説明

固形の粉末化粧料

【課題】 セリサイトなどの鱗片状の粉体の表面にパーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理等の疎水化処理粉体のしっとり感と化粧持ちの両方を向上せしめる手段を提供する。
【解決手段】 1)ローヤルゼリー及び/又はその抽出物で、2)疎水化処理をしたセリサイト又はマイカを被覆して、表面処理粉体を作成し、化粧料に含有させる。該化粧料としては、固形粉末化粧料が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料用の粉体及び該粉体を含有してなる化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
油脂などを被覆した粉体を加圧成形した固形粉末化粧料は、簡単な化粧動作できれいな仕上がりが出来る利点を有しているため、ファンデーションなどとして広く使用されるようになってきている。その反面、当初は、粉体の吸油性による乾燥感、化粧崩れがしやすい等の欠点も存していた。乾燥感については、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼付などのシリコーン処理を粉体に施し、且つ、粉体自身を油性成分で被覆することにより乾燥感は顕著に軽減された(例えば、特許文献1を参照)が、しっとり感を付与するまでいたらず、真冬の乾燥感は乳化型のファンデーションなどの比較をすると、必ずしも十分ではなく、更に改善する技術の開発が望まれていたと言える。
【0003】
一方、化粧崩れに関しては、シリコーンによる表面処理と、粘性の高い油脂の被覆による、化粧膜の密着性の向上により改善されたが、実用上化粧直しは、乳化型のファンデーションなどの比較すると、頻繁に行わなければならないのが現状であった。即ち、疎水性を粉体に付与すること、或いは、粉体に油性物質で粘着性を付与することによってでは解決できない、化粧崩れの因子が存することが推察される。即ち、固形粉末化粧料に於いて、化粧持ちを更に改善する技術の開発が望まれていたと言える。
【0004】
一方、ローヤルゼリーを化粧料に含有せしめる技術は既に知られており、ローヤルゼリーの有している種々の作用を担う物質として「ロイラクチン」と呼ばれる57キロダルトンの糖タンパク質が知られている。かかる成分は分子サイズとN末における「Asn Ile Leu Arg Gly Glu Ser Leu Leu Lys Lys Leu Pro Ile Leu His Glu Met Lys Phe Phe Asp Tyr Xaa Asp」のアミノ酸配列によって特定される。尚、 Xaa は不明のアミノ酸を示す(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7を参照)しかしながら、ローヤルゼリーで粉体を被覆する技術も知られていないし、疎水化処理をした粉体を基体とし、それをローヤルゼリーで被覆することにより、前記複合粉体の化粧持ちを、光学効果を損なうことなく向上できることも全く知られていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開平03−9964号公報
【特許文献2】WO99/49834
【特許文献3】特開平11−60444号公報
【特許文献4】特開平11−209239号公報
【特許文献5】特開2003−000162号公報
【特許文献6】特開2002−335883号公報
【特許文献7】特開2002−199849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、セリサイトなどの鱗片状の粉体の表面にパーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理等の疎水化処理をした粉体のしっとり感と化粧持ちの両方を向上せしめる手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、セリサイトなどの鱗片状の粉体の表面にパーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理等の疎水化処理をした粉体のしっとり感と化粧持ちを向上せしめる手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、ローヤルゼリーで被覆することにより、この様なしっとり感と化粧持ちの向上が為しうることを見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
(1)1)ローヤルゼリー及び/又はその抽出物で、2)疎水化処理をした粉体を基体とし、それに被覆してなる粉体であって、前記疎水化処理をした粉体は、セリサイト、マイカである、化粧料用の粉体。
(2)前記ローヤルゼリーは、57キロダルトンの糖タンパクを、蛋白総量に対して9質量%以上含有するものであることを特徴とする、(1)に記載の化粧料用の粉体。
(3)前記ローヤルゼリーの被覆量は、被覆粉体の総質量に対して0.1〜 10質量%であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の化粧料用の粉体。
(4)前記基体となる粉体は、パーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理から選択される1種乃至は2種以上の疎水化処理をしたセリサイト、マイカであることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の化粧料用の粉体。
