説明

回転駆動装置を用いたロボットマニプレータ

2自由度の位置決めマニプレータ装置を提供する。前記装置は、第1従動軸線の周りで回転可能な第1従動部材と、前記従動軸線の周りで前記第1従動部材を回転させるために前記第1従動部材に連結される第1駆動部材と、前記第1従動部材に固定して接続されたリンク部材と、を含む。
前記装置は、第2従動軸線の周りを回転するために前記リンク部材に回転可能に取り付けられた第2従動部材と、前記第2従動軸線は前記第1従動軸線と概ね並行であり、前記第2従動軸線の周りで前記第2従動部材を回転させるために駆動点において前記第2従動部材に連結される第2駆動部材とを更に含む。
前記駆動点は前記第1従動軸線と概ね一致する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は米国特許法119条に基づいて2007年5月10日に出願された米国仮出願番号60/917,079による優先権を主張し、前記仮出願の全ての開示はここに参照として組み込まれる。
【0002】
本発明は2自由度の位置決めマニプレータ装置(positioning and manipulating apparatus:位置決め操作装置)に関するものであり、同様に、3自由度の同装置にも関する。より具体的には、本発明は回転駆動装置で構成される2自由度および3自由度のマニプレータ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許番号5,429,015および5,553,509の全ての開示は参照としてここに組み込まれ、前記2件の米国特許は、より小さな質量、より小さな慣性、より小さな摩擦、および、継手のより小さな粗さを実現する回転駆動装置で構成される2または3自由度のマニプレータ装置を開示する。図1は米国特許5,429,015に記載された2自由度装置の構造を示す。このような構造は構成要素の減少を特徴とし、利用される型は最小限の部品で組立が容易である。さらに、固定モータから連続チェーンにおける第2リンクに動力を伝達する補助の動力伝達部品が不要である。前記回転駆動装置は回転を非常にスムーズにする。さらに、移動部材がモータを運ぶ必要がないため、移動部材が軽くなり、かつ、剛性が増す。小さな摩擦、小さな慣性およびスムーズな可動が、素早く、正確で、かつ、組み立てるのに経済的な2自由度のマニプレータ装置を実現させる。
【0004】
図2は米国特許5,553,509に記載された3自由度を有する装置を示す。前記装置は、2自由度の構造に対し垂直に第3回転駆動装置を取り付けることで、理想的な構造の単純化、小さな摩擦および小さな慣性を維持している。非常に大きな2自由度のマニプレータ装置の複数の駆動モータは第3駆動の回転軸線に沿って配置されており、慣性の不利を最小限にしている。
【0005】
密着したはめ込み構造または表面処理において要求されるように、マニプレータ装置の周辺環境との相互作用の順応性のためにマニプレータ装置が小さな慣性および小さな抵抗でエンドエフェクタ(end-effector)を制御することが重要である。したがって、摩擦、慣性および質量などが小さい複数の自由度のマニプレータ装置の技術について大きなニーズがある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、速くて正確な動作を行い、かつ、エンドエフェクタに加えられた外力に対し動的に反応する2または3自由度のマニプレータ装置を設けることによる欠点に対応する。
【0007】
より具体的には、本発明は構成要素の数およびサイズを減少し、構造的剛性を増大させ、移動部材の慣性を減少させ、必要となるモータトルクの数を減少させる。
【0008】
2自由度の機械的マニプレータ装置は主に回転駆動装置で構成される。前記回転駆動装置は、より大きな直径を有する円筒状の従動部材に連結されるより小さな直径を有する円筒状の駆動部材からなる。従動部材の部分的な回転のみが要求されるため、部分的に円形で構成されてよく、第2回転駆動装置が接続リンクを通じて第1回転駆動装置からオフセットされて平行に取り付けられることが可能となる。前記第2回転駆動装置の駆動部材の回転軸線が前記第1回転駆動装置の従動部材の回転軸線と一致する状態で第2回転駆動装置の駆動部材は配置される。
【0009】
