説明

外壁構造

【課題】外壁内に形成される通気隙間の通気、及び通気隙間内に浸入した雨水等の良好な排出を可能にするとともに、建物の外観の意匠性を向上させる外壁構造を提供する。
【解決手段】 外壁本体1の外面側に通気隙間Xを介して配設されるサイディング材2の下部に見切材3を設けた外壁構造であって、サイディング材2の下部裏側に底面が当該サイディング材2の底面と略面一となるパテ材10が充填され、見切材3は、下端がサイディング材2及びパテ材10の底面と略面一となるようにパテ材10の裏面に当接する垂れ部31と、パテ材10の上面を覆うように垂れ部31の上端からサイディング材2の裏面方向へ延びる覆い部32と、通気隙間Xと外部とを連通するスリット11が形成された水切り部34と、下端がサイディング材2の下端と同一の高さ、又はそれよりも上方に位置し、外壁本体1又は外壁土台部5の側面に取り付けられる取付部35とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外壁本体の外側面に通気隙間を介して配設されるサイディング材の下部に外部との通気及び通気隙間内に浸入した水の排出を行うための見切材を備える外壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、外壁本体の外面側に通気隙間を介してサイディング材を配設して壁内通気構造とすることにより、建物内部から発散される水分や浸入した雨水等を外部へと排出する外壁構造が知られている。また、建物のオーバーハング部に対しては、垂壁仕様として、サイディング材が配設され、その下方に通気隙間内に浸入した水を建物の外部へと排出するための化粧部材が設けられているものがある。
【0003】
図6は、その従来の外壁構造の一例を示すものであり、この外壁構造では、外壁本体101の外面に縦方向に長尺な縦胴縁材102が外壁本体101の幅方向である図6の紙面奥行き方向に所定間隔をおいて配置され、サイディング材103が張り付けられている。これにより、サイディング材103の裏面と外壁本体101との間のうち、縦胴縁材102同士の間に通気隙間Xが形成され、この通気隙間Xの下端には建物の外部へと通じる開口部Yが形成される。そして、この開口部Yには、通気隙間Xと外部との通気及び通気隙間Xから流れ落ちてくる水を外部へと排出する化粧部材104が設けられている。この化粧部材104は、通気隙間Xの下方に位置する部分に水切り部分105を有しており、この水切り部分105は、サイディング材103の表面よりも前方側に張り出されていて、通気隙間Xに浸入した雨水等を建物の外部へと排出させるようになっている。
【0004】
このような従来の外壁構造の場合、サイディング材103の下方から化粧部材104が前方へと張り出しているので、建物の外側から外壁を正面に見た場合、化粧部材104の前端面106等が見えることになるため、建物の外観上好ましくない。特に、サイディング材103の表面に吹付塗装を施す吹付外壁仕様の場合には、化粧部材104が正面から直接見えないように構成されることが意匠上好ましい。そのため、例えば、特許文献1の図8〜10に示される外壁構造においては、サイディング材の下端を軒天材の下方まで張り下げると共に、サイディング材を軒天材の裏面より下方において内側方向に延びるように形成した内側延材部を設けることにより、内側延材部の上面と軒天材の裏面との間に通気隙間を外部へとつなげる流通間隙を形成している。そして、この流通間隙が外部と通じる開口部に外部との通気及び通気隙間に浸入した雨水等を排出するためのスリット状貫通孔が形成されている外壁用通気水抜金具が配設されている。これにより、特許文献1に示される外壁構造では、建物の外側から見た場合、外壁用通気水抜金具は、軒天材の裏面より下方において内側方向に延びるように形成されたサイディング材に隠れた状態になるので、直接見えることはない。そのため、建物の外観が損なわれるのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−200599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示される外壁構造では、通気隙間に浸入した水が流れ落ちると、サイディング材を軒天材の裏面より下方において内側方向に延びるように形成された内側延材部の裏面で、それらの水を直接受けることになる。したがって、外部との通気を行うための金具が設けられているとしても、通気隙間に浸入した雨水等が軒天材の下方に位置する内側延材部の裏面に溜まるため、湿度が高くなってしまい、内側方向へ延長されたサイディング材の内側延材部の裏面が腐朽して外壁の耐久性を低下させてしまう恐れがある。
