回転検出機能付き転がり軸受装置
【課題】 容易に分解できて、転がり軸受かセンサ実装基板のいずれか等の不良発生部分のみを交換し、他の部分の再利用が可能な回転検出機能付き転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】 転がり軸受1と、センサハウジング2と、エンコーダ3と、センサ実装基板4とを備える。転がり軸受1は、軸5の外周面に接する。センサハウジング2は環状であって、軸方向の一部である軸受嵌合部21に転がり軸受1の外輪12が嵌合し、軸受嵌合部21に対し軸方向にずれた部分であるエンコーダ収容部22の内周空間にエンコーダ3が収容される。エンコーダ3は、軸5と一体回転する。センサ実装基板4は、エンコーダ3を検出するセンサ42A,42B,42Cが実装され、エンコーダ収容部21とエンコーダ3間に設けられる。
【解決手段】 転がり軸受1と、センサハウジング2と、エンコーダ3と、センサ実装基板4とを備える。転がり軸受1は、軸5の外周面に接する。センサハウジング2は環状であって、軸方向の一部である軸受嵌合部21に転がり軸受1の外輪12が嵌合し、軸受嵌合部21に対し軸方向にずれた部分であるエンコーダ収容部22の内周空間にエンコーダ3が収容される。エンコーダ3は、軸5と一体回転する。センサ実装基板4は、エンコーダ3を検出するセンサ42A,42B,42Cが実装され、エンコーダ収容部21とエンコーダ3間に設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば複写機、プリンタ等の事務機器等に用いられ、支持する軸の回転を検出することができる回転検出機能付き転がり軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転センサ付き軸受として、転がり軸受の回転部である内輪にエンコーダを設けると共に、静止部である外輪にセンサハウジングを設け、センサハウジングで支持したセンサによりエンコーダの回転を検出するようにしたものがある(例えば特許文献1,2)。また、すべり軸受にも、回転検出機能を備えたものがある(例えば特許文献3,4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−224968号公報
【特許文献2】特開平8−184603号公報
【特許文献3】特開2006−266962号公報
【特許文献4】特開2003−254347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のように、転がり軸受に回転センサを取付ける場合、回転センサのエンコーダを内輪に圧入することとなり、エンコーダを取り外すことが難しい。そのため、転がり軸受および回転センサのどちらかに不良が生じた場合、不良が生じていない方を再利用することができず、回転センサ付き軸受全体を交換しなければならなかった。また、従来の回転センサ付き軸受は、センサへの電気配線が配線用コネクタを経由せずに直接センサに接続されているため、組立に手間がかかった。
【0005】
すべり軸受の場合も、転がり軸受の場合と同様に、回転センサが取り外しできない構造でセンサハウジングに組み込まれるため、回転センサの再利用が不可能となっている。さらに、すべり軸受では、すべり面での発熱が大きく許容回転速度を大きくとれない。すべり面の摩耗は、一定荷重の条件下でも軸の材料や表面粗さ、および潤滑の状態に大きく左右され、多数の軸受が一定寿命を得ることが困難になる。また、長寿命を得ようとすると、すべり面に定期的な潤滑剤の供給が必要となる。これらのことから、複写機、プリンタ等の事務機器等に用いられる回転センサ付き軸受のように、比較的に軽負荷で、許容回転速度を大きくとる必要があり、長寿命が要求されるものについては、転がり軸受とするのが望ましい。
【0006】
この発明の目的は、容易に分解できて、転がり軸受かセンサ実装基板のいずれか等の不良発生部分のみを交換し、他の部分の再利用が可能な回転検出機能付き転がり軸受装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の回転検出機能付き転がり軸受装置は、軸の外周面に接する転がり軸受と、軸方向の一部である軸受嵌合部に前記転がり軸受の外輪が嵌合する環状のセンサハウジングと、このセンサハウジングにおける前記軸受嵌合部に対し軸方向にずれた部分であるエンコーダ収容部の内周空間に位置して、前記軸と一体回転するエンコーダと、このエンコーダを検出するセンサが実装され、前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に設けたセンサ実装基板とを備える。
【0008】
この構成によると、センサハウジングは互いに軸方向に並ぶ軸受嵌合部およびエンコーダ収容部を有し、軸受嵌合部に転がり軸受の外輪が嵌合し、エンコーダ収容部の内周空間にエンコーダおよびセンサ実装基板が配置される。そのため、転がり軸受とセンサ実装基板との相互の分離が容易であり、これら転がり軸受およびセンサ実装基板のいずれかが不良となった場合、不良となった方だけを交換して、不良でない方を再利用することができる。また、転がり軸受を用いたため、すべり軸受に比べて、許容回転速度を上げることが可能である。さらに、すべり軸受と異なり、軸の材質が寿命に影響を与えない。
【0009】
この発明において、前記センサ実装基板における前記転がり軸受と反対側の端部に、前記センサと外部の電気配線とを電気的に接続する配線用コネクタを設け、このセンサ実装基板を前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に着脱可能とするのが良い。ここで言う「外部」は、回転検出機能付き転がり軸受全体に対する外部のことである。
センサ実装基板における転がり軸受と反対側の端部に配線用コネクタを設けることで、エンコーダ収容部とエンコーダ間へのセンサ実装基板の着脱が容易になる。
【0010】
この発明において、前記センサ実装基板を、前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に前記転がり軸受と反対側から着脱可能とするのが良い。
この構成の場合、転がり軸受に邪魔されることなく、センサ実装基板をエンコーダ収容部とエンコーダ間に着脱することができる。
【0011】
この発明において、前記転がり軸受を、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記エンコーダ収容部と反対側から着脱可能とするのが良い。
この構成の場合、エンコーダに邪魔されることなく、転がり軸受をセンサハウジングに着脱することができる。
【0012】
前記転がり軸受が、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記エンコーダ収容部と反対側から着脱可能である場合、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記転がり軸受が嵌合していない状態で、前記軸受嵌合部の内周空間を通して、前記エンコーダ収容部内に前記エンコーダを着脱可能とするのが良い。
この構成の場合、センサハウジングの軸受嵌合部から転がり軸受を取り外すことで、エンコーダ収容部のエンコーダを取り外すことができるようになる。
【0013】
