説明

圧電アクチュエータモジュール、モータモジュールおよび装置

取り扱いが容易で薄型化が図れ、汎用性の高い圧電アクチュエータモジュールを提供する。 圧電アクチュエータモジュール10は、電極を有する圧電アクチュエータ本体21と、外部から駆動信号が入力され、前記電極に前記駆動信号を供給する信号入力端子18A〜18Dと、圧電アクチュエータ本体21と略同一平面上に配置され、圧電アクチュエータ本体21により駆動され回転運動する回転体22と、回転体22および前記信号入力端子が電気的に接続された前記圧電アクチュエータ本体を収納する筐体15と、筐体15より露出され、回転体22により直接的あるいは間接的に伝達された回転運動を外部に出力するための出力軸12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電アクチュエータモジュール、モータモジュールおよびそれらを用いた装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より圧電素子を用いたアクチュエータである、圧電アクチュエータが知られている。
【特許文献1】日本国特許第3241688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載された配置で圧電アクチュエータを構成した場合には、アクチュエータ自体が厚くなってしまい、当該圧電アクチュエータを組み込んだ装置自体の薄型化がはかりにくいと言う問題点があった。
そこで本発明の目的は、取り扱いが容易で薄型化が図れ、汎用性の高い圧電アクチュエータモジュール、モータモジュールおよびそれらを備えた装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、圧電アクチュエータモジュールは、電極を有する圧電アクチュエータ本体と、外部から駆動信号が入力され、前記電極に前記駆動信号を供給する信号入力端子と、前記圧電アクチュエータ本体の一部が当接状態で前記圧電アクチュエータ本体と略同一平面上に配置され、前記圧電アクチュエータ本体により駆動され回転運動する回転体と、前記回転体および前記信号入力端子が電気的に接続された前記圧電アクチュエータ本体を収納する筐体と、前記筐体より露出され、前記回転体により直接的あるいは間接的に伝達された回転運動を外部に出力するための出力軸と、を備えたことを特徴としている。
【0005】
この場合において、前記圧電アクチュエータ本体を支持するスライダを備え、前記スライダを回動あるいは平行移動させることにより前記圧電アクチュエータ本体の前記回転体に対する当接状態を維持するようにしてもよい。
また、前記スライダを前記回転体側に付勢する付勢部材を備えるようにしてもよい。
さらに、前記付勢部材は交換可能に構成されているようにしてもよい。
さらにまた、前記付勢部材の前記スライダに対する付勢力を可変するための付勢力可変部を備えるようにしてもよい。
【0006】
また、前記筐体は、蓋体と、筐体本体とを備え、前記蓋体は、前記回転体および前記出力軸に対応する部分を覆う第1蓋体と、前記圧電アクチュエータ本体に対応する部分を覆う第2蓋体と、を備えるようにしてもよい。
さらに、前記第1蓋体と前記第2蓋体とは、その一部が重なり合った状態で組立可能であるようにしてもよい。
さらにまた、前記当接状態を前記筐体の外部より視認可能とする視認窓あるいは透明部材が前記筐体に設けられているようにしてもよい。
【0007】
また、前記回転体は回転軸を有し、前記回転軸を受ける軸受け部は、前記筐体の周面に突設されているようにしてもよい。
さらに、前記回転体に前記出力軸が接続され、当該出力軸を介して駆動力伝達部が接続されているようにしてもよい。
さらにまた、前記駆動力伝達部は、歯車あるいはカムを有し、前記歯車あるいはカムは固定もしくは着脱可能に配置されているようにしてもよい。
【0008】
また、前記出力軸は、略円筒形状を有しているようにしてもよい。
さらに、前記圧電アクチュエータ本体の駆動電源の接地側電位が前記筐体の電位と同電位とされているようにしてもよい。
さらにまた、前記圧電アクチュエータ本体は、その表面の複数の領域に圧電素子が積層された基板と、前記基板を前記スライダに固定するための固定部と、前記基板の長手方向端部に設けられた当接部とを備え、前記圧電素子に駆動信号を供給することにより、前記圧電素子を伸縮させて前記振動板に前記長手方向に伸縮する縦振動および前記長手方向とは交差する方向への屈曲振動を生じさせ、これらの振動が合成された合成振動に伴う前記当接部の変位によって前記回転体を回転駆動するようにしてもよい。
【0009】
また、前記圧電アクチュエータ本体を前記回転体に当接させるべく支持するスライダと、前記圧電アクチュエータ本体に外部の接続端子からの駆動電力を供給すべく、当該圧電アクチュエータ本体の電極に電気的に接続されるフレキシブル基板と、を備え、前記フレキシブル基板は、前記筐体に支持される筐体支持部と、前記スライダに支持されるスライダ支持部と、前記筐体支持部とスライダ支持部との中間部分に配置され両支持部間における応力を緩和しあるいは振動伝達を抑制するためのダンパー部と、を備えるようにしてもよい。
【0010】
さらに、前記圧電アクチュエータ本体は、その表面に圧電素子が積層された基板と、前記基板とは別体で構成され、前記基板に支持されるとともに、前記回転体に当接する当接部を備え、前記当接部の少なくとも前記回転体に当接する部分は、前記基板の硬度よりも高硬度に構成されているようにしてもよい。
【0011】
さらにまた、前記当接部は、一端が前記基板の端面から所定方向に突設され、他端が前記基板の一端側に設けられた凹部内に固定されて支持されているようにしてもよい。
また、前記当接部は、セラミックス、超硬合金、窒化処理を施した鋼材あるいは侵炭処理が施された鋼材で構成されているようにしてもよい。
また、前記電極及び前記信号入力端子は、それぞれ複数設けられているようにしてもよい。
【0012】
また、モータモジュールは、電極を有する圧電アクチュエータ本体と、駆動信号が入力され、前記電極に前記駆動信号を供給する信号入力端子と、前記圧電アクチュエータ本体の一部が当接状態で前記圧電アクチュエータ本体と略同一平面上に配置され、前記圧電アクチュエータ本体により駆動され回転運動する回転体と、前記回転体および前記信号入力端子が電気的に接続された前記圧電アクチュエータ本体を収納する筐体と、前記筐体より露出され、前記回転体により直接的あるいは間接的に伝達された回転運動を外部に出力するための出力軸と、外部から供給される電力に基づいて前記駆動信号を生成し、前記信号入力端子に出力するドライブ回路と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
また、装置は、電極を有する圧電アクチュエータ本体と、駆動信号が入力され、前記電極に前記駆動信号を供給する信号入力端子と、前記圧電アクチュエータ本体の一部が当接状態で前記圧電アクチュエータ本体と略同一平面上に配置され、前記圧電アクチュエータ本体により駆動され回転運動する回転体と、前記回転体および前記信号入力端子が電気的に接続された前記圧電アクチュエータ本体を収納する筐体と、前記筐体より露出され、前記回転体により直接的あるいは間接的に伝達された回転運動を外部に出力するための出力軸と、前記出力軸に接続されて駆動される被駆動部と、電力を供給する電源と、前記電源から供給される電力に基づいて前記駆動信号を生成し、前記信号入力端子に出力するドライブ回路と、を備えたことを特徴としている。
この場合において、前記被駆動部は、車輪、プロペラあるいは工具アタッチメントのいずれかであるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、取扱が容易で薄型化が図れ汎用性の高い圧電アクチュエータモジュールを構成することができ、ひいては、圧電アクチュエータモジュールを内蔵した機器の小型化、薄型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
[図1]第1実施形態の圧電アクチュエータモジュールの外観斜視図である。
[図2]第1実施形態の圧電アクチュエータモジュールの上面図である。
[図3]圧電アクチュエータ本体(振動体)の上面図である。
