説明

固体形態のクレンジング化粧品組成物

【課題】界面活性剤を高い割合で含み、調合または発生している安全性の問題なく、サリチル酸またはその誘導体の1種を含んでもよい組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、無水媒体中に、サリチル酸とその誘導体から選択される少なくとも1種の角質溶解活性剤、少なくとも1種の微粉状起泡性界面活性剤および少なくとも1種の水溶性ポリマーを含み、水溶性ポリマーの量が組成物の全重量の10%まで可能である、固体形態で提供される、皮膚クレンジング組成物に関する。
組成物は粉末状または錠剤形態で提供され、スポンジに組み込まれてよい。
組成物は、特にアクネの傾向を有する脂性肌のクレンジングに使用されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体形態、特に粉末形態で提供され、サリチル酸またはその誘導体の1種、少なくとも1種の微粉状起泡性界面活性剤および少なくとも1種の水溶性ポリマーを含む、皮膚クレンジングのための組成物に関し、かつ身体および目の周りを含む顔面の皮膚のクレンジングのためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚のクレンジングは顔面のケアにとって非常に重要である。過剰の皮脂など脂肪残留物、毎日使用した化粧品およびメークアップ製品、特に耐水性製品の残渣は、皮膚のしわに蓄積し、皮膚の毛穴を閉塞することができ、しみの外観の原因となるので、クレンジングはできるだけ効率的であるべきである。
【0003】
皮膚クレンジング組成物に角質溶解活性剤、特にサリチル酸またはサリチル酸誘導体を組み込むことが知られており、これらの活性剤は、皮膚の奥までクレンジングし、アクネの傾向を有する皮膚の場合、面皰に作用することを可能にする。クレンジング組成物は、最もしばしば、起泡性界面活性剤を含む、おおよそ液体水性組成物の形態で提供される。
【0004】
しかしながら、このような組成物が起泡性界面活性剤を高い割合(例えば界面活性剤より高い割合)で含む場合、溶解度またはpHの問題ため、これらの活性剤はそれら自身は安定なままであるが、それらを含有する水性組成物を不安定にし、かつ粘性の低下の原因となり、さらに時にはそれらを含有する組成物を黄変させる原因となるので、その中に高い割合の角質溶解活性剤、特にサリチル酸を組み込むのは難しい。
【0005】
さらに、大量の界面活性剤およびサリチル酸を含み、同時に耐性が良好で快適である起泡性組成物を得るのは難しい。
【0006】
したがって、界面活性剤を高い割合で含み、調合または安全性の問題を生じることなく、サリチル酸またはその誘導体の1種を含んでもよい組成物の必要性が依然としてある。
【特許文献1】欧州特許公開公報EP-A-570230
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
出願人は、微粉状陰イオン界面活性剤と少なくとも1種の水溶性ポリマーを含む、固体の無水クレンジング組成物を調製することにより、先行技術の不都合を克服するクレンジング組成物を得ることが可能であることを見出した。
【0008】
本発明の主題は、生理学上許容可能な無水媒体中に、サリチル酸とその誘導体から選択される少なくとも1種の活性剤、少なくとも1種の微粉状起泡性陰イオン界面活性剤および少なくとも1種の水溶性ポリマーを含み、水溶性ポリマーの量が組成物の全重量の10%まで可能である、固体形態で提供される、皮膚クレンジング組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
用語「固体形態の組成物」は、柔軟な組成物である、クリームまたはゲルの形態の組成物とは対照的に、錠剤(サイズが約4cmまでの固体)または粉末の形態で提供されてよい組成物で、この粉末は、粒子状物質(粒子状物質は、例えば50〜600μmでよいサイズを有することができる)に微細に分けられる固体であることを意味すると理解される。
【0010】
さらに、用語「微粉状」は、粉末形態(粒子状物質または粒状物から構成される)で提供される化合物または組成物を意味すると理解される。
【0011】
本発明に係る組成物は、すべて微粉状の成分を単純に混合することにより調製される。したがって製造するのは簡単である。さらに、水への溶解度に優れ、良好な起泡性特性を有すると同時に、後ほど提示したテストで示されるような、快適で良好な耐性を有する。