【0007】
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みてなされたものであって、外壁内に形成される通気隙間の通気、及び通気隙間内に浸入した雨水等の良好な排出を可能にするとともに、建物の外観の意匠性を向上させる外壁構造を提供することを目的としており、特に、垂壁仕様のサイディング材に吹付塗装を施す場合に好適な外壁構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の外壁構造では、建物の外壁本体と、該外壁本体の外面側に通気隙間を介して配設されるサイディング材と、該サイディング材の下部に設けられる見切材と、を備える外壁構造であって、前記見切材は、下端が前記サイディング材の下端と略同一の高さになるように下方へと延びる垂れ部と、該垂れ部の上端から前記サイディング材の裏面へと延設される覆い部と、前記垂れ部の上端から延設され、前記通気隙間と外部とを連通するスリットが形成された水切り部と、下端が前記サイディング材の下端と同一の高さ、又はそれよりも上方に位置し、前記外壁本体又は前記建物の軒天材の上に設けられる外壁土台部の側面に取り付けられる取付部とを有しており、前記サイディング材の下部裏側と前記見切材の前記垂れ部の間に、前記サイディング材の下端及び前記垂れ部の下端と略面一になるようにパテ材が充填されていることを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の外壁構造では、請求項1記載の外壁構造において、前記水切り部は、前記垂れ部の上端から前記通気隙間の下端の開口部を閉鎖するように前記垂れ部に対して直角に延設し、前記取付部は、前記垂れ部に対して直角に延設する前記水切り部の先端に設けられることを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の外壁構造では、請求項1記載の外壁構造において、前記水切り部は、前記垂れ部の上端から上方へ延設し、前記水切り部の上端には、当該水切り部と前記取付部とを結ぶ連結部を有することを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の外壁構造では、請求項1乃至3のいずれかに記載の外壁構造において、前記外壁本体の下端は、前記建物の軒天材よりも上方に位置し、前記サイディング材の下端は、前記軒天材よりも下方に張り下げられ、前記取付部の下端は、前記サイディング材の下端と同一の高さ、又はそれよりも上方、且つ、前記軒天材よりも下方に位置し、前記取付部の下端から前記軒天材の裏面に対して平行に延設される軒裏見切部が設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項5記載の外壁構造では、請求項1乃至4のいずれかに記載の外壁構造において、前記サイディング材の外側面から前記パテ材の底面まで吹付塗装が施されることを特徴としている。
【0013】
請求項6記載の外壁構造では、請求項1乃至5のいずれかに記載の外壁構造において、前記外壁本体は、外面に透湿防水シートが張設されたものであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の外壁構造によれば、スリットが形成されている水切り部を有する見切材は、サイディング材の下部裏側に位置しているので、建物の外側から外壁を見た場合、見切材は、サイディング材によって隠れるため、直接見えない状態になる。そのため、建物の外観を損なうことなく、通気隙間と外部との通気及び通気隙間に浸入する水の排出を行うことができる。
【0015】
また、サイディング材の下部裏側と見切材の垂れ部との間には、前記サイディング材の下端及び前記垂れ部の下端と略面一になるようにパテ材が充填されることにより、サイディング材が内側方向へと延設された場合と同様の外壁巻込みに仕立てられる。また、見切材の覆い部は、垂れ部の上端からサイディング材の裏面へと延設されているので、前記パテ材は、この覆い部によって覆われることになる。したがって、通気隙間内に浸入した雨水等は、サイディング材の裏面を流れ落ちて、パテ材の上面を覆う覆い部によって受けられて、水切り部から排出されることになるので、サイディング材の裏面に水が溜まることがない。そのため、サイディング材の裏面に水が溜まることにより、湿度が高くなり、サイディング材の裏面の耐久性を低下させることを防止することができる。また、見切材の垂れ部は、その下端がサイディング材の底面及びパテ材の底面と略面一になるように設けられている。これにより、垂れ部は、サイディング材の外側面からパテ材の底面まで吹付塗装を施す際の定規の役割を兼ねることができるので、パテ材の底面まで効率良く吹付塗装を施すことが可能になり、より意匠性を向上させることができる。
