説明

固形製剤

【課題】優れた口腔内崩壊性及び適度な強度を有する固形製剤の提供。
【解決手段】(1)医薬成分、(2)ソルビトール、マルチトール、還元澱粉糖化物、キシリトール、還元パラチノース及びエリスリトールから選ばれる1種以上の水溶性糖アルコール及び(3)ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有してなる固形製剤。好ましくはエリスリトールを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形製剤、特に口腔内で水なしでも速い崩壊性を有する口腔内崩壊性製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高齢者,小児が水なしで手軽に服用できる口腔内崩壊性医薬製剤の開発が要望されており、このような製剤を開示する公知文献としては、例えば以下のようなものが知られている。
特許文献1には、薬物および加湿により成形可能に湿潤しかつ成形後の乾燥により該形状を維持する物質を含有する口腔内速崩壊性製剤が開示され、このような物質として、糖類、糖アルコール、水溶性高分子物質が例示されている。
特許文献2には、薬効成分と糖類とを含有する口腔内速溶解型錠剤の製造法が開示されている。
特許文献3には、薬物、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび滑沢剤を含有し、口腔内で崩壊性の速い錠剤が開示されている。
しかしながら、これらの公知文献には、(1)医薬成分、(2)ソルビトール,マルチトール,還元澱粉糖化物,キシリトール,還元パラチノースおよびエリスリトールから選ばれる1種以上の水溶性糖アルコールおよび(3)ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有してなる固形製剤についての記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−48726号公報
【特許文献2】特開平5−271054号公報
【特許文献3】特開平9−71523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
優れた口腔内崩壊性および、製剤工程,流通過程において損傷することのない適度な強度(硬度)を有する固形製剤の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、(1)医薬成分、(2)ソルビトール,マルチトール,還元澱粉糖化物,キシリトール,還元パラチノースおよびエリスリトールから選ばれる1種以上の水溶性糖アルコール(以下、水溶性糖アルコールと略記することがある)および(3)ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有してなる固形製剤;ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの口腔内崩壊性医薬製剤製造のための使用;およびヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いることを特徴とする、固形医薬製剤の口腔内崩壊性改善方法に関する。
【0006】
本発明で用いられる医薬成分は、固形状、粉末状、結晶状、油状、溶液状など何れのものでもよく、その具体例として、例えば滋養強壮保健薬、解熱鎮痛消炎薬、向精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、鎮吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張剤、抗アレルギー薬、歯科口腔用薬、抗ヒスタミン剤、強心剤、抗不整脈薬、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、抗高脂血症剤、利胆剤、抗生物質、化学療法剤、抗糖尿病剤、骨粗しょう症用剤、骨格筋弛緩薬、鎮うん剤、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、血液凝固阻止剤、抗悪性腫瘍剤、アルツハイマー病治療薬などから選ばれた1種または2種以上の成分が挙げられる。
【0007】
滋養強壮保健薬としては、例えばビタミンA、ビタミンD、ビタミンE(酢酸d−α−トコフェロールなど)、ビタミンB(ジベンゾイルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩など)、ビタミンB(酪酸リボフラビンなど)、ビタミンB(塩酸ピリドキシンなど)、ビタミンC(アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウムなど)、ビタミンB12(酢酸ヒドロキソコバラミンなど)のビタミン;カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル;タンパク、アミノ酸、オリゴ糖、生薬などが挙げられる。
