説明

外用組成物

【課題】 セラミド、植物性ステロールに代表されるステロール類、更にはその配糖体と言った、皮膚や毛髪に好ましい作用をもたらす、難溶性成分を安定に配合した製剤を提供する。
【解決手段】 1)セラミドと2)ステロール乃至はその配糖体と3)次の一般式(1)に示すカチオン性界面活性剤とを外用組成物に含有させる。前記セラミドとしては、セラミドタイプ2であることことが好ましく、その含有量は、0.01〜5質量%であることことが好ましい。
【化1】


一般式(1)
(但し、式中R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数10〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、X−aは鉱酸根を表し、aは1〜3の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外用組成物に関し、更に詳細には、化粧料に好適な外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミドは、皮膚を構成する重要な成分であり、その機能として、皮膚バリア機能を担っていると言われている。この為、化粧料などに配合する試みが多々行われているが、水に対しても、又、油性成分に対しても相溶性があまりないので、その配合は製剤的な観点から多くの困難さを伴う。例えば、、長期的な保存により不溶物を形成する場合が存することなどが例示できる。この様な課題を元に、多価アルコール、高級アルコール、アシル化ポリグリセリンなどを用いて、液晶構造を作成し、セラミドを液晶の形態で安定に含有させる技術が考案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)しかしながら、この様な系において、セラミドの析出を抑制し、安定化できる範囲は狭いものであり、この手段によらず、セラミドを安定に配合する技術の開発が望まれていた。後記に示すように、セラミドをカチオン界面活性剤などを用いて、ベシクル・分散系に配合する技術は存するが、この様な系に於けるベシクルの分散安定性は良好とは言い難い。ここで、ベシクル系とは、水性担体に、非水溶性成分を配合するにあたり、該非水溶性成分が、水性担体中で小さな粒子(パーティクル)を形成し、この粒子が一様に分散している系を指し、ベシクル・分散系とは、粒子と粒子を形成しない成分が混在して分散している系を指す。
【0003】
この様な状況は、ステロール、取り分け、カンペステロール、シトステロール、スティグマスタノール、スティグマステロールなどの植物性ステロール、分けても、グルコシドなどのその配糖体においては、その傾向は著しかった。これらのステロールやその配糖体にも、ストレスなどによって低下した皮膚バリア機能を向上せしめるなどの、皮膚にとって好ましい作用を有するものの、(例えば、特許文献3、特許文献4を参照)その化粧料成分との相溶性には、やはり、セラミド同様問題が存し、その製剤化の点での課題が存すると言わざるを得ない。かかる成分をベシクル系に安定配合する技術は知られていない。
【0004】
一方、ステロール類、セラミド類、カチオン性界面活性剤の製剤上の組合せについては、カチオン性界面活性剤とセラミドを含有するベシクル・分散系(例えば、特許文献5を参照)、植物ステロールとセラミドの組合せた分散系(例えば、特許文献6を参照)は知られているが、1)セラミドと2)ステロール乃至はその配糖体と3)後記に示す一般式(1)に表される、カチオン性界面活性剤との組合せは全く知られていないし、この様な組合せにおいて、安定なベシクル系の製剤が出来ることも全く知られていない。
【0005】
【特許文献1】特開2004−331595号公報
【特許文献2】特開2004−331594号公報
【特許文献3】特開2000−86489号公報
【特許文献4】特開2001−2574号公報
【特許文献5】特開2000−38336号公報
【特許文献6】特開2004−230173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、セラミド、植物性ステロールに代表されるステロール類、更にはその配糖体と言った、皮膚や毛髪に好ましい作用をもたらす、難溶性成分を安定に配合した製剤を提供すること課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、セラミド、植物性ステロールに代表されるステロール類と言った、皮膚や毛髪に好ましい作用をもたらす、難溶性成分を安定に配合した製剤を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)セラミドと2)ステロールの配糖体と3)次の一般式(1)に示すカチオン性界面活性剤とを含有する製剤が、その様な特性を備えていることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)1)セラミドと2)ステロール乃至はその配糖体と3)次の一般式(1)に示すカチオン性界面活性剤とを含有することを特徴とする外用組成物。
【化1】

