説明

回転角検出又は回転同期装置及びその製造方法

【課題】レゾルバ及びその製造方法の端線の固定に関し、ワニスを用いないで端線を程よい張力で固定できるようにすること。
【解決手段】輪状ステータ10のステータティース20に巻回されたステータ巻線50の端線55と電気的に接続されるコネクタピン70が形成されたコネクタユニット60が、輪状ステータ10に接続される。コネクタユニット60は、端線55を保持する端線保持面62を有する。その端線保持面62には、その一部が隆起した隆起部63が形成される。各端線55は、隆起部63に掛けられており、変位するのを規制されている。また、各隆起部63の横には、中継ピンが設置されるピン設置跡64が形成されており、各端線55は、そのピン設置跡64の分だけ弛みが付与された状態で、隆起部63に掛けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レゾルバ、シンクロ等の回転角検出又は回転同期装置及びその製造方法に関し、特に、ステータティースに巻回された巻線とコネクタピンとの間の導線の固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステータ及びロータを有し、ステータに対するロータの回転位置によってステータとロータとの間の相互インダクタンスが変化することを利用して、ステータに対するロータの回転角度に応じた出力信号を出力する回転角検出装置としてのレゾルバが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、図13は、従来のレゾルバの構造を示した図である。図13のレゾルバ200は、内周面210aから内方へ突出する複数のステータティース220が形成された輪状ステータ210を備える。また、輪状ステータ210の内側には、ロータ280がその輪状ステータ210に対して回転可能に設けられる。
【0003】
各ステータティース220には、絶縁性の樹脂からなるボビン体240を介してステータ巻線250が巻回される。そのステータ巻線250は、励磁信号が入力される励磁巻線251とロータ280の回転角度に応じた出力信号が出力される出力巻線252とを含む。さらに、出力巻線252は、互いに位相が異なる第1相の巻線(SIN相)と第2相の巻線(COS相)の2相分の巻線を含む。すなわち、図13の例では、ステータ巻線250としての3組の巻線が、それぞれ各ステータティース220に順次巻回される。
【0004】
また、ステータ巻線250と電気的に接続され、ステータ巻線250に対して励磁信号を入力したり出力信号を出力したりするコネクタピン270が設けられたコネクタユニット260が、輪状ステータ210に接続されて設けられる。コネクタユニット260の表面261には、ステータ巻線250から引き出された導線である端線255の個数分のコネクタピン270が並べて配置される。そして、各端線255を介して、ステータ巻線250とコネクタピン270とが電気的に接続される。また、コネクタユニット260の表面261は、コネクタピン270に接続される端線255を保持する端線保持面としても機能する。
【0005】
また従来、レゾルバと同様の構造を有する回転同期装置としてのシンクロが知られている。このシンクロは、レゾルバと同様のステータ及びロータを有し、ステータティースに巻回される出力巻線からロータの回転角に応じて正弦波状に変化する互いに位相角が120度ずれた3相の信号を出力する。そして、同じ構造の2つのシンクロを接続すると、各シンクロから出力される信号の差に基づいて、一方のシンクロのロータが、他方のシンクロのロータと同じ回転角となるように回転される。すなわち、これら2つのシンクロが同期される。このように、シンクロは、一般的に、2個1組で用いられ、この場合、一方をシンクロ発信機と称し、他方をシンクロ受信機と称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−344107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来、各端線255を程よい張力に保つために、ステータ巻線250とコネクタピン270とを接続する際に、コネクタユニット260の表面261に中継ピン(図示外)を設け、その中継ピンに各端線255を経由させていた。そして、その接続後に、中継ピンを取り除くとともに、各端線255をワニスで塗布してコネクタユニット260の表面261に固定していた。これは、張力が強すぎて熱応力等で端線255が切れたり、張力が弱すぎて振動振幅が大きくなって端線255が切れたりすることを防止したものである。なお、図13では、中継ピンの設置跡265を示している。
【0008】
しかしながら、ワニスで端線255を固定する方法は、ワニスを塗布する工程が複雑でコストが高くなるなどの問題点があった。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、回転角検出又は回転同期装置及びその製造方法の端線の固定に関し、ワニスを用いないで端線を程よい張力で固定できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、ステータティースが形成されたステータと、
そのステータに対して回転可能に設けられたロータと、
前記ステータティースに巻回されるステータ巻線と、
