説明

多孔質溶解性固体構造を有する物品形態のパーソナルケア組成物

本発明は、約23%〜約75%の界面活性剤と、約10%〜約50%の水溶性ポリマーと、約1%〜約15%の可塑剤と、を含む多孔質溶解性固体構造形態の溶解性物品に関し、界面活性剤は約0.001〜約0.45の平均エトキシレート/アルキル比率を有し、物品は約0.05g/cm3〜約0.25g/cm3の密度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア組成物、特に、多孔質溶解性固体構造である物品形態であり、消費者に所望の泡立ちを送達するパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
市場に存在するパーソナルケア製品の大多数は液体製品として販売されている。広範に使われているが、液体製品は梱包、保管、運送、並びに使用の便宜という観点から不都合を有する。
【0003】
液体パーソナルケア製品は、典型的に、大幅にコストを増大させ、また多くがゴミ廃棄場に行き着く結果となる梱包の無駄を増大させるボトルの形態で販売されている。液体パーソナルケア製品はまた、通常、大幅に重量及びサイズを増大させ、それがより大きな出荷及び保管コストになる相当量の水を処方の中に含む。液体パーソナルケア製品はまた、用量をコントロールする観点及び製品の送達の観点から使用が難しくもある。
【0004】
パーソナルケア製品を使用する消費者は、泡の量、及び、製品の投与量又は重量が、毛髪及び/又は体を洗浄するのに適切であるよう所望している。液体パーソナルケア製品に等しい起泡性能を多孔質溶解性固体製品に送達することに、技術的課題が存在することが分かっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、消費者にとって望ましい起泡性能を(今日の液体製品に等しい性能で)送達できる溶解性固体パーソナルケア製品を提供することである。本発明の更なる目的は、物理的な気泡化、続く乾燥によって経済的な方法で製造することができる、かかる製品を提供することである。
【0006】
更に、頭髪全体及び体全体の皮膚適用のために活性物質の十分な局所送達(現在の液体製品と同様の性能)を提供しながら、便利にかつ迅速に消費者の手の平で溶解して、毛髪/皮膚への適用を容易にするために液体生成物を構成することができる溶解性固体パーソナルケア製品を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
約23%〜約75%の界面活性剤と、約10%〜約50%の水溶性ポリマーと、約1%〜約15%の可塑剤と、を含む多孔質溶解性固体構造形態の溶解性物品が提供され、界面活性剤は約0.001〜約0.45の平均エトキシレート/アルキル比率を有し、物品は約0.05g/cm3〜約0.25g/cm3の密度を有する。
【0008】
多孔質溶解性固体構造形態である溶解性物品を製造する際の使用に好適なプレミックスが提供され、プレミックスは、約3%〜約20%の水溶性ポリマーと、約0.3%〜約7%の可塑剤と、約8%〜約30%の界面活性剤と、を含み、界面活性剤は約0.001〜約0.45の平均エトキシレート/アルキル比率を有し、プレミックスは、約20%〜約50%の固形分と、約5Pa・s(5000cps)〜約150Pa・s(150,000cps)の粘度と、を有する。
【0009】
多孔質溶解性固体構造形態の溶解性物品が提供され、物品は、プレミックスを調製する工程であって、プレミックスは界面活性剤と、水溶性ポリマーと、可塑剤と、1種以上の界面活性剤と、を含み、界面活性剤は、約0.001〜約0.45の平均エトキシレート/アルキル比率を有し、プレミックスは約20%〜約50%の固形分と、約5Pa・s(5,000cps)〜約150Pa・s(150,000cps)の粘度と、を有する、調製する工程と、気体をプレミックス中に導入することによりプレミックスを気泡化して、湿潤気泡化されたプレミックスを形成する工程と、湿潤気泡化されたプレミックスを所望の1種以上の形状に形成して、成形された湿潤プレミックスを形成する工程と、成形した湿潤プレミックスを最終含水量に乾燥させることにより溶解性物品を形成する工程と、を含むプロセスにより形成され、最終含水量は約0.1%〜約25%の水分である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の全ての実施形態において、特に別段の指定がない限り、百分率はいずれも、組成物全体の重量を基準とする。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。全ての範囲は、包括的であり結合可能である。有効数字の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に指示がない限り、全ての数量は、「約」という単語によって修飾されるものと解される。特に指示がない限り、全測定は25℃にて周囲条件下で行われたものと理解され、「周囲条件」は、圧力約1気圧の下及び約50%の相対湿度における条件を意味する。列挙される成分に関するこのような全ての重量は、活性濃度に基づいており、別段の指定がない限り、市販の物質に包含されている可能性のあるキャリアや副生成物を包含しない。
【0011】
定義
可撓性多孔質溶解性固体構造物品は、本明細書では「物品」又は「溶解性物品」と示され得る。全ての参照は、可撓性溶解性多孔質固体構造物品を意味することが意図される。
【0012】
本明細書で使用するとき、「溶解性」は、可撓性多孔質溶解性固体構造物品が、本明細書の文脈内で可溶性であると考えられる手溶解値に見合うことを意味する。
【0013】
手溶解方法:ニトリル手袋を着用している状態で、溶解性多孔質固体の実施例において特定されるような寸法を有する1つのパッド(およそ0.8グラム〜1.20グラム)を手の平に配置する。注射器を介して7.5cm3のぬるめの水道水(約30℃〜約35℃)を素早く適用する。円運動を用いて、溶解が発生するまで1度に2ストローク、手の平をこすり合わせる(30ストロークまで)。手溶解値は、完全に溶解するのに要するストローク数として、又は最大30ストロークとして記録する。
【0014】
本明細書で使用するとき、「多孔質固体構造」は、気体、典型的には乾燥プロセス中に発泡構造が崩壊しない空気などの気体を含有し、それにより物理的強度及び固体の凝集性を維持する、空隙又は気泡のネットワークを定義する固体内部結合ポリマー含有マトリックスを意味する。
【0015】
気泡壁厚及び星形体積と構造モデル指数とを介する気泡内部結合を測定するために、マイクロ計算断層撮影システム(μCT80、SN 06071200、Scanco Medical AG)を用いて直径およそ4cm、高さ3〜7mmの円板状サンプルをスキャンする。各試料を、円筒型の管の底の上に平らに位置している間に撮像する。画像取得のパラメーターは、45kVp、177μA、51.2mmの視野、集積時間800ms、1000投影である。スライスの数は、試料の高さをカバーするように調節する。再生されるデータセットは、25μmの等方性解像度を備える各2048×2048ピクセルの画像の積み重ねから構成される。データ分析には、表面領域を避けて十分に試料内に入るように対象とする体積を選択する。典型的には、対象とする体積は1028×772×98ボクセルである。
【0016】
Scanco MedicalのBone Trabecular Morphometry評価を用いて、骨梁厚さの測定について定義された方法に従って、気泡壁厚を測定する。Scancoユーザーマニュアルから引用されるような骨梁厚さの定義:骨梁厚さは、ユークリッドの(Euclidean)距離変換(EDM)を用い、それは最前面相内の任意の点から背面の最も近い点までのユークリッド距離を計算する。骨梁厚さは、EDMの極大に関連付けられる中心線の値の2倍を表し、それは物体の中心までの距離(この距離の2倍が厚さを表す)を表す。
【0017】
