説明

基地局装置およびプログラム

【課題】登録端末(CSG端末)と通信する基地局(CSG基地局)のカバレッジエリア内に存在する未登録端末(非CSG端末)の受信品質低下を防止又は低減する。
【解決手段】登録端末のみと通信する基地局装置10は、未登録端末(非CSG端末30)が自局10のカバレッジエリア内に存在するか否かを判断する未登録端末存否判断部(非CSG端末検知部110)と、未登録端末存否判断部による判断結果に基づいて、自局10のアンテナ送信モードを決定するアンテナ送信モード決定部120と、未登録端末存否判断部による判断結果に基づいて、自局のスケジューラモードを決定するスケジューラモード決定部130と、未登録端末存否判断部による判断結果に基づいて、無線リソース割当情報を通知する物理制御チャネル(PDCCH)が使用するOFDMシンボル数を決定するOFDMシンボル数決定部140とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(3rd Generation Partnership Project)などの無線インターフェースの標準化団体では、W−CDMAなどの第3世代システムのさらなる周波数利用効率の改善を目指して、LTE(Long Term Evolution)に代表される、第3世代の後継システムの標準化が進んでいる。LTEにおけるダウンリンクの無線アクセス方式は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)である。OFDMAでは、システム帯域幅を複数のサブキャリア群に分割し、サブキャリア群ごとに異なる端末にデータチャネルを割り当てる。また、OFDMAでは、サブキャリア群の構成や割り当て端末を時間とともに変更する。従って、OFDMAシステムでは、周波数成分と時間成分からなる2次元的な無線リソースを用いて、柔軟に、物理チャネルを割り当てることができる(例えば、非特許文献1、2参照)。
【0003】
LTEのダウンリンクでは、チャネル品質推定のために、RS(Reference Signal)と称されるチャネル品質測定用信号が不可欠である。
また、LTEでは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)と称される無線リソース割当情報を通知する物理制御チャネルを用いて、時変するアップリンクとダウンリンクのデータチャネルの割当情報を端末に通知する。
また、LTEのダウンリンクでは、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)と称されるPDCCHのOFDMシンボル数情報(PDCCHが使用するOFDMシンボル数を示す情報)を通知する物理制御チャネルを用いて、PDCCHが使用するOFDMシンボル数を端末に通知する。なお、LTEの下りサブフレームは、14OFDMシンボル×帯域のサブキャリア数により構成され、PDCCHの割り当てに使用するPDCCH領域は、先頭OFDMシンボルから最大3OFDMシンボルである。
【0004】
図4を用いて、LTEのダウンリンクでのRS、PCFICH、PDCCHの無線リソースの配置に関して説明する。図4は、REとREGについて説明するための説明図である。
(REG(Resource Element Group)の定義)
1REG=1OFDMシンボル×4Subcarrierと定義されている。また、LTEでは、1OFDMシンボル×1SubcarrierをRE(Resource Element)と定義しているため、図4に示すように1REG=4REである。
【0005】
LTEのダウンリンクの制御チャネルはREG単位で無線リソースを占用する。以下、(x,y)を用いてREGを表記する。但し、xはthe lowest subcarrier(including reference signal) in the REG、yはthe OFDMシンボルIDである。
【0006】
(RSの無線リソースの配置)
LTEのダウンリンクでは、RSの無線リソースは、アンテナポート数に依存して決定される。具体的には、RSの無線リソースは、下記式(1)に従って決定される。なお、図4では、アンテナ本数=2、Cell ID=0の基地局におけるRS配置例を示している。
【0007】
【数1】

【0008】
【数2】

【0009】
図4、上記式(1)〜(3)に示すように、アンテナ2本の場合、RS配置は最大3パターンとなる。つまり、隣接基地局のRS配置と重なる可能性がある。
【0010】
(PCFICHの無線リソースの配置)
PCFICHの無線リソースは、OFDMシンボルID=0の4REGを利用し、下記式(4)に従って決定される。
【0011】
【数3】

【0012】
なお、マルチアンテナの場合、各アンテナポートの同じ無線リソースを利用して、PCFICHの送信diversityモードを利用してPCFICHを送信する。例えば、cell ID=0の場合、(0,0)(150,0)(300,0)(450,0)の4REGをPCFICHに割り当てる。cell ID=1の場合、(6,0)(156,0)(306,0)(456,0)の4REGをPCFICHに割り当てる。cell ID=25の場合、(150,0)(300,0)(450,0)(0,0)の4REGをPCFICHに割り当てる。
【0013】
(PDCCHの無線リソースの配置)
各端末のPDCCHについては、CCE(Control Channel Element)単位で、無線リソースを利用する。LTEのspecificationによれば、PDCCHには、1CCE、2CCE、4CCE又は8CCEの無線リソースを利用する。なお、CCEは9REGより構成される。
CCEを構成するREGとのマッピングは、(0,0)で表すREGよりスタートし、yをインクリメント⇒xをインクリメントの順に、他の物理制御チャネルに割り当てていないREGを順次選択してCCEを構成する。
【0014】
ところで、現在、大容量のトラヒックが集中して発生する屋内/屋外のローカルエリア(例えば、高層ビル、住宅の屋内、地下街)の無線品質改善および従来のマクロエリアのトラヒックを緩和するための技術が注目されている。即ち、マクロエリア内に、マクロエリアを形成する基地局(以下、「マクロ基地局」という)よりも送信電力が低いフェムト基地局(以下、フェムト基地局によって形成されるセルを「フェムトセル」という)を設置し、マクロエリアを補間する技術である。図5は、マクロセルとフェムトセルより構築されるヘテロジニアス無線アクセスネットワークの模式図である。
【0015】
フェムト基地局は、CSG(Closed Subscriber Group)フェムト基地局と、非CSGフェムト基地局とに分類することができる。CSGフェムト基地局は、自局に対して予め登録された登録済みの端末(以下、「CSG端末」又は「登録端末」という)のみによって使用され、自局に対して未登録の端末(以下、「非CSG端末」又は「未登録端末」という)には使用されないフェムト基地局である。即ち、CSGフェムト基地局は、CSG端末が自身のカバレッジエリア(フェムトセル)内に位置したときにはオープンし、非CSG端末が自身のカバレッジエリア内に位置したときにはオープンしない。一方、非CSGフェムト基地局は、オープンする端末を特に限定しないフェムト基地局である。なお、個宅に設置するフェムト基地局は、CSGフェムト基地局が適用される場合が多い。個宅のWiFiにおいては、通常、ユーザはセキュリティ設定し、他人の利用を制限するからである。以下に、CSGフェムト基地局をCSG基地局と呼ぶ。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】3GPP, TS 36.211 V9.1.0, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation (Release 9),” March 2010.
