説明

外観検査装置

【課題】 外観検査装置を大型化を防止し、かつ検査時間の長くなることを防止することである。
【解決手段】 外観検査装置1は、ベース本体3上に浮上ステージ4と、基板搬送ステージ5とが敷設されており、ガラス基板Wをベース本体3の長手方向に沿って一端部から他端部に至るまで搬送可能になっており、マクロ検査部10と欠陥観察部11とが搬送方向に沿って配設されており、これら検査部10,11間の距離は、ガラス基板Wの搬送方向の長さよりも短くなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイのフラットパネルディスプレイ等の基板の検査に用いられる外観検査装置に関する
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)のようなフラットパネルディスプレイ(FPD)等の製造工程では、FPD用の基板の外観を検査する工程を有し、この検査工程に使用される外観検査装置としては、一軸ステージに沿って、欠陥検出部と、欠陥レビュー部とを配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。欠陥検出部は、検出カメラと、透過照明とから構成され、欠陥レビュー部は、カラーカメラと、透過照明とから構成され、欠陥検出部で検出された欠陥をカラー画像で目視による確認ができるようになっている。
【0003】
さらに、基板全体を巨視的に観察するマクロ検査と、顕微鏡を用いて比較的に小さい欠陥等の有無を検査するミクロ検査とを併用して外観検査する手法がある。このような外観検査は、2軸ステージ上に基板を載置し、基板を2方向に移動させながら基板表面の巨視的な画像(マクロ画像)を取得し、その後に2軸ステージ上で移動させて、基板をミクロ観察系に搬送し、基板表面の微視的な顕微鏡拡大画像(ミクロ画像)を取得するように構成されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−9661号公報
【特許文献2】特開2000−35319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているような外観検査装置は、基板を一方向に搬送して後戻りできないために上流側の欠陥検出部と下流側の欠陥レビュー部との間隔を基板の長さより離すことが必須条件になっている。このため、2つの検査部でステージを共有してはいるが、外観検査装置の大きさは、異なる検査部を備えた2つの検査装置同士を足した大きさになっていた。また、特許文献2に開示されているような場合も、2次元のマクロ照明光を利用してマクロ検査を行っているために、このマクロ観察領域とミクロ観察領域とをオーバーラップさせることができず、特許文献1に開示されている外観検査装置と同様に2つの検査部の間隔を基板の長さより離す必要がある。特に特許文献2の場合には、基板をXYの2次元方向に移動させて基板全面の検査を行う構成をとっているため、ミクロ検査部では基板の大きさの約4倍のスペースが必要になるので、被検体である基板が大型化すると、外観検査装置が占める面積が非常に大きくなる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外観検査装置の大型化を防止し、かつ検査時間の長くなることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決する本発明は、大型のガラス基板を載置可能で、前記ガラス基板を第1の方向に搬送する基板搬送部と、前記第1の方向に沿って配設された複数の光学装置とを備え、前記光学装置は、前記ガラス基板表面の画像を撮像する撮像装置と、種類の異なる複数の光学素子とを有し、前記第1の方向に隣り合う2つの前記光学装置は、前記ガラス基板の前記第1の方向の長さよりも短い間隔で配置されていることを特徴とする外観検査装置とした。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ガラス基板の製造工程に必要な検査項目を実施する光学装置を複数搭載しながらも、各光学装置がその検査領域の一部がオーバーラップするように配置されているので、装置全体としての占有面積を小さくすることができる。