説明

図形縮小編纂方法及び装置

【課題】 地図の縮小に応じて、家屋の形状を見やすいものに自動変形する。
【解決手段】 除去判定装置12の外接長方形設定装置14は、入力家屋データ10に外接する長方形を設定し、比較器16が、長方形設定装置14により設定された長方形の短辺を基準長Laと比較し、短辺が基準長La以上の家屋データのみを後段に出力する。変形装置18は、除去判定装置12からの家屋データの最短辺が基準長Lb以上になるまで変形を繰り返すことで、形状を簡略化する。縮小装置20は、変形装置18により形状を簡略化された家屋データを、目的の縮尺に単純に縮小されたサイズより僅かに小さいサイズに縮小する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図形縮小編纂方法及び装置に関し、より具体的には、視覚上の違和感を感じさせずに図形、例えば、地図データ中の建物の平面図形を縮小編纂する図形縮小編纂方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地図は、縮尺に応じて表現が異なる。その表現形式は図式として規定されている。ある縮尺の地図を作成しようとする場合、その縮尺よりも大きな縮尺の地図が存在し、その地図の内容を利用できるときには、その大きな縮尺の地図を編纂して所望の縮尺の地図を作成する。
【0003】
例えば、縮尺1/2500の地図を縮小して、縮尺1/10000の地図を作成できる。従来は、縮尺1/2500の地図を写真撮影して縮尺1/10000に縮小した上で、縮尺1/10000の図式に基づいて、人間が、建物等の各要素を描画し直している。人間による図式に基づく再描画では、写真処理により縮小されることにより読みづらくなっている要素を、読み取りやすいように変形することも容易であり、細かすぎるものを省略することも容易である。但し、そのような変形・省略のためには、高度な熟練を必要とする。
【0004】
最近、地図がデジタル化されつつある。デジタル地図は、コンピュータにより自由に拡大縮小できる。しかし、既存の地図処理ソフトウエアは、地図を拡大縮小する際に、その地図内の各要素、代表的な建物を同じ倍率で単純に拡大縮小する。
【特許文献1】特開平10−074042号公報
【特許文献2】特開平05−250420号公報
【特許文献3】特開平08−329236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地図を縮小する際に、従来の地図処理ソフトウエアでは、その地図に含まれる建物図形を単純に縮小してしまう。この場合、建物が細かく表示されすぎるだけでなく、建物形状が保存された状態で縮小される。これはしばしば、不必要な建物を表示したり、不必要に細かい建物形状を表示することにつながり、縮小後の地図が見にくく、うるさいものになってしまう。換言すると、しばしば、縮小後の地図は、縮小後の地図の縮尺に応じた図式で表現されたものにならなくなる。
【0006】
本発明は、このような不都合を解消し、縮小後の縮尺に合った変形及び省略を自動的に行う図形縮小編纂方法及び装置を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る図形縮小編纂方法は、複数の頂点とこれらを順に接続する頂点間接続線とからなる図形データを縮小編纂する図形縮小編纂方法であって、入力する図形データのサイズが所定サイズ以上であるかどうかを判別し、所定サイズ未満の場合に除去する除去判定ステップと、当該除去判定ステップにより除去されない図形データの形状を、各頂点間接続線の線長が所定基準長を越えるように変形する変形ステップと、当該変形ステップで変形された図形データの形状を出力解像度に応じた所定量だけ小さいサイズに縮小する縮小ステップとを具備し、当該除去判定ステップが、入力する図形データに外接する長方形を設定する外接長方形設定ステップと、当該外接長方形設定ステップで設定される長方形の短辺を所定長と比較する比較ステップとを具備し、当該外接長方形設定ステップで設定される当該長方形の当該短辺が当該所定長より短いものを除去することