説明

基板間接続構造

【課題】簡素な構成にて基板間を電気的に接続することができる基板間接続構造を提供する。
【解決手段】厚銅基板30と制御基板40とピン50と基板間接続用金具60を備えている。厚銅基板30と制御基板40とは対向している。ピン50は、基端が制御基板40に固定され、先端側が厚銅基板30に達するように延びている。基板間接続用金具60は、基端が厚銅基板30の上面側に固定され、先端側が厚銅基板30に形成した貫通孔34に挿通されるとともに先端側にピン50を挟持する斜行部61b,61c,62b,62cを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の基板と第2の基板とを電気的に接続するための基板間接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板同士(2枚の基板)をつなぐ技術として、例えば、次のようなものがある。両方の基板に共にコネクタを設け、両コネクタ同士をハーネスで接続する(例えば、特許文献1)。あるいは、両方の基板に共にコネクタを設け、両コネクタ同士を直接接続する(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−262370号公報
【特許文献2】特開2007−60882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような接続構造においては、基板以外に、樹脂製コネクタやハーネス等の部品が必要になる。
本発明の目的は、簡素な構成にて基板間を電気的に接続することができる基板間接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明では、少なくとも一方の面に半導体素子が実装される第1の基板と、少なくとも一方の面に半導体素子が実装され、前記第1の基板に対向する第2の基板と、基端が前記第1の基板に固定され、先端側が前記第2の基板に達するように延びる基板間接続用端子部材と、基端が前記第2の基板の一方の面側に固定され、先端側が第2の基板に形成した貫通孔に挿通されるとともに先端側に前記基板間接続用端子部材を挟持する挟持部を有する基板間接続用金具と、を備えたことを要旨とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、基板間接続用端子部材は、基端が第1の基板に固定され、先端側が第2の基板に達するように延びている。基板間接続用金具は、基端が第2の基板の一方の面側に固定され、先端側が第2の基板に形成した貫通孔に挿通され、先端側の挟持部において基板間接続用端子部材を挟持している。
【0007】
これにより、簡素な構成にて基板間を電気的に接続することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の基板間接続構造において、前記基板間接続用端子部材は、丸棒状をなすことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、基板間接続用端子部材は丸棒状をなすので、基板間接続用金具の挟持部に容易に挟持させることができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の基板間接続構造において、前記基板間接続用端子部材は、平板状をなすことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、基板間接続用端子部材は平板状をなすので、基板間接続用金具の挟持部との接触面積を大きくすることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板間接続構造において、前記基板間接続用金具における前記挟持部は、面で向かい合っていることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明によれば、挟持部は面で向かい合っているので、基板間接続用端子部材との接触面積を大きくすることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板間接続構造において、前記第2の基板は、絶縁性基板の少なくとも一方の面に金属板を接着して構成されており、前記基板間接続用金具は、前記金属板を曲げ加工することにより構成してなることを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明によれば、第2の基板が、絶縁性基板の少なくとも一方の面に金属板を接着して構成されており、この金属板を曲げ加工することにより基板間接続用金具を容易に構成することができる。
【0012】
請求項6に記載の発明では、少なくとも一方の面に半導体素子が実装される第1の基板と、少なくとも一方の面に半導体素子が実装され、前記第1の基板に対向する第2の基板と、基端が前記第1の基板に固定され、先端側が前記第2の基板に向かって延びる基板間接続用端子部材と、基端が前記第2の基板に固定され、先端側が前記第1の基板側に延びるとともに先端側に前記基板間接続用端子部材を挟持する挟持部を有する基板間接続用金具と、を備えたことを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明によれば、基板間接続用端子部材は、基端が第1の基板に固定され、先端側が第2の基板に向かって延びている。基板間接続用金具は、基端が第2の基板に固定され、先端側が第1の基板側に延びるとともに先端側の挟持部において基板間接続用端子部材を挟持している。