【非特許文献2】3GPP, TS 36.213 V9.1.0, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical layer procedures (Release 9),” March 2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、CSG基地局によってエリア展開する場合、あるCSG基地局のカバレッジエリア内に位置する当該CSG基地局に対し未登録である非CSG端末の物理制御チャネルの受信品質が、当該CSG基地局の強い干渉によって低下してしまうという問題がある。即ち、登録端末(CSG端末)と通信するために設置された小規模の基地局(CSG基地局)のカバレッジエリア内に、未登録端末(非CSG端末)が存在した場合、当該未登録端末の物理制御チャネルの受信品質が、当該小規模の基地局の強い干渉によって低下してしまうという問題がある。
【0018】
具体的には、RS、PCFICH、PDCCHに関し以下のような問題が生じる。
(RSの受信品質の受信品質の低下と影響)
あるCSG基地局にアクセスできない非CSG端末が当該CSG基地局に近づいてきた場合、当該CSG基地局からの強い干渉によって、当該非CSG端末において、マクロ基地局からのRSの受信ができなくなり、頻繁にradio link failureが発生する恐れがある。
(PCFICHの受信品質の低下と影響)
あるCSG基地局にアクセスできない非CSG端末が当該CSG基地局に近づいてきた場合、当該CSG基地局からの強い干渉によって、当該非CSG端末において、マクロ基地局からのPCFICHの受信ができなくなり、割当情報を復号できなくなる恐れがある。
(PDCCHの受信品質の低下と影響)
あるCSG基地局にアクセスできない非CSG端末が当該CSG基地局に近づいてきた場合、当該CSG基地局からの強い干渉によって、当該非CSG端末において、マクロ基地局からのPDCCHの受信ができなくなり、割当情報を復号できなくなる恐れがある。
【0019】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、登録端末(CSG端末)と通信するために設置された小規模の基地局(CSG基地局)のカバレッジエリア内に、未登録端末(非CSG端末)が存在した場合、当該未登録端末の物理制御チャネルの受信品質の低下を防止又は低減できる基地局装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記問題を解決するために、本発明の一態様である基地局装置は、予め登録された登録端末(CSG端末)のみと通信する基地局装置(CSG基地局装置)において、前記登録端末以外の端末である未登録端末(非CSG端末)が自局のカバレッジエリア内に存在するか否かを判断する未登録端末存否判断部と、前記未登録端末存否判断部による判断結果に基づいて、自局のアンテナ送信モードを決定するアンテナ送信モード決定部と、前記未登録端末存否判断部による判断結果に基づいて、自局のスケジューラモードを決定するスケジューラモード決定部と、前記未登録端末存否判断部による判断結果に基づいて、無線リソース割当情報を通知する物理制御チャネル(PDCCH)が使用するOFDMシンボル数を決定するOFDMシンボル数決定部とを備えることを特徴とする。
【0021】
上記基地局装置において、前記アンテナ送信モード決定部は、前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在しないと判断された場合、自局に装備されているアンテナ本数に応じて前記アンテナ送信モードを決定し、前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在すると判断された場合、当該未登録端末が通信する他の基地局(マクロ基地局)のアンテナ本数に係る情報の有無に応じて前記アンテナ送信モードを決定するようにしてもよい。
【0022】
上記基地局装置において、前記アンテナ送信モード決定部は、未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在すると判断された場合において、前記他の基地局の前記アンテナ本数に係る情報が無いときは、前記アンテナ送信モードをシングルアンテナ送信モードに決定し、前記他の基地局の前記アンテナ本数に係る情報が有るときは、前記他の基地局のアンテナ本数と自局のアンテナ本数との関係に基づいて、前記アンテナ送信モードを決定するようにしてもよい。
【0023】
上記基地局装置において、前記アンテナ送信モード決定部は、前記アンテナ送信モードをシングルアンテナ送信モードに決定するときは、シングルアンテナ送信モードにおいて利用するアンテナポートとして、自局にフィードバックされたWideband CQI(Wideband Channel quality)の平均値の良い方を選択するようにしてもよい。
【0024】
上記基地局装置において、前記スケジューラモード決定部は、前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在しないと判断された場合、前記スケジューラモードをダイナミックスケジューラモードに決定し、前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在すると判断された場合、前記スケジューラモードをセミパーシステントスケジューラモードに決定するようにしてもよい。
【0025】
上記基地局装置において、前記スケジューラモード決定部は、スケジューラモードがセミパーシステントスケジューラであるときに、定期的に、あるいは、イベントドリブン的に、スケジューラモードをセミパーシステントスケジューラモードからダイナミックスケジューラモードに切り替えるようにしてもよい。
【0026】
上記基地局装置において、前記OFDMシンボル数決定部は、前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在しないと判断された場合、前記OFDMシンボル数を0以外の値に決定し、前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在すると判断された場合、前記OFDMシンボル数を0に決定するようにしてもよい。
【0027】
上記基地局装置において、前記OFDMシンボル数決定部は、OFDMシンボル数が0であるときに、定期的に、あるいはイベントドリブン的にOFDMシンボル数を0から0以外の値に切り替えるようにしてもよい。
