基板ユニットとその製造方法
【課題】半田付け加熱時において、部品の反り、基板の反りによって部品と基板にギャップが生じた場合でも、半田接合できる基板ユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】基板ユニットは、電極を有する電子部品と、前記電極に対応する位置に配置された基板電極を有し前記電子部品を搭載するプリント基板と、前記基板電極の中央から内部に向けて設けられた凹部と、前記凹部内に充填され、加熱すると前記基板電極から突出する接合部材とを有する。
【解決手段】基板ユニットは、電極を有する電子部品と、前記電極に対応する位置に配置された基板電極を有し前記電子部品を搭載するプリント基板と、前記基板電極の中央から内部に向けて設けられた凹部と、前記凹部内に充填され、加熱すると前記基板電極から突出する接合部材とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品をはんだ接続する基板ユニットおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、高密度化に伴い、電子部品をプリント基板に実装するための実装密度の向上が要求されている。このため、電子部品の実装面に配置された格子状の半田ボールを、プリント基板表面に形成した基板電極に接合するというボールグリッドアレイ(BGA:Ball Grid Array)と呼ばれる実装方法が行われている。そして、上記小型化、高密度化された電子機器では、電子部品を実装するための基板電極も微細化、高密度化される。
【0003】
従来、電子部品を位置合わせする際に、基板電極表面に半田を印刷し、その印刷した半田の粘着性を利用して電子部品側の半田ボールをプリント基板上に仮止めした後にリフロー炉で半田ボールの融点以上に加熱して溶融し、その後室温にすることで、電子部品と基板電極との接合を行っている(特許文献1)。
【0004】
図1に従来の電子部品とプリント基板の接合の説明図を示す。
電子部品61がプリント基板51に対して反りを生じている例である。電子部品61の半田ボール62を介した電極(図示略)とプリント基板51の印刷半田53を介した基板電極52とを接合するために、電子部品61を仮接着したプリント基板51がリフロー炉に投入され加熱される。このとき、プリント基板51の熱膨張係数と電子部品61の熱膨張係数との間の差があると、反りが発生する。この反りにより、電子部品61とプリント基板51との間にギャップが発生するため、プリント基板51の基板電極52と電子部品61の電極との間に接合できない部分が発生し、接合不良となる。
【特許文献1】特開平10−313170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、熱膨張による部品の反り、基板の反りによって電子部品とプリント基板にギャップが生じた場合でも、接合できる基板ユニットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
基板ユニットは、電極を有する電子部品と、前記電極に対応する位置に配置された基板電極を有し前記電子部品を搭載するプリント基板と、前記基板電極の中央から内部に向けて設けられた凹部と、前記凹部内に充填され、加熱すると前記基板電極から突出する接合部材とを有する。
【0007】
この構成により、電子部品等に反りが生じても、接合部材の熱膨張により、電子部品とプリント基板とを接合できる。
【発明の効果】
【0008】
開示の基板ユニットは、電子部品等に反りが生じても、電子部品とプリント基板とを接合できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施例の説明の前に電子部品とプリント基板の接合の原理を説明する。
図2に電子部品とプリント基板の接合の原理説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。
プリント基板11の基板電極13の中央からプリント基板11の内部に向けて円筒状の接合部材収納孔12を設ける。 凹部の接合部材収納孔12には、接合部材を充填する。図2は、接合部材として、充填半田16を上部に熱膨張材15を下部に充填した例である。電子部品21の半田付け時の反りが既知の場合は、図2に示すように電子部品21の反りに合わせた接合部材収納孔12が設けられる。電子部品21の反りについて未知の部分がある場合、あるいは、印刷半田14が無い場合には、基板電極13のすべての部分に接合部材収納孔12を配置する。
【0010】
リフロー炉に基板ユニット1が投入され加熱されると、熱膨張による電子部品21等の反りにより電子部品21とプリント基板11間にギャップを生ずる。しかし、熱膨張により接合部材が基板電極13から突出することで、電子部品21の電極(図示なし)とプリント基板11の基板電極13が接合する。
図2の例では、接合部材である熱膨張材15の熱膨張により接合部材である充填半田16が、基板電極13から突出して印刷半田14とともに、電子部品21の電極(図示なし)に接続している半田ボール22に接合する。このようなプリント基板11の構造を採用することで、電子部品21の電極(図示なし)とプリント基板11の基板電極13間は、確実に接合される。
【0011】
(実施例1)
図3に実施例1の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図3は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0012】
・ 基板構造の説明
図3に、プリント基板11の一部分を拡大した断面図を示す。
プリント基板11は、ガラスエポキシ樹脂製である。プリント基板11は、例えば幅210mm×奥行き300mmである。また厚さは、2.4mmとする。この厚さのため、ほとんど反りは発生しない。
凹部としての接合部材収納孔12は、例えば直径0.4mm、深さ2.18mmの円筒形の孔とする。 基板電極13の中央からプリント基板11の内部に形成された非貫通孔である。また、接合部材収納孔12は、接合部材として熱膨張材15を下層に、充填半田16を上層に収容する。
【0013】
基板電極13は、直径0.5mmのCuメッキでできている。電子部品21の半田ボール22に対応する位置に形成されている。
印刷半田14は、融点が220℃のSn−Ag-Cuである。直径0.5mm×高さ0.15mmの体積を占める。体積は、0.029mm3である。フラックスは、12wt%程度である。
熱膨張材15は、例えばエポキシ系のアンダフィル材を使用する。直径0.4mm×高さ1.85mmの体積を占める。体積は、0.23mm3である。線膨張係数は、300ppm/℃である。
充填半田16は、融点が220℃のSn−Ag-Cuである。直径0.4mm×高さ0.33mmの体積を占める。体積は、0.042mm3である。フラックスは、12wt%程度である。
【0014】
(2)電子部品の説明
図3に、電子部品21の一部分を拡大した断面図を示す。
電子部品21は、例えば表面実装型のBGA(ボールグリッドアレイ)である。電極23に予めボール状の半田ボール22を形成した例である。半田ボール22は、融点が220℃のSn−Ag-Cuである。半田ボール22の直径は、例えば直径0.5mmとする。電子部品21は、例えば幅33mm×奥行き33mm×高さ2.3mmの寸法を有するものである。
【0015】
プリント基板11と電子部品21との接合において、両者の熱膨張に差があるため、接合部に反りが発生し、半田ボール22と印刷半田14間にギャップを生じる。このギャップは、例えば0.3mmである。
ギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、熱膨張材15を下層に充填半田16を上層に収容されている。この結果、熱膨張材15の膨張により、充填半田16が上に押し上げられる。
【0016】
図4に、電子部品とプリント基板とのギャップ補完の説明図を示す。電子部品21の電極23は、省略している。
