説明

塗布方法及び装置

【課題】塗布ビードを安定させることができ、且つ、塗布ムラを無くすことのできる塗布方法及び装置を提供する。
【解決手段】塗布装置10は、塗布液を吐出し、連続走行するウエブ12との間に塗布液のビードを形成することによって、ウエブ12に塗布液を塗布する塗布ヘッド14と、ウエブ12の走行方向に対して塗布ヘッド14の上流側に設けられ、ウエブ12の幅方向の両端部で且つ塗布ヘッド14からの塗布液の幅方向の端部が接触する位置に、二種類以上の端部安定化液を塗布する端部安定化液塗布部16と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塗布方法及び装置に係り、特に写真用フィルム、写真用印画紙、磁気記録テープ、接着テープ、感圧記録紙、オフセット版材、電池などの製造において、連続走行する帯状体上に塗布液のビードを形成して塗布を行う塗布方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連続走行する帯状体(以下、ウエブという)上に塗布液を塗布する方法として、スライドビード塗布(特許文献1参照)やエクストルージョン塗布(特許文献2参照)が知られている。これらの塗布方法は、ウエブと塗布ヘッド(ダイ)との間に塗布液のビードを架橋させることによって塗布を行う。このようなビード型塗布では、塗布の品質上、ビードを安定させることが必要になるが、塗布の高速化や薄層化に伴い、ビードの幅方向の端部が不安定になるという問題があった。
【0003】
この問題を解消するため、ビードの端部を安定させる様々な提案が成されている。たとえば、特許文献1には、スライドビード塗布においてウエブの両端部にストライプ状の液体を塗布し、このストライプ状の液体に塗布液の端部が合流するように塗布する方法が記載されている。
【特許文献1】特願平5−153600号公報
【特許文献2】特許第2565412号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、ストライプ状の液体の粘度が低い場合、その液体がビードに到達する前に濡れ拡がってしまい、ビード端部の安定化効果が十分に得られないという問題があった。この問題は、ストライプ状の液体の塗布量を増加することによって防止することも可能となるが、その場合には、「濡れ拡がり」の範囲も拡がってしまうため、塗布ムラが発生しやすくなる。また、高粘度のストライプ液を使用することも考えられるが、その場合には、低粘度の塗布液と高粘度のストライプ状液体との接触部分で濃度変化が生じ、「しみ出し」と呼ばれる塗布ムラが発生するという問題があった。
【0005】
一方、特許文献2には、ウエブの幅方向の端部にプレコートするエクストルージョン塗布において、プレコート液が中央側に濡れ拡がることを防止するために、塗布ヘッドの吐出口に段差を設けることが記載されている。このように塗布ヘッドに段差を設ければ、ウエブの端部に塗布した液体が濡れ拡がることを防止することが可能となる。
【0006】
しかし、特許文献2は、中央の塗布液と端部のプレコート液を一つの塗布ヘッドで塗布する場合のみ、濡れ拡がり防止効果が得られるのであって、プレコート液を中央の塗布液と異なる塗布手段で塗布する場合(たとえば特許文献1のように塗布ヘッドとは別のノズルからストライプ状の液体を塗布する場合)には濡れ拡がり防止効果が得られない。そして、特許文献2のように、中央の塗布液と端部のプレコート液を一つの塗布ヘッドで塗布した場合には、塗布液のビードの端部を安定させることができない。したがって、従来には、塗布液のビードの端部を安定させることができ、且つ、「濡れ拡がり」や「しみ出し」による塗布ムラの発生を防止できる塗布装置がなく、改善が望まれていた。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、塗布ビードを安定させることができ、且つ、塗布ムラを無くすことのできる塗布方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、塗布ヘッドから吐出した塗布液を連続走行するウエブとの間に架橋させてビードを形成することによって、前記塗布液を前記ウエブに塗布する塗布方法において、前記塗布液を塗布する前のウエブの両端部に、二種類以上の端部安定化液を重ねて塗布し、該端部安定化液に、前記塗布液の幅方向の端部が触れるように塗布することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、二種類以上の端部安定化液を塗布するようにしたので、端部安定化液が塗布液に接触した際の「しみ出し」による塗布ムラの発生を防止しつつ、端部安定化液の「濡れ拡がり」による塗布ムラを防止できる。