説明

回転可能なスパッタターゲットベース、回転可能なスパッタターゲット、コーティング装置、回転可能なスパッタターゲットを作成する方法、ターゲットベース接続手段、及びスパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置をターゲットベースに接続する方法

上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようにされた、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置を提供し、この回転可能なターゲットベース装置は、側面(3)と、中間部(12)と、第1の端部領域(7)と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域(9)とを有するターゲットベースシリンダ(4)を含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般にスパッタリング装置に関する。より詳細には、回転可能なターゲットベース装置、回転可能なターゲット、コーティング装置、回転可能なターゲットを作成する方法、ターゲットベース接続手段、及び回転可能なターゲットベース装置を接続する方法に関する。具体的には、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置、スパッタリング装置のための回転可能なターゲット、コーティング装置、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットを作成する方法、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置をターゲットベース支持体に接続するためのターゲットベース接続手段、及びスパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置をターゲットベース支持体に接続する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、真空チャンバ内でコーティング材料を気化させ又はスパッタリングするなどの多くの方法で、基板上の材料を薄膜蒸着させることができる。スパッタリングによる薄膜蒸着の典型例には、ソーラーウェハの製造又は半導体装置の生産におけるスパッタ蒸着の用途がある。
【0003】
スパッタリングカソードを操作するとプラズマが生じ、このプラズマのイオンが、基板上に蒸着すべきコーティング材料のターゲット上へと加速する。このターゲットの衝撃によりコーティング材料の原子が放出され、スパッタリングカソードの下にある基板上に蒸着膜として蓄積する。蒸着速度を速めるために磁気的に強化されたカソードの使用が提案されてきたが、これをマグネトロンスパッタリングと呼ぶこともできる。
【0004】
典型的な磁気的に強化されたスパッタリングカソードは、平らなターゲットプレートと、このターゲットプレートに対して固定位置に装着された一連の磁石とを含むことができる。磁石により提供される磁場が、ターゲットプレート材料のスパッタリングを生じる(単複の)経路又は領域を定める。
【0005】
他の典型的な磁気的に強化されたスパッタリングカソードとして、外面にターゲット材料の層を施されたバッキングチューブなどのシリンダ状の回転可能なチューブが挙げられる。チューブ内部には、一連の磁石を含むことができる磁気的手段が配置されて磁場を提供する。このチューブは、チューブの縦軸を中心に回転できることにより、チューブが磁気的手段に対して回転して、チューブの外面上にあるターゲット材料の異なる部分又はセグメントを磁石と対向する位置に、及び磁場内に選択的に持ってくることができるようにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
回転可能なマグネトロンスパッタリングカソードの製造では、ターゲット材料を、例えばバッキングチューブの外面上に溶射することによって加えることができる。さらに、典型的なスパッタリングターゲットのターゲット材料は、1週間以内などのように急速に枯渇又は消費されることがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に照らして、請求項1に記載の回転可能なターゲットベース装置と、請求項8に記載の回転可能なターゲットと、請求項11に記載のコーティング装置と、請求項12に記載の回転可能なターゲットを作成するための方法と、請求項14に記載のターゲットベース接続手段とを提供する。
【0008】
1つの実施形態によれば、上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようにされた、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置が提供され、この回転可能なターゲットベース装置は、側面を有するターゲットベースシリンダと、中間部と、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有し、回転可能なターゲットベース装置は、ターゲットベースシリンダをターゲットベース支持体に接続するようになっている取り外し可能な少なくとも1つのターゲットベース接続手段をさらに含み、少なくとも1つのターゲットベース接続手段は、ターゲットベースシリンダ内に設けられた固定凹部と、この固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようにされた固定連結器とを含み、固定連結器は、ターゲットベースシリンダの端部に設けられた固定凹部内に形成された雄ネジに対応する雌ネジを有する固定カラーを含む。
【0009】
別の実施形態によれば、上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようにされた回転可能なターゲットベース装置を含むスパッタリング装置のための回転可能なターゲットが提供され、回転可能なターゲットベース装置は、側面と、中間部と、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とを有するターゲットベースシリンダを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有し、回転可能なターゲットベース装置は、ターゲットベースシリンダの側面上に配置された固体ターゲットシリンダを有するとともに、ターゲットベースシリンダをターゲットベース支持体に接続するようになっている取り外し可能な少なくとも1つのターゲットベース接続手段をさらに含み、少なくとも1つのターゲットベース接続手段は、ターゲットベースシリンダ内に設けられた固定凹部と、この固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようにされた固定連結器とを含み、固定連結器は、ターゲットベースシリンダの端部に設けられた固定凹部内に形成された雄ネジに対応する雌ネジを有する固定カラーを含む。
【0010】
さらなる実施形態によれば、上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようにされた回転可能なターゲットベース装置を含むコーティング装置が提供され、回転可能なターゲットベース装置は、側面と、中間部と、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とを有するターゲットベースシリンダを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有し、回転可能なターゲットベース装置は、ターゲットベースシリンダをターゲットベース支持体に接続するようになっている取り外し可能な少なくとも1つのターゲットベース接続手段をさらに含み、少なくとも1つのターゲットベース接続手段は、ターゲットベースシリンダ内に設けられた固定凹部と、固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようにされた固定連結器とを含み、固定連結器は、ターゲットベースシリンダの端部に設けられた固定凹部内に形成された雄ネジに対応する雌ネジを有する固定カラーを含む。
【0011】
さらなる実施形態によれば、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットを作成する方法が提供され、この方法は、上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようにされた回転可能なターゲットベース装置を提供するステップと、固体ターゲットシリンダを提供するステップと、固体ターゲットシリンダをターゲットベースシリンダの側面に配置するステップとを含み、回転可能なターゲットベース装置は、側面と、中間部と、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とを有するターゲットベースシリンダを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有し、回転可能なターゲットベース装置は、ターゲットベースシリンダをターゲットベース支持体に接続するようになっている取り外し可能な少なくとも1つのターゲットベース接続手段をさらに含み、少なくとも1つのターゲットベース接続手段は、ターゲットベースシリンダ内に設けられた固定凹部と、この固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようにされた固定連結器とを含み、固定連結器は、ターゲットベースシリンダの端部に設けられた固定凹部内に形成される雄ネジに対応する雌ネジを有する固定カラーを含む。
【0012】
別のさらなる実施形態によれば、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置をターゲットベース支持体に接続するためのターゲットベース接続手段が提供され、この手段は、ターゲットベース装置内に設けられた固定凹部と、この固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようにされた固定連結器と、固定連結器とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようになっているクランピング手段と、固定連結器に含まれて、ターゲットベース装置内の端部に設けられた固定凹部内に形成される雄ネジに対応する雌ネジを有する固定カラーとを含む。
【0013】
従属クレーム、説明及び図面からは、さらなる特徴及び詳細が明らかとなる。
【0014】
実施形態は、開示する方法を実施するための、及び説明する方法ステップを実施するための装置部品を含む装置にも関する。さらに、実施形態は、説明する装置を動作させる、又は説明する装置を製造する方法にも関する。この方法は、装置又は装置の製造部品の機能を実行するための方法ステップを含むことができる。方法ステップは、ハードウェア構成要素、ファームウェア、ソフトウェア、適当なソフトウェアによりプログラム設定されたコンピュータにより、これらのいずれかの組み合わせにより、又はその他のいずれかの態様で実施することができる。
【0015】
上述した実施形態の特徴を詳細に理解できるように、上記簡潔に要約した本発明の実施形態のより詳細な説明を、典型的な実施形態を参照しながら行うことができる。添付図面は本発明の実施形態に関連し、以下これらについて説明する。以下の図面を参照しながら行う以下の典型的な実施形態の説明では、上述した実施形態のいくつかをより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】固体ターゲットシリンダを含むスパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置の概略断面図である。