構造モデル指数(SMI)は、Scanco Medicalの骨梁形態計測評価を用いて閾値17で測定する。この指数で、骨梁の構造概観が数量化される(T.Hildebrand,P.Ruegsegger.Quantification of bone microarchitecture with the structure model index.Comp Meth Biomech Biomed Eng 1997;1:15〜23を参照されたい)。三角表面は極く僅かに正常方向に拡張され、かつ新しい骨表面及び体積が計算される。これにより、骨表面の誘導体(dBS/dr)を決定する。次いでSMIは以下の等式によって表される。
【0018】
【数1】

【0019】
SMIは、モデルタイプに対する構造物の凸性に関連する。理想的な(平らな)プレートは、0のSMI(プレートの拡張を備える表面変化が全く無い)を有するのに対して、理想的な円筒型の棒は3のSMI(棒の拡張を備える表面の線形増加)を有する。丸い球体は4のSMIを有する。凹性構造物は、負のdBS/drを提示し、その結果負のSMI値をもたらす。対象とする体積のエッジに理論上存在する境界は、計算には含まれず、したがって削除される。
【0020】
Scanco医療分析に加えて、星形体積測定を行う。星形体積は、二相構造物内の空隙の開放度の測定である。対象とする相(本発明の場合、これは背面である)においてランダムに均一に分配した点のセットを選択することにより、これらの点それぞれからランダムな方向に線を延ばすことができる。それらの線が最前面相に触れるまで延ばす。次いでそれらの各線の長さを記録する。それらのランダムな点を、各方向毎に(x/y/z)に10点サンプリングし、各点で10の角度をランダムに選択する。線が対象とするのROIの境界にまで伸びた場合には、その線は棄却される(表面相と実際に交差する線を受け入れたいだけである)。最終等式は、Star volume in bone research.A histomorphometric analysis of trabecular bone structure using vertical sections;Vesterby,A.;Anat Rec.;1993 Feb;235(2):325〜334で発表された研究に基づく。
【0021】
【数2】

式中、「dist」は個々の距離であり、Nは評価された線の数である。
【0022】
開放気泡含有百分率は、ガス比重びん法を通して測定される。ガス比重びん法は、体積を正確に測定するガス置換法を用いる一般的な分析技術である。置換媒体としてヘリウム又は窒素のような不活性ガスを使用する。試料を既知の体積の計器コンパートメント内に密閉し、適切な不活性ガスを入れ、次に別の精密な内部体積へと拡張する。拡張前後の圧力を測定し、試料体積を計算するのに使用する。この体積を試料重量で割って、気体置換密度を得る。
【0023】
ASTM標準試験方法D2856は、気体比重びん(Air Comparison Pycnometer)の古いモデルを用いて開放気泡の割合を決定する手順を提供する。この装置はもはや製造されていない。しかしながら、MicromeriticsのAccuPyc比重びんを用いるテストを実施することにより便利にかつ精密に開放気泡百分率を決定することができる。ASTM手順D2856は、発泡材料の開放気泡の割合を決定するための5つの方法(A、B、C、D及びE)を説明する。
【0024】
これらの実験のために、窒素ガスを用い、Accupyc 1340を使用して、ASTM foampycソフトウェアにより、試料を分析することができる。ASTM手順書の方法Cは、開放気泡百分率を計算するために使われるべきである。この方法は、キャリパー及び標準体積計算を用いて決定される幾何学量を、Accupycによって決定される純粋体積と単純に比較する。これらの測定は、Micromeretics Analytical Services,Inc.(One Micromeritics Dr,Suite 200,Norcross,GA 30093)により行うことを薦める。この技術に関するより多くの情報は、Micromeretics Analytical Servicesのウェブサイト(www.particletesting.com or www.micromeritics.com)上で入手可能であり、あるいはClyde Orr及びPaul Webbによる本「Analytical Methods in Fine particle Technology」に公開されている。
【0025】
比表面積は、ガス吸着技術を通して測定される。表面積は、分子規模の固体試料の露出した表面の測定値である。BET(Brunauer,Emmet and Teller)理論は、表面積を決定するのに用いられる最もよく知られているモデルであり、ガス吸着等温線に基づいている。ガス吸着は、物理的な吸着及び毛管凝縮を用いてガス吸着等温線を測定する。この技術は、以下の工程によって要約される。試料を試料管に入れ、真空下又は流れるガス下で熱して試料の表面上の汚染物を除去する。試料重量は、脱ガスされた試料+試料管の重量−空の試料管重量により得られる。次に試料管を分析ポート上に置き、分析をスタートする。この分析方法の最初の工程は、試料管の排気であり、次に液体窒素温度でヘリウムガスを用いて試料管内の空き空間体積を測定する。次に試料に2度目の排気をし、ヘリウムガスを除去する。計器は次に、要求される圧力測定値が達成されるまで、ユーザーが特定する間隔でクリプトンガスを投与することによって吸着等温線を収集し始める。
【0026】
試料調製(脱ガス):吸収した汚染物質を適切に洗浄していない試料は分析中にガスを放出し、表面の一部は、測定のためのアクセスが不可能になる。脱ガスの目的は、分析に先立って試料の表面からこれらの吸着された分子を除去することである。吸着性分子は、曝露される純表面積について表面の全部分に到達しなければならない。試料を加熱すると共に同時に試料管を排気することにより、試料を調製する。
【0027】
これらの実験では、一晩室温にて排気下において、試料を脱ガスする。試料を次に、クリプトンガス吸着でASAP 2420を用いて分析することができる。クリプトンガスは液体窒素温度において窒素のおよそ1/300の飽和圧力を有する(クリプトン:0.333kPa(2.5torr);窒素:101.3kPa(760torr))ので、クリプトンガスが窒素ガスよりも好ましい。したがって、窒素と比較して、試料上の空き領域に、同一の相対圧にて約1/300の数のクリプトン分子が存在する。単層を形成するには、およそ同数のクリプトン及び窒素分子が必要なので、この数は、窒素の場合よりもはるかに大きな比率の投与量を表す。これらの測定は、Micromeretics Analytical Services,Inc.(One Micromeritics Dr,Suite 200,Norcross,GA 30093)により行うことを薦める。この技術に関するより多くの情報は、Micromeretics Analytical Servicesのウェブサイト(www.particletesting.com or www.micromeritics.com)上で入手可能であり、あるいはClyde Orr及びPaul Webbによる本「Analytical Methods in Fine particle Technology」に公開されている。
【0028】
物品の密度は、次の等式により決定される:計算密度=物品の坪量/(物品の厚さ×1,000)。物品の坪量及び厚さは、本明細書に記載の方法に従って決定される。
【0029】
溶解性多孔質固体物(すなわち基材又は試料基材)の厚さは、Mitutoyo Corporation Digital Disk Stand Micrometer Model Number IDS−1012E(Mitutoyo Corporation,965 Corporate Blvd,Aurora,IL,USA 60504)のようなミクロメーター又はすき間ゲージを用いて得られる。ミクロメーターは、直径1インチ、重さ約32グラムのプラテンを有し、約6.32gm/cm2(40.7psi)の印加圧力において厚さを測定する。
【0030】
溶解性多孔質固体物の厚さは、プラテンを引き起こし、試料基材の一部分をプラテンの真下のスタンド上に配置し、注意深くプラテンを下げて試料基材に接触させ、プラテンを離し、試料基材の厚さをミリメートル単位で数値表示装置上で測定することにより、測定する。平らでないより堅い基材の場合を除いて、厚さを可能な限り最下位の表面圧力において測定するのを確実にするために、試料基材をプラテンの全てのエッジまで十分に延ばすべきである。完全には平らでないより堅い基材に対しては、基材の平らなエッジを、基材の平らな部分上で衝突するプラテンの一部分のみを用いて測定する。