また、前記転がり軸受が、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記エンコーダ収容部と反対側から着脱可能である場合、前記転がり軸受は、前記センサハウジングに設けた係止部が前記外輪の端面に係止することにより、軸方向に抜け止めされていても良い。または、前記転がり軸受は、前記外輪の外周面に設けた円周方向溝に、前記センサハウジングに設けた係合部を係合させることにより、軸方向に抜け止めされていても良い。または、前記転がり軸受は、前記外輪を前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に圧入することにより、軸方向に抜け止めされていても良い。
いずれの抜け止め構造であっても、転がり軸受を効果的に軸方向に抜け止めできる。
【0014】
この発明において、前記軸は、外周面の円周方向の一部に、平坦面で切除した形状の平坦面部を有し、前記エンコーダは、環状に形成されて前記軸の外周に嵌合し、かつ内周面の円周方向の一部に突出して設けられた先端が平坦面の平坦面状係合突部を前記平坦面部に係合させても良い。
このような平坦面部による嵌め合い、いわゆるDカット部による嵌め合いとすると、軸に対するエンコーダの取付位相が定まる。
【0015】
上記のように、Dカット部による嵌め合いとする場合、前記エンコーダの前記平坦面状係合突部の一部を、前記エンコーダの端面よりも軸方向に突出させるのが良い。
平坦面状係合凹部の一部をエンコーダの端面よりも軸方向の突出させると、この突出部が外部から良く見え、取付位相を目視で容易に確認できるようになる。
【0016】
この発明において、前記エンコーダは、中心軸と垂直な断面形状がC字状であり、前記軸の外周に、弾性変形により径方向に拡大させた状態で嵌合されていても良い。
エンコーダの径方向の厚みと円周方向隙間の寸法とを適正に調整することにより、回転時の遠心膨張を抑制して嵌合力を保ちながら、エンコーダを軸に取付位相を定めて固定することができる。
【0017】
エンコーダの断面形状がC字状である場合、前記エンコーダにおける円周方向隙間の部分に円周方向位相の原点を設定しても良い。
これにより、原点位置を目視で容易に確認できる。
【0018】
この発明において、前記エンコーダは、円周方向に磁極が並ぶ環状の回転検出用着磁トラックを有するものであっても良い。
この構成の場合、回転速度や回転位相の検出のみの単純回転検出機能を持たせることができる。
【0019】
また、前記エンコーダは、円周方向に磁極が並ぶ環状の回転検出用着磁トラックを複数列有し、各回転検出用着磁トラックは、互いに位相またはピッチが異なっていて、前記センサとして、前記各回転検出用着磁トラックをそれぞれ検出する複数のセンサを設けても良い。
この構成の場合、単純回転検出機能に加え、両回転検出用着磁トラックの検出信号の位相のずれから、回転方向の検出機能を持たせることができる。
【0020】
また、前記エンコーダは、円周方向の一部に原点検出用着磁部を有し、前記センサとして、前記原点検出用着磁部を検出するセンサを設けても良い。
この構成の場合、軸の1回転で1回となる原点の検出機能を持たせることができる。
【0021】
この発明において、前記転がり軸受が、外輪と保持器ところとを有し、前記ころが軸と接するころ軸受であっても良い。そのため、比較的大きな荷重を受ける箇所に用いられる回転機能付き転がり軸受装置では、転がり軸受をころ軸受とすることができる。
【0022】
この回転検出機能付き転がり軸受装置は、事務機器の軸の支持に用いられるものであっても良い。事務機器は、例えば複写機やプリンタ等である。
上記事務機器では、その軸受は比較的に軽荷重を受けることになるが、コスト低下の要求が強く、また構成部品の再利用が強く望まれる。そのため、この発明における、転がり軸受かセンサ実装基板のいずれか等の不良発生部品のみを交換可能とした効果が、より一層効果的に発揮される。
【発明の効果】
【0023】
この発明の回転検出機能付き転がり軸受は、軸の外周面に接する転がり軸受と、軸方向の一部である軸受嵌合部に前記転がり軸受の外輪が嵌合する環状のセンサハウジングと、このセンサハウジングにおける前記軸受嵌合部に対し軸方向にずれた部分であるエンコーダ収容部の内周空間に位置して、前記軸と一体回転するエンコーダと、このエンコーダを検出するセンサが実装され、前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に設けたセンサ実装基板とを備えるため、容易に分解できて、転がり軸受かセンサ実装基板のいずれか等の不良発生部分のみを交換し、他の部分の再利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態にかかる回転検出機能付き転がり軸受装置の断面図、(B)はその左側面図である。
【図2】図1(A)における軸受抜け止め部の部分拡大図である。
【図3】(A)は同回転検出機能付き転がり軸受装置のセンサハウジングの断面図、(B)はその左側面図である。
【図4】(A)は同回転検出機能付き転がり軸受装置のエンコーダの正面図、(B)はその左側面図である。
【図5】(A)は同回転検出機能付き転がり軸受装置のセンサ実装基板の正面図、(B)はその底面図である。
【図6】軸受抜け止め部の異なる構造を示す断面図である。
【図7】軸受抜け止め部のさらに異なる構造を示す断面図である。
【図8】(A)は異なるエンコーダの正面図、(B)はその左側面図である。
【図9】(A)はこの発明の異なる実施形態にかかる回転検出機能付き転がり軸受装置の断面図、(B)はその左側面図である。
【図10】図9(A)における軸受抜け止め部の部分拡大図である。
【図11】軸受抜け止め部の異なる構造を示す断面図である。
【図12】軸受抜け止め部のさらに異なる構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の一実施形態を図1ないし図5と共に説明する。図1に示すように、この回転検出機能付き転がり軸受装置は、転がり軸受1と、センサハウジング2と、エンコーダ3と、センサ実装基板4とでなる。この回転検出機能付き転がり軸受装置は、転がり軸受1により軸5を回転自在に支持する。
【0026】
図1の部分拡大図である図2に示すように、転がり軸受1は、内輪11、外輪12、および内外輪11,12の各軌道面間に介在する複数の転動体13を有する。図例の転がり軸受1は深溝玉軸受であり、転動体13はボールからなる。各転動体13は、保持器14の円周方向に並ぶポケット内に保持される。内外輪11,12間の軸受空間の両端は、環状のシール部材15により密封されている。シール部材15は、外輪12に取付けられて、内径側端が内輪11に近接する金属板製の非接触シールである。転がり軸受1に密封型の軸受を用いることにより、潤滑剤を供給する必要がなくなる。
【0027】
図3に示すように、センサハウジング2は環状の部材であって、転がり軸受1の外輪12が嵌合する軸受嵌合部21と、この軸受嵌合部21に対し軸方向にずれた部分であり、エンコーダ3が収容されるエンコーダ収容部22とを有する。軸受嵌合部21の方がエンコーダ収容部22よりも、内径が若干大きく形成されている。このため、軸受嵌合部21に転がり軸受1が嵌合していない状態で、軸受嵌合部21の内周空間を通して、エンコーダ収容部22内にエンコーダ3を挿脱することができる。
【0028】
軸受嵌合部21の内周面におけるエンコーダ収容部22と反対側の端部には、内径側に僅かに突き出た係止部23が設けられている。図2のように、この係止部23が、軸受嵌合部21に嵌合した外輪12の端面に係止することにより、転がり軸受1が軸方向に抜け止めされる。転がり軸受1の抜け止めとしては、図6のように、転がり軸受1の外輪12の外周面に設けた円周方向溝16に、センサハウジング2に設けた突起状の係合部24を係合させることで行なっても良い。あるいは、図7のように、転がり軸受1の外輪12を、センサハウジング2の軸受嵌合部21に圧入させることで行なっても良い。