すなわち、本発明は「濡れ拡がり」を防止する端部安定化液と、「しみ出し」を防止する端部安定化液とを同時に使用することができ、両方の効果を同時に得ることができる。これにより本発明は、ビード端部を安定させることができ、且つ、塗布ムラの発生を防止することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記複数の端部安定化液は、最もウエブ側の端部安定化液が最も表面側の端部安定化液よりも、粘度及び/又は表面張力が高いことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、最もウエブ側の端部安定化液として、濡れ拡がりにくい高粘度、高表面張力の液を用いているので、端部安定化液が濡れ拡がることを防止することができる。また、本発明によれば、塗布液に接触する最も表面側の端部安定化液として低粘度、低表面張力の液体を用いているので、塗布液と混ざり易くなり、「しみ出し」による塗布ムラの発生を防止できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は請求項1又は2の発明において、前記複数の端部安定化液は、最もウエブ側の端部安定化液が前記塗布液よりも、粘度及び/又は表面張力が高いことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、最もウエブ側の端部安定化液として、濡れ拡がりにくい高粘度、高表面張力の液を用いているので、塗布液と同じ組成の端部安定化液を使用する場合よりも、端部安定化液が濡れ拡がることを防止できる。
【0014】
請求項4に記載の発明は請求項1〜3のいずれか1の発明において、前記端部安定化液は、ライン状又はドット状に塗布されることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は請求項1〜4のいずれか1の発明において、前記最も表面側の端部安定化液が前記ウエブに塗布されてから前記塗布液のビードに合流するまでの時間t[sec]が、0.005≦t≦30であることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、tを上記の範囲内に制御することによって、端部安定化液が外乱の影響を受けることを防止でき、且つ、端部安定化液の塗布装置がビードに影響することを防止できる。
【0017】
請求項6に記載の発明は前記目的を達成するために、塗布液を吐出し、連続走行するウエブとの間に前記塗布液のビードを形成することによって、前記ウエブに前記塗布液を塗布する塗布ヘッドと、前記ウエブの走行方向に対して前記塗布ヘッドの上流側に設けられ、前記ウエブの幅方向の端部で且つ前記塗布ヘッドからの塗布液の幅方向の端部が接触する位置に、二種類以上の端部安定化液を重ねて塗布する端部安定化液塗布部と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、二種類以上の端部安定化液を重ねて塗布するようにしたので、端部安定化液の「濡れ拡がり」を防止する端部安定化液と、塗布液との「しみ出し」による塗布ムラを防止する端部安定化液とを同時に使用し、両方の効果を同時に得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、二種類以上の端部安定化液を塗布するようにしたので、端部安定化液の「濡れ拡がり」と塗布液への「しみ出し」を同時に防止することができ、塗布ムラの発生を防止できる。したがって、本発明によれば、塗布ビードを安定させることができ、且つ、塗布ムラを無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面に従って本発明に係る塗布方法及び装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0021】
図1、図2は、本発明が適用された塗布装置の第1の実施形態を示しており、図1は側面断面図、図2は図1の2−2線に沿う断面図(リップ先端を除く)である。
【0022】
これらの図に示す塗布装置10は、連続走行するウエブ12に塗布液を薄膜状に塗布する装置であり、塗布液を塗布する塗布ヘッド14と、端部安定化液を塗布する端部安定化液塗布部16とを備える。
【0023】
