定を迅速かつ柔軟に行うことの出来る回覧物作成方法およびそれを実現する画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、回覧先を指定した回覧物を作成する画像形成装置であって、回覧先を識別する識別情報と前記識別情報に付随する属性情報とを含む回覧先情報を格納する回覧先情報格納手段と、回覧先に係わる属性情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けた属性情報に基づいて、前記回覧先情報格納手段から、作成される回覧物に該当する識別情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された識別情報を含む回覧表を、回覧物の一部として出力する出力手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の回覧物作成方法は、回覧先を識別する識別情報と前記識別情報に付随する属性情報とを含む回覧先情報を格納する回覧先情報格納手段と、前記識別情報とその属性情報とを含む前記回覧先情報より外の、回覧表に記載する回覧表記載情報を格納する回覧表記載情報格納手段とを有する画像形成装置を用いて、回覧先を指定した回覧物を作成する回覧物作成方法であって、前記属性情報を指定することで、前記回覧先情報格納手段に格納された回覧先情報から、作成される回覧物に該当する識別情報を抽出する抽出工程と、前記回覧表記載情報格納手段に格納された回覧表記載情報と前記抽出工程で抽出された識別情報とを含む回覧表を、回覧物の一部として出力する出力工程とを有することを特徴とする。ここで、前記回覧先情報格納手段に前記回覧先情報を登録する回覧先情報登録工程と、前記回覧表記載情報格納手段に前記回覧表記載情報を登録する回覧表記載情報登録工程とを更に有する。
【0010】
更に、上記回覧物作成方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、人員の変更があった場合や、普段グループとして登録されていないカテゴリーの人員に回覧表を作成しなければいけない場合などであっても、回覧物を容易に作成し、かつ人員の変更や新規回覧先の設定を迅速かつ柔軟に行うことが出来る。
【0012】
また、同一の原稿を用いて、複数のグループに対して回覧物を作成しようとする場合にも、回覧物を容易に作成し、かつ人員の変更や新規回覧先の設定を迅速かつ柔軟に行うことの出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<本実施形態の画像形成装置の構成例>
図1は、本発明の実施形態における回覧物作成方法を画像形成装置であるデジタル複写機に適用した場合の、デジタル複写機10の構成例を示すブロック図である。
【0015】
図1を参照すると、デジタル複写機10は、デジタル複写機10全体を制御する制御部11と、データを一時保存するDRAM12を備える。また、回覧先情報格納手段となる個人識別情報データベース18および回覧表記載情報格納部19とを含むデータ格納部13とを備える。また、入力部14と、読取り手段として作動する画像読取り部15と、プリンタ部16と、ネットワーク40やパソコン42と接続して入出力を行うための外部IF(インタフェース)部19と、プレビュー画像や各種情報を表示する表示部20とを備える。
【0016】
制御部11は、画像読取り部15から与えられる画像データをDRAM12に圧縮符号化して書き込み、DRAM12に書き込んだデータを読み出し、伸張符号化してプリンタ部16により印刷する。また、制御部11は、画像データの書き込みや読み出しを行うためのDRAM12と、データ格納部13と、入力部14と、画像読取り部15と、プリンタ部16、表示部20等の制御を行う。なお、入力部14と表示部20とをまとめて操作部とも称する。
【0017】
データ格納部13は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記録媒体であり、内部には、個人識別情報データベース18および回覧表記載情報格納部19が含まれる。
【0018】
また、デジタル複写機10は、外部IF部17を通じて、ネットワーク40に接続されたパソコン41あるいは直接接続されたパソコン42と、データ格納部13との間でデータの通信を行う。そして、パソコン41,42で作成したデータを一括してデータ格納部13に登録する、あるいは、データ格納部13のデータをパソコ41,42に読み込むことが可能である。
【0019】
なお、図1において、破線の矢印は画像データの流れを示しており、実線の矢印は制御信号または制御データの流れを示している。
【0020】
<本実施形態の回覧表作成の一例>
図2は、本実施形態の画像形成装置によって作成された回覧表50(図2では50a〜50c)を含む回覧物物51の一例を示す図である。また、図3は、回覧表を作成する場合のデータのやり取りの一例を示す図である。
【0021】