【0028】
上記問題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、予め登録された登録端末のみと通信する基地局装置のコンピュータに、前記登録端末以外の端末である未登録端末が自局のカバレッジエリア内に存在するか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップによる判断結果に基づいて、自局のアンテナ送信モードを決定するアンテナ送信モード決定ステップと、前記判断ステップによる判断結果に基づいて、自局のスケジューラモードを決定するスケジューラモード決定ステップと、前記判断ステップによる判断結果に基づいて、無線リソース割当情報を通知する物理制御チャネルが使用するOFDMシンボル数を決定するOFDMシンボル数決定ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、登録端末(CSG端末)と通信するために設置された小規模の基地局(CSG基地局)のカバレッジエリア内に、未登録端末(非CSG端末)が存在した場合、未登録端末(非CSG端末)の物理制御チャネルの受信品質の低下を防止又は低減することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態によるCSG基地局装置10の機能ブロック図である。
【図2】CSG基地局装置10と非CSG端末30との位置関係を説明するための説明図である。
【図3】CSG基地局装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】REとREGについて説明するための説明図である。
【図5】マクロセルとフェムトセルについて説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態によるCSG基地局装置10の機能ブロックである。図2は、CSG基地局装置10と非CSG端末30との位置関係を説明するための説明図である。なお、図2に示すように、CSG基地局装置10はCSG基地局に実際に設置する装置であるため、以下の説明では、CSG基地局についてもCSG基地局10と表記する。同様に、マクロ基地局装置20はマクロ基地局に実際に設置される装置であるため、以下の説明では、マクロ基地局についてもマクロ基地局20と表記する。
【0032】
CSG基地局装置10は、図1に示すように、非CSG端末検知部110(未登録端末存否判断部に相当)、アンテナ送信モード決定部120、スケジューラモード決定部130、OFDMシンボル数決定部140、RS生成部150、ダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部160、ダウンリンク制御チャネルの無線リソース割当部162、PDCCH生成部164、データチャネル生成部166およびPCFICH生成部170を備える。
【0033】
まず、後段の処理である、RS生成部150、ダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部160、ダウンリンク制御チャネルの無線リソース割当部162、PDCCH生成部164、データチャネル生成部166およびPCFICH生成部170について簡単に説明する。
【0034】
RS生成部150は、アンテナ送信モード決定部120から通知されたアンテナ通信モード(後述)に基づいて、アンテナポートのRS信号(チャネル品質測定用信号)を生成し、所定の無線リソース(図4を参照)に配置する。
【0035】
ダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部160は、アンテナ送信モード決定部120から通知されたアンテナ通信モード(後述)、および、スケジューラモード決定部130から通知されたスケジューラモード(後述)に基づいて、データチャネル(PDSCH/PUSCH)への無線リソースの割り当てを決定する。
ダウンリンク制御チャネルの無線リソース割当部162は、アンテナ送信モード決定部120から通知されたアンテナ通信モード、および、データチャネル(PDSCH/PUSCH)の割当結果に基づいて、PDCCHへの無線リソースの割り当てを決定する。
PDCCH生成部164は、PDCCHの割当結果に基づいて、PDCCHを生成し、所定の無線リソースに配置する。
データチャネル生成部166は、データチャネル(PDSCH)の割当結果、および、PDCCHの割当結果に基づいて、データチャネル(PDSCH)を生成し、所定の無線リソースに配置する。
【0036】
PCFICH生成部170は、OFDMシンボル数決定部140から通知されたOFDMシンボル数に基づいて、PCFICHを生成し、所定の無線リソースに配置する。
【0037】
続いて、前段の処理である、非CSG端末検知部110、アンテナ送信モード決定部120、スケジューラモード決定部130およびOFDMシンボル数決定部140について説明する。
【0038】
非CSG端末検知部110は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在するか否かを検知する。即ち、非CSG端末検知部110は、自局10のカバレッジエリア内に位置していなかった非CSG端末30が自局10のカバレッジエリア内に位置するようになった旨、自局10のカバレッジエリア内に位置していた非CSG端末30がまだ自局10のカバレッジエリア内に位置している旨、および、自局10のカバレッジエリア内に位置していた非CSG端末30が自局10のカバレッジエリア内に位置しないようになった旨を検知する。非CSG端末検知部110は、上述の非CSG端末30の検知結果をアンテナ送信モード決定部120、スケジューラモード決定部130およびOFDMシンボル数決定部140に通知する。
【0039】