(5)(1)〜(4)何れか1項に記載の化粧料用の粉体を含有してなる、化粧料。
(6)固形粉末化粧料であることを特徴とする、(5)に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、セリサイトなどの鱗片状の粉体の表面にパーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理等の疎水化処理粉体のしっとり感と化粧持ちの両方を向上せしめる手段を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)本発明の化粧料用の粉体
本発明の化粧料用の粉体は、疎水化粉体をローヤルゼリーで被覆してなる粉体であって、前記疎水化粉体は、パーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理等の疎水化処理されたセリサイトを基材とし、かかる基体の粉体にローヤルゼリーを被覆してなることを特徴とする。前記パーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理等の疎水化処理された粉体としては、例えばパーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサンやジメチルポリシロキサン焼き付け処理、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理は常法に従って調整することが出来、例えば、パーフルオロアルキル処理であれば、パーフルオロアルキル基を有するシリル化剤を用いてカップリング処理を行ったり、パーフルオロアルキルリン酸エステルのジエタノールアミン塩等を被覆したりしても良い。ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼付やジメチルポリシロキサン焼付は、塩化メチレンなどの溶媒に溶解せしめ、均一に被覆した後、100〜400℃で焼付を行えばよいし、金属石鹸コーティングはステアリン酸アルミニウムなどの金属石鹸をメカノケミカルに被覆することにより調整できる。アシル化アミノ酸処理であれば、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウムの水溶液中に粉体を分散せしめ、しかる後に塩化アルミニウムの水溶液などを加えてN−アシルグルタミン酸アルミニウムを粉体上に沈殿せしめ、これを乾燥することにより調整することが出来る。これらの処理粉体の内では、パーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付けなどが特に好適に例示できる。パーフルオロアルキル処理とは、炭素−炭素結合と炭素−フッ素結合のみの結合しか有さないパーフルオロアルキル構造をアルキル基内に含むアルキル基を有する、アルキルトリアルコキシシラン、ジアルコキシジアルキルシラン又はアルコキシトリアルキルシラン等で処理し、当該パーフルオロアルキル構造をアルキル基内に含むアルキル基を粉体表面に化学修飾した粉体を意味する。この様なパーフルオロアルキル構造を有するアルキル基としては、炭素数3〜20のアルキル基であって、その水素の50%以上をフッ素原子で置換したものが好ましく、例えば、ペンタフルオロプロピル基、ヘプタフルオロペンチル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘプタデカフルオロデシル基、トリトリデカオクタデシル基等が好適に例示できる。これらの基を有する上記シランカップリング剤によってシランカップリングする事により、本発明の必須成分であるパーフルオロアルキル処理粉体を得ることが出来る。処理量としては、粉体:パーフルオロアルキル処理剤=8:2〜99:1で処理を行うのが好ましい。又、この様な処理粉体については、市販のものもあり、本発明ではこの様な市販の処理粉体を使用することもできる。かかる市販品としては、例えば、HFセリサイトやHFチタニアセリサイト(テイカ株式会社製)等が例示できる。又、ハイドロジェンメチルポリシロキサンやジメチルポリシロキサン焼き付け処理であれば、ベースとなる粉体に対して0.1〜20重量部の当該シリコーンを粉体にコーティングし、80〜200℃で焼き付け処理すればよい。又、金属石鹸処理であれば、粉体と脂肪酸石鹸を水性担体中に共存させ、塩化アルミニウムや塩化亜鉛等の可溶性金属塩を加え、金属石鹸を粉体上に析出させれることもできる。このものを取り出し乾燥させれば、金属石鹸コーティング粉体を得ることができる。この方法に準じてアシル化アミノ酸塩コーティング粉体も作成することができる。金属石鹸やアシル化アミノ酸塩はベースになる粉体に対して0.1〜20重量%用いるのが好ましい。かかる基体となる粉体90〜99質量%に対し、ローヤルゼリーを1〜10質量%被覆することにより、本発明の化粧料用の粉体は製造することが出来る。この様な被覆は、溶媒乃至は分散媒にローヤルゼリーを1〜10質量倍の可溶化乃至は分散させて、好ましくは20 ℃以下で被覆し、減圧条件で溶媒除去することにより製造できる。この様な溶媒乃至は分散媒としては、水、エタノール、イソプロパノール及びブタノールから選択される1 種乃至は2種以上が好適に例示できる。
【0010】