【図2】図1に示す回転可能なターゲットベース装置のターゲットベースシリンダの概略断面図である。
【図3a】ターゲットベース接続手段の例を備えた図1に示す回転可能なターゲットベース装置を概略的に示す図である。
【図3b】ターゲットベース接続手段の例を備えた図1に示す回転可能なターゲットベース装置を概略的に示す図である。
【図3c】上記ターゲットベース接続手段の断面図である。
【図3d】上記ターゲットベース接続手段の平面図である。
【図3e】上記ターゲットベース接続手段の平面図である。
【図3f】本明細書で開示する実施形態によるクランピング手段を示す図である。
【図3g】本明細書で開示する実施形態によるクランピング手段を示す図である。
【図4】別のターゲットベース接続手段の例を備えた図1に示す回転可能なターゲットベース装置の概略断面図である。
【図5】さらなるターゲットベース接続手段の例を備えた図1に示す回転可能なターゲットベース装置の概略断面図である。
【図6a】別のターゲットベース接続手段の例の概略断面図である。
【図6b】別のターゲットベース接続手段の例の概略断面図である。
【図6c】別のターゲットベース接続手段の例の概略断面図である。
【図6d】別のターゲットベース接続手段の例の概略断面図である。
【図6e】別のターゲットベース接続手段の例の概略断面図である。
【図7】本明細書で開示する1つの実施形態による回転可能なターゲットベース装置のターゲットベースシリンダの概略断面図である。
【図8a】本明細書で開示する実施形態によるターゲットベース接続手段を備えた図7に示す回転可能なターゲットベース装置の概略断面図である。
【図8b】本明細書で開示する実施形態によるターゲットベース接続手段を備えた図7に示す回転可能なターゲットベース装置の概略断面図である。
【図8c】本明細書で開示する実施形態によるターゲットベース接続手段を備えた図7に示す回転可能なターゲットベース装置の概略断面図である。
【図9】図8に示す実施形態によるターゲットベース接続手段の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1つの実施形態の要素は、これをさらに詳述することなく他の実施形態おいて有利に利用することができる。
【0018】
以下、様々な実施形態を詳細に参照し、これらの1又はそれ以上を図に示す。個々の実施形態は説明を目的とするものであり、本発明を限定することを意味するものではない。
【0019】
以下では、範囲を限定することなく、スパッタリングの用途を参照しながら、回転可能なターゲットベース装置、回転可能なターゲット、コーティング装置、回転可能なターゲットを作成するための方法、ターゲットベース接続手段、及び回転可能なターゲットベース装置を接続する方法の実施形態について説明する。典型的には、回転可能なターゲットベース装置及びターゲットベース接続手段は真空対応材料を含み、コーティング装置は真空コーティング装置である。本明細書で説明する実施形態の典型的な用途は、例えば、ソーラーウェハの製造又は半導体装置の生産における、LCD、TFTディスプレイ及びOLED(有機発光ダイオード)などのディスプレイの生産におけるスパッタ蒸着用途である。
【0020】
以下の図面の説明では、同じ参照番号が同じ構成要素を示す。一般には、個々の実施形態ごとの差異のみについて説明する。
【0021】
以下では、範囲を限定することなく、回転可能なターゲットベース装置のターゲットベースシリンダのことを、例えばバッキングシリンダ又はバッキングチューブと呼ぶ。回転可能なターゲットは、バッキングチューブ及び固体ターゲットシリンダなどを含む。
【0022】
1つの実施形態によれば、上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようにされた、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置が提供され、回転可能なターゲットベース装置は、側面と、中間部と、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とを有するターゲットベースシリンダを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有する。
【0023】
ターゲットベース装置は、例えば、固体ターゲットシリンダをターゲットベースシリンダ上に同心状に配置するようになっている。さらに、固体ターゲットシリンダは、1つの中空シリンダ又はターゲットベースシリンダ上に交互に配置された複数の中空シリンダであってもよい。(単複の)固体ターゲットシリンダをターゲットベースシリンダ上に配置することにより、通常は回転可能なターゲットが得られる。この回転可能なターゲットをスパッタリング装置内に実質的に垂直に装着するために、回転可能なターゲットベース装置を使用することができる。通常、ターゲットベースシリンダの側面は、シリンダバレル又はシリンダのマントルとして理解することができる。
【0024】
本明細書で開示する実施形態は、バッキングシリンダの少なくとも一方の端部からアクセスが可能であるため、固体ターゲット材料チューブなどの固体ターゲットシリンダとすることができるターゲットを、バッキングチューブなどのバッキングシリンダ上に提供できるようになる。これは、バッキングシリンダの少なくとも一方の端部領域の最大外径が、実質的にバッキングシリンダの中間部の外径以下であるというバッキングシリンダの構造によるものである。従って、バッキングシリンダの中間部の外径に一致する内径を有するシリンダ状の固体ターゲットを、バッキングシリンダ上に容易に同心状に配置することができる。ターゲットは、結合又は非結合ターゲットとして使用できるように設計することができる。従って、いくつかの実施形態では、結合材料を必要とし得る結合により、スパッタリングカソードのバッキングチューブ上に固体ターゲットを提供することができる。さらに、溶射ターゲットのためのバッキングシリンダとは対照的に、本明細書で開示する実施形態を使用すれば、結合又は非結合ターゲットのための、チューブ状などの複数のシリンダ状の固体ターゲット又はターゲットスリーブをバッキングシリンダ上に配置できるようになる。さらに、本明細書で開示する実施形態による回転可能なターゲットベース装置及びバッキングシリンダは、それぞれ繰り返し使用できるとともに、シリンダ状のターゲットを交換するだけで回復することができる。このことは、コーティングの適用中に急速に枯渇するターゲット材料を有する回転可能なターゲットに特に適している。
【0025】
図1は、スパッタリング装置のための回転可能なターゲット1の例を概略的に示す図である。通常、回転可能なターゲット1は、回転可能なターゲットベース装置2と、本明細書ではターゲット5とも呼ぶ固体ターゲットシリンダとしてのチューブ状固体ターゲット5とを含む。
【0026】
本明細書で開示する実施形態では、固体ターゲットシリンダ5の内径を、実質的にターゲットベースシリンダの中間部の外径以上にすることができる。典型的には、ターゲット5の外径は、約100mm〜約200mm、より典型的には約130mm〜約170mm、最も典型的には約145mmとすることができる。ターゲット5の内径は、約80mm〜約180mm、より典型的には約110mm〜約150mm、最も典型的には約133mmの範囲とすることができる。ターゲットの厚みは、約2mm〜約30mmの範囲とすることができる。典型的には、ターゲット5の厚みは、約3〜20mm、より典型的には約5〜17mm、最も典型的には約6〜12mmとすることができる。さらに、ターゲット5の長さは、約240mm〜約3500mm、より典型的には約1360mm〜約1400mm、約1560mm〜約1600mm、約1660mm〜約1700mm、約2010mm〜約2050mm、又は約2500mm〜約2540mmの範囲とすることができる。中間部12における、すなわち側面3の領域におけるバッキングチューブの外径は、約80mm〜約180mm、より典型的には約110mm〜約150mm、最も典型的には約133mmの範囲とすることができる。バッキングチューブの内径は、約60mm〜約160mm、より典型的には約90mm〜約130mm、最も典型的には約125mmの範囲とすることができる。典型的には、バッキングチューブの長さは、約300mm〜約3600mm、より典型的には約1440mm、約1640mm、約1740mm、約2090mm、約2240mm、約2580mm、又は約3600mmの範囲とすることができる。本明細書で開示するいくつかの実施形態では、バッキングチューブの中間部12の外径及び/又は内径が、中間部12の全長にわたって実質的に一定である。さらに、本明細書で開示するいくつかの実施形態では、固体ターゲットシリンダ5の外径及び/又は内径が、ターゲットの全長にわたって実質的に一定である。
【0027】
図1に示す回転可能なターゲット1の、上部にターゲット5を配置していない回転可能なターゲットベース装置2を図2にさらに概略的に示す。回転可能なターゲットベース装置2はバッキングチューブ4を含む。本明細書で開示するいくつかの実施形態では、バッキングチューブの少なくとも一方の端部領域の最大外径が、実質的に中間部の外径以下である。
【0028】
図1に示す例のバッキングチューブ4は、側面3を含む中間部12を有するとともに、第1の端部領域7及び第2の端部領域9をさらに有する。第1の端部領域7及び第2の端部領域9の両方は、典型的にはバッキングチューブ4の側面3において、中間部の外径と実質的に等しい最大外径を有することができる。さらに、バッキングチューブ4は、個々の端部領域7及び9に開口部80、19を有することができる。さらに、バッキングチューブ4は、磁石装置及び冷却システムからなる群から選択された少なくとも1つの要素を収容するための内部空間6を含むことができる。
【0029】
本明細書で開示する実施形態では、回転可能なターゲットベース装置が、ターゲットベースシリンダをターゲットベースに接続するのに適した少なくとも1つのターゲットベース接続手段を含む。従って、ターゲットベース装置の第1及び第2の端部領域の少なくとも一方に少なくとも1つのターゲットベース接続手段を設けることができる。この実施形態の変形例では、ターゲットベース接続手段の少なくとも1つを取り外し可能とすることができる。
【0030】
本明細書で開示する実施形態では、ターゲットベース装置のターゲットベースシリンダの一方又は両方の端部領域が、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有することができ、ここにターゲットベース接続手段を設けることができる。
【0031】
この結果、たとえターゲットの内径が、バッキングチューブの外径と実質的に等しく又はこれよりもほんのわずかに大きくても、ターゲットをターゲットベース装置に容易に取り付けることができる。これは、最大外径がバッキングチューブの中間部の外径以下であるバッキングチューブの一方の端部にターゲットを取り付けるために、ターゲットベース接続手段を取り外すことができるからである。その後、ターゲットをバッキングチューブ4上に同心状に配置して、バッキングチューブの回転軸と平行に所望の位置に押し込むことができる。いくつかの実施形態では、バッキングチューブの縦中心軸がバッキングチューブの回転軸となる。
【0032】