【0012】
さらに、用語「生理学上許容可能な媒体」は、ケラチン物質、特に皮膚に相溶性の媒体を意味すると理解される。
【0013】
本発明の組成物は、化粧品組成物または皮膚科学用組成物を構成してよい。
【0014】
[サリチル酸および誘導体]
本発明の組成物は、粉末形態で与えられる、サリチル酸および/または1種以上のサリチル酸誘導体を含んでよい。
【0015】
サリチル酸誘導体として、化粧品組成物および/または皮膚科学用組成物に使用してよい、いかなる誘導体を使用してもよく、特に式(I)のサリチル酸誘導体またはこのような誘導体の塩でよい。
【0016】
【化1】

【0017】
[式中、
は水素、または飽和した、直鎖状、分岐状もしくは環状、脂肪族、アルコキシ、エステルまたはケトキシ鎖、1つ以上の共役または非共役二重結合を有する不飽和鎖を表し、これらの鎖は1〜22個の炭素原子を含み、かつハロゲン原子、トリフルオロメチル基、遊離形態または1〜6個の炭素原子を有する酸でエステル化されたヒドロキシル基、あるいは遊離形態または1〜6個の炭素原子を有する低級アルコールでエステル化されたカルボキシル官能基から選択された少なくとも1種の置換基で置換されることができ;
はヒドロキシル基または式(II)のエステル官能基を表し、
【0018】
【化2】

【0019】
(式中、Rは、1〜18個の炭素原子を有する、飽和した脂肪族基またはアルケニル基を表す);
は水素、または2〜30個の炭素原子を有し、任意に1つ以上の置換基を含む、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分岐鎖を表わす]。
鎖は、特に、2〜30個の炭素原子を含み、任意に置換されてよい、アルキル基およびアルケニル基から選択されてもよい。置換基は特にヒドロキシル基であってよい。
【0020】
が水素である場合、式(I)の酸の塩、特に塩基との塩化により得られた塩を使用することも可能である。
【0021】
式(I)のサリチル酸誘導体を塩化することができる塩基として、無機塩基、例えばアルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウムと水酸化カリウム)または水酸化アンモニウム、またはより好ましくは有機塩基、例えば第一級、第二級、第三級または環式有機アミン、特にアミノ酸を挙げてもよい。塩基の例として、グリシン、リジン、アルギニン、タウリン、ヒスチジン、アラニン、バリン、システイン、トリヒドロキシメチルアミノメタン(TRISTA)およびトリエタノールアミンを挙げてもよい。
【0022】
本発明の特定の実施形態によれば、式(I)の誘導体として、基Rが少なくとも4個の炭素原子を含むものが、本発明の組成物に使用される。例えば、4〜11個の炭素原子を有する、飽和した直鎖アルキル基またはアルコキシル基で形成される。
【0023】
が4〜11個の炭素原子を有する、飽和した直鎖アルキル基またはアルコキシル基で形成され、Rがヒドロキシルであり、Rが水素である式(I)の誘導体として、5−n−オクタノイルサリチル酸(CTFA名:カプリロイルサリチル酸)、5−n−デカノイルサリチル酸、5−n−ドデカノイルサリチル酸、5−n−オクチルサリチル酸、5−n−ヘプチルオキシサリチル酸、5−tert−オクチルサリチル酸、5−ブトキシサリチル酸、5−エトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、5−プロポキシサリチル酸、5−メチルサリチル酸、5−エチルサリチル酸および5−プロピルサリチル酸、ならびにこれらの混合物が挙げられ、これらの酸は、一般的に塩基で塩化されており、文献欧州特許公開公報EP-A-570230に記載された化合物も使用してもよい。
【0024】
が水素をRがヒドロキシル基を表わす場合、式(I)の誘導体はサリチル酸エステルである。好ましくは脂肪族アルコールのエステル、例えばドデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、リノレイルアルコール、オクチルアルコール、オレイルアルコールおよびトリデシルアルコールのエステル、またはブチルアルコール、プロピルアルコールおよびエチルアルコールのエステル、あるいは多価アルコールのエステル、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールまたはグリセロールのエステル、またはこれらのエステルの混合物を含む。これは特にセチルサリチラート、ドデシルサリチラートおよびトリデシルサリチラートを含んでよい。
