報知システム及びその制御方法
【課題】どこに情報内容を報知するかを対応付けたテーブルを必要とすることなく、情報内容を報知されるべきユーザーがシステム内を移動しても適切に報知することができる報知システム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】報知システム150は、事象を検出すると、事象に関する情報を出力する情報発生装置200と、情報発生装置200から出力された情報の内容を表す情報内容と情報内容を報知されるべきユーザーとが関連付けられた判断情報を保持する報知判断情報保持部1304と、ユーザーに情報内容を報知するプロジェクター130の投写ユニット11と、ユーザーの位置情報を保持するユーザー位置情報保持部1302と、プロジェクター130の位置情報を保持するプロジェクター位置情報保持部1303と、ユーザーの位置情報、プロジェクター130の位置情報及び判断情報に基づき、情報内容を報知するか否かを判定する報知判定部1308と、を有する。
【解決手段】報知システム150は、事象を検出すると、事象に関する情報を出力する情報発生装置200と、情報発生装置200から出力された情報の内容を表す情報内容と情報内容を報知されるべきユーザーとが関連付けられた判断情報を保持する報知判断情報保持部1304と、ユーザーに情報内容を報知するプロジェクター130の投写ユニット11と、ユーザーの位置情報を保持するユーザー位置情報保持部1302と、プロジェクター130の位置情報を保持するプロジェクター位置情報保持部1303と、ユーザーの位置情報、プロジェクター130の位置情報及び判断情報に基づき、情報内容を報知するか否かを判定する報知判定部1308と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報知すべき事象を検出すると、報知対象者に事象に関する情報を報知する報知システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工場などで発生した異常状態を報知する報知システムが知られている。このような報知システムでは、どこでどのような異常が発生したかを、異常が発生したことを把握しなければならない人に確実に報知する必要がある。
【0003】
例えば、工場のラインAで発生した異常はラインAの責任者及び工場責任者が把握しなければならないといったケースが考えられる。このようなケースでは、工場責任者は、単に異常が発生したというだけでなく、ラインAという場所で発生したことも把握したいと考えられる。一方、ラインAの責任者は、発生した異常がラインAであれば発生場所を改めて知る必要がない場合もある。
【0004】
特許文献1に記載の報知システムは、インターホンや防犯センサー等の機器がどの報知装置に報知するかを対応付けたテーブルを用意し、そのテーブルに従って機器に応じた報知装置を選択し、適切な報知装置が報知するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−278045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の報知システムでは、ユーザーは常に同じ場所にいるとは限らないため、固定的に設置された報知装置の近傍に、情報内容を知るべきユーザーがいない場合は、情報内容が適切に伝わらないことがある。また、テーブルを保持している管理装置が故障すると、一度作成したテーブルを再構築しなければならなくなり、復旧に時間がかかる。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、どこに情報内容を報知するかを対応付けたテーブルを必要とすることなく、情報内容を報知されるべき報知対象者がシステム内を移動しても適切に報知することができる報知システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することのできる本発明は、報知すべき事象を検出すると、報知対象者に前記事象に関する情報を報知する報知システムであって、前記事象を検出すると、前記事象に関する情報を出力する情報発生部と、前記情報発生部から出力された情報の内容を表す情報内容と前記情報内容を報知されるべき報知対象者とが関連付けられた判断情報を保持する判断情報保持部と、前記報知対象者に前記情報内容を報知する報知部と、前記報知対象者の位置情報を保持する位置情報保持部と、前記報知部の位置情報を保持する装置位置情報保持部と、前記報知対象者の位置情報、前記報知部の位置情報及び前記判断情報に基づき、前記情報内容を報知するか否かを判定する報知判定部と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、報知対象者であるユーザーの位置情報と、報知装置の位置情報と、判断情報に基づいて報知するか否かを判定することができるので、従来のように、どこに情報内容を報知するかを対応付けたテーブルを必要とすることなく、情報内容を報知されるべきユーザーがシステム内を移動しても、適切に情報内容を報知することができる報知システムを提供することができる。
【0009】
また、本発明の報知システムにおいて、前記報知対象者と所定の関係を有する関係者を示す関係者情報を保持する関係者情報保持部を更に有し、前記関係者情報に基づいて、前記情報内容を前記関係者に報知することを特徴とする。
上記構成によれば、情報内容を報知すべき報知対象者がいない場合でもそのユーザーの関係者に情報内容を報知することができる。
【0010】
また、本発明の報知システムにおいて、前記情報発生部が出力する前記情報は、前記事象の発生位置を含み、前記報知部は、前記情報内容とともに前記事象の発生位置を報知することが好ましい。
上記構成によれば、情報内容の発生位置にいないユーザーに対して、情報内容が報知された場合でも、発生位置情報が合わせて報知されるので、ユーザーは情報の発生場所を認識することができる。したがって、情報内容の発生位置にいないユーザーであっても、即時に発生場所に向かい対処を行なうことが可能となる。
【0011】
また、本発明の報知システムにおいて、前記情報内容は前記情報発生部が検出したセキュリティに関する異常情報を知らせる内容であり、前記異常情報の種類毎に対処情報を定めた対処情報保持部を更に備え、前記報知部は、前記対処情報を合わせて報知することが好ましい。ここで、セキュリティに関する異常情報とは、発火や発煙、電力のダウン、漏電、機械の故障、不審者の侵入などの事象に関するものである。
上記構成によれば、異常情報とともに対処情報が報知されるので、ユーザーは異常情報が発生した後、対処情報に基づいて即時に対処することができる。
【0012】
また、本発明の報知システムにおいて、前記異常情報の継続時間を保持する継続時間保持部と、前記継続時間に基づき、前記報知システムの稼働率を計算する稼働率演算部と、を更に備え、前記報知部は、前記稼働率が所定以下であることを報知することが好ましい。
上記構成によれば、報知システムの可能率が所定以下であると、その旨が報知されるので、ユーザーは稼働率低下を認識することができ、稼働率を改善するための対策を早急に講じることができる。
【0013】
また、本発明の報知システムにおいて、前記報知部は、プロジェクターであることが好ましい。
上記構成によれば、容易に情報内容を投写する位置を変更することができるので、報知部であるプロジェクターの設置された部屋のレイアウト変更にも、柔軟に対応することができる。
【0014】
また、上記課題を解決することのできる本発明は、報知すべき事象を検出すると、報知対象者に前記事象に関する情報を報知する報知システムの制御方法であって、前記事象を検出すると、前記事象に関する情報を出力するステップと、出力された情報の内容を表す情報内容と前記情報内容を報知されるべき報知対象者とが関連付けられた判断情報を取得するステップと、前記報知対象者の位置情報を取得するステップと、前記報知対象者に前記情報内容を報知する報知部の位置情報を取得するステップと、前記報知対象者の位置情報、前記報知部の位置情報及び前記判断情報に基づき、前記情報内容を報知するか否かを判定するステップと、前記判定結果に応じて前記報知対象者に前記情報内容を報知するステップと、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、従来のように、どこに情報内容を報知するかを対応付けたテーブルを必要とすることなく、情報内容を報知されるべきユーザーがシステム内を移動しても、適切に情報内容を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の報知システムが設置されている工場の概略構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態の報知システムの概略構成を示す図である。
【図3】本実施形態のプロジェクターの内部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態のプロジェクターのアプリケーション実行環境を説明するソフトウェア階層図である。
【図5】本実施形態のプロジェクターの情報報知機能を説明するためのブロック図である。
【図6】ユーザー位置情報保持部が保持しているユーザー位置情報の例である。
【図7】プロジェクター位置情報保持部が保持しているプロジェクターの位置情報の例である。
【図8】報知判断情報保持部が保持している報知条件の例である。
【図9】関係者情報保持部が保持している関係者情報の例である。
【図10】対処情報保持部が保持している対処方法の例である。
【図11】担当者情報保持部が保持している担当者情報の例である。
【図12】異常継続時間保持部が保持している異常情報の継続時間の例である。
【図13】本実施形態のプロジェクターが実行する情報報知処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】本実施形態のプロジェクターが実行する異常情報の報知処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る報知システム及び報知システムに使用される報知装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本実施形態の報知システムは、図1に示すように、ラインAが敷設された作業部屋101及びラインBが敷設された作業部屋103を有する工場100内に設備されたシステムである。例えばラインAではユーザーa〜ユーザーgの7名が作業しており、ラインBではユーザーh〜ユーザーnの7名が作業している。
【0018】
各作業部屋101,103への入退出は、各入り口105,107に設置されている入退出管理装置109,111により管理されている。つまり、各ユーザーは各作業部屋101,103の入退出時には入退出管理装置109,111により認証処理を行い、許可されたユーザーのみが各作業部屋101,103への入退出が許される。
