説明

基板検査装置

【課題】基板検査装置において、顕微鏡ユニットの干渉を防ぎながら高精度な検査を行う。
【解決手段】顕微鏡ユニットを用いて基板を検査する基板検査装置において、顕微鏡ユニット5,7を基板Sの検査面に交差する方向に移動させる駆動機構を備え、基板Sは、基板ステージ2に載置される基板トレイ9に収納され、駆動機構は、顕微鏡ユニット5,7を、基板ステージ2又は基板トレイ9との干渉を避けるように、基板Sの検査時には基板Sに近接させ、基板Sの検査が終了した後には基板Sに近接する位置から上記検査面に交差する方向に退避させる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネルディスプレイ(FPD)などの基板を検査する基板検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顕微鏡を用いた拡大観察を行う場合、互いに倍率の異なる複数の対物レンズを回転式レボルバに取付けておき、この回転式レボルバを手動又は電動で回転させることにより、観察光路上に目的の倍率の対物レンズを挿入する手法がとられている。
【0003】
このように回転式レボルバを回転させて対物レンズを切替えると、対物レンズと試料とが干渉することがあった。特に高倍率の観察ほど対物レンズの作動距離WD(Workingdistance)が例えば0.3mmと極めて短いため、干渉の可能性が高まる。
【0004】
そこで、対物レンズの切替動作を行う際に、対物レンズと試料を載置するステージとの距離を開ける方向に焦準機構を駆動してステージ又は回転式レボルバを焦準動作範囲(例えば1mm)よりも大きい退避位置(例えば10mm)に移動させる顕微鏡装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−43366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、フラットディスプレイ(FPD)の製造工程で製造されるガラス基板等の基板を検査する場合には、薄くて撓みやすい基板をトレイに収納し、このトレイを検査装置のステージ上に載置して基板を検査することが要望されている。トレイは、基板を収納する段差があったり、基板を基準位置に位置決めする基準ピン、押し付けピン、押し付けピンを駆動するエアーアクチュエータやエアーチューブなどがトレイの周辺部に取り付けられたりしている。
【0007】
フラットパネルディスプレイの製造は、クリーン度の非常に高いクリーンルームで製造されるために、トレイからの発塵を防ぐために駆動部が取り付けられているトレイの周辺部をカバーで覆う必要がある。更に、作業者の手作業によりトレイを搬送する場合には、持ち運びやすくするためにトレイの両側に持ち手部を設ける必要がある。
【0008】
従来の顕微鏡装置でトレイに収納した基板を検査しようとすると、トレイ周辺部の突起部が基板面から数十mmと突出するため、この突起部分に顕微鏡の対物レンズが干渉してしまうという新たな問題が生ずる。
【0009】
そのため、基準ピンや押付ピンなどの突起部分に対物レンズが干渉しないように電動焦準機構の移動範囲を長く設定することが考えられる。電動焦準機構は、回転式レボルバを高精度に移動させるため、数十mmから100mmと長い距離を移動させて退避させようとした場合、退避させるまでに非常に長い時間を要する。また、対物レンズを観察光学系の光路中にて数十mm移動させることは、光学設計が非常に難しく現実的ではない。
【0010】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、顕微鏡ユニットの対物レンズとの干渉を高速かつ容易に防止して確実に検査を行うことができる基板検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の基板検査装置は、顕微鏡ユニットを用いて基板を検査する基板検査装置において、上記顕微鏡ユニットを上記基板の検査面に交差する方向に移動させる駆動機構を備え、上記基板は、基板ステージに載置される基板トレイに収納され、上記駆動機構は、上記顕微鏡ユニットを、上記基板ステージ又は上記基板トレイとの干渉を避けるように、上記基板の検査時には上記基板に近接させ、上記基板の検査が終了した後には上記基板に近接する位置から上記検査面に交差する方向に退避させる構成とする。
【0012】
本発明の他の基板検査装置は、顕微鏡ユニットを用いて基板を検査する基板検査装置において、上記顕微鏡ユニットを上記基板の検査面に交差する方向に移動させる駆動機構を備え、上記基板は、基板ステージ上で保持され、上記駆動機構は、上記顕微鏡ユニットを、上記基板ステージとの干渉を避けるように、上記基板の検査時には上記基板に近接させ、上記基板の検査が終了した後には上記基板に近接する位置から上記検査面に交差する方向に退避させる構成とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、顕微鏡ユニットの対物レンズとの干渉を高速かつ容易に防止して確実に検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係る基板検査装置を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る基板検査装置の表面用顕微鏡ユニット及び裏面用顕微鏡ユニットの動きを説明するための斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る基板検査装置の表面用顕微鏡ユニット及び裏面用顕微鏡ユニットの動きを説明するための断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る基板検査装置を示す平面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る基板検査装置の表面用顕微鏡ユニット及び裏面用顕微鏡ユニットの動きを説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る基板検査装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板検査装置1を示す平面図である。
