説明

外壁材取付金具および外壁材の取付方法

【課題】種々の外壁材取付作業において、作業性を向上でき、かつ外壁材を損傷することのない外壁材取付金具および外壁材の取付方法を提供する。
【解決手段】取付金具12は、外壁材裏面対向部13bと、変形可能片26と、この変形可能片26に設けられた固定用突起部16と、外壁材裏面対向部13bの前方に設けられた前方移動阻止部14bとを備えた外壁材係合部17を有している。外壁材の端部が外壁材係合部17内に侵入するように取付金具12を外壁材に対し移動して行くだけで、変形可能片26を後方に変形させながら固定用突起部16が外壁材の裏面に当接した状態で外壁材に外壁材係合部17が係合され、取付金具12が外壁材に対して固定される。次に、取付金具12を建物躯体側材にビス留めまたは釘留めすれば、外壁材を建物に取り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物に外壁材を取り付ける外壁材取付金具および外壁材の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、平板状の建物の外壁材を胴縁または間柱等の下地材を介して、または直接、建物の躯体に取り付ける際には、外壁材同士の接続を確実にし、かつ見栄えをよくすることができる等の理由から、多くの場合、相じゃくり方式により、外壁材の端部同士を互いに突き合わせた状態で取り付けている。このような相じゃくり方式による外壁材取付構造において、外壁材を釘で直接、躯体側材に取り付けると、釘の頭部が外部に露出し、それを隠す処理が必要になったり、釘が錆を発生して見苦しくなったり、外壁材が脆い材質の場合は釘打ちの際に外壁材が割れてしまったり、外壁材を支持しながら釘打ちをしなければならないので、作業性が悪い等の種々の問題を生じる。
【0003】
このため、現在では、取付金具を、外壁材同士の突き合わせ部に介装される状態で、釘やビスで建物躯体側材(下地材または躯体自体)に取り付け、外壁材が前記取付金具を介して躯体側材に取り付けられるようにする工法が一般化している。
【0004】
また、前記相じゃくり方式の具体的態様として、1つの外壁材の一端部に雄実部、他端部に雌実部を設け、隣り合う外壁材の雌実部と雄実部とが互いに嵌合されるようにする工法がある(例えば特許文献1参照)。このような工法においては、1つの取付金具で、隣り合う外壁材の雄実部と雌実部にそれぞれ係合される雄実係合部および雌実係合部の両方を備えた取付金具が使用されている。
【0005】
しかしながら、従来は、前記取付金具を建物躯体側材に取り付けるとき、作業者は長尺の外壁材および取付金具の双方を押さえながら取付金具を建物躯体側材にビス留めまたは釘留め作業を行わなければならず、作業性が悪いという問題があった。
【0006】
また、一般に外壁材は、工場において一定の規格サイズのものが製造され、建築現場に供給される。しかしながら、建物の端部、窓回り、玄関回り等における外壁材の接続列の終端部においては、多くの場合、寸法が合わなくなるため、規格サイズの外壁材をそのまま使用することはできない。このため、このような箇所では、現場において所要のサイズとなるように規格サイズの外壁材を切断して用いている。そして、この場合、外壁材の端部に雌実部または雄実部が存在しなくなってしまうので、前述のような、各実部に係合される係合部を有する取付金具は使用できないから、従来は外壁材に板厚方向に釘穴を明け、外壁材を直接釘留めしていた。
【0007】
このため、この部分では、前述の外壁材を釘で直接躯体側材に取り付ける場合と同様の問題が生じていた。
【0008】
また、このような直接釘留めの欠点を解消するため、従来より、外壁材に係合される係合部は有しない取付金具を、予め外壁材の裏側にビスで留め付けておき、次に外壁材を取付位置にセットし、しかる後に前記取付金具を躯体側材にビス留めすることにより、切断された外壁材を建物に取り付ける工法も行われていた(なお、この場合、予め外壁材に取付金具を取り付けておくのは、一般に外壁材の接続列の終端部においては、後から取付金具を取り付ける作業を行うことができるような十分なスペースは存在しないからである)。
【0009】
しかし、このような工法においては、まず取付金具(一枚の外壁材に対し所要数取り付ける必要がある)を外壁材に対し正確に位置決めする作業に手間が掛かり、さらに外壁材に取付金具をビス留めする作業に手間がかかるという問題があった。その上、外壁材の裏側からねじ込んだビスの先端により外壁材の表面層が損傷することがあるという問題もあった(外壁材は、一般に意匠上の凹凸があるため、薄い部分が存在するので、このような問題を発生しやすい)。
【0010】
また、従来は、同様の理由により、建物のコーナー部に取り付けられる断面L字状の外壁材(出隅材、入隅材)の取り付けにおいても、作業性が悪いという問題があった。
【0011】
そこで、本出願人は、前に特願2006−356941において、前記従来技術の問題を解決できる次の外壁材取付金具および外壁材の取付方法を提案した。
【0012】
(外壁材取付金具)
外壁材を建物に取り付けるための外壁材取付金具において、
金属板を成形してなり、前記外壁材の端部に係合される外壁材係合部と、当該外壁材取付金具を建物躯体側材にビス留めするためのビス穴または釘留めするための釘穴とを有しており、
前記外壁材係合部は、外壁材裏面対向部と、前方に突出する固定用突起部と、前記外壁材裏面対向部の前方に設けられた前方移動阻止部とを有してなり、
前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁材取付金具が前記外壁材に対し相対的に移動されて行くと、前記外壁材裏面対向部が前記外壁材の裏面に対向し、前記固定用突起部が前記外壁材の裏面に当接し、前記前方移動阻止部が前記外壁材のうちの裏面より前方側の部分に当接した状態となって、前記外壁材に前記外壁材係合部が係合され、この係合により当該外壁材取付金具が前記外壁材に対して固定された状態となるようになっている外壁材取付金具。
【0013】
(外壁材の取付方法)
外壁材を建物に取り付けるための外壁材の取付方法において、
金属板を成形してなり、外壁材の端部に係合される外壁材係合部を有しており、該外壁材係合部は、外壁材裏面対向部と、前方に突出する固定用突起部と、前記外壁材裏面対向部の前方に設けられた前方移動阻止部とを有してなり、前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁材取付金具が前記外壁材に対し相対的に移動されて行くと、前記外壁材裏面対向部が前記外壁材の裏面に対向し、前記固定用突起部が前記外壁材の裏面に当接し、前記前方移動阻止部が前記外壁材のうちの裏面より前方側の部分に当接した状態となって、前記外壁材に前記外壁材係合部が係合され、この係合により当該外壁材取付金具が前記外壁材に対して固定された状態となるようになっている外壁材取付金具を用意する段階と、
前記外壁材の端部に前記外壁材取付金具の前記外壁材係合部を係合することにより、前記外壁材に前記外壁材取付金具を固定する段階と、
前記外壁材取付金具を建物躯体側材にビス留めまたは釘留めする段階とを有してなる外壁材の取付方法。

