均一な処理レートを作る方法および装置
【課題】プラズマ処理装置の処理チャンバのプラズマ発生領域においてrf電磁界分布を発生するアンテナ装置を提供する。
【解決手段】プラズマ発生領域内に伸びる第1高周波電磁界を発生するrf誘導性アンテナ210、および受動アンテナ220,222を備え、受動アンテナ220,222は誘導的にrf誘導性アンテナ210に結合されることによって、第2高周波電磁界を生成するよう構成され、該第2高周波電磁界は、前記プラズマ発生領域における前記高周波電磁界の半径方向分布および方位角方向分布を変化させ、受動アンテナ220,222がないときと比較して処理装置の処理均一性を異ならせるように前記第1高周波電磁界を変更し、前記プラズマ発生領域における前記高周波電磁界分布は、rf誘導性アンテナ210に対して受動アンテナ220,222がないときとは異なる方位角対称性を有する。
【解決手段】プラズマ発生領域内に伸びる第1高周波電磁界を発生するrf誘導性アンテナ210、および受動アンテナ220,222を備え、受動アンテナ220,222は誘導的にrf誘導性アンテナ210に結合されることによって、第2高周波電磁界を生成するよう構成され、該第2高周波電磁界は、前記プラズマ発生領域における前記高周波電磁界の半径方向分布および方位角方向分布を変化させ、受動アンテナ220,222がないときと比較して処理装置の処理均一性を異ならせるように前記第1高周波電磁界を変更し、前記プラズマ発生領域における前記高周波電磁界分布は、rf誘導性アンテナ210に対して受動アンテナ220,222がないときとは異なる方位角対称性を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC製造に用いられる半導体基板、またはフラットパネルディスプレイの応用例に用いられるガラスパネルを含む基板を処理する装置および方法に一般には関する。より具体的には、本発明は、基板表面にわたって高い処理均一性で基板を処理できる改良されたプラズマ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理システムができて久しい。誘導的に結合されたプラズマ源、電子サイクロトロン共鳴(ECR)源、容量源などを利用するプラズマ処理システムは、何年にもわたり、導入され、半導体基板およびガラスパネルのようなさまざまなアイテムを処理するためにさまざまな度合いで採用されてきた。
【0003】
処理のあいだ、複数の堆積および/またはエッチングステップが典型的には用いられる。堆積のあいだ、材料は、基板表面(ガラスパネルまたはウェーハの表面のような)上に堆積される。例えば、シリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、金属などのさまざまな形態の堆積されたレイヤが基板表面上に形成される。逆に、エッチングは、基板表面上の予め決められた領域から材料を選択的に除去するために採用される。例えば、バイア、コンタクト、またはトレンチのようなエッチングされたフィーチャが基板のレイヤ中に形成される。
【0004】
プラズマ処理のある特定の方法は、プラズマを生成するために誘導源を用いる。図1は、プラズマ処理に用いられる従来技術の誘導プラズマ処理反応装置200を示す。典型的な誘導プラズマ処理反応装置は、誘電体窓212の上に設けられたアンテナまたは誘導コイル210を持つチャンバ202を含む。典型的にはアンテナ210は、第1高周波(rf)電力源214と動作可能に結合される。さらに、気体ソース材料、例えばエッチャントソースガスをrfが誘導される誘電体窓212および基板206の間のプラズマ領域204内に放出するガスポート215がチャンバ202の壁208中に設けられる。基板206は、チャンバ202中に導入され、チャック216上に配置され、このチャックは一般に電極として働き、第2rf電力源218に動作可能に結合される。
【0005】
プラズマを作るために、処理ガスがガスポート215を通してチャンバ202内に入れられる。それから第1rf電力源214を用いて電力が誘導コイル210に供給される。供給されたrfエネルギーは、チャンバ202内に誘電体窓212を通して結合し、rf磁界および付随する大きな電界がチャンバ202内に誘導される。電界は、チャンバ内に存在する電子の少数を加速し、チャンバ内で循環する電流を誘導し、循環する電子は処理ガスの気体分子と衝突する。これら衝突は、放電またはプラズマ204のイオン化および開始を引き起こす。この技術でよく知られるように、これら強い電界に当たると処理ガスの中性気体分子は、電子を失い、正に帯電したイオンをあとに残す。その結果、正に帯電したイオン、負に帯電した電子、および中性気体分子(および/または原子)がプラズマ204内部に含まれる。自由電子の発生率がその消滅率を超えると、プラズマが点火する。
【0006】
本願では、rf誘導アンテナによって発生された電磁界は高周波電磁界(以下、「rf界」とも言う)である。図面中では電磁界は静的に見えるかもしれないが、rf誘導アンテナによって発生された電磁界は一般にrf電磁界である。
【0007】
いったんプラズマが形成されると、プラズマ内部の中性ガス分子は、基板表面に向けて導かれる傾向にある。例として、基板における中性ガス分子の存在に寄与するメカニズムの一つは、拡散(すなわちチャンバ内部の分子のランダムな動き)でありえる。よって中性種(例えば中性ガス分子)のレイヤは典型的には基板206の表面に沿って見られえる。対応して、底部基板216に電力が与えられるとき、イオンは、基板へと向かって加速される傾向にあり、基板において中性種と組み合わさってエッチング反応を活性化する。
【0008】
上述のような誘導プラズマシステムで遭遇された一つの問題は、基板にわたってのエッチングパフォーマンスにおけるバラツキ、例えば不均一なエッチングレートであった。すなわち、基板のある領域が他の領域と異なるようにエッチングされる。その結果、ワークピースに関連するパラメータ、例えば集積回路の場合、微小寸法、アスペクト比などを制御するのが非常に困難である。さらに不均一なエッチングレートは、半導体回路中のデバイス故障につながりえ、これは典型的には製造のコストがより高くなる。さらに、全体のエッチングレート、エッチングプロファイル、マイクロローディング、選択性など、他の問題も存在する。
【0009】
近年、これら不均一なエッチングレートにおけるあるファクタが、基板の表面にわたってのプラズマ密度のバラツキの結果でありえると判ってきた。すなわち、反応種(例えば正に帯電したイオン)の量が多かったり少なかったりする領域を有するプラズマの結果でありえる。理論には拘束されたくないが、プラズマ密度のバラツキは、プラズマ領域の電磁界に見られる非対称性によって作られると信じられている。もしプラズマ領域の磁界が非対称なら、誘導された電界の循環電流が非対称になり、したがってプラズマのイオン化および開始も非対称となり、プラズマ密度のバラツキも発生することになる。
【0010】
図1に示される例示的アンテナ210は、非対称な電力結合を減らすよう設計される。アンテナ210は、2つのペアの同心円状平面アンテナを含み、アンテナエレメントが接続され、rfパワーフィードが接続される複雑な交差構造を有する。しかしrfパワーフィードを提供する要件によれば、アンテナが完全には方位角的に対称(azimuthally symmetric)にはなりえない。rfパワーフィードがなくても、プラズマ処理で典型的に用いられるrf周波数においては、アンテナ要素は、集中定数要素としてではなく、伝送線路のように振る舞い、よって、アンテナ周辺の電流強度のバラツキが存在しがちであり、その結果、発生した磁界パターンの方位角非対称性を生む。
【0011】
プラズマ領域の電磁界の対称性、つまりプラズマの均一性を改善するために他のアンテナ構成が、提案されてきている。米国特許第5,729,280号(Holland et al.)は、特定の螺旋構造を持つことで伝送線路効果のために比較的電流の高低のある領域を平均化するアンテナを記載する。多くのアプローチは複数のアクティブに電力供給されるアンテナ群を利用する。米国特許第5,401,350号(Patrick, et al.)は、第1rf電源に第1整合回路網によって接続された第1螺旋コイル、および第1コイル内で第2rf電源に第2整合回路網によって接続された第2螺旋コイルを含むコイル構成を記載する。米国特許第5,731,565号(Gates)は、電源に接続されたコイル状アンテナを記載し、このアンテナではアンテナの中央コイル部が選択的にアンテナ内に接続される。
【0012】
アンテナが完全に対照的な電磁界を発生するように作られたとしても、処理チャンバ、または処理チャンバ内の任意の要素が完全な正円円筒状対称性からはずれているために、プラズマ処理領域におけるrf界における非対称性を生じてしまう。例えば、チャック216、ワークピース206、チャンバハウジング、窓212、またはアンテナ210の円筒状対称性からの任意のミスアライメントは、なんらかの非対称性をプラズマ処理システムに生じてしまう。また通常の製造公差によれば、プラズマ処理システムのある部分は、完全には円筒的に対称ではない。例えば、プラズマチャンバ壁の厚さのバラツキは、プラズマ発生領域におけるrf界の対称性に影響を与えうる。仮にプラズマ領域におけるrf界が完全に対照的に作れたとしても、もしウェーハが正しくアラインされていないなら、またはもしプラズマ発生領域およびワークピースの表面の間のrf界の分配におけるバラツキが存在するなら、ワークピースのプラズマ処理における不均一性は発生する。したがって、アンテナによって発生される電磁界の対称性の改善に関わらず、依然として大きなプラズマ処理における不均一性がウェーハ表面にわたって存在する傾向にあり、プラズマチャンバ内の電磁界分布が完全な対称性を持っていてもウェーハの完全に均一なエッチングは保証されない。
【発明の概要】
【0013】
上記を鑑み、基板表面における処理の均一性を改善する改良された方法および装置が望まれる。より小さいサイズ、例えば0.1μmサイズにまで達する処理が現在、必要とされているので、それに対応してエッチングレートの均一性の正確な改善がやはり望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の局面によれば、プラズマ処理装置の処理チャンバのチャンバ壁の内部のプラズマ発生領域においてrf界分布を発生するアンテナ構成が提供される。この構成は、rf電源が接続されることでrf電流を供給することによって第1rf界を発生するrf誘導性アンテナを含む。前記第1rf界は、前記プラズマ発生領域内に伸びえる。受動アンテナは、前記第1受動アンテナは誘導的に前記rf誘導性アンテナに結合される。前記受動アンテナは、第2rf界を発生するよう構成される。前記第2rf界は、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が、前記受動アンテナがないときに比較して前記処理装置の処理均一性を増すように、前記第1rf界を変更する。
【0015】
本発明の他の局面によれば、プラズマ処理デバイスのプラズマ処理チャンバ内にプラズマを維持するためのプラズマ領域においてrf界分布を発生するアンテナ構成が提供される。この構成は、rf誘導性アンテナ、および受動アンテナを含む。前記受動アンテナは、前記rf誘導性アンテナに誘導的に結合され、前記プラズマ領域における前記rf界分布の半径方向分布を変更するrf界を発生するよう構成される。前記プラズマ発生領域における前記rf界分布の前記半径方向の分布を調整するために前記受動アンテナを移動するデバイスが提供される。
【0016】
本発明のさらなる局面によれば、プラズマ処理デバイスにおいてプラズマ処理均一性を改善する方法が提供される。アンテナ構成は、チャンバ壁およびrf界分布を前記処理チャンバ内のプラズマ発生領域において発生し、rf電流を供給することによって前記プラズマ発生領域内に第1rf界を発生するようrf電源に接続されたrf誘導性アンテナ、および第2rf界を発生するよう構成された受動アンテナを備える。この方法は、前記受動アンテナおよび前記rf誘導性アンテナを誘導的に結合することを含む。前記受動アンテナは、前記第2rf界が前記第1rf界を変化させることによって、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が前記受動アンテナがないときに比較して前記処理装置の処理均一性を増すように位置付けられる。
【0017】
本発明のさらなる局面によれば、プラズマ処理デバイスで用いられるrfアンテナのrf界分布を調整する方法が提供される。前記rfアンテナの前記rf界分布が決定される。誘導的に前記rfアンテナに結合された少なくとも1つの受動アンテナが設けられる。それから前記受動アンテナの前記rf界分布に対する効果が決定される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来技術によるrf誘導性アンテナを含むプラズマ処理デバイスの概略断面図である。
【図2】図1に類似し、本発明によるアンテナ構成を含むプラズマ処理デバイスの概略断面図である。
【図3】rf誘導性アンテナのための電流パスを示す概略回路図である。
【図4】図2のアンテナ構成の概略平面図である。
【図5】電磁界分布における非対称性のエッチングレート均一性に対する影響を示す等高線図である。
【図6】図2および4に示されるアンテナ構成から生じる改善されたエッチングレート均一性を示す等高線図である。
【図7】図2および4のアンテナ構成およびrfサイクルの瞬時における磁界パターンに対する受動アンテナの効果の概略断面図である。
【図8】構成の受動アンテナの例示的代替形状(AないしI)を示す説明図である。
【図9】プラズマ領域における電磁界の半径方向の寄与を変えるアンテナ構成の実施形態の概略断面図を示す説明図である。
【図10】遮蔽受動アンテナを含むアンテナ構成の実施形態の概略透視図である。
【図11】遮蔽受動アンテナを含むアンテナ構成のさらなる実施形態の概略透視図である。
【図12A】rfアンテナおよび対称性磁界パターンの概略断面図である。
【図12B】rfアンテナおよび非対称性磁界パターンの概略断面図である。
【図12C】rfアンテナおよび受動アンテナ遮蔽の概略断面図である。
【図13】受動アンテナの効果を示す図12Cに示されるアンテナ構成の透視図である。
【図14】受動アンテナの代替実施形態の概略透視図である。
【図15】受動アンテナのさらなる代替実施形態の概略透視図である。
【図16】受動アンテナのさらなる代替実施形態の概略透視図である。
【図17】受動アンテナのさらなる代替実施形態の概略透視図である。
【図18】図2に類似し、本発明による改変されたアンテナ構成のさらなる実施形態を含むプラズマ処理デバイスの概略断面図である。
【図19】本発明によるrf電磁界分布調整を示すフロー図である。
【図20A】非対称性rf界の源を示すrfアンテナの概念的部分の概略図である。
【図20B】対称性rf界の源を示すrfアンテナの概念的部分の概略図である。
【図20C】非対称性rf界の源を示すrfアンテナの概念的部分の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面において、同様の参照番号は、同様の部分および要素を参照する。本発明は、そのさらなる優位性と共に、以下の記載と添付図面を併せて参照することによって最もよく理解されよう。
本発明は、プラズマ処理デバイスまたはツールにおけるワークピースにわたっての処理均一性を増す方法および装置に関する。図1は、上述のように従来技術のプラズマ処理デバイスを示す。このデバイスは、アンテナへのrf電流のソースを提供するrf電源に接続された誘導rfアンテナ210を含む。簡単に言えば、rfアンテナは、プラズマ204を点火および維持するRF電磁界分布を処理チャンバ202内のプラズマ処理領域に発生する。
【0020】
rfアンテナ上にはrf電圧、rfアンテナ中にはrf電流が存在する。rf電圧は、アンテナ長に沿って変化し、最大電圧差は、典型的には一端(すなわち端子)から他端(すなわち端子)である。最大電圧差は、典型的には数千ボルトのオーダーでありえる。rfアンテナ上のrf電圧、およびrfアンテナ中のrf電流は共にプラズマに影響を与えうる。
【0021】
rfアンテナ上のrf電圧は、プラズマ中に電界を直接に作る。アンテナ上のrf電圧のプラズマへの結合は、典型的には容量性結合と呼ばれる。rfアンテナ中のrf電流は、プラズマ中にrf磁界を作り、これがプラズマ中にrf電界を誘導する。rfアンテナ中のrf電流のプラズマへの結合は、典型的には誘導性結合と呼ばれる。したがって、rfアンテナおよびプラズマ間には、rf誘導性結合およびrf容量性結合の両方が存在しえる。以下の語「rf界分布」(rf field distribution)は、文脈がそうでないことを示さない限り、誘導性(すなわち磁界)部分および容量性(すなわち電界)部分を有するrf電磁界分布を指すように用いられる。
【0022】
誘導性プラズマ源として、アンテナからプラズマに誘導性結合によって結合された電力量は、プラズマに容量性結合によって結合された電力量より大きい。誘導性rfアンテナについてさえ、容量性結合の効果は重要である。プラズマは、容量性結合によって開始され、それから誘導性結合によって維持される。またrf電圧はrfアンテナ長に沿って変化するので、アンテナからプラズマへの容量性結合はアンテナの異なる部分によって変化する。容量性結合のバラツキは、容量性結合が最も強い領域において窓から材料をスパッタリングするプラズマイオンによって誘電体窓の下部表面にエッチングされえ、目に見えるパターンによって目視されえる。