【0031】
本明細書で使用するとき、坪量は、選択される溶解性多孔質固体物の面積当たりの溶解性多孔質固体成分の重さ(グラム/m2)として計算される坪量を意味する。その面積は多孔質固体物の外側エッジに直角の平坦表面上の投影面積として計算される。平らな物体に対しては、面積は、したがって試料の外側周囲内に取り囲まれている面積に基づいて計算される。球状物体に対しては、面積は、したがって3.14×(直径/2)2として平均直径に基づいて計算される。円筒状物体に対しては、面積は、したがって直径×長さとして平均直径及び平均長さに基づいて計算される。イレギュラーな形状の3次元物体に対しては、面積は、この側面に直角に方向付けられた平坦表面上に投影される最大の外側寸法を備える側面に基づいて計算される。このことは、物体の外側寸法を1枚のグラフ用紙上で鉛筆で注意深くトレーシングし、次に2乗のおよその計数で面積を計算し、そして2乗の既知の面積を掛けるか又は尺度を含んでかつ画像分析技術を用いてトレーシングした面積(コントラストのために陰影がつけられているのが好ましい)の写真を撮ることによって達成できる。
【0032】
溶解性多孔質固体物の密度は、次の等式によって決定される:計算濃度=多孔質固体物の坪量/(多孔質固体物の厚さ×1,000)。溶解性多孔質固体物の坪量及び厚さは、本明細書に記載の方法に従って決定される。
【0033】
以下の方法により走査型電子顕微鏡(SEM)撮像を行う:清潔なかみそりの刃でスポンジから代表的な切片を切り出し、低温SEM台に切断面を上にして取り付ける。炭素テープ及び銀塗料で試料を台に固定する。Gatan Alto 2500 cryo stageを取り付けたHitachi S−4700 FE−SEMを用いて試料を撮像する。顕微鏡での撮像前に、試料を−95℃に冷却する。試料を白金で軽くコーティングして、荷電を低減する。下部二次電子検出器を用いて、2kV、20μA引出電圧、超高解像モードにて代表的な像を回収する。長作動距離を使用して、試料全体が1つのフレームにて撮像されるようにする。
【0034】
溶解性物品
本発明者らは、便利にかつ迅速に消費者の手の平で溶解して、液体生成物を生じることができる溶解性物品を調製できることを見出した。いったん溶解すると、この製品は、従来の液体製品と同様に使用することができ、すなわち、皮膚及び/又は毛髪に適用することができる。このような溶解性物品は今や今日の液体製品に等しい泡を送達できることが判明している。
【0035】
この溶解性物品は、約1〜約30ストローク、1つの実施形態においては約2〜約25ストローク、別の実施形態においては約3〜約20ストローク、更に別の実施形態においては約4〜約15ストロークの手溶解値を有する。
【0036】
この溶解性物品は、最大気泡壁厚を有する。その物品は、約0.02mm〜約0.012mm、1つの実施形態においては約0.025mm〜約0.010mm、別の実施形態においては約0.03〜約0.08mm、更に別の実施形態においては約0.035mm〜約0.06mmの気泡壁厚を有する。
【0037】
この溶解性物品の気泡間内部結合は最低レベルであり、これは星形体積、構造モデル指数(SMI)及び開放気泡含有百分率のいずれによっても定量化される。この物品は、約1mm3〜約90mm3、1つの実施形態においては約2mm3〜約70mm3、別の実施形態においては約3mm3〜約50mm3、更に別の実施形態においては約4mm3〜約30mm3の星形体積を有する。この溶解性物品は、約0.0〜約3.0、1つの実施形態においては約1.0〜約2.95、別の実施形態においては約1.5〜約2.90の負でない構造モデル指数を有する。この溶解性物品は、約80%〜100%、1つの実施形態においては約85%〜約97.5%、別の実施形態においては約90%〜約95%の開放気泡含有百分率を有する。
【0038】
この溶解性物品はまた、最小比表面積を有する。この溶解性物品は、約0.03m2/g〜約0.20m2/g、1つの実施形態においては約0.035m2/g〜約0.18m2/g、別の実施形態においては約0.04m2/g〜約0.16m2/g、更に別の実施形態においては約0.045m2/g〜約0.14m2/gの比表面積を有する。
【0039】
1つの実施形態においては、この溶解性物品は、パッド、ストリップ又はテープの形態をした平らな可撓性基材であり、以下の手法によって計測されるように、約0.5mm〜約10mm、1つの実施形態においては約1mm〜約9mm、別の実施形態においては約2mm〜約8mm、更に別の実施形態においては約3mm〜約7mmの厚さを有する。パッド又はストリップに対して、第3次元以上を備える円筒状、球状、又は他の物体の場合は、厚さは、最短寸法の最大距離、つまり、例えば球状又は円筒状の直径、として取られ、厚さの範囲は上述と同じである。
【0040】
この溶解性物品は、約125グラム/m2〜約3,000グラム/m2、1つの実施形態においては約200グラム/m2〜約2,500グラム/m2、別の実施形態においては約300グラム/m2〜約2,000グラム/m2、更に別の実施形態においては約400グラム/m2〜約1,500グラム/m2の坪量を有する。
【0041】
この溶解性物品は、約0.15g/cm3〜約0.50g/cm3、別の実施形態においては約0.20g/cm3〜約0.45g/cm3、更に別の実施形態においては約0.25g/cm3〜約0.40g/cm3、更に別の実施形態においては約0.30g/cm3〜約0.35g/cm3の湿潤密度を有する。
【0042】
この溶解性物品は、約0.05g/cm3〜約0.40g/cm3、別の実施形態においては約0.08g/cm3〜約0.30g/cm3、更に別の実施形態においては約0.10g/cm3〜約0.25g/cm3、更に別の実施形態においては約0.12g/cm3〜約0.20g/cm3の乾燥密度を有する。
【0043】
消費者は、特定の量の起泡性能を送達するパーソナルケア製品を所望する。液体パーソナルケア製品において使用される同一の界面活性剤系が溶解性物品に含まれるとき、溶解性物品は劣った起泡性能しか送達しない(表1を参照されたい)。表1に示されるように、液体シャンプーと溶解性物品の両方は、同一の界面活性剤及び同一の比率を含む。更に、溶解性物品はより低い投与量で毛髪に適用され、その結果、両方の製品(溶解性物品及び液体シャンプー)は、毛髪に同一の界面活性剤投与量(0.14グラムの界面活性剤)を送達する。しかしながら、毛髪泡体積により示されるように、溶解性物品は、液体シャンプーと比較しておよそ67%の泡体積しか送達しない。表1においては、界面活性剤は以下のように、ラウレス−3硫酸アンモニウムはC12E3Sとして、ラウリル硫酸アンモニウムはC12Sとして、コカミドモノエタノールアミンはCMEAとして、セチルアルコールはセチルアルコールとして表記される。本明細書に記載の方法により泡データを採取する。
【0044】
【表1】

【0045】
本発明の界面活性剤系では、今日の液体パーソナルケア製品に等しい、消費者にとって望ましい起泡性能を溶解性物品から送達できることが判明した。
【0046】
驚くべきことに、本界面活性剤系中のエトキシル化度により、特にエトキシルのアルキルに対する比率が低いほど、溶解性物品において高いレベルの泡を送達することが判明した。最小のエトキシル化度により、本発明の溶解性物品の消費者にとって望ましい可撓性及び柔軟性を送達することも観察された。理論に制限されるものではないが、これは、界面活性剤上のエトキシレート基と水溶性ポリマーとの間の相互作用相乗効果に起因するものであり、ポリマーの可塑化を増加させると考えられる。
【0047】
溶解性物品の起泡性能は、特定の炭素鎖長を選択することにより、特にC9〜C11/C12〜C16鎖長比率を増加させることにより、更に改善することができることが判明した。
【0048】
