説明

基板処理装置

【課題】装置全体のセキュリティ性の向上を図ることができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置の主コントローラは、ログインする際に入力されるユーザ名が予め指定されているユーザ名に含まれているかを判断し、予め指定されているユーザ名以外であると判断された場合に、ログインを拒否し、且つ操作画面にエラーメッセージを表示し、予め指定されているユーザ名であると判断された場合に、続いて入力されるパスワードが予め設定されているパスワードと一致しているかを判断し、パスワードが一致していないと判断された場合に、ログインを拒否し、且つ操作画面にエラーメッセージを表示し、パスワードが一致していると判断された場合に、ログインを有効とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハやガラス基板等の基板を処理する基板処理装置に関し、特にユーザの不正なログインを防止する基板処理装置の安全性の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から基板処理装置にユーザがログインする際に、ユーザ登録情報(例えばユーザ名、パスワード)をチェックする(即ち基板処理装置が、ユーザ認証を経てユーザがアクセスできるか否かを決定する)技術が行われている。例えば、特許文献1には、初期画面からログインする際に、ユーザIDとパスワード入力画面に入力することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−112968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置では、ユーザの登録情報は一度登録してしまうと、それ以降変更の必要がなく無期限で使用することが可能であった。その場合、パスワードを知らないユーザであっても繰り返しパスワードを入力することによって最終的には正しいパスワードを見つけ出すことも可能であり、他のユーザに成りすましてログインすること(以下、適宜「不正なログイン」と略称する)が可能であった。即ち、セキュリティ性が弱いとの問題点があった。
【0005】
本発明は上述の問題点を解決し、装置全体のセキュリティ性の向上を図ることができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様によれば、基板を処理するためのファイルの作成又は編集を含む所定の入力を受けつける操作画面を備えた操作部を少なくとも有する制御手段を備えた基板処理装置であって、前記制御手段は、ログインする際に入力されるユーザ名が予め指定されているユーザ名に含まれているかを判断し、予め指定されているユーザ名以外であると判断された場合に、ログインを拒否し、且つ前記操作画面にエラーメッセージを表示し、予め指定されているユーザ名であると判断された場合に、続いて入力されるパスワードが予め設定されているパスワードと一致しているかを判断し、パスワードが一致していないと判断された場合に、ログインを拒否し、且つ前記操作画面にエラーメッセージを表示し、パスワードが一致していると判断された場合に、ログインを有効とする基板処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置のセキュリティ性の向上を図るため、不正なログインを防止することができ、更に、ユーザのパスワードを定期的に変更させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置を含む基板処理システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板処理装置を示す斜視図である。
【図3】図2に示される基板処理装置の左側面側の断面を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基板処理装置の制御手段を中心とした構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る基板処理システムにおいて実行されるログイン処理のフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示されるログイン画面を例示する図である。
【図7】本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示されるアルファベットキーボードを例示する図である。
【図8】本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示されるユーザ未存在のエラーダイアログを例示する図である。
【図9】本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示されるログイン失敗のエラーダイアログを例示する図である。
【図10】本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示されるパスワード情報を含むログイン画面を例示する図である。
【図11】本発明の実施形態に係るパスワードチェック処理の一とする入力ミス回数チェック処理のフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示されるログインボタンが押下不可となるログイン画面を例示する図である。
【図13】本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示されるパスワード入力ミスチェック回数到達のエラーダイアログを例示する図である。
【図14】本発明の実施形態に係るパスワードチェック処理の一とする登録有効日数チェック処理のフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示される経過日数が有効日数に到達した時のログイン画面を例示する図である。
【図16】本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示される有効期限超過のエラーダイアログを例示する図である。
【図17】本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示される経過日数が警告日数に到達した時のログイン画面を例示する図である。
【図18】本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示される有効期限警告のエラーダイアログを例示する図である。
【図19】本発明の実施形態に係る登録有効日数チェック処理の一実行過程における、ログイン中に警告日数に到達した時点を経過するログイン状態及び操作可能状態の経過を表すタイミングチャートである。
【図20】本発明の実施形態に係る登録有効日数チェック処理の一実行過程における、ログイン中に有効日数に到達した時点を経過するログイン状態及び操作可能状態の経過を表すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態の構成>