このような配置は移動部材の質量および慣性を減少させ、より高性能を実現する。縦割り陳列において、前記第1従動部材の真上に第2従動部材がある状態で、第1従動部材は第2従動部材に対する部分的な釣り合いおもり(counterweight)としての役割を果たし、必要なモータトルクの数を減少させる。前記マニプレータ装置は、従来のデザインに比べ、よりコンパクトであり、より構造的に剛性があり、より質量が小さく、かつ、より慣性が小さい。
【0010】
2自由度のマニプレータ装置は、追加の回転従動部材を垂直に取り付けることによって3自由度にすることができる。モータの質量中心が垂直の回転軸線に概ね沿った状態で2自由度機構に動力を供給するモータが取り付けられる。2自由度機構の質量中心は前記垂直回転軸線に接近して配置される。前記マニプレータ装置は、よりコンパクトで、より構造的に剛性が大きく、より質量が小さく、かつ、より慣性が小さい。したがって、高性能が実現される。
【0011】
移動部材の摩擦および慣性が小さいので、本装置は所望の測定ポイントにエンドエフェクタを接触させるために手動で位置づけられることが可能である。そして、関節位置を調べることにより前記ポイントの位置が計算される。このタイプの装置はCoordinate Measuring Machine(CMM)として知られており、その機能はモータの変わりに角度測定センサを設けることにより達成される。
【0012】
本発明のある態様によると、2自由度の位置決めマニプレータ装置が提供される。前記装置は第1従動軸線の周りにおいて回転可能な第1従動部材と、前記第1従動軸線の周りに前記第1従動部材を回転させるために前記第1従動部材に連結される第1駆動部材と、前記第1従動部材に固定して接続されるリンク部材と、を含む。前記装置は、前記第1従動軸線と概ね平行である第2従動軸線の周りを回転するために前記リンク部材に回転可能に取り付けられた第2従動部材と、前記第2従動軸線の周りに前記第2従動部材を回転させるために駆動点において前記第2従動部材に連結される第2駆動部材と、を更に含む。前記駆動点は前記第1従動軸線と一致する。
【0013】
本発明の別の態様によると、前記第1従動部材は概ね円筒形のセクタであり、前記第2従動部材は概ね円筒形または円筒形のセクタを含む。
【0014】
本発明の別の態様によると、前記第1従動軸線および第2従動軸線はオフセットされ概ね平行である。
【0015】
他の態様によると、前記第1および第2駆動部材は、それぞれ、第1および第2の機械的な回転動力源(rotary power source)から回転入力を受ける。
【0016】
更に別の態様によると、前記装置は、固定された基準フレーム(fixed reference frame)を含み、前記第1の機械的な回転動力源は前記基準フレームに固定して取り付けられる。
【0017】
更に別の態様によると、前記第2の機械的な回転動力源は前記第1従動部材の回転に対して固定して取り付けられる。
【0018】
更に別の態様によると、前記第2回転動力源の回転する構成要素は前記第1従動部材の回転に対して前記固定された基準フレームに回転可能に取り付けられる。
【0019】
別の態様によると、前記装置は前記第2従動部材に固定されたアームを含む。
【0020】
別の態様によると、前記第1駆動部材は第1ケーブル手段(cable means)を通じて前記第1従動部材と連結しており、前記第2駆動部材は第2ケーブル手段を通じて前記第2従動部材と連結している。
【0021】
別の態様によると、前記第1および第2駆動部材は、それぞれ、第1および第2の機械的な回転動力源(rotary power source)から回転入力を受ける。
【0022】
別の態様によると、前記装置は固定された基準フレーム(fixed reference frame)を含み、ここにおいて、前記第1および第2回転動力源の回転する構成要素は前記第1従動部材の回転に対し前記基準フレームに回転可能に取り付けられる。
【0023】
別の態様によると、2自由度の測定装置が提供される。前記装置は概ね円筒形状の第1従動部材と概ね円筒形状の第1駆動部材とを有する第1回転駆動装置を含み、前記第1駆動部材は第1駆動軸線の周りを回転可能であり、かつ、前記第1従動部材に連結されている。ここにおいて、前記第1駆動部材の回転が前記第1従動部材を第1従動軸線の周りに回転させる。前記第1駆動部材と第1従動部材は概ね平行である。前記装置は、概ね円筒状の第2従動部材と概ね円筒状または扇形の筒状である第2駆動部材とを有する第2回転駆動装置を含む。前記第2駆動部材は第2駆動軸線の周りを回転可能であり、かつ、前記第2従動部材に連結されている。ここにおいて、前記第2駆動部材の回転が前記第2従動部材を第2従動軸線の周りに回転させる。前記第2駆動軸線および第2従動軸線は概ね平行である。前記第2駆動部材は前記第1駆動部材に固定されたリンクに回転可能に取り付けられ、前記第2駆動軸線の周りを回転する。前記第1駆動軸線および第2駆動軸線はオフセットされており、概ね平行である。前記第2従動軸線は前記第1駆動軸線と概ね一致する。前記装置は、前記第1従動部材に連結された第1測定手段と、前記第2従動部材に連結された第2測定手段とを更に含む。