図2に示すように、回覧物51は、各原稿複写物53の1枚目に回覧表50a〜50cが付加され、ステイプル針52によって原稿複写物53と回覧表50a〜50cが綴じられたものである。
【0022】
図2に示す例では、複数枚からなる原稿58が本実施形態の画像形成装置によって複写され、同一の原稿から3つのグループ(C開発第1課宛、C開発第2課宛、C開発第3課宛)へ回覧される複数組の回覧物が作成される様子が示されている。原稿58から、3部の原稿複写物53が作成され、それぞれに異なる回覧表50a〜50cが追加生成され、各原稿複写物53と共にステイプル針52によって綴じられている。
【0023】
回覧表50には、回覧対象者を表わす個人識別データを枠線やチェックボックスなどと共に画像情報として生成して形成された、回覧先一覧56(図2では56a〜56c)が印字されている。また、本実施形態においては、回覧表のタイトル54(図2では54a〜54c)、サブタイトル55(図2では55a〜55c)、スタンプ57(図2では57a〜57c)が、回覧表記載情報として印字されている。
【0024】
以下、図3を参照して、回覧表を作成する場合の動作について説明する。
【0025】
S1:まず、ユーザは、画像読み取り部15に原稿をセットし、回覧したい原稿の画像情報を読み込ませる。原稿の画像情報は、DRAM12に一旦ストックされる。
【0026】
S2:次に、ユーザは、個人識別情報データベース18に、個人識別情報登録部61によって予め登録された(S2−1)個人識別情報から、回覧対象情報指定部60によって回覧対象情報の指定を行う(S2−2)。本実施形態において、個人識別情報登録部61および回覧対象情報指定部60は、それぞれ回覧先情報登録手段、回覧対象情報指定手段として機能し、共に図1における入力部14である(回覧対象情報の登録と指定の詳細については後述する)。
【0027】
S3:さらに、ユーザは、回覧表記載情報、つまり回覧表50に出力される回覧先一覧56以外の情報、例えば、回覧表のタイトル54、サブタイトル55、スタンプ57についての指定を行う。回覧表記載情報の指定は、予め回覧表記載情報登録部62によって回覧表記載情報格納部19に登録された(S3−1)データから、回覧表記載情報指定部64を用いて選択する方法(S3−2)がある。また、画像形成装置の操作部などのから回覧表記載情報入力部65を用いて直接入力する方法(S3−3)がある。本実施形態において、回覧表記載情報登録部62、回覧表記載情報指定部64、回覧表記載情報入力部65は、それぞれ回覧表記載情報登録手段、回覧表記載情報指定手段、回覧表記載情報入力手段として機能し、共に図1における入力部14である。なお、上記入力部14を介して入力された情報を受け付ける各部を受付手段と総称する。
【0028】
S4:指定された回覧対象情報(S4−1)および回覧表記載情報(S4−2)は、それぞれ回覧画像生成部63に送られ、画像情報として合成されて、DRAM12に格納される(S4−3)。
【0029】
S5:DRAM12に格納された原稿の画像情報に、先頭ページの情報として前述の回覧表の画像情報が組み合わされ、最終的な印刷情報としてプリンタ部16に送られ、画像形成が行われる。
【0030】
また、個人識別情報データベース18や回覧表記載情報格納部19は、それぞれ外部IF17を介してパソコン41,42とデータの授受を行うことが出来る。
【0031】
<本実施形態の個人識別情報の登録処理例>
(本実施形態の個人識別情報データベース18の構成例)
図4は、本実施形態において個人識別情報データベース18に格納されている個人識別情報を模式的に表わした図である。この個人識別情報は本発明の回覧先情報に相当する。すなわち、本実施形態では、回覧先が個人の場合について説明されているが、回覧先は個人に限定されず、例えば会社組織であれば部・課などであったり、地域組織であれば場所・地域が、地球規模では国が回覧先となり得る。
【0032】
個人識別情報データベース18は、個人識別情報18−1と該個人識別情報に付随する属性情報18−2からなる。
【0033】
個人識別情報18−1とは、名前や社員番号などの個人を特定する名称や記号であり、回覧表を出力した際に回覧先一覧56に表示されるものである。
【0034】
属性情報18−2とは、例えば所属部名18−2a、所属課名18−2b、役職名18−2cなど、各個人識別情報18−1に対応して設定される共通の属性項目である。かかる属性情報18−2は、回覧表に出力する個人識別情報18−1の抽出を行う際に、条件として指定されるデータである。以下、所属部名、所属課名、役職名、など属性のタイトルを属性名と呼称する。属性は、図4の例に限定されず、組織の構成に基づいて回覧先の分類に望ましい属性名が準備される。
【0035】
(本実施形態の個人識別情報登録の手順例:S2−1)
図5は、本実施形態において個人識別情報データベース18に個人識別情報を登録する手順例を示したフローチャートである。このフローチャートの処理は制御部11により実行される。
【0036】
ステップS51は、個人識別情報の入力または修正のステップである。
【0037】