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る図形縮小編纂装置は、複数の頂点とこれらを順に接続する頂点間接続線とからなる図形データを縮小編纂する図形縮小編纂装置であって、入力する図形データのサイズが所定サイズ以上であるかどうかを判別し、所定サイズ未満の場合に除去する除去判定手段と、当該除去判定手段により除去されない図形データの形状を、各頂点間接続線の線長が所定基準長を越えるように変形する変形手段と、当該変形手段で変形された図形データの形状を、出力解像度に応じた所定量だけ小さいサイズに縮小する縮小手段とを具備し、当該除去判定手段が、入力する図形データに外接する長方形を設定する外接長方形設定手段と、当該外接長方形設定手段で設定される長方形の短辺を所定長と比較する比較手段とを具備し、当該外接長方形設定手段で設定される当該長方形の当該短辺が当該所定長より短いものを除去することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基本形状を維持しつつ、家屋データのサイズを所望の縮尺に合致するサイズに縮小することができる。しかも、目的の縮尺上で見やすい形状に変形するので、見やすい地図を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0011】
図1は、デジタル地図の縮小に適用した本発明の一実施例の概略構成ブロック図を示す。ここでは、例えば、1/2500の地図上の家屋データを1/10000に縮小する、即ち、縮小率1/4で家屋形状を縮小すると仮定する。また、家屋データは、複数の頂点と、外形を示すように各頂点を時計回りに接続する線分のデータからなり、一般的には、多角形構造になっている。
【0012】
縮尺1/2500の地図上の家屋データ10が、除去判定装置12に入力する。除去判定装置12は、縮小後の縮尺では無視できる家屋を検出し、事前に除去する装置である。除去判定装置12は、入力家屋データに外接する長方形を設定する外接長方形設定装置14と、長方形設定装置14により設定された長方形の短辺を基準長Laと比較し、その短辺が基準長La以上の家屋データのみを後段に出力する比較器16とからなる。
【0013】
図2は、家屋データの形状の一例を示す。図2を参照して、外接長方形設定装置14の作用を説明する。家屋データの各頂点を、 P〜Pとする。外接長方形設定装置14は、家屋データの中から最も長い線分(最長線分)を検索する。図2に示す例では、線分P−Pが最長線分になる。最長線分P−Pの方向をY軸とする。換言すると、最長線分がY軸上にのるように、何れかの頂点を中心にして家屋データを回転すると、以後の処理が容易になる。回転角を記憶しておき、必要な処理の後に元に戻せばよい。
【0014】
家屋データの頂点P〜Pの内、Y軸方向における最遠端の2点を検索する。図2に示す例では、PとPが検索される。Y軸方向におけるその最遠端の2点P,P間の距離を、目的の長方形の1辺とする。具体的には、最も遠端の2点P,PからにY軸に垂線を下ろしたときの交点間の距離が、目的の長方形の1辺となる。Y軸に直交する軸をX軸とする。各頂点からX軸に垂線を下ろしたときのX軸との交点(垂線の足)が、互いに最も遠くなる2つの頂点を検索する。図2に示す例では、P(又はP)とPである。頂点P,PからX軸に下ろした垂線の足間の距離を、目的の長方形の別の1辺の長さとする。得られた長方形の短い方の辺の長さを基準長Laと比較し、基準長Laより短ければ、その家屋データを削除する。
【0015】
変形装置18は、除去判定装置12により一定以上の大きさであると判定された家屋データの形状を簡略化する。具体的には、変形装置18は、最短辺が基準長Lb以上になるまで家屋形状の変形を繰り返すことで、形状を簡略化する。この詳細は、後述する。
【0016】
縮小装置20は、変形装置18により形状を簡略化された家屋データを、目的の縮尺(ここでは、1/10000)に単純に縮小されたサイズより僅かに小さいサイズに縮小する装置である。一般的には、縮小装置20は、変形装置18から出力される家屋データの家屋形状を、目的の縮尺(ここでは、1/10000)の地図を表示する出力装置(表示装置又はプリンタ)での線の太さの半分相当分、小さいサイズに縮小する。これは、隣接する図形の線との重複を避けるためである。線の幅だけ小さくすると、縮小しすぎる。
