説明

地図表示装置

【課題】 地図の任意の表示エリア情報を容易に取得することができ、また、その表示エリア情報を用いて地図の適切な縮尺・位置を容易に設定できる地図表示装置を提供する。
【解決手段】 地図情報を記憶する地図情報記憶手段1と、地図を表示する表示手段3と、地図情報記憶手段に記憶されている地図情報に基づき表示手段に地図を表示させる演算装置2とを備えた地図表示装置において、表示手段に表示された地図の表示エリアの縮尺、位置および範囲を表す表示エリア情報の登録を決定する表示エリア情報決定手段6と、表示エリア情報決定手段による登録の決定に応答して表示エリア情報を記憶する表示エリア情報記憶手段11とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばナビゲーションシステムで使用される地図表示装置に関し、特に地図の縮尺を変更して表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両に搭載されて目的地まで運転者を地図表示装置に表示された地図で案内するナビゲーションシステムが知られている。このようなナビゲーションシステムにおいては、目的地や現在地周辺の詳細を知りたいとか、現在地から目的地までの道を知りたいといった利用者の要求に応じて、地図表示状態を変更する必要性がある。地図表示状態の変更方法としては、所定の場所を画面の中央近くに位置するようにスクロールさせる方法や、地図の縮尺を変更して拡大画面や縮小画面を表示する方法がある。
【0003】
このような地図表示状態を変更できるナビゲーションシステムの1つとして、表示されている地図の縮尺を変更する際の設定を容易にした車両用経路誘導装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この車両用経路誘導装置では、地図が画面に表示されている状態で、「詳細」、「広域」キーが表示される。そして、「詳細」キーをタッチすることにより、縮尺率の大きい地図表示に変更され、「広域」キーをタッチすることにより縮尺率の小さい地図表示に変更される。この際、現縮尺による表示と変更後の縮尺による表示の関係を示す枠が表示される。利用者は、この表示された枠を参考にして、縮尺を選択することができるので適切な縮尺の選択を容易に行うことができる。
【0004】
また、他のナビゲーションシステムとして、どのくらいの倍率で表示エリアが縮小されるかを、操作者が容易に確認できる電子地図表示装置の地図表示方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この地図表示方法は、地図データ用記憶装置から読み出された地図情報を表示手段に表示する地図表示方法において、地図の縮尺が選択され縮小して表示する際に、縮小前のエリアに対応する地図情報を、選択された縮尺で表示手段に順次表示枠に縮小表示する。これにより、一連の縮小操作によってどの程度の倍率で縮小表示が行われているかを視覚的に容易に確認することができ、縮小前のエリアに対応する地図データをそのまま使用できるので、縮尺を選択している間はその地図データを記憶装置からロードする必要がなく縮小操作をスムーズにできる。
【0005】
さらに、他のナビゲーションシステムとして、表示器の画面上に表示された地図の縮尺を縮小したとき、縮小後の画面上に表示された地図のエリア内における縮小前の画面上に表示されていた地図のエリアの位置関係を明確にすることのできる自動車のナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。このナビゲーション装置は、車両の現在位置および現在位置周辺の地図を画面上に表示する表示手段と、この表示手段の画面上に表示された地図の縮尺を変更するための縮尺可変手段を備え、縮尺可変手段により画面上に表示された地図の縮尺を縮小して縮小前に画面上に表示された地図のエリアとそのエリアに隣接する他のエリアとを縮小後の画面上に表示するときに、例えば、縮小前の表示エリアを枠で囲ったり、縮小前の表示エリアと他のエリアとを色または輝度を変更することにより識別可能に表示する。
【0006】
【特許文献1】特開平6−68383号公報
【特許文献2】特開平9−50233号公報
【特許文献3】特開昭63−177192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の技術では、地図の拡大、縮小操作において、視覚的にわかり易くするための機能は、縮尺変更前のエリアを枠で表示する等の機能にとどまっている。また、地図の拡大および縮小の操作性を向上させるために、縮尺変更前のエリアの情報を操作性向上のために積極的に活用することが望まれている。
【0008】