[図4]圧電アクチュエータ本体(振動体)の側面図である。
[図5]スライダに圧電アクチュエータ本体を固定する前の状態の上面斜視図である。
[図6]スライダに圧電アクチュエータ本体を固定した後の上面斜視図である。
[図7]スライダに圧電アクチュエータ本体を本体を固定した後の下面斜視図である。
[図8]図7のスライダおよび圧電アクチュエータ本体をケーシング本体に組み込んだ場合の外観斜視図である。
[図9]フレキシブル基板の外観斜視図である。
[図10]フレキシブル基板の上面図である。
[図11]フレキシブル基板の側面図である。
[図12]フレキシブル基板の正面図である。
[図13]フレキシブル基板の結線図である。
[図14]第1変形例の圧電アクチュエータモジュールの上面図である。
[図15]第3変形例の圧電アクチュエータモジュールの上面図である。
[図16]第3変形例の圧電アクチュエータモジュールの側面図である。
[図17]第3変形例の圧電アクチュエータモジュールの正面図である。
[図18]第5変形例のスライダの上面図である。
[図19]図18のスライダおよび圧電アクチュエータ本体をケーシング本体に組み込んだ場合の外観斜視図である。
[図20]第2実施形態の圧電アクチュエータの上面図である。
[図21]第3実施形態の圧電アクチュエータモジュールの上面図である。
[図22]第3実施形態の圧電アクチュエータモジュールの側面図である。
[図23]第3実施形態の圧電アクチュエータモジュールの正面図である。
[図24]圧電アクチュエータモジュール10YのA−A断端面図である。
[図25]第3実施形態の変形例を説明する図である。
[図26]第4実施形態の圧電アクチュエータモジュールの上面図である。
[図27]第4実施形態の圧電アクチュエータモジュールの側断面図である。
[図28]第4実施形態の圧電アクチュエータモジュールの正断面図である。
[図29]第4実施形態の圧電アクチュエータモジュールの外観斜視図である。
[図30]第5実施形態の圧電アクチュエータモジュールの外観斜視図である。
[図31]第5実施形態の圧電アクチュエータモジュールのA−A断端面図である。
[図32]第5実施形態のより具体的適用例を説明する図(その1)である。
[図33]第5実施形態のより具体的適用例を説明する図(その2)である。
[図34]第6実施形態の実施形態の主要部である。
[図35]アクチュエータモジュールを模型飛行機(飛行体)に適用した場合の外観斜視図である。
[図36]プロペラ装置の一部断面図である。
[図37]第8実施形態の電動工具の外観斜視図である。
[図38]第8実施形態の電動工具の概要構成ブロック図である。
[図39]第9実施形態のモータモジュールの概要構成ブロック図である。
[図40]第10実施形態の振動モータモジュールの外観正面図である。
[図41]振動モータモジュールを携帯電話機に組み込んだ場合の組込状態説明図である。
[図42]第11実施形態の圧電アクチュエータ本体(振動体)の上面図である。
[図43]第12実施形態の圧電アクチュエータ本体(振動体)の上面図である。
[図44]当接部の外観斜視図である。
[図45]第12実施形態の圧電アクチュエータ本体(振動体)の側面図である。
[図46]第13実施形態の圧電アクチュエータ本体(振動体)の上面図である。
[図47]第13実施形態の圧電アクチュエータ本体(振動体)の側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[1]第1実施形態
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の圧電アクチュエータモジュールの外観斜視図である。
圧電アクチュエータモジュール10は、ケーシング(筐体)11を備えており、このケーシング11の上面から駆動力を伝達するための出力軸12が突出されて露出されている。さらにケーシング11の長手方向の一端面から外部接続端子13が設けられたフレキシブル基板14が引き出されている。
【0017】
ケーシング11は、ケーシング本体15と、ケーシング本体15にねじ16により固定され、ケーシング本体15と協働して後述する圧電アクチュエータ本体を保護する蓋体17と、を備えている。ケーシング11の大きさは、例えば、蓋体17の短手側の長さがおよそ6mm、長手側の長さがおよそ13mmとなっている。
また、ケーシング本体15には、圧電アクチュエータモジュール10を、実装対象の機器に固定するための固定用ねじ穴15Aが設けられている。
さらに、外部接続端子13には、後述する接続配線を介して圧電アクチュエータ本体に電気的に接続される電極18A〜18Dが設けられている。
【0018】
図2は、第1実施形態の圧電アクチュエータモジュールの上面図である。
ケーシング本体15内には、圧電アクチュエータ本体21が設けられている。圧電アクチュエータ本体21は、スライダ23により支持されている。また、ケーシング本体15内には、ケーシング本体15から露出する出力軸12を有し圧電アクチュエータ本体21により駆動される被駆動体として機能する回転体22が設けられている。
スライダ23は、圧電アクチュエータ本体21の振動の節、すなわち、振動時の変位がほぼ零となる位置で、圧電アクチュエータ本体21を支持している。
【0019】
スライダ23は、支持している圧電アクチュエータ本体21の回転体22に対する当接状態を維持すべく、スライダ23の係合突起23Aに係合した付勢部材24により回転体22側に付勢されている。このとき、付勢部材24は、圧電アクチュエータ本体21と、厚さ方向(図2の紙面に垂直な方向)に重なり合う位置に配置されており、省スペース化を図ることができる。さらに付勢部材24は、交換容易な構造となっており、付勢力の異なる付勢部材24に交換することにより回転体22、ひいては、出力軸12の駆動トルクを変更することができる。さらに、このスライダ23を回動軸15Aを中心として回動させて圧電アクチュエータ本体21の回転体22に対する当接状態を維持するような構成を採っているため、一つの弾性体で安定した付勢(加圧)が行え、得られる駆動トルクも安定したものとなる。
【0020】
また、圧電アクチュエータ本体21を略矩形板状とみなした場合に、長手方向の中心線が回転体22の回転中心を通るように、圧電アクチュエータ本体21と回転体22とが配置されている。これは、配置スペースを小さくするとともに、圧電アクチュエータ本体21の駆動力が、回転体22の正転時と、逆転時とで、略等しく設定されるようにするためである。
また、圧電アクチュエータ本体21は、ケーシング本体15の長手方向のほぼ中央に配置されており、配置面積の低減を図っている。
固定部材25は、フレキシブル基板14を外部接続端子13側でケーシング本体15に固定する。固定部材25は、あおり防止ばね26を有しており、このあおり防止ばね26は、スライダ23の上面側(蓋体17側)から下面側(ケーシング本体15側)にスライダ23を付勢し、スライダ23のあおりを防止している。この結果、圧電アクチュエータ本体21とフレキシブル基板14の電極(後述するオーバーハング電極)との導通を確実に図ることが可能となっている。
【0021】
ここで、圧電アクチュエータモジュールを構成する各部品の詳細について説明する。
まず圧電アクチュエータ本体について説明する。
図3は、圧電アクチュエータ本体(振動体)の上面図である。また、図4は、圧電アクチュエータ本体(振動体)の側面図である。
圧電アクチュエータ本体21は、弾性部材である基板(シム材)21AにPZTなどの圧電素子21Bが両面に貼り付けられた構造を有している。この構造において、実際の駆動時には、例えば、基板21Aには、電圧V−(負側電圧)が印加され、圧電素子21Bには電圧V+(正側電圧)が印加されることとなる。
【0022】
基板21Aの両側部には、圧電アクチュエータ本体21をスライダ23に固定するための固定部21Dがそれぞれ設けられており、圧電素子21Bが貼り付けられた部分を浮かせた状態で支持することとなる。この固定部21Dには、スライダ23と固定すべくねじが挿入されるねじ孔21Eと、位置決め用孔21Fが設けられている。
圧電素子21Bは、片面当たり5つの領域A1〜A5が設けられており、領域A1と領域A5とは、対として用いられる。同様に領域A2と領域A4とは対として用いられる。すなわち、対として用いられる領域は、同一の駆動信号が印加されることとなる。