図2は、上記基板検査装置1の表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7の動きを説明するための斜視図である。
【0016】
図3は、上記基板検査装置1の表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7の動きを説明するための断面図である。
基板検査装置1は、後述する基板トレイ9を載置する基板ステージ2、基板ステージ2を一方向(Y軸方向)に移動させる検査ステージ搬送部3,4、基板トレイ9に収納された基板Sの表面側から検査する表面用顕微鏡ユニット5、基板ステージ2の移動方向と直交する方向に表面用顕微鏡ユニット5を移動させる表面側顕微鏡ステージ(ガントリ)6、基板トレイ9に収納された基板Sの裏面側から検査する裏面用顕微鏡ユニット7、基板ステージ2の移動方向と直交する方向に裏面用顕微鏡ユニット5を移動させる裏面側顕微鏡ステージ8等を備え、基板Sの検査を行う。
【0017】
図1及び図3に示すように、基板ステージ2には、基板Sを収納する基板トレイ9が載置される。基板Sには、周縁から例えば20mm程度隔てた内側に検査領域であるパターン領域Pが形成されている。
【0018】
基板トレイ9は、矩形の基板よりも若干小さな矩形状の開口部9aが形成された略矩形枠状を呈する。また、基板トレイ9は、図1に示すように、基板Sの基準位置を規定する基板用基準部材としての基板用基準ピン9b,9c,9dと、これら基板用基準ピン9b,9c,9dに対し基板Sを押付ける基板押付部材としての基板押付ピン9e,9f,9gと、を上面に有する。基板トレイ9の周縁部分には、基板Sを基準位置に位置決めする基板用基準ピン9b,9c,9d、基板押付ピン9e,9f,9gの他に、基板押付ピン9e,9f,9gを駆動するエアーアクチュエータやエアーチューブなどがトレイの周辺部に取り付けられ、発塵防止のためにカバーが施されている。更に、持ち運びやすくするためにトレイの両側には、作業者が持ち運びしやすいように持ち手部が取り付けられている。
【0019】
なお、基板トレイ9の開口部9aには、対向する長辺の間に複数の基板支持梁を架設され、これらの基板支持梁により基板Sを水平に支持している。基板支持梁として、角棒や線材を用いることができ、低摩擦部材よりなる1mm程度の線材を用いることにより裏面用顕微鏡ユニット7による検査不能領域を小さくできるので好ましい。
【0020】
基板ステージ2は、最大サイズの基板トレイ9が載置される領域内に最大サイズの基板の検査領域より若干大きな矩形状の開口部2aが形成された略矩形枠形状を呈する。なお、本実施の形態では、基板ステージ2の開口部2aと基板トレイ9の開口部9aとは互いに同一形状となっている。
【0021】
基板ステージ2は、基板トレイ9の基準位置を規定するトレイ用基準ピン2b,2c,2dと、このトレイ用基準ピン2b,2c,2dに対し基板トレイ9を押付けるトレイ押付ピン2e,2f,2gと、を上面に有する。
【0022】
また、基板ステージ2のX軸方向両端の底面には、検査ステージ搬送部3,4上をスライドする図示しないスライダが設けられている。
検査ステージ搬送部3,4は、架台上に平行に配置された搬送ベース3a,4aと、この搬送ベース3a,4aの上面に敷設された搬送ガイド3b,4bと、リニアモータを構成するリニアガイドレール3c,4cとを有する。搬送ベース3a,4aは、ステージ2の搬送方向であるY軸方向に平行に延びている。搬送ガイド3b,4bは、搬送ベース3a,4aの上面に敷設されたY軸方向に延びる2本ずつのガイドレールからなる。リニアモータは、ステージ2の底面に設けられたスライダをリニアガイドレール3c,4cに沿って移動させる駆動源として用いられている。
【0023】
表面用顕微鏡ユニット5は、図2に示すように、顕微鏡の構成要素を内蔵した筐体5aと、筐体5aの先端下部に取り付けられたレボルバ5bと、このレボルバ5bに複数装着された異なる倍率の対物レンズ5cと、筐体5aの先端上部に取り付けられた撮像部5dとを有する。筐体5aには、顕微鏡の構成要素として観察光学系、照明光学系、自動焦準機構等が内蔵されている。レボルバ5bは、互いに倍率の異なる複数の対物レンズ5cが取付けられ、回動することにより観察光路上に目的の倍率の対物レンズ5cを導く。撮像部5dは、顕微鏡画像を取り込んで画像データを出力する。表面用顕微鏡ユニット5には、基板Sの表面のパターンを詳細に検査するために、作動距離(WD)が例えば数mm以下と短い高倍率の対物レンズ5cが取り付けられる。
【0024】
ガントリ6は、図1に示すように検査ステージ搬送部3,4上を移動する基板ステージ2をX軸方向に跨ぐ門型形状を呈し、水平梁6aの側面には、図2に示すように表面用顕微鏡ユニット5を移動させる表面側顕微鏡X軸方向ステージ10が配置されている。
【0025】
表面側顕微鏡X軸方向ステージ10は、水平梁6aの側面に敷設された2本のX軸ガイドレール10aとリニアモータを構成するリニアガイドレール10bとスケール10cとを有する。この表面側顕微鏡X軸方向ステージ10には、表面用顕微鏡ユニット5を支持する表面側顕微鏡X軸方向可動部11がガイドレール10aに沿って移動可能に設けられている。上記リニアモータは、表面側顕微鏡X軸方向可動部11をリニアガイドレール10bに沿って移動させる駆動源として用いられ、表面用顕微鏡ユニット5をX軸方向に移動させる。
