圧縮機
【課題】部品点数の増加や回路構成が複雑化するのを抑制してコストの低減を図ることができる圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮部4aと、空気タンク10と、電源8と圧縮機モータ4との間に設けられ圧縮機モータ4への電源供給をON/OFFする電磁接触器5aおよび電磁接触器5aの開閉接点6a〜6cを非接触で操作する操作コイル6からなる開閉駆動回路5と、出力回路2と、光MOSリレー3を常時開閉制御して出力回路2の動作を制御するCPU9とが設けられ、CPU9は、圧縮機モータ4または圧縮部4aの駆動状態を検出する圧力センサ11からの信号を監視し、光MOSリレー3を開成したにもかかわらず、圧力センサ11の出力が停止せず継続的に出力された場合は、機械式リレー7を開成することを特徴とする。
【解決手段】圧縮部4aと、空気タンク10と、電源8と圧縮機モータ4との間に設けられ圧縮機モータ4への電源供給をON/OFFする電磁接触器5aおよび電磁接触器5aの開閉接点6a〜6cを非接触で操作する操作コイル6からなる開閉駆動回路5と、出力回路2と、光MOSリレー3を常時開閉制御して出力回路2の動作を制御するCPU9とが設けられ、CPU9は、圧縮機モータ4または圧縮部4aの駆動状態を検出する圧力センサ11からの信号を監視し、光MOSリレー3を開成したにもかかわらず、圧力センサ11の出力が停止せず継続的に出力された場合は、機械式リレー7を開成することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、気体を圧縮する圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁接触器の操作コイルに直列に挿入された制御リレーをタンク内圧に応じてON/OFF制御する圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の圧縮機のリレーにあっては、電気的開閉補償回数が比較的少ないという理由から機械式リレーを採用せずに、電気的開閉補償回数が相対的に多い光MOSリレーが用いられている。
【0003】
図13は従来の空気圧縮機の一例を示したものであり、符号200は従来の空気圧縮機を示している。空気圧縮機200は、圧縮機モータ4によって駆動されて空気を圧縮する空気圧縮部4aを備え、圧縮機モータ4は、そのON/OFF状態を切り替える開閉駆動回路5を介して電源8に接続されている。また、空気圧縮機200は、圧縮機モータ4の駆動制御を行う駆動制御部1を備えている。
【0004】
駆動制御部1の出力回路2内には光MOSリレー3が開閉駆動回路5に直列に接続され、電源8に接続されている。ここで、光MOSリレー3の一次側制御端子に駆動制御部1の演算回路であるCPU9からON信号(Hi)を入力すると、操作コイル6が通電されて、開閉駆動回路5がON作動する。すると圧縮機モータ4が回転を開始して空気圧縮部4aが圧縮動作を行う。一方、光MOSリレー3の一次側制御端子にCPU9からOFF信号(Lo)を入力すると、操作コイル6の通電が遮断され、開閉駆動回路5がOFFして圧縮機モータ4が停止する。
【0005】
符号10は、空気圧縮部4aで圧縮された空気を貯蔵するための空気タンクを示している。該空気タンク10には内部圧力を計測するための圧力センサ11が設けられている。この圧力センサ11で計測された圧力信号がCPU9に入力され、圧縮機モータ4の運転制御は、例えば圧力開閉式の場合、圧力センサ11の圧力信号値を元に予め設定されている復帰圧力値Ponで光MOSリレー3をONすることで運転を行い、停止圧力値Poffにて光MOSリレー3をOFFすることで圧縮機モータ4を停止している。
【0006】
また、空気タンク10には安全装置である安全弁12が取り付けられており、この安全弁12により、空気タンク10内の圧力が予め設定された圧力まで上昇した場合、空気タンク10内の圧力を低下させるようになっている。
【0007】
ところで、光MOSリレー3は半導体で構成されているため、何らかの原因によりショートモードで故障する場合が想定される。このようにショートモードで故障した場合、CPU9からの光MOSリレー3への制御信号の論理にかかわらず、開閉駆動回路5がONに固定されて、圧縮機モータ4は運転し続けてしまう。そして、空気タンク10の圧力が停止圧力値Poffを超えても停止しないため、安全弁12が作動することとなるが、例えば安全弁12が固着等によって作動しない場合、空気タンク10内の圧力が上昇し続けて空気タンク10に負担がかかる虞があった。
【0008】
そのため、この種の圧縮機にあっては、近年、複数の光MOSリレーを直列に接続し、さらに故障診断用の光MOSリレーを追加して、直列接続された光MOSリレーのうちいずれか一つの光MOSリレーがショートモードで故障したとしても他の光MOSリレーをオープンさせることで電磁接触器がONで固定される確立を低減するものが提案されている。
【特許文献1】特公平6−063504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した従来の圧縮機にあっては、多数の光MOSリレーを用いることで部品点数が増加し回路構成が複雑化するため、コストが上昇してしまうという課題がある。
【0010】
そこで、この発明は、部品点数の増加や回路構成が複雑化するのを抑制してコストの低減を図ることができる圧縮機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、駆動手段(例えば、実施の形態における圧縮機モータ4)により駆動されて気体を圧縮する気体圧縮部(例えば、実施の形態における圧縮部4a)と、該気体圧縮部により圧縮された気体を、排出経路(例えば、実施の形態における排出経路4b)を介して貯留するタンク(例えば、実施の形態における空気タンク10)と、電源と前記駆動手段との間に設けられ前記駆動手段への電源供給をON/OFFする電磁接触器(例えば、実施の形態における電磁接触器5a)および該電磁接触器の開閉接点(例えば、実施の形態における開閉接点6a〜6c)を非接触で操作する操作コイル(例えば、実施の形態における操作コイル6)からなる開閉駆動回路(例えば、実施の形態における開閉駆動回路5)と、前記電源または他の電源に接続されて、前記操作コイルに対して、半導体式リレー(例えば、実施の形態における光MOSリレー3)および機械式リレー(例えば、実施の形態における機械式リレー7)が直列に設けられる電磁接触器ON/OFF回路(例えば、実施の形態における出力回路2)と、前記半導体式リレーを常時開閉制御して前記電磁接触器ON/OFF回路の動作を制御する制御装置(例えば、実施の形態におけるCPU9)とが設けられ、該制御装置は、前記駆動手段または気体圧縮部の駆動状態を検出する駆動状態検出手段(例えば、実施の形態における圧力センサ11、電流線センサ20,22、電圧センサ20a,20b,23a,23b、回転センサ21)からの信号を監視し、前記半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記駆動状態検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合は、前記機械式リレーを開成することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動状態検出手段が、前記気体圧縮部か前記排出経路または前記タンクの少なくとも一箇所に設けられた気体の圧力を検知する圧力検出手段(例えば、実施の形態における圧力センサ11)であって、前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記圧力検出手段の出力が上昇し続けた場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動状態検出手段は、前記電磁接触器ON/OFF回路上の少なくとも一箇所に設けられた電流または電圧の変化を検知する信号検出手段(例えば、実施の形態における電流センサ20、電圧センサ20a,20b)であって、前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記信号検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動状態検出手段は、前記開閉駆動回路上の少なくとも一箇所に設けられた電流または電圧の変化を検知する信号検出手段(例えば、実施の形態における電流センサ22、電圧センサ23a,23b)であって、前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記信号検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動状態検出手段は、前記駆動手段の回転状態を検知する回転検出手段(例えば、実施の形態における回転センサ21)であって、前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記回転検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載した発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発明において、前記機械式リレーの接点は、非通電時は開、一方、通電時は閉動作であることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載した発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発明において、運転時間が所定時間に達する毎に、前記半導体式リレーと前記機械式リレーを同時に開閉させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、正常時の圧縮機の運転制御は半導体式リレーの開閉制御で行い、この半導体式リレーに直列接続された機械式リレーを緊急時にのみ開作動させることで、多数の半導体式リレーを用いることなく半導体式リレーが短絡した場合に、確実に電磁接触器の開閉接点を開成させて圧縮機を停止できるため、部品点数の増加を抑制して、コスト低減を図ることができる効果がある。
【0019】
請求項6に記載した発明によれば、機械式リレーの接点を非通電時に開動作、通電時に閉動作とした場合、緊急時に機械式リレーを確実に開成させることができる。