ターゲットベース接続手段は、ターゲットベースシリンダをターゲットベース支持体に接続するようになっている。本明細書で開示する1つの実施形態では、ターゲットベースシリンダを2つのターゲットベース支持体と接続するために、第1及び第2の端部領域の各々にターゲットベース接続手段を1つ提供することができる。さらなる実施形態では、ターゲットベース支持体の一方又は両方を、ターゲットベースシリンダの内部空間に冷却流体又は電源などをさらに供給できる回転ターゲットベース駆動システムの一部とすることができる。
【0033】
典型的な実施形態によれば、ターゲットベースシリンダの第1及び第2の端部領域の少なくとも一方を、ターゲットベース接続手段の1つが提供されるように適合させることができる。
【0034】
本明細書で開示する典型的な実施形態によれば、少なくとも1つのターゲットベース接続手段が、ターゲットベースシリンダをターゲットベース支持体に接続するようにされたクランピング手段を含むことができる。より典型的には、少なくとも1つのターゲットベース接続手段が、固定連結器と、ターゲットベースシリンダに設けられた固定凹部とを含むことができ、固定連結器は、固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようになっている。さらに、クランピング手段を、固定連結器とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むように適合させることができる。ターゲットベースシリンダの第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、ターゲットベースシリンダの側面に設けられた1つの固定凹部を含むことができる。
【0035】
別のさらなる実施形態によれば、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置をターゲットベース支持体に接続するためのターゲットベース接続手段が提供され、この手段は、ターゲットベース装置内に設けられた固定凹部と、この固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようにされた固定連結器と、固定連結器とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようになっているクランピング手段と、固定連結器に含まれて、ターゲットベース装置の端部に設けられた固定凹部内に形成された雄ネジに対応する雌ネジを有する固定カラーとからなる群から選択された少なくとも1つの要素を含む。
【0036】
図2の例に示すように、本明細書ではバッキングチューブとも呼ぶターゲットベースシリンダ4は、個々の端部領域7及び9に凹部10を含む。上述したように、本例では、第1の端部領域7及び第2の端部領域9の両方が、中間部の外径と実質的に等しい最大外径を有する。凹部10は、バッキングチューブ4の側面3に設けられる。典型例によれば、凹部10は環状である。
【0037】
スパッタリング装置のためのターゲットベース装置をターゲットベース支持体に接続するようにされた、本明細書で開示する実施形態によるクランピング手段、及びこのようなクランピング手段をターゲットベース接続手段として含む、本明細書で開示する実施形態の回転可能なターゲットベース装置は、コーティング装置及び/又はスパッタリング装置の回転可能な駆動システムなどのシステム内でターゲットバッキングシリンダをクランプするためにそれぞれ有用である。
【0038】
図3a及び図3bは、図2に示す回転可能なターゲットベース装置2に2つのターゲットベース接続手段11を提供した1つの例を示している。本例では、バッキングチューブ4の第1の端部領域7及び第2の端部領域9に、ターゲットベース接続手段11が1つずつ提供される。通常、一方又は両方のターゲットベース接続手段11を、バッキングチューブ4から取り外すことができる。本例では、個々のターゲットベース接続手段11が取り外し可能であり、これらは、クランプ17として形成された固定クランプを固定連結器として、及びクランピングシェル18をクランピング手段として含む。
【0039】
図3aから図3gに示す例では、クランプ17及びクランピングシェル18は環状である。本明細書で開示する実施形態によれば、通常、ターゲットベースシリンダはチューブ状のベースシリンダであり、ターゲットベース接続手段、クランピング手段、固定凹部、及びターゲットベース支持接続手段からなる群から選択された少なくとも1つの要素を環状とすることができる。さらに、本明細書で開示する実施形態では、クランピング手段がセグメント構造を含むことができる。
【0040】
図3aは、バッキングチューブ4と、回転可能なターゲットベース装置2のターゲットベース接続手段11とを組み立てた状態の典型例を示している。この例では、バッキングチューブ4の個々の端部領域が、ターゲットベース支持接続手段としての環状フランジ16を有するターゲットベース支持体15に接続される。回転可能なターゲット1のチューブ状固体ターゲット5は示していない。さらに、端部領域7及び9の各々において、1つの環状クランプ17がバッキングチューブにクランプされる。個々のクランプ17は、内部突起19と、対応する環状クランプ17の内部突起19が個々の環状凹部10に提供されるような内径とを有する。図3cの断面図は、環状クランプ17の内部突起19と、クランプ17がターゲットベース支持体のフランジ16に隣接できるクランプ17の接触面13とを示している。さらに、図3aに示すような組み立てた状態では、クランプ17の外径よりも大きな外径を有する1つの環状クランピングシェル18が、クランプ17の各々を覆って装着される。実施形態のクランピングシェル18を図3fにさらに示しており、このクランピングシェル18は、2つの環状スパン要素27を各々の側に備えた外側リング25を含む。クランピングシェル18の幅、すなわちリング25の幅は、ターゲットベース支持体15のクランプ17及びフランジ16の幅の合計にわたるようにされる。従って、組み立てた状態では、2つの環状スパン要素27が、真空シール(図示せず)を含むことができるクランプ17及びフランジ16を取り囲み、バッキングチューブ4及びターゲットベース支持体15をクランピング張力により互いに固定する。これにより、2つのターゲットベース接続手段11を使用して、バッキングチューブ4とターゲットベース支持体15の各々との間に真空気密シールを提供することができる。
【0041】
典型例では、リング25の幅などのクランピングシェル18の幅を、クランプ17及びフランジ16の幅の合計に等しく又はこれよりもわずかに小さくすることができる。これにより、クランピングシェル18と、クランプ17及びフランジ16の組み合わせとの間に締まり嵌め又は圧入を実現することができる。この結果、クランピングシェル18を、互いに隣接するクランプ17及びフランジ16に圧入固定によって固定することができる。
【0042】
本例では、バッキングチューブ4上にクランプ17を装着した場合、通常、クランプ17の高さ、すなわちクランプ17の環状カラーのバッキングチューブ4の縦軸に垂直な寸法がフランジ16の環状カラーの高さに一致する。従って、クランプ17及びフランジ16は、これらの外周において整列することができる。例えば、クランプ17の環状カラーの高さは、約10mm〜約50mmの範囲とすることができる。
【0043】
典型的には、クランプは、複数のセグメント化クランプ要素を含むことができ、及び/又はクランピングシェルは、複数のセグメント化クランプシェルを含むことができる。より典型的には、クランプは、環状セグメント化クランプ要素を含むことができ、及び/又はクランピングシェルは、環状セグメント化クランプシェルを含むことができる。クランプ及びクランピングシェルは環状であってもよい。一般に、環状セグメント化要素は、互いに縦方向に揃えて見た場合に観察者にとって環が見えるような長さ及び半径を有する。最も典型的には、環状セグメント化クランプ要素及び/又は環状セグメント化クランプシェルを、本明細書では半円とも呼ぶ半環状とすることができる。さらに、セグメント化クランプ要素又は環状セグメント化クランプ要素を互いにヒンジ連結することができ、及び/又はセグメント化クランプシェル又は環状セグメント化クランプシェルを互いにヒンジ連結することができる。
【0044】
本明細書で開示する実施形態によれば、クランピング手段を含むターゲットベース接続手段により、バッキングチューブなどのターゲットベース装置に取り付けられた結合又は非結合固体シリンダ状ターゲットを既存のコーティング装置のクランピングシステム内に固定できるようになる。1つの実施形態では、ターゲットベース接続手段が、複数のセグメント化クランピングシェルを含むクランピングシェルを含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、クランピングシェルを1つの部品で作成することができる。この部品は、ターゲットベース装置上に、及びターゲットベース装置上に取り付けられたカラー上にクランピングシェルを同心状に配置できるようにするために柔軟な構造を有することができる。
【0045】
図示のように、本明細書で開示する実施形態のターゲットベース接続手段はバネを必要としない。従って、バッキングチューブとターゲットベース支持体を互いに隣接させた場合、本明細書で開示する実施形態のターゲットベース接続手段がこれらに容易に取り付けられる。また、本明細書で開示する実施形態のターゲットベース接続手段を使用する場合、バッキングチューブを含む回転可能なターゲットをコーティング装置内に取り付けるためにネジなどを使用してさらに固定する必要はない。さらに、ターゲットベース接続手段の実施形態のセグメント構造も、バッキングチューブをターゲットベース支持体に都合良く取り付けやすくする。
【0046】
図3aから図3gに示す例では、クランプ17が、セグメント化クランプ要素21として、互いにヒンジ20により連結された2つの半円クランプ要素21を有する。クランプ17を示す図3d及び図3eの平面図に示すように、セグメント化クランプ要素21をリング状に閉じることができる。さらに、図3f及び図3gに示すように、クランピングシェル18は、セグメント化クランピングシェルとして2つの半円クランピングシェル23を含む。半円クランピングシェル23は、互いにヒンジ24において連結され、これらをリング状に閉じて、例えばクランプカラーを形成することができる。本例によれば、締結具45により半円クランピングシェル23を互いに固定することができる。
【0047】
本例によるクランプ17のセグメント構造は、突起部19を環状凹部10内に位置させながら2つの半円クランプ要素21がバッキングチューブ4の周囲で閉じられるようにする。例では、クランプ17及び凹部10を良好に適合させるために、閉じたクランプ17の内径が適切に選択され、例えば、閉じたクランプ17の内径が凹部10の直径に実質的に等しく又はこれよりもわずかに大きくされる。
【0048】
さらに、本明細書で説明する実施形態のクランピング手段は、ターゲットベース接続手段の固定連結器の周囲のクランピング手段と、ターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段との取り付けを可能にする寸法及び内径を有する。図3f及び図3gに示す1つの実施形態では、クランピングシェル18が、各々が外側半円要素28を有する2つの半円クランピングシェル23と、外側半円要素28の側面に沿って取り付けられた2つの側方半円スパン要素29とを含む。クランピングシェル18を閉じた場合に外側半円要素28により形成される外側リング25は、クランプ17の外径及びフランジ16の外径よりも大きな内径を有することができる。さらに、図3aに示すように、クランピングシェル18を閉じた場合に側方半円スパン要素29により形成される2つの環状スパン要素27の内径は、フランジ16が装着されるターゲットベース支持体15のバッキングチューブ4及びフランジソケットの外径に一致し、又はこれよりも大きくすることができる。