本発明の界面活性剤系は、従来の活性剤系を含む溶解性物品よりも大きな泡体積を生じる。例えば、エトキシレートのアルキルに対する比率が約0.46である標準的な界面活性剤を有する溶解性物品は、約67%の泡体積指数を生じることができる(表2における実施例10.1を参照されたい)のに対し、エトキシレートのアルキルに対する比率が約0.11である本発明の界面活性剤系を含む溶解性物品は、87%の泡体積指数を生じることができる(表2における実施例14.1を参照されたい)。追加的に、より高い密度の物品について更なる実施例が表3において提供される。エトキシレートのアルキルに対する比率が約0.46である実施例10.2を、エトキシレートのアルキルに対する比率が約0.11である実施例14.2と対比して参照されたい。より高いC9〜C11/C12〜16鎖長比率から生じる泡の改善を確認することもできる。例えば、エトキシレートのアルキルに対する比率が約0.46であり、C9〜C11/C12〜16比率が約0.02である標準的な界面活性剤を有する溶解性物品は、約67%の泡体積指数を生じることができる(表2における実施例10.1を参照されたい)のに対し、エトキシレートのアルキルに対する比率が約0.48であり、C9〜C11/C12〜16比率が約0.17である界面活性剤を含む溶解性物品は、79%の泡体積指数を生じることができる(表2における実施例12.1を参照されたい)。追加的に、より高い密度の物品について更なる実施例が表3において提供される。エトキシレートのアルキルに対する比率が0.48であり、C9〜C11/C12〜16比率が約0.17である実施例10.2を、エトキシレートのアルキルに対する比率が0.48であり、C9〜C11/C12〜16比率が約0.17である実施例12.2と対比して参照されたい。エトキシレートのアルキルに対する比率が0.18と低く、C9〜C11/C12〜16比率が0.83と高い本発明の界面活性剤系を含む溶解性物品が約95%の泡体積指数を生じることができる(表2の実施例15.1を参照されたい)ことを確認することもできる。追加的に、より高い密度を有する溶解性物品を示す更なる実施例が表3において提供される。一例(表3における実施例15.2を参照されたい)の界面活性剤では、エトキシレートのアルキルに対する比率は0.18であり、C9〜C11/C12〜C16比率は0.83である。この実施例(15.2)は、約103%の泡体積指数を生じる。
【0049】
【表2】

1.残留含水量を5%とみなして計算された、乾燥固体物中の界面活性剤の重量%。
【0050】
【表3】

1 残留含水量を5%とみなして計算された、乾燥固体物中の界面活性剤の重量%
【0051】
界面活性剤系
本発明の溶解性物品は、組成物全体の約23重量%〜約75重量%の界面活性剤を含む。別の実施形態においては、本溶解性物品は、組成物全体の約50重量%〜約70重量%の界面活性剤を含む。1つの実施形態においては、本発明の界面活性剤系はエトキシレートのアルキルに対する比率が低く、別の実施形態においては、本発明の界面活性剤系はエトキシレートのアルキルに対する比率が低く、C9〜C11/C12〜C16鎖長比率が高い。
【0052】
エトキシル化度
本発明のエトキシレートのアルキルに対する比率は、約0.001〜0.45のエトキシレートであり、1つの実施形態においては、エトキシレートのアルキルに対する比率は約0.025〜約0.40であり、別の実施形態においてはエトキシレートのアルキルに対する比率は約0.05〜約0.35であり、更に別の実施形態においてはエトキシレートのアルキルに対する比率は約0.075〜約0.30であり、更に別の実施形態においてはエトキシレートのアルキルに対する比率は約0.10〜約0.25である。
【0053】
エトキシレートのアルキルに対する比率は、以下のように計算する。各界面活性剤について、質量分析法などの好適な分析技術により決定できる、測定した平均鎖長及びエトキシル化平均モルに基づき、平均分子量を計算する。分子のエトキシル化部分の分子量(上記エトキシル化平均モルに基づく)を総平均分子量で除算することにより、平均エトキシレート重量%を各界面活性剤について計算する。同様に、分子のアルキル部分の分子量(上記平均鎖長に基づく)を総平均分子量で除算することにより、平均アルキル重量%を各界面活性剤について計算する。各界面活性剤についての平均鎖長及びエトキシル化平均モルの例示の計算については実施例1を参照されたい。各界面活性剤の平均分子量、エトキシレート重量%及びアルキル重量%の例示の計算については実施例1を参照されたい。各界面活性剤についてのこれらのエトキシレート重量%及びアルキル重量%の計算値に各界面活性剤の組成物中の総重量百分率を乗じ、組成物内に存在するあらゆる界面活性剤についての値を合計することにより、エトキシレート及びアルキルの組成%を計算する。次に、エトキシレートの全体組成%値をアルキルの全体組成%値により除算することにより、エトキシレート/アルキルの組成比率を計算する。
【0054】
炭素(アルキル)鎖長
更に、エトキシル化度と炭素鎖長の間の相乗効果を同定した。上記のようにエトキシレート/アルキル比率を低くしながら、C9〜C11/C12〜C16鎖長比率を増加させると、起泡性能が更に増加することが判明した。1つの実施形態においてはC9〜C11/C12〜C16鎖長比率は約0.10〜約0.975であり、別の実施形態においてはC9〜C11/C12〜C16鎖長比率は約0.20〜約0.95であり、別の実施形態においてはC9〜C11/C12〜C16鎖長比率は約0.30〜約0.925であり、更に別の実施形態においてはC9〜C11/C12〜C16鎖長比率は約0.40〜約0.90である。
【0055】
エトキシレート/アルキル比率は、以下のように計算する。C9〜C11の鎖長の標準化百分率を合計し、この比率に、累積計算した平均アルキル重量%を乗じることにより、各界面活性剤についてC9〜C11アルキル重量%を計算する。同様に、C12〜C16の鎖長の上記標準化百分率を合計し、この比率に、累積計算した平均アルキル重量%を乗じることにより、各界面活性剤についてC12〜C16アルキル重量%を計算する。鎖長分布は表4に見ることができ、C9〜C11重量%及びC12〜C16重量%の計算値は表5に示される。各界面活性剤についてこれらのC9〜C11アルキル重量%及びC12〜C16アルキル重量%の計算値に各界面活性剤の組成物中の総重量百分率を乗じ、次に組成物内に存在するあらゆる界面活性剤についての値を合計することにより、C9〜C11アルキル及びC12〜C16アルキルの組成%を計算する。次に、表2及び3に示されているように、C9〜C11アルキル全体組成%をC12〜C16全体組成%により除算することにより、C9〜C11/C12〜C16の組成比率を計算する。
【0056】
界面活性剤
本発明の溶解性物品は、毛髪又は皮膚での使用に好適な1種以上の界面活性剤を含むことができる。好適な界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、両性界面活性剤及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。洗浄及び起泡成分を提供することに加え、界面活性剤はまた、本発明の安定多孔質構造を提供してもよい。
【0057】
本組成物中での使用に好適なアニオン性界面活性剤としては、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートが挙げられる。これらの物質は、それぞれ式ROSO3M及びRO(C2H4O)xSO3Mを有しており、式中、Rは炭素原子数が約8〜約18個のアルキル又はアルケニルであり、xは1〜10の値を有する整数であり、Mはアンモニウムのようなカチオン、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン、ナトリウム及びカリウムのような一価金属、並びにマグネシウム及びカルシウムのような多価金属カチオンである。Rは、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの両方において、好ましくは約8〜約18個の炭素原子、より好ましくは約10〜約16個の炭素原子、更に好ましくは約11〜約14個の炭素原子を有する。アルキルエーテルサルフェートは、典型的にはエチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコールとの縮合生成物として製造される。アルコールは合成品又は脂肪(例えばココヤシ油、パーム核油、タロー)から誘導することができる。合成アルコールとしては、NEODOL 91(C9〜11アルコール)、NEODOL 23(C12〜13アルコール)、NEODOL 25(C12〜15アルコール)、NEODOL 45(C14〜15アルコール)及びNEODOL 135(C11〜C13〜C15アルコール)のようなShell Chemical Co.を介してNEODOLという商品名の下で入手可能な等級を挙げてもよい。ココヤシ油又はパーム核油から誘導させたラウリルアルコール及び直鎖アルコールが好ましい。このようなアルコールを、約0〜約10モル比、1つの実施形態においては約2〜約5モル比、別の実施形態においては約3モル比のエチレンオキシドと反応させ、例えば、アルコール1モル当たり平均3モルのエチレンオキシドを有する分子種の得られた混合物を硫酸化し、中和する。