請求項7に記載した発明によれば、運転時間が所定時間に達する毎に半導体式リレーと機械式リレーとを同時に開閉させた場合、長期間接点が開閉されないことで接点表面に有機皮膜が生成されるのを防止することができるため、緊急時には確実に機械式リレーを開成させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る空気圧縮機を、添付図面の図1乃至図6に従って詳細に説明する。なお、上述した図13に示す従来の空気圧縮機と同一部分に同一符号を付して説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態における空気圧縮機100の回路構成を示したものである。
空気圧縮機100は、圧縮機モータ4の回転駆動により空気を圧縮する圧縮部4aを備えている。圧縮機モータ4は、3相モータであり、そのON/OFF状態を切り替える開閉駆動回路5を介して電源8に接続されている。開閉駆動回路5は、操作コイル6により非接触で電磁接触器5aの開閉接点6a〜6cのON/OFFを同時に切り替える開閉器であり、駆動制御部1に接続されている。なお、圧縮機モータ4には回転数を計測する回転センサ21が設けられており、回転数の計測結果がCPU9に入力される。
【0021】
駆動制御部1は、ソフトウェアを実行して各種演算処理を行うCPU9と、ソフトウェアのプログラムや各種センサの検出結果を記憶するフラッシュメモリ等からなる不揮発性のメモリ16と、CPU9の制御指令に基づいて作動する出力回路2とを備えている。出力回路2内には光MOSリレー3と機械式リレー7とが直列接続されており、この光MOSリレー3、機械式リレー7および、上述した開閉駆動回路5の操作コイル6が直列に接続され、電源8と開閉駆動回路5との間の3相の動力系配線U,V,Wうち2相間に接続されている。
【0022】
光MOSリレー3は半導体素子であり、その一次側制御端子3bにCPU9が接続されている。光MOSリレー3は、CPU9からのON信号を一次側制御端子3bで受信すると、素子内で光信号に変換し、この光信号に基づいて接点3aの開閉制御を行う。例えば、CPU9から光MOSリレー3にON信号(Hi)が入力されると、光MOSリレー3の接点3aが閉成され、OFF信号(Lo)が入力されると、接点3aが開成される。
【0023】
一方、機械式リレー7は、接点7aとコイル7bとで構成されたリレーであり、コイル7bで発生する磁力によって接点7aを開閉作動させる。ここで、機械式リレー7は、コイル7bへの通電を遮断した場合にだけ開成するいわゆるa接点であり、CPU9からコイル7bに緊急停止出力としてON信号(Hi)が入力されると閉成する。
【0024】
ところで、圧縮部4aで圧縮された空気は、排出経路4bを通じて空気タンク10に貯蔵される。この空気タンク10には内部圧力を計測するための圧力センサ11が設けられ、この圧力センサ11で計測された圧力信号はCPU9に入力される。ここで、圧力センサ11は種々の形式のものを用いることができ、例えば圧力開閉式を用いることができる。CPU9は、圧力センサ11の圧力信号値を元に予めメモリ16に記憶されている復帰圧力値Ponで光MOSリレー3をONすることで圧縮機モータ4の運転を行い、停止圧力値Poffにて光MOSリレー3をOFFすることで圧縮機モータ4を停止している。なお、圧力センサ11は、圧縮部4a又はこの圧縮部4aの排出経路4bに設けてもよい。
【0025】
また、空気タンク10には安全装置である安全弁12が取り付けられている。この安全弁12により、空気タンク10内の圧力が予め設定された圧力まで上昇した場合、空気タンク10内の圧力を低下させるようになっている。
【0026】
すなわち、上述した構成により、電源8に接続された光MOSリレー3の一次側制御端子3bと機械式リレー7のコイル7bにCPUからON信号(Hi)が入力されると、それぞれの接点3a,7aが閉成(以下、単に光MOSリレー3および機械式リレー7がONするという)して、開閉駆動回路5の操作コイル6に通電され、開閉駆動回路5の開閉接点6a〜6cがON作動する。すると圧縮機モータ4は回転駆動を開始して圧縮部4aが空気の圧縮動作を開始して空気タンク10内の圧力が上昇する。
【0027】
一方、光MOSリレー3の一次側制御端子3bと機械式リレー7のコイル7bとにそれぞれCPU9からOFF信号(Lo)を入力すると、接点3a,7aが開成(以下、単に光MOSリレー3および機械式リレー7がOFFするという)し、これら光MOSリレー3と機械式リレー7との少なくともいずれか一方がOFFすることで、開閉駆動回路5の操作コイル6の通電が遮断され、この結果、開閉駆動回路5の開閉接点6a〜6cが開成して圧縮機モータ4が停止する。
【0028】
また、この第1の実施の形態では、圧力異常上昇の判定を、CPU9のソフトウェアによる判定と、ハードウェアによる判定とによって行うことでフェールセーフ回路を実現している。図10は、ハードウェアにて構成された圧力異常判定回路を示したものである。この図10に示す回路構成は、CPU9が行う圧力異常判定の制御処理(後述する)と同様の機能を、ハードウェアで構成された圧力異常判定回路で実現させるものである。
【0029】
図10は圧力異常判定を行う圧力異常判定回路を示している。この圧力異常判定回路にはヒステリシス付きコンパレータ回路13が設けられている。このコンパレータ回路13のコンパレータ17の−側入力端子には圧力センサ11の出力信号がダイオード14を介して入力され、また、コンパレータ17の出力端子にはCPU9および機械式リレー7のコイル7bが接続されている。
【0030】
また、コンパレータ17のしきい値である電圧はa抵抗18およびb抵抗19で決定され、圧力センサ11で検出される圧力値に応じた電圧値で設定されている。このコンパレータ17のしきい値に対応するHi側圧力しきい値Phiは安全弁12の作動圧以上に設定されている。具体的には停止圧力値Poff=0.85MPaと安全弁12の作動圧力値Pmax=1.1MPaとの間であるPhi=1MPaに設定されている。一方、Lo側圧力しきい値Ploは復帰圧力Pon=0.65MPaより低いPlo=0.5MPaに設定されている。
【0031】
すなわち、コンパレータ回路13は、圧力センサ11の圧力値がPhi=1MPaを超えて上昇した場合にLo出力、Plo=0.5MPaを超えて下降した場合にHi出力する構成となっている。なお、これらの圧力しきい値は安全弁12の作動圧力値Pmax=1.1MPaより高い、例えばPhi=1.3MPaに設定し、Lo側圧力しきい値Ploは復帰圧力Pon=0.65MPaより低いPlo=0.5MPaに設定してもよく、この場合、安全弁12が固着し、作動しなかった場合であっても確実に圧縮機モータ4を停止することができ、この結果空気タンク10における圧力の異常上昇を防止することができる。
【0032】
また、コンパレータ回路13の入力には後述するCPU9からの制御信号である異常判定出力がダイオード15を介して接続されており、Hi論理を入力することでコンパレータ回路13の出力はLo論理となる構成となっている。なお、これらのコンパレータしきい値は、後述するソフトウェアでの圧力異常判定時の圧力しきい値と同じ値となるよう設定している。
【0033】
つまり、圧力異常判定をソフト的に検出すると共にハードウェアで構成したコンパレータ回路13でも検出することができるため、例えばソフトウェアの暴走、回路の損傷などが発生した場合においても、確実に圧縮機モータ4を停止して空気圧縮部4aによる圧縮動作を停止させることができる。
【0034】
次に、図2乃至図7に基づいてCPU9で実施される制御処理を説明する。この制御処理は、光MOSリレー3の短絡故障時に、空気圧縮機100が止まらなくなるのを防止するためにCPU9で行う制御処理である。
図2はCPU9が行う初期化シーケンスを示している。
まずステップS1では、電源投入後、メモリ16(図1参照)のメモリチェックを行い、このメモリ16に記憶された異常情報を読み出す。
【0035】
ステップS2では、メモリ16に記憶されている異常情報に基づいて光MOSリレー3が異常状態にあるか否かを判定する。ステップS2の判定結果が「Yes」(異常状態にある)である場合は、ステップS3に進み、「No」(異常状態ではない)である場合は、ステップS5に進む。ここで、異常状態は、圧力異常フラグ、緊急停止出力、又は、圧力センサ11の圧力値等を含む異常情報に基づいて判定する。なお、図2乃至図7の制御処理では圧力異常フラグを一例に説明する。
【0036】
ステップS3では、異常判定出力をHiにし、S4にて運転モードを異常モードに設定してこの処理を終了(END)する。すなわちコンパレータ回路13の緊急停止出力がLoのまま、機械式リレー7がOFFを維持することとなる。なお、異常モード時には図示せぬ表示装置にエラー表示を行うことが望ましい。
一方、ステップS5では、異常判定出力をLoに制御して機械式リレー7をONにして、ステップS6にて運転モードを待機中としてこの処理を終了する。
【0037】
図3から図7はCPU9が行う運転制御処理フローであり、アイドラ内でイベントが登録され、処理される仕組みとなっており、ここでは運転に関するイベントの処理のみ説明する。
図3は図示せぬ運転SWが押されたイベントが登録された場合にCPU9が行う処理フローである。ステップS7において、現在の運転モードを確認し、ステップ8において待機中か否かを判定する。ステップS8の判定結果が「Yes」(待機中)である場合は、ステップS9に進み、「No」(待機中ではない)である場合、すなわち運転中または異常モードの場合はなにもせずこの処理を終了する。
【0038】
ステップS9では、光MOSリレー3をONとし、ステップS10で運転モードを運転中に変更する。このように運転モードが運転中に変更されることで、圧縮機モータ4の運転が開始される。
【0039】
図4は、ユーザによって図示せぬ停止SWが押されたイベントが登録された場合にCPU9が行う制御処理である。
ステップS12において、現在の運転モードを確認する。
ステップS13では、運転モードが運転中か否かを判定する。ステップS13の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS14に進み、「No」(運転中ではない)である場合、すなわち運転モードが待機中または異常モードの場合は、何もせずこの処理を終了する。
【0040】
一方、ステップS14では、光MOSリレー3をOFFとし、ステップS15で運転モードを待機中に変更する。このように運転モードが待機中に変更することで、圧縮機モータ4の運転が停止する。
【0041】