なお、非CSG端末検知部110による上述の検知には種々の手法を用いることができる。例えば、非CSG端末検知部110は、マクロ基地局20から送信される、非CSG端末30のハンドオーバー(Handover)要求を監視し、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在するか否かを検知する。具体的には、図2に示すように、非CSG端末30が、マクロ基地局20のカバレッジエリア(マクロセルA)内において、CSG基地局10のカバレッジエリア(フェムトセルB)に移動した場合(図2参照)、マクロ基地局20は、CSG基地局10に対しハンドオーバー要求を送信する。従って、非CSG端末検知部110は、閾値以上の非CSG端末30のハンドオーバー要求を、一定期間、マクロ基地局20から受信した場合に、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末が存在する旨を検知する。また、非CSG端末30が、自局10のカバレッジエリアから離れていく場合、マクロ基地局20から送信されるハンドオーバー要求がなくなる。従って、非CSG端末検知部110は、マクロ基地局20から送信されていた非CSG端末30のハンドオーバー要求を、一定期間、受信しなくなった場合に、自局10のカバレッジエリア内から非CSG端末が存在しなくなった旨を検知する。
【0040】
アンテナ送信モード決定部120は、非CSG端末30の検知結果を非CSG端末検知部110から取得する。アンテナ送信モード決定部120は、非CSG端末30の検知結果を取得した場合、当該検知結果に基づいて、自局10のアンテナ送信モードを決定する(詳細は後述)。アンテナ送信モード決定部120は、決定したアンテナ送信モードをRS生成部150、ダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部160、ダウンリンク制御チャネルの無線リソース割当部162およびPCFICH生成部170に通知する。
【0041】
以下、アンテナ送信モードの決定方法について説明する。
(1.非CSG端末30が自局10のカバレッジエリア内に存在しない場合)
アンテナ送信モード決定部120は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在しない旨の検知結果を取得した場合、自局10に装備されているアンテナ本数に応じてアンテナ送信モードを決定する。例えば、アンテナ送信モード決定部120は、自局10に装備されているアンテナ本数が2本である場合、2本のアンテナを利用するマルチアンテナ送信モードを決定する。なお、当該場合、RS生成部150は、アンテナポート0と1のチャネル品質測定用信号(RS信号)を生成し、所定の無線リソース(図4を参照)に配置する。PCFICH、PDCCHも2アンテナポートに配置する。なお、PDSCH割当はマルチアンテナ送信モードで行う。
【0042】
(2.非CSG端末30が自局10のカバレッジエリア内に存在する場合)
アンテナ送信モード決定部120は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在する旨の検知結果を取得した場合、以下に示すように、マクロ基地局20のアンテナ本数に係る情報の有無に応じて、自局10のアンテナ送信モードを決定する。
【0043】
(2−1.マクロ基地局20のアンテナ本数に係る情報が無い場合)
アンテナ送信モード決定部120は、自局10に装備されているアンテナ本数にかかわらず、自局10のアンテナ送信モードをシングルアンテナ送信モードとする。また、アンテナ送信モード決定部120は、シングルアンテナ送信モードにおいて利用するアンテナポートとして、自局10にフィードバックされたWideband CQI(Wideband Channel quality)の平均値の良い方を決定(選択)する。従って、自局10にアンテナ2本が装備されている場合、RS生成部150は、アンテナポート0(あるいは1)の信号のみを生成し、所定の無線リソース(図4を参照)に配置する。また、PCFICH、PDCCHをアンテナポート0(あるいは1)のみに配置する。なお、PDSCH割当はシングルアンテナ送信モードで行う。
【0044】
(2−2.マクロ基地局20のアンテナ本数に係る情報が有る場合)
アンテナ送信モード決定部120は、以下の条件に基づいて、自局10のアンテナ送信モードを決定する。具体的には、アンテナ送信モード決定部120は、マクロ基地局20に装備されているアンテナ本数と自局10のアンテナ本数との関係に基づいて、自局10のアンテナ送信モードを決定する。より詳細には、アンテナ送信モード決定部120は、マクロ基地局20に装備されているアンテナ本数−N、および、自局10に装備されているアンテナ本数に基づいて、自局10のアンテナ送信モードを決定する。なお、Nは入力パラメータとして予め指定した値である。
【0045】
(2−2−1.マクロ基地局20のアンテナ本数−N>自局10に装備されているアンテナ本数)
アンテナ送信モード決定部120は、自局10に装備されているアンテナ本数に基づいて、自局10のアンテナ送信モードを決定する。具体的には、アンテナ送信モード決定部120は、自局10に装備されているアンテナ本数=1であるときは、自局10のアンテナ送信モードをシングルアンテナ送信モードとし、自局10に装備されているアンテナ本数>1であるときは、自局10のアンテナ送信モードを、マルチアンテナ送信モード(送信アンテナ本数=自局10に装備されているアンテナ本数)とする。
(2−2−2.マクロ基地局20のアンテナ本数−N≦自局10に装備されているアンテナ本数)
アンテナ送信モード決定部120は、マクロ基地局20のアンテナ本数−Nに従って、自局10のアンテナ送信モードを、マルチアンテナ送信モードに決定する。
(2−2−3.マクロ基地局20のアンテナ本数−N≦1)
アンテナ送信モード決定部120は、自局10のアンテナ送信モードをシングルアンテナ送信モードとする。
【0046】
以上のように、CSG基地局10は、マクロ基地局20の送信アンテナ本数より少ないアンテナを用いて送信するようにしているため、自局10のフェムトセル内に存在する非CSG端末30において、マクロ基地局20から受信するダウンリンク物理制御チャネルに対する自局10による干渉を低減等させることができるようになる。
【0047】
例えば、自局10のRS配置とマクロ基地局20のRS配置とが重なるような場合であっても、自局10のカバレッジエリア内の非CSG端末30における、マクロ基地局20のアンテナポート1(あるいはアンテナポート0)のRS信号受信に対する、自局10からの干渉がなくなるため、“Radio link failure”が発生しなくなる。
【0048】
また例えば、自局10のRS配置とマクロ基地局20のPCFICH/PDCCH配置とが重なるような場合であっても、自局10のカバレッジエリア内の非CSG端末30における、マクロ基地局20のアンテナポート1(あるいはアンテナポート0)のPCFICH、PDCCHの受信に対する、自局10からの干渉が低減する。
【0049】