上記本出願人が前に提案した外壁材取付金具および外壁材の取付方法によれば、外壁材の端部が係合部内に侵入するように外壁材に対し取付金具を移動させて行くだけで、外壁材裏面対向部が外壁材の裏面に対向するとともに、固定用突起部が外壁材の裏面に当接し、かつ前方移動阻止部が外壁材のうちの裏面より前方側の部分に当接した状態となって、外壁材に取付金具の係合部が係合され、この係合により当該外壁材取付金具が前記外壁材に対して固定される。
【0014】
したがって、従来のように外壁材にビス留めすることなく、極めて簡単かつ迅速に取付金具を外壁材に固定することができる。
【0015】
また、係合部を外壁材の端部に係合させると、この端部と垂直な方向に関する外壁材に対する取付金具の位置が自ずと定まってしまうので、外壁材に対する取付金具の位置決めも極めて容易に行うことができる。
【0016】
そして、上述のようにして外壁材に取り付けた取付金具を躯体側材にビス留めまたは釘留めすることにより、外壁材を建物に取り付けることができる。
【0017】
したがって、例えば、平板状の外壁材を躯体側材に次々と取り付けて行く作業の際、従来のように作業者が外壁材とともに取付金具を押さえる必要がなくなり、作業性を向上することができる。
【0018】
また、外壁材の接続列の終端部やコーナー部等のスペースがない場所においても、直接釘留めではなく、取付金具を使用して外壁材を建物に取り付けることが可能になる。
【0019】
また、外壁材の接続列の終端部やコーナー部等における建物への外壁材の取り付けにおいて、取付金具を外壁材に簡単かつ迅速に固定することができるとともに、外壁材に対する取付金具の位置決めも極めて容易に行うことができ、取付作業の作業性を向上することができる。
【特許文献1】実開平4−86838号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
前記本出願人が前に特願2006−356941において提案した外壁材取付金具および外壁材の取付方法の実施例においては、外壁材の材質によっては、外壁材取付金具の固定用突起部と外壁材との接触部に過大な応力集中が生じ、この接触部から外壁材にクラックが入って外壁材が破損する虞があるという問題があった。
【0021】
また、建物の端部、窓回り、玄関回り等における外壁材の接続列の終端部において、現場において所要のサイズとなるように規格サイズの外壁材を切断し、円板状の回転刃物により外壁材の端面に、該外壁材裏面側の側壁が該外壁材全体に対して傾斜した傾斜面をなす取付溝を形成する場合、作業能率を上げるため回転刃物を取付溝の深さ方向となる方向に切り込むのみで、外壁材の端面の長さ方向にはスライドさせない場合、前記外壁材の端面の長さ方向に関し、前記取付溝の断面形状が位置によって異なってくることになる。しかるに、前記特願2006−356941で開示した実施例においては、外壁材取付金具の前方移動阻止部が全体に矩形状とされており、該前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部がほぼ直角状の角部とされていたので、前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部が外壁材の取付溝の側壁に局所的に強く当たってしまうという問題があった。
【0022】
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、外壁材取付金具の固定用突起部と外壁材との接触部に過大な応力集中が生じ、この接触部から外壁材にクラックが入って外壁材が破損することがない外壁材取付金具および外壁材の取付方法を提供することにある。
【0023】
本発明の他の目的は、外壁材取付金具の前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部が外壁材の取付溝の内面に局所的に強く当たってしまうことがない外壁材取付金具および外壁材の取付方法を提供することにある。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0025】
請求項1に係る本発明による外壁材取付金具は、外壁材を建物に取り付けるための外壁材取付金具において、
金属板を成形してなり、前記外壁材の端部に係合される外壁材係合部と、当該外壁材取付金具を建物躯体側材にビス留めするためのビス穴または釘留めするための釘穴とを有しており、
前記外壁材係合部は、外壁材裏面対向部と、前記外壁材裏面対向部に対し前後方向に変位できるように曲げ変形可能とされている変形可能片と、この変形可能片に、前方に突出するように設けられている固定用突起部と、前記外壁材裏面対向部の前方に設けられた前方移動阻止部とを有してなり、
前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁取付金具が前記外壁材に対し相対的に移動されて行くと、前記外壁材裏面対向部が前記外壁材の裏面に対向するとともに、前記固定用突起部が、前記変形可能片を後方に変形させながら、前記外壁材の裏面に当接し、かつ前記前方移動阻止部が前記外壁材のうちの裏面より前方側の部分に当接した状態となって、前記外壁材に前記外壁材係合部が係合され、この係合により当該外壁取付金具が前記外壁材に対して固定された状態となるようになっているものである。
【0026】
請求項6に係る本発明による外壁材の取付方法は、外壁材を建物に取り付けるための外壁材の取付方法において、
金属板を成形してなり、外壁材の端部に係合される外壁材係合部を有しており、前記外壁材係合部は、外壁材裏面対向部と、前記外壁材裏面対向部に対し前後方向に変位できるように曲げ変形可能とされている変形可能片と、この変形可能片に、前方に突出するように設けられている固定用突起部と、前記外壁材裏面対向部の前方に設けられた前方移動阻止部とを有してなり、前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁取付金具が前記外壁材に対し相対的に移動されて行くと、前記外壁材裏面対向部が前記外壁材の裏面に対向するとともに、前記固定用突起部が、前記変形可能片を後方に変形させながら、前記外壁材の裏面に当接し、かつ前記前方移動阻止部が前記外壁材のうちの裏面より前方側の部分に当接した状態となって、前記外壁材に前記外壁材係合部が係合され、この係合により当該外壁取付金具が前記外壁材に対して固定された状態となるようになっている外壁材取付金具を用意する段階と、
前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように前記外壁取付金具を前記外壁材に対し相対的に移動して、前記外壁材に前記外壁材取付金具の前記外壁材係合部を係合することにより、前記外壁材に前記外壁材取付金具を固定する段階と、
前記外壁材取付金具を建物躯体側材にビス留めまたは釘留めする段階とを有してなるものである。
【0027】
請求項1および6に係る本発明の外壁材取付金具および外壁材の取付方法によれば、変形可能片を後方に変形させながら、固定用突起部が外壁材の裏面に当接するので、外壁材取付金具の固定用突起部と外壁材との接触部に過大な応力集中が生じ、この接触部から外壁材にクラックが入って外壁材が破損するのを防止できる。
【0028】