さらに、一枚のガラス基板に対して、一方の光学装置で検査を行いながら、他方の検査装置による検査を開始することができるので、検査に要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を実施するための最良の形態について以下に説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、外観検査装置1は、床面に除振装置2を介して設置されるベース本体3を備え、ベース本体3上には、上向きにエアーを吹き出してFPD用ガラス基板を浮上させる浮上ステージ4と、浮上ステージ4に沿うFPD用ガラス基板の縁部を吸着保持して浮上ステージ4の長手方向(X方向)に、浮上したFPD用ガラス基板を強制的に搬送させる基板搬送ステージ5とからなる基板搬送部が設けられている。基板搬送ステージ5は、基板搬送ロボット等により搬入されたワークであるガラス基板Wをアライメント機構により基準位置に位置決めした状態でガラス基板Wの側縁部を吸着保持する。
【0008】
浮上ステージ4の搬送経路の長手方向に沿って、第1の光学装置であるマクロ検査部10と、第2の光学装置である欠陥観察部11とが、順番に配設されている。マクロ検査部10は、浮上ステージ4を幅方向(Y方向)で跨ぐようにベース本体3に取り付けられた一対の脚部12a,12aに水平梁部12bを架橋した門型フレーム12と、門型フレーム12の脚部12a間に架け渡された照明部13と、門型フレーム12の水平梁部12bから浮上ステージ4の一端部4a側に向かって張り出したミラー支持部材14の先端に固定された光学素子であるミラー15と、門型フレーム12の水平梁部12bの略中央に固定された撮像装置であるラインセンサカメラ16とを有している。照明部13は、例えば、特開2000−65753号公報に記載されたような、ライン状の照明光を照射する、例えば、円柱状のロッドレンズと、その両端面に光源を配置したものである。ライン照明光の照射幅は、ガラス基板W上でラインセンサカメラ16の撮像領域の長さと略等しく、本実施の形態では、大型のガラス基板Wを一度に撮像できるようにガラス基板Wの幅に合わせてあり、このライン照明光のガラス基板Wに対する反射光の光路上に、ミラー15が配設され、このミラー15によりガラス基板W上で反射した光が浮上ステージ4に対して略平行に折り返されてラインセンサカメラ16に入射する。
【0009】
欠陥観察部11は、浮上ステージ4を幅方向(Y方向)で跨ぐようにベース本体3に取り付けられた一対の脚部21a,21aに水平梁部21bを架橋した門型フレーム21と、門型フレーム21の水平梁部21bにY方向に平行に敷設されたガイドレールに沿って移動自在な顕微鏡22とを有している。顕微鏡22は、下方に向けて支持された光学素子である対物レンズ23と、対物レンズ23で取り込んだガラス基板Wの表面の像を撮像する撮像装置であるカメラ24とを有する。このカメラ24の出力は、モニタ25に接続されている。ここで、両光学装置間のX方向の距離は、ガラス基板WのX方向の長さよりも小さい。この場合の両光学装置間のX方向の距離とは、マクロ検査部10のライン照明光がガラス基板Wに照射される検査領域と、欠陥観察部11の顕微鏡22による検査領域とのX方向の距離に相当する長さである。このように両光学装置が干渉しない程度に近接して配置することは、外観検査装置の小型化を図る上で好ましい。
【0010】
なお、この外観検査装置1の制御を行うコンピュータ17は、各ステージ4,5の制御を行うステージ制御部26と、マクロ検査部10と、欠陥観察部11とに接続されており、観察者の操作を受け付ける操作部17aと、モニタ27とを備えている。コンピュータ17には、マクロ検査部10のラインセンサカメラ16で取得したライン状の画像データから欠陥を抽出すると共に、各画像データを順番に足し合わせてガラス基板Wの検査範囲全体の画像を作成したり、欠陥観察部11の顕微鏡22で取り込まれた欠陥画像に対して
予め登録されている設計パターンとのパターンマッチングを行って欠陥を抽出したりする画像処理部が設けられている。なお、モニタ25,27に欠陥観察部11のミクロ画像(顕微鏡画像)を表示させて、目視により欠陥を判定することができる。
【0011】
また、ガラス基板Wは、ガラス製の平面基板が用いられ、このガラス基板W上に配線や、フィルタなどのパターンが半導体技術を用いて作製される。ガラス基板Wの欠陥とは、パターンの一部が切れていたり、パターン同士が短絡したり、異物が付着している微視的なものと、フィルタの膜や、製造過程で一時的に塗布されるレジスト膜の膜ムラが発生しているような巨視的なものとがあげられる。