【0026】
表面側顕微鏡X軸方向可動部11には、基板Sの検査面(XY平面)に交差する方向(Z軸方向)に表面用顕微鏡ユニット5を退避移動させる表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12が配置されている。
【0027】
表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12は、2本のZ軸ガイド12aと駆動源としてのリニアモータを構成するリニアガイドレール12bとを有する。このリニアモータは、表面側顕微鏡Z軸方向可動部13をリニアガイドレール12bに沿ってZ軸方向に移動させる駆動源として用いられ、表面用顕微鏡ユニット5をZ軸方向に移動させる。
【0028】
表面側顕微鏡Z軸方向可動部13には、表面用顕微鏡ユニット5を顕微鏡視野の直径の3倍程度の距離だけ微動させるために、図示しないY軸方向微動駆動部が底面に配置されている。このY軸方向微動駆動部は、顕微鏡の視野中心から検査対象領域(例えば欠陥)がずれている場合に、検査対象領域の中心に視野中心を合わせるために表面用顕微鏡ユニット5をY軸方向に移動させるときに使用される。
以上の構成により、表面用顕微鏡ユニット5は、ガントリ6に対しXYZの3軸方向に移動する。
【0029】
裏面用顕微鏡ユニット7は、図2に示すように、顕微鏡の構成要素を内蔵した筐体7aと、作動距離が数mmから数十ミリと長い低倍率の対物レンズ7bと、撮像部7cとを有する。筐体7aには、顕微鏡の構成要素として観察光学系、照明光学系、焦点合せ機構等が内蔵されている。撮像部7cは、顕微鏡画像を取り込んで画像データを出力する。
【0030】
裏面側顕微鏡X軸方向ステージ8は、基板ステージ搬送部3,4の間でX軸方向に延びるように配置され、その上面に2本のX軸ガイド14aとリニアモータを構成するリニアガイドレール14bとを有する。このリニアモータは、裏面側顕微鏡X軸方向可動部15をリニアガイドレール14bに沿ってX軸方向に移動させる駆動源として用いられ、裏面用顕微鏡ユニット5をX軸方向に移動させる。
【0031】
裏面側顕微鏡X軸方向可動部15の上部には、図示しないY軸方向微動駆動部を介して裏面側顕微鏡Y軸方向微動可動部16が配置されている。このY軸方向微動駆動部は、顕微鏡の視野中心から検査対象領域(例えば欠陥)がずれている場合に、検査対象領域の中心に視野中心を合わせるために裏面側顕微鏡Y軸方向可動部16をY軸方向に移動させるときに使用される。なお、基板ステージ搬送部3,4により基板ステージ2がY軸方向に移動するため、表面側及び裏面側の顕微鏡Y軸方向駆動部を省略することもできるが、表面側及び裏面側の顕微鏡Y軸方向駆動部は顕微鏡ユニット5,7のY軸方向への微動時に用いられる。
【0032】
裏面側顕微鏡Y軸方向可動部16の前方側面には、裏面側顕微鏡Z軸方向可動部17が、裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部を介して基板Sの検査面(XY平面)に交差する方向(Z軸方向)に移動可能に設けられている。この裏面側顕微鏡Z軸方向可動部17には、裏面用顕微鏡ユニット7が固定されており、裏面側顕微鏡Z軸方向可動部17をZ軸方向に沿って下方に移動させることにより裏面用顕微鏡ユニット7を退避させる。
【0033】
裏面側顕微鏡Z軸方向可動部17の裏面には、2本のZ軸ガイドと、駆動源としてのリニアモータを構成するリニアガイドレールとを有する。このリニアモータは、裏面側顕微鏡Z軸方向可動部17をリニアガイドレールに沿ってZ軸方向に移動させる駆動源として用いられ、裏面用顕微鏡ユニット5をZ軸方向に移動させる。
【0034】
なお、本実施の形態では、表面用顕微鏡ユニット5と裏面用顕微鏡ユニット7とは、観察光路を互いに同一のXY平面位置に配置することができ、基板Sの欠陥を表面側及び裏面側から同時に検査することも可能となっている。
【0035】
また、基板検査装置1は、各部の駆動を制御する図示しない駆動制御部、表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7により撮像された画像を表示する表示部、撮像された画像を処理する画像処理部なども備える。
【0036】
次に、基板検査装置1の動作について説明する。
まず、基板ステージ2を検査ステージ搬送部3,4よりステージ搬送方向(Y軸方向)の上流側となる搬入端に移動させる。そして、搬送ロボット等の搬送手段や作業者の手により基板トレイ9を基板ステージ2の上に載置する。
【0037】
なお、基板トレイ9には、基板押付ピン9e,9f,9gにより基板用基準ピン9b,9c,9dに対し押付けられることで位置決め保持された基板Sが収納されている。
基板トレイ9が基板ステージ2上に載置されたことが図示しないセンサにより検出されると、トレイ押付ピン2e,2f,2gにより基板トレイ9をトレイ用基準ピン2b,2c,2dに対し押付けることで、基板トレイ9を位置決め保持する。
【0038】
この後、基板トレイ9を載置した基板ステージ2を検査ステージ搬送方向(Y軸方向)に搬送し、表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7により基板Sの検査を行う。
【0039】
具体的には、まず、表面用顕微鏡ユニット5又は裏面用顕微鏡ユニット7をX方向に移動させるとともに、基板ステージ2をY方向に移動させて基板S上の欠陥のXY座標位置に表面用顕微鏡ユニット5の光軸又は裏面用顕微鏡ユニット7の光軸を合わせる。
【0040】