図5は、異常発生後、緊急停止出力がHiの状態で、空気タンク10の圧力値が予め規定された圧力値Ploよりも低下し、ユーザによる所定のSW操作が完了したイベントが登録された場合にCPU9が行う制御処理を示している。なお、図5において所定のSW操作は、運転SWの長押し(例えば5秒程度)の場合の一例を示している。
【0042】
まず、ステップS17において、現在の運転モードを確認してステップS18に進む。
ステップS18では、現在の運転モードが異常モードか否かを判定する。ステップS18の判定結果が「Yes」(異常モード)である場合は、ステップS19に進み、「No」(異常モードではない)である場合、つまり待機中または停止モードの場合は、何もせずにこの処理を終了する。
【0043】
ステップS19では、現在の圧力値を確認してステップS20に進む。
ステップS20では、現在の圧力値がPlo未満か否かを判定する。ステップS20の判定結果が「Yes」(圧力<Plo)である場合は、ステップS21に進み、「No」(圧力≧Plo)である場合は、何もせずにこの処理を終了する。
ステップS21では、異常判定出力をLoに設定し、ステップS22にて緊急停止出力を確認する。
【0044】
ステップS23では、緊急停止出力がHiか否かを判定する。ステップS23の判定結果が「Yes」(緊急停止出力がHi)である場合は、ステップS24に進み、「No」(緊急停止出力がHiではない)である場合は、何もせずにこの処理を終了する。
ステップS24では、圧力異常フラグをクリアすると共に、メモリ16に圧力異常フラグの値を書き込み、ステップS25において運転モードを待機中とし、この処理を終了する。
【0045】
図6は、上述した図5の制御処理において緊急停止出力がHiからLoに変化して、この緊急停止出力がHiからLoに変化したイベントが登録された場合に、CPU9が行う制御処理を示している。
【0046】
まず、ステップS29において異常判定出力をHiにし、ステップS30にて運転モードを異常モードとする。そして、ステップS31にて圧力異常フラグを立てる(フラグON)と共に、メモリ16に圧力異常フラグの値を書き込む。すなわちコンパレータ回路13の緊急停止出力がLoとなり、強制的に機械式リレー7がOFFし、圧縮機モータ4が停止する。
【0047】
図7はCPU9で行われる圧力計測の制御処理を示している。
まず、ステップS32では圧力センサ11の出力信号のAD変換結果(AD値)と予め設定された停止圧力値Poffとを比較して、AD変換結果が停止圧力値Poffよりも小さいか否かを判定する。ステップS32の判定結果が「Yes」(AD値<Poff)である場合は、ステップS33に進み、「No」(AD値≧Poff)である場合は、ステップS36に進む。
【0048】
ステップS36では、現在の運転モードが運転中か否かを判定する。ステップS36の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS37に進み、「No」(運転中ではない)である場合は、ステップS38に進む。
ステップS37では、光MOSリレー3をOFFにして圧縮機モータ4を停止させる。
【0049】
ここで、光MOSリレー3が短絡故障している場合は、実際には圧縮機モータ4は停止せず、空気タンク10内の圧力は上昇する。そこで、ステップS38では圧力センサ11の出力信号のAD変換結果と予め設定された圧力値であるPhiを比較し、AD変換結果がPhi以上か否かを判定する。ステップS38の判定結果が「Yes」(AD値≧Phi)である場合は、ステップS39に進み、「No」(AD値<Phi)である場合は、何もせずにこの制御処理を終了する。
【0050】
ステップS39では、異常判定出力をHiにし、ステップS40にて運転モードを異常モードとする。そして、ステップS41にて圧力異常フラグを立てると共に、メモリ16に圧力異常フラグの値を書き込む。すなわちコンパレータ回路13の緊急停止出力がLoとなり、強制的に機械式リレー7がOFFし、圧縮機モータ4が停止する。
【0051】
一方、ステップS32においてAD変換結果が停止圧力値Poff未満の場合、ステップS33にて圧力センサ11の出力信号のAD変換結果(AD値)と予め設定された圧力値であるPonとを比較し、AD値がPon未満か否かを判定する。ステップS33の判定結果が「Yes」(AD値<Pon)である場合は、ステップS34に進み、「No」(AD値≧Pon)である場合は、何もせずにこの制御処理を終了する。
ステップS34では、現在の運転モードが運転中か否かを判定する。ステップS34の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS35に進み、「No」(運転中ではない)である場合、つまり現在の運転モードが待機中および異常モードの場合には、何もせずにこの制御処理を終了する。
ステップS35では、光MOSリレー3をONにして、圧縮機モータ4を運転させる。
【0052】
したがって、上述の第1の実施の形態によれば、正常時の圧縮機モータ4の運転制御は光MOSリレー3の開閉制御で行い、この光MOSリレー3に直列接続された機械式リレー7を緊急時にのみ開作動させることで、多数の光MOSリレー3を用いることなく光MOSリレー3が短絡した場合に、確実に開閉駆動回路5の開閉接点を開成させて圧縮機モータ4を停止できるため、部品点数の増加を抑制して、コスト低減を図ることができる。
【0053】
そして、機械式リレー7の接点7aを非通電時に開動作、通電時に閉動作としているため、緊急時に機械式リレー7を確実に開成させることができる。
さらに、空気タンク10内の圧力の異常上昇をCPU9およびコンパレータ回路13の両方で検出することができ、CPU9が暴走した場合においても確実に圧縮機モータ4を停止することが可能となる。
また、メモリ16に異常フラグを記憶することによって再通電やリセット処理が行われた場合にも運転を禁止することが可能である。
【0054】
また、どうしも顧客が圧縮機モータ4を停止したままにしたくない場合には、この第1の実施の形態のように顧客が所定のSW操作を行うことで、復帰可能な構成としており、サービスマンが到着するまでの間、運転を継続することができる。
また、この際所定のSW操作が運転SWの長押しである場合、顧客が異常状態下での運転を意識的に行うことを強調することができる。
【0055】
次にこの発明の第2の実施の形態を図8に基づいて説明する。この第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の構成に機械式リレー7の保護に関連する制御フローを加えたものであるため、上述した図1〜図6を援用して重複説明を省略する。なお、機械式リレー7の保護とは、長期間接点の開閉が行われずに、接点表面に有機皮膜の生成などによって接触不安定が発生するのを防止することを意味している。
【0056】
図8は、図示せぬ停止SWが押されたイベントが登録された場合にCPU9が行う制御処理を示している。
まず、ステップS45において現在の運転モードを確認し、ステップS46に進む。
ステップS46では、運転モードが運転中か否かを判定する。ステップS46の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS47に進み、「No」(運転中ではない)である場合、つまり待機中または異常モードの場合には、何もせずにこの処理を終了する。
【0057】
ステップS47では、起動時間タイマが設定値以上か否かを判定する。ここで、起動時間タイマは例えば30分に設定され、前回の起動後30分以上経過していることを検出している。ステップS47の判定結果が「Yes」(タイマ≧設定値)である場合は、ステップS48に進み、「No」(タイマ<設定値)である場合は、ステップS50に進む。
【0058】
ステップS48では、コンパレータ回路13からの緊急停止出力信号の入力をマスクし、ステップS49では、機械式リレー7をOFFするべく、異常判定出力をHiとする。
ステップS50では、光MOSリレー3をOFFして、ステップS51で運転モードを待機中に設定する。この場合、ステップS48にて緊急停止入力がマスク処理されているため、運転モードは異常モードに移行せず、機械式リレー7が停止SWを押されたことによってOFFすることとなる。またステップS47の判定処理において、タイマが設定値未満と判定された場合、ステップS50〜S51で通常の停止SWが押された場合と同様の制御処理を実行することとなる。
【0059】
図9は、この第2の実施の形態の変形例における制御処理を示すものであり、この変形例では、停止SWの押下に関わらず圧力計測の結果に応じて機械式リレー7の保護を実施している。
まず、ステップS53では圧力センサ11の出力信号のAD変換結果(AD値)と予め設定された圧力値である停止圧力値Poffを比較し、AD変換結果が停止圧力値Poffより小さいか否かを判定する。ステップS53の判定結果が「Yes」(AD値<Poff)である場合は、ステップS54に進み、「No」(AD値≧Poff)である場合は、ステップS58に進む。
【0060】
ステップS58では、現在の運転モードが運転中か否かを判定する。ステップS58の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS59に進み、「No」(運転中ではない)である場合、すなわち、異常モードおよび待機中である場合は、何もせずにこの制御処理を終了する。
ステップS59では、起動時間タイマが設定値以上か否かを判定する。ステップS59の判定結果が「Yes」(タイマ≧設定値)である場合は、ステップS60に進み、「No」(タイマ<設定値)である場合は、ステップS60〜S61の処理を行わずにステップS62に進み、このステップS62以降の処理を実行する。
【0061】
ステップS60では、コンパレータ回路13からの緊急停止出力信号の入力をマスクし、ステップS61にて機械式リレー7もOFFするべく、異常判定出力をHiとする。
ステップS62では、光MOSリレー3をOFFし、圧縮機モータ4を停止させてステップS63に進む。なお、ステップS63以降の処理については上述した第1の実施の形態のステップS38〜S41と同様の処理である。
【0062】
ここで、光MOSリレー3が短絡故障している場合は、実際には圧縮機モータ4は停止せず、空気タンク10内の圧力が上昇する。そこで、ステップS63では圧力センサ11の出力信号のAD変換結果とPhiを比較し、AD変換結果がPhi以上の場合、ステップS64において異常判定出力をHiにし、ステップS65にて運転モードを異常モードとし、ステップS66にて圧力異常フラグを立てると共に、メモリ16に圧力異常フラグの値を書き込む。すなわちコンパレータ回路13の緊急停止出力がLoとなるため、強制的に機械式リレー7がOFFし、圧縮機モータ4が停止する。