【0023】
プラズマ処理システムによっては、誘導性アンテナのプラズマへの容量性結合を減らすためにファラデーシールドを用いてきた。そのようなファラデーシールドは、複数の半径方向のスロットを有し、誘導性アンテナおよび誘電体窓の間に位置する大きな平らな金属ディスクである。もしファラデーシールドが、rf電位ゼロボルトのところにあれば、プラズマへの容量性結合は存在しない。もしファラデーシールドが均一な非ゼロのrf電位のところにあるなら、プラズマへの容量性結合も均一になる。半径方向のスロットは、そうでなければrfアンテナおよびプラズマの誘導性結合を阻止しようとするrfアンテナによって誘導されるrf電流を防ぐために、ファラデーシールド内に提供される。容量性結合が存在しないにしても、チャンバ内のrf界分布は、rf磁界部分の結果として、依然としてなんらかのrf電界部分を有する。
【0024】
図2は、図1に示されたようなプラズマ処理デバイスの概略断面図を示すが、本発明によるアンテナ構成の実施形態を含む。アンテナ構成は、誘導性rfアンテナ210および第1受動アンテナ220および第2受動アンテナ222を含む。図3は、誘導性アンテナについての電流パスを示す概略回路図を示し、図4は、誘導性アンテナに対する受動アンテナ群の配置を示す概略平面図を示す。図2は、図4の線AA’に沿った断面図を示す。
【0025】
誘導性アンテナ210は、円形アンテナエレメントの第1上部ペア224、および円形アンテナエレメントの第2下部ペア226を備える。上部ペアは、内側ループアンテナエレメント228および外側ループアンテナエレメント230を備える。下部ペアも、内側ループアンテナエレメント232および外側ループアンテナエレメント234を備える。上部および下部ペアは、アンテナの平面に実質的に垂直に伸びる中心軸245について同心円状である。中心軸は、プラズマチャンバ202そのものの実質的に円筒で対称な軸に共通な軸を持つ。
【0026】
それぞれのアンテナエレメントは、ほぼ3/8インチ(0.9cm)平方の断面を持つ銀メッキされた銅からできている。誘導性アンテナは、ほぼ6インチ(14.5cm)の内径、およびほぼ8インチ(19.4cm)の外径を有する。アンテナエレメントは、テフロン(登録商標)という商品名で入手可能なPTFEでできた円形の十字断面支持部236上にマウントされる。支持部の寸法は、アンテナエレメント間のアークを防止するのに充分である。支持部は、アンテナエレメントを正しい相対的空間位置に保持し、またアンテナエレメントが動作中に磁界力の下で反発し合うのを防止する。
【0027】
図3に示されるように、アンテナエレメントは、アンテナの平面内で同じように電流が流れるよう、単一の電流パスを与えるようにその自由端において接続される。rf電流フィード238および240は、アンテナ210の自由端において与えられ、これらによってrf電源214がrf電流をアンテナに動作中、供給する。誘導性アンテナは、rf電源に接続され、rf電流がアンテナ内を流れるのでアクティブアンテナと考えられる。rf電流フィードは、アンテナが発生するほとんど対称的な電磁界パターンの中で方位角非対称性(azimuthal asymmetry)の原因である。一般に、rfアンテナの全てが方位角的に対称であるように設計されるわけではない。rf誘導性アンテナ210の構成の詳細は、Wilcoxsonらによる、「Method and Apparatus For Producing Uniform Process Rates」と題された2001年12月18日出願の米国特許出願第10/033,807号に記載され、その内容がここで参照によって援用される。
【0028】
本発明は、図に示されるrfアンテナに限定されない。本発明は、任意のrf誘導性アンテナ構成を用いて実施されえる。例えば代替のrf誘導性アンテナは、平らな螺旋として巻かれた、または半球の表面上に沿うように巻かれた、単一または複数の螺旋アンテナエレメントを持ちえる。このような代替実施形態のrfアンテナにおいて、螺旋の隣接コイル間の空隙は、アンテナの部分間でのアーキングを防止するのに用いられえる。
【0029】
図2および4に示されるように、受動アンテナ222は支持部400上にマウントされる。支持部400は、プラズマチャンバ上で支持部脚406によって支点について回転可能にマウントされる支持部ボディ404内で軸受けされるアーム402を含む。このアームは、第1端においてハンドル408を有し、受動アンテナは他端に取り付けられる。支持部は、受動アンテナの位置および向きが誘導性アンテナに対して調整されることを可能にする。受動アンテナは、アームの軸に沿って平行移動(方向410)されえ、アームの軸を中心に回転(方向412)されえ、支持部ボディ404は回転(方向414)されえる。受動アンテナのうちのいずれか、またはそれぞれの位置は、必要に応じて任意の方法で変更可能である。例えば、受動アンテナ群は、rfアンテナに対して3次元的に、平行移動され、回転され、傾斜が付けられ、または他の向きに向けられえる。
【0030】
実際、受動アンテナのそれぞれは、受動アンテナをプラズマ処理デバイスの一部に接続する支持構造によって固定される。第2受動アンテナについての支持部は簡潔さのために示されていない。支持部は、受動アンテナの位置および向きを変え、受動アンテナを好ましい位置に保持し、また磁界力が受動アンテナを動かすことを防ぐ。代替的には、受動アンテナは、アンテナのための支持を行う、窓温度制御デバイスのようなプラズマチャンバの付随的な部分に配置されえる。
【0031】
図4は、本発明のアンテナ構成の概略平面図を示す。第1受動アンテナ220および第2受動アンテナ222はそれぞれ、「D」字形状を有し、ほぼ1インチ(2.4cm)の幅の銀メッキされた銅でできている。受動アンテナは、任意の電気的に伝導性のある材料から作られえるが、好ましくは金属であり、なるべく高い電導度を有する。アンテナ給電点におけるrf誘導性アンテナにおけるギャップを12時の方向とすると、第2受動アンテナ222は、ほぼ1時の方向に対応する角度位置に、誘導性アンテナの周縁の外側に配置される。第1受動アンテナ220は、ほぼ7時の方向に対応する角度位置に、誘導性アンテナの周縁の内側に配置される。両方の受動アンテナは、誘導性アンテナの上側表面よりもわずかに上に配置され、誘導性アンテナの平面に実質的に平行な平面内にある。
【0032】
アンテナ配置の構成および構造が説明されたので、今度は図5、6、および7を参照してアンテナ配置の動作が説明される。簡単のために、「方位角的(azimuthal)」とは、図4の線250によって示されるように、プラズマ処理デバイスの中心軸245についての角度変位を指すように用いられる。
【0033】
図5は、図1に示されるのと同様な従来技術によるプラズマ処理デバイスを用いて処理されるウェーハの表面にわたっての位置の関数としたエッチングレートの等高線プロット260を示す。プロットの上の中心は、RFアンテナフィードの位置に対応し、プロットの中央は、プラズマ処理デバイスの中心軸245に対応する。等高線のラベルは、1分当たりのオングストロームの単位によるエッチングレートを示す。見れば判るように、エッチングレートは、プロットの左下に向かう部分において最も高く、プロットの右上に向かう部分において最も低い。したがって、ウェーハにわたってエッチングレートには勾配が存在する。またエッチングレートは、ウェーハにわたって異なる向きにおいては異なるので、ウェーハにわたってのエッチングレートには方位角的な非対称性が存在する。ウェーハの表面にわたっての平均のエッチングレートは、29.9nm/minであり、1.0nm/minの標準偏差および3.5nm/minの範囲を持つ。
【0034】
図6は、図の260に対応するプロセスで用いられるのと同じプロセスを用い、図2および4に示されるアンテナ構成を有するプラズマ処理デバイスを用いて処理されたウェーハの表面にわたっての位置の関数としたエッチングレートの等高線プロット270を示す。プロットの上の中心は、RFアンテナフィードの位置に対応し、プロットの中央は、プラズマ処理デバイスの中心軸245に対応する。等高線のラベルは、1分当たりのオングストロームの単位によるエッチングレートを示す。見れば判るように、エッチングレートは、プロットの左に向かう部分において最も高く、プロットの右に向かう部分において最も低い。しかし、ウェーハの表面にわたっての平均エッチングレートは、29.7nm/minであり、従来技術のプロセスと同等であるが、0.5nm/minの標準偏差および1.8nm/minの範囲を持ち、すなわち、エッチングレートの均一性が2倍になり、角度についてのエッチングレートのバラツキが減らされた。したがって本発明のアンテナ構成を用いたエッチングレートは、従来技術のそれよりもより大きな均一性および方位角的対称性を有する。
【0035】
理論に拘束されたくはないが、プラズマ発生領域中のrf界分布の方位角的対称性を増すためには、プラズマ発生領域中のrf界分布を変化させる受動アンテナが一つのファクタであると考えられる。もしアンテナおよびウェーハが同一軸上にアラインされていないなら他のファクタも重要になろう。この場合、rfアンテナ単体によって作られたrf界分布がどれほど対称であっても、ウェーハ表面にわたるエッチングレートの大きなバラツキが存在する可能性が高いだろう。受動アンテナはそれから、プラズマチャンバ内のrf界分布を変化させるために用いられ、実際、rfアンテナによるプラズマチャンバ内のrf界分布の対称性は確かに減ることもありえるが、ウェーハ表面にわたって低いエッチングレートの領域におけるエッチングレートを増すrf界分布を発生すること、およびその逆を行うことによって、実際にはウェーハ表面にわたる処理レートの均一性を増すことになる。
【0036】
図7は、rfアンテナ210、第1受動アンテナ220、第2受動アンテナ222、プラズマ発生領域252、およびウェーハ206の図4の線AA’に沿った概略断面図を示す。図7は、このアンテナ構成の瞬間的な電流および磁界分布も示す。rfサイクル中の示された瞬間において、rfアンテナ中のrf電流は、rfアンテナの右側に入り(紙面に入り)、rfアンテナの左側から出る(紙面から出る)。この電流は、実線で示される磁界パターンを生じる。
【0037】
第1受動アンテナ220は、rfアンテナ磁界の磁束と鎖交し、レンツの法則に従って電流が受動アンテナ中に誘導され、受動アンテナは受動アンテナ内にrfアンテナ磁界とは反対向きの破線で示される受動アンテナ磁界を発生する。よって受動アンテナの領域の正味の磁界は減らされる。この例では、受動アンテナ磁界は、受動アンテナの領域の外の領域におけるrfアンテナ磁界と同じ向きでありえ、その結果、正味の磁界は増やされえる。実際には、受動アンテナの材料は、完全な導体ではないので、受動アンテナ内の磁界は完全には打ち消されることはない。第1受動アンテナ220の効果は、rfアンテナ内の受動アンテナの位置における磁界が減少され、それによって処理チャンバ内でプラズマ発生領域252にわたってのrf界分布を変化させることである。rfアンテナからの磁界は、rf磁界であるので、受動アンテナによって作られる磁界もrf磁界である。
【0038】
第2受動アンテナ222もrfアンテナ磁界の磁束に鎖交し、レンツの法則に従って電流が受動アンテナ222中に誘導され、受動アンテナ222は受動アンテナ内にrfアンテナ磁界とは反対向きの破線で示される受動アンテナ磁界を発生する。よって受動アンテナの領域の正味の磁界は減らされる。実際には、受動アンテナの材料は、完全な導体ではないので、受動アンテナ内の磁界は完全には打ち消されることはない。第2受動アンテナ222の効果は、rfアンテナ外の受動アンテナの位置における磁界が減少され、それによって処理チャンバ内でプラズマ発生領域252にわたってのrf界分布を変化させることである。図6によって示されるように、2つの受動アンテナの正味の効果は、ウェーハ表面にわたってエッチングレートの均一性を増すことである。
【0039】
上述のように、受動アンテナを用いて減少させえる処理不均一性には多くのファクタが存在しえる。受動アンテナは、プラズマ発生領域中のrf界分布の対称性(例えば方位角的対称性)を増すために用いられえる。受動アンテナは、処理チャンバ内のrf界分布を変更することによって、rfアンテナまたはプラズマ処理デバイス中の固有の非対称性を減らすのに用いられえる。また受動アンテナは、もし、例えばウェーハおよびrfアンテナがミスアラインされているために、そうすることがより均一な処理レートを生じるなら、rfアンテナのrf界分布の対称性を減らすためにも用いられえる。また受動アンテナは、電磁界分布に対するプラズマ処理チャンバの要素の任意の効果に対抗することによってウェーハにわたるプラズマ処理の均一性を改善するために、プラズマチャンバ内のrf界分布を変更するために用いられえる。
【0040】
図2、4および7に示されるように、受動アンテナ群は、rfアンテナ磁界の磁束に鎖交することによってrfアンテナに誘導的に結合される。受動アンテナは、それら自身の電源を必要としない。代替の実施形態において、受動アンテナのうちの一つまたは全てが、電気的にrfアンテナと接触しえる。しかしそのときであってもアンテナは受動アンテナであり、これは誘導されたrf電流だけが流れるからであって、駆動されたrf電流が流れるわけではないからである。受動アンテナは、rfアンテナと同じ電圧に維持されるだろう。
【0041】
したがって本発明は、適切に置かれ形状を決められた受動アンテナを用いることによってrf界分布を変更することによって、ウェーハの処理均一性を増すために、プラズマ処理デバイス内でのrf電磁界分布を微調整またはトリミングする方法を提供する。
【0042】
上述の議論を考えれば、受動アンテナを実現する多くの可能な方法が存在し、これらは、形状、サイズ、およびなされなければならないrf界分布への変更の性質、および受動アンテナが配置されえるプラズマ処理デバイス内で利用可能なスペースのような、より実際的な問題を含む多くのファクタに依存する。rfアンテナに対する受動アンテナの位置もファクタの一つになり、rfアンテナに対する受動アンテナの向きもファクタである。
【0043】
図8は、受動アンテナの種々の例示的代替実施形態を示す説明図である。受動アンテナは、低抵抗の電流パスを提供することによって、妥当な強度の磁界が受動アンテナによって鎖交されるRFアンテナ磁束によって誘導されるよう電気的に伝導性のループの構造を有する。図8の符号AないしGは、代替の受動アンテナ形状の透視図を示す。受動アンテナは、円形形状、部分的形状(segmental shape)、半月形状、卵形、または楕円形のような湾曲した形状を持ちえる。受動アンテナはまた、四角形または三角形のような実質的に多角形の形状を持ちえ、正多角形または不等多角形でありえる。アンテナは、不規則な形状を持ちえ、直線部分および曲線部分、またはそれらの組み合わせから構成されえる。図8の符号AからGの受動アンテナは、実質的に平らな平面形状を有する。図8の符号Hの受動アンテナは、平らではなく(less planar)、鞍(saddle)形状を有し、図8の符号Iの受動アンテナも平らではない(non-flat)平面(planar)形状を有する。図8の符号Jに示されるさらなる実施形態において、受動アンテナは、球、長球(spheroid)、偏球(oblate spheroid)、長球(prolate spheroid)、立方体、およびより多い面を持つ多面体(side bodies)のようなより3次元的な形状を持ちえる。多面体は、規則的または不規則でありえ、中空でない表面を持ちえ、または開口、または開口群をそこに持ちえる。
【0044】
図9は、本発明のアンテナ構成300の代替実施形態を示す。RF誘導性アンテナ210は、大きくは前述のものと同じである。この構成においては、受動アンテナ280が銀メッキされた銅の円形バンドの形状で与えられ、RFアンテナと同軸状に配置される。受動アンテナは、支持部500上にマウントされることによって、受動アンテナの位置はプラズマ処理デバイスの中心軸245に沿って変化されえる。
【0045】
支持部は、アーム502を含み、これは支持部体504中の開口を通して通り、アームは軸245に沿ってスライドしえる。アームの第1端は、ハンドル506を有し、アームの第2端は、半径方向に伸びるマウント要素508を有し、受動アンテナ280はこの要素によって支持部に取り付けられる。マウント要素は、方位角的対称性を持つように提供されえる。支持部は非導電性でありえ、さらなる実質的な電界または磁界の非対称性を発生しないよう構成されえる。支持部は、受動アンテナを誘導性アンテナと同軸に保持し、支持部のハンドル506は、軸245に沿って受動アンテナの位置を変化するよう動作されえる。
【0046】
RFアンテナによって発生された磁界の磁力線は、示された電流分布についてrfサイクル中の瞬間について示される。この受動アンテナは、rfアンテナ磁界の磁束と鎖交し、レンツの法則に従って電流が受動アンテナ280中に誘導され、受動アンテナは受動アンテナ内にrfアンテナ磁界とは反対向きの(一部が破線で示される)受動アンテナ磁界を発生する。よって中心に向かうプラズマ領域252中の磁界強度は減少される。しかし図9に示されるように、受動アンテナ磁界は、受動アンテナの外部の磁界を増すように振る舞う。したがって周辺におけるプラズマ252中の磁界強度は、増加される。よって、円形RFアンテナと同軸状の円形受動アンテナを配置することは、プラズマチャンバ内のプラズマ発生領域252中のrf界分布の半径方向分布を変更する。よって半径方向のrf界分布は、プラズマ発生チャンバ内で変更され、それによって異なるエッチャント、例えばアルゴンまたは塩素と用いるためのプラズマ処理デバイスを最適化するために磁界を微調整することができる。
