説明

均一照射性を有する面発光光源

平面状または曲面状に発光するディスプレイおよび他のアプリケーションに用いられる、均一な輝度を生じさせる拡張領域均一光源を示す。均一光源は、青色発光のエレクトロルミネセンス層と高度に安定した無機光ルミネセンス色変換層との組合せを使用して放射された光の色スペクトルを調整することで達成される。したがって、本発明には、均一光源、均一光源が組み込まれたディスプレイ、ならびにそのような光源およびディスプレイの製造方法が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスおよび他のアプリケーションのための、均一な輝度を提供する拡張領域均一光源に関する。発光は、平面状であってもよいし、曲面状であってもよい。均一光源は、青色発光のエレクトロルミネセンス層と高度に安定した無機光ルミネセンス色変換層との組合せを用いて放射された光の色スペクトルを調整することで達成される。したがって、本発明には、均一光源、素子および均一光源が組み込まれたディスプレイ、ならびにそのような光源およびディスプレイの製造方法が含まれる。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイおよび他のアプリケーションのための厚膜誘電体エレクトロルミネセンス(TDEL)素子は、たとえば、米国特許第5,432,015号および米国特許第6,919,126号(その開示はその全体が本明細書中に組み込まれている)に記載されている。慣用の薄膜エレクトロルミネセンス(TFEL)素子と比較して、TDEL素子は、絶縁破壊に対する優れた耐性、作動電圧の低減および輝度の実質的な増加をもたらす。
【0003】
一般に、TDEL素子では、高光度をもたらす蛍光体膜の蒸着やアニール処理が容易にできるように、十分に高い加工温度に耐えられるガラス、ガラスセラミックまたはセラミック基板上に、厚膜誘電体複合構造が蒸着されている。これらのディスプレイ中で使用される厚膜誘電体層は、高い誘電率を有しており、ディスプレイ作動電圧を顕著に増加させることなくディスプレイ中での比較的厚い誘電体層の使用を可能にする。ディスプレイ駆動中の絶縁破壊を防止するために、比較的厚い誘電体層、典型的には10μmを超えるものを使用する。典型的には、厚膜誘電体複合構造は、数千の誘電率を有するマグネシウムニオブ酸鉛(PMN)またはマグネシウムチタン酸ジルコン酸鉛(PMN−PT)などの焼結ペロブスカイト圧電または強誘電物質の層を含む。複合体を形成するために、典型的には、有機金属蒸着(MOD)またはゾルゲル法を用いてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの適合性のある圧電または強誘電物質のより薄いオーバーレイ層を塗布して、薄膜蛍光体構造を蒸着するために厚膜表面を平滑にする。
【0004】
米国特許第7,112,373号には、青色光を高い光度で放射する、ユウロピウムで活性化されたチオアルミン酸バリウム蛍光体膜を有するTDEL素子が記載されている。米国特許出願第2004/0135495号には、青色光を発生するために厚膜誘電体複合構造およびユウロピウムで活性化されたチオアルミン酸バリウム蛍光体膜を有し、青色、緑色および赤色のサブピクセルを有しており、青色光をそれぞれ緑色および赤色の光へと変換する光ルミネセンス膜が緑色および赤色のサブピクセルの上部を覆っている、フルカラーディスプレイが記載されている。この構造では、青色光は緑色および赤色の光ルミネセンス膜中に完全に吸収されて、緑色および赤色の光をもたらしてフルカラー・ビデオ・ディスプレイのCIE色座標の要件を満たす。このディスプレイの緑色および赤色の光ルミネセンス膜は、光学的に透明なポリマー膜中に分散させた有機色素を用いて形成された顔料粒子からなる。しかし、これらの膜の光ルミネセンス効率は、励起に使用する青色光および周囲環境からの紫外光への露光が原因で、駆動時間に応じて段階的に分解される。この段階的な分解は、駆動時間の増加に伴って色シフトを引き起こす。
【0005】
青色光の一部を長波長化させるために無機光ルミネセンス物質を含む被覆剤を含有した青色発光ダイオード(LED)からなる白色光源が知られている。白色光を発生させるために、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)が、これらのLEDと組み合わせて、光ルミネセンス色変換層として使用されている。米国特許第5,998,925号は、白色光源を提供するために青色LEDと組み合わせたセリウムでドープしたYAG蛍光体の使用を開示している。これらの素子で使用されるYAG系物質は光出力が安定しているが、一次青色LEDの大きさが小さく、光源は本質的に点光源であるため、均一照射性の拡張光源を要するアプリケーションには不適切となっている。米国特許第7,362,048号は、YAG物質にガドリニウムなどの追加元素をドープして白色光の色温度を所望の値へとシフトさせる手法について教示している。米国特許第7,417,368号は、黄色光を発生させるために、セリウムでドープしたYAGによって吸収される青色光を発生させるユウロピウムで活性化されたチオアルミン酸バリウム蛍光体膜を光ルミネセンスオーバーレイ層として有するTDELピクセルアレイを開示している。