【0024】
別の態様によると、3自由度の位置決めマニプレータ装置は、第3従動軸線の周りを回転可能な第3従動部材と、前記第3従動部材に連結され前記第3従動軸線の周りに前記第3従動部材を回転させる第3駆動部材と、前記第3従動部材に取り付けられる前述した2自由度の位置決めマニプレータ装置とを含む。前記第1および第2従動軸線の回転軸線は前記第3従動部材の回転軸線に対し概ね垂直である。
【0025】
別の態様によると、前記第3従動部材は概ね円筒形または円筒形のセクタを含む。
【0026】
別の態様によると、前記第3駆動部材はケーブル手段を通じて前記第3従動部材に連結されている。
【0027】
また、別の態様によると、第1、第2および第3駆動軸線は、それぞれ、機械的な回転動力源から回転入力を受け、前記第3従動軸線は第2および第3駆動軸線の回転動力源の本体を通過する。
【0028】
別の態様によると、3自由度の測定装置は第1回転駆動装置を含み、前記第1回転駆動装置は、概ね円筒状または扇形の筒状である第1駆動部材と、概ね円筒状の第1従動部材とを有する。前記第1駆動部材は第1駆動軸線の周りに回転可能であり、前記第1従動部材に連結されている。ここにおいて、前記第1駆動部材の回転が前記第1従動部材を第1従動軸線の周りに回転させる。前記第1駆動軸線および第1従動軸線は概ね平行である。前記装置は、前述した2自由度の測定装置を更に含み、前記2自由度の測定装置は前記駆動部材に固定して接続される。ここにおいて、前記駆動部材の回転軸線は、前記2自由度の測定装置における回転駆動部材の回転軸線に概ね平行である。測定手段は前記第1従動部材に連結されている。
【0029】
前述した目的および関連する目的を達成するために、本発明は以下で詳細に述べられ、かつ、特許請求の範囲で具体的に指摘される特徴を備える。以下の記述および付属の図面は本発明の説明に役立つ実施例を詳細に説明する。しかし、これらの実施例は本発明の原理が採用され得る方法のうちの幾つかを記載したに過ぎない。本発明についての異なる要素(object)、有利な効果および新規な特徴は、図面を併せて考慮した場合、本発明の以下の詳細な記述から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は先行技術である高性能な2自由度のマニプレータ装置である。
【図2】図2は先行技術である高性能な3自由度のマニプレータ装置の斜視図である。
【図3】図3は本発明の2自由度のマニプレータ装置の斜視図である。
【図4】図4は本発明の図3のマニプレータ装置の平面図である。
【図5】図5は本発明の図4のマニプレータ装置の断面図である。
【図6】図6は本発明の3自由度のマニプレータ装置の斜視図である。
【図7】図7は図6のマニプレータ装置においてアームの姿勢が異なる状態を示す斜視図である。
【図8】図8は図6の3自由度のマニプレータ装置の側面図である。
【図9】図9は図8の3自由度のマニプレータ装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に示す2自由度のマニプレータ装置の構造および利益は関連する米国特許番号5,429,015に記載されている。構成要素の減少および単純化により、当該2自由度の構造は高性能、かつ、経済的な構造を提供する。従動ドラムの動きに対してモータが移動せず、したがって、急速な加速を実現するために大きなモータを使用しても性能が低下しない。移動部材へのモータトルクの伝達において、ベルト、チェーンまたはリンク部材が不要である。別個の伝達削減構造が不要である。モータから被制御出力ポイントまでの短い構造的距離は競合のデザインと比べ、より早い加速、より正確な位置決め、および、より正確な力およびトルクを可能にする。このデザインは、素早く、かつ、正確な水平移動が要求されるSCARA(selective compliance articulated robot arm)のような産業ロボットに、より好適に適用される。