請求項7に係る本発明による外壁材取付金具は、外壁材を建物に取り付けるための外壁材取付金具において、
金属板を成形してなり、前記外壁材の端部に係合される外壁材係合部と、当該外壁材取付金具を建物躯体側材にビス留めするためのビス穴または釘留めするための釘穴とを有しており、
前記外壁材係合部は、外壁材裏面対向部と、前方に突出する固定用突起部と、前記外壁材裏面対向部の前方に設けられた一対の前方移動阻止部とを有してなり、
前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁取付金具が前記外壁材に対し相対的に移動されて行くと、前記外壁材裏面対向部が前記外壁材の裏面に対向するとともに、前記固定用突起部が前記外壁材の裏面に当接し、かつ前記前方移動阻止部が前記外壁材のうちの裏面より前方側の部分に当接した状態となって、前記外壁材に前記外壁材係合部が係合され、この係合により当該外壁取付金具が前記外壁材に対して固定された状態となるようになっており、
前記一対の前方移動阻止部は、前記外壁材裏面対向部に対し、前記外壁材係合部の入口側から奥部に向かうほど該前方移動阻止部と前記外壁材裏面対向部との間の間隙が小さくなる方向にそれぞれ斜めに傾斜されており、前記外壁材係合部の入口側に位置する各前記前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部は円弧状とされており、
各前記前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部がなす円弧の径は、前記外壁材の端面に、外壁材用溝切り回転刃物を、形成すべき取付溝の深さ方向となる方向にのみ切り込ませることにより、前記外壁材の端面の長さ方向にはスライドさせることなく、取付溝を形成し、前記外壁材のうちの前記取付溝より裏面側の部分の端部が前記外壁材係合部内に侵入するようにする場合、前記外壁材の端部に前記外壁材係合部を係合したとき、前記取付溝の側壁が該隅部に局所的に強く当たらないこととなるような径とされているものである。
【0029】
請求項8に係る本発明による外壁材の取付方法は、外壁材を建物に取り付けるための外壁材の取付方法において、
金属板を成形してなり、前記外壁材の端部に係合される外壁材係合部を有しており、前記外壁材係合部は、外壁材裏面対向部と、前方に突出する固定用突起部と、前記外壁材裏面対向部の前方に設けられた一対の前方移動阻止部とを有してなり、前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁取付金具が前記外壁材に対し相対的に移動されて行くと、前記外壁材裏面対向部が前記外壁材の裏面に対向するとともに、前記固定用突起部が前記外壁材の裏面に当接し、かつ前記前方移動阻止部が前記外壁材のうちの裏面より前方側の部分に当接した状態となって、前記外壁材に前記外壁材係合部が係合され、この係合により当該外壁取付金具が前記外壁材に対して固定された状態となるようになっており、前記一対の前方移動阻止部は、前記外壁材裏面対向部に対し、前記外壁材係合部の入口側から奥部に向かうほど該前方移動阻止部と前記外壁材裏面対向部との間の間隙が小さくなる方向にそれぞれ斜めに傾斜されており、前記外壁材係合部の入口側に位置する各前記前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部は円弧状とされている外壁材取付金具を用意する段階と、
軸回りに回転されるようになっているとともに、外周部に刃部を設けられており、この刃部の回転軌跡を径方向に断面してなる回転軌跡断面形状の少なくとも一方の側辺は回転軸に対し垂直な平面に対して傾斜した傾斜辺をなしている外壁材用溝切り回転刃物を用意する段階と、
前記外壁材の端面に、前記外壁材用溝切り回転刃物を、形成すべき取付溝の深さ方向となる方向にのみ切り込ませることにより、前記外壁材の端面の長さ方向にはスライドさせることなく、前記端面に、前記回転軌跡断面形状に対応した横断面形状を有し、該外壁材裏面側の側壁が該外壁材全体に対して傾斜した傾斜面をなす取付溝を形成する段階と、
前記外壁材のうちの前記取付溝より裏面側の部分の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁取付金具を前記外壁材に対し相対的に移動して、前記外壁材の端部に前記外壁材取付金具の前記外壁材係合部を係合することにより、前記外壁材に前記外壁材取付金具を固定する段階と、
前記外壁材取付金具を建物躯体側材にビス留めまたは釘留めする段階とを有してなり、
各前記前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部がなす円弧の径は、前記外壁材の端部に前記外壁材係合部を係合したとき、前記取付溝の側壁が該隅部に局所的に強く当たらないこととなるような径とされているものである。
【0030】
請求項7および8に係る本発明の外壁材取付金具および外壁材の取付方法によれば、各前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部が円弧状とされているので、外壁材に取付溝を加工する際、外壁材用溝切り回転刃物を外壁材に、取付溝の深さ方向となる方向に所定深さ切り込むのみとし、外壁材の端面が延びる方向にスライドさせないようにする場合も、各前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部が外壁材の取付溝の側壁に局所的に強く当たってしまうことがない。なお、前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部の形状についてここでいう「円弧状」とは、幾何学的に純粋な円弧状に限られるものではなく、それに近い曲線状であってもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、
(イ)外壁材取付金具の固定用突起部と外壁材との接触部に過大な応力集中が生じ、この接触部から外壁材にクラックが入って外壁材が破損することがない、
(ロ)外壁材取付金具の前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部が外壁材の取付溝の内面に局所的に強く当たってしまうことがない、
等の優れた効果を得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0033】
本実施例は、建物の端部、窓回り、玄関回り等における平板状の外壁材1の接続列の終端部において、規格サイズの外壁材1を切断して建物に取り付ける場合に関する実施例である。図1は、本実施例における規格サイズの平板状の外壁材1を示しており、1枚の外壁材1の一端部に雄実部2、他端部に雌実部3が設けられている。前記雄実部2および雌実部3には、該外壁材1全体に対して傾斜する傾斜面2a,3aがそれぞれ設けられている。なお、本発明における外壁材1としては、木質系、窯業系、金属系、その他の種々の材質のものが使用できる。
【0034】