【0029】
図3において、エンコーダ収容部22の内周面における円周方向の一部に、軸方向に延びる溝状の基板収容部25が形成されている。この基板収容部25の底部(図3では上端部)の円周方向両側には、それぞれ軸方向に延びる一対の基板嵌め込み溝26が形成されている。また、エンコーダ収容部22の軸方向端には、内径側へ突出する内径つば部27が設けられている。内径つば部27における前記基板収容部25と同じ円周位相の部分は切り欠かれており、基板収容部25は内径つば部27を突き抜けて軸方向に延びている。
【0030】
前記基板収容部25の開口側端には、基板収容部25に収容されたセンサ実装基板4の抜け止めとなる抜け止め用突起28が、基板収容部25の内周面から内径側に突出させて設けられている。この抜け止め用突起28の軸方向外側の面28aは、内側へ行くほど小径となる傾斜面とされ、軸方向内側の面28bは、中心軸Oに対し垂直面とされている。軸受嵌合部21とエンコーダ収容部22の境界部の外周には、外径つば部29が設けられている。
【0031】
図1において、軸5は圧入等により、転がり軸受1の内輪11と一体回転するように設けられる。軸5のエンコーダ3が装着される軸方向部分は、外周面の円周方向の一部に、平坦面で切除した形状の平坦面部51が形成され、いわゆるDカット形状とされている。平坦面部51は、エンコーダ3を装着する部分から軸5の端面まで続いている。
【0032】
図4にエンコーダ3を示す。エンコーダ3は、一つの環状の部品からなる。具体的には、円環状に形成されていて、軸5の外周に嵌合している(図1参照)。その状態で、エンコーダ3は、前記内径つば部27により軸方向の位置決めがなされる。なお、エンコーダ3は、軸受嵌合部21に転がり軸受1を嵌合する前に、軸受嵌合部21の内周空間を通して、エンコーダ収容部22内に挿入する。その後、エンコーダ3の内周に軸5を嵌合する。
【0033】
エンコーダ3には、回り止めとして、内周面の円周方向の一部に、先端が平坦面の平坦面状係合突部31が突出して設けられ、この平坦面状係合突部31で軸5の平坦面部51に全体が接触するように係合する。平坦面状係合突部31の転がり軸受1と反対側の軸方向端は、エンコーダ3の端面よりも軸方向に突出した突出部31aとされている。
【0034】
エンコーダ3は、全体が磁性材料からなるか、または樹脂や金属の母材に磁性材料層を塗布等で設けたものであり、後記センサ42A,42B,42Cで検出可能な磁力を有している。具体的には、図4に示すように、外周に環状の第1および第2の回転検出用着磁トラック32,33と、原点検出用着磁トラック34とが軸方向に並べて設けられている。
【0035】
第1の回転検出用着磁トラック32は、例えばN極とS極の磁極を円周方向に交互に等ピッチで設けたものである。第2の回転検出用着磁トラック33は、第1の回転検出用着磁トラック32と同様に、N極とS極の磁極を円周方向に交互に設けたものとされるが、第1の回転検出用着磁トラック32とは、互いに位相またはピッチが異なるものとされる。例えば、円周方向の磁極のみを円周方向幅の広い磁極とし、残りの各磁極を等ピッチとしても良い。
【0036】
原点検出用着磁トラック34は、請求項で言う原点検出用着磁部であり、N極またはS極の単極の磁極からなる。この原点検出用着磁トラック34は、平坦面状係合突部31の突出部31aに設けても良い。
【0037】
図5に示すように、センサ実装基板4は、矩形状の印刷配線基板41にセンサ42A,42B,42C、回路部品(図示せず)等を実装したものである。この例では、印刷配線基板41は、内周側を向く面(図5(A)の下面)に配線パターン(図示せず)を有し、この配線パターン上に、前記第1の回転検出用着磁トラック32、第2の回転検出用着磁トラック33、および原点検出用着磁トラック34にそれぞれ対応するセンサ42A,42B,42Cが設置されている。各センサ42A,42B,42Cは、磁気センサからなる。
【0038】
印刷配線基板41における転がり軸受1と反対側の端部には、配線用コネクタ43のソケット部品43aが実装されている。配線用コネクタ43は、センサ42A,42B,42Cと外部の電気配線44とを電気的に接続するものであり、前記ソケット部品43aと、このソケット部品43aに対し差し込み接続されるプラグ部品43bとでなる。プラグ部品43bには、電気配線44が接続されている。印刷配線基板41には、センサハウジング2の前記抜け止め用突起28が係合する貫通孔45が設けられている。
【0039】
センサ実装基板4は、エンコーダ収容部22とエンコーダ3間に位置する前記基板収容部25に、転がり軸受1と反対側から挿入して装着される。詳しくは、印刷配線基板41の円周方向両端を前記一対の基板嵌め込み溝26に嵌め込んだ状態で、センサ配線基板4を転がり軸受1側へ押し込む。センサ配線基板4が基板収容部25の定められた軸方向位置まで押し込まれると、センサハウジング2の抜け止め用突起28が印刷配線基板41の貫通孔45に嵌り込んで、センサ実装基板4が抜け止め状態となる、抜け止め用突起28の軸方向外側の面28aは前記傾斜面であるため、センサ実装基板4の押し込みの障害とならず、また軸方向内側の面28bは中心軸Oに対し垂直面とされているため、抜け止め用突起28が貫通孔45に嵌り込むと確実な抜け止めとなる。
【0040】
この構成の回転検出機能付き転がり軸受装置は、センサハウジング2が互いに軸方向に並ぶ軸受嵌合部21およびエンコーダ収容部22を有し、軸受嵌合部21に転がり軸受1の外輪12が嵌合し、エンコーダ収容部22の内周空間にエンコーダ3およびセンサ実装基板4が配置されている。そのため、転がり軸受1とセンサ実装基板4との相互の分離が容易であり、これら転がり軸受1およびセンサ実装基板4のいずれかが不良となった場合、不良となった方だけを交換して、不良でない方を再利用することができる。
【0041】
より詳しくは、転がり軸受1は、センサハウジング2の軸受嵌合部21に対してエンコーダ収容部22と反対側から着脱するため、着脱時にエンコーダ3等が邪魔にならない。また、センサ実装基板4は、基板収容部25に対して転がり軸受1と反対側から着脱するため、着脱時に転がり軸受1が邪魔にならない。さらに、センサ実装基板4における転がり軸受1と反対側の端部に配線用コネクタ43が設けられているため、エンコーダ収容部22とエンコーダ3間の基板収容部25へのセンサ実装基板4の着脱が容易である。
【0042】
エンコーダ3は、回り止め用の平坦面状係合突部31の一部をエンコーダ3の端面よりも軸方向に突出させて突出部31aとしているため、軸5の位相合わせが容易で、かつこの突出部31aを目視による原点検出に利用できる。
【0043】
図8に示すように、エンコーダ3の中心軸と垂直な断面形状をC字状とし、このエンコーダ3を、軸5(図1)の外周に、弾性変形により径方向に拡大させた状態で嵌合させても良い。この場合、エンコーダ3の径方向の厚みtと円周方向隙間35の寸法δとを適正に調整することにより、回転時の遠心膨張を抑制して嵌合力を保ちながら、エンコーダ3を軸5に取付位相を定めて固定することが可能になる。エンコーダ3における円周方向隙間35の部分に円周方向位相の原点を設定すれば、原点位置を目視で容易に確認できる。
【0044】
なお、上記実施形態では、センサとして3つのセンサ42A,42B,42Cを設けたが、センサ実装基板4に実装するセンサの個数、エンコーダ3の着磁トラックの数を変更することにより、単純回転検出機能のみのもの、単純回転検出機能に加えて回転方向検出機能を加えたもの、さらに原点検出機能を加えたものに変更できる。組合せ例として、次の表1に示すものがある。