図4(a)は、充填半田16と印刷半田14は溶融により一体となり、半田ボール24となって、電子部品21の半田ボール22に接触したときの状態を示す図である。このあと、図4(b)に示すように、半田ボール24と半田ボール22は、一体化することで、表面張力により柱状またはボール状となり、電子部品21とプリント基板11は、接合が完了する。
【0017】
(3)接合処理の説明
図5に基板ユニットの半田付けの製造方法の概略処理図を示す。各実施例に共通である。(a)まず、プリント基板11の基板電極13上の印刷半田14上に電子部品21を半田ボール22で位置あわせをして搭載する。
(b)印刷半田14により、電子部品21の半田ボール22が仮接着される(S1ステップ)。
(c)次に電子部品21が搭載されたプリント基板11をリフロー炉に投入する(S2ステップ)。
(d)リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11が熱膨張し、電子部品21に反りが発生する。その結果、半田ボール22と印刷半田14間にギャップを生ずる。また、半田ボール22、印刷半田14および充填半田16が溶融する。(e)一方、熱膨張材15は、熱膨張により、体積が増加して、充填半田16を上方に上方へ押し上げる。
(f)その押し上げられた充填半田16は、印刷半田14と溶融により一体となり、ボール状に変形する。
(g)変形したボール状の半田は、電子部品21とプリント基板11間のギャップ0.3mmを埋める高さとなるため、電子部品21の溶解している半田ボール22と、印刷半田14とが接合する(S3ステップ)。
【0018】
(4)ギャップ補完処理の説明
ギャップ0.3mmを補完するための動作について説明する。
【0019】
(a)熱膨張材の膨張
熱膨張材15の線膨張係数は、300ppm/℃のため、体積膨張率は、900ppm/℃となる。一方、常温20℃から220℃への昇温は、ΔT=200である。従って、熱膨張材15の体積の膨張は、(900/10の6乗)×(熱膨張材15の体積0.23mm3)×(昇温200)=0.042mm3となる。
【0020】
(b)一方、充填半田16の体積は、0.042mm3である。
【0021】
(c)従って、熱膨張材15は、熱膨張により、充填半田16をプリント基板11の表面まで全て押出す。但し熱膨張材15の体積膨張が、全て充填半田16側に生じた場合である。
【0022】
(d)一方押出された充填半田16の体積0.042mm3+印刷半田14の体積0.029mm3=0.071mm3であるが、溶融すると、体積が減少して0.043mm3となる。
【0023】
図6に半田の体積と半田の高さとの関係の説明図を示す。基板電極13の直径は、0.5mmの場合である。
溶融半田の体積を横軸に示す。また、溶融半田が表面張力によって球状となったときの半田の高さを縦軸に示す。体積0.01mm3の場合は、高さ0.1mm、体積0.02mm3の場合は、高さ0.18mm、体積0.04mm3の場合は、高さ0.29mm、体積0.06mm3の場合は、高さ0.37mmである。そして、図4に示すように0.043mm3の溶融半田の体積の場合には、半田ボール高さは0.3mmを越える。その結果、電子部品21とプリント基板11は、ギャップを生じていても、接合が可能となる。
【0024】
(5)実施例1の基板の製造工程の説明
次に、図7に、実施例1の基板の製造工程を説明する。
(a)予め基板電極13が形成されているプリント基板11を準備する(図7(a)参照)。
(b)次に、基板電極13の中央部から垂直方向にドリルにより接合部材収納孔12を形成する(図7(b)参照)。
(c)次に、接合部材収納孔12の内部に熱膨張材15をディスペンサで注入する。接合部材収納孔12の底面から1.85mmまで注入する(図7(c)参照)。
(d)次に、接合部材収納孔12に対応する開口部を有するメタルマスク及びスキージを用いて充填半田16を接合部材収納孔12の内部に充填する(図7(d)参照)。
(e)次に、基板電極13に対応する開口部を有するメタルマスク及びスキージを用いて印刷半田14を塗布する(図7(e)参照)。
【0025】
(実施例2)
図8に実施例2の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図8は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0026】
(1)基板構造の説明
図8に、プリント基板11の一部分を拡大した断面図を示す。
プリント基板11、接合部材収納孔12、基板電極13および印刷半田14は、実施例1と同一である。
接合部材収納孔12には、接合部材としての熱膨張材15のみが収容される点が実施例1と異なる。
熱膨張材15は、例えばウレタン系のアンダフィル材を使用する。直径0.4mm×高さ2.18mmの体積を占める。体積は、0.27mm3である。線膨張係数は、300ppm/℃である。
【0027】
(2)電子部品の説明
電子部品21の構造は、実施例1と同様である。
電子部品21とプリント基板11の熱膨張によるギャップが、例えば0.3mm発生する
例とする。
このギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、熱膨張材15が収容されている。この結果、熱膨張材15の膨張により、印刷半田14を押し上げ、電子部品21の半田ボール22と接合する。
【0028】
(3)接合処理の説明
(a)まず、プリント基板11の基板電極13上の印刷半田14上に電子部品21を半田ボール22で位置あわせをして搭載する。
(b)印刷半田14により、電子部品21の半田ボール22が仮接着される(図5のS1ステップ)。
(c)次に電子部品が搭載されたプリント基板11をリフロー炉に投入する(図5のS2ステップ)。
(d) リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11が熱膨張し、電子部品21に反りが発生する。その結果、半田ボール22と印刷半田14間にギャップを生ずる。また、半田ボール22、印刷半田14が溶融する。
(e)一方、熱膨張材15は、熱膨張により、体積が増加して、印刷半田14を上方へ押し上げる。
(f)押し上げられた印刷半田14は、溶融によりボール状に変形する。
(g)変形したボール状の半田は、電子部品21とプリント基板11間のギャップ0.3mmを埋める高さとなるため、電子部品21の溶解している半田ボール22と、印刷半田14とが接合する(図5のS3ステップ)。
【0029】
(4)ギャップ補完処理の説明
ギャップ0.3mmを補完するための動作について説明する。
(a)熱膨張材の膨張
熱膨張材15の線膨張係数は、300ppm/℃のため、体積膨張率は、900ppm/℃となる。一方、常温20℃から220℃への昇温は、ΔT=200である。従って、熱膨張材15の体積の膨張は、(900/10の6乗)×(熱膨張材15の体積0.27mm3)×(昇温200)=0.049mm3となる。
(b)従って、熱膨張材15は、熱膨張により、0.049mm3膨張する。
(c)これが印刷半田14を押し上げる。溶融後の印刷半田体積0.018mm3+熱膨張材膨張分0.049mm3=0.067mm3となる。印刷半田14は非常に表面張力の強い物質のため、ボール状を形成する。これがボール状になるとすると、その先端までの高さは、図6に示すように、0.3mmを超える。その結果、電子部品21とプリント基板11は、ギャップを生じていても、接合が可能となる。
また、実施例2の熱膨張材16として空気を用いることもできる。
【0030】
(5)実施例2の基板の製造工程の説明
次に、図9に、実施例2の基板の製造工程を説明する。
(a)予め基板電極13が形成されているプリント基板11を準備する(図9(a)参照)。
(b)次に、基板電極13の中央部から垂直方向にドリルにより接合部材収納孔12を形成する(図9(b)参照)。
(c)次に、接合部材収納孔12の内部に熱膨張材15をディスペンサで注入する。接合部材収納孔12の底面から2.18mmまで注入する(図9(c)参照)。