巻回された前記ステータ巻線から引き出された導線である端線を介して前記ステータ巻線と電気的に接続されるコネクタピンと、そのコネクタピンに接続されるまでの間において前記端線を保持する端線保持面と、が形成されたコネクタユニットと、を備える回転角検出又は同期装置において、
前記コネクタユニットは、前記端線保持面において、前記端線に掛けられて前記端線が変位するのを規制する端線規制部を備え、
前記端線は、前記端線に一定の弛みを付与する弛み付与手段によって一定の弛みを付与された状態で、前記端線規制部に掛けられることを特徴とする。
【0011】
これによれば、コネクタユニットの端線保持面には、端線に掛けられて端線が変位するのを規制する端線規制部が設けられているので、端線をある程度の張力に保った状態で固定できる。また、その端線は、弛み付与手段によって一定の弛みを付与された状態で、端線規制部に掛けられるので、張力が強すぎることで端線が切れてしまうのを防止できる。すなわち、本発明によれば、ワニスを用いずに端線を程よい張力に保って固定できる。
【0012】
また、本発明における弛み付与手段は、前記コネクタピンと前記端線とが接続される際に前記端線規制部に付帯して設けられる中継ピンであって、その接続の際に前記端線規制部に代えて前記端線に掛けられ接続後に取り除かれる中継ピンである。
【0013】
これによれば、端線をコネクタピンに接続する際には、端線は、端線規制部に代えて中継ピンに掛けられる。この際、その中継ピンは端線規制部に付帯したものであるので、端線は、端線規制部に掛けたときよりも凸に張った状態となる。そして、その後、その中継ピンは取り除かれるので、端線は、端線規制部に掛けられるとともに、中継ピンの分だけ弛みが付与される。よって、端線を程よい張力に保って固定できる。
【0014】
また、本発明における端線規制部は、前記端線保持面の一部が隆起した隆起部とすることができる。これにより、その隆起部に端線を掛けて変位するのを規制することができる。
【0015】
また、本発明における端線規制部は、前記端線保持面に設けられた規制ピンであるとしてもよい。これにより、その規制ピンに端線を掛けて変位するのを規制することができる。
【0016】
また、本発明において、前記ステータ巻線は複数組の巻線からなり、
前記端線規制部は、各巻線の前記端線ごとに設けられるとすることができる。
【0017】
また、前記端線規制部は、二以上の前記端線に掛けられる兼用規制部を含むとしてもよい。
【0018】
このように、端線規制部は、端線ごとに設けても、二以上の端線に掛けられる兼用規制部を含んでもよく、どちらの場合でも、各端線を程よい張力に保って固定することができる。
【0019】
また、前記ステータ巻線は、その弛みが、前記端線が前記端線規制部に掛けられない場合の弛みよりも小さくされる。
【0020】
これによれば、端線が端線規制部に掛けられた状態でステータ巻線を巻回することができるので、ステータ巻線の弛みを最小限にすることができる。よって、ステータ巻線の巻回精度を向上することができる。
【0021】
また、本発明は、ステータティースが形成されたステータと、
そのステータに対して回転可能に設けられたロータと、
前記ステータティースに巻回されるステータ巻線と、
巻回された前記ステータ巻線から引き出された導線である端線を介して前記ステータ巻線と電気的に接続されるコネクタピンと、そのコネクタピンに接続されるまでの間において前記端線を保持する端線保持面と、が形成されたコネクタユニットと、
前記端線保持面において、前記端線に掛けられて前記端線が変位するのを規制する端線規制部と、を備える回転角検出又は同期装置の製造方法であって、
前記端線規制部に付帯した中継ピンを形成するピン形成工程と、
前記端線規制部に代えて前記中継ピンに前記端線を掛けて、前記コネクタピンと前記端線とを接続する接続工程と、
その接続工程による接続後に、前記中継ピンを取り除く除去工程と、を含むことを特徴とする。
【0022】
この製造方法によれば、ワニスを用いずに端線を程よい張力に保って固定された回転角検出又は回転同期装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】レゾルバ1の斜視図である。
【図2】レゾルバ1の側面図である。
【図3】レゾルバ1の平面図である。
【図4】図1におけるコネクタユニット60周辺の拡大図である。
【図5】図3におけるコネクタユニット60周辺の拡大図である。
【図6】端線55が隆起部63とどのように掛かって、どのように弛みが付与されているかについての各種態様を示した図である。
【図7】各端線55をコネクタピン7に接続するときの工程を示したフローチャートである。
【図8】図7の各工程の状況を示した図である。
【図9】変形例1として、各端線55ごとに隆起部651〜656を設けた状態を示した図である。
【図10】変形例2として、規制ピンでの規制の方法を説明するための図である。
【図11】コネクタユニット60に6本の入出力ピン302が設けられた場合を説明する図である。
【図12】シンクロの用途例を示した図である。
【図13】従来のレゾルバの構造を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第一実施形態)