また、地図状態を変更する際に、利用者は、任意の地点を表す地点情報をナビゲーションシステムに記憶させておき、その記憶された地点情報を読み込むことにより、任意の地点を画面上に表示させたり、目的地の設定に利用するという技術は知られている。しかし、この技術では、1つの座標でしか地点情報を記憶することができないので、利用者は、記憶させた地点周辺や記憶させた地点間の関係を視覚的に把握することはできない。
【0009】
この発明は、上述した問題を解消し、また上述した要請に応えるためになされたものであり、地図の任意の表示エリア情報を容易に取得することができ、また、その表示エリア情報を用いて地図の適切な縮尺・位置を容易に設定できる地図表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の地図表示装置は、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、地図を表示する表示手段と、地図情報記憶手段に記憶されている地図情報に基づき表示手段に地図を表示させる演算装置とを備えた地図表示装置において、表示手段に表示された地図の表示エリアの縮尺、位置および範囲を表す表示エリア情報の登録を決定する表示エリア情報決定手段と、表示エリア情報決定手段による登録の決定に応答して表示エリア情報を記憶する表示エリア情報記憶手段とを備えている。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、表示エリアを地図情報記憶手段に登録し、再び表示手段に表示させることができるので、利用者は、先に表示させていた表示エリアを例えば縮尺変更やスクロール操作によって見失ったとしても、簡単に再表示させることができる。また、登録する表示エリア情報は点ではなくエリアに関する情報であるため、地点のみならず、その地点の周囲との関係も把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る地図表示装置の機能的な構成を示すブロック図である。この地図表示装置は、地図情報記憶手段1、演算装置2、表示手段3、表示エリア可変手段4、縮尺可変手段5、表示エリア情報決定手段6および表示方法選択手段7から構成されている。
【0013】
地図情報記憶手段1は、例えばCD−ROMやDVD−ROMといった記録媒体に記録された地図情報を読み出すディスクドライブから構成されている。地図情報には、道路、地名、建造物名、縮尺などを表す情報が含まれる。この地図情報記憶手段1に記憶されている地図情報は、必要に応じて演算装置2から読み出される。
【0014】
演算装置2は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、この地図表示装置の全体を制御する。例えば、演算装置2は、地図情報記憶手段1から読み出した地図情報を処理して表示データを生成し、表示手段3に送る。これにより、表示手段3に地図が表示される。この演算装置2の詳細は後述する。
【0015】
表示手段3は、例えば液晶パネルから構成されており、演算装置2から送られてくる表示データに従って、その画面上に地図や種々のメッセージを表示する。
【0016】
表示エリア可変手段4は、例えばスクロールキーから構成されており、表示手段3に表示されている地図をスクロールさせるために使用される。地図情報記憶手段1から読み出された地図情報の表示エリアと、使用者が表示させたい表示エリアとが異なる場合がある。この場合、使用者は、表示エリア可変手段4でスクロール操作を行うことにより、所望の箇所が表示手段3の中央に表示されるように表示エリアを変更できる。この表示エリア可変手段4のスクロール操作によって発生されたスクロール情報は、演算装置2に送られる。
【0017】
縮尺可変手段5は、例えば拡大キーと縮小キーとを含み、地図の縮尺を変更するために使用される。利用者は、縮尺可変手段5で縮尺変更(拡大・縮小)操作を行うことにより、所望の縮尺の地図を表示エリアとするように変更できる。この縮尺可変手段5の縮尺変更操作により発生された拡大情報または縮小情報は、演算装置2に送られる。
【0018】
これら表示エリア可変手段4および縮尺可変手段5を操作することにより、利用者は、地図情報記憶手段1に記憶された地図情報に基づき、使用者が所望する表示エリアを表示手段3に表示させることができる。
【0019】
表示エリア情報決定手段6は、例えば登録キーおよび表示選択キー(何れも図示を省略する)を備えている。登録キーは、その時点で表示手段3に表示されている地図の範囲を表示エリアとして登録するために使用される。利用者は、現在の表示エリアを後に再び利用したいと判断したときに、登録キーによりその表示エリアの記憶を決定する。これにより、その表示エリアを規定する縮尺、位置、範囲を含む表示エリア情報が生成されて演算装置2に送られる。
【0020】
また、表示選択キーは、登録キーを用いて登録した表示エリアを表示させるために使用される。利用者は、表示エリア可変手段4や縮尺可変手段5を用いて表示手段3の表示を変更した後に、先に登録した表示エリアの画面に戻したい場合は、表示選択キーを操作する。これにより、表示手段3の表示状態に拘わらず、先に登録した表示エリアの画面に戻すことができる。