図2は、規格サイズの外壁材1をそのまま使用できる箇所における外壁材1の取付状態を示している。標準取付金具4は、外壁材1の雄実部2に係合される雄実係合部5と、雌実部3に係合する雌実係合部6とを有している。前記雄実係合部5および雌実係合部6には、外壁材1の傾斜面2a,3aに対応して傾斜する前方移動阻止部7,8がそれぞれ設けられている。前記標準取付金具4は、先に取り付けられる外壁材1の雄実部2に雄実係合部5が係合された状態で、建物躯体側材(下地材、躯体自体等)9にビス10または釘により取り付けられる。前記標準取付金具4の雌実係合部6には、次に取り付けられる外壁材1の雌実部3が係合される。このようにして、外壁材1同士の突き合わせ部に標準取付金具4が介装された状態で、外壁材1が標準取付金具4を介して躯体側材9に相じゃくり方式で次々に取り付けられて行く。
【0035】
しかしながら、建物の端部、窓回り、玄関回り等における外壁材1の接続列の終端部においては、多くの場合、寸法が合わなくなるため、規格サイズの外壁材1をそのまま使用することはできない。このような箇所では、図3に示されるように、現場において所要のサイズとなるように規格サイズの外壁材1を切断する(図3の一点鎖線は、外壁材1のうちの切り落とされた方の部分を示している)。このとき、外壁材1の切断面が該外壁材1全体に対して垂直な端面1cを形成するようにする。そして、図4に示されるように、切断された端面1cに該端面1cの長さ方向に延びる取付溝11を形成する。この際、取付溝11の外壁材裏面1a側の側壁11aは外壁材1全体に対して傾斜した傾斜面をなし、外壁材前面1b側の側壁11bは外壁材1全体に対して平行な非傾斜面をなすようにする。
【0036】
図5〜7は、本実施例において、前記取付溝11を形成するための外壁材用溝切り回転刃物(ダイヤモンドカッター)31を示している。炭素工具鋼等からなる円形の基板32の中心部には、駆動装置(図示せず)に装着するための中心穴33が設けられている。図7によく示されるように、基板32の外周部には、ダイヤモンド砥粒層34が電着等により固着されており、このダイヤモンド砥粒層34を固着された部分により刃部35が構成されている。この刃部35の径方向断面形状は、形成すべき取付溝16の横断面形状に対応していて、この刃部35の径方向断面形状の一方の側辺は回転刃物31の回転軸に対し垂直な平面に対して傾斜した傾斜辺35aをなし、他方の側辺は回転刃物31の回転軸に対し垂直な平面に対して平行な非傾斜辺35bをなしている(これを上位概念で言い換えれば、刃部35の回転軌跡を径方向に断面してなる回転軌跡断面形状は、形成すべき取付溝16の横断面形状に対応していて、該回転軌跡の断面形状の一方の側辺が回転刃物31の回転軸に対し垂直な平面に対して傾斜した傾斜辺をなし、他方の側辺が回転刃物31の回転軸に対し垂直な平面に対して平行な非傾斜辺をなしている)。
【0037】
図8および9は、回転刃物31により外壁材1に取付溝16を作成する作業を示している。これらの図に示されるように、前記駆動装置により回転刃物31を回転させながら外壁材1の端面1cに回転刃物31を外壁材1に所定深さ切り込ませる。これにより、図10のように、取付溝11の外壁材裏面1a側の側壁11aは外壁材1全体に対して傾斜した傾斜面をなし、外壁材前面1b側の側壁11bは外壁材1全体に対して平行な非傾斜面をなす所定形状の取付溝16を極めて容易に加工することができる。
【0038】
ここで、回転刃物31を外壁材1に、取付溝16の深さ方向となる方向(図8,9における左方向)に所定深さ切り込んだ後、外壁材1の端面1cが延びる方向(図8における紙面に垂直な方向、図9における上下方向)に回転刃物31をスライドさせれば、形成される取付溝16の横断面形状を位置にかかわらず同一の大きさ・形状とすることができる。しかし、そのように深さ方向への切り込み後、回転刃物31をスライドさせていると、作業能率が悪くなる。
【0039】
本実施例では、外壁材取付金具12を装着すべき位置において、回転刃物31を外壁材1に、取付溝16の深さ方向となる方向に所定深さ切り込むのみとし、外壁材1の端面1cが延びる方向に回転刃物31をスライドさせないようにする。これにより、作業能率を向上することができる。ただし、この場合は、端面1cの長さ方向に関する位置によって、取付溝16の横断面形状の大きさ・形状が変わってくる。図9,10はこの辺の事情を示している。図9のA−A断面、B−B断面における取付溝11の横断面形状は、図10のA,Bのようにそれぞれなる。なお、本実施例においては、外壁材取付金具12の装着位置の中央位置において、回転刃物31の切り込みが一番深くなるように回転刃物31切り込み位置を決める(すなわち、外壁材取付金具12の装着位置の中央位置と図9のA−A線とを一致させる)ものとする。
【0040】
図11〜13は、回転刃物31(チップソー)の他の例を示している。炭素工具鋼等からなる大略円形の基板36の中心部には、駆動装置(図示せず)に装着するための中心穴37が設けられている。前記基板36の外周側には、等角度間隔で適当数の歯部38が設けられている。各歯部38の先端隅部付近にはPCD(多結晶ダイヤモンド焼結体)からなるダイヤモンドチップ39が固着されており、本実施例では、このチップ39により刃部39が構成されている。
【0041】
図12は、刃部39付近の、図13のXII−XII線矢視図、図13は、回転刃物31がその軸回りに回転されたときの刃部39の回転軌跡を径方向に断面してなる回転軌跡断面形状40を示す(回転軌跡断面形状40は、図14の方向から見た刃部39とほぼ同じ図形となる)。このように刃部39の回転軌跡を径方向に断面してなる回転軌跡断面形状40の一方の側辺45aは、回転刃物31の回転軸に対し垂直な平面に対して傾斜した傾斜辺45aをなし、他方の側辺45bは回転刃物31の回転軸に対し垂直な平面に対して平行な非傾斜辺45bをなしている。
【0042】
前記図5〜7の回転刃物31に代えて、このような図11〜13の回転刃物31を用いても、同様に取付溝11を加工することができる。
【0043】
次に、前記標準取付金具4ではなく、図14〜23に示される本発明による外壁材取付金具12を終端用として用い、切断された外壁材1の取り付けを行う。まず、外壁材取付金具12について説明すると、この取付金具12は、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム合金板等からなる1枚の金属板をプレス加工により成形してなり、基部13と一対の切り起こし片14とを一体的に有している。前記基部13は全体として大略のところ矩形状とされており、この基部13の周縁部13aは基本的に一平面上に存在するように成形されており、建物躯体側材9に取り付けられたとき、該躯体側材9の平面状の表面に当接されるようになっている。前記基部13のうちの周縁部13a付近を除く大部分は、取付金具12全体の強度・剛性を高める等の目的から、プレス絞り加工により平面状に隆起されており、この平面状に隆起された部分は外壁材裏面対向部13bとされている。この外壁材裏面対向部13bは周縁部13aと平行な平面を構成している。したがって、取付金具12が躯体側材9に取り付けられたとき、外壁材裏面対向部13bは鉛直面内に位置されることになるとともに、外壁材裏面対向部13bと躯体側材9との間には間隙が形成されることになる(図27参照)。
【0044】
