説明

基板収容ケース

【課題】基板の搬入出過程を含めて、カセットが占める占有領域の低減が図られたカセットを提案する。
【解決手段】基板収容ケースは、一方向に向けて複数のガラス基板を配列させた状態で収容可能とされ、ガラス基板を搬入出可能な開口部が形成されたケース本体と、ケース本体に対して、ガラス基板の配列方向に移動可能に設けられると共に、開口部の領域R1を開閉可能なスライド蓋131と、領域R1に対して、隣り合う領域R2を開閉可能なスライド蓋132とを備え、スライド蓋132は、領域R2を閉塞する状態から、領域R1を閉塞するスライド蓋131に重なるように移動可能に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板収容ケースに関し、特に、複数の基板を搬入出可能な基板収容ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のガラス基板を収容可能な基板収容ケースや基板搬送装置等が各種提案されている。
【0003】
たとえば、特開2000−7148号公報に記載されたガラス基板カセットは、収納されたガラス基板の端部を支持するよう構成されたガラス基板端部支持部と、ガラス基板の中央部を支持するよう構成された複数のガラス基板支持棒と、ガラス基板の出入を行なうと共に保存中のガラス基板をガラス基板カセット内に密閉するシャッタとを備えている。
【0004】
このガラス基板カセットにおいては、ガラス基板支持棒およびガラス基板端部支持部によってガラス基板を端部および中央部にて支持することで、ガラス基板を保持する際に、ガラス基板に生じる撓みの低減が図られている。
【0005】
特開平11−251392号公報には、1つの側面が開放されたカセットと、当該カセットが載置され、カセット内に収容された基板を搬送する基板搬送装置とが記載されている。この基板搬送装置は、カセットが載置されるカセット載置部と、このカセット載置部にカセットが載置されたか否かを検知する検出センサと、カセットの開口部と対向し、上下方向に移動可能に設けられたシャッタと、シャッタを駆動するエアシリンダと、カセットから基板を取り出して搬送する基板搬送部とを備えている。
【0006】
この基板搬送装置においては、カセットをカセット載置部に載置する際に、シャッタが閉状態となることで、人手が基板搬送部に誤って侵入し、人手と基板搬送部とが接触することを抑制している。
【0007】
特開平11−145269号公報に記載された密閉式基板用カセットは、開口部が形成された直方体状のカセット本体と、基板を支持する保持溝が形成されると共に、カセット内に対向配置された1対の支持部材と、カセット本体の開口部をスライド開閉自在且つ閉止時に密閉する蓋体とを備えている。そして、カセット本体には、蓋体を開放状態から閉止状態へ案内する上下方向のスライドレールが設けられている。
【0008】
特開平11−204630号公報に記載されたカセットは、開閉機構部を有するカバーを備えている。そして、開閉機構部は、カセットの上部板の開口面側の上部両端に取り付けられた回転支持軸を含み、カバーは回転支持軸に固着されている。これにより、カバーは、回転支持軸を中心に回転可能とされている。
【特許文献1】特開2000−7148号公報
【特許文献2】特開平11−251392号公報
【特許文献3】特開平11−145269号公報
【特許文献4】特開平11−204630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特開2000−7148号公報に記載されたガラス基板カセットにおいては、シャッタは、上下方向に移動可能に設けられており、基板カセットの上段に収容された基板を取り出す際に、シャッタはガラス基板カセットの上端面から大きく上方に突出した状態となる。
【0010】
そして、ガラス基板カセットの上端面から大きく突出するシャッタと他の部材とが接触することを抑制するために、当該ガラス基板カセットを載置するカセット搬送装置等において、ガラス基板カセットの上方に位置する領域に部材を配置することができず、結果として、ガラス基板カセットの占有領域が大きくなる。これに伴い、当該ガラス基板カセットが登載される基板搬送装置が大型化する等の弊害が生じる。
【0011】
さらに、シャッタの変位ストロークが大きいことから、当該シャッタを駆動する駆動装置も大型化するという問題が生じる。
【0012】
特開平11−251392号公報に記載されたカセットには、カセットの開口部を閉塞するための蓋部が設けられておらず、カセット内に異物が入り込み易くなっている。
【0013】
さらに、特開平11−251392号公報に記載された基板搬送装置は、基板搬送部が基板を搬入出する際には、シャッタをカセットから退避させ、基板の搬送が完了したときには、カセットの開口部を閉塞するようにシャッタを変位させている。
【0014】
このため、この基板搬送装置においてもシャッタの変位領域は広く、結果として、シャッタを変位させる駆動装置が大型化し易く、基板搬送装置のコンパクト化が困難なものとなっている。
【0015】
特開平11−145269号公報に記載された密閉式基板用カセットにおいても、カセット本体の開口部を開放する際には、蓋体はスライドレールに案内され、蓋体の大部分がカセットの上面から上方に突出する。
【0016】
これにより、密閉式基板用カセットの占有領域が大きくなると共に、蓋体を駆動する駆動部も大きくなる。
【0017】
特開平11−204630号公報に記載されたカセットにおいて、カセットの上段に載置された基板を取り出す際には、カバーを回転支持軸を中心として大きく回動させる必要がある。
【0018】
このため、特開平11−204630号公報に記載されたカセットにおいても、カバーの変位領域が広く、さらに、カバーを駆動する駆動部も大きくなる。