【0019】
例えば、各ユーザー固有のIDが割り当てられたICチップを内蔵した個人認証カードを、読み取り装置である入退出管理装置109,111が読み取る。入退出管理装置109,111は読み取ったIDが正当なIDであることを確認すると、各入り口105,107を開錠する。また、各作業部屋101,103には場所IDが割り当てられており、入退出管理装置109,111は、少なくとも入室したユーザーのユーザーIDと場所IDとを関連付けて記録している。また、ユーザーが退出した場合は、退出した作業部屋の場所IDと関連付けて記録していたユーザーのIDを削除する。このように入退出の記録は、各ユーザーが何れの場所にいるのかを判断するためのユーザー位置情報となる。
【0020】
また、各作業部屋101,103には、作業状態を監視する監視カメラ113,115や、火災の熱により一定の温度以上になると作動する熱感知器117,119、ラインAの電源装置の異常を検出する電圧計121及びラインBの電源装置の異常を検出する電圧計123等が設置されている。これらの装置は、本発明の情報発生装置に相当し、それぞれ異常を検出すると警報などの異常情報を発生する。情報発生装置は、それぞれ報知すべき事象を検出する事象検出部としてのセンサーと、検出された事象に関する情報を出力する情報出力部としてのネットワークインターフェースとを備えている。
【0021】
各作業部屋101,103には、プロジェクター130,140(報知装置)が設置されている。図2に示すように、本実施形態の報知システム150は、監視カメラ113,115、熱感知器117,119及び電圧計121,123(以下、これらを「情報発生装置200」と呼ぶ。)が、プロジェクター130,140と、LANなどのネットワーク2で接続されている。情報発生装置200が発生した異常情報は、プロジェクター130,140へ送信される。
【0022】
また、本実施形態では、プロジェクター130,140同士は対等な関係にあり、各プロジェクター間を相互に直接接続しデータを送受信することができる。すなわち、サーバーを必要としない所謂P2P(Peer to Peer)の通信方式によって互いが有するデータを送受信し、同じデータを共有することができる。
【0023】
次に、プロジェクター130,140の概略構成について説明する。以下では、プロジェクター130について説明するが、プロジェクター140についても同様の構成を有しているものとする。
【0024】
図3に示すように、プロジェクター130は、制御部10と、投写ユニット11と、拡張スロット12と、ネットワークカード13と、フラッシュROM14とを有している。
【0025】
制御部10は、プロジェクター130の各部を中枢的に制御するものであり、演算処理プロセッサとしてのCPU15と、このCPU15により実行される制御プログラム(いわゆるファームウェア)が格納されるROM17と、CPU15のワークエリアとして機能して演算結果や各種データを一時的に格納するRAM16とを有している。
【0026】
投写ユニット11は、例えば、放電発光型の光源ランプや、LED(Light Emitting Diode)等の固体発光素子等からなる光源と、光源から射出された光束を画像信号に基づいて変調して画像光を形成する光変調装置(例えば、液晶パネル、入射側偏光板および射出側偏光板を備えた液晶ライトバルブやマイクロミラーを用いたデバイス等)と、画像光を拡大投写する投写レンズ等と、を備えて構成されている。
【0027】
拡張スロット12は、プロジェクター130に内設され、当該プロジェクター130の機能を拡張するためのカード型の回路が挿脱されるソケットであり、この拡張スロット12には、上記ネットワークカード13が挿着されている。
【0028】
ネットワークカード13は、データ通信部18と周辺機器接続部19とを有し、工場100内に敷設されたネットワーク2を介して他のプロジェクター130や情報発生装置200とデータ通信する機能、および、周辺機器を接続する機能を有するものである。すなわち、上記データ通信部18は、TCP/IP等の所定の通信プロトコルに基づいて信号処理するネットワークコントローラー21と、有線または無線にてネットワーク2に接続される通信I/F22とを有して構成されている。なお、本実施形態のプロジェクター130は、他のプロジェクター140のIPアドレスを予め保持しており、サーバー等を必要とすることなく、P2Pの通信方式によって互いのデータを直接送受信する。
【0029】
また、周辺機器接続部19は、周辺機器を接続するためのものであり、例えばUSB規格やIEEE1394規格等の所定規格に準拠して信号処理を実行する接続I/Fコントローラー23と、周辺装置との接続部たる複数(図示例では2つ)の接続コネクター25を備えている。本実施形態では周辺装置として、入退出管理装置109や入力装置90が接続される。
【0030】
フラッシュROM14は、書き換え可能な不揮発性メモリーであり、各種のアプリケーションが格納されている。これらのアプリケーションは、例えばメモリーカード等の記録媒体26に記録されて配布され、あるいは、ネットワーク2等の電気通信回線を通じて配布され、そして、このようにして配布されたアプリケーションがフラッシュROM14にインストール可能に構成されている。また、制御部10のROM17に格納される制御プログラムもアプリケーションと同様に、記録媒体26、あるいは、ネットワーク2等の電気通信回線を介して配布可能であり、このように配布された制御プログラムがROM17にインストール可能に構成されている。なお、ROM17を、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やFlashメモリーなど、電気的に書換え可能な不揮発性メモリーで構成する場合、フラッシュROM14と同様に記憶部として機能させることができる。
【0031】
上記フラッシュROM14等に格納されるアプリケーションとしては、入退出管理装置109によるユーザーの入退出記録を管理するための入退出アプリケーション、情報発生装置200から異常情報を受信するとプロジェクター130がその異常情報を報知する必要があるか否かを判断し、報知する必要がある場合は報知処理を実行する情報報知アプリケーション等がある。これらのアプリケーションの実行環境について図4を参照して説明する。
【0032】
図4は、プロジェクター130のアプリケーション実行環境を示すソフトウェア概略構成図である。この図に示すように、プロジェクター130の制御部10には、OSプラットフォーム30上にインタプリタ環境であるソフトウェアプラットフォーム31が構成されている。ソフトウェアプラットフォーム31は、Java(登録商標)プラットフォームのランタイム環境として構成されており、インタプリタとしてのJava(登録商標)VM(Java(登録商標)仮想マシン)32、ライブラリー33およびフレームワーク群34を備えて構成されている。Java(登録商標)はサンマイクロシステムズ社の商標である。
ライブラリー33は標準のAPIライブラリーとプロジェクター130に専用のライブラリーを含んで構成されており、OSプラットフォーム30が提供する抽象化された各種コンピューター資源を、さらにソフトウェアプラットフォーム31専用のモデルによって抽象化して、この上で動作するアプリケーションのための実行環境を提供する。
【0033】
フレームワーク群34はOSGi(Open Service Gateway initiative)フレームワーク34aを含んで構成されており、このOSGiフレームワーク34aは単一のJava(登録商標)VM32上に複数のアプリケーションを動作させる。また、OSGiフレームワーク34aは、アプリケーションのライフサイクルの管理やアプリケーション間通信機能などを提供する。このOSGiフレームワーク34a上には、複数のシステムサービスがプリインストールされている。システムサービスには、新たなアプリケーションを追加したり更新したり削除したりするためのアプリケーション管理サービス等がある。
【0034】
以下では、図4に示したアプリケーション実行環境において実行される、情報報知アプリケーションが提供する機能について説明する。
【0035】
<情報報知機能について>
次に、上述したアプリケーションが提供する情報報知機能について、図5を参照して詳細に説明する。
図5に示すように、図4のアプリケーション実行環境によってアプリケーションが実行されると、本発明の報知部に対応するプロジェクター130内には、データ受信部1301、ユーザー位置情報保持部1302(位置情報保持部)、プロジェクター位置情報保持部1303(装置位置情報保持部)、報知判断情報保持部1304(判断情報保持部)、関係者情報保持部1305、対処情報保持部1306、担当者情報保持部1307、報知判定部1308、異常継続時間測定部1309、異常継続時間保持部1310、稼働率演算部1311及びデータ送信部1312が構成される。
【0036】
データ受信部1301は、情報発生装置200から異常情報(情報内容)を受信したり、入退出管理装置109からユーザー位置情報を受信する。また、他のプロジェクター140からP2Pの通信方式によってプロジェクター140の位置情報や、プロジェクター140が保持しているユーザー位置情報を直接受信する。
【0037】
ユーザー位置情報保持部1302は、入退出管理装置109から受信したユーザー位置情報を記憶する記憶領域である。例えば、図6に示すようにユーザーIDと場所IDが関連付けて保存されている。本実施形態では、ユーザーaのユーザーIDが「10001」、作業部屋101の場所IDが「003001」であり、ユーザーhのユーザーIDが「10002」、作業部屋103の場所IDが「003006」である場合を示している。図6のユーザー位置情報により、ユーザーaがいる場所が作業部屋101であり、ユーザーhがいる場所が作業場所103であることがわかる。
【0038】
プロジェクター位置情報保持部1303は、プロジェクター130のプロジェクター位置情報及びプロジェクター140から受信したプロジェクター140の位置情報を記憶する記録領域である。例えば、図7に示すようにプロジェクターIDと場所IDが関連付けて保存されている。本実施形態では、プロジェクター130のプロジェクターIDを「00101」、プロジェクター140のプロジェクターIDを「00102」である場合を示している。図7のプロジェクター位置情報により、プロジェクター130が設置されている場所が作業部屋101であり、プロジェクター140が設置されている場所が作業部屋103であることがかわる。
【0039】
報知判断情報保持部1304は、異常情報を報知するか否かを判断するための報知条件(判断情報)を記憶する記録領域である。例えば、図8に示すように、情報発生装置200から出力された異常情報のIDと、異常情報の種類と、異常情報を報知されるべきユーザーを定めた報知条件と、が関連付けて保存されている。