一般式(1)
(但し、式中R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数10〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、X−aは鉱酸根を表し、aは1〜3の整数を表す。)
(2)前記セラミドが、セラミドタイプ2であることを特徴とする、(1)に記載の外用組成物。
(3)前記セラミドの含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の外用組成物。
(4)前記ステロール乃至はステロールの配糖体のステロール部分が、カンペステロール、シトステロール、スチグマスタノール及びスチグマステロールから選択されるステロールであることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の外用組成物。
(5)ステロールの配糖体を構成する、糖部分がグルコースであることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の外用組成物。
(6)一般式(1)に表されるカチオン性界面活性剤が、ジメチルジステアリルアンモニウムであることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の外用組成物。
(7)毛髪用の化粧料であることを特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の外用組成物。
(8)洗浄料であることを特徴とする、(1)〜(7)何れか1項に記載の外用組成物。
(9)ベシクル系であることを特徴とする、(1)〜(8)何れか1項に記載の外用組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、セラミド、植物性ステロールに代表されるステロール類、更にはその配糖体と言った、皮膚や毛髪に好ましい作用をもたらす、難溶性成分を安定に配合した製剤を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)本発明の外用組成物の必須成分であるセラミド
本発明の外用組成物は、セラミドを必須成分として含有することを特徴とする。セラミドとしては、通常タイプ1〜タイプ7の7タイプが存することが知られており、それらのいずれもが利用できるが、その中では特にタイプ2が好ましく、N−ステアロイルジヒドロキシスフィンゴシンが特に好ましい。この様なセラミドには市販品が存し、かかる市販品を購入し、利用することが出来る。この様な市販品のうち、このましいものとしては、タイプ1である、N-(27-オクタデカノイルオキシ-ヘプタコサノイル-)-フィトスフィンゴシンを成分とする、「Ceramide I」(コスモファーム社製)、タイプ2であるN−ステアロイルジヒドロキシスフィンゴシンを成分とする、「セラミドTIC−001」(高砂香料工業株式会社製)、タイプ3であるN-ステアロイルフィトスフィンゴシンを成分とする「Ceramide III」(コスモファーム社製)、タイプ3であるN-リノレオイルフィトスフィンゴシンを成分とする「Ceramide IIIA」(コスモファーム社製)、タイプ3であるN-オレオイルフィトスフィンゴシンを成分とする「Ceramide IIIB」(コスモファーム社製)、タイプ6であるN-2-ヒドロキシステアロイルフィトスフィンゴシンを成分とする、「Ceramide VI」(コスモファーム社製)等が好ましく例示できる。これらは唯一種を含有することも出来るし、2種以上を組み合わせて含有させることも出来る。これらは唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。かかるセラミドの、本発明の外用剤に於ける、好ましい含有量は、総量で、外用剤全量に対して、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜2質量%である。これは少なすぎると、セラミドの有している好ましい効果が発現しない場合が存し、多すぎると、ベシクル系を維持できなくなり、ベシクル・分散系に移行してしまう場合が存するからである。
【0010】
【化2】

セラミドタイプ1
(R1アルキル基乃至はアルケニル基を表し、R2はリノレオイルオキシアルキル基を表す。)
セラミドタイプ2
(R1、R2はそれぞれ独立に、アルキル基乃至はアルケニル基を表す。)
【0011】
【化3】

