説明

固体撮像素子及び固体撮像素子の実装構造

【課題】外部回路や載置部材などのコストや準備期間を容易に削減することが可能な固体撮像素子及び固体撮像素子の実装構造を提供すること。
【解決手段】固体撮像素子IS1は、光感応領域3を有する半導体基板1と、半導体基板1の主面1a上に配列された複数の第一電極パッド10と、半導体基板1の主面1a上に、複数の第一電極パッド10が配列された方向に沿う方向に配列された複数の第二電極パッド12と、複数の第一電極パッド10と複数の第二電極パッド12とを1対1に接続する複数の配線14と、を備えている。複数の配線14は、複数の第一及び第二電極パッド10,12の配列方向に直交する中心線lに対して線対称となる位置関係にある第一電極パッド10と第二電極パッド12とを接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像素子及び固体撮像素子の実装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子として、感応領域を有する半導体基板と、半導体基板の一の主面上に配列された複数の電極パッドと、を備え、半導体基板の上記一の主面側が受光面側とされた、いわゆる表面入射型の固体撮像素子が知られている(たとえば、特許文献1参照)。感応領域を有する半導体基板と、半導体基板の一の主面上に配列された複数の電極パッドと、を備え、半導体基板の上記一の主面の裏面側が受光面側とされた、いわゆる裏面入射型の固体撮像素子も知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−107255号公報
【特許文献2】特開平06−045574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した表面入射型の固体撮像素子と裏面入射型の固体撮像素子とでは、固体撮像素子が載置される載置部材(たとえば、配線基板など)に対向する面が反転し、半導体基板の一の主面上に配列された複数の電極パッドの配置も反転する。このため、表面入射型の固体撮像素子と裏面入射型の固体撮像素子とを同じ構造の載置部材に載置する場合、固体撮像素子の電極パッドに電気的に接続される載置部材の出力端子の配置も反転することとなり、載置部材を介して固体撮像素子に接続される外部回路(たとえば、駆動回路など)を載置部材の出力端子の配置に合わせて2種類準備する必要がある。
【0005】
外部回路を表面入射型の固体撮像素子と裏面入射型の固体撮像素子とで共通化するためには、出力端子の配置を表面入射型の固体撮像素子と裏面入射型の固体撮像素子とで同じとする必要があり、表面入射型の固体撮像素子用の載置部材と、裏面入射型の固体撮像素子用の載置部材とを準備しなければならない。いずれにしても、外部回路や載置部材などを2種類準備する必要があり、外部回路や載置部材などのコストや準備期間が増加する。
【0006】
本発明は、外部回路や載置部材などのコストや準備期間を容易に削減することが可能な固体撮像素子及び固体撮像素子の実装構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る固体撮像素子は、光感応領域を有する半導体基板と、半導体基板の一の主面上に配列された複数の第一電極パッドと、半導体基板の一の主面上に、複数の第一電極パッドが配列された方向に沿う方向に配列された複数の第二電極パッドと、複数の第一電極パッドと複数の第二電極パッドとを1対1に接続する複数の配線と、を備えており、複数の配線は、複数の第一及び第二電極パッドの配列方向に直交する中心線に対して線対称となる位置関係にある第一電極パッドと第二電極パッドとを接続していることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る固体撮像素子では、複数の第一及び第二電極パッドの配列方向に直交する中心線に対して線対称となる位置関係にある第一電極パッドと第二電極パッドとが、上記配線を通して接続されている。したがって、上記一の主面と当該一の主面の裏面とを反転させても、配線を通して互いに接続された第一電極パッドと第二電極パッドとの位置は、各電極パッドの配列方向において同じとなる。
【0009】
この固体撮像素子を上記一の主面を載置部材に対向させて載置する場合と上記一の主面の裏面を載置部材に対向させて載置する場合とで、第一電極パッド又は第二電極パッドに電気的に接続されることとなる載置部材の端子の位置関係は反転しない。この結果、駆動回路などの外部回路を2種類準備しておく必要がなく、また、載置部材も2種類準備しておく必要がない。したがって、本発明では、外部回路や載置部材などのコストや準備期間を容易に削減することができる。
【0010】
複数の第一電極パッドは、複数の第二電極パッドよりも半導体基板の縁寄りに位置していてもよい。この場合、固体撮像素子を上記一の主面の裏面を載置部材に対向させて載置する際に、各第一電極パッドへのワイヤボンディングによる接続が容易となる。