(d)次に、基板電極13に対応する開口部を有するメタルマスク及びスキージを用いて印刷半田14を塗布する(図9(d)参照)。
【0031】
(実施例3)
図10に実施例3の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図10は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0032】
(1)基板構造の説明
図10に、プリント基板11の一部分を拡大した断面図を示す。
プリント基板11、接合部材収納孔12、基板電極13および印刷半田14は、実施例1と同一である。
接合部材収納孔12には、接合部材として充填半田16のみが収容される点が実施例1と異なる。
充填半田16は、融点が220℃のSn−Ag-Cuである。直径0.4mm×高さ2.18mmの体積を占める。0.27mm3の体積を占める。フラックスが16%wt程度含まれているものを使用する。熱膨張によりフラックスがすべて空気に変化すると仮定した場合である。
【0033】
(2)電子部品の説明
電子部品21の構造は、実施例1と同様である。
プリント基板11と電子部品21との接合において、両者の熱膨張によるギャップとしては、例えば0.3mm発生する例である。
このギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、充填半田16が収容されている。この結果、充填半田16の中のフラックスにより形成される空気の膨張により、充填半田16が押し上げられ印刷半田14と一体となり、電子部品21の半田ボール22と接合する。
【0034】
(3)接合処理の説明
(a)まず、プリント基板11の基板電極13上の印刷半田14上に電子部品21を半田ボール22で位置あわせをして搭載する。
(b)印刷半田14により、電子部品21の半田ボール22が仮接着される(図5のS1ステップ)。
(c)次に電子部品が搭載されたプリント基板11をリフロー炉に投入する(図5のS2ステップ)。
(d) リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11が熱膨張し、電子部品21に反りが発生する。その結果、半田ボール22と印刷半田14間にギャップを生ずる。また、半田ボール22、印刷半田14が溶融する。
(e) 一方、充填半田16は、熱膨張により、フラックス等が蒸発することにより、空気エリアが発生する。
(f) その空気エリアの膨張により、充填半田16が押し上げられる。
(g) 充填半田16は、印刷半田14を押し上げる。そして溶融した充填半田16および印刷半田14は一体化して変形しボール状になる。そして、ボールの高さが電子部品21とプリント基板11間のギャップ0.3mmを埋める寸法となるため、電子部品21の溶解している半田ボール22と、プリント基板11の印刷半田14とが接合する(図5のS3ステップ)。
【0035】
(4)ギャップ補完処理の説明
ギャップ0.3mmを埋めるための具体的な処理について説明する。
(a)充填半田16の加熱
充填半田内の空気分の体積を16%とする。空気の体積=充填半田16の体積0.27mm3×0.16=0.043mm3である。
それが接合部材収納孔12の中央に集中しているとした場合、シャルルの法則により20℃から220℃へ昇温で空気は、{(220+273)/273}/{(20+273)
/273}=1.68倍に膨張する。但し気圧の影響はないものと仮定する。
従って膨張する部分は、0.043mm3×0.68=0.029mm3である。
(b)これが充填半田16を上方に0.029mm3押し出す。
(c)一方押出された充填半田16の体積0.029mm3+印刷半田14の体積0.029mm3=0.058mm3であるが、溶融した際、充填半田の体積は接合部材収納孔12の中央に空気が集中していると仮定しているため減少しないが、印刷半田の体積は減少するため、0.046mm3となる。そして、この体積をもとに、溶融半田は表面張力によってボール状となり、その際の頂点の高さは、図6に示すように、0.3mmを超える。その結果、電子部品21とプリント基板11は、ギャップを生じていても、接合が可能となる。
【0036】
(5)実施例3の基板の製造工程の説明
次に、図11に、実施例3の基板の製造工程を説明する。
(a)予め基板電極13が形成されているプリント基板11を準備する(図11(a)参照)。
(b)次に、基板電極13の中央部から垂直方向にドリルにより接合部材収納孔12を形成する(図11(b)参照)。
(c)次に、接合部材収納孔12に対応する開口部を有するメタルマスク及びスキージを用いて充填半田16を接合部材収納孔12の内部に充填する(図11(c)参照)。
(d)次に、基板電極13に対応する開口部を有するメタルマスク及びスキージを用いて印刷半田14を塗布する(図11(d)参照)。
【0037】
(実施例4)
図12に実施例4の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図12は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0038】
(1)基板構造の説明
図12に、プリント基板11の一部分を拡大した断面図を示す。
プリント基板11、基板電極13および印刷半田14は、実施例1と同一である。
接合部材収納孔12は、例えば直径0.4mm、深さ0.33mmの円筒形の孔とする。基板電極13の中央からプリント基板11の内部に形成された非貫通孔である。接合部材収納孔12は、接合部材としての充填半田16を収容する。
充填半田16は、融点が220度のSn−Ag-Cuである。直径0.4mm×高さ0.33mmの体積を占める。体積は、0.042mm3の体積である。フラックスは、12wt%程度である。
【0039】
(2)電子部品の説明
電子部品21の構造は、実施例1と同様である。
プリント基板11と電子部品21との接合において、両者の熱膨張によるギャップとしては、例えば0.3mm発生する例である。
このギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、充填半田16が収容されている。この結果、溶融した充填半田16が自重により、印刷半田14を押しさげて、電子部品21の半田ボール22と接合する。
【0040】
(3)接合処理の説明
(a)まず、プリント基板11の基板電極13上の印刷半田14上に電子部品21を半田ボール22で位置あわせをして搭載する。
(b)充填半田16により、電子部品21の半田ボール22が仮接着される(図5のS1
ステップ)。
(c)電子部品21およびプリント基板11を上から治具を取り付け、固定する。治具下面には基板や部品中央を指示するピンが付いている。
(c)次に上下反転して治具ごとリフロー炉に投入する(図5のS2ステップ)。
(d)リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11が膨張する。このため、電子部品21とプリント基板11側の熱膨張により、電子部品21に反りが発生して半田ボール22と印刷半田14間にギャップを生ずる。また半田ボール22と印刷半田14、充填半田16が溶融する。
(e) 充填半田16は、熱により溶融し、自重で下降する。
(f) 下降すると、溶融した印刷半田14と一体となり、変形しボール状になる。そして、電子部品21とプリント基板11間のギャップ0.3mmを埋める寸法となり、電子部品21の溶解している半田ボール22と、プリント基板11の印刷半田14とが接合する(図5のS3ステップ)。
【0041】
(4)ギャップ補完処理の説明
ギャップ0.3mmを埋めるための具体的な処理について説明する。
充填半田16の体積0.042mm3+印刷半田14の体積0.029mm3=0.071mm3であるが、溶融すると、体積が減少するので、0.043mm3となる。そして、この体積をもとに、溶融半田は表面張力によって球状となり、その際の頂点の高さは図6に示すように0.3mmとなる。その結果、電子部品21とプリント基板11は、ギャップを生じていても、接合が可能となる。
【0042】
