説明

回転式入力装置

【課題】 回転操作部を有する回転式入力装置において、回転操作部の回転角度を複数種類に切換えて、多様な操作入力を可能とする。
【解決手段】 回転操作部4によってロータ板8が回転させられて、回転角度センサ7から出力を得ることができる。支持体2に設けられたアクチュエータ12を動作させて規制突部13を退行姿勢に設定すると、回転操作部4を360度の回転角度またはそれ以上の回転角度で自由に回転させることができる。回転操作部4に形成された規制区分溝11が規制突部13に対向しているときに、規制突部13と突出姿勢に設定すると、規制突部13が規制区分溝11内に入り込み、回転操作部4の回転角度が制限され、制限された回転操作で入力操作が行なわれるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ装置や車載用機器などの各種電子機器の操作部に設けられる回転式入力装置であって、回転操作部の回転角度の切換えが可能な回転式入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器の操作部には回転操作部が設けられ、この回転操作部の回転操作によって各種操作情報の入力が可能とされている。また、最近では、電子機器の機能の多様化に伴なって、1つの回転操作装置で複数種類の操作信号の入力を行なえるようにしたものがある。
【0003】
例えば、ある入力モードでは、回転操作部の回転角度を制限せずに、回転操作部を360度以上の角度で回転できるようにし、他の入力モードでは、回転操作部の回転角度を360度未満の一定の範囲に制限する。回転操作部をその回転角度を制限せずに回転させることで、ラジオ受信などでの選局操作を可能とし、または表示画面に表示された画像を連続移動させるなどの操作を可能とし、回転操作部を360度未満の限られた角度で往復回転させることによって、音量や音質の微調整や、各種モードの切換え操作などを行なうことができる。
【0004】
以下の特許文献1に記載の発明では、回転操作部と共に回転するロータに電磁ブレーキを掛けることで、回転操作部を所定の回転位相で停止できるようにしている。また、以下の特許文献2に記載の発明では、回転操作部によって回転させられる係合板に多数の歯が形成されており、ソレノイドで動作するラチェットをいずれかの歯に係合させることで、回転操作部の回転を制限できるようにしている。
【特許文献1】特開2005−19113号公報
【特許文献2】特開2005−30451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のように、回転操作部の回転を電磁ブレーキで制限するものでは、回転操作部を速い速度で回転させているときにブレーキを掛けたとしても、回転操作部を所望の回転位相で正確に停止させることが難しい。また、回転操作部を手で回転させているときに、電磁ブレーキを掛けるとその衝撃力が手に伝わることになり、手での操作感触が悪くなる。
【0006】
また、特許文献2に記載の発明は、ソレノイドでラチェットを動作させて回転操作部に急激なブレーキを掛けるものであるため、特許文献1に記載の発明と同様に、回転操作部を所望の回転位相で正確に止めることは難しい。また、ラチェットが動作したときに、回転操作中の手に衝撃が与えられることになり、操作感触が悪くなる。さらに、ラチェットが動作しているときに強制的に回転操作部を回転させると、ラチェットが歯から外れて、回転操作部の停止位置が狂うこともある。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、回転操作部の回転角度を切換えることができる回転式入力装置において、回転操作部の回転角度を正確に設定することができ、また回転操作部の回転角度が制限されているときの操作感触を良好にできる回転式入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、回転操作部と、前記回転操作部を回転自在に支持する支持体と、前記回転操作部の回転角度を検知する回転角度センサとを有する回転式入力装置において、
前記回転操作部には、回転方向に所定の角度範囲で設定されてその両端に規制壁を有する規制区分領域が設けられ、
前記支持体には、前記規制区分領域内に位置して前記規制壁に当たる突出姿勢と前記規制区分領域から外れる退行姿勢との間で移動する規制突部と、前記規制突部を突出姿勢と退行姿勢との間で動作させる駆動源とが設けられており、
前記規制突部を退行姿勢に設定して前記回転操作部の回転角度を前記規制区分領域の角度に制限しない拡大モードと、前記規制突部を突出姿勢に設定して前記回転操作部の回転角度を前記規制区分領域の角度範囲内に制限する制限モードとが切換え可能とされていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の回転式入力装置では、規制突部を規制区分領域内に突出させて回転操作部の回転角度を制限しているため、制限モードでの回転操作部の回転位相および回転範囲を常に正確に設定することができる。また、制限モードでは、規制突部が規制壁に当たることで、回転操作部の回転が止められるため、操作中の手に過剰な衝撃が作用することもなく、操作感触が良好である。
【0010】
なお、本発明では、前記規制壁を有する規制区分領域が、回転操作部に直接設けられているものに限られるものではなく、規制区分領域が、回転操作部と同軸で回転操作部と一緒に回転する回転部や、回転操作部の回転力でギヤを介して回転させられる副回転部などに設けられてもよい。また、これと同様に、回転角度センサが、回転操作部で直接に回転させられるものに限られず、前記回転部や副回転部で回転させられるものであってもよい。