【0021】
表示方法選択手段7は、複数の選択キーから構成されており、表示方法を選択するために使用される。この表示方法選択手段7では、表示方法として、表示エリアを透明枠で囲む、塗りつぶしにより色を変える、明度を変化させる、点滅させる等の選択が可能である。また、この表示方法選択手段7では、表示時間として、表示エリアを変更した後、そのまま識別可能な状態で表示させるか、または一定時間内のみ識別可能に表示させるか等の選択が可能である。この表示方法選択手段7で選択された表示方法は、表示条件情報として演算装置2に送られる。
【0022】
次に、演算装置2の詳細を説明する。演算装置2は、表示条件記憶部10、表示エリア情報記憶部11、演算部12および描画部13から構成されている。
【0023】
表示条件記憶部10は、表示方法選択手段7から送られてくる表示条件情報を記憶する。この表示条件記憶部10に記憶された表示条件情報は、演算部12によって読み出される。
【0024】
表示エリア情報記憶部11は、この発明の表示エリア情報記憶手段に対応し、表示エリア情報決定手段6から送られてくる表示エリア情報を記憶する。この表示エリア情報記憶部11に記憶された表示エリア情報は、演算部12によって読み出される。
【0025】
演算部12は、地図情報記憶手段1から読み出した地図情報、表示エリア情報記憶部11から読み出した表示エリア情報、表示条件記憶部10から読み出した表示条件情報、表示エリア可変手段4から送られてくるスクロール情報、および縮尺可変手段5から送られてくる拡大情報または縮小情報に基づいて描画データを生成し、描画部13に送る。
【0026】
描画部13は、演算部12から送られてくる描画データに基づいて、表示手段3に地図やメッセージを描画するための表示データを生成する。この描画部13で生成された表示データは、表示手段3に送られる。これにより、表示手段3の画面上に地図や種々のメッセージが表示される。
【0027】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る地図表示装置の動作を、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、表示エリアの表示方法として、表示エリアを透明枠で囲み、且つ表示エリアを変更した後、そのまま識別可能な状態で表示させるように指定されているものとする。
【0028】
地図表示装置の動作が開始されると、まず、初期地図描画が行われる(ステップST10)。このステップST10では、例えば予め定められている地図または以前に表示手段3に表示されていた地図が初期地図として描画される。具体的には、演算部12は、地図情報記憶手段1から初期地図に対応する地図情報を読み出し、描画データとして描画部13に送る。描画部13は、演算部12から受け取った描画データに基づいて地図を描画するための表示データを生成し、表示手段3に送る。これにより、表示手段3には、例えば図3に示すような初期地図が表示される。
【0029】
次いで、表示エリアの登録が指示されたかどうかが調べられる(ステップST11)。具体的には、表示エリア情報決定手段6を構成する例えば登録キーが押されたかどうかが調べられる。ここで、表示エリアの登録が指示されたことが判断されると、表示エリア情報の記憶が行われる(ステップST12)。即ち、その時点で表示手段3に表示されている地図の縮尺、位置、範囲を含む表示エリア情報が表示エリア情報記憶部11に記憶される。その後、シーケンスはステップST11に戻る。
【0030】
上記ステップST11で、表示エリアの登録が指示されていないことが判断されると、次いで、広域指定がなされたかどうかが調べられる(ステップST13)。具体的には、縮尺可変手段5を構成する例えば縮小キーが押されたかどうかが調べられる。ここで、広域指定がなされたことが判断されると、縮小処理が実行される(ステップST14)。
【0031】
このステップST14における縮小処理では、演算部12は、その時点で表示している地図より縮尺が1段階上位の地図情報を地図情報記憶手段1から読み出すとともに、表示エリア情報記憶部11から表示エリア情報を読み出し、描画データとして描画部13に送る。描画部13は、演算部12から受け取った描画データに基づいて、縮小前の表示エリアが透明枠によって示された地図を表示するための表示データを生成し、表示手段3に送る。これにより、表示手段3には、例えば図4に示すような、縮小前の表示エリアを示す透明枠とともに縮小された地図が表示される。その後、シーケンスはステップST11に戻る。
【0032】
上記ステップST13で、広域指定がなされていないことが判断されると、次いで、詳細指定がなされたかどうかが調べられる(ステップST15)。具体的には、縮尺可変手段5を構成する例えば詳細キーが押されたかどうかが調べられる。ここで、詳細指定がなされたことが判断されると、拡大処理が実行される(ステップST16)。