制御部11は、個人識別情報を新規入力する指示があるか否を判断し(S51−1)、指示がある場合(S51−1でYes)は、操作部から新規入力すべき個人識別情報(名前など)の入力を受け付ける(S51−2)。すでに登録されている個人識別情報の属性の修正や追加を行う指示である場合(S51−1でNo)は、制御部11は、操作者の指示に基づいて登録されている個人識別情報を選択する(S51−3)。そして制御部11は、すでに登録されている個人識別情報の修正を行う指示があるか否かを判断する(S51−4)。個人識別情報の修正を行う指示がある場合(S51−4でYes)、制御部11は、操作部からの入力に基づいて修正対象の個人識別情報を特定し、修正を行う(S51−5)。
【0038】
ステップS52は、属性の入力または修正のステップである。
【0039】
まず、制御部11は、新しい属性名を登録する指示があるか否を判断し(S52−1)、指示がある場合(S52−1でYes)は、操作部より属性名の入力を受け付ける(S52−3)。ここで受け付けられた属性名は、登録されている全ての個人識別情報に対して有効となる。新しい属性名を登録する指示がない場合(S52−1でNo)は、制御部11は、属性内容の入力または修正を受け付ける。すなわち、ステップS51での指示で選択あるいは新規入力された個人識別情報に対して、登録されている属性名の一覧から内容の入力または修正を行う属性名を選択する(S52−2)。そして、制御部11は、入力あるいは選択された属性の内容の修正や入力を操作部より受け付けて実行する(S52−4)。制御部11は、ステップS52による受け付けを、変更や入力が必要なだけ繰り返し(S52−5でNo)、変更や入力の指示の受け付けが無ければ終了する(S52−5でYes)。
【0040】
なお、ここで説明した個人識別情報の登録方法は、本発明の画像形成装置であるデジタル複写機10の操作部を用いた登録方法だが、外部IF部17を介して続されたパソコン41,42によっても同様の操作が行える。
【0041】
また、パソコン41,42で作成した表を、個人識別情報データベース18として一括入力したり、画像形成装置であるデジタル複写機10内の個人識別情報データベース18を、パソコン41,42のメモリにダウンロードすることも可能である。
【0042】
<本実施形態の回覧先の選択処理例>
(本実施形態の回覧先選択の手順例:S2−2)
図6は、本実施形態において回覧先を指定する手順例、つまり、属性を指定することで個人識別情報データベース18から個人識別情報を抽出する方法を説明したフローチャートである。このフローチャートの処理は制御部11により実行される。
【0043】
図7Aおよび図7Bは、図6に示した動作が、本実施形態において具体的に実施される様子を表示部20に示される画面をもって説明したものである。個人識別情報データベース18は、図4で例示したものを利用している。
【0044】
まず、ステップS61では、制御部11は、一組の原稿複写物に添付する回覧表に記載する回覧先グループを決定するために、回覧先の属性名での指定を受け付ける。例えば、図7Aのように、所属課ごとに回覧する回覧物を作成する場合は、ユーザは属性名一覧から「所属課」71aを選択して、OK71bを押すことで、回覧先グループの単位の指定を行う。
【0045】
次に、ステップS62では、制御部11は、ステップS61で受け付けた属性名に対応して登録されている内容のリストからユーザにより選択された回覧先を受け付け、回覧先として指定する。回覧先が複数ある場合はそれぞれが指定される。
【0046】
さらに条件の絞込みを行う場合は、ステップS63が実行される。
【0047】
ステップS63では、制御部11は、まず、絞り込みを行なうことが指示されたか否かを判定する(S63−1)。絞り込みが指示された場合(S63−1でYes)は、制御部11は、絞込条件として用いる属性名、例えば属性名一覧からユーザにより選択された「役職」を受け付ける(S63−2)。次に、受け付けた属性名に対応して登録されている内容のリストからユーザにより選択されたキーワードにより、内容の指定を受け付ける(S63−3)。そして、制御部11は、絞り込み条件リストから選択され受け付けた条件に基づいて、回覧先の絞込みを行う(S63−4)。
【0048】
さらに別の条件で回覧表を作成する場合、以上のステップS61〜S63を、必要なだけ繰り返して回覧先の指定を受け付ける(S63−5、図7Bの72d/72e参照))。
【0049】
例えば、属性名=「役職」のリストから「なし」を選択し、さらに条件として「のみ」を選択すると、第1課、第2課、第3課の各課ごとに、メンバーの中の「役職」=「なし」のメンバーのみが抽出され、回覧先として回覧表に出力されることになる。
【0050】
なお、ステップS62〜S63は、必ずしも順を追って実行される必要は無く、指定方法によって並行して行うことも出来る。
【0051】