【0011】
本発明に係る固体撮像素子は、光感応領域を有し、矩形形状を呈する半導体基板と、半導体基板の一の辺に沿う方向に配列された複数の第一電極パッドと、半導体基板の一の辺に沿う方向に配列された複数の第二電極パッドと、複数の第一電極パッドと複数の第二電極パッドとを1対1に接続する複数の配線と、を備えており、複数の配線は、複数の第一電極パッドにおける一の辺に沿う一方向での配列順番と、複数の第二電極パッドにおける一の辺に沿う一方向とは逆方向での配列順番と、で同じ順番関係にある第一電極パッドと第二電極パッドとを接続していることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る固体撮像素子では、複数の第一電極パッドにおける一の辺に沿う一方向での配列順番と、複数の第二電極パッドにおける一の辺に沿う一方向とは逆方向での配列順番と、で同じ順番関係にある第一電極パッドと第二電極パッドとが、上記配線を通して接続されている。したがって、上記一の主面と当該一の主面の裏面とを反転させても、配線を通して互いに接続された第一電極パッドと第二電極パッドとの位置は、各電極パッドの配列順序において同じとなる。
【0013】
この固体撮像素子を上記一の主面を載置部材に対向させて載置する場合と上記一の主面の裏面を載置部材に対向させて載置する場合とで、第一電極パッド又は第二電極パッドに電気的に接続されることとなる載置部材の端子の位置関係は反転しない。この結果、駆動回路などの外部回路を2種類準備しておく必要がなく、また、載置部材も2種類準備しておく必要がない。したがって、本発明では、外部回路や載置部材などのコストや準備期間を容易に削減することができる。
【0014】
複数の第一電極パッドは、複数の第二電極パッドよりも半導体基板の一の辺寄りに位置していてもよい。この場合、固体撮像素子を上記一の主面の裏面を載置部材に対向させて載置する際に、各第一電極パッドへのワイヤボンディングによる接続が容易となる。
【0015】
半導体基板は、一の主面側が受光面側とされていてもよく、また、半導体基板は、一の主面の裏面側が受光面側とされていてもよい。一の主面側が受光面側とされている場合には、表面入射型の固体撮像素子が実現されることとなる。一の主面の裏面側が受光面側とされている場合には、裏面入射型の固体撮像素子が実現されることとなる。
【0016】
本発明に係る固体撮像素子の実装構造は、上記固体撮像素子と、固体撮像素子が載置され、一の主面上に複数の第三電極パッドが配置された載置部材と、を備え、固体撮像素子は、固体撮像素子の一の主面の裏面が載置部材の一の主面と対向するように載置部材に載置されており、複数の第一電極パッドと複数の第三電極パッドとが、ワイヤボンディングにより接続されていることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る固体撮像素子の実装構造は、上記固体撮像素子と、固体撮像素子が載置され、一の主面上に複数の第三電極パッドが配置された載置部材と、を備え、固体撮像素子は、固体撮像素子の一の主面が載置部材の一の主面と対向するように載置部材に載置されており、複数の第二電極パッドと複数の第三電極パッドとが、フリップチップボンディングにより接続されていることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る固体撮像素子の実装構造は、上記固体撮像素子と、固体撮像素子が載置され、一の主面上に複数の第三電極パッドが配置された載置部材と、を備え、固体撮像素子は、固体撮像素子の一の主面が載置部材の一の主面の裏面と対向するように載置部材に載置されており、複数の第二電極パッドと複数の第三電極パッドとが、ワイヤボンディングにより接続されていることを特徴とする。
【0019】
本発明に係るいずれの固体撮像素子の実装構造でも、上述したように、外部回路や載置部材などを2種類準備しておく必要がない。したがって、本発明では、外部回路や載置部材などのコストや準備期間を容易に削減することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、外部回路や載置部材などのコストや準備期間を容易に削減することが可能な固体撮像素子及び固体撮像素子の実装構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態に係る表面入射型の固体撮像素子を示す平面図である。
【図2】本実施形態に係る表面入射型の固体撮像素子の断面構成を説明する図である。
【図3】本実施形態に係る裏面入射型の固体撮像素子を示す平面図である。
【図4】本実施形態に係る裏面入射型の固体撮像素子の断面構成を説明する図である。
【図5】本実施形態に係る裏面入射型の固体撮像素子における第一及び第二電極パッドを説明するための透視平面図である。