【0033】
このステップST16における拡大処理では、演算部12は、その時点で表示している地図より縮尺が1段階下位の地図情報を地図情報記憶手段1から読み出し、描画データとして描画部13に送る。描画部13は、演算部12から受け取った描画データに基づいて、縮尺に応じた範囲の地図情報に基づく表示データを生成し、表示手段3に送る。これにより、表示手段3には、拡大された地図が表示される。その後、シーケンスはステップST11に戻る。
【0034】
上記ステップST15で、詳細指定がなされていないことが判断されると、次いで、スクロール指定がなされたかどうかが調べられる(ステップST17)。具体的には、表示エリア可変手段4を構成する例えばスクロールキーが押されたかどうかが調べられる。ここで、スクロール指定がなされたことが判断されると、スクロール処理が実行される(ステップST18)。
【0035】
このステップST18におけるスクロール処理では、演算部12は、表示エリア可変手段4からのスクロール情報に応じて地図情報を地図情報記憶手段1から読み出すとともに、表示エリア情報記憶部11から表示エリア情報を読み出し、描画データとして描画部13に送る。描画部13は、演算部12から受け取った描画データに基づいて、スクロール前と同じ位置に表示エリアが透明枠で示された地図を表示するための表示データを生成し、表示手段3に送る。これにより、表示手段3には、例えば図5に示すような、縮小前の表示エリアを示す透明枠とともに上方向にスクロールされた地図が表示される。その後、シーケンスはステップST11に戻る。
【0036】
上記ステップST17で、スクロール指定がなされていないことが判断されると、次いで、表示方法指定がなされたかどうかが調べられる(ステップST19)。具体的には、表示方法選択手段7を構成する例えば複数の選択キーのいずれかが押されたかどうかが調べられる。ここで、表示方法指定がなされたことが判断されると、表示条件情報が記憶される(ステップST20)。
【0037】
このステップST20における表示条件情報の記憶処理では、表示方法選択手段7によって選択された表示方法、即ち、表示エリアを透明枠で囲む、塗りつぶしにより色を変える、明度を変化させる、点滅させる等といった表示エリアの表示形態に関する条件、および表示エリアを変更した後、そのまま識別可能な状態で表示させる、または一定時間内のみ識別可能に表示させる等といった表示時間に関する条件が表示条件情報として表示条件記憶部10に記憶される。その後、シーケンスはステップST11に戻る。
【0038】
上記ステップST19で、表示方法指定がなされていないことが判断されると、次いで、再表示指定がなされたかどうかが調べられる(ステップST21)。具体的には、表示エリア情報決定手段6を構成する表示選択キーが操作されたかどうかが調べられる。ここで、表示方法指定がなされていることが判断されると、登録されている表示エリアの再表示が行われる(ステップST22)。
【0039】
このステップST22における登録されている表示エリアの再表示処理では、演算部12は、表示エリア情報記憶部11に記憶されている縮尺、位置、範囲を含む表示エリア情報に基づいて、地図情報記憶手段1から地図情報を読み出し、描画データとして描画部13に送る。描画部13は、演算部12から受け取った描画データに基づいて地図を描画するための表示データを生成し、表示手段3に送る。これにより、表示手段3には、登録されている表示エリアの地図が表示される。
【0040】
一方、上記ステップST21で、再表示指定がなされていないことが判断されると、シーケンスはステップST11に戻る。以下、ステップST11〜ST22の処理が繰り返し実行される。
【0041】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る地図表示装置によれば、表示エリアを登録し、再び表示させることができるので、利用者は、先に表示させていた表示エリアを一連の縮尺変更やスクロール操作によって見失ったとしても、簡単に再表示させることができる。従って、使用者は、現在の表示エリアと登録した表示エリアとの対比を行うことができ、表示範囲を容易に確認することができる。
【0042】
また、登録されている表示エリアについてはエリア検索を行う必要性がないので、表示エリアの変更操作をスムーズに行うことができる。また、それにより使用者が表示エリアを探索する際の負担を軽減させることができる。また、また、エリア検索の目安となる表示エリアを登録しておけば、その近隣のエリアの検索が容易になる。
【0043】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る地図表示装置は、複数の表示エリアを登録できるようにしたものである。
【0044】
この実施の形態2に係る地図表示装置の構成は、表示エリア情報記憶部11および表示方法選択手段7の機能を除けば、図1に示した実施の形態1に係る地図表示装置の構成と同じである。
