説明

固体撮像装置

【課題】フレアやゴーストの発生を抑制する。
【解決手段】固体撮像装置は、開口部を有する基板と、基板の開口部の周囲の下面にフリップチップ実装され、基板の上面に配設されるレンズにより取り込まれ、開口部から入射される光を受光し、光電変換する固体撮像素子とを備え、基板の開口部の周囲の厚さは、基板の他の部分の厚さより薄く形成されている。本技術は、例えば、カメラ付き携帯電話機に搭載されるカメラモジュールに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、固体撮像装置に関し、特に、フレアやゴーストの発生を抑制することができるようにする固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、固体撮像装置におけるイメージセンサについても、他の半導体チップと同様、先端プロセスが導入されることで、チップシュリンクが進む傾向にある。これに伴い、例えば、イメージセンサと基板とがワイヤボンディングによって接続される固体撮像装置を設計する際には、イメージセンサにおいて、ボンディングパッドをレンズ有効径内に配置するように設計することも考えられる。
【0003】
しかしながら、このような場合、レンズから入射した光が、ボンディングパッドに接続されているワイヤ(金線)表面に反射し、イメージセンサ上の受光面に入り込むことにより、フレアやゴーストが発生する恐れがあった。
【0004】
これに対して、レンズからの光のうちの、イメージセンサ上に配置されているボンディングパッド近辺に入射される光を遮光する遮光部材を設けるようにした固体撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
これによって、レンズから入射した光が、ボンディングパッドに接続されている金線表面に反射し、イメージセンサ上の受光面に入り込むことにより発生するフレアやゴーストを抑制することができるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−222249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、薄型化を目的としたフリップチップ構造の固体撮像装置が知られている。
【0008】
図1は、従来のフリップチップ構造の固体撮像装置の構成を示す図である。
【0009】
図1の固体撮像装置においては、CMOSイメージセンサ10(以下、単に、イメージセンサ10という)が、開口部を有する基板11に、バンプ12を介して電気的に接続されている。バンプ12によるイメージセンサ10と基板11との接続部分は、エポキシ樹脂等からなるアンダーフィル(UF)13により封止されている。また、基板11の開口部には、イメージセンサ10の受光面10aの上部を保護するためのシール部材14が、UV硬化型の接着部材によって接着されている。なお、この接着部材は、熱硬化型であってもよい。シール部材14は、光を透過する透明な材料で形成されており、図中、太矢印で示される図示せぬレンズからの入射光が、シール部材14を介して、イメージセンサ10の受光面10aに入射される。
【0010】
図1に示されるフリップチップ構造の固体撮像装置においては、受光面10aと基板11の開口部の縁面とは、比較的近い位置にある。したがって、シール部材14を介して入射される入射光のうち、基板11の開口部の縁面で反射した反射光が、受光面10aに入り込んでしまい、フレアやゴーストの発生を引き起こす恐れがある。
【0011】
そこで、受光面10aと基板11の開口部の縁面とを、反射光が受光面10aに入り込まないような位置にしようとすると、イメージセンサ10のチップサイズは大きくなってしまう。
【0012】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、フレアやゴーストの発生を抑制することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本技術の一側面の固体撮像装置は、開口部を有する基板と、前記基板の前記開口部の周囲の下面にフリップチップ実装され、前記基板の上面に配置されるレンズにより取り込まれ、前記開口部から入射される光を受光し、光電変換する固体撮像素子とを備え、前記基板の前記開口部の周囲の厚さは、前記基板の他の部分の厚さより薄く形成される。
【0014】
前記基板の前記開口部の周囲は単層で構成され、前記基板の他の部分は多層で構成されるようにできる。
【0015】
前記基板の前記開口部には、前記固体撮像素子の受光面を保護するためのシール材が樹脂により固定され、前記樹脂は、黒色のカーボンフィラーまたは染料が混合されるようにできる。
【0016】