【0025】
本発明の好適な実施形態によれば、活性剤はサリチル酸である。
【0026】
サリチル酸とその誘導体から選択される活性剤の量は、組成物の全重量に対して、例えば0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲でよい。
【0027】
[起泡性陰イオン界面活性剤]
本発明に係る組成物は、少なくとも1種の微粉状の、すなわち粉末形態である、起泡性陰イオン界面活性剤を含む。任意にペーストの形態で界面活性剤を使用することも可能である。起泡性界面活性剤の量は、組成物の全重量に対し、例えば5〜99.9重量%、好ましくは10〜99重量%、より好ましくは20〜98重量%の範囲でよい。
【0028】
本発明の好適な実施形態によれば、組成物は起泡性陰イオン界面活性剤として、少なくとも1種の脂肪酸塩を含む。石鹸を構成する脂肪酸塩は、6〜22個の炭素原子、好ましくは8〜18個の炭素原子を含むアルキル鎖を有する脂肪酸に由来する。これは、特に有機または無機塩基、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミン、リジンおよびアルギニンで脂肪酸を中和することにより得られた塩を含む。脂肪酸塩(石鹸)として、特にアルカリ金属塩、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸のカリウム塩またはナトリウム塩(ラウレート、ミリステート、パルミテートおよびステアレートのカリウムまたはナトリウム)特にラウリン酸カリウムおよびミリスチン酸カリウム、特に本発明の明細書中で石鹸として好ましく使用されるミリスチン酸カリウムを挙げてもよい。
【0029】
微粉状陰イオン界面活性剤として、N−アシルアミノ酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、スルホネートおよびこれらの混合物のアルカリ金属塩を使用することも可能である。
【0030】
N−アシルアミノ酸のアルカリ金属塩として、特にサルコシナート、アラニナート、グルタメート、アスパルテートおよびこれらの混合物を挙げてもよい。
【0031】
粉末形態でまたはペースト形態で与えられる界面活性剤は、例えば、Ciba社よりSarkosyl NL 97の名称で販売されている製品などのラウロイルサルコシン酸ナトリウム;Nikkol社よりNikkol Sarcosinate MNの名称で販売されている製品などのミリストイルサルコシン酸ナトリウム、Nikkol社よりNikkol Sarcosinate PNの名称で販売されている製品などのパルミトイルサルコシン酸ナトリウム、Allbright & Wilson社よりEmpicol LZ Dの名称でまたはTensachem社よりTensopol USP97の名称で販売されている製品などのラウリル硫酸ナトリウム;Ajinomoto社よりAmisoft LS 11の名称で販売されている製品などのラウロイルグルタミン酸ナトリウム;Ajinomoto社よりAcylglutamate MS 11の名称で販売されている製品などのミリストイルグルタミン酸一ナトリウム;Cognis社よりTexapon KE 2713の名称で販売されている、ラウレス硫酸ナトリウムおよびシリカの混合物;MacIntyre社よりMackanate CM 100の名称で販売されている製品などのコカミドMEA-スルホコハク酸二ナトリウム;Finetex社よりTauranol WSPの名称で販売されている製品などのメチルココイルタウリン酸ナトリウム;Ard-Soliance社よりd-デシルd-ガラクトシドウロン酸ナトリウムの名称で販売されている製品などのデシルd-ガラクトシドウロン酸ナトリウム;Mitsui Toatsu社よりLMA-Hの名称で販売されている、ラウロイルメチルβ-アラニン(酸形態);Mitsui Toatsun社よりLHEAの名称で販売されている、n-ラウロイル-n-ヒドロキシエチル-β-アラニン;Ajinomoto社よりAmilite GCS-11(F)の名称で販売されている、ココイルグリシン酸ナトリウム;BASF社よりJordapon