【0045】
即ち、表示エリア情報記憶部11は、表示エリア情報決定手段6の登録キーが押される毎に、その時点で表示手段3に表示されている地図の範囲を表示エリアとして記憶する。従って、この表示エリア情報記憶部11には複数の表示エリア情報の登録が可能になっている。
【0046】
また、表示方法選択手段7は、図6に示すように、上述した実施の形態1における表示エリアの表示方法および表示時間の選択の他に、表示エリア情報記憶部11に記憶された複数の表示エリア情報に対応する複数の表示エリアのうち、表示手段3に表示させる表示エリアの個数および種類を指定できるようになっている。図6に示した例では、地点A、BおよびDを表示手段3に表示するように指定されている。
【0047】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態2に係る地図表示装置の動作を説明する。
【0048】
この地図表示装置では、実施の形態1に係る地図表示装置と同様に、表示エリアの登録が指示されると、順次、表示エリア情報が表示エリア情報記憶部11に記憶される。その後、広域指定が行われると、図7に示すように、表示エリア情報記憶部11に記憶されている表示エリア情報に対応する表示エリアのうち、表示方法選択手段7で指定された表示エリアのみが表示される。これらの表示エリアの表示は、表示エリア可変手段4や縮尺可変手段5により表示状態が変更された後も維持され、表示時間についても表示方法選択手段7により選択できる。
【0049】
利用者は、図7に示す複数の表示エリアのうちの1つを指定することにより、その表示エリアの地図を再表示させることができる。指定は、例えば表示手段3の画面上に配置されたタッチパネルを用いて行うように構成できる。今、図8に示すように、複数の表示エリアのうちの太線で囲った表示エリアが選択されたとすると、図9に示すように、その指定された表示エリアの地図が再表示される。
【0050】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る地図表示装置によれば、利用頻度の高い複数の表示エリアを事前に登録しておくことにより、直ちに所望の表示エリアを表示させることができる。
【0051】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る地図表示装置は、現在位置が表示エリアに入った際に表示エリアを画面上に表示させるかどうかを選択するようにしたものである。
【0052】
図10は、実施の形態3に係る地図表示装置の構成を示すブロック図である。この地図表示装置は、実施の形態1に係る地図表示装置に、現在位置検出手段8が追加されて構成されている。
【0053】
現在位置検出手段8は、衛星航法システム(GPS)を利用したGPS受信機と、地磁気に基づき現在の進行方位を検出する方位センサとから構成されており、これらGPS受信機および方位センサの検出結果に基づき現在位置を検出する。この現在位置検出手段8で検出された現在位置を表すデータは、演算装置2の演算部12に送られる。
【0054】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態3に係る地図表示装置の動作を説明する。なお、表示エリア情報記憶部11には、実施の形態1で説明した手順によって、表示エリア情報が登録されており、表示手段3に表示される地図上には、表示エリアが示されるものとする。
【0055】
この地図表示装置では、現在位置検出手段8で検出された現在位置が中心となるように、表示手段3に表示される地図が常時更新される。この状態で、図11に示すように、現在位置検出手段8で検出された現在位置(図8では現在位置マークで示されている)が、表示エリア情報記憶部11に記憶されている表示エリアの内部に入ったことが検出されると、それまで表示手段3に表示されていた内容は消去され、例えば図3に示すような、その表示エリアの地図が表示される。
【0056】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係る地図表示装置によれば、上述した実施の形態2に係る地図表示装置では、表示エリア情報記憶部11に記憶された表示エリア情報に基づいて表示エリアを表示させるには、その都度、表示エリアを指定する操作が必要であるのに対し、表示エリアに入ると自動的にその表示エリアの地図が表示されるので、例えば詳しい地図が必要になったタイミングで自動的に拡大された地図を表示させることができる。また、利用者に対し、予め設定した表示エリア内に入ったことを通知する機能としても使用できる。
【0057】