【0014】
これにより、簡素な構成にて基板間を電気的に接続することができる。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の基板間接続構造において、前記基板間接続用端子部材は、丸棒状をなすことを要旨とする。
【0015】
請求項7に記載の発明によれば、基板間接続用端子部材は丸棒状をなすので、基板間接続用金具の挟持部に容易に挟持させることができる。
請求項8に記載の発明では、請求項6に記載の基板間接続構造において、前記基板間接続用端子部材は、平板状をなすことを要旨とする。
【0016】
請求項8に記載の発明によれば、基板間接続用端子部材は平板状をなすので、基板間接続用金具の挟持部との接触面積を大きくすることができる。
請求項9に記載の発明では、請求項6〜8のいずれか1項に記載の基板間接続構造において、前記基板間接続用金具における前記挟持部は、面で向かい合っていることを要旨とする。
【0017】
請求項9に記載の発明によれば、挟持部は面で向かい合っているので、基板間接続用端子部材との接触面積を大きくすることができる。
請求項10に記載の発明では、請求項6〜9のいずれか1項に記載の基板間接続構造において、前記第2の基板は、絶縁性基板の前記第1の基板と対向する面に金属板を接着して構成されており、前記基板間接続用金具は、前記金属板を曲げ加工することにより構成してなることを要旨とする。
【0018】
請求項10に記載の発明によれば、第2の基板が、絶縁性基板の第1の基板と対向する面に金属板を接着して構成されており、この金属板を曲げ加工することにより基板間接続用金具を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡素な構成にて基板間を電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は本実施形態における電子機器の平面図、(b)は(a)のA−A線での縦断面図。
【図2】電子機器の電気回路図。
【図3】電子機器の分解断面図。
【図4】(a)は電子機器の厚銅基板側の部品の平面図、(b)は(a)のA−A線での縦断面図。
【図5】別例における電子機器の分解断面図。
【図6】別例における電子機器の分解断面図。
【図7】別例における電子機器の縦断面図。
【図8】別例における電子機器の縦断面図。
【図9】別例における電子機器の縦断面図。
【図10】(a)は別例における電子機器の平面図、(b)は(a)のA−A線での縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の電子機器10は、アルミ製のケース20の内部に、厚銅基板30と制御基板40が収納されている。
【0022】
厚銅基板30には、少なくとも一方の面に半導体素子(図1(b)においてC1で示す)が実装されている。具体的には、厚銅基板30にはパワー素子等が実装されている。また、制御基板40には、少なくとも一方の面に半導体素子(図1(b)においてC2で示す)が実装されている。具体的には、制御基板40にはマイコンやIC等が実装されている。
【0023】
本実施形態では図2に示すDC/DCコンバータに具体化している。図2において、DC/DCコンバータは、トランス70とスイッチング素子71とダイオード72,73と平滑コイル74とコンデンサ75と駆動回路76を備えている。トランス70の一次側にはスイッチング素子71が接続されている。
【0024】
スイッチング素子71と駆動回路76が制御基板40に設けられている。また、トランス70とダイオード72,73と平滑コイル74とコンデンサ75が厚銅基板30に設けられている。
【0025】
そして、駆動回路76を用いてスイッチング素子71をスイッチングすることにより、外部から入力される直流電力から、トランス70の二次側においてダイオード72,73と平滑コイル74とコンデンサ75を介して、変換された電力が出力される。また、トランス70の二次側の電圧と出力電圧がモニタされ、モニタ信号が駆動回路76にフィードバックされる。
【0026】
厚銅基板30と制御基板40とは電力ラインL1,L2で接続されるとともに信号ラインL10,L11,L12で接続されている。このとき、図3に示すように、制御基板40に設けたピン50を、厚銅基板30に設けた基板間接続用金具60に挿入することにより基板間(厚銅基板30と制御基板40の間)が電気的に接続されるようになっている。
【0027】
以下、この基板間接続構造について説明する。
図1に示すように、厚銅基板30は、絶縁性基板31と第1の銅板32と第2の銅板33から構成されている。絶縁性基板31における一方の面(上面)には第1の銅板32が接着されている。第1の銅板32は所望の形状にパターニングされ、導体パターンが形成されている。また、絶縁性基板31における他方の面(下面)には第2の銅板33が接着されている。第2の銅板33は所望の形状にパターニングされ、導体パターンが形成されている。
【0028】
厚銅基板30は、ケース20の底面に立設された取付円柱材21の上に水平状態で載置されている。厚銅基板30の絶縁性基板31を貫通するねじS1を取付円柱材21に螺入することにより厚銅基板30が固定されている。