ウエブ12には、帯状であれば如何なるものでも使用されえるが、寸度的に安定な素材が好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、また、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、銅等のような金属またはその合金(例えばケイ素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルとの合金)の板、更に、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等のようなプラスチックのフィルム、上記の如き金属又は合金がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が挙げられる。これらの支持体のうち、紙、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウム板などは加工しやすく安価であるので特に好ましい。通常その厚さは0.05〜1mm程度である。
【0024】
塗布ヘッド14は、複数のダイブロック20を合わせ、その側面に一対の側板22、22を当てることによって構成される。塗布ヘッド14の内部には、マニホールド24が幅方向に形成されており、このマニホールド24に不図示のタンクから供給管26を介して塗布液が供給される。各マニホールド24は、幅方向に形成されたスリット28を介してダイブロック20の上面に連通されており、マニホールド24に供給された塗布液は、ダイブロック20の上面に吐出される。
【0025】
ダイブロック20の上面は、バックアップローラ18側が下方に傾斜したスライド面30になっており、スライド面30に吐出された塗布液はスライド面30を流下する。そして、塗布ヘッド14のリップ先端32と、バックアップローラ18に巻きかけられたウエブ12との間に塗布液が架橋され、ビードが形成される。これにより、ウエブ12に塗布液の薄膜が形成される。
【0026】
ビードを安定させるため、バックアップローラ18の下方には、減圧室34が形成される。減圧室34は、塗布ヘッド14のダイブロック20及び側板22、底板36、正面板38によって、バックアップローラ18側に開口した凹状に形成される。減圧室34には、吸引管40が接続され、この吸引管40が不図示の吸引ポンプに接続される。これにより、減圧室34を負圧にすることができ、塗布液のビードを安定して形成することができる。
【0027】
端部安定化液塗布部16は、ビードの形成位置(すなわちリップ先端32)よりもウエブ12の走行方向の上流側に複数種類の端部安定化液を塗布する装置であり、本実施の形態では、2種類の端部安定化液を塗布するようになっている。すなわち、端部安定化液塗布部16は、ウエブ12の搬送方向の上流側に設置された第1端部安定化液塗布部(以下、第1塗布部という)42と、その下流側に設置された第2端部安定化液塗布部(以下、第2塗布部という)44とを備える。なお、本実施形態では、第1塗布部42と第2塗布部44を減圧室34の上流側に設けたが、これに限定するものではなく、第1塗布部42と第2塗布部44の両方、または、第2塗布部44のみを減圧室34の内部に設けてもよい。
【0028】
第1塗布部42は、ウエブ12の下面側(塗布面側)に一対のノズル46を備える。一対のノズル46は、不図示のタンクに接続され、このタンクから第1端部安定化液が送液される。第1端部安定化液は、後述するように、第2端部安定化液よりも高い粘度、または、大きい表面張力を有したものが使用される。
【0029】
また、一対のノズル46は、スライダ48に昇降自在に支持され、ノズル46をウエブ12に対して進退する方向(すなわち接近、離間する方向)に移動させることができる。スライダ48の支持機構は、図面を省略するが、たとえば、油圧ピストン、空気圧、ネジなどを好適に使用することができる。これにより、ノズル46とウエブ12とのクリアランスを調節できるので、ウエブ12の厚みを変更した場合に対応することができ、さらに端部安定化液の液膜の厚みを調節することも可能となる。
【0030】
スライダ48はレール50によってウエブ12の幅方向にスライド自在に支持される。これにより、ノズル46をウエブ12に対して進退する方向(すなわち接近、離間する方向)とウエブ12の幅方向に位置を調節することができる。したがって、ノズル46から吐出された第1端部安定化液が形成するウエブ12上の塗膜の位置と厚みを調節することができる。本実施の形態では、第1端部安定化液の位置は、後述の第2端部安定化液の塗布位置と同じであり、第1端部安定化液が第2端部安定化液で覆われるように構成される。
【0031】
第2塗布部44は、第1塗布部42と同様に、ウエブ12の下面側(塗布面側)に一対のノズル52を備える。一対のノズル52は、不図示のタンクに接続され、このタンクから第2端部安定化液が送液される。第2端部安定化液は、後述するように、第1端部安定化液よりも低い粘度、または、小さい表面張力を有したものが使用される。
【0032】