米国特許第7,391,060号は、チオアルミン酸バリウム青色発光蛍光体層と青色光を赤色または緑色光へと変換する光ルミネセンス層とを有するTDEL素子を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、ディスプレイおよび他のアプリケーションのための均一な輝度をもたらす拡張領域均一光源、光源が組み込まれたディスプレイおよび他のアプリケーション、ならびにその製造方法を提供することが望まれている。均一光源は、青色発光のエレクトロルミネセンス層と高度に安定した無機光ルミネセンス色変換層との組合せを用いて放射された光の色スペクトルを調整することで達成され、均一な白色照明が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、均一な発光強度を有し、発光色を特定のアプリケーションの要件に調節できる拡張光源を提供する。本発明には、それだけには限定されないがそのような光源が組み込まれたディスプレイなどのデバイスおよび他のアプリケーション、ならびに光源の製造方法および光源の使用方法を含む。
【0008】
本発明の一実施形態では、光源は、厚膜誘電体複合層、ユウロピウムで活性化されたチオアルミン酸バリウム蛍光体膜、および蛍光体膜と組み合わせたセリウムでドープしたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)半透明光ルミネセンス層を含む素子である。蛍光体膜は、黄色光と合わさって調節可能な色温度を有する均一に明るい白色光源をもたらす青色光の一部分のみを変換するための効率的な手段を提供するための、セリウムでドープしたYAGを効率的に励起させる均一な高輝度の青色光源を提供する。そのような光源の効率は、青色発光のエレクトロルミネセンス蛍光体層およびセリウムでドープしたYAG光ルミネセンス層から発生された光の抽出を最大限にすることによって、さらに増強することができる。
【0009】
本発明の一態様によれば、空間的に広がった発光面から放射される光の光度が均一な発光素子であって、一次青色発光のエレクトロルミネセンス層がオーバーレイされた光ルミネセンス膜を含み、前記光ルミネセンス膜は、青色光の一部分のみの透過を許可しつつ、長波長化させて確定した色の光を生じさせる。
【0010】
光ルミネセンス膜は、青色発光蛍光体層と直接接触しているのではなく、むしろ、2つの電極層間に配置された蛍光体層を含む青色発光のエレクトロルミネセンス素子の発光側上に配置されている。
【0011】
本発明の別の態様によれば、空間的に広がった発光面から放射される光の光度が均一な発光素子であって、一次青色発光蛍光体層がオーバーレイされた半透明光ルミネセンス膜を含み、前記光ルミネセンス膜は、青色光の一部分のみの透過を許可しつつ、長波長化させて確定した色温度を有する白色光を生じさせる。
【0012】
空間的に広がった発光面から放射される光の光度が均一な発光素子であって、前記素子は、厚膜複合誘電体層と、青色発光蛍光体層と、前記青色発光蛍光体層上に被覆された光ルミネセンス膜と、を含み、前記光ルミネセンス膜は、青色光の一部分のみの透過を許可しつつ、長波長化させて確定した色温度を有する白色光を生じさせる発光素子が、本発明の別の態様である。
【0013】
本発明の態様では、空間的に広がった面は平面状である。
【0014】
本発明の他の態様では、空間的に広がった面は曲面状である。
【0015】
本発明のさらに他の態様では、空間的に広がった面は、放射された光の強度を面上の領域に集中させるための凹形状である。
【0016】
本発明の態様では、青色光は、青色光発生面と平行に位置合わせされた薄い固体状態の無機蛍光体膜によって提供される。蛍光体膜は、交流電圧印加型のエレクトロルミネセンスランプの構成要素であってよい。エレクトロルミネセンスランプは、ランプの電極間に配置された厚膜誘電体複合層を含んでいてもよい。
【0017】
本発明の態様では、青色発光蛍光体層上に配置された光ルミネセンス層を含む交流電圧印加型のエレクトロルミネセンスランプを提供する。前記光ルミネセンス層は、青色光の一部分のみの透過を許可しつつ、長波長化させて確定した色温度を有する白色光を生じさせる。ランプは、蛍光体膜が上に設けられた厚膜誘電体複合層をさらに含んでいてもよい。
【0018】
本発明の態様では、光ルミネセンス層はガーネット構造物質を含む。ガーネット構造物質は、所望の発光スペクトルを提供し、層内を起源として放射された光の再吸収を最小限にするための、置換的にドープしたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)組成物であり得る。光ルミネセンス層は半透明から青色の光である。組成物は樹脂物質内で提供し、YAGの量は全光ルミネセンス層の約20%〜約40重量%である。
【0019】
本発明のさらなる態様では、光ルミネセンス層は、アルカリ土類アルミン酸塩、希土類アルミン酸塩、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類アルミノケイ酸塩、アルカリ土類リン酸塩、アルカリ土類窒化ケイ素、酸窒化ケイ素およびその組合せからなる群から選択される、セリウムまたはユウロピウムでドープした物質を含む。この態様では、樹脂中の光ルミネセンス粒子は、本明細書中に記載のようにナノサイズであることができる。
【0020】