【0049】
本明細書で開示する1つの実施形態によれば、ターゲットベース接続手段及び/又はターゲットベース支持体が、面取りしたクランピング領域を含むことができる。例えば、コネクタリング又は環状カラーなどの、ターゲットベース支持体のコネクタは、面取りした外側クランピング領域を有することができる。さらに、クランピングシェル18などの、ターゲットベース接続手段のクランピング手段は、面取りした内側クランピング領域を有することができる。図4に示すように、図3aから図3gに示す例の変形例によれば、バッキングチューブ4上のクランプ17及びターゲットベース支持体15のフランジ16が面取りした端部を有し、この結果、面取りした側面30、31をそれぞれ実現することができる。クランプ17の面取りした側面30は、クランプ17の接触面13に対向して位置する。さらに、フランジ16の面取りした側面31は、クランプ17の接触面13と接するようになるフランジ16の接触面、すなわちフランジ側面に対向して配置される。さらに、クランピングシェル18の環状スパン要素27は、クランプ17及びフランジ16が隣接した際に、面取りした側面30及び31にわたるように対応して傾斜することができる。これにより、真空シール(図示せず)を含むことができるバッキングチューブ45とフランジ16に取り付けられたクランプ17が互いに隣接し、これらを覆ってクランピングシェル18をクランプした場合、環状スパン要素27が、クランプ17及びフランジ16を真空気密法で固定することができる。
【0050】
クランプ17をバッキングチューブ4に取り付けた場合、クランプ17の面取りした側面30は、バッキングチューブ4の側面3に対して約100°〜約120°の、典型的には約105°の範囲の傾斜角を有することができる。フランジ16の面取りした側面31は、ターゲットベース支持体15のフランジソケットに対して約100°〜約120°の、典型的には約105°の範囲の傾斜角を有することができる。クランピングシェル18の環状スパン要素27は、リング25に対して、側面30、31の傾斜角に対応する又はこれよりもさらに小さな傾斜角を有することができる。これにより、互いに隣接するクランプ17及びフランジ16上にクランピングシェル18を装着した際にクランピング張力を確立することができる。例えば、一方のスパン要素27は、リング25に対して約95°〜約120°の、典型的には約105°の範囲の傾斜角を有することができ、他方のスパン要素27も、リング25に対して約95°〜約120°の、典型的には約105°の範囲の傾斜角を有することができる。従って、クランピングシェル18を、クランプ17及びフランジ16の組み合わせを覆って圧入固定によりクランプした場合、スパン要素27の傾斜角が増加することができ、その後側面30、31の傾斜角に対応することによりクランピング張力を提供することができる。
【0051】
この面取りしたクランピング領域により、ターゲットベース接続手段の取り付け状態を良くすることができる。例えば図4の例では、面取りした側面30、31及び面取りした環状スパン要素27により、隣接するクランプ17及びフランジ16にクランピングシェル18を押し付けることができるようになる。これにより、回転可能なターゲットベース装置2をターゲットベース支持体15に都合良く固定できるようになる。
【0052】
本明細書で開示する別の実施形態によれば、回転可能なターゲットベース装置の少なくとも1つのターゲットベース接続手段が、任意に固定クランプに提供されるスペーサ手段となるターゲット固定手段を含むことができる。クランプ17にスペーサ手段としてスペーサ40を取り付けた点が図3aから図3gの例とは異なるスペーサの例を図5に示す。図5に示すように、バッキングチューブ4とスペーサ40を含む2つのクランプ17とを組み立てた場合、スペーサ40が、バッキングチューブ4の側面3に隣接して提供される。従って、側面3の中心にターゲット5を提供した場合、ターゲット5が、本例ではターゲット5を適所に固定する2つのスペーサ40間に位置する。一方又は両方のスペーサ40は環状とすることができる。代替例では、一方又は両方のスペーサ40が、クランプの側面に沿って取り付けられた複数のスペーサ要素を各々含むことができる。別の実施形態によれば、一方又は両方のスペーサ40を、(単複の)クランプ17に加えて別個に提供されるスペーサリングとすることができる。スペーサ40の幅、すなわち、上部にクランプ17を装着したときのバッキングチューブ4の回転軸に平行な方向の幅は、約2mm〜約50mmの範囲とすることができ、より典型的には、約20mm〜約40mmの範囲とすることができる。スペーサ40の高さ、すなわち、上部にクランプ17を装着したときのスペーサの幅に垂直な、及びバッキングチューブ4の側面3に垂直な寸法は、約15mm〜約50mmの範囲とすることができる。
【0053】
さらに、1又はそれ以上のスペーサ40は、クランピングシェル18とターゲット5の間に間隙を提供する。間隙は、典型的には約2mm〜約50mmの、より典型的には約20mm〜約40mmの範囲の幅を有することができる。これにより、バッキングチューブ4の回転軸、すなわち本例では縦軸に平行なターゲット5の熱膨張が考えられるが、このような熱膨張の悪影響を避けることができる。さらに、回転可能なターゲット1の回転軸に平行なチューブ状固体ターゲット5の、中心位置などの最適位置を実現することができる。クランピングシェル18とターゲット5の間に間隙が存在しても、スペーサ40がターゲット5を固定位置に保持する。
【0054】
本例の変形例では、バッキングチューブにおいてターゲット5を側面3上に配置した場合、スペーサ40を有するクランプ17を含む固定手段をバッキングチューブ4の一方の端部に1つだけ提供することができる。バッキングチューブ4の他方の端部領域には、例えばスペーサのないクランプ17を取り付けることができる。これにより、ターゲット5と、バッキングチューブ4をターゲットベース支持体15に接続する接続手段のクランピングシェル18の一方との間に1つの間隙が存在するようになる。
【0055】
例えば、典型例によれば、スパッタリング用途のためのコーティング装置に回転可能なターゲット1を垂直に装着した場合、バッキングチューブ4の、バッキングチューブ4とターゲット5を含む回転可能なターゲット1の底部に位置する端部領域に、スペーサ40を含むクランプ17の一方が提供される。スペーサ40が、非結合ターゲットを適所に保持するための固定ショルダとして機能するので、このことは非結合ターゲットにとって特に有用である。より詳細には、非結合ターゲットを1又はそれ以上の結合リングとともに取り付けた場合、1又は複数のスペーサ40により(単複の)結合リングを適所にそれぞれ保持することができる。
【0056】
本明細書で開示する実施形態は、回転可能なターゲット1をスパッタリング装置内に実質的に垂直に装着するのに適している。1又は複数のスペーサ40が、チューブ状固体ターゲット5の信頼できる配置、位置合わせ、中央寄せ、さらには固定をそれぞれ実現するので、このことは1又はそれ以上のスペーサ40を含むターゲットベース接続手段の実施形態に特に当てはまる。
【0057】
図5に示すターゲットベース接続手段の例のさらなる変形例では、図4に関して上述したように、スペーサ40を含むクランプ17とターゲットベース支持体15のフランジ16とが、面取りした側面を有することができる。さらに、フランジ16及びクランプ17が隣接したときに、クランピングシェル18の環状スパン要素27が、面取りした側面30及び31にわたるように対応して傾斜することができる。さらに、クランピングシェル18を閉じたときに側方半円スパン要素29により形成される2つの環状スパン要素27の内径を対応して適合させることができる。例えば、組み立てた状態でターゲットの方を向くクランピングシェル18のスパン要素27の内径を、スペーサ40の外径に一致させ又はこれよりも大きくすることができる。
【0058】
本明細書で開示する実施形態において使用されるターゲット材料の典型例として、ターゲット5は、ITO(インジウムスズ酸化物)、又は5N又は3N品質などのシリコンを含むことができ、これらをZ−600などのホウ素でドープすることができる。
【0059】
さらなる実施形態によれば、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットを作成する方法が提供され、この方法は、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置を提供するステップと、固体ターゲットシリンダを提供するステップと、固体ターゲットシリンダをターゲットベースシリンダの側面に配置するステップとを含み、ターゲットベース装置は、上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようになっており、回転可能なターゲットベース装置は、側面を含む中間部を有するとともに、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とをさらに有するターゲットベースシリンダを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有する。この方法は、例えば固体ターゲットシリンダを配置するステップの後に、ターゲットベースシリンダの第1及び第2の端部領域の少なくとも一方にターゲットベース接続手段を取り付けるステップをさらに含むことができる。回転可能なターゲットベース装置は、ターゲットベースシリンダをターゲットベース支持体に接続するようにされた取り外し可能な少なくとも1つのターゲットベース接続手段をさらに含み、少なくとも1つのターゲットベース接続手段は、ターゲットベースシリンダ内に設けられた固定凹部と、この固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようにされた固定連結器とを含み、固定連結器は、ターゲットベースシリンダの端部に設けられた固定凹部内に形成される雄ネジに対応する雌ネジを有する固定カラーを含む。
【0060】
典型的には、固体ターゲットシリンダは、互いに隣接して提供される1又は複数の中空固体シリンダとすることができる。この1又は複数の固体ターゲットシリンダを、ターゲットベースシリンダ上に同心状に配置することができる。典型的には、上記のさらなる実施形態による固体ターゲットシリンダと(単複の)ターゲットベースシリンダとを組み合わせることにより、回転可能なターゲットが形成される。回転可能なターゲットは、スパッタリングターゲットをスパッタリング装置内に実質的に垂直に装着するためのものとすることができる。
【0061】
1つの例では、図2に示すバッキングチューブ4が提供される。次に、チューブ状固体ターゲット5が、第2の端部領域9上などに同心状に配置され、バッキングチューブ4の中心軸、すなわち本例では回転軸に平行に移動して、バッキングチューブ4上の中心に位置決めされる。次に、バッキングチューブ4の個々の端部領域7及び9に、2つのヒンジ連結された半円クランプ要素21を含む1つのクランプ17をターゲットベース接続手段として同心状に位置決めすることができる。この位置において、個々のクランプ17の突起部19が、バッキングチューブ4の凹部10の1つを埋める。周囲クランプ17及びターゲットベース支持体の隣接するフランジ16の周囲でクランピングシェル18の一方を閉じ、締結具45によってクランピングシェル18を締め付けることにより、個々のクランプ17をバッキングチューブ4に固定することができる。この結果、チューブ状固体ターゲット5がクランプ17間に位置して、回転可能なターゲット1を提供するようになる。