また、一対のノズル52は、スライダ54に昇降自在に支持され、スライダ54はレール56によってウエブ12の幅方向にスライド自在に支持される。これにより、ノズル52をウエブ12に進退する方向(すなわち接近、離間する方向)とウエブ12の幅方向に位置を調節することができる。したがって、ノズル52からウエブ12上に吐出された第2端部安定化液の塗膜の位置と厚みを調節することができる。なお、第2端部安定化液の位置は、その後段の塗布ヘッド14で形成される塗布液のビードの端部が接触する位置である。また、第2端部安定化液の厚みとしては、第1端部安定化液と第2端部安定化液を合わせた端部安定化液全体の厚みd[μm]と、塗布液の膜厚の厚みd[μm]が、少なくとも塗布開始時に、8≦d0≦25、80≦d≦500、5≦(d/d0)≦30、を同時に満たすように設定される。これは、dや(d/d0)が小さすぎると、d0が上記の範囲では十分な端部安定化作用が得られない。逆にdや(d/d0)が大きすぎると、端部安定化液が塗布膜側に流れだして塗布ムラを発生させたり、端部安定化液がウエブ12の外側にまで流れだして周辺機器を汚したりするという問題が発生するためである。なお、厚みdは、ノズル46、ノズル52への端部安定化液の送液量を調節することによって制御することができる。同様に、厚みd0は、塗布ヘッド14への塗布液の送液量を調節することによって制御することができる。したがって、端部安定化液の送液量と塗布液の送液量を制御する制御装置によって、d、d0を上記の式の範囲に制御することができる。このd、d0を塗布後に測定し、その測定値が上記の式を満たすようにフィードバック制御を行うようにしてもよい。
【0033】
上述した第1塗布部42と第2塗布部44はそれぞれ、ウエブ12の搬送方向における位置が、下記の要件を満たすことが好ましい。すなわち、ウエブ12に塗布された端部安定化液がビードに合流するまでの時間をt[sec]とした際に、0.005≦t≦30、の範囲であることが好ましく、0.05≦t≦5の範囲である事がより好ましく、0.1≦t≦2の範囲である事がさらに好ましい。これは、tが大きすぎると端部安定化液が外乱の影響を受けやすくなり、tが小さすぎるとビードがノズル46に接触して影響を受けるおそれがあるためである。本発明では、第1端部安定化液によって濡れ拡がりを防止できるので、tを比較的大きく設定することができ、第1塗布部42と第2塗布部44を減圧室34よりも前段に配置することができる。したがって、減圧室34内に設ける場合のように第1塗布部42、第2塗布部44を小型化する必要がない。また減圧室34内に設けた場合のように、振動の伝播によって新たな別の塗布故障が発生するおそれがない。
【0034】
なお、第1塗布部42、第2塗布部44において、ノズル46、ノズル52はウエブ12の幅方向に同時に移動するようにしてもよい。また、塗布液の幅を調節する手段を設けた場合には、その塗布幅調節手段とノズル46、ノズル52とを連動させるとよい。たとえば、スライド面30に塗布幅を規制する規制板を設けた場合には、この規制板とノズル46、ノズル52とを連動させ、ウエブ12の幅方向に移動させることが好ましい。さらに、ウエブ12の縁の位置を検出する検出装置をノズル46、ノズル52の上流側に設け、この検出装置で検出した位置に基づいてノズル46、ノズル52を幅方向に自動で移動させるようにしてもよい。
【0035】
本実施形態では、塗布液、第1端部安定化液、第2端部安定化液として、以下のものを用いることが好ましい。
【0036】
塗布液としては、従来公知のビード塗布装置で塗布される何れの塗布液も適用可能であり、濡れ性を制御しやすい点で、写真感光材料に用いるゼラチン水溶液のような水系の塗布液が好ましい。塗布液は親水性ポリマー水溶液に界面活性剤、増粘剤、その他着色剤等の添加剤を添加して使用できる。親水性ポリマーには従来公知のものが使用でき、ゼラチンやポリビニルアルコールなどが好適に使用でき、2種以上のポリマーを併用することも可能である。界面活性剤にはノニオン系、カチオン系、アニオン系、両性系など従来公知のいずれもが使用でき、特にノニオン系、アニオン系が好適であり、2種以上の界面活性剤を併用することも可能である。
【0037】
第1端部安定化液と第2端部安定化液は、塗布液と混和可能な液を使用し、たとえば塗布液が水系であれば、親水性ポリマー水溶液に界面活性剤、増粘剤、その他着色剤等の添加剤を添加したものを好適に使用できる。これらの親水性ポリマーや界面活性剤、増粘剤、その他の添加物は、塗布液と同じ素材のものが好ましい。
【0038】
第1端部安定化液は、第2端部安定化液や塗布液よりも、高表面張力及び/又は高粘度の液を用いる。塗布液、第1端部安定化液、第2端部安定化液にこのような物性を与える方法としては、ポリマーや界面活性剤等の濃度を変える方法、増粘剤を加える方法、温度差を与える方法、せん断力を利用し粘度差を与える方法などを使用できる。以下に、塗布液、第1端部安定化液、第2端部安定化液の粘度と表面張力の好ましい関係を説明する。
【0039】