基板ステージ2を基板検査装置1の検査位置に移動させる際には、例えば基板トレイ9の周縁部に配置されている基板用基準ピン9b,9c,9d及び基板押付ピン9e,9f,9g、或いは、基板押付ピン9e,9f,9gを駆動するエアーアクチュエータやエアーチューブを覆うカバーなどの突起部との干渉を避けるように、表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12により表面側顕微鏡Z軸方向可動部13をZ軸方向に沿って表面用顕微鏡ユニット5を上昇させて退避位置まで移動させる。このときの退避移動距離は、基板Sの表面に対して電動焦準機構の上限退避位置より更に上方へ数十mmから100mm移動した退避位置に設定する。
【0041】
このとき基板検査装置1の制御部は、基板Sの検査領域Pを特定するために、あらかじめ検査領域Pの各隅の座標情報を取得する。制御部は、この座標情報に基づいて基板ステージ2を基板検査装置1の検査位置に移動させる。更に、制御部は、検査時に基板トレイ9に収納された基板Sの検査領域P内で表面用顕微鏡ユニット5の対物レンズ5cが移動するようにステージ搬送部3,4と表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12を制御する。また、制御部は、検査領域Pの座標情報から表面用顕微鏡ユニット5の対物レンズ5cが検査領域Pから外れるか監視し、検査領域Pから外れた場合に表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12を制御して表面用顕微鏡ユニット5を退避位置まで上昇させる。
【0042】
制御部は、表面用顕微鏡ユニット5により検査する際に、開始時に表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12を制御して退避位置から表面用顕微鏡ユニット5の下限位置まで下降させ検査を開始する。その後、表面用顕微鏡ユニット5の電動焦準機構により適宜焦点合せを行って検査する。なお、対物レンズ5cの切替や表面用顕微鏡ユニット5の移動にともない対物レンズ5cと基板Sとが干渉する場合には、電動準焦機構によりレボルバ5bを対置位置まで上昇させる。
【0043】
一方、制御部は、裏面用顕微鏡ユニット7も表面用顕微鏡ユニット5と同様に基板ステージ2を検査位置に移動させる際に、裏面用顕微鏡ユニット7の対物レンズ7bが基板ステージ2の外枠との干渉を避けるように、裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部により裏面側顕微鏡Z軸方向可動部17をZ軸方向に沿って裏面用顕微鏡ユニット7を下降させて退避位置まで移動させる。また、制御部は、検査時に基板トレイ9に収納された基板Sの検査領域P内で裏面用顕微鏡ユニット7の対物レンズ7bが移動するようにステージ搬送部3,4と裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部を制御する。また、制御部は、検査領域Pの座標情報から裏面用顕微鏡ユニット7の対物レンズ7bが検査領域Pから外れるか監視し、検査領域Pから外れた場合に裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部を制御して裏面表面用顕微鏡ユニット7を退避位置まで下降させる。
【0044】
制御部は、裏面用顕微鏡ユニット7により検査する際に、開始時に裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部を制御して退避位置から裏面用顕微鏡ユニット7を上昇させて検査を開始する。その後、裏面表面用顕微鏡ユニット7の電動焦準機構により適宜焦点合せを行って検査する。
【0045】
基板Sに複数の欠陥がある場合、顕微鏡ユニット5,7と基板ステージ2をXY方向に移動させ、顕微鏡ユニット5,7の観察光路を次に検査を行う欠陥に合わせる。
なお、検査をすべき欠陥の位置は、予め制御装置に登録され、検査対象を指定できるようにしておくことが望ましい。このようにすれば、必要な箇所のみを検査すれば足りるので検査時間を短縮できる。予め検査をすべき箇所を特定する方法としては、別の検査装置で検査者が目視で確認したり、別の検査装置で基板Sについて取得した画像から欠陥の疑いのある場所を抽出したりすることが挙げられる。
【0046】
検査をすべき箇所は、表面側と裏面側とで異なる場合がある。また、通常時は表面検査のみを実施し、不具合が生じたときに裏面検査を実施する場合などもある。これらの場合は、検査が必要な方の顕微鏡ユニット5,7のみを移動させる。
【0047】
全ての欠陥の検査が終了した後には、対物レンズ5c,7bが基板ステージ2や基板トレイ9などと干渉しないように、顕微鏡ユニット5,7を基板Sから遠ざかるZ軸方向に退避させる。
【0048】
なお、顕微鏡ユニット5,7を基板Sに近接させる動作や退避させる動作を行う際には、顕微鏡ユニット5,7の観察光路が基板Sの検査領域P内に入ると基板Sに近接させ、観察光路が検査領域Pから外れると基板Sに近接する位置から退避させるようにするとよい。また、検査を終了する信号情報により顕微鏡ユニット5,7を基板Sから遠ざかるZ軸方向に退避させるようにしてもよい。
【0049】
このようにしても、基板Sの周縁から検査領域Pの間は例えば20mm程度の間隔があるため、対物レンズ5c,7bが基板トレイ9や基板ステージ2と干渉するのを防ぐことができる。顕微鏡ユニット5,7の観察光路が基板Sの検査領域P内にあるか否かは、例えば、検査領域Pの四隅のXY座標を予め顕微鏡ユニット5,7により測定するか或いは四隅のXY座標の情報を予め他の装置から取得しておき、その四隅のXY座標に基づき駆動制御部が判断すればよい。
【0050】