【0045】
【表1】
【0046】
センサの個数や、着磁トラックの個数を種々変える場合に、センサ実装基板4の印刷配線基板41の配線パターンを除く形状や、エンコーダ3の外観形状を統一したものを準備しておくと、互換性が得られる。そのため、センサ実装基板4とエンコーダ3を変える場合にも、センサハウジング2は共通品が使用できる。
【0047】
図9および図10は異なる実施形態を示す。この回転検出機能付き転がり軸受装置は、前記実施形態と同様に、転がり軸受1と、センサハウジング2と、エンコーダ3と、センサ実装基板4とでなるが、転がり軸受1が、内輪を有しない針状ころ軸受などのころ軸受である点が前記実施形態と異なる。他は、前記実施形態と同じであり、同様の作用・効果が得られる。
【0048】
ころ軸受である転がり軸受1は、外輪12と、針状ころ等のころからなる複数の転動体13とを有する。各転動体13は、保持器14の円周方向に並ぶポケット14a内に保持される。転がり軸受1は、その外輪12がセンサハウジング2の軸受嵌合部21に嵌合し、各転動体13が軸5の外周面に転動自在に接する。
【0049】
転がり軸受1が針状ころ軸受である場合も、深溝玉軸受等の玉軸受である場合と同様に、軸方向の抜け止めをすることができる。この例では、図10のように、軸受嵌合部21の内周面におけるエンコーダ収容部22と反対側の端部に、内径側に僅かに突き出た係止部23を設け、この係止部23を外輪12の端面に係止することにより、転がり軸受1の軸方向への抜け止めとしている。また、図11のように、転がり軸受1の外輪12の外周面に設けた円周方向溝16に、センサハウジング2に設けた突起状の係合部24を係合させることで、抜け止めとしても良い。図11の例は、転動体13が複列設けられているが、単列であっても良い。さらに、図12のように、転がり軸受1の外輪12を、センサハウジング2の軸受嵌合部21に圧入させることで、抜け止めとしても良い。
【符号の説明】
【0050】
1…転がり軸受
12…外輪
14…保持器
16…円周方向溝
2…センサハウジング
3…エンコーダ
4…センサ実装基板
5…軸
21…軸受収容部
22…エンコーダ収容部
23…係止部
24…係合部
31…平坦面状係合突部
31a…突出部
32…第1の回転検出用着磁トラック
33…第2の回転検出用着磁トラック
34…原点検出用着磁トラック(原点検出用着磁部)
42A,42B,42C…センサ
43…配線用コネクタ
44…電気配線
51…平坦面部
O…中心軸
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば複写機、プリンタ等の事務機器等に用いられ、支持する軸の回転を検出することができる回転検出機能付き転がり軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転センサ付き軸受として、転がり軸受の回転部である内輪にエンコーダを設けると共に、静止部である外輪にセンサハウジングを設け、センサハウジングで支持したセンサによりエンコーダの回転を検出するようにしたものがある(例えば特許文献1,2)。また、すべり軸受にも、回転検出機能を備えたものがある(例えば特許文献3,4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−224968号公報
【特許文献2】特開平8−184603号公報
【特許文献3】特開2006−266962号公報
【特許文献4】特開2003−254347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のように、転がり軸受に回転センサを取付ける場合、回転センサのエンコーダを内輪に圧入することとなり、エンコーダを取り外すことが難しい。そのため、転がり軸受および回転センサのどちらかに不良が生じた場合、不良が生じていない方を再利用することができず、回転センサ付き軸受全体を交換しなければならなかった。また、従来の回転センサ付き軸受は、センサへの電気配線が配線用コネクタを経由せずに直接センサに接続されているため、組立に手間がかかった。
【0005】
すべり軸受の場合も、転がり軸受の場合と同様に、回転センサが取り外しできない構造でセンサハウジングに組み込まれるため、回転センサの再利用が不可能となっている。さらに、すべり軸受では、すべり面での発熱が大きく許容回転速度を大きくとれない。すべり面の摩耗は、一定荷重の条件下でも軸の材料や表面粗さ、および潤滑の状態に大きく左右され、多数の軸受が一定寿命を得ることが困難になる。また、長寿命を得ようとすると、すべり面に定期的な潤滑剤の供給が必要となる。これらのことから、複写機、プリンタ等の事務機器等に用いられる回転センサ付き軸受のように、比較的に軽負荷で、許容回転速度を大きくとる必要があり、長寿命が要求されるものについては、転がり軸受とするのが望ましい。
【0006】
この発明の目的は、容易に分解できて、転がり軸受かセンサ実装基板のいずれか等の不良発生部分のみを交換し、他の部分の再利用が可能な回転検出機能付き転がり軸受装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の回転検出機能付き転がり軸受装置は、軸の外周面に接する転がり軸受と、軸方向の一部である軸受嵌合部に前記転がり軸受の外輪が嵌合する環状のセンサハウジングと、このセンサハウジングにおける前記軸受嵌合部に対し軸方向にずれた部分であるエンコーダ収容部の内周空間に位置して、前記軸と一体回転するエンコーダと、このエンコーダを検出するセンサが実装され、前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に設けたセンサ実装基板とを備える。
【0008】
この構成によると、センサハウジングは互いに軸方向に並ぶ軸受嵌合部およびエンコーダ収容部を有し、軸受嵌合部に転がり軸受の外輪が嵌合し、エンコーダ収容部の内周空間にエンコーダおよびセンサ実装基板が配置される。そのため、転がり軸受とセンサ実装基板との相互の分離が容易であり、これら転がり軸受およびセンサ実装基板のいずれかが不良となった場合、不良となった方だけを交換して、不良でない方を再利用することができる。また、転がり軸受を用いたため、すべり軸受に比べて、許容回転速度を上げることが可能である。さらに、すべり軸受と異なり、軸の材質が寿命に影響を与えない。
【0009】
この発明において、前記センサ実装基板における前記転がり軸受と反対側の端部に、前記センサと外部の電気配線とを電気的に接続する配線用コネクタを設け、このセンサ実装基板を前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に着脱可能とするのが良い。ここで言う「外部」は、回転検出機能付き転がり軸受全体に対する外部のことである。
センサ実装基板における転がり軸受と反対側の端部に配線用コネクタを設けることで、エンコーダ収容部とエンコーダ間へのセンサ実装基板の着脱が容易になる。
【0010】
この発明において、前記センサ実装基板を、前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に前記転がり軸受と反対側から着脱可能とするのが良い。
この構成の場合、転がり軸受に邪魔されることなく、センサ実装基板をエンコーダ収容部とエンコーダ間に着脱することができる。
【0011】
この発明において、前記転がり軸受を、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記エンコーダ収容部と反対側から着脱可能とするのが良い。
