説明

外部貼着技術及び強化技術にプレストレスト繊維布を用いたアンカーリング工法

外部貼着技術及び強化技術にプレストレスト繊維布を用いたアンカーリング工法を提供する。アンカーリング工法は、被強化部材(2)の表面において繊維布(1)にストレスを与えるステップと、プレストレスト繊維布(1)を樹脂を用いて被強化部材(2)に貼着して一体にさせるステップと、被強化部材(2)の端部においてプレストレスト繊維布(1)のアンカーリング端部に対して鋼板(5)を取り付けてアンカーリングし、アンカー(7)を用いるステップと、樹脂を加熱硬化させた後、プレストレスト繊維布(1)のアンカーリング端部のプレストレスの一部又はすべてを解放させるステップとを備える。本方法は、端部における応力集中を解消又は軽減させる効果を奏する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカーリング工法に関し、特にFRPシート材を用いた外部貼着技術及び強化技術におけるアンカーリングの応用に関し、土木交通工学における構造の強化技術に属するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、連続性繊維強化ポリマー(FRP)複合材料を、接着剤(例えば、樹脂)を用いて構造表面に貼着させるという強化方法は、土木構造物に対して新規かつ有効な構造強化技術として、広くに応用されている。
【0003】
しかし、単に連続FRP複合材料をコンクリートの表面に貼着させるという受動的な強化方法では、多くの欠点が存在する。例えば、FRPとコンクリート表面との間の貼着強度が限られていることから、接着破壊が発生しやすい。その結果、FRPシート材が持つ高強度性を十分に発揮させることができない。
【0004】
そこで、発明者は、これら欠点を考慮し、受動的な方法を積極的な方法に変えるように、次のようなFRPシート材の外部貼着及び強化方法を考え出した。すなわち、FRPシート材を、プレテンションを施してから、貼着材料を用いてコンクリート表面に貼着することにより、FRPシート材とコンクリートが共同で力を受けることになる。このため、材料の観点からみると、FRPシート材の高強度性を十分に発揮することができる。また、構造自体の観点からみると、構造強度を向上することができるだけでなく、構造の剛性、破壊強度、降伏強度等を効果的に改善することができる。なお、端部のアンカー処理は、プレストレストFRPシート材による外部貼着及び補強技術において重要であり、当該技術の強化効果に直接に影響するものとなる。これまで、国内外において、外部貼着プレストレストFRPシート材による強化構造について莫大な研究及び調査行われたが、端部のアンカー問題は依然としてうまく解決されていない。これは、FRPの端部においては、プレストレスが付与された後、応力集中が生じるからである。直接にアンカーを採用した場合、端部に多大な過剰負担が掛かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、建築部材の端部における応力集中という問題を解決する端部のアンカー技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、外部貼着技術及び強化技術にプレストレスト繊維布を用いたアンカーリング工法を提供する。該アンカーリング工法は、次のステップを備える。
1.被強化部材2の端部に溝を形成して、アンカー7の上半部を該溝に埋め込むステップA
2.第1層の繊維布3を被強化部材2の表面及びアンカー7の下方(下面)に貼着するステップB
3.第1層の繊維布3の下方(下面)に、さらに1層(第2層)の繊維布1を設け、該繊維布1にストレスを与えて、該繊維布1を第1層の繊維布3の下方(下面)に貼着し、そして、繊維布1の下方(下面)に第3層の繊維布4を貼着するステップC
4.加熱硬化させるステップD
5.鋼板5を取り付け、1回目のアンカーリングを行い、一部のプレストレスを解放させるステップE
6.アンカー7の下半部を、第1層の繊維布とプレストレスト繊維布と第3層の繊維布とがアンカーの上半部と下半部の間に挟まれるように取り付けて、加熱硬化させた後、すべてのプレストレスを解放させるステップF
前記ステップDにおいて、加熱硬化させる温度は、80〜120℃である。
【0007】
前記ステップDにおいて、加熱硬化させる時間は、1.5〜3時間である。
【0008】
前記ステップEにおいて解放されるプレストレスは、全体のプレストレスの70〜95%である。