なお、現在位置が表示エリアの内部に入った際に直ちにその表示エリアの地図を表示するのではなく、表示方法選択手段7により表示の可否を決定するように構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の実施の形態1に係る地図表示装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る地図表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1に係る地図表示装置で表示される初期地図の一例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る地図表示装置で表示される、表示エリアを含む広域地図の一例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る地図表示装置で表示される、スクロール後の表示エリアを含む広域地図の一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る地図表示装置の表示方法選択手段を説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る地図表示装置で表示される、複数の表示エリアを含む広域地図の一例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る地図表示装置で表示される複数の表示エリアのうちの1つを選択する状態を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る地図表示装置で表示される複数の表示エリアのうちの1つが選択された後の状態を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態3に係る地図表示装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態3に係る地図表示装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0059】
1 地図情報記憶手段、2 演算装置、3 表示手段、4 表示エリア可変手段、5 縮尺可変手段、6 表示エリア情報決定手段、7 表示方法選択手段、8 現在位置検出手段、10 表示条件記憶部、11 表示エリア情報記憶部、12 演算部、13 描画部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
地図を表示する表示手段と、
前記地図情報記憶手段に記憶されている地図情報に基づき前記表示手段に地図を表示させる演算装置とを備えた地図表示装置において、
前記表示手段に表示された地図の表示エリアの縮尺、位置および範囲を表す表示エリア情報の登録を決定する表示エリア情報決定手段と、
前記表示エリア情報決定手段による登録の決定に応答して前記表示エリア情報を記憶する表示エリア情報記憶手段
とを備えた地図表示装置。
【請求項2】
表示エリア情報記憶手段は、複数の表示エリアにそれぞれ対応する複数の表示エリア情報を記憶することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
【請求項3】
表示エリア情報記憶手段に記憶された表示エリアの表示方法を選択する表示方法選択手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の地図表示装置。
【請求項4】
表示方法選択手段は、表示手段に表示すべき表示エリアの数を決定することを特徴とする請求項3記載の地図表示装置。
【請求項5】
表示方法選択手段は、表示エリア情報記憶手段に記憶された表示エリアが複数存在する場合に、表示手段に表示すべき表示エリアを選択することを特徴とする請求項3記載の地図表示装置。
【請求項6】
表示エリアの位置を変更するための表示エリア可変手段と、
表示エリアの縮尺を変更するための縮尺可変手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
【請求項7】
表示手段は、表示エリア可変手段による表示エリアの位置の変更または縮尺可変手段による表示エリアの縮尺の変更後に、変更前に表示エリア情報記憶手段に記憶された表示エリア情報に基づき再び表示することを特徴とする請求項6記載の地図表示装置。
【請求項8】
現在位置を検出する現在位置検出手段を備え、
前記現在位置検出手段によって検出された現在位置が、表示エリア情報記憶手段に記憶されている表示エリア情報によって示される表示エリアに入ったときに、該表示エリア情報に対応する表示エリアの地図を表示することを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−30394(P2006−30394A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206228(P2004−206228)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】