【0017】
縮小装置20から出力される家屋データは、目的の縮尺の地図上で表現されるのに適したサイズの家屋形状を示す。縮小装置20を設けたことにより、目的の縮尺の地図上で、隣接する線図形との線の重なりが避けられ、家屋形状が見やすいものになる。
【0018】
制御装置22には、目的の縮尺(ここでは、1/10000)と、オリジナルの縮尺(ここでは、1/2500)からの縮小率(ここでは、1/4{=1/10000/(1/2500)})と、出力解像度(例えば、出力装置を示す情報)が入力する。制御装置22は、目的の縮尺と縮小率から基準長La,Lbを決定し、基準長Laを比較回路16に、基準長Lbを変形装置18に、縮小率及び出力解像度を縮小装置20にそれぞれ供給する。
【0019】
図3は、変形装置18の動作フローチャートを示す。先ず、最短辺を検索する(S1)。図4に示すような、辺Pが最短辺である家屋形状モデルで説明する。最短辺Pが基準長Lb以上の場合(S2)、最短辺Pの後の辺Pと前の辺Pの方向角の差θを算出する(S3)、その角θが、基準値より大きく、且つ、(360−基準値)より小さいかどうかを確認する(S4)。基準値は例えば、170゜である。ステップS3,S4により、前辺と後辺が実質的に平行且つ逆方向であるかどうかを確認している。
【0020】
前辺と後辺が実質的に平行で逆方向である場合(S4)、図5、図6、図7及び図8に示すような、基準長Lbよりも細い幅の突起を有する形状モデルを想定できる。図5〜図8で、辺Pが最短辺である。本明細書では、最短辺Pの始点Pを終点とする辺Pが後辺、最短辺の終点Pを始点とする辺Pが前辺である。図5及び図6は前辺長が後辺長以上の場合の形状モデルを示し、図7及び図8は、前辺長が後辺長未満の場合の形状モデルを示す。図7は、図5に示す形状モデルを左右反転した形状モデルを示し、図8は、図6に示す形状モデルを左右反転した形状モデルを示す。
【0021】
前辺Pの長さと後辺Pの長さを比較する(S5)。図5及び図6に示す形状モデルでは、前辺Pが後辺Pより長く、図7及び図8に示す形状モデルでは、前辺Pが後辺Pより短い。
【0022】
前辺Pの長さが後辺Pの長さ以上の場合(S5)、即ち、図5及び図6に示す形状モデルに対し、前辺Pの終点Pが、実質的に、後辺Pの更に後の辺PN−1の線(延長線を含む。)上にあるかどうかを調べる(S6)。
【0023】
前辺Pの終点Pが実質的に、後後辺PN−1の線上にある場合(S6)、図5に示すように、変形する。即ち、先ず、図5(a)に示す形状から、図5(b)に示すように、最短辺Pの両端点P,Pと、突起部分の底を形成する2つの頂点P,Pの内の一方、例えば頂点Pを削除し、残る頂点Pを頂点Pと接続する。但し、頂点Pからその前後の頂点PN−1,P間を結ぶ線分PN−1に垂線を下ろしたときのその垂線の長さが基準長Lb以下である場合、頂点Pを残す意義が無いので、図5(c)に示すように、更に頂点Pも削除し、頂点PN−1,P間を直接、接続する。図5(c)では、最短辺を含む突起が完全に削除される。
【0024】
前辺Pの終点Pが実質的に、後後辺PN−1の線上にない場合(S6)、図6に示すように変形する。即ち、図6(a)に示す形状から、図6(b)に示すように、最短辺Pの両端点P,Pを削除し、後辺Pの始点から前辺Pに垂線を下ろし、その足PNaに頂点Pを移動する。これにより、突起が後辺Pの高さ分で削除されることになる。
【0025】
前辺Pの長さが後辺Pの長さ未満の場合(S5)、即ち、図7及び図8に示す形状モデルに対し、ステップS6〜S8に示す処理とは左右を反転した処理を行う。即ち、後辺Pの始点Pが、実質的に、前辺Pの更に前の辺Pの線(延長線を含む。)上にあるかどうかを調べる(S9)。
【0026】