【0012】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
まず、基板搬送ステージ5をベース本体3の一端部側に待機させ、浮上ステージ4からエアーを吹き出させてから、不図示の基板搬送ロボットによって検査対象となるガラス基板Wを浮上ステージ4上に搬入する。このガラス基板Wを浮上させた状態でアライメント機構により基準位置に位置決めする。位置決めされたガラス基板Wの一辺を基板搬送ステージ5で吸着保持した後に、基板搬送ステージ5をX方向に等速度で移動させる。このガラス基板Wに対して、マクロ検査部10の照明光が照射され、その反射光がミラー15を介してラインセンサカメラ16により撮像される。基板搬送ステージ5の移動に伴って基板表面がX方向に沿って、ガラス基板Wの後端部分まで撮像されると、コンピュータ17によってガラス基板W全面のマクロ画像が作成され、モニタ27に出力される。
【0013】
そして、ラインセンサカメラ16から出力される1ライン分の画像データに基づいて隣接する3点以上の画像を比較して欠陥を抽出し、その座標を演算して登録すると共に、モニタ27に表示されているマクロ画像に欠陥の存在を示す強調表示などを行う。なお、欠陥の検出は、観察者がモニタ27を見ながら目視で行い、操作部を操作して登録しても良い。
【0014】
ここで、各検査部10,11間の距離は、ガラス基板WのX方向の長さよりも短いので、マクロ検査部10による画像取得が終了すると、ガラス基板Wが欠陥観察部11の測定領域に進入する。このガラス基板Wを基板搬送ステージ5により、欠陥観察部11の検査開始位置まで戻す。この後、欠陥観察部11は、マクロ検査部10で検出された各欠陥の位置データに基づいて基板搬送ステージ5と顕微鏡22を相対的に2次元移動させて、検査対象となった欠陥上に顕微鏡22の対物レンズ23を位置決めする。この欠陥を顕微鏡22で拡大してカメラ24で撮像する。具体的には、コンピュータ17から欠陥と検出された位置の座標を取得し、そのY座標に合わせて顕微鏡22をY方向にスライドさせ、ガラス基板WのX座標に一致したところで基板搬送ステージ5を止めて欠陥に顕微鏡22を位置合わせする。この欠陥を顕微鏡22で拡大し、顕微鏡22の視野中心に欠陥を合わせて、検査者がボタン操作や、マウス操作を行って、モニタ25又はモニタ27に表示されたマクロ画像上で、欠陥を指定したら、指定した欠陥の位置データに基づいて基板搬送ステージ5と、顕微鏡22をXY方向に移動制御し、指定された欠陥に顕微鏡22を位置合わせして拡大画像を取得する。そして、全てのマクロ観察、及びミクロ観察が終了したら、ガラス基板Wを搬出し、検査を終了する。
【0015】
この実施の形態によれば、マクロ検査部10と、欠陥観察部11とをガラス基板Wの移動経路(搬送路)に沿って配設し、かつ両光学装置間の距離をガラス基板Wの移動方向の長さよりも短く設定したので、外観検査装置1の装置面積を小さくすることができる。また、マクロ検査部10でマクロ画像を取得した後、同じガラス基板Wを欠陥観察部11の検査開始位置(基準位置)に戻すことができ、ガラス基板Wを載せ換える時間とアライメントをし直す時間が不要になるため、別々の検査装置で検査を行う場合に比べて検査時間を短くすることができる。
【0016】
なお、顕微鏡22のカメラ24が高解像度の静止画を取り込むことが可能で、マクロ検査部10のラインセンサカメラ16により取り込まれた画像データの処理と、このマクロ検査部10で抽出された欠陥位置に顕微鏡22を位置決めする処理とをガラス基板Wが両光学装置間の距離だけ搬送される時間内で処理することができれば、ガラス基板Wを一方向に一定速度で搬送しながら、同時に検査を行うようにしても良い。この場合、マクロ検査部10で抽出された欠陥の座標データに基づいて、そのY座標データにより顕微鏡22をY方向に移動させ、基板搬送ステージ5がマクロ検査部10を欠陥を検出した位置から両光学装置間の距離分だけガラス基板Wが搬送された位置で顕微鏡22で取り込まれた拡大像を撮像することになる。このようにすれば、マクロ検査部10でマクロ画像を取り込んでいる間に欠陥観察部11でミクロ画像を取り込むことができるため、さらに検査時間を短縮できる。
【0017】