塗布液の粘度をμ0[cP]、第1端部安定化液の粘度をμ1[cP]、第2端部安定化液の粘度をμ2[cP]としたとき、μ1>μ0≒μ2の関係を満たす事が好ましい。ただし、μ0≧5の場合はμ1≧μ0でよい。これは、塗布液粘度と端部安定化液の粘度はほぼ同じほうが合流しやすく、粘度変化による塗布ムラを発生させにくい。また、ウエブ12に接触する第1端部安定化液に、比較的粘度の高い液を用いることで濡れ広がりを防止できる。ただし、粘度の多少の逆転はビード端部の安定化に対し、問題なく作用し塗布する事が可能である。
【0040】
また、塗布液の表面張力をσ0[mN/m]、第1端部安定化液の表面張力をσ1[mN/m]、第2端部安定化液の表面張力をσ2[mN/m]としたとき、σ1≧σ2≧σ0がより好ましい。これは、端部安定化液の表面張力が高いことでビード端部の曲率を保つことができ、ビードが安定になるとともに、端部安定化液と塗布液の間に表面張力差があることによって塗布液を濡れ広げる力が働くため、塗布液膜を安定に濡れ広げることができる。ただし、表面張力値の多少の逆転はビード端部の安定化に対し、問題なく作用し塗布する事が可能である。
【0041】
ウエブ12と第1端部安定化液との間の接触角θ[°]は、θ<90が好ましく、20≦θ<90がより好ましい。θが高すぎると端部安定化液を良好に濡れずに不連続になり、ビード端部の安定化効果が失われるためである。逆に、θが低すぎる場合には端部安定化液がウエブ12上に濡れ広がってしまうので、端部安定化液の膜厚を確保するために、端部安定化液を過剰に塗布する必要があり、余剰な端部安定化液が塗布ムラやライン外の汚染を引き起こすためである。
【0042】
なお、本実施形態では、端部安定化液をノズルから吐出してウエブ12上に塗布するようにしたが、端部安定化液の塗布方法はこれに限定するものではなく、たとえば、スリット、スプレー、ブレードなどの非接触型の塗布装置、ロール、グラビアなどの接触型の塗布装置、先端がボール状になった付与装置、ドット状に付与するインクジェットなどを使用することができる。
【0043】
また、本実施の形態では図を省略したが、ウエブ12の走行方向に対して塗布ヘッド14の下流側に、塗膜の両端部から余剰液を回収する端部液回収装置を設けるとよい。端部回収装置としては、掻取や吸引によって物理的に除去するものが好ましい。端部回収装置の代わりに、塗膜の端部を集中的に乾燥させる乾燥装置を設けてもよい。
【0044】
次に上記の如く構成された塗布装置10の作用について説明する。図3は塗布装置10の作用を説明する説明図であり、第1、第2の端部安定化液のみを塗布した状態の断面を示している。また、図4は、図3の4−4線に沿う走行方向の断面図である。なお、図3の二点鎖線は塗布液の塗布状態を示している。また、図3、図4のαは第1端部安定化液の塗布状態を示し、βは第2端部安定化液の塗布状態を示している。
【0045】
連続走行するウエブ12は、まず、図1の第1塗布部46によって第1端部安定化液が塗布され、続いて第2塗布部52によって第2端部安定化液が塗布される。これにより、図3に示すように、ウエブ12の幅方向の両端部に第1、第2の端部安定化液が走行方向に沿ってライン状に塗布され、この状態でウエブ12がリップ先端32まで送られる。リップ先端32には、塗布液のビードが形成されており、ウエブ12の幅方向の両端部に塗布された端部安定化液はビードの端部に合流される。これにより、ビードの端部安定化効果が得られ、塗布液を幅方向の端部にも精度良く塗布することができる。
【0046】
ところで、本実施の形態では、高粘度、高表面張力の第1端部安定化液をウエブ12に最初に塗布し、その後に低粘度、低表面張力の第2端部安定化液を塗布している。高粘度、高表面張力の第1端部安定化液をウエブ12に最初に塗布することによって、端部安定化液がウエブ12上で濡れ拡がることを防止することができる。
【0047】
また、第1端部安定化液の上に低粘度、低表面張力の第2端部安定化液を塗布するので、最も表面側に低粘度、低表面張力の第2端部安定化液の層が形成され、この層に塗布液のビードが接触する。したがって、接触時に塗布液と端部安定化液が濃度ムラを発生させることがなく、「しみ出し」による塗布ムラの発生を防止できる。これにより、本実施の形態によれば、端部安定化液が濡れ拡がるのを防止でき、且つ、「しみ出し」による塗布ムラが発生するのを防止できる。
【0048】
なお、図3には、第1端部安定化液が断面で半円状に形成され、第2端部安定化液例がこれを均等に覆う例を示したが、第1端部安定化液や第2端部安定化液の塗布形状はこれに限定するものではなく、様々な形状が可能である。図5(a)〜図5(d)は、その例を示したものであり、同図において、αは第1端部安定化液の塗布状態を示し、βは第2端部安定化液の塗布状態を示している。
【0049】