【0023】
より詳細には、例えば、領域A1および領域A5、領域A2と領域A4のそれぞれに別個に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ本体21が駆動される。そして領域A1および領域A5で縦振動を起こし、領域A2と領域A4を振動させ、領域A3を振動させないことにより、縦方向の伸縮に対してアンバランスが生じ、屈曲振動が励震され、後述の当接部21Cに対してある方向(例えば、時計回り方向)の楕円軌道に沿った振動を発生させる。この際、領域A3に対応する電極が検出用電極となる。
さらに基板21Aの長手方向中央の領域Cは、圧電アクチュエータの振動の影響を受けない、いわゆる、節に相当し、この領域が電極の接続部として用いられることとなる。また、この領域Cで電極が1列に配置された状態となっているため、実装が容易な構造となっている。
【0024】
圧電アクチュエータ本体21の基板21Aの長手方向の一端には、回転体22に当接して駆動力を伝達するための当接部21Cが設けられている。
そして、圧電素子21Bに領域Cを介して駆動電圧が印加されることにより、圧電アクチュエータ本体21には、長手方向に伸縮する縦振動と、略S字状に振動する屈曲振動とが発生し、これらが合成されて当接部21Cの先端は楕円軌跡を描きつつ、回転体22を駆動する。この結果、回転体22は回転運動を行うこととなる。
【0025】
次にスライダについて説明する。
図5はスライダに圧電アクチュエータ本体を固定する前の状態の上面斜視図である。図6は、スライダに圧電アクチュエータ本体を固定した後の上面斜視図である。図7は、スライダに圧電アクチュエータ本体を本体を固定した後の下面斜視図である。
スライダ23は、平面形状が略H字形状を有しており、前述した係合突起23Aと、圧電アクチュエータ本体21を固定するためのねじ31を挿入するねじ挿入孔23Bと、フレキシブル基板14を係合するための係合ピン32を挿入するピン挿入孔23Cと、付勢部材24により付勢される場合に回動中心となるケーシング本体15に設けられた回動軸15A(図2参照)が挿入される回動軸挿入孔23Dと、を備えている。
【0026】
図8は、図7のスライダおよび圧電アクチュエータ本体をケーシング本体に組み込んだ場合の外観斜視図である。なお、図8では、理解の容易のためにフレキシブル基板は図示していない。
スライダ23および圧電アクチュエータ本体21は、固定された状態でケーシング本体15内の収納凹部15Bに回転体22とともに収められる。このとき、当接部21Cは、回動軸15Aを回動中心として回動されることにより容易に回転体22の周面に当接状態となるような位置に配置されることとなる。
【0027】
図9は、フレキシブル基板の外観斜視図である。図10は、フレキシブル基板の上面図である。図11はフレキシブル基板の側面図である。図12はフレキシブル基板の正面図である。
フレキシブル基板14は、図8の外観斜視図および図10の側面図に示すように、10本のオーバーハング電極35が設けられている(図2では、5本のみが視認可能となっている)。
【0028】
このオーバーハング電極35は、圧電アクチュエータ本体21の電極にそれぞれハンダ付け、溶着などにより電気的に固定的に接続され、駆動電力を供給する。
オーバーハング電極35は、より詳細には、電極35A、電極35B、電極35Cの3系統に分類されている。
この場合に、電極35Aは、図3に示した圧電素子21Bの領域A1〜A5のうち、対として用いられる領域A1と領域A5とに同一の駆動信号を供給するように構成されている。また、電極35bは、同様に対として用いられる領域A2と領域A4とに同一の駆動信号を供給するように構成されている。さらに、電極35cは、領域A3に駆動信号を供給するように構成されている。
具体的には、フレキシブル基板14は、多層基板として構成されており、オーバーハング電極35は多層配線により対応する電極18A〜18Dに電気的に接続されている。
【0029】
図13は、配線状態の一例を示す結線図である。
図13に示すように、電極35Aは、外部接続端子13の電極18Aに接続配線19Aを介して接続されている。また、電極35Bは、外部接続端子13の18Bに接続配線19Bを介して接続されている。さらに電極35Cは、外部接続端子13の電極18Cに接続配線19Cを介して接続されている。さらにまた、電極18Dは、後述する位置決め孔38を介して圧電アクチュエータ本体21の基板21Aに電気的に接続されることとなる。
【0030】
オーバーハング電極35を構成する各電極35A〜35Cは、フレキシブル基板14を構成する基材がなく、導電性材料(銅など)のパターンのみで構成されているため、圧電アクチュエータ本体21の振動時(駆動時)の損失を低減することができる。さらにオーバーハング電極35を構成する各電極35A〜35Cは、先端側(圧電アクチュエータ本体への接続部側)に向かって細く形成されている。これにより、圧電アクチュエータ本体21の振動に伴って発生する曲げ応力を緩和するとともに、圧電アクチュエータ本体21の振動時におけるオーバーハング電極による振動損失(エネルギー損失)を低減させて高効率で駆動を行えるようにされている。
【0031】
この場合にオーバーハング電極35を含むフレキシブル基板14の先端部分は、側面図に示すように、圧電アクチュエータ本体21をその間に挟み込むべく、連結部36を介して略U字状に曲げられている。このように、一枚のフレキシブル基板14を略U字状に折り曲げて圧電アクチュエータ本体21の両面に電力を供給する構成としているため、部品点数を削減できるとともに、低コストで小型化を図ることができるようになっている。
【0032】
また、オーバーハング電極35のうち圧電アクチュエータ本体21の上面側に対向する5本が圧電アクチュエータ本体21の上面側に向けて折り曲げられて、圧電アクチュエータ本体21の上面側の電極に接続される。また、オーバーハング電極35のうち、圧電アクチュエータ本体21の下面側に対向する残りの5本が圧電アクチュエータ本体21の下面側の電極に接続される。このように圧電アクチュエータ本体21の両面に対し、1枚のフレキシブル基板14で実装することが可能であるため、部品点数が少なくなり取り扱いが容易になっている。
【0033】
さらにフレキシブル基板14の先端部分には、スライダとの間で位置決めを行うための位置決め孔37が設けられている。なお、位置決め孔37は、本実施形態では、2個設けられており、一方は、丸孔、他方は長孔となっている。さらまたフレキシブル基板14の中央部分には、固定部材25との間で位置決めを行うための位置決め孔38が設けられている。
【0034】
従って、フレキシブル基板14を圧電アクチュエータ本体21に電気的に接続した状態として、位置決め孔38を利用して、固定部材25によりフレキシブル基板14を外部接続端子13側でケーシング本体15に固定することによりフレキシブル基板14は、完全に固定状態となる。
またフレキシブル基板14の中央部分、すなわち、位置決め孔38が設けられている部分と、外部接続端子13との間は、多少の応力が加わってもそれを吸収するダンパー機能を持たせたダンパー部39を構成しており、さらにフレキシブル基板14は、位置決め孔38を用いて固定部材25によりケーシング本体にも固定されるため、外部接続端子13へ引張り力が印加されたような場合であっても、圧電アクチュエータ本体21にその影響が直接的に伝わることがないため、駆動力の低下を招くことがない。
【0035】
この状態で(図2参照)、固定部材25のあおり防止ばね26は、スライダ23の上面側(蓋体17側)から下面側(ケーシング本体15側)にスライダ23を付勢し、圧電アクチュエータ本体21が振動状態にあっても、スライダ23があおられるのを容易に防止することとなる。
【0036】
この後、ケーシング本体15にねじ16により蓋体17を固定することにより、図1に示したように圧電アクチュエータモジュール10が完成することとなる。