【0040】
報知判定部1308は、ユーザー位置情報、プロジェクター位置情報及び報知条件に基づき、異常情報を報知するか否かを判断する。図8の報知条件により、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0001」を受信すると、報知判定部1308は、異常情報の種類を「ラインAの電源装置の異常」と認識し、「自己の設置場所と同じ場所にいるユーザーのユーザーIDに電源装置を担当しているユーザーのユーザーIDが含まれているか」を判断し、自らが異常情報を報知するか否かを決定する。
【0041】
また、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0002」を受信すると、報知判定部1308は、異常情報の種類を「ラインAのF部位の異常」と認識し、「自己の設置場所と同じ場所にいるユーザーのユーザーIDにラインAのF部位を担当しているユーザーのユーザーIDが含まれているか」を判断し、自らが異常情報を報知するか否かを決定する。さらに、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0003」を受信した場合は、異常情報の種類を「熱感知」と認識し、この場合は条件なしで異常情報を報知することを決定する。
【0042】
関係者情報保持部1305は、各ユーザーと所定の関係を有する他のユーザーを示す関係者情報を記憶する記憶領域である。例えば、図9に示すように、ユーザーID「10001」と所属部署ID「2101」と上司ID「10002」が関連付けられており、ユーザーID「10002」と所属部署ID「2101」と上司ID「00130」が関連付けられている。これにより、ユーザーaの上司がユーザーhであり、ユーザーhの上司が例えばユーザーIDが「00130」のユーザーmであることがわかる。
【0043】
対処情報保持部1306は、異常情報の種類毎に定めた対処情報を記憶する記憶領域である。例えば、図10に示すように、情報発生装置200が発生した異常情報のIDと、異常情報の種類と、対処方法と、が関連付けて保存されている。図10の対処方法により、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0001」を受信すると、異常情報の種類を「ラインAの電源装置の異常」と認識し、「ラインAの北端にある分電盤を確認→その下の△△部を確認→・・・」といった、対処方法を取得することができる。
また、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0002」を受信すると、異常情報の種類を「ラインAのF部位の異常」と認識し、「F部位上部の○○→・・・」といった、対処方法を取得することができる。
【0044】
担当者情報保持部1307は、異常情報の種類毎に定めた担当者ユーザーIDを記憶する記憶領域である。例えば、図11に示すように、情報発生装置200が発生した異常情報のIDと、異常情報の種類と、担当者ユーザーIDと、が関連付けて保存されている。図11により、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0001」を受信すると、異常情報の種類を「ラインAの電源装置の異常」と認識し、その異常情報の担当ユーザーIDが「10001」であるユーザーaであることがわかる。
また、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0002」を受信すると、異常情報の種類を「ラインAのF部位の異常」と認識し、その異常情報の担当ユーザーIDが「10002」及び「10032」のユーザーであることがわかる。
【0045】
異常継続時間測定部1309は、異常情報が発生していた継続時間を測定するタイマーである。情報発生装置200から異常情報を受信すると、異常継続時間測定部1309は継続時間の測定を開始し、各異常情報の担当者によって異常原因が解消され、異常情報の発生が停止すると、継続時間の測定を停止する。例えば、図12に示すように、情報発生装置200が発生した異常情報のIDと、異常情報の種類と、プロジェクターIDと、報知開始日時と、継続時間が関連付けて保存されている。なお、プロジェクターIDは、実際に異常情報の報知を行ったプロジェクターのIDである。
【0046】
稼働率演算部1311は、異常継続時間保持部1310に保存されている異常情報の継続時間に基づき、報知システム100の稼働率を計算する。
【0047】
データ送信部1312は、ユーザー位置情報保持部1302に記憶されているユーザー位置情報、プロジェクター位置情報保持部1303に記憶されているプロジェクター130の位置情報、をP2Pの通信方式によって他のプロジェクター140へ送信する。
【0048】
<情報報知処理について>
次に、本実施形態の報知システムにおいて異常が発生したときに、プロジェクター130,140が実行する情報報知処理について図13及び図14を参照して説明する。
【0049】
報知システム150内で何らかの異常が発生し、情報発生装置200が異常を検出すると、各プロジェクター130,140へ異常情報が送信される。各プロジェクター130,140は、データ受信部1301を介して異常情報を取得すると(ステップS11:Yes)、異常継続時間測定部1309が異常情報の継続時間の測定を開始する(ステップS13)。また、報知判定部1308は異常情報の報知処理を実行する(ステップS15)。
【0050】
異常情報の報知処理については図14を参照して説明する。
報知判定部1308は、報知判断情報保持部1304から報知判断情報を読み出す(ステップ31)。例えば、図8に示すように、受信した異常情報のIDが「0001」である場合は、報知条件として「自己の設置場所と同じ場所にいるユーザーのユーザーIDに電源装置を担当しているユーザーのユーザーIDが含まれるか」を読み出す。
【0051】
報知判定部1308は、プロジェクター位置情報保持部1303に記憶されているプロジェクターの位置情報に基づき各プロジェクター130,140の場所IDを取得する。さらに、ユーザー位置情報保持部1302に記憶されているユーザー位置情報に基づき場所IDと関連付けられたユーザーIDを取得する。場所IDと関連付けられたユーザーIDが存在する場合は、プロジェクター130,140の設置場所にユーザーがいると判断する(ステップS33:Yes)。
【0052】
次に報知判定部1308は、ステップS33でプロジェクター130,140の設置場所にいると判定されたユーザーが、異常情報の発生場所を知る必要があるか否かを判定する(ステップS35)。例えば、異常情報の種類がラインAの電源装置の異常である場合、作業部屋101に設置されているプロジェクター130の近傍にいるユーザーは、異常が発生した作業部屋101にいるので発生場所を改めて知る必要はない。一方、異常情報の種類がラインAの電源装置の異常である場合、作業部屋103に設置されているプロジェクター140の近傍にいるユーザーは、異常が発生した作業部屋101と異なる部屋にいるので、異常情報の発生場所を知る必要がある。
【0053】
報知判定部1308は、ラインAの電源装置の異常が発生した場合は、作業部屋101に在室しているユーザーには異常情報の発生場所を報知する必要がないと判定し(ステップS35:No)、報知判定部1308は、担当者情報保持部1307に記憶されている異常情報の種類毎に定めた担当者ユーザーIDと、ユーザー位置情報保持部1303に記憶されているユーザー位置情報と、に基づき、現在発生している異常情報の担当者が作業部屋101に在室しているか否かを判定する(ステップS37)。
【0054】
報知判定部1308は、現在発生している異常情報の担当者が在室していると判定すると(ステップS37:Yes)、対処情報保持部1306に記憶されている対処方法を読み出し、異常情報の種類とともに投写ユニット11によって投写させ、担当ユーザーへ異常情報を報知する(ステップS39)。
【0055】
一方、報知判定部1308は、発生している異常情報の担当者が在室していないと判定すると(ステップS37:No)、担当者情報保持部1307に記憶されている担当ユーザーIDに基づき異常情報の担当者を読み出し、異常情報の種類とともに投写ユニット11によって投写させ、担当以外のユーザーへ異常情報を報知する(ステップS41)。
【0056】
また、報知判定部1308は、ステップS35において、ラインBの設置された作業部屋103に在室しているユーザーには異常の発生場所を報知する必要があると判定し(ステップS35:Yes)、担当者情報保持部1307に記憶されている担当ユーザーIDと、ユーザー位置情報保持部1303に記憶されているユーザー位置情報と、に基づき、現在発生している異常情報の担当者が作業部屋103に在室しているか否かを判定する。報知判定部1308は、現在発生している異常情報の担当者が在室していると判定すると(ステップS43:Yes)、報知判定部1308は、対処情報保持部1306に記憶されている対処方法を読み出し、異常情報の種類及び発生場所とともに投写ユニット11によって投写させ、担当ユーザーへ異常情報を報知する(ステップ45)。
【0057】
一方、報知判定部1308は、現在発生している異常情報の担当者が在室していないと判定すると(ステップS43:No)、担当者情報保持部1307に記憶されている担当ユーザーIDに基づき異常情報の担当者を読み出し、異常情報の種類及び発生場所とともに投写ユニット11によって投写させ、担当以外のユーザーへ異常情報を報知する(ステップS47)。
【0058】
また、報知判定部1308は、ステップS33において、プロジェクター130,140の設置場所に異常情報を報知すべきユーザーがいない判断すると(ステップS33:No)、担当者情報保持部1307に記憶されている担当者情報を参照し、異常情報IDに基づいて、現在発生している異常情報の担当ユーザーを特定する。そして、報知判定部1308は、ユーザー位置情報記憶部1302に記憶されている位置情報を参照し、ユーザーIDに基づいて担当ユーザーが他の場所にいるかを判定する(ステップS49)。
【0059】
報知判定部1308は、担当ユーザーが他の場所にいると判定すると(ステップS49:Yes)、プロジェクター位置情報保持部1303に記憶されているプロジェクターの位置情報を参照し、場所IDに基づいて、担当ユーザーがいる他の場所にプロジェクター130あるいは140が設置されているか否かを判定する(ステップS51)。他の場所にプロジェクター130あるいは140が設置されていると判定した場合は(ステップS51:Yes)、他の場所に設置されているプロジェクターが異常情報を報知することができるため、自己のプロジェクターは異常情報を報知することなく処理を終了する。