【0019】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、基板の搬入出過程を含めて、カセットが占める占有領域の低減が図られたカセットを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係るカセットは、1つの局面では、一方向に向けて複数の基板を配列させた状態で収容可能とされ、基板を搬入出可能な開口部が形成されたケース本体と、ケース本体に対して、基板の配列方向に移動可能に設けられると共に、開口部の第1領域を開閉可能な第1蓋部と、ケース本体に対して、一方向に移動可能に設けられると共に、開口部の第1領域に対して、一方向に隣り合う第2領域を開閉可能な第2蓋部とを備える。そして、上記第2蓋部は、第2領域を閉塞する状態から、第1領域を閉塞する第1蓋部に重なるように移動可能に設けられる。
【0021】
好ましくは、上記第1蓋部は、第1領域を閉塞する状態から、第2領域を閉塞する第2蓋部と重なるように移動可能に設けられる。好ましくは、上記開口部は、ケース本体の周面に複数形成され、第1および第2蓋部は、各開口部ごとに設けられる。
【0022】
本発明に係るカセットは、他の局面では、一方向に向けて複数の基板を配列させた状態で収容可能な収容室が規定されると共に、基板を搬入出可能な開口部が形成されたケース本体と、開口部を閉塞するようにケース本体に設けられ、基板を搬入出可能な第1搬入出口が一方向に間隔をあけて複数形成された第1蓋部と、第1蓋部に対して、収容室と反対側に位置するようにケース本体に設けられ、基板を搬入出可能な第2搬入出口が一方向に間隔をあけて複数形成された第2蓋部とを備える。そして、上記第1蓋部と第2蓋部とは、少なくとも一方が他方に対して相対的に、一方向に移動可能に設けられ、第1搬入出口と第2搬入出口とが配列することで、基板を搬入出可能な搬入出通路を規定する。好ましくは、上記第1蓋部は、ケース本体に固定され、第2蓋部は、第1蓋部に対して、相対的に一方向に向けて移動可能に設けられる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るカセットによれば、基板の搬入出の過程を含めて、カセットが占める占有領域を小さく抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1から図24を用いて、本発明に係るカセットについて説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組合わせることは、当初から予定されている。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係るガラス基板カセット100の斜視図であり、図2は、ガラス基板カセット100の断面図である。
【0026】
この図1および図2に示すように、ガラス基板カセット100は、内部に複数のガラス基板150を収容可能なケース本体130と、ケース本体130の側面に形成された開口部を閉塞するスライド蓋131およびスライド蓋132とを備えている。
【0027】
図2に示すように、ケース本体130内には、ケース本体130の高さ方向および奥行き方向に、所定の間隔を隔てて複数のワイヤ111がケース本体130内に張られており、ガラス基板150を支持可能な基板載置部117が形成されている。
【0028】
そして、この基板載置部117は、ケース本体130の高さ方向に複数設けられており、ケース本体130内には、ケース本体130の高さ方向に複数のガラス基板150が収容されている。
【0029】
図3は、ケース本体130の斜視図である。この図3に示すように、ケース本体130は、一の側面(正面)に開口部105が形成されており、底部には、開口部104が形成されている。
【0030】
そして、図1および図2に示すスライド蓋131およびスライド蓋132は、ケース本体130の高さ方向(基板の配列方向)に移動可能に設けられており、スライド蓋131は、開口部105の一部の領域R1を開閉可能とされ、スライド蓋132は、開口部105の他の領域R2を開閉可能とされている。なお、ガラス基板カセット100は、スライド蓋131,132をそれぞれ、ケース本体130の高さ方向にスライド移動可能なように、案内するガイド機構を備えている。図3に示すように、領域R1は、開口部105の上側半分を占めており、領域R2は、領域R1に対して、下方に隣り合うように位置し、開口部105の下側半分を占めている。
【0031】
図1では、スライド蓋131が開口部105の領域R1を閉塞する状態(第1状態)が示され、さらに、スライド蓋132が開口部105の領域R2を閉塞する状態(第3状態)が示されている。これにより、開口部105は、スライド蓋131およびスライド蓋132によって全閉状態とされている。
【0032】
そして、図2に示されたガラス基板カセット100においては、図1に示す状態からスライド蓋132が上方にスライドしており、領域R2の一部が開放された状態(第4状態)となっている。ここで、スライド蓋132と、スライド蓋131とは、ガラス基板カセット100の奥行き方向に僅かにずれて配置されており、スライド蓋132は、上方にスライドすることで、スライド蓋131の前面側に移動可能となっている。そして、スライド蓋131とスライド蓋132との高さ方向の寸法は、略一致しており、領域R2を完全に開放すると、スライド蓋132がスライド蓋131に重なる。この際、スライド蓋132の上端部がケース本体130の上面から突出することが抑制されている。
【0033】
図4は、上記図2に示すガラス基板カセット100と異なる状態のガラス基板カセット100を示す断面図であり、この図4では、スライド蓋131が、図1に示す状態からスライド蓋131が上方にスライドし、領域R1の一部を開放する状態(第2状態)となっている。
【0034】