本発明の態様では、青色発光蛍光体膜はチオアルミン酸バリウム蛍光体膜である。本発明のさらなる態様では、光ルミネセンス層は半透明から青色の光であり、セリウムでドープしたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)を含む。
【0021】
本発明の態様では、放射された光は、電子情報ディスプレイ、センサおよび化学分析装置のバックライトから選択されるアプリケーションで使用される。
【0022】
本発明のさらなる態様では、放射された光は、光源を要するアプリケーションおよび一般的な屋内または夜間屋外の照明で使用される。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、
厚膜複合誘電体層に青色発光蛍光体層を塗布することと、
前記青色発光蛍光体層を半透明光ルミネセンス膜で被覆することと、
前記光ルミネセンス膜が、青色光の一部分のみの透過を許可し、それをより長い波長の光へと変換して定義された色を有する光をもたらすように、電界を適用することと
を含む、均一な白色光源の製造方法がある。
【0024】
本発明の他の特長および利点は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかし、前記詳細な説明から、本発明の精神および範囲内にある様々な変化および修正が当業者には明らかとなるため、詳細な説明および具体的な実施例は、本発明の実施形態を示す一方で、例示目的でのみ与えることを理解されたい。
【0025】
本発明は、例示目的でのみ与え、本発明の意図する範囲を限定しない、本明細書中に与える説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に従って製造した白色発光素子の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に従って製造した白色発光素子の光放射スペクトルのグラフを示す図である。
【図3】本発明の白色発光素子のCIE色座標を示す図である。
【図4】本発明の白色発光素子の相対的輝度を印加電圧の関数として示すグラフである。
【図5】本発明の白色発光素子の相対的輝度を駆動周波数の関数として示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、拡張領域から放射される均一光源である。均一光源は、発光面の拡張領域上に均一な発光強度を有する光源を要するアプリケーションで用いられる。本発明には、そのような光源が組み込まれた様々なアプリケーションのためのデバイスならびに光源の製造方法および光源自体が含まれる。
【0028】
本発明は、厚膜誘電体複合層と青色発光のエレクトロルミネセンス層および無機光ルミネセンス層との組合せであり、光ルミネセンス層は、エレクトロルミネセンス層によって発生される半透明から青色の光である。このようにして、青色光のうちの一部が黄色光に変換され、その結果、白色光が発生かつ放射される。光ルミネセンス層の半透明度は、光ルミネセンス層のマトリクス中の、選択された光ルミネセンス粒子の適切な装填量の選択に部分的に起因している。単一の電極対を使用して素子を駆動し得る。本発明は、100℃を超える温度で光源を駆動する必要があり得るアプリケーションにおいて特に有用である。本発明の光源の適用例としては、光源を要する電子情報ディスプレイ、センサおよび化学分析装置のバックライトならびに一般的な屋内または夜間屋外の照明が含まれる。
【0029】
非限定的な一実施形態では、本発明は、樹脂マトリクス中に分散させた光ルミネセンスのセリウムでドープしたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAl12:Ce)粒子の半透明色変換層が組み込まれた、青色発光の交流電圧印加型のTDEL素子/ランプである。TDEL素子は、米国特許第5,432,015号、第6,589,674号、第6,919,126号および第7,112,373号、ならびに米国特許出願第11/122,301号、第10/736,020号、第10/736,368号、第11/072,824号、第11/100,190号、第11/184,457号、および第11/196,163号(その開示はその全体が本明細書中に参考として組み込まれている)の開示に従って構築し得る。
【0030】
本発明では、青色発光のエレクトロルミネセンス蛍光体膜を、半透明から青色の光である無機光ルミネセンス層(すなわち、光ルミネセンス層は、所望の均一な白色照明がもたらされるように青色光を部分的にのみ吸収する)と併せて提供し、これを拡張領域上に提供することができる。本発明の素子は、厚膜誘電体複合層(数千の誘電率を有するマグネシウムニオブ酸鉛(PMN)またはマグネシウムチタン酸ジルコン酸鉛(PMN−PT)などの焼結ペロブスカイト圧電または強誘電物質の層と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの適合性のある圧電または強誘電物質のより薄い平滑化オーバーレイ層とを含む厚膜誘電体複合構造)、青色発光層、ならびに半透明光ルミネセンス層を含む。厚い誘電体構造は、米国特許第5,432,015号、ならびに国際特許出願WO00/70917号およびWO03/056879号(その開示は本明細書中に参考として組み込まれている)に教示されているように、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の平滑化層を有するマグネシウムニオブ酸鉛またはマグネシウムニオブ酸チタン酸鉛(PNMまたはPNM−PT)焼結厚膜層を含む。