以下、本発明に係る回転角検出装置としてのレゾルバ及びその製造方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態のレゾルバ1の斜視図、図2はレゾルバ1の側面図、図3はレゾルバ1の平面図である。また、図4は図1のコネクタユニット60周辺の拡大図、図5は図3のコネクタユニット60周辺の拡大図である。なお、図2、図3では、ロータ80を示していない。レゾルバ1は、内周面10aから内方へ突出する複数のステータティース20が輪状に配置されて形成された磁性材料からなる輪状ステータ10を備える。より具体的には、ステータティース20としての8個のステータティース21〜28が、等間隔となるように形成される(図3参照)。また、輪状ステータ10の両端面には、PBT(Poly−butylene−terephtalate:ポリブチレンテレフタレート)やPPT(Polypropylene−terephtalate:ポリプロピレンテレフタレート)等の絶縁性の樹脂からなる輪状絶縁カバー30が設けられる。この輪状絶縁カバー30は、予め成形されたものを輪状ステータ10に装着されたり、射出成形により輪状ステータ10と一体成形されたりする。その輪状絶縁カバー30の内周側には、各ステータティース21〜28の外周を覆うようにボビン体35が形成される。
【0025】
そして、各ステータティース21〜28には、ボビン体35を介してステータ巻線50が巻回される。具体的には、ステータ巻線50として、励磁信号が入力される励磁巻線51と、後述するロータ80の回転角度に応じた出力信号が出力される2相分の出力巻線52、53とが巻回される。そして、励磁巻線51は、例えば、後述するコネクタピン70に近い側のステータティース21から巻回が開始され、図3の時計回りの順番(ステータティース21→22→23→24→25→26→27→28)で各ステータティース21〜28に所定巻回数だけ巻回される。そして、この際、隣接するステータティース21〜28間で巻回方向が互いに反対方向となるように巻回される。
【0026】
また、出力巻線52、53は、互いに位相が異なる巻線とされ、例えば、第1相の出力巻線52がSIN相、第2相の出力巻線53がCOS相の位相差90度の巻線とされる。すなわち、第1相の出力巻線52は、ロータ80の回転角度の変化に伴って、SIN波状に変化する出力信号が出力される巻線とされる。また、第2相の出力巻線53は、ロータ80の回転角度の変化に伴って、COS波状に変化する出力信号が出力される巻線とされる。そして、これら出力巻線52、53も、ステータティース21から巻回が開始され、図3の時計回りの順番(ステータティース21→22→23→24→25→26→27→28)で各ステータティース21〜28に巻回される。この際、第1相の出力巻線52は、SIN波状に変化する出力信号が出力されるように、各ステータティース21〜28における巻回数及び巻回方向が調節される。同じように、第2相の出力巻線53は、COS波状に変化する出力信号が出力されるように、各ステータティース21〜28における巻回数及び巻回方向が調節される。
【0027】
このように、ステータティース21〜28には、ステータ巻線50として、3組の巻線51〜53が巻回されている。また、ステータ巻線50は、上述したように、絶縁性の樹脂からなるボビン体35を介してステータティース20に巻回されているので、ステータ巻線50とステータティース20とは絶縁が保たれている。
【0028】
図1のロータ80は、磁性材料からなり、例えば電磁鋼板が積層されて形成されるドーナツ型の形状をしている。そのロータ80は、輪状ステータ10の内側に、輪状ステータ10に対して回転可能に設けられたインナーロータである。より具体的には、ロータ80は、その回転軸回りの回転により各ステータティース21〜28との間のギャップパーミアンスが変化するように、輪状ステータ10に対して回転可能に設けられる。例えば、ロータ80は、軸倍角が「2」であり、所与の半径の円周線を基準に、その円周線の1周につき、平面視おける外形輪郭線が2周期で変化する形状を有している。そして、各ステータティース21〜28の先端面と対向するロータ80の外周側の面が、ロータ80の1回転につき2周期でギャップパーミアンスが変化するようになっている。また、ロータ80は、回転軸付近において貫通されており、その貫通部にモータ等の回転角度の計測対象物を取り付けることができるようになっている。
【0029】
コネクタユニット60は、PBTやPPT等の絶縁性の樹脂からなり、輪状ステータ10の外方に突出するように設けられる。コネクタユニット60は、輪状ステータ10の外周部のうちのステータティース21付近の部分と接続される。そして、図2の上側の面を上面としたときに、コネクタユニット60の上面には、ピン保持面61と端線保持面62とを有する。ピン保持面61には、ステータ巻線50と電気的に接続される導電材からなるコネクタピン70が設けられる。より具体的には、励磁巻線51、出力巻線52、53の各端線55と接続する各コネクタピン71〜76が、ピン保持面61に、一列に配置されて設けられる。すなわち、図3に示すように、同図の紙面に向かって左から順番にコネクタピン71、コネクタピン72、コネクタピン73、コネクタピン74、コネクタピン75、コネクタピン76が配置される。
【0030】