スケジューラモード決定部130は、非CSG端末30の検知結果を非CSG端末検知部110から取得する。スケジューラモード決定部130は、非CSG端末30の検知結果を取得した場合、当該検知結果に基づいて、自局10のスケジューラモードを決定する(詳細は後述)。スケジューラモード決定部130は、決定したスケジューラモードをダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部160に通知する。
【0050】
以下、スケジューラモードの決定方法について説明する。
(1.非CSG端末30が自局10のカバレッジエリア内に存在しない場合)
スケジューラモード決定部130は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在しない旨の検知結果を取得した場合、自局10のスケジューラモードをダイナミックスケジューラ(モード)とする。なお、ダイナミックスケジューラの場合、自局10のダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部160は、各CSG端末からフィードバックされたCQI情報に基づいて、サブフレーム毎に、各CSG端末のPDSCH/PUSCHに対し無線リソースを割り当てる。
(2.非CSG端末30が自局10のカバレッジエリア内に存在する場合)
スケジューラモード決定部130は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在する旨の検知結果を取得した場合、自局10のスケジューラモードをセミパーシステントスケジューラ(モード)とする。なお、セミパーシステントスケジューラの場合、ダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部160における無線リソースの割り当ては準静(静的)であるため、サブフレームごとにPDSCH/PUSCHを割り当てた無線リソースを各CSG端末に通知するためのPDCCHは不要となる。
【0051】
以上のように、CSG基地局10は自フェムトセル内に非CSG端末30が存在する場合には、セミパーシステントスケジューラを利用するようにしているため、自フェムトセル内に存在する非CSG端末30において、マクロ基地局20から受信するダウンリンク物理制御チャネルに対する、自局10による干渉を低減等させることができるようになる。
【0052】
例えば、自局10のPDCCH配置とマクロ基地局20のRS配置とが重なるような場合であっても、セミパーシステントスケジューラでは実際には自局10からPDCCHを送信しないため、自局10のカバレッジエリア内の非CSG端末30における、マクロ基地局20からのRS信号受信に対する、自局10による干渉がなく、“Radio link failure”の発生を回避することができる。
【0053】
また例えば、自局10のRS配置とマクロ基地局20のPCFICH/PDCCH配置とが重なるような場合であっても、セミパーシステントスケジューラでは自局10からPDCCHを送信しないため、自局10のカバレッジエリア内の非CSG端末30における、マクロ基地局20からのPCFICH/PDCCH信号受信に対する、自局10による干渉が低減する。
【0054】
なお、スケジューラモード決定部130は、スケジューラモードがセミパーシステントスケジューラであるときに、無線リソース割当を見直すために、定期的に、あるいはイベントドリブン的に、スケジューラモードをセミパーシステントスケジューラからダイナミックスケジューラに切り替えてもよい。具体的には、スケジューラモード決定部130は、スケジューラモードをセミパーシステントスケジューラに切り替えた時に、タイマにより所定の時間を計時し、所定の時間が経過する都度、スケジューラモードをセミパーシステントスケジューラからダイナミックスケジューラに切り替える。あるいは、自局10に新たにRRC_ConnectedとなったCSG端末が存在する場合、スケジューラモードをセミパーシステントスケジューラからダイナミックスケジューラに切り替える。ダイナミックスケジューラに切り替わったため、ダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部160は、無線リソースを割り当てる。その後、スケジューラモード決定部130は、非CSG端末30が自局10のカバレッジエリア内に存在する場合に、スケジューラモードをダイナミックスケジューラからセミパーシステントスケジューラに切り替える。例えば、タイマに設定された時間が10秒である場合、スケジューラモード決定部130は、非CSG端末30を検知したときに、スケジューラモードをセミパーシステントとし、10秒後にセミパーシステントからダイナミックスケジューラに切り替える。ダイナミックスケジューラに切り替わったため、ダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部160は、無線リソースを割り当てる。その後、スケジューラモード決定部130は、非CSG端末30が未だ存在する場合には、ダイナミックスケジューラからセミパーシステントスケジューラに切り替える。
【0055】
以上のように、定期的に、あるいはイベントドリブン的に、スケジューラモードを切り替えて、無線リソースの割当を見直すことができ、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が長い時間存在する場合であっても、定期的に無線リソースの割当を見直すことができる。
【0056】
OFDMシンボル数決定部140は、非CSG端末30の検知結果を非CSG端末検知部110から取得する。OFDMシンボル数決定部140は、非CSG端末30の検知結果を取得した場合、当該検知結果に基づいて、自局10においてPDCCHに使用するOFDMシンボル数を決定する(詳細は後述)。OFDMシンボル数決定部140は、決定したOFDMシンボル数をPCFICH生成部170に通知する。
【0057】
以下、PDCCHに使用するOFDMシンボル数の決定方法について説明する。
(1.非CSG端末30が自局10のカバレッジエリア内に存在しない場合)
OFDMシンボル数決定部140は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在しない旨の検知結果を取得した場合、自局10のPDCCHのOFDMシンボル数を0以外の値とする。なお、上述の如く、PDCCHのOFDMシンボル数が0以外の値の場合、PCFICH生成部170は、PCFICHを送信する必要がある。