【0031】
このようにして、均一な白色光源を拡張領域上に作製する。拡張領域は、エレクトロルミネセンス素子をそれ上に製作することができる利用可能な基板の面積および素子の層を形成するために使用する機器の大きさほどの広さであることができる。したがって、膜加工機器の大きさによって課されるもの以外は、青色発光のエレクトロルミネセンス素子(厚膜誘電体複合層を含む素子)上に形成することができる半透明光ルミネセンス層の面積には実際の制限がない。1平方メートル以上の面積が実現可能である。面積が非常に広い場合は、透明電極の電気抵抗を低下させるために、エレクトロルミネセンス素子の透明電極の表面上に一定間隔で配置した金属導体のストライプを形成することが必要であり得る。所望する場合は、これらのストライプは、単一の電源を用いて駆動できるように光源素子の端に並列で接続することができる。数平方センチメートルより広い面積を有する素子では、TDEL光源を、素子における短絡の結果を最小限にするため、または光強度に制御された空間的な変動をもたらすためにそれぞれ別々の電源を用いて駆動する、いくつかの小区へと分割することが有利であり得る。
【0032】
本発明のさらなる態様では、本発明の白色光発生素子は、完成した素子を所望の曲面へと曲げることができるようにTDEL素子の製造加工条件に耐えることができる、曲面状の強固な基板または柔軟な基板を用いて作製することができる。曲面状素子の曲率半径は、利用可能な膜蒸着機器の形状に応じて、無限大(すなわち平らな面)から1センチメートル以下まで変動することができる。曲面状光源は、光源の空間的な広がりに匹敵するまたはそれ以上の光源からの距離において光強度を増加させるために有用な場合がある。当業者には、直線状または曲面状の基板としての使用が適切な物質には、それだけには限定されないが、それだけには限定されないがアルミナ、金属セラミック複合体、ガラスセラミック物質および高温ガラス物質などのセラミックを含めた、耐火シート物質が含まれることを理解されよう。
【0033】
図1を参照して(正確な縮尺ではない)、TDEL素子は、5センチメートル×5センチメートルのガラス基板2上に設けられている。ガラス基板上には、このガラス基板との間の化学的相互作用を最小限にするために、酸化アルミニウムの薄いバリア層(図示せず)が設けられ、続いて素子構造の蒸着層が設けられている。基板上には下部電極4および厚膜誘電体層6が設けられており、厚膜誘電体層6には高誘電率平滑化層8が設けられており、このようにして複合厚膜誘電体層または構造が形成されている。チタン酸バリウム膜、タンタル酸バリウム膜および酸化アルミニウム膜がこの順に設けられ構成される1組のさらなる層(図示せず)が、平滑化層8上に蒸着されている。このように平滑化層8上に蒸着させている目的は、厚膜誘電体複合構造を、この層上に配置されている青色発光のユウロピウムで活性化されたチオアルミン酸バリウム蛍光体膜10から化学的に隔離させるためである。窒化アルミニウムを含有する上部薄膜誘電体膜12は、蛍光体層10上に設けられている。バスバー16を有する酸化インジウム錫膜14は、上部薄膜誘電体層12上に設けられており、TDEL素子を駆動するための第2の電極を構成している。光ルミネセンス色変換層18は、樹脂マトリクス中に分散させたセリウムでドープしたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)を含有しており、バスバー16を有する上部電極16上に設けられている。周囲雰囲気から素子を保護するために、カバーガラス20と周囲シールビーズ22が設けられている。
【0034】
本発明の一実施形態では、半透明の光ルミネセンス複合色変換層は、ポリマー・マトリクス中に埋め込まれた無機光ルミネセンス粒子の無機ガーネット構造を備えている。より具体的には、色変換層は、全層の約20%重量〜約40重量%を構成することができる。エポキシ、シリコンまたは同様の物質を含有する樹脂中に分散させた、約3マイクロメートル〜約7マイクロメートルの範囲の粒子径分布を有する、セリウムでドープしたYAG粒子は、本発明に包含される。光ルミネセンス色変換膜の厚さは、約0.5ミリメートル〜約1ミリメートルの範囲であってよい。色変換粒子を上記装填量であり上記膜厚とすることで、光ルミネセンス膜に半透明度が生じ、蛍光体の光の一部分のみがこの層によって吸収されて、白色光が放射されるようになる。
【0035】