【0011】
本発明は、好ましくは、前記回転角度センサの出力から前記回転操作部の回転位相を検知して、前記規制突部が前記規制区分領域に対向しているときにのみ、前記制限モードの設定が可能とされるものである。
【0012】
上記本発明では、制限モードを設定するときに、規制突部が規制区分領域以外の領域の突出する誤動作を防止できる。
【0013】
また、本発明は、前記回転操作部には、前記規制区分領域が、回転方向に間隔を空けて複数段に設けられており、前記拡大モードでは、複数の前記規制区分領域の角度範囲内で、回転操作部の回転角度範囲が設定されるものとして構成できる。
【0014】
上記本発明では、制限モードにおいて、回転操作部の回転角度範囲を1つの区分規制領域の角度範囲に規制し、また拡大モードで、回転操作部の回転角度を前記制限モードの角度範囲よりも広くし、さらに拡大モードで複数の区分規制領域を選択して、回転操作部の回転角度範囲を複数段に切換えてもよい。
【0015】
なお、拡大モードとしては、規制突起を退避姿勢に設定した状態を継続して、回転操作部の回転範囲を360度以上の自由回転にしてもよい。
【0016】
上記本発明では、前記拡大モードにおいて前記回転操作部の回転角度が複数の前記規制区分領域にわたる範囲に設定されているときに、
前記回転角度センサの出力から前記回転操作部の回転位相を検知して、前記規制突部が、隣り合う前記規制区分領域の境界部を通過するときに、前記規制突部が退行姿勢に設定されるものが好ましい。
【0017】
上記のように構成すると、複数の規制区分領域にわたる角度範囲で回転操作部を回転させるときに、それぞれの規制区分領域の規制壁で、回転操作部の回転動作が阻害されることがない。
【0018】
また、本発明は、前記回転操作部と前記支持体の一方には、弾性力で突出するクリック突部が設けられ、他方には前記クリック突部が嵌合する凹部が回転方向に一定のピッチで形成されて、前記回転操作部が、前記ピッチに対応する所定の角度ごとに停止できるように設定されており、
前記規制突部が、隣り合う前記規制区分領域の境界部を通過するときに、前記回転操作部が停止しないように前記凹部の位置が決められていることが好ましい。
【0019】
上記のように構成すると、規制突部が、隣り合う規制区分領域の境界部に対向しているときに、回転操作部が止るのを防止でき、制限モードの設定の際に、突出姿勢となる規制突部が、規制区分領域の境界部に当たるという誤動作の発生を防止できる。
【0020】
また、本発明では、前記回転操作部が所定の回転位相となったときに動作する検知スイッチが設けられていることが好ましい。
【0021】
回転操作部が回転するときに、検知スイッチが切換わったときを基準として回転角度センサからのパルス出力をカウントすることにより、規制突部が規制区分領域に対向しているか否かを正確に知ることができ、規制区分領域と対向しているとき以外で規制突部が突出姿勢となる誤動作の発生を防止しやすくなる。
また、検知スイッチの検知出力を操作入力信号として使用することもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の回転式入力装置では、規制突部を規制区分領域内に突出させて回転操作部の回転角度を制限しているため、制限モードでの回転操作部の回転位相および回転範囲を常に正確に設定することができる。また、制限モードでは、規制突部が規制壁に当たることで、回転操作部の回転が止められるため、操作中の手に過剰な衝撃が作用することもなく、操作感触が良好である。
【0023】
さらに、回転操作部の回転角度を前記制限モードの角度に限定しない拡大モードが設定される。この拡大モードは、回転操作部が360度以上の角度で自由に回転できるものであってもよいし、複数の規制区分領域を使用して、回転操作部の回転角度を360度未満の所定角度、または360度以上の所定角度に規制するものであってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は本発明の第1の実施の形態の回転式入力装置1を示す縦断面図、図2は回転式入力装置1の平面図である。図3は、回転式入力装置1の回路構成を示すブロック図である。図4は制御動作を示すフローチャートである。
【0025】
図1と図2に示す回転式入力装置1は、支持体2を有している。この回転式入力装置1は、支持体2が電子機器のパネルの内面や筐体内の支持機構に固定されて使用される。支持体2にはその中心において上下に貫通する軸受穴2aが形成され、この軸受穴2aに軸体3が回転自在に支持されている。軸体3の上端には、回転操作部4が一体に形成されている。
【0026】
軸体3と回転操作部4は合成樹脂材料で一体に形成されているものであり、支持体2も合成樹脂で形成されている。前記軸体3が軸受穴2aに挿入された状態で、支持体2を挟む位置で、軸体3に抜け止めリング5,6が嵌着されて、軸体3が支持体2から抜け止めされている。
【0027】
支持体2の下側には回転角度センサ7が設けられている。この回転角度センサ7では、軸体3の下端部にロータ板8が固定されており、ロータ板8が、軸体3および回転操作部4と一緒に回転する。ロータ板8の上面は電極形成面8aであり、この電極形成面8aには、回転方向に一定のピッチで複数の電極がパターン形成されている。支持体2の下面には、導電性金属板で形成された弾性接点9が固定されており、この弾性接点9の先部が、ロータ板8の前記電極形成面8aに弾圧されている。