(2.非CSG端末30が自局10のカバレッジエリア内に存在する場合)
OFDMシンボル数決定部140は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在する旨の検知結果を取得した場合、自局10のPDCCHのOFDMシンボル数を0とする。なお、PDCCHのOFDMシンボル数が0の場合(なお、セミパーシステントスケジューラではPDCCHは不要となるためOFDMシンボル数は0となる)、PCFICH生成部170は、PCFICHを送信する必要がない。
【0058】
以上のように、CSG基地局10は自フェムトセル内に非CSG端末30が存在する場合には、PDCCHのOFDMシンボル数を0にしているため、自フェムトセル内に存在する非CSG端末30において、マクロ基地局20から受信するダウンリンク物理制御チャネルに対する、自局10による干渉を低減等させることができるようになる。
【0059】
例えば、自局10のPCFICH配置とマクロ基地局20のRS配置とが重なるような場合であっても、OFDMシンボル数を0としたため、実際には自局10からPCFICHを送信しないため、自局10のカバレッジエリア内の非CSG端末30における、マクロ基地局20からのRS信号受信に対する、自局10による干渉がなく、“Radio link failure”の発生を回避することができる。
【0060】
また例えば、自局10のPCFICH配置とマクロ基地局のPCFICH/PDCCH配置が重なるような場合であっても、OFDMシンボル数を0としたため、実際には自局10からPCFICHを送信しないため、自局10のカバレッジエリア内の非CSG端末30における、マクロ基地局20からのPCFICH/PDCCH信号受信に対する、自局10による干渉がなくなる。
【0061】
なお、OFDMシンボル数決定部140は、OFDMシンボル数が0であるときに、無線リソース割当を見直すために、定期的に、あるいは、イベントドリブン的に、OFDMシンボル数を0から0以外の値に切り替えてもよい。具体的には、OFDMシンボル数決定部140は、PDCCHのOFDMシンボル数を0にした時に、タイマにより所定の時間を計時し、所定の時間が経過する都度、OFDMシンボル数を0から0以外の値に切り替える。あるいは、自局10に新たにRRC_ConnectedとなったCSG端末が存在する場合、OFDMシンボル数を0から0以外の値に切り替える。OFDMシンボル数が0以外の値に切り替わったため、ダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部160が無線リソースの割当をした後に(ダイナミックスケジューラ)、PCFICH生成部170はPCFICHを送信することができるようになる。その後、OFDMシンボル数決定部140は、非CSG端末30が自局10のカバレッジエリア内に存在する場合に、OFDMシンボル数を0以外の値から0に切り替える。例えば、タイマに設定された時間が10秒である場合、OFDMシンボル数決定部140は、非CSG端末30を検知したときに、OFDMシンボル数を0とし、10秒後に0から0以外の値に切り替える。OFDMシンボル数が0以外の値に切り替わったため、PCFICH生成部170はPCFICHを送信することができるようになる。その後、OFDMシンボル数決定部140は、非CSG端末30が未だ存在する場合には、OFDMシンボル数を0以外の値から0に切り替える。
【0062】
以上のように、定期的に、あるいは、イベントドリブン的に、OFDMシンボル数を0から0以外の値に切り替えるようにすれば、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が長い時間存在する場合であっても、無線リソースの割当を見直して、PCFICHを送信することができるようになる。なお、ダイナミックスケジューラに切り替えて無線リソースの割当を見直したことによって、PDCCHを送信する必要が生じ、その結果、PCFICHを送信する必要が生じるため、PDCCHのOFDMシンボル数を切り替えるタイミングとスケジューラモードを切り替えるタイミングとは同期する。つまり、PDCCHのOFDMシンボル数を切り替えるときのタイマは、スケジューラモードを切り替えるときのタイマと同一である。
【0063】
以下、CSG基地局装置10の動作を説明する。図3は、CSG基地局装置10の動作の一例を示すフローチャートである。但し、図3に示すフローチャートは、非CSG端末検知部110、アンテナ送信モード決定部120、スケジューラモード決定部130およびOFDMシンボル数決定部140による処理について説明している。また、図3(b)に示すフローチャートは、図3(a)のステップS50の処理の詳細である。
【0064】
図3(a)において、非CSG端末検知部110は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在するか否かを判断する(ステップS10)。非CSG端末検知部110は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在しないと判断した場合(ステップS10:No)、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在しない旨の判断結果(検知結果)をアンテナ送信モード決定部120、スケジューラモード決定部130およびOFDMシンボル数決定部140に通知する。一方、非CSG端末検知部110は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在すると判断した場合(ステップS10:Yes)、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在する旨の判断結果(検知結果)をアンテナ送信モード決定部120、スケジューラモード決定部130およびOFDMシンボル数決定部140に通知する。
【0065】
アンテナ送信モード決定部120は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在しない旨の判断結果を取得した場合(ステップS10:No)、自局10に装備されているアンテナ本数に応じてアンテナ送信モードを決定する(ステップS20)。一方、アンテナ送信モード決定部120は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在する旨の判断結果を取得した場合(ステップS10:Yes)、マクロ基地局20のアンテナ本数に係る情報の有無に基づいて、自局10のアンテナ送信モードを決定する(ステップS22)。