【0058】
他の好適なアニオン性界面活性剤は、式[R1−SO3−M]に従う有機の硫酸反応生成物の水溶性塩であり、式中、R1は約8〜約24個、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルであり、Mは本明細書で上述したカチオンである。
【0059】
更に他の好適なアニオン性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化し、水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物(例えば、脂肪酸はココヤシ油又はパーム核油から誘導されたもの)であり、脂肪酸が例えばココヤシ油又はパーム核油から誘導されたメチルタウリドの脂肪酸アミドのナトリウム又はカリウム塩である。他の同様なアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、第2,486,922号、及び第2,396,278号に記載されている。
【0060】
本組成物に用いるのに好適な他のアニオン性界面活性剤は、コハク酸塩であり、その例としては、N−オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二アンモニウム、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸四ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル及びスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルが挙げられる。
【0061】
他の好適なアニオン性界面活性剤としては、約10〜約24個の炭素原子を有するオレフィンスルホネートが挙げられる。真性アルケンスルホネート、及びある割合のヒドロキシ−アルカンスルホネートに加えて、オレフィンスルホネートには、少量の他の物質、例えばアルケンジスルホネートなどを、反応条件、反応物質の比率、オレフィンストックにおける出発物質のオレフィン及び不純物の性質、並びにスルホン化プロセス中の副反応に応じて含有させることができる。このようなα−オレフィンスルホネート混合物の非限定例は、米国特許第3,332,880号に記載されている。
【0062】
本組成物で用いるのに好適な別の部類のアニオン性界面活性剤は、β−アルキルオキシアルカンスルホネートである。これらの界面活性剤は、次の式に従うものである。
【0063】
【化1】

式中、R1は約6〜約20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、R2は約1〜約3個の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、Mは上記のような水溶性のカチオンである。
【0064】
本組成物中での使用に好適な追加のアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス−1硫酸アンモニウム、ラウレス−2硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウレス−1硫酸トリエタノールアミン、ラウレス−2硫酸トリエタノールアミン、ラウレス−3硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、デシル硫酸アンモニウム、デシル硫酸ナトリウム、ウンデシル硫酸アンモニウム及びウンデシル硫酸アンモニウム並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0065】
本発明の1つの実施形態においては、1種以上の界面活性剤は、アルキルサルフェートである。1つの実施形態においては、1種以上のアルキルサルフェートは、約0.0〜約1.9のエトキシル化平均モルを有し、別の実施形態においては、1種以上のアルキルサルフェートは、約0.0〜約1.5のエトキシル化平均モルを有し、更に別の実施形態では、1種以上のアルキルサルフェートは、約0.0〜約1.0のエトキシル化平均モルを有する。1つの実施形態においては、1種以上のアルキルサルフェートは、アンモニウム対イオンを含む。アンモニウム対イオンを有するこのような界面活性剤の好適な例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−1硫酸アンモニウム、ラウレス−2硫酸アンモニウム及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0066】
1つの実施形態においては、1種以上のアニオン性界面活性剤は、以下の構造を有するアルキルサルフェートから選択される:
【0067】
【化2】

式中、R1は、平均9.0〜11.9個の炭素原子を含む置換若しくは非置換の、直鎖若しくは分枝鎖の、アルキル若しくは不飽和アルキル系からなる群から選択されるC結合一価置換基から選択され、R2は、2〜3個の炭素原子を含むC結合二価の直鎖若しくは分枝鎖アルキル系からなる群から選択され、M+は、ナトリウム、アンモニウム又はプロトン化トリエタノールアミンから選択される一価対イオンであり、xは0.0〜3.0である。1つの実施形態においては、上記構造に従う1種以上のアルキルサルフェート界面活性剤は、約0.0〜約1.9のエトキシル化平均モルを含み、別の実施形態においては、上記構造に従うアルキルサルフェート界面活性剤は、約0.0〜約1.5のエトキシル化平均モルを含み、更に別の実施形態においては、上記構造に従うアルキルサルフェート界面活性剤は、約0.0〜約1.0のエトキシル化平均モルを含む。好適な例としては、デシル硫酸アンモニウム、デシル硫酸ナトリウム、ウンデシル硫酸アンモニウム、ウンデシル硫酸ナトリウム、デシル硫酸トリエタノールアミン又はウンデシル硫酸トリエタノールアミンが挙げられる。1つの実施形態においては、本発明のアニオン性界面活性剤は、ウンデシル硫酸アンモニウムを含む。
【0068】
本発明の界面活性剤はまた、1種以上の両性界面活性剤、双極性界面活性剤及び/又はこれらの組み合わせを含んでもよい。本明細書の組成物における使用に好適な両性又は双性イオン性界面活性剤としては、ヘアケア又は他のパーソナルケア洗浄における使用が既知のものが包含される。好適な双性イオン性又は両性界面活性剤の非限定例は、米国特許第5,104,646号(Bolich Jr.ら)、同第5,106,609号(Bolich Jr.ら)に記載されている。
【0069】