上記構成の圧電アクチュエータモジュール10は、外部接続端子13に駆動電圧を外部より印加することにより、基板21Aに圧電素子21Bが貼り付けられた構造を有する圧電アクチュエータ本体21は、スライダ23の係合突起23Aに係合した付勢部材24により回転体22側に付勢された状態で振動する。この結果、長手方向に伸縮する縦振動と、略S字状に振動する屈曲振動とが合成されて当接部21Cの先端は楕円軌跡を描きつつ、回転体22を駆動し、回転体22は回転運動を行うこととなる。
【0037】
このとき、フレキシブル基板14は、スライダ23に固定されており、圧電アクチュエータ本体21がスライダ23とともに、動いたとしてもフレキシブル基板のオーバーハング電極35に応力が発生することはないため、長寿命化を図ることができる。
この結果、回転体22の回転運動は、出力軸12を介して外部の被駆動部材を駆動することとなる。
【0038】
[2]第1実施形態の変形例
次に第1実施形態の変形例について説明する。
[2.1]第1変形例
以上の説明においては、出力軸12の駆動トルクを変更する場合には、交換容易な構造となっている付勢部材24を付勢力の異なるものに交換することにより行うこととしていたが、本第1変形例は、付勢部材24の交換なしに出力軸12の駆動トルクを変更する場合の変形例である。
【0039】
図14は第1変形例の圧電アクチュエータモジュールの上面図である。図14において、図2と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
図2は、第1実施形態の圧電アクチュエータモジュールの上面図である。
ケーシング本体15内には、圧電アクチュエータ本体21が設けられている。圧電アクチュエータ本体21は、スライダ23により支持されている。
このとき、スライダ23は、支持している圧電アクチュエータ本体21の回転体22に対する当接状態を維持すべく、スライダ23に設けられた回動軸41Aに回動可能に嵌合された付勢力調整用カム41に係合した付勢部材24により回転体22側に付勢されている。このとき、付勢力調整用カム41を回動させることにより付勢部材24の付勢力を変更することにより、容易に回転体22、ひいては、出力軸12の駆動トルクを変更することができるようになっている。
【0040】
[2.2]第2変形例
以上の説明においては、ケーシング11の電位レベルについては述べていなかったが、ケーシング11を金属などの導体で構成するとともに、その電位レベルをグランド(接地)レベルとすることにより、圧電アクチュエータ本体はシールド状態となり、静電気の影響等を考慮する必要もない。さらにグランドの共通化が図れ、回路構成も簡略化することができる。
【0041】
[2.3]第3変形例
以上の説明においては、蓋体を一体のものとしていた。しかしながら、蓋体が一体の場合には、回転体の組込と圧電アクチュエータ本体の組込を同時並行して行う必要があり、両者の位置関係が固定的ではないので、調整、組立が難しいこととなっていた。
そこで、本第3変形例は、蓋体を分割して、組立性の向上を図る場合の変形例である。
【0042】
図15は、第3変形例の圧電アクチュエータモジュールの上面図である。図16は第3変形例の圧電アクチュエータモジュールの側面図である。図17は、第3変形例の圧電アクチュエータモジュールの正面図である。
図15ないし図17において、図1と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
本第3変形例において、蓋体は、回転体およびその回転軸である出力軸12を含む部分を覆って固定する第1蓋体17−1と、圧電アクチュエータ本体およびフレキシブル基板の一部、その他の部分を覆って固定する第2蓋体17−2と、で構成している。
【0043】
この場合に、第1蓋体17−1と、第2蓋体17−2との合わせ目部分17Xは、各蓋体17−1、17−2の厚さが他の部分の半分程度とされており、互いに重なり合うことが可能である。
この結果、完成した圧電アクチュエータモジュール内に外部からゴミなどが進入するのを防止することができる。
このような構成を採った結果、最初にケーシング本体15に回転体を組み込んで、第1蓋体17−1をねじ16により固定してしまえば、回転体の位置がずれたりすることがなくなり、組立工程において組立性の向上を容易に図ることが可能となっている。
【0044】
[2.4]第4変形例
以上の説明においては、回転体の軸受部分については何ら詳細を述べていなかったが、ケーシング11(図1参照)全体の厚さを薄くしつつ、回転体の出力軸12の傾き防止、位置決めの容易さの観点から、図17に示すように、軸受け部16Aをケーシング本体15から突出させることが好ましい。
【0045】
[2.5]第5変形例
以上の説明は、スライダと別体の付勢部材によりスライダにより支持されている圧電アクチュエータ本体の回転体への当接状態を維持するものであったが、本変形例は、スライダ自身に付勢部を設けることにより同様の効果を得る変形例である。
図18は第5変形例のスライダの上面図である。図18において、図5と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
スライダ23Mは、平面形状が略H字形状のスライダ本体23MAと、スライダ本体23MAの一端に略U字状の付勢部23MBが形成された形状となっている。
【0046】
スライダ本体23MAには、圧電アクチュエータ本体21を固定するためのねじ31を挿入するねじ挿入孔23Bと、フレキシブル基板14を係合するための係合ピン32を挿入するピン挿入孔23Cと、付勢部23MBにより付勢される場合に回動中心となるケーシング本体15に設けられた回動軸15A(図19参照)が挿入される回動軸挿入孔23Dと、を備えている。
【0047】
図19は、図18のスライダおよび圧電アクチュエータ本体をケーシング本体に組み込んだ場合の外観斜視図である。なお、図19では、理解の容易のためにフレキシブル基板は図示していない。
スライダ23Mおよび圧電アクチュエータ本体21は、固定された状態でケーシング本体15内の収納凹部15Bに回転体22とともに収められる。このとき、スライダ23Mの付勢部23MBは、収納凹部15B内の係合突部15Mに弾性変形した状態で係合されており、その弾性力によりスライダ23Mを回動軸15Aを回動中心として回動させることにより、圧電アクチュエータ本体21の当接部21Cを回転体22の周面への当接状態を維持するようにする。
従って、本第5変形例によっても、一つの弾性体で安定した付勢(加圧)が行え、得られる駆動トルクも安定したものとなる。
【0048】
[3]第2実施形態
上記第1実施形態においては、スライダは回転軸を中心として回動させることにより、圧電アクチュエータ本体の当接部の回転体への当接状態を維持していたが、本第2実施形態は、スライダを平行状態で回転体側にスライドさせることにより当接部との回転体への当接状態を維持させるための実施形態である。
図20は、第2実施形態の圧電アクチュエータの上面図である。図20において、図2と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
スライダ23Xの側部突起部50あるいは側部摺接部51は、ケーシング本体15の凹部15Bの側壁15Cに摺動可能に当接している。従って、スライダ23Xの動きは、圧電アクチュエータモジュールの長手方向への自由度があるだけとされている。
【0049】
この状態において、スライダ23Xは、支持している圧電アクチュエータ本体21の回転体22に対する当接状態を維持すべく、スライダ23Xの係合突起23AXに係合した付勢部材24Xにより回転体22側に付勢されている。
このとき、付勢部材24Xが係合突起23AXに与える力ベクトルを仮にA1とすると、圧電アクチュエータモジュールの短手方向の分解力ベクトルはA2、長手方向の分解力ベクトルはA3となる。
【0050】
しかしながら、短手方向の分解力ベクトルA2は、側部突起部50と側壁15Cの摩擦力として現れるだけである。すなわち、実質的には、長手方向の分解力ベクトルA3により、圧電アクチュエータ本体21の当接部21Cの回転体22への当接状態が維持されることとなる。
従って、当接部21Cは、同一方向から回転体22に当接することとなるため、第1実施形態の場合と比較して、より安定した回転体22の駆動が可能となり、得られる駆動トルクもより安定したものとなる。
【0051】
[4]第3実施形態