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
始めに、図1乃至図3を参照しながら、本発明の実施形態に係る基板処理システム1の構成について説明する。ここに、図1は、本発明の実施形態に係る基板処理装置10を含む基板処理システム1の概略構成を示す図であり、図2は、本発明の実施形態に係る基板処理装置10を示す斜視図であり、図3は、図2に示される基板処理装置10の左側面側の断面を示す断面図である。
【0011】
図1に示されるように、基板処理システム1は、基板処理装置10と、第2の操作装置として用いられる外部操作装置30とを有し、これらが、例えば、スイッチングハブ42を有するLAN等の通信ネットワーク40によって互いに接続されている。
【0012】
基板処理装置10は、本発明の実施形態に係る基板処理装置として用いられ、例えば、半導体装置(IC)の製造方法を実施する半導体製造装置として構成されている。以下の説明では、基板処理装置として基板に酸化、拡散処理やCVD処理などを行なう縦型の装置に適用した場合について述べる。
【0013】
基板処理装置10は、図1に示すように、例えば2つ等、基板処理システム1に複数個を設けても良いし、基板処理システム1に1つの基板処理装置10を設けても良い。
【0014】
基板を処理する基板処理機構(ユニット)として用いられる基板処理装置10は、それぞれが、基板処理装置本体111を有し、基板処理装置本体111内に、基板を処理する処理部として用いられる処理炉202(図1において不図示、図2参照)と、主コントローラ14と、スイッチングハブ15とが設けられている。また、基板処理装置本体111の外壁には、例えば基板処理装置10の背面側(図1における左側)に、第1の操作装置として用いられる主操作装置16が装着されている。また、基板処理装置10には、スイッチングハブ15を介して主コントローラ14に接続されるようにして、第3の操作装置として用いられる副操作装置50が取り付けられている。
【0015】
主操作装置16は、基板処理装置10(もしくは処理炉202及び基板処理装置本体111)近傍に配置されている。主操作装置16は、この実施形態のように基板処理装置本体111に装着するようにして、基板処理装置10と一体として固定する。
【0016】
ここで、主操作装置16が、基板処理装置10(もしくは処理炉202及び基板処理装置本体111)近傍に配置されているとは、基板処理装置10の状態を操作者が確認できる位置に主操作装置16が配置されていることをいう。例えば、基板処理装置本体111が設置されているクリーンルーム内に設置される。
【0017】
主操作装置16は、第1の表示部として用いられる主表示装置18を有する。主表示装置18は、例えば、液晶表示パネルからなる。また、主表示装置18には、少なくとも基板処理装置10を操作するための第1の操作画面として用いられる主操作画面18aが表示される。
【0018】
また、主表示装置18には、基板処理装置10に関する各種パラメータの設定をするためのパラメータ設定画面として用いられる主パラメータ設定画面18bが表示される。ここで、基板処理装置10に関する各種パラメータは、多種多様である。例えば、本実施形態において、基板処理装置10を操作するユーザ(操作者)毎にユーザ登録情報(ユーザ名、パスワード)をリスト化したパラメータ(ユーザパラメータ)や、後述するパスワードチェック機能を無効とするか否かのパラメータが少なくとも含まれる。
【0019】
副操作装置50は、第3の表示部として用いられる副表示装置52を有する。副表示装置52は、例えば、液晶表示パネルからなる。副表示装置52には、少なくとも基板処理装置10を操作するための第3の操作画面として用いられる副操作画面52aが表示される。また、副表示装置52には、上述の基板処理装置10に関する各種パラメータの設定をするためのパラメータ設定画面として用いられる副パラメータ設定画面52bが表示される。
【0020】
副操作装置50は、例えば、WBT(Windows(登録商標) Based Terminal)からなる。ここで、WBTとは、マイクロソフト社のマイクロソフト社のOSであるWTS(Windows Terminal Server)が動作しているサーバにネットワーク経由等で接続して処理を行なう専用端末機であり、入出力のための最低限の処理を行なうことができるように構成されているものである。
【0021】
また、副操作装置50は、基板処理装置10(もしくは処理炉202及び基板処理装置本体111)近傍に配置されている。副操作装置50は、基板処理装置本体111に固定される。ここで、副操作装置50が、基板処理装置10(もしくは処理炉202及び基板処理装置本体111)近傍に配置されているとは、基板処理装置10の状態を操作者が確認できる位置に副操作装置50が配置されていることをいう。主操作装置16の場合と同様に、例えば、基板処理装置本体111が設置されているクリーンルーム内に設置される。但し、主操作装置16と同じ側に配置される必要はなく、基板処理装置本体111近傍であって、主操作装置16から目が届かない位置に配置される。主操作装置16は、基板処理装置本体111の前面に設置され、副操作装置50は、基板処理装置本体111の後側に配置される。
【0022】
外部操作装置30は、第2の表示部として用いられる外部表示装置32を有する。外部表示装置32は、例えば、液晶表示パネルからなる。また、外部表示装置32には、少なくとも処理部202を操作するための第2の操作画面として用いられる外部操作画面32aが表示される。さらに、外部表示装置32にも、上述の基板処理装置10に関する各種パラメータの設定をするためのパラメータ設定画面として用いられる外部パラメータ設定画面32bを表示するようにしてもよい。
【0023】
また、外部操作装置30は、副操作装置50と同様に、WBT(Windows Based Terminal)からなり、先述のように通信ネットワーク40を介して主コントローラ14に接続可能である。このため、外部操作装置30は、基板処理装置10から離間した位置に配置することが可能である。例えば、基板処理装置10がクリーンルーム内に設置されている場合であっても、外部操作装置30はクリーンルーム外の事務所等に配置することが可能である。
【0024】
主コントローラ14は、基板処理システム1の動作全体を制御可能に構成された電子制御ユニットである。主コントローラ14は、本発明に係る「制御手段」の一例であり、例えばROM等の記憶手段を有し、該記憶手段に格納された制御用のプログラムに従って、後述するログイン処理、パスワードチェック処理としての入力ミス回数チェック処理及び登録有効日数チェック処理を実行可能に構成されている。
【0025】
主コントローラ14は、主操作装置16と、例えば、ビデオケーブル20を用いて接続されている。尚、主コントローラ14と主操作装置16とをビデオケーブル20を用いて接続することに替えて、通信ネットワーク40を介して、主コントローラ14と主操作装置16とを接続しても良い。