【0047】
異なる直径の受動アンテナは、プラズマ発生領域中の電磁界の半径方向の分布を変える。また受動ループを中心軸245に沿って動かすこともrf界分布を変化させる。受動コイルをrfアンテナおよびプラズマ処理領域から離して位置282に(図9に示されるように上側に)移動させることは、鎖交されるrfアンテナ磁束の量を変え、受動アンテナ界のチャンバ内のrf界分布への寄与を減らす。受動コイルをプラズマ領域252へ向けて位置284に移動させることは、RF磁束の鎖交を変え、受動アンテナおよびチャンバ間の距離を減らし、それによって受動アンテナ界のrf界分布への効果を増す。
【0048】
代替実施形態において、受動アンテナ286は、RFアンテナの外部にあり、RFアンテナを囲むことによって、プラズマ領域における電磁界の半径方向分布を変える。円形rfアンテナが図9に示されるが、アンテナ構成は、螺旋アンテナまたは半球螺旋アンテナのような異なるタイプのrfアンテナを含みえる。他の実施形態において、受動アンテナは、rfアンテナとは非同軸状に配置されえ、rfアンテナと同じ形状であってもよく、同じ形状でなくてもよい。図9に示される例示的実施形態においては、受動アンテナをrfアンテナ軸に沿って動かすことは、変化させられるのはrf界分布のうちの実質的に半径方向要素であることを意味する。異なるrfアンテナおよび受動アンテナの幾何学的形状、および受動アンテナおよびrfアンテナの異なる相対的動きについて、処理の微調整を行うため、または処理の均一性を増すために、rf界分布の他の要素が多少は変化させられる。
【0049】
図10は、本発明のアンテナ構成のさらなる実施形態320の概略透視図を示す。この実施形態において、受動アンテナ330は、rfアンテナ210を囲み、rfアンテナのrfフィード部を除いてrfアンテナの長さのほとんどに沿って伸びるシールドの形態で提供される。代替実施形態においては、受動アンテナは、rfアンテナのrfフィード部も囲む。これは、もしアンテナのrfフィード部がrfアンテナのrf界の非対称性の大きな原因であるなら有用でありえる。受動アンテナ330は、実質的に環状形状を有する。この受動アンテナは、適切に形作られた銀メッキされた銅のシートからできている。少なくとも1つのギャップが受動アンテナには設けられなければならないが、それはその長さ全体に沿ってrfアンテナを囲むシールド受動アンテナは、完全にアンテナのrf磁界を含むために、rf磁界がプラズマ発生領域へ達することを許さないからである。以下に詳述されるように、受動アンテナの断面形状は、非対称性が存在しないときにrfアンテナが発生するであろう磁界の磁力線の形状と同じである。受動アンテナの表面は、rfアンテナ界の所望の対称的な部分に平行になるようになっている。図10に示される受動アンテナの実施形態320は、RFアンテナ磁界を外に出すことができるようなフィード位置およびギャップを要求する制約の中で、rfアンテナ界の非対称性の一部の最大の遮蔽を提供するのに有用である。
【0050】
受動アンテナ330はまたファラデーシールドとしてもある程度働く。rfアンテナおよび窓間に配置された受動アンテナの表面の部分は、実質的に円環ファラデーシールドを提供し、rfアンテナおよびプラズマ間の容量性結合を減らす(プラズマチャンバ内のrf界分布の容量性要素は依然として存在するが)。しかし遮蔽する受動アンテナ330は、不要な非対称性部分を誘導界から除去することによってrf界分布を変化させるように構成される。対照的に従来のファラデーシールドは、rf界の誘導性部分を変化させることなく透過させるように構成される。
【0051】
図11は、本発明のアンテナ構成のさらなる実施形態340の概略透視図を示す。この実施形態において、受動アンテナ350は、rfアンテナのフィード部分の反対側の部分についてrfアンテナ210を囲むシールドの形態で与えられる。受動アンテナは、銀メッキされた銅の適切に形成されたシートからなる。再び受動アンテナは、rfアンテナ界の対称的な部分の磁力線に平行な断面形状を有することによって、非対称な部分を遮蔽する。rfアンテナのフィード部分がrfアンテナ磁界パターンの非対称性の主要な源と考えられるので、受動遮蔽アンテナは、フィード部分とrfアンテナの直径について反対側の位置に配置されえる。
【0052】
受動アンテナの遮蔽局面の動作の原理が図12A〜図12Cおよび図13を参照してここで説明される。図12A〜図12Cは、RFアンテナ210の断面図を示す。図12Aは、完全に対称なRFアンテナについてのRFサイクルのある瞬間における磁力線342を示す。図12Bは、非対称なRFアンテナについてのRFサイクルのある瞬間における磁力線344を示し、ここで界パターン(field pattern)の非対称な部分を表すローブ346が、図12Aに示される完全な界パターンに加えられている。図12Cは、対称的なRFアンテナ界パターンと同じ断面形状を有する遮蔽受動アンテナ360を示す。受動アンテナの表面は、ローブ部分を除いて全ての位置において磁界の磁力線344に平行である。
【0053】
ローブ部分362における磁界の全ての部分は、対称な磁力線(field line)342に平行な要素364および対称な磁力線342に垂直な要素366に分解されえる。受動アンテナ表面は、対称な磁界に平行であるので、それは全ての場所において対称な磁界に平行な要素に平行であり、全ての場所において任意の垂直な要素の法線方向の表面を与える。図13に示されるように、受動アンテナ上の位置368において、垂直な要素は、レンツの法則に従って受動アンテナ中に表面電流370を誘導し、これが垂直要素を打ち消すための磁界372を発生する。よって受動アンテナ360は、rfアンテナの磁界と誘導的に結合し、受動アンテナの表面のすべての場所でrfアンテナ界の非対称性部分を打ち消す表面電流が誘導される。rfアンテナ界の対称性が高まり、それによってプラズマ発生領域中の電磁界の対称性も高められる。
【0054】
図14から17は、遮蔽誘導結合受動アンテナの代替実施形態を示す。図14に示される受動アンテナ380は、第1ギャップ381および第2ギャップ383を有する銀メッキされた銅でできた実質的に円形の環状板の形態である。板の環状部分の幅は、環状板の内側直径の半径よりも小さい。2つのギャップを用いることが、受動アンテナのファラデーシールドの局面の有効性を高める。2つのギャップは、単一のギャップの場合と比べ、環状シールドの隣接する端部間の電位差を小さくする。2つのギャップより多いギャップも用いられえる。受動アンテナの形状は、rfアンテナ界の不要な非対称性部分を除去するために、表面電流が誘導されることを可能にすることによって、rf界分布の誘導性部分を変更するように構成される。使用中、そのようなシールドアンテナは、RFアンテナと同心状に、それより上または下に配置されえる。この受動アンテナは、rfアンテナおよびプラズマの間の少なくとも一部において配置されないとき、ファラデーシールド効果を与えない。この受動アンテナは、その表面に垂直なRFアンテナ磁界の非対称性成分を遮蔽しえる。表面的には従来のファラデーシールドと似ているように見えるが、受動アンテナ380は、表面電流がその表面に誘導されることによって、rfアンテナ界の不要な誘導性部分を打ち消すことを可能にする電流パスを作るように構成される点で区別されえる。対照的に、ファラデーシールドは、特にrf界の誘導性部分を変化させることなく透過するよう構成される。
【0055】
図15は、rfアンテナ界の不要な誘導性部分を側面および下面から遮蔽するための環状で3つの側面を持つ四角形のトラフの形態をとる受動アンテナ382を示す。一致しなければならないRFアンテナ磁界パターンの形状に依存して適切なように湾曲されたトラフ、例えばU字形またはC字形の断面を持つものも用いられえる。またそのファラデーシールドのパフォーマンスを改善するために、1つより多いギャップが受動アンテナ中に設けられてもよい。遮蔽する受動アンテナの他の実施形態は、シールドの内壁、外壁、上側壁、または側壁、またはそれらの任意の組み合わせを含みえ、その応用例に適切な個数のギャップを持ちえる。
【0056】
図16は、アンテナ構成のさらなる代替実施形態384を示す。この実施形態において、rf誘導性アンテナ386は、rfフィードポイント388を有する簡単なワイヤループとして示される。rfフィードおよび他の方位角的対称性導入手段がないとき、ワイヤループは、ポロイダル磁界パターンを有する。受動アンテナ390は、6つの金属の曲面を持つ円筒状部分の形態で与えられ、それぞれはrfアンテナの一部を囲む。このそれぞれの部分は、それぞれ半径方向に伸びる金属リム391を持ち、これによってそれらは中央ハブ392に接続される。これは、受動アンテナ390のファラデーシールド効果を改善する。これら部分のそれぞれは、ほぼ同じ長さを持ち、部分の間隔は、ほぼ同じである。したがって、それぞれの部分およびギャップは、ほぼ30°の角度にわたって伸び、部分群は、rfアンテナについて等角で規則的に間隔が空けられる。このようにして、受動アンテナは、なるべく方位角的に対称であるようにされ、それによって受動アンテナによって任意の方位角的非対称性の導入を減らすことを助ける。また受動アンテナを実質的にRFアンテナの全長に沿って提供することは、プラズマ領域における方位角的対称性の大規模な非対称性を減らすのに役立ち、一方で、プラズマの小規模な拡散は、プラズマそのものの全体的な方位角的対称性を増すのに役立つ。部分群の細かい規模の位置付けは、完全には方位角的に対称ではないかもしれず、それによってアンテナフィードの位置の効果に対抗するのに役立ちえる。さらに他の実施形態においては、奇数個の部分が存在しえ、それによりギャップではなくある部分がフィードの位置の反対側に位置する。
【0057】
遮蔽受動アンテナ390のそれぞれの部分は、ある程度、rfアンテナが発生する磁界の摂動として働く。遮蔽アンテナ部分の摂動効果は、それぞれの部分の端部のエッジの断面形状を、受動アンテナがないときの部分間のギャップ領域においてrfアンテナ磁界の磁力線が持つであろうものと同じにすることによって減らしえる。例えば、遮蔽アンテナ390がない場合の、円形rfアンテナについての自然な対称的な磁界は、ワイヤループrfアンテナ386のワイヤに垂直な平面において円形断面を有するポロイダル界である。したがって、シールドアンテナ部分の摂動効果は、部分のそれぞれの端部389のエッジ387の断面形状も円形にすることによって減少されえる。これは、受動アンテナにおけるシールド部分およびギャップ間の遷移を滑らかにするのに役立つ。
【0058】
図16の受動アンテナ部分の断面はそれぞれの部分の長さに沿って同じように示されるが、受動アンテナの断面形状は、rfアンテナのその長さに沿って変化しても適切でありえる。しかし受動アンテナの端部のエッジの断面形状を、受動アンテナがないときにrfアンテナ磁界が持つであろう磁力線と同じにすることは、rf界分布に対する受動アンテナの摂動効果を減らすのに役立ちえる。
【0059】
図17は、遮蔽受動アンテナ392の最も簡単な実施形態を示す。この実施形態においては、受動アンテナは、銀メッキされた銅の実質的に平面な四角形のシートの形態で与えられる。このシートは、表面電流パス394を与え、それによってシートがrfアンテナに近接して配置されるとき、それは誘導的にrfアンテナ界に結合され、打ち消す磁界が発生されることによって、rfアンテナ界の非対称性部分を減らし、プラズマチャンバ中のrf界分布を、処理均一性を増すようなやりかたで変える。
【0060】
図18は、図2に示されるのと似て、追加の電磁石構成510を有するプラズマ処理装置500の概略断面図を示す。この電磁石構成は、プラズマチャンバと同心状の第1外側円形コイル514および第2内側円形コイル516を含む。それぞれのコイルは、DC電流を各コイルに供給し、各コイルに反対の向きに電流を流すDC電源520の可変電源に接続される。プラズマ処理装置500は磁気バケット構成522も含み、これはプラズマ処理チャンバの周辺付近に軸平行に向けられた複数の永久磁石を含む。磁気バケット構成は、プラズマ電流密度勾配をウェーハ206から遠ざける一方で、同時にウェーハ206において非常に小さな磁界を維持する永久DC磁界を提供するよう構成される。磁界バケット構成は、プラズマ処理チャンバの壁へのプラズマ損失を減らすのに役立つ。ある実施形態において、磁気バケット構成は、チャンバの周りに交互に変わる(例えばN、S、N、Sなど)半径方向の磁化ファクタを有する32個の永久磁石カスプを含む。しかしカスプの実際の個数は、それぞれのプラズマ処理システムの特定の設計によって変わりえる。
【0061】
電磁コイル構成は、プラズマ処理チャンバ内の窓212の近傍の領域において制御可能な半径方向の変化を有するDC磁界を提供するよう構成される。DC磁界中の半径方向変化は、コイルの少なくとも1つに流れるDC電流のうちの少なくとも1つを変化させることによって作られえる。DC磁界の半径方向の変化は、ウェーハ206にわたる処理均一性に影響を与えるのに効果的である。DC磁界は一定でありえ、またはもし処理のバラツキに合わせることが必要とされるなら、時間とともに非常にゆっくりと変化することが許されえる。電磁石構成、磁界バケット構成、およびそれらの他の実施形態は、Bailey,IIIらによる「Plasma Processing System」と題された2002年1月29日に発行された米国特許第6,341,574号に詳細に記載され、その内容がここで参照によって援用される。
【0062】
コイル構成およびバケット構成によって提供されるDC磁界分布は、組み合わされて、または別個に、プラズマ種の水平方向の拡散を防ぐのに役立ち、よってプラズマを閉じ込め、かつプラズマ種をコリメート(collimate)することによって、それらのウェーハ表面への移動を高めるのに役立つ。DC界(DC field)がない場合、水平プラズマ拡散は、プラズマがウェーハに到達するときまでに、プラズマ発生領域における非対称性を洗い流す、または減少させる傾向にある。DC磁界は、プラズマの構成と同様な構成でプラズマ種をウェーハ表面において保持するのに役立つので、プラズマ分布の不均一性はウェーハ表面においてはよりはっきりする。したがって、プラズマ分布における非対称性の、エッチング均一性に対する効果は、DC電磁石構成510またはバケット構成522またはそれら両方によって提供されるDC磁界の使用によって、ウェーハ表面において向上される。しかし、受動アンテナを用いることによって、プラズマ分布における非対称性は、減少されえ、それによりプラズマ種のウェーハ表面への移動を高めるためのDC磁界を用いることの効果が、エッチング均一性を大きく損なうことなく達成されえる。rfアンテナ非対称性のウェーハに対する効果は、DC磁界が存在するときのほうが大きいので、受動アンテナを用いて非対称性を除去する効果は、DC磁界が存在するときのほうが大きくなりえる。
【0063】
他の視点から、DC磁界のプラズマ種コリメート効果がない場合、水平プラズマ種拡散は、ウェーハ表面上のエッチング均一性を増しえる。DC磁界による水平拡散の減少は、受動アンテナによって生じたプラズマの改善された均一性がより有用にウェーハ表面へと伝搬し、均一なエッチングを提供することを意味する。したがって、永久バケット磁石および/または電磁石構成によって提供される一定、またはゆっくりと時間に依存して変化するDC磁界を使用することは、達成されえるエッチングの均一性に対する受動アンテナの効果を高める。
【0064】
図19は、プラズマチャンバ中に設けられるrf界分布を調整する方法600を示すフローチャートである。一般に言って、この方法が始められると(ステップ610)、第1ステップ(620)では、rfアンテナから生じるrf界分布が決定される。第2ステップ(630)では、受動アンテナがrfアンテナに追加され、rfアンテナに誘導的に結合される。続くステップ640では、受動アンテナおよびrfアンテナ間の相互作用の結果として発生する変化されたrf界分布が決定される。ここで、rf界分布が処理の均一性を増し、その結果が所定の基準を満たすように決定されていれば(ステップ650)、この方法は終了する(ステップ660)。
【0065】
他方、もし受動アンテナの変更が、ステップ650において、処理の均一性を高めていないと判断されるか、または処理の均一性の向上が基準を満たしていないと判断された場合には、分岐条件635において、受動アンテナには、更なる受動アンテナまたはアンテナ群が追加され、または元の受動アンテナが異なる受動アンテナと置き換えられ、または例えば、rfアンテナに対してそれを再配置することによって元の受動アンテナを再構成される。それから新しい変更されたrf界分布が再度決定され(ステップ640)、処理均一性の増加が再度判断される(ステップ650)。受動アンテナを追加し、rf界分布を再決定するステップは、選択された処理の均一性の基準または閾値が満たされるまで、何回でも反復されえる。
【0066】
調整方法600の代替例示的実施形態について、以下詳述する。
【0067】