この構成の場合、エンコーダに邪魔されることなく、転がり軸受をセンサハウジングに着脱することができる。
【0012】
前記転がり軸受が、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記エンコーダ収容部と反対側から着脱可能である場合、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記転がり軸受が嵌合していない状態で、前記軸受嵌合部の内周空間を通して、前記エンコーダ収容部内に前記エンコーダを着脱可能とするのが良い。
この構成の場合、センサハウジングの軸受嵌合部から転がり軸受を取り外すことで、エンコーダ収容部のエンコーダを取り外すことができるようになる。
【0013】
また、前記転がり軸受が、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記エンコーダ収容部と反対側から着脱可能である場合、前記転がり軸受は、前記センサハウジングに設けた係止部が前記外輪の端面に係止することにより、軸方向に抜け止めされていても良い。または、前記転がり軸受は、前記外輪の外周面に設けた円周方向溝に、前記センサハウジングに設けた係合部を係合させることにより、軸方向に抜け止めされていても良い。または、前記転がり軸受は、前記外輪を前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に圧入することにより、軸方向に抜け止めされていても良い。
いずれの抜け止め構造であっても、転がり軸受を効果的に軸方向に抜け止めできる。
【0014】
この発明において、前記軸は、外周面の円周方向の一部に、平坦面で切除した形状の平坦面部を有し、前記エンコーダは、環状に形成されて前記軸の外周に嵌合し、かつ内周面の円周方向の一部に突出して設けられた先端が平坦面の平坦面状係合突部を前記平坦面部に係合させても良い。
このような平坦面部による嵌め合い、いわゆるDカット部による嵌め合いとすると、軸に対するエンコーダの取付位相が定まる。
【0015】
上記のように、Dカット部による嵌め合いとする場合、前記エンコーダの前記平坦面状係合突部の一部を、前記エンコーダの端面よりも軸方向に突出させるのが良い。
平坦面状係合凹部の一部をエンコーダの端面よりも軸方向の突出させると、この突出部が外部から良く見え、取付位相を目視で容易に確認できるようになる。
【0016】
この発明において、前記エンコーダは、中心軸と垂直な断面形状がC字状であり、前記軸の外周に、弾性変形により径方向に拡大させた状態で嵌合されていても良い。
エンコーダの径方向の厚みと円周方向隙間の寸法とを適正に調整することにより、回転時の遠心膨張を抑制して嵌合力を保ちながら、エンコーダを軸に取付位相を定めて固定することができる。
【0017】
エンコーダの断面形状がC字状である場合、前記エンコーダにおける円周方向隙間の部分に円周方向位相の原点を設定しても良い。
これにより、原点位置を目視で容易に確認できる。
【0018】
この発明において、前記エンコーダは、円周方向に磁極が並ぶ環状の回転検出用着磁トラックを有するものであっても良い。
この構成の場合、回転速度や回転位相の検出のみの単純回転検出機能を持たせることができる。
【0019】
また、前記エンコーダは、円周方向に磁極が並ぶ環状の回転検出用着磁トラックを複数列有し、各回転検出用着磁トラックは、互いに位相またはピッチが異なっていて、前記センサとして、前記各回転検出用着磁トラックをそれぞれ検出する複数のセンサを設けても良い。
この構成の場合、単純回転検出機能に加え、両回転検出用着磁トラックの検出信号の位相のずれから、回転方向の検出機能を持たせることができる。
【0020】
また、前記エンコーダは、円周方向の一部に原点検出用着磁部を有し、前記センサとして、前記原点検出用着磁部を検出するセンサを設けても良い。
この構成の場合、軸の1回転で1回となる原点の検出機能を持たせることができる。
【0021】
この発明において、前記転がり軸受が、外輪と保持器ところとを有し、前記ころが軸と接するころ軸受であっても良い。そのため、比較的大きな荷重を受ける箇所に用いられる回転機能付き転がり軸受装置では、転がり軸受をころ軸受とすることができる。
【0022】
この回転検出機能付き転がり軸受装置は、事務機器の軸の支持に用いられるものであっても良い。事務機器は、例えば複写機やプリンタ等である。
上記事務機器では、その軸受は比較的に軽荷重を受けることになるが、コスト低下の要求が強く、また構成部品の再利用が強く望まれる。そのため、この発明における、転がり軸受かセンサ実装基板のいずれか等の不良発生部品のみを交換可能とした効果が、より一層効果的に発揮される。
【発明の効果】
【0023】
この発明の回転検出機能付き転がり軸受は、軸の外周面に接する転がり軸受と、軸方向の一部である軸受嵌合部に前記転がり軸受の外輪が嵌合する環状のセンサハウジングと、このセンサハウジングにおける前記軸受嵌合部に対し軸方向にずれた部分であるエンコーダ収容部の内周空間に位置して、前記軸と一体回転するエンコーダと、このエンコーダを検出するセンサが実装され、前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に設けたセンサ実装基板とを備えるため、容易に分解できて、転がり軸受かセンサ実装基板のいずれか等の不良発生部分のみを交換し、他の部分の再利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態にかかる回転検出機能付き転がり軸受装置の断面図、(B)はその左側面図である。
【図2】図1(A)における軸受抜け止め部の部分拡大図である。
【図3】(A)は同回転検出機能付き転がり軸受装置のセンサハウジングの断面図、(B)はその左側面図である。
【図4】(A)は同回転検出機能付き転がり軸受装置のエンコーダの正面図、(B)はその左側面図である。
【図5】(A)は同回転検出機能付き転がり軸受装置のセンサ実装基板の正面図、(B)はその底面図である。
【図6】軸受抜け止め部の異なる構造を示す断面図である。
【図7】軸受抜け止め部のさらに異なる構造を示す断面図である。
【図8】(A)は異なるエンコーダの正面図、(B)はその左側面図である。
【図9】(A)はこの発明の異なる実施形態にかかる回転検出機能付き転がり軸受装置の断面図、(B)はその左側面図である。
【図10】図9(A)における軸受抜け止め部の部分拡大図である。
【図11】軸受抜け止め部の異なる構造を示す断面図である。
【図12】軸受抜け止め部のさらに異なる構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の一実施形態を図1ないし図5と共に説明する。図1に示すように、この回転検出機能付き転がり軸受装置は、転がり軸受1と、センサハウジング2と、エンコーダ3と、センサ実装基板4とでなる。この回転検出機能付き転がり軸受装置は、転がり軸受1により軸5を回転自在に支持する。
【0026】
図1の部分拡大図である図2に示すように、転がり軸受1は、内輪11、外輪12、および内外輪11,12の各軌道面間に介在する複数の転動体13を有する。図例の転がり軸受1は深溝玉軸受であり、転動体13はボールからなる。各転動体13は、保持器14の円周方向に並ぶポケット内に保持される。内外輪11,12間の軸受空間の両端は、環状のシール部材15により密封されている。シール部材15は、外輪12に取付けられて、内径側端が内輪11に近接する金属板製の非接触シールである。転がり軸受1に密封型の軸受を用いることにより、潤滑剤を供給する必要がなくなる。
【0027】