CI Pの名称で販売されている製品などのココイルイセチオン酸ナトリウム;Clariant社よりHostapon CT PATE(登録商標)の名称で販売されている製品などのパームカーネル油メチルタウリン酸のナトリウム塩;Clariant社よりHostapon LT-SF(登録商標)の名称でまたはNikkol社よりNikkol CMT-30-T(登録商標)の名称で販売されている製品などのN-ココイルN-メチルタウリン酸ナトリウム;Nikkol社よりNikkol PMT(登録商標)の名称で販売されている製品などのパルミトイルメチルタウリン酸ナトリウム;Stepan社よりLathanol LAL powderの名称で販売されている製品などのラウリルスルホ酢酸ナトリウム;Stearinerie Dubois社よりミリスチン酸カリウム(DUB MK)の名称で販売されている製品などのミリスチン酸カリウム;Stearinerie Dubois社よりラウリン酸カリウム(DUB LK)の名称で販売されている製品などのラウリン酸カリウム、およびDegussa社よりGrilloten LSE 87の名称で販売されている製品などのラウリン酸スクロースから選択されてもよい。
【0032】
本発明の好適な実施形態によれば、組成物は、起泡性陰イオン界面活性剤として、1種以上の脂肪酸塩を、単独でまたはココイルイセチオン酸ナトリウムなどの1種以上のイセチオン酸塩との混合物として含む。本発明の特に好適な実施形態によれば、組成物は、起泡性陰イオン界面活性剤として、ミリスチン酸カリウムおよびココイルイセチオン酸ナトリウムを含む。
【0033】
組成物は、任意に1種以上の非イオン性または両性界面活性剤、例えば、糖エステル;
アルキルポリグルコシド(APG)、6〜30個の炭素原子、好ましくは8〜16個の炭素原子を含むアルキル基を好ましくは含むもの、および1.2〜3個の糖単位を好ましくは含む親水基(グルコシド)を含むもの;ベタインをさらに含んでもよい。非イオン性または両性界面活性剤として、Degussa社よりTegobetain CK Dの名称で販売されている製品などのコカミドプロピルベタインおよびDegussa社よりGrilloten LSE 87の名称で販売されている製品などのラウリン酸スクロースを挙げてもよい。
【0034】
[水溶性ポリマー]
本発明に係る組成物は、少なくとも1種の水溶性ポリマーを含む。それらのいくつかを含んでよく、水溶性ポリマーの総量については組成物の全重量の10%まで可能である。
【0035】
用語「水溶性ポリマー」は、室温(約20〜25℃の温度)で水に膨潤するまたは溶解するポリマーを意味するものと理解される。
【0036】
この水溶性ポリマーは、ゴム、合成ポリマー、セルロース誘導体およびこれらの混合物などの多糖類から特に選択されてもよい。
【0037】
本発明に使用することのできる水溶性ポリマーの例として、グアー、キサンタン、カラギーナン、セルロースおよび菌核ゴム、およびこれらゴムの誘導体;ヒドロキシアルキルセルロースおよびカルボキシセルロースナトリウム;ポリアクリルアミドおよびアクリルアミドのコポリマー;ゼラチン;寒天;Noveon社よりcarbopolの名称で販売されている製品(CTFA名:カルボマー)などのカルボキシビニルポリマー、変性カルボキシビニルポリマー、特にNoveon社よりPemulen TR1またはTR2またはCARBOPOLの1382の名称で販売されている製品(CTFA名:アクリレート/C10〜30アルキルアクリレート架橋ポリマー)などのアクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートコポリマーを挙げてもよい。
【0038】
本発明の好適な実施形態によれば、組成物は微粉状水溶性ポリマー、より特にゴム、特にキサンタンガムを含む。
【0039】
本発明の組成物の水溶性ポリマーの量は、組成物の全重量に対し10%重量以内でよい。
この量は、組成物の全重量に対し、例えば0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは、1〜5重量%の範囲でよい。
【0040】
[添加剤]