ここで、ガラス基板カセット100において、最上段の基板載置部117に登載されたガラス基板150を搬出する際には、開口部105の領域R1を略完全に開放する必要があり、スライド蓋131がケース本体130の上面から突出する。スライド蓋131の高さ方向の長さは、ケース本体130の高さ方向の寸法の半分程度となっているため、ケース本体130の上面から突出するスライド蓋131の突出量は、ケース本体130の高さ寸法の半分程度となる。その一方で、たとえば、開口部105を一枚の蓋部で開閉するガラス基板カセットにおいて、最も上段に登載されたガラス基板150を搬出する際には、開口部105を略完全に開放する必要がある。この際、上記1枚の蓋体が、ケース本体130の上面から突出する突出量は、略ケース本体130の高さ分となる。このため、本実施の形態1に係るガラス基板カセット100においては、上記のような1枚の蓋体のガラス基板カセットよりも、ケース本体130の上面からスライド蓋131が突出する突出量を低減することができる。
【0035】
これにより、たとえば、ガラス基板カセット100が載置される基板搬送装置等において、ガラス基板カセット100の上方に位置する領域に部材を配置し易く、基板搬送装置のコンパクト化に寄与することができる。なお、図1において、スライド蓋131の正面部の下辺部側には、間隔を隔てて係合穴134が形成されており、同様に、スライド蓋132の正面部の下辺部には、間隔を隔てて係合穴135が形成されている。
【0036】
図5は、ガラス基板カセット100が載置された基板搬送装置500の断面図であり、図6は、ガラス基板カセット100が載置された基板搬送装置500の側断面図である。この図5および図6に示すように、基板搬送装置500は、ガラス基板カセット100を載置する受座101と、この受座101を上下方向に変位させる昇降機構112と、ガラス基板カセット100内に収容されたガラス基板150を搬出する複数のローラ121とを備えている。さらに、基板搬送装置500は、スライド蓋131およびスライド蓋132を開閉させる蓋開閉装置140を備えており、蓋開閉装置140は、進退可能に設けられ、図1に示すスライド蓋132の係合穴135やスライド蓋131の係合穴134に係合可能な係合ピン142を含む。
【0037】
受座101には、ガラス基板カセット100に形成された開口部104に対応する開口部109が形成されている。なお、受座101には、雌ネジが形成された支持部114が設けられている。
【0038】
昇降機構112は、支持部114の雌ネジと螺合する複数の雄ネジ113と、雄ネジ113を回転させる動力を発生するモータ115と、モータ115からの動力を雄ネジ113に伝達し、雄ネジ113を回転駆動させる動力伝達機構116とを備えている。
【0039】
そして、受座101上にガラス基板カセット100を登載した状態で、昇降機構112が駆動することで、ガラス基板カセット100は上下方向に変位する。
【0040】
ここで、ローラ121は、支持部材124によって底壁部102から所定の高さにおいて、回転可能に配置されており、受座101が下方に変位することで、ガラス基板カセット100に近接する。
【0041】
そして、ローラ121は、受座101の開口部109の下方に位置しており、ガラス基板カセット100が下方に変位することで、ローラ121は、受座101の開口部109およびガラス基板カセット100の開口部104を介して、ガラス基板カセット100内に侵入可能となっている。
【0042】
図7は、ガラス基板カセット100内のガラス基板150を搬出しているときにおける基板搬送装置500の一部を断面視した断面図である。
【0043】
この図7において、ガラス基板カセット100内のガラス基板150を搬出する際には、蓋開閉装置140の係合ピン142がガラス基板カセット100に向けて突出し、スライド蓋132の係合穴135またはスライド蓋131の係合穴134と係合した後、受座101が下方に変位する。なお、この図7においては、係合ピン142は、スライド蓋132の係合穴135と係合しており、スライド蓋131は、閉塞状態となっている。
【0044】
ここで、蓋開閉装置140は、底壁部102に固定された台141の上面に設けられており、所定の高さ位置に固定されている。このため、係合ピン142は、受座101が下方に変位することで、ガラス基板カセット100に対して相対的に上方に変位し、スライド蓋132を上方にスライドさせ、開口部105の一部が開放される。
【0045】
さらに、受座101が下方に変位することで、ローラ121が開口部109および開口部104を通って、ガラス基板カセット100内に入り込む。
【0046】
そして、ローラ121は、ワイヤ111間に入り込み、基板載置部117に載置されたガラス基板150の底部を支持可能となっている。この後、ローラ121が回転することで、ガラス基板カセット100内からガラス基板150が搬出される。なお、搬出されたガラス基板150は、搬送ローラ125上に乗り、所定の処理装置に搬送される。
【0047】
なお、スライド蓋131を開閉する際には、スライド蓋132を閉状態として、スライド蓋131の係合穴134に係合ピン142を挿入して、受座101を上下方向に移動させる。
【0048】
このように、本実施の形態1に係るガラス基板カセット100によれば、領域R1および領域R2の一方を閉状態としつつ、他方の領域を開状態とすることができ、ガラス基板150を搬出する際に、ガラス基板カセット100内に異物が入り込むことを抑制することができる。
【0049】
なお、スライド蓋131およびスライド蓋132の開閉方式としては、上記の方式に限られない。たとえば、係合穴135をスライド蓋132の外表面から内表面に向けて貫通するように形成する。そして、スライド蓋132,131を開放する際には、まず、図7の破線に示すように、係合ピン142を係合穴135内に挿入し、係合ピン142をスライド蓋132の内表面から突出させる。
【0050】
そして、受座101が下方に変位することで、スライド蓋132がケース本体130に対して相対的に上方に変位すると共に、スライド蓋131の下端部が係合ピン142に近接する。
【0051】
その後、受座101が所定距離だけ下方に変位することで、スライド蓋131の下端部と係合ピン142とが当接する。さらに、受座101が下方に変位することで、スライド蓋131もケース本体130に対して上方に相対的に移動し、開口部105のうち、領域R1が位置する部分も開放される。