【0009】
さらに、本発明は、他の外部貼着技術及び強化技術にプレストレスト繊維布を用いたアンカーリング工法を提供する。該アンカーリング工法は次のステップを備える。
1.第1層の繊維布3を被強化部材2の表面に貼着させるステップA
2.第1層の繊維布3の下方(下面)に、さらに1層(第2層)の繊維布1を設け、該繊維布1にストレスを与えて、該繊維布1を第1層の繊維布3の下方(下面)に貼着させ、繊維布1の下方(下面)に第3層の繊維布4を貼着させるステップB
3.加熱硬化させるステップC
4.鋼板5を取り付け、1回目のアンカーリングを行い、すべてのプレストレスを解放させるステップD
5.アンカー7の上半部を第3層の繊維布4の下方に取り付けた後、第1層の繊維布3とプレストレスト繊維布1と第3層の繊維布4とを重ね合わせて、アンカーの上半部と下半部との間に折り返して貼着するステップE
【0010】
なお、本発明はさらに、他の外部貼着技術及び強化技術にプレストレスト繊維布を用いたアンカーリング工法を提供する。該アンカーリング工法は次のステップを備える。
1.第1層の繊維布3を被強化部材2の表面に貼着させるステップA
2.3層のプレストレスト繊維布6の端部のアンカーリング部に、分離膜9を配置するステップB
3.3層の繊維布6にストレスを与え、該繊維布6を第1層の繊維布3の下方(下面)に貼着させるステップC
4.鋼板5を取り付け、1回目のアンカーリングを行い、一部のプレストレスを解放させるステップD
5.2回目及び3回目のアンカーリングを行い、鋼板51、52を取付け、そして、すべてのプレストレスを解放させるステップE
6.3層のプレストレスト繊維布6の、鋼板51と鋼板52との間における第1層の繊維布3から起算して第2層のプレストレスト繊維布及び第3層のプレストレスト繊維布を切除し、3層の繊維布6に再びストレスを与えて、鋼板52を取り外し、分離膜9を除去し、増厚繊維布10を取り付け、鋼板52を再び取り付け、加熱硬化させて、すべてのプレストレスを解放させるステップF
7.3層のプレストレスト繊維布6の、鋼板51と鋼板5との間における第1層の繊維布3から起算して第3層のプレストレスト繊維布を切除し、鋼板51を取り外し、分離膜9を除去し、増厚繊維布10を取り付け、鋼板51を再び取付け、加熱硬化させるステップG
前記ステップDにおいて、解放されたプレストレスは、全体のプレストレスの40〜50%である。
【0011】
前記ステップFにおいて、ストレス(応力)を(T/3)×0.8に設定する(ただし、Tは、3層の繊維布に与えられたストレスの全応力である)。
【発明の効果】
【0012】
本発明において、コンクリートの表面でFRPシート材にストレスを与え、プレストレストFRPシート材を樹脂によってコンクリートと一体に結合させ、樹脂が加熱硬化された後に、プレストレスを解放させる。また、プレストレストFRPシート材の端部のアンカーリングに対して適当な措置を取り、プレストレストFRPシート材のアンカーリングされた端部におけるプレストレスの一部又はすべてを解放させる。これによって、端部の応力集中が解消又は低減され、端部に不必要な負担がかかることが回避されるようになる。従って、FRPシートによる高強度性を十分に得るとともに、建築部材の端部におけるアンカーリングの処理問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の埋込式アンカーを用いたアンカーリング工法の構成及び施工の技術的プロセスの要点を説明する図。
【図2】外付式アンカーを用いたアンカーリング工法の構成及び施工の技術的プロセスの要点を説明する図。
【図3】ストレスが与えられた繊維の層の数を逐次減らした場合のストレスアンカーリング工法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面及び実施形態を用いて、本発明の技術案についてさらに詳しく説明する。
【0015】
図1は、埋込式アンカーを用いたアンカーリング工法の構成及び施工の技術的プロセスの要点を説明する図であり、図1(a)は、プレストレスト繊維布1にストレスが与えられる前の構造図であり、図1(b)は、プレストレスト繊維布1にストレスが与えられた後、アンカーの取付けを示す構造図である。
【0016】
図2は、外付式アンカーを用いたアンカーリング工法の構成及び施工の技術的プロセスの要点を説明する図であり、図2(a)は、外付式アンカー7の上半部の取付けを示す構造図であり、図2(b)は、アンカー7の下半部が取り付けられた後、プレストレスが完全に解放された状態を示す構造図であり、図2(c)は、強化されたアンカー端部の局部拡大図である。