【0066】
スケジューラモード決定部130は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在しない旨の判断結果を取得した場合(ステップS10:No)、ステップS20に続いて、自局10のスケジューラモードをダイナミックスケジューラに決定する(ステップS30)。一方、スケジューラモード決定部130は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在する旨の判断結果を取得した場合(ステップS10:Yes)、ステップS22に続いて、自局10のスケジューラモードをセミパーシステントスケジューラに決定する(ステップS32)。
【0067】
OFDMシンボル数決定部140は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在しない旨の判断結果を取得した場合(ステップS10:No)、ステップS30に続いて、自局10のPDCCHのOFDMシンボル数を0以外の値に決定する(ステップS40)。一方、OFDMシンボル数決定部140は、自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在する旨の判断結果を取得した場合(ステップS10:Yes)、ステップS32に続いて、自局10のPDCCHのOFDMシンボル数を0に決定する(ステップS42)。
【0068】
ステップS40またはステップS42に続いて、スケジューラモード決定部130/OFDMシンボル数決定部140は、タイマ処理(図3(b))を実行し、図3(a)のフローチャートは終了する。
【0069】
図3(b)において、スケジューラモード決定部130は、現在のスケジューラモードはセミパーシステントスケジューラであるか否かを判断する(ステップS52)。スケジューラモード決定部130が、現在のスケジューラモードはセミパーシステントスケジューラでないと判断した場合(ステップS52:No)、図3(b)のフローチャートは終了し、図3(a)に戻って図3(a)のフローチャートも終了する。
【0070】
スケジューラモード決定部130が、現在のスケジューラモードはセミパーシステントスケジューラであると判断した場合(ステップS52:Yes)、セミパーシステントスケジューラとしてから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS54)。スケジューラモード決定部130が、セミパーシステントスケジューラとしてから所定の時間が経過していないと判断した場合(ステップS54:No)、図3(b)のフローチャートは終了し、図3(a)に戻って図3(a)のフローチャートも終了する。
【0071】
スケジューラモード決定部130が、セミパーシステントスケジューラとしてから所定の時間が経過したと判断した場合(ステップS54:Yes)、自局10のスケジューラモードをダイナミックスケジューラに決定する(ステップS130)。即ち、スケジューラモード決定部130は、スケジューラモードをセミパーシステントスケジューラからダイナミックスケジューラに切り替える。次いで、OFDMシンボル数決定部140は、自局10のPDCCHのOFDMシンボル数を0以外の値に決定する(ステップS140)。即ち、OFDMシンボル数決定部140は、OFDMシンボル数を0から0以外の値に切り替える。
【0072】
ステップS140に続いて、スケジューラモード決定部130は、自局10のスケジューラモードをセミパーシステントスケジューラに決定する(ステップS232)。即ち、スケジューラモード決定部130は、スケジューラモードをダイナミックスケジューラからセミパーシステントスケジューラに切り替える。次いで、OFDMシンボル数決定部140は、自局10のPDCCHのOFDMシンボル数を0に決定する(ステップS242)。即ち、OFDMシンボル数決定部140は、OFDMシンボル数を0以外の値から0に切り替える。そして、図3(b)のフローチャートは終了し、図3(a)に戻って図3(a)のフローチャートも終了する。
【0073】
なお、図3(b)に示すフローチャートのステップS140とステップS232との間に、非CSG端末検知部110による上述の判断処理(自局10のカバレッジエリア内に非CSG端末30が存在するか否かの判断処理)を実行してもよい。即ち、スケジューラモード決定部130は、非CSG端末30が存在する旨の判断結果を取得した場合に、スケジューラモードをダイナミックスケジューラからセミパーシステントスケジューラに切り替え、非CSG端末30が存在しない旨の判断結果を取得した場合には、スケジューラモードをダイナミックスケジューラのままとしてもよい。同様に、OFDMシンボル数決定部140は、非CSG端末30が存在する旨の判断結果を取得した場合に、OFDMシンボル数を0以外の値から0に切り替え、非CSG端末30が存在しない旨の判断結果を取得した場合には、OFDMシンボル数を0以外の値のままとしてもよい。
【0074】
また、図3(a)に示すフローチャートにおいてステップS50(図3(b))は、省略してもよい。
【0075】
以上、本発明の一実施形態によるCSG基地局装置10によれば、自局10と通信できない端末(非CSG端末)が、自局10のカバレッジエリア内に存在したときに、当該端末の物理制御チャネル(RS、PCFICH、PDCCH)の受信品質の低下を防止又は低減することができるようになる。
【0076】
なお、上記一実施形態においては、CSG基地局装置10は、図1に示すように、非CSG端末検知部110、アンテナ送信モード決定部120、スケジューラモード決定部130、OFDMシンボル数決定部140、RS生成部150、ダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部160、ダウンリンク制御チャネルの無線リソース割当部162、PDCCH生成部164、データチャネル生成部166およびPCFICH生成部170を備える態様を説明したが、CSG基地局装置10は、非CSG端末検知部110、アンテナ送信モード決定部120、スケジューラモード決定部130およびOFDMシンボル数決定部140のみを備えるようにしてもよい。
【0077】