本組成物に用いるのに好適な両性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記述される界面活性剤が挙げられるが、その際、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートなどのアニオン性基を含有する。このような両性界面活性剤の好適な例としては、コカミノプロピオン酸ナトリウム、コカミノジプロピオン酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、コーンアンホプロピオン酸ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ラウロアンホプロピオン酸ナトリウム、コーンアンホプロピオン酸ナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、コカミノプロピオン酸アンモニウム、コカミノジプロピオン酸アンモニウム、ココアンホ酢酸アンモニウム、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸アンモニウム、ココアンホプロピオン酸アンモニウム、コーンアンホプロピオン酸アンモニウム、ラウラミノプロピオン酸アンモニウム、ラウロアンホ酢酸アンモニウム、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸アンモニウム、ラウロアンホプロピオン酸アンモニウム、コーンアンホプロピオン酸アンモニウム、ラウリミノジプロピオン酸アンモニウム、コカミノプロピオン酸トリエタノールアミン(triethanonlamine cocaminopropionate)、コカミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ココアンホ酢酸トリエタノールアミン、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸トリエタノールアミン、ココアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、コーンアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウラミノプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウロアンホ酢酸トリエタノールアミン、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸トリエタノールアミン、ラウロアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、コーンアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウリミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ココアンホジプロピオン酸、カプロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプロアンホジプロピオン酸二ナトリウム(disodium caproamphoadipropionate)、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸二ナトリウム(disodium capryloamphodipriopionate)、ココアンホカルボキシエチルヒドロキシプロピルスルホン酸二ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ジカルボキシエチルココプロピレンジアミン二ナトリウム、ラウレス−5カルボキシアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、オレオアンホジプロピオン酸二ナトリウム、PPG−2−イソデセチ−7−カルボキシアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸、ラウロアンホジプロピオン酸、ラウリルアミノプロピルグリシン、ラウリルジエチレンジアミノグリシン及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
1つの実施形態においては、両性界面活性剤は、以下の構造に従う界面活性剤である:
【0071】
【化3】

式中、R1は、9〜15個の炭素原子を含む置換アルキル系、9〜15個の炭素原子を含む非置換アルキル系、9〜15個の炭素原子を含む直鎖アルキル系、9〜15個の炭素原子を含む分枝鎖アルキル系、及び9〜15個の炭素原子を含む不飽和アルキル系からなる群から選択されるC結合一価置換基であり、R2、R3及びR4は各々独立して、1〜3個の炭素原子を含むC結合二価直鎖アルキル系、及び1〜3個の炭素原子を含むC結合二価分枝鎖アルキル系からなる群から選択され、M+は、ナトリウム、アンモニウム及びプロトン化トリエタノールアミンからなる群から選択される一価対イオンである。好適な界面活性剤の具体例としては、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸アンモニウム、ココアンホ酢酸アンモニウム、ラウロアンホ酢酸トリエタノールアミン及びココアンホ酢酸トリエタノールアミン並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0072】
本組成物に用いるのに好適な双性イオン性界面活性剤は当該技術分野において周知であり、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記述される界面活性剤などが挙げられ、脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であることができ、その際、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性基を含有する。好適な双極性界面活性剤としては、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルジメチルアミノヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタインアミドアンホプロピオネート、ココ−ベタイン、ココ−ヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココ−スルタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
本発明の組成物は更に、本明細書に記載された洗浄性界面活性剤成分と組み合わせて用いる追加の界面活性剤を含んでもよい。好適な任意の界面活性剤には、非イオン性及びカチオン性の界面活性剤が挙げられる。毛髪ケア又はパーソナルケア製品において用いられる当該技術分野において既知のあらゆるこのような界面活性剤を、任意の追加の界面活性剤が同様に組成物の必須成分に化学的及び物理的に適合性があるか、又はさもなければ、製品性能、審美性、若しくは安定性を過度に損なわないならば、用いてよい。本組成物における任意の追加の界面活性剤の濃度は、所望の洗浄又は起泡性能、選択された任意の界面活性剤、所望の製品濃度、組成物中の他の成分の存在、及び当該技術分野において周知の他の因子によって異なってもよい。
【0074】
本組成物での使用に好適な他のアニオン性、双極性イオン性、両性又は任意の追加の界面活性剤の非限定例は、McCutcheon’s,Emulsifiers and Detergents(1989 Annual,M.C.Publishing Co.発行)、及び、米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されている。
【0075】
水溶性ポリマー(「高分子構造化剤」)
本発明は、構造化剤として機能する水溶性ポリマーを含む。本明細書で使用するとき、用語「水溶性ポリマー」は、広義に水溶性及び水分散性ポリマーの両方を含み、25℃で測定される少なくとも約0.1グラム/リットル(g/L)の水溶性を備えるポリマーとして定義される。いくつかの実施形態においては、ポリマーは、25℃で測定される約0.1グラム/リットル(g/L)〜約500グラム/リットル(g/L)の水溶性を有する(これは肉眼で等方性の又は透明の、有色又は無色の溶液の製造物を意味する)。これらの固体物を作製するためのポリマーは、人工又は天然由来でもよく、かつ化学反応の方法によって変性されてもよい。それは皮膜形成であってもよく、そうでなくてもよい。ポリマーは、生理学的に許容可能であるべきであり、つまり皮膚、粘膜、毛髪及び頭皮に適合すべきである。
【0076】
用語「水溶性ポリマー」及び「高分子構造化剤」は本明細書において互換的に使用される。更に、単数形の用語「ポリマー」が述べられる際にはいつでも、用語は1種のポリマー又は1種以上のポリマーの混合物を包含するのに十分幅広いものであることが理解されるべきである。例えば、ポリマーの混合物を使用する場合、本明細書で参照されるようなポリマーの溶解性は、各ポリマーのそれぞれの溶解性というよりは、ポリマー混合物の溶解性として参照され得る。