(5)実施例4の基板の製造工程の説明
実施例4の基板の製造工程は、実施例3と接合部材収納孔12の孔の深さを除いて同一である。 (実施例5)
図13に実施例5の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図13は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0043】
(1)基板構造の説明
図13に、プリント基板11の一部分の断面図を示す。実施例1とは、印刷半田14がない点のみが異なる。
【0044】
(2)電子部品の説明
電子部品21の構造は、実施例1と同様である。
プリント基板11と電子部品21との接合において、両者の熱膨張差によりギャップが0.21mm発生する例である。このギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、熱膨張材15を下層に充填半田16を上層に収容されている。この結果、熱膨張材15の膨張により、充填半田16が上に押し上げられる。そして、充填半田16の溶融により、電子部品21の半田ボール22と接合する。
【0045】
(3)接合処理の説明
(a)まず、電子部品21の半田ボール22にフラックスを塗布して仮接着する。このため、部品搭載機のプリフラックス機能を利用する。部品搭載機は、ノズルが電子部品21を吸着し、フラックスの入ったトレイに電子部品21を置いて半田ボール22にフラックスを塗布し、電子部品21をプリント基板11上にマウントする(図5のS1ステップ)。
(b)次に電子部品21を搭載したプリント基板をリフロー炉に投入する(図5のS2ステップ)。
(c)リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11が過熱により膨張する。このため、電子部品21とプリント基板11側の熱膨張により、電子部品21に反りが発生して半田ボール22と基板電極13間にギャップを生ずる。また、半田ボール22と充填半田16が溶融する。
(d)一方、熱膨張材15は、熱膨張により、体積が増加して、充填半田16を上方へ押し上げる。
(e)押し上げられた充填半田16は、溶融によりボール上に変形する。
(g)変形したボール状の半田は、電子部品21とプリント基板11間のギャップを埋める高さとなり、電子部品21の溶解している半田ボール22と、印刷半田14とが接合する(図5のS3ステップ)。
【0046】
(4)ギャップ補完処理の説明
実施例1と同様のプリント基板11の構造のため、押出された充填半田16の体積は、0.042mm3となる。この場合の充填半田16の溶融したときの体積は、0.025mm3である。充填半田16は、0.025mm3の場合のボール状となったときの高さは、図6に示すように0.21mmである。この結果、電子部品21の反りによるギャップ0.21mmが生じても、電子部品21とプリント基板11は、接合が可能となる。
【0047】
(5)実施例5の基板の製造工程の説明
実施例5の基板の製造工程は、実施例1と印刷半田14の工程がない点が異なるのみである。
【0048】
(実施例6)
図14に実施例6の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図14は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0049】
(1)基板構造の説明
図14に、プリント基板11の一部分の断面図を示す。実施例3とは、印刷半田14がない点のみが異なる。
【0050】
(2)電子部品の説明
電子部品21の構造は、実施例1と同様である。
プリント基板11と電子部品21との接合において、両者の熱膨張差によるギャップが例えば0.21mm発生する例である。このギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、充填半田16が収容されている。この結果、充填半田16の中のフラックスにより形成される空気の膨張により、充填半田16が押し上げられ電子部品21の半田ボール22と接合する。
【0051】
(3)接合処理の説明
(a)まず、電子部品21の半田ボール22にフラックスを塗布して仮接着する。このため、部品搭載機のプリフラックス機能を利用する。部品搭載機は、ノズルが電子部品21を吸着し、フラックスの入ったトレイに電子部品21を置いて半田ボール22にフラックスを塗布し、電子部品21をプリント基板11上にマウントする(図5のS1ステップ)。
(b)次に電子部品21を搭載したプリント基板をリフロー炉に投入する(図5のS2ステップ)。
(c)リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11側の熱膨張し、電子部品21に反りが発生して半田ボール22と基板電極13間にギャップを生
ずる。また、半田ボール22と充填半田16が溶融する。
(d) 一方、充填半田16は、熱膨張により、フラックス等が蒸発することにより、空気エリアが発生する。
(e) その空気エリアの膨張により、充填半田16が押し上げられる。
(f) そして、溶融した充填半田16は変形してボール状になる。このため、電子部品21とプリント基板11の基板電極13間のギャップを埋めて接合される(図5のS3ステップ)。
【0052】
(4)ギャップ補完処理の説明
印刷半田14を除いて実施例3と同様のプリント基板11の構造の場合、押出された充填半田16の体積は、0.029mm3となる。充填半田16は、0.029mm3の場合のボール状となったときの高さは、図6に示すように0.23mmである。この結果、電子部品21の反りによるギャップ0.21mmが生じても、電子部品21とプリント基板11は、接合が可能となる。
【0053】
(5)実施例6の基板の製造工程の説明
実施例6の基板の製造工程は、実施例3と印刷半田14の工程がない点が異なるのみである。
【0054】
このように、基板ユニット1により電子部品21に反りが生じても、電子部品21とプリント基板11とを接合できる。また、実施例5および実施例6のように印刷半田14がない場合でもプリント基板11上に電子部品21を実装できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】従来の電子部品とプリント基板の接合の説明図
【図2】電子部品とプリント基板の接合の原理説明図
【図3】実施例1の基板ユニットの説明図
【図4】電子部品とプリント基板とのギャップ補完の説明図
【図5】基板ユニットの半田付けの製造方法の概略処理図
【図6】半田の体積と半田の高さとの関係の説明図
【図7】実施例1の基板の製造工程
【図8】実施例2の基板ユニットの説明図
【図9】実施例2の基板の製造工程
【図10】実施例3の基板ユニットの説明図
【図11】実施例3の基板の製造工程
【図12】実施例4の基板ユニットの説明図
【図13】実施例5の基板ユニットの説明図
【図14】実施例6の基板ユニットの説明図
【符号の説明】
【0056】
1 基板ユニット
11 基板
12 接合部材収納部
13 基板電極
14 印刷半田
15 熱膨張材
16 充填半田
21 電子部品
22 電子部品の半田ボール
23 電子部品の電極
24 プリント基板の半田ボール
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品をはんだ接続する基板ユニットおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、高密度化に伴い、電子部品をプリント基板に実装するための実装密度の向上が要求されている。このため、電子部品の実装面に配置された格子状の半田ボールを、プリント基板表面に形成した基板電極に接合するというボールグリッドアレイ(BGA:Ball Grid Array)と呼ばれる実装方法が行われている。そして、上記小型化、高密度化された電子機器では、電子部品を実装するための基板電極も微細化、高密度化される。
【0003】