本発明の組成物は、無水または固体形態(粉末)である限り、化粧品分野および皮膚科学分野で一般的に使用されるもの、例えば、金属イオン封鎖剤、香料、酸化防止剤、サリチル酸およびその誘導体以外の活性剤、保存剤、着色剤(顔料および親水性着色剤など)およびNational Starch社よりDry Floの名称で販売されている加工デンプンなどの無機フィラーおよび/または有機フィラーから特に選択される1種以上の添加剤を含んでもよい。これらが存在する場合、これらの添加剤は、組成物の全重量の0.1〜50%、好ましくは0.5〜50%の量でよい。
【0041】
本発明に係る組成物は、さらに1種以上の油または油性活性剤を含んでよいが、組成物の全重量の5%以下の量である。
【0042】
もちろん、当業者は、本発明に従って組成物に本質的に付随した有利な特性が、予期した添加により害されない、または本質的に害されないように、これまたはこれらの任意の添加剤および/またはその量を注意深く選択するであろう。
【0043】
活性剤として、例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)を挙げてもよい。
【0044】
本発明の特定の実施形態によれば、組成物は多価アルコール(グリセリン、グリコール)を含まないか、または組成物の全重量の5%未満の量で含む。
【0045】
本発明の組成物は、水または水分とのいかなる接触も避けて、混合槽内で成分を単純に混合することにより調製される。
【0046】
有利には、本発明の組成物は、生理学上許容可能な媒体、すなわちケラチン物質、特に皮膚および/または毛髪と相溶性のある媒体を含む。特に化粧品組成物または皮膚科学用組成物を構成してよい。
【0047】
本発明の組成物は、水の存在下で泡を形成させ、特に皮膚のクレンジングに良好な効能を提供する。
【0048】
従って、本発明の主題はまた、本発明に係る組成物の皮膚または毛髪をクレンジングするための美容的使用である。
【0049】
本発明の主題はまた、組成物を水で湿らせ、皮膚上をなでて、かつ皮膚をすすぐことからなる、皮膚をクレンジングするための美容方法である。
【0050】
本発明に係る組成物はまた、アクネの傾向を有する脂性肌の処置に使用してもよく、その皮膚は一般的に皮膚欠陥、毛孔拡大腫、非同質の皮膚感触および赤色斑を有する。
【0051】
したがって、本発明の主題はまた、前記皮膚に上述の組成物を局所適用することを含むアクネの傾向を有する皮膚の美容処置方法である。
【0052】
さらに、本発明に係る組成物は、処置の前にアクネを有する皮膚のクレンジングに使用してもよい。
【0053】
したがって、本発明の主題はまた、アクネの処置を意図した皮膚科学用組成物の調製のための上述の組成物の使用である。
【0054】
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の組成物は、粉末形態または錠剤形態のいずれであろうと、一回の投与実施としてスポンジまたは同様の穴を有する物品に組み込まれる。使用するには、スポンジを湿らせ、次いで、顔面上をなでて、すすぐ。
【0055】
本発明の主題はまた、本発明に係る組成物を含むスポンジと、皮膚をクレンジングするためのその使用である。
【0056】
本発明に従う組成物の実施例を下記に挙げる。量は重量パーセントとして与えられる。
【0057】
[実施例1]
クレンジング組成物
−ココイルイセチオン酸ナトリウム 45.5%
−キサンタンガム 3%
−ミリスチン酸カリウム 45.5%
−サリチル酸 2%
−香料 4%
【0058】
組成物は、すべて粉末形態にある成分の混合により得られた。これは粉末形態で得られた。この粉末の0.7g量を、直径が約70mmである円形の脱脂綿スポンジに導入した。
【0059】
このスポンジは、水で湿らせて、クレンジングするべく皮膚上をなでて、すすぐことによって使用される。
【0060】
1日当たり1回の適用を行う適用を4週間、42人の女性に行なったテストでは、以下を示した:
−100%の女性にとって、泡立ちは十分だった;
−95%の女性にとって、スポンジは奥までクレンジングした;
−97%の女性にとって、クレンジングは皮膚を清潔にし浄化した;
−69%の女性にとって、毛穴が目立ちにくくなった;
−88%の女性にとって、欠陥が取り除かれた;
−95%の女性にとって、組成物はすすぎ易かった;
−74%の女性にとって、クレンジングは皮膚を快適に(突っ張り感なしで)した。
【0061】
[実施例2]
クレンジング組成物
−ココイルイセチオン酸ナトリウム 45.5%
−キサンタンガム 3%
−デンプンオクテニルコハク酸アルミニウム(フィラー) 45.5%