【0060】
一方、報知判定部1308は、ステップS51で、担当ユーザーがいる他の場所にプロジェクター130あるいは140が設置されていないと判定した場合は(ステップS51:No)、関係者情報保持部1305を参照し、担当ユーザーの関係者を特定する(ステップS53)。そしてステップS33に戻り、担当ユーザーの関係者について上述した処理を繰り返し実行する。
【0061】
また、報知判定部1308は、ステップS49において担当ユーザーが他の場所にいないと判定した場合も(ステップS49:No)、担当ユーザーの関係者を特定し(ステップS53)、ステップS33に戻って担当ユーザーの関係者について上述した処理を繰り返し実行する。
【0062】
異常情報の報知処理が終了すると、図13のステップS17へ戻り、現在発生している異常が解消するまで待ち状態となる(ステップS17:No)。
情報発生装置200から、異常から復帰したことを通知する復帰情報を受信すると、異常が解消されたと判定し(ステップS17:Yes)、ステップS13で開始した継続時間の測定を終了する。そして、異常継続時間保持部1310に異常情報の種類、異常情報を報知したプロジェクターのID、報知を開始した日時及び継続時間を保存する(ステップS19)。
【0063】
次に、稼働率演算部1311が、ステップS19で保存した情報に基づいて、報知システム150の稼働率を計算する(ステップS21)。ここでは、図12に示した例に基づき稼働率の算出方法を説明する。
報知システム150の稼動開始を2008年9月1日09:00:00とし、最後の異常情報が発生した直後(2009年4月22日09:35:00)の稼働率を計算するとする。2008年9月1日09:00:00〜2009年4月22日09:35:00を[分]に直すと165,635[分]である。異常情報ID「0001」と「0002」の2つの異常情報の発生時間は重なっており、全体としては2008年9月3日14:22:00(最初の異常情報の開始時間)〜2008年9月3日17:03:00(2番目の異常情報の終了時間)まで継続しており、この時間は161分である。最後の異常の継続時間5分を合わせると、2008年9月1日09:00:00〜2009年4月22日09:35:00で異常情報が発生していた時間は166[分]になる。よって、稼働率は、1−(166/165,635)≒0.999となる。
【0064】
報知判定部1308は、ステップS21で算出した稼働率が予め定められた所定の稼働率を下回っていると判定した場合は(ステップS23:Yes)、稼働率エラーの報知を受けるユーザーが近傍にいるか否かを判定する(ステップS25)。例えば、稼働率エラーが発生した場合は工場100の責任者に報知するよう設定されている場合は、その責任者のユーザーIDに基づいて、責任者がプロジェクターの近傍にいるか否かを判定し、近傍にいる場合は(ステップS25:Yes)、稼働率が下回っていることを報知する(ステップS27)。一方、責任者がプロジェクターの近傍にいない場合は(ステップS25:No)、責任者がいる場所に設置されているプロジェクターが報知するので、報知することなくそのまま終了する。
【0065】
このように、上記実施形態の報知システム150によれば、ユーザーの位置情報と、プロジェクター130,140の位置情報と、判断条件に基づいて報知するか否かを判定することができる。このため、従来のように、どこに報知情報を報知するかを対応付けたテーブルを必要とすることなく、情報内容を報知されるべきユーザーがシステム内を移動しても、適切に情報内容を報知することができる報知システムを提供することができる。
各プロジェクター130,140は、報知条件に応じて、必要な判断情報を読み出して報知するか否かを判断することができる。
具体的には、ユーザー位置情報保持部1302が保持する位置情報に基づいて、設置場所の近傍にいるユーザーを特定することができる。さらに、担当者情報保持部1307が保持する担当者情報に基づいて、そのユーザーが異常情報の担当者であるか否かを判定し、担当者であればそのユーザーを、異常情報を報知されるべきユーザーとして特定し、異常情報を報知することができる。したがって、異常情報を報知されるべきユーザーが報知システム内を移動しても適切に報知することができる。
【0066】
また、上記実施形態によれば、複数のプロジェクター130,140の間で、ユーザー位置情報及びプロジェクターの位置情報を共有することができる。すなわち、他のプロジェクターの位置情報を取得することができ、また、ユーザーが移動しても移動後の位置情報も共有することができるので、異常情報を報知するか否かをユーザーの移動を考慮して的確に行なうことができる。
【0067】
また、上記実施形態によれば、異常情報を報知されるべき担当ユーザーがいない場合は、担当ユーザーと所定の関係を有する他のユーザーにも異常情報を報知することができる。このため、担当ユーザーがいない場合でもその上司に異常情報を報知することで、異常状態に対応することが可能となる。
【0068】
また、上記実施形態によれば、異常情報の発生場所にいないユーザーに異常情報が報知された場合でも、発生場所が合わせて報知されるので、異常情報の発生場所を認識することができる。したがって、異常情報の発生場所にいないユーザーであっても、発生場所に移動して対処を行なうことが可能となる。
【0069】
また、上記実施形態によれば、異常情報に対応する対処方法が報知されるので、ユーザーは対処方法に基づいて異常情報に容易に対処することができる。
【0070】
また、上記実施形態によれば、報知システム150の稼働率が所定以下であると、その旨が報知されるので、工場100の責任者は稼働率低下を認識することができ、稼働率を改善するための対策を早急に講じることができる。
【0071】
さらに、上記実施形態では、ユーザー位置情報やプロジェクターの位置情報を、プロジェクター同士がP2Pによって直接送受信することができる。したがって、例えば、3台以上のプロジェクターを含む報知システムであればそのうち1台が故障しても他のプロジェクターによって報知システムを継続して機能させることができる。
【0072】
なお、上記実施形態では、報知装置としてプロジェクターを例示したが、必ずしもプロジェクターに限定されるのでではない。例えば、携帯電話、回転警告灯、ブザー等でもよい。なお、GPS機能を有する携帯電話であれば、本実施形態の入退出管理装置109,111を必要とすることがない。本実施形態では入退出管理装置109を位置情報検出手段として、プロジェクターと別体の構成としたが、GPS機能を有する携帯電話であれば、位置検出手段を一体構成とした報知装置として提供することができる。
【0073】
また、ユーザー位置情報を取得する手段は、入退出管理装置109,111だけでなく、社員証につけられたRFIDによる監視システム、監視カメラによる追跡システムによって位置情報を取得することもできる。
【0074】
さらに、上記実施形態では、ユーザー位置情報やプロジェクターの位置情報は、プロジェクター同士がP2Pによって直接送受信したが、サーバーが集中的に管理するクライアントサーバーシステムによって構成することもできる。この場合、プロジェクター130は、サーバーから入力された情報に基づき、異常情報を投射するのに必要な構成を備えていればよい。
【符号の説明】
【0075】
10:制御部、11:投写ユニット、12:拡張スロット、13:ネットワークカード、14:フラッシュROM、100:工場、101,103:作業部屋、109,111:入退出管理装置、113,115:監視カメラ、117,119:熱感知器、121,123:電圧計、130,140:プロジェクター(報知装置)、1301:データ受信部、1302:ユーザー位置情報保持部(位置情報保持部)、1303:プロジェクター位置情報保持部(装置位置情報保持部)、1304:報知判断情報保持部(判断情報保持部)、1305:関係者情報保持部、1306:対処情報保持部、1307:担当者情報保持部、1308:報知判定部、1309:異常継続時間測定部、1310:異常継続時間保持部、1311:稼働率演算部、1312:データ送信部、150:報知システム、200:情報発生装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、報知すべき事象を検出すると、報知対象者に事象に関する情報を報知する報知システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工場などで発生した異常状態を報知する報知システムが知られている。このような報知システムでは、どこでどのような異常が発生したかを、異常が発生したことを把握しなければならない人に確実に報知する必要がある。
【0003】
例えば、工場のラインAで発生した異常はラインAの責任者及び工場責任者が把握しなければならないといったケースが考えられる。このようなケースでは、工場責任者は、単に異常が発生したというだけでなく、ラインAという場所で発生したことも把握したいと考えられる。一方、ラインAの責任者は、発生した異常がラインAであれば発生場所を改めて知る必要がない場合もある。
【0004】
特許文献1に記載の報知システムは、インターホンや防犯センサー等の機器がどの報知装置に報知するかを対応付けたテーブルを用意し、そのテーブルに従って機器に応じた報知装置を選択し、適切な報知装置が報知するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−278045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の報知システムでは、ユーザーは常に同じ場所にいるとは限らないため、固定的に設置された報知装置の近傍に、情報内容を知るべきユーザーがいない場合は、情報内容が適切に伝わらないことがある。また、テーブルを保持している管理装置が故障すると、一度作成したテーブルを再構築しなければならなくなり、復旧に時間がかかる。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、どこに情報内容を報知するかを対応付けたテーブルを必要とすることなく、情報内容を報知されるべき報知対象者がシステム内を移動しても適切に報知することができる報知システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することのできる本発明は、報知すべき事象を検出すると、報知対象者に前記事象に関する情報を報知する報知システムであって、前記事象を検出すると、前記事象に関する情報を出力する情報発生部と、前記情報発生部から出力された情報の内容を表す情報内容と前記情報内容を報知されるべき報知対象者とが関連付けられた判断情報を保持する判断情報保持部と、前記報知対象者に前記情報内容を報知する報知部と、前記報知対象者の位置情報を保持する位置情報保持部と、前記報知部の位置情報を保持する装置位置情報保持部と、前記報知対象者の位置情報、前記報知部の位置情報及び前記判断情報に基づき、前記情報内容を報知するか否かを判定する報知判定部と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、報知対象者であるユーザーの位置情報と、報知装置の位置情報と、判断情報に基づいて報知するか否かを判定することができるので、従来のように、どこに情報内容を報知するかを対応付けたテーブルを必要とすることなく、情報内容を報知されるべきユーザーがシステム内を移動しても、適切に情報内容を報知することができる報知システムを提供することができる。