【0029】
制御基板40はプリント基板であり、絶縁性基板41と導体42から構成されている。絶縁性基板41における一方の面(上面)には導体42がパターニングされている。制御基板40は、ケース20の底面に立設された取付円柱材22の上に水平状態で載置されている。制御基板40の絶縁性基板41を貫通するねじS2を取付円柱材22に螺入することにより制御基板40が固定されている。制御基板40は厚銅基板30の上方において一定の距離をおいて厚銅基板30と対向して配置されている。
【0030】
制御基板40には絶縁性基板41を貫通するピン(接続ピン端子)50が設けられている。ピン50は丸棒状をなし、直線的に延びている。基板間接続用端子部材としてのピン50の基端は導体42とはんだ付けされ、制御基板40に固定されている。ピン50の先端側は下方に延び、厚銅基板30を貫通している。
【0031】
図4に示すように、厚銅基板30には基板間接続用金具60が設けられている。この基板間接続用金具60は、厚銅基板30における圧延銅板である第1の銅板32の一部領域を抜き打ち加工するとともに曲げ加工することにより形成し、その後、絶縁性基板31に接着したものである。よって、基板間接続用金具60は、基端60aが厚銅基板30の一方の面側(上面側)に固定されている。基板間接続用金具60は、基端60aから一対の帯板部61,62が延設されている。一対の帯板部61,62は各々帯板状をなし、対向して配置されている。
【0032】
厚銅基板30の絶縁性基板31には、基板間接続用の貫通孔34が形成されている。貫通孔34は四角形状をなしている。厚銅基板30の絶縁性基板31の貫通孔34の開口部周辺に基板間接続用金具60の基端60aが配置されている。
【0033】
基板間接続用金具60の帯板部61は、垂下部61aと、斜行部61bと、斜行部61cとからなる。同様に、基板間接続用金具60の帯板部62は、垂下部62aと、斜行部62bと、斜行部62cとからなる。
【0034】
基板間接続用金具60の帯板部61,62の垂下部61a,62aは、厚銅基板30の上面側を基端として下方に延び、厚銅基板30の貫通孔34に挿通されている。帯板部61,62の垂下部61a,62aの下端は厚銅基板30の下に位置し、垂下部61a,62aの下端から斜行部61b,62bが互いに接近するように斜め下方に延びている。斜行部61b,62bの先端から斜行部61c,62cが互いに離間するように斜め下方に延びている。
【0035】
基板間接続用金具60の一対の帯板部61,62同士は互いに接近する方向に付勢されている。帯板部61と帯板部62との間の隙間は、帯板部61における斜行部61b・斜行部61c間の屈曲部と、帯板部62における斜行部62b・斜行部62c間の屈曲部が最も接近しており、挟持部としての斜行部61b,61cと斜行部62b,62cとの間にピン50が挟持されている。
【0036】
このようにして、厚銅基板30の第1の銅板32(圧延銅板)に挟み込む形状の加工を行い、他方の制御基板40にはんだ実装したピン50を差し込むことにより、基板間(厚銅基板30と制御基板40の間)の電気的接続が行われる。即ち、帯板部61,62の斜行部61b,61c・斜行部62b,62c間にピン50が挟持される。
【0037】
次に、このように構成した基板間接続構造の作用について説明する。
組み立てる際には、ケース20と、厚銅基板30と、制御基板40を用意する。ケース20には取付円柱材21,22が設けられている。厚銅基板30には素子が実装されているとともに、基板間接続用金具60が設けられている。制御基板40には素子が実装されているとともに、ピン50が設けられている。
【0038】
そして、ケース20の取付円柱材21の上に、厚銅基板30を水平状態で載置し、ねじS1を取付円柱材21に螺入することにより厚銅基板30を固定する。
引き続き、ケース20の取付円柱材22の上に、制御基板40を水平状態で載置する。このとき、制御基板40に設けたピン50が、厚銅基板30に設けた基板間接続用金具60における一対の帯板部61,62間に挿入される。そして、ねじS2を取付円柱材22に螺入することにより制御基板40を固定する。その結果、基板間接続用金具60の帯板部61,62間においてピン50が挟持され、基板間接続用金具60とピン50とが電気的に接続される。これにより、厚銅基板30と制御基板40との間が、基板間接続用金具60とピン50を介して電気的に接続される。
【0039】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)基板間接続構造として、第1の基板としての制御基板40と、第2の基板としての厚銅基板30と、基板間接続用端子部材としてのピン50と、基板間接続用金具60と、を備えている。制御基板40と厚銅基板30とは対向している。ピン50は、基端が制御基板40に固定され、先端側が厚銅基板30に達するように延びている。基板間接続用金具60は、基端60aが厚銅基板30の一方の面側(上面側)に固定され、先端側が厚銅基板30に形成した貫通孔34に挿通されるとともに先端側にピン50を挟持する斜行部61b,61c,62b,62cを有する。これにより、簡素な構成にて基板間(厚銅基板30と制御基板40の間)を電気的に接続することができる。
【0040】