【0016】
請求項2記載の外壁構造によれば、水切り部は、垂れ部の上端から通気隙間の下方の開口部を閉鎖するように前記垂れ部に対して直角に延設しているので、通気隙間に浸入した水を外部に効率良く排出することができる。
【0017】
請求項3記載の外壁構造によれば、水切り部は、垂れ部の上端から上方へと延設しているので、サイディング材の底面を見上げた場合でも水切り部のスリットが見えないようになるため、より意匠性を向上させることができる。
【0018】
請求項4記載の外壁構造によれば、サイディング材の下端が、建物の軒天材よりも下方に張り下げられ、見切材の取付部の下端は、サイディング材の下端と軒天材の裏面との間の高さに位置しており、その取付部の下端から軒天材の裏面に対して平行に延設して軒裏見切部が設けられている。したがって、建物の外側から外壁を正面に見た場合、軒裏見切部は、サイディング材によって隠れるので、外壁の正面からは見えない状態になるため、建物の外観を損ねることがない。
【0019】
請求項5記載の外壁構造によれば、サイディング材の外側面から当該サイディング材の底面と面一になるようにサイディング材の下部裏側に充填されたパテ材の底面まで吹付塗装が施される。これにより、建物の外側から見た場合の外壁の見栄えを外壁本体の外面側に配設されたサイディング材の下端から内側方向へと更に延設したサイディング材の外側面に吹付塗装を施した場合と同様の見栄えに仕立てることができるので、建物の外観の意匠性を向上させることができる。
【0020】
請求項6記載の外壁構造によれば、外壁本体の外面には、透湿防水シートが張設されている。そのため、通気隙間内の透湿性及び防水性を向上させ、通気隙間内の結露水の発生を抑制することにより、外壁構造の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る外壁構造の一例を示す概略断面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る外壁構造に用いる見切材の一例を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る外壁構造の一例を示す概略断面図である。
【図5】第2の実施形態に係る外壁構造に用いる見切材の一例を示す概略斜視図である。
【図6】従来の外壁構造を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明に係る外壁構造について、各図面を用いて説明する。本発明に係る第1の実施形態における外壁構造は垂壁仕様になっており、図1,2に示すように、建物の本体側に設けられる外壁本体1の外側面に通気隙間Xを介してサイディング材2が配設されており、その下部裏側には見切材3が備えられている。また、建物の不図示の外壁から屋外側に水平に突出するように軒天材4が配置されており、その軒天材4の上には、外壁土台部5が設けられている。
【0023】
外壁本体1は、軒天材3の上に外壁土台部5を介して設けられた桟材6の外面にその下部が固定されている。外壁本体1は、構造用合板7等から構成されており、構造用合板7の外面には透湿防水シート8が張設されている。この透湿防水シート8は、例えば、ステープル打ち或いは接着剤等によって構造用合板7に張設されている。透湿防水シート8は、防水性および透湿性のシートであり、例えば、タイベック(登録商標)等を使用する。これにより、通気隙間X内の透湿性及び防水性を向上させ、通気隙間X内の結露水の発生を抑制することができるので、外壁構造の耐久性を向上させることができる。
【0024】
また、構造用合板7の外面に透湿防水シート8が張設された外壁本体1の外面には、縦方向に長尺な縦胴縁材9が、図2に示すように、外壁本体1の幅方向に所定間隔をおいて配置されている。そして、この縦胴縁材9の外部側の面にサイディング材2が張り付けられる。このようにして、サイディング材2と外壁本体1との間のうち、縦胴縁材9同士の間に通気隙間Xが形成され、この通気隙間Xの下端には建物の外部へと通じる開口部Yが形成される。
【0025】