従来、電子部品を位置合わせする際に、基板電極表面に半田を印刷し、その印刷した半田の粘着性を利用して電子部品側の半田ボールをプリント基板上に仮止めした後にリフロー炉で半田ボールの融点以上に加熱して溶融し、その後室温にすることで、電子部品と基板電極との接合を行っている(特許文献1)。
【0004】
図1に従来の電子部品とプリント基板の接合の説明図を示す。
電子部品61がプリント基板51に対して反りを生じている例である。電子部品61の半田ボール62を介した電極(図示略)とプリント基板51の印刷半田53を介した基板電極52とを接合するために、電子部品61を仮接着したプリント基板51がリフロー炉に投入され加熱される。このとき、プリント基板51の熱膨張係数と電子部品61の熱膨張係数との間の差があると、反りが発生する。この反りにより、電子部品61とプリント基板51との間にギャップが発生するため、プリント基板51の基板電極52と電子部品61の電極との間に接合できない部分が発生し、接合不良となる。
【特許文献1】特開平10−313170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、熱膨張による部品の反り、基板の反りによって電子部品とプリント基板にギャップが生じた場合でも、接合できる基板ユニットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
基板ユニットは、電極を有する電子部品と、前記電極に対応する位置に配置された基板電極を有し前記電子部品を搭載するプリント基板と、前記基板電極の中央から内部に向けて設けられた凹部と、前記凹部内に充填され、加熱すると前記基板電極から突出する接合部材とを有する。
【0007】
この構成により、電子部品等に反りが生じても、接合部材の熱膨張により、電子部品とプリント基板とを接合できる。
【発明の効果】
【0008】
開示の基板ユニットは、電子部品等に反りが生じても、電子部品とプリント基板とを接合できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施例の説明の前に電子部品とプリント基板の接合の原理を説明する。
図2に電子部品とプリント基板の接合の原理説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。
プリント基板11の基板電極13の中央からプリント基板11の内部に向けて円筒状の接合部材収納孔12を設ける。 凹部の接合部材収納孔12には、接合部材を充填する。図2は、接合部材として、充填半田16を上部に熱膨張材15を下部に充填した例である。電子部品21の半田付け時の反りが既知の場合は、図2に示すように電子部品21の反りに合わせた接合部材収納孔12が設けられる。電子部品21の反りについて未知の部分がある場合、あるいは、印刷半田14が無い場合には、基板電極13のすべての部分に接合部材収納孔12を配置する。
【0010】
リフロー炉に基板ユニット1が投入され加熱されると、熱膨張による電子部品21等の反りにより電子部品21とプリント基板11間にギャップを生ずる。しかし、熱膨張により接合部材が基板電極13から突出することで、電子部品21の電極(図示なし)とプリント基板11の基板電極13が接合する。
図2の例では、接合部材である熱膨張材15の熱膨張により接合部材である充填半田16が、基板電極13から突出して印刷半田14とともに、電子部品21の電極(図示なし)に接続している半田ボール22に接合する。このようなプリント基板11の構造を採用することで、電子部品21の電極(図示なし)とプリント基板11の基板電極13間は、確実に接合される。
【0011】
(実施例1)
図3に実施例1の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図3は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0012】
・ 基板構造の説明
図3に、プリント基板11の一部分を拡大した断面図を示す。
プリント基板11は、ガラスエポキシ樹脂製である。プリント基板11は、例えば幅210mm×奥行き300mmである。また厚さは、2.4mmとする。この厚さのため、ほとんど反りは発生しない。
凹部としての接合部材収納孔12は、例えば直径0.4mm、深さ2.18mmの円筒形の孔とする。 基板電極13の中央からプリント基板11の内部に形成された非貫通孔である。また、接合部材収納孔12は、接合部材として熱膨張材15を下層に、充填半田16を上層に収容する。
【0013】
基板電極13は、直径0.5mmのCuメッキでできている。電子部品21の半田ボール22に対応する位置に形成されている。
印刷半田14は、融点が220℃のSn−Ag-Cuである。直径0.5mm×高さ0.15mmの体積を占める。体積は、0.029mm3である。フラックスは、12wt%程度である。
熱膨張材15は、例えばエポキシ系のアンダフィル材を使用する。直径0.4mm×高さ1.85mmの体積を占める。体積は、0.23mm3である。線膨張係数は、300ppm/℃である。
充填半田16は、融点が220℃のSn−Ag-Cuである。直径0.4mm×高さ0.33mmの体積を占める。体積は、0.042mm3である。フラックスは、12wt%程度である。
【0014】
(2)電子部品の説明
図3に、電子部品21の一部分を拡大した断面図を示す。
電子部品21は、例えば表面実装型のBGA(ボールグリッドアレイ)である。電極23に予めボール状の半田ボール22を形成した例である。半田ボール22は、融点が220℃のSn−Ag-Cuである。半田ボール22の直径は、例えば直径0.5mmとする。電子部品21は、例えば幅33mm×奥行き33mm×高さ2.3mmの寸法を有するものである。
【0015】
プリント基板11と電子部品21との接合において、両者の熱膨張に差があるため、接合部に反りが発生し、半田ボール22と印刷半田14間にギャップを生じる。このギャップは、例えば0.3mmである。
ギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、熱膨張材15を下層に充填半田16を上層に収容されている。この結果、熱膨張材15の膨張により、充填半田16が上に押し上げられる。
【0016】
図4に、電子部品とプリント基板とのギャップ補完の説明図を示す。電子部品21の電極23は、省略している。
図4(a)は、充填半田16と印刷半田14は溶融により一体となり、半田ボール24となって、電子部品21の半田ボール22に接触したときの状態を示す図である。このあと、図4(b)に示すように、半田ボール24と半田ボール22は、一体化することで、表面張力により柱状またはボール状となり、電子部品21とプリント基板11は、接合が完了する。
【0017】
(3)接合処理の説明
図5に基板ユニットの半田付けの製造方法の概略処理図を示す。各実施例に共通である。(a)まず、プリント基板11の基板電極13上の印刷半田14上に電子部品21を半田ボール22で位置あわせをして搭載する。
(b)印刷半田14により、電子部品21の半田ボール22が仮接着される(S1ステップ)。
(c)次に電子部品21が搭載されたプリント基板11をリフロー炉に投入する(S2ステップ)。
(d)リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11が熱膨張し、電子部品21に反りが発生する。その結果、半田ボール22と印刷半田14間にギャップを生ずる。また、半田ボール22、印刷半田14および充填半田16が溶融する。(e)一方、熱膨張材15は、熱膨張により、体積が増加して、充填半田16を上方に上方へ押し上げる。
(f)その押し上げられた充填半田16は、印刷半田14と溶融により一体となり、ボール状に変形する。
(g)変形したボール状の半田は、電子部品21とプリント基板11間のギャップ0.3mmを埋める高さとなるため、電子部品21の溶解している半田ボール22と、印刷半田14とが接合する(S3ステップ)。
【0018】
(4)ギャップ補完処理の説明
ギャップ0.3mmを補完するための動作について説明する。
【0019】
(a)熱膨張材の膨張