【0063】
一方、ステップS54においては、AD変換結果(AD値)が予め設定された圧力値であるPonよりも小さいか否かを判定する。ステップS54の判定結果が「Yes」(AD値<Pon)である場合は、ステップS55に進み、「No」(AD値≧Pon)である場合は、何もせずにこの制御処理を終了する。
【0064】
ステップS55では、現在の運転モードが運転中か否かを判定する。このステップS55の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS56に進み、「No」(運転中ではない)である場合、つまり現在の運転モードが待機中および、異常モードの場合には、何もせずにこの制御処理を終了する。
ステップS56では、異常判定出力をLoとし、ステップS57にて光MOSリレー3をONして圧縮機モータ4を運転させる。また、ステップS71にて起動時間タイマをリセットスタートする。
【0065】
したがって、上述した第2の実施の形態およびその変形例によれば、とりわけ機械式リレー7を、圧縮機モータ4の正常時であっても、所定時間毎にON/OFF制御することができるため、長期間接点の開閉が行われずに、接点表面に有機皮膜の生成などによって接触不安定が発生するのを防止することができる。
【0066】
なお、上記各実施の形態では運転停止命令を出力しても、圧縮機モータ4の運転が継続され、圧縮機モータ4が止まらなくなる異常状態を空気圧縮部4aに具備されている圧力センサの信号から検出しており、外付けのセンサなど必要がなくシンプルに検出できるが、例えば、別途電流センサを用いて、開閉駆動回路5の操作コイル6に流れる電流の有無を検出することで行っても良い。
【0067】
次に図11を参照しながら第3の実施の形態を説明する。この第3の実施の形態における空気圧縮機101は、第1、2の実施の形態の図1に示す回路構成に対して、電磁接触器ON/OFF回路上すなわち駆動制御部1の光MOSリレー3の接点3aおよび機械式リレー7の接点7aに流れる電流を計測する電流センサ20を設けたものである。
【0068】
電流センサ20の計測結果は駆動制御部1のCPU9に入力され、CPU9はこの電流センサ20の計測結果に基づいて光MOSリレー3の異常を検出する。具体的には、光MOSリレー3の接点3aが開成制御されたにもかかわらず、電流センサ20で計測された電流値が「0」ではない場合、つまり電流が流れている場合は、接点3aが固着等により閉成されている虞があるため、光MOSリレー3が異常状態であると判定する。
【0069】
また、電流センサ20で計測された電流値に基づいて光MOSリレー3の異常を検出する場合について説明したが、例えば、光MOSリレー3の接点3aの両端子間電圧を検出する電圧センサ20a又は出力回路2の出力端子間の電圧を検出する電圧センサ20bを設け、光MOSリレー3を開成制御しているにも関わらず、電圧センサ20a又は電圧センサ20bの電圧値が「0」ではない所定の電圧値に達しない場合に異常と判定してもよい。
【0070】
また、上記変形例の他の態様として、図12に示すように、空気圧縮機102の駆動回路上である3相の動力系配線U,V,Wの電流を検出する電流センサ22や駆動開路上である開閉駆動回路5の端子間電圧を監視する電圧センサ23又は駆動回路上である開閉駆動回路5と圧縮機モータ4との間の相間電圧を監視する電圧センサ23aを設けて、それぞれCPU9により光MOSリレー3の接点3aの開成制御を行っているにも関わらず、動力系配線U,V,Wに電流が流れている場合、開閉駆動回路5の開閉接点6a〜6cの端子間電圧が低下しない場合、および、相間電圧が低下しない場合に光MOSリレー3が異常であると判定してもよい。
【0071】
さらに、前述した回転センサ21で検出される回転数に基づいて光MOSリレー3の異常を検出することもできる。この場合、光MOSリレー3を開成制御しているにもかかわらず、圧縮機モータ4の回転数が一定時間経過しても所定の回転数以下に低下しなかった場合に異常と判定すればよい。また、上述した「圧力」、「電流」、「電圧」および「回転数」のうち少なくとも一つの検出値を用いて光MOSリレー3の異常検出を行えばよく、例えば、「圧力」、「電流」、「電圧」および「回転数」のうち複数の検出値による異常検出を並行して行うことで信頼性を向上することができる。
【0072】
なお、上述した第3の実施の形態およびその変形例のCPU9で行われる制御処理は、上述した第1、第2の実施の形態の図2〜図9の「圧力」をそれぞれ「電流」、「電圧」又は「回転数」に置き換えたものであるため説明を省略する。さらに、圧力センサ11、電流センサ20、電圧センサおよび回転センサ21から出力される出力信号は、各検出値に応じた電圧信号であるため、第1、第2の実施の形態の「圧力」の場合と同様に、電流センサ20、電圧センサおよび回転センサ21の電圧信号に基づいて、ハードウェアで構成された圧力異常判定回路(図10参照)による異常判定を行うこともできる。
【0073】
また、上述した各実施の形態およびその変形例では、空気圧縮機を一例に説明したが、空気を圧縮するものに限られず、気体を圧縮する圧縮機であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施の形態における空気圧縮機の回路構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における電源投入処理のフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態における運転SWがONされたときの制御処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における停止SWがOFFされたときの制御処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態における運転SW長押しされたときの制御処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における緊急停止出力がHiからLoになったときの制御処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態における圧力計測に基づく制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態における図4に相当するフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態の変形例における図7に相当するフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態における圧力異常判定回路の構成図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態の変形例における図1に相当する回路構成図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態の変形例の他の態様における図11に相当する回路構成図である。
【図13】従来の空気圧縮機の回路構成図である。
【符号の説明】
【0075】
2 出力回路(電磁接触器ON/OFF回路)
3 光MOSリレー(半導体式リレー)
4 圧縮機モータ(駆動手段)
4a 圧縮部(気体圧縮部)
4b 排出経路
5 開閉駆動回路
5a 電磁接触器
6a〜6c 開閉接点
6 操作コイル
9 CPU(制御装置)
10 空気タンク(タンク)
11 圧力センサ(駆動状態検出手段、圧力検出手段)
20 電流センサ(駆動状態検出手段、信号検出手段)
20a,20b 電圧センサ(駆動状態検出手段、信号検出手段)
21 回転センサ(駆動状態検出手段、回転検出手段)
22 電流センサ(駆動状態検出手段、信号検出手段)
23a,23b 電圧センサ(駆動状態検出手段、信号検出手段)
【技術分野】
【0001】
この発明は、気体を圧縮する圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁接触器の操作コイルに直列に挿入された制御リレーをタンク内圧に応じてON/OFF制御する圧縮機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の圧縮機のリレーにあっては、電気的開閉補償回数が比較的少ないという理由から機械式リレーを採用せずに、電気的開閉補償回数が相対的に多い光MOSリレーが用いられている。
【0003】
図13は従来の空気圧縮機の一例を示したものであり、符号200は従来の空気圧縮機を示している。空気圧縮機200は、圧縮機モータ4によって駆動されて空気を圧縮する空気圧縮部4aを備え、圧縮機モータ4は、そのON/OFF状態を切り替える開閉駆動回路5を介して電源8に接続されている。また、空気圧縮機200は、圧縮機モータ4の駆動制御を行う駆動制御部1を備えている。
【0004】
駆動制御部1の出力回路2内には光MOSリレー3が開閉駆動回路5に直列に接続され、電源8に接続されている。ここで、光MOSリレー3の一次側制御端子に駆動制御部1の演算回路であるCPU9からON信号(Hi)を入力すると、操作コイル6が通電されて、開閉駆動回路5がON作動する。すると圧縮機モータ4が回転を開始して空気圧縮部4aが圧縮動作を行う。一方、光MOSリレー3の一次側制御端子にCPU9からOFF信号(Lo)を入力すると、操作コイル6の通電が遮断され、開閉駆動回路5がOFFして圧縮機モータ4が停止する。
【0005】
符号10は、空気圧縮部4aで圧縮された空気を貯蔵するための空気タンクを示している。該空気タンク10には内部圧力を計測するための圧力センサ11が設けられている。この圧力センサ11で計測された圧力信号がCPU9に入力され、圧縮機モータ4の運転制御は、例えば圧力開閉式の場合、圧力センサ11の圧力信号値を元に予め設定されている復帰圧力値Ponで光MOSリレー3をONすることで運転を行い、停止圧力値Poffにて光MOSリレー3をOFFすることで圧縮機モータ4を停止している。
【0006】
また、空気タンク10には安全装置である安全弁12が取り付けられており、この安全弁12により、空気タンク10内の圧力が予め設定された圧力まで上昇した場合、空気タンク10内の圧力を低下させるようになっている。
【0007】
ところで、光MOSリレー3は半導体で構成されているため、何らかの原因によりショートモードで故障する場合が想定される。このようにショートモードで故障した場合、CPU9からの光MOSリレー3への制御信号の論理にかかわらず、開閉駆動回路5がONに固定されて、圧縮機モータ4は運転し続けてしまう。そして、空気タンク10の圧力が停止圧力値Poffを超えても停止しないため、安全弁12が作動することとなるが、例えば安全弁12が固着等によって作動しない場合、空気タンク10内の圧力が上昇し続けて空気タンク10に負担がかかる虞があった。