本発明の光ルミネセンス色変換層を形成するためには、様々な物質を用いてもよい。励起光源または周囲環境からの青色光または紫外光の存在下において安定性が高いという観点から、ガーネット構造物質が用いられる。また、青色光吸収の量子効率と、使用可能な長波長光の再放射と、が可能な限り高いことが望ましい。セリウムでドープしたYAG(YAl12:Ce)の光吸収効率は、約0.68である。吸収効率とは、吸収される発光中心に対する入射青色光子の割合として定義される。CeでドープしたYAGの内部発光効率は、0.88である。内部発光効率とは、より長い可視光波長の光子として再放射される発光中心によって吸収されるエネルギーの割合として定義される。CeでドープしたYAGの外部発光効率は、0.60であり、これは、発光中心によって放射されるYAG物質の外部に放射される長波長の光子の割合として定義される。全発光効率とは、内部および外部発光効率の積である。セリウムでドープしたYAGの励起スペクトルは、460ナノメートルにピークを有し、これはユウロピウムで活性化されたチオアルミン酸バリウムエレクトロルミネセンス蛍光体の475ナノメートルの発光ピークに近い。他の光ルミネセンス蛍光体は、長期安定性の重要性がより低く、かつ特別に調整された発光スペクトルが望ましい他のアプリケーションに適切であり得る。表1に、そのような物質の一部ならびにその主な励起波長およびその発光色のリストを示す。光ルミネセンス層で使用するための他の適切な物質は、希土類タングステン酸塩、希土類モリブデン酸塩、チオリン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム亜鉛、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類ケイ酸塩、窒素置換アルミノケイ酸塩、希土類オキシニトリド、アルカリ土類クロロケイ酸塩およびその組合せから選択され得る。
【0036】
また、本発明では、ナノスケールの光ルミネセンス粉末を使用してもよい。一部の例では、ナノサイズの粉末において内部発光効率を増加させることができ、これは、短波長である青色光子の吸収で得られたエネルギーを照射性放射させやすくする放射部位の対称性が低下することに起因しており、非照射性放出に起因するものではない。この場合、エネルギーの非照射性放出には、可視光よりも長い波長での照射性放射および格子振動(フォノン)励起によるエネルギー消費が含まれる。そのような効果は、光ルミネセンス物質の粒子径が約10nmよりも小さくなる場合に重要となる。光ルミネセンス膜のマトリクス内における粒子の均一な分散は、この範囲の大きさのナノスケールの粒子を用いると困難になり、適切な非イオン性もしくはイオン性の表面被覆剤を粒子上に使用するまたは界面活性剤をマトリクス物質の前駆体物質中に使用することで、粒子のクラスタリングを阻害することが必要になり得る。
【0037】
本発明の素子には、ユウロピウムで活性化されたチオアルミン酸バリウム蛍光体膜、態様では米国特許出願第2006/0027788号(その開示はその全体が本明細書中に組み込まれている)に教示されているユウロピウムで活性化されたBaAl(II)蛍光体膜である青色発光膜が組み込まれている。そのような蛍光体膜は、セリウムでドープしたYAGを効率的に励起させる均一な高輝度の青色光源を提供して、青色光の一部分を黄色光へと変換して調節可能な色温度を有する均一に明るい白色光源をもたらすための、効率的な手段を提供する。色温度とは白色光のスペクトル分布をいい、所定の温度に保った黒体の発光スペクトルに関連する。たとえば、高い色温度は白色光が青色っぽい色合いを有することを意味し、低い色温度は白色光が黄色っぽい色合いを有することを意味する。このことは当業者に十分に理解されている。本発明の素子の色温度は、たとえば、色変換層の厚さ、YAG粒子の装填量またはYAG粒子の粒径分布を変動させることによって、色変換層に関連するパラメータを変動させて、発生する青色光の透過率およびより長い波長の光の強度を変化させることによって調節できる。そのような素子の効率は、青色発光のエレクトロルミネセンス蛍光体層およびセリウムでドープしたYAG光ルミネセンス層から発生された光の抽出を最大限にすることによって、さらに増強することができる。さらに、TDEL素子は少なくとも約110℃までの温度での使用に適しているため、広範囲に応用することができる。
【0038】
本発明で使用するTDEL青色発光器は、広い発光領域を有しており、対費用効果の高い応用のために単一の電極対で駆動可能となるように構築できる。この観点から、交流電圧印加型のTDEL青色発光器よりもむしろ交流電圧印加型のTFEL青色発光器を使用することが有利である。後者は、単一の電極対で駆動可能な広い面積の発光領域を有するように製造できないからである。その理由は、TFEL発光素子は、これらの素子中で使用する薄膜誘電体層の絶縁破壊電圧に非常に近い電圧で駆動することにある。絶縁破壊は誘電体層中のピンホールまたは同様の欠陥によってひき引き起こされ、また、そのような欠陥が生じる確率は発光器の面積に対応しているため、絶縁破壊によって素子が故障する確率は、発光面の面積に対応することになる。実用的な観点から、単一の電極対によって駆動されるTFEL発光器は、寸法が約0.01cmに制限されている。対照的に、TDEL素子は、そのはるかにより厚い誘電体層が絶縁破壊の影響を非常に受けにくいため、単一の電極対で駆動される少なくとも数平方センチメートルの広い面積を備えることができる。TDEL素子における厚い誘電体層の誘電率が高いため、その誘電体層の厚さにもかかわらず、それらを適度に低い電圧で駆動することが可能となる。TDEL素子の蛍光体の厚さを変動させて、作動電圧と発光効率との最適な組合せを提供することができる。また、有機発光ダイオード(OLED)などの、直流電流を低電圧で使用して駆動されるエレクトロルミネセンス素子も知られているが、広い面積にわたって均一な発光強度を提供するために均一な電流密度を達成することは非常に困難である。さらに、OLEDは、この種類の素子に使用する有機蛍光体物質に固有の熱不安定性のために、約60℃未満の周囲温度に制限されている。発光ダイオード(LED)などの他の種類の発光素子も知られているが、LEDの大きさが本質的に小さいため、均一照射ができない。