なお、本発明の一実施形態によるCSG基地局装置10の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本発明の一実施形態によるCSG基地局装置10の各処理に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0078】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0079】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0080】
10 CSG基地局(CSG基地局装置)
20 マクロ基地局(マクロ基地局装置)
30 非CSG端末
110 非CSG端末検知部(未登録端末存否判断部)
120 アンテナ送信モード決定部
130 スケジューラモード決定部
140 OFDMシンボル数決定部
150 RS生成部
160 ダウンリンク/アップリンクデータチャネルの無線リソース割当部
162 ダウンリンク制御チャネルの無線リソース割当部
164 PDCCH生成部
166 データチャネル生成部
170 PCFICH生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録された登録端末のみと通信する基地局装置において、
前記登録端末以外の端末である未登録端末が自局のカバレッジエリア内に存在するか否かを判断する未登録端末存否判断部と、
前記未登録端末存否判断部による判断結果に基づいて、自局のアンテナ送信モードを決定するアンテナ送信モード決定部と、
前記未登録端末存否判断部による判断結果に基づいて、自局のスケジューラモードを決定するスケジューラモード決定部と、
前記未登録端末存否判断部による判断結果に基づいて、無線リソース割当情報を通知する物理制御チャネルが使用するOFDMシンボル数を決定するOFDMシンボル数決定部と
を備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記アンテナ送信モード決定部は、
前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在しないと判断された場合、自局に装備されているアンテナ本数に応じて前記アンテナ送信モードを決定し、
前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在すると判断された場合、当該未登録端末が通信する他の基地局のアンテナ本数に係る情報の有無に応じて前記アンテナ送信モードを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記アンテナ送信モード決定部は、
未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在すると判断された場合において、前記他の基地局の前記アンテナ本数に係る情報が無いときは、前記アンテナ送信モードをシングルアンテナ送信モードに決定し、前記他の基地局の前記アンテナ本数に係る情報が有るときは、前記他の基地局のアンテナ本数と自局のアンテナ本数との関係に基づいて、前記アンテナ送信モードを決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記アンテナ送信モード決定部は、
前記アンテナ送信モードをシングルアンテナ送信モードに決定するときは、シングルアンテナ送信モードにおいて利用するアンテナポートとして、自局にフィードバックされたWideband CQI(Wideband Channel quality)の平均値の良い方を選択する
ことを特徴とする請求項3に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記スケジューラモード決定部は、
前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在しないと判断された場合、前記スケジューラモードをダイナミックスケジューラモードに決定し、
前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在すると判断された場合、前記スケジューラモードをセミパーシステントスケジューラモードに決定する
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記スケジューラモード決定部は、
スケジューラモードがセミパーシステントスケジューラであるときに、定期的に、あるいは、イベントドリブン的に、スケジューラモードをセミパーシステントスケジューラモードからダイナミックスケジューラモードに切り替える
ことを特徴とする請求項5に記載の基地局装置。
【請求項7】
前記OFDMシンボル数決定部は、
前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在しないと判断された場合、前記OFDMシンボル数を0以外の値に決定し、
前記未登録端末存否判断部によって自局のカバレッジエリア内に未登録端末が存在すると判断された場合、前記OFDMシンボル数を0に決定する
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の基地局装置。
【請求項8】
前記OFDMシンボル数決定部は、
OFDMシンボル数が0であるときに、定期的に、あるいは、イベントドリブン的に、OFDMシンボル数を0から0以外の値に切り替える
ことを特徴とする請求項7に記載の基地局装置。
【請求項9】
予め登録された登録端末のみと通信する基地局装置のコンピュータに、
前記登録端末以外の端末である未登録端末が自局のカバレッジエリア内に存在するか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによる判断結果に基づいて、自局のアンテナ送信モードを決定するアンテナ送信モード決定ステップと、
前記判断ステップによる判断結果に基づいて、自局のスケジューラモードを決定するスケジューラモード決定ステップと、
前記判断ステップによる判断結果に基づいて、無線リソース割当情報を通知する物理制御チャネルが使用するOFDMシンボル数を決定するOFDMシンボル数決定ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−74820(P2012−74820A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216758(P2010−216758)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】