【0052】
この開閉方式によれば、受座101を単純に下方に変位させることで、スライド蓋132およびスライド蓋131を開放状態とすることができ、短時間で開口部105を開放させることができる。
【0053】
(実施の形態2)
図8から図13を用いて、本実施の形態2に係るガラス基板カセット200について説明する。なお、図8から図13に示す構成のうち、上記図1から図7に示された構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0054】
図8は、本実施の形態2に係るガラス基板カセット200の斜視図である。この図8に示すように、ガラス基板カセット200は、前面に開口部205が形成され、複数のガラス基板150を収容可能なケース本体230と、ケース本体230に設けられ、開口部205を開閉可能なスライド蓋231およびスライド蓋232とを備えている。
【0055】
スライド蓋231の側面には、係合穴234が形成されており、スライド蓋232の側面には、係合穴235が形成されている。ケース本体230の側面のうち、開口部205側の辺部には、スリット236が形成されている。
【0056】
なお、図8では、開口部205は、全閉状態となっている。そして、スライド蓋231は、開口部205のうち、領域R1を閉塞した状態(第1状態)となっており、スライド蓋232は、開口部205のうち、領域R2を閉塞した状態(第3状態)となっている。
【0057】
図9は、図8に示す状態からスライド蓋232が上方にスライドした状態を示すガラス基板カセット200の斜視図である。この図9に示すように、スライド蓋232は、上方(ガラス基板カセット200の高さ方向)にスライドすることで、開口部205の領域R2を開放する。この際、スライド蓋232は、スライド蓋231の前方に変位し、領域R2を全開した状態においても、ケース本体230の上面から突出しない。
【0058】
図10は、図8に示す状態からスライド蓋231が下方にスライドしたときのガラス基板カセット200の斜視図である。この図10に示すように、スライド蓋231が下方にスライドすることで、領域R1の少なくとも一部が開放される。
【0059】
スライド蓋231は、スライド蓋232の背面側に移動可能に設けられている。そして、領域R1を完全に開放した状態においては、スライド蓋232は、スライド蓋231の背面側に位置し、ケース本体230の底面から突出しない。
【0060】
これら、上記図8から図9に示すように、本実施の形態2に係るガラス基板カセット200によれば、ガラス基板カセット200の開口部205を全閉した状態から、開口部205の領域R1,R2を開放する状態までの間に、スライド蓋231,232が、ケース本体230の上面および下面から突出することがなく、ガラス基板カセット200の占有領域の低減が図られている。
【0061】
このため、ガラス基板カセット200が登載される基板搬送装置において、ガラス基板カセット200の近傍に各種部材を配置することができ、基板搬送装置のコンパクト化を図ることができる。
【0062】
図11は、ガラス基板カセット200の断面図である。この図11において、ケース本体230内には、複数のガラス基板150を収容する基板収容室237が規定されている。
【0063】
そして、ケース本体230内には、複数の支持板215が高さ方向に間隔を隔てて設けられており、各支持板215の上面には、ケース本体230の奥行き方向に延びると共に、ケース本体230の幅方向に間隔を隔てて設けられた複数の支持突起216が設けられている。そして、支持突起216は、ガラス基板150を支持している。
【0064】
図12は、スライド蓋231に設けられ、上死点でスライド蓋231をケース本体230に係止させるストッパ機構247の一例を示す斜視図である。
【0065】
この図12および上記図8に示すように、ケース本体230の側壁部のうち、開口部205を規定する開口縁部には、張出側壁部233が形成されている。この張出側壁部233は、ケース本体230の底面側から高さ方向の中央部にまで延びており、この張出側壁部233には、高さ方向に延びるスリット236が形成されている。
【0066】
なお、この図12に示すように、スリット236は、張出側壁部233の上端部より下方に位置する位置から下方に向けて延びている。さらに、上記図8等にも示されるように、スリット236の下端部は、張出側壁部233の下端部よりも上方に位置している。連設部239のうち、スリット236に対して上方に位置する部分には、連設部239が形成されており、スリット236に対して下方に位置する部分にも、同様に連設部が形成されている。これにより、張出側壁部233の剛性が確保されている。
【0067】
ここで、スライド蓋231は、張出側壁部233の内側に配置されており、開口部205の領域R1を閉塞した状態から下方に向けて変位可能となっている。
【0068】
そして、スライド蓋231には、ストッパ機構247が設けられており、ストッパ機構247は、開口部205の領域R1を閉塞するように位置するスライド蓋231をケース本体230に係止する。ストッパ機構247は、スライド蓋231に設けられ、基板収容室237内側に配置されたストッパ片245と、ストッパ片245に接続された弾性部材246とを備えている。
【0069】
ストッパ片245は、係合穴234に対して隣り合う位置に設けられており、係合穴234から挿入される係止ピンによって押圧される押圧部248と、この押圧部248に連設され、張出側壁部233に形成された係合穴240と係合可能な係止部249とを備えている。
【0070】
そして、弾性部材246は、ストッパ片245の押圧部248が係合穴234に近接するように付勢している。
【0071】
このため、スライド蓋231が開口部205の領域R1を閉塞した状態であって、ストッパ片245に外力が加えられていない状態においては、ストッパ片245の係止部249の端部が張出側壁部233の内表面側に形成された係合穴240内に入り込み、スライド蓋231の位置が固定される。