以上の各実施形態においては、出力軸は単なる軸の場合であったが、本第3実施形態は、出力軸として機能する歯車が設けられている場合の実施形態である。
【0052】
図21は、第3実施形態の圧電アクチュエータモジュールの上面図である。図22は第3実施形態の圧電アクチュエータモジュールの側面図である。図23は、第3実施形態の圧電アクチュエータモジュールの正面図である。
図21ないし図23において、図15ないし図17と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
圧電アクチュエータモジュール10Yは、ケーシング(筐体)11を備えている。このケーシング11の上面には、駆動力を伝達するための出力軸として機能する歯車60が設けられている。さらにケーシング11の長手方向の一端面から外部接続端子13が設けられたフレキシブル基板14が引き出されている。
【0053】
ケーシング11は、ケーシング本体15と、ケーシング本体15にねじ16により固定され、ケーシング本体15と協働して圧電アクチュエータ本体を保護すべく、回転体およびその回転軸である出力軸12を含む部分を覆って固定する第1蓋体17−1と、圧電アクチュエータ本体およびフレキシブル基板の一部、その他の部分を覆って固定する第2蓋体17−2と、を備えている。
この場合において、歯車60を構成する歯車部60Aおよび回転軸60Bは、本実施形態では別体に構成している。従って、歯車部60Aは着脱可能とすることもできる。この構成によれば、使用目的に応じて適宜変更が可能である。
以上の説明では、歯車60を構成する歯車部60Aおよび回転軸60Bを別体に構成していたが、構成することも可能である。
【0054】
図24は、圧電アクチュエータモジュール10YのA−A断端面図である。
図24において、図2あるいは図17と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
本圧電アクチュエータモジュール10Yには、ケーシング本体15の裏面側に圧電アクチュエータ本体21の当接部21Cと回転体11との当接状態を視認することが可能とする図示しない塞ぎ板により塞ぐことが可能な視認用孔70を設けている。
【0055】
この結果、圧電アクチュエータモジュール10Yの製造時に当接部21Cと回転体11との当接状態を視認して、適正な調整を行うことができ、検査性を向上させることができる。
以上の説明では、視認用孔70は、図示しない塞ぎ板により塞ぐものとしていたが、視認用孔70に代えて、透明部材を設け、当接部21Cと回転体11との当接状態を視認可能な状態としても同様の効果を得ることが可能である。
【0056】
[4.1]変形例
図25は第3実施形態の変形例を説明する図である。図25において、図24と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
第3実施形態の変形例は、第3実施形態と比較して、出力軸として機能する歯車60に代えてカム61を設けた場合のものである。
この場合においても、カム61を構成するカム部61Aおよび回転軸61Bは、別体に構成している。従って、カム部61Aは着脱可能とすることもできる。この構成によれば、使用目的に応じて適宜変更が可能である。以上の説明では、カム61を構成するカム部61Aおよび回転軸61Bを別体に構成していたが、構成することも可能である。
【0057】
[5]第4実施形態
以上の第3実施形態においては、出力軸として機能する歯車の歯車部あるいはカムのカム部が、ケーシング外部に全て露出している構成であったが、本第4実施形態は、その一部のみが露出している場合の実施形態である。
【0058】
図26は、第4実施形態の圧電アクチュエータモジュールの上面図である。図27は第4実施形態の圧電アクチュエータモジュールの側面図である。図28は、第4実施形態の圧電アクチュエータモジュールの正面図である。図29は、第4実施形態の圧電アクチュエータモジュールの外観斜視図である。
図26ないし図29において、図21ないし図23と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
【0059】
圧電アクチュエータモジュール10Zは、ケーシング(筐体)11を備えており、このケーシング11の長手方向端面から、駆動力を伝達するための出力軸として機能する歯車62の一部が突設されている。さらにケーシング11の端手方向の一端面から外部接続端子13が設けられたフレキシブル基板14が引き出されている。
このようにケーシング11の長手方向端面から、駆動力を伝達するための出力軸として機能する歯車62の一部が突設された構成を採ることで、第3実施形態の場合と比較してより薄型の圧電アクチュエータモジュールを構成することが可能となる。
【0060】
[6]第5実施形態
本第5実施形態は、出力軸として筒状の回転体を用いた場合の実施形態である。
図30は、第5実施形態の圧電アクチュエータモジュールの外観斜視図である。
圧電アクチュエータモジュール10Qは、ケーシング(筐体)11を備えており、このケーシング11において駆動力を伝達するための出力軸として機能する筒状回転体12Bが収納されている。
さらに、ケーシング11の裏面側には、図示しない外部接続端子(表面実装用)が設けられている。
【0061】
図31は、第5実施形態の圧電アクチュエータモジュールのA−A断端面図である。
ケーシング本体15内には、圧電アクチュエータ本体21が設けられている。圧電アクチュエータ本体21は、図示しないスライダにより支持されている。
そして、ケーシング本体15内には、出力軸として機能し、圧電アクチュエータ本体21により駆動される被駆動体としての筒状回転体12Bが設けられている。
【0062】
この結果、出力軸部分は光を透過することができるため、光を透過させつつ制御を行うような用途に適した圧電アクチュエータモジュールである。
【0063】
図32および図33に本第5実施形態のより具体的適用例を示す。
図32は、出力軸部分の孔にレンズを配設して、レンズの焦点合わせに用いる場合の圧電アクチュエータモジュールの具体的適用例の断面図である。図33は、図32の圧電アクチュエータモジュールの具体的適用例の側面図である。
【0064】
本適用例の装置である焦点合わせ装置80は、摺動軸81を有するレンズ82と、筒状回転体12Bが圧電アクチュエータ本体21により回転されることにより、筒状回転体12Bに連動して回転する内部鏡筒83と、ケーシング11に固定された外部鏡筒84と、を備えている。
この場合において、図33に示すように、内部鏡筒83には斜め方向に延在する第1ガイド溝91が設けられ、外部鏡筒84には上下方向に延在する第2ガイド溝92が設けられている。そして、第1ガイド溝91および第2ガイド溝92は互いに交差するように設けられている。
【0065】
次に動作を説明する。
筒状回転体12Bが圧電アクチュエータ本体21により回転駆動されることにより、内部鏡筒83も回転することとなる。
このとき、外部鏡筒84は、ケーシング11に固定されているため、回転しないこととなる。
【0066】
従って、レンズ82の摺動軸81は、第1ガイド溝91と第2ガイド溝92の双方に沿って摺動することとなり、例えば、図33に示すような場合、内部鏡筒83を上方から見て反時計回りに回した場合には、レンズ82は下方に移動することとなる。同様に内部鏡筒83を上方から見て時計回りに回した場合には、レンズ82は上方に移動することとなる。
このようにして、所望のレンズ位置にレンズ84を移動させることが可能となる。
以上の説明においては、実際の用途については説明していなかったが、小型ディジタルカメラなどを含む小型カメラのズーム機構あるいはオートフォーカス機構などに用いることが可能である。また、小型の光ピックアップ用のレンズを駆動する構成とすることも可能である。
【0067】
[7]第6実施形態
図34は、上記各実施形態のアクチュエータモジュールを玩具などに用いられる車輪装置を備えた車両(移動体)に適用した場合の実施形態の主要部である。
図34に示すように、車輪装置100は、アクチュエータモジュール101を備えている。アクチュエータモジュール101の出力軸101Aには、車軸102が直接接続されており、アクチュエータモジュール101が車軸102を回転駆動することにより、車輪103を駆動して、車輪装置100が設けられた模型自動車などの車両を走行させることが可能となる。