熱膨張材15の線膨張係数は、300ppm/℃のため、体積膨張率は、900ppm/℃となる。一方、常温20℃から220℃への昇温は、ΔT=200である。従って、熱膨張材15の体積の膨張は、(900/10の6乗)×(熱膨張材15の体積0.23mm3)×(昇温200)=0.042mm3となる。
【0020】
(b)一方、充填半田16の体積は、0.042mm3である。
【0021】
(c)従って、熱膨張材15は、熱膨張により、充填半田16をプリント基板11の表面まで全て押出す。但し熱膨張材15の体積膨張が、全て充填半田16側に生じた場合である。
【0022】
(d)一方押出された充填半田16の体積0.042mm3+印刷半田14の体積0.029mm3=0.071mm3であるが、溶融すると、体積が減少して0.043mm3となる。
【0023】
図6に半田の体積と半田の高さとの関係の説明図を示す。基板電極13の直径は、0.5mmの場合である。
溶融半田の体積を横軸に示す。また、溶融半田が表面張力によって球状となったときの半田の高さを縦軸に示す。体積0.01mm3の場合は、高さ0.1mm、体積0.02mm3の場合は、高さ0.18mm、体積0.04mm3の場合は、高さ0.29mm、体積0.06mm3の場合は、高さ0.37mmである。そして、図4に示すように0.043mm3の溶融半田の体積の場合には、半田ボール高さは0.3mmを越える。その結果、電子部品21とプリント基板11は、ギャップを生じていても、接合が可能となる。
【0024】
(5)実施例1の基板の製造工程の説明
次に、図7に、実施例1の基板の製造工程を説明する。
(a)予め基板電極13が形成されているプリント基板11を準備する(図7(a)参照)。
(b)次に、基板電極13の中央部から垂直方向にドリルにより接合部材収納孔12を形成する(図7(b)参照)。
(c)次に、接合部材収納孔12の内部に熱膨張材15をディスペンサで注入する。接合部材収納孔12の底面から1.85mmまで注入する(図7(c)参照)。
(d)次に、接合部材収納孔12に対応する開口部を有するメタルマスク及びスキージを用いて充填半田16を接合部材収納孔12の内部に充填する(図7(d)参照)。
(e)次に、基板電極13に対応する開口部を有するメタルマスク及びスキージを用いて印刷半田14を塗布する(図7(e)参照)。
【0025】
(実施例2)
図8に実施例2の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図8は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0026】
(1)基板構造の説明
図8に、プリント基板11の一部分を拡大した断面図を示す。
プリント基板11、接合部材収納孔12、基板電極13および印刷半田14は、実施例1と同一である。
接合部材収納孔12には、接合部材としての熱膨張材15のみが収容される点が実施例1と異なる。
熱膨張材15は、例えばウレタン系のアンダフィル材を使用する。直径0.4mm×高さ2.18mmの体積を占める。体積は、0.27mm3である。線膨張係数は、300ppm/℃である。
【0027】
(2)電子部品の説明
電子部品21の構造は、実施例1と同様である。
電子部品21とプリント基板11の熱膨張によるギャップが、例えば0.3mm発生する
例とする。
このギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、熱膨張材15が収容されている。この結果、熱膨張材15の膨張により、印刷半田14を押し上げ、電子部品21の半田ボール22と接合する。
【0028】
(3)接合処理の説明
(a)まず、プリント基板11の基板電極13上の印刷半田14上に電子部品21を半田ボール22で位置あわせをして搭載する。
(b)印刷半田14により、電子部品21の半田ボール22が仮接着される(図5のS1ステップ)。
(c)次に電子部品が搭載されたプリント基板11をリフロー炉に投入する(図5のS2ステップ)。
(d) リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11が熱膨張し、電子部品21に反りが発生する。その結果、半田ボール22と印刷半田14間にギャップを生ずる。また、半田ボール22、印刷半田14が溶融する。
(e)一方、熱膨張材15は、熱膨張により、体積が増加して、印刷半田14を上方へ押し上げる。
(f)押し上げられた印刷半田14は、溶融によりボール状に変形する。
(g)変形したボール状の半田は、電子部品21とプリント基板11間のギャップ0.3mmを埋める高さとなるため、電子部品21の溶解している半田ボール22と、印刷半田14とが接合する(図5のS3ステップ)。
【0029】
(4)ギャップ補完処理の説明
ギャップ0.3mmを補完するための動作について説明する。
(a)熱膨張材の膨張
熱膨張材15の線膨張係数は、300ppm/℃のため、体積膨張率は、900ppm/℃となる。一方、常温20℃から220℃への昇温は、ΔT=200である。従って、熱膨張材15の体積の膨張は、(900/10の6乗)×(熱膨張材15の体積0.27mm3)×(昇温200)=0.049mm3となる。
(b)従って、熱膨張材15は、熱膨張により、0.049mm3膨張する。
(c)これが印刷半田14を押し上げる。溶融後の印刷半田体積0.018mm3+熱膨張材膨張分0.049mm3=0.067mm3となる。印刷半田14は非常に表面張力の強い物質のため、ボール状を形成する。これがボール状になるとすると、その先端までの高さは、図6に示すように、0.3mmを超える。その結果、電子部品21とプリント基板11は、ギャップを生じていても、接合が可能となる。
また、実施例2の熱膨張材16として空気を用いることもできる。
【0030】
(5)実施例2の基板の製造工程の説明
次に、図9に、実施例2の基板の製造工程を説明する。
(a)予め基板電極13が形成されているプリント基板11を準備する(図9(a)参照)。
(b)次に、基板電極13の中央部から垂直方向にドリルにより接合部材収納孔12を形成する(図9(b)参照)。
(c)次に、接合部材収納孔12の内部に熱膨張材15をディスペンサで注入する。接合部材収納孔12の底面から2.18mmまで注入する(図9(c)参照)。
(d)次に、基板電極13に対応する開口部を有するメタルマスク及びスキージを用いて印刷半田14を塗布する(図9(d)参照)。
【0031】
(実施例3)
図10に実施例3の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図10は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0032】
(1)基板構造の説明
図10に、プリント基板11の一部分を拡大した断面図を示す。
プリント基板11、接合部材収納孔12、基板電極13および印刷半田14は、実施例1と同一である。
接合部材収納孔12には、接合部材として充填半田16のみが収容される点が実施例1と異なる。
充填半田16は、融点が220℃のSn−Ag-Cuである。直径0.4mm×高さ2.18mmの体積を占める。0.27mm3の体積を占める。フラックスが16%wt程度含まれているものを使用する。熱膨張によりフラックスがすべて空気に変化すると仮定した場合である。
【0033】
(2)電子部品の説明
電子部品21の構造は、実施例1と同様である。
プリント基板11と電子部品21との接合において、両者の熱膨張によるギャップとしては、例えば0.3mm発生する例である。
このギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、充填半田16が収容されている。この結果、充填半田16の中のフラックスにより形成される空気の膨張により、充填半田16が押し上げられ印刷半田14と一体となり、電子部品21の半田ボール22と接合する。
【0034】
(3)接合処理の説明
(a)まず、プリント基板11の基板電極13上の印刷半田14上に電子部品21を半田ボール22で位置あわせをして搭載する。