【0026】
主コントローラ14には、例えば、先述のWTSがインストールされている。WTSは、マイクロソフト社のOSであるWindows NT Serverに、マルチユーザ機能を付加したものである。WTSは、1台のサーバに対して、複数の端末を、ネットワークを通じて同時に接続することができ、これらの複数の端末から処理を行なうことができる。この際、全てのアプリケーションソフトの処理は、サーバ上で実行され、端末側には画面の転送がされる。
【0027】
また、主コントローラ14には、主操作装置16、副操作装置50、及び外部操作装置30からログインして、主コントローラ14で複数の同じプログラムを起動させることができる。結果的に主表示装置18、副表示装置52、及び外部表示装置32に、それぞれに異なる操作画面が表示され、主表示装置18、副表示装置52、及び外部表示装置32から、それぞれに異なる指示をすることが可能となる。
【0028】
基板処理装置10は、基板として用いられるシリコン等からなるウェハ200を処理する。図2及び図3に示されているように、基板処理装置10では、ウェハ200を収納したウェハキャリアとして用いられるフープ(基板収容器。以下ポッドという)110が使用されている。また、基板処理装置10は、基板処理装置本体111を備えている。
【0029】
基板処理装置本体111の正面壁111aの正面前方部にはメンテナンス可能なように設けられた開口部として用いられる正面メンテナンス口103が開設され、正面メンテナンス口103を開閉する正面メンテナンス扉104がそれぞれ建て付けられている。尚、図示しないが、上側の正面メンテナンス扉104近傍に副操作装置50が設置される。主操作装置16は、背面側のメンテナンス扉近傍に配置される。
【0030】
基板処理装置本体111の正面壁111aにはポッド搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が基板処理装置本体111の内外を連通するように開設されており、ポッド搬入搬出口112はフロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。
【0031】
ポッド搬入搬出口112の正面前方側にはロードポート((基板収容器受渡し台)114が設置されており、ロードポート114はポッド110を載置されて位置合わせするように構成されている。ポッド110はロードポート114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、ロードポート114上から搬出されるようになっている。
【0032】
基板処理装置本体111内の前後方向の略中央部における上部には、回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105が設置されており、回転式ポッド棚105は複数個のポッド110を保管するように構成されている。すなわち、回転式ポッド棚105は垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱116と、支柱116に上中下段の各位置において放射状に支持された複数枚の棚板(基板収容器載置台)117とを備えており、複数枚の棚板117はポッド110を複数個宛それぞれ載置した状態で保持するように構成されている。
【0033】
基板処理装置本体111内におけるロードポート114と回転式ポッド棚105との間には、ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されており、ポッド搬送装置118は、ポッド110を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと搬送機構としてのポッド搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されており、ポッド搬送装置118はポッドエレベータ118aとポッド搬送機構118bとの連続動作により、ロードポート114、回転式ポッド棚105、ポッドオープナ((基板収容器蓋体開閉機構)121との間で、ポッド110を搬送するように構成されている。
【0034】
基板処理装置本体111内の前後方向の略中央部における下部には、サブ筐体119が後端にわたって構築されている。サブ筐体119の正面壁119aにはウェハ200をサブ筐体119内に対して搬入搬出するためのウェハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が一対、垂直方向に上下二段に並べられて開設されており、上下段のウェハ搬入搬出口120、120には一対のポッドオープナ121、121がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ121はポッド110を載置する載置台122、122と、ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構(蓋体着脱機構)123、123とを備えている。ポッドオープナ121は載置台122に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより、ポッド110のウェハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0035】
サブ筐体119はポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105の設置空間から流体的に隔絶された移載室124を構成している。移載室124の前側領域にはウェハ移載機構(基板移載機構)125が設置されており、ウェハ移載機構125は、ウェハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウェハ移載装置(基板移載装置)125a及びウェハ移載装置125aを昇降させるためのウェハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとで構成されている。図2に模式的に示されているようにウェハ移載装置エレベータ125bは耐圧基板処理装置本体111右側端部とサブ筐体119の移載室124前方領域右端部との間に設置されている。これら、ウェハ移載装置エレベータ125b及びウェハ移載装置125aの連続動作により、ウェハ移載装置125aのツイーザ(基板保持体)125cをウェハ200の載置部として、ボート(基板保持具)217に対してウェハ200を装填(チャージング)及び脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
【0036】
移載室124の後側領域には、ボート217を収容して待機させる待機部126が構成されている。待機部126の上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は、炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。