【0028】
回転操作部4を回転させると、これと共にロータ板8が回転し、電極形成面8aが弾性接点9を摺動する。このとき、弾性接点9が電極形成面8aに形成された複数の電極に順番に接触して行き、電極の短絡と非短絡が繰り返えされて、ロータ板8の回転角度に比例した量のパルス信号が得られる。
【0029】
なお、回転角度センサとして、ロータ板8にリング状の抵抗体が設けられ、弾性接点9が抵抗体に接触し、ロータ板8の回転角度に比例して抵抗値が変化する回転式可変抵抗器が使用されてもよい。または、回転角度センサとして、ロータ板8に円周方向へ一定のピッチで多数の通光穴が形成され、この通光穴が形成されている部分の一方に発光素子が他方に受光素子が対向し、ロータ板の回転量に比例したパルス状の受光出力が得られるものであってもよい。あるいは、回転角度センサとして磁気センサを用いてもよい。
【0030】
図1と図2に示すように、回転操作部4の下面4aすなわち支持体2との対向面は、そのほとんどの部分が平面である。回転操作部4の下面4aには、規制区分溝11が、前記下面4aから所定の深さで形成されている。この規制区分溝11が規制区分領域である。図2に示すように、規制区分溝11は、軸体3の軸中心Oを中心とする円弧軌跡に沿って形成されており、規制区分溝11の形成角度範囲は180度である。
【0031】
規制区分溝11は、その時計方向の内端部に規制壁11aを有し、反時計方向の内端部に規制壁11bを有している。規制区分溝11の内部は、規制壁11aと規制壁11bとの間で、溝空間が連続している。
【0032】
図1に示すように、支持体2の上面にアクチュエータ12が設けられている。このアクチュエータ12には、その上面から突出自在な規制突部13が設けられている。アクチュエータ12は電磁式の駆動源を有している。アクチュエータ12の筐体の内部には、規制突部13と一体の磁芯と、筐体内に固定されて前記磁芯の外周に位置するコイルとが設けられている。コイルへの通電を切換えることにより、規制突部13は図1において実線で示す退行姿勢と、図1において破線で示す突出姿勢との間で駆動される。
【0033】
規制突部13が退行姿勢のときは、規制突部13の上面は、回転操作部4の下面4aよりも下に位置している。規制突部13が突出姿勢になると、この規制突部13の先部が規制区分溝11の内部に入り込むことが可能となる。
【0034】
図1に示すように、支持体2の上面には第1の検知スイッチSW1と第2の検知スイッチSW2が設けられている。図2に示すように、第1の検知スイッチSW1と第2の検知スイッチSW2は、180度の配置角度で設置されている。回転操作部4の下面4aの外周部には1つの検知突起15が下向きに突出して設けられている。この検知突起15は、回転操作部4と一体に形成されている。
【0035】
アクチュエータ12の規制突部13が突出姿勢となって規制区分溝11内に入り込み、回転操作部4の回転角度が180度の範囲に制限されている状態で、図2に示すように、回転操作部4が反時計方向の限界位置まですなわち規制壁11aが規制突部13に当たる位置まで回転すると、検知突起15で第1の検知スイッチSW1がONに切換えられる。回転操作部4が、時計方向の限界位置まで回転し、規制壁11bが規制突部13に当たると、検知突起15で第2の検知スイッチSW2がONに切換えられる。
【0036】
図3の回路ブロック図に示すように、この回転式入力装置1にはCPUやメモリを有する制御部18が設けられている。この制御部18はチップ部品であり、支持体2のいずれかの箇所に設けられている。あるいは、支持体2がプリント配線基板に取り付けられ、制御部18を構成するチップ部品がプリント配線基板に実装される。
【0037】
前記回転角度センサ7から得られるパルス信号は制御部18に与えられ、第1の検知スイッチSW1と第2の検知スイッチSW2の検知出力も制御部18に与えられる。また、前記アクチュエータ12は、制御部18によってその動作状態が切換えられる。
【0038】
次に、前記回転式入力装置1の制御動作を図4に示すフローチャートに基づいて説明する。図4および図9に示すフローチャートでは、それぞれの制御ステップを「ST」で示している。
【0039】
ST1で動作がスタートし、ST2において、電源から制御部18に電力が与えられると、回転角度センサ7、アクチュエータ12および第1と第2の検知スイッチSW1,SW2が動作可能な状態となる。そして、ST3において、アクチュエータ12内のコイルに通電され、規制突部13が図1で実線で示す退行姿勢となる。このように、電源が投入されると、最初に規制突部13が回転操作部4から離れて、回転操作部4の回転角度が制限されない拡大モードが設定される。
【0040】
この実施の形態では、拡大モードで、回転操作部4を360度以上の任意の角度で回転させることができる。このときは、主に回転角度センサ7において弾性接点9がロータ板8を摺動する抵抗力が作用するだけであり、手で回転操作部4を保持して時計方向と反時計方向へ自由に回転させることができる。
【0041】
回転操作部4を回転させると、ロータ板8が一緒に回転し、回転角度センサ7から連続パルスの出力が得られる。この連続パルスは、回転操作部4の回転数に応じた周波数で、且つ回転角度に応じたパルス数で出力されるため、例えば、オーディオ装置の選局操作や、カーナビゲーション装置における地図表示のスクロール操作などの入力信号として使用することができる。また、回転操作部4が回転すると、180度の回転角度毎に、検知突起15で、第1の検知スイッチSW1と第2の検知スイッチSW2が交互に動作させられる。例えば、このスイッチ出力で、表示画面の表示内容の粗送りなどの操作入力を行なうことができる。または、回転角度センサ7からのパルス出力と、第1と第2の検知スイッチSW1,SW2からの出力の双方を併用して、電子機器を操作してもよい。