前記一対の切り起こし片14は基部13において対称位置に設けられている。これらの切り起こし片14は、それぞれ外壁材裏面対向部13bから切り起こされてなり、前方張り出し部14aと前方移動阻止部14bとを有している。前記前方張り出し部14aは、外壁材裏面対向部13bから直角に折り曲げられて前方(建物ないしは躯体側材9から水平方向に遠ざかる向き)に突出している。前記前方移動阻止部14bは、前方張り出し部14aから斜めに折り曲げられており、外壁材裏面対向部13bに対し、前方張り出し部14aから離れるほど外壁材裏面対向部13bとの間の間隙が大きくなる方向に斜めに傾斜している。前記前方移動阻止部14bの傾斜角は、取付溝11の側壁11aの傾斜角に対応している。各前方移動阻止部14bの先端側かつ外側隅部24は比較的に大きな円弧状とされている。
【0045】
前記一対の切り起こし片14の配置関係の対称軸(外壁材取付金具12の中心線)上、かつ外壁材裏面対向部13bの一端部付近には、バーリング加工されたビス穴15が設けられている。このビス穴15の穴フランジ15aの先端部は基部13の周縁部13aの裏面と同一平面上に位置されており、躯体側材9に取り付けられたとき、該躯体側材9表面に当接されるようになっている。
【0046】
前記外壁材裏面対向部13bを構成する板材のうちの、一対の前方移動阻止部14bの間かつ各前方移動阻止部14bの近傍には、湾曲したスリット状の穴25が一対設けられている。外壁材取付金具12を構成する板材のうちの、各穴25に囲まれた部分は、それぞれ変形可能片26を構成している。これらの変形可能片26は、それぞれ穴25に部分的に囲まれていることにより、外壁材裏面対向部13bに一部のみ連続し、他の部分は外壁材裏面対向部13bに対し不連続とされており、これにより外壁材裏面対向部13bに対し前後方向に変位できるように曲げ変形可能とされている。各変形可能片26には、前方に突出する点状の固定用突起部16が設けられている。
【0047】
ここにおいて、前記外壁材裏面対向部13b、前方張り出し部14a、前方移動阻止部14b、変形可能片26および固定用突起部16は、外壁材係合部17を構成しており、この外壁材係合部17のうちの外壁材裏面対向部13b、前方張り出し部14aおよび前方移動阻止部14bの部分は、断面で見ると概ねフック状をなしている。
【0048】
前記外壁材裏面対向部13bのうちのビス穴15の周囲かつ固定用突起部16の近傍には、後方(建物ないしは躯体側材9に水平方向に近づく向き)側に突出するリブ状の細長い変形防止突出部18が設けられている。この変形防止突出部18は、固定用突起部16とビス穴15との間においてビス穴15を囲み、さらに各前方張り出し部14aの幅方向中央部付近にまで延びている。この変形防止突出部18の頂部は、基部13の周縁部13aの裏面と同一平面上に位置されており、躯体側材9に取り付けられたとき、該躯体側材9表面に当接されるようになっている。
【0049】
次に、上述の取付金具12を用いた外壁材1の取付方法を説明する。図24および25に示されるように、取付金具12の外壁材裏面対向部13bが外壁材1の裏面1aに対向する状態で、外壁材1の端面1c側の端部のうちの取付溝11より裏面1a側の部分が外壁材係合部17内、すなわち外壁材裏面対向部13bと前方移動阻止部14bとの間に侵入するように、外壁材1に対し取付金具12を移動させて行く。すると、図25のように前方移動阻止部14bの内面が取付溝11の側壁11aに当接するとともに、図26のように固定用突起部16が外壁材1の裏面1aに当接し、外壁材1に取付金具12の外壁材係合部17が係合された状態となる。なお、変形可能片26は、図26において、初期状態では一点鎖線で示す位置にあり、外壁材裏面対向部13bの表面から比較的に大きく突出しているが、前述のように固定用突起部16が外壁材1の裏面1aに当接することにより、後方に押されて後方に曲げ変形する。そして、固定用突起部16と外壁材1の裏面との接触面積は小さいので、固定用突起部16が比較的に大きな圧力で外壁材1の裏面に押圧されることになるため、前述のように外壁材1に外壁材係合部17が係合されることにより、当該外壁材取付金具12が外壁材1に対して固定される(なお、この外壁材1に対する取付金具12の固定強度は、後述する躯体側材9に対する取付金具12の取付作業が完了するまでの間、取付金具12が外壁材1に対して脱落したり、ずれたりしないようにするに十分な大きさであればよい)。
【0050】
したがって、前述のように外壁材1の端部のうちの取付溝11より裏面1a側の部分が外壁材係合部17内に挿入されるように外壁材1に対し取付金具12を移動させるだけで、ビス留めすることなく、極めて簡単かつ迅速に取付金具12を外壁材1に固定することができる。
【0051】
そして、外壁材係合部17を外壁材1の端部に係合させると、この端部と垂直な方向に関する外壁材1に対する取付金具12の位置が自ずと定まってしまうので、前記端部と垂直な方向に関する取付金具12の位置決めも極めて容易に行うことができる。
【0052】
また、外壁材1に対する取付金具12の固定強度は、後述する躯体側材9に対する取付金具12の取付作業が完了するまでの間、取付金具12が外壁材1に対して脱落したり、ずれたりしないようにするに十分な大きさで、かつ外壁材の長手方向に関する取付金具12の固定位置の多少の修正を許すことができる程度の適度の大きさとすることができるので、外壁材1の長手方向に関する取付金具12の位置決めも容易に行うことができる。
【0053】
なお、取付金具12は、一般に、1個のみではなく、所要数、上述のようにして外壁材1に対し取り付ける。次に、上述のようにして外壁材1に固定した取付金具12を、図27のように、ビス穴15を用いてビス19によって躯体側材9に取り付けることにより、外壁材1を取付金具12を介して建物に取り付けることができる。
【0054】
したがって、外壁材1の接続列の終端部においても、直接釘留めではなく、取付金具12を使用して外壁材1を建物に取り付けることが可能になる。しかも、外壁材1の接続列の終端部における建物への外壁材1の取り付けにおいて、取付金具12を外壁材1に簡単かつ迅速に固定することができるとともに、外壁材1に対する取付金具12の位置決めも前述のように極めて容易に行うことができるので、取付作業の作業性を大幅に向上することができる。
【0055】
さらに、「発明が解決しようとする課題」の項で述べたように、本出願人が前に特願2006−356941において提案した外壁材取付金具および外壁材の取付方法の実施例においては、外壁材の材質によっては、外壁材取付金具12の固定用突起部16と外壁材1との接触部に過大な応力集中が生じ、この接触部から外壁材1にクラックが入って外壁材1が破損することがあるという問題があった。
【0056】
しかるに、本発明の外壁材取付金具および外壁材の取付方法においては、変形可能片26を後方に変形させながら、固定用突起部16が外壁材1の裏面1aに当接するので、外壁材取付金具12の固定用突起部16と外壁材1との接触部に過大な応力集中が生じ、この接触部から外壁材1にクラックが入って外壁材1が破損するのを防止できる。なお、外壁材1に取付金具12の外壁材係合部17が係合されたとき、固定用突起部16と外壁材1との接触部が外壁材裏面対向部13bの表面と大略面一となるように、変形可能片26が変形するようにすることが好ましい。