【0017】
図3は、ストレスが与えられた繊維の層の数を逐次減らした場合のストレスアンカーリング工法を示す説明図であり、図3(a)は、層を分けてアンカーリングする場合の応力と、層を分けずにアンカーリングする場合の応力との比較であり、図3(b)は、多層繊維布6にストレスを与えることを示す構造図であり、図3(c)は、被強化部材2の端部に第1層の繊維布3を貼着させた状態を示す構造詳細図であり、図3(d)は、多層繊維布6が貼着され、鋼板5がアンカーリングされた状態を示す構造図であり、図3(e)は、鋼板51、52がアンカーリングされた状態を示す構造図であり、図3(f)は、増厚繊維布10がアンカーリングされた鋼板52の底部に貼着された状態を示す構造図であり、図3(g)は、層を分けてアンカーリングする場合の最終的な構造図である。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態のアンカーリング工法である、埋込式アンカーを用いたアンカーリングの構造図である。プレストレスト繊維布1が被強化部材であるコンクリート部材2の底部においてストレスが与えられた後、鋼板5によるアンカーリングとアンカー7によるアンカーリングという2つのアンカーリング方法を通じてアンカーリングを施し、一部のプレストレスが該2つの方法により負担される。
【0019】
埋込式アンカーリングの実施ステップは次の通りである。
【0020】
1.被強化部材2の端部に溝を形成して、アンカー7の上半部を溝に埋め込む。
アンカー7は、被強化部材2に埋め込まれる(被強化部材2と直接接触する)上半部と、繊維布を締め付け、上半部に対向して接続可能一体に構成された下半部とからなり、アンカーの上半部と下半部の当接部分がジグザグ状に形成されている。溝は強化された曲げ部材2の端部に形成され、その幅はアンカー7を端部で取り付けるのに十分であり、その深さはコンクリート底部の保護層の厚さと一致する。アンカー7を固定するために、コンクリート底部にはボルトを埋め込む穴が設けられている。
【0021】
2.第1層の繊維布3を設ける。
被強化部材2の表面及びアンカー7の下方(下面)に第1層の繊維布を設け、設けた第1層の繊維布の長さをアンカーの長さの2〜3倍にする。また、繊維布は、その始端からアンカー7までの範囲内で樹脂によって浸透され、かつ、被強化部材2の表面に貼着される。
【0022】
3.プレストレスト繊維布1にストレスを与え、第3層の繊維布4を貼着させる。
第1層の繊維布3の下方(下面)に、プレストレスト繊維布1を設ける。プレストレスト繊維布は層の数は限定されない。プレストレスト繊維布1にストレスを与えた後、アンカー7の範囲内に、樹脂を塗布したプレストレスト繊維布1を被強化部材2に貼着させる。プレストレスト繊維布1の下方(下面)に第3層の繊維布4が設けられ、その貼着長さ及び範囲は前記第1層の繊維布1と一致する。その後、加熱硬化を施す。
【0023】
4.鋼板を貼着し取付け、プレストレスを解放する。
被強化部材2の中央寄りで、かつアンカー7の近傍に鋼板5を取り付けることによって、1回目のアンカーリングが実施される。そして、鋼板と、第1層の繊維布3と、プレストレストFRPシート材1と、第3層の繊維布4とを、ボルトを用いてコンクリート構造と一体にアンカーリングする。そして、一部のプレストレスを解放する。残留するプレストレスはFRPの引張強度の設計値の5〜30%である。
アンカーを取り付けて、プレストレスを解放する。
第1層の繊維布3と、プレストレスト繊維布1と第3層の繊維布4とを重ね合わせて、樹脂を浸透させた後、アンカー7の下半部を取り付けることによって2回目のアンカーリングが実施される。これによって、第1層の繊維布3と、プレストレスト繊維布1と第3層の繊維布4とがアンカーの上半部と下半部の間に締め付けられる。そして、真空下で加熱硬化して、すべてのプレストレスを解放する。アンカーの取付けが終了すると、アンカーの外側の繊維布を巻き上げる。
【0024】
図2は、本発明の第2のアンカーリング工法である、外付式アンカーを用いたアンカーリングの説明図である。図1及び図2による2つのアンカーリング工法は基本的に類似しており、両者の根本的な違いは、図2によれば、アンカー7は、繊維布1、3、4の下方に取り付けられたものであり、プレストレスを受けずに、代わりに安全保護手段として用いられる。