前記固体撮像装置には、前記シール材の前記レンズ側の面または前記固体撮像素子側の面に、前記レンズから前記固体撮像素子に入射する光の一部を遮光する遮光部材をさらに設け、前記遮光部材の縁面の、前記レンズの光軸方向に対してなす角度は、前記遮光部材の縁部に入射する光の入射角より大きいようにすることができる。
【0017】
前記遮光部材の縁面の、前記レンズの光軸方向に対してなす角度は、前記遮光部材の縁部に入射する光のうちの、入射角が最も大きい光の前記入射角より大きいようにすることができる。
【0018】
前記開口部の縁面は、前記遮光部材の縁面の仮想延長面と交わらないようにすることができる。
【0019】
本技術の一側面においては、開口部を有する基板と、基板の開口部の周囲の下面にフリップチップ実装され、基板の上面に配置されるレンズにより取り込まれ、開口部から入射される光を受光し、光電変換する固体撮像素子とを備える固体撮像装置において、基板の開口部の周囲の厚さは、基板の他の部分の厚さより薄く形成される。
【発明の効果】
【0020】
本技術の一側面によれば、フレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来のフリップチップ構造の固体撮像装置の構成例を示す図である。
【図2】本技術を適用したフリップチップ構造の固体撮像装置の構成例を示す図である。
【図3】本技術を適用した固体撮像装置における基板の開口部での反射について説明する図である。
【図4】本技術を適用した固体撮像装置の他の構成例を示す図である。
【図5】本技術を適用した固体撮像装置のさらに他の構成例を示す図である。
【図6】遮光部材の位置および受光面の端部と基板の開口部の縁面との距離について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本技術の実施の形態について図を参照して説明する。
【0023】
[固体撮像装置の構成例]
図2は、本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【0024】
図2の固体撮像装置は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ30、基板31、バンプ32、アンダーフィル(UF)33、シール部材34、および補強樹脂35から構成される。
【0025】
CMOSイメージセンサ30(以下、単に、イメージセンサ30という)は、光電変換素子を含む単位画素(以下、単に、画素ともいう)が行列状(マトリックス状)に2次元配置されてなる受光面30aを有しており、受光面30aに入射した光量に応じた電荷量を物理量として画素単位で検知する。
【0026】
基板31は、例えば、リジッドフレキシブル基板として構成され、開口部を有している。その開口部の周囲の下面には、イメージセンサ30がフリップチップ実装されており、基板31は、バンプ32を介して、イメージセンサ30と電気的に接続されている。基板31の上面には、図示せぬレンズが配置されており、レンズにより取り込まれた光は、基板31の開口部から、イメージセンサ30の受光面30aに入射される。
【0027】
基板31において、開口部の周囲の厚さは、基板31の他の部分の厚さより薄く形成されている。具体的には、基板31の開口部の周囲の断面は、図3に示されるように、L字型に形成されており、基板31の開口部の周囲部分Pは、単層(リジッド層)で構成され、基板31のそれ以外の部分は、多層(リジッド層およびフレキシブル層)で構成される。図3の基板31において、開口部の周囲部分Pを含む層には、バンプ32と接続されるパッド(電極)および配線が形成されている。
【0028】
UF33は、エポキシ樹脂等からなり、バンプ32によるイメージセンサ30と基板31との接続部分を封止している。
【0029】
シール部材34は、例えば、ガラスや樹脂フィルム等の光を透過する透明な材料で形成されており、イメージセンサ30の受光面30aの上部を保護するためのシール材としての役割を担う。シール部材34の上面または下面には、赤外線吸収材料を有する光学フィルタであるIRCF(Infrared Ray Cut Filter)が貼りつけられていてもよい。また、シール部材34自体が、シール材としての機能と赤外線を吸収する機能を有する、ガラスや樹脂フィルム等で形成されるIRCFであってもよい。シール部材34は、黒色のカーボンフィラーや染料等が混合された、UV硬化型の補強樹脂35によって、基板31の開口部の単層基板上に固定(接着)されている。なお、補強樹脂35は、熱硬化型の樹脂であってもよい。
【0030】
以上の構成によれば、基板31の開口部の周辺の厚さが薄く形成されているので、基板31の開口部の縁面での入射光の反射は低減され、基板31の開口部の縁面からの反射光によるフレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0031】