【図6】本実施形態に係る載置部材を示す平面図である。
【図7】本実施形態に係る載置部材の断面構成を説明する図である。
【図8】本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造を示す平面図である。
【図9】本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造における断面構成を説明する図である。
【図10】本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造を示す平面図である。
【図11】本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造における断面構成を説明する図である。
【図12】本実施形態に係る載置部材を示す平面図である。
【図13】本実施形態に係る載置部材の断面構成を説明する図である。
【図14】本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造を示す平面図である。
【図15】本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造における断面構成を説明する図である。
【図16】本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造を示す平面図である。
【図17】本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造における断面構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0023】
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る表面入射型の固体撮像素子IS1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る表面入射型の固体撮像素子を示す平面図である。図2は、本実施形態に係る表面入射型の固体撮像素子の断面構成を説明する図である。
【0024】
表面入射型の固体撮像素子IS1は、図1及び図2に示されるように、半導体基板1、複数の第一電極パッド10、複数の第二電極パッド12、及び複数の配線14を備えている。固体撮像素子IS1は、いわゆるFI(Front−Illuminated)−CCDイメージセンサである。図2では、配線14の図示を省略している。
【0025】
半導体基板1は、平面視で矩形形状を呈しており、半導体基板1の縁を構成する4辺2a〜2dを有している。半導体基板1は、互いに対向する主面1a,1bを含んでいる。半導体基板1は、主面1a側に形成された光感応領域(撮像領域)3を有している。光感応領域3には、複数の垂直シフトレジスタ(図示省略)からなる撮像用のCCDが画素として形成されている。固体撮像素子IS1は、主面1a側が受光面側とされている。図1は、固体撮像素子IS1を受光面(主面1a)側から見た平面図である。
【0026】
光感応領域3に入射した光像は、二次元電荷像に変換され、この電荷は垂直シフトレジスタにより垂直方向に沿って転送される。光感応領域3の電荷転送方向の終端には、水平シフトレジスタ(図示省略)が設けられており、垂直方向に転送されてきた各画素の電荷は、水平シフトレジスタにより水平方向に沿って順次転送される。CCDの電荷転送方式としては、フレームトランスファー方式、インターライントランスファー方式、フル・フレームトランスファー方式などが知られている。
【0027】
各第一電極パッド10は、半導体基板1の主面1a上に配置されている。各第一電極パッド10は、光感応領域3を挟むように、対向する2辺2a,2b寄りの領域にそれぞれ設けられている。本実施形態では、12の第一電極パッド10が各辺2a,2b寄りの領域にそれぞれ設けられている。すなわち、24の第一電極パッド10が設けられている。各第一電極パッド10は、半導体基板1の一の辺2a,2bに沿う方向に配列されている。第一電極パッド10は、矩形形状を呈している。
【0028】
各第二電極パッド12も、半導体基板1の主面1a上に配置されている。各第二電極パッド12は、第一電極パッド10と同様に、上記2辺2a,2b寄りの領域にそれぞれ設けられており、半導体基板1の一の辺2a,2bに沿う方向に配列されている。本実施形態では、12の第二電極パッド12が各辺2a,2b寄りの領域にそれぞれ設けられている。すなわち、24の第二電極パッド12が設けられている。第二電極パッド12は、円形状を呈している。第一電極パッド10は、第二電極パッド12よりも半導体基板1の縁寄り、すなわち辺2a,2b寄りに位置している。
【0029】