つまり、厚銅基板30の圧延銅板に加工を行い、接続部材として利用することにより樹脂コネクタ、ハーネス等を用いずに、厚銅基板30と制御基板40を設置するだけで、基板(厚銅基板30、制御基板40)間の接続を行うことができる(樹脂コネクタ、ハーネスなどの別部材を用いずに簡素な構成にて厚銅基板30と制御基板40の間の接続ができる)。よって、低コスト化を図ることができる。
【0041】
また、本実施形態の基板間接続構造においては端子部材同士をはんだ付けしていない。これにより、基板(厚銅基板30、制御基板40)に振動が加わり厚銅基板30と制御基板40との間に水平方向の変形が生じたときにおいて、接続状態を保持でき、はんだ付けした場合における、はんだクラックの発生を防止することができる。
【0042】
(2)基板間接続用端子部材としてのピン50は丸棒状をなすので、基板間接続用金具60の帯板部61,62に容易に挿入して、基板間接続用金具60の帯板部61,62に容易に挟持させることができる。
【0043】
(3)第2の基板は厚銅基板30であり、絶縁性基板31の少なくとも一方の面に金属板としての銅板32,33を接着して構成されており、基板間接続用金具60は、銅板32を曲げ加工することにより構成している。よって、銅板32を曲げ加工することにより基板間接続用金具60を容易に構成することができる。
【0044】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・基板間接続用端子部材として丸棒状をなすピン50に代わり、平板状をなすものを用いてもよい。この場合、基板間接続用金具60の帯板部61,62との接触面積を大きくすることができる。これにより、大きな電流を流す構成として好ましいものとなる。具体的には、図2の電力ラインL1,L2用に適している。
【0045】
・図3における制御基板40を貫通するピン50に代わり、図5に示すように、T字形のピン100を用いて、T字形のピン100を制御基板40の一方の面にはんだ付けしてもよい。
【0046】
・図3に代わり、図6に示すように、制御基板40に雄形コネクタ110を実装し、雄形コネクタ110のピン111を厚銅基板30に設けた基板間接続用金具60(銅板加工部位)に挿入し、接続するようにしてもよい。
【0047】
・図1(b)の基板間接続用金具60に代わり、図7に示すように構成してもよい。図7において、基板間接続用金具60における帯板部61での斜行部61bと斜行部61cとの間には垂下部61dが形成されている。同様に、帯板部62での斜行部62bと斜行部62cとの間には垂下部62dが形成されている。帯板部61の垂下部61dと帯板部62の垂下部62dとは対向し、ピン50を挟持する挟持部を構成している。即ち、基板間接続用端子部材としてのピン50を垂下部61d,62dの間に挟んで、面で向かい合っている。これにより、ピン50との接触面積を大きくすることができ、大きな電流を流す構成として好ましいものとなる。具体的には、図2の電力ラインL1,L2用に適している。
【0048】
・図1(b)に代わり、図8に示すように構成してもよい。図8において、ピン50の先端部にはフランジ131が固定されている。そして、基板間接続用金具60の一対の帯板部61,62の斜行部61c,62cの下側にフランジ131が接触する状態で位置している。即ち、ピン50の挿入時に、フランジ131が、基板間接続用金具60の一対の帯板部61,62の斜行部61c,62cを通過した状態で接触している。
【0049】
このフランジ131により、ピン50と基板間接続用金具60とが互いに離間する方向への移動が規制され、位置決めや抜け防止機能を有している。
・図8に代わり、図9に示すように構成してもよい。図9において、ピン50の先端部にはフランジ131が固定されていると共に、ピン50におけるフランジ131よりも基端側に(上方に)フランジ132が固定されている。そして、基板間接続用金具60の帯板部61,62の斜行部61c,62cの下側にフランジ131が接触する状態で位置するとともに、斜行部61b,62bの上側にフランジ132が接触する状態で位置している。即ち、ピン50の挿入時に、フランジ131が基板間接続用金具60の帯板部61,62の斜行部61c,62cが通過した状態で接触するとともに、フランジ132が基板間接続用金具60の帯板部61,62の斜行部61b,62bと接触している。
【0050】
このフランジ131,132により、ピン50と基板間接続用金具60とが、離間する方向および接近する方向への移動が規制され、上下の基板(厚銅基板30、制御基板40)の間隔を一定に保つ上で好ましいものとなる。
【0051】
・上記実施形態では厚銅基板30に基板間接続用金具60を設けた構成としたが、これに限ることなく、例えばプリント基板に基板間接続用金具に設けてもよい。
・上記実施形態では基板間接続用金具60は銅板製であったが、他の金属板、例えばばね鋼板製やステンレス鋼板製であってもよい。
【0052】