【0042】
回転操作部4の回転角度を制限する制限モードは、図1に示す回転式入力装置1以外の操作入力部が操作されて設定される。
【0043】
ST4において、制限モードとして180度回転モードが設定されると、ST5では、回転角度センサ7からの出力に基づいて、規制突部13が規制区分溝11に対向しているか否かを判断する。回転角度センサ7から得られる出力は、回転操作部4の回転角度に応じた数の連続パルスであるが、検知突起15によって第1の検知スイッチSW1がONとされた後に、前記連続パルスのパルス数をカウントすることにより、または第2の検知スイッチSW2がONとされた後に前記連続パルスのパルス数をカウントすることによって、規制突部13が回転操作部4のどの位置に対向しているかを、比較的精度良く検知することができる。
【0044】
ST5において、規制突部13が規制区分溝11に対向していないと判断したときは、180度回転モードが設定されていても、規制突部13が退行姿勢のままである。180度回転モードが設定されているときに、手で回転操作部4が回転させられて、前記パルス数のカウントにより、規制突部13が規制区分溝11に対向したと判断されると、ST6でアクチュエータ12が制御され、規制突部13が突出姿勢となって、規制突部13の先部が規制区分溝11の内部に入り込む。
【0045】
この180度回転モードでは、回転操作部4を反時計方向へ回転させると、規制区分溝11の規制壁11aが規制突部13に当たって、それ以上は反時計方向へ回転しないように規制される。また、回転操作部4を時計方向へ回転させると、他方の規制壁11bが規制突部13に当たって、それ以上は時計方向へ回転しないように規制される。すなわち、回転操作部4の回転角度が180度の範囲に制限される。
【0046】
この180度回転モードでは、回転操作部4を反時計回りの限界位置まで回転させると、検知突起15によって第1の検知スイッチSW1がONに切換えられ、回転操作部4を時計回りの限界位置まで回転させると、第2の検知スイッチSW2がONに切換えられる。この第1の検知スイッチSW1と第2の検知スイッチSW2が交互にONになることにより、例えばオーディオ装置の音量を段階的に上げたり、エアーコンディショナーでの設定温度を段階的に上げるなどの入力操作が可能となる。ただし、この180度回転モードにおいても、回転角度センサ7のパルス出力を操作入力の信号として使用することが可能である。
【0047】
なお、180度回転モードの設定を解除するときは、アクチュエータ12を動作させて規制突部13を退行姿勢に設定する。これにより、再び回転操作部4の回転角度が規制されない拡大モードに設定される。
【0048】
図5は本発明の第2の実施の形態の回転式入力装置10を示す縦断面図、図6はその平面図である。図7は規制区分溝の詳細を示す拡大平面図である。図8は、第2の実施の形態の回転式入力装置10の回路構成を示すブロック図、図9は制御動作を示すフローチャートである。図10は、回転部と支持体との間に設けられるクリック機構の構造を示す説明図である。
【0049】
第2の実施の形態の回転式入力装置10と、第1の実施の形態の回転式入力装置1との相違点は、規制区分溝の構造と検知スイッチの配置であり、その他の構成はほぼ同じである。よって、回転式入力装置10において、回転式入力装置1と同じ構造部分には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0050】
図6と図7に示すように、回転式入力装置10では、支持体2の上面にアクチュエータ12および規制突部13が1個設けられているが、回転操作部4の下面4aには、複数段の規制区分溝が、回転方向へ向けて並んで形成されている。
【0051】
図6と図7は、図5に示す回転式入力装置10を上方から見た平面図である。図6と図7に示すように、回転操作部4の下面4aには、平面図において反時計方向へ向けて順番に、第1の規制区分溝21、第2の規制区分溝22、第3の規制区分溝23、および第4の規制区分溝24が形成されている。
【0052】
第1の規制区分溝21は時計方向の端部に規制壁21aを有し、反時計方向の端部に規制壁21bを有している。第2の規制区分溝22は規制壁22a,22bを有し、第3の規制区分溝23は規制壁23a,23bを有し、第4の規制区分溝24は規制壁24a,24bを有している。
【0053】
よって、規制突部13が退行姿勢のときに回転操作部4を時計回りに回転させると、第1の規制区分溝21、第2の規制区分溝22、第3の規制区分溝23、第4の規制区分溝24が、順番に規制突部13に対向する。
【0054】
第2の実施の形態の回転式入力装置10では、好ましくは、回転操作部4またはこの回転操作部4と共に回転する回転部と支持体2との間にクリック機構30が設けられている。図30は、クリック機構30の一例を示しており、この機構は、軸体3に固定されて回転操作部4と一緒に回転する回転部31(図5では図示を省略している)と支持体2との間に設けられている。
【0055】
クリック機構30では、支持体2と回転部31のいずれか一方に、クリック突部が設けられ、他方に凹部が形成されている。図10に示すクリック機構30では、支持体2に収納溝32が形成されて、この収納溝32内に、クリック突部として機能する球体33が設けられている。収納溝32の内部には圧縮コイルばね34が設けられ、この圧縮コイルばね34によって球体33が回転部31に向けて付勢されている。