第一電極パッド10と第二電極パッド12とは、千鳥状に配置されている。各第一電極パッド10と各第二電極パッド12とは、電荷を垂直方向に転送させる電荷転送電極に転送電圧を印加するための電極パッド、電荷を水平方向に転送させる電荷転送電極に転送電圧を印加するための電極パッド、半導体基板1をグランドに接続するための電極パッド、水平方向に転送された電荷を読み出すための電極パッド、出力を取り出すための電極パッド、及びテスト動作を行わせるための電極パッドなどをそれぞれ含んでいる。
【0030】
各配線14は、図1に示されるように、半導体基板1に設けられており、第一電極パッド10と第二電極パッド12とを1対1に接続する。各配線14は、第一及び第二電極パッド10,12の配列方向に直交する中心線lに対して線対称となる位置関係にある第一電極パッド10と第二電極パッド12とを接続している。すなわち、各配線14は、第一電極パッド10における一の辺2a,2bに沿う一方向(たとえば、辺2cから辺2dへ向かう方向)での配列順番と、第二電極パッド12における一の辺2a,2bに沿う上記一方向とは逆方向(たとえば、辺2dから辺2cへ向かう方向)での配列順番と、で同じ順番関係にある第一電極パッド10と第二電極パッド12とを接続している。図1では、光感応領域3と各電極バッド10,12とを電気的に接続する配線は、その図示を省略している。
【0031】
続いて、図3及び図4を参照して、本実施形態に係る裏面入射型の固体撮像素子IS2の構成を説明する。図3は、本実施形態に係る裏面入射型の固体撮像素子を示す平面図である。図4は、本実施形態に係る裏面入射型の固体撮像素子の断面構成を説明する図である。図4では、配線14の図示を省略している。
【0032】
裏面入射型の固体撮像素子IS2は、図3及び図4に示されるように、固体撮像素子IS1と同じく、半導体基板1、複数の第一電極パッド10、複数の第二電極パッド12、及び複数の配線14を備えている。固体撮像素子IS2は、いわゆるBT(Back−Thinned)−CCDイメージセンサである。
【0033】
半導体基板1は、中央領域が主面1b側からKOH水溶液などでエッチングされることにより、薄型化されている。この薄型化により、半導体基板1の中央領域には、主面1b側に凹部が形成されることとなる。半導体基板1の凹部の周囲には、凹部より厚い枠部が存在している。枠部もエッチングによって除去することにより、固体撮像素子IS2は、半導体基板1の全領域が薄膜化されたBT−CCDイメージセンサとすることも可能である。
【0034】
固体撮像素子IS2は、主面1b側が受光面側とされている。図3は、固体撮像素子IS2を受光面の裏面(主面1a)側から見た平面図である。図3では、図1と同じく、光感応領域3と各電極バッド10,12とを電気的に接続する配線は、その図示を省略している。
【0035】
固体撮像素子IS2でも、各配線14は、図3に示されるように、第一及び第二電極パッド10,12の配列方向に直交する中心線lに対して線対称となる位置関係にある第一電極パッド10と第二電極パッド12とを接続している。したがって、図5に示されるように、固体撮像素子IS2を受光面(主面1b)側から透視したとき、固体撮像素子IS2における各第一電極パッド10の配列方向での位置(配列順番)は、固体撮像素子IS1において、対応する第一電極パッド10に配線14を通して接続された第二電極パッド12の配列方向での位置(配列順番)と同じである。同様に、固体撮像素子IS2を受光面(主面1b)側から透視したとき、固体撮像素子IS2における各第二電極パッド12の配列方向での位置(配列順番)は、固体撮像素子IS1において、対応する第二電極パッド12に配線14を通して接続された第一電極パッド10の配列方向での位置(配列順番)と同じである。
【0036】
次に、図6及び図7を参照して、固体撮像素子IS1,IS2が載置される載置部材20の構成を説明する。図6は、本実施形態に係る載置部材を示す平面図である。図7は、本実施形態に係る載置部材の断面構成を説明する図である。
【0037】
載置部材20は、いわゆるパッケージであって、平面視矩形形状の基板21を備えている。基板21は、互いに対向する主面21a,21bを含んでいる。基板21には、その主面21a上の所定位置に、複数の電極パッド23,24が配置されている。基板21の内部には内部配線25が配置され、基板21の側面には外部端子26が配置されている。
【0038】
各電極パッド23は、基板21の主面21a上であって載置予定領域22の内側に配置されている。ここで、載置予定領域22は、固体撮像素子IS1,IS2が載置される領域であって、平面視矩形形状の基板21の略中央に位置する矩形形状を呈している。電極パッド23は、載置予定領域22の周縁部に渡って一列に配列されている。電極パッド23は、裏面入射型の固体撮像素子IS2の第二電極パッド12に接続されるためのものである。電極パッド23の位置は、載置される固体撮像素子IS2の第二電極パッド12の配列位置に対応している。電極パッド23は、円形状を呈している。
【0039】