後辺Pの始点Pが実質的に、前前辺Pの線上にある場合(S9)、図7に示すように変形する。即ち、先ず、図7(a)に示す形状から、図7(b)に示すように、最短辺Pの両端点P,Pと、突起部分の底を形成する2つの頂点P,Pの内の一方、例えば頂点Pを削除し、残る頂点Pを頂点PN−1と接続する。但し、頂点Pからその前後の頂点PN−1,P間を結ぶ線分PN−1に垂線を下ろしたときのその垂線の長さが基準長Lb以下である場合、頂点Pを残す意義が無いので、図7(c)に示すように、更に頂点Pも削除し、頂点PN−1,P間を直接、接続する。図7(c)では、最短辺を含む突起が完全に削除される。
【0027】
後辺Pの始点Pが実質的に、前前辺Pの線上にない場合(S9)、図8に示すように変形する。即ち、図8(a)に示す形状から、図8(b)に示すように、最短辺Pの両端点P,Pを削除し、前辺Pの終点Pから後辺Pに垂線を下ろし、その足P3aに頂点Pを移動する。これにより、突起が後辺Pの高さ分で削除されることになる。
【0028】
以上を繰り返すことで、頂辺が最短辺であるほぼ矩形の突起を削除することができる。
【0029】
最短辺の前辺と後辺が実質的に平行でないか、又は、平行であっても逆方向でない場合(S4)の処理を説明する。この場合には、図9に示すように、基準長Lbよりも短い辺が単独で存在する場合と、図10及び図11に示すように、基準長Lbよりも短い辺が連続している場合とが考えられる。
【0030】
図9(a)に示すように基準長Lbより短い辺Pが単独で存在する場合(S12)、図9(b)に示すように、その前の辺Pの長さと、後の辺Pの長さとの逆比で辺Pを分割し、その分割点をP1aとする。即ち、辺P1aの長さと辺P1aの長さの比が、辺Pの長さと辺Pの長さの比に等しくなるように、分割点P1aを設定する。そして、分割点P1aを通り後辺Pと平行に描いた線と、後後辺PN−1の線(延長線を含む。)との交点をPNaとする。同様に、分割点P1aを通り前辺Pと平行に描いた線と、前前辺Pの線(延長線を含む。)との交点をP3aとする。分割点P1aを頂点Pの代替点とし、点PNaを頂点Pの代替点とし、点P3aを頂点Pの代替点として、点P1aと点PNaを接続し、点P1aと点P3aを接続し、点Pを削除する。
【0031】
更に、点P1aからその前後の点PNaと点P3aを接続する線に垂線を下ろし、その垂線の長さが基準長Lb以下の場合には、図9(c)に示すように、点P1aを削除し、点PNaと点P3aを結ぶ辺を形成する。
【0032】
基準長Lb以下の辺が連続する場合(S12)、その連続する辺の数が偶数か奇数かを調べる(S14)。偶数の場合(S14)、例えば、図10(a)に示すように点P〜P間の線分が全て基準長Lb以下の場合、図10(b)に示すように、偶数番目の点P,P,Pを全て削除し、線P,P,Pを新たに設定する(S15)。
【0033】
基準長Lb以下の辺の連続数が奇数の場合(S14)、例えば、図11(a)に示すように点P〜P間の線分が全て基準長Lb以下の場合、図11(b)に示すように、偶数番目の点P,Pとその次(又は前)の点P,Pとの間の中間に新たな点P2a,P4aを設定すると共に、基準長Lb以下の連続する辺の途中に位置する頂点P〜Pを削除し、始点P、終点P及びここで設定した中間点P2a,P4aを順番に接続する(S16)。
【0034】
家屋データの最短辺が基準長Lbを越える迄(S2)、ステップS3〜S16の処理を繰り返す。家屋データの最短辺が基準長Lbを越えると(S2)、以上の変形処理結果を出力して、変形処理を終了する(S17)。
【0035】
図5〜図8に示すように、小さな矩形の突起の頂辺が最短辺になる場合、その頂辺の始点Pと終点Pを削除し、その突起の底を形成する頂点P,Pを直接、接続してもよい。辺Pの長さが基準長Lb以下になっても、変形処理#5(S13)により、上述の場合と同様の又は類似した結果が得られる。
【0036】
除去判定装置12、変形装置18、縮小装置20及び制御装置22の各機能は、コンピュータ上のソフトウエアによって実現されるが、勿論、ハードウエアによっても実現できる。縮小装置20の縮小機能を、目的の縮尺への縮小と、見栄えをよくするための解像度の半分相当の縮小とに分離してもよい。その場合、前者の縮小機能を、例えば、除去判定装置12の前に配置しても良いこともまた、明らかである。