−サリチル酸 2%
−香料 4%
【0062】
組成物は実施例1のように調製した。組成物は粉末形態で得られた。この粉末の1g量を錠剤形態に圧縮し、実施例1でスポンジとして使用したスポンジに導入した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無水媒体中に、サリチル酸とその誘導体から選択される少なくとも1種の活性剤、少なくとも1種の微粉状起泡性陰イオン界面活性剤および少なくとも1種の水溶性ポリマーを含み、水溶性ポリマーの量が組成物の全重量の10%まで可能である、固体形態で提供される、皮膚クレンジング組成物。
【請求項2】
サリチル酸とその誘導体から選択される活性剤の量が、前記組成物の全重量に対して0.1〜30重量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記活性剤が、式(I):
【化1】

[式中、
は水素、または飽和した、直鎖状、分岐状もしくは環状の脂肪族、アルコキシ、エステルまたはケトキシ鎖、1つ以上の共役または非共役二重結合を有する不飽和鎖を表し、これらの鎖は1〜22個の炭素原子を含み、かつハロゲン原子、トリフルオロメチル基、遊離形態または1〜6個の炭素原子を有する酸でエステル化されたヒドロキシル基、あるいは遊離形態または1〜6個の炭素原子を有する低級アルコールでエステル化されたカルボキシル官能基から選択された少なくとも1種の置換基で置換されることができ;
はヒドロキシル基または式(II):
【化2】

のエステル官能基を表し
(式中、Rは、1〜18個の炭素原子を有する、飽和した脂肪族基またはアルケニル基を表す);
は水素、または2〜30個の炭素原子を有し、任意に1つ以上の置換基を含む、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分岐鎖を表わす]
のサリチル酸誘導体またはその誘導体の塩から選択されることを特徴とする請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
前記サリチル酸誘導体が、5−n−オクタノイルサリチル酸、5−n−デカノイルサリチル酸、5−n−ドデカノイルサリチル酸、5−n−オクチルサリチル酸、5−n−ヘプチルオキシサリチル酸、5−tert−オクチルサリチル酸、5−ブトキシサリチル酸、5−エトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、5−プロポキシサリチル酸、5−メチルサリチル酸、5−エチルサリチル酸および5−プロピルサリチル酸、並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項3記載の組成物。
【請求項5】
起泡性陰イオン界面活性剤の量が、前記組成物の全重量に対して5〜99.9重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
陰イオン界面活性剤として、1種以上の脂肪酸アルカリ金属塩を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
陰イオン界面活性剤として、1種以上の脂肪酸アルカリ金属塩および1種以上のイセチオン酸塩を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記水溶性ポリマーが、多糖類、合成ポリマー、セルロースおよびこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記水溶性ポリマーが、キサンタンガムであることを特徴とする請求項8記載の組成物。
【請求項10】
ポリマーの量が、前記組成物の全重量の0.01〜10%の範囲であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
皮膚または毛髪をクレンジングするための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。

【公開番号】特開2006−213710(P2006−213710A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−21304(P2006−21304)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】