【0025】
図2のように、外付式アンカーを用いた、第2のアンカーリング工法の特徴は、アンカーの上半部が繊維布の下方に配置された後、繊維布を折り返して、アンカーの上半部と下半部との間に貼着させることである。アンカーリング工法の実施ステップは次の通りである。
1.第1層の繊維布3を被強化部材2の表面に貼着させる。
2.第1層の繊維布3の下方(下面)に、さらに1層の繊維布1を設ける。繊維布1にストレスを与えて、繊維布1を第1層の繊維布3の下方(下面)に貼着する。そして、繊維布1の下方(下面)に第3層の繊維布4を貼着する。
3.加熱硬化させる。
4.鋼板5を取り付け、1回目のアンカーリングを行う。そして、すべてのプレストレスを解放させる。
5.アンカーを取付ける。アンカー7の上半部を第3層の繊維布4の下方に取り付けた後、第1層繊維布3と、プレストレスト繊維布1と第3層の繊維布4とを重ね合わせ、樹脂を浸透させた後、折り返して、アンカーの上半部と下半部との間に貼着する。
【0026】
図3は、FRPアンカーリングの層の数を逐次減らした場合の、本発明の第3のアンカーリング工法を示すものである。本工法は多層プレストレスト繊維布のアンカーリングに適用される。被強化コンクリート部材2の底部においてプレストレスト繊維布1にストレスを与え、3つの鋼板を3回のアンカーリングを行い、その都度、鋼板を取り付け、3枚の鋼板を取り付け、アンカーリングの層の数を逐次減らしていく。
【0027】
図3に示すように、第3のアンカーリング工法において、ストレスが与えられたFRPの層の数を逐次減らしている。本アンカーリング工法の実施ステップは次の通りである。
【0028】
1.第1層の繊維布3を被強化部材の端部の表面に貼着させる。
【0029】
2.アンカーリングされた繊維布6の端部に、分離膜9を配置する。複数のアンカーリングを施すために、繊維布6の端部において、コンクリートから起算して第1層の繊維布と第2層の繊維布の間で、且つ第2の鋼板がアンカーリングされた位置に1枚の分離膜9を配置するとともに、層と層の間で第3の鋼板がアンカーリングされた位置でそれぞれ1枚の分離膜9を配置する。分離膜の長さは鋼板の幅と一致する。プレストレスト繊維布6にストレスを与える。ここで、繊維布6は、3層の繊維布から構成されており、樹脂を何度でも浸透させた後、加熱硬化され、ストレスが与えられる。
【0030】
3.プレストレスト繊維布6が貼着され、鋼板5が配置されることによって1回目のアンカーリングが実施される。そして、プレストレスが解放される。解放されるプレストレスは、好ましくは、全体のプレストレスの40〜50%(推奨値)である。
【0031】
4.2回目及び3回目のアンカーリングを行う。鋼板51及び鋼板52を取り付ける。
第1の鋼板5の左側に、鋼板51及び鋼板52を、端部方向に沿って順次配置し、かつ固定する。このとき、2つの鋼板の底部に位置する繊維布は、樹脂により浸透されておらず、貼着されていない。すべてのプレストレスを解放させる。プレストレスト繊維布6の、鋼板51と鋼板52との間における第1層の繊維布3から起算して第2層の繊維布及び第3層のプレストレスト繊維布を切除する。
【0032】
5.繊維布6に再びストレスを与え、鋼板51及び鋼板52を再度アンカーリングする。
プレストレスト繊維布6に再びストレスを与える。ストレス(応力)は(T/3)×0.8(Tは3層の繊維布の全体のストレス(応力)である。)に設定される。第3の鋼板52を取り外し、分離膜9を除去し、増厚繊維布10を2層取り付け、鋼板52を固定する。その後、樹脂を加熱硬化させ、すべてのプレストレスを解放させる。鋼板51を取り外し、分離膜9を除去し、増厚繊維布10を1層取り付け、鋼板51を取り付ける。そして、樹脂を加熱硬化させ、アンカーリングを終了する。
【0033】
図3(a)に示すように、外部貼着の鋼板を用いて端部エリアにおいて層の数を逐次減らすアンカーリング工法によれば、端部における応力集中を大幅に改善できる。本実施の形態において、3層の繊維布を例として説明したが、多層の繊維布を採用することも本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0034】
1…プレストレスト(ストレス)繊維布、2…被強化部材、3…第1層の繊維布、4…第3層の繊維布、5、51、52…鋼板、6…多層繊維布、7…アンカー、9…分離膜、10…増厚繊維布、T…ストレスの全応力。
【図1(a)】