この様な被覆に使用されるローヤルゼリーとしては、鮮度の高いものが、その効果も高く、好ましく該鮮度はロイヤラクチンの含有量によって鑑別することが出来る。即ち、ローヤルゼリーに含まれる総タンパク量に対しての、ロイヤラクチンの質量百分率が9 質量%以上の場合に該ローヤルゼリーは新鮮であると鑑別できる。かかるロイヤラクチンの特定は次のような物性の確認によって行うことが出来る。
1)ローヤルゼリー中のタンパク質の非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳永動において単一バンドを形成する。
2)還元条件下でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定される分子量が約57キロダルトンである。 3) N末において「His Glu Met Lys Phe Phe Asp Tyr Xaa Asp Asn Ile Leu Arg Gly Glu Ser Leu Leu Lys Lys Leu Pro Ile Leu 」のアミノ酸配列を有する。
【0011】
又、かかる糖タンパクであるロイヤラクチンの定量は次のように行うことが出来る。
電気泳動によりタンパク質の構成を分析し、有効成分であるタンパク質の分子量を特定することを特徴とする。電気泳動の方法としては、該有効タンパク質が特定できれば特段の限定は受けないが、好ましい方法は、水溶性ローヤルゼリータンパク質(3%ローヤルゼリー水溶液(W/V) )をポリアクリルアミドゲル(10%均一)にて、電流2 0mAで電気泳動し、クマシーブリリアントブルーにより染色して、タンパク質を特定する方法である。総染色部分に対する、57キロダルトンのバンドの染色部分の染色強度比を算出することにより、定量出来る。
【0012】
(2)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記本発明の化粧料用の粉体を含有することを特徴とする。本発明の化粧料としては、固形粉末化粧料が好ましい。本発明に言う固形粉末化粧料とは、粉体に所望により30質量%以下の油脂成分をコーティングし、これを固形に成形したもので、該成型手段としては、加圧成型などが好適に例示できる。本発明の化粧料に於いては、前記必須成分の化粧料用の粉体は、唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。本発明の化粧料における、必須成分である本発明の化粧料用粉体の含有量であるが、かかる粉体の光学効果が現れる量であれば特段の限定はないが、総量で、化粧料全量に対して、1〜60質量%が好ましく、より好ましくは10〜40質量%である。かかる粉体は、この様な含有量に於いて、白くのっぺりした感じを感じさせない、自然なカバー力を発現する。加えて、この様な化粧仕上がりは長時間持続する特徴を有する。
【0013】
本発明の皮膚外用剤においては、かかる成分以外に、通常粉体化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリンマイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコールステアリルアルコールイソステアリルアルコールベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチルミリスチン酸イソプロピルイソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ− 2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等、ラウリル硫酸カリウム)、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等) 、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類 (ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコールグリセリン1 3−ブチレングリコール、エリスリトールソルビトールキシリトールマルチトールプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404 号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸、収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB 塩酸塩、ビタミンB トリパルミテート、ビタミンB2 ジオクタノエート、ビタミンB12 、ビタミンB 6 又はその誘導体 、ビタミンB 又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。これらの成分を常法に従って処理することにより、本発明の化粧料は製造することが出来る。
【0014】
以下に、本発明について、以下に実施例を挙げて、更に詳細説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0015】
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料用の粉体を製造した。即ち、ディスパーを用いて、200回転/分でイを攪拌しながら、これにロを徐々に加えた。全量が添加された後7000回転/分の速度で10分分散し、これを真空脱泡した後、減圧下20℃ で4日間乾燥させ、しかる後に0.7mmφ丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕して、本発明の化粧料用の粉体1を得た。
【0016】
【表1】