【0057】
また、「発明が解決しようとする課題」の項で述べたように、壁材取付金具12の前方移動阻止部14bが全体に矩形状とされていて、前方移動阻止部14bの先端側かつ外側隅部がほぼ直角状の角部になっていると、外壁材1に取付溝11を加工する際、回転刃物31を外壁材1に、取付溝16の深さ方向となる方向に所定深さ切り込むのみとし、外壁材1の端面1cが延びる方向に回転刃物31をスライドさせないようにする場合には、前方移動阻止部14bの先端側かつ外側隅部が外壁材1の取付溝11の側壁11aに局所的に強く当たってしまうという問題があった。しかるに、本実施例では、各前方移動阻止部14bの先端側かつ外側隅部24は比較的に大きな円弧状とされているので、先端側かつ外側隅部24が外壁材1の取付溝11の側壁11aに局所的に強く当たってしまうことがない。なお、前方移動阻止部14bの先端側かつ外側隅部24の形状についてここでいう「円弧状」とは、幾何学的に純粋な円弧状に限られるものではなく、それに近い曲線状であってもよい。
【0058】
また、外壁材裏面対向部13bと躯体側材9との間には間隙が形成されるため、変形防止突出部18が存在しない場合には、ビス19の締め付けやその他の要因で取付金具12の外壁材裏面対向部13bが変形し、固定用突起部16が外壁材1の裏面1aに十分な大きさの力で強く押圧されなくなり、躯体側材9に対するビス留めが完了するまで、外壁材1に対し取付金具12を十分な強度で固定できなくなったり、ビス留め完了後も、固定用突起部16が外壁材1に確実に当接しなくなり、外壁材1の取り付け状態にガタが生じる虞がある。しかしながら本実施例では、固定用突起部16の近傍において後方側に突出されており、躯体側材9に当接する変形防止突出部18が設けられているので、前記外壁材裏面対向部13bの変形を防止し、固定用突起部16が外壁材1の裏面1aに常に十分な大きさの力で押圧される状態とすることができる。これにより、ビス留めが完了するまで、外壁材1に対し取付金具12が十分な強度で固定された状態を維持するとともに、ビス留め後も、固定用突起部16がしっかりと外壁材1に当接し、外壁材1の取り付け状態にガタが生じないようにすることができる。
【0059】
さらに本実施例では、ビス穴15の穴フランジ15aの先端部も、躯体側材9に当接するようになっているので、これによっても、外壁材裏面対向部13bの変形をさらに防止し、外壁材1に対し取付金具12が十分な強度で固定されるようにすることができる。
【0060】
また、本発明においては、必ずしも外壁材の端面に取付溝を設けずに、外壁材の端部の断面全体が取付金具の外壁材係合部内に挿入されるようにしてもよい。しかし、本実施例のように外壁材1の端面に取付溝11を設ければ、外壁材係合部17が外部に露出しないようにすることができるとともに、外壁材1を取付金具12を介して確実に建物に取りつけることができる。
【0061】
さらに、本実施例では、取付金具12の前方移動阻止部14bが、外壁材係合部17の入口側から奥部に向かうほど該前方移動阻止部14bと外壁材裏面対向部13bとの間の間隙が小さくなる方向に、外壁材裏面対向部13bに対し斜めに傾斜されており、外壁材1の取付溝11の外壁材裏面1a側の側壁11aもこれに対応して傾斜しているので、外壁材1のうちの取付溝11より裏面1a側の部分が取付金具12の外壁材係合部17にくさび状に入り込むようにすることができるため、取付金具12の形状・寸法精度および取付溝11の加工精度およびを徒に高精度とすることなく、外壁材1を確実、強固かつ容易に取り付けることができるとともに、外壁材1の取付溝11より裏面1a側の部分の根本側を厚くすることができることにより、外壁材1端部の強度を大きくすることができる。ただし、本発明においては、必ずしも、取付金具の前方移動阻止部およびこれに当接する外壁材の取付溝の側壁が傾斜されていなくてもよい。
【0062】
なお、平板状の外壁材の施工方法には、外壁材の長手方向を上下方向として躯体側に張り付けていく縦張り工法と、外壁材1の長手方向を水平方向として躯体側に取り付けて行く横張り工法とがあるが、本発明は縦張りおよび横張りのいずれの工法にも適用可能なものである。
【0063】
また、本実施例では、先に取り付ける外壁材1の雄実部2に次に取り付ける外壁材1の雌実部3を突き合わせるようになっているが、本発明は、逆に、先に取り付ける外壁材1の雌実部3に次に取り付ける外壁材1の雄実部2を突き合わせる場合にも適用できるものである。
【実施例2】
【0064】
図28は、本発明の実施例2を示す。本実施例においては、外壁材21は、建物の出隅部に用いられる断面L字状の外壁出隅材である。この外壁材21の両端面21cには、実施例1の取付溝11の場合と同様の形状の取付溝22が設けられている。すなわち、各取付溝22の外壁材裏面21a側の側壁22aは外壁材21全体に対して傾斜した傾斜面をなし、外壁材前面21b側の側壁22bは外壁材21全体に対して平行な非傾斜面をなしている。前記取付溝22は、工場における製造過程で外壁材21に予め設けておいてもよいし、現場で加工するようにしてもよい。
【0065】
取付金具12は、実施例1の場合と同じものである。本実施例においても、実施例1の場合と同様にして、まず、外壁材21の両端部のうちの取付溝22より裏面21a側の部分に外壁材係合部17を係合させて取付金具12を外壁材21の適正な場所に固定した後、取付金具12をビス19によって躯体側材23に取り付けることにより、外壁材21を建物に取り付けることができる。
【0066】
また、本実施例においても、変形可能片26を後方に変形させながら固定用突起部16が外壁材21の裏面21aに当接するので、外壁材取付金具12の固定用突起部16と外壁材21との接触部に過大な応力集中が生じ、この接触部から外壁材21にクラックが入って外壁材21が破損するのを防止できる。
【0067】
さらに、外壁材21に取付溝22を加工する際、回転刃物31を外壁材22に、取付溝16の深さ方向となる方向に所定深さだけ切り込むのみとし、外壁材21の端面21cが延びる方向に回転刃物31をスライドさせないようにする場合には、各前方移動阻止部14bの先端側かつ外側隅部24は比較的に大きな円弧状とされているので、先端側かつ外側隅部24が外壁材23の取付溝21の側壁21aに局所的に強く当たってしまうことがない。

なお、前記実施例1,2では、外壁材1,21の端面1c,21cが外壁材1,21全体に対して垂直な一平面をなしているが、本発明においては、外壁材の端面は傾斜面となっていてもよいし、一平面でなくてもよい(例えば、互いに屈曲した複数の面からなっていてもよい)。
【0068】
また、前記実施例1は本発明を平板状の外壁材1の接続列の終端部において切断した外壁材1を取り付ける場合に適用した例、実施例2は出隅部において断面L字状の外壁材(出隅材)を取り付ける場合に適用した例であるが、本発明は、その他の場合の外壁材の取り付けに関しても適用できるものである。例えば、平板状の外壁材1を、その接続列の終端部以外の場所において取り付けるための外壁材取付金具および外壁材の取り付け方法にも適用可能であり、この場合も、外壁材の取り付け時、作業者が外壁材および取付金具の双方を押さえながら該取付金具を躯体側材にビス留めまたは釘留めする必要がなくなり、作業性を向上することができるとともに、固定用突起部の存在による外壁材の損傷を防止できる等の効果が得られる。なお、通常この場合、隣り合う外壁材にそれぞれ係合する外壁材係合部を1つの取付金具に設けることになる。また、平板状の外壁材の接続列の始端部に関しても本発明を適用することができる。さらに、入隅材等の取り付けにも本発明を適用することができる。