ある実施形態において、調整方法は計算で行え、プラズマチャンバ中でプラズマ発生領域においてrfアンテナおよび受動アンテナ(群)によって発生されたrf界の対称性を増すために、あるいはプラズマ処理デバイス中のrf界分布を変更することによって処理均一性を増すために行われえる。rf界分布の決定は、コンピュータおよび適切な電磁界モデリングソフトウェアを用いて実行されえる。商業的に利用可能なソフトウェアパッケージの例は、Ansoft Corp.によって提供されるMaxwell 3dである。rfアンテナの形状およびある種の境界条件が与えられると、アンテナの周辺のベクトルのrf界のさまざまな成分が計算されえる。アンテナの形状は変更されえ、さまざまな受動アンテナが計算に追加されることによって、アークを防ぐための最小アンテナ部分間隔のようなある種の制約条件に対して、最も均一性を持つ、結果として生じるrf界をえるよう最適化されえる。
【0068】
図20A、図20Bおよび図20Cに示されるように、実際のrfアンテナ700は、完全に対称性を持つrfアンテナ710、およびrfアンテナフィードおよび交差部分を表す摂動部分720として概念化されえる。目的は、摂動部分720のrf界分布への寄与を減らしつつ、対称性部分710によって提供されるrf界分布への受動アンテナの効果を最小化する受動アンテナを提供することである。理想的な解は、部分720と同じ形状を持ち、その中に流れる等しく反対位相のrf電流を持つ受動アンテナであろう。しかし受動アンテナは、物理的フィードおよび交差部分と同じ物理的空間を占有できない。最初、電力が供給されるrfアンテナだけについてrfフィード、任意の不足しているセグメントおよび他の非対称性の源を考慮に入れて、受動アンテナが存在しないとしてrf界分布が計算される(ステップ620)。
【0069】
それから1つ以上の受動アンテナが導入され(ステップ630)、rf界分布が再び計算され(ステップ640)、処理均一性に対する影響が評価される(ステップ650)。最も対称性があるように計算されたrf界分布を与える、またはそうでなければrf界分布が高められた処理均一性を提供する、例えばもし修正するためにrf界分布が変えられるべきプラズマ処理デバイス中の処理不均一性の特定の源が存在することが知られるなら、好ましい受動アンテナまたはアンテナ群構成が達成されるまで、異なる受動アンテナ構成が提供され(ステップ635)、rf界分布が再計算される。計算で導かれた受動アンテナは、その後、実現され実装される。
【0070】
この方法の他の実施形態において、rfアンテナおよびrfアンテナ群および受動アンテナ構成のrf界分布が電磁界計測デバイスを用いて計測される。rfアンテナは、エッチングチャンバ内に置かれ、またはrfテストスタンド内に置かれ、低電圧信号を用いて電源が入れられる。rfアンテナ周辺のベクトルrf界分布は、受動アンテナがない状態で、rfピックアッププローブを用いて計測され、rf界分布を決定する(ステップ620)。適切なrfピックアッププローブは、単一ループに曲げられた堅い同軸胴体の短い部分を備え、内側導体が外側導体に短絡されている。1つ以上の受動アンテナ群がrfアンテナに追加され(ステップ630)、結果として生じるrf界分布がrfプローブを用いて、変化されたrf界分布を決定するために再び計測される(ステップ640)。計測されたrf界分布が、特定の対称性の程度のような処理均一性の基準または基準群を満たすかが決定され(ステップ650)、もしそうでなければ、他の受動アンテナ構成が組み立てられ(ステップ635)、そのrf界分布が計測される。それらが発生するrf界に影響を与える受動アンテナ部材、位置、向き、形状および他の特性は、最適化された均一性を提供するために変化されえる。適切なrfアンテナおよび受動アンテナ構成が導かれたとき、rfアンテナおよび受動アンテナがプラズマエッチングデバイス中にインストールされ、それらの相対位置が固定され、さらなる計測または試験が実行され、またはプラズマ処理が直接に実行される。
【0071】
処理均一性調整方法600の他の実施形態において、ワークピース処理は、rf界分布を決定するのに役立つように用いられる。ウェーハがワークピースとして用いられ、プラズマ処理ツール中に配置される。エッチングがrfアンテナを用い、受動アンテナは用いずに実行され、ウェーハにわたっての処理均一性が、例えばウェーハの表面にわたってのエッチングレートを計測することによって計測され、定量化される。エッチング均一性は、プラズマチャンバ内のrf界分布に関連し、よってrf界分布の計測はステップ620によって決定される。受動アンテナがrfアンテナにそれから追加され(ステップ630)、他のワークピースウェーハがそうでなければ同一の処理条件下でエッチングされ、処理されたウェーハは計測され、ウェーハ表面にわたってのエッチングの程度が定量化される。rfアンテナ単独およびrfアンテナおよび受動アンテナによる処理の差がそれから得られ、エッチング均一性に対する受動アンテナの影響の計測値を与える。例えば、rfアンテナの第1角位置における受動アンテナは、ウェーハ上の対応する角位置においてエッチングレートを増しえる。それから受動アンテナは、異なる形状およびサイズの受動アンテナと交換され、または受動アンテナの位置または向きが変えられ、またはさらなる受動アンテナが追加され(ステップ630)、それからもう一度、エッチングが新しいウェーハ上に行われ、その構成についての処理均一性を決定する(ステップ640)。新しいrfアンテナおよび受動アンテナ構成のrf界分布への影響、よって処理均一性が、そのエッチング均一性をrfアンテナ単体の場合と比較することによってそれから評価されえる。これらのステップは、さまざまなrfアンテナおよび受動アンテナ構成について多くの回数反復されることがあり得る。
【0072】
最適な均一性を提供するために必要とされる補正は、rfアンテナ単体のエッチングパターンおよび全体に均一なエッチングパターンとの差から決定されえる。その差に充分に密接に適合する受動アンテナおよびrfアンテナの組み合わせは、これまで計測されたアンテナ構成に基づいて最適な均一性を提供する。もし、受動アンテナサイズの増加またはrfアンテナからの距離が処理レートに対してその効果へ固定された妥当な関係を持つような一般的な関係が特定されるなら、適切な受動アンテナサイズおよび位置についての妥当に正確な評価が、計測された結果に基づいてなされえる。例えば、受動アンテナによって囲まれる領域を倍にすることは、ウェーハにおけるエッチングレートにおける変化を予測可能なように増しえる。rfアンテナおよび受動アンテナ構成が許容可能な範囲内で処理均一性を提供すると決定されるとき、そのツールはワークピースを適切に処理するよう調整され、この方法は終了する(ステップ660)。あるいはさらなる反復および微調整が、これまで最適化されたrfアンテナおよび受動アンテナ構成を用いて実行される。
【0073】
この後半の方法を用いてrf界分布を調整することは、不均一性の主要な源が除かれたあとで、そうでなければ同一の処理ツールにおける不均一性の源はツールごとに実質的にランダムに変わることから、特に有用だと信じられている。したがって高められた処理均一性を達成するためにツールごとにエッチング処理ツールを微調整することが、それぞれのツールについての最適なrfアンテナおよび受動アンテナ構成を決定するために、実行される。
【0074】
記載されたさまざまな実施形態の多くの特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされえ、それによって本発明によるアンテナ構成を提供する。したがって本発明は、図に示される特定の例に限定されるようには考えられない。
【0075】
前述の本発明は、明瞭な理解のためにある程度、詳細に記載されてきたが、ある種の変更および改変が添付の特許請求の範囲内で実施されえることは明らかだろう。したがって、記載された実施形態は、例示的であって限定的ではないと解釈されるべきであり、本発明は、ここに挙げられた詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の完全な範囲によって規定されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC製造に用いられる半導体基板、またはフラットパネルディスプレイの応用例に用いられるガラスパネルを含む基板を処理する装置および方法に一般には関する。より具体的には、本発明は、基板表面にわたって高い処理均一性で基板を処理できる改良されたプラズマ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理システムができて久しい。誘導的に結合されたプラズマ源、電子サイクロトロン共鳴(ECR)源、容量源などを利用するプラズマ処理システムは、何年にもわたり、導入され、半導体基板およびガラスパネルのようなさまざまなアイテムを処理するためにさまざまな度合いで採用されてきた。
【0003】
処理のあいだ、複数の堆積および/またはエッチングステップが典型的には用いられる。堆積のあいだ、材料は、基板表面(ガラスパネルまたはウェーハの表面のような)上に堆積される。例えば、シリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、金属などのさまざまな形態の堆積されたレイヤが基板表面上に形成される。逆に、エッチングは、基板表面上の予め決められた領域から材料を選択的に除去するために採用される。例えば、バイア、コンタクト、またはトレンチのようなエッチングされたフィーチャが基板のレイヤ中に形成される。
【0004】
プラズマ処理のある特定の方法は、プラズマを生成するために誘導源を用いる。図1は、プラズマ処理に用いられる従来技術の誘導プラズマ処理反応装置200を示す。典型的な誘導プラズマ処理反応装置は、誘電体窓212の上に設けられたアンテナまたは誘導コイル210を持つチャンバ202を含む。典型的にはアンテナ210は、第1高周波(rf)電力源214と動作可能に結合される。さらに、気体ソース材料、例えばエッチャントソースガスをrfが誘導される誘電体窓212および基板206の間のプラズマ領域204内に放出するガスポート215がチャンバ202の壁208中に設けられる。基板206は、チャンバ202中に導入され、チャック216上に配置され、このチャックは一般に電極として働き、第2rf電力源218に動作可能に結合される。
【0005】
プラズマを作るために、処理ガスがガスポート215を通してチャンバ202内に入れられる。それから第1rf電力源214を用いて電力が誘導コイル210に供給される。供給されたrfエネルギーは、チャンバ202内に誘電体窓212を通して結合し、rf磁界および付随する大きな電界がチャンバ202内に誘導される。電界は、チャンバ内に存在する電子の少数を加速し、チャンバ内で循環する電流を誘導し、循環する電子は処理ガスの気体分子と衝突する。これら衝突は、放電またはプラズマ204のイオン化および開始を引き起こす。この技術でよく知られるように、これら強い電界に当たると処理ガスの中性気体分子は、電子を失い、正に帯電したイオンをあとに残す。その結果、正に帯電したイオン、負に帯電した電子、および中性気体分子(および/または原子)がプラズマ204内部に含まれる。自由電子の発生率がその消滅率を超えると、プラズマが点火する。
【0006】
本願では、rf誘導アンテナによって発生された電磁界は高周波電磁界(以下、「rf界」とも言う)である。図面中では電磁界は静的に見えるかもしれないが、rf誘導アンテナによって発生された電磁界は一般にrf電磁界である。
【0007】
いったんプラズマが形成されると、プラズマ内部の中性ガス分子は、基板表面に向けて導かれる傾向にある。例として、基板における中性ガス分子の存在に寄与するメカニズムの一つは、拡散(すなわちチャンバ内部の分子のランダムな動き)でありえる。よって中性種(例えば中性ガス分子)のレイヤは典型的には基板206の表面に沿って見られえる。対応して、底部基板216に電力が与えられるとき、イオンは、基板へと向かって加速される傾向にあり、基板において中性種と組み合わさってエッチング反応を活性化する。
【0008】
上述のような誘導プラズマシステムで遭遇された一つの問題は、基板にわたってのエッチングパフォーマンスにおけるバラツキ、例えば不均一なエッチングレートであった。すなわち、基板のある領域が他の領域と異なるようにエッチングされる。その結果、ワークピースに関連するパラメータ、例えば集積回路の場合、微小寸法、アスペクト比などを制御するのが非常に困難である。さらに不均一なエッチングレートは、半導体回路中のデバイス故障につながりえ、これは典型的には製造のコストがより高くなる。さらに、全体のエッチングレート、エッチングプロファイル、マイクロローディング、選択性など、他の問題も存在する。
【0009】
近年、これら不均一なエッチングレートにおけるあるファクタが、基板の表面にわたってのプラズマ密度のバラツキの結果でありえると判ってきた。すなわち、反応種(例えば正に帯電したイオン)の量が多かったり少なかったりする領域を有するプラズマの結果でありえる。理論には拘束されたくないが、プラズマ密度のバラツキは、プラズマ領域の電磁界に見られる非対称性によって作られると信じられている。もしプラズマ領域の磁界が非対称なら、誘導された電界の循環電流が非対称になり、したがってプラズマのイオン化および開始も非対称となり、プラズマ密度のバラツキも発生することになる。
【0010】
図1に示される例示的アンテナ210は、非対称な電力結合を減らすよう設計される。アンテナ210は、2つのペアの同心円状平面アンテナを含み、アンテナエレメントが接続され、rfパワーフィードが接続される複雑な交差構造を有する。しかしrfパワーフィードを提供する要件によれば、アンテナが完全には方位角的に対称(azimuthally symmetric)にはなりえない。rfパワーフィードがなくても、プラズマ処理で典型的に用いられるrf周波数においては、アンテナ要素は、集中定数要素としてではなく、伝送線路のように振る舞い、よって、アンテナ周辺の電流強度のバラツキが存在しがちであり、その結果、発生した磁界パターンの方位角非対称性を生む。
【0011】
プラズマ領域の電磁界の対称性、つまりプラズマの均一性を改善するために他のアンテナ構成が、提案されてきている。米国特許第5,729,280号(Holland et al.)は、特定の螺旋構造を持つことで伝送線路効果のために比較的電流の高低のある領域を平均化するアンテナを記載する。多くのアプローチは複数のアクティブに電力供給されるアンテナ群を利用する。米国特許第5,401,350号(Patrick, et al.)は、第1rf電源に第1整合回路網によって接続された第1螺旋コイル、および第1コイル内で第2rf電源に第2整合回路網によって接続された第2螺旋コイルを含むコイル構成を記載する。米国特許第5,731,565号(Gates)は、電源に接続されたコイル状アンテナを記載し、このアンテナではアンテナの中央コイル部が選択的にアンテナ内に接続される。
【0012】
アンテナが完全に対照的な電磁界を発生するように作られたとしても、処理チャンバ、または処理チャンバ内の任意の要素が完全な正円円筒状対称性からはずれているために、プラズマ処理領域におけるrf界における非対称性を生じてしまう。例えば、チャック216、ワークピース206、チャンバハウジング、窓212、またはアンテナ210の円筒状対称性からの任意のミスアライメントは、なんらかの非対称性をプラズマ処理システムに生じてしまう。また通常の製造公差によれば、プラズマ処理システムのある部分は、完全には円筒的に対称ではない。例えば、プラズマチャンバ壁の厚さのバラツキは、プラズマ発生領域におけるrf界の対称性に影響を与えうる。仮にプラズマ領域におけるrf界が完全に対照的に作れたとしても、もしウェーハが正しくアラインされていないなら、またはもしプラズマ発生領域およびワークピースの表面の間のrf界の分配におけるバラツキが存在するなら、ワークピースのプラズマ処理における不均一性は発生する。したがって、アンテナによって発生される電磁界の対称性の改善に関わらず、依然として大きなプラズマ処理における不均一性がウェーハ表面にわたって存在する傾向にあり、プラズマチャンバ内の電磁界分布が完全な対称性を持っていてもウェーハの完全に均一なエッチングは保証されない。
【発明の概要】
【0013】
上記を鑑み、基板表面における処理の均一性を改善する改良された方法および装置が望まれる。より小さいサイズ、例えば0.1μmサイズにまで達する処理が現在、必要とされているので、それに対応してエッチングレートの均一性の正確な改善がやはり望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の局面によれば、プラズマ処理装置の処理チャンバのチャンバ壁の内部のプラズマ発生領域においてrf界分布を発生するアンテナ構成が提供される。この構成は、rf電源が接続されることでrf電流を供給することによって第1rf界を発生するrf誘導性アンテナを含む。前記第1rf界は、前記プラズマ発生領域内に伸びえる。受動アンテナは、前記第1受動アンテナは誘導的に前記rf誘導性アンテナに結合される。前記受動アンテナは、第2rf界を発生するよう構成される。前記第2rf界は、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が、前記受動アンテナがないときに比較して前記処理装置の処理均一性を増すように、前記第1rf界を変更する。
【0015】
本発明の他の局面によれば、プラズマ処理デバイスのプラズマ処理チャンバ内にプラズマを維持するためのプラズマ領域においてrf界分布を発生するアンテナ構成が提供される。この構成は、rf誘導性アンテナ、および受動アンテナを含む。前記受動アンテナは、前記rf誘導性アンテナに誘導的に結合され、前記プラズマ領域における前記rf界分布の半径方向分布を変更するrf界を発生するよう構成される。前記プラズマ発生領域における前記rf界分布の前記半径方向の分布を調整するために前記受動アンテナを移動するデバイスが提供される。