解熱鎮痛消炎薬としては、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド、イブプロフェン、塩酸ジフェンヒドラミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、ノスカピン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、カフェイン、無水カフェイン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、トルフェナム酸、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、サリチルアミド、アミノピリン、ケトプロフェン、インドメタシン、ブコローム、ペンタゾシンなどが挙げられる。
向精神病薬としては、例えばクロルプロマジン、レセルピンなどが挙げられる。
抗不安薬としては、例えばアルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパムなどが挙げられる。
抗うつ薬としては、例えばイミプラミン、マプロチリン、アンフェタミンなどが挙げられる。
【0008】
催眠鎮静薬としては、例えばエスタゾラム、ニトラゼパム、ジアゼパム、ペルラピン、フェノバルビタールナトリウムなどが挙げられる。
鎮痙薬としては、例えば臭化水素酸スコポラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸パパベリンなどが挙げられる。
中枢神経作用薬としては、例えばシチコリン、ロチレニンなどが挙げられる。
脳代謝改善剤としては、例えばビンポセチン、塩酸メクロフェノキセートなどが挙げられる。
抗てんかん剤としては、例えばフェニトイン、カルバマゼピンなどが挙げられる。
交感神経興奮剤としては、例えば塩酸イソプロテレノールなどが挙げられる。
胃腸薬としては、例えばジアスターゼ、含糖ペプシン、ロートエキス、セルラーゼAP3、リパーゼAP、ケイヒ油などの健胃消化剤;塩酸ペルペリン、耐性乳酸菌、ビフィズス菌などの整腸剤などが挙げられる。
制酸剤としては、例えば炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
抗潰瘍剤としては、例えばランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール、ファモチジン、シメチジン、塩酸ラニチジンなどが挙げられる。
【0009】
鎮咳去痰剤としては、例えば塩酸クロペラスチン、臭化水素酸デキストロメルトファン、テオフィリン、グァヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、リン酸コデインなどが挙げられる。
鎮吐剤としては、例えば塩酸ジフェニドール、メトクロプラミドなどが挙げられる。
呼吸促進剤としては、例えば酒石酸レバロルファンなどが挙げられる。
気管支拡張剤としては、例えばテオフィリン、硫酸サルブタノールなどが挙げられる。
抗アレルギー薬としては、例えばアンレキサノクス、セラトロダストなどが挙げられる。
歯科口腔用薬としては、例えばオキシテトラサイクリン、トリアムシノロンアセトニド、塩酸クロルヘキシジン、リドカインなどが挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば塩酸ジフェンヒドラミン、プロメタジン、塩酸イソチペンジル、dl−マレイン酸クロルフェニラミンなどが挙げられる。
強心剤としては、例えばカフェイン、ジゴキシンなどが挙げられる。
抗不整脈薬としては、例えば塩酸プロカインアミド、塩酸プロプラノロール、ピンドロールなどが挙げられる。
利尿薬としては、例えばイソソルビド、フロセミドなどが挙げられる。
血圧降下剤としては、例えば塩酸デラプリル、カプトプリル、臭化ヘキサメトニウム、塩酸ヒドララジン、塩酸ラベタロール、塩酸マニジピン、カンデサルタン シレキセチル、メチルドーパ、ロサルタン、バルサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、ポミサルタン、リピサルタン、フォラサルタンなどが挙げられる。
【0010】
血管収縮剤としては、例えば塩酸フェニレフリンなどが挙げられる。
冠血管拡張剤としては、例えば塩酸カルボクロメン、モルシドミン、塩酸ベラパミルなどが挙げられる。
末梢血管拡張薬としては、例えばシンナリジンなどが挙げられる。
抗高脂血症剤としては、例えばセリバスタンチンナトリウム、シンバスタチン、プラバススタチンナトリウムなどが挙げられる。
利胆剤としては、例えばデヒドロコール酸、トレピブトンなどが挙げられる。
抗生物質としては、例えばセファレキシン、アモキシシリン、塩酸ピブメシリナム、塩酸セフォチアム、塩酸セフォゾプラン、塩酸セフメノキシム、セフスロジンナトリウムなどのセフェム系抗生物質;アンピシリン、シクラシリン、スルベニシリンナトリウム、ナリジクス酸、エノキサシンなどの合成抗菌剤;カルモナムナトリウムなどのモノバクタム系抗生物質;ペネム系抗生物質及びカルバペネム系抗生物質などが挙げられる。