【0009】
また、本発明の報知システムにおいて、前記報知対象者と所定の関係を有する関係者を示す関係者情報を保持する関係者情報保持部を更に有し、前記関係者情報に基づいて、前記情報内容を前記関係者に報知することを特徴とする。
上記構成によれば、情報内容を報知すべき報知対象者がいない場合でもそのユーザーの関係者に情報内容を報知することができる。
【0010】
また、本発明の報知システムにおいて、前記情報発生部が出力する前記情報は、前記事象の発生位置を含み、前記報知部は、前記情報内容とともに前記事象の発生位置を報知することが好ましい。
上記構成によれば、情報内容の発生位置にいないユーザーに対して、情報内容が報知された場合でも、発生位置情報が合わせて報知されるので、ユーザーは情報の発生場所を認識することができる。したがって、情報内容の発生位置にいないユーザーであっても、即時に発生場所に向かい対処を行なうことが可能となる。
【0011】
また、本発明の報知システムにおいて、前記情報内容は前記情報発生部が検出したセキュリティに関する異常情報を知らせる内容であり、前記異常情報の種類毎に対処情報を定めた対処情報保持部を更に備え、前記報知部は、前記対処情報を合わせて報知することが好ましい。ここで、セキュリティに関する異常情報とは、発火や発煙、電力のダウン、漏電、機械の故障、不審者の侵入などの事象に関するものである。
上記構成によれば、異常情報とともに対処情報が報知されるので、ユーザーは異常情報が発生した後、対処情報に基づいて即時に対処することができる。
【0012】
また、本発明の報知システムにおいて、前記異常情報の継続時間を保持する継続時間保持部と、前記継続時間に基づき、前記報知システムの稼働率を計算する稼働率演算部と、を更に備え、前記報知部は、前記稼働率が所定以下であることを報知することが好ましい。
上記構成によれば、報知システムの可能率が所定以下であると、その旨が報知されるので、ユーザーは稼働率低下を認識することができ、稼働率を改善するための対策を早急に講じることができる。
【0013】
また、本発明の報知システムにおいて、前記報知部は、プロジェクターであることが好ましい。
上記構成によれば、容易に情報内容を投写する位置を変更することができるので、報知部であるプロジェクターの設置された部屋のレイアウト変更にも、柔軟に対応することができる。
【0014】
また、上記課題を解決することのできる本発明は、報知すべき事象を検出すると、報知対象者に前記事象に関する情報を報知する報知システムの制御方法であって、前記事象を検出すると、前記事象に関する情報を出力するステップと、出力された情報の内容を表す情報内容と前記情報内容を報知されるべき報知対象者とが関連付けられた判断情報を取得するステップと、前記報知対象者の位置情報を取得するステップと、前記報知対象者に前記情報内容を報知する報知部の位置情報を取得するステップと、前記報知対象者の位置情報、前記報知部の位置情報及び前記判断情報に基づき、前記情報内容を報知するか否かを判定するステップと、前記判定結果に応じて前記報知対象者に前記情報内容を報知するステップと、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、従来のように、どこに情報内容を報知するかを対応付けたテーブルを必要とすることなく、情報内容を報知されるべきユーザーがシステム内を移動しても、適切に情報内容を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の報知システムが設置されている工場の概略構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態の報知システムの概略構成を示す図である。
【図3】本実施形態のプロジェクターの内部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態のプロジェクターのアプリケーション実行環境を説明するソフトウェア階層図である。
【図5】本実施形態のプロジェクターの情報報知機能を説明するためのブロック図である。
【図6】ユーザー位置情報保持部が保持しているユーザー位置情報の例である。
【図7】プロジェクター位置情報保持部が保持しているプロジェクターの位置情報の例である。
【図8】報知判断情報保持部が保持している報知条件の例である。
【図9】関係者情報保持部が保持している関係者情報の例である。
【図10】対処情報保持部が保持している対処方法の例である。
【図11】担当者情報保持部が保持している担当者情報の例である。
【図12】異常継続時間保持部が保持している異常情報の継続時間の例である。
【図13】本実施形態のプロジェクターが実行する情報報知処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】本実施形態のプロジェクターが実行する異常情報の報知処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る報知システム及び報知システムに使用される報知装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本実施形態の報知システムは、図1に示すように、ラインAが敷設された作業部屋101及びラインBが敷設された作業部屋103を有する工場100内に設備されたシステムである。例えばラインAではユーザーa〜ユーザーgの7名が作業しており、ラインBではユーザーh〜ユーザーnの7名が作業している。
【0018】
各作業部屋101,103への入退出は、各入り口105,107に設置されている入退出管理装置109,111により管理されている。つまり、各ユーザーは各作業部屋101,103の入退出時には入退出管理装置109,111により認証処理を行い、許可されたユーザーのみが各作業部屋101,103への入退出が許される。
【0019】
例えば、各ユーザー固有のIDが割り当てられたICチップを内蔵した個人認証カードを、読み取り装置である入退出管理装置109,111が読み取る。入退出管理装置109,111は読み取ったIDが正当なIDであることを確認すると、各入り口105,107を開錠する。また、各作業部屋101,103には場所IDが割り当てられており、入退出管理装置109,111は、少なくとも入室したユーザーのユーザーIDと場所IDとを関連付けて記録している。また、ユーザーが退出した場合は、退出した作業部屋の場所IDと関連付けて記録していたユーザーのIDを削除する。このように入退出の記録は、各ユーザーが何れの場所にいるのかを判断するためのユーザー位置情報となる。
【0020】
また、各作業部屋101,103には、作業状態を監視する監視カメラ113,115や、火災の熱により一定の温度以上になると作動する熱感知器117,119、ラインAの電源装置の異常を検出する電圧計121及びラインBの電源装置の異常を検出する電圧計123等が設置されている。これらの装置は、本発明の情報発生装置に相当し、それぞれ異常を検出すると警報などの異常情報を発生する。情報発生装置は、それぞれ報知すべき事象を検出する事象検出部としてのセンサーと、検出された事象に関する情報を出力する情報出力部としてのネットワークインターフェースとを備えている。
【0021】
各作業部屋101,103には、プロジェクター130,140(報知装置)が設置されている。図2に示すように、本実施形態の報知システム150は、監視カメラ113,115、熱感知器117,119及び電圧計121,123(以下、これらを「情報発生装置200」と呼ぶ。)が、プロジェクター130,140と、LANなどのネットワーク2で接続されている。情報発生装置200が発生した異常情報は、プロジェクター130,140へ送信される。
【0022】
また、本実施形態では、プロジェクター130,140同士は対等な関係にあり、各プロジェクター間を相互に直接接続しデータを送受信することができる。すなわち、サーバーを必要としない所謂P2P(Peer to Peer)の通信方式によって互いが有するデータを送受信し、同じデータを共有することができる。
【0023】
次に、プロジェクター130,140の概略構成について説明する。以下では、プロジェクター130について説明するが、プロジェクター140についても同様の構成を有しているものとする。
【0024】
図3に示すように、プロジェクター130は、制御部10と、投写ユニット11と、拡張スロット12と、ネットワークカード13と、フラッシュROM14とを有している。
【0025】
制御部10は、プロジェクター130の各部を中枢的に制御するものであり、演算処理プロセッサとしてのCPU15と、このCPU15により実行される制御プログラム(いわゆるファームウェア)が格納されるROM17と、CPU15のワークエリアとして機能して演算結果や各種データを一時的に格納するRAM16とを有している。
【0026】
投写ユニット11は、例えば、放電発光型の光源ランプや、LED(Light Emitting Diode)等の固体発光素子等からなる光源と、光源から射出された光束を画像信号に基づいて変調して画像光を形成する光変調装置(例えば、液晶パネル、入射側偏光板および射出側偏光板を備えた液晶ライトバルブやマイクロミラーを用いたデバイス等)と、画像光を拡大投写する投写レンズ等と、を備えて構成されている。
【0027】
拡張スロット12は、プロジェクター130に内設され、当該プロジェクター130の機能を拡張するためのカード型の回路が挿脱されるソケットであり、この拡張スロット12には、上記ネットワークカード13が挿着されている。
【0028】
ネットワークカード13は、データ通信部18と周辺機器接続部19とを有し、工場100内に敷設されたネットワーク2を介して他のプロジェクター130や情報発生装置200とデータ通信する機能、および、周辺機器を接続する機能を有するものである。すなわち、上記データ通信部18は、TCP/IP等の所定の通信プロトコルに基づいて信号処理するネットワークコントローラー21と、有線または無線にてネットワーク2に接続される通信I/F22とを有して構成されている。なお、本実施形態のプロジェクター130は、他のプロジェクター140のIPアドレスを予め保持しており、サーバー等を必要とすることなく、P2Pの通信方式によって互いのデータを直接送受信する。