【0077】
本発明の1つ以上の水溶性ポリマーを、重量平均分子量が約40,000〜約500,000、1つの実施形態においては約50,000〜約400,000、更に別の実施形態においては約60,000〜約300,000、及び更に別の実施形態においては約70,000〜約200,000であるように選択する。重量平均分子量は、各ポリマー原材料の平均分子量を加算し、多孔質固体物内に存在するポリマーの総重量の重さによるそれぞれの相対的重量パーセントを掛けて計算する。
【0078】
本発明の水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリレート、カプロラクタム、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメチルアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート、ポリウレタン、ポリカルボン酸、ポリビニルアセテート、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミン、ポリエチレンイミン、マレイン酸/(アクリレート又はメタクリレート)コポリマー、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー、酢酸ビニルとクロトン酸とのコポリマー、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー、ビニルピロリドンとカプロラクタムとのコポリマー、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アニオン性、カチオン性及び両性モノマーのコポリマー、並びにこれらの組み合わせを含む合成ポリマーを挙げることができるが、それらに限定されない。
【0079】
本発明の水溶性ポリマーはまた、天然供給されるポリマーから選択されてもよく、それらには、植物起源のもの(その例には、カラヤゴム、トラガカントゴム、アラビアゴム、アセマンナン、コンニャクマンナン、アカシアゴム、ガティゴム、乳清タンパク質分離物、及び大豆タンパク質分離物;グアーガム、ローカストビーンガム、マルメロ種子、及びオオバコ種子を含む種子抽出物;カラギーナン、アルギネート、及び寒天のような海草エキス;果実エキス(ペクチン)が挙げられる)、微生物起源のもの(キサンタンガム、ジェランガム、プルラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、及びデキストランが挙げられる)、及び動物起源のもの(カゼイン、ゼラチン、ケラチン、ケラチン加水分解物、スルホン酸ケラチン、アルブミン、コラーゲン、グルテリン、グルカゴン、グルテン、ゼイン、及びシェラックが挙げられる)が挙げられる。
【0080】
変性天然ポリマーはまた、本発明において水溶性ポリマーとして有用である。好適な変性天然ポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ニトロセルロース及び他のセルロースエーテル/エステルのようなセルロース誘導体、並びにヒドロキシプロピルのようなグアー誘導体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0081】
本発明の好適な水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、デンプン及びデンプン誘導体、プルラン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。
【0082】
本発明のより好ましい水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。好適なポリビニルアルコールとしては、Celanese Corporation(Dallas,TX)から商標名Celvolで入手可能なものが挙げられ、限定するものではないが、Celvol 523、Celvol 530、Celvol 540、Celvol 518、Celvol 513、Celvol 508、Celvol 504、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適なヒドロキシプロピルメチルセルロースには、Dow Chemical Company(Midland,MI)から商標名Methocelで入手可能なものが挙げられ、限定するものではないが、Methocel E50、Methocel E15、Methocel E6、Methocel E5、Methocel E3、Methocel F50、Methocel K100、Methocel K3、Methocel A400、及び上述のヒドロキシプロピルメチルセルロースとの組み合わせを含む、これらの組み合わせが挙げられる。
【0083】
特定の実施形態においては、上述の本発明の水溶性ポリマーは、本明細書に記載の、必要とされる構造及び物理的/化学的特性を備える溶解性多孔質固体物を提供するのに役立つ限りは、必要とされる水溶性ポリマーの全体的な濃度を減少させるような量で充填剤材料として任意の単一のデンプン又はデンプンの組み合わせと混合してもよい。かかる例においては、水溶性ポリマー及びデンプンをベースとする材料の組み合わせの重量パーセントは、多孔質固体物の総重量に対して、一般に約10重量%〜約40重量%、1つの実施形態においては約12〜約30重量%、及び特定の実施形態においては約15重量%〜約25重量%の範囲である。デンプンをベースとする材料に対する水溶性ポリマーの重量比は、一般に約1:10〜約10:1、1つの実施形態においては約1:8〜約8:1、更に別の実施形態においては約1:7〜約7:1、更にまた別の実施形態においては約6:1〜約1:6の範囲であることができる。
【0084】
本発明のデンプンをベースとする材料の典型的な供給源としては、穀物、塊茎、根、豆果及び果実を挙げることができる。天然供給源としては、トウモロコシ、豆、ポテト、バナナ、大麦、小麦、米、サゴ、アマランス、タピオカ、アロールート、カンナ、サトウモロコシ、及びそれらのろう質又は高級アミラーゼ類が挙げられる。
【0085】
本発明のデンプンをベースとする材料としてはまた、当該技術分野において既知の任意の変性法を用いることによって変性される天然デンプン(例えばせん断されたデンプン又は熱的に抑制されたデンプンが挙げられる、物理的に変性したデンプンを含む)、架橋化、アセチル化、及び有機的なエステル化、ヒドロキシエチル化、及びヒドロキシプロピル化、リン酸化、及び無機的にエステル化された、カチオン性、アニオン性、非イオン性、両性及び双極性イオン性の、化学的に修飾されたデンプン並びにそれらのコハク酸塩及び置換されたコハク塩酸誘導体、酸化、酵素転換、酸加水分解、熱又は酸デキストリン化によって調製される流動性の又は薄い煮沸デンプンが挙げられる任意のデンプンから誘導される、転換製品、加熱製品及び又はせん断製品もまた本明細書では有用であり得、並びに当該技術分野において既知のα化デンプンも挙げることができる。
【0086】
可塑剤