また、図2に示す外観検査装置1のように、第2の検査部として、門型フレーム21の水平梁部21bに複数のミクロ検査用カメラ24aをY方向に一列に配列した構成としても良い。これらミクロ検査用カメラ24aは、その全てがモニタ25に接続されており、個々に取得した拡大像を表示できるようになっている。なお、ミクロ検査用カメラ24aの数は、4つに限定されない。また、ミクロ検査用カメラ24aは、X方向に複数列千鳥配置しても良い。顕微鏡22が複数あっても全ての検査領域に対応できない場合には、ミクロ検査用カメラ24aを、Y方向にスライド自在に門型フレーム21に取り付けることも可能である。この外観検査装置1では、二つの検査部10,28が、ガラス基板Wの搬送方向に、ガラス基板Wの長さ以下の間隔で配置されているので、前記と同様の効果が得られる。さらに、ミクロ検査部28が複数のミクロ検査用カメラ24aを有するので、マクロ欠陥の他にミクロ欠陥を自動的に取得できる。
【0018】
(第2の実施の形態)
図3に示す外観検査装置1は、第1の光学装置として図1と同様の欠陥観察部11を備え、第2の光学装置として図2と同様のミクロ検査部28を備えている。欠陥観察部11は、門型フレーム12の水平梁部12bに顕微鏡22がY方向にスライド自在に取り付けられている。欠陥観察部11とミクロ検査部28との間の距離、及びその他の構成は、前記の外観検査装置1と同じである。
【0019】
この外観検査装置1では、第2の光学装置であるミクロ検査部28側からガラス基板Wを搬入し、アライメント機構により位置決めされたガラス基板Wを基板搬送ステージ5により、ミクロ検査部28側から欠陥観察部11側に搬送させ、最初にミクロ検査部28において取得されたミクロ画像データをコンピュータ17で画像処理し、ガラス基板W全面のミクロ欠陥を自動取得する。この際に、ミクロ検査用カメラ24aは、Y方向に適宜往復移動する。ミクロ検査部28で自動的に取得されたガラス基板W上のミクロ欠陥の大きさ、欠陥位置、座標、欠陥の種類などのミクロ欠陥データは、コンピュータ17の記録部に記録される。ミクロ検査部28で取得される各ミクロ欠陥の位置座標データに基づいて基板搬送ステージ5と欠陥観察部11の顕微鏡22をXY方向の2次元に移動させて、欠陥位置に顕微鏡22を合わせ、顕微鏡22で拡大された欠陥画像をカメラ24で撮像する。
【0020】
この実施の形態では、ミクロ検査部28でガラス基板W上の欠陥の有無し、この検査結果に基づいて欠陥位置に欠陥観察部11の顕微鏡22を自動的に合わせて拡大像を取得することができる。さらに、2つの光学装置間の距離がガラス基板Wの長さより短いので、前記第1の実施の形態と道央に外観検査装置の小型化が図れると共に、検査時間の短縮化が図れる。
【0021】
(第3の実施の形態)
図4に示す外観検査装置は、第2の光学装置としてミクロ検査部28を備え、第2の実施の形態(図3)の第1の光学装置を欠陥修正部40に置き換えた以外は、第2の実施の形態と同じ構成であり、同一の構成に同一符号を付して説明を省略する。
欠陥修正部40は、門型フレーム12の水平梁部12bに顕微鏡42がY方向にスライド自在に取り付けられている。顕微鏡42は、鏡筒41と、鏡筒41の下面側に設けられた対物レンズ43と、鏡筒41の上面側に設けられたCCD(Charge Coupled Devices)などの撮像装置であるカメラ44とから構成されている。この鏡筒41にビームスプリッタを介して対物レンズ43の共通光路上にレーザ修正ヘッド45が光学的に接続されている。カメラ44は、モニタ46に接続されており、レーザ修正ヘッド45は、コンピュータ17の制御に基づいて所定波長のレーザ光を出力するように構成されている。なお、対物レンズ43を通して基板表面の拡大像と、基板表面に対するレーザ照射とを行えるように、鏡筒41内にはビームスプリッタや、ミラーなどの光路偏向素子が設けられている。
【0022】
外観検査を行う際には、ガラス基板Wを移動させ、ミクロ検査部28で基板表面のミクロ欠陥を自動的に取得し、基板上の欠陥の座標をコンピュータ17に登録する。このように登録された欠陥データに基づいて顕微鏡42と基板搬送ステージ5をXY方向に相対的に移動させて、欠陥位置に対物レンズ43を合わせる。顕微鏡42で拡大された欠陥像をカメラ44で撮像し、この欠陥像をモニタ46に表示させて修正するか否かを判定し、修正が必要であると判定された欠陥に対してはレーザ修正ヘッド45のレーザ光源からレーザ光を照射して修正を行う。具体的には、欠陥修正部40は、コンピュータ17から欠陥の座標を取得し、そのY座標に合致する位置に顕微鏡42を移動させる。そして、ガラス基板Wの欠陥に対物レンズ43を一致させ、その場所の拡大像を対物レンズ43、及びカメラ44を介して取得して、モニタ46に表示させる。