化学療法剤としては、例えば塩酸スルファメチゾール、チアゾスルホンなどが挙げられる。
抗糖尿病剤としては、例えばトルブタミド、ボグリボース、(塩酸)ピオグリタゾン、トログリタゾン、5−[[4−[2−(メチル−2−ピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオン(BRL−49653)、アカルボース、ミグリトール、エミグリテートなどが挙げられる。
骨粗しょう症用剤としては、例えばイプリフラボンなどが挙げられる。
骨格筋弛緩薬としては、例えばメトカルバモールなどが挙げられる。
鎮うん剤としては、例えば塩酸メクリジン、ジメンヒドリナートなどが挙げられる。
【0011】
ホルモン剤としては、例えばリオチロニンナトリウム、リン酸デキメタゾンナトリウム、プレドニゾロン、オキセンドロン、酢酸リュープロレリンなどが挙げられる。
アルカロイド系麻薬としては、例えばアヘン、塩酸モルヒネ、トコン、塩酸オキシコドン、塩酸アヘンアルカロイド、塩酸コカインなどが挙げられる。
サルファ剤としては、例えばスルファミン、スルファメチゾールなどが挙げられる。
痛風治療薬としては、例えばアロプリノール、コルヒチンなどが挙げられる。
血液凝固阻止剤としては、例えばジクマロールなどが挙げられる。
抗悪性腫瘍剤としては、例えば5−フルオロウラシル、ウラシル、マイトマイシンなどが挙げられる。
アルツハイマー病治療薬としては、例えばイデベノン、ビンポセチンなどが挙げられる。
【0012】
医薬成分は、味・臭気のマスキング,腸溶化あるいは徐放化を目的として、自体公知の方法によってコーティングしてもよい。この際、コーティング剤としては、例えば腸溶性ポリマー(例、酢酸フタル酸セルロース,メタアクリル酸コポリマーL,メタアクリル酸コポリマーLD,メタアクリル酸コポリマーS,ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート,ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート,カルボキシメチルエチルセルロース等)、胃溶性ポリマー(例、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート,アミノアルキルメタアクリレートコポリマー等)、水溶性ポリマー(例、ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、難溶性ポリマー(例、エチルセルロース,アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS,アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体等)、ワックス等が挙げられる。
上記した医薬成分は、例えば固形製剤100重量部に対して0.01〜70重量部、好ましくは0.02〜50重量部、さらに好ましくは0.05〜30重量部用いられる。
前記した医薬成分の中でも、滋養強壮保健薬、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、中枢神経作用薬、胃腸薬、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、抗アレルギー薬、抗不整脈薬、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、抗高脂血症剤、抗糖尿病剤、骨粗しょう症用剤、骨格筋弛緩薬、鎮うん剤などが好適に用いられる。
本発明において、特に好適に用いられる医薬成分は、ランソプラゾール、ボグリボース、カンデサルタン シレキセチルである。
【0013】
本発明において、水溶性糖アルコールとは、糖アルコール1gを水に加え、20℃において5分ごとに強く30秒間振り混ぜて約30分以内に溶かす際に、必要な水の量が30ml未満である糖アルコールを意味する。
水溶性糖アルコールとしては、ソルビトール,マルチトール,還元澱粉糖化物,キシリトール,還元パラチノースまたはエリスリトールが用いられ、これらは、その2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
水溶性糖アルコールは、好ましくはキシリトールまたはエリスリトール、特に好ましくはエリスリトールである。エリスリトールとしては、通常ぶどう糖を原料として酵母による発酵により生産され、粒度が50メッシュ以下のものが用いられる。このようなエリスリトールは、市販品(日研化学(株)製品等)として入手することができる。
水溶性糖アルコールは、固形製剤100重量部に対して5〜97重量部、好ましくは10〜90重量部用いられる。水溶性糖アルコールの使用量が、これより多すぎると十分な製剤強度が得られず、また、少なすぎると十分な口腔内崩壊性が得られないために好ましくない。
【0014】
本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにおけるヒドロキシプロポキシル基含量は、7.0〜9.9重量%である。
ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとしては、例えばLH−22、LH−32およびこれらの混合物などが挙げられ、これらは市販品(信越化学(株)製)として入手できる。
ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、固形製剤100重量部に対して3〜50重量部、好ましくは5〜40重量部用いられる。低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの使用量が、これより多すぎると十分な口腔内崩壊性が得られず、また、少なすぎると十分な製剤強度が得られないために好ましくない。
このように、ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いることにより、固形製剤における口腔内崩壊性を改善することができる。
【0015】
本発明の固形製剤は、特に口腔内崩壊性製剤として有用であり、水なしで、あるいは水とともに服用される。
本発明の固形製剤の剤形としては、例えば錠剤、顆粒、細粒などが挙げられ、なかでも錠剤が好ましい。
【0016】
本発明の固形製剤は、口腔内崩壊性または製剤強度に支障のない限り、一般製剤の製造に用いられる種々の添加剤を含んでもよく、またその添加量は一般製剤の製造に用いられる量である。このような添加剤としては、例えば結合剤、酸味剤、発泡剤、人口甘味料、香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤、崩壊剤などが挙げられる。
結合剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、α化デンプン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルランなどが挙げられる。該結合剤として結晶セルロースを用いる場合、優れた口腔内崩壊性を保持したままで、製剤強度のさらに大きい固形製剤を得ることができる。ここで、結晶セルロースとしては、微結晶セルロースと呼ばれているものも含まれる。結晶セルロースの具体例としては、例えばセオラスKG 801,アビセルPH 101,アビセルPH 102,アビセルPH 301,アビセルPH 302,アビセルRC−A591NF(結晶セルロース・カルメロースナトリウム)等が挙げられる。なかでも、高成形性結晶セルロースと呼ばれているセオラスKG 801が好適に用いられる。これら結晶セルロースは、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。これら結晶セルロースは、市販品〔旭化成(株)製〕として入手することができる。また、結晶セルロースは、固形製剤100重量部に対して、例えば約3〜50重量部、好ましくは約5〜40重量部、さらに好ましくは約5〜20重量部用いられる。
【0017】
酸味剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。
発泡剤としては、例えば重曹などが挙げられる。
人口甘味料としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。
香料としては、例えばレモン、レモンライム、オレンジ、メントールなどが挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸などが挙げられる。該滑沢剤としてポリエチレングリコールを用いる場合、医薬成分の経日的分解が抑制された安定な固形製剤を得ることができる。この際、ポリエチレングリコールは、固形製剤100重量部に対して、例えば0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部用いられる。
着色剤としては、例えば食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号などの食用色素;食用レーキ色素、ベンガラなどが挙げられる。
安定化剤としては、塩基性医薬成分の場合には塩基性物質が、酸性医薬成分の場合には酸性物質が挙げられる。
【0018】
崩壊剤としては、例えばクロスポビドン[ISP Inc.(米国),BASF(ドイツ)製]、クロスカルメロースナトリウム(FMC−旭化成)、カルメロースカルシウム(五徳薬品)などスーパー崩壊剤と称される崩壊剤;ヒドロキシプロピルセルロース;カルボキシメチルスターチナトリウム(松谷化学(株));コーンスターチ等が挙げられ、なかでも、クロスポビドンが好適に用いられる。これら崩壊剤は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
該クロスポビドンは、1−エテニル−2−ピロリジノンホモポリマーと称される架橋された重合物であればいずれでもよく、通常分子量1,000,000以上のクロスポビドンが用いられる。市販品として入手可能なクロスポビドンの具体例としては、例えばクロス−リンクト(架橋)ポビドン、コリドンCL[BASF(ドイツ)製]、ポリプラスドンXL、ポリプラスドンXL−10,INF−10[ISP Inc.(米国)製]、ポリビニルポリピロリドン、PVPP,1−ビニル−2−ピロリジノンホモポリマーなどが挙げられる。