セラミドタイプ3
(R1、R2はそれぞれ独立に、アルキル基を表す。)
【0012】
【化4】

セラミドタイプ4
(R1アルキル基を表し、R2はリノレオイルオキシアルキル基を表す。)
【0013】
【化5】

セラミドタイプ5
(R1、R2はそれぞれ独立にアルキル基を表す。)
【0014】
【化6】

セラミドタイプ6
(R1、R2はそれぞれ独立にアルキル基を表し、R3は水素原子乃至はアルキル基を表す。)
【0015】
【化7】

セラミドタイプ7
(R1、R2はそれぞれ独立にアルキル基を表す。)
【0016】
(2)本発明の外用組成物の必須成分であるステロールの配糖体
本発明の外用剤組成物は、ステロール乃至はその配糖体を必須成分として含有する。かかるステロール乃至はその配糖体を構成するステロール部分としては、コレステロール、フィトステロール(植物性ステロール)などが好適に例示でき、カンペステロール、シトステロール、スチグマスタノール及びスチグマステロールから選択されるものがより好ましく、中でも、カンペステロール、シトステロール及びスチグマステロールから選択されるものが更に好ましい。糖残基としては、グルコース残基、ラムノース残基、アラビノース残基、ガラクトース残基などが好適に例示でき、グルコース残基がより好ましく例示できる。この様なステロールの配糖体は、糖の水酸基を全てアセチル化した、アセチル化糖と、ステロールとを酸化銀を触媒として、所望により、ステロールをトリメチルシリル化したものと反応させ、しかる後に脱アセチル化することにより製造できるし、例えば、コメヌカや小麦胚芽などの部分より、メタノールやエタノールなどの有機溶剤に、所望により水を加えて、これを抽出溶剤として、抽出し、カラムクロマトグラフィーなどで分画、精製することにより製造することも出来る。更には、岡安商店株式会社から販売されている「FRP−1」のように、ステロール配糖体をマイクロエマルジョン注に分散させた、中間原料のような形で含有させることも出来る。又、ステロールについては、何種かのステロールが混合した形態の、抽出物の形態で含有することも出来る。この様なものとしては、タマ生化学株式会社から販売されている、主としてβ−シトステロール、スチグマステロール及びカンペステロールからなり、フィトステロール90.0%以上を含む、「フィトステロールS」、オリザ油化株式会社から販売されている「オリザステロール- P C」等が好適に例示できる。かかるステロール乃至はその配糖体は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。本発明の外用組成物に於ける、かかるステロール乃至はその配糖体の好ましい含有量は、総量で、0.1〜10質量%であり、より好ましくは、0.2〜3質量%である。これは少なすぎると、ステロール乃至はその配糖体の好ましい効果が発現しない場合が存し、多すぎるとベシクル系を維持できなくなる場合が存する。
【0017】
(3)本発明の外用組成物の必須成分である一般式(1)に表されるカチオン性界面活性剤
本発明の外用組成物は、一般式(1)に表されるカチオン性界面活性剤を必須成分として含有することを特徴とする。式中R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数10〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、X−aは鉱酸根を表し、aは1〜3の整数を表す。R1、R2における炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などが例示でき、メチル基が特に好ましい。又、R3、R4における炭素数10〜24のアルキル基又はアルケニル基としては、例えば、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基などが好適に例示でき、特に好ましいものとしては炭素数18の基であり、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基が例示でき、中でもステアリル基が取り分け好ましい。更に、aは1〜3の何れかの整数をとり、Xは鉱酸根の価数のないものを表すが、鉱酸根としては、塩酸根(塩素イオン)、硝酸根、硫酸根、リン酸根などが好適に例示できる。特に好ましいものは塩酸根である。(a=1)具体的な、一般式(1)の表される好ましい化合物としては、例えば、塩化ジメチルジラウリルアンモニウム、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム、塩化ジメチルジセチルアンモニウム、塩化ジメチルセチルステアリルアンモニウム、塩化ジメチルジオレイルアンモニウム、塩化ジメチルオレイルステアリルアンモニウムなどが例示できる。本発明の外用組成物に於いては、かかるカチオン性界面活性剤は唯一種含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。本発明の外用組成物に於いて、かかるカチオン性界面活性剤の好ましい含有量は、総量で、外用組成物全量に対して、0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜4質量%である。これは少なすぎても、多すぎても、ベシクル系を維持できない場合が存するためである。
【0018】
(4)本発明の外用組成物
本発明の外用組成物は、前記必須成分を含有し、外用で生体に適用されることを特徴とする。この様な外用組成物としては、例えば、化粧料(医薬部外品を含む)、皮膚外用医薬等が例示でき、特に好ましいものは化粧料である。化粧料としては、皮膚外用に使用し、皮膚の状態の改善、或いは、保全に用いるものにも適用できるし、カチオン性界面活性剤やセラミドなどの保湿、損傷保護効果を利用してリンス、トリートメントなどの毛髪洗浄料に適用することも出来る。特に好ましいものは毛髪用の化粧料であり、中でも毛髪洗浄料に適用することが特に好ましい。本発明の外用組成物には、前記の成分以外に、通常化粧料で使用される任意の成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等の必須成分に分類されないカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。本発明の外用組成物は、かかる成分を常法に従って処理することにより、製造することが出来る。特に製造方法としては、成分を全て加えて、85〜95℃に加熱し、しかる後に、マイクロフルイダイザー処理、或いは、ウルトラホモジナイザー処理、ソニケーター処理などの機械力の著しい混合処理を行うことが好ましく例示できる。この様な工程により、平均粒径100〜400nmのパーティクルが分散したベシクル系が形成される。