【0069】
また、前記各実施例においては、取付金具12をビス19で躯体側材に取り付けるようにしているが、場合によっては、ビス穴15の代わりに釘穴を設け、この釘穴を用いて取付金具を釘で躯体側材に取り付けるようにしてもよい。この場合も、変形防止突出部は釘打ちによる取付金具の変形を防止する。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上のように本発明による外壁材取付金具および外壁材の取付方法は、建築用外壁材の取り付けに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施例1における規格サイズの平板状の外壁材を示す断面図である。
【図2】実施例1における規格サイズの外壁材をそのまま使用する場合の取付構造を示す断面図である。
【図3】実施例1において規格サイズの外壁材を所要サイズに切断した状態を示す断面図である。
【図4】実施例1において切断された外壁材の端面に取付溝を作成した状態を示す断面図である。
【図5】実施例1において外壁材の端面に取付溝を形成するための外壁材用溝切り回転刃物を示す正面図である。
【図6】前記回転刃物を示す側面図である。
【図7】図5のVII−VII線における拡大断面図である。
【図8】前記回転刃物により外壁材の端面に取付溝を作成する作業を示す断面図である。
【図9】前記回転刃物により外壁材の端面に取付溝を作成する作業を示す平面図である。
【図10】外壁材の端面の長さ方向に関する位置によって、取付溝の横断面形状の大きさ・形状が変わってくる様子を示す断面図である。
【図11】回転刃物の他の例を示す正面図である。
【図12】図11のXII−XII線矢視図である。
【図13】図11の回転刃物の刃部の回転軌跡を径方向に断面してなる回転軌跡断面形状である。
【図14】実施例1における外壁材取付金具を示す前方側からの斜視図である。
【図15】前記外壁材取付金具を示す後方側からの斜視図である。
【図16】前記外壁材取付金具を示す正面図である。
【図17】図16の一部拡大図である。
【図18】前記外壁材取付金具を示す平面図である。
【図19】前記外壁材取付金具を示す側面図である。
【図20】前記外壁材取付金具を示す背面図である。
【図21】図16のXXI−XXI線における断面図である。
【図22】図16のXXII−XXII線における断面図である。
【図23】図17のXXIII−XXIII線における断面図である。
【図24】実施例1において、外壁材に外壁材取付金具を固定する過程を示す断面図である。
【図25】実施例1において、外壁材に対する外壁材取付金具の固定作業が完了した状態を示す断面図である。
【図26】図25の状態における変形可能片および固定用突起部付近を示す拡大断面図である(断面位置は図17のXXIII−XXIII線に相当する)。
【図27】実施例1において、外壁材取付金具を介して外壁材を建物躯体側材に取り付けた状態を示す断面図である。
【図28】本発明の実施例2において、外壁材取付金具を介して断面L字状の外壁材(出隅材)を建物躯体側材に取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 外壁材
1a 外壁材1の裏面
1b 外壁材1の前面
1c 外壁材1の切断された端面
9 建物躯体側材
11 取付溝
11a 取付溝11の外壁材裏面1a側の側壁
11b 取付溝11の外壁材前面1b側の側壁
12 外壁材取付金具
13 基部
13a 基部13の周縁部
13b 外壁材裏面対向部
14 切り起こし片
14a 前方張り出し部
14b 前方移動阻止部
15 ビス穴
15a 穴フランジ
16 固定用突起部
17 外壁材係合部(外壁材裏面対向部13b、変形可能片26,固定用突起部16お よび前方移動阻止部14b)
18 変形防止突出部
19 ビス
21 外壁材(出隅材)
21a 外壁材21の裏面
21b 外壁材21の前面
21c 外壁材の端面
22 取付溝
22a 取付溝22の外壁材裏面側の側壁
22b 取付溝22の外壁材前面側の側壁
23 建物躯体側材
24 前方移動阻止部14bの先端側かつ外側隅部
25 穴
26 変形可能片
31 外壁材用溝切り回転刃物
35 刃部
39 刃部
40 回転軌跡断面形状


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁材を建物に取り付けるための外壁材取付金具において、
金属板を成形してなり、前記外壁材の端部に係合される外壁材係合部と、当該外壁材取付金具を建物躯体側材にビス留めするためのビス穴または釘留めするための釘穴とを有しており、
前記外壁材係合部は、外壁材裏面対向部と、前記外壁材裏面対向部に対し前後方向に変位できるように曲げ変形可能とされている変形可能片と、この変形可能片に、前方に突出するように設けられている固定用突起部と、前記外壁材裏面対向部の前方に設けられた前方移動阻止部とを有してなり、
前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁取付金具が前記外壁材に対し相対的に移動されて行くと、前記外壁材裏面対向部が前記外壁材の裏面に対向するとともに、前記固定用突起部が、前記変形可能片を後方に変形させながら、前記外壁材の裏面に当接し、かつ前記前方移動阻止部が前記外壁材のうちの裏面より前方側の部分に当接した状態となって、前記外壁材に前記外壁材係合部が係合され、この係合により当該外壁取付金具が前記外壁材に対して固定された状態となるようになっている外壁材取付金具。
【請求項2】
前記変形可能片は、前記外壁材裏面対向部に一部のみ連続し、他の部分は前記外壁材裏面対向部に対し不連続とされていることにより、前記外壁材裏面対向部に対し前後方向に変位できるように曲げ変形可能とされている請求項1記載の外壁材取付金具。
【請求項3】
前記外壁材裏面対向部に、前記変形可能片を部分的に囲むように設けられた穴を有し、前記変形可能片は、前記穴に部分的に囲まれていることにより、前記外壁材裏面対向部に一部のみ連続し、他の部分は前記外壁材裏面対向部に対し不連続とされている請求項2記載の外壁材取付金具。
【請求項4】
前記固定用突起部は点状とされている請求項1乃至3のいずれかに記載の外壁材取付金具。
【請求項5】
前記前方移動阻止部は一対設けられており、これらの前方移動阻止部は、前記外壁材裏面対向部に対し、前記外壁材係合部の入口側から奥部に向かうほど該前方移動阻止部と前記外壁材裏面対向部との間の間隙が小さくなる方向にそれぞれ斜めに傾斜されており、前記外壁材係合部の入口側に位置する各前記前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部は円弧状とされており、