このような崩壊剤は、固形製剤100重量部に対して、例えば0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部用いられる。
【0019】
また、医薬成分がランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾールなどの酸に不安定な医薬成分である場合、該医薬成分を製剤中で安定化するために塩基性無機塩を配合させることが好ましい。該塩基性無機塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよび/またはカルシウムの塩基性無機塩が挙げられる。これら塩基性無機塩は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
ナトリウムの塩基性無機塩としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
カリウムの塩基性無機塩としては、例えば炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウムなどが挙げられる。
マグネシウムの塩基性無機塩としては、例えば重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、珪酸アルミン酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト〔MgAl(OH)16・CO・4HO〕および水酸化アルミナ・マグネシウム〔2.5MgO・Al・xHO〕が挙げられ、なかでも重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが好ましい。
カルシウムの塩基性無機塩としては、例えば、沈降炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。
塩基性無機塩は、好ましくはマグネシウムの塩基性無機塩であり、さらに好ましくは重質炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムである。
塩基性無機塩の使用量は、塩基性無機塩の種類により適宜選択すればよく、医薬成分に対して、例えば約0.3〜200重量%、好ましくは約1〜100重量%、さらに好ましくは約10〜50重量%、最も好ましくは約20〜40重量%である。
【0020】
本発明の固形製剤は、製剤分野における慣用の方法により製造される。このような方法としては、例えば医薬成分、水溶性糖アルコールおよびヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを、所望により水を加えた後、混合し、成形し、さらに所望により乾燥する方法が挙げられる。ただし、本発明の固形製剤は、水を用いなくとも製造することができる。
混合は、一般に用いられる混合方法、例えば混合、練合、造粒などにより行われる。混合は、例えばバーチカルグラニュレーターVG10[パウレック社(米国)製]、万能練合機(畑鉄工所製)、流動層造粒機LAB−1、FD−3S[パウレック社(米国)製]などの装置を用いて行われる。
成形は、例えば固形製剤が錠剤である場合、単発錠剤機(菊水製作所製)、ロータリー式打錠機(菊水製作所製)などを用い、0.5〜3ton/cmの圧力で打錠することにより行われる。
乾燥は、例えば真空乾燥、流動層乾燥など製剤一般の乾燥に用いられる何れの方法によってもよい。
【0021】
かくして得られる本発明の固形製剤は、口腔内での速やかな崩壊性あるいは溶解性、および適度な製剤強度を示す。
本発明の固形製剤の口腔内崩壊時間(健康な成人男子及び女子の口腔内の唾液で固形製剤が完全に崩壊するまでの時間)は、通常約5〜約50秒、好ましくは約5〜約40秒、さらに好ましくは約5〜約30秒である。
また、本発明の固形製剤の強度(錠剤硬度計による測定値)は、通常約2〜約20kg、好ましくは約4〜約15kgである。
【0022】
本発明の固形製剤は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、サル、ヒト等)に対して、経口的に安全に投与することができる。
該固形製剤の投与量は、医薬成分、投与対象、疾患の種類等により異なるが、医薬成分としての投与量が有効量となる範囲から選択すればよい。
例えば医薬成分がランソプラゾールである場合、本発明の固形製剤は、消化性潰瘍(例、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、ゾリンジャー・エリソン(Zollinger−Ellison)症候群等)、胃炎、逆流性食道炎等の治療および予防;H.ピロリ除菌;消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍および出血性胃炎による上部消化管出血の抑制;侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術や集中治療を必要とする脳血管障害、頭部外傷、多臓器不全、広範囲熱傷から起こるストレス)による上部消化管出血の抑制;非ステロイド系抗炎症剤に起因する潰瘍の治療および予防;手術後ストレスによる胃酸過多および潰瘍の治療および予防;麻酔前投与等に有用であり、その投与量は、成人1人(60kg体重)あたり、ランソプラゾールとして0.5〜1500mg/日、好ましくは5〜150mg/日である。