【実施例2】
【0017】
化粧料用の粉体1と同様の方法で、下記の処方に従って、本発明の粉体である、化粧料用の粉体2を得た。
【0018】
【表2】

【実施例3】
【0019】
化粧料用の粉体1と同様の方法で、下記の処方に従って、本発明の粉体である化粧料用の粉体3を得た。
【0020】
【表3】

【実施例4】
【0021】
化粧料用の粉体1と同様の方法で、下記の処方に従って、本発明の粉体である化粧料用の粉体4を得た。
【0022】
【表4】

【0023】
<参考例1>
下記の処方に従って、化粧料用の粉体1と同様の方法で処理して、ローヤルゼリー被覆セリサイト(比較例1)を得た。
【0024】
【表5】

【実施例5】
【0025】
下記に示す処方に従って、化粧料1を作製した。即ち、イの成分をヘンシェルミキサーで混合し0.9mmφ 丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーで再度混合しながらロの成分を噴霧しコーティングして、1mm ヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、金皿に充填し、加圧成型して、本発明の化粧料である、化粧料1を得た。同様の操作で、化粧料1の化粧料用の粉体1をセリサイトに置換した比較例2、ハイドロジェンメチルポリシロキサン5質量%焼付処理(以後単にシリコーン処理と称することもある)セリサイトに置換した比較例3、比較例1に置換した比較例4も製造した。
【0026】
【表6】

【0027】
<試験例1>
前腕内側部に2cm×4cmの部位を4カ所設け、部位の位置がわかるようにマーキングした後、1つには化粧料1を40mg、1つには比較例2を40mg、1つには比較例3を40mg、残る一つには比較例4をウレタンチップを用いて塗布した。4時間通常の生活状態で過ごした後、それぞれの部位にピクリン酸の1%エタノール溶液を含浸させた直径2cmのパルプディスクを30秒置いて取り外し、速やかに前腕全体を温流水下、石鹸を用いて洗浄した。洗浄後10分静置し、部位以外の部分と、パルプディスクを置いた部分の色差(ΔE)をコニカミノルタ色彩色差計CR400で測定し、ピクリン酸の染着程度を調べた。結果を表7に示す。これより、本発明の化粧料は、長時間化粧崩れをせずに残存し、皮膚を保護していることがわかる。又、この様な化粧崩れ防止効果は、外層にシリカのような多孔質の粉体が存在するために発現することもわかる。
【0028】
【表7】

【0029】
<試験例2>
上記化粧料1、比較例2〜4について、専門パネラーによる使用性評価を行った。使用性の評価項目はカバー力、及び、仕上がりの自然さで、評価基準はスコア1:感じない、スコア2:不足している、スコア3:可もなく不可もなく、スコア4:優れるの評点を付して行った。結果を表8に示す。これより、本発明の化粧料用の粉体は基体の性質を生かしつつ、その化粧崩れを防ぐものであることがわかる。
【0030】
【表8】

【実施例6】
【0031】
本発明の化粧料である化粧料2〜 4を化粧料1と同様に製造した。従って、下記に示す処方に、試験例1に従った評価を表10に示す。同様の結果が確認された。又、ローヤルゼリーは新鮮なロイヤラクチンが9質量%を越えて、多ければ多いほどよいこともわかった。
【0032】
【表9】

【0033】
【表10】

【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、固形粉末化粧料などの化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)ローヤルゼリー及び/又はその抽出物で、2)疎水化処理をした粉体を基体とし、それに被覆してなる粉体であって、前記疎水化処理をした粉体は、セリサイト、マイカである、化粧料用の粉体。
【請求項2】
前記ローヤルゼリーは、57キロダルトンの糖タンパクを、蛋白総量に対して9質量%以上含有するものであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料用の粉体。
【請求項3】
前記ローヤルゼリーの被覆量は、被覆粉体の総質量に対して0.1〜 10質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料用の粉体。
【請求項4】
前記基体となる粉体は、パーフルオロアルキル処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け、ジメチポリシロキサン焼き付け処理、金属石鹸コーティング処理、アシル化アミノ酸塩コーティング処理から選択される1種乃至は2種以上の疎水化処理をしたセリサイト、マイカであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の化粧料用の粉体。
【請求項5】
請求項1〜4何れか1項に記載の化粧料用の粉体を含有してなる、化粧料。
【請求項6】
固形粉末化粧料であることを特徴とする、請求項5に記載の化粧料。

【公開番号】特開2008−214283(P2008−214283A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55162(P2007−55162)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】