【0037】
家屋に適用した実施例を説明したが、本発明は、家屋に限定されない一般的な図形を縮小する場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】外接長方形設定装置14の動作を説明するための家屋データの形状例である。
【図3】変形装置18の動作フローチャートである。
【図4】前辺と後辺の方向角差を説明する家屋形状モデルである。
【図5】変形処理#1(ステップS7)の処理例である。
【図6】変形処理#2(ステップS8)の処理例である。
【図7】変形処理#3(ステップS10)の処理例である。
【図8】変形処理#4(ステップS11)の処理例である。
【図9】変形処理#5(ステップS13)の処理例である。
【図10】変形処理#6(ステップS15)の処理例である。
【図11】変形処理#7(ステップS16)の処理例である。
【符号の説明】
【0039】
10:入力家屋データ
12:除去判定装置
14:外接長方形設定装置
16:比較器
18:変形装置
20:縮小装置
22:制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の頂点とこれらを順に接続する頂点間接続線とからなる図形データを縮小編纂する図形縮小編纂方法であって、
入力する図形データのサイズが所定サイズ以上であるかどうかを判別し、所定サイズ未満の場合に除去する除去判定ステップと、
当該除去判定ステップにより除去されない図形データの形状を、各頂点間接続線の線長が所定基準長を越えるように変形する変形ステップと、
当該変形ステップで変形された図形データの形状を出力解像度に応じた所定量だけ小さいサイズに縮小する縮小ステップ
とを具備し、
当該除去判定ステップが、入力する図形データに外接する長方形を設定する外接長方形設定ステップと、当該外接長方形設定ステップで設定される長方形の短辺を所定長と比較する比較ステップとを具備し、当該外接長方形設定ステップで設定される当該長方形の当該短辺が当該所定長より短いものを除去する
ことを特徴とする図形縮小編纂方法。
【請求項2】
当該変形ステップは、
各頂点間接続線の内の、最短辺を検索する最短辺検索ステップと、
当該最短辺が実質的に矩形の凸部の頂辺及び凹部の底辺の何れかであるかどうかを判定する矩形判定ステップと、
当該最短辺が実質的に矩形の凸部の頂辺及び凹部の底辺の何れかである場合に、当該最短辺の始点及び終点となる頂点を削除し、その両側の頂点を接続する最短辺削除ステップ
とを具備する請求項1に記載の図形縮小編纂方法。
【請求項3】
当該変形ステップが更に、
当該所定基準長以下の頂点間接続線が連続するかどうかを判定する連続判定ステップと、
当該所定基準長以下の頂点間接続線が連続しない場合に、当該所定基準長以下の頂点間接続線をその両側の頂点間接続線の線長比で分割し、その分割点を端点とするように当該両側の頂点間接続線を平行移動し、当該分割点及び平行移動後の頂点間接続線の反対側の端点を、当該所定基準長以下の頂点間接続線の端点及び平行移動前の当該両側の頂点間接続線の頂点の代替とする線削除ステップ
とを具備する請求項2に記載の図形縮小編纂方法。
【請求項4】
当該変形ステップは更に、
当該所定基準長以下の連続する頂点間接続線の中間の頂点を1つおきに間引く頂点間引きステップと、
当該所定基準長以下の連続する頂点間接続線の中間の1つおきの頂点を、これに隣接する頂点との間の中間点で代替する頂点代替ステップと、
当該所定基準長以下の頂点間接続線が連続する場合に、連続する当該所定基準長以下の頂点間接続線の数を計算し、その計算結果に応じて当該頂点間引きステップ及び当該頂点代替ステップの一方を選択する選択ステップ
とを具備する請求項3に記載の図形縮小編纂方法。
【請求項5】
当該変形ステップは、注目頂点の両側の2つの頂点を結ぶ線に当該注目頂点から垂線を下ろし、その垂線の長さが当該所定基準長以下の場合に、当該注目頂点を削除する注目頂点削除ステップを具備する請求項1、2又は3に記載の図形縮小編纂方法。
【請求項6】