【0037】
図2に模式的に示されているように、耐圧基板処理装置本体111右側端部とサブ筐体119の待機部126右端部との間にはボート217を昇降させるためのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置されている。ボートエレベータ115の昇降台に連結された連結具としてのアーム128には蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられており、シールキャップ219はボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
【0038】
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50〜125枚程度)のウェハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
【0039】
また、図2に模式的に示されているように移載室124のウェハ移載装置エレベータ125b側及びボートエレベータ115側と反対側である左側端部には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエア133を供給するよう供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134が設置されており、ウェハ移載装置125aとクリーンユニット134との間には、図示はしないが、ウェハの円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合わせ装置が設置されている。
【0040】
クリーンユニット134から吹き出されたクリーンエア133は、ノッチ合わせ装置及びウェハ移載装置125a、待機部126にあるボート217に流通された後に、図示しないダクトにより吸い込まれて、基板処理装置本体111の外部に排気がなされるか、もしくはクリーンユニット134の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環され、再びクリーンユニット134によって、移載室124内に吹き出されるように構成されている。
【0041】
次に、本発明の基板処理装置10の動作について説明する。
【0042】
図2及び図3に示されているように、ポッド110がロードポート114に供給されると、ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放され、ロードポート114の上のポッド110はポッド搬送装置118によって基板処理装置本体111の内部へポッド搬入搬出口112から搬入される。
【0043】
搬入されたポッド110は回転式ポッド棚105の指定された棚板117へポッド搬送装置118によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、棚板117から一方のポッドオープナ121に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、棚板117から一方のポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載されるか、もしくは直接ポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載される。この際、ポッドオープナ121のウェハ搬入搬出口120はキャップ着脱機構123によって閉じられており、移載室124にはクリーンエア133が流通され、充満されている。例えば、移載室124にはクリーンエア133として窒素ガスが充満することにより、酸素濃度が20ppm以下と、基板処理装置本体111の内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遥かに低く設定されている。
【0044】
載置台122に載置されたポッド110はその開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウェハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され、ウェハ出し入れ口を開放される。
【0045】
ポッド110がポッドオープナ121によって開放されると、ウェハ200はポッド110からウェハ移載装置125aのツイーザ125cによってウェハ出し入れ口を通じてピックアップされ、図示しないノッチ合わせ装置135にてウェハを整合した後、移載室124の後方にある待機部126へ搬入され、ボート217に装填(チャージング)される。ボート217にウェハ200を受け渡したウェハ移載装置125aはポッド110に戻り、次のウェハをボート217に装填する。
【0046】
この一方(上段または下段)のポッドオープナ121におけるウェハ移載機構125によるウェハのボート217への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ121には回転式ポッド棚105から別のポッド110がポッド搬送装置118によって搬送されて移載され、ポッドオープナ121によるポッド110の開放作業が同時進行される。
【0047】
予め指定された枚数のウェハ200がボート217に装填されると、炉口シャッタ147によって閉じられていた処理炉202の下端部が、炉口シャッタ147によって、開放される。続いて、ウェハ200群を保持したボート217はシールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより、処理炉202内へ搬入(ローディング)されていく。
【0048】
ローディング後は、処理炉202にてウェハ200に任意の処理が実施される。
【0049】
処理後は、図示しないノッチ合わせ装置でのウェハの整合工程を除き、概上述の逆の手順で、ウェハ200及びポッド110は筐体の外部へ払出される。
【0050】
次に、図4を参照しながら、基板処理システム1における主コントローラ14を中心としたハードウエア構成について説明する。ここに、図4は、本発明の実施形態に係る基板処理装置10の主コントローラ14を中心としたハードウエアの概略構成を示すブロック図である。
【0051】
図4に示されるように、基板処理装置10の基板処理装置本体111内に、先述の主コントローラ14、スイッチングハブ15とあわせて、搬送制御部230と、プロセス制御部232とが設けられている。搬送制御部230とプロセス制御部232とは、基板処理装置本体111内に設けることに替えて、基板処理装置本体111外に設けても良い。
【0052】
搬送制御部230は、例えばCPU等からなる搬送系コントローラ234を有し、プロセス制御部232は、例えばCPU等からなるプロセス系コントローラ236を有する。搬送系コントローラ234とプロセス系コントローラ236とは、スイッチングハブ15を介して、主コントローラ14にそれぞれ接続されている。
【0053】