【0062】
上記の例の変形例では、バッキングチューブ4の上部にチューブ状ターゲット5を同心状に配置した後に、バッキングチューブ4の一方の端部領域に一方の固定クランプ17のみを取り付けることができる。これは、以下で説明するように、回転可能なターゲット1を回復させる際に、例えば枯渇したターゲット5を取り替えるために行うことができる。バッキングチューブ4の他方の端部領域に、ターゲットベース接続手段又はバッキングチューブ4の他方の端部領域に溶接されたフランジなどの他のいずれかの端部部品が既に与えられている場合にも、この方法の上記変形例を使用することができる。
【0063】
さらに別の実施形態によれば、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットを回復させる方法を提供することができ、この方法は、実施形態によるスパッタリング装置のための回転可能なターゲットを提供するステップを含み、回転可能なターゲットは、側面を含む中間部を有するとともに、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とをさらに有するターゲットベースシリンダを含む回転可能なターゲットベース装置を含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有し、回転可能なターゲットベース装置は、ターゲットベースシリンダの側面上に配置された固体ターゲットシリンダと、少なくとも一方の端部領域上に配置されたターゲットベース接続手段とを有し、前記方法は、ターゲットベースシリンダの少なくとも一方の端部領域からターゲットベース接続手段を取り外すステップと、固体ターゲットシリンダを取り外すステップと、別の固体ターゲットシリンダを提供するステップと、別の固体ターゲットシリンダをターゲットベースシリンダの側面上に配置するステップと、ターゲットベースシリンダの少なくとも一方の端部領域にターゲットベース接続手段を取り付けるステップとをさらに含む。
【0064】
例えば、バッキングチューブ4の第2の端部領域9は、実質的に中間部12の外径以下の最大外径を有する。従って、例えば、バッキングチューブの中間部の外径よりもわずかに大きな内径を有することができるチューブ状固体ターゲット5を第2の端部領域9の上に同心状に配置することにより、これをバッキングチューブ4の側面3上に配置することができる。その後、チューブ状固体ターゲット5をバッキングチューブの回転軸、すなわち本例では縦軸に沿ってバッキングチューブ4上に移動させ又は押し込むことにより、これを所望の位置に位置決めすることができる。
【0065】
さらに、実施形態の固体ターゲットシリンダは中空シリンダとすることができる。この固体ターゲットシリンダをターゲットベースシリンダ上に中心に配置することができる。典型的には、上記さらに別の実施形態による実施形態の固体ターゲットシリンダ及びターゲットベースシリンダを処理して組み合わせることにより、回転可能なターゲットが回復する。
【0066】
本明細書で開示する実施形態は、バッキングシリンダの少なくとも一方の端部からアクセスが可能であるため、固体ターゲット材料チューブとすることができるシリンダ状ターゲットを、バッキングチューブなどのバッキングシリンダ上に提供できるようになる。これは、バッキングシリンダの少なくとも一方の端部領域の最大外径が、実質的にバッキングシリンダの中間部の外径以下であるというバッキングシリンダの構造によるものである。ターゲットは、結合又は非結合ターゲットとして使用できるように設計することができる。本明細書で開示する実施形態では、中間部の側面の外径に一致する内径を有するシリンダ状又はチューブ状固体ターゲットを、バッキングシリンダ上に容易に配置することができる。この結果、いくつかの実施形態では、固体ターゲットをバッキングシリンダに結合することによる費用の発生を避けることができ、数多くの結合材料を使用する必要がなくなるのでさらに費用が削減される。他の実施形態では、結合により固体ターゲットをスパッタリングカソードのバッキングチューブ上に提供することができる。さらに、溶射ターゲットのためのバッキングチューブとは対照的に、本明細書で開示する実施形態を使用すれば、結合又は非結合ターゲットのための、複数のシリンダ状の又はチューブ状の固体ターゲット又はターゲットスリーブをバッキングチューブ上に配置できるようになる。さらに、本明細書で開示する実施形態による回転可能なターゲットベース装置及びバッキングチューブは、それぞれ繰り返し使用できるとともに、シリンダ状のターゲットを交換するだけで回復することができる。このことは、コーティングの適用中に急速に枯渇するターゲット材料を有する回転可能なターゲットには特に適している。さらに、回転可能なターゲットベース装置を使用して、回転可能なターゲットをスパッタリング装置内に実質的に垂直に装着することができる。
【0067】
さらに、いくつかの実施形態によれば、ターゲット固定手段を有する1又はそれ以上のターゲットベース接続手段が提供され、これらがシリンダ状固体ターゲットとターゲットベース接続手段との間の間隙を考慮するので、バッキングシリンダ材料とターゲット材料との間の熱膨張係数が異なるようにすることができる。また、ターゲットベース接続手段を含む実施形態では、ターゲットをバッキングシリンダに固定し、さらにバッキングシリンダ上の中心に置き、又は所望の位置に位置合わせすることができる。
【0068】
1つの例によれば、ターゲットベース接続手段が、クランプリング状に閉じるようにされた複数の環状セグメント化クランプ要素を含む固定クランプと、クランプリング状に閉じられた複数の環状セグメント化クランプ要素とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持リングとを取り囲むようにされた複数の環状セグメント化クランピングシェルを含むクランピング手段とを含むことができ、複数の環状セグメント化クランプ要素の少なくとも1つは、複数の環状セグメント化クランピングシェルを隣接するクランプリング及びターゲットベース支持リング上に、環状セグメント化クランピングシェル及び環状セグメント化クランプ要素が互いにオフセット円周位置に提供されるように装着するようにされた調整手段を含み、調整手段は、任意に環状セグメント化クランプ要素の少なくとも1つの外周に提供される。
【0069】
例えば、図3aから図3gに示すターゲットベース接続手段11の例では、クランプ17及びクランピングシェル18の代わりに、固定クランプが、図6aから図6eに示すクランプ170及びクランピングシェル180を含むことができる。調整手段として、図6b及び図6cに示すように、一方のクランプ要素21の端部間などの、クランプ170の一方の半円要素21の外周に、典型的にはスパン要素21の半円の中間にピン172を設けることができる。クランピングシェル180は、2つの半円クランピングシェル23の自由端184に、個々の自由端184に1つずつの2つの開口部182を含むことができる。図6eにクランピングシェル180を断面図で示し、開口部182の位置を示している。図6dに示すように、開口部182は、その閉じた状態において、クランピングシェル180の自由端184の接触面に組み合わせ開口部183を形成する。クランピングシェル180がクランプ170の周囲で閉じたときに、開口部182を組み合わせた組み合わせ開口部183を埋めるようにピン172を形成することができる。
【0070】
或いは、上記の例の変形例では、調整手段を、クランプ170の一方の半円要素21の外周にピン172の代わりに配置されたカラードットなどのマーク(図示せず)とすることができる。クランピングシェル180が閉じたときに自由端184間に間隙を提供するようにクランピングシェル180を形成することもでき、例えばそのようにクランピングシェル23の長さをとることができる。間隙は、クランピングシェル180がクランプ170の周囲で閉じているときに、マークがクランピングシェル180の間隙の下に位置しているかどうかをチェックするために、下にある半円要素21の外周の光学検査を可能にする。
【0071】
別の例では、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置をターゲットベース支持体に接続する方法が提供され、この方法は、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置を提供するステップと、クランプリング状に閉じるようにされた複数の環状セグメント化クランプ要素と、クランプリング状に閉じた複数の環状セグメント化クランプ要素とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持リングとを取り囲むようにされた複数の環状セグメント化クランピングシェルとを含む固定クランプ含むターゲットベース接続手段を提供するステップと、複数の環状セグメント化クランプ要素をクランプリング状に閉じることにより、回転可能なターゲットベース装置の第1及び第2の端部領域の少なくとも一方にターゲットベース接続手段を装着するステップと、クランプリングをターゲットベース支持体のターゲットベース支持リングに隣接させるステップと、複数の環状セグメント化クランピングシェルを隣接するクランプリング及びターゲットベース支持リング上に、環状セグメント化クランピングシェル及び環状セグメント化クランプ要素が互いにオフセット円周位置に提供されるように装着するステップとを含み、ターゲットベース装置は、上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようになっており、回転可能なターゲットベース装置は、側面と、中間部と、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とを有するターゲットベースシリンダを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有し、複数の環状セグメント化クランプ要素の少なくとも1つは、複数の環状セグメント化クランピングシェルを隣接するクランプリング及びターゲットベース支持リング上に、環状セグメント化クランピングシェル及び環状セグメント化クランプ要素が互いにオフセット円周位置に提供されるように装着するようにされた調整手段を任意に含み、調整手段は、任意に環状セグメント化クランプ要素の少なくとも1つの外周に提供される。
【0072】
従って、図6aから図6eに示す例によれば、バッキングチューブ4と、クランプ170及びクランピングシェル180を含むターゲットベース接続手段とを提供することができる。次に、バッキングチューブ4の凹部10の周囲で半円クランプ要素21を閉じることにより、クランプ170をバッキングチューブ4の第1及び第2の端部領域の一方に装着する。その後、クランプリング170を、ターゲットベース支持体15のターゲットベース支持リング16に隣接させる。クランピングシェル180の半円クランピングシェル23を、閉じたクランプ170及び隣接するターゲットベース支持リング16の周囲に、ピン172がクランピングシェル180の開口部183内に位置するように配置する。次に、締結具45を使用して、閉じたクランプ170及び隣接するターゲットベース支持リング16の周囲にクランピングシェル180を固定する。自由端184間の接触面の開口部183にピン172が位置するので、クランピングシェル18の半円クランピング要素23及びクランプ17の半円要素21を互いにオフセット円周位置に提供することができる。例えば、図6bに示すように、ピン172をクランプ要素21の半円の中間に取り付けた場合、半円要素23及び半円クランピング要素21は、90°の径方向オフセットを有することができる。すなわち、半円クランピングシェル23間の接触面の下にある半円クランプ要素21間の接触面を位置決めしなくて済む。これにより、クランプ圧を均一に分散させることができる。さらに、真空シール(図示せず)を含むことができる真空気密によりバッキングチューブ4をターゲットベース支持体16に固定して、この固定場所における漏れを回避することができる。
