説明

基板の処理装置

【課題】流体ナイフのスリット部の清掃を、均一な深さで容易に行うことが可能な基板の処理装置を提供すること。
【解決手段】処理槽3内を搬送装置4により搬送される基板100の表面に流体を噴射して処理を行う処理装置1であって、処理槽3内を搬送させる基板100の表面に対向して配置され、基板100の上面又は下面の少なくとも一方に流体を噴射するスリット部41を有する流体ナイフ5は、流体ナイフ5の長手方向に沿って延設された案内レール36と、流体ナイフ5のスリット部41にその先端が挿入可能に形成された清掃体47を有し、案内レール44に沿って移動可能に形成された清掃部材と37とを備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は流体ナイフから噴射される流体によって基板上を処理する基板の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、液晶表示装置や半導体装置の製造工程においては、これら装置の処理対象物であるガラス基板や半導体ウエハ等の基板にレジストを塗布し、この基板を現像処理してからエッチング処理することで、表面に回路パターンを精密に形成する。基板に回路パターンを形成したならば、その基板の表面に付着しているレジスト膜やレジスト残渣などの有機物を洗浄液によって除去する洗浄処理及び洗浄した基板を乾燥させる乾燥処理が行われる。
【0003】
なお、これら洗浄処理及び乾燥処理においては、基板の処理装置の処理槽内に設けられた流体ナイフにより基板の洗浄処理が行われる。具体的には、洗浄処理において、薬液や洗浄液等の液体と気体とを混合させ噴出させる流体ナイフにより、基板の表面を予め均一に濡らす。その後、シャワー等により基板を洗浄する。
【0004】
このように、基板洗浄の前に基板上を均一に濡らすことで、高い洗浄効果を得る技術が知られている。
【0005】
また、洗浄処理された基板に洗浄液が残留するとウォータマーク等の汚れの原因になる。そこで、洗浄液によって洗浄された基板の上下面に気体を噴射する流体ナイフ(エアーナイフ)から気体を噴射し、基板に付着残留した洗浄液を除去する乾燥処理が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
上記乾燥処理は、基板を処理装置の処理槽内へ水平搬送し、この基板の上下面に上下一対の流体ナイフによって気体を噴射し、その気体によって基板に付着した洗浄液を除去する。
【0007】
これら基板の処理を行う流体ナイフは、処理槽内に延設され、その長手方向に沿って設けられたスリット部から、液体や気体等の流体を噴射する構成である。このような流体ナイフは、噴射する薬液の析出や、除去により洗浄液が飛散することで、スリット部に薬液や洗浄液等からなる不純物が付着することがある。
【0008】
この不純物が付着した流体ナイフでは、処理時において、噴射する流体に不純物が混在する恐れがあり、基板を汚染する虞がある。このため、流体ナイフのスリット部を定期的に清掃冶具により清掃することが行われている。
【0009】
具体的には、清掃作業者が、薄板状の清掃冶具をスリット部に挿入し、スリット部の長手方向に沿って、挿入状態を維持して移動させることで、スリット部に付着した不純物を除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−211473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した基板の処理装置では、以下の問題があった。即ち、基板の処理装置は、処理槽内に、流体ナイフを有し、さらに、流体ナイフの周囲に基板の搬送ローラや基板の処理に用いられる他の構成要素が配置されている。
【0012】
このため、流体ナイフの周囲の各構成要素により、流体ナイフの清掃を行う作業スペースが限られている。また、搬送ローラ上を搬送する基板の上面を処理する流体ナイフは、処理する基板が大きくなると、それに伴って流体ナイフの長さも長くなる。
【0013】
しかし、流体ナイフが長くなると、作業スペースがさらに限られることから、さらに作業性が悪くなるという問題がある。また、清掃作業者の作業体勢(姿勢)も不安定となる。さらには、流体ナイフの清掃は、清掃作業者が、薄板状の清掃冶具をスリット部に挿入してスリット部の長手方向に沿って清掃冶具を移動させるため、清掃作業者の姿勢等により、清掃冶具の挿入深さ等が異なり、均一な深さでスリット部を清掃することが困難である。このため、部分的に不純物が残存する虞もある。
【0014】
そこで本発明は、流体を噴射するスリット部の清掃が均一な深さ、且つ、容易に行うことが可能な流体ナイフを有する基板の処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決し目的を達成するために、次のように構成された基板の処理装置が提供される。