図5(a)は、第1端部安定化液が縦長に塗布され、この第1端部安定化液の主に両側に第2端部安定化液が塗布された例である。この場合、端部安定化液全体の膜厚を大きくすることができ、ビード端部の安定化効果が得られやすい。また、図5(b)は、第1端部安定化液を第2端部安定化液とを同じ幅で塗布した例であり、図5(c)は、第1端部安定化液を第2端部安定化液よりも幅広に塗布し、第1端部安定化液の上に第2端部安定化液を塗布した例である。これらの場合にも第1端部安定化液を第2端部安定化液よりも高粘度、高表面張力とすることによって、端部安定化液の濡れ拡がりを防止しつつ、塗布ムラの発生を防止できる。図5(d)は、第1端部安定化液を二つに分けて、所定の間隔でライン状に塗布し、この一対の第1端部安定化液同士の間に第2端部安定化液を盛るようにしている。この場合、第2端部安定化液が一対の第1端部安定化液の外側に濡れ拡がることを確実に防止できる。
【0050】
また、上述した実施形態は、図4に示したようにライン状の第1端部安定化液にライン状の第2端部安定化液を重ねたが、これに限定するものではなく、端部安定化液を不連続な形状としても塗布してもよい。図6(a)、図6(b)は、端部安定化液を不連続な形状で塗布した例であり、αは第1端部安定化液の塗布状態を示し、βは第2端部安定化液の塗布状態を示している。図6(a)は、第1端部安定化液をドット状に塗布し、このドット状の第1端部安定化液にライン状の第2端部安定化液を重ねた例である。この場合にも、第1端部安定化液によって、濡れ拡がりの防止効果を得ることができる。図6(b)は、ドット状の第1端部安定化液にドット状の第2端部安定化液を重ねた例である。この場合にも、第2端部安定化液が繋がってライン状となるので、ビード端部の安定化効果が得られる。
【0051】
さらに、上述した実施形態は、第1塗布部42(または第2塗布部44)として、ノズル46(または52)を用いて塗布するようにしたが、ノズル46(または52)は複数を一組としてもよく、その場合、複数のノズル46(または52)は図7(a)〜図7(d)に示すように様々な配置が可能である。すなわち、図7(a)に示すようにノズル46(または52)をウエブ12の走行方向に並べたり、図7(b)に示すようにノズル46(または52)をウエブ12の幅方向に並べたり、図7(c)に示すようにノズル46(または52)を斜め方向に配置したり、図7(d)に示すようにノズル46(または52)を菱形に配置したりしてもよい。
【0052】
また、上述した実施形態は、第1端部安定化液と第2端部安定化液を別々に塗布するようにしたが、同じ塗布装置で複数の端部安定化液を同時に塗布するようにしても良い。たとえば、図11に示す塗布装置は、一つの塗布ヘッド70に二つの送液路72、74がウエブ12の走行方向に並んで形成されており、この二つの送液路72、74から異なる端部安定化液を送液することによって、二つの端部安定化液を同時に塗布することができる。また、図12に示す塗布装置は、一つの塗布ヘッド80に三つの送液路82、84、86がウエブ12の幅方向に形成されており、異なる端部安定化液を同時に塗布することができる。なお、この場合も、端部安定化液同士の表面張力の作用と、各々の膜厚、粘度、表面張力の違いから塗布液を塗布する前に、端部安定化液同士は重ねて塗布した形状となる。
【0053】
さらに、上述した実施形態は、2種類の端部安定化液を塗布する例で説明したが、2種類以上の端部安定化液を塗布する構成であればよい。以下、端部安定化液をn層(n≧2)に塗布する場合における本発明の適用方法について説明する。
【0054】
端部安定化液をn層に塗布する場合、塗布液の粘度をμ0、最下層(すなわち最もウエブ12側であり、第1番目の層)の端部安定化液の粘度をμ1[cP]、最上層(すなわち、最も外側であり、第n層)の端部安定化液の粘度をμn[cP](n≧2)として、μ1>μ0≒μnであることが良い。ただし、μ0≧5の場合はμ1≧μ0≒μnでよい。さらにμ0≦15、かつ、μn≦15の関係を満たす事がより好ましい。これは、μ0が高すぎるとウエブ12に同伴されるエアを巻き込んで塗膜が破断するためであり、μnが高すぎると端部安定化液の塗布部へのカス付着や詰まりが発生したり、後段での余剰液処理に負荷がかかったりするためである。
【0055】
また、端部安定化液をn層に塗布する場合は、塗布液の張力をσ0[mN/m]、最下層の端部安定化液の表面張力をσ1[mN/m]、最上層の端部安定化液の表面張力をσn[mN/m](n≧2)として、σ1≧σn≧σ0であることが好ましい。さらにσ0≦60かつσ1≦65(100msec)がより好ましい。これは、塗布液の動的表面張力が高い場合には良好な濡れひろがりを得られず破断してしまうためであり、端部安定化液の動的表面張力が高い場合には端部安定化液が不連続となり、ビード端部の安定化効果が失われるためである。