【0068】
本実施形態では、サスペンション装置は図示していないが、サスペンション装置にアクチュエータモジュール101、車軸102および車輪103を載置することにより、走行面の凹凸などの影響を低減して良好に走行させるように構成することも可能である。
また、アクチュエータモジュールは、薄く、且つ、小型に構成することが可能なので、小型の模型自動車などにおいても、各車輪にアクチュエータモジュールをそれぞれ別個に設けるように構成しても、バッテリーなどの大型部品を容易に配置することができる。
することも可能である。
以上の説明は、アクチュエータモジュール101が車軸102を介して車輪103をダイレクト駆動する場合のものであったが、所定の減速ギア輪列あるいは増速ギア輪列を介して駆動するように構成することも可能である。
【0069】
[8]第7実施形態
図35は上記各実施形態のアクチュエータモジュールを模型飛行機(飛行体)に適用した場合の外観斜視図である。
模型飛行機200は、プロペラ装置201を備え、このプロペラ装置201の発生させた推進力によって飛行するようなっている。模型飛行機200は、機体本体202から左右に伸びる主翼203と、機体本体202の後部に設けられる尾翼204とを備えている。尾翼204には、方向舵205が設けられており、方向舵205を駆動することにより、模型飛行機200の進行方向を調整することができるようになっている。
【0070】
次に、プロペラ装置201の詳細について説明する。
図36は、プロペラ装置の一部断面図である。
図36に示すように、このプロペラ装置201は、機体本体(支持体)202にプロペラ210となって回転可能に支持される回転軸211を有している。
【0071】
この回転軸211は、アクチュエータモジュール213の出力軸213Aと一体となっており、アクチュエータモジュール213の出力軸213Aが回転駆動されると、この回転に伴って回転するプロペラ210によって、図中矢印X方向への推進力が発生し、模型飛行機200が飛行するようになっている。
以上の説明のように、本実施形態によれば、アクチュエータモジュールは、小型軽量化が容易であるので、コイルモータを内蔵する模型飛行機と比較して、より重量を軽くすることができ、長時間の飛行や、より大型の模型飛行機を飛行させることが可能となる。
以上の説明は、アクチュエータモジュール213がプロペラ210をダイレクト駆動する場合のものであったが、所定の減速ギア輪列あるいは増速ギア輪列を介して駆動するように構成することも可能である。
【0072】
[9]第8実施形態
図37は、第8実施形態の電動工具の外観斜視図である。図38は、第9実施形態の電動工具の概要構成ブロック図である。
電動工具300は、ケーシング301と、ケーシング301を構成し、その内部に電源である電池302を収納する蓋体303と、アクチュエータモジュール304と、ケーシング301内に内蔵されたアクチュエータモジュール304の出力軸に着脱可能に取り付けられた工具アタッチメント(図36では、十字ドライバピット)305と、回転方向の切替および停止を切り換えるための操作スイッチ306と、ケーシング301に内蔵され、操作スイッチ306の操作状態に応じて、電池302からの供給電力によりアクチュエータモジュール304を駆動するドライブ回路307と、を備えている。
【0073】
上記構成によれば、ユーザの操作スイッチ306の操作状態に応じて、アクチュエータモジュール304の出力軸、ひいては、出力軸に取り付けられたアタッチメント305がドライブ回路307により回転駆動され、ねじ310の締め付け、取り外しなどを行えることとなる。
この場合において、アクチュエータモジュール304は、同一の体積のコイルモータと比較してより大きなトルクを得ることができ、小型で適用範囲の広い電動工具を構成することが可能となる。
【0074】
以上の説明のように、本実施形態によれば、アクチュエータモジュールは、小型で高トルクの電動工具を構成することが可能となる。
以上の説明においては、工具アタッチメントとして十字ドライバを説明したが、ドリルアタッチメント、各種ドライバアタッチメント、丸鋸アタッチメント等を用いることが可能である。さらには、工具アタッチメントとしてリンク機構やカム機構を備えた工具アタッチメントを構成すれば、ジグソー、インパクトドライバ、サンダーなどを構成することも可能である。
【0075】
[10]第9実施形態
図39は、第10実施形態のモータモジュールの概要構成ブロック図である。
モータモジュール400は、アクチュエータモジュール401と、電源供給端子402を介した外部からの供給電力によりアクチュエータモジュール401を駆動するドライブ回路403と、電源供給端子402を外部に露出し、アクチュエータモジュール401およびドライブ回路403を収納するケーシング404と、を備えている。
本第9実施形態によれば、電源供給端子402に外部電源を接続するだけで、アクチュエータモジュール401の図示しない出力軸を回転させることができ、通常のコイルモータと同様に取り扱うことが可能となる。
【0076】
[11]第10実施形態
図40は第10実施形態の振動モータモジュールの外観正面図である。
図40において、図25の第3実施形態の変形例と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
本第10実施形態は、第3実施形態と比較して、出力軸として機能する歯車60に代えて偏心分銅71を設け、携帯電話機において着信報知を行う振動モータモジュール500として構成した場合のものである。
【0077】
この場合においても、偏心分銅71を構成する分銅部71Aおよび回転軸71Bは、別体に構成している。
分銅部71Aは、振動量を高く保つ必要性から、比重の高い金属材料が用いられており、例えば、タングステンが用いられている。
この場合において、分銅部71Aは着脱可能であり、要求される振動量などに応じて材料、形状などを変更することも可能である。
【0078】
図41は、実際に振動モータモジュール500を携帯電話機501に組み込んだ場合の組込状態説明図である。
図41に示すように、振動モータモジュール500は、非常に小型に形成することが可能であり、小型の携帯電話機501であっても、収納スペースに困ることがない。
そして、携帯電話機501が着信した場合には、分銅部71Aが、図41中、例えば、矢印方向に回転し、分銅部71Aの回転軸71Bにおける重量不釣り合いのため、振動が発生し、ユーザに着信があった旨を振動により告知することが可能となる。
【0079】
[12]第11実施形態
図42は、第11実施形態の圧電アクチュエータ本体(振動体)の上面図である。
圧電アクチュエータ本体21Xは、弾性部材である基板(シム材)21AにPZTなどの圧電素子21Bが両面に貼り付けられた構造を有している。この構造において、実際の駆動時には、例えば、基板21Aには、電圧V−(負側電圧)が印加され、圧電素子21Bにはそれぞれ電圧V+(正側電圧)が印加されることとなる。
【0080】
基板21Aの両側部には、圧電アクチュエータ本体21をスライダ23に固定するための固定部21Dがそれぞれ設けられており、圧電素子21Bが貼り付けられた部分を浮かせた状態で支持することとなる。この固定部21Dには、スライダ23と固定すべくねじが挿入されるねじ孔21Eと、位置決め用孔21Fが設けられている。
圧電素子21Bには、1つの領域A11が設けられており、駆動信号が印加されることとなる。
【0081】
より詳細には、A11に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ本体21Xが駆動される。そして縦振動を起こすが、このとき当接部21Zは、基板21Aの非対称な位置に設けられているので、縦方向の伸縮に対してアンバランスが生じ、屈曲振動が励震され、当接部21Zに対してある一定方向(例えば、時計回り方向)の楕円軌道に沿った振動を発生させることとなる。
すなわち、本実施形態の圧電アクチュエータ本体21Xによれば、一つの電極を設けるだけで、一方向の回転が可能な圧電アクチュエータを構成することが可能となる。