【0016】
本発明の一態様として、処理槽内を搬送装置により搬送される基板の表面に流体を噴射して処理を行う処理装置であって、前記処理槽内を搬送させる前記基板の表面に対向して配置され、前記基板の上面又は下面の少なくとも一方に前記流体を噴射するスリット部を有する流体ナイフと、前記スリット部の長手方向に沿って延設された案内レールと、前記流体ナイフのスリット部にその先端が挿入可能に形成された清掃体を有し、前記案内レールに沿って移動可能に形成された清掃部材と、を備えることを特徴とする基板の処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、流体ナイフの流体を噴射するスリット部の清掃を、均一な深さで容易に行うことが可能な基板の処理装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る基板の処理装置の構成を示す説明図。
【図2】同処理装置に用いられる流体ナイフの構成を一部省略して示す正面図。
【図3】同流体ナイフの要部構成を模式的に示す側面図。
【図4】同流体ナイフの要部構成を模式的に示す側面図。
【図5】本発明の変形例に係る基板処理装置に用いられる流体ナイフの要部構成を模式的に示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態に係る基板100の処理装置1を、図1乃至図4を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板100の処理装置1の構成を上方から模式的に示す説明図、図2は、処理装置1の流体ナイフ5の構成を一部省略して模式的に示す正面図、図3は、流体ナイフ5に用いられる清掃部材37の使用の一例を模式的に示す側面図、図4は、流体ナイフ5の清掃部材37の使用の一例を模式的に示すに側面図である。
【0020】
図1に示すように、基板100の処理装置1は、基板100の処理工程の一である洗浄工程又は基板100の乾燥工程等に用いられる。処理装置1は、基板100を搬送し、且つ、基板100上に、液体又は気体等の流体を噴射可能に形成されている。具体的に説明すると、処理装置1は、処理槽3と、搬送装置4と、流体ナイフ5と、を備えている。
【0021】
処理槽3は、箱型状に形成され、その内部に搬送装置4及び流体ナイフ5を配置可能に形成されている。処理槽3は、所定の方向の一端面に搬入口10が、他端面に搬出口11が、形成されている。なお、所定の方向とは、基板100の搬送方向であり、図1中矢印で示す。これら搬入口10及び搬出口11は、基板100を処理槽3内に搬入及び搬出可能な形状に形成されている。
【0022】
搬送装置4は、図1中矢印で示す所定の方向に沿って一定間隔に配置された複数の搬送ローラ13と、搬送ローラ13を駆動させる駆動手段14と、を備えている。この搬送装置4は、駆動手段14により駆動された搬送ローラ13の回転により、搬送ローラ13上の基板100を搬送可能に形成されている。
【0023】
複数の搬送ローラ13は、少なくともその一が流体ナイフ5と対向しないで、処理槽3内に設けられる。複数の搬送ローラ13は、所定の方向と交差する方向(以下「左右方向」)を連続させる連続ローラ軸16と、その一部が左右方向で分断する一対の分断ローラ軸17、18と、左右方向の一方に設けられた分断ローラ軸17、18のいずれか一方により構成される。
【0024】
また、搬送ローラ13は、各ローラ軸16,17,18の一部に、基板100と接触し、且つ、その回転により基板100を搬送可能な一以上の接触ローラ19を備えている。
【0025】
例えば、図1に示す構成では、搬送ローラ13は、所定の方向の方向であって、搬入口10から搬出口11に向って、連続ローラ軸16、一本の分断ローラ軸17、複数の一対の分断ローラ軸17、18、及び、2本の分断ローラ軸18が順次配置される。
【0026】
なお、連続ローラ軸16は、流体ナイフ5の一次側、具体的には流体ナイフ5と搬入口10との間に設けられる。分断ローラ軸17,18は、例えば、流体ナイフ5が設けられた範囲であって、且つ、流体ナイフ5と対向しないように配置される。
【0027】
即ち、図1に示すように、搬送ローラ13は、流体ナイフ5に重なる部位には、一対又は一方の分断ローラ軸17、18が配置されることで、流体ナイフ5から噴射される流体を干渉しないように配置されている。このため、搬送ローラ13の配置は、図1に示す配置に限定されず、流体ナイフ5の配置等によって、適宜設定される。
【0028】
駆動手段14は、その回転軸が回転駆動する駆動源21と、連続ローラ軸16の一方の端側に設けられた第1プーリ22と、駆動源21の回転軸21a及び第1プーリ22を接続する第1ベルト23と、を備えている。