【0008】
そのため、この種の圧縮機にあっては、近年、複数の光MOSリレーを直列に接続し、さらに故障診断用の光MOSリレーを追加して、直列接続された光MOSリレーのうちいずれか一つの光MOSリレーがショートモードで故障したとしても他の光MOSリレーをオープンさせることで電磁接触器がONで固定される確立を低減するものが提案されている。
【特許文献1】特公平6−063504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した従来の圧縮機にあっては、多数の光MOSリレーを用いることで部品点数が増加し回路構成が複雑化するため、コストが上昇してしまうという課題がある。
【0010】
そこで、この発明は、部品点数の増加や回路構成が複雑化するのを抑制してコストの低減を図ることができる圧縮機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、駆動手段(例えば、実施の形態における圧縮機モータ4)により駆動されて気体を圧縮する気体圧縮部(例えば、実施の形態における圧縮部4a)と、該気体圧縮部により圧縮された気体を、排出経路(例えば、実施の形態における排出経路4b)を介して貯留するタンク(例えば、実施の形態における空気タンク10)と、電源と前記駆動手段との間に設けられ前記駆動手段への電源供給をON/OFFする電磁接触器(例えば、実施の形態における電磁接触器5a)および該電磁接触器の開閉接点(例えば、実施の形態における開閉接点6a〜6c)を非接触で操作する操作コイル(例えば、実施の形態における操作コイル6)からなる開閉駆動回路(例えば、実施の形態における開閉駆動回路5)と、前記電源または他の電源に接続されて、前記操作コイルに対して、半導体式リレー(例えば、実施の形態における光MOSリレー3)および機械式リレー(例えば、実施の形態における機械式リレー7)が直列に設けられる電磁接触器ON/OFF回路(例えば、実施の形態における出力回路2)と、前記半導体式リレーを常時開閉制御して前記電磁接触器ON/OFF回路の動作を制御する制御装置(例えば、実施の形態におけるCPU9)とが設けられ、該制御装置は、前記駆動手段または気体圧縮部の駆動状態を検出する駆動状態検出手段(例えば、実施の形態における圧力センサ11、電流線センサ20,22、電圧センサ20a,20b,23a,23b、回転センサ21)からの信号を監視し、前記半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記駆動状態検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合は、前記機械式リレーを開成することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動状態検出手段が、前記気体圧縮部か前記排出経路または前記タンクの少なくとも一箇所に設けられた気体の圧力を検知する圧力検出手段(例えば、実施の形態における圧力センサ11)であって、前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記圧力検出手段の出力が上昇し続けた場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動状態検出手段は、前記電磁接触器ON/OFF回路上の少なくとも一箇所に設けられた電流または電圧の変化を検知する信号検出手段(例えば、実施の形態における電流センサ20、電圧センサ20a,20b)であって、前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記信号検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動状態検出手段は、前記開閉駆動回路上の少なくとも一箇所に設けられた電流または電圧の変化を検知する信号検出手段(例えば、実施の形態における電流センサ22、電圧センサ23a,23b)であって、前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記信号検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記駆動状態検出手段は、前記駆動手段の回転状態を検知する回転検出手段(例えば、実施の形態における回転センサ21)であって、前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記回転検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載した発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発明において、前記機械式リレーの接点は、非通電時は開、一方、通電時は閉動作であることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載した発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発明において、運転時間が所定時間に達する毎に、前記半導体式リレーと前記機械式リレーを同時に開閉させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、正常時の圧縮機の運転制御は半導体式リレーの開閉制御で行い、この半導体式リレーに直列接続された機械式リレーを緊急時にのみ開作動させることで、多数の半導体式リレーを用いることなく半導体式リレーが短絡した場合に、確実に電磁接触器の開閉接点を開成させて圧縮機を停止できるため、部品点数の増加を抑制して、コスト低減を図ることができる効果がある。
【0019】
請求項6に記載した発明によれば、機械式リレーの接点を非通電時に開動作、通電時に閉動作とした場合、緊急時に機械式リレーを確実に開成させることができる。
請求項7に記載した発明によれば、運転時間が所定時間に達する毎に半導体式リレーと機械式リレーとを同時に開閉させた場合、長期間接点が開閉されないことで接点表面に有機皮膜が生成されるのを防止することができるため、緊急時には確実に機械式リレーを開成させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る空気圧縮機を、添付図面の図1乃至図6に従って詳細に説明する。なお、上述した図13に示す従来の空気圧縮機と同一部分に同一符号を付して説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態における空気圧縮機100の回路構成を示したものである。
空気圧縮機100は、圧縮機モータ4の回転駆動により空気を圧縮する圧縮部4aを備えている。圧縮機モータ4は、3相モータであり、そのON/OFF状態を切り替える開閉駆動回路5を介して電源8に接続されている。開閉駆動回路5は、操作コイル6により非接触で電磁接触器5aの開閉接点6a〜6cのON/OFFを同時に切り替える開閉器であり、駆動制御部1に接続されている。なお、圧縮機モータ4には回転数を計測する回転センサ21が設けられており、回転数の計測結果がCPU9に入力される。
【0021】
駆動制御部1は、ソフトウェアを実行して各種演算処理を行うCPU9と、ソフトウェアのプログラムや各種センサの検出結果を記憶するフラッシュメモリ等からなる不揮発性のメモリ16と、CPU9の制御指令に基づいて作動する出力回路2とを備えている。出力回路2内には光MOSリレー3と機械式リレー7とが直列接続されており、この光MOSリレー3、機械式リレー7および、上述した開閉駆動回路5の操作コイル6が直列に接続され、電源8と開閉駆動回路5との間の3相の動力系配線U,V,Wうち2相間に接続されている。
【0022】
光MOSリレー3は半導体素子であり、その一次側制御端子3bにCPU9が接続されている。光MOSリレー3は、CPU9からのON信号を一次側制御端子3bで受信すると、素子内で光信号に変換し、この光信号に基づいて接点3aの開閉制御を行う。例えば、CPU9から光MOSリレー3にON信号(Hi)が入力されると、光MOSリレー3の接点3aが閉成され、OFF信号(Lo)が入力されると、接点3aが開成される。
【0023】
一方、機械式リレー7は、接点7aとコイル7bとで構成されたリレーであり、コイル7bで発生する磁力によって接点7aを開閉作動させる。ここで、機械式リレー7は、コイル7bへの通電を遮断した場合にだけ開成するいわゆるa接点であり、CPU9からコイル7bに緊急停止出力としてON信号(Hi)が入力されると閉成する。
【0024】
ところで、圧縮部4aで圧縮された空気は、排出経路4bを通じて空気タンク10に貯蔵される。この空気タンク10には内部圧力を計測するための圧力センサ11が設けられ、この圧力センサ11で計測された圧力信号はCPU9に入力される。ここで、圧力センサ11は種々の形式のものを用いることができ、例えば圧力開閉式を用いることができる。CPU9は、圧力センサ11の圧力信号値を元に予めメモリ16に記憶されている復帰圧力値Ponで光MOSリレー3をONすることで圧縮機モータ4の運転を行い、停止圧力値Poffにて光MOSリレー3をOFFすることで圧縮機モータ4を停止している。なお、圧力センサ11は、圧縮部4a又はこの圧縮部4aの排出経路4bに設けてもよい。
【0025】
また、空気タンク10には安全装置である安全弁12が取り付けられている。この安全弁12により、空気タンク10内の圧力が予め設定された圧力まで上昇した場合、空気タンク10内の圧力を低下させるようになっている。
【0026】
すなわち、上述した構成により、電源8に接続された光MOSリレー3の一次側制御端子3bと機械式リレー7のコイル7bにCPUからON信号(Hi)が入力されると、それぞれの接点3a,7aが閉成(以下、単に光MOSリレー3および機械式リレー7がONするという)して、開閉駆動回路5の操作コイル6に通電され、開閉駆動回路5の開閉接点6a〜6cがON作動する。すると圧縮機モータ4は回転駆動を開始して圧縮部4aが空気の圧縮動作を開始して空気タンク10内の圧力が上昇する。
【0027】