(b)印刷半田14により、電子部品21の半田ボール22が仮接着される(図5のS1ステップ)。
(c)次に電子部品が搭載されたプリント基板11をリフロー炉に投入する(図5のS2ステップ)。
(d) リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11が熱膨張し、電子部品21に反りが発生する。その結果、半田ボール22と印刷半田14間にギャップを生ずる。また、半田ボール22、印刷半田14が溶融する。
(e) 一方、充填半田16は、熱膨張により、フラックス等が蒸発することにより、空気エリアが発生する。
(f) その空気エリアの膨張により、充填半田16が押し上げられる。
(g) 充填半田16は、印刷半田14を押し上げる。そして溶融した充填半田16および印刷半田14は一体化して変形しボール状になる。そして、ボールの高さが電子部品21とプリント基板11間のギャップ0.3mmを埋める寸法となるため、電子部品21の溶解している半田ボール22と、プリント基板11の印刷半田14とが接合する(図5のS3ステップ)。
【0035】
(4)ギャップ補完処理の説明
ギャップ0.3mmを埋めるための具体的な処理について説明する。
(a)充填半田16の加熱
充填半田内の空気分の体積を16%とする。空気の体積=充填半田16の体積0.27mm3×0.16=0.043mm3である。
それが接合部材収納孔12の中央に集中しているとした場合、シャルルの法則により20℃から220℃へ昇温で空気は、{(220+273)/273}/{(20+273)
/273}=1.68倍に膨張する。但し気圧の影響はないものと仮定する。
従って膨張する部分は、0.043mm3×0.68=0.029mm3である。
(b)これが充填半田16を上方に0.029mm3押し出す。
(c)一方押出された充填半田16の体積0.029mm3+印刷半田14の体積0.029mm3=0.058mm3であるが、溶融した際、充填半田の体積は接合部材収納孔12の中央に空気が集中していると仮定しているため減少しないが、印刷半田の体積は減少するため、0.046mm3となる。そして、この体積をもとに、溶融半田は表面張力によってボール状となり、その際の頂点の高さは、図6に示すように、0.3mmを超える。その結果、電子部品21とプリント基板11は、ギャップを生じていても、接合が可能となる。
【0036】
(5)実施例3の基板の製造工程の説明
次に、図11に、実施例3の基板の製造工程を説明する。
(a)予め基板電極13が形成されているプリント基板11を準備する(図11(a)参照)。
(b)次に、基板電極13の中央部から垂直方向にドリルにより接合部材収納孔12を形成する(図11(b)参照)。
(c)次に、接合部材収納孔12に対応する開口部を有するメタルマスク及びスキージを用いて充填半田16を接合部材収納孔12の内部に充填する(図11(c)参照)。
(d)次に、基板電極13に対応する開口部を有するメタルマスク及びスキージを用いて印刷半田14を塗布する(図11(d)参照)。
【0037】
(実施例4)
図12に実施例4の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図12は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0038】
(1)基板構造の説明
図12に、プリント基板11の一部分を拡大した断面図を示す。
プリント基板11、基板電極13および印刷半田14は、実施例1と同一である。
接合部材収納孔12は、例えば直径0.4mm、深さ0.33mmの円筒形の孔とする。基板電極13の中央からプリント基板11の内部に形成された非貫通孔である。接合部材収納孔12は、接合部材としての充填半田16を収容する。
充填半田16は、融点が220度のSn−Ag-Cuである。直径0.4mm×高さ0.33mmの体積を占める。体積は、0.042mm3の体積である。フラックスは、12wt%程度である。
【0039】
(2)電子部品の説明
電子部品21の構造は、実施例1と同様である。
プリント基板11と電子部品21との接合において、両者の熱膨張によるギャップとしては、例えば0.3mm発生する例である。
このギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、充填半田16が収容されている。この結果、溶融した充填半田16が自重により、印刷半田14を押しさげて、電子部品21の半田ボール22と接合する。
【0040】
(3)接合処理の説明
(a)まず、プリント基板11の基板電極13上の印刷半田14上に電子部品21を半田ボール22で位置あわせをして搭載する。
(b)充填半田16により、電子部品21の半田ボール22が仮接着される(図5のS1
ステップ)。
(c)電子部品21およびプリント基板11を上から治具を取り付け、固定する。治具下面には基板や部品中央を指示するピンが付いている。
(c)次に上下反転して治具ごとリフロー炉に投入する(図5のS2ステップ)。
(d)リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11が膨張する。このため、電子部品21とプリント基板11側の熱膨張により、電子部品21に反りが発生して半田ボール22と印刷半田14間にギャップを生ずる。また半田ボール22と印刷半田14、充填半田16が溶融する。
(e) 充填半田16は、熱により溶融し、自重で下降する。
(f) 下降すると、溶融した印刷半田14と一体となり、変形しボール状になる。そして、電子部品21とプリント基板11間のギャップ0.3mmを埋める寸法となり、電子部品21の溶解している半田ボール22と、プリント基板11の印刷半田14とが接合する(図5のS3ステップ)。
【0041】
(4)ギャップ補完処理の説明
ギャップ0.3mmを埋めるための具体的な処理について説明する。
充填半田16の体積0.042mm3+印刷半田14の体積0.029mm3=0.071mm3であるが、溶融すると、体積が減少するので、0.043mm3となる。そして、この体積をもとに、溶融半田は表面張力によって球状となり、その際の頂点の高さは図6に示すように0.3mmとなる。その結果、電子部品21とプリント基板11は、ギャップを生じていても、接合が可能となる。
【0042】
(5)実施例4の基板の製造工程の説明
実施例4の基板の製造工程は、実施例3と接合部材収納孔12の孔の深さを除いて同一である。 (実施例5)
図13に実施例5の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図13は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0043】
(1)基板構造の説明
図13に、プリント基板11の一部分の断面図を示す。実施例1とは、印刷半田14がない点のみが異なる。
【0044】
(2)電子部品の説明
電子部品21の構造は、実施例1と同様である。
プリント基板11と電子部品21との接合において、両者の熱膨張差によりギャップが0.21mm発生する例である。このギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、熱膨張材15を下層に充填半田16を上層に収容されている。この結果、熱膨張材15の膨張により、充填半田16が上に押し上げられる。そして、充填半田16の溶融により、電子部品21の半田ボール22と接合する。
【0045】
(3)接合処理の説明
(a)まず、電子部品21の半田ボール22にフラックスを塗布して仮接着する。このため、部品搭載機のプリフラックス機能を利用する。部品搭載機は、ノズルが電子部品21を吸着し、フラックスの入ったトレイに電子部品21を置いて半田ボール22にフラックスを塗布し、電子部品21をプリント基板11上にマウントする(図5のS1ステップ)。
(b)次に電子部品21を搭載したプリント基板をリフロー炉に投入する(図5のS2ステップ)。