本発明の外壁構造に用いられる見切材3は、図3に示すように、板状の金属部材が折り曲げ及び連結加工された形状に形成されており、図1に示すように地面に対して垂直に下方へと延びる垂れ部31と、この垂れ部31の上端からサイディング材2の裏面へと延びる覆い部32と、覆い部32の先端から上方へと折り曲げられ、サイディング材2の裏面に当接する裏面当接部33と、垂れ部31の上端から開口部Yを閉鎖するように外壁土台部5の外面側へと垂れ部31に対して直角に延設される水切り部34と、水切り材34の先端に設けられ、外壁土台部5の外面に取り付け固定される取付部35と、取付部35の上端から外壁本体1の底面1aに当接するように延びる底面当接部36と、取付部35の下端から軒天材4の裏面に対して平行に延びる軒裏見切部37とを有している。
【0026】
図1に示すように、垂れ部31は、その下端が、サイディング材2の下端と略同一の高さになるように設けられている。そして、この垂れ部31とサイディング材2の下部裏面との間には、図1に示すように、断面略矩形状に形成されたパテ材10が充填されている。このパテ材10は、サイディング材2の幅方向に長尺に形成されており、その底面10aがサイディング材2の底面2a及び垂れ部31の下端と略面一になるように形成されている。従って、本発明の外壁構造のように、サイディング材2の外側面からパテ材10の底面10aまで吹付塗装Zを施す場合には、垂れ部31が吹付塗装Zを施す際の定規としての役割も兼ねるので、パテ材の底面10aまで効率良く吹付塗装Zを施すことができる。
【0027】
覆い部32は、垂れ部31の上端からサイディング材2の裏面まで延設されているので、垂れ部32とサイディング材2の下部裏面の間に充填されているパテ材10の上面を覆うことになる。また、水切り部34には、通気隙間Xと外部とを連通するスリット11が水切り部34の長尺方向に所定の間隔をおいて複数形成されている。これにより、通気隙間Xに浸入し、サイディング材2の裏面から下に落ちてくる水は、覆い部32によって受けられて、水切り部34のスリット11から外部へと排出されることになるので、サイディング材2の裏面に直接水が溜まることがない。また、図1に矢印で示すように、スリット11から流入する空気により、サイディング材2の裏面と外壁本体1の外面の間の通気性を確保することができるので、通気隙間X内の結露水の発生を抑制することができる。尚、図2,3に示す水切り部34のスリット11は、外壁本体1の幅方向と直交する方向に細長く形成された形状であるが、スリット11は、この形状に限定されるものではなく、外壁本体1の幅方向に細長い形状のスリットを形成したもの等でも良く、通気隙間Xに浸入した水を排出できる形状に形成されていれば良い。また、覆い部32は、その上面に若干の傾斜角を設けることにより、覆い部32が受けた水を水切り部34へと流れ易くするように構成しても良い。
【0028】
取付部35には、図3に示すように、長尺方向に所定間隔を置いて複数のビス挿通孔12が形成されている。したがって、図1に示すように、取付部35の裏面を外壁土台部5に当接させた状態で、ビス挿通孔12にビス13が挿通されて、取付部35が、外壁土台部5に取り付けられることにより、見切材3は固定される。
【0029】
このようにして、本発明の外壁構造では、軒天材4及びパテ材10の裏面と外壁土台部5の外面及び軒天材4の先端部の間に形成される開口部Yに見切材3が設けられることにより、通気隙間X内の通気及び通気隙間X内に浸入した雨水等の外部への排出を行う構造になっている。また、本発明の外壁構造では、図1に示すように、外壁本体1の下端は、軒天材4よりも上方に位置しており、サイディング材2の下端は、軒天材4よりも下方に張り下げられて配設されている。そして、見切材3の取付部35の下端は、サイディング材2の下端と同一の高さ、又はそれより上方、且つ軒天材4よりも下方に位置しており、この取付部35の下端から軒天材4の裏面に対して平行に軒裏見切部37が延設されている。したがって、建物の外側から上記のように構成される外壁を見た場合、見切材は、張り下げられたサイディング材2によって隠れるので、外壁の正面からは直接見えない状態になるため、建物の外観を損ねることがない。
【0030】
また、図1に示すように、本発明の外壁構造では、サイディング材2の外側面及び底面、そして、サイディング材2の下部裏側と見切材3の垂れ部31の間に充填されているパテ材10の底面10aまで吹付塗装Zが施されるので、建物の外観の意匠性を向上させることができる。
【0031】
次に、本発明に係る第2の実施形態における外壁構造について、図4,5を用いて説明する。尚、第1の実施形態と同様の部材等については、同一符号を付して、その説明を省略或いは簡略化する。第2の実施形態における外壁構造では、図4,5に示すように、見切材3aでは、水切り部34aは、垂れ部31の上端から上方へと延設されており、水切り部34aの上端から当該水切り部34aと取付部35を結ぶように連結部38が形成されている。
【0032】