【0029】
また、周辺機器接続部19は、周辺機器を接続するためのものであり、例えばUSB規格やIEEE1394規格等の所定規格に準拠して信号処理を実行する接続I/Fコントローラー23と、周辺装置との接続部たる複数(図示例では2つ)の接続コネクター25を備えている。本実施形態では周辺装置として、入退出管理装置109や入力装置90が接続される。
【0030】
フラッシュROM14は、書き換え可能な不揮発性メモリーであり、各種のアプリケーションが格納されている。これらのアプリケーションは、例えばメモリーカード等の記録媒体26に記録されて配布され、あるいは、ネットワーク2等の電気通信回線を通じて配布され、そして、このようにして配布されたアプリケーションがフラッシュROM14にインストール可能に構成されている。また、制御部10のROM17に格納される制御プログラムもアプリケーションと同様に、記録媒体26、あるいは、ネットワーク2等の電気通信回線を介して配布可能であり、このように配布された制御プログラムがROM17にインストール可能に構成されている。なお、ROM17を、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やFlashメモリーなど、電気的に書換え可能な不揮発性メモリーで構成する場合、フラッシュROM14と同様に記憶部として機能させることができる。
【0031】
上記フラッシュROM14等に格納されるアプリケーションとしては、入退出管理装置109によるユーザーの入退出記録を管理するための入退出アプリケーション、情報発生装置200から異常情報を受信するとプロジェクター130がその異常情報を報知する必要があるか否かを判断し、報知する必要がある場合は報知処理を実行する情報報知アプリケーション等がある。これらのアプリケーションの実行環境について図4を参照して説明する。
【0032】
図4は、プロジェクター130のアプリケーション実行環境を示すソフトウェア概略構成図である。この図に示すように、プロジェクター130の制御部10には、OSプラットフォーム30上にインタプリタ環境であるソフトウェアプラットフォーム31が構成されている。ソフトウェアプラットフォーム31は、Java(登録商標)プラットフォームのランタイム環境として構成されており、インタプリタとしてのJava(登録商標)VM(Java(登録商標)仮想マシン)32、ライブラリー33およびフレームワーク群34を備えて構成されている。Java(登録商標)はサンマイクロシステムズ社の商標である。
ライブラリー33は標準のAPIライブラリーとプロジェクター130に専用のライブラリーを含んで構成されており、OSプラットフォーム30が提供する抽象化された各種コンピューター資源を、さらにソフトウェアプラットフォーム31専用のモデルによって抽象化して、この上で動作するアプリケーションのための実行環境を提供する。
【0033】
フレームワーク群34はOSGi(Open Service Gateway initiative)フレームワーク34aを含んで構成されており、このOSGiフレームワーク34aは単一のJava(登録商標)VM32上に複数のアプリケーションを動作させる。また、OSGiフレームワーク34aは、アプリケーションのライフサイクルの管理やアプリケーション間通信機能などを提供する。このOSGiフレームワーク34a上には、複数のシステムサービスがプリインストールされている。システムサービスには、新たなアプリケーションを追加したり更新したり削除したりするためのアプリケーション管理サービス等がある。
【0034】
以下では、図4に示したアプリケーション実行環境において実行される、情報報知アプリケーションが提供する機能について説明する。
【0035】
<情報報知機能について>
次に、上述したアプリケーションが提供する情報報知機能について、図5を参照して詳細に説明する。
図5に示すように、図4のアプリケーション実行環境によってアプリケーションが実行されると、本発明の報知部に対応するプロジェクター130内には、データ受信部1301、ユーザー位置情報保持部1302(位置情報保持部)、プロジェクター位置情報保持部1303(装置位置情報保持部)、報知判断情報保持部1304(判断情報保持部)、関係者情報保持部1305、対処情報保持部1306、担当者情報保持部1307、報知判定部1308、異常継続時間測定部1309、異常継続時間保持部1310、稼働率演算部1311及びデータ送信部1312が構成される。
【0036】
データ受信部1301は、情報発生装置200から異常情報(情報内容)を受信したり、入退出管理装置109からユーザー位置情報を受信する。また、他のプロジェクター140からP2Pの通信方式によってプロジェクター140の位置情報や、プロジェクター140が保持しているユーザー位置情報を直接受信する。
【0037】
ユーザー位置情報保持部1302は、入退出管理装置109から受信したユーザー位置情報を記憶する記憶領域である。例えば、図6に示すようにユーザーIDと場所IDが関連付けて保存されている。本実施形態では、ユーザーaのユーザーIDが「10001」、作業部屋101の場所IDが「003001」であり、ユーザーhのユーザーIDが「10002」、作業部屋103の場所IDが「003006」である場合を示している。図6のユーザー位置情報により、ユーザーaがいる場所が作業部屋101であり、ユーザーhがいる場所が作業場所103であることがわかる。
【0038】
プロジェクター位置情報保持部1303は、プロジェクター130のプロジェクター位置情報及びプロジェクター140から受信したプロジェクター140の位置情報を記憶する記録領域である。例えば、図7に示すようにプロジェクターIDと場所IDが関連付けて保存されている。本実施形態では、プロジェクター130のプロジェクターIDを「00101」、プロジェクター140のプロジェクターIDを「00102」である場合を示している。図7のプロジェクター位置情報により、プロジェクター130が設置されている場所が作業部屋101であり、プロジェクター140が設置されている場所が作業部屋103であることがかわる。
【0039】
報知判断情報保持部1304は、異常情報を報知するか否かを判断するための報知条件(判断情報)を記憶する記録領域である。例えば、図8に示すように、情報発生装置200から出力された異常情報のIDと、異常情報の種類と、異常情報を報知されるべきユーザーを定めた報知条件と、が関連付けて保存されている。
【0040】
報知判定部1308は、ユーザー位置情報、プロジェクター位置情報及び報知条件に基づき、異常情報を報知するか否かを判断する。図8の報知条件により、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0001」を受信すると、報知判定部1308は、異常情報の種類を「ラインAの電源装置の異常」と認識し、「自己の設置場所と同じ場所にいるユーザーのユーザーIDに電源装置を担当しているユーザーのユーザーIDが含まれているか」を判断し、自らが異常情報を報知するか否かを決定する。
【0041】
また、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0002」を受信すると、報知判定部1308は、異常情報の種類を「ラインAのF部位の異常」と認識し、「自己の設置場所と同じ場所にいるユーザーのユーザーIDにラインAのF部位を担当しているユーザーのユーザーIDが含まれているか」を判断し、自らが異常情報を報知するか否かを決定する。さらに、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0003」を受信した場合は、異常情報の種類を「熱感知」と認識し、この場合は条件なしで異常情報を報知することを決定する。
【0042】
関係者情報保持部1305は、各ユーザーと所定の関係を有する他のユーザーを示す関係者情報を記憶する記憶領域である。例えば、図9に示すように、ユーザーID「10001」と所属部署ID「2101」と上司ID「10002」が関連付けられており、ユーザーID「10002」と所属部署ID「2101」と上司ID「00130」が関連付けられている。これにより、ユーザーaの上司がユーザーhであり、ユーザーhの上司が例えばユーザーIDが「00130」のユーザーmであることがわかる。
【0043】
対処情報保持部1306は、異常情報の種類毎に定めた対処情報を記憶する記憶領域である。例えば、図10に示すように、情報発生装置200が発生した異常情報のIDと、異常情報の種類と、対処方法と、が関連付けて保存されている。図10の対処方法により、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0001」を受信すると、異常情報の種類を「ラインAの電源装置の異常」と認識し、「ラインAの北端にある分電盤を確認→その下の△△部を確認→・・・」といった、対処方法を取得することができる。
また、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0002」を受信すると、異常情報の種類を「ラインAのF部位の異常」と認識し、「F部位上部の○○→・・・」といった、対処方法を取得することができる。
【0044】
担当者情報保持部1307は、異常情報の種類毎に定めた担当者ユーザーIDを記憶する記憶領域である。例えば、図11に示すように、情報発生装置200が発生した異常情報のIDと、異常情報の種類と、担当者ユーザーIDと、が関連付けて保存されている。図11により、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0001」を受信すると、異常情報の種類を「ラインAの電源装置の異常」と認識し、その異常情報の担当ユーザーIDが「10001」であるユーザーaであることがわかる。
また、情報発生装置200から異常情報として異常情報ID「0002」を受信すると、異常情報の種類を「ラインAのF部位の異常」と認識し、その異常情報の担当ユーザーIDが「10002」及び「10032」のユーザーであることがわかる。
【0045】
異常継続時間測定部1309は、異常情報が発生していた継続時間を測定するタイマーである。情報発生装置200から異常情報を受信すると、異常継続時間測定部1309は継続時間の測定を開始し、各異常情報の担当者によって異常原因が解消され、異常情報の発生が停止すると、継続時間の測定を停止する。例えば、図12に示すように、情報発生装置200が発生した異常情報のIDと、異常情報の種類と、プロジェクターIDと、報知開始日時と、継続時間が関連付けて保存されている。なお、プロジェクターIDは、実際に異常情報の報知を行ったプロジェクターのIDである。