【0029】
駆動手段14は、連続ローラ軸16の一方の端側、及び、分断ローラ軸17の端側にそれぞれ設けられた第2プーリ24と、これら第2プーリ24を接続する第2ベルト25と、を備えている。
【0030】
駆動手段14は、連続ローラ軸16の他方の端側及び分断ローラ軸18の端側にそれぞれ設けられた第3プーリ26と、これら第3プーリ26を接続する第3ベルト27と、を備えている。
【0031】
即ち、駆動手段14は、駆動源21の回転を第1ベルト23及び第1プーリ22を介して連続ローラ軸16に伝達する。また、駆動手段14は、連続ローラ軸16の回転を、連続ローラ軸16の両端に設けられた第2、第3プーリ24、26から第2、第3ベルト25、27を解して第2、第3ベルト25,27の分断ローラ軸17、18にそれぞれ設けられた第2、第3プーリ24、26に伝達する。
【0032】
このように、駆動手段14は、駆動源21の回転を第2、第3プーリ24,26に伝達させることで、搬送ローラ13を回転可能に形成されている。
【0033】
流体ナイフ5は、例えば、処理装置1を洗浄工程に用いる場合には、薬液及び気体を混合させた流体を噴射可能に形成されたものが用いられる。また、流体ナイフ5は、処理装置1を乾燥工程に用いる場合には、気体を噴射可能に形成されたものが用いられる。
【0034】
図1に示すように、流体ナイフ5は、その長手方向が、前記所定の方向に対して所定の角度、例えば45度の角度で傾斜して、処理槽3に固定される。図4に示すように、流体ナイフ5は、上部流体ナイフ30及び下部流体ナイフ31を備えている。
【0035】
なお、流体ナイフ5は、搬送ローラ13と対向しないように配置され、これにより、上部流体ナイフ30及び下部流体ナイフ31が対向し、搬送される基板100の上下面とそれぞれ対向可能に形成されている。
【0036】
図2,3に示すように、上部流体ナイフ30は、ナイフ本体35と、案内レール36と、清掃部材37と、を備えている。ナイフ本体35は、長方形状の一対の板状部材38、39を接合してなる。これら板状部材38、39間には、その内部に圧縮流体が供給される導入部40と、この導入部40に連続され、流体を噴射するスリット部41が形成されている。なお、スリット部41は、上部流体ナイフ30の延設方向に沿って設けられ、基板100上に流体を噴射可能な長さに形成されている。
【0037】
案内レール36は、ナイフ本体35の一の外面、具体的には、所定の方向の搬入口10側に位置する板状部材38の外面であって、その両端側に固定された固定部43と、これら固定部43間に渡って設けられたレール部44と、を備えている。
【0038】
レール部44は、例えば、その断面形状が円環状の円柱棒状に形成されている。このレール部44は、固定部43間に渡って設けられることで、ナイフ本体35のスリット部41の延設方向に沿って延設されることとなる。
【0039】
清掃部材37は、レール部44に着脱自在に設けられる。具体的には、清掃部材37は、レール部44に沿って移動可能な本体部46と、本体部46に設けられた清掃体47と、この清掃体47を本体部46に固定させる固定部48と、を備えている。
【0040】
本体部46は、例えば、図3,4に示すように、その一端が半円状に湾曲して形成され、レール部44上に載置可能に形成されている。また、本体部46は、その他端側に、固定部48とともに、清掃体47を狭持し固定可能に形成されている。
【0041】
なお、本体部46と固定部48とによる清掃体47の固定は、例えば、図示しないボルト及びナット等の締結部材によりなされる。
【0042】
清掃体47は、例えば、SUS材料で形成され、板厚が0.1〜0.15mm程度の薄板である。なお、清掃体47は、その板厚がスリット部41に挿入可能な厚さであればよい。
【0043】
清掃体47は、その一部、具体的には、図3に示すように、その2箇所に設けられ、レール部44の延設方向と平行に塑性変形した曲折部49を備えている。清掃体47は、曲折部49の曲折により、レール部44に本体部46を載置した際に、その端部が、スリット部41に近接するように形成されている。
【0044】
図3,4に示すように、下部流体ナイフ31は、ナイフ本体51を備えている。ナイフ本体51は、長方形状の一対の板状部材52、53を接合してなる。これら板状部材52、53間には、その内部に圧縮流体が供給される導入部54と、この導入部54に連続され、流体を噴射するスリット部55が形成されている。なお、スリット部55は、下部流体ナイフ31の延設方向に沿って設けられ、基板100の下面上に流体を噴射可能な長さに形成されている。
【0045】