各電極パッド24は、基板21の主面21a上であって載置予定領域22の外側に配置されている。すなわち、各電極パッド24は、載置予定領域22の外側に一列に配列されている。電極パッド24は、電極パッド23と同一数設けられている。電極パッド24は、表面入射型の固体撮像素子IS1の第一電極パッド10に接続されるためのものである。電極パッド24の位置は、載置される固体撮像素子IS1の第一電極パッド10の配列位置に対応している。電極パッド23,24は、金属等の導電性材料を用いて、印刷法やスパッタ等の方法により形成される。電極パッド24は、矩形形状を呈している。
【0040】
対応する電極パッド23と電極パッド24とは、内部配線25により電気的に接続されている。各内部配線25は、基板21の側面から下方に延びるように配置された複数の外部端子26と電気的に接続されている。この結果、対応する電極パッド23と電極パッド24とには、内部配線25及び外部端子26を介して共通の入出力信号が伝送されることになる。
【0041】
次に、図8〜図11を参照して、載置部材20を用いた固体撮像素子IS1,IS2の実装構造を説明する。図8及び図10は、本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造を示す平面図である。図9及び図11は、本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造における断面構成を説明する図である。
【0042】
図8及び図9に示されるように、固体撮像素子IS1は、主面1b(主面1aの裏面)が載置部材20(基板21)の主面21aと対向するように載置部材20(基板21の載置予定領域22)に載置されている。固体撮像素子IS1の半導体基板1と載置部材20の基板21とは、樹脂(たとえば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、若しくはアクリル系樹脂、又はこれらを複合させたものなど)Rによって接着されている。第一電極パッド10と電極パッド24とは、ワイヤボンディングにより接続されている。
【0043】
図10及び図11に示されるように、固体撮像素子IS2は、主面1aが載置部材20(基板21)の主面21aと対向するように載置部材20(基板21の載置予定領域22)に載置されている。固体撮像素子IS2の半導体基板1と載置部材20の基板21とは、樹脂Rによって接着されている。第二電極パッド12と電極パッド23とは、フリップチップボンディングにより接続されている。
【0044】
次に、図12及び図13を参照して、固体撮像素子IS1,IS2が載置される載置部材30の構成を説明する。図12は、本実施形態に係る載置部材を示す平面図である。図13は、本実施形態に係る載置部材の断面構成を説明する図である。
【0045】
載置部材30は、いわゆるインターポーザーであって、平面視矩形形状の基板31を備えている。基板31は、互いに対向する主面31a,31bを含んでいる。基板31には、主面31a上の所定位置に、複数の電極パッド33,34が配置され、主面31b上の所定位置に、複数の電極パッド35が配置されている。基板31の内部には内部配線36が配置されている。
【0046】
載置部材30は、パッケージ40の収容空間内に配置されており、台座41を介してパッケージ40の底部に載置されている。パッケージ40の枠部には、その所定位置に、複数の電極パッド43が配置されている。パッケージ40の枠部内には内部配線45が配置され、パッケージ40の側面には外部端子46が配置されている。対応する電極パッド43と外部端子46とは、内部配線45により電気的に接続されている。電極パッド43は、金属等の導電性材料を用いて、印刷法やスパッタ等の方法により形成される。パッケージ40は、載置部材30に対向して配置される窓部(図示省略)を備えている。台座41の代わりに、ペルチェ素子を用いてもよい。
【0047】
各電極パッド33は、基板31の主面31a上であって載置予定領域32の外側に配置されている。ここで、載置予定領域32は、固体撮像素子IS1,IS2が載置される領域であって、平面視矩形形状の基板31の略中央に位置する矩形形状を呈している。各電極パッド33は、載置予定領域32の外側に一列に配列されている。電極パッド33は、表面入射型の固体撮像素子IS1の第一電極パッド10に接続されるためのものである。電極パッド33の位置は、載置される固体撮像素子IS1の第一電極パッド10の配列位置に対応している。
【0048】
各電極パッド34は、基板31の主面31a上であって載置部材30の縁部に配置されている。電極パッド34は、載置部材30の縁部に沿って一列に配列されている。電極パッド34は、パッケージ40の電極パッド43にワイヤボンディングにより接続されるためのものである。電極パッド34の位置は、パッケージ40の電極パッド43の配列位置に対応している。電極パッド34は、電極パッド43と同一数設けられている。