また、医薬成分がボグリボースである場合、本発明の固形製剤は、肥満症、脂肪過多症、過脂肪血症、糖尿病等の治療および予防に有用であり、その投与量は、成人1人(60kg体重)あたり、ボグリボースとして0.01〜30mg/日、好ましくは0.1〜3mg/日である。該固形製剤は、1日1回または2〜3回に分けて投与してもよい。
さらに、医薬成分がカンデサルタン シレキセチルである場合、本発明の固形製剤は、高血圧症、心臓病、脳卒中、腎疾患等の治療および予防に有用であり、その投与量は、成人1人(60kg体重)あたり、カンデサルタン シレキセチルとして1〜50mg/日、好ましくは2〜30mg/日である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の固形製剤は、優れた崩壊性あるいは溶解性を有しているため、高齢者,小児が水なしで手軽に服用できる口腔内崩壊性製剤として、種々の疾病の治療、予防に用いられる。
また、該固形製剤は、適度な強度を有しているため、長期間の保存安定性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
なお、実施例及び比較例で得られた錠剤の物性は、下記試験法によって測定した。
1)硬度試験
錠剤硬度計(富山産業(株)製)を用いて測定した。試験は10回行い、その平均値を示す。
2)口腔内崩壊時間
錠剤が口腔内の唾液のみで完全に崩壊あるいは溶解するまでの時間を測定した。
【実施例】
【0025】
実施例1
ボグリボース0.8g、エリスリトール(日研化学(株)製)636.8g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32(ヒドロキシプロポキシル基含量8.8重量%、信越化学(株)製)160.0gを流動層造粒機[パウレック(株)(米国)製、LAB−1]に仕込み、精製水を噴霧し造粒した。乾燥後、ステアリン酸マグネシウム2.4gを配合し、ロータリー式打錠機を用いて、1錠400mg、10mmφ、隅角の杵で打錠圧1.5ton/cmで打錠した。
得られた錠剤の硬度と口腔内崩壊時間は、それぞれ6.1kg,27秒であった。
【0026】
実施例2
カンデサルタン シレキセチル32.0g、エリスリトール(日研化学(株)製)862.8g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32(ヒドロキシプロポキシル基含量8.8重量%、信越化学(株)製)240.0g、ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製)1.6g、クロスポビドン 60.0gを流動層造粒機[パウレック(株)(米国)製、LAB−1]に仕込み、精製水を噴霧し造粒した。乾燥後、ステアリン酸マグネシウム3.6gを配合し、ロータリー式打錠機を用いて、1錠300mg、10mmφ、隅角の杵で打錠圧1.0ton/cmで打錠した。
得られた錠剤の硬度と口腔内崩壊時間は、それぞれ6.1kg,21秒であった。
実施例3
カンデサルタン シレキセチル32.0g、エリスリトール(日研化学(株)製)922.8g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32(ヒドロキシプロポキシル基含量8.8重量%、信越化学(株)製)240.0g、ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製)1.6gを流動層造粒機[パウレック(株)(米国)製、FD−3SN]に仕込み、精製水を噴霧し造粒した。乾燥後、ステアリン酸マグネシウム3.6gを配合し、ロータリー式打錠機を用いて、1錠300mg、10mmφ、隅角の杵で打錠圧1.0ton/cmで打錠した。
得られた錠剤の硬度と口腔内崩壊時間は、それぞれ7.1kg,22秒であった。
【0027】
実施例4
カンデサルタン シレキセチル32.0g、エリスリトール(日研化学(株)製)924.4g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32(ヒドロキシプロポキシル基含量8.8重量%、信越化学(株)製)240.0gを流動層造粒機[パウレック(株)(米国)製、FD−3SN]に仕込み、精製水を噴霧し造粒した。乾燥後、ステアリン酸マグネシウム3.6gを配合し、ロータリー式打錠機を用いて、1錠300mg、10mmφ、隅角の杵で打錠圧1.0ton/cmで打錠した。
得られた錠剤の硬度と口腔内崩壊時間は、それぞれ8.5kg,22秒であった。
【0028】
実施例5
(1)有核散剤の製造