図3に示すように、センサハウジング2は環状の部材であって、転がり軸受1の外輪12が嵌合する軸受嵌合部21と、この軸受嵌合部21に対し軸方向にずれた部分であり、エンコーダ3が収容されるエンコーダ収容部22とを有する。軸受嵌合部21の方がエンコーダ収容部22よりも、内径が若干大きく形成されている。このため、軸受嵌合部21に転がり軸受1が嵌合していない状態で、軸受嵌合部21の内周空間を通して、エンコーダ収容部22内にエンコーダ3を挿脱することができる。
【0028】
軸受嵌合部21の内周面におけるエンコーダ収容部22と反対側の端部には、内径側に僅かに突き出た係止部23が設けられている。図2のように、この係止部23が、軸受嵌合部21に嵌合した外輪12の端面に係止することにより、転がり軸受1が軸方向に抜け止めされる。転がり軸受1の抜け止めとしては、図6のように、転がり軸受1の外輪12の外周面に設けた円周方向溝16に、センサハウジング2に設けた突起状の係合部24を係合させることで行なっても良い。あるいは、図7のように、転がり軸受1の外輪12を、センサハウジング2の軸受嵌合部21に圧入させることで行なっても良い。
【0029】
図3において、エンコーダ収容部22の内周面における円周方向の一部に、軸方向に延びる溝状の基板収容部25が形成されている。この基板収容部25の底部(図3では上端部)の円周方向両側には、それぞれ軸方向に延びる一対の基板嵌め込み溝26が形成されている。また、エンコーダ収容部22の軸方向端には、内径側へ突出する内径つば部27が設けられている。内径つば部27における前記基板収容部25と同じ円周位相の部分は切り欠かれており、基板収容部25は内径つば部27を突き抜けて軸方向に延びている。
【0030】
前記基板収容部25の開口側端には、基板収容部25に収容されたセンサ実装基板4の抜け止めとなる抜け止め用突起28が、基板収容部25の内周面から内径側に突出させて設けられている。この抜け止め用突起28の軸方向外側の面28aは、内側へ行くほど小径となる傾斜面とされ、軸方向内側の面28bは、中心軸Oに対し垂直面とされている。軸受嵌合部21とエンコーダ収容部22の境界部の外周には、外径つば部29が設けられている。
【0031】
図1において、軸5は圧入等により、転がり軸受1の内輪11と一体回転するように設けられる。軸5のエンコーダ3が装着される軸方向部分は、外周面の円周方向の一部に、平坦面で切除した形状の平坦面部51が形成され、いわゆるDカット形状とされている。平坦面部51は、エンコーダ3を装着する部分から軸5の端面まで続いている。
【0032】
図4にエンコーダ3を示す。エンコーダ3は、一つの環状の部品からなる。具体的には、円環状に形成されていて、軸5の外周に嵌合している(図1参照)。その状態で、エンコーダ3は、前記内径つば部27により軸方向の位置決めがなされる。なお、エンコーダ3は、軸受嵌合部21に転がり軸受1を嵌合する前に、軸受嵌合部21の内周空間を通して、エンコーダ収容部22内に挿入する。その後、エンコーダ3の内周に軸5を嵌合する。
【0033】
エンコーダ3には、回り止めとして、内周面の円周方向の一部に、先端が平坦面の平坦面状係合突部31が突出して設けられ、この平坦面状係合突部31で軸5の平坦面部51に全体が接触するように係合する。平坦面状係合突部31の転がり軸受1と反対側の軸方向端は、エンコーダ3の端面よりも軸方向に突出した突出部31aとされている。
【0034】
エンコーダ3は、全体が磁性材料からなるか、または樹脂や金属の母材に磁性材料層を塗布等で設けたものであり、後記センサ42A,42B,42Cで検出可能な磁力を有している。具体的には、図4に示すように、外周に環状の第1および第2の回転検出用着磁トラック32,33と、原点検出用着磁トラック34とが軸方向に並べて設けられている。
【0035】
第1の回転検出用着磁トラック32は、例えばN極とS極の磁極を円周方向に交互に等ピッチで設けたものである。第2の回転検出用着磁トラック33は、第1の回転検出用着磁トラック32と同様に、N極とS極の磁極を円周方向に交互に設けたものとされるが、第1の回転検出用着磁トラック32とは、互いに位相またはピッチが異なるものとされる。例えば、円周方向の磁極のみを円周方向幅の広い磁極とし、残りの各磁極を等ピッチとしても良い。
【0036】
原点検出用着磁トラック34は、請求項で言う原点検出用着磁部であり、N極またはS極の単極の磁極からなる。この原点検出用着磁トラック34は、平坦面状係合突部31の突出部31aに設けても良い。
【0037】
図5に示すように、センサ実装基板4は、矩形状の印刷配線基板41にセンサ42A,42B,42C、回路部品(図示せず)等を実装したものである。この例では、印刷配線基板41は、内周側を向く面(図5(A)の下面)に配線パターン(図示せず)を有し、この配線パターン上に、前記第1の回転検出用着磁トラック32、第2の回転検出用着磁トラック33、および原点検出用着磁トラック34にそれぞれ対応するセンサ42A,42B,42Cが設置されている。各センサ42A,42B,42Cは、磁気センサからなる。
【0038】
印刷配線基板41における転がり軸受1と反対側の端部には、配線用コネクタ43のソケット部品43aが実装されている。配線用コネクタ43は、センサ42A,42B,42Cと外部の電気配線44とを電気的に接続するものであり、前記ソケット部品43aと、このソケット部品43aに対し差し込み接続されるプラグ部品43bとでなる。プラグ部品43bには、電気配線44が接続されている。印刷配線基板41には、センサハウジング2の前記抜け止め用突起28が係合する貫通孔45が設けられている。
【0039】
センサ実装基板4は、エンコーダ収容部22とエンコーダ3間に位置する前記基板収容部25に、転がり軸受1と反対側から挿入して装着される。詳しくは、印刷配線基板41の円周方向両端を前記一対の基板嵌め込み溝26に嵌め込んだ状態で、センサ配線基板4を転がり軸受1側へ押し込む。センサ配線基板4が基板収容部25の定められた軸方向位置まで押し込まれると、センサハウジング2の抜け止め用突起28が印刷配線基板41の貫通孔45に嵌り込んで、センサ実装基板4が抜け止め状態となる、抜け止め用突起28の軸方向外側の面28aは前記傾斜面であるため、センサ実装基板4の押し込みの障害とならず、また軸方向内側の面28bは中心軸Oに対し垂直面とされているため、抜け止め用突起28が貫通孔45に嵌り込むと確実な抜け止めとなる。
【0040】
この構成の回転検出機能付き転がり軸受装置は、センサハウジング2が互いに軸方向に並ぶ軸受嵌合部21およびエンコーダ収容部22を有し、軸受嵌合部21に転がり軸受1の外輪12が嵌合し、エンコーダ収容部22の内周空間にエンコーダ3およびセンサ実装基板4が配置されている。そのため、転がり軸受1とセンサ実装基板4との相互の分離が容易であり、これら転がり軸受1およびセンサ実装基板4のいずれかが不良となった場合、不良となった方だけを交換して、不良でない方を再利用することができる。
【0041】
より詳しくは、転がり軸受1は、センサハウジング2の軸受嵌合部21に対してエンコーダ収容部22と反対側から着脱するため、着脱時にエンコーダ3等が邪魔にならない。また、センサ実装基板4は、基板収容部25に対して転がり軸受1と反対側から着脱するため、着脱時に転がり軸受1が邪魔にならない。さらに、センサ実装基板4における転がり軸受1と反対側の端部に配線用コネクタ43が設けられているため、エンコーダ収容部22とエンコーダ3間の基板収容部25へのセンサ実装基板4の着脱が容易である。
【0042】