【0039】
青色発光のエレクトロルミネセンス蛍光体からの青色光の光ルミネセンス層内への結合が増加した場合、光ルミネセンス層内で発生する黄色光の強度が増加する。この結合は、光ルミネセンス層の屈折率がエレクトロルミネセンス蛍光体層の屈折率以上であり、かつ、すべての介在層の厚さをそれらの層中の青色光の波長よりも小さいくすること等により、すべての介在層の表面での反射を最小限に抑えた場合に、最適化される。光ルミネセンス層の屈折率がエレクトロルミネセンス層の屈折率未満である場合には、2つの屈折率間の差が減少していると光学的結合が増加する。
【0040】
本発明の実施形態は、青色発光のユウロピウムで活性化されたチオアルミン酸バリウムの光学的屈折率と、セリウムでドープしたYAGの光学的屈折率と、の比較的近い一致を提供することができる。本発明の有用性を実証するために使用したユウロピウムで活性化されたチオアルミン酸バリウム蛍光体膜は、本発明者らによる偏光解析法を用いた測定により、平均光学的屈折率が2.03であることが判明した。一方で、単一結晶YAGの屈折率は、1062nmの赤外線で約1.82であり、193nmの近紫外線によると2.145まで光学的範囲が広げられることが当分野で知られている。YAGがセリウムでドープしたものである場合、その光学指数は変更される。セリウム・ドープにより、YAGの光ルミネセンス発光ピークがその最大吸光度波長と比較してシフトされて、膜中の光ルミネセンス光の再吸収が最小限となる。YAGが樹脂またはポリマー・マトリクス中に分散された粒子形態であり、YAG粒子径がYAG物質中の光の波長よりも小さい場合、生じる複合膜は均質の屈折率を有するかのようにふるまい、その値はYAGの屈折率とマトリクス物質の屈折率との加重平均となる。典型的な樹脂またはポリマーでは、屈折率は1.3から1.4の範囲であり、したがって、複合膜の屈折率を最大限にするためには、膜中のYAGの体積率を最大限にすることが望ましい。膜による青色光の吸収および光ルミネセンス発光は、YAG物質の体積率および膜の厚さならびにセリウム・ドープの濃度にも依存するため、所望の結果を達成するためにはこれらのパラメータを一緒に最適化する必要がある。
【0041】
有用な光を提供するために、光源から光ルミネセンス層によって発生した青色光およびより長い波長の光を抽出することは、光ルミネセンス層と光源を使用する周囲環境との間の光学的界面の特性に依存する。外部環境への光結合出力は、上層に段階的な屈折率を提供すること、または最大の光結合出力のために設計された質感を有する粗面化面を提供することなどの、当分野で知られている多くの手段によって達成することができる。一例として、周囲環境は空気であってもよいし、これは発生した光を所望の位置へと送るための光導波路を含む光ファイバ束または「光導体」の末端であってもよい。
【0042】
また、使用可能な抽出光を増やすために、当分野で知られている手段によって光ルミネセンス層の下部面からの光の反射を最大限にすることも望ましい。
【0043】
上記開示は、本発明を一般に説明する。より完全な理解は、以下の具体的な実施例を参照して得ることができる。これらの実施例は、例示目的のみとして記載し、本発明の範囲を限定することを意図しない。状況に応じて示唆され得るまたは好都合となり得る場合は、形態の変化および均等物の置換が企図される。本明細書中で具体的な用語を用いたが、そのような用語は説明の意味を意図し、限定すること目的としない。
【実施例】
【0044】
実施例1
米国特許第5,432,015号、第6,589,674号、第6,919,126号および第7,112,373号、ならびに米国特許出願第2005/0202157号、第2004/0170864号、第2004/0170865号、第2005/0202162号、第2005/0255708号および第2006/0017381号(その開示はすべてその全体が参考として本明細書中に組み込まれている)に記載された構成の教示に従った方法によって、5センチメートル(長さ)×5センチメートル(幅)×1ミリメートル(厚さ)のガラス基板上を製作し、ユウロピウムで活性化されたチオアルミン酸バリウム蛍光体膜を有する青色発光のエレクトロルミネセンス素子をその基板上に設けた。チオアルミン酸バリウムが米国特許出願第2006/0027788号(その開示はその全体が本明細書中に参考として組み込まれている)に教示されている面心斜方晶結晶構造を有するように、0.5マイクロメートルの厚さの蛍光体膜を加工した。いくつかの態様においては、蛍光体膜は、面心斜方晶結晶格子の新規結晶構造を有するBaAl蛍光体化合物、または、面心斜方晶結晶格子構造を有するBaAl蛍光体化合物から選択され得る。また、本発明は、BaAl4−x、BaAl7−x、BaAl4−xSeまたはBaAl7−xSeとして表される、結晶格子中に硫黄から酸素またはセレンへの部分的置換を有する蛍光体化合物を包含してもよい。この式では、硫黄から酸素への置換が第2の結晶相の析出を引き起こさないようにするために、xの値は十分に小さい。