【0032】
図3〜図5は、本発明の一実施例における水平多関節ロボットアーム(SCARA)を示す。駆動モータ50は固定されたスタンド部材5に取り付けられる。前記駆動モータ50は円筒状の駆動キャプスタン10を回転させる。キャプスタン10はケーブル22によって従動ドラム20に連結される。ドラム20がキャプスタン10より大きな直径を有することでモータ50にとって機械的アドバンテージが生じる。この回転駆動装置は、Sagebrush Technology, Incの商標ROTO-LOKにより知られている。先行技術の図1における従動ドラムと異なり、前記ドラム20は完全な円形ではなく、好ましくは、完全な円形の半分よりも小さいセクタ(扇形)である。弧の長さは、達成可能な、または、必要なロボット関節の回転範囲を満たすのに十分な長さが必要である。必要な長さだけ弧の長さを有するドラム20は質量および慣性を小さくする。また、第2リンクの取り付けに関する改良を可能にする。
【0033】
図3〜図5において、ドラム20はハブ65に固定されている。キャプスタン30は前記ハブ65の内側にあり、かつ、ハブ65と同心のベアリングに取り付けられる。キャプスタン30はモータ60によって駆動され、ケーブル67を通じてドラム40に連結される。ハブ65において細長い穴(slot)が形成され、ドラム40のための空間を提供し、かつ、ケーブル67が内側に取り付けられたキャプスタン30を通過することを可能にする。ハブ65は、ドラム20およびキャプスタン30の支持と構成要素の数および質量の最小化という二重の目的を果たす。
【0034】
図1に示す先行技術の構造において、遠位に取り付けられたドラム40は近位に取り付けられたドラム20と半径方向および軸線方向においてオフセットしている。図3〜図5に示すように、本発明においてドラム20は一部が欠けた円筒となるように構成されているため、ドラム40はドラム20に対し半径方向のみにおいてオフセットして設けられている。これにより固定スタンド5からドラム40までの距離が短くなり、支持構造の剛性を大きくし、かつ、支持構造の質量を小さくする。
【0035】
ドラム40はシャフト45を通じてリンク部材70に回転可能に取り付けられている。リンク部材70はモータ60に固定して取り付けられている。モータ60は固定構造のフレーム部材5に取り付けられ、回転するために潤滑される。ハブ65はモータ60に同軸線で固定される。したがって、ドラム20、キャプスタン30およびモータ60は共通の回転軸線を共有する。
【0036】
モータ50がドラム20を回転させる場合、リンク70、ドラム40、モータ60およびキャプスタン30は前記共通の回転軸線の周りを旋回する。したがって、モータ60はドラム20の姿勢から独立してドラム40を駆動させることができる。リンク部材80はエンドエフェクタまたは道具を取り付けるためにドラム40の周囲に固定される。
【0037】
先行技術に対するこれらの改良は、より小さな質量、より少ない構成要素、および構成要素におけるより小さな曲げ(less bending)を持つ2自由度のマニプレータ装置を作り出す。比較的大きなモータを固定された部材に取り付けることにより慣性を最小限にするという先行技術の利益は保ちつつ、トルクを遠位のリンクに伝達するために予備の動力伝達要素を使用する際の質量、摩擦、粗さの問題を回避する。移動部材は軽量の部材で組み立てられることができ、さらに、急な移動および正確な位置決めを支持するために十分な剛性を有することができる。
【0038】
この構成は、図6〜図9に示すように、第3回転駆動装置を取り付けることによって、3自由度に拡張することができる。この配置において、2自由度の構造における遠位のリンクはSCARAにおける回転ほどの回転は必要でなく、したがって、質量および慣性を最小限にするために部分的に円形の扇形で形成されている。
【0039】
図6〜図9に示す3自由度のマニプレータ装置において、構成要素10,20,22,30,40,45,50,60,65,67,70および80は図3〜図5の2自由度の構造において説明された各構成要素と同一の機能を有する。
【0040】