図7Aおよび図7Bの例は、回覧先の指定と絞込みを平行して行う例である。絞込み条件リストから「所属部」=「A開発部」と指定しているので(72b参照)、回覧先の選択リストは、既にA開発部内の所属課に絞り込まれている。図7Bでは、「第1課」〜「第3課」にチェックを入れてあり(72a参照)、「役職」の指定は「指定しない」である(72c参照)。従って、「A開発部」の「第1課」〜「第3課」に、課ごとの回覧が作成され、回覧先リストには各課の人員がそれぞれ全て記載される。
【0052】
<本実施形態の回覧表記載情報の選択処理例>
(本実施形態の回覧表記載情報格納部19の構成例)
図9に、回覧表記載情報格納部19に保管された回覧表のレイアウトと表示情報のセットの一例を示す。
【0053】
レイアウト19−1とその各エリアに表示可能な情報(例えば、タイトル19−2、スタンプ19−3など)は、回覧表記載情報登録部62により登録されて回覧表記載情報格納部19に保管されている。
【0054】
なお。図2の回覧表50の例は、レイアウト19−1a、タイトル19−2c(課内回覧)、スタンプ19−3a(社内秘)および19−3b(至急)が、回覧表記載情報指定部64により指定された例である。
【0055】
かかる回覧表記載情報は、画像形成装置であるデジタル複写機10に接続された外部IF部17を介して回覧表記載情報格納部19にダウンロードすることも可能である。この場合、パソコン41,42で作成したレイアウトや画像情報を、新しいレイアウトのセットを作成したり、カスタマイズすることもできる。
【0056】
(本実施形態の回覧表記載情報選択の手順例:S3−2/S3−3)
図8は、回覧表記載情報の指定を行う手順例を示したフローチャートである。このフローチャートの処理は制御部11により実行される。
【0057】
まず、ステップS81では、制御部11は、回覧表のレイアウトの選択を受け付ける。レイアウトのテンプレートは、回覧表記載情報格納部19に保管されており、図9に示すように、情報が表示されるエリアとそれぞれのエリアに記載される情報の種類とが決められている。それぞれのエリアに記載される情報も同様に回覧表記載情報格納部19に保管されている。
【0058】
ステップS82では、制御部11は、ステップS81で指示されたレイアウトのそれぞれのエリアに表示する情報の選択を受け付ける。情報の種類によっては、例えば「サブタイトル」表示エリアの選択項目として、「回覧先属性名をすべて表示」など個人識別情報を表示することをも可能であり、この場合は、個人識別情報データベース18から該当する情報を表示する。また、エリアによっては、コメントなどを文字で直接入力するように設定することもでき、この場合は画像形成装置であるデジタル複写機10の操作部によって入力を行う。
【0059】
ステップS82では、制御部11は、まず、レイアウト内のエリアの選択を受け付ける(S82−1)。次に、制御部11は、選択されたエリアが、ユーザによる直接文字を入力するエリアであるか、予め格納されている情報からの選択により入力するエリアであるかを判定する(S82−2)。ユーザによる直接入力のエリアの場合(S82−2でYes)は、制御部11は、回覧表記載情報入力部65を介して入力を受け付ける(S82−3)。一方、予め格納されている情報からの選択により入力するエリアの場合(S82−2でNo)は、制御部11は、回覧表記載情報格納部19に保管されている情報(図9参照)から選択された情報を受け付ける(S82−4)。必要な全エリアの指定がされるまで、エリアへの入力の受け付けを繰り返す(S82−5)。
【0060】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェース機器、プリンタなど)から構成されるシステムあるいは統合装置に適用しても、ひとつの機器からなる装置に適用してもよい。
【0061】
又、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはu CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0062】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0063】
又、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0064】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行う。このような処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0065】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施形態における画像形成装置であるデジタル複写機の構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における回覧表と回覧物物の一例を示す図である。
【図3】本実施形態において回覧表を作成する場合のデータのやり取りの例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態における個人識別情報データベースの構成例を模式的に表した図である。