また、図3に示されるように、太矢印で示される図示せぬレンズからの入射光の一部は、補強樹脂35で反射されるが、基板31の開口部の周囲の断面および補強樹脂35の形状と、補強樹脂35に混合された黒色のカーボンフィラーや染料等とによって、受光面30aに入り込む反射光は低減されるようになる。
【0032】
したがって、受光面30aと基板31の開口部の縁面とを、近い位置とすることができ、ひいては、基板31の開口部の面積を小さくすることができるので、イメージセンサ30のチップサイズを小さくすることができる。これにより、理収を高めることができ、チップ1個当たりのコストを低減することができるようになる。
【0033】
また、イメージセンサ30において、受光面30aと基板31の開口部の縁面とを、近い位置とすることができるので、イメージセンサ30の周辺回路の規模をも小さくすることが可能になり、半導体チップのプロセス世代を進めることが可能となる。その結果、消費電力の低減や、動作速度の向上に対応したイメージセンサを提供することが可能となる。
【0034】
さらに、イメージセンサ30のチップサイズを小さくすることができるので、イメージセンサ30を備えるカメラモジュールのサイズも小さくすることができ、特に小型化の要求があるカメラ付き携帯電話機等に適用することが可能となる。
【0035】
[固体撮像装置の他の構成例]
図4は、本技術を適用したフリップチップ構造の固体撮像装置の他の構成を示す図である。なお、図4の固体撮像装置において、図2の固体撮像装置と対応する部分については、同一の符号を付している。
【0036】
図4において、遮光部材41は、所定の厚さをもつ、黒色に着色されたフィルムからなり、図示せぬレンズからイメージセンサ30の受光面30aに入射する入射光を通過させる開口部を有する。遮光部材41は、レンズとイメージセンサ30との間の光路上に配置され、シール部材34のレンズ側の面に貼りつけられる。
【0037】
レンズからの入射光の大半は、遮光部材41の開口部からイメージセンサ30の受光面30aに入射されるが、レンズからの入射光のうちの、補強樹脂35および基板31の開口部の縁面に入射される入射光は、遮光部材41によって遮光されるようになされている。
【0038】
また、図4において、イメージセンサ30の受光面30aに対する入射光のうち、最も入射角の大きい入射光が遮光部材41の開口部の縁部を通過するように、遮光部材41の縁面にレンズの光軸方向に対して角度をつければ、遮光部材41の開口部の縁面において入射光が反射することはない。すなわち、遮光部材41の縁面の、レンズの光軸に対してなす角度(以下、縁面角度という)は、遮光部材41の開口部の縁部に入射する入射光の入射角より大きい角度とされる。なお、遮光部材41の開口部の縁面につけられる縁面角度は、遮光部材41としてのフィルムを金型により成形することで得られる。
【0039】
さらに、遮光部材41の幅(図中、横方向の長さ)は、基板31の開口部の縁面と、遮光部材41の開口部の縁面の仮想延長面とが交わらないように設計されている。すなわち、遮光部材41の開口部の縁部を通過した入射光が、基板31の開口部の縁面に反射することはない。
【0040】
以上の構成によれば、補強樹脂35および基板31の開口部の縁面で入射光が反射することはなくなるとともに、遮光部材41の開口部の縁面で入射光が反射することはなくなるので、補強樹脂35、基板31の開口部の縁面、または遮光部材41の開口部の縁面からの反射光によるフレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0041】
また、受光面30aに入り込む反射光はより低減されるようになるので、受光面30aと基板31の開口部の縁面とを、より近い位置とすることができ、ひいては、基板31の開口部の面積をより小さくすることが可能となる。したがって、イメージセンサ30のチップサイズをより小さくすることができる。
【0042】
以上においては、遮光部材41が、シール部材34のレンズ側の面に貼りつけられるようにしたが、シール部材34のレンズ側の面とは反対の面(イメージセンサ30側の面)に貼りつけられるようにしてもよい。
【0043】
[固体撮像装置のさらに他の構成例]
図5は、本技術を適用したフリップチップ構造の固体撮像装置のさらに他の構成を示す図である。なお、図5の固体撮像装置において、図4の固体撮像装置と対応する部分については、同一の符号を付している。
【0044】
すなわち、図5の固体撮像装置においては、遮光部材51が、シール部材34のイメージセンサ30側の面に貼りつけられている。
【0045】
なお、図4の固体撮像装置においては、遮光部材は、黒色に着色されたフィルムから形成されるものとしたが、図5の固体撮像装置においては、遮光部材51は、シール部材34に印刷材料を印刷することで形成されるようにしてもよい。印刷材料は、例えば、カーボンフィラーや染料等で黒色化したエポキシ樹脂やアクリル樹脂、エポキシ−アクリル混合型の樹脂等であり、UV硬化性や熱硬化性を有するものとされる。また、印刷材料は、常温硬化性を有する樹脂であってもよい。このような印刷材料の印刷方式としては、スクリーン印刷方式やインクジェット印刷方式が適用される。