なお、より振動を確実にするために、図42に破線で示すように、当接部21Zと同一形状のバランス部21Z1を長方形状の基板の中心に対して当接部21Zが設けられた位置と略点対称な位置に設けるようにしてもよい。
【0082】
[13]第12実施形態
図43は、第12実施形態の圧電アクチュエータ本体(振動体)の上面図である。図44は、当接部の外観斜視図である。図45は、第12実施形態の圧電アクチュエータ本体(振動体)の側面図である。
基板21Aは、例えば、ビッカース硬度500HV、ヤング率210GPaのSUS301EHで形成されている。
【0083】
一方、当接部21Mは、ビッカース硬度1600HV、ヤング率350〜380GPaのアルミナで構成されており、回転体に当接される当接面21MA1を有する当接端部21MAと、当接端部21MAを支持すべく基板の一端に設けられた凹部21K内に固定支持される固定部21MBと、を備えている。
当接端部21MAは、例えば、図44に示すように、半円柱形に形成され、図45に示すように、基板21Aの厚さに圧電素子21Bの厚さ(2層分)を加えた厚さと同程度の厚さとされている。
【0084】
また、固定部21MBは、基板21Aの一端に設けられた凹部21Kの形状と同一の半円柱型に形成されており、その厚さは基板21Aと同定度となっている。
固定部21MBは、基板21Aへ固定されている状態で、2層の圧電素子21Bに両面から挟まれた状態となっており、圧電素子21B、基板21A及び当接部21Mは互いに常温硬化型エポキシ樹脂系接着剤により接着固定されている。
以上のような構成とされているので、基板21Aと当接部21Mとをそれぞれの機能に適した材料で構成することができる。
【0085】
上述したように、基板21Aは、SUS301EHで構成されており、圧電素子21Bの脆性を補いながら圧電素子21Bの振動を阻害することがない。
また、当接部21Mは、アルミナで構成されているので、回転体と接する当接面21MA1の耐摩耗性を向上することができるため、圧電アクチュエータモジュールの耐久性が向上することとなる。
【0086】
[14]第13実施形態
図46は、第13実施形態の圧電アクチュエータ本体(振動体)の上面図である。また、図47は、第13実施形態の圧電アクチュエータ本体(振動体)の側面図である。
圧電アクチュエータ本体(振動体)21Zを構成する基板21Aは、例えば、ビッカース硬度500HV、ヤング率210GPaのSUS301EHで形成されている。
【0087】
一方、当接部21Nは、ビッカース硬度1500HV、ヤング率700GPaの超鋼合金H1(WC粒子径1μm、Co含有量10%)で構成されており、回転体に当接される当接面21NA1を有する当接端部21NAと、当接端部21NAを支持すべく基板21Aの一端に設けられた凹部21K内に固定支持される固定部21NBと、を備えている。
そして当接部21N全体としては、円盤状に形成されている。
【0088】
この当接部21Nは、例えば、超鋼合金H1の棒材を適切な厚みで切断して、厚み方向に研磨し切断により生じたばりを取り除くととともに、当接面21NA1を図47の紙面に平行な方向に切断した断面形状が回転体に対して円弧凸形状となるようにする。
【0089】
また、固定部21NBは、基板21Aの一端に設けられた凹部21Kの形状と同一の半円柱型に形成されており、その厚さは基板21Aと同定度となっている。
固定部21NBは、基板21Aへ固定されている状態で、2層の圧電素子21Bに両面から挟まれた状態となっており、圧電素子21B、基板21A及び当接部21Nは互いに常温硬化型エポキシ樹脂系接着剤により接着固定されている。
以上のような構成とされているので、基板21Aと当接部21Nとをそれぞれの機能に適した材料で構成することができる。
【0090】
上述したように、基板21Aは、SUS301EHで構成されており、圧電素子21Bの脆性を補いながら圧電素子21Bの振動を阻害することがない。
また、当接部21Nは、超鋼合金H1で構成されているので、回転体と接する当接面21NA1の耐摩耗性を向上することができるため、圧電アクチュエータモジュールの耐久性が向上することとなる。
【0091】
[15]実施形態の変形例
以上の説明においては、基板21Aの材料としてSUS301EHを用いていたが、これに限らず、他のステンレス鋼を用いても良い。また、アルミニウム、アモルファス金属、ゴムメタルなどの低ヤング率で振動しやすく、圧電素子21Bの振動を阻害しない材料で構成されていてもよい。
【0092】
以上の説明においては、基板21Aとは、別体で設ける当接部の材料としてアルミナや超鋼合金を用いていたが、これに限らず、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素などのセラミックスや、窒化処理あるいは侵炭処理などの処理が施された鋼材でもよい。要するに当接部の材料は、基板21A単体でも当接部を構成可能な場合に、少なくとも回転体に対する当接面が基板の材料よりも高硬度となるように選定されていればよい。
【0093】
以上の説明においては、基板及び圧電素子の外観を略長方形状、板状としていたが、用途や使用条件によって、他の形状等任意に設定可能である。例えば、以上の説明においては、圧電素子が略平面上に形成されていたが、ブロック状等とすることも可能である。
これらの場合において、当接部は、圧電素子の回転体側端面から所定方向に突出するようにすればよい。所定方向としては、圧電素子の回転体側端面を含む平面垂直な面に対し、±30°以内、より望ましくは、±15°以内、さらに望ましくは±10°以内となるようにする。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】

【図37】

【図38】

【図39】

【図40】

【図41】

【図42】

【図43】

【図44】

【図45】

【図46】

【図47】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を有する圧電アクチュエータ本体と、
外部から駆動信号が入力され、前記電極に前記駆動信号を供給する信号入力端子と、
前記圧電アクチュエータ本体の一部が当接状態で前記圧電アクチュエータ本体と略同一平面上に配置され、前記圧電アクチュエータ本体により駆動され回転運動する回転体と、
前記回転体および前記信号入力端子が電気的に接続された前記圧電アクチュエータ本体を収納する筐体と、
前記筐体より露出され、前記回転体により直接的あるいは間接的に伝達された回転運動を外部に出力するための出力軸と、
を備えたことを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項2】
請求項1記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記圧電アクチュエータ本体を支持するスライダを備え、
前記スライダを回動あるいは平行移動させることにより前記圧電アクチュエータ本体の前記回転体に対する当接状態を維持することを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項3】
請求項2記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記スライダを前記回転体側に付勢する付勢部材を備えたことを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項4】
請求項3記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記付勢部材は交換可能に構成されていることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項5】
請求項3記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記付勢部材の前記スライダに対する付勢力を可変するための付勢力可変部を備えたことを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項6】
請求項1記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記筐体は、蓋体と、筐体本体とを備え、