・上記実施形態では厚銅基板30に貫通孔34を設けた構成としたが、図10のように貫通孔を設けなくてもよい。図10において、基板間接続用端子部材としてのピン51は、丸棒状をなし、ピン51は基端が導体42とはんだ付けされている(基端が制御基板40に固定されている)。ピン51の先端側は厚銅基板30に向かって延びている。厚銅基板30には貫通孔が設けられていないと共に、基板間接続用金具60は、厚銅基板30における制御基板40と対向する側に設けられ、基端が厚銅基板30に固定されている。また、基板間接続用金具60は、先端側が制御基板40側に延びている。そして、基板間接続用金具60の斜行部61b,61cと斜行部62b,62cとの間にピン51が挟持されている。即ち、基板間接続用金具60は、先端側に、ピン51を挟持する挟持部としての斜行部61b,61c,62b,62cを有する。ここで、厚銅基板30は、絶縁性基板31の制御基板40と対向する面に金属板としての銅板32を接着して構成され、銅板32を曲げ加工することにより基板間接続用金具60が構成されている。
【0053】
この構成により、簡素な構成にて基板間を電気的に接続することができる。また、厚銅基板30に貫通孔を設ける必要がなくなると共に、ピン51の長さを短くすることが可能となる。さらに、基板間接続用端子部材としてのピン51は丸棒状をなすので、基板間接続用金具60の挟持部(斜行部61b,61c,62b,62c)に容易に挟持させることができる。さらには、第2の基板としての厚銅基板30が、絶縁性基板31の第1の基板としての制御基板40と対向する面に金属板としての銅板32を接着して構成されており、この銅板32を曲げ加工することにより基板間接続用金具60を容易に構成することができる。
【0054】
この場合も基板間接続用金具60を図7のような挟持部(垂下部61d,62d)が面で向かい合っている構成としてもよく、基板間接続用端子部材としてのピン51との接触面積を大きくすることができる。また、ピン51は平板状でもよく、こうすると基板間接続用金具60の挟持部との接触面積を大きくすることができる。また、ピン51に図8や図9のようなフランジ131,132を固定してもよい。
【符号の説明】
【0055】
30…厚銅基板、31…絶縁性基板、32…第1の銅板、33…第2の銅板、34…貫通孔、40…制御基板、50…ピン、51…ピン、60…基板間接続用金具、61…帯板部、61b…斜行部、61c…斜行部、61d…垂下部、62…帯板部、62b…斜行部、62c…斜行部、62d…垂下部、100…ピン、110…雄形コネクタ、111…ピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の面に半導体素子が実装される第1の基板と、
少なくとも一方の面に半導体素子が実装され、前記第1の基板に対向する第2の基板と、
基端が前記第1の基板に固定され、先端側が前記第2の基板に達するように延びる基板間接続用端子部材と、
基端が前記第2の基板の一方の面側に固定され、先端側が第2の基板に形成した貫通孔に挿通されるとともに先端側に前記基板間接続用端子部材を挟持する挟持部を有する基板間接続用金具と、
を備えたことを特徴とする基板間接続構造。
【請求項2】
前記基板間接続用端子部材は、丸棒状をなすことを特徴とする請求項1に記載の基板間接続構造。
【請求項3】
前記基板間接続用端子部材は、平板状をなすことを特徴とする請求項1に記載の基板間接続構造。
【請求項4】
前記基板間接続用金具における前記挟持部は、面で向かい合っていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板間接続構造。
【請求項5】
前記第2の基板は、絶縁性基板の少なくとも一方の面に金属板を接着して構成されており、
前記基板間接続用金具は、前記金属板を曲げ加工することにより構成してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板間接続構造。
【請求項6】
少なくとも一方の面に半導体素子が実装される第1の基板と、
少なくとも一方の面に半導体素子が実装され、前記第1の基板に対向する第2の基板と、
基端が前記第1の基板に固定され、先端側が前記第2の基板に向かって延びる基板間接続用端子部材と、
基端が前記第2の基板に固定され、先端側が前記第1の基板側に延びるとともに先端側に前記基板間接続用端子部材を挟持する挟持部を有する基板間接続用金具と、
を備えたことを特徴とする基板間接続構造。
【請求項7】
前記基板間接続用端子部材は、丸棒状をなすことを特徴とする請求項6に記載の基板間接続構造。
【請求項8】
前記基板間接続用端子部材は、平板状をなすことを特徴とする請求項6に記載の基板間接続構造。
【請求項9】
前記基板間接続用金具における前記挟持部は、面で向かい合っていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の基板間接続構造。
【請求項10】
前記第2の基板は、絶縁性基板の前記第1の基板と対向する面に金属板を接着して構成されており、
前記基板間接続用金具は、前記金属板を曲げ加工することにより構成してなることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の基板間接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−151226(P2012−151226A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7910(P2011−7910)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】