【0016】
本発明のさらなる局面によれば、プラズマ処理デバイスにおいてプラズマ処理均一性を改善する方法が提供される。アンテナ構成は、チャンバ壁およびrf界分布を前記処理チャンバ内のプラズマ発生領域において発生し、rf電流を供給することによって前記プラズマ発生領域内に第1rf界を発生するようrf電源に接続されたrf誘導性アンテナ、および第2rf界を発生するよう構成された受動アンテナを備える。この方法は、前記受動アンテナおよび前記rf誘導性アンテナを誘導的に結合することを含む。前記受動アンテナは、前記第2rf界が前記第1rf界を変化させることによって、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が前記受動アンテナがないときに比較して前記処理装置の処理均一性を増すように位置付けられる。
【0017】
本発明のさらなる局面によれば、プラズマ処理デバイスで用いられるrfアンテナのrf界分布を調整する方法が提供される。前記rfアンテナの前記rf界分布が決定される。誘導的に前記rfアンテナに結合された少なくとも1つの受動アンテナが設けられる。それから前記受動アンテナの前記rf界分布に対する効果が決定される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来技術によるrf誘導性アンテナを含むプラズマ処理デバイスの概略断面図である。
【図2】図1に類似し、本発明によるアンテナ構成を含むプラズマ処理デバイスの概略断面図である。
【図3】rf誘導性アンテナのための電流パスを示す概略回路図である。
【図4】図2のアンテナ構成の概略平面図である。
【図5】電磁界分布における非対称性のエッチングレート均一性に対する影響を示す等高線図である。
【図6】図2および4に示されるアンテナ構成から生じる改善されたエッチングレート均一性を示す等高線図である。
【図7】図2および4のアンテナ構成およびrfサイクルの瞬時における磁界パターンに対する受動アンテナの効果の概略断面図である。
【図8】構成の受動アンテナの例示的代替形状(AないしI)を示す説明図である。
【図9】プラズマ領域における電磁界の半径方向の寄与を変えるアンテナ構成の実施形態の概略断面図を示す説明図である。
【図10】遮蔽受動アンテナを含むアンテナ構成の実施形態の概略透視図である。
【図11】遮蔽受動アンテナを含むアンテナ構成のさらなる実施形態の概略透視図である。
【図12A】rfアンテナおよび対称性磁界パターンの概略断面図である。
【図12B】rfアンテナおよび非対称性磁界パターンの概略断面図である。
【図12C】rfアンテナおよび受動アンテナ遮蔽の概略断面図である。
【図13】受動アンテナの効果を示す図12Cに示されるアンテナ構成の透視図である。
【図14】受動アンテナの代替実施形態の概略透視図である。
【図15】受動アンテナのさらなる代替実施形態の概略透視図である。
【図16】受動アンテナのさらなる代替実施形態の概略透視図である。
【図17】受動アンテナのさらなる代替実施形態の概略透視図である。
【図18】図2に類似し、本発明による改変されたアンテナ構成のさらなる実施形態を含むプラズマ処理デバイスの概略断面図である。
【図19】本発明によるrf電磁界分布調整を示すフロー図である。
【図20A】非対称性rf界の源を示すrfアンテナの概念的部分の概略図である。
【図20B】対称性rf界の源を示すrfアンテナの概念的部分の概略図である。
【図20C】非対称性rf界の源を示すrfアンテナの概念的部分の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面において、同様の参照番号は、同様の部分および要素を参照する。本発明は、そのさらなる優位性と共に、以下の記載と添付図面を併せて参照することによって最もよく理解されよう。
本発明は、プラズマ処理デバイスまたはツールにおけるワークピースにわたっての処理均一性を増す方法および装置に関する。図1は、上述のように従来技術のプラズマ処理デバイスを示す。このデバイスは、アンテナへのrf電流のソースを提供するrf電源に接続された誘導rfアンテナ210を含む。簡単に言えば、rfアンテナは、プラズマ204を点火および維持するRF電磁界分布を処理チャンバ202内のプラズマ処理領域に発生する。
【0020】
rfアンテナ上にはrf電圧、rfアンテナ中にはrf電流が存在する。rf電圧は、アンテナ長に沿って変化し、最大電圧差は、典型的には一端(すなわち端子)から他端(すなわち端子)である。最大電圧差は、典型的には数千ボルトのオーダーでありえる。rfアンテナ上のrf電圧、およびrfアンテナ中のrf電流は共にプラズマに影響を与えうる。
【0021】
rfアンテナ上のrf電圧は、プラズマ中に電界を直接に作る。アンテナ上のrf電圧のプラズマへの結合は、典型的には容量性結合と呼ばれる。rfアンテナ中のrf電流は、プラズマ中にrf磁界を作り、これがプラズマ中にrf電界を誘導する。rfアンテナ中のrf電流のプラズマへの結合は、典型的には誘導性結合と呼ばれる。したがって、rfアンテナおよびプラズマ間には、rf誘導性結合およびrf容量性結合の両方が存在しえる。以下の語「rf界分布」(rf field distribution)は、文脈がそうでないことを示さない限り、誘導性(すなわち磁界)部分および容量性(すなわち電界)部分を有するrf電磁界分布を指すように用いられる。
【0022】
誘導性プラズマ源として、アンテナからプラズマに誘導性結合によって結合された電力量は、プラズマに容量性結合によって結合された電力量より大きい。誘導性rfアンテナについてさえ、容量性結合の効果は重要である。プラズマは、容量性結合によって開始され、それから誘導性結合によって維持される。またrf電圧はrfアンテナ長に沿って変化するので、アンテナからプラズマへの容量性結合はアンテナの異なる部分によって変化する。容量性結合のバラツキは、容量性結合が最も強い領域において窓から材料をスパッタリングするプラズマイオンによって誘電体窓の下部表面にエッチングされえ、目に見えるパターンによって目視されえる。
【0023】
プラズマ処理システムによっては、誘導性アンテナのプラズマへの容量性結合を減らすためにファラデーシールドを用いてきた。そのようなファラデーシールドは、複数の半径方向のスロットを有し、誘導性アンテナおよび誘電体窓の間に位置する大きな平らな金属ディスクである。もしファラデーシールドが、rf電位ゼロボルトのところにあれば、プラズマへの容量性結合は存在しない。もしファラデーシールドが均一な非ゼロのrf電位のところにあるなら、プラズマへの容量性結合も均一になる。半径方向のスロットは、そうでなければrfアンテナおよびプラズマの誘導性結合を阻止しようとするrfアンテナによって誘導されるrf電流を防ぐために、ファラデーシールド内に提供される。容量性結合が存在しないにしても、チャンバ内のrf界分布は、rf磁界部分の結果として、依然としてなんらかのrf電界部分を有する。
【0024】
図2は、図1に示されたようなプラズマ処理デバイスの概略断面図を示すが、本発明によるアンテナ構成の実施形態を含む。アンテナ構成は、誘導性rfアンテナ210および第1受動アンテナ220および第2受動アンテナ222を含む。図3は、誘導性アンテナについての電流パスを示す概略回路図を示し、図4は、誘導性アンテナに対する受動アンテナ群の配置を示す概略平面図を示す。図2は、図4の線AA’に沿った断面図を示す。
【0025】
誘導性アンテナ210は、円形アンテナエレメントの第1上部ペア224、および円形アンテナエレメントの第2下部ペア226を備える。上部ペアは、内側ループアンテナエレメント228および外側ループアンテナエレメント230を備える。下部ペアも、内側ループアンテナエレメント232および外側ループアンテナエレメント234を備える。上部および下部ペアは、アンテナの平面に実質的に垂直に伸びる中心軸245について同心円状である。中心軸は、プラズマチャンバ202そのものの実質的に円筒で対称な軸に共通な軸を持つ。
【0026】
それぞれのアンテナエレメントは、ほぼ3/8インチ(0.9cm)平方の断面を持つ銀メッキされた銅からできている。誘導性アンテナは、ほぼ6インチ(14.5cm)の内径、およびほぼ8インチ(19.4cm)の外径を有する。アンテナエレメントは、テフロン(登録商標)という商品名で入手可能なPTFEでできた円形の十字断面支持部236上にマウントされる。支持部の寸法は、アンテナエレメント間のアークを防止するのに充分である。支持部は、アンテナエレメントを正しい相対的空間位置に保持し、またアンテナエレメントが動作中に磁界力の下で反発し合うのを防止する。
【0027】
図3に示されるように、アンテナエレメントは、アンテナの平面内で同じように電流が流れるよう、単一の電流パスを与えるようにその自由端において接続される。rf電流フィード238および240は、アンテナ210の自由端において与えられ、これらによってrf電源214がrf電流をアンテナに動作中、供給する。誘導性アンテナは、rf電源に接続され、rf電流がアンテナ内を流れるのでアクティブアンテナと考えられる。rf電流フィードは、アンテナが発生するほとんど対称的な電磁界パターンの中で方位角非対称性(azimuthal asymmetry)の原因である。一般に、rfアンテナの全てが方位角的に対称であるように設計されるわけではない。rf誘導性アンテナ210の構成の詳細は、Wilcoxsonらによる、「Method and Apparatus For Producing Uniform Process Rates」と題された2001年12月18日出願の米国特許出願第10/033,807号に記載され、その内容がここで参照によって援用される。
【0028】
本発明は、図に示されるrfアンテナに限定されない。本発明は、任意のrf誘導性アンテナ構成を用いて実施されえる。例えば代替のrf誘導性アンテナは、平らな螺旋として巻かれた、または半球の表面上に沿うように巻かれた、単一または複数の螺旋アンテナエレメントを持ちえる。このような代替実施形態のrfアンテナにおいて、螺旋の隣接コイル間の空隙は、アンテナの部分間でのアーキングを防止するのに用いられえる。
【0029】
図2および4に示されるように、受動アンテナ222は支持部400上にマウントされる。支持部400は、プラズマチャンバ上で支持部脚406によって支点について回転可能にマウントされる支持部ボディ404内で軸受けされるアーム402を含む。このアームは、第1端においてハンドル408を有し、受動アンテナは他端に取り付けられる。支持部は、受動アンテナの位置および向きが誘導性アンテナに対して調整されることを可能にする。受動アンテナは、アームの軸に沿って平行移動(方向410)されえ、アームの軸を中心に回転(方向412)されえ、支持部ボディ404は回転(方向414)されえる。受動アンテナのうちのいずれか、またはそれぞれの位置は、必要に応じて任意の方法で変更可能である。例えば、受動アンテナ群は、rfアンテナに対して3次元的に、平行移動され、回転され、傾斜が付けられ、または他の向きに向けられえる。
【0030】
実際、受動アンテナのそれぞれは、受動アンテナをプラズマ処理デバイスの一部に接続する支持構造によって固定される。第2受動アンテナについての支持部は簡潔さのために示されていない。支持部は、受動アンテナの位置および向きを変え、受動アンテナを好ましい位置に保持し、また磁界力が受動アンテナを動かすことを防ぐ。代替的には、受動アンテナは、アンテナのための支持を行う、窓温度制御デバイスのようなプラズマチャンバの付随的な部分に配置されえる。
【0031】
図4は、本発明のアンテナ構成の概略平面図を示す。第1受動アンテナ220および第2受動アンテナ222はそれぞれ、「D」字形状を有し、ほぼ1インチ(2.4cm)の幅の銀メッキされた銅でできている。受動アンテナは、任意の電気的に伝導性のある材料から作られえるが、好ましくは金属であり、なるべく高い電導度を有する。アンテナ給電点におけるrf誘導性アンテナにおけるギャップを12時の方向とすると、第2受動アンテナ222は、ほぼ1時の方向に対応する角度位置に、誘導性アンテナの周縁の外側に配置される。第1受動アンテナ220は、ほぼ7時の方向に対応する角度位置に、誘導性アンテナの周縁の内側に配置される。両方の受動アンテナは、誘導性アンテナの上側表面よりもわずかに上に配置され、誘導性アンテナの平面に実質的に平行な平面内にある。
【0032】
アンテナ配置の構成および構造が説明されたので、今度は図5、6、および7を参照してアンテナ配置の動作が説明される。簡単のために、「方位角的(azimuthal)」とは、図4の線250によって示されるように、プラズマ処理デバイスの中心軸245についての角度変位を指すように用いられる。
【0033】
図5は、図1に示されるのと同様な従来技術によるプラズマ処理デバイスを用いて処理されるウェーハの表面にわたっての位置の関数としたエッチングレートの等高線プロット260を示す。プロットの上の中心は、RFアンテナフィードの位置に対応し、プロットの中央は、プラズマ処理デバイスの中心軸245に対応する。等高線のラベルは、1分当たりのオングストロームの単位によるエッチングレートを示す。見れば判るように、エッチングレートは、プロットの左下に向かう部分において最も高く、プロットの右上に向かう部分において最も低い。したがって、ウェーハにわたってエッチングレートには勾配が存在する。またエッチングレートは、ウェーハにわたって異なる向きにおいては異なるので、ウェーハにわたってのエッチングレートには方位角的な非対称性が存在する。ウェーハの表面にわたっての平均のエッチングレートは、29.9nm/minであり、1.0nm/minの標準偏差および3.5nm/minの範囲を持つ。
【0034】
図6は、図の260に対応するプロセスで用いられるのと同じプロセスを用い、図2および4に示されるアンテナ構成を有するプラズマ処理デバイスを用いて処理されたウェーハの表面にわたっての位置の関数としたエッチングレートの等高線プロット270を示す。プロットの上の中心は、RFアンテナフィードの位置に対応し、プロットの中央は、プラズマ処理デバイスの中心軸245に対応する。等高線のラベルは、1分当たりのオングストロームの単位によるエッチングレートを示す。見れば判るように、エッチングレートは、プロットの左に向かう部分において最も高く、プロットの右に向かう部分において最も低い。しかし、ウェーハの表面にわたっての平均エッチングレートは、29.7nm/minであり、従来技術のプロセスと同等であるが、0.5nm/minの標準偏差および1.8nm/minの範囲を持ち、すなわち、エッチングレートの均一性が2倍になり、角度についてのエッチングレートのバラツキが減らされた。したがって本発明のアンテナ構成を用いたエッチングレートは、従来技術のそれよりもより大きな均一性および方位角的対称性を有する。
【0035】
理論に拘束されたくはないが、プラズマ発生領域中のrf界分布の方位角的対称性を増すためには、プラズマ発生領域中のrf界分布を変化させる受動アンテナが一つのファクタであると考えられる。もしアンテナおよびウェーハが同一軸上にアラインされていないなら他のファクタも重要になろう。この場合、rfアンテナ単体によって作られたrf界分布がどれほど対称であっても、ウェーハ表面にわたるエッチングレートの大きなバラツキが存在する可能性が高いだろう。受動アンテナはそれから、プラズマチャンバ内のrf界分布を変化させるために用いられ、実際、rfアンテナによるプラズマチャンバ内のrf界分布の対称性は確かに減ることもありえるが、ウェーハ表面にわたって低いエッチングレートの領域におけるエッチングレートを増すrf界分布を発生すること、およびその逆を行うことによって、実際にはウェーハ表面にわたる処理レートの均一性を増すことになる。
【0036】
図7は、rfアンテナ210、第1受動アンテナ220、第2受動アンテナ222、プラズマ発生領域252、およびウェーハ206の図4の線AA’に沿った概略断面図を示す。図7は、このアンテナ構成の瞬間的な電流および磁界分布も示す。rfサイクル中の示された瞬間において、rfアンテナ中のrf電流は、rfアンテナの右側に入り(紙面に入り)、rfアンテナの左側から出る(紙面から出る)。この電流は、実線で示される磁界パターンを生じる。
【0037】
第1受動アンテナ220は、rfアンテナ磁界の磁束と鎖交し、レンツの法則に従って電流が受動アンテナ中に誘導され、受動アンテナは受動アンテナ内にrfアンテナ磁界とは反対向きの破線で示される受動アンテナ磁界を発生する。よって受動アンテナの領域の正味の磁界は減らされる。この例では、受動アンテナ磁界は、受動アンテナの領域の外の領域におけるrfアンテナ磁界と同じ向きでありえ、その結果、正味の磁界は増やされえる。実際には、受動アンテナの材料は、完全な導体ではないので、受動アンテナ内の磁界は完全には打ち消されることはない。第1受動アンテナ220の効果は、rfアンテナ内の受動アンテナの位置における磁界が減少され、それによって処理チャンバ内でプラズマ発生領域252にわたってのrf界分布を変化させることである。rfアンテナからの磁界は、rf磁界であるので、受動アンテナによって作られる磁界もrf磁界である。
【0038】