一方、光MOSリレー3の一次側制御端子3bと機械式リレー7のコイル7bとにそれぞれCPU9からOFF信号(Lo)を入力すると、接点3a,7aが開成(以下、単に光MOSリレー3および機械式リレー7がOFFするという)し、これら光MOSリレー3と機械式リレー7との少なくともいずれか一方がOFFすることで、開閉駆動回路5の操作コイル6の通電が遮断され、この結果、開閉駆動回路5の開閉接点6a〜6cが開成して圧縮機モータ4が停止する。
【0028】
また、この第1の実施の形態では、圧力異常上昇の判定を、CPU9のソフトウェアによる判定と、ハードウェアによる判定とによって行うことでフェールセーフ回路を実現している。図10は、ハードウェアにて構成された圧力異常判定回路を示したものである。この図10に示す回路構成は、CPU9が行う圧力異常判定の制御処理(後述する)と同様の機能を、ハードウェアで構成された圧力異常判定回路で実現させるものである。
【0029】
図10は圧力異常判定を行う圧力異常判定回路を示している。この圧力異常判定回路にはヒステリシス付きコンパレータ回路13が設けられている。このコンパレータ回路13のコンパレータ17の−側入力端子には圧力センサ11の出力信号がダイオード14を介して入力され、また、コンパレータ17の出力端子にはCPU9および機械式リレー7のコイル7bが接続されている。
【0030】
また、コンパレータ17のしきい値である電圧はa抵抗18およびb抵抗19で決定され、圧力センサ11で検出される圧力値に応じた電圧値で設定されている。このコンパレータ17のしきい値に対応するHi側圧力しきい値Phiは安全弁12の作動圧以上に設定されている。具体的には停止圧力値Poff=0.85MPaと安全弁12の作動圧力値Pmax=1.1MPaとの間であるPhi=1MPaに設定されている。一方、Lo側圧力しきい値Ploは復帰圧力Pon=0.65MPaより低いPlo=0.5MPaに設定されている。
【0031】
すなわち、コンパレータ回路13は、圧力センサ11の圧力値がPhi=1MPaを超えて上昇した場合にLo出力、Plo=0.5MPaを超えて下降した場合にHi出力する構成となっている。なお、これらの圧力しきい値は安全弁12の作動圧力値Pmax=1.1MPaより高い、例えばPhi=1.3MPaに設定し、Lo側圧力しきい値Ploは復帰圧力Pon=0.65MPaより低いPlo=0.5MPaに設定してもよく、この場合、安全弁12が固着し、作動しなかった場合であっても確実に圧縮機モータ4を停止することができ、この結果空気タンク10における圧力の異常上昇を防止することができる。
【0032】
また、コンパレータ回路13の入力には後述するCPU9からの制御信号である異常判定出力がダイオード15を介して接続されており、Hi論理を入力することでコンパレータ回路13の出力はLo論理となる構成となっている。なお、これらのコンパレータしきい値は、後述するソフトウェアでの圧力異常判定時の圧力しきい値と同じ値となるよう設定している。
【0033】
つまり、圧力異常判定をソフト的に検出すると共にハードウェアで構成したコンパレータ回路13でも検出することができるため、例えばソフトウェアの暴走、回路の損傷などが発生した場合においても、確実に圧縮機モータ4を停止して空気圧縮部4aによる圧縮動作を停止させることができる。
【0034】
次に、図2乃至図7に基づいてCPU9で実施される制御処理を説明する。この制御処理は、光MOSリレー3の短絡故障時に、空気圧縮機100が止まらなくなるのを防止するためにCPU9で行う制御処理である。
図2はCPU9が行う初期化シーケンスを示している。
まずステップS1では、電源投入後、メモリ16(図1参照)のメモリチェックを行い、このメモリ16に記憶された異常情報を読み出す。
【0035】
ステップS2では、メモリ16に記憶されている異常情報に基づいて光MOSリレー3が異常状態にあるか否かを判定する。ステップS2の判定結果が「Yes」(異常状態にある)である場合は、ステップS3に進み、「No」(異常状態ではない)である場合は、ステップS5に進む。ここで、異常状態は、圧力異常フラグ、緊急停止出力、又は、圧力センサ11の圧力値等を含む異常情報に基づいて判定する。なお、図2乃至図7の制御処理では圧力異常フラグを一例に説明する。
【0036】
ステップS3では、異常判定出力をHiにし、S4にて運転モードを異常モードに設定してこの処理を終了(END)する。すなわちコンパレータ回路13の緊急停止出力がLoのまま、機械式リレー7がOFFを維持することとなる。なお、異常モード時には図示せぬ表示装置にエラー表示を行うことが望ましい。
一方、ステップS5では、異常判定出力をLoに制御して機械式リレー7をONにして、ステップS6にて運転モードを待機中としてこの処理を終了する。
【0037】
図3から図7はCPU9が行う運転制御処理フローであり、アイドラ内でイベントが登録され、処理される仕組みとなっており、ここでは運転に関するイベントの処理のみ説明する。
図3は図示せぬ運転SWが押されたイベントが登録された場合にCPU9が行う処理フローである。ステップS7において、現在の運転モードを確認し、ステップ8において待機中か否かを判定する。ステップS8の判定結果が「Yes」(待機中)である場合は、ステップS9に進み、「No」(待機中ではない)である場合、すなわち運転中または異常モードの場合はなにもせずこの処理を終了する。
【0038】
ステップS9では、光MOSリレー3をONとし、ステップS10で運転モードを運転中に変更する。このように運転モードが運転中に変更されることで、圧縮機モータ4の運転が開始される。
【0039】
図4は、ユーザによって図示せぬ停止SWが押されたイベントが登録された場合にCPU9が行う制御処理である。
ステップS12において、現在の運転モードを確認する。
ステップS13では、運転モードが運転中か否かを判定する。ステップS13の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS14に進み、「No」(運転中ではない)である場合、すなわち運転モードが待機中または異常モードの場合は、何もせずこの処理を終了する。
【0040】
一方、ステップS14では、光MOSリレー3をOFFとし、ステップS15で運転モードを待機中に変更する。このように運転モードが待機中に変更することで、圧縮機モータ4の運転が停止する。
【0041】
図5は、異常発生後、緊急停止出力がHiの状態で、空気タンク10の圧力値が予め規定された圧力値Ploよりも低下し、ユーザによる所定のSW操作が完了したイベントが登録された場合にCPU9が行う制御処理を示している。なお、図5において所定のSW操作は、運転SWの長押し(例えば5秒程度)の場合の一例を示している。
【0042】
まず、ステップS17において、現在の運転モードを確認してステップS18に進む。
ステップS18では、現在の運転モードが異常モードか否かを判定する。ステップS18の判定結果が「Yes」(異常モード)である場合は、ステップS19に進み、「No」(異常モードではない)である場合、つまり待機中または停止モードの場合は、何もせずにこの処理を終了する。
【0043】
ステップS19では、現在の圧力値を確認してステップS20に進む。
ステップS20では、現在の圧力値がPlo未満か否かを判定する。ステップS20の判定結果が「Yes」(圧力<Plo)である場合は、ステップS21に進み、「No」(圧力≧Plo)である場合は、何もせずにこの処理を終了する。
ステップS21では、異常判定出力をLoに設定し、ステップS22にて緊急停止出力を確認する。
【0044】
ステップS23では、緊急停止出力がHiか否かを判定する。ステップS23の判定結果が「Yes」(緊急停止出力がHi)である場合は、ステップS24に進み、「No」(緊急停止出力がHiではない)である場合は、何もせずにこの処理を終了する。
ステップS24では、圧力異常フラグをクリアすると共に、メモリ16に圧力異常フラグの値を書き込み、ステップS25において運転モードを待機中とし、この処理を終了する。
【0045】
図6は、上述した図5の制御処理において緊急停止出力がHiからLoに変化して、この緊急停止出力がHiからLoに変化したイベントが登録された場合に、CPU9が行う制御処理を示している。
【0046】
まず、ステップS29において異常判定出力をHiにし、ステップS30にて運転モードを異常モードとする。そして、ステップS31にて圧力異常フラグを立てる(フラグON)と共に、メモリ16に圧力異常フラグの値を書き込む。すなわちコンパレータ回路13の緊急停止出力がLoとなり、強制的に機械式リレー7がOFFし、圧縮機モータ4が停止する。
【0047】
図7はCPU9で行われる圧力計測の制御処理を示している。
まず、ステップS32では圧力センサ11の出力信号のAD変換結果(AD値)と予め設定された停止圧力値Poffとを比較して、AD変換結果が停止圧力値Poffよりも小さいか否かを判定する。ステップS32の判定結果が「Yes」(AD値<Poff)である場合は、ステップS33に進み、「No」(AD値≧Poff)である場合は、ステップS36に進む。
【0048】
ステップS36では、現在の運転モードが運転中か否かを判定する。ステップS36の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS37に進み、「No」(運転中ではない)である場合は、ステップS38に進む。
ステップS37では、光MOSリレー3をOFFにして圧縮機モータ4を停止させる。
【0049】
ここで、光MOSリレー3が短絡故障している場合は、実際には圧縮機モータ4は停止せず、空気タンク10内の圧力は上昇する。そこで、ステップS38では圧力センサ11の出力信号のAD変換結果と予め設定された圧力値であるPhiを比較し、AD変換結果がPhi以上か否かを判定する。ステップS38の判定結果が「Yes」(AD値≧Phi)である場合は、ステップS39に進み、「No」(AD値<Phi)である場合は、何もせずにこの制御処理を終了する。
【0050】
ステップS39では、異常判定出力をHiにし、ステップS40にて運転モードを異常モードとする。そして、ステップS41にて圧力異常フラグを立てると共に、メモリ16に圧力異常フラグの値を書き込む。すなわちコンパレータ回路13の緊急停止出力がLoとなり、強制的に機械式リレー7がOFFし、圧縮機モータ4が停止する。
【0051】
一方、ステップS32においてAD変換結果が停止圧力値Poff未満の場合、ステップS33にて圧力センサ11の出力信号のAD変換結果(AD値)と予め設定された圧力値であるPonとを比較し、AD値がPon未満か否かを判定する。ステップS33の判定結果が「Yes」(AD値<Pon)である場合は、ステップS34に進み、「No」(AD値≧Pon)である場合は、何もせずにこの制御処理を終了する。