ノンパレル105(粒子径100〜200μm)300gを転動流動型コーティング造粒機[パウレック社(米国)製、MP−10]に入れ、送風温度85℃、品温約28℃にコントロールし、タンジャンシャルスプレー方式で、供給速度20g/分で、予め調製した下記組成のバルク液を噴霧しコーティングした。規定量のバルク液を噴霧した時点で噴霧を止め、そのまま乾燥を7分間行った後、60号の丸篩(250μm)と100号の丸篩(150μm)で篩過し、750gの有核散剤を得た。
[バルク液]
ランソプラゾール 300g
炭酸マグネシウム 100g
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32 50g
ヒドロキシプロピルセルロース(タイプSSL) 100g
水 1650g
(2)下掛フィルム有核散剤の製造
前記有核散剤680gを転動流動型コーティング造粒機[パウレック社(米国)製、MP−10]に入れ、送風温度70℃、品温約36℃にコントロールし、予め調製した下記組成の下掛フィルム液をタンジャンシャルスプレー方式で、供給速度10g/分で噴霧し、下掛フィルム有核散剤650gを得た。
[下掛フィルム液]
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 32g
(タイプ2910、粘度3センチストークス)
タルク 8g
水 760g
【0029】
(3)腸溶性有核散剤の製造
前記下掛フィルム有核散剤450gを転動流動型コーティング造粒機[パウレック社(米国)製、MP−10]に入れ、送風温度65℃、品温約36℃にコントロールし、予め調製した下記組成の腸溶性フィルム液をタンジャンシャルスプレー方式で、供給速度17g/分で噴霧した。コーティング品を40℃で16時間真空乾燥し、42号の丸篩(355μm)と80号の丸篩(177μm)を用いて篩過し、950gの腸溶性有核散剤を得た。
[腸溶性フィルム液]
オイドラギットL30D−55 1078.3g
オイドラギットNE30D 138.5g
クエン酸トリエチル 46.0g
モノステアリン酸グリセリン 23.1g
タルク 16.0g
ポリソルベート80 9.0mg
黄色ベンガラ 0.5g
水 2038.5g
【0030】
(4)造粒末の製造
エリスリトール(日研化学(株)製)1321.2g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32(ヒドロキシプロポキシル基含量8.8%、信越化学(株)製)360.0g、無水クエン酸18.0g、アスパルテーム1.8gを流動層造粒機[パウレック(株)(米国)製、LAB−1]に仕込み、ポリエチレングリコール(PEG―6000)3.6gを精製水896.4mLに溶解した溶液を噴霧して造粒し、乾燥して造粒末を得た。さらに、クロスポビドン90.0gとステアリン酸マグネシウム5.4gを加え、袋混合し、混合末を得た。
(5)口腔内崩壊錠の製造
前記腸溶性有核散剤200.0gと前記混合末300.0gとをオートグラフを用いて、1錠500mg、11mmφ、隅角の杵で打錠圧1.0ton/cmで打錠した。
得られた錠剤の硬度と口腔内崩壊時間は、それぞれ4.2kg,27秒であった。
【0031】
実施例6
ボグリボース0.8g、エリスリトール(日研化学(株)製)895.6g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32(ヒドロキシプロポキシル基含量8.8重量%、信越化学(株)製)240.0g、クロスポビドン60.0gを流動層造粒機[パウレック(株)(米国)製、LAB−1]に仕込み、精製水を噴霧し造粒した。乾燥後、ステアリン酸マグネシウム3.6gを配合し、ロータリー式打錠機を用いて、1錠300mg、10mmφ、隅角の杵で打錠圧1.0ton/cmで打錠した。
得られた錠剤の硬度と口腔内崩壊時間は、それぞれ7.0kg,17秒であった。
実施例7
ボグリボース0.8g、エリスリトール(日研化学(株)製)871.6g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32(ヒドロキシプロポキシル基含量8.8重量%、信越化学(株)製)240.0g、クロスポビドン24.0g、セオラスKG801(旭化成(株)製)60.0gを流動層造粒機[パウレック(株)(米国)製、LAB−1]に仕込み、精製水を噴霧し造粒した。乾燥後、ステアリン酸マグネシウム3.6gを配合し、ロータリー式打錠機を用いて、1錠300mg、10mmφ、隅角の杵で打錠圧1.0ton/cmで打錠した。
得られた錠剤の硬度と口腔内崩壊時間は、それぞれ10.4kg,24秒であった。
【0032】
比較例1
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32を低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−31(ヒドロキシプロポキシル基含量11.0重量%、信越化学(株)製)とする以外は実施例1と同様にして、錠剤を製造した。
得られた錠剤の硬度と口腔内崩壊時間は、それぞれ8.4kg,77秒であった。
比較例2