水切り部34aには、通気隙間Xと外部とを連通するスリット11aが、水切り部34aの長尺方向に所定の間隔をおいて複数形成されている。このスリット11aは、上方へ細長い形状に形成されており、その下端は、覆い部32と面一になるように形成されている。したがって、通気隙間Xに浸入し、サイディング材2の裏面から下に落ちてくる水は、覆い部32によって受けられて、水切り部34aのスリット11aから外部へと排出することができる。また、このように水切り部34aを垂れ部31の上端から上方へと延設して形成することにより、下側からサイディング材2の底面を見上げたような場合でも、水切り部34aのスリット11aが見えなくなるので、より建物の外観の意匠性を向上させることができる。
【0033】
尚、図5に示す水切り部34aのスリット11aは、上方に向かって細長く形成された形状であるが、スリット11aは、この形状に限定されるものではなく、外壁本体1の幅方向に細長い形状のスリットを形成しても良い。また、第1の実施形態と同様に覆い部32の上面に若干の傾斜角を設けることにより、覆い部32が受けた水を水切り部34aへ流れ易くするように構成しても良い。
【0034】
また、本実施形態では、取付部35は、外壁土台部5の側面に取り付けられる場合を示したが、外壁本体1の下端を軒天材4の上面と面一になるまで張り下げて、外壁本体1の外面に取り付けるよう構成することも可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 外壁本体
2 サイディング材
3、3a 見切材
31 垂れ部
32 覆い部
34、34a 水切り部
35 取付部
37 軒裏見切部
38 連結部
4 軒天材
5 外壁土台部
8 透湿防水シート
10 パテ材
11 スリット
X 通気隙間
Y 開口部
Z 吹付塗装

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁本体と、
該外壁本体の外面側に通気隙間を介して配設されるサイディング材と、
該サイディング材の下部に設けられる見切材と、を備える外壁構造であって、
前記見切材は、下端が前記サイディング材の下端と略同一の高さになるように下方へと延びる垂れ部と、該垂れ部の上端から前記サイディング材の裏面へと延設される覆い部と、前記垂れ部の上端から延設され、前記通気隙間と外部とを連通するスリットが形成された水切り部と、下端が前記サイディング材の下端と同一の高さ、又はそれよりも上方に位置し、前記外壁本体又は前記建物の軒天材の上に設けられる外壁土台部の側面に取り付けられる取付部とを有しており、
前記サイディング材の下部裏側と前記見切材の前記垂れ部の間に、前記サイディング材の下端及び前記垂れ部の下端と略面一になるようにパテ材が充填されていることを特徴とする外壁構造。
【請求項2】
前記水切り部は、前記垂れ部の上端から前記通気隙間の下端の開口部を閉鎖するように前記垂れ部に対して直角に延設し、前記取付部は、前記垂れ部に対して直角に延設する前記水切り部の先端に設けられることを特徴とする請求項1記載の外壁構造。
【請求項3】
前記水切り部は、前記垂れ部の上端から上方へ延設し、前記水切り部の上端には、当該水切り部と前記取付部とを結ぶ連結部を有することを特徴とする請求項1記載の外壁構造。
【請求項4】
前記外壁本体の下端は、前記建物の軒天材よりも上方に位置し、
前記サイディング材の下端は、前記軒天材よりも下方に張り下げられ、
前記取付部の下端は、前記サイディング材の下端と同一の高さ、又はそれよりも上方、且つ、前記軒天材よりも下方に位置し、前記取付部の下端から前記軒天材の裏面に対して平行に延設される軒裏見切部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の外壁構造。
【請求項5】
前記サイディング材の外側面から前記パテ材の底面まで吹付塗装が施されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の外壁構造。
【請求項6】
前記外壁本体は、外面に透湿防水シートが張設されたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の外壁構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−255210(P2010−255210A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103626(P2009−103626)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】