また、図4に示されるように、主操作装置16内には、主表示装置18(図1参照)の表示を制御するため等に用いられる主表示制御部240が設けられている。主表示制御部240は、例えば、ビデオケーブル20を用いて、主コントローラ14に接続されている。
【0054】
また、図4に示されるように、副操作装置50内には、副表示装置52(図1参照)の表示を制御するため等に用いられる副表示制御部242が設けられている。副表示制御部242は、スイッチングハブ15を介して主コントローラ14に接続されている。
【0055】
また、図4に示されるように、外部操作装置30内には、外部表示装置32の表示を制御するため等に用いられる外部表示制御部244が設けられている。外部表示制御部244は、スイッチングハブ42を有する通信ネットワーク40を介して、主コントローラ14に接続されている。
【0056】
以上のように構成された基板処理システム1においては、主操作装置16(或いは副操作装置50、外部操作装置30)の主表示装置18(副表示装置52、外部表示装置32)に表示される主操作画面18a、主パラメータ設定画面18b(或いは副操作画面52a、外部操作画面32a)等の種々の画面から、図示しない入力部を介して、ユーザの登録情報(例えばユーザ名、パスワード)が入力されると、該登録情報(例えばユーザ名、パスワード)は、主表示装置18に表示されるとともに、図示しない一時記憶部に格納され、さらに主表示制御部240によって、主コントローラ14に送信される。主コントローラ14は、例えばROMなどの記憶手段に格納されたプログラムに従って、後述するログイン処理などを実行する。
【0057】
<実施形態の動作>
続いて、図5乃至図9を参照しながら、本発明の実施形態に係る基板処理システム1のログイン処理について説明する。ここに、図5は、本発明の実施形態に係る基板処理システムにおいて実行されるログイン処理のフローチャートであり、図6は、本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示されるログイン画面300を例示する図であり、図7は、本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示されるアルファベットキーボード310を例示する図であり、図8は、本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示されるユーザ未存在のエラーダイアログ320を例示する図であり、図9は、本発明の実施形態に係る基板処理システムの表示装置に表示されるログイン失敗のエラーダイアログ330を例示する図である。
【0058】
まず、ユーザが主コントローラ14とビデオケーブル20で接続されている主操作装置16の主表示装置18に表示されている主操作画面18a上のログインボタンを押下する(ステップS101)と、主表示装置18(図1参照)にログイン画面300(図6参照)が表示される(ステップS102)。
【0059】
なお、本実施形態では、本発明に係る「操作部」及び「操作画面」それぞれの一例たる主操作装置16及び主操作画面18aが例示されているが、本発明に係る「操作部」及び「操作画面」は特に限定されず、例えば上述した副操作装置50及び副操作画面52a、外部操作装置30及び外部操作画面32aであってもよい。
【0060】
次に、ユーザ名の入力を受け付ける、即ちユーザがログイン画面300のユーザ名入力エリア301を押下すると、ユーザ名を入力するためのアルファベットキーボード310(図7参照)が表示される(ステップS103)。
【0061】
ユーザがアルファベットキーボード310でユーザ名を入力した後、入力ボタン311を押下すると、ログイン画面300で入力されたユーザ名がユーザ管理情報に登録されているか否かを検索する、即ちログインする際に入力されるユーザ名が予め指定されているユーザ名に含まれているか否かを判断する(ステップS104)。この際、ログイン画面300のユーザ名エリアには入力された文字(即ちユーザ名)が表示される。
【0062】
ステップS104の検索結果として、入力されたユーザ名がユーザ管理情報に登録されていない場合(ステップS104:NO)、「このユーザは存在しません。」とのエラーダイアログ320(図8参照)がポップアップ表示され(ステップS105)。即ち、この際にログインが拒否され、ユーザの次回のログイン動作を待つ状態となり、ログイン処理の一連の処理が繰り返される。
【0063】
一方、ステップS104検索結果として、入力されたユーザ名がユーザ管理情報に登録されている場合(ステップS104:YES)、予め設定されたパラメータに基づいて、本実施形態に係るパスワードチェック機能を無効にしているか否かを判断する(ステップS106)。ここで、本実施形態に係るパスワードチェック機能は、通常有効に設定されているが、一般的に半導体製造ライン(クリーンルーム)はセキュリティ機能を有しているため、装置のセキュリティ機能が必要ない顧客に対応するため、当該パスワードチェック機能を有効にするかしないかはパラメータとして提供する。パスワードチェック処理を有効にするかしないかをパラメータ化することにより、顧客のニーズにフレキシブルに対応することができ、実践上極めて有益である。ここで、パラメータを有効にしない場合は、従来のセキュリティ機能を有する装置と同等の動作となる。
【0064】
パスワードチェック機能が無効にしている場合(ステップS106:YES)、パスワードの入力を受け付ける、即ちユーザがログイン画面300のパスワード入力エリア302を押下すると、パスワードを入力するためのアルファベットキーボード310(図7参照)が表示される(ステップS107)。
【0065】
ユーザがアルファベットキーボード310でパスワードを入力した後、入力ボタン311を押下すると、ログイン画面300で入力されたパスワードと、ユーザ管理情報に登録されているパスワードとが一致するか否かを判断する(ステップS108)。この際、上述した入力されたユーザ名が表示されることと異なって、ログイン画面300のパスワードエリア302には、入力された文字(即ちパスワード)が「*」で表示される。
【0066】
ログイン画面300で入力されたパスワードとユーザ管理情報に登録されているパスワードとが一致すると判断された、即ち正しいユーザ名とパスワードが入力された場合(ステップS108:YES)、当該ユーザのログインを許可する(ステップS109)。即ちこの際にログイン画面300のログインボタン303を押下すると、主コントローラ14にログインすることができる。この場合、ログイン処理の一連の処理が終了される。
【0067】
一方、ログイン画面300で入力されたパスワードとユーザ管理情報に登録されているパスワードとが一致していないと判断された、即ち主コントローラ14のユーザ管理情報に登録されていないパスワードが入力された場合(ステップS108:NO)、「ログインに失敗しました。」とのエラーダイアログ330(図9参照)がポップアップ表示され(ステップS110)。即ち、この際にログインが拒否され、ユーザの次回のログイン動作を待つ状態となり、ログイン処理の一連の処理が繰り返される。