【0046】
稼働率演算部1311は、異常継続時間保持部1310に保存されている異常情報の継続時間に基づき、報知システム100の稼働率を計算する。
【0047】
データ送信部1312は、ユーザー位置情報保持部1302に記憶されているユーザー位置情報、プロジェクター位置情報保持部1303に記憶されているプロジェクター130の位置情報、をP2Pの通信方式によって他のプロジェクター140へ送信する。
【0048】
<情報報知処理について>
次に、本実施形態の報知システムにおいて異常が発生したときに、プロジェクター130,140が実行する情報報知処理について図13及び図14を参照して説明する。
【0049】
報知システム150内で何らかの異常が発生し、情報発生装置200が異常を検出すると、各プロジェクター130,140へ異常情報が送信される。各プロジェクター130,140は、データ受信部1301を介して異常情報を取得すると(ステップS11:Yes)、異常継続時間測定部1309が異常情報の継続時間の測定を開始する(ステップS13)。また、報知判定部1308は異常情報の報知処理を実行する(ステップS15)。
【0050】
異常情報の報知処理については図14を参照して説明する。
報知判定部1308は、報知判断情報保持部1304から報知判断情報を読み出す(ステップ31)。例えば、図8に示すように、受信した異常情報のIDが「0001」である場合は、報知条件として「自己の設置場所と同じ場所にいるユーザーのユーザーIDに電源装置を担当しているユーザーのユーザーIDが含まれるか」を読み出す。
【0051】
報知判定部1308は、プロジェクター位置情報保持部1303に記憶されているプロジェクターの位置情報に基づき各プロジェクター130,140の場所IDを取得する。さらに、ユーザー位置情報保持部1302に記憶されているユーザー位置情報に基づき場所IDと関連付けられたユーザーIDを取得する。場所IDと関連付けられたユーザーIDが存在する場合は、プロジェクター130,140の設置場所にユーザーがいると判断する(ステップS33:Yes)。
【0052】
次に報知判定部1308は、ステップS33でプロジェクター130,140の設置場所にいると判定されたユーザーが、異常情報の発生場所を知る必要があるか否かを判定する(ステップS35)。例えば、異常情報の種類がラインAの電源装置の異常である場合、作業部屋101に設置されているプロジェクター130の近傍にいるユーザーは、異常が発生した作業部屋101にいるので発生場所を改めて知る必要はない。一方、異常情報の種類がラインAの電源装置の異常である場合、作業部屋103に設置されているプロジェクター140の近傍にいるユーザーは、異常が発生した作業部屋101と異なる部屋にいるので、異常情報の発生場所を知る必要がある。
【0053】
報知判定部1308は、ラインAの電源装置の異常が発生した場合は、作業部屋101に在室しているユーザーには異常情報の発生場所を報知する必要がないと判定し(ステップS35:No)、報知判定部1308は、担当者情報保持部1307に記憶されている異常情報の種類毎に定めた担当者ユーザーIDと、ユーザー位置情報保持部1303に記憶されているユーザー位置情報と、に基づき、現在発生している異常情報の担当者が作業部屋101に在室しているか否かを判定する(ステップS37)。
【0054】
報知判定部1308は、現在発生している異常情報の担当者が在室していると判定すると(ステップS37:Yes)、対処情報保持部1306に記憶されている対処方法を読み出し、異常情報の種類とともに投写ユニット11によって投写させ、担当ユーザーへ異常情報を報知する(ステップS39)。
【0055】
一方、報知判定部1308は、発生している異常情報の担当者が在室していないと判定すると(ステップS37:No)、担当者情報保持部1307に記憶されている担当ユーザーIDに基づき異常情報の担当者を読み出し、異常情報の種類とともに投写ユニット11によって投写させ、担当以外のユーザーへ異常情報を報知する(ステップS41)。
【0056】
また、報知判定部1308は、ステップS35において、ラインBの設置された作業部屋103に在室しているユーザーには異常の発生場所を報知する必要があると判定し(ステップS35:Yes)、担当者情報保持部1307に記憶されている担当ユーザーIDと、ユーザー位置情報保持部1303に記憶されているユーザー位置情報と、に基づき、現在発生している異常情報の担当者が作業部屋103に在室しているか否かを判定する。報知判定部1308は、現在発生している異常情報の担当者が在室していると判定すると(ステップS43:Yes)、報知判定部1308は、対処情報保持部1306に記憶されている対処方法を読み出し、異常情報の種類及び発生場所とともに投写ユニット11によって投写させ、担当ユーザーへ異常情報を報知する(ステップ45)。
【0057】
一方、報知判定部1308は、現在発生している異常情報の担当者が在室していないと判定すると(ステップS43:No)、担当者情報保持部1307に記憶されている担当ユーザーIDに基づき異常情報の担当者を読み出し、異常情報の種類及び発生場所とともに投写ユニット11によって投写させ、担当以外のユーザーへ異常情報を報知する(ステップS47)。
【0058】
また、報知判定部1308は、ステップS33において、プロジェクター130,140の設置場所に異常情報を報知すべきユーザーがいない判断すると(ステップS33:No)、担当者情報保持部1307に記憶されている担当者情報を参照し、異常情報IDに基づいて、現在発生している異常情報の担当ユーザーを特定する。そして、報知判定部1308は、ユーザー位置情報記憶部1302に記憶されている位置情報を参照し、ユーザーIDに基づいて担当ユーザーが他の場所にいるかを判定する(ステップS49)。
【0059】
報知判定部1308は、担当ユーザーが他の場所にいると判定すると(ステップS49:Yes)、プロジェクター位置情報保持部1303に記憶されているプロジェクターの位置情報を参照し、場所IDに基づいて、担当ユーザーがいる他の場所にプロジェクター130あるいは140が設置されているか否かを判定する(ステップS51)。他の場所にプロジェクター130あるいは140が設置されていると判定した場合は(ステップS51:Yes)、他の場所に設置されているプロジェクターが異常情報を報知することができるため、自己のプロジェクターは異常情報を報知することなく処理を終了する。
【0060】
一方、報知判定部1308は、ステップS51で、担当ユーザーがいる他の場所にプロジェクター130あるいは140が設置されていないと判定した場合は(ステップS51:No)、関係者情報保持部1305を参照し、担当ユーザーの関係者を特定する(ステップS53)。そしてステップS33に戻り、担当ユーザーの関係者について上述した処理を繰り返し実行する。
【0061】
また、報知判定部1308は、ステップS49において担当ユーザーが他の場所にいないと判定した場合も(ステップS49:No)、担当ユーザーの関係者を特定し(ステップS53)、ステップS33に戻って担当ユーザーの関係者について上述した処理を繰り返し実行する。
【0062】
異常情報の報知処理が終了すると、図13のステップS17へ戻り、現在発生している異常が解消するまで待ち状態となる(ステップS17:No)。
情報発生装置200から、異常から復帰したことを通知する復帰情報を受信すると、異常が解消されたと判定し(ステップS17:Yes)、ステップS13で開始した継続時間の測定を終了する。そして、異常継続時間保持部1310に異常情報の種類、異常情報を報知したプロジェクターのID、報知を開始した日時及び継続時間を保存する(ステップS19)。
【0063】
次に、稼働率演算部1311が、ステップS19で保存した情報に基づいて、報知システム150の稼働率を計算する(ステップS21)。ここでは、図12に示した例に基づき稼働率の算出方法を説明する。
報知システム150の稼動開始を2008年9月1日09:00:00とし、最後の異常情報が発生した直後(2009年4月22日09:35:00)の稼働率を計算するとする。2008年9月1日09:00:00〜2009年4月22日09:35:00を[分]に直すと165,635[分]である。異常情報ID「0001」と「0002」の2つの異常情報の発生時間は重なっており、全体としては2008年9月3日14:22:00(最初の異常情報の開始時間)〜2008年9月3日17:03:00(2番目の異常情報の終了時間)まで継続しており、この時間は161分である。最後の異常の継続時間5分を合わせると、2008年9月1日09:00:00〜2009年4月22日09:35:00で異常情報が発生していた時間は166[分]になる。よって、稼働率は、1−(166/165,635)≒0.999となる。
【0064】
報知判定部1308は、ステップS21で算出した稼働率が予め定められた所定の稼働率を下回っていると判定した場合は(ステップS23:Yes)、稼働率エラーの報知を受けるユーザーが近傍にいるか否かを判定する(ステップS25)。例えば、稼働率エラーが発生した場合は工場100の責任者に報知するよう設定されている場合は、その責任者のユーザーIDに基づいて、責任者がプロジェクターの近傍にいるか否かを判定し、近傍にいる場合は(ステップS25:Yes)、稼働率が下回っていることを報知する(ステップS27)。一方、責任者がプロジェクターの近傍にいない場合は(ステップS25:No)、責任者がいる場所に設置されているプロジェクターが報知するので、報知することなくそのまま終了する。
【0065】
このように、上記実施形態の報知システム150によれば、ユーザーの位置情報と、プロジェクター130,140の位置情報と、判断条件に基づいて報知するか否かを判定することができる。このため、従来のように、どこに報知情報を報知するかを対応付けたテーブルを必要とすることなく、情報内容を報知されるべきユーザーがシステム内を移動しても、適切に情報内容を報知することができる報知システムを提供することができる。
各プロジェクター130,140は、報知条件に応じて、必要な判断情報を読み出して報知するか否かを判断することができる。
具体的には、ユーザー位置情報保持部1302が保持する位置情報に基づいて、設置場所の近傍にいるユーザーを特定することができる。さらに、担当者情報保持部1307が保持する担当者情報に基づいて、そのユーザーが異常情報の担当者であるか否かを判定し、担当者であればそのユーザーを、異常情報を報知されるべきユーザーとして特定し、異常情報を報知することができる。したがって、異常情報を報知されるべきユーザーが報知システム内を移動しても適切に報知することができる。
【0066】