【0056】
回転部31には、断面がV字状の凹部35と断面が三角状の凸部36が交互に形成されている。なお、凹部35の断面形状が凹曲線状で、凸部36の断面形状が凸曲線状であってもよい。このクリック機構30では、回転操作部4を手で回転させる際に、球体33が凹部35内に嵌合しているときにのみ回転部31が停止する。よって、手で回転操作部4を回転させるときに、操作抵抗力(クリック感触)を得ることができ、また回転操作部4から手を離すと、回転操作部4は、図10に示すように、凹部35のピッチPに対応する角度ごとに停止する。
【0057】
ここで、回転操作部4が停止する間隔(ピッチPに対向した間隔)は、隣り合う規制壁の間隔(規制壁21aと規制壁24bとの間隔、規制壁21bと規制壁22aとの間隔など)の寸法に、規制突部13の直径寸法を足した寸法よりもさらに大きく設定されている。これにより、球体33が凹部35に嵌合して回転操作部4が停止するときに、隣り合う規制区分溝の境界部(規制壁21aと規制壁24bとの間、規制壁21bと規制壁22aとの間など)が規制突部13に対向しないように設定できる。このように設定することで、回転操作部4が停止しているときは、必ず規制突部13がいずれかの規制区分溝に対向するようになり、規制突部13を突出姿勢とするときに、規制突部13が隣り合う規制区分溝の境界部に当たるのを防止できる。
【0058】
図5と図6に示すように、回転操作部4の下面4aでは、その周縁部に1個の検知突起15が一体に形成されている。そして、支持体2の上面には、第1の検知スイッチSWa、第2の検知スイッチSWb、第3の検知スイッチSWc、第4の検知スイッチSWdが設けられている。これら検知スイッチは90度の角度間隔で配置されている。それぞれの検知スイッチは、前記検知突起15によってONに切換えられる。
【0059】
図7に示すように、規制突部13が第1の規制区分溝21内に位置し且つ規制壁21aに当たっているときに、検知突起15によって第1の検知スイッチSWaがONに切換えられる。また、規制突部13が第4の規制区分溝24内に位置し且つ規制壁24bに当たっているときにも、検知突起15によって前記第1の検知スイッチSWaがONに切換えられる。また、規制突部13が第1の規制区分溝21内に位置して規制壁21bに当たっているときは、検知突起15によって第4の検知スイッチSWdがONに切換えられ、規制突部15が第2の規制区分溝22内に位置して規制壁22aに当たっているときも、検知突起15によって前記第4の検知スイッチSWdがONに切換えられる。
【0060】
すなわち、規制突部13が突出姿勢となっていずれかの規制区分溝内に入っている状態で、回転操作部4が正方向と逆方向へ回転するときに、その回転角度範囲の両終端において、いずれかのスイッチが必ずONに切換えられる。
【0061】
ただし、規制突部13が、第1の規制区分溝21内で一方の規制溝21aに当たったときのみ第1の検知スイッチSWaがONになり、規制突部13が第2の規制区分溝22内で一方の規制壁22aに当たったときのみ第4の検知スイッチSWdがONになり、規制突部13が第3の規制区分溝23内で規制壁23aに当たっているときのみ第3の検知スイッチSWcがONになり、規制突部13が第4の規制区分溝24内で規制壁24aに当たっているときのみ、第2の検知スイッチSWbがONになってもよい。
【0062】
第2の実施の形態の回転式入力装置10の回路構成は図8に示す通りであり、第1ないし第4のスイッチSWa〜SWdの検知出力、および回転角度センサ7から検知出力は制御部18に与えられる。また、制御部18によってアクチュエータ12が制御される。
【0063】
この回転式入力装置10では、制御部18が動作状態となっているときに、検知スイッチSWaないしSWbのいずれかから検知出力が得られたときを基準として、回転角度センサ7から得られる検出パルスをカウントすることで、回転操作部4のどの部分が規制突部13に対向しているかを認識できる。
【0064】
そして、制御部18では、図7に示す回転操作部4の(1)ないし(8)のどの区間が規制突部13に対向しているかを常に監視している。区間(1)は、第4の規制区分溝24内の反時計方向の半分の領域である。図7に示すように、第4の規制区分溝24を回転方向に二分する中心を0度としたときに、前記区間(1)は、0度〜ほぼ+45度の範囲である。区間(2)は、第1の規制区分溝21の時計方向の半分の領域であり、ほぼ+45〜+90度の範囲である。区間(3)は、第1の規制区分溝21の反時計方向の半分の領域であり、ほぼ+90度〜+135度の範囲である。区間(4)は、第2の規制区分溝22の時計方向の半分の領域であり、ほぼ+135度〜+180度の範囲である。
【0065】
区間(8)は、第4の規制区分溝24の時計方向の半分の領域であり、0度〜ほぼ−45度の範囲である。区間(7)は、第3の規制区分溝23の反時計方向の半分の領域であり、ほぼ−45度〜ほぼ−90度の範囲である。区間(6)は、第3の規制区分溝23の時計方向の半分の領域であり、ほぼ−90度〜ほぼ−135度の範囲である。区間(5)は、第2の規制区分溝22の反時計方向の半分の領域であり、ほぼ−135度〜ほぼ−180度の範囲である。
【0066】
以上のように、制御部18では、いずれかの規制区分溝を回転方向に二分する位置に0度を設定し、この0度から時計方向と反時計方向に45度の範囲で各区間(1)ないし(8)が設定される。