【0068】
一方、パスワードチェック機能が無効にしていない場合(ステップS106:NO)、パスワードチェックに関する情報とするパスワードチェック情報340(後述の図10参照)が表示されて(ステップS111)、後述するパスワードチェックを行う(ステップS112)。
【0069】
ここで、本実施形態に係るログインチェック、即ち入力されたユーザ名の検索(ステップS104の動作)及び入力されたパスワードの判断(ステップS108の動作)は、ユーザ名の入力時及びパスワード入力時に行っている。これによって、一般的なユーザログインのチェックではユーザ名、パスワードの確定時にチェックが行われることと比較して、不正にログインしようと試みる者にとっては、不正なユーザ名を入力した時点でエラーと判定されると、不正なログインを行う者に対して精神的ダメージが大きいため、装置全体のセキュリティ性を向上することができる。
【0070】
続いて、本発明の実施形態に係るパスワードチェック処理の詳細について説明する。まず、図10を参照しながらログイン画面300に表示されるパスワードチェック情報340の内容について説明する。ここに、図10は、本発明の実施形態に係る基板処理システム1の表示装置に表示されるパスワードチェック情報340を含むログイン画面300を例示する図である。
【0071】
図10において、パスワードチェック情報340は、パスワードチェックの一種類とする入力ミス回数に基づいてパスワードチェックを行うための入力ミス回数情報341と、パスワードチェックの一種類とする登録有効日数に基づいてパスワードチェックを行うための登録有効日数情報344を有する。
【0072】
入力ミス回数情報341は、入力ミスチェック回数342及び入力ミス回数343を有する。入力ミスチェック回数342は、パスワードの入力ミスが当該値に到達した場合にエラーとするチェック値であり、特に限定されずユーザが予め登録することが可能な固定値であってもよいし、またその値は、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等により、不正なログインを可及的に防止し得るように設定されていてもよい。
【0073】
入力ミス回数343は、実際にパスワードの入力ミスした回数を表示している。即ち、入力ミス回数343が入力ミスチェック回数342に到達した場合にエラーとなりログインが不可能となる。
【0074】
登録有効日数情報344は、警告日数345、有効日数346及び経過日数347を有する。警告日数345は、ユーザがパスワードを設定(即ち登録)又は再設定してからの経過日数が当該値に到達した場合に警告とするチェック値であり、特に限定されずユーザが予め登録することが可能な固定値であってもよいし、またその値は、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等により、不正なログインを可及的に防止し得るように設定されていてもよい。ここで、「警告」とは、この警告日数345に到達してもまだログインすることが可能である。
【0075】
有効日数346は、ユーザがパスワードを設定(即ち登録)又は再設定してからの経過日数が当該値に到達した場合にエラーとするチェック値であり、警告日数345と同様に特に限定されず、ユーザが予め登録することが可能な固定値であってもよいし、またその値は、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等により、不正なログインを可及的に防止し得るように設定されていてもよい。ここで、「有効」とは、この有効日数346に到達した場合はログインが不可能となる。
【0076】
経過日数347は、実際にパスワードが設定(即ち登録)又は再設定されてからの経過日数を表示している。即ち、経過日数347が警告日数345に到達した場合に、後述する警告のダイアログとする有効期限警告のエラーダイアログ370がポップアップ表示され、有効日数346に到達した場合に、後述するエラーのダイアログとする有効期限超過のエラーダイアログ360がポップアップ表示されてログインが不可能となる。
【0077】
なお、本実施形態では、ログイン画面300には、パスワードチェック情報340の入力ミス回数情報341及び登録有効日数情報344が両方表示されている(この際、後述のパスワードチェック処理として、入力ミス回数チェック処理及び登録有効日数チェック処理両方が行われる)が、本発明に係るパスワードチェックは、不正なログインを可及的に防止することが可能である限りにおいて、特に限定されず各種の態様を有してよい。例えば入力ミス回数情報341と登録有効日数情報344はそれぞれ独立してパラメータ化されており、即ちログイン画面300には、パスワードチェック情報340の入力ミス回数情報341のみが表示されてもよいし(この際、後述の入力ミス回数チェック処理のみが行われる)、ログイン画面300には、パスワードチェック情報340の登録有効日数情報344のみが表示されてもよい(この際、後述の登録有効日数チェック処理のみが行われる)。当然、どちらもチェックしない、どちらもチェックすることも可能である。このように、入力ミス回数チェック処理及び登録有効日数チェック処理を独立してパラメータ化することにより、顧客のニーズにフレキシブルに対応することができ、実践上極めて有益である。
【0078】
また、本実施形態では、入力ミス回数情報341及び登録有効日数情報344などのパスワードチェック情報340は、ログイン画面300に表示されているが、特に限定されず主操作画面18a、副操作画面52a又は外部操作画面32a等に表示されてもよい。
【0079】
なお、本実施形態では、ログインするユーザの操作レベルに応じてパスワードチェック情報340の表示内容が変更、或いはカスタマイズされたログイン画面300に切替表示されてもよい。例えば装置のユーザレベルには保守ユーザ(最高特権ユーザ)、管理者ユーザ(顧客特権ユーザ)、一般ユーザの3種類が存在しており、保守ユーザのユーザ名が入力された場合はパスワード情報が表示されない。
【0080】
続いて、図11乃至図13を参照しながら、本発明の実施形態に係る入力ミス回数チェック処理について説明する。図11は、本発明の実施形態に係るパスワードチェック処理の一とする入力ミス回数チェック処理のフローチャートであり、図12は、本発明の実施形態に係る基板処理システム1の表示装置に表示されるログインボタン303が押下不可となるログイン画面300を例示する図であり、図13は、本発明の実施形態に係る基板処理システム1の表示装置に表示されるパスワード入力ミスチェック回数到達のエラーダイアログ350を例示する図である。なお、図11において、図5と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
【0081】
まず、ログイン画面300に入力ミスチェック回数342と入力ミス回数343が表示される(ステップS201)。
【0082】