いくつかの態様においては、蛍光体化合物は、バリウムから蛍光体膜物質中の発光性中心として使用するユウロピウムなどの希土類元素(RE)への部分的置換を有するBa1−xREAlおよびBa1−xREAlとして表される場合があり、式中、xの値は、第2の結晶相の析出が起こらないように十分に小さい。また、蛍光体は、バリウムが、部分的に、元素周期表のIIA族元素から選ばれる元素Mに置換されていてもよい。Ba1−xAlおよびBa1−xAlとして表される関連物質を形成する場合に、式中、元素Mは、蛍光体膜の発光特徴を改変させるか、または蛍光体膜の蒸着および結晶化条件を改変させるために、元素周期表のIIA族またはIIB族から選択される元素である。なお、このxの値は、前記置換が第2の結晶相の析出を生じさせないように、十分に小さい値となっている。これらの元素でBaAl(II)およびBaAl(II)の結晶格子中のバリウムを部分的に置換することは、これらの相の格子定数をわずかにしか変更せず、回折角および回析ビームの相対的強度に小さなシフトをもたらし得る。
【0045】
光ルミネセンス層を第2のガラス片上に蒸着させ、光ルミネセンス層がエレクトロルミネセンス素子に面するように被覆したガラスをエレクトロルミネセンス素子上に置いた。2つのガラスの間に周辺シールを用いて完成した素子を密閉した。交流電源を用いて素子を駆動して、正弦波電圧波形をピクセルに送った。ピーク電圧振幅を10ボルトの増分ずつ270ボルトまで変動させた。電圧を240ボルトとして、周波数を60Hz(120回の光パルス/秒)と1.5kHz(3000回の光パルス/秒)との間で変動させた。図2は、200、220および240ボルトで測定した素子の光放射スペクトルを示す。グラフから、発光スペクトルの形状はほぼ一定に保たれたが、強度は約5の倍数で変動したことを見ることができる。図3は、これらの電圧での発光のCIE色座標を示す。座標は様々な色温度を有する白色発光器の曲線に沿った狭い範囲内にある。図4は駆動電圧の関数としての相対的輝度を示す。
【0046】
データは、電圧に伴った輝度の変動は青色発光器の輝度に従うことを示ており、輝度が電圧に伴ってほぼ直線状に変化する電圧範囲を提供することで、駆動パルス振幅の変動を介して高い度合の輝度制御を提供する。図5は駆動周波数に伴った輝度の変動を示し、ここでも、10進数で2の周波数の変動にわたって周波数に伴った輝度の一次従属性が示される。データを260ボルトおよび120Hzで1000カンデラ/平方メートルまでの同様の青色発光TDEL素子における輝度の絶対的測定値と組み合わせて、電圧および周波数の制御を組み合せて使用することで、260ボルトおよび1500Hzで1カンデラ未満/平方メートルから約10,000カンデラ/平方メートルの範囲の単一の素子からの輝度について非常に広いダイナミックレンジがもたらされることが示される。駆動パルス幅は約50マイクロ秒間だけしか必要としないため、同様の素子は、上限が10,000Hzの範囲で駆動できる可能性がある。1500Hzの周波数に対する輝度の一次従属性からのどのような逸脱のデータの兆しも存在しないため、より高い駆動周波数で50,000カンデラ/平方メートルと高い輝度を達成できる可能性がある。
【0047】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間的に広がった発光面から放射される光の光度が均一な発光素子であって、
厚膜複合誘電体層と、
青色発光蛍光体層と、
前記青色発光蛍光体層上に被覆された光ルミネセンス膜と、を含み、
前記光ルミネセンス膜は、青色光の一部分のみの透過を許可し、それをより長い波長の光へと変換して定義された色を有する光をもたらす
発光素子。
【請求項2】
光ルミネセンス膜が、エレクトロルミネセンス層以上の屈折率を有する、
請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記より長い波長の光が、白色光である、
請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記青色発光のエレクトロルミネセンス層が、ユウロピウムで活性化されたチオアルミン酸バリウムを含む、
請求項1、2または3に記載の発光素子。
【請求項5】
前記チオアルミン酸バリウムが、BaAl(II)である、
請求項4に記載の発光素子。
【請求項6】
前記光ルミネセンス膜が、ポリマー・マトリクス中に包埋した無機光ルミネセンス粒子を含む、
請求項1から5のいずれか一項に記載の発光素子。
【請求項7】
前記粒子が、約3μm〜約7μmの範囲の粒子径分布を有する、
請求項6に記載の発光素子。
【請求項8】
前記樹脂粒子が、前記マトリクスの約20重量%〜約40重量%の量で前記ポリマー・マトリクス中に存在する、
請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
光ルミネセンス膜が、ガーネット構造物質を含む、
請求項6に記載の発光素子。
【請求項10】
前記光ルミネセンス膜が、ガーネット構造物質を含む、
請求項7または8に記載の発光素子。
【請求項11】
前記ガーネット構造物質が、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)である、
請求項9または10に記載の発光素子。
【請求項12】
前記イットリウム・アルミニウム・ガーネットが、YAl12:Ceである、