検査者がモニタ46の像から欠陥の種類や、大きさ、位置を再度確認し、修正が必要か否かを判断する。修正が必要と判断した場合には、修正箇所を顕微鏡42の視野中心に合わせ、スリットを介してレーザ光を照射する領域の大きさに成形し、レーザ修正ヘッド45からレーザ光を出射させ、対物レンズ43で集光しつつ基板表面に照射する。この実施の形態では、ミクロ検査部28によって欠陥を抽出することができ、欠陥に対しては適宜レーザ修正を行うことができる。ミクロ検査部28と欠陥修正部40とからなる2つの光学装置間の距離が、ガラス基板Wの長さより短いので、前記の第1、第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0023】
(第4の実施の形態)
図5に示す外観検査装置1は、第3の実施の形態(図4)の第1の光学装置と第2の光学装置との間に第1の実施の形態(図1)と同様のマクロ検査部10を配置した構成以外は、第3の実施の形態と同じ構成であり、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0024】
ガラス基板WのX方向に沿って、第1の光学装置である欠陥修正部40と、第3の光学装置であるマクロ検査部10と、第2の光学装置であるミクロ検査部28とが順番に配設されている。隣り合う光学装置間のX方向の距離は、ガラス基板WのX方向の長さよりも短くなっている。この実施の形態では、一台の装置でガラス基板Wのミクロ観察と、マクロ観察と、レーザを用いた修正とを行うことができ、各部10,28,40が近接配置されているので、外観検査装置1を小型化でき、かつ検査時間を短縮できる。欠陥修正部40と、マクロ検査部10とが、ガラス基板Wの移動方向に前後に配設されているのは、両部10,40は、ガラス基板Wの全面に対して処理を行うために、前後に並んで配置した方が検査時間を短縮できるからである。
【0025】
なお、本発明は前記の各実施の形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、各光学装置は、X方向に隣り合う2つの光学装置において、一端部側の光学装
置は一端部側に光学素子、及び撮像装置を配置し、他端部側の光学装置は他端部側に光学素子、及び撮像装置を配置しても良い。さらに、X方向の隣り合う2つの光学装置が、門型フレームを共有し、門型フレームの一端部側に一方の光学装置の光学素子、及び撮像装置を配置し、門型フレームの他端部側に他方の光学装置の光学素子、及び撮像装置を配置しても良い。このように構成すると、光学装置間の距離をさらに短くすることができる。
【0026】
マクロ検査部10は、照明部13を門型フレーム12に回動自在に支持しても良い。このようにすると、正反射による干渉像と、照明光の入射角度をラインセンサカメラ16からみて正反射となる角度からずらしたときに得られる回折像とを取得できる。例えば、ガラス基板Wをマクロ検査部10に対して往復移動させ、往路で回折像を取得し、復路で干渉像を取得することが可能になる。
また、各光学装置の数、組み合わせ、配置順番に任意のものを選択することができる。この場合に、欠陥観察部11に分光装置を取り付け、分光分析が行えるようにしても良い。さらに、ガラス基板Wの検査対象がカラーフィルタである場合には、カラーフィルタの色を検査する分光装置付きの欠陥観察部11と、欠陥を検査する欠陥観察部11,28と、ムラを検査するマクロ検査部10とをガラス基板Wの移動経路に沿って適宜配設すると良い。
【0027】
図6に示すように、基板搬送部は、ガラス基板Wを位置決めして保持し、X方向に往復移動自在なステージ50でも良い。このステージ50は、ベース本体3上にX方向に平行に敷設されたガイドレール51に沿って往復移動するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係る外観検査装置の構成を示す図である。
【図2】マクロ検査部とミクロ検査部とを備える外観検査装置を示す図である。
【図3】欠陥検査部とミクロ検査部とを備える外観検査装置を示す図である。
【図4】欠陥修正部とミクロ検査部とを備える外観検査装置を示す図である。
【図5】欠陥修正部とマクロ検査部とミクロ検査部とを備える外観検査装置を示す図である。
【図6】基板搬送部の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1 外観検査装置