ステップS34では、現在の運転モードが運転中か否かを判定する。ステップS34の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS35に進み、「No」(運転中ではない)である場合、つまり現在の運転モードが待機中および異常モードの場合には、何もせずにこの制御処理を終了する。
ステップS35では、光MOSリレー3をONにして、圧縮機モータ4を運転させる。
【0052】
したがって、上述の第1の実施の形態によれば、正常時の圧縮機モータ4の運転制御は光MOSリレー3の開閉制御で行い、この光MOSリレー3に直列接続された機械式リレー7を緊急時にのみ開作動させることで、多数の光MOSリレー3を用いることなく光MOSリレー3が短絡した場合に、確実に開閉駆動回路5の開閉接点を開成させて圧縮機モータ4を停止できるため、部品点数の増加を抑制して、コスト低減を図ることができる。
【0053】
そして、機械式リレー7の接点7aを非通電時に開動作、通電時に閉動作としているため、緊急時に機械式リレー7を確実に開成させることができる。
さらに、空気タンク10内の圧力の異常上昇をCPU9およびコンパレータ回路13の両方で検出することができ、CPU9が暴走した場合においても確実に圧縮機モータ4を停止することが可能となる。
また、メモリ16に異常フラグを記憶することによって再通電やリセット処理が行われた場合にも運転を禁止することが可能である。
【0054】
また、どうしも顧客が圧縮機モータ4を停止したままにしたくない場合には、この第1の実施の形態のように顧客が所定のSW操作を行うことで、復帰可能な構成としており、サービスマンが到着するまでの間、運転を継続することができる。
また、この際所定のSW操作が運転SWの長押しである場合、顧客が異常状態下での運転を意識的に行うことを強調することができる。
【0055】
次にこの発明の第2の実施の形態を図8に基づいて説明する。この第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の構成に機械式リレー7の保護に関連する制御フローを加えたものであるため、上述した図1〜図6を援用して重複説明を省略する。なお、機械式リレー7の保護とは、長期間接点の開閉が行われずに、接点表面に有機皮膜の生成などによって接触不安定が発生するのを防止することを意味している。
【0056】
図8は、図示せぬ停止SWが押されたイベントが登録された場合にCPU9が行う制御処理を示している。
まず、ステップS45において現在の運転モードを確認し、ステップS46に進む。
ステップS46では、運転モードが運転中か否かを判定する。ステップS46の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS47に進み、「No」(運転中ではない)である場合、つまり待機中または異常モードの場合には、何もせずにこの処理を終了する。
【0057】
ステップS47では、起動時間タイマが設定値以上か否かを判定する。ここで、起動時間タイマは例えば30分に設定され、前回の起動後30分以上経過していることを検出している。ステップS47の判定結果が「Yes」(タイマ≧設定値)である場合は、ステップS48に進み、「No」(タイマ<設定値)である場合は、ステップS50に進む。
【0058】
ステップS48では、コンパレータ回路13からの緊急停止出力信号の入力をマスクし、ステップS49では、機械式リレー7をOFFするべく、異常判定出力をHiとする。
ステップS50では、光MOSリレー3をOFFして、ステップS51で運転モードを待機中に設定する。この場合、ステップS48にて緊急停止入力がマスク処理されているため、運転モードは異常モードに移行せず、機械式リレー7が停止SWを押されたことによってOFFすることとなる。またステップS47の判定処理において、タイマが設定値未満と判定された場合、ステップS50〜S51で通常の停止SWが押された場合と同様の制御処理を実行することとなる。
【0059】
図9は、この第2の実施の形態の変形例における制御処理を示すものであり、この変形例では、停止SWの押下に関わらず圧力計測の結果に応じて機械式リレー7の保護を実施している。
まず、ステップS53では圧力センサ11の出力信号のAD変換結果(AD値)と予め設定された圧力値である停止圧力値Poffを比較し、AD変換結果が停止圧力値Poffより小さいか否かを判定する。ステップS53の判定結果が「Yes」(AD値<Poff)である場合は、ステップS54に進み、「No」(AD値≧Poff)である場合は、ステップS58に進む。
【0060】
ステップS58では、現在の運転モードが運転中か否かを判定する。ステップS58の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS59に進み、「No」(運転中ではない)である場合、すなわち、異常モードおよび待機中である場合は、何もせずにこの制御処理を終了する。
ステップS59では、起動時間タイマが設定値以上か否かを判定する。ステップS59の判定結果が「Yes」(タイマ≧設定値)である場合は、ステップS60に進み、「No」(タイマ<設定値)である場合は、ステップS60〜S61の処理を行わずにステップS62に進み、このステップS62以降の処理を実行する。
【0061】
ステップS60では、コンパレータ回路13からの緊急停止出力信号の入力をマスクし、ステップS61にて機械式リレー7もOFFするべく、異常判定出力をHiとする。
ステップS62では、光MOSリレー3をOFFし、圧縮機モータ4を停止させてステップS63に進む。なお、ステップS63以降の処理については上述した第1の実施の形態のステップS38〜S41と同様の処理である。
【0062】
ここで、光MOSリレー3が短絡故障している場合は、実際には圧縮機モータ4は停止せず、空気タンク10内の圧力が上昇する。そこで、ステップS63では圧力センサ11の出力信号のAD変換結果とPhiを比較し、AD変換結果がPhi以上の場合、ステップS64において異常判定出力をHiにし、ステップS65にて運転モードを異常モードとし、ステップS66にて圧力異常フラグを立てると共に、メモリ16に圧力異常フラグの値を書き込む。すなわちコンパレータ回路13の緊急停止出力がLoとなるため、強制的に機械式リレー7がOFFし、圧縮機モータ4が停止する。
【0063】
一方、ステップS54においては、AD変換結果(AD値)が予め設定された圧力値であるPonよりも小さいか否かを判定する。ステップS54の判定結果が「Yes」(AD値<Pon)である場合は、ステップS55に進み、「No」(AD値≧Pon)である場合は、何もせずにこの制御処理を終了する。
【0064】
ステップS55では、現在の運転モードが運転中か否かを判定する。このステップS55の判定結果が「Yes」(運転中)である場合は、ステップS56に進み、「No」(運転中ではない)である場合、つまり現在の運転モードが待機中および、異常モードの場合には、何もせずにこの制御処理を終了する。
ステップS56では、異常判定出力をLoとし、ステップS57にて光MOSリレー3をONして圧縮機モータ4を運転させる。また、ステップS71にて起動時間タイマをリセットスタートする。
【0065】
したがって、上述した第2の実施の形態およびその変形例によれば、とりわけ機械式リレー7を、圧縮機モータ4の正常時であっても、所定時間毎にON/OFF制御することができるため、長期間接点の開閉が行われずに、接点表面に有機皮膜の生成などによって接触不安定が発生するのを防止することができる。
【0066】
なお、上記各実施の形態では運転停止命令を出力しても、圧縮機モータ4の運転が継続され、圧縮機モータ4が止まらなくなる異常状態を空気圧縮部4aに具備されている圧力センサの信号から検出しており、外付けのセンサなど必要がなくシンプルに検出できるが、例えば、別途電流センサを用いて、開閉駆動回路5の操作コイル6に流れる電流の有無を検出することで行っても良い。
【0067】
次に図11を参照しながら第3の実施の形態を説明する。この第3の実施の形態における空気圧縮機101は、第1、2の実施の形態の図1に示す回路構成に対して、電磁接触器ON/OFF回路上すなわち駆動制御部1の光MOSリレー3の接点3aおよび機械式リレー7の接点7aに流れる電流を計測する電流センサ20を設けたものである。
【0068】
電流センサ20の計測結果は駆動制御部1のCPU9に入力され、CPU9はこの電流センサ20の計測結果に基づいて光MOSリレー3の異常を検出する。具体的には、光MOSリレー3の接点3aが開成制御されたにもかかわらず、電流センサ20で計測された電流値が「0」ではない場合、つまり電流が流れている場合は、接点3aが固着等により閉成されている虞があるため、光MOSリレー3が異常状態であると判定する。
【0069】
また、電流センサ20で計測された電流値に基づいて光MOSリレー3の異常を検出する場合について説明したが、例えば、光MOSリレー3の接点3aの両端子間電圧を検出する電圧センサ20a又は出力回路2の出力端子間の電圧を検出する電圧センサ20bを設け、光MOSリレー3を開成制御しているにも関わらず、電圧センサ20a又は電圧センサ20bの電圧値が「0」ではない所定の電圧値に達しない場合に異常と判定してもよい。
【0070】
また、上記変形例の他の態様として、図12に示すように、空気圧縮機102の駆動回路上である3相の動力系配線U,V,Wの電流を検出する電流センサ22や駆動開路上である開閉駆動回路5の端子間電圧を監視する電圧センサ23又は駆動回路上である開閉駆動回路5と圧縮機モータ4との間の相間電圧を監視する電圧センサ23aを設けて、それぞれCPU9により光MOSリレー3の接点3aの開成制御を行っているにも関わらず、動力系配線U,V,Wに電流が流れている場合、開閉駆動回路5の開閉接点6a〜6cの端子間電圧が低下しない場合、および、相間電圧が低下しない場合に光MOSリレー3が異常であると判定してもよい。
【0071】
さらに、前述した回転センサ21で検出される回転数に基づいて光MOSリレー3の異常を検出することもできる。この場合、光MOSリレー3を開成制御しているにもかかわらず、圧縮機モータ4の回転数が一定時間経過しても所定の回転数以下に低下しなかった場合に異常と判定すればよい。また、上述した「圧力」、「電流」、「電圧」および「回転数」のうち少なくとも一つの検出値を用いて光MOSリレー3の異常検出を行えばよく、例えば、「圧力」、「電流」、「電圧」および「回転数」のうち複数の検出値による異常検出を並行して行うことで信頼性を向上することができる。
【0072】