【0072】
そして、スライド蓋231をスライドさせる際には、係合穴234内にピン等を挿入することで、ストッパ機構247によるスライド蓋231の係止状態を解除し、そして、挿入されたピンでスライド蓋231を支持しながら、スライド蓋231を下方に移動させる。
【0073】
なお、図12に示すストッパ機構247は、一例であって、上記のような構成に限られない。
【0074】
上記のように構成されたガラス基板カセット200内に収容されたガラス基板150を取り出したり、処理が完了したガラス基板150をガラス基板カセット200内に収容する際には、基板搬送装置250にガラス基板カセット200を登載する。
【0075】
図13は、ガラス基板カセット200を基板搬送装置250に登載した状態を模式的に示す斜視図である。
【0076】
基板搬送装置250は、ガラス基板カセット200が載置される載置台201と、載置されたガラス基板カセット200のスライド蓋231,232を開閉操作する開閉機構217と、ガラス基板カセット200内からガラス基板150を引き出したり、ガラス基板150をガラス基板カセット200内に収容したりするフォーク210とを備えている。
【0077】
開閉機構217は、スライド蓋231の両側方に位置し、ケース本体230の高さ方向に昇降可能に設けられた昇降器213と、この昇降器213に設けられた係合ピン241と、スライド蓋232の側方に位置し、ケース本体230の高さ方向に昇降可能に設けられた昇降器214と、昇降器214に設けられた係合ピン242とを備えている。
【0078】
係合ピン241および係合ピン242は、ガラス基板カセット200に向けて進退可能に設けられており、係合ピン241は、係合穴234と係合可能とされており係合ピン242は、係合穴235と係合可能となっている。
【0079】
そして、係合ピン241がスライド蓋231の係合穴234に挿入されることで、上記図12に示すストッパ機構247によるスライド蓋231の係合状態が解除され、スライド蓋231が移動可能となる。
【0080】
なお、図13に示す状態においては、係合ピン242がスライド蓋232の係合穴235内に挿入された状態で、昇降器214が上昇することで、開口部205の一部が開放されている。
【0081】
ここで、昇降器214は、開口部205の領域R1を閉塞するスライド蓋232を、ケース本体230の高さ寸法の略半分程度上昇させることで、開口部205の領域R1を完全に開放することができる。
【0082】
そして、スライド蓋232の係合穴235は、スライド蓋232の下端部側に設けられているため、昇降器214は、ケース本体230の高さ寸法の略半分程度にまで上昇可能であればよい。
【0083】
このため、昇降器214の高さを低くすることができ、基板搬送装置250のコンパクト化を図ることができる。さらに、昇降器214のストロークは、ケース本体230の高さ寸法の半分程度となっており、昇降器214のストローク量の低減が図られている。
【0084】
同様に、昇降器213の高さ寸法の低減および昇降器213のストローク量の低減が図られている。
【0085】
このように、各昇降器213,214のコンパクト化を図ることで、基板搬送装置250自体のコンパクト化をも図ることができる。
【0086】
なお、本実施の形態2に係るガラス基板カセット200においても、開口部205の領域R1および領域R2の一方を閉塞した状態で、他方を開放することができ、ケース本体230内に異物が入り込むことが抑制することができる。
【0087】
本実施の形態2においては、2つのスライド蓋231およびスライド蓋232を備えた例について説明したが、これに限られず、たとえば、図14に示すように、さらに複数のスライド蓋231,232,238によって、ケース本体230の開口部を閉塞および開放するようにしてもよい。
【0088】
(実施の形態3)
図15から図21を用いて、本実施の形態3に係るガラス基板カセット300について説明する。なお、図15から図21に示す構成において、上記図1から図14に示された構成と同一または相当する構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0089】
図15は、本実施の形態3に係るガラス基板カセット300の斜視図であり、図16は、図15に示されたガラス基板カセット300の構成を模式的に示す側断面図である。
【0090】
この図15および図16に示すように、ガラス基板カセット300は、一周面に開口部305が形成され、内部に複数のガラス基板150を収容可能なケース本体330と、ケース本体330の開口縁部に固定された固定蓋部331と、ケース本体330に設けられると共に、固定蓋部331の前面側(固定蓋部331に対してケース本体330内に規定された収容室と反対側)に配置された可動蓋部332とを備えている。
【0091】
固定蓋部331には、ケース本体330の高さ方向に間隔を隔てて、複数の搬送開口部336が形成されている。これに伴い、固定蓋部331のうち、搬送開口部336と高さ方向に隣り合う部分には、閉塞部335が形成されている。なお、閉塞部335は、ケース本体330の幅方向に延在している。固定蓋部331の閉塞部335に対してケース本体330の奥行き方向に隣り合う部分には、ガラス基板150を支持する支持板215が設けられており、搬送開口部336と隣り合う部分には、ガラス基板150が位置している。なお、この図15および図16に示す例においては、ガラス基板150を支持する支持部材としては、板状の支持板215を用いた例を示しているが、ガラス基板150を支持する構成としては、当該構成に限られない。たとえば、上記ワイヤや支持突起等であってもよい。
【0092】
可動蓋部332にも、固定蓋部331と同様の搬送開口部334が形成されており、搬送開口部334間に位置する部分には、閉塞部333が形成されている。そして、図15に示すように、可動蓋部332の側面には、係合穴337が形成されている。固定蓋部331は、ケース本体330に固定されている一方で、可動蓋部332は、ケース本体330の高さ方向に移動可能に設けられている。