【0067】
図9は、第2の実施の形態の回転式入力装置10の制御動作を示している。
ST11において制御部18での制御動作がスタートし、ST12で電源がONになると、ST13でアクチュエータ12が動作させられ、規制突部13が図1に実線で示す退行姿勢に切換えられる。すなわち、電源投入時は、回転操作部4の回転角度が規制されない第1の拡大モードが設定される。
【0068】
第1の拡大モードでは、回転操作部4は制限を受けることなる時計方向と反時計方向へ、360度の回転角度で、あるいは360度以上の回転角度で自由に回転させることができる。そして、第1の拡大モードでは、回転角度センサ7から得られる連続パルス信号と、それぞれの検知スイッチSWaないしSWで得られる検知信号の少なくとも一方が操作信号として出力される。
【0069】
第1の拡大モードが設定されているときに、回転式入力装置10以外の入力装置を操作することで、ST14において、制限モードである90度回転モードを設定することができる。制限モードである90度回転モードが設定されると、ST15に移行し、検知スイッチSWaないしSWdのいずれかからの検知出力、および回転角度センサ7からの検出パルスに基づいて、回転操作部4のどの部分が規制突部13に対向しているかを判断する。
【0070】
ST15において、図7に示す(1)ないし(8)のいずれかの区間が、規制突部13に対向していると判断されると、ST16でアクチュエータ12が駆動され、規制突部13が突出姿勢となる。なお、ST15において、隣り合う規制区分溝の境界部が規制突部13に対向していると判断されたとき、例えば第1の規制区分溝21の規制壁21aと第4の規制区分溝24の規制壁24bとの間の部分が、規制突部13に対向していると判断されたときは、90度回転モードが設定されていても、規制突部13は突出姿勢に突出しない。よって、突出姿勢の規制突部13が、隣り合う規制区分溝の境界部に当たるという誤動作を防止できる。
【0071】
また、この回転式入力装置1には、図10に示すクリック機構30が設けられており、球体33が凹部35に嵌合したときに、隣り合う規制区分溝の境界部が規制突部13に対向しないように、回転操作部4の停止位置が決められている。そのため、隣り合う規制区分溝の境界部が規制突部13に対向した状態で回転操作部4が停止する確率はきわめて低くなっている。よって、ST15では、ほとんどの場合、区間(1)ないし(8)のいずれかが規制突部13に対向する。
【0072】
ST16において、規制突部13が突出姿勢となると、規制突部13は、第1ないし第4の規制区分溝21,22,23,24のいずれかの内部に入る。それぞれの規制区分溝は、ほぼ90度の角度範囲で形成されているため、回転操作部4の回転角度はほぼ90度の範囲で規制される。
【0073】
90度回転モードでは、規制突部13が、第1ないし第4の規制区分溝21,22,23,24のいずれかに入り込めば設定できるため、回転操作部4の回転位相がどの位置であっても、その位置から回転操作部4を大きく回転させなくても90度回転モードを設定することができる。
【0074】
90度回転モードでは、回転操作部4の回転により回転角度センサ7からパルス出力が得られ、これが操作入力信号として使用される。また、回転操作部4を回転させたときに、第1ないし第4の検知スイッチSWa,SWb,SWc,SWdのいずれかがONになるため、このスイッチの切換え出力を、回転角度センサ7の検知出力と共に、または回転角度センサ7の検知出力に代えて、操作入力信号として使用できる。
【0075】
また、制限モードである90度回転モードが設定されないときに、回転式入力装置10以外の入力装置を操作することで、第2の拡大モードである270度回転モードを設定することができる(ST20)。270度回転モードが設定されると、制御部18は、回転操作部4のどの部分が規制突部13に対向しているかを確認する。
【0076】
まず、ST21では、区間(1)または区間(8)が規制突部13に対向しているか否かを確認する。区間(1)または区間(8)が規制突部13に対向していると判断されたときは、その下のST31aに移行する。ST21で、区間(1)または区間(8)が規制突部13に対向していると判断できないときは、ST22に移行する。ST22において、区間(2)または区間(3)が規制突部13に対向していると判断されると、その下のST31bに移行する。ST22で、区間(2)または区間(3)が規制突部13に対向していると判断できないときは、ST23に移行する。ST23で、区間(4)または区間(5)が規制突部13に対向していると判断されると、その下のST31cに移行する。ST23において、区間(4)または区間(5)が規制突部13に対向していると判断できないときは、ST24に移行する。ST24において、区間(6)または区間(7)が規制突部13に対向していると判断されると、その下のST31dに移行する。
【0077】
なお、ST24において、区間(6)または区間(7)が規制突部13に対向していると判断できないときは、再度、ST21に戻り、さらにST22,ST23,ST24に移行して、区間(1)ないし(8)のいずれかが規制突部13に対向するか否かを確認する。図10に示すクリック機構30が設けられていると、隣り合う規制区分溝の境界部が規制突部13に対向して回転操作部4が停止する確率がきわめて低い。よって、ほとんどの場合、ST21,ST22,ST23,ST24のいずれかのステップで、区間(1)ないし(8)のいずれかが規制突部13に対向していることが確認される。また、ST24において、区間(6)または区間(7)が規制突部13に対向していると判断できないときであっても、回転操作部4を少し回転させれば、区間(1)ないし(8)のいずれかが規制突部13に対向する。