端線55としての励磁巻線51の両端線51a、51b、第1相の出力巻線52の両端線52a、52b、第2相の出力巻線53の両端線53a、53bは、いずれもコネクタピン71〜76に近いステータティース21付近に引き出されている(図4、図5参照)。そして、励磁巻線51の両端線51a、51bのうち、一方が左端のコネクタピン71と接続され、他方が右端のコネクタピン76と接続される。また、第1相の出力巻線52の両端線52a、52bのうち、一方が左から2番目のコネクタピン72と接続され、他方が左から4番目のコネクタピン74と接続される。また、第2相の出力巻線53の両端線53a、53bのうち、一方が左から3番目のコネクタピン73と接続され、他方が右から2番目のコネクタピン75と接続される。なお、以下では、端線51a、51b、52a、52b、53a、53bを総括して言うときには、端線55と言う。
【0031】
そして、コネクタピン71、76から励磁巻線51に励磁信号が入力される。また、コネクタピン72、74から第1相の出力巻線52からの出力信号が出力される。また、コネクタピン73、75から第2相の出力巻線53からの出力信号が出力される。
【0032】
なお、コネクタユニット60は、コネクタピン70とは別に入出力ピン301が設けられており、実際は、その入出力ピン301からコネクタピン70に接続されたステータ巻線50に信号が入出力される。すなわち、入出力ピン301とコネクタピン70とは電気的に接続されている。本実施形態では、図3に示すように、4本の入出力ピン301が設けられる。これら4本の入出力ピン301のうち1本が、ロー側の信号線が接続されるピンとされ、具体的には、励磁巻線51、第1相の出力巻線52及び第2相の出力巻線53のロー側の信号線として共通に使用される信号線が接続されるピンとされる。残り3本の入出力ピン301は、それぞれ、励磁巻線51、第1相の出力巻線52及び第2相の出力巻線53のいずれかのハイ側の信号線が接続されるピンとされる。
【0033】
端線保持面62は、コネクタユニット60の上面のうち、ピン保持面61と輪状ステータ10との接続部との間の面とされ、各端線55を保持する面として機能する。なお、端線保持面62は、図2に示すように、輪状ステータ10の両端面やピン保持面61に対して斜めとなっている。また、コネクタユニット60の端線保持面62には、各端線55が変位するのを規制する複数の隆起部63が形成されている。この隆起部63を含む端線55の固定方法に関する事項については、本発明の特徴部分であるので、後に詳細に説明する。
【0034】
以上のような構成を有するレゾルバ1では、励磁巻線51に励磁信号が入力されることで、隣接するステータティース21〜28及びロータ80間でそれぞれ磁気回路が形成される。この際、ロータ80の回転角度に応じて、各ステータティース21〜28とロータ80との間のギャップパーミアンスが変化するので、各磁気回路に発生する磁束が変化する。また、出力巻線52、53の各ステータティース21〜28における巻回数及び巻回方向が調節されているので、出力巻線52、53から、ロータ80の回転に応じてSIN波状、COS波状に変化する出力信号を出力させることができる。よって、第1相の出力巻線52からの出力信号と第2相の出力巻線53からの出力信号に基づいて、ロータ80の回転角度の絶対値を一意に求めることができる。例えば、ロータ80をブラシレスモータの回転軸に固定することにより、そのブラシレスモータの回転角度を求めることができる。
【0035】
次に、本発明の特徴部分である、端線55の固定方法について説明する。ステータ巻線50の端線55は、張力が強すぎると熱応力によって切れてしまうおそれがあり、反対に張力が弱すぎると振動振幅が大きくなることによって切れてしまうおそれがある。そのため、端線55を程よい張力に保つ必要がある。本実施形態のレゾルバ1では、コネクタユニット60の端線保持面62にその一部が隆起した端線規制部としての隆起部63が形成されており、その隆起部63に端線55が掛けられている。つまり、隆起部63によって端線55が変位するのを規制して、端線55の張力が弱くなりすぎるのを防止している。また、端線55は、一定の弛みを付与された状態で隆起部63に掛かっている。つまり、端線55の張力が強くなりすぎるのを防止している。以下、詳細に説明する。
【0036】
図4、図5に示すように、端線保持面62には、隆起部63として、4つの隆起部631〜634が形成されている。これら隆起部631〜634は、コネクタユニット60の成形時に同時に形成される。そして、これら隆起部631〜634は、図5の平面視において、左から隆起部631、隆起部632、隆起部633、隆起部634となるように形成されている。一番左の隆起部631は、図5の平面視において、コネクタピン71、72の下辺りに形成されている。また、その隣の隆起部632は、コネクタピン73の下辺りに形成されている。また、その隣の隆起部633は、コネクタピン74の下辺りに形成されている。また、一番右の隆起部634は、コネクタピン75、76の下辺りに形成されている。
【0037】
また、各隆起部631〜634は、コネクタユニット60の幅方向(コネクタピン71〜76の配列方向)に一定の幅を有し、また、コネクタユニット60の長さ方向(コネクタピン71〜76から輪状ステータ10に向かう方向)にも一定の幅を有している。
【0038】