第2受動アンテナ222もrfアンテナ磁界の磁束に鎖交し、レンツの法則に従って電流が受動アンテナ222中に誘導され、受動アンテナ222は受動アンテナ内にrfアンテナ磁界とは反対向きの破線で示される受動アンテナ磁界を発生する。よって受動アンテナの領域の正味の磁界は減らされる。実際には、受動アンテナの材料は、完全な導体ではないので、受動アンテナ内の磁界は完全には打ち消されることはない。第2受動アンテナ222の効果は、rfアンテナ外の受動アンテナの位置における磁界が減少され、それによって処理チャンバ内でプラズマ発生領域252にわたってのrf界分布を変化させることである。図6によって示されるように、2つの受動アンテナの正味の効果は、ウェーハ表面にわたってエッチングレートの均一性を増すことである。
【0039】
上述のように、受動アンテナを用いて減少させえる処理不均一性には多くのファクタが存在しえる。受動アンテナは、プラズマ発生領域中のrf界分布の対称性(例えば方位角的対称性)を増すために用いられえる。受動アンテナは、処理チャンバ内のrf界分布を変更することによって、rfアンテナまたはプラズマ処理デバイス中の固有の非対称性を減らすのに用いられえる。また受動アンテナは、もし、例えばウェーハおよびrfアンテナがミスアラインされているために、そうすることがより均一な処理レートを生じるなら、rfアンテナのrf界分布の対称性を減らすためにも用いられえる。また受動アンテナは、電磁界分布に対するプラズマ処理チャンバの要素の任意の効果に対抗することによってウェーハにわたるプラズマ処理の均一性を改善するために、プラズマチャンバ内のrf界分布を変更するために用いられえる。
【0040】
図2、4および7に示されるように、受動アンテナ群は、rfアンテナ磁界の磁束に鎖交することによってrfアンテナに誘導的に結合される。受動アンテナは、それら自身の電源を必要としない。代替の実施形態において、受動アンテナのうちの一つまたは全てが、電気的にrfアンテナと接触しえる。しかしそのときであってもアンテナは受動アンテナであり、これは誘導されたrf電流だけが流れるからであって、駆動されたrf電流が流れるわけではないからである。受動アンテナは、rfアンテナと同じ電圧に維持されるだろう。
【0041】
したがって本発明は、適切に置かれ形状を決められた受動アンテナを用いることによってrf界分布を変更することによって、ウェーハの処理均一性を増すために、プラズマ処理デバイス内でのrf電磁界分布を微調整またはトリミングする方法を提供する。
【0042】
上述の議論を考えれば、受動アンテナを実現する多くの可能な方法が存在し、これらは、形状、サイズ、およびなされなければならないrf界分布への変更の性質、および受動アンテナが配置されえるプラズマ処理デバイス内で利用可能なスペースのような、より実際的な問題を含む多くのファクタに依存する。rfアンテナに対する受動アンテナの位置もファクタの一つになり、rfアンテナに対する受動アンテナの向きもファクタである。
【0043】
図8は、受動アンテナの種々の例示的代替実施形態を示す説明図である。受動アンテナは、低抵抗の電流パスを提供することによって、妥当な強度の磁界が受動アンテナによって鎖交されるRFアンテナ磁束によって誘導されるよう電気的に伝導性のループの構造を有する。図8の符号AないしGは、代替の受動アンテナ形状の透視図を示す。受動アンテナは、円形形状、部分的形状(segmental shape)、半月形状、卵形、または楕円形のような湾曲した形状を持ちえる。受動アンテナはまた、四角形または三角形のような実質的に多角形の形状を持ちえ、正多角形または不等多角形でありえる。アンテナは、不規則な形状を持ちえ、直線部分および曲線部分、またはそれらの組み合わせから構成されえる。図8の符号AからGの受動アンテナは、実質的に平らな平面形状を有する。図8の符号Hの受動アンテナは、平らではなく(less planar)、鞍(saddle)形状を有し、図8の符号Iの受動アンテナも平らではない(non-flat)平面(planar)形状を有する。図8の符号Jに示されるさらなる実施形態において、受動アンテナは、球、長球(spheroid)、偏球(oblate spheroid)、長球(prolate spheroid)、立方体、およびより多い面を持つ多面体(side bodies)のようなより3次元的な形状を持ちえる。多面体は、規則的または不規則でありえ、中空でない表面を持ちえ、または開口、または開口群をそこに持ちえる。
【0044】
図9は、本発明のアンテナ構成300の代替実施形態を示す。RF誘導性アンテナ210は、大きくは前述のものと同じである。この構成においては、受動アンテナ280が銀メッキされた銅の円形バンドの形状で与えられ、RFアンテナと同軸状に配置される。受動アンテナは、支持部500上にマウントされることによって、受動アンテナの位置はプラズマ処理デバイスの中心軸245に沿って変化されえる。
【0045】
支持部は、アーム502を含み、これは支持部体504中の開口を通して通り、アームは軸245に沿ってスライドしえる。アームの第1端は、ハンドル506を有し、アームの第2端は、半径方向に伸びるマウント要素508を有し、受動アンテナ280はこの要素によって支持部に取り付けられる。マウント要素は、方位角的対称性を持つように提供されえる。支持部は非導電性でありえ、さらなる実質的な電界または磁界の非対称性を発生しないよう構成されえる。支持部は、受動アンテナを誘導性アンテナと同軸に保持し、支持部のハンドル506は、軸245に沿って受動アンテナの位置を変化するよう動作されえる。
【0046】
RFアンテナによって発生された磁界の磁力線は、示された電流分布についてrfサイクル中の瞬間について示される。この受動アンテナは、rfアンテナ磁界の磁束と鎖交し、レンツの法則に従って電流が受動アンテナ280中に誘導され、受動アンテナは受動アンテナ内にrfアンテナ磁界とは反対向きの(一部が破線で示される)受動アンテナ磁界を発生する。よって中心に向かうプラズマ領域252中の磁界強度は減少される。しかし図9に示されるように、受動アンテナ磁界は、受動アンテナの外部の磁界を増すように振る舞う。したがって周辺におけるプラズマ252中の磁界強度は、増加される。よって、円形RFアンテナと同軸状の円形受動アンテナを配置することは、プラズマチャンバ内のプラズマ発生領域252中のrf界分布の半径方向分布を変更する。よって半径方向のrf界分布は、プラズマ発生チャンバ内で変更され、それによって異なるエッチャント、例えばアルゴンまたは塩素と用いるためのプラズマ処理デバイスを最適化するために磁界を微調整することができる。
【0047】
異なる直径の受動アンテナは、プラズマ発生領域中の電磁界の半径方向の分布を変える。また受動ループを中心軸245に沿って動かすこともrf界分布を変化させる。受動コイルをrfアンテナおよびプラズマ処理領域から離して位置282に(図9に示されるように上側に)移動させることは、鎖交されるrfアンテナ磁束の量を変え、受動アンテナ界のチャンバ内のrf界分布への寄与を減らす。受動コイルをプラズマ領域252へ向けて位置284に移動させることは、RF磁束の鎖交を変え、受動アンテナおよびチャンバ間の距離を減らし、それによって受動アンテナ界のrf界分布への効果を増す。
【0048】
代替実施形態において、受動アンテナ286は、RFアンテナの外部にあり、RFアンテナを囲むことによって、プラズマ領域における電磁界の半径方向分布を変える。円形rfアンテナが図9に示されるが、アンテナ構成は、螺旋アンテナまたは半球螺旋アンテナのような異なるタイプのrfアンテナを含みえる。他の実施形態において、受動アンテナは、rfアンテナとは非同軸状に配置されえ、rfアンテナと同じ形状であってもよく、同じ形状でなくてもよい。図9に示される例示的実施形態においては、受動アンテナをrfアンテナ軸に沿って動かすことは、変化させられるのはrf界分布のうちの実質的に半径方向要素であることを意味する。異なるrfアンテナおよび受動アンテナの幾何学的形状、および受動アンテナおよびrfアンテナの異なる相対的動きについて、処理の微調整を行うため、または処理の均一性を増すために、rf界分布の他の要素が多少は変化させられる。
【0049】
図10は、本発明のアンテナ構成のさらなる実施形態320の概略透視図を示す。この実施形態において、受動アンテナ330は、rfアンテナ210を囲み、rfアンテナのrfフィード部を除いてrfアンテナの長さのほとんどに沿って伸びるシールドの形態で提供される。代替実施形態においては、受動アンテナは、rfアンテナのrfフィード部も囲む。これは、もしアンテナのrfフィード部がrfアンテナのrf界の非対称性の大きな原因であるなら有用でありえる。受動アンテナ330は、実質的に環状形状を有する。この受動アンテナは、適切に形作られた銀メッキされた銅のシートからできている。少なくとも1つのギャップが受動アンテナには設けられなければならないが、それはその長さ全体に沿ってrfアンテナを囲むシールド受動アンテナは、完全にアンテナのrf磁界を含むために、rf磁界がプラズマ発生領域へ達することを許さないからである。以下に詳述されるように、受動アンテナの断面形状は、非対称性が存在しないときにrfアンテナが発生するであろう磁界の磁力線の形状と同じである。受動アンテナの表面は、rfアンテナ界の所望の対称的な部分に平行になるようになっている。図10に示される受動アンテナの実施形態320は、RFアンテナ磁界を外に出すことができるようなフィード位置およびギャップを要求する制約の中で、rfアンテナ界の非対称性の一部の最大の遮蔽を提供するのに有用である。
【0050】
受動アンテナ330はまたファラデーシールドとしてもある程度働く。rfアンテナおよび窓間に配置された受動アンテナの表面の部分は、実質的に円環ファラデーシールドを提供し、rfアンテナおよびプラズマ間の容量性結合を減らす(プラズマチャンバ内のrf界分布の容量性要素は依然として存在するが)。しかし遮蔽する受動アンテナ330は、不要な非対称性部分を誘導界から除去することによってrf界分布を変化させるように構成される。対照的に従来のファラデーシールドは、rf界の誘導性部分を変化させることなく透過させるように構成される。
【0051】
図11は、本発明のアンテナ構成のさらなる実施形態340の概略透視図を示す。この実施形態において、受動アンテナ350は、rfアンテナのフィード部分の反対側の部分についてrfアンテナ210を囲むシールドの形態で与えられる。受動アンテナは、銀メッキされた銅の適切に形成されたシートからなる。再び受動アンテナは、rfアンテナ界の対称的な部分の磁力線に平行な断面形状を有することによって、非対称な部分を遮蔽する。rfアンテナのフィード部分がrfアンテナ磁界パターンの非対称性の主要な源と考えられるので、受動遮蔽アンテナは、フィード部分とrfアンテナの直径について反対側の位置に配置されえる。
【0052】
受動アンテナの遮蔽局面の動作の原理が図12A〜図12Cおよび図13を参照してここで説明される。図12A〜図12Cは、RFアンテナ210の断面図を示す。図12Aは、完全に対称なRFアンテナについてのRFサイクルのある瞬間における磁力線342を示す。図12Bは、非対称なRFアンテナについてのRFサイクルのある瞬間における磁力線344を示し、ここで界パターン(field pattern)の非対称な部分を表すローブ346が、図12Aに示される完全な界パターンに加えられている。図12Cは、対称的なRFアンテナ界パターンと同じ断面形状を有する遮蔽受動アンテナ360を示す。受動アンテナの表面は、ローブ部分を除いて全ての位置において磁界の磁力線344に平行である。
【0053】
ローブ部分362における磁界の全ての部分は、対称な磁力線(field line)342に平行な要素364および対称な磁力線342に垂直な要素366に分解されえる。受動アンテナ表面は、対称な磁界に平行であるので、それは全ての場所において対称な磁界に平行な要素に平行であり、全ての場所において任意の垂直な要素の法線方向の表面を与える。図13に示されるように、受動アンテナ上の位置368において、垂直な要素は、レンツの法則に従って受動アンテナ中に表面電流370を誘導し、これが垂直要素を打ち消すための磁界372を発生する。よって受動アンテナ360は、rfアンテナの磁界と誘導的に結合し、受動アンテナの表面のすべての場所でrfアンテナ界の非対称性部分を打ち消す表面電流が誘導される。rfアンテナ界の対称性が高まり、それによってプラズマ発生領域中の電磁界の対称性も高められる。
【0054】
図14から17は、遮蔽誘導結合受動アンテナの代替実施形態を示す。図14に示される受動アンテナ380は、第1ギャップ381および第2ギャップ383を有する銀メッキされた銅でできた実質的に円形の環状板の形態である。板の環状部分の幅は、環状板の内側直径の半径よりも小さい。2つのギャップを用いることが、受動アンテナのファラデーシールドの局面の有効性を高める。2つのギャップは、単一のギャップの場合と比べ、環状シールドの隣接する端部間の電位差を小さくする。2つのギャップより多いギャップも用いられえる。受動アンテナの形状は、rfアンテナ界の不要な非対称性部分を除去するために、表面電流が誘導されることを可能にすることによって、rf界分布の誘導性部分を変更するように構成される。使用中、そのようなシールドアンテナは、RFアンテナと同心状に、それより上または下に配置されえる。この受動アンテナは、rfアンテナおよびプラズマの間の少なくとも一部において配置されないとき、ファラデーシールド効果を与えない。この受動アンテナは、その表面に垂直なRFアンテナ磁界の非対称性成分を遮蔽しえる。表面的には従来のファラデーシールドと似ているように見えるが、受動アンテナ380は、表面電流がその表面に誘導されることによって、rfアンテナ界の不要な誘導性部分を打ち消すことを可能にする電流パスを作るように構成される点で区別されえる。対照的に、ファラデーシールドは、特にrf界の誘導性部分を変化させることなく透過するよう構成される。
【0055】
図15は、rfアンテナ界の不要な誘導性部分を側面および下面から遮蔽するための環状で3つの側面を持つ四角形のトラフの形態をとる受動アンテナ382を示す。一致しなければならないRFアンテナ磁界パターンの形状に依存して適切なように湾曲されたトラフ、例えばU字形またはC字形の断面を持つものも用いられえる。またそのファラデーシールドのパフォーマンスを改善するために、1つより多いギャップが受動アンテナ中に設けられてもよい。遮蔽する受動アンテナの他の実施形態は、シールドの内壁、外壁、上側壁、または側壁、またはそれらの任意の組み合わせを含みえ、その応用例に適切な個数のギャップを持ちえる。
【0056】
図16は、アンテナ構成のさらなる代替実施形態384を示す。この実施形態において、rf誘導性アンテナ386は、rfフィードポイント388を有する簡単なワイヤループとして示される。rfフィードおよび他の方位角的対称性導入手段がないとき、ワイヤループは、ポロイダル磁界パターンを有する。受動アンテナ390は、6つの金属の曲面を持つ円筒状部分の形態で与えられ、それぞれはrfアンテナの一部を囲む。このそれぞれの部分は、それぞれ半径方向に伸びる金属リム391を持ち、これによってそれらは中央ハブ392に接続される。これは、受動アンテナ390のファラデーシールド効果を改善する。これら部分のそれぞれは、ほぼ同じ長さを持ち、部分の間隔は、ほぼ同じである。したがって、それぞれの部分およびギャップは、ほぼ30°の角度にわたって伸び、部分群は、rfアンテナについて等角で規則的に間隔が空けられる。このようにして、受動アンテナは、なるべく方位角的に対称であるようにされ、それによって受動アンテナによって任意の方位角的非対称性の導入を減らすことを助ける。また受動アンテナを実質的にRFアンテナの全長に沿って提供することは、プラズマ領域における方位角的対称性の大規模な非対称性を減らすのに役立ち、一方で、プラズマの小規模な拡散は、プラズマそのものの全体的な方位角的対称性を増すのに役立つ。部分群の細かい規模の位置付けは、完全には方位角的に対称ではないかもしれず、それによってアンテナフィードの位置の効果に対抗するのに役立ちえる。さらに他の実施形態においては、奇数個の部分が存在しえ、それによりギャップではなくある部分がフィードの位置の反対側に位置する。
【0057】
遮蔽受動アンテナ390のそれぞれの部分は、ある程度、rfアンテナが発生する磁界の摂動として働く。遮蔽アンテナ部分の摂動効果は、それぞれの部分の端部のエッジの断面形状を、受動アンテナがないときの部分間のギャップ領域においてrfアンテナ磁界の磁力線が持つであろうものと同じにすることによって減らしえる。例えば、遮蔽アンテナ390がない場合の、円形rfアンテナについての自然な対称的な磁界は、ワイヤループrfアンテナ386のワイヤに垂直な平面において円形断面を有するポロイダル界である。したがって、シールドアンテナ部分の摂動効果は、部分のそれぞれの端部389のエッジ387の断面形状も円形にすることによって減少されえる。これは、受動アンテナにおけるシールド部分およびギャップ間の遷移を滑らかにするのに役立つ。
【0058】
図16の受動アンテナ部分の断面はそれぞれの部分の長さに沿って同じように示されるが、受動アンテナの断面形状は、rfアンテナのその長さに沿って変化しても適切でありえる。しかし受動アンテナの端部のエッジの断面形状を、受動アンテナがないときにrfアンテナ磁界が持つであろう磁力線と同じにすることは、rf界分布に対する受動アンテナの摂動効果を減らすのに役立ちえる。
【0059】