3 ベース本体
4 浮上ステージ(基板搬送部)
5 吸着保持ステージ(基板搬送部)
10 マクロ検査部(光学装置)
11,28 ミクロ検査部(光学装置)
13 照明部
15 ミラー(光学素子)
16 カメラ(撮像装置)
22,42 顕微鏡
23,43 対物レンズ(光学素子)
24,44 カメラ(撮像装置)
40 欠陥修正装置(光学装置)
50 ステージ(基板搬送部)
W ガラス基板
X 第1の方向
Y 第2の方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板を搬送路に沿う第1の方向に搬送する基板搬送部と、
前記基板の搬送路の幅方向を跨ぐように架橋される第1及び第2の門型フレームと、
前記第1の門型フレームに設けられ、前記第1の方向と直交する第2の方向に平行なライン照明光を前記基板に照射する照明部と、前記基板で反射する前記ライン照明光を撮像してマクロ画像を取得するラインセンサカメラとを有するマクロ検査部と、
前記第2の門型フレームに設けられ、前記第2の方向に複数並設したミクロ検査用カメラによって前記基板上の欠陥を撮像して拡大画像を取得する欠陥観察部と、
を備え、
前記第1及び第2の門型フレームにそれぞれ設けられる前記マクロ検査部と欠陥観察部とが、前記基板の第1の方向の長さよりも短い間隔で配置されることを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
ガラス基板を搬送路に沿う第1の方向に搬送する基板搬送部と、
前記基板の搬送路の幅方向を跨ぐように架橋される第1及び第2の門型フレームと、
前記第1の門型フレームに設けられ、前記第1の方向と直交する第2の方向に平行なライン照明光を前記基板に照射する照明部と、前記基板で反射する前記ライン照明光を撮像してマクロ画像を取得するラインセンサカメラとを有するマクロ検査部と、
前記第2の門型フレームに設けられ、前記第2の方向に移動可能な顕微鏡によって前記基板上の欠陥を撮像して拡大画像を取得する欠陥観察部と、
を備え、
前記第1及び第2の門型フレームにそれぞれ設けられる前記マクロ検査部と欠陥観察部とが、前記基板の第1の方向の長さよりも短い間隔で配置されることを特徴とする外観検査装置。
【請求項3】
ガラス基板を搬送路に沿う第1の方向に搬送する基板搬送部と、
前記基板の搬送路の幅方向を跨ぐように架橋される第1及び第2の門型フレームと、
前記第1の門型フレームに設けられ、前記第1の方向と直交する第2の方向に複数並設したミクロ検査用カメラによって前記基板上の欠陥を撮像して拡大画像を取得する第1の欠陥観察部と、
前記第2の門型フレームに設けられ、前記第2の方向に移動可能な顕微鏡によって前記基板上の欠陥を撮像して拡大画像を取得する第2の欠陥観察部と、
を備え、
前記第1及び第2の門型フレームにそれぞれ設けられる前記第1の欠陥観察部と前記第2の欠陥観察部とが、前記基板の第1の方向の長さよりも短い間隔で配置されることを特徴とする外観検査装置。
【請求項4】
ガラス基板を搬送路に沿う第1の方向に搬送する基板搬送部と、
前記基板の搬送路の幅方向を跨ぐように架橋される第1及び第2の門型フレームと、
前記第1の門型フレームに設けられ、前記第1の方向と直交する第2の方向に複数並設したミクロ検査用カメラによって前記基板上の欠陥を撮像して拡大画像を取得する欠陥観察部と、
前記第2の門型フレームに設けられ、前記第2の方向に移動可能な顕微鏡によって前記基板上の欠陥を撮像して拡大画像を取得するとともに前記欠陥に対してレーザ光を照射する欠陥修正部と、
を備え、
前記第1及び第2の門型フレームにそれぞれ設けられる前記欠陥観察部と前記欠陥修正部とが、前記基板の第1の方向の長さよりも短い間隔で配置されることを特徴とする外観検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−99875(P2011−99875A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33342(P2011−33342)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【分割の表示】特願2005−109554(P2005−109554)の分割
【原出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】