そして、励磁巻線51の一方の端線51aは、輪状ステータ10においてコネクタピン71よりの側(図4、図5におけるステータティース21の左側)から引き出され、一番左の隆起部631の左側面631bを経由してコネクタピン71に接続される。この際、端線51aが凸に張られて、凸を解消しようとする方向への変位を、隆起部631の左側面631bで規制している。
【0039】
また、励磁巻線51の他方の端線51bは、輪状ステータ10においてコネクタピン76よりの側(図4、図5におけるステータティース21の右側)から引き出され、一番右の隆起部634の右側面634aを経由してコネクタピン76に接続される。この際、端線51bが凸に張られて、凸を解消しようとする方向への変位を、隆起部634の右側面634aで規制している。
【0040】
第1相の出力巻線52の一方の端線52aは、輪状ステータ10においてコネクタピン72よりの側(図4、図5におけるステータティース21の左側)から引き出され、一番左の隆起部631の右側面631aを経由してコネクタピン72に接続される。この際、端線52aが凸に張られて、凸を解消しようとする方向への変位を、隆起部631の右側面631aで規制している。
【0041】
また、第1相の出力巻線52の他方の端線52bは、輪状ステータ10においてコネクタピン74よりの側(図4、図5におけるステータティース21の右側)から引き出され、隆起部633の右側面633aを経由してコネクタピン74に接続される。この際、端線52bが凸に張られて、凸を解消しようとする方向への変位を、隆起部633の右側面633aで規制している。
【0042】
第2相の出力巻線53の一方の端線53aは、輪状ステータ10においてコネクタピン73よりの側(図4、図5におけるステータティース21の右側)から引き出され、隆起部632の右側面632aを経由してコネクタピン73に接続される。この際、端線53aが凸に張られて、凸を解消しようとする方向への変位を、隆起部632の右側面632aで規制している。
【0043】
また、第2相の出力巻線53の他方の端線53bは、輪状ステータ10においてコネクタピン75よりの側(図4、図5におけるステータティース21の右側)から引き出され、一番右の隆起部634の右側面634aを経由してコネクタピン75に接続される。この際、端線53bが凸に張られて、凸を解消しようとする方向への変位を、隆起部634の右側面634aで規制している。
【0044】
このように、一番左の隆起部631は、2つの端線51a、52aの規制に兼用され、具体的には、両側面631a、631bがそれぞれの端線51a、52aの規制に用いられる。また、隆起部632は一つの端線53aの規制に用いられ、隆起部633は一つの端線52bの規制に用いられる。また、一番右の隆起部634は、2つの端線51b、53bの規制に兼用され、具体的には、右側面634aが両方の端線51b、53bの規制に用いられる。なお、隆起部631、634は、本発明の「兼用規制部」として機能する。
【0045】
また、隆起部63の各側面の横には、ピンが取り除かれた跡であるピン設置跡64が形成されている。具体的には、隆起部631の左側面631bの横にピン設置跡641が、隆起部631の右側面631aの横にピン設置跡642が、隆起部632の右側面632aの横にピン設置跡643が、隆起部633の右側面633aの横にピン設置跡644が、隆起部634の右側面634aの横にピン設置跡645が形成されている。また、これらピン設置跡641〜645は、平面視において、一部が隆起部63の各側面にめりこむ形で形成されている。
【0046】
そして、各端線55は、隆起部63の側面全部に接しているわけではなく、ピン設置跡64の周辺では隆起部63の側面と接していない部分がある。つまり、ピン設置跡641〜645に基づいて定まる分だけ、端線55は弛みを付与されて隆起部63の側面に掛かっている。
【0047】
端線55にどの程度の弛みを付与するか、換言すると、どの程度の張力に保つかは、隆起部63の位置、大きさ、形やピン設置跡64に設置されるピンの位置、大きさで決定することができる。ここで、図6は、コネクタピン70、隆起部63、端線55、ピン設置跡64の配置状態を例示した図であり、端線55が隆起部63とどのように掛かって、どのように弛みが付与されているかについての各種態様を示している。
【0048】
図6(a)では、端線55は、隆起部63の側面の端の2つの接点63a、63bと接している。つまり、隆起部63は、実質的にはその2つの接点63a、63bで、端線55を規制している。また、両接点63a、63bの間には、ピン設置跡64が形成されており、端線55は、そのピン設置跡64の外側を経由している。よって、端線55は、両接点63a、63b間において、ピン設置跡64の大きさの分だけ弛みが付与されている。
【0049】
また、図6(b)では、端線55は、隆起部63の側面の前領域63cと接している。つまり、隆起部63は、実質的にはその前領域63cで、端線55を規制している。また、ピン設置跡64は、隆起部63の側面の後領域63dの横に形成されており、端線55は、そのピン設置跡64の外側を経由している。よって、端線55は、後領域63dにおけるピン設置跡64の大きさの分だけ弛みが付与されている。
【0050】