また、裏面用顕微鏡ユニット7の対物レンズ7bが検査領域Pの全域を移動できない構成の場合には、基板ステージ2の枠内に対して対物レンズ7bの半径に数mm(例えば5mm)加えた範囲を検査領域に設定し、この検査領域内に顕微鏡ユニット7の観察光路が入った場合に、すなわち基板ステージ2の枠部に裏面用顕微鏡ユニット7の対物レンズ7bが干渉しない位置に入った場合に、裏面用顕微鏡ユニット7を基板Sに近接するように上昇させ検査を行えるようにする。また、基板ステージ2の枠部と干渉する位置に近づく、すなわち検査領域内から対物レンズ7bの観察光路(光軸)が外れると、裏面用顕微鏡ユニット7を下降させて退避させるようにするとよい。
【0051】
顕微鏡ユニット5,7を退避させた後、基板ステージ2を基板ステージ搬送部3,4により基板ステージ搬送方向(Y軸方向)の上流側となる搬入端に移動させる。
基板トレイ9を基板ステージ2から取り外す際には、まず、トレイ押付ピン2d,2e,2fを、基板トレイ9を押付ける位置から退避させる。このように基板トレイ9の位置決めが解除されると、直接的又はリフタ等の受け渡し装置を介して、搬送ロボット等の搬送手段や人の手により基板トレイ9が基板検査装置1から搬出される。この際、トレイ押付ピン2e,2f,2gに対する基板ステージ2の摺動を防止するために、トレイ用基準ピン2b,2c,2dにより基板ステージ2を押し出し、その後でトレイ用基準ピン2b,2c,2dを基準位置に退避させるようにしてもよい。
【0052】
以上説明した本実施の形態では、表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7は、検査領域外の基板ステージ2又は基板トレイ9の突起部分との干渉を避けるように、検査領域内から表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7の観察光路(光軸)が外れた場合に基板Sから離れる方向(Z軸方向)に退避させる。そのため、表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7の検査中に顕微鏡ユニット5,7の対物レンズ5c,7cが基板ステージ2や基板トレイ9と干渉するのを防ぎながら高精度な検査を行うことができる。表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7に電動焦準機構とは別に高速で大きな距離を移動できる顕微鏡Z軸方向駆動部を設けることにより、顕微鏡ユニット5,7を基板Sに近い検査開始位置から退避位置までの長い距離を短時間で移動させることができる。
【0053】
また、本実施の形態では、表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12及び図示しない裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部は、顕微鏡ユニット5,7を、基板ステージ2又は、基板トレイ9の基板用基準部材9b,9c,9d及び基板押付部材9e,9f,9gとの干渉を避けるように基板Sの検査面に交差する方向(Z軸方向)に移動させる。そのため、顕微鏡ユニット5,7の干渉を有効に防ぐことができる。
【0054】
また、表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12が、表面用顕微鏡ユニット5を、基板トレイ9との干渉を避けるように、観察光路が基板Sの検査領域P内に入ると基板Sに近接させ、観察光路が検査領域Pから外れると基板Sに近接する位置から基板Sの検査面に交差する方向(Z軸方向)に退避させることで、表面用顕微鏡ユニット5の干渉を有効に防ぐことができる。
【0055】
また、本実施の形態では、基板検査装置1は、表面用顕微鏡ユニット5を基板Sの検査面に交差する方向(Z軸方向)に移動させる表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12と、裏面用顕微鏡ユニット7を基板Sの検査面に交差する方向(Z軸方向)に移動させる図示しない裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部とを備える。そのため、基板Sの表面側及び裏面側において、顕微鏡ユニット5,7の干渉を防ぎながら高精度な検査を行うことができる。
【0056】
図4は、本発明の他の実施の形態に係る基板検査装置21を示す平面図である。
図5は、上記基板検査装置1の表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7の動きを説明するための断面図である。
【0057】
本実施の形態では、基板Sが基板ステージ2上で基板トレイ9を介さずに基板ステージ2により直接保持される点を除いて上記一実施の形態と同様であるため、同一の部材には同一の符号を付すと共に重複する説明は適宜省略する。
【0058】
基板検査装置21は、基板Sを載置する基板ステージ22、基板ステージ22を一方向(Y軸方向)に移動させる基板ステージ搬送部3,4、表面用顕微鏡ユニット5、表面側顕微鏡ステージ(ガントリ)6、裏面用顕微鏡ユニット7、裏面側顕微鏡ステージ8等を備え、基板Sの検査を行う。
【0059】
図4及び図5に示すように、基板ステージ22は、矩形の基板Sよりも若干小さな開口部22aが形成された略矩形枠状を呈し、基板Sの周縁部が直接載置される。
なお、基板ステージ22の開口部22aには、複数の基板支持梁を架設すると共に、この基板支持梁に基板Sの底面を支持する基板支持ピンを配設することで、基板Sに撓みや反りが生じるのを防ぐことができる。基板支持梁として、低摩擦部材よりなる1mm程度の線材を用いることにより裏面用顕微鏡ユニット7による検査不能領域を小さくできるので好ましい。
【0060】