次に、この時点で入力ミス回数343が入力ミスチェック回数342に到達していないか否かを判断する(ステップS202)。この時点で入力ミス回数343が入力ミスチェック回数342に到達していたと判断された場合(ステップS202:NO)、ログイン画面300のパスワード入力エリア302を入力不可、ログインボタン303を押下不可(図12参照)にする(ステップS203)。これと同時に、「このユーザはログインできません。(パスワード入力ミスチェック回数到達)システム管理者に連絡してください。」とのエラーダイアログ350(図13参照)がポップアップ表示され(ステップS204)、主操作画面18a上に「パスワード入力エラー」との旨のアラームが表示される(ステップS205)。
【0083】
一方、この時点で入力ミス回数343が入力ミスチェック回数342に到達していないと判断された、即ち入力ミス回数342が上限値に到達していない場合(ステップS202:YES)、パスワードの入力を受け付ける(ステップS206)。
【0084】
パスワードが入力された場合、ログイン画面300で入力されたパスワードと、ユーザ管理情報に登録されているパスワードとが一致するか否かを判断する(ステップS207)。ログイン画面300で入力されたパスワードとユーザ管理情報に登録されているパスワードとが一致していないと判断された、即ち主コントローラ14のユーザ管理情報に登録されていないパスワードが入力された場合(ステップS207:NO)、本実施形態に係る基板処理システム1に設けられる共有メモリ(不図示)上に配置してある当該ユーザのパスワード入力ミス回数343をインクリメントする(即ち1増やす演算を行う)(ステップS208)。
【0085】
一方、ログイン画面300で入力されたパスワードとユーザ管理情報に登録されているパスワードとが一致すると判断された、即ち正しいユーザ名とパスワードが入力された場合(ステップS207:YES)、共有メモリ上に配置してある当該ユーザのパスワード入力ミス回数343をクリアして(ステップS209)、ログインを許可する(ステップS210)。
【0086】
本実施形態では、パスワードの入力ミス回数343が共有メモリ上に配置される、即ちユーザがログインする際にすべての操作部(例えば主操作装置16、副操作装置50及び外部操作装置30など)における入力ミス回数が管理(即ち計数)され、入力ミス回数チェック処理が行われる際に共有メモリ上の入力ミス回数343が参照される。従って、それぞれの操作部でパスワードの入力ミス回数を管理(即ち計数)するものと比較して、各操作部の入力ミス回数が共有の合計値に到達した時点でパスワードの入力を不可にすることで、セキュリティ性を更に向上できる。また、この際にログイン画面300には、各操作部の接続状態、各操作部の入力ミス回数などが表示されてもよい。
【0087】
続いて、図14乃至図18を参照しながら、本発明の実施形態に係る登録有効日数チェック処理の流れについて説明する。図14は、本発明の実施形態に係るパスワードチェック処理の一とする登録有効日数チェックのフローチャートであり、図15は、本発明の実施形態に係る基板処理システム1の表示装置に表示される経過日数が有効日数に到達した時のログイン画面300を例示する図であり、図16は、本発明の実施形態に係る基板処理システム1の表示装置に表示される有効期限超過のエラーダイアログ360を例示する図であり、図17は、本発明の実施形態に係る基板処理システム1の表示装置に表示される経過日数が警告日数に到達した時のログイン画面300を例示する図であり、図18は、本発明の実施形態に係る基板処理システム1の表示装置に表示される有効期限警告のエラーダイアログ370を例示する図である。なお、図14において、図5又は図11と重複する箇所には同一の符合を付してその説明を適宜省略することとする。
【0088】
まず、ログイン画面300に警告日数345、有効日数346及び経過日数347が表示される(ステップS301)。ここで、表示された経過日数347は、ログインしようとするユーザ及びパスワードを登録した時点から主コントローラ14の内部タイマによりカウントアップし始めるとされている。
【0089】
次に、この時点でユーザ登録してからの経過日数347が登録有効日数の有効日数346に到達したか否かを判断する(ステップS302)。この時点でユーザ登録してからの経過日数347が登録有効日数の有効日数346に到達していたと判断された場合(ステップS302:YES)、ログイン画面300のパスワード入力エリア302を入力不可、ログインボタン303を押下不可(図15参照)にする(ステップS303)。これと同時に、「パスワードの有効期限が過ぎています。システム管理者に連絡してください。」とのエラーダイアログ360(図16参照)がポップアップ表示され(ステップS304)、主操作画面18a上に「有効日数エラー」との旨のアラームが表示される(ステップS305)。
【0090】
一方、この時点でユーザ登録してからの経過日数347が登録有効日数の有効日数346に到達していないと判断された場合(ステップS302:NO)、この時点でユーザ登録してからの経過日数347が登録有効日数の警告日数345に到達したか否かを判断する(ステップS306)。
【0091】
この時点でユーザ登録してからの経過日数347が登録有効日数の警告日数345のみに到達していたと判断された場合(ステップS306:YES)、「パスワードの有効期限が近づいています。パスワードを再登録してください。」とのエラーダイアログ370(図16参照)がポップアップ表示され(ステップS307)、主操作画面18a上に「警告日数エラー」との旨のアラームが表示される(ステップS308)。なお、この時点ではまだ装置へのログインは可能であり、装置にログインしてパスワードを変更すると経過日数は初期化される。
【0092】
一方、この時点でユーザ登録してからの経過日数347が登録有効日数の警告日数345に到達していないと判断された場合(ステップS306:NO)、登録有効日数チェック処理が終了される。
【0093】
ここで、図19及び図20を参照し、本実施形態に係る登録有効日数チェック処理の効果について説明する。図19は、本発明の実施形態に係る登録有効日数チェック処理の一実行過程における、ログイン中に警告日数に到達した時点を経過するログイン状態及び操作可能状態の経過を表すタイミングチャートであり、図20は、本発明の実施形態に係る登録有効日数チェック処理の一実行過程における、ログイン中に有効日数に到達した時点を経過するログイン状態及び操作可能状態の経過を表すタイミングチャートである。
【0094】
図19及び図20それぞれにおいて、上段から順に、ログイン状態(即ちログインしているか否か)及び操作可能状態(即ち現在ログインしているユーザの権限で操作部の操作が可能であるか否か)についての経過日数推移が表されている。
【0095】
図19に示されるように、ユーザが警告日数に到達した時点より以前の時点T1にログインして、警告日数に到達した時点と有効日数に到達した時点との間の時点T2にログアウトする、即ちログイン中(図示ログイン状態)に警告日数に到達した時点を経過する場合、エラーダイアログ370(図18参照)が警告日数に到達した時点において一回のみポップアップ表示されるが、強制的にログアウトさせることはしない。即ち図示操作可能状態は有効日数に到達した時点まで操作が可能である。