前記蓋体は、前記回転体および前記出力軸に対応する部分を覆う第1蓋体と、
前記圧電アクチュエータ本体に対応する部分を覆う第2蓋体と、
を備えたことを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項7】
請求項6記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記第1蓋体と前記第2蓋体とは、その一部が重なり合った状態で組立可能であることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項8】
請求項1記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記当接状態を前記筐体の外部より視認可能とする視認窓あるいは透明部材が前記筐体に設けられていることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項9】
請求項1記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記回転体は回転軸を有し、
前記回転軸を受ける軸受け部は、前記筐体の周面に突設されていることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項10】
請求項1に記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記回転体に前記出力軸が接続され、当該出力軸を介して駆動力伝達部が接続されていることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項11】
請求項10記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記駆動力伝達部は、歯車あるいはカムを有し、前記歯車あるいはカムは固定もしくは着脱可能に配置されていることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項12】
請求項1記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて
前記出力軸は、略円筒形状を有していることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項13】
請求項1記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記圧電アクチュエータ本体の駆動電源の接地側電位が前記筐体の電位と同電位とされていることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項14】
請求項1記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記圧電アクチュエータ本体は、その表面の複数の領域に圧電素子が積層された基板と、前記基板を前記スライダに固定するための固定部と、前記基板の長手方向端部に設けられた当接部とを備え、
前記圧電素子に駆動信号を供給することにより、前記圧電素子を伸縮させて前記振動板に前記長手方向に伸縮する縦振動および前記長手方向とは交差する方向への屈曲振動を生じさせ、これらの振動が合成された合成振動に伴う前記当接部の変位によって前記回転体を回転駆動する、
ことを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項15】
請求項1に記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記圧電アクチュエータ本体を前記回転体に当接させるべく支持するスライダと、
前記圧電アクチュエータ本体に外部の接続端子からの駆動電力を供給すべく、当該圧電アクチュエータ本体の電極に電気的に接続されるフレキシブル基板と、を備え、
前記フレキシブル基板は、前記筐体に支持される筐体支持部と、前記スライダに支持されるスライダ支持部と、前記筐体支持部とスライダ支持部との中間部分に配置され両支持部間における応力を緩和しあるいは振動伝達を抑制するためのダンパー部と、を備えたことを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項16】
請求項1記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記圧電アクチュエータ本体は、その表面に圧電素子が積層された基板と、
前記基板とは別体で構成され、前記基板に支持されるとともに、前記回転体に当接する当接部を備え、
前記当接部の少なくとも前記回転体に当接する部分は、前記基板の硬度よりも高硬度に構成されていることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項17】
請求項16記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記当接部は、一端が前記基板の端面から所定方向に突設され、他端が前記基板の一端側に設けられた凹部内に固定されて支持されていることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項18】
請求項16記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記当接部は、セラミックス、超硬合金、窒化処理を施した鋼材あるいは侵炭処理が施された鋼材で構成されていることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項19】
請求項1記載の圧電アクチュエータモジュールにおいて、
前記電極及び前記信号入力端子は、それぞれ複数設けられていることを特徴とする圧電アクチュエータモジュール。
【請求項20】
電極を有する圧電アクチュエータ本体と、
駆動信号が入力され、前記電極に前記駆動信号を供給する信号入力端子と、
前記圧電アクチュエータ本体の一部が当接状態で前記圧電アクチュエータ本体と略同一平面上に配置され、前記圧電アクチュエータ本体により駆動され回転運動する回転体と、
前記回転体および前記信号入力端子が電気的に接続された前記圧電アクチュエータ本体を収納する筐体と、
前記筐体より露出され、前記回転体により直接的あるいは間接的に伝達された回転運動を外部に出力するための出力軸と、
外部から供給される電力に基づいて前記駆動信号を生成し、前記信号入力端子に出力するドライブ回路と、
を備えたことを特徴とするモータモジュール。
【請求項21】
電極を有する圧電アクチュエータ本体と、
駆動信号が入力され、前記電極に前記駆動信号を供給する信号入力端子と、
前記圧電アクチュエータ本体の一部が当接状態で前記圧電アクチュエータ本体と略同一平面上に配置され、前記圧電アクチュエータ本体により駆動され回転運動する回転体と、
前記回転体および前記信号入力端子が電気的に接続された前記圧電アクチュエータ本体を収納する筐体と、
前記筐体より露出され、前記回転体により直接的あるいは間接的に伝達された回転運動を外部に出力するための出力軸と、
前記出力軸に接続されて駆動される被駆動部と、
電力を供給する電源と、
前記電源から供給される電力に基づいて前記駆動信号を生成し、前記信号入力端子に出力するドライブ回路と、
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項21記載の装置において、
前記被駆動部は、車輪、プロペラあるいは工具アタッチメントのいずれかであることを特徴とする装置。

【国際公開番号】WO2005/018081
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【発行日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513185(P2005−513185)
【国際出願番号】PCT/JP2004/011687
【国際出願日】平成16年8月13日(2004.8.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】