各前記前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部がなす円弧の径は、前記外壁材の端面に、外壁材用溝切り回転刃物を、形成すべき取付溝の深さ方向となる方向にのみ切り込ませることにより、前記外壁材の端面の長さ方向にはスライドさせることなく、取付溝を形成し、前記外壁材のうちの前記取付溝より裏面側の部分の端部が前記外壁材係合部内に侵入するようにする場合、前記外壁材の端部に前記外壁材係合部を係合したとき、前記取付溝の側壁が該隅部に局所的に強く当たらないこととなるような径とされている請求項1乃至4のいずれかに記載の外壁材取付金具。
【請求項6】
外壁材を建物に取り付けるための外壁材の取付方法において、
金属板を成形してなり、外壁材の端部に係合される外壁材係合部を有しており、前記外壁材係合部は、外壁材裏面対向部と、前記外壁材裏面対向部に対し前後方向に変位できるように曲げ変形可能とされている変形可能片と、この変形可能片に、前方に突出するように設けられている固定用突起部と、前記外壁材裏面対向部の前方に設けられた前方移動阻止部とを有してなり、前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁取付金具が前記外壁材に対し相対的に移動されて行くと、前記外壁材裏面対向部が前記外壁材の裏面に対向するとともに、前記固定用突起部が、前記変形可能片を後方に変形させながら、前記外壁材の裏面に当接し、かつ前記前方移動阻止部が前記外壁材のうちの裏面より前方側の部分に当接した状態となって、前記外壁材に前記外壁材係合部が係合され、この係合により当該外壁取付金具が前記外壁材に対して固定された状態となるようになっている外壁材取付金具を用意する段階と、
前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように前記外壁取付金具を前記外壁材に対し相対的に移動して、前記外壁材に前記外壁材取付金具の前記外壁材係合部を係合することにより、前記外壁材に前記外壁材取付金具を固定する段階と、
前記外壁材取付金具を建物躯体側材にビス留めまたは釘留めする段階とを有してなる外壁材の取付方法。
【請求項7】
外壁材を建物に取り付けるための外壁材取付金具において、
金属板を成形してなり、前記外壁材の端部に係合される外壁材係合部と、当該外壁材取付金具を建物躯体側材にビス留めするためのビス穴または釘留めするための釘穴とを有しており、
前記外壁材係合部は、外壁材裏面対向部と、前方に突出する固定用突起部と、前記外壁材裏面対向部の前方に設けられた一対の前方移動阻止部とを有してなり、
前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁取付金具が前記外壁材に対し相対的に移動されて行くと、前記外壁材裏面対向部が前記外壁材の裏面に対向するとともに、前記固定用突起部が前記外壁材の裏面に当接し、かつ前記前方移動阻止部が前記外壁材のうちの裏面より前方側の部分に当接した状態となって、前記外壁材に前記外壁材係合部が係合され、この係合により当該外壁取付金具が前記外壁材に対して固定された状態となるようになっており、
前記一対の前方移動阻止部は、前記外壁材裏面対向部に対し、前記外壁材係合部の入口側から奥部に向かうほど該前方移動阻止部と前記外壁材裏面対向部との間の間隙が小さくなる方向にそれぞれ斜めに傾斜されており、前記外壁材係合部の入口側に位置する各前記前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部は円弧状とされており、
各前記前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部がなす円弧の径は、前記外壁材の端面に、外壁材用溝切り回転刃物を、形成すべき取付溝の深さ方向となる方向にのみ切り込ませることにより、前記外壁材の端面の長さ方向にはスライドさせることなく、取付溝を形成し、前記外壁材のうちの前記取付溝より裏面側の部分の端部が前記外壁材係合部内に侵入するようにする場合、前記外壁材の端部に前記外壁材係合部を係合したとき、前記取付溝の側壁が該隅部に局所的に強く当たらないこととなるような径とされている外壁材取付金具。
【請求項8】
外壁材を建物に取り付けるための外壁材の取付方法において、
金属板を成形してなり、前記外壁材の端部に係合される外壁材係合部を有しており、前記外壁材係合部は、外壁材裏面対向部と、前方に突出する固定用突起部と、前記外壁材裏面対向部の前方に設けられた一対の前方移動阻止部とを有してなり、前記外壁材の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁取付金具が前記外壁材に対し相対的に移動されて行くと、前記外壁材裏面対向部が前記外壁材の裏面に対向するとともに、前記固定用突起部が前記外壁材の裏面に当接し、かつ前記前方移動阻止部が前記外壁材のうちの裏面より前方側の部分に当接した状態となって、前記外壁材に前記外壁材係合部が係合され、この係合により当該外壁取付金具が前記外壁材に対して固定された状態となるようになっており、前記一対の前方移動阻止部は、前記外壁材裏面対向部に対し、前記外壁材係合部の入口側から奥部に向かうほど該前方移動阻止部と前記外壁材裏面対向部との間の間隙が小さくなる方向にそれぞれ斜めに傾斜されており、前記外壁材係合部の入口側に位置する各前記前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部は円弧状とされている外壁材取付金具を用意する段階と、
軸回りに回転されるようになっているとともに、外周部に刃部を設けられており、この刃部の回転軌跡を径方向に断面してなる回転軌跡断面形状の少なくとも一方の側辺は回転軸に対し垂直な平面に対して傾斜した傾斜辺をなしている外壁材用溝切り回転刃物を用意する段階と、
前記外壁材の端面に、前記外壁材用溝切り回転刃物を、形成すべき取付溝の深さ方向となる方向にのみ切り込ませることにより、前記外壁材の端面の長さ方向にはスライドさせることなく、前記端面に、前記回転軌跡断面形状に対応した横断面形状を有し、該外壁材裏面側の側壁が該外壁材全体に対して傾斜した傾斜面をなす取付溝を形成する段階と、
前記外壁材のうちの前記取付溝より裏面側の部分の端部が前記外壁材係合部内に侵入するように当該外壁取付金具を前記外壁材に対し相対的に移動して、前記外壁材の端部に前記外壁材取付金具の前記外壁材係合部を係合することにより、前記外壁材に前記外壁材取付金具を固定する段階と、
前記外壁材取付金具を建物躯体側材にビス留めまたは釘留めする段階とを有してなり、
各前記前方移動阻止部の先端側かつ外側隅部がなす円弧の径は、前記外壁材の端部に前記外壁材係合部を係合したとき、前記取付溝の側壁が該隅部に局所的に強く当たらないこととなるような径とされている外壁材の取付方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−41181(P2009−41181A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203955(P2007−203955)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(595042944)有限会社ユース北浦 (14)
【Fターム(参考)】