原理の違いは、固定された構造フレーム部材5に組立要素が取り付けられる代わりに、ブラケット72,75を通じて垂直なシャフト95に取り付けられている(図9)。シャフト95は固定された支持部材5に取り付けられ、回転するために潤滑される。さらに、ドラム90がシャフト95に固定されている。ドラム90はドラム20と同様、一部が欠けた円筒状として形成されており、モータ55により駆動される。より具体的には、キャプスタン85はモータ55により駆動されており、かつ、前述した別の構造と同様、ケーブル87を通じてドラム90に連結されている。ドラム90が駆動されることで、シャフト95および2自由度構造をシャフト95の軸線の周りに回転させる。
【0041】
2自由度構造のモータ50,60はシャフト95の回転軸線に直交して配置されており、慣性を最小限にしている。また、図6および図7に示すようにシャフト95の回転軸線が垂直に向いている場合、ドラム20は遠位のリンクへの部分的な釣り合いおもりとして作用する。これによりモータ50に必要なトルクを減少させ、重力を相殺する。これにより、有効なマニプレータ装置の態様のために、より多くのトルクが使用可能になり、または、より小さな慣性および反応の向上のためにより小さなモータが使用可能となる。
【0042】
図2の先行技術と比べると、本3自由度の装置は移動要素の質量を減らし、慣性をさらに減少させるために前記移動要素を垂直の回転軸線に近づけて配置する。支持部材の長さは短くなっており、構造的剛性および捻り剛性を増大させる。ロボットのエンドエフェクタから固定された支持部材までの機械的経路は短くなっており、ロボットの剛性および正確性を向上させる。モータには、より少ないトルクが要求される。
【0043】
これらの改良は先行技術の利点、すなわち、長さの短い3自由度の装置と伝達における削減を行いながら各ジョイントが直接的に駆動されることとを維持しながら達成される。経済的なパッケージにおいて、小さな慣性およびスムーズかつ摩擦が小さい動きを持つ実用レベルの力の出力が達成される。
【0044】
図3〜図5の2自由度の装置および図6〜図9の3自由度の装置はいずれも、モータ50,60(3自由度の装置の場合は更にモータ55)を角度測定センサに取り替えることにより測定装置を適合させることで実行することができる。精密測定器が部材80の端部に取り付けられ、オペレータは前記測定器を手動で所望のポイントへ導く。前記ポイントの調整は関節の角度から計算される。
【0045】
本発明のある好ましい実施例について記載または図示したが、本明細書を理解することによって同等の内容または改良したものを当業者が考え付くことは明らかである。本発明はそのような同等の内容または改良したものを含み、かつ、クレームの範囲内においてのみ制限される。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
2自由度の位置決めマニプレータ装置であって:
第1従動軸線の周りにおいて回転可能な第1従動部材と;
前記第1従動軸線の周りに前記第1従動部材を回転させるために前記第1従動部材に連結される第1駆動部材と;
前記第1従動部材に固定して接続されるリンク部材と;
前記第1従動軸線と概ね平行である第2従動軸線の周りを回転するために前記リンク部材に回転可能に取り付けられた第2従動部材と;
前記第2従動軸線の周りに前記第2従動部材を回転させるために駆動点において前記第2従動部材に連結される第2駆動部材と、を備え、
ここにおいて、前記駆動点は前記第1従動軸線と概ね一致する。
【請求項2】
請求項1に記載の位置決めマニプレータ装置であって、前記第1従動部材は概ね円筒形のセクタであり;
前記第2従動部材は概ね円筒形または円筒形のセクタを備える。
【請求項3】
請求項2に記載の位置決めマニプレータ装置であって、前記第1従動軸線と第2従動軸線とはオフセットされて概ね平行である。
【請求項4】
請求項1に記載の位置決めマニプレータ装置であって、前記第1および第2駆動部材は、それぞれ、第1および第2の機械的な回転動力源から回転入力を受ける。
【請求項5】
請求項4に記載の位置決めマニプレータ装置であって、固定された基準フレームを更に含み、ここにおいて、前記第1の機械的な回転動力源は前記基準フレームに固定して取り付けられる。
【請求項6】
請求項5に記載の位置決めマニプレータ装置であって、前記第2の機械的な回転動力源は前記第1従動部材の回転に対して固定して取り付けられる。
【請求項7】
請求項5に記載の位置決めマニプレータ装置であって、前記第2の機械的な回転動力源の回転する構成要素は前記第1従動部材の回転に対して固定された前記基準フレームに回転可能に取り付けられる。
【請求項8】
請求項4に記載の位置決めマニプレータ装置であって、前記第2従動部材に固定されたアームを更に備える。