【0078】
制御部18では、270度回転モードが設定されて、ST21,ST22,ST23,ST24のいずれかにおいて、区間(1)ないし(8)のいずれかが規制突部13に対向していると判断した時点で、270度回転モードとしての制御動作を開始する。すなわち、回転角度センサ7からのパルス出力と、各検知スイッチからの切換え出力を監視し、これらの出力が得られたら、操作入力信号として出力する。
【0079】
例えば、ST20で270度回転モードが設定された後に、区間(1)または区間(8)が規制突部13に対向していることが確認されると、ST21からST31aに移行し、その後は、回転角度センサ7からのパルス出力、または検知スイッチからの切換え信号が操作入力信号として使用される。
【0080】
ST31aに至った時点では、既にST13において規制突部13が退行姿勢に設定されているため、回転操作部4を時計方向と反時計方向へ回転させることができる。ST31aでは、区間(3)または区間(6)が規制突部13に対向するか否かを監視する。区間(3)または区間(6)が規制突部13に対向したと判断すると、ST32に移行し、アクチュエータ12が動作させられて、規制突部13が、図5において破線で示す突出姿勢となる。
【0081】
区間(3)が規制突部13に対向して、ST32で規制突部13が突出姿勢になると、規制突部13が第1の規制区分溝21内に入る。よって、さらに回転操作部4を時計方向へ回転させようとすると、規制壁21bが規制突部13に当たり、それ以上は時計方向へ回転させることができない。区間(6)が規制突部13に対向して、ST32で規制突部13が突出姿勢になると、規制突部13が第3の規制区分溝23内に入る。よって、回転操作部4をさらに反時計方向へ回転させようとすると、規制壁23aが規制突部13に当たって、それ以上は反時計方向へ回転させることができない。よって、回転操作部4の回転角度は±135度の範囲で合計270度の範囲に制限される。
【0082】
ST32において、規制突部13が突出姿勢となった後に、回転操作部4が回転させられて、区間(2)または区間(7)が規制突部13に対向するに至ると、ST34に移行し、アクチュエータ12が動作して、規制突部13が退行姿勢に設定される。よって、区間(2)が規制突部13に対向している状態から回転操作部4を反時計方向へ回転させても、規制壁21aが規制突部13に当たることがない。同様に、区間(7)が規制突部13に対向している状態から回転操作部4を時計方向へ回転させても、規制突部13が規制壁23bに当たることはない。
【0083】
ST34において、規制突部13が退行姿勢に設定された後に、さらに回転操作部4を回転させて、再び区間(3)または区間(6)が規制突部13に対向すると、ST32に移行して、規制突部13が突出姿勢に切換えられる。
【0084】
このように、区間(1)または区間(8)が規制突部13に対向しているとき、すなわち、第4の規制区分溝24が規制突部13に対向しているときに、270度回転モードが設定されると、回転操作部4の回転範囲は、第4の規制区分溝24を回転方向に二分する中点を角度0の起点として±135度の範囲に制限される。その角度範囲内であれば、回転操作部4を正方向と逆方向へ自由に回転させることができる。
【0085】
なお、ST31aでは、区間(3)または区間(6)が規制突部13に対向しているときにのみ、ST32に移行して規制突部13を突出姿勢としているため、回転操作部4を回転させている途中で、隣り合う規制区分溝の境界部が規制突部13に対向したときに、規制突部13が突出姿勢となる誤動作は生じない。
【0086】
また、ST20において270度回転モードが設定されたときに、図7に示すように、区間(2)または区分(3)が規制突部3に対向していると、ST22からST31bに移行する。ここでは、区間(5)または区間(8)が規制突部13に対向したときに、規制突部13が突出姿勢となる。また、区間(1)または区間(4)が規制突部13に対向したときは、規制突部13が退行姿勢に切換えられる。これにより、回転操作部4の回転範囲は、第1の規制区分溝21を回転方向へ二分する中点を起点として、±135度の範囲に制限される。
【0087】
同様に、270度回転モードが設定されたときに、区間(4)または区間(5)が規制突部13に対向していると、ST23からST31c以下の制御へ移行し、回転操作部4の回転角度は、第2の規制区分溝22を回転方向へ二分する中心を起点として±135度の範囲に制限される。また、270度回転モードが設定されたときに、区間(6)または区間(7)が規制突部13に対向していると、ST24からST31d以下の制御に移行する。このときは、回転操作部4の回転角度が、第3の規制区分溝23を回転方向へ二分する中心を起点として±135度の範囲に制限される。
【0088】
回転操作部4が270度の角度範囲で回転するときに、回転角度センサ7からのパルス出力が操作入力信号として出力される。また、回転操作部4が270度の角度範囲の両端に至ったときに、検知スイッチSWaないしSWdのいずれかが動作するため、このスイッチの切換え出力も操作入力信号として使用できる。
【0089】
なお、図5ないし図7に示す回転式入力装置10を用いて、第3の拡大モードとして180度回転モードを設定することも可能である。