また、図6(c)では、端線55は、隆起部63の側面の前領域63e及び後領域63fと接している。つまり、隆起部63は、実質的にはその前領域63e及び後領域63fで、端線55を規制している。また、ピン設置跡64は、前領域63eと後領域63fの間の中央領域63gの横に形成されており、端線55は、そのピン設置跡64の外側を経由している。よって、端線55は、中央領域63gにおけるピン設置跡64の大きさの分だけ弛みが付与されている。
【0051】
このように、端線55を固定する態様は種々考えられ、端線55に付与する張力等を考慮して、適宜、隆起部63の位置、形、大きさやピン設置跡64に設置するピンの位置、大きさを決定することができる。
【0052】
上記のように、各端線55は、ピン設置跡64に基づいて定まる分だけ弛みが付与された状態で、隆起部63に掛けられることになるが、以下、各端線55をコネクタピン70に接続するときの工程について説明する。ここで、図7は、その工程を示したフローチャートであり、図8は、図7の各工程の状況を示した図である。
【0053】
先ず、ステップS11では、コネクタユニット60を射出成形によって、輪状ステータ10と一体成形する。この際、図8(a)に示すように、各隆起部631〜634の側面に付帯するように、弛み付与手段としての中継ピン91〜95を形成する。すなわち、隆起部631の左側面631bの横に、左側面631bの一部にめりこむ形で中継ピン91を形成する。また、隆起部631の右側面631aの横に、右側面631aの一部にめりこむ形で中継ピン92を形成する。また、隆起部632の右側面632aの横に、右側面632aの一部にめりこむ形で中継ピン93を形成する。また、隆起部633の右側面633aの横に、右側面633aの一部にめりこむ形で中継ピン94を形成する。また、隆起部634の右側面634aの横に、右側面634aの一部にめりこむ形で中継ピン95を形成する。これら中継ピン91〜95は、その設置跡が上記の端線55に弛みを付与するためのピン設置跡64になるので、端線55に付与する弛みを考慮して、適宜、大きさや設置位置が定められる。なお、ステップS11が本発明の「ピン形成工程」に相当する。
【0054】
次に、ステップ12では、巻線機を用いて、励磁巻線51、出力巻線52、53をステータティース20に巻回するとともに、図8(b)に示すように、各端線55を中継ピン91〜95に経由させてコネクタピン70と接続する。具体的には、例えば、励磁巻線51については、一番左のコネクタピン71から巻回を開始して、端線51aを隆起部631の左側面631bを経由させつつ、その横にある中継ピン91を経由させる。その後、各ステータティース21〜28に順次巻回していく。その後、他方の端線51bを、一番右の隆起部634の右側面634aを経由させつつ、その横にある中継ピン95を経由させて、一番右のコネクタピン76に接続する。
【0055】
また、第1相の出力巻線52については、例えば、左から2番目のコネクタピン72から巻回を開始して、端線52aを隆起部631の右側面631aを経由させつつ、その横にある中継ピン92を経由させる。その後、各ステータティース21〜28に順次巻回していく。その後、他方の端線52bを、右から2番目の隆起部633の右側面633aを経由させつつ、その横にある中継ピン94を経由させて、左から4番目のコネクタピン74に接続する。
【0056】
また、第2相の出力巻線53については、例えば、左から3番目のコネクタピン73から巻回を開始して、端線53aを隆起部632の右側面632aを経由させつつ、その横にある中継ピン93を経由させる。その後、各ステータティース21〜28に順次巻回していく。その後、他方の端線53bを、一番右の隆起部634の右側面634aを経由させつつ、その横にある中継ピン95を経由させて、右から2番目のコネクタピン75に接続する。なお、ステップS12が本発明の「接続工程」に相当する。
【0057】
次に、ステップS13では、各中継ピン91〜95を取り除く。これは、例えば、専用の機械によって、各中継ピン91〜95を根本から折ったり、又は端線保持面62から引き抜いたりすればよい。これにより、図4、図5のように、各端線51a、51b、52a、52b、53a、53bは、中継ピン91〜95のピン設置跡641〜645の分だけ、弛みが付与された状態で各隆起部631〜634に掛けられることになる。なお、ステップS13が本発明の「除去工程」に相当する。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のレゾルバ1では、ステータ巻線50の端線55が、隆起部63に掛けられて変位するのを規制されているので、張力が弱くなりすぎることを防止できる。また、その端線55は、中継ピン91〜95の分だけ弛みが付与された状態で、隆起部63に掛けられているので、張力が強すぎることで熱応力等によって切れてしまうのを防止できる。そして、ワニスを用いていないので、コスト軽減等を図ることができる。
【0059】
また、端線55が隆起部63に掛けられた状態で、ステータ巻線50を巻回することができるので、ステータ巻線50の弛みを最小限にすることができる。よって、ステータ巻線の巻回精度を向上することができる。
【0060】
なお、本発明に係る回転角検出装置としてのレゾルバ及びその製造方法は、上記実施形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々変形することができる。以下、変形例を説明する。
【0061】
(変形例1)