請求項11に記載の発光素子。
【請求項13】
前記光ルミネセンス膜が、アルカリ土類アルミン酸塩、希土類アルミン酸塩、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類アルミノケイ酸塩、アルカリ土類リン酸塩、アルカリ土類窒化ケイ素、酸窒化ケイ素およびその組合せからなる群から選択される、セリウムまたはユウロピウムでドープした物質を含む、
請求項6から12のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項14】
前記樹脂が、エポキシおよびシリコンから選択される、
請求項6から13のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項15】
光ルミネセンス膜の厚さが、約0.5ミリメートル〜約1ミリメートルである、
請求項6から14のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項16】
空間的に広がった面が、平面状である、
請求項1から15のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項17】
空間的に広がった面が、曲面状である、
請求項1から15のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項18】
空間的に広がった面が、放射された光の強度を面上の領域中に集中させるための凹形状ある、
請求項1から15のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項19】
前記ディスプレイが、平面状または曲面状である基板をさらに含む、
請求項1から18のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項20】
前記厚膜誘電体複合構造が、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)およびマグネシウムチタン酸ジルコン酸鉛(PMN−PT)から選択される焼結ペロブスカイト圧電または強誘電物質の層、ならびにチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の適合性のある圧電または強誘電物質のより薄い平滑化オーバーレイ層を含む、
請求項1から19のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項21】
厚膜複合誘電体層、前記厚膜複合体上のチオアルミン酸バリウム(BaAl)蛍光体層、および前記蛍光体層上に被覆されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)を含む均一な発光素子であって、前記YAGが、青色光の一部分のみの透過を許可し、それをより長い波長の光へと変換して定義された色温度を有する白色光をもたらす発光素子。
【請求項22】
前記イットリウム・アルミニウム・ガーネットが、YAl12:Ceである、
請求項21に記載の発光素子。
【請求項23】
前記YAGの厚さが、約0.5ミリメートル〜約1ミリメートルである、
請求項21または22に記載の発光素子。
【請求項24】
前記YAGが、約3μm〜約7μmの範囲の粒子径分布を有する粒子として提供される、
請求項21、22または23に記載の発光素子。
【請求項25】
前記樹脂粒子が、前記マトリクスの約20重量%〜約40重量%の量で前記ポリマー・マトリクス中に存在する、
請求項24に記載の発光素子。
【請求項26】
前記放射された光が、電子情報ディスプレイ、センサおよび化学分析装置のバックライトから選択されるアプリケーションで使用される、
請求項1から25のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項27】
前記放射された光が、光源を要するアプリケーションおよび一般的な屋内または夜間屋外の照明で使用される、
請求項1から26のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項28】
厚膜複合誘電体層に青色発光蛍光体層を塗布することと、
前記青色発光蛍光体層を半透明光ルミネセンス膜で被覆することと、
前記光ルミネセンス膜が、青色光の一部分のみの透過を許可し、それをより長い波長の光へと変換して定義された色を有する光をもたらすように、電界を適用することと
を含む、均一白色光源の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−510708(P2012−510708A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538804(P2011−538804)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001745
【国際公開番号】WO2010/063106
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(508120846)アイファイアー・アイピー・コーポレーション (7)
【出願人】(504387997)三洋電機株式会社 (1)
【Fターム(参考)】