また、上記実施形態によれば、複数のプロジェクター130,140の間で、ユーザー位置情報及びプロジェクターの位置情報を共有することができる。すなわち、他のプロジェクターの位置情報を取得することができ、また、ユーザーが移動しても移動後の位置情報も共有することができるので、異常情報を報知するか否かをユーザーの移動を考慮して的確に行なうことができる。
【0067】
また、上記実施形態によれば、異常情報を報知されるべき担当ユーザーがいない場合は、担当ユーザーと所定の関係を有する他のユーザーにも異常情報を報知することができる。このため、担当ユーザーがいない場合でもその上司に異常情報を報知することで、異常状態に対応することが可能となる。
【0068】
また、上記実施形態によれば、異常情報の発生場所にいないユーザーに異常情報が報知された場合でも、発生場所が合わせて報知されるので、異常情報の発生場所を認識することができる。したがって、異常情報の発生場所にいないユーザーであっても、発生場所に移動して対処を行なうことが可能となる。
【0069】
また、上記実施形態によれば、異常情報に対応する対処方法が報知されるので、ユーザーは対処方法に基づいて異常情報に容易に対処することができる。
【0070】
また、上記実施形態によれば、報知システム150の稼働率が所定以下であると、その旨が報知されるので、工場100の責任者は稼働率低下を認識することができ、稼働率を改善するための対策を早急に講じることができる。
【0071】
さらに、上記実施形態では、ユーザー位置情報やプロジェクターの位置情報を、プロジェクター同士がP2Pによって直接送受信することができる。したがって、例えば、3台以上のプロジェクターを含む報知システムであればそのうち1台が故障しても他のプロジェクターによって報知システムを継続して機能させることができる。
【0072】
なお、上記実施形態では、報知装置としてプロジェクターを例示したが、必ずしもプロジェクターに限定されるのでではない。例えば、携帯電話、回転警告灯、ブザー等でもよい。なお、GPS機能を有する携帯電話であれば、本実施形態の入退出管理装置109,111を必要とすることがない。本実施形態では入退出管理装置109を位置情報検出手段として、プロジェクターと別体の構成としたが、GPS機能を有する携帯電話であれば、位置検出手段を一体構成とした報知装置として提供することができる。
【0073】
また、ユーザー位置情報を取得する手段は、入退出管理装置109,111だけでなく、社員証につけられたRFIDによる監視システム、監視カメラによる追跡システムによって位置情報を取得することもできる。
【0074】
さらに、上記実施形態では、ユーザー位置情報やプロジェクターの位置情報は、プロジェクター同士がP2Pによって直接送受信したが、サーバーが集中的に管理するクライアントサーバーシステムによって構成することもできる。この場合、プロジェクター130は、サーバーから入力された情報に基づき、異常情報を投射するのに必要な構成を備えていればよい。
【符号の説明】
【0075】
10:制御部、11:投写ユニット、12:拡張スロット、13:ネットワークカード、14:フラッシュROM、100:工場、101,103:作業部屋、109,111:入退出管理装置、113,115:監視カメラ、117,119:熱感知器、121,123:電圧計、130,140:プロジェクター(報知装置)、1301:データ受信部、1302:ユーザー位置情報保持部(位置情報保持部)、1303:プロジェクター位置情報保持部(装置位置情報保持部)、1304:報知判断情報保持部(判断情報保持部)、1305:関係者情報保持部、1306:対処情報保持部、1307:担当者情報保持部、1308:報知判定部、1309:異常継続時間測定部、1310:異常継続時間保持部、1311:稼働率演算部、1312:データ送信部、150:報知システム、200:情報発生装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
報知すべき事象を検出すると、報知対象者に前記事象に関する情報を報知する報知システムであって、
前記事象を検出すると、前記事象に関する情報を出力する情報発生部と、
前記情報発生部から出力された情報の内容を表す情報内容と前記情報内容を報知されるべき報知対象者とが関連付けられた判断情報を保持する判断情報保持部と、
前記報知対象者に前記情報内容を報知する報知部と、
前記報知対象者の位置情報を保持する位置情報保持部と、
前記報知部の位置情報を保持する装置位置情報保持部と、
前記報知対象者の位置情報、前記報知部の位置情報及び前記判断情報に基づき、前記情報内容を報知するか否かを判定する報知判定部と、を有することを特徴とする報知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の報知システムであって、
前記報知対象者と所定の関係を有する関係者を示す関係者情報を保持する関係者情報保持部を更に有し、
前記関係者情報に基づいて、前記情報内容を前記関係者に報知することを特徴とする報知システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の報知システムであって、
前記情報発生部が出力する前記情報は、前記事象の発生位置を含み、
前記報知部は、前記情報内容とともに前記事象の発生位置を報知することを特徴とする報知システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の報知システムであって、
前記情報内容は前記情報発生部が検出したセキュリティに関する異常情報を知らせる内容であり、
前記異常情報の種類毎に対処情報を定めた対処情報保持部を更に備え、
前記報知部は、前記対処情報を合わせて報知することを特徴とする報知システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の報知システムであって、
前記異常情報の継続時間を保持する継続時間保持部と、
前記継続時間に基づき、前記報知システムの稼働率を計算する稼働率演算部と、を更に備え、
前記報知部は、前記稼働率が所定以下であることを報知することを特徴とする報知システム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の報知システムであって、
前記報知部は、プロジェクターであることを特徴とする報知システム。
【請求項7】
報知すべき事象を検出すると、報知対象者に前記事象に関する情報を報知する報知システムの制御方法であって、
前記事象を検出すると、前記事象に関する情報を出力するステップと、
出力された情報の内容を表す情報内容と前記情報内容を報知されるべき報知対象者とが関連付けられた判断情報を取得するステップと、
前記報知対象者の位置情報を取得するステップと、
前記報知対象者に前記情報内容を報知する報知部の位置情報を取得するステップと、
前記報知対象者の位置情報、前記報知部の位置情報及び前記判断情報に基づき、前記情報内容を報知するか否かを判定するステップと、
前記判定結果に応じて前記報知対象者に前記情報内容を報知するステップと、
を有することを特徴とする報知システムの制御方法。
【請求項1】
報知すべき事象を検出すると、報知対象者に前記事象に関する情報を報知する報知システムであって、
前記事象を検出すると、前記事象に関する情報を出力する情報発生部と、
前記情報発生部から出力された情報の内容を表す情報内容と前記情報内容を報知されるべき報知対象者とが関連付けられた判断情報を保持する判断情報保持部と、
前記報知対象者に前記情報内容を報知する報知部と、
前記報知対象者の位置情報を保持する位置情報保持部と、
前記報知部の位置情報を保持する装置位置情報保持部と、
前記報知対象者の位置情報、前記報知部の位置情報及び前記判断情報に基づき、前記情報内容を報知するか否かを判定する報知判定部と、を有することを特徴とする報知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の報知システムであって、
前記報知対象者と所定の関係を有する関係者を示す関係者情報を保持する関係者情報保持部を更に有し、
前記関係者情報に基づいて、前記情報内容を前記関係者に報知することを特徴とする報知システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の報知システムであって、
前記情報発生部が出力する前記情報は、前記事象の発生位置を含み、
前記報知部は、前記情報内容とともに前記事象の発生位置を報知することを特徴とする報知システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の報知システムであって、
前記情報内容は前記情報発生部が検出したセキュリティに関する異常情報を知らせる内容であり、
前記異常情報の種類毎に対処情報を定めた対処情報保持部を更に備え、
前記報知部は、前記対処情報を合わせて報知することを特徴とする報知システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の報知システムであって、
前記異常情報の継続時間を保持する継続時間保持部と、
前記継続時間に基づき、前記報知システムの稼働率を計算する稼働率演算部と、を更に備え、
前記報知部は、前記稼働率が所定以下であることを報知することを特徴とする報知システム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の報知システムであって、
前記報知部は、プロジェクターであることを特徴とする報知システム。
【請求項7】
報知すべき事象を検出すると、報知対象者に前記事象に関する情報を報知する報知システムの制御方法であって、
前記事象を検出すると、前記事象に関する情報を出力するステップと、
出力された情報の内容を表す情報内容と前記情報内容を報知されるべき報知対象者とが関連付けられた判断情報を取得するステップと、
前記報知対象者の位置情報を取得するステップと、
前記報知対象者に前記情報内容を報知する報知部の位置情報を取得するステップと、
前記報知対象者の位置情報、前記報知部の位置情報及び前記判断情報に基づき、前記情報内容を報知するか否かを判定するステップと、
前記判定結果に応じて前記報知対象者に前記情報内容を報知するステップと、
を有することを特徴とする報知システムの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−139382(P2011−139382A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299051(P2009−299051)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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