【0073】
調整手段としてマークを含む上記の例の変形例についても同じである。オフセットを実現するために、本例のバッキングチューブ4及びターゲットベース接続手段をターゲットベース支持体15に取り付けるオペレータは、クランプ170の周囲にクランピングシェル180を取り付ける際に、閉じた半円クランピングシェル23間の間隙内に確実にマークが見えるようにする必要がある。
【0074】
別のさらなる実施形態によれば、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置をターゲットベース支持体に接続するためのターゲットベース接続手段が提供され、このターゲットベース接続手段は、ターゲットベース装置の端部に設けられた固定凹部内に形成される雄ネジに対応する雌ネジを有する固定カラーを含む固定連結器を含む。さらに、少なくとも1つのターゲットベース接続手段は、固定連結器とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようにされたクランピング手段を含むことができる。
【0075】
図7は、本明細書で開示する1つの実施形態による回転可能なターゲットベース装置のターゲットベースシリンダ200の概略断面図である。この実施形態は、端部領域7が、凹部10の代わりに端部領域100の最外端に位置する凹部100を含むという点で図2に示す例とは異なる。従って、凹部100は環状であり、ターゲットベースシリンダ200の最外端に設けられ、ターゲットベースシリンダ200の開口部80を取り囲む。凹部100の外周には雄ネジ101が形成される。
【0076】
図8a及び図8bは、本明細書で開示する実施形態によるターゲットベース接続手段を備えた図7に示す回転可能なターゲットベース装置の概略断面図である。図8aに示すように、本発明の実施形態のターゲットベース接続手段は、本明細書ではカラー270とも呼ぶ固定カラー270を含み、これをターゲットベースシリンダ200の凹部100に装着することができる。この目的のために、固定カラー270は、ターゲットベース装置200の凹部100内に形成された雄ネジ101に対応する雌ネジ271を有する。図8bに示すように、カラー270及びフランジ16を互いに隣接させた場合、クランピング手段として図3f及び図3gに示すクランピングシェル18を、ターゲットベースシリンダ200に取り付けられたカラー270とターゲットベース支持体15のフランジ16とを覆って装着することができる。本明細書で開示する実施形態では、カラー270及び凹部100を良好に適合させるために、固定カラー270の内径が適切に選択され、例えば、内径が凹部100の直径に実質的に等しく又はこれよりもわずかに大きくされる。さらに、クランピングシェル18は、カラー270及びフランジ16を互いに隣接させた場合、クランピングシェル18をカラー270及びターゲットベース支持体15のフランジ16の周囲に取り付けることができるようになる寸法及び内径を有する。本発明の実施形態では、クランピングシェル18が、各々が外側半円要素28を有する2つの半円クランピングシェル23と、外側半円要素28の側面に沿って取り付けられた2つの面取りした側方半円スパン要素29とを含む。クランピングシェル18を閉じたときに外側半円要素28により形成される外側リング25は、カラー270の外径及びフランジ16の外径よりも大きな内径を有することができる。さらに、クランピングシェル18が閉じたときに側方半円スパン要素29により形成される2つの環状スパン要素27の内径は、フランジ16がそれぞれ装着されるバッキングチューブ4及びターゲットベース支持体15のフランジソケットの外径に一致し又はこれよりも大きいものとすることができる。
【0077】
雌ネジ271を示す図9にも固定カラー270を示している。さらに、図4の例を参照しながら上述したように、固定カラー270は、面取りした側面30及びスペーサ40を有することができる。本発明の実施形態では、固定カラー270及びターゲットベース支持体15のフランジ16が面取りした端部を有し、この結果、面取りした側面30、31をそれぞれ実現することができる。固定カラー270の面取りした側面30は、カラー270の接触面13に対向して位置する。さらに、フランジ16の面取りした側面31は、カラー270の接触面13と接するようになるフランジ16の接触面、すなわちフランジ側面に対向して配置される。さらに、クランピングシェル18の環状スパン要素27は、カラー270及びフランジ16を隣接させた際に、面取りした側面30及び31にわたるように対応して傾斜することができる。これにより、真空シール(図示せず)を含むことができるバッキングチューブ45とフランジ16に取り付けられたカラー270とが互いに隣接し、これらを覆ってクランピングシェル18をクランプした場合、環状スパン要素27が、カラー270及びフランジ16を真空気密法で固定することができる。
【0078】
図8cには、固定カラー270の変形例を示しており、この変形例は、固定カラー270の外周に設けられた複数のボア272などの1又はそれ以上の凹部272を含む。ボア272は、ターゲットベースシリンダ200の凹部100に固定カラー270を容易に装着するために、工具を係合できるようにするためのものである。
【0079】
本明細書で開示する実施形態(図示せず)によれば、上述した固定カラー270には、面取りした側面30及び/又はスペーサ40が提供されないこともある。このような場合、図3aに示すようなクランピングシェル18が適しており、これを形成することができる。
【0080】
さらに、いくつかの実施形態(図示せず)では、図7から図9の実施形態で使用するクランピング手段が、例えば、図3f及び図3gを参照しながら説明し図示したような、固定カラーとターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようにされた複数のセグメント化クランピングシェルを含むことができる。
【0081】
さらなる実施形態(図示せず)では、図8aから図8c及び図9に示す固定カラー270が、例えば、図5に示すスペーサ40を参照しながら上述したような構造及び効果を有する細長スペーサ40を含むことができる。細長スペーサ40は、例えば面取りした側面30に隣接する、クランピングシェル18を係合させるためのより小さな外径の領域を有することができる。
【0082】
本明細書で説明する他の実施形態によれば、ターゲットベースシリンダの個々の端部領域7及び9に、上述したようなターゲットベース接続手段の1つを提供することができる。例えば、ターゲットベースシリンダの両端部領域に、凹部100、固定カラー270及び/又はクランピングシェル18又は180を提供することができる。さらなる実施形態では、ターゲットベースシリンダの一方の端部領域に、凹部100、固定カラー270及び/又はクランピングシェル18又は180提供し、他方の端部領域に凹部10、固定クランプ17又は170及び/又はクランピングシェル18又は180を提供することができる。さらに別の実施形態では、ターゲットベースシリンダの一方の領域7又は9のみに、上述したような実施形態のターゲットベース接続手段の一方を提供することができる。例えば、ターゲットベースシリンダの一方の端部領域のみに、凹部100、固定カラー270及び/又はクランピングシェル18又は180を提供することができる。
【0083】
さらに、本明細書で説明するいくつかの実施形態では、ターゲットシリンダを確実に支持するために、スペーサ40が、ターゲットベースシリンダ4に装着されたときに、その自由端にターゲットベースシリンダ4の側面3に垂直な約15mm〜約50mmの範囲の高さ、すなわち寸法を有することができる。このことは、組み立てた回転可能なターゲットを実質的に垂直に装着し、スペーサ40が、底部ターゲットベース支持体に接続された底部ターゲットベース接続手段の一部であり、例えば、ターゲットシリンダの真下又は底部ターゲットシリンダの下に位置する場合に特に望ましいものとなり得る。さらに、組み立てた回転可能なターゲットを垂直に装着した場合、ターゲットベースシリンダの上部端部領域を、第2のターゲットベース接続手段の上部ターゲットベース支持体に保持することができる。このような場合、ターゲットシリンダの上端又は最も上のターゲットシリンダとターゲットベース接続手段との間に間隙を設けることができる。
【0084】
実施形態では、組み立て回転可能なターゲットが実質的に垂直に装着される。典型的には、実質的に垂直に装着した場合、本明細書で説明する実施形態による固定カラーを含むターゲットベース接続手段によって回転可能なターゲットの下端を保持することができ、本明細書で説明する例による固定クランプを含むターゲットベース接続手段によって回転可能なターゲットの上端を保持することができる。
【0085】
1つの実施形態によれば、上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようにされた、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置が提供され、この回転可能なターゲットベース装置は、側面と、中間部と、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とを有するターゲットベースシリンダを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有する。
【0086】
上記1つの実施形態では、ターゲットベース装置が、ターゲットベースシリンダをターゲットベース支持体に接続するようになっている取り外し可能な少なくとも1つのターゲットベース接続手段をさらに含む。
【0087】
上記1つの実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方が、ターゲットベース接続手段の1つを提供されるようになっている。
【0088】
上記1つの実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、少なくとも1つのターゲットベース接続手段が、ターゲットベースシリンダをターゲットベース支持体に接続するようにされたクランピング手段を含む。
【0089】
上記1つの実施形態及びその修正例によれば、少なくとも1つのターゲットベース接続手段が、固定連結器と、ターゲットベースシリンダに設けられた固定凹部とを含み、固定連結器は、固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようになっている。
【0090】
上記1つの実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、少なくとも1つのターゲットベース接続手段が、固定連結器とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようにされたクランピング手段を含む。