エンコーダ3は、回り止め用の平坦面状係合突部31の一部をエンコーダ3の端面よりも軸方向に突出させて突出部31aとしているため、軸5の位相合わせが容易で、かつこの突出部31aを目視による原点検出に利用できる。
【0043】
図8に示すように、エンコーダ3の中心軸と垂直な断面形状をC字状とし、このエンコーダ3を、軸5(図1)の外周に、弾性変形により径方向に拡大させた状態で嵌合させても良い。この場合、エンコーダ3の径方向の厚みtと円周方向隙間35の寸法δとを適正に調整することにより、回転時の遠心膨張を抑制して嵌合力を保ちながら、エンコーダ3を軸5に取付位相を定めて固定することが可能になる。エンコーダ3における円周方向隙間35の部分に円周方向位相の原点を設定すれば、原点位置を目視で容易に確認できる。
【0044】
なお、上記実施形態では、センサとして3つのセンサ42A,42B,42Cを設けたが、センサ実装基板4に実装するセンサの個数、エンコーダ3の着磁トラックの数を変更することにより、単純回転検出機能のみのもの、単純回転検出機能に加えて回転方向検出機能を加えたもの、さらに原点検出機能を加えたものに変更できる。組合せ例として、次の表1に示すものがある。
【0045】
【表1】
【0046】
センサの個数や、着磁トラックの個数を種々変える場合に、センサ実装基板4の印刷配線基板41の配線パターンを除く形状や、エンコーダ3の外観形状を統一したものを準備しておくと、互換性が得られる。そのため、センサ実装基板4とエンコーダ3を変える場合にも、センサハウジング2は共通品が使用できる。
【0047】
図9および図10は異なる実施形態を示す。この回転検出機能付き転がり軸受装置は、前記実施形態と同様に、転がり軸受1と、センサハウジング2と、エンコーダ3と、センサ実装基板4とでなるが、転がり軸受1が、内輪を有しない針状ころ軸受などのころ軸受である点が前記実施形態と異なる。他は、前記実施形態と同じであり、同様の作用・効果が得られる。
【0048】
ころ軸受である転がり軸受1は、外輪12と、針状ころ等のころからなる複数の転動体13とを有する。各転動体13は、保持器14の円周方向に並ぶポケット14a内に保持される。転がり軸受1は、その外輪12がセンサハウジング2の軸受嵌合部21に嵌合し、各転動体13が軸5の外周面に転動自在に接する。
【0049】
転がり軸受1が針状ころ軸受である場合も、深溝玉軸受等の玉軸受である場合と同様に、軸方向の抜け止めをすることができる。この例では、図10のように、軸受嵌合部21の内周面におけるエンコーダ収容部22と反対側の端部に、内径側に僅かに突き出た係止部23を設け、この係止部23を外輪12の端面に係止することにより、転がり軸受1の軸方向への抜け止めとしている。また、図11のように、転がり軸受1の外輪12の外周面に設けた円周方向溝16に、センサハウジング2に設けた突起状の係合部24を係合させることで、抜け止めとしても良い。図11の例は、転動体13が複列設けられているが、単列であっても良い。さらに、図12のように、転がり軸受1の外輪12を、センサハウジング2の軸受嵌合部21に圧入させることで、抜け止めとしても良い。
【符号の説明】
【0050】
1…転がり軸受
12…外輪
14…保持器
16…円周方向溝
2…センサハウジング
3…エンコーダ
4…センサ実装基板
5…軸
21…軸受収容部
22…エンコーダ収容部
23…係止部
24…係合部
31…平坦面状係合突部
31a…突出部
32…第1の回転検出用着磁トラック
33…第2の回転検出用着磁トラック
34…原点検出用着磁トラック(原点検出用着磁部)
42A,42B,42C…センサ
43…配線用コネクタ
44…電気配線
51…平坦面部
O…中心軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸の外周面に接する転がり軸受と、軸方向の一部である軸受嵌合部に前記転がり軸受の外輪が嵌合する環状のセンサハウジングと、このセンサハウジングにおける前記軸受嵌合部に対し軸方向にずれた部分であるエンコーダ収容部の内周空間に位置して、前記軸と一体回転するエンコーダと、このエンコーダを検出するセンサが実装され、前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に設けたセンサ実装基板とを備える回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項2】
請求項1において、前記センサ実装基板における前記転がり軸受と反対側の端部に、前記センサと外部の電気配線とを電気的に接続する配線用コネクタを設け、このセンサ実装基板を前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に着脱可能とした回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記センサ実装基板を、前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に前記転がり軸受と反対側から着脱可能とした回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記転がり軸受を、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記エンコーダ収容部と反対側から着脱可能とした回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項5】
請求項4において、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記転がり軸受が嵌合していない状態で、前記軸受嵌合部の内周空間を通して、前記エンコーダ収容部内に前記エンコーダを着脱可能とした回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5において、前記転がり軸受は、前記センサハウジングに設けた係止部が前記外輪の端面に係止することにより、軸方向に抜け止めされる回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項7】
請求項4または請求項5において、前記転がり軸受は、前記外輪の外周面に設けた円周方向溝に、前記センサハウジングに設けた係合部を係合させることにより、軸方向に抜け止めされる回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項8】
請求項4または請求項5において、前記転がり軸受は、前記外輪を前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に圧入することにより、軸方向に抜け止めされる回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記軸は、外周面の円周方向の一部に、平坦面で切除した形状の平坦面部を有し、前記エンコーダは、環状に形成されて前記軸の外周に嵌合し、かつ内周面の円周方向の一部に突出して設けられた先端が平坦面の平坦面状係合突部を前記平坦面部に係合させた回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項10】
請求項9において、前記エンコーダの前記平坦面状係合突部の一部を、前記エンコーダの端面よりも軸方向に突出させた回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記エンコーダは、中心軸と垂直な断面形状がC字状であり、前記軸の外周に、弾性変形により径方向に拡大させた状態で嵌合されている回転機能付き転がり軸受装置。
【請求項12】