上記実施形態では、図4、図5の一番左の隆起部631や一番右の隆起部634のように、2以上の端線に掛けられる兼用の隆起部を用いていたが、図9に示すように、各端線51a、51b、52a、52b、53a、53bごとの隆起部651〜656を設けるようにしてもよい。この場合、例えば、各端線51a、51b、52a、52b、53a、53bが接続されるコネクタピン71〜76の下辺りに各隆起部651〜656が形成される。そして、各隆起部651〜656の横にはピン設置跡661〜666が形成されており、各端線51a、51b、52a、52b、53a、53bは、そのピン設置跡661〜666の分だけ弛みが付与された状態で、各隆起部651〜656に掛けられる。
【0062】
(変形例2)
上記実施形態では、コネクタユニット60の端線保持面62の一部が隆起した隆起部63によって、端線55の変位を規制していたが、隆起部63の代わりにピン(以下、規制ピンと言う。)で端線55の変位を規制してもよい。ここで、図10は、規制ピンでの規制の方法を説明するための図であり、コネクタピン70、端線55、規制ピン101a、101b、ピン設置跡667の設置状態を示している。図10に示すように、2つの規制ピン101a、101bが設置されており、端線55は、それら規制ピン101a、101bを経由してコネクタピン70に接続される。すなわち、端線55は、規制ピン101a、101bの2点で、その変位が規制されている。また、それら規制ピン101a、101bの間には、ピン設置跡667が形成されている。そして、端線55は、そのピン設置跡667の外側を経由している。すなわち、ピン設置跡667の分だけ、弛みが付与されている。
【0063】
なお、規制ピンの個数や配置位置は2個に限られるわけではなく、端線55をどの位置で固定し、どの程度の張力を付与させるかによって、適宜定めることができる。同様に、ピン設置跡667の形成位置、大きさも適宜定めることができる。
【0064】
(その他の変形例)
また、上記実施形態では、輪状ステータの内側にロータが設けられたインナーロータ型のレゾルバについて説明したが、輪状ステータの外側にロータが設けられたアウターロータ型のレゾルバにも適用できる。また、上記実施形態では、ステータティースが輪状ステータの内方(半径方向)に向いたレゾルバについて説明したが、ステータティースが軸方向(スラスト方向)に向いたレゾルバにも適用できる。
【0065】
また、上記実施形態では、コネクタユニット60に設けられた入出力ピン301が4本であるとして説明したが(図5参照)、図11に示すように、6本であるとしてもよい。なお、図11において、上記実施形態と変更がない部品には同じ符号を付している。すなわち、図11において、コネクタユニット60には、6本の入出力ピン302が設けられる。これら入出力ピン302は、上記と同様に、ステータ巻線50に対して信号を入出力するためのピンである。具体的には、6本の入出力ピン302のうちの2本が、励磁巻線51に励磁信号を入力するためのピンとされる。また、別の2本の入出力ピン302が、第1相の出力巻線52からの出力信号を取り出すためのピンとされる。残り2本の入出力ピン302が、第2相の出力巻線53からの出力信号を取り出すためのピンとされる。
【0066】
(第二実施形態)
上記実施形態ではレゾルバに本発明を適用した例について説明したが、回転同期装置としてのシンクロに本発明を適用してもよい。このシンクロは、ステータとロータとステータティースに巻回されたステータ巻線(励磁巻線、出力巻線)とコネクタピンが設けられるコネクタユニットとを備えており、その出力巻線から、ロータの回転に応じて変化する正弦波信号を出力する点で、レゾルバと同じである。また、シンクロは、3相分の出力巻線がステータティースに巻回され、各出力巻線から出力される出力信号が、互いに位相角が120度ずれている点で、レゾルバと異なっている。このように、シンクロは、ステータ巻線の巻線構造以外はレゾルバと同じと考えることができるので、上記実施形態はそのままシンクロにも適用することができる。すなわち、コネクタユニットに隆起部を設けて、ステータ巻線の端線をその隆起部に掛けることで、その端線を程よい張力に保つことができる。
【0067】
ここで、図12は、シンクロの用途例を示した図である。シンクロは、図12に示すように、主に、複数の機器間でそれらの運転を同期させるために用いられ、一般的に、同じ構造のシンクロ発信機とシンクロ受信機のセットで用いられる。具体的には、図12において、シンクロとしてのシンクロ発信機702は、その回転軸701が、一方の機器(発信側の機器、図示外)の運転にしたがって回転するように設けられる。そのシンクロ発信機702は、接続された機器の回転角に応じて変化する第1相〜第3相の信号(正弦波信号)を出力する。また、同様に、シンクロとしてのシンクロ受信機703は、その回転軸704が他方の機器(受信側の機器、図示外)の運転にしたがって回転するように設けられる。そのシンクロ受信機703は、接続された機器の回転角に応じて変化する第1相〜第3相の信号(正弦波信号)を出力する。そして、これらシンクロ発信機702とシンクロ受信機703の各相が接続される。これらの動作について、(1)シンクロ発信機702とシンクロ受信機703でロータの位置が異なると、それらの間で電位差が生じ、各相に電流が流れる。(2)その電流によって、シンクロ受信機703のロータが回転する。すなわち、トルクが発生する。(3)シンクロ受信機703のロータ(回転軸704)の回転にともなって、それに接続された受信側の機器が回転される。(4)シンクロ受信機703のロータの位置がシンクロ発信機702のロータの位置と同じになると、各相に電流が流れなくなる。(5)電流が流れなくなると、シンクロ受信機703のロータの回転が停止される。よって、シンクロ発信機702とシンクロ受信機703のロータの位置が同じ、つまり発信側の機器と受信側に機器の運転が同期される。このように、レゾルバと同様に、ロータの回転に応じて変化する正弦波信号を出力するシンクロ発信機及びシンクロ受信機に対して本発明を適用しても、ステータ巻線の端線を程よい張力に保つことができるので、好適である。