基板ステージ22は、基板Sの基準位置を規定する基板用基準部材としての基板用基準ピン22b,22c,22dと、この基板用基準ピン22b,22c,22dに対し基板Sを押付ける基板押付部材としての基板押付ピン22e,22f,22gとを上面に有する。
【0061】
また、基板ステージ22のX軸方向両端の底面には、基板ステージ搬送部3,4上をスライドする図示しないスライダが設けられている。
次に、基板検査装置21の動作について説明する。
【0062】
まず、基板ステージ22を基板ステージ搬送部3,4により基板ステージ搬送方向(Y軸方向)の上流側となる搬入端に移動させる。そして、搬送ロボット等により基板Sを基板ステージ22の上に載置する。
【0063】
基板Sが基板ステージ22上に載置されたことが図示しないセンサにより検出されると、基板Sを基板押付ピン22e,22f,22gにより基板用基準ピン22b,22c,22dに対し押付けることで、基板Sを位置決め保持する。
【0064】
この後、基板ステージ22を基板ステージ搬送部3,4により検査位置まで移動させ、表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7により基板Sの検査を行う。
具体的には、まず、表面用顕微鏡ユニット5又は裏面用顕微鏡ユニット7をX軸方向に移動させるとともに、基板ステージ22をY軸方向に移動させて基板S上の欠陥のXY座標位置に表面用顕微鏡ユニット5又は裏面用顕微鏡ユニット7の観察光路(光軸)を合わせる。
【0065】
基板ステージ22を基板検査装置の検査位置に移動させる際には、例えば、基板ステージ22の周縁部に配置されている基板用基準ピン22b,22c,22dや基板押付ピン22e,22f,22g、或いは、基板押付ピン22e,22f,22gを駆動するエアーアクチュエータやエアーチューブを覆うカバーなどの突起部との干渉を避けるように、表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12により表面側顕微鏡Z軸方向可動部13をZ軸方向に沿って表面用顕微鏡ユニット5を上昇させて退避位置まで移動させる。このときの退避移動距離は、基板Sの表面に対して電動焦準機構の上限退避位置より更に上方へ数十mmから100mm移動した退避位置に設定する。
【0066】
このとき基板検査装置21の制御部は、基板Sの検査領域Pを特定するために、あらかじめ検査領域Pの各隅の座標情報を取得する。制御部は、この座標情報に基づいて基板ステージ2を基板検査装置1の検査位置に移動させる。更に、制御部は、検査時に基板Sの検査領域P内で表面用顕微鏡ユニット5の対物レンズ5c(裏面用顕微鏡ユニット7の対物レンズ7b)が移動するようにステージ搬送部3,4と表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12(裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部)を制御する。また、制御部は、検査領域Pの座標情報から表面用顕微鏡ユニット5の対物レンズ5c(裏面用顕微鏡ユニット7の対物レンズ7b)が検査領域Pから外れるか監視し、検査領域Pから外れた場合に表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12(裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部)を制御して表面用顕微鏡ユニット5(裏面表面用顕微鏡ユニット7)を退避位置まで移動させる。
【0067】
制御部は、表面用顕微鏡ユニット5(裏面用顕微鏡ユニット7)により検査する際に、開始時に表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12(裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部)を制御して退避位置から表面用顕微鏡ユニット5(裏面用顕微鏡ユニット7)の焦準開始位置まで移動させ検査を開始する。その後、表面用顕微鏡ユニット5の電動焦準機構により適宜焦点合せを行って検査する。
【0068】
基板Sに複数の欠陥がある場合、対物レンズ5c,7bと基板Sとの距離を維持したまま顕微鏡ユニット5,7をXY方向に移動させ、観察光路のXY座標を次に検査を行う欠陥に合わせる。
【0069】
全ての欠陥の検査が終了した後には、対物レンズ5c,7bが基板ステージ22の突起物と干渉しないように、顕微鏡ユニット5,7を基板Sから遠ざかるZ軸方向に退避させる。
【0070】
なお、顕微鏡ユニット5,7を基板Sに近接させる動作や退避させる動作を行う際には、顕微鏡ユニット5,7の観察光路が基板Sの検査領域P内に入ると基板Sに近接させ、観察光路が検査領域Pから外れると基板Sに近接する位置から退避させるようにするとよい。
【0071】
このようにしても、基板Sの周縁から検査領域Pの間は例えば20mm程度の間隔があるため、対物レンズ5c,7bが基板ステージ22と干渉するのを防ぐことができる。顕微鏡ユニット5,7の観察光路が基板Sの検査領域P内にあるか否かは、例えば、検査領域Pの四隅のXY座標を予め顕微鏡ユニット5,7により測定するか或いは四隅のXY座標の情報を予め他の装置から取得しておき、その四隅のXY座標に基づき駆動制御部が判断すればよい。
【0072】
また、裏面用顕微鏡ユニット7の対物レンズ7bが検査領域Pの全域を移動できない構成の場合には、基板ステージ22の枠内に対して対物レンズ7bの半径に数mm(例えば5mm)加えた範囲を検査領域に設定し、この検査領域内に裏面用顕微鏡ユニット7の観察光路が入った場合に、すなわち基板ステージ22の枠部に裏面用顕微鏡ユニット7の対物レンズ7bが干渉しない位置に入ると、裏面用顕微鏡ユニット7を基板Sに近接するように上昇させ検査を行えるようにする。また、基板ステージ22の枠部と干渉する位置に近づく、すなわち検査領域内から対物レンズ7bの観察光路(光軸)が外れると裏面用顕微鏡ユニット7を下降させて退避させるようにするとよい。