このように構成された処理装置1は、基板100の洗浄工程や乾燥工程において、処理装置1内に搬送された基板100を流体ナイフ5により処理することとなる。具体的には、処理装置1を洗浄工程に用いる際には、流体ナイフ5は、搬送装置4により搬送された基板100の上面及び下面に、薬液及び気体を混合させた流体を噴射し、基板100の表面を薬液で濡らす。
【0046】
また、処理装置1を乾燥工程に用いる際には、流体ナイフ5は、搬送装置4により搬送された基板100の上面100a及び下面100bにエアー(気体)を噴射し、洗浄工程で付着した流体を吹き飛ばす。
【0047】
処理装置1は、このような基板100の処理に用いられると、流体ナイフ5から噴射する薬液や、基板100上から吹き飛ばした洗浄液等の不純物が、その流体が噴射されるスリット部41に付着する。この付着した不純物を、清掃部材37により清掃する。次に、処理装置1の、流体ナイフ5の清掃について説明する。
【0048】
流体ナイフ5の清掃を行う場合には、先ず、案内レール36に清掃部材37を装着する。具体的には、上部流体ナイフ30の清掃を行う場合には、図3に示すように、上部流体ナイフ30のレール部44に、本体部46の湾曲する一端を引き掛けることで、清掃部材37を案内レール36に載置させる。また、清掃部材37は、例えば案内レール36の一端側に配置させる。
【0049】
次に、清掃部材37の清掃体47の先端を上部流体ナイフ30のスリット部41挿入させる。スリット部41に清掃体47を挿入させた状態で、清掃部材37を案内レール36に沿って移動させる。これにより、清掃体47は、その先端がスリット部41の延設方向に沿ってスリット部41内を移動し、スリット部41に付着した不純物を除去することが可能となる。
【0050】
このように、付着した不純物が除去できるまで、レール部44に沿って清掃部材37を往復動させて、スリット部41内を清掃体47により清掃する。
【0051】
次に、下部流体ナイフ31の清掃を行う場合には、図4に示すように、上部流体ナイフ30の案内レール36に清掃部材37を装着した状態で、清掃体47の先端を、下部流体ナイフ31のスリット部55に挿入させる。この状態で、清掃部材37を案内レール36に沿って移動させることで、スリット部55内を清掃体47の先端が移動し、スリット部55に付着した不純物を除去することが可能となる。
【0052】
このように構成された処理装置1によれば、案内レール36により案内されて移動した清掃部材37の清掃体47により、スリット部41,55の清掃ができるため、スリット部41,55に挿入される清掃体47の先端の長さは、各位置において略同一長さとなる。これにより、流体ナイフ5のスリット部41,55は、均一に清掃することができることとなる。
【0053】
また、処理装置1は、処理槽3内に、搬送装置4及び流体ナイフ5が設けられる構成であり、流体ナイフ5は、搬送装置4の左右方向に渡って設けられる構成であるため、その清掃のための作業スペースは限られる。しかし、処理装置1は、スリット部41,55の清掃において、清掃体47をスリット部41,55に挿入した状態で清掃部材37を案内レール36に沿って移動させるだけで良い。
【0054】
このため、スリット部41,55の清掃作業は、作業スペースが狭い処理装置1であっても、作業者が無理な姿勢をとる必要がなく、確実にスリット部41,55の清掃を行なうことが可能となる。このように、処理装置1は、流体ナイフ5のスリット部41,55の清掃の作業性が向上することとなる。
【0055】
特に、このような清掃部材37は、大きな基板100に用いられる等のその長さが長い流体ナイフ5に有効である。例えば、このような長い流体ナイフ5を清掃する場合には、搬送装置4の左右の一方から、先ず流体ナイフ5の中途部まで清掃部材37を移動させる。
【0056】
次に、作業者が搬送装置4の左右の他方から、流体ナイフ5の中途部から清掃部材37を移動させれば、流体ナイフ5のスリット部41,55に沿って、均一に清掃が可能となる。このように、その長さが長い流体ナイフ5であっても、作業者の負担を増大させることなく、容易に流体ナイフ5のスリット部41,55を清掃可能な処理装置1を提供できる。
【0057】
また、清掃体47は、スリット部41にその先端が案内される(近接する)ように、曲折部49を設けることで、清掃部材37をレール部44に沿って移動させる際に、スリット部41への清掃体47の挿入状態を維持するために、清掃部材37を常時押さえる必要がない。
【0058】
即ち、清掃体47は、曲折部49によりスリット部41へ近接するように案内されるため、清掃体47のスリット部41への挿入を容易とし、且つ、スリット部41からの脱離を防止することが可能となる。これにより、作業者の作業性を向上させることが可能となる。また、上述したようなスリット部41を均一な深さで清掃することができ、清掃をより確実に行なうことが可能となる。
【0059】