図17は、遮蔽受動アンテナ392の最も簡単な実施形態を示す。この実施形態においては、受動アンテナは、銀メッキされた銅の実質的に平面な四角形のシートの形態で与えられる。このシートは、表面電流パス394を与え、それによってシートがrfアンテナに近接して配置されるとき、それは誘導的にrfアンテナ界に結合され、打ち消す磁界が発生されることによって、rfアンテナ界の非対称性部分を減らし、プラズマチャンバ中のrf界分布を、処理均一性を増すようなやりかたで変える。
【0060】
図18は、図2に示されるのと似て、追加の電磁石構成510を有するプラズマ処理装置500の概略断面図を示す。この電磁石構成は、プラズマチャンバと同心状の第1外側円形コイル514および第2内側円形コイル516を含む。それぞれのコイルは、DC電流を各コイルに供給し、各コイルに反対の向きに電流を流すDC電源520の可変電源に接続される。プラズマ処理装置500は磁気バケット構成522も含み、これはプラズマ処理チャンバの周辺付近に軸平行に向けられた複数の永久磁石を含む。磁気バケット構成は、プラズマ電流密度勾配をウェーハ206から遠ざける一方で、同時にウェーハ206において非常に小さな磁界を維持する永久DC磁界を提供するよう構成される。磁界バケット構成は、プラズマ処理チャンバの壁へのプラズマ損失を減らすのに役立つ。ある実施形態において、磁気バケット構成は、チャンバの周りに交互に変わる(例えばN、S、N、Sなど)半径方向の磁化ファクタを有する32個の永久磁石カスプを含む。しかしカスプの実際の個数は、それぞれのプラズマ処理システムの特定の設計によって変わりえる。
【0061】
電磁コイル構成は、プラズマ処理チャンバ内の窓212の近傍の領域において制御可能な半径方向の変化を有するDC磁界を提供するよう構成される。DC磁界中の半径方向変化は、コイルの少なくとも1つに流れるDC電流のうちの少なくとも1つを変化させることによって作られえる。DC磁界の半径方向の変化は、ウェーハ206にわたる処理均一性に影響を与えるのに効果的である。DC磁界は一定でありえ、またはもし処理のバラツキに合わせることが必要とされるなら、時間とともに非常にゆっくりと変化することが許されえる。電磁石構成、磁界バケット構成、およびそれらの他の実施形態は、Bailey,IIIらによる「Plasma Processing System」と題された2002年1月29日に発行された米国特許第6,341,574号に詳細に記載され、その内容がここで参照によって援用される。
【0062】
コイル構成およびバケット構成によって提供されるDC磁界分布は、組み合わされて、または別個に、プラズマ種の水平方向の拡散を防ぐのに役立ち、よってプラズマを閉じ込め、かつプラズマ種をコリメート(collimate)することによって、それらのウェーハ表面への移動を高めるのに役立つ。DC界(DC field)がない場合、水平プラズマ拡散は、プラズマがウェーハに到達するときまでに、プラズマ発生領域における非対称性を洗い流す、または減少させる傾向にある。DC磁界は、プラズマの構成と同様な構成でプラズマ種をウェーハ表面において保持するのに役立つので、プラズマ分布の不均一性はウェーハ表面においてはよりはっきりする。したがって、プラズマ分布における非対称性の、エッチング均一性に対する効果は、DC電磁石構成510またはバケット構成522またはそれら両方によって提供されるDC磁界の使用によって、ウェーハ表面において向上される。しかし、受動アンテナを用いることによって、プラズマ分布における非対称性は、減少されえ、それによりプラズマ種のウェーハ表面への移動を高めるためのDC磁界を用いることの効果が、エッチング均一性を大きく損なうことなく達成されえる。rfアンテナ非対称性のウェーハに対する効果は、DC磁界が存在するときのほうが大きいので、受動アンテナを用いて非対称性を除去する効果は、DC磁界が存在するときのほうが大きくなりえる。
【0063】
他の視点から、DC磁界のプラズマ種コリメート効果がない場合、水平プラズマ種拡散は、ウェーハ表面上のエッチング均一性を増しえる。DC磁界による水平拡散の減少は、受動アンテナによって生じたプラズマの改善された均一性がより有用にウェーハ表面へと伝搬し、均一なエッチングを提供することを意味する。したがって、永久バケット磁石および/または電磁石構成によって提供される一定、またはゆっくりと時間に依存して変化するDC磁界を使用することは、達成されえるエッチングの均一性に対する受動アンテナの効果を高める。
【0064】
図19は、プラズマチャンバ中に設けられるrf界分布を調整する方法600を示すフローチャートである。一般に言って、この方法が始められると(ステップ610)、第1ステップ(620)では、rfアンテナから生じるrf界分布が決定される。第2ステップ(630)では、受動アンテナがrfアンテナに追加され、rfアンテナに誘導的に結合される。続くステップ640では、受動アンテナおよびrfアンテナ間の相互作用の結果として発生する変化されたrf界分布が決定される。ここで、rf界分布が処理の均一性を増し、その結果が所定の基準を満たすように決定されていれば(ステップ650)、この方法は終了する(ステップ660)。
【0065】
他方、もし受動アンテナの変更が、ステップ650において、処理の均一性を高めていないと判断されるか、または処理の均一性の向上が基準を満たしていないと判断された場合には、分岐条件635において、受動アンテナには、更なる受動アンテナまたはアンテナ群が追加され、または元の受動アンテナが異なる受動アンテナと置き換えられ、または例えば、rfアンテナに対してそれを再配置することによって元の受動アンテナを再構成される。それから新しい変更されたrf界分布が再度決定され(ステップ640)、処理均一性の増加が再度判断される(ステップ650)。受動アンテナを追加し、rf界分布を再決定するステップは、選択された処理の均一性の基準または閾値が満たされるまで、何回でも反復されえる。
【0066】
調整方法600の代替例示的実施形態について、以下詳述する。
【0067】
ある実施形態において、調整方法は計算で行え、プラズマチャンバ中でプラズマ発生領域においてrfアンテナおよび受動アンテナ(群)によって発生されたrf界の対称性を増すために、あるいはプラズマ処理デバイス中のrf界分布を変更することによって処理均一性を増すために行われえる。rf界分布の決定は、コンピュータおよび適切な電磁界モデリングソフトウェアを用いて実行されえる。商業的に利用可能なソフトウェアパッケージの例は、Ansoft Corp.によって提供されるMaxwell 3dである。rfアンテナの形状およびある種の境界条件が与えられると、アンテナの周辺のベクトルのrf界のさまざまな成分が計算されえる。アンテナの形状は変更されえ、さまざまな受動アンテナが計算に追加されることによって、アークを防ぐための最小アンテナ部分間隔のようなある種の制約条件に対して、最も均一性を持つ、結果として生じるrf界をえるよう最適化されえる。
【0068】
図20A、図20Bおよび図20Cに示されるように、実際のrfアンテナ700は、完全に対称性を持つrfアンテナ710、およびrfアンテナフィードおよび交差部分を表す摂動部分720として概念化されえる。目的は、摂動部分720のrf界分布への寄与を減らしつつ、対称性部分710によって提供されるrf界分布への受動アンテナの効果を最小化する受動アンテナを提供することである。理想的な解は、部分720と同じ形状を持ち、その中に流れる等しく反対位相のrf電流を持つ受動アンテナであろう。しかし受動アンテナは、物理的フィードおよび交差部分と同じ物理的空間を占有できない。最初、電力が供給されるrfアンテナだけについてrfフィード、任意の不足しているセグメントおよび他の非対称性の源を考慮に入れて、受動アンテナが存在しないとしてrf界分布が計算される(ステップ620)。
【0069】
それから1つ以上の受動アンテナが導入され(ステップ630)、rf界分布が再び計算され(ステップ640)、処理均一性に対する影響が評価される(ステップ650)。最も対称性があるように計算されたrf界分布を与える、またはそうでなければrf界分布が高められた処理均一性を提供する、例えばもし修正するためにrf界分布が変えられるべきプラズマ処理デバイス中の処理不均一性の特定の源が存在することが知られるなら、好ましい受動アンテナまたはアンテナ群構成が達成されるまで、異なる受動アンテナ構成が提供され(ステップ635)、rf界分布が再計算される。計算で導かれた受動アンテナは、その後、実現され実装される。
【0070】
この方法の他の実施形態において、rfアンテナおよびrfアンテナ群および受動アンテナ構成のrf界分布が電磁界計測デバイスを用いて計測される。rfアンテナは、エッチングチャンバ内に置かれ、またはrfテストスタンド内に置かれ、低電圧信号を用いて電源が入れられる。rfアンテナ周辺のベクトルrf界分布は、受動アンテナがない状態で、rfピックアッププローブを用いて計測され、rf界分布を決定する(ステップ620)。適切なrfピックアッププローブは、単一ループに曲げられた堅い同軸胴体の短い部分を備え、内側導体が外側導体に短絡されている。1つ以上の受動アンテナ群がrfアンテナに追加され(ステップ630)、結果として生じるrf界分布がrfプローブを用いて、変化されたrf界分布を決定するために再び計測される(ステップ640)。計測されたrf界分布が、特定の対称性の程度のような処理均一性の基準または基準群を満たすかが決定され(ステップ650)、もしそうでなければ、他の受動アンテナ構成が組み立てられ(ステップ635)、そのrf界分布が計測される。それらが発生するrf界に影響を与える受動アンテナ部材、位置、向き、形状および他の特性は、最適化された均一性を提供するために変化されえる。適切なrfアンテナおよび受動アンテナ構成が導かれたとき、rfアンテナおよび受動アンテナがプラズマエッチングデバイス中にインストールされ、それらの相対位置が固定され、さらなる計測または試験が実行され、またはプラズマ処理が直接に実行される。
【0071】
処理均一性調整方法600の他の実施形態において、ワークピース処理は、rf界分布を決定するのに役立つように用いられる。ウェーハがワークピースとして用いられ、プラズマ処理ツール中に配置される。エッチングがrfアンテナを用い、受動アンテナは用いずに実行され、ウェーハにわたっての処理均一性が、例えばウェーハの表面にわたってのエッチングレートを計測することによって計測され、定量化される。エッチング均一性は、プラズマチャンバ内のrf界分布に関連し、よってrf界分布の計測はステップ620によって決定される。受動アンテナがrfアンテナにそれから追加され(ステップ630)、他のワークピースウェーハがそうでなければ同一の処理条件下でエッチングされ、処理されたウェーハは計測され、ウェーハ表面にわたってのエッチングの程度が定量化される。rfアンテナ単独およびrfアンテナおよび受動アンテナによる処理の差がそれから得られ、エッチング均一性に対する受動アンテナの影響の計測値を与える。例えば、rfアンテナの第1角位置における受動アンテナは、ウェーハ上の対応する角位置においてエッチングレートを増しえる。それから受動アンテナは、異なる形状およびサイズの受動アンテナと交換され、または受動アンテナの位置または向きが変えられ、またはさらなる受動アンテナが追加され(ステップ630)、それからもう一度、エッチングが新しいウェーハ上に行われ、その構成についての処理均一性を決定する(ステップ640)。新しいrfアンテナおよび受動アンテナ構成のrf界分布への影響、よって処理均一性が、そのエッチング均一性をrfアンテナ単体の場合と比較することによってそれから評価されえる。これらのステップは、さまざまなrfアンテナおよび受動アンテナ構成について多くの回数反復されることがあり得る。
【0072】
最適な均一性を提供するために必要とされる補正は、rfアンテナ単体のエッチングパターンおよび全体に均一なエッチングパターンとの差から決定されえる。その差に充分に密接に適合する受動アンテナおよびrfアンテナの組み合わせは、これまで計測されたアンテナ構成に基づいて最適な均一性を提供する。もし、受動アンテナサイズの増加またはrfアンテナからの距離が処理レートに対してその効果へ固定された妥当な関係を持つような一般的な関係が特定されるなら、適切な受動アンテナサイズおよび位置についての妥当に正確な評価が、計測された結果に基づいてなされえる。例えば、受動アンテナによって囲まれる領域を倍にすることは、ウェーハにおけるエッチングレートにおける変化を予測可能なように増しえる。rfアンテナおよび受動アンテナ構成が許容可能な範囲内で処理均一性を提供すると決定されるとき、そのツールはワークピースを適切に処理するよう調整され、この方法は終了する(ステップ660)。あるいはさらなる反復および微調整が、これまで最適化されたrfアンテナおよび受動アンテナ構成を用いて実行される。
【0073】
この後半の方法を用いてrf界分布を調整することは、不均一性の主要な源が除かれたあとで、そうでなければ同一の処理ツールにおける不均一性の源はツールごとに実質的にランダムに変わることから、特に有用だと信じられている。したがって高められた処理均一性を達成するためにツールごとにエッチング処理ツールを微調整することが、それぞれのツールについての最適なrfアンテナおよび受動アンテナ構成を決定するために、実行される。
【0074】
記載されたさまざまな実施形態の多くの特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされえ、それによって本発明によるアンテナ構成を提供する。したがって本発明は、図に示される特定の例に限定されるようには考えられない。
【0075】
前述の本発明は、明瞭な理解のためにある程度、詳細に記載されてきたが、ある種の変更および改変が添付の特許請求の範囲内で実施されえることは明らかだろう。したがって、記載された実施形態は、例示的であって限定的ではないと解釈されるべきであり、本発明は、ここに挙げられた詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の完全な範囲によって規定されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理装置の処理チャンバのチャンバ壁の内部のプラズマ発生領域において高周波(以下、rf)界分布を発生するアンテナ構成であって、
rf電源が接続されることでrf電流を供給することによって前記プラズマ発生領域内に伸びる第1rf界を発生するrf誘導性アンテナ、および
受動アンテナであって、
前記第1受動アンテナは誘導的に前記rf誘導性アンテナに結合され、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が、前記受動アンテナがないときに比較して前記処理装置の処理均一性を増すように、前記第1rf界を変更する第2rf界を発生するよう構成される受動アンテナ
を備えるアンテナ構成。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記第2rf界は、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が前記受動アンテナがないときとは異なる対称性を有するように前記第1rf界を変更するアンテナ構成。
【請求項3】
請求項2に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布の方位角的対称性を変化させるアンテナ構成。
【請求項4】
請求項3に記載のアンテナ構成であって、
前記rf界分布の前記方位角的対称性は、前記受動アンテナがないときに比較して高められるアンテナ構成。
【請求項5】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
複数の受動アンテナを含み、それぞれのアンテナは誘導的に前記rf誘導性アンテナに結合され、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が、前記受動アンテナがないときと比較して前記処理装置の前記処理均一性を高めるように、前記第1rf界をさらに変更するそれぞれのrf界を発生するように構成されるアンテナ構成。
【請求項6】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、誘導された電流が流れることによって少なくとも前記第2rf界の一部を発生する、電気的に伝導性のパスを提供するアンテナ構成。
【請求項7】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記誘導性アンテナの長さの少なくとも一部に沿って伸びるアンテナ構成。
【請求項8】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記誘導性アンテナの一部の周囲に少なくとも部分的に伸びるチャネル形状を有するアンテナ構成。
【請求項9】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記誘導性アンテナの一部を囲むアンテナ構成。
【請求項10】
請求項9に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記誘導性アンテナを前記誘導性アンテナの長さの実質的に全てに沿って囲むアンテナ構成。
【請求項11】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記第1rf界の対称性において不完全性がなければ前記第1rf界が前記受動アンテナの位置において持つであろう磁力線の形状と実質的に合う断面形状を有するアンテナ構成。