【図1(b)】

【図2(a)】

【図2(b)】

【図2(c)】

【図3(a)】

【図3(b)】

【図3(c)】

【図3(d)】

【図3(e)】

【図3(f)】

【図3(g)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部貼着技術及び強化技術にプレストレスト繊維布を用いたアンカーリング工法であって、
被強化部材(2)の端部に溝を形成して、アンカー(7)の上半部を該溝に埋め込むステップAと、
第1層の繊維布(3)を前記被強化部材(2)の表面及び前記アンカー(7)の下方に貼着するステップBと、
前記第1層の繊維布(3)の下方に、さらに1層の繊維布(1)を設け、前記繊維布(1)にストレスを与えて、前記繊維布(1)を前記第1層の繊維布(3)の下方に貼着し、前記繊維布(1)の下方に第3層の繊維布(4)を貼着するステップCと、
加熱硬化させるステップDと、
鋼板(5)を取り付け、1回目のアンカーリングを行い、一部のプレストレスを解放させるステップEと、
前記アンカー(7)の下半部を、前記第1層の繊維布とプレストレスト繊維布と前記第3層の繊維布とが前記アンカーの上半部と下半部の間に挟まれるように取り付けて、加熱硬化させた後、すべてのプレストレスを解放させるステップFとを備えるアンカーリング工法。
【請求項2】
請求項1記載のアンカーリング工法であって、
前記ステップDにおいて加熱硬化させる温度は、80〜120℃であることを特徴とするアンカーリング工法。
【請求項3】
請求項1記載のアンカーリング工法であって、
前記ステップDにおいて加熱硬化させる時間は、1.5〜3時間であることを特徴とするアンカーリング工法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載のアンカーリング工法であって、
前記ステップEにおいて解放されるプレストレスは、全体のプレストレスの70〜95%であることを特徴とするアンカーリング工法。
【請求項5】
外部貼着技術及び強化技術にプレストレスト繊維布を用いたアンカーリング工法であって、
第1層の繊維布(3)を被強化部材(2)の表面に貼着させるステップAと、
前記第1層の繊維布(3)の下方に、さらに1層の繊維布(1)を設け、前記繊維布(1)にストレスを与えて、前記繊維布(1)を前記第1層の繊維布(3)の下方に貼着させ、前記繊維布(1)の下方に第3層の繊維布(4)を貼着させるステップBと、
加熱硬化させるステップCと、
鋼板(5)を取り付け、1回目のアンカーリングを行い、すべてのプレストレスを解放させるステップDと、
アンカー(7)の上半部を前記第3層の繊維布(4)の下方に取り付けた後、前記第1層の繊維布(3)と、前記プレストレスト繊維布(1)と前記第3層の繊維布(4)とを重ね合わせて、前記アンカーの上半部と下半部との間に折り返して貼着するステップEとを備えるアンカーリング工法。
【請求項6】
外部貼着技術及び強化技術にプレストレスト繊維布を用いたアンカーリング工法であって、
第1層の繊維布(3)を被強化部材(2)の表面に貼着させるステップAと、
3層のプレストレスト繊維布(6)の端部のアンカーリング部に、分離膜(9)を配置するステップBと、
前記3層の繊維布(6)にストレスを与え、前記繊維布(6)を前記第1層の繊維布(3)の下方に貼着させるステップCと、
鋼板(5)を取り付け、1回目のアンカーリングを行い、一部のプレストレスを解放させるステップDと、
2回目及び3回目のアンカーリングを行い、鋼板(51)と鋼板(52)を取り付けて、すべてのプレストレスを解放させるステップEと、
前記3層のプレストレスト繊維布(6)の、鋼板(51)と鋼板(52)との間における前記第1層の繊維布(3)から起算して第2層のプレストレスト繊維布及び第3層のプレストレスト繊維布を切除し、前記3層の繊維布(6)に再びストレスを与えて、前記鋼板(52)を取り外し、前記分離膜(9)を除去し、増厚繊維布(10)を取り付け、前記鋼板(52)を再び取り付けて、加熱硬化させ、すべてのプレストレスを解放させるステップFと、
前記3層のプレストレスト繊維布(6)の、前記鋼板(51)と鋼板(5)との間における前記第1層の繊維布(3)から起算して第3層のプレストレスト繊維布を切除し、前記鋼板(51)を取り外し、前記分離膜(9)を除去し、増厚繊維布(10)を取り付け、前記鋼板(51)を再び取り付けて、加熱硬化させるステップGとを備えるアンカーリング工法。
【請求項7】
請求項6記載のアンカーリング工法であって、
前記ステップDにおいて解放されたプレストレスは、全体のプレストレスの40〜50%であることを特徴とするアンカーリング工法。
【請求項8】
請求項6記載のアンカーリング工法であって、
前記ステップFにおいて、ストレスを(T/3)×0.8に設定し、前記Tは前記3層の繊維布に与えられたストレスの全応力であることを特徴とするアンカーリング工法。

【公表番号】特表2013−512362(P2013−512362A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541310(P2012−541310)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際出願番号】PCT/CN2010/079385
【国際公開番号】WO2011/066798
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(512143372)
【氏名又は名称原語表記】WU Zhishen
【出願人】(512143383)ペキン テシダ テクノロジー カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】BEIJING TEXIDA TECHNOLOGY CO., LTD.
【Fターム(参考)】