【0093】
なお、可動蓋部332には、図示されない固定機構が設けられており、この固定機構は、可動蓋部332をケース本体330に固定した状態と、ケース本体330の高さ方向に移動可能な状態とに切替可能となっている。
【0094】
そして、上記固定機構のロックを解除した状態で、係合穴337内に基板搬送装置の係合ピンを挿入し、係合ピンが上下方向に移動することで、可動蓋部332も上下方向に移動可能となっている。
【0095】
この図16に示す状態においては、可動蓋部332は、固定機構によってケース本体330に固定されている。
【0096】
この際、可動蓋部332の搬送開口部334と、固定蓋部331の搬送開口部336とがケース本体330の高さ方向にずれるように位置している。具体的には、可動蓋部332の搬送開口部334に対して、ケース本体330の奥行き方向に隣り合う部分には、固定蓋部331の閉塞部335が位置しており、搬送開口部334は閉塞部335によって閉塞されている。
【0097】
また、固定蓋部331の搬送開口部336に対して隣り合う部分には、可動蓋部332の閉塞部333が位置しており、搬送開口部336は、閉塞部333によって閉塞されている。したがって、固定蓋部331および可動蓋部332によって、ケース本体330の開口部305は閉塞されている。
【0098】
なお、可動蓋部332および固定蓋部331が開口部305を閉塞した状態において、可動蓋部332の上端部は、ケース本体330の上面より、僅かに下方に位置している。
【0099】
図17は、図16に示す状態から可動蓋部332を上方にスライドさせたときのガラス基板カセット300の断面図である。
【0100】
この図17に示すように、可動蓋部332を上方に僅かに変位させることで、搬送開口部334および搬送開口部336が連通した状態となる。これにより、基板搬送装置のフォークを、ケース本体330内に挿入することができ、ガラス基板150を搬入出することができる搬入出通路が規定される。
【0101】
このように、本実施の形態3に係るガラス基板カセット300によれば、可動蓋部332を僅かにスライドさせることで、ガラス基板150を搬出可能な搬出通路を形成することができ、可動蓋部332を移動させる基板搬送装置の昇降機構のストロークを低減することができる。
【0102】
さらに、係合穴337が可動蓋部332の下端部側に設けられているので、基板搬送装置の昇降機構の高さを低く抑えることができ、基板搬送装置のコンパクト化を図ることができる。
【0103】
その上、開口部305を閉塞した状態から開口部305を開放した状態にわたって、可動蓋部332がケース本体330の上面および下面から突出することが抑制されており、ケース本体330の周囲に基板搬送装置の各種部材を配置したとしても、可動蓋部332との干渉を回避することができる。これに伴い、登載されるガラス基板カセット300が位置する領域の周囲に基板搬送装置の部材を配置することができ、基板搬送装置のコンパクト化を図ることができる。
【0104】
また、このガラス基板カセット300においては、ガラス基板150をガラス基板カセット300から搬出する際、または、ガラス基板150を搬入する際において、ケース本体330の開口部305が完全に開放されることがなく、ガラス基板カセット300内に異物が入り込むことを抑制することができる。
【0105】
図18は、本実施の形態3に係るガラス基板カセット300の第1変形例を示す斜視図であり、図19は、図18に示されたガラス基板カセット300の側断面図である。
【0106】
この図18および図19に示す例においては、ガラス基板カセット300は、ケース本体330の開口部305を閉塞するように配置された可動蓋部339と、この可動蓋部339の前方側に設けられた可動蓋部332とを備えている。
【0107】
可動蓋部332および可動蓋部339は、いずれも、上下方向に移動可能に設けられており、可動蓋部332の側面には、係合穴337が形成されており、可動蓋部339の側面には、係合穴338が形成されている。
【0108】
可動蓋部339には、ケース本体330の高さ方向に間隔をあけて複数の搬送開口部336が形成されており、搬送開口部336間に位置する部分には、閉塞部335が形成されている。可動蓋部332にも、高さ方向に間隔をあけて複数の搬送開口部334が形成されており、搬送開口部334間に位置する部分には、閉塞部333が形成されている。
【0109】
ここで、図19に示す状態においては、搬送開口部334に対してケース本体330の奥行き方向に隣り合う部分には、可動蓋部339の閉塞部335が位置しており、さらに、可動蓋部339の搬送開口部336の前方側には、可動蓋部332の閉塞部333が位置している。
【0110】
このため、この図19においては、ケース本体330の開口部305は、可動蓋部339および可動蓋部332によって閉塞されている。
【0111】
この際、可動蓋部339の搬送開口部336および閉塞部335に対して、ケース本体330の奥行き方向に隣り合う部分には、ガラス基板150が配置されている。
【0112】
そして、たとえば、上記図19に示す状態から、可動蓋部332を変位させることで、可動蓋部332の搬送開口部334と、可動蓋部339の搬送開口部336とをケース本体330の奥行き方向に一致させることで、ガラス基板150を搬入出可能な基板搬入出通路を形成することができる。
【0113】
さらに、上記図19に示す状態から、可動蓋部339をスライドさせて、可動蓋部332の搬送開口部334と、可動蓋部339の搬送開口部336とをケース本体330の奥行き方向に一致させることで、ガラス基板150を搬入出可能な基板搬入出通路を形成することができる。
【0114】
このように、複数の可動蓋部332,339を配列させて、互いにケース本体330の高さ方向にスライド可能とすることで、ガラス基板150を搬入出する際に形成される基板搬入出通路の開口面積を低減することができ、さらに、異物の侵入を抑制することができる。