【請求項12】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、エッジを持つ端部領域を有し、前記受動アンテナの前記端部領域の前記エッジは、前記受動アンテナがなければ前記受動アンテナの前記端部領域の前記エッジの位置において前記第1rf界が持つであろう磁力線の形状と実質的に合う断面形状を有するアンテナ構成。
【請求項13】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
複数の受動アンテナ群をさらに備え、前記第1受動アンテナおよび複数の受動アンテナ群は、前記rf誘導性アンテナの周囲に角度を空けて配置されるアンテナ構成。
【請求項14】
請求項13に記載のアンテナ構成であって、
前記第1受動アンテナおよび複数の受動アンテナ群は、前記rf誘導性アンテナの周囲に実質的に等角に配置されるアンテナ構成。
【請求項15】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記第2rf界は、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布の半径方向分布を変更するアンテナ構成。
【請求項16】
請求項15に記載のアンテナ構成であって、
前記第2rf界は、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布の方位角方向分布を変更するアンテナ構成。
【請求項17】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナを保持する支持部をさらに備え、前記支持部は、前記rf誘導性アンテナに対する前記受動アンテナの位置が調節可能であるように移動可能であるアンテナ構成。
【請求項18】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナを保持する支持部をさらに備え、前記支持部は、前記rf誘導性アンテナに対する前記受動アンテナの向きが調節可能であるように移動可能であるアンテナ構成。
【請求項19】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記rf誘導性アンテナについて容量性シールドを提供するアンテナ構成。
【請求項20】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記プラズマチャンバ内にDC磁界を発生する電磁石構成を備えるアンテナ構成。
【請求項21】
プラズマ処理デバイスのプラズマ処理チャンバ内にプラズマを維持するためのプラズマ領域においてrf界分布を発生するアンテナ構成であって、
rf誘導性アンテナ、
受動アンテナであって、
前記rf誘導性アンテナに誘導的に結合され、前記プラズマ領域における前記rf界分布の半径方向分布を変更するrf界を発生するよう構成される受動アンテナ、および
前記プラズマ発生領域における前記rf界分布の前記半径方向の分布を調整するために前記受動アンテナを移動するデバイス
を備えるアンテナ構成。
【請求項22】
チャンバ壁およびrf界分布を前記処理チャンバ内のプラズマ発生領域において発生するアンテナ構成を持つ処理チャンバを有するプラズマ処理デバイスにおいて、前記アンテナ構成は、rf電流を供給することによって前記プラズマ発生領域内に第1rf界を発生するようrf電源に接続されたrf誘導性アンテナ、および第2rf界を発生するよう構成された受動アンテナを備え、プラズマ処理均一性を改善する方法であって、
前記受動アンテナおよび前記rf誘導性アンテナを誘導的に結合すること、および
前記第2rf界が前記第1rf界を変化させることによって、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が前記受動アンテナがないときに比較して前記処理装置の処理均一性を増すように前記受動アンテナを位置付けること
を含む方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
DC磁界を印加するステップをさらに含む方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記DC磁界は、電磁石によって印加され、前記DC磁界は、プラズマ処理均一性に影響を与える効果を持つ半径方向の変化を有する方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、
前記DC磁界は、永久磁石による磁性バケットによって印加される方法。
【請求項26】
プラズマ処理デバイスで用いられるrfアンテナのrf界分布を調整する方法であって、
(a)前記rfアンテナの前記rf界分布を決定すること、
(b)誘導的に前記rfアンテナに結合された少なくとも1つの受動アンテナを設けること、および
(c)前記受動アンテナの前記rf界分布に対する効果を決定すること
を含む方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、
前記ステップ(b)および(c)を反復するステップを含む方法。
【請求項28】
請求項26に記載の方法であって、
前記方法は計算によって実行される方法。
【請求項29】
請求項26に記載の方法であって、
前記ステップ(a)および(c)は、rf磁界に感応するデバイスを用いてrfアンテナの界分布を計測することによって実行される方法。
【請求項30】
請求項26に記載の方法であって、
前記ステップ(a)および(c)は、ワークピースのプラズマ処理に対するrf界分布の効果を決定することによって実行される方法。
【請求項31】
請求項26に記載の方法であって、
前記rfアンテナに対する前記受動アンテナの位置を固定するステップをさらに含む方法。
【請求項32】
請求項27に記載の方法であって、
前記ステップ(b)を反復することは、さらなる受動アンテナを追加することを含む方法。
【請求項33】
請求項27に記載の方法であって、
前記ステップ(b)を反復することは、前記受動アンテナを再構成することを含む方法。
【請求項34】
請求項32に記載の方法であって、
前記受動アンテナを再構成することは、前記受動アンテナの位置を変えること、前記受動アンテナの向きを変えること、前記受動アンテナのサイズを変えること、前記受動アンテナの形状を変えること、および前記受動アンテナの材料を変えることからなるグループから選択される再構成ステップを含む方法。
【請求項1】
プラズマ処理装置の処理チャンバのチャンバ壁の内部のプラズマ発生領域において高周波(以下、rf)界分布を発生するアンテナ構成であって、
rf電源が接続されることでrf電流を供給することによって前記プラズマ発生領域内に伸びる第1rf界を発生するrf誘導性アンテナ、および
受動アンテナであって、
前記第1受動アンテナは誘導的に前記rf誘導性アンテナに結合され、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が、前記受動アンテナがないときに比較して前記処理装置の処理均一性を増すように、前記第1rf界を変更する第2rf界を発生するよう構成される受動アンテナ
を備えるアンテナ構成。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記第2rf界は、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が前記受動アンテナがないときとは異なる対称性を有するように前記第1rf界を変更するアンテナ構成。
【請求項3】
請求項2に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布の方位角的対称性を変化させるアンテナ構成。
【請求項4】
請求項3に記載のアンテナ構成であって、
前記rf界分布の前記方位角的対称性は、前記受動アンテナがないときに比較して高められるアンテナ構成。
【請求項5】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
複数の受動アンテナを含み、それぞれのアンテナは誘導的に前記rf誘導性アンテナに結合され、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が、前記受動アンテナがないときと比較して前記処理装置の前記処理均一性を高めるように、前記第1rf界をさらに変更するそれぞれのrf界を発生するように構成されるアンテナ構成。
【請求項6】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、誘導された電流が流れることによって少なくとも前記第2rf界の一部を発生する、電気的に伝導性のパスを提供するアンテナ構成。
【請求項7】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記誘導性アンテナの長さの少なくとも一部に沿って伸びるアンテナ構成。
【請求項8】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記誘導性アンテナの一部の周囲に少なくとも部分的に伸びるチャネル形状を有するアンテナ構成。
【請求項9】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記誘導性アンテナの一部を囲むアンテナ構成。
【請求項10】
請求項9に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記誘導性アンテナを前記誘導性アンテナの長さの実質的に全てに沿って囲むアンテナ構成。
【請求項11】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記第1rf界の対称性において不完全性がなければ前記第1rf界が前記受動アンテナの位置において持つであろう磁力線の形状と実質的に合う断面形状を有するアンテナ構成。
【請求項12】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、エッジを持つ端部領域を有し、前記受動アンテナの前記端部領域の前記エッジは、前記受動アンテナがなければ前記受動アンテナの前記端部領域の前記エッジの位置において前記第1rf界が持つであろう磁力線の形状と実質的に合う断面形状を有するアンテナ構成。
【請求項13】
請求項6に記載のアンテナ構成であって、
複数の受動アンテナ群をさらに備え、前記第1受動アンテナおよび複数の受動アンテナ群は、前記rf誘導性アンテナの周囲に角度を空けて配置されるアンテナ構成。
【請求項14】
請求項13に記載のアンテナ構成であって、
前記第1受動アンテナおよび複数の受動アンテナ群は、前記rf誘導性アンテナの周囲に実質的に等角に配置されるアンテナ構成。
【請求項15】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記第2rf界は、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布の半径方向分布を変更するアンテナ構成。
【請求項16】
請求項15に記載のアンテナ構成であって、
前記第2rf界は、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布の方位角方向分布を変更するアンテナ構成。
【請求項17】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナを保持する支持部をさらに備え、前記支持部は、前記rf誘導性アンテナに対する前記受動アンテナの位置が調節可能であるように移動可能であるアンテナ構成。
【請求項18】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナを保持する支持部をさらに備え、前記支持部は、前記rf誘導性アンテナに対する前記受動アンテナの向きが調節可能であるように移動可能であるアンテナ構成。
【請求項19】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記受動アンテナは、前記rf誘導性アンテナについて容量性シールドを提供するアンテナ構成。
【請求項20】
請求項1に記載のアンテナ構成であって、
前記プラズマチャンバ内にDC磁界を発生する電磁石構成を備えるアンテナ構成。
【請求項21】
プラズマ処理デバイスのプラズマ処理チャンバ内にプラズマを維持するためのプラズマ領域においてrf界分布を発生するアンテナ構成であって、
rf誘導性アンテナ、
受動アンテナであって、
前記rf誘導性アンテナに誘導的に結合され、前記プラズマ領域における前記rf界分布の半径方向分布を変更するrf界を発生するよう構成される受動アンテナ、および
前記プラズマ発生領域における前記rf界分布の前記半径方向の分布を調整するために前記受動アンテナを移動するデバイス
を備えるアンテナ構成。
【請求項22】
チャンバ壁およびrf界分布を前記処理チャンバ内のプラズマ発生領域において発生するアンテナ構成を持つ処理チャンバを有するプラズマ処理デバイスにおいて、前記アンテナ構成は、rf電流を供給することによって前記プラズマ発生領域内に第1rf界を発生するようrf電源に接続されたrf誘導性アンテナ、および第2rf界を発生するよう構成された受動アンテナを備え、プラズマ処理均一性を改善する方法であって、
前記受動アンテナおよび前記rf誘導性アンテナを誘導的に結合すること、および
前記第2rf界が前記第1rf界を変化させることによって、前記プラズマ発生領域における前記rf界分布が前記受動アンテナがないときに比較して前記処理装置の処理均一性を増すように前記受動アンテナを位置付けること
を含む方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、
DC磁界を印加するステップをさらに含む方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記DC磁界は、電磁石によって印加され、前記DC磁界は、プラズマ処理均一性に影響を与える効果を持つ半径方向の変化を有する方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、
前記DC磁界は、永久磁石による磁性バケットによって印加される方法。
【請求項26】
プラズマ処理デバイスで用いられるrfアンテナのrf界分布を調整する方法であって、
(a)前記rfアンテナの前記rf界分布を決定すること、
(b)誘導的に前記rfアンテナに結合された少なくとも1つの受動アンテナを設けること、および
(c)前記受動アンテナの前記rf界分布に対する効果を決定すること
を含む方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、
前記ステップ(b)および(c)を反復するステップを含む方法。
【請求項28】
請求項26に記載の方法であって、
前記方法は計算によって実行される方法。
【請求項29】
請求項26に記載の方法であって、
前記ステップ(a)および(c)は、rf磁界に感応するデバイスを用いてrfアンテナの界分布を計測することによって実行される方法。
【請求項30】
請求項26に記載の方法であって、
前記ステップ(a)および(c)は、ワークピースのプラズマ処理に対するrf界分布の効果を決定することによって実行される方法。
【請求項31】
請求項26に記載の方法であって、
前記rfアンテナに対する前記受動アンテナの位置を固定するステップをさらに含む方法。
【請求項32】
請求項27に記載の方法であって、
前記ステップ(b)を反復することは、さらなる受動アンテナを追加することを含む方法。
【請求項33】
請求項27に記載の方法であって、
前記ステップ(b)を反復することは、前記受動アンテナを再構成することを含む方法。
【請求項34】
請求項32に記載の方法であって、
前記受動アンテナを再構成することは、前記受動アンテナの位置を変えること、前記受動アンテナの向きを変えること、前記受動アンテナのサイズを変えること、前記受動アンテナの形状を変えること、および前記受動アンテナの材料を変えることからなるグループから選択される再構成ステップを含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【公開番号】特開2012−104496(P2012−104496A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−279987(P2011−279987)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【分割の表示】特願2004−523453(P2004−523453)の分割
【原出願日】平成15年7月17日(2003.7.17)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−279987(P2011−279987)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【分割の表示】特願2004−523453(P2004−523453)の分割
【原出願日】平成15年7月17日(2003.7.17)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
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