なお、上述した第3の実施の形態およびその変形例のCPU9で行われる制御処理は、上述した第1、第2の実施の形態の図2〜図9の「圧力」をそれぞれ「電流」、「電圧」又は「回転数」に置き換えたものであるため説明を省略する。さらに、圧力センサ11、電流センサ20、電圧センサおよび回転センサ21から出力される出力信号は、各検出値に応じた電圧信号であるため、第1、第2の実施の形態の「圧力」の場合と同様に、電流センサ20、電圧センサおよび回転センサ21の電圧信号に基づいて、ハードウェアで構成された圧力異常判定回路(図10参照)による異常判定を行うこともできる。
【0073】
また、上述した各実施の形態およびその変形例では、空気圧縮機を一例に説明したが、空気を圧縮するものに限られず、気体を圧縮する圧縮機であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施の形態における空気圧縮機の回路構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における電源投入処理のフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態における運転SWがONされたときの制御処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における停止SWがOFFされたときの制御処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態における運転SW長押しされたときの制御処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における緊急停止出力がHiからLoになったときの制御処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態における圧力計測に基づく制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態における図4に相当するフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態の変形例における図7に相当するフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態における圧力異常判定回路の構成図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態の変形例における図1に相当する回路構成図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態の変形例の他の態様における図11に相当する回路構成図である。
【図13】従来の空気圧縮機の回路構成図である。
【符号の説明】
【0075】
2 出力回路(電磁接触器ON/OFF回路)
3 光MOSリレー(半導体式リレー)
4 圧縮機モータ(駆動手段)
4a 圧縮部(気体圧縮部)
4b 排出経路
5 開閉駆動回路
5a 電磁接触器
6a〜6c 開閉接点
6 操作コイル
9 CPU(制御装置)
10 空気タンク(タンク)
11 圧力センサ(駆動状態検出手段、圧力検出手段)
20 電流センサ(駆動状態検出手段、信号検出手段)
20a,20b 電圧センサ(駆動状態検出手段、信号検出手段)
21 回転センサ(駆動状態検出手段、回転検出手段)
22 電流センサ(駆動状態検出手段、信号検出手段)
23a,23b 電圧センサ(駆動状態検出手段、信号検出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段により駆動されて気体を圧縮する気体圧縮部と、
該気体圧縮部により圧縮された気体を、排出経路を介して貯留するタンクと、
電源と前記駆動手段との間に設けられ前記駆動手段への電源供給をON/OFFする電磁接触器および該電磁接触器の開閉接点を非接触で操作する操作コイルからなる開閉駆動回路と、
前記電源または他の電源に接続されて、前記操作コイルに対して、半導体式リレーおよび機械式リレーが直列に設けられる電磁接触器ON/OFF回路と、
前記半導体式リレーを常時開閉制御して前記電磁接触器ON/OFF回路の動作を制御する制御装置とが設けられ、
該制御装置は、前記駆動手段または気体圧縮部の駆動状態を検出する駆動状態検出手段からの信号を監視し、前記半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記駆動状態検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合は、前記機械式リレーを開成することを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
前記駆動状態検出手段は、前記気体圧縮部か前記排出経路または前記タンクの少なくとも一箇所に設けられた気体の圧力を検知する圧力検出手段であって、
前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記圧力検出手段の出力が上昇し続けた場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記駆動状態検出手段は、前記電磁接触器ON/OFF回路上の少なくとも一箇所に設けられた電流または電圧の変化を検知する信号検出手段であって、
前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記信号検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記駆動状態検出手段は、前記開閉駆動回路上の少なくとも一箇所に設けられた電流または電圧の変化を検知する信号検出手段であって、
前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記信号検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記駆動状態検出手段は、前記駆動手段の回転状態を検知する回転検出手段であって、
前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記回転検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項6】
前記機械式リレーの接点は、非通電時は開、一方、通電時は閉動作であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の圧縮機。
【請求項7】
運転時間が所定時間に達する毎に、前記半導体式リレーと前記機械式リレーを同時に開閉させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の圧縮機。
【請求項1】
駆動手段により駆動されて気体を圧縮する気体圧縮部と、
該気体圧縮部により圧縮された気体を、排出経路を介して貯留するタンクと、
電源と前記駆動手段との間に設けられ前記駆動手段への電源供給をON/OFFする電磁接触器および該電磁接触器の開閉接点を非接触で操作する操作コイルからなる開閉駆動回路と、
前記電源または他の電源に接続されて、前記操作コイルに対して、半導体式リレーおよび機械式リレーが直列に設けられる電磁接触器ON/OFF回路と、
前記半導体式リレーを常時開閉制御して前記電磁接触器ON/OFF回路の動作を制御する制御装置とが設けられ、
該制御装置は、前記駆動手段または気体圧縮部の駆動状態を検出する駆動状態検出手段からの信号を監視し、前記半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記駆動状態検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合は、前記機械式リレーを開成することを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
前記駆動状態検出手段は、前記気体圧縮部か前記排出経路または前記タンクの少なくとも一箇所に設けられた気体の圧力を検知する圧力検出手段であって、
前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記圧力検出手段の出力が上昇し続けた場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記駆動状態検出手段は、前記電磁接触器ON/OFF回路上の少なくとも一箇所に設けられた電流または電圧の変化を検知する信号検出手段であって、
前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記信号検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記駆動状態検出手段は、前記開閉駆動回路上の少なくとも一箇所に設けられた電流または電圧の変化を検知する信号検出手段であって、
前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記信号検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記駆動状態検出手段は、前記駆動手段の回転状態を検知する回転検出手段であって、
前記制御装置は、半導体式リレーを開成したにもかかわらず、前記回転検出手段の出力が停止せず継続的に出力された場合には、前記機械式リレーを開成することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項6】
前記機械式リレーの接点は、非通電時は開、一方、通電時は閉動作であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の圧縮機。
【請求項7】
運転時間が所定時間に達する毎に、前記半導体式リレーと前記機械式リレーを同時に開閉させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の圧縮機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−36081(P2009−36081A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−200888(P2007−200888)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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