請求項11において、前記エンコーダにおける円周方向隙間の部分に円周方向位相の原点を設定した回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のいずれか1項において、前記エンコーダは、円周方向に磁極が並ぶ環状の回転検出用着磁トラックを有する回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項14】
請求項1ないし請求項12のいずれか1項において、前記エンコーダは、円周方向に磁極が並ぶ環状の回転検出用着磁トラックを複数列有し、各回転検出用着磁トラックは、互いに位相またはピッチが異なっていて、前記センサとして、前記各回転検出用着磁トラックをそれぞれ検出する複数のセンサを設けた回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項15】
請求項1ないし請求項12のいずれか1項において、前記エンコーダは、円周方向の一部に原点検出用着磁部を有し、前記センサとして、前記原点検出用着磁部を検出するセンサを設けた回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項16】
請求項1ないし請求項15のいずれか1項において、前記転がり軸受が、外輪と保持器ところとを有し、前記ころが軸と接するころ軸受である回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項17】
請求項1ないし請求項16のいずれか1項において、事務機器の軸の支持に用いられる回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項1】
軸の外周面に接する転がり軸受と、軸方向の一部である軸受嵌合部に前記転がり軸受の外輪が嵌合する環状のセンサハウジングと、このセンサハウジングにおける前記軸受嵌合部に対し軸方向にずれた部分であるエンコーダ収容部の内周空間に位置して、前記軸と一体回転するエンコーダと、このエンコーダを検出するセンサが実装され、前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に設けたセンサ実装基板とを備える回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項2】
請求項1において、前記センサ実装基板における前記転がり軸受と反対側の端部に、前記センサと外部の電気配線とを電気的に接続する配線用コネクタを設け、このセンサ実装基板を前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に着脱可能とした回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記センサ実装基板を、前記エンコーダ収容部と前記エンコーダ間に前記転がり軸受と反対側から着脱可能とした回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記転がり軸受を、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記エンコーダ収容部と反対側から着脱可能とした回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項5】
請求項4において、前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に前記転がり軸受が嵌合していない状態で、前記軸受嵌合部の内周空間を通して、前記エンコーダ収容部内に前記エンコーダを着脱可能とした回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5において、前記転がり軸受は、前記センサハウジングに設けた係止部が前記外輪の端面に係止することにより、軸方向に抜け止めされる回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項7】
請求項4または請求項5において、前記転がり軸受は、前記外輪の外周面に設けた円周方向溝に、前記センサハウジングに設けた係合部を係合させることにより、軸方向に抜け止めされる回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項8】
請求項4または請求項5において、前記転がり軸受は、前記外輪を前記センサハウジングの前記軸受嵌合部に圧入することにより、軸方向に抜け止めされる回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記軸は、外周面の円周方向の一部に、平坦面で切除した形状の平坦面部を有し、前記エンコーダは、環状に形成されて前記軸の外周に嵌合し、かつ内周面の円周方向の一部に突出して設けられた先端が平坦面の平坦面状係合突部を前記平坦面部に係合させた回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項10】
請求項9において、前記エンコーダの前記平坦面状係合突部の一部を、前記エンコーダの端面よりも軸方向に突出させた回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記エンコーダは、中心軸と垂直な断面形状がC字状であり、前記軸の外周に、弾性変形により径方向に拡大させた状態で嵌合されている回転機能付き転がり軸受装置。
【請求項12】
請求項11において、前記エンコーダにおける円周方向隙間の部分に円周方向位相の原点を設定した回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のいずれか1項において、前記エンコーダは、円周方向に磁極が並ぶ環状の回転検出用着磁トラックを有する回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項14】
請求項1ないし請求項12のいずれか1項において、前記エンコーダは、円周方向に磁極が並ぶ環状の回転検出用着磁トラックを複数列有し、各回転検出用着磁トラックは、互いに位相またはピッチが異なっていて、前記センサとして、前記各回転検出用着磁トラックをそれぞれ検出する複数のセンサを設けた回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項15】
請求項1ないし請求項12のいずれか1項において、前記エンコーダは、円周方向の一部に原点検出用着磁部を有し、前記センサとして、前記原点検出用着磁部を検出するセンサを設けた回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項16】
請求項1ないし請求項15のいずれか1項において、前記転がり軸受が、外輪と保持器ところとを有し、前記ころが軸と接するころ軸受である回転検出機能付き転がり軸受装置。
【請求項17】
請求項1ないし請求項16のいずれか1項において、事務機器の軸の支持に用いられる回転検出機能付き転がり軸受装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−220192(P2012−220192A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82413(P2011−82413)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】
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