【0056】
さらに、端部安定化液をn層に塗布する場合は、ウエブ12と最下層の端部安定化液との間の接触角θ[°]は、θ<90が好ましく、20≦θ<90がより好ましい。θが高すぎると端部安定化液を良好に濡れずに不連続となり、ビード端部の安定化効果が失われるためである。また、θが低すぎる場合には端部安定化液がウエブ12上に濡れ広がってしまうので、端部安定化液の膜厚を確保するために、端部安定化液を過剰に塗布する必要があり、余剰な端部安定化液が塗布ムラやライン外の汚染を引き起こすためである。
【0057】
なお、端部安定化液をn層に塗布する場合、端部安定化液全体の膜厚の厚みをdとし、このdと塗布液の厚みd0とが上述の関係式を満たすように設定するとよい。
【0058】
また、上述した実施形態において、第1塗布部42、第2塗布部44は、ウエブ12を挟んで反対側にロールを設け、そのロール位置で端部安定化液を塗布することが好ましい。これにより、ウエブ12の振動によるブレをなくすことができ、端部安定化液を安定して塗布することができる。
【0059】
さらに、上述した第1、第2の実施形態は、スライドビード塗布の例で説明したが、エクストルージョン塗布を行うようにしてもよい。すなわち、スライドビード型の塗布ヘッド14の代わりに、エクストルージョン型の塗布ヘッドを配置し、この塗布ヘッドとウエブ12との間に塗布液のビードを形成してウエブ12に塗布するようにしてもよい。
【実施例】
【0060】
(試験1)
塗布液として、水系酸化防止膜層形成液(液膜厚みd0=25μm、動的表面張力σ0=60mN/m(100msec))を用い、端部安定化液として、ポリビニルアルコール水溶液に増粘剤と界面活性剤を添加したものを使用した(液膜厚みd1=150μm、動的表面張力σ1=60mN/m, σ2=60mN/m(100msec))。ウエブには、表面にアクリル樹脂の被膜を施したAlウエブ(ウエブの巾1000mm)を使用した。
アクリル樹脂は、溶剤を用いてWET塗布した後乾燥し、平坦な被膜を得たものである。
【0061】
塗布機は、送液巾1600mmのスライドビード塗布機で、チャンバー内圧力-250Pa、リップ先端とウエブとの距離0.3mm、塗布速度100m/minとして塗布を行った。塗布時の「塗膜形成」と、得られた塗膜の「しみ出し」「濡れ拡がり」について調べた。その結果を表1に示す。表1において、粘度が「−」となっているものは、その層を使用していないことを意味する。また、評価において「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」は実用上OK、「×」は製品として許容できない、を意味する。
【0062】
【表1】

【0063】
表1から分かるように、端部安定化液がない場合(比較例1-4、1-5)はビードを安定化させることができず、膜形成ができなかった。また、端部安定化液が一種類の場合(比較例1-1〜3)には、「しみ出し」または「濡れ拡がり」のいずれか一方、または両方が発生し、良好な塗布を行うことができなかった。
【0064】
これに対して、2種類の端部安定化液を用いた場合(実施例1-1〜9)は、「しみ出し」と「濡れ拡がり」の両方を同時に防止することができた。特に、μ1がμ0、μ2よりも大きい場合には濡れ拡がりを効果的に防止でき、μ2がμ0と略同じ場合にしみ出しを防止できた。なお、実施例1-1〜6では、動的表面張力をσ0=60±5mN/m、σ1=60±5mN/m、σ2=60±5mN/mで変化させて試験を行ったが、σ0〜σ2を組み合わせても、表1と同様に良好な結果が得られた。
【0065】
また、実施例1-7〜9のように、端部安定化液のいずれの粘度もμ<10となるような場合には、ウエブ上の濡れ拡がり抑制の効果が弱くなることが確認された。このような場合、端部安定化液の表面張力を制御することで、改善可能であることを確認した。
【0066】
(試験2)
塗布液および端部安定化液として、実施例1-6の条件、組成のものを用いた。ウエブには、表面にアクリル樹脂の被膜を施したAlウエブ(ウエブの巾1000mm)を使用した。使用した塗布機は、送液巾1600mmのスライドビード塗布機で、チャンバー内圧力-250Pa、リップ先端とウエブとの距離0.3mm、塗布速度100m/minにて塗布を行った。得られた塗膜の「濡れ拡がり」について調べた。その結果を表2に示す。表2の評価において「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」は実用上OK、「×」は製品として許容できない、を意味する。
【0067】
【表2】

【0068】