【0019】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0020】
以下に示す、処方に従って、本発明のベシクル系の外用組成物を得た。即ち、処方成分を90℃に加熱し、マイクロフルイダイザーにかけて強分散を行い、攪拌冷却し、平均粒径215nmのベシクル系の、やや白濁した溶液状の化粧料1を得た。化粧料1の塩化ジメチルオレイルステアリルアンモニウムを塩化ステアリルトリメチルアンモニウムに置換した比較例1、セラミド2を水に置換した比較例2、「フィトステロールS」を水に置換した比較例3も同様に製造を試みたが、ベシクル系は形成しなかった。
【0021】
(処方)
塩化ジメチルジステアリルアンモニウム 2 質量%
(「アーカード2HP」ライオンアクゾ株式会社製)
「フィトステロールS」 1 質量%
「セラミドTIC−001」 0.2質量%
グリセリン 10 質量%
水 86.8質量%
【0022】
<試験例1>
化粧料1、比較例1、比較例2、比較例3を遠心分離器を用いて、4℃、10gで10分間遠心分離を行った。化粧料1は沈降は全く認めなかったが、比較例1、比較例2、比較例3はいずれも沈降を認めた。本発明の外用組成物が、安定性に優れるベシクル系であることが証明された。
【0023】
<試験例2>
化粧料1、比較例1、比較例2、比較例3について、皮膚に投与した場合の経皮的散逸水分量の抑制作用を検討した。即ち、検体塗布の前後に経皮的水分散逸量(TEWL)をスキコンII(イービーコーポレーション製)を用いて測定し、(投与前のTEWL−投与後のTEWL)/投与前のTEWL×100の式で、散逸水分量抑制値を算出した。結果は、化粧料1が32%であり、比較例1が13%、比較例2が17%、比較例3が14%であった。これより、本発明の外用組成物は、優れたスキンケア効果があることが判る。
【0024】
<試験例3>
化粧料1のリンスとしての使用性をテストするために、パネラー10名を用いて、使用テストを行った。評価はアンケートにより、非常に良い(評点5)〜非常に悪い(評点1)のスケールで、絶対評点を付して行った。結果は評点5が3名、評点4が5名、評点3が2名でリンスとしての使用性が確認された。
【実施例2】
【0025】
実施例1と同様に、下記に示す処方に従って、本発明の外用組成物を製造した。このものは、平均粒径239nmのベシクル系であり、4℃、10gで10分間遠心分離でも沈降を認めなかった。又、専門パネラー1名により、スキンケア化粧料、リンスとしての使用性が確認された。
【0026】
(処方)
塩化ジメチルジステアリルアンモニウム 2 質量%
(「アーカード2HP」ライオンアクゾ株式会社製)
シトステロールβグルコシド 1 質量%
「セラミドTIC−001」 0.2質量%
グリセリン 10 質量%
水 86.8質量%
【実施例3】
【0027】
実施例1と同様に、下記に示す処方に従って、本発明の外用組成物を製造した。このものは、平均粒径201nmのベシクル系であり、4℃、10gで10分間遠心分離でも沈降を認めなかった。又、専門パネラー1名により、スキンケア化粧料、リンスとしての使用性が確認された。
【0028】
(処方)
塩化ジメチルジステアリルアンモニウム 2 質量%
(「アーカード2HP」ライオンアクゾ株式会社製)
「フィトステロールS」 1 質量%
「CeramideI」 0.2質量%
グリセリン 10 質量%
水 86.8質量%
【実施例4】
【0029】
実施例1と同様に、下記に示す処方に従って、本発明の外用組成物を製造した。このものは、平均粒径244nmのベシクル系であり、4℃、10gで10分間遠心分離でも沈降を認めなかった。又、専門パネラー1名により、スキンケア化粧料、リンスとしての使用性が確認された。
【0030】
(処方)
塩化ジメチルジステアリルアンモニウム 2 質量%
(「アーカード2HP」ライオンアクゾ株式会社製)
「フィトステロールS」 1 質量%
「CeramideIIIA」 0.2質量%
グリセリン 10 質量%
水 86.8質量%
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)セラミドと2)ステロール乃至はその配糖体と3)次の一般式(1)に示すカチオン性界面活性剤とを含有することを特徴とする外用組成物。
【化1】

一般式(1)
(但し、式中R1、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数10〜24のアルキル基又はアルケニル基を表し、X−aは鉱酸根を表し、aは1〜3の整数を表す。)
【請求項2】
前記セラミドが、セラミドタイプ2であることを特徴とする、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項3】
前記セラミドの含有量が、0.01〜5質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の外用組成物。
【請求項4】
前記ステロール乃至はステロールの配糖体のステロール部分が、カンペステロール、シトステロール、スチグマスタノール及びスチグマステロールから選択されるものであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の外用組成物。
【請求項5】
ステロールの配糖体を構成する、糖部分がグルコースであることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の外用組成物。
【請求項6】
一般式(1)に表されるカチオン性界面活性剤が、ジメチルジステアリルアンモニウムであることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の外用組成物。
【請求項7】
毛髪用の化粧料であることを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の外用組成物。
【請求項8】
洗浄料であることを特徴とする、請求項1〜7何れか1項に記載の外用組成物。
【請求項9】
ベシクル系であることを特徴とする、請求項1〜8何れか1項に記載の外用組成物。

【公開番号】特開2006−176410(P2006−176410A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−368580(P2004−368580)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】