【0091】
上記1つの実施形態及びその修正例によれば、固定連結器が、ターゲットベースシリンダの端部に設けられた固定凹部内に形成された雄ネジに対応する雌ネジを有する固定カラーを含む。
【0092】
上記1つの実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方が、ターゲットベースシリンダの側面に設けられた1つの固定凹部を含む。
【0093】
上記1つの実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、ターゲットベース接続手段が、1つの又は上記の固定カラーとターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようにされたクランピングシェルを有する1つの又は上記のクランピング手段と、1つの又は上記の固定カラーとターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようにされた複数のセグメント化クランピングシェルを有する1つの又は上記のクランピング手段とを含む。
【0094】
上記1つの実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、複数のセグメント化クランプシェルが互いにヒンジ連結される。
【0095】
上記1つの実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、ターゲットベースシリンダがチューブ状ベースシリンダであり、ターゲットベース接続手段、クランピング手段、固定連結器、固定凹部、及びターゲットベース支持接続手段からなる群から選択された少なくとも1つの要素が環状である。
【0096】
上記1つの実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、少なくとも1つのターゲットベース接続手段が、任意に固定連結器、及びターゲットベース接続手段の固定カラーからなる群から選択された少なくとも1つの要素に提供されるスペーサ手段であるターゲット固定手段を含む。
【0097】
上記1つの実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、回転可能なターゲットベース装置が、回転可能なターゲットをスパッタリング装置内に実質的に垂直に装着するようにされる。
【0098】
上記1つの実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、ターゲットベースシリンダが、磁石装置及び冷却システムからなる群から選択された少なくとも1つの要素を収容するための内部空間を含む。
【0099】
別の実施形態によれば、上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようにされた、実施形態による回転可能なターゲットベース装置を含むスパッタリング装置のための回転可能なターゲットが提供され、回転可能なターゲットベース装置は、側面と、中間部と、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とを有するターゲットベースシリンダを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有し、回転可能なターゲットベース装置は、ターゲットベースシリンダの側面上に配置された固体ターゲットシリンダを有する。
【0100】
上記別の実施形態の修正例によれば、回転可能なターゲットベース装置が、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方に取り付けられたターゲットベース接続手段の少なくとも1つを有する。
【0101】
上記別の実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、ターゲットベース接続手段のターゲット固定手段が、固体ターゲットシリンダとターゲットベース支持体との間に間隙を提供する。
【0102】
上記別の実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、固体ターゲットシリンダが環状であり、第1の端部領域と第2の端部領域の間に位置する。
【0103】
上記別の実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、ターゲットベース接続手段の少なくとも1つがターゲット固定手段の少なくとも1つに隣接して位置することにより固体ターゲットシリンダが調整され、例えば中心に置かれる。
【0104】
上記別の実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、固体ターゲットシリンダの内径が、実質的にターゲットベースシリンダの中間部の外径以上である。
【0105】
さらなる実施形態によれば、上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようにされた、実施形態による回転可能なターゲットベース装置を含むコーティング装置が提供され、回転可能なターゲットベース装置は、側面と、中間部と、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とを有するターゲットベースシリンダを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有する。この実施形態は、本明細書で開示する他のいずれかの実施形態又はこの修正例と組み合わせることができる。
【0106】
さらに別の実施形態によれば、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットを作成する方法が提供され、この方法は、実施形態による回転可能なターゲットベース装置を提供するステップと、固体ターゲットシリンダを提供するステップと、固体ターゲットシリンダをターゲットベースシリンダの側面に配置するステップとを含み、この固体ターゲットシリンダを配置するステップの後に、ターゲットベースシリンダの第1及び第2の端部領域の少なくとも一方にターゲットベース接続手段を取り付けるステップを任意に含み、回転可能なターゲットベース装置は、上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようになっており、回転可能なターゲットベース装置は、側面と、中間部と、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とを有するターゲットベースシリンダを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有する。この実施形態は、本明細書で開示する他のいずれかの実施形態又はこの修正例と組み合わせることができる。
【0107】
別のさらなる実施形態によれば、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置をターゲットベース支持体に接続するためのターゲットベース接続手段が提供され、この手段は、ターゲットベース装置内に設けられた固定凹部と、この固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようにされた固定連結器と、固定連結器とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようになっているクランピング手段と、固定連結器に含まれて、ターゲットベース装置の端部に設けられた固定凹部内に提供される雄ネジに対応する雌ネジを有する固定カラーをとからなる群から選択された少なくとも1つの要素を含む。
【0108】
固定連結器の固定クランプは、ターゲットベース装置に設けられた固定凹部を少なくとも部分的に埋めるように適合させることができる。ターゲットベース接続手段は、クランプ状に閉じるようになっている複数のセグメント化クランプ要素を有する固定クランプと、固定クランプとターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようになっているクランピングシェルを有するクランピング手段と、固定クランプ状に閉じられた複数のセグメント化クランプ要素とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようになっているクランピングシェルを有するクランピング手段と、固定クランプとターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようになっている複数のセグメント化クランピングシェルを有するクランピング手段と、固定クランプ状に閉じた複数のセグメント化クランプ要素とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようになっている複数のセグメント化クランピングシェルを有するクランピング手段と、固定カラーとターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようになっているクランピングシェルを有するクランピング手段と、固定カラーとターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようになっている複数のセグメント化クランピングシェルを有するクランピング手段とからなる群から選択された少なくとも1つの要素を含むことができる。
【0109】
固定クランプは、クランプリング状に閉じるようになっている複数の環状セグメント化クランプ要素を含むことができ、クランピング手段は、クランプリング状に閉じた複数の環状セグメント化クランプ要素とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持コネクタリングとを取り囲むようになっている複数の環状セグメント化クランピングシェルを含むことができ、複数の環状セグメント化クランプ要素の少なくとも1つは、複数の環状セグメント化クランピングシェルを隣接するクランプリング及びターゲットベース支持リング上に、環状セグメント化クランピングシェル及び環状セグメント化クランプ要素が互いにオフセット円周位置に提供されるように装着するようになっている調整手段を含み、調整手段は、任意に環状セグメント化クランプ要素の少なくとも1つの外周に設けられる。
【0110】
上記実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、複数のセグメント化クランプシェル又は環状セグメント化クランプシェルが互いにヒンジ連結される。
【0111】
上記実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、ターゲットベース接続手段が、任意に固定連結器及び固定カラーからなる群から選択された少なくとも1つの要素に提供されるスペーサ手段であるターゲット固定手段を含む。
【0112】
スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置をターゲットベース支持体に接続する方法は、回転可能なターゲットベース装置を提供するステップと、クランプリング状に閉じるようにされた複数の環状セグメント化クランプ要素と、クランプリング状に閉じた複数の環状セグメント化クランプ要素とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持リングとを取り囲むようになっている複数の環状セグメント化クランピングシェルとを含む固定クランプ含むターゲットベース接続手段を提供するステップと、複数の環状セグメント化クランプ要素をクランプリング状に閉じることにより、回転可能なターゲットベース装置の第1及び第2の端部領域の少なくとも一方にターゲットベース接続手段を装着するステップと、クランプリングをターゲットベース支持体のターゲットベース支持リングに隣接させるステップと、複数の環状セグメント化クランピングシェルを隣接するクランプリング及びターゲットベース支持リング上に、環状セグメント化クランピングシェル及び環状セグメント化クランプ要素が互いにオフセット円周位置に提供されるように装着するステップとを含み、ターゲットベース装置は、上部に固体ターゲットシリンダを受けるようになっており、回転可能なターゲットベース装置は、側面と、中間部と、第1の端部領域と、第1の端部領域に対向する第2の端部領域とを有するターゲットベースシリンダを含み、第1及び第2の端部領域の少なくとも一方は、実質的に中間部の外径以下の最大外径を有する。
【0113】
上記実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、回転可能なターゲットベース装置が、回転可能なターゲットをスパッタリング装置内に実質的に垂直に装着するようにされる。
【0114】
上記実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、ターゲットベースシリンダが、磁石装置及び冷却システムからなる群から選択された少なくとも1つの要素を収容するための内部空間を含む。
【0115】
上記実施形態及びその修正例のいずれかの修正によれば、固体ターゲットシリンダの内径が、実質的にターゲットベースシリンダの中間部の外径以上である。
【0116】
本明細書では、本発明を開示するために、さらに当業者が本発明を作成して使用できるようにするために、最良の形態を含む実施形態を使用している。様々な具体的な実施形態の観点から本発明について説明したが、当業者であれば、特許請求の思想及び範囲内で修正を行って本発明を実施できることを認識するであろう。特に、上述した実施形態又はこれらの修正例の互いに排他的でない特徴を互いに、及び任意に本明細書で説明した例の互いに排他的でない特徴と組み合わせることができる。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲により定められ、当業者が思いつく他の例を含むことができる。このような他の例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0117】
上述した内容は本発明の実施形態に関するが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく本発明のその他の及びさらなる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲により決定される。
【符号の説明】
【0118】
2 ターゲットベース装置
3 側面
4 バッキングチューブ
6 内部空間
7 第1の端部領域
9 第2の端部領域
10 凹部
12 中間部
19 開口部
80 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に固体ターゲットシリンダを受け入れるようにされた、スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置であって、
側面(3)と、中間部(12)と、第1の端部領域(7)と、該第1の端部領域に対向する第2の端部領域(9)とを有するターゲットベースシリンダ(4)を備え、前記第1及び前記第2の端部領域の少なくとも一方が、実質的に前記中間部の外径以下の最大外径を有し、
前記ターゲットベースシリンダをターゲットベース支持体に接続するようにされた取り外し可能な少なくとも1つのターゲットベース接続手段(270、18)をさらに備え、
前記少なくとも1つのターゲットベース接続手段が、前記ターゲットベースシリンダ内に設けられた固定凹部(100)と、該固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようになっている固定連結器(270)とを含み、
前記固定連結器が、前記ターゲットベースシリンダ(4)の端部に設けられた前記固定凹部(100)内に形成された雄ネジ(101)に対応する雌ネジ(271)を有する固定カラー(270)を含む、
ことを特徴とする回転可能なターゲットベース装置。
【請求項2】
前記固定凹部が、前記ターゲットベースシリンダの前記側面に設けられ、及び/又は前記少なくとも1つのターゲットベース接続手段が、前記固定連結器とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようにされたクランピング手段(18)を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転可能なターゲットベース装置。
【請求項3】
前記ターゲットベース接続手段が、前記固定カラー(270)とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようにされたクランピングシェル(18)を有する前記クランピング手段と、前記固定カラーとターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようにされた複数のセグメント化クランピングシェル(23)を有する前記クランピング手段とから選択された少なくとも1つの要素を含む、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転可能なターゲットベース装置。
【請求項4】
前記ターゲットベースシリンダがチューブ状ベースシリンダであり、及び/又は前記ターゲットベース接続手段、前記クランピング手段、前記固定連結器、前記固定凹部、及び前記ターゲットベース支持接続手段からなる群から選択された少なくとも1つの要素が環状である、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の回転可能なターゲットベース装置。
【請求項5】
前記複数のセグメント化クランプシェルが、互いにヒンジ連結される、
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の回転可能なターゲットベース装置。
【請求項6】
少なくとも1つのターゲットベース接続手段がターゲット固定手段を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の回転可能なターゲットベース装置。
【請求項7】
前記ターゲット固定手段が、前記固定連結器及び前記固定カラーからなる前記群から選択された少なくとも1つの要素に提供されるスペーサ手段である、
ことを特徴とする請求項6に記載の回転可能なターゲットベース装置。
【請求項8】
スパッタリング装置のための回転可能なターゲットであって、前記ターゲットベースシリンダの前記側面上に配置された固体ターゲットシリンダを有する、請求項1から請求項7のいずれかに記載の回転可能なターゲットベース装置を含む、
ことを特徴とするスパッタリング装置のための回転可能なターゲット。
【請求項9】
前記回転可能なターゲットベース装置が、前記第1及び第2の端部領域の少なくとも一方に取り付けられた前記ターゲットベース接続手段の少なくとも1つを有し、及び/又は前記ターゲットベース接続手段の前記ターゲット固定手段が、前記固体ターゲットシリンダと前記ターゲットベース支持体との間に間隙を提供する、
ことを特徴とする請求項8に記載のスパッタリング装置のための回転可能なターゲット。
【請求項10】
前記固体ターゲットシリンダがチューブ状であり、及び/又は前記第1の端部領域と前記第2の端部領域との間に位置し、及び/又は前記ターゲット固定手段の少なくとも1つに隣接して位置することにより、前記ターゲットベース接続手段の少なくとも1つによって調整される、
ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の回転可能なターゲット。
【請求項11】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の回転可能なターゲットベース装置を含む、
ことを特徴とするコーティング装置。
【請求項12】
スパッタリング装置のための回転可能なターゲットを作成する方法であって、
請求項1から請求項7のいずれかに記載の回転可能なターゲットベース装置を提供するステップと、
固体ターゲットシリンダを提供するステップと、
前記固体ターゲットシリンダを前記ターゲットベースシリンダの前記側面上に配置するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記固体ターゲットシリンダを配置するステップの後に、前記ターゲットベースシリンダの第1及び第2の端部領域の少なくとも一方に前記ターゲットベース接続手段の1つを取り付けるステップを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
スパッタリング装置のための回転可能なターゲットベース装置をターゲットベース支持体に接続するためのターゲットベース接続手段であって、
ターゲットベース装置に設けられた固定凹部(100)と、該固定凹部を少なくとも部分的に埋めるようにされた固定連結器(270)と、
前記固定連結器に含まれて、前記ターゲットベース装置の端部に設けられた前記固定凹部(100)内に形成された雄ネジ(101)に対応する雌ネジ(271)を有する固定カラー(270)と、
を含むことを特徴とするターゲットベース接続手段。
【請求項15】
前記固定連結器とターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようにされたクランピング手段(18)を含む、
ことを特徴とする請求項14に記載のターゲットベース接続手段。
【請求項16】
前記固定カラーとターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようにされたクランピングシェルを有する前記クランピング手段と、前記固定カラーとターゲットベース支持体の隣接するターゲットベース支持接続手段とを取り囲むようにされた複数のセグメント化クランピングシェルを有する前記クランピング手段とから選択された少なくとも1つの要素を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のターゲットベース接続手段。
【請求項17】
前記複数のセグメント化クランプシェルが互いにヒンジ連結され、及び/又は前記ターゲットベース接続手段がターゲット固定手段を含み、及び/又は前記ターゲット固定手段が、前記固定連結器及び前記固定カラーからなる群から選択された少なくとも1つの要素に提供されるスペーサ手段である、
ことを特徴とする請求項14から請求項16に記載のターゲットベース接続手段。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−506489(P2012−506489A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532651(P2011−532651)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064013
【国際公開番号】WO2010/046485
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】