【0049】
各電極パッド35は、基板31の主面31b上であって載置予定領域32に対応する領域の内側に配置されている。各電極パッド35は、載置予定領域32に対応する領域の内側に一列に配列されている。電極パッド35は、電極パッド33と同一数設けられていると共に、電極パッド34とも同一数設けられている。電極パッド35は、裏面入射型の固体撮像素子IS2の第二電極パッド12に接続されるためのものである。電極パッド35の位置は、載置される固体撮像素子IS2の第二電極パッド12の配列位置に対応している。電極パッド33,34,35は、金属等の導電性材料を用いて、印刷法やスパッタ等の方法により形成される。
【0050】
載置部材30には、固体撮像素子IS2の第二電極パッド12と電極パッド35とをワイヤボンディングにより接続するための貫通孔37が形成されている。貫通孔37は、電極パッド35の配列に沿って形成されている。また、貫通孔37は、載置部材30に載置される固体撮像素子IS2の第二電極パッド12が貫通孔37に臨む位置に形成されている。
【0051】
対応する電極パッド33と電極パッド34と電極パッド35は、内部配線36により電気的に接続されている。この結果、対応する電極パッド33と電極パッド35とには、内部配線36、電極パッド35、ボンディングワイヤ、電極パッド43、内部配線45、及び外部端子26を介して共通の入出力信号が伝送されることになる。
【0052】
次に、図14〜図17を参照して、載置部材30を用いた固体撮像素子IS1,IS2の実装構造を説明する。図14及び図16は、本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造を示す平面図である。図15及び図17は、本実施形態に係る固体撮像素子の実装構造における断面構成を説明する図である。
【0053】
図14及び図15に示されるように、固体撮像素子IS1は、主面1b(主面1aの裏面)が載置部材30(基板31)の主面31aと対向するように載置部材30(基板31の載置予定領域32)に載置されている。固体撮像素子IS1の半導体基板1と載置部材30の基板31とは、樹脂によって接着されている。第一電極パッド10と電極パッド33とは、ワイヤボンディングにより接続されている。
【0054】
図16及び図17に示されるように、固体撮像素子IS2は、主面1aが載置部材30(基板31)の主面31aと対向するように載置部材30(基板31の載置予定領域32)に載置されている。固体撮像素子IS2の半導体基板1と載置部材30の基板31とは、樹脂によって接着されている。第二電極パッド12と電極パッド35とは、貫通孔37を通してワイヤボンディングにより接続されている。
【0055】
以上のように、本実施形態では、複数の第一及び第二電極パッド10,12の配列方向に直交する中心線lに対して線対称となる位置関係にある第一電極パッド10と第二電極パッド12とが、配線14を通して接続されている。すなわち、複数の第一電極パッド10における辺2a,2bに沿う一方向での配列順番と、複数の第二電極パッド12における辺2a,2bに沿う一方向とは逆方向での配列順番と、で同じ順番関係にある第一電極パッド10と第二電極パッド12とが、配線14を通して接続されている。したがって、主面1aと主面1bとを反転させても、配線14を通して互いに接続された第一電極パッド10と第二電極パッド12との位置は、各電極パッド10,12の配列方向において同じとなる。
【0056】
固体撮像素子IS1の主面1bを載置部材20,30に対向させて載置する場合と固体撮像素子IS2の主面1aを載置部材20,30に対向させて載置する場合とで、第一電極パッド10又は第二電極パッド12に電気的に接続されることとなる載置部材20の外部端子26、並びに、載置部材30の電極パッド34及びパッケージ40の外部端子46の位置関係は反転しない。この結果、駆動回路などの外部回路を2種類準備しておく必要がなく、また、載置部材20,30も2種類準備しておく必要がない。したがって、本実施形態では、外部回路や載置部材などのコストや準備期間を容易に削減することができる。
【0057】
本実施形態では、複数の第一電極パッド10は、複数の第二電極パッド12よりも半導体基板1の縁寄りに位置している。すなわち、複数の第一電極パッド10は、複数の第二電極パッド12よりも半導体基板1の辺2a,2b寄りに位置している。これにより、固体撮像素子IS1を主面1bを載置部材20,30に対向させて載置する際に、各第一電極パッド10へのワイヤボンディングによる接続が容易となる。
【0058】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0059】
第一及び第二電極パッド10,12は、光感応領域3を挟むように、対向する2辺2a,2b寄りの領域にそれぞれ配置されているが、これに限られない。たとえば、第一及び第二電極パッド10,12は、2辺2a,2bのうちの一方の辺2a又は2b寄りの領域にされていてもよい。