【0073】
顕微鏡ユニット5,7を退避させた後、基板ステージ22を基板ステージ搬送部3,4により基板ステージ搬送方向(Y軸方向)の上流側となる搬入端に移動させる。
基板Sを基板ステージ22から取り外す際には、まず、基板押付ピン22e,22f,22gを、基板Sを押付ける位置から退避させて基板Sの位置決めが解除されると、搬送ロボット等により基板Sが基板検査装置21から搬出される。この際、基板用基準ピン22b,22c,22dに対する基板Sの摺動を防止するために、基板用基準ピン22b,22c,22dにより基板Sを押し出し、その後で基板用基準ピン22b,22c,22dを基準位置に退避させるようにしてもよい。
【0074】
以上説明した本実施の形態では、表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7は、検査領域外の基板ステージ22の突起部分との干渉を避けるように、検査領域内から表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7の観察光路(光軸)が外れた場合に基板Sから離れる方向(Z軸方向)に退避させる。そのため、表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7の検査中に顕微鏡ユニット5,7の対物レンズ5c,7bが基板ステージ22と干渉するのを防ぎながら高精度な検査を行うことができる。表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7に電動焦準機構とは別に高速で大きな距離を移動できる顕微鏡Z軸方向駆動部を設けることにより、顕微鏡ユニット5,7を基板Sに近い検査開始位置から退避位置までの長い距離を短時間で移動させることができる。
【0075】
また、本実施の形態では、表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12及び図示しない裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部は、顕微鏡ユニット5,7を、基板ステージ22の基板用基準部材22b,22c,22d及び基板押付部材22e,22f,22gとの干渉を避けるように基板Sの検査面に交差する方向(Z軸方向)に移動させる。そのため、顕微鏡ユニット5,7の干渉を有効に防ぐことができる。
【0076】
また、表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12が、表面用顕微鏡ユニット5を、基板ステージ22との干渉を避けるように、観察光路が基板Sの検査領域P内に入ると基板Sに近接させ、観察光路が検査領域Pから外れると基板Sに近接する位置から基板Sの検査面に交差する方向(Z軸方向)に退避させることで、表面用顕微鏡ユニット5の干渉を有効に防ぐことができる。
【0077】
また、本実施の形態では、基板検査装置21は、表面用顕微鏡ユニット5を基板Sの検査面に交差する方向(Z軸方向)に移動させる表面側顕微鏡Z軸方向駆動部12と、裏面用顕微鏡ユニット7を基板Sの検査面に交差する方向(Z軸方向)に移動させる図示しない裏面側顕微鏡Z軸方向駆動部とを備える。そのため、基板Sの表面側及び裏面側において、顕微鏡ユニット5,7の干渉を防ぎながら高精度な検査を行うことができる。
【0078】
なお、以上説明した一実施の形態及び他の実施の形態では、顕微鏡ユニット5,7により落射照明を用いた検査を行うが、表面検査及び裏面検査を、透過照明を用いて行うことも可能である。表面用顕微鏡ユニット5で透過照明による検査を行うときは、基板Sの裏面側に表面用顕微鏡ユニット5と同期して移動する透過用照明部を例えば裏面用顕微鏡ユニット7の近傍に配置する。同様に、裏面用顕微鏡ユニット7で透過照明による検査を行うときは、基板Sの表面側に裏面用顕微鏡ユニット7と同期して移動する透過用照明部を例えば表面用顕微鏡ユニット5の近傍に配置する。
【0079】
また、上記一実施の形態及び他の実施の形態では、基板検査装置1,21が表面用顕微鏡ユニット5及び裏面用顕微鏡ユニット7の両方を備える例について説明したが、どちらか一方を備える構成としてもよい。
【0080】
また、上記一実施の形態及び他の実施の形態では、基板ステージ2,22や基板トレイ9の中央に開口部2a,22a,9aが形成される例について説明したが、裏面用顕微鏡ユニット7を用いた検査を行わず且つ透過照明を用いた検査を行わない場合などには開口部2a,22a,9aを設けなくともよい。
【0081】
また、上記一実施の形態及び他の実施の形態では、基板ステージ搬送部3,4によりY軸方向に基板ステージ2,22を搬送する例について説明したが、ガントリ6をY軸方向に移動自在とし、基板ステージ2,22を基板検査装置1,21に固定してもよい。
【0082】
また、基板Sの点灯検査を行う場合には、基板Sと基板検査装置1,21との間に配置される接続端子等と、表面用顕微鏡ユニット5又は裏面用顕微鏡ユニット7との干渉を防ぐようにするとよい。
【符号の説明】
【0083】
1 基板検査装置
2 基板ステージ
2a 開口部
2b,2c,2d トレイ用基準ピン
2e,2f,2g トレイ押付ピン
3,4 基板ステージ搬送部
3a,4a 搬送ベース
3b,4b 搬送ガイド
3c,4c リニアガイドレール
5 表面用顕微鏡ユニット
5a 筐体
5b レボルバ
5c 対物レンズ
5d 撮像部
6 ガントリ
6a 水平梁
7 裏面用顕微鏡ユニット
7a 筐体
7b 対物レンズ
7c 撮像部