【0115】
なお、上記図15から図19に示す例においては、各閉塞部333,搬送開口部334,閉塞部335および搬送開口部336の高寸法は、略一致するように形成された例を示したが、これに限られない。たとえば、図20,図21に示す例のように、閉塞部333と搬送開口部334との高さ寸法を異ならせてもよい。
【0116】
図20は、本実施の形態3に係るガラス基板カセット300の第2変形例を示す斜視図であり、図21は、図20に示されたガラス基板カセット300の側断面図である。
【0117】
これら、図20および図21において、固定蓋部331は、ケース本体330に固定されており、固定蓋部331に形成された搬送開口部336は、図16に示された搬送開口部336よりも高さ方向に長尺に形成されている。搬送開口部336に対して、ケース本体330の奥行き方向には、複数のガラス基板150が位置している。そして、固定蓋部331のうち、搬送開口部336と隣り合う部分には、閉塞部335が形成されている。
【0118】
可動蓋部332には、間隔をあけて、搬送開口部334が形成されており、搬送開口部334と隣り合う部分には、閉塞部333が形成されている。
【0119】
ここで、閉塞部333の高さ寸法は、搬送開口部334の高さ寸法よりも大きくなっており、搬送開口部334は、ガラス基板150を搬入出可能な程度の大きさとされている。そして、閉塞部333は、搬送開口部336を閉塞可能な寸法とされており、閉塞部335の高さ寸法は、搬送開口部334を閉塞可能な程度とされている。
【0120】
ここで、この図21に示す状態においては、搬送開口部336の前方に、閉塞部333が位置しており、ケース本体330の開口部305は閉塞されており、さらに、搬送開口部334は、閉塞部335によって閉塞されている。
【0121】
そして、この図21に示す状態から可動蓋部332が上下方向に移動することで搬送開口部334と、搬送開口部336とがケース本体330の奥行き方向に配列し、ガラス基板カセット300内のガラス基板150を搬出可能となっている。
【0122】
この図20および図21に示す例においては、固定蓋部331を枠体とすることができ、固定蓋部331の製造コストの低減を図ることができる。
【0123】
なお、上記図1から図21においては、ケース本体330に、ガラス基板150が搬入出される開口部を1つのみ形成された例を示したが、ガラス基板150が搬入出される開口部としては、複数形成されてもよい。たとえば、図22に示すように、ケース本体230の周面のうち、互いに対向する側面に開口部205A,205Bを形成し、開口部205Aにスライド蓋231A,232Aを配置し、開口部205Bにスライド蓋231B,232Bを配置して、それぞれ、開閉させてもよい。
【0124】
図23は、工場内における基板搬送装置500などの配置状態を模式的に示す平面図である。この図23に示す例においては、工場内には、間隔を隔てて配置された2つの基板搬送装置250A,250Bと、ガラス基板カセット200を各基板搬送装置250A,250Bに向けて搬送し、各載置台201A,201Bにガラス基板カセット200を載置可能なカセット搬送車251とが設置されている。カセット搬送車251は、工場の床面に配置されたレール252に案内されて、工場内を移動可能に設けられている。
【0125】
さらに、この図23に示す工場においては、載置台201Aに対して、カセット搬送車251と反対側に位置する領域に、フォーク210Aが配置されており、載置台201Bに対してカセット搬送車251と反対側に位置する領域には、フォーク210Bが配置されている。
【0126】
フォーク210Aは、載置台201A上に登載されたガラス基板カセット200からガラス基板150を取り出したり、ガラス基板カセット200内にガラス基板150を挿入可能となっている。同様に、フォーク210Bは、載置台201B上に登載されたガラス基板カセット200からガラス基板150を取り出したり、ガラス基板カセット200内にガラス基板150を挿入可能となっている。
【0127】
このように、基板搬送装置250A,250Bやフォーク210A,210B等が設置された設備において、カセット搬送車251は、図22に示すガラス基板カセット200を搬送する。ガラス基板カセット200は、各開口部205A,205Bが、各載置台201A,201Bの配列方向に並ぶように、カセット搬送車251上に搭載される。
【0128】
そして、カセット搬送車251は、基板搬送装置250A,250B間に位置した際に、ガラス基板カセット200を基板搬送装置250A,250Bの配列方向に変位させるのみで、各フォーク210A,210Bがガラス基板カセット200からガラス基板150を取り出し可能なようにガラス基板カセット200を載置台201A,201B上に載置することができる。
【0129】
すなわち、上記のようなレイアウトとされた設備において、図22に示すガラス基板カセット200を採用することで、ガラス基板カセット200を載置台201A,201B上に登載する際に、ガラス基板カセット200を回転等させる必要がなく、カセット搬送車251の構成を簡易なものとすることができる。これにより、設備のコストの低廉化を図ることができると共に、カセット搬送車251の構成の簡素化を図ることができる。
【0130】
図24は、複数の開口部がケース本体330に形成されたガラス基板カセットの他の例を示す斜視図である。この図24に示すガラス基板カセット100においては、ケース本体130の周面のうち、互いに隣り合う側面に、開口部105A,105Bが形成されている。なお、この図24に示す例においては、開口部105Aは、ケース本体130の側面の上半分側に形成されており、開口部105Bは、ケース本体130の側面の下半分側に形成されている。
【0131】
そして、ケース本体130には、開口部105Aを閉塞すると共に、開口部105Aから下方に向けてスライド移動可能に設けられたスライド蓋131と、開口部105Bを閉塞すると共に、開口部105Bに対して上方に向けてスライド移動可能に設けられたスライド蓋132とを備えている。このようなガラス基板カセット100によれば、複数の方向からガラス基板150を搬入出することができる。