【0090】
例えば、図7に示すように、区間(2)が規制突部13に対向しているとき、または区間(1)が規制突部13に対向しているときに、180度回転モードが設定されると、その後、区間(3)または区間(8)が規制突部13に対向したときに、規制突部13が突出姿勢に切換えられる。よって、回転操作部4の回転範囲は、規制壁21bと規制壁24aとで180度の範囲に制限される。また、規制突部13が突出姿勢となった後に、区間(1)または区間(2)が規制突部13に対向したときに、規制突部13が退行姿勢に切換えられる。これにより、回転操作部4は、第1の規制区分溝21と第4の規制区分溝24との境界部起点として、±90度の範囲に制限される。
【0091】
また、拡大モードとして、回転操作部4の回転角度を360度以上の所定角度、例えば450度、540度、720度などに設定することが可能である。また、前記アクチュエータ12を複数個設け、これを切換えて動作させて、回転動作部4の回転角度を設定してもよい。
【0092】
なお、前記実施の形態では、回転操作部4の下面に設けられた円弧状の規制区分溝が規制区分領域を構成しているが、前記円弧状の規制区分溝が設けられていなくても、回転操作部4の下面に規制壁を下向きに突出させれば、規制壁で挟まれた領域が、規制区分領域となる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施の形態の回転検知装置を示す縦断面図、
【図2】図1に示す回転検知装置の平面図、
【図3】第1の実施の形態の回転検知装置の回路構成を示すブロック図、
【図4】第1の実施の形態の回転検知装置の制御動作を示すフローチャート、
【図5】本発明の第2の実施の形態の回転検知装置を示す縦断面図、
【図6】図5に示す回転検知装置の平面図、
【図7】回転操作部に設けられた規制区分溝の詳細を示す拡大平面図、
【図8】第2の実施の形態の回転検知装置の回路構成を示すブロック図、
【図9】第2の実施の形態の回転検知装置の制御動作を示すフローチャート、
【図10】第2の実施の形態の回転検知装置に装備されるクリック機構の構造を示す説明図、
【符号の説明】
【0094】
1 回転検知装置
2 支持体
3 軸体
4 回転操作部
7 回転角度センサ
11 規制区分溝(規制区分領域)
11a,11b 規制壁
12 アクチュエータ
13 規制突部
15 検知突起
21,22,23,24 規制区分溝(規制区分領域)
21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b 規制壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転操作部と、前記回転操作部を回転自在に支持する支持体と、前記回転操作部の回転角度を検知する回転角度センサとを有する回転式入力装置において、
前記回転操作部には、回転方向に所定の角度範囲で設定されてその両端に規制壁を有する規制区分領域が設けられ、
前記支持体には、前記規制区分領域内に位置して前記規制壁に当たる突出姿勢と前記規制区分領域から外れる退行姿勢との間で移動する規制突部と、前記規制突部を突出姿勢と退行姿勢との間で動作させる駆動源とが設けられており、
前記規制突部を退行姿勢に設定して前記回転操作部の回転角度を前記規制区分領域の角度に制限しない拡大モードと、前記規制突部を突出姿勢に設定して前記回転操作部の回転角度を前記規制区分領域の角度範囲内に制限する制限モードとが切換え可能とされていることを特徴とする回転式入力装置。
【請求項2】
前記回転角度センサの出力から前記回転操作部の回転位相を検知して、前記規制突部が前記規制区分領域に対向しているときにのみ、前記制限モードの設定が可能とされる請求項1記載の回転式入力装置。
【請求項3】
前記回転操作部には、前記規制区分領域が、回転方向に間隔を空けて複数段に設けられており、
前記拡大モードでは、複数の前記規制区分領域の角度範囲内で、回転操作部の回転角度範囲が設定される請求項1記載の回転式入力装置。
【請求項4】
前記拡大モードにおいて、前記回転操作部の回転角度が複数の前記規制区分領域にわたる範囲に設定されているときに、
前記回転角度センサの出力から前記回転操作部の回転位相を検知して、前記規制突部が、隣り合う前記規制区分領域の境界部を通過するときに、前記規制突部が退行姿勢に設定される請求項3記載の回転式入力装置。
【請求項5】
前記回転操作部と前記支持体の一方には、弾性力で突出するクリック突部が設けられ、他方には前記クリック突部が嵌合する凹部が回転方向に一定のピッチで形成されて、前記回転操作部が、前記ピッチに対応する所定の角度ごとに停止できるように設定されており、
前記規制突部が、隣り合う前記規制区分領域の境界部を通過するときに、前記回転操作部が停止しないように前記凹部の位置が決められている請求項3または4記載の回転式入力装置。
【請求項6】
前記回転操作部が所定の回転位相となったときに動作する検知スイッチが設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載の回転式入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−69931(P2009−69931A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234990(P2007−234990)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】