8 裏面側顕微鏡ステージ
9 基板トレイ
9a 開口部
9b,9c,9d 基板用基準ピン
9e,9f,9g 基板押付ピン
10 表面側顕微鏡X軸方向ステージ
10a X軸ガイド
10b リニアガイドレール
10c スケール
11 表面側顕微鏡X軸方向可動部
12 表面側顕微鏡Z軸方向駆動部
12a Z軸ガイド
12b リニアガイドレール
13 表面側顕微鏡Z軸方向可動部
14 裏面側顕微鏡X軸方向駆動部
14a X軸ガイド
14b リニアガイドレール
15 裏面側顕微鏡X軸方向可動部
16 裏面側顕微鏡Y軸方向可動部
17 裏面側顕微鏡Z軸方向可動部
21 基板検査装置
22 基板ステージ
22a 開口部
22b,22c,22d 基板用基準ピン
22e,22f,22g 基板押付ピン
S 基板
P パターン領域(検査領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡ユニットを用いて基板を検査する基板検査装置において、
前記顕微鏡ユニットを前記基板の検査面に交差する方向に移動させる駆動機構を備え、
前記基板は、基板ステージに載置される基板トレイに収納され、
前記駆動機構は、前記顕微鏡ユニットを、前記基板ステージ又は前記基板トレイとの干渉を避けるように、前記基板の検査時には該基板に近接させ、該基板の検査が終了した後には該基板に近接する位置から前記検査面に交差する方向に退避させる、
ことを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
前記基板トレイは、前記基板の基準位置を規定する基板用基準部材と、該基板用基準部材に対し前記基板を押付ける基板押付部材とを有し、
前記駆動機構は、前記顕微鏡ユニットを、前記基板ステージ又は、前記基板トレイの前記基板用基準部材及び前記基板押付部材との干渉を避けるように前記検査面に交差する方向に移動させる、
ことを特徴とする請求項1記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記基板は、パターン領域を有し、
前記駆動機構は、前記顕微鏡ユニットを、前記基板ステージ又は前記基板トレイとの干渉を避けるように、観察光路が前記パターン領域内に入ると前記基板に近接させ、前記観察光路が前記パターン領域から外れると前記基板に近接する位置から前記検査面に交差する方向に退避させる、
ことを特徴とする請求項1記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記顕微鏡ユニットは、前記基板の表面側に配置された表面用顕微鏡ユニットと、前記基板の裏面側に配置された裏面用顕微鏡ユニットとを含み、
前記駆動機構は、前記表面用顕微鏡ユニットを前記基板の検査面に交差する方向に移動させる表面用顕微鏡駆動機構と、前記裏面用顕微鏡ユニットを前記基板の検査面に交差する方向に移動させる裏面用顕微鏡駆動機構とを含み、
前記表面用顕微鏡駆動機構及び前記裏面用顕微鏡駆動機構は、前記表面用顕微鏡ユニット及び裏面用顕微鏡ユニットを、前記基板ステージ又は前記基板トレイとの干渉を避けるように、前記基板の検査時には該基板に近接させ、該基板の検査が終了した後には該基板に近接する位置から前記検査面に交差する方向に退避させる、
ことを特徴とする請求項1記載の基板検査装置。
【請求項5】
顕微鏡ユニットを用いて基板を検査する基板検査装置において、
前記顕微鏡ユニットを前記基板の検査面に交差する方向に移動させる駆動機構を備え、
前記基板は、基板ステージ上で保持され、
前記駆動機構は、前記顕微鏡ユニットを、前記基板ステージとの干渉を避けるように、前記基板の検査時には該基板に近接させ、該基板の検査が終了した後には該基板に近接する位置から前記検査面に交差する方向に退避させる、
ことを特徴とする基板検査装置。
【請求項6】
前記基板ステージは、前記基板の基準位置を規定する基板用基準部材と、該基板用基準部材に対し前記基板を押付ける基板押付部材とを有し、
前記駆動機構は、前記顕微鏡ユニットを、前記基板ステージの前記基板用基準部材及び前記基板押付部材との干渉を避けるように前記検査面に交差する方向に移動させる、
ことを特徴とする請求項5記載の基板検査装置。
【請求項7】
前記基板は、パターン領域を有し、
前記駆動機構は、前記顕微鏡ユニットを、前記基板ステージとの干渉を避けるように、観察光路が前記パターン領域内に入ると前記基板に近接させ、前記観察光路が前記パターン領域から外れると前記基板に近接する位置から前記検査面に交差する方向に退避させる、
ことを特徴とする請求項5記載の基板検査装置。
【請求項8】
前記顕微鏡ユニットは、前記基板の表面側に配置された表面用顕微鏡ユニットと、前記基板の裏面側に配置された裏面用顕微鏡ユニットとを含み、
前記駆動機構は、前記表面用顕微鏡ユニットを前記基板の検査面に交差する方向に移動させる表面用顕微鏡駆動機構と、前記裏面用顕微鏡ユニットを前記基板の検査面に交差する方向に移動させる裏面用顕微鏡駆動機構とを含み、
前記表面用顕微鏡駆動機構及び前記裏面用顕微鏡駆動機構は、前記表面用顕微鏡ユニット及び裏面用顕微鏡ユニットを、前記基板ステージとの干渉を避けるように、前記基板の検査時には該基板に近接させ、該基板の検査が終了した後には該基板に近接する位置から前記検査面に交差する方向に退避させる、
ことを特徴とする請求項5記載の基板検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−261915(P2010−261915A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114952(P2009−114952)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】