表2から分かるように、端部安定化液の表面張力σ1、σ2を高くすることで濡れ拡がりのレベルを改善でき、特に最下層の表面張力σ1を高くしたほうが良い結果が得られた。また、端部安定化液の粘度を1≦μ1≦9、1≦μ2≦9の範囲で変化させた。このとき、μ1、μ2の組み合わせによらず、結果はほぼ同じであった。
【0069】
さらに、端部安定化液の粘度μ1、μ2を10以上にした場合には、(試験1)で確認したとおり、濡れ拡がり抑制の効果は良好で、表面張力の多少の逆転は問題にならなかった。
【0070】
(試験3)
塗布液および端部安定化液として、実験1の「濡れ拡がり」が「◎」のもの(例えば実施例1-4)、「濡れ拡がり」が「△」のもの(例えば実施例1-9)、「濡れ拡がり」が「×」のもの(例えば比較例1-3)の条件、組成を用いた。ウエブには、表面にアクリル樹脂の被膜を施したAlウエブ(ウエブの巾1000mm)を使用した。使用した塗布液は、送液幅1600mmのスライドビード塗布機でチャンバー内圧力-250Paにて、リップ先端とウエブとの距離は、0.3mmにて塗布し、塗布速度100m/minとして塗布を行い、第2端部安定化液付与から塗布ビード合流までに要する時間t[sec]として「濡れ拡がり」の状態を調査した。その結果を表3に示す。
【0071】
【表3】

【0072】
表3から分かるように、濡れ拡がり抑制の効果の高い組み合わせを用いることで、塗布ヘッドから離れた位置で端部安定化付与を行っても良好な面状を得られる事が分かった。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係る塗布装置の実施形態を示す側面断面図
【図2】図1の2−2線に沿う断面図
【図3】塗布装置の作用を説明する説明図
【図4】図3の4−4線に沿う断面図
【図5】図3と異なる形状の端部安定化液を説明する説明図
【図6】図4と異なる形状の端部安定化液を説明する説明図
【図7】ノズルの配置例を示す模式図
【図8】複数層の端部安定化液を同時塗布する塗布ヘッドを示す断面図
【図9】複数層の端部安定化液を同時塗布する塗布ヘッドを示す断面図
【符号の説明】
【0074】
10…塗布装置、12…ウエブ、14…塗布ヘッド、16…端部安定化液塗布部、18…バックアップローラ、32…リップ先端、34…減圧室、42第1塗布部、44…第2塗布部、46…ノズル、48…スライダ、50…レール、52…ノズル、54…スライダ、56…レール、70…塗布ヘッド、72、74…流路、80…塗布ヘッド、82、84、86…流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布ヘッドから吐出した塗布液を連続走行するウエブとの間に架橋させてビードを形成することによって、前記塗布液を前記ウエブに塗布する塗布方法において、
前記塗布液を塗布する前のウエブの両端部に、二種類以上の端部安定化液を重ねて塗布し、該端部安定化液に、幅方向の端部が触れるように前記塗布液を塗布することを特徴とする塗布方法。
【請求項2】
前記複数の端部安定化液は、最もウエブ側の端部安定化液が最も表面側の端部安定化液よりも、粘度及び/又は表面張力が高いことを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
【請求項3】
前記複数の端部安定化液は、最もウエブ側の端部安定化液が前記塗布液よりも、粘度及び/又は表面張力が高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布方法。
【請求項4】
前記端部安定化液は、ライン状又はドット状に塗布されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の塗布方法。
【請求項5】
前記最も表面側の端部安定化液が前記ウエブに塗布されてから前記塗布液のビードに合流するまでの時間t[sec]が、0.005≦t≦30であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の塗布方法。
【請求項6】
塗布液を吐出し、連続走行するウエブとの間に前記塗布液のビードを形成することによって、前記ウエブに前記塗布液を塗布する塗布ヘッドと、
前記ウエブの走行方向に対して前記塗布ヘッドの上流側に設けられ、前記ウエブの幅方向の両端部で且つ前記塗布ヘッドからの塗布液の幅方向の端部が接触する位置に、二種類以上の端部安定化液を重ねて塗布する端部安定化液塗布部と、
を備えたことを特徴とする塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−226305(P2009−226305A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74397(P2008−74397)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】