【符号の説明】
【0068】
1 レゾルバ(回転角検出装置)
10 輪状ステータ(ステータ)
20、21〜28 ステータティース
30 輪状絶縁カバー
35 ボビン体
50、51〜53 ステータ巻線
55、51a、51b、52a、52b、53a、53b 端線
60 コネクタユニット
61 ピン保持面
62 端線保持面
63、631〜634、651〜656 隆起部(端線規制部)
64、641〜645、661〜666 ピン設置跡
70、71〜76 コネクタピン
80 ロータ
91〜95 中継ピン(弛み付与手段)
S11 ピン形成工程
S12 接続工程
S13 除去工程
702 シンクロ発信機(シンクロ、回転同期装置)
703 シンクロ受信機(シンクロ、回転同期装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータティースが形成されたステータと、
そのステータに対して回転可能に設けられたロータと、
前記ステータティースに巻回されるステータ巻線と、
巻回された前記ステータ巻線から引き出された導線である端線を介して前記ステータ巻線と電気的に接続されるコネクタピンと、そのコネクタピンに接続されるまでの間において前記端線を保持する端線保持面と、が形成されたコネクタユニットと、を備える回転角検出又は回転同期装置において、
前記コネクタユニットは、前記端線保持面において、前記端線に掛けられて前記端線が変位するのを規制する端線規制部を備え、
前記端線は、前記端線に一定の弛みを付与する弛み付与手段によって一定の弛みを付与された状態で、前記端線規制部に掛けられることを特徴とする回転角検出又は回転同期装置。
【請求項2】
前記弛み付与手段は、前記コネクタピンと前記端線とが接続される際に前記端線規制部に付帯して設けられる中継ピンであって、その接続の際に前記端線規制部に代えて前記端線に掛けられ接続後に取り除かれる中継ピンであることを特徴とする請求項1に記載の回転角検出又は回転同期装置。
【請求項3】
前記端線規制部は、前記端線保持面の一部が隆起した隆起部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転角検出又は回転同期装置。
【請求項4】
前記端線規制部は、前記端線保持面に設けられた規制ピンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転角検出又は回転同期装置。
【請求項5】
前記ステータ巻線は複数組の巻線からなり、
前記端線規制部は、各巻線の前記端線ごとに設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転角検出又は回転同期装置。
【請求項6】
前記ステータ巻線は複数組の巻線からなり、
前記端線規制部は、二以上の前記端線に掛けられる兼用規制部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転角検出又は回転同期装置。
【請求項7】
前記ステータ巻線は、その弛みが、前記端線が前記端線規制部に掛けられない場合の弛みよりも小さくされたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転角検出又は回転同期装置。
【請求項8】
ステータティースが形成されたステータと、
そのステータに対して回転可能に設けられたロータと、
前記ステータティースに巻回されるステータ巻線と、
巻回された前記ステータ巻線から引き出された導線である端線を介して前記ステータ巻線と電気的に接続されるコネクタピンと、そのコネクタピンに接続されるまでの間において前記端線を保持する端線保持面と、が形成されたコネクタユニットと、
前記端線保持面において、前記端線に掛けられて前記端線が変位するのを規制する端線規制部と、を備える回転角検出又は回転同期装置の製造方法であって、
前記端線規制部に付帯した中継ピンを形成するピン形成工程と、
前記端線規制部に代えて前記中継ピンに前記端線を掛けて、前記コネクタピンと前記端線とを接続する接続工程と、
その接続工程による接続後に、前記中継ピンを取り除く除去工程と、を含むことを特徴とする回転角検出又は回転同期装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−232209(P2011−232209A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103485(P2010−103485)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)
【Fターム(参考)】