【0046】
なお、遮光部材51が液体状の印刷材料である場合、遮光部材51の縁面角度は、シール部材34の濡れ性によって決まる印刷材料の接触角として得られる。なお、縁面角度を、複数回の印刷における印刷材料の重ね方によって得るようにしてもよい。
【0047】
また、例えば、遮光部材51は、シール部材34に薄膜を蒸着することで形成されるようにしてもよい。この場合、蒸着された薄膜に対して開口部をパターニングする際、サイドエッチが入るようにエッチングすることで、遮光部材51が形成される。
【0048】
以上の構成によれば、補強樹脂35および基板31の開口部の縁面で入射光が反射することはなくなるとともに、遮光部材51の開口部の縁面で入射光が反射することはなくなるので、補強樹脂35、基板31の開口部の縁面、または遮光部材51の開口部の縁面からの反射光によるフレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0049】
また、受光面30aに入り込む反射光はより一層低減されるようになるので、受光面30aと基板31の開口部の縁面とを、より一層近い位置とすることができ、ひいては、基板31の開口部の面積をより一層小さくすることが可能となる。したがって、イメージセンサ30のチップサイズをより一層小さくすることができる。
【0050】
[遮光部材の位置および受光面の端部と基板の開口部の縁面との距離について]
ここで、図6を参照して、イメージセンサに対する遮光部材の位置、および、受光面の端部と基板の開口部の縁面との距離について説明する。なお、以下においては、図1の固体撮像装置のシール部材14のイメージセンサ10側の面に遮光部材を貼りつけた場合の、イメージセンサに対する遮光部材の位置、および、受光面の端部と基板の開口部の縁面との距離について説明する。
【0051】
イメージセンサ10に対する遮光部材61の位置は、所定のばらつきを含んでいるが、そのばらつきは、ある一定の範囲に抑えられるように製造される。図6において示される曲線は、遮光部材61の縁部(縁面)の位置のばらつきを示した分布曲線である。すなわち、図6の分布曲線がピークとなる位置は、設計上の遮光部材61の縁面の位置を示し、実際の遮光部材61の縁面の位置は、設計上の位置から最大誤差σのばらつきを有している。
【0052】
イメージセンサ10の受光面10aに対して、レンズからの主光線がある入射角(CRA:Chief Ray Angle)で入射される場合、その主光線に対応する上光線および下光線もまた、それぞれの入射角で入射される。
【0053】
図6においては、受光面10aの端部に入射される主光線に対応する上光線が、遮光部材61に遮光されないようになされており、受光面10aには、主光線と、その主光線に対応する上光線および下光線がもれなく入射される。
【0054】
また、図6においては、遮光部材61に遮光されずに通過した下光線が、基板11の開口部の縁面で反射しても、受光面10aの端部に入射されないようになされている。
【0055】
すなわち、イメージセンサ10に対する遮光部材61の位置は、遮光部材61の開口部の縁部において、受光面10aに主光線とその主光線に対応する上光線および下光線がもれなく入射され、かつ、下光線の反射光が受光面10aに入射されない位置となる。
【0056】
ここで、遮光部材61の開口部の縁部と受光面10aの端部との距離をDとし、遮光部材61の開口部の縁部と下光線の反射光が入射されるイメージセンサ10上の位置との距離をD’とした場合、以下の式(1)を満たせば、下光線の反射光が受光面10aに入射されないようになる。
D>D’ ・・・(1)
【0057】
ここで、シール部材14とイメージセンサ10表面との距離(ギャップ長)をG、下光線の入射角をθL、シール部材14と下光線の基板11の開口部の縁面での反射位置との距離をXとすると、D’は、以下の式(2)で表わされる。
D’=(G−X)tanθL ・・・(2)
【0058】
また、遮光部材61の縁面の、設計上の位置から最大誤差σ分開口部中心側(図中左側)にずれた位置と、受光面10aの端部の鉛直上の位置との距離をLとすると、以下の式(3)が成り立つ。
L+D=2σ+XtanθL ・・・(3)
【0059】
したがって、距離Xは、以下の式(4)で表わされる。
X=(L+D−2σ)/tanθL ・・・(4)
【0060】
式(4)で表わされる距離Xを、式(2)に代入すると、式(1)は、以下の式(5)で表わされるようになる。
D>(GtanθL−L+2σ)/2 ・・・(5)
【0061】
ここで、上光線の入射角をθUとすると、L=GtanθUと表されるので、上述の式(5)は、以下の式(6)で表わされるようになる。