【図5】本実施形態において個人識別情報データベース18に個人識別情報を登録する手順例を示したフローチャートである。
【図6】本実施形態において属性を指定することで個人識別情報データベース18から個人識別情報を抽出する手順例を示したフローチャートである。
【図7A】図6に示した動作が本実施形態において具体的に実施される様子を、表示部に示される画面をもって説明した図である。
【図7B】図6に示した動作が本実施形態において具体的に実施される様子を、表示部に示される画面をもって説明した図である。
【図8】本実施形態において回覧表記載情報の指定を行う手順例を示したフローチャートである。
【図9】本実施形態において回覧表記載情報格納部19に格納された回覧表のレイアウトと表示情報のセットの一例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回覧先を指定した回覧物を作成する画像形成装置であって、
回覧先を識別する識別情報と前記識別情報に付随する属性情報とを含む回覧先情報を格納する回覧先情報格納手段と、
回覧先に係わる属性情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた属性情報に基づいて、前記回覧先情報格納手段から、作成される回覧物に該当する識別情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された識別情報を含む回覧表を、回覧物の一部として出力する出力手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記回覧先情報格納手段に前記回覧先情報を登録する回覧先情報登録手段を更に有することを特徴とする請求項1に画像形成装置。
【請求項3】
前記識別情報とその属性情報とを含む前記回覧先情報より外で、前記回覧表に記載する回覧表記載情報を格納する回覧表記載情報格納手段を更に有し、
前記出力手段は、前記回覧表記載情報格納手段に格納された回覧表記載情報と前記抽出手段によって抽出された識別情報とを含む回覧表を、回覧物の一部として出力することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記回覧表記載情報格納手段に前記回覧表記載情報を登録する回覧表記載情報登録手段を更に有することを特徴とする請求項3に画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置が印刷の対象となる情報から複数組の回覧物を形成し、
前記受付手段が複数の属性情報を受け付けることで、前記抽出手段が、前記回覧先情報格納手段に格納された回覧先情報から、作成される複数組の回覧物に該当する複数組の識別情報を抽出し、
前記出力手段が、形成される複数組の回覧物の組ごとの一部として異なる回覧表を出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記識別情報と各前記識別情報に付随する属性情報を外部の機器と通信する通信手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記回覧表記載情報を外部の機器と通信する通信手段を更に有することを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
回覧先を識別する識別情報と前記識別情報に付随する属性情報とを含む回覧先情報を格納する回覧先情報格納手段と、前記識別情報とその属性情報とを含む前記回覧先情報より外の、回覧表に記載する回覧表記載情報を格納する回覧表記載情報格納手段とを有する画像形成装置を用いて、回覧先を指定した回覧物を作成する回覧物作成方法であって、
前記属性情報を指定することで、前記回覧先情報格納手段に格納された回覧先情報から、作成される回覧物に該当する識別情報を抽出する抽出工程と、
前記回覧表記載情報格納手段に格納された回覧表記載情報と前記抽出工程で抽出された識別情報とを含む回覧表を、回覧物の一部として出力する出力工程とを有することを特徴とする回覧物作成方法。
【請求項9】
前記回覧先情報格納手段に前記回覧先情報を登録する回覧先情報登録工程と、
前記回覧表記載情報格納手段に前記回覧表記載情報を登録する回覧表記載情報登録工程とを更に有することを特徴とする請求項8に記載の回覧物作成方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の回覧物作成方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−290779(P2009−290779A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143615(P2008−143615)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】