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−32を低置換度ヒドロキシプロピルセルロース LH−30(ヒドロキシプロポキシル基含量14.6重量%、信越化学(株)製)とする以外は実施例1と同様にして、錠剤を製造した。
得られた錠剤の硬度と口腔内崩壊時間は、それぞれ6.8kg,51秒であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの口腔内崩壊性錠剤(ただし、医薬成分がシメチジンである口腔内崩壊性錠剤を除く)製造のための使用。
【請求項2】
口腔内崩壊性錠剤100重量部に対して、(1)医薬成分(ただし、シメチジンを除く)を0.01〜70重量部、(2)ソルビトール,マルチトール,還元澱粉糖化物,キシリトール,還元パラチノースおよびエリスリトールから選ばれる1種以上の水溶性糖アルコールを5〜97重量部および(3)ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを3〜50重量部含有してなる口腔内崩壊性錠剤である、請求項1記載の使用。
【請求項3】
水溶性糖アルコールがエリスリトールである、請求項2記載の使用。
【請求項4】
医薬成分の含有量が、口腔内崩壊性錠剤100重量部に対して、0.02〜50重量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
水溶性糖アルコールの含有量が、口腔内崩壊性錠剤100重量部に対して、10〜90重量部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含有量が、口腔内崩壊性錠剤100重量部に対して、5〜40重量部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
医薬成分がランソプラゾールである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
医薬成分がボグリボースである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
医薬成分がカンデサルタン シレキセチルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いることを特徴とする、口腔内崩壊性錠剤(ただし、医薬成分がシメチジンである口腔内崩壊性錠剤を除く)の口腔内崩壊性改善方法。
【請求項11】
口腔内崩壊性錠剤100重量部に対して、(1)医薬成分(ただし、シメチジンを除く)を0.01〜70重量部、(2)ソルビトール,マルチトール,還元澱粉糖化物,キシリトール,還元パラチノースおよびエリスリトールから選ばれる1種以上の水溶性糖アルコールを5〜97重量部および(3)ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを3〜50重量部含有してなる口腔内崩壊性錠剤である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
水溶性糖アルコールがエリスリトールである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
医薬成分の含有量が、口腔内崩壊性錠剤100重量部に対して、0.02〜50重量部である、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
水溶性糖アルコールの含有量が、口腔内崩壊性錠剤100重量部に対して、10〜90重量部である、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
ヒドロキシプロポキシル基含量が7.0〜9.9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含有量が、口腔内崩壊性錠剤100重量部に対して、5〜40重量部である、請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
医薬成分がランソプラゾールである、請求項10〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
医薬成分がボグリボースである、請求項10〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
医薬成分がカンデサルタン シレキセチルである、請求項10〜15のいずれか1項に記載の方法。

【公開番号】特開2009−292843(P2009−292843A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217690(P2009−217690)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【分割の表示】特願平10−144486の分割
【原出願日】平成10年5月26日(1998.5.26)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】