上述したように本実施の形態に係る処理装置1によれば、流体ナイフ5に、そのスリット部41,55に沿って延設されたレール部44に案内されて移動可能なスリット部41,55を清掃する清掃部材37を備えることで、容易、且つ、均一にスリット部41,55を清掃することができる。
【0060】
また、処理装置1によれば、清掃部材37及び案内レール36を用いることで、大判の基板100に用いる大型の流体ナイフ5や、作業スペースが狭い処理装置1であっても、作業性を向上させ、作業者の負担を軽減できる。
【0061】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、清掃体47は、曲折部49を有する構成としたがこれに限定されない。例えば、図5に示すように、曲折部49を有さない構成の清掃体47Aであっても良い。このように曲折部49を有さない清掃体47Aとすることで、上述したスリット部41へのその先端の案内の効果は有さない。
【0062】
しかし、清掃部材37をレール部44に装着した際に、清掃体47がスリット部41へ近接しないため、清掃部材37をレール部44に装着した状態で流体ナイフ5を使用しても、スリット部41から噴射する流体に清掃体47が干渉することを防止できる。このため、清掃部材37を常時装着することも可能となる。
【0063】
また、上述した例では、案内レール36は、上部流体ナイフ30の側面に設ける構成を説明したが、これに限定されない。例えば、上部流体ナイフ30だけでなく、下部流体ナイフ31に設けても良い。また、案内レール36は、流体ナイフ5の側面でなく、例えば、流体ナイフ5を処理槽3上に固定する固定部に設けてもよく、搬送装置4上に流体ナイフ5に沿って設ける構成であってもよい。
【0064】
即ち、案内レール36は、清掃部材37を案内して移動させた際に、流体ナイフ5のスリット部41,55に均一に清掃体47を挿入可能、且つ、スリット部41に沿って設けられていればよい。
【0065】
さらに、上述した例では、流体ナイフ5は、上部流体ナイフ30及び下部流体ナイフ31を有する構成としたがこれに限定されない。例えば、流体ナイフ5は、図5に示すように、上部流体ナイフ30のみを有する構成であってもよく、また、図示しないが、下部流体ナイフ31のみを有する構成であってもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…処理装置、3…処理槽、4…搬送装置、5…流体ナイフ、10…搬入口、11…搬出口、13…搬送ローラ、14…駆動手段、16…連続ローラ軸、17、18…分断ローラ軸、19…接触ローラ、21…駆動源、21a…回転軸、22…第1プーリ、23…第1ベルト、24…第2プーリ、25…第2ベルト、26…第3プーリ、27…第3ベルト、30…上部流体ナイフ、31…下部流体ナイフ、35…ナイフ本体、36…案内レール、37…清掃部材、38、39…板状部材、40…導入部、41…スリット部、43…固定部、44…レール部、46…本体部、47…清掃体、47A…清掃体、48…固定部、49…曲折部、51…ナイフ本体、52、53…板状部材、54…導入部、55…スリット部、100…基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽内を搬送装置により搬送される基板の表面に流体を噴射して処理を行う処理装置であって、
前記処理槽内を搬送させる前記基板の表面に対向して配置され、前記基板の上面又は下面の少なくとも一方に前記流体を噴射するスリット部を有する流体ナイフと、
前記スリット部の長手方向に沿って延設された案内レールと、
前記流体ナイフのスリット部にその先端が挿入可能に形成された清掃体を有し、前記案内レールに沿って移動可能に形成された清掃部材と、
を備えることを特徴とする基板の処理装置。
【請求項2】
前記清掃体は、その先端を前記スリット部に近接させる曲折部を有することを特徴とする請求項1に記載の基板の処理装置。
【請求項3】
前記流体ナイフは、前記基板の上面に前記流体を噴射する上部流体ナイフ及び前記基板の下面に前記流体を噴射する下部流体ナイフを具備し、
前記案内レールは、前記上部流体ナイフ又は前記下部流体ナイフの一方に固定され、
前記清掃部材は、前記清掃体の先端が、前記上部流体ナイフ及び前記下部流体ナイフにそれぞれ設けられた前記スリット部に挿入可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−61391(P2012−61391A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206010(P2010−206010)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】