当該縮小ステップが、当該変形ステップで変形された図形データの形状を、目的の縮尺のサイズよりも出力解像度に応じた所定量だけ小さいサイズに縮小する請求項1に記載の図形縮小編纂方法。
【請求項7】
当該図形データが地図上の家屋を表現する家屋データである請求項1に記載の図形縮小編纂方法。
【請求項8】
複数の頂点とこれらを順に接続する頂点間接続線とからなる図形データを縮小編纂する図形縮小編纂装置であって、
入力する図形データのサイズが所定サイズ以上であるかどうかを判別し、所定サイズ未満の場合に除去する除去判定手段と、
当該除去判定手段により除去されない図形データの形状を、各頂点間接続線の線長が所定基準長を越えるように変形する変形手段と、
当該変形手段で変形された図形データの形状を、出力解像度に応じた所定量だけ小さいサイズに縮小する縮小手段
とを具備し、
当該除去判定手段が、入力する図形データに外接する長方形を設定する外接長方形設定手段と、当該外接長方形設定手段で設定される長方形の短辺を所定長と比較する比較手段とを具備し、当該外接長方形設定手段で設定される当該長方形の当該短辺が当該所定長より短いものを除去する
ことを特徴とする図形縮小編纂装置。
【請求項9】
当該変形手段は、
各頂点間接続線の内の、最短辺を検索する最短辺検索手段と、
当該最短辺が実質的に矩形の凸部の頂辺及び凹部の底辺の何れかであるかどうかを判定する矩形判定手段と、
当該最短辺が実質的に矩形の凸部の頂辺及び凹部の底辺の何れかである場合に、当該最短辺の始点及び終点となる頂点を削除し、その両側の頂点を接続する最短辺削除手段
とを具備する請求項8に記載の図形縮小編纂装置。
【請求項10】
当該変形手段が更に、
当該所定基準長以下の頂点間接続線が連続するかどうかを判定する連続判定手段と、
当該所定基準長以下の頂点間接続線が連続しない場合に、当該所定基準長以下の頂点間接続線をその両側の頂点間接続線の線長比で分割し、その分割点を端点とするように当該両側の頂点間接続線を平行移動し、当該分割点及び平行移動後の頂点間接続線の反対側の端点を、当該所定基準長以下の頂点間接続線の端点及び平行移動前の当該両側の頂点間接続線の頂点の代替とする線削除手段
とを具備する請求項9に記載の図形縮小編纂装置。
【請求項11】
当該変形手段は更に、
当該所定基準長以下の連続する頂点間接続線の中間の頂点を1つおきに間引く頂点間引き手段と、
当該所定基準長以下の連続する頂点間接続線の中間の1つおきの頂点を、これに隣接する頂点との間の中間点で代替する頂点代替手段と、
当該所定基準長以下の頂点間接続線が連続する場合に、連続する当該所定基準長以下の頂点間接続線の数を計算し、その計算結果に応じて当該頂点間引き手段及び当該頂点代替手段の一方を選択する選択手段
とを具備する請求項10に記載の図形縮小編纂装置。
【請求項12】
当該変形手段は、注目頂点の両側の2つの頂点を結ぶ線に当該注目頂点から垂線を下ろし、その垂線の長さが当該所定基準長以下の場合に、当該注目頂点を削除する注目頂点削除手段を具備する請求項8、9又は10に記載の図形縮小編纂装置。
【請求項13】
当該縮小手段が、当該変形手段で変形された図形データの形状を、目的の縮尺のサイズよりも出力解像度に応じた所定量だけ小さいサイズに縮小する請求項8に記載の図形縮小編纂装置。
【請求項14】
当該図形データが地図上の家屋を表現する家屋データである請求項8に記載の図形縮小編纂装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−276791(P2008−276791A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149296(P2008−149296)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【分割の表示】特願2001−374134(P2001−374134)の分割
【原出願日】平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願人】(000213909)朝日航洋株式会社 (30)
【Fターム(参考)】