(c)リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11が過熱により膨張する。このため、電子部品21とプリント基板11側の熱膨張により、電子部品21に反りが発生して半田ボール22と基板電極13間にギャップを生ずる。また、半田ボール22と充填半田16が溶融する。
(d)一方、熱膨張材15は、熱膨張により、体積が増加して、充填半田16を上方へ押し上げる。
(e)押し上げられた充填半田16は、溶融によりボール上に変形する。
(g)変形したボール状の半田は、電子部品21とプリント基板11間のギャップを埋める高さとなり、電子部品21の溶解している半田ボール22と、印刷半田14とが接合する(図5のS3ステップ)。
【0046】
(4)ギャップ補完処理の説明
実施例1と同様のプリント基板11の構造のため、押出された充填半田16の体積は、0.042mm3となる。この場合の充填半田16の溶融したときの体積は、0.025mm3である。充填半田16は、0.025mm3の場合のボール状となったときの高さは、図6に示すように0.21mmである。この結果、電子部品21の反りによるギャップ0.21mmが生じても、電子部品21とプリント基板11は、接合が可能となる。
【0047】
(5)実施例5の基板の製造工程の説明
実施例5の基板の製造工程は、実施例1と印刷半田14の工程がない点が異なるのみである。
【0048】
(実施例6)
図14に実施例6の基板ユニットの説明図を示す。
基板ユニット1は、電子部品21とプリント基板11とを有する。図14は、リフロー前の基板ユニット1の状態を示す。
【0049】
(1)基板構造の説明
図14に、プリント基板11の一部分の断面図を示す。実施例3とは、印刷半田14がない点のみが異なる。
【0050】
(2)電子部品の説明
電子部品21の構造は、実施例1と同様である。
プリント基板11と電子部品21との接合において、両者の熱膨張差によるギャップが例えば0.21mm発生する例である。このギャップを補完するため、接合不良の発生する場所に接合部材収納孔12を設けて接合の補強を行う。接合部材収納孔12には、充填半田16が収容されている。この結果、充填半田16の中のフラックスにより形成される空気の膨張により、充填半田16が押し上げられ電子部品21の半田ボール22と接合する。
【0051】
(3)接合処理の説明
(a)まず、電子部品21の半田ボール22にフラックスを塗布して仮接着する。このため、部品搭載機のプリフラックス機能を利用する。部品搭載機は、ノズルが電子部品21を吸着し、フラックスの入ったトレイに電子部品21を置いて半田ボール22にフラックスを塗布し、電子部品21をプリント基板11上にマウントする(図5のS1ステップ)。
(b)次に電子部品21を搭載したプリント基板をリフロー炉に投入する(図5のS2ステップ)。
(c)リフロー炉での220℃への過熱により、電子部品21とプリント基板11側の熱膨張し、電子部品21に反りが発生して半田ボール22と基板電極13間にギャップを生
ずる。また、半田ボール22と充填半田16が溶融する。
(d) 一方、充填半田16は、熱膨張により、フラックス等が蒸発することにより、空気エリアが発生する。
(e) その空気エリアの膨張により、充填半田16が押し上げられる。
(f) そして、溶融した充填半田16は変形してボール状になる。このため、電子部品21とプリント基板11の基板電極13間のギャップを埋めて接合される(図5のS3ステップ)。
【0052】
(4)ギャップ補完処理の説明
印刷半田14を除いて実施例3と同様のプリント基板11の構造の場合、押出された充填半田16の体積は、0.029mm3となる。充填半田16は、0.029mm3の場合のボール状となったときの高さは、図6に示すように0.23mmである。この結果、電子部品21の反りによるギャップ0.21mmが生じても、電子部品21とプリント基板11は、接合が可能となる。
【0053】
(5)実施例6の基板の製造工程の説明
実施例6の基板の製造工程は、実施例3と印刷半田14の工程がない点が異なるのみである。
【0054】
このように、基板ユニット1により電子部品21に反りが生じても、電子部品21とプリント基板11とを接合できる。また、実施例5および実施例6のように印刷半田14がない場合でもプリント基板11上に電子部品21を実装できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】従来の電子部品とプリント基板の接合の説明図
【図2】電子部品とプリント基板の接合の原理説明図
【図3】実施例1の基板ユニットの説明図
【図4】電子部品とプリント基板とのギャップ補完の説明図
【図5】基板ユニットの半田付けの製造方法の概略処理図
【図6】半田の体積と半田の高さとの関係の説明図
【図7】実施例1の基板の製造工程
【図8】実施例2の基板ユニットの説明図
【図9】実施例2の基板の製造工程
【図10】実施例3の基板ユニットの説明図
【図11】実施例3の基板の製造工程
【図12】実施例4の基板ユニットの説明図
【図13】実施例5の基板ユニットの説明図
【図14】実施例6の基板ユニットの説明図
【符号の説明】
【0056】
1 基板ユニット
11 基板
12 接合部材収納部
13 基板電極
14 印刷半田
15 熱膨張材
16 充填半田
21 電子部品
22 電子部品の半田ボール
23 電子部品の電極
24 プリント基板の半田ボール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を有する電子部品と、
前記電極に対応する位置に配置された基板電極を有し、前記電子部品を搭載するプリント基板と、
前記基板電極の中央から内部に向けて設けられた凹部と、
前記凹部内に充填され、加熱すると前記基板電極から突出する接合部材とを有することを特徴とする基板ユニット。
【請求項2】
前記基板電極と前記電極間に設けられ、前記接合部材の突出によって、前記電極方向に押し上げられる半田部材とをさらに有することを特徴とする請求項1記載の基板ユニット。
【請求項3】
前記接合部材は、半田であることを特徴とする請求項1または2記載の基板ユニット。
【請求項4】
前記接合部材は、熱膨張材であることを特徴とする請求項1または2記載の基板ユニット。
【請求項5】
前記接合部材は、半田と熱膨張材であることを特徴とする請求項1または2記載の基板ユニット。
【請求項6】
電子部品が有する電極に対応する位置に配置されたプリント基板上の基板電極中央部に凹部を形成し、
前記凹部に接合部材を充填し、
前記凹部上に印刷半田を塗布することを特徴とする基板ユニット製造方法。
【請求項1】
電極を有する電子部品と、
前記電極に対応する位置に配置された基板電極を有し、前記電子部品を搭載するプリント基板と、
前記基板電極の中央から内部に向けて設けられた凹部と、
前記凹部内に充填され、加熱すると前記基板電極から突出する接合部材とを有することを特徴とする基板ユニット。
【請求項2】
前記基板電極と前記電極間に設けられ、前記接合部材の突出によって、前記電極方向に押し上げられる半田部材とをさらに有することを特徴とする請求項1記載の基板ユニット。
【請求項3】
前記接合部材は、半田であることを特徴とする請求項1または2記載の基板ユニット。
【請求項4】
前記接合部材は、熱膨張材であることを特徴とする請求項1または2記載の基板ユニット。
【請求項5】
前記接合部材は、半田と熱膨張材であることを特徴とする請求項1または2記載の基板ユニット。
【請求項6】
電子部品が有する電極に対応する位置に配置されたプリント基板上の基板電極中央部に凹部を形成し、
前記凹部に接合部材を充填し、
前記凹部上に印刷半田を塗布することを特徴とする基板ユニット製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−45246(P2010−45246A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209010(P2008−209010)
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]