D>{G(tanθL−tanθU)+2σ}/2 ・・(6)
【0062】
すなわち、上述の式(6)を満たすように固体撮像装置を設計すれば、遮光部材61に遮光されずに通過した下光線が、基板11の開口部の縁面で反射しても、受光面10aの端部に入射されないようになり、基板11の開口部の縁面からの反射光によるフレアやゴーストの発生を抑制することが可能となる。
【0063】
また、式(6)によれば、ギャップ長Gが小さいほど、遮光部材61の開口部の縁部と受光面10aの端部との距離Dを小さくすることができる。すなわち、基板11の厚さを薄くすることで、遮光部材61の開口部の縁部と受光面10aの端部との距離Dを小さくすることができ、ひいては、基板11の開口部の面積をより一層小さくすることが可能となる。
【0064】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術
の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0065】
さらに、本技術は以下のような構成をとることができる。
(1) 開口部を有する基板と、
前記基板の前記開口部の周囲の下面にフリップチップ実装され、前記基板の上面に配置されるレンズにより取り込まれ、前記開口部から入射される光を受光し、光電変換する固体撮像素子と
を備え、
前記基板の前記開口部の周囲の厚さは、前記基板の他の部分の厚さより薄く形成される
固体撮像装置。
(2) 前記基板の前記開口部の周囲は単層で構成され、前記基板の他の部分は多層で構成される
(1)に記載の固体撮像装置。
(3) 前記基板の前記開口部には、前記固体撮像素子の受光面を保護するためのシール材が樹脂により固定され、
前記樹脂には、黒色のカーボンフィラーまたは染料が混合される
(1)または(2)に記載の固体撮像装置。
(4) 前記シール材の前記レンズ側の面または前記固体撮像素子側の面に、前記レンズから前記固体撮像素子に入射する光の一部を遮光する遮光部材をさらに備え、
前記遮光部材の縁面の、前記レンズの光軸方向に対してなす角度は、前記遮光部材の縁部に入射する光の入射角より大きい
(3)に記載の固体撮像装置。
(5) 前記遮光部材の縁面の、前記レンズの光軸方向に対してなす角度は、前記遮光部材の縁部に入射する光のうちの、入射角が最も大きい光の前記入射角より大きい
(4)に記載の固体撮像装置。
(6) 前記開口部の縁面は、前記遮光部材の縁面の仮想延長面と交わらない
(4)または(5)に記載の固体撮像装置。
【符号の説明】
【0066】
30 CMOSイメージセンサ, 30a 受光面, 31 基板, 34 シール部材, 35 補強樹脂, 41,51,61 遮光部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する基板と、
前記基板の前記開口部の周囲の下面にフリップチップ実装され、前記基板の上面に配置されるレンズにより取り込まれ、前記開口部から入射される光を受光し、光電変換する固体撮像素子と
を備え、
前記基板の前記開口部の周囲の厚さは、前記基板の他の部分の厚さより薄く形成される
固体撮像装置。
【請求項2】
前記基板の前記開口部の周囲は単層で構成され、前記基板の他の部分は多層で構成される
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記基板の前記開口部には、前記固体撮像素子の受光面を保護するためのシール材が樹脂により固定され、
前記樹脂には、黒色のカーボンフィラーまたは染料が混合される
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記シール材の前記レンズ側の面または前記固体撮像素子側の面に、前記レンズから前記固体撮像素子に入射する光の一部を遮光する遮光部材をさらに備え、
前記遮光部材の縁面の、前記レンズの光軸方向に対してなす角度は、前記遮光部材の縁部に入射する光の入射角より大きい
請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記遮光部材の縁面の、前記レンズの光軸方向に対してなす角度は、前記遮光部材の縁部に入射する光のうちの、入射角が最も大きい光の前記入射角より大きい
請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記開口部の縁面は、前記遮光部材の縁面の仮想延長面と交わらない
請求項5に記載の固体撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−30526(P2013−30526A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163935(P2011−163935)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】