【0060】
第一及び第二電極パッド10,12の数や配列数も、上述した実施形態で開示されたものに限られない。また、第一及び第二電極パッド10,12は、千鳥状に配置されている必要はなく、一列に配置されていてもよく、並列に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…半導体基板、1a,1b…主面、2a〜2d…辺、3…光感応領域、10…第一電極パッド、12…第二電極パッド、14…配線、20…載置部材、21a,21b…主面、23,24…電極パッド、30…載置部材、31a,31b…主面、33,35…電極パッド、46…外部端子、IS1,IS2…固体撮像素子、l…中心線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光感応領域を有する半導体基板と、
前記半導体基板の一の主面上に配列された複数の第一電極パッドと、
前記半導体基板の前記一の主面上に、前記複数の第一電極パッドが配列された方向に沿う方向に配列された複数の第二電極パッドと、
前記複数の第一電極パッドと前記複数の第二電極パッドとを1対1に接続する複数の配線と、を備えており、
前記複数の配線は、前記複数の第一及び第二電極パッドの配列方向に直交する中心線に対して線対称となる位置関係にある前記第一電極パッドと前記第二電極パッドとを接続していることを特徴とする固体撮像素子。
【請求項2】
前記複数の第一電極パッドは、前記複数の第二電極パッドよりも前記半導体基板の縁寄りに位置していることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
光感応領域を有し、矩形形状を呈する半導体基板と、
前記半導体基板の一の辺に沿う方向に配列された複数の第一電極パッドと、
前記半導体基板の前記一の辺に沿う前記方向に配列された複数の第二電極パッドと、
前記複数の第一電極パッドと前記複数の第二電極パッドとを1対1に接続する複数の配線と、を備えており、
前記複数の配線は、前記複数の第一電極パッドにおける前記一の辺に沿う一方向での配列順番と、前記複数の第二電極パッドにおける前記一の辺に沿う前記一方向とは逆方向での配列順番と、で同じ順番関係にある前記第一電極パッドと前記第二電極パッドとを接続していることを特徴とする固体撮像素子。
【請求項4】
前記複数の第一電極パッドは、前記複数の第二電極パッドよりも前記半導体基板の前記一の辺寄りに位置していることを特徴とする請求項3に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
前記半導体基板は、前記一の主面側が受光面側とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記半導体基板は、前記一の主面の裏面側が受光面側とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
請求項5に記載の固体撮像素子と、
前記固体撮像素子が載置され、一の主面上に複数の第三電極パッドが配置された載置部材と、を備え、
前記固体撮像素子は、前記固体撮像素子の前記一の主面の裏面が前記載置部材の前記一の主面と対向するように前記載置部材に載置されており、
前記複数の第一電極パッドと前記複数の第三電極パッドとが、ワイヤボンディングにより接続されていることを特徴とする固体撮像素子の実装構造。
【請求項8】
請求項6に記載の固体撮像素子と、
前記固体撮像素子が載置され、一の主面上に複数の第三電極パッドが配置された載置部材と、を備え、
前記固体撮像素子は、前記固体撮像素子の前記一の主面が前記載置部材の前記一の主面と対向するように前記載置部材に載置されており、
前記複数の第二電極パッドと前記複数の第三電極パッドとが、フリップチップボンディングにより接続されていることを特徴とする固体撮像素子の実装構造。
【請求項9】
請求項6に記載の固体撮像素子と、
前記固体撮像素子が載置され、一の主面上に複数の第三電極パッドが配置された載置部材と、を備え、
前記固体撮像素子は、前記固体撮像素子の前記一の主面が前記載置部材の前記一の主面の裏面と対向するように前記載置部材に載置されており、
前記複数の第二電極パッドと前記複数の第三電極パッドとが、ワイヤボンディングにより接続されていることを特徴とする固体撮像素子の実装構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−55242(P2013−55242A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192938(P2011−192938)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】