【請求項9】
請求項2に記載の位置決めマニプレータ装置であって、前記第1駆動部材は第1ケーブル手段により前記第1従動部材と連結しており、前記第2駆動部材は第2ケーブル手段により前記第2従動部材と連結している。
【請求項10】
請求項9に記載の位置決めマニプレータ装置であって、前記第1および第2駆動部材は、それぞれ、第1および第2の機械的な回転動力源から回転入力を受ける。
【請求項11】
請求項10に記載の位置決めマニプレータ装置であって、前記装置は固定された基準フレームを更に含み、ここにおいて、前記第1および第2の機械的な回転動力源の回転する構成要素は前記第1従動部材の回転に対し固定された前記基準フレームに回転可能に取り付けられる。
【請求項12】
2自由度の測定装置であって:
概ね円筒状の第1従動部材と概ね扇形の筒状の第1駆動部材とを備える第1回転駆動装置を備え、前記第1駆動部材は第1駆動軸線の周りを回転可能であり、かつ、前記第1従動部材に連結されており、ここにおいて、前記第1駆動部材の回転が前記第1従動部材を第1従動軸線の周りに回転させ、前記第1駆動部材と第1従動部材とは概ね平行であり;
概ね円筒状の第2従動部材と概ね円筒状または扇形の筒状である第2駆動部材とを備える第2回転駆動装置を備え、前記第2駆動部材は第2駆動軸線の周りを回転可能であり、かつ、前記第2従動部材に連結されており、ここにおいて、前記第2駆動部材の回転が前記第2従動部材を第2従動軸線の周りに回転させ、前記第2駆動軸線と第2従動軸線とは概ね平行であり、
ここにおいて、前記第2駆動部材は、前記第2駆動軸線の周りを回転するために、前記第1駆動部材に固定されたリンクに回転可能に取り付けられ、前記第1駆動軸線と第2駆動軸線とはオフセットされており、概ね平行であり、前記第2従動軸線は前記第1駆動軸線と概ね一致し;
前記第1従動部材に連結された第1測定手段と;
前記第2従動部材に連結された第2測定手段と、を備える。
【請求項13】
3自由度の位置決めマニプレータ装置であって:
第3従動軸線の周りを回転可能な第3従動部材と;
前記第3従動部材に連結され前記第3従動軸線の周りに前記第3従動部材を回転させる第3駆動部材と;
前記第3従動部材に取り付けられる請求項1の装置と、を備え;
ここにおいて、前記第1および第2従動軸線の回転軸線は前記第3従動部材の回転軸線に対し概ね垂直である。
【請求項14】
請求項16に記載の位置決めマニプレータ装置であって、前記第3従動部材は概ね円筒形または円筒形のセクタを備える。
【請求項15】
請求項17に記載の位置決めマニプレータ装置であって、前記第3駆動部材はケーブル手段により前記第3従動部材に連結されている。
【請求項16】
請求項16に記載の位置決めマニプレータ装置であって、第1、第2および第3駆動軸線は、それぞれ、第1、第2および第3の機械的な回転動力源から回転入力を受け、前記第3従動軸線は第2および第3駆動軸線の回転動力源の本体を通過する。
【請求項17】
3自由度の測定装置であって:
第1回転駆動装置と、
前記第1回転駆動装置は、概ね円筒状または扇形の筒状である第1駆動部材と、概ね円筒状の第1従動部材とを備え、前記第1駆動部材は第1駆動軸線の周りに回転可能であり、前記第1従動部材に連結されており、ここにおいて、前記第1駆動部材の回転が前記第1従動部材を第1従動軸線の周りに回転させ、前記第1駆動軸線と第1従動軸線とは概ね平行であり;
請求項13の2自由度の測定装置と、を備え;
ここにおいて、前記2自由度の測定装置は前記駆動部材に固定して接続され、これにより、前記駆動部材の回転軸線は、前記2自由度の測定装置における回転駆動部材の回転軸線に概ね平行であり、
測定手段が前記第1従動部材に連結されている。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−526676(P2010−526676A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507658(P2010−507658)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/063061
【国際公開番号】WO2008/141089
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(509307381)
【氏名又は名称原語表記】SOMES,Steven,D.
【Fターム(参考)】