【0132】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。さらに、上記数値などは、例示であり、上記数値および範囲にかぎられない。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、ガラス基板カセットに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本実施の形態1に係るガラス基板カセットの斜視図である。
【図2】ガラス基板カセットの断面図である。
【図3】ケース本体130の斜視図である。
【図4】図2に示すガラス基板カセットと異なる状態のガラス基板カセットを示す断面図である。
【図5】ガラス基板カセットが載置された基板搬送装置の断面図である。
【図6】ガラス基板カセットが載置された基板搬送装置の側断面図である。
【図7】ガラス基板カセット内のガラス基板を搬出しているときにおける基板搬送装置の一部を断面視した断面図である。
【図8】本実施の形態2に係るガラス基板カセットの斜視図である。
【図9】図8に示す状態からスライド蓋が上方にスライドした状態を示すガラス基板カセットの斜視図である。
【図10】図8に示す状態からスライド蓋が下方にスライドしたときのガラス基板カセットの斜視図である。
【図11】ガラス基板カセットの断面図である。
【図12】スライド蓋をケース本体に係止させるストッパ機構の一例を示す斜視図である。
【図13】ガラス基板カセットを基板搬送装置に登載した状態を模式的に示す斜視図である。
【図14】本実施の形態2に係るガラス基板カセットの変形例を示す斜視図である。
【図15】本実施の形態3に係るガラス基板カセットの斜視図である。
【図16】図15に示されたガラス基板カセットの構成を模式的に示す側断面図である。
【図17】図16に示す状態から可動蓋部を上方にスライドさせたときのガラス基板カセットの断面図である。
【図18】本実施の形態3に係るガラス基板カセットの第1変形例を示す斜視図である。
【図19】図18に示されたガラス基板カセットの側断面図である。
【図20】本実施の形態3に係るガラス基板カセットの第2変形例を示す斜視図である。
【図21】図20に示されたガラス基板カセットの側断面図である。
【図22】本実施の形態3に係るガラス基板カセットの第3変形例を示す斜視図である。
【図23】工場内における基板搬送装置500などの配置状態を模式的に示す平面図である。
【図24】本実施の形態3に係るガラス基板カセットの第4変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0135】
100 ガラス基板カセット、101 受座、102 底壁部、104 開口部、105 開口部、109 開口部、111 ワイヤ、112 昇降機構、113 雄ネジ、114 支持部、115 モータ、116 動力伝達機構、117 基板載置部、121 ローラ、124 支持部材、125 搬送ローラ、130 ケース本体、130 略ケース本体、131,132 スライド蓋、134,135 係合穴、140 蓋開閉装置、141 台、142 係合ピン、150 ガラス基板、334 搬送開口部、335 閉塞部、336 搬送開口部、337 係合穴、338 係合穴、339 可動蓋部、500 基板搬送装置、R1,R2 領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に向けて複数の基板を配列させた状態で収容可能とされ、前記基板を搬入出可能な開口部が形成されたケース本体と、
前記ケース本体に対して、前記基板の配列方向に移動可能に設けられると共に、前記開口部の第1領域を開閉可能な第1蓋部と、
前記ケース本体に対して、前記一方向に移動可能に設けられると共に、前記開口部の前記第1領域に対して、前記一方向に隣り合う第2領域を開閉可能な第2蓋部と、
を備え、
前記第2蓋部は、前記第2領域を閉塞する状態から、前記第1領域を閉塞する前記第1蓋部に重なるように移動可能に設けられた、基板収容ケース。
【請求項2】
前記第1蓋部は、前記第1領域を閉塞する状態から、前記第2領域を閉塞する前記第2蓋部と重なるように移動可能に設けられた、請求項1に記載の基板収容ケース。
【請求項3】
前記開口部は、前記ケース本体の周面に複数形成され、前記第1および第2蓋部は、各前記開口部ごとに設けられた、請求項1または請求項2に記載の基板収容ケース。
【請求項4】
一方向に向けて複数の基板を配列させた状態で収容可能な収容室が規定されると共に、前記基板を搬入出可能な開口部が形成されたケース本体と、
前記開口部を閉塞するように前記ケース本体に設けられ、前記基板を搬入出可能な第1搬入出口が前記一方向に間隔をあけて複数形成された第1蓋部と、
前記第1蓋部に対して、前記収容室と反対側に位置するように前記ケース本体に設けられ、前記基板を搬入出可能な第2搬入出口が前記一方向に間隔をあけて複数形成された第2蓋部と、
を備え、
前記第1蓋部と前記第2蓋部とは、少なくとも一方が他方に対して相対的に、前記一方向に移動可能に設けられ、前記第1搬入出口と前記第2搬入出口とが配列することで、前記基板を搬入出可能な搬入出通路を規定する、基板収容ケース。
【請求項5】
前記第1蓋部は、前記ケース本体に固定され、
前記第2蓋部は、前記第1蓋部に対して、相対的に前記一方向に向けて移動可能に設けられた、請求項4に記載の基板収容ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−58802(P2010−58802A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225018(P2008−225018)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】