【0096】
また、図20に示されるように、ユーザが警告日数に到達した時点と有効日数に到達した時点との間の時点T3にログインして、有効日数に到達した時点より以降の時点T4にログアウトする、即ちログイン中(図示ログイン状態)に有効日数に到達した時点を経過する場合、エラーダイアログ360(図16参照)が有効日数に到達した時点において一回のみポップアップ表示されるが、警告の場合と同様に、強制的にログアウトさせることはしない。即ち、図示操作可能状態はログアウト時点T4まで操作が可能である。ただし、この場合には、有効日数に到達した時点より以降の時点で一旦ログアウトすると、先述のように再度ログインが不可能となる。
【0097】
なお、ログイン中に警告日数及び有効日数を経過しても、ログアウトする前にログインしているユーザのパスワードを変更、再登録又は再設定すれば、経過日数はクリアされる。
【0098】
以上説明したように、本実施形態に係る基板処理システム1及びログイン処理によれば、入力ミス回数チェック処理により基板処理システム1への不正なログインを防止することで、装置のセキュリティ向上を図ることができ、登録有効日数チェック処理により、ユーザのパスワードを定期的に変更させることで、基板処理システム1のセキュリティ向上を図ることができる。
【0099】
また、本実施形態では、パスワードチェック処理を有効にするかしないかをパラメータ化し、パスワードチェック処理とする入力ミス回数チェック処理及び登録有効日数チェック処理を独立してパラメータ化することにより、顧客のニーズにフレキシブルに対応することができ、実践上極めて有益である。
【0100】
〔付記〕
以下に、本実施形態に係る好ましい態様を付記する。
【0101】
〔付記1〕
基板を処理するためのファイルの作成又は編集を行う操作画面を備えた操作部と、前記ファイルを実行するよう制御する制御手段と、を備えた基板処理装置であって、前記制御手段は、ログインする際に入力されるユーザ名が予め指定されているユーザ名に含まれているかを判断し、予め指定されているユーザ名以外であると判断された場合に、ログインを拒否し、且つ前記操作画面にエラーメッセージを表示し、予め指定されているユーザ名であると判断された場合に、続いて入力されるパスワードが予め設定されているパスワードと一致しているかを判断し、パスワードが一致していないと判断された場合に、ログインを拒否し、且つ前記操作画面にエラーメッセージを表示し、パスワードが一致していると判断された場合に、ログインを有効とする基板処理装置。
【0102】
〔付記2〕
付記1において、前記制御手段は、前記操作画面上でログインボタンの押下を受け付けると、所定のログイン画面を表示し、入力されたユーザの操作レベルに応じてカスタマイズされたログイン画面に切替表示されるよう構成される基板処理装置。
【0103】
〔付記3〕
付記1又は2において、前記制御手段は、ログインする際の入力ミス回数の設定値と現在値及びログイン後の有効日数の設定値と現在値のうち少なくとも一方を前記操作画面に表示し、前記入力ミス回数の現在値が前記入力ミス回数の設定値に達した場合及び/又は前記有効日数の現在値が前記有効日数の設定値に達した場合に、前記操作画面にエラーメッセージを表示する基板処理装置。
【0104】
〔付記4〕
付記3において、前記所定のログイン画面には、ログインする際の入力ミス回数の設定値と現在値及びログイン後の有効日数の設定値と現在値のうち少なくとも一方が表示される基板処理装置。
【0105】
〔付記5〕
付記1乃至4のいずれかにおいて、前記所定のログイン画面には、少なくとも全ての操作パネルの接続状態が表示される基板処理装置。
【0106】
〔付記6〕
付記5において、前記全ての操作パネルにおける入力回数が計数される基板処理装置。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明に係る基板処理装置は、半導体ウェハやガラス基板等の基板を処理する基板処理装置、特にユーザログイン時に、ユーザの登録情報の整合性をチェックする基板処理装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 基板処理システム
10 基板処理装置
14 主コントローラ
16 主操作装置
18 主表示装置
18a 主操作画面
18b 主パラメータ設定画面
30 外部操作装置
32 外部表示装置
32a 外部操作画面
50 副操作装置
52 副表示装置
52a 副操作画面
300 ログイン画面
301 ユーザ名入力エリア
302 パスワード入力エリア
303 ログインボタン
320 ユーザ未存在のエラーダイアログ
330 ログイン失敗のエラーダイアログ
340 パスワードチェック情報
341 入力ミス回数情報
342 入力ミスチェック回数
343 入力ミス回数
344 登録有効日数情報
345 警告日数
346 有効日数
347 経過日数
350 パスワード入力ミスチェック回数到達のエラーダイアログ
360 有効期限警告のエラーダイアログ
370 有効期限超過のエラーダイアログ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するためのファイルの作成又は編集を含む所定の入力を受けつける操作画面を備えた操作部を少なくとも有する制御手段を備えた基板処理装置であって、
前記制御手段は、
ログインする際に入力されるユーザ名が予め指定されているユーザ名に含まれているかを判断し、
予め指定されているユーザ名以外であると判断された場合に、ログインを拒否し、且つ前記操作画面にエラーメッセージを表示し、予め指定されているユーザ名であると判断された場合に、続いて入力されるパスワードが予め設定されているパスワードと一致しているかを判断し、
パスワードが一致していないと判断された場合に、ログインを拒否し、且つ前記操作画面にエラーメッセージを表示し、パスワードが一致していると判断された場合に、ログインを有効とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図11】
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【図14】
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【図19】
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【図20】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−133438(P2012−133438A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282752(P2010−282752)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】