本発明の多孔質溶解性固体物はパーソナルケア組成物での使用に好適な水溶性可塑化剤を含む。水溶性可塑化剤の非限定的な例としては、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル及びジメチコンコポリオールが挙げられる。有用なポリオールの例としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール(200〜600)、ソルビトール、マニトール、ラクチトール及び他のモノ−及び多価低分子量アルコール(例、C2〜C8アルコール)のような糖アルコール類;フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、ラクトース、及び高級フルクトースコーンシロップ固形物並びにアスコルビン酸のようなモノ、ジ−及びオリゴ糖が挙げられるが、これらに限定されない。ポリカルボン酸の例としては、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、ポリアクリル酸、及びポリマレイン酸が挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリエステルの例としては、グリセロールトリアセテート、アセチル化モノグリセリド、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレートが挙げられるが、これらに限定されない。好適なジメチコンコポリオールの例としては、PEG−12ジメチコン、PEG/PPG−18/18ジメチコン、及びPPG−12ジメチコンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の他の好適な可塑剤としては、アルキル及びアリルフタレート、ナフタレート、ラクテート(例えば、ナトリウム、アンモニウム及びカリウム塩)、sorbeth−30、尿素、乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCA)、ヒラルロネート又はヒアルロン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、変性タンパク質、L−グルタメートモノナトリウム、例えばグリコール酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸及びサリチル酸のようなα & βヒドロキシル酸、グリセリルポリメタクリレート、ポリクオタニウムなどのポリマー可塑剤、タンパク質、及び例えばグルタミン酸、アスパラギン酸、及びリジンなどのアミノ酸、水素デンプンヒドロリセート、他の低分子量エステル(例えば、C2〜C10アルコール及び酸のエステル)、並びに食品及びプラスチック業界の当業者に既知の他の任意の水溶性可塑剤、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい可塑剤としてはグリセリン及びプロピレングリコールが挙げられる。欧州特許第283165(B1)号は、プロポキシル化グリセロールなどのグリセロール誘導体が挙げられる、他の好適な可塑剤を開示している。
【0087】
任意成分
物品は、組成物に使用されると知られているか、あるいは有用であるような他の任意成分を更に含んでもよく、かかる任意材料は本明細書に記載の選択された不可欠な材料と相溶性があるか、あるいは過度に製品性能を損なわないことを条件とする。
【0088】
かかる任意成分とは、最も典型的には、化粧品での使用が認可され、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1988,1992のような参考文献に記載されている物質である。
【0089】
本明細書において任意成分として好適な乳化剤としては、モノ−及びジ−グリセリド、脂肪族アルコール、ポリグリセロールエステル、プロピレングリコールエステル、ソルビタンエステル、並びに他の既知の乳化剤、あるいは例えばケーキ及び他の焼き菓子及び菓子製品などの気泡化食品の調製時に、又は毛髪用ムースなどの化粧品の安定化時に使用されるものなどの、空気界面を安定化させるのに一般に使用される乳化剤が挙げられる。
【0090】
かかる任意成分の更なる非限定例としては、防腐剤、香料又は芳香剤、着色剤又は染料、コンディショニング剤、毛髪漂白剤、増粘剤、保湿剤、加湿剤、薬剤活性物質、ビタミン又は栄養素、日焼け止め剤、脱臭剤、知覚剤(sensates)、植物エキス、栄養素、収れん剤、化粧品粒子、吸収剤粒子、接着剤粒子、毛髪定着剤、繊維、反応型エージェント、美白剤、日焼け剤、ふけ防止剤、香料、剥離剤、酸、化粧下地、保湿剤、酵素、懸濁化剤、pH調整剤、毛髪着色剤、ヘアパーマ剤(hair perming)、顔料粒子、にきび抑制剤、抗菌剤、日焼け止め剤、日焼け剤、剥離粒子、増毛又は育毛剤、防虫剤、シェービングローション剤、共溶媒又は他の追加の溶媒、並びに類似の他の材料が挙げられる。
【0091】
製品形態
本発明の溶解性物品は、単独で、又は他のパーソナルケア成分との組み合わせにおいて使用される溶解性多孔質固体物を含む、様々な製品形態のいかなる形態でも製造することができる。溶解性多孔質固体物は、パーソナルケア組成物に使用する場合に、連続的であっても又は非連続的であってもよい。製品形態に関わらず、本発明の方法の範囲内で想到される実施形態を形成する全ての製品について重要なものは、その全てが本明細書で定義されているようなものである、固体高分子構造化剤と界面活性剤を含む有効成分との組み合わせを含む、選択され定義される溶解性多孔質固体物である。
【0092】
本発明の溶解性物品は好ましくは、使用者によって容易に操作することが可能である適当なサイズの、1つ以上の平らなシート又はパッドの形態にある。本発明の溶解性多孔質固体物は、正方形、長方形又は円盤状又は任意の他の形状であってよい。パッドは、また、穿孔及び又は切断メカニズムによって1つずつ取り出せる単独の部分を備えるテープ状ロールのディスペンサーで供給されているものを含む、連続的なストリップの形態であることができる。あるいは、本発明の溶解性多孔質固体物は、1つ以上の円筒形の物品、球形の物品、管状の物品又は任意の他の形状の物品の形態にある。本発明の溶解性多孔質固体物は、約0.5mm〜約10mmの、一実施形態においては約1mm〜約7mmの、及び更に他の実施形態においては約2mm〜約6mmの厚さ(キャリパー)を有してもよい。パッド又はストリップに対して、3次元以上を備える円筒状、球状、又は他の物品の場合は、厚さは、最短寸法の最大距離、つまり、例えば球又は円筒の直径として取られる。
【0093】
本発明の溶解性物品は、文字、ロゴ若しくは図形が挙げられる、1つ以上の非平滑な、くぼみのある、又は地形のような模様の付いた表面を含んでもよい。非平滑な基材は、好ましくはその基材の表面に起因し、その基材の最も外側の表面がその表面の他の領域に対して隆起している部分を含む。その隆起部分は、物品の形成された形状に由来し得る。例えば、物品を最初はくぼみのあるパターン又はワッフル状パターンに形成することができる。その隆起部分はまた、クレーピング工程、刷り込みコーティング、エンボスパターン、隆起部分を有する他の層への積層、から生じてよく、又は溶解性多孔質固体物基材自身の物理的形状の結果生じてもよい。非平滑化はまた、その基材を非平滑な第二の基材に積層する結果生じてもよい。
【0094】
特定の実施形態においては、本発明の溶解性物品は、多孔質固体物の中に入り込む又は中を貫通する孔若しくはチャネルで穿孔することもできる。これらの穿孔は、下層の金型、ベルトの表面又は他の非粘着性の表面から伸びる犬くぎによって、乾燥工程時に形成され得る。別の方法としては、これらの穿孔は、乾燥工程の後でピン、針又は他の鋭利な物体で多孔質固体物をつつくか又は突き刺すことによって形成することができる。好ましくは、これらの穿孔は、表面積当たりの数は大きいが、多孔質固体物の完全性又は物理的外観を犠牲にするほど数は多くない。かかる穿孔は、非穿孔化多孔質固体物と比較して、多孔質固体物の水への溶解速度を増すことが発見された。
【0095】
本発明の溶解性物品はまた、非水溶性の用具又は装置によってもたらすことができる。例えば、それらは、何らかの方法によって、アプリケーター、つまり櫛、布切れ(wrag)、棒、又は他の任意の水不溶性と考えられるアプリケーターに接着又は糊付けされ、毛髪及び/又は皮膚への適用が容易になる。更に、本溶解性多孔質固体物は、大表面積非水溶性用具、すなわち、多孔質スポンジ、パフ、平らなシートなどの表面に吸着させてもよい。後者については、本発明の溶解性物品は、薄膜又は層として吸着させてもよい。
【0096】
製品のタイプ
本発明の溶解性物品及び方法による使用のための製品タイプの実施形態の非限定的な例としては、ヘアコンディショニング基材、潤いを与える基材、他の毛髪トリートメント基材、他の皮膚又は全身トリートメント基材、髭剃り準備基材、ペットケア基材、薬剤又は他のスキンケア活性剤を含むパーソナルケア基材、潤いを与える基材、日焼け止め基材、長期にわたり皮膚に有効な成分基材(例えば、ビタミンを含む基材、アルファ−ヒドロキシ酸を含む基材など)、脱臭基材、香料を含む基材、及び同様物などが挙げられる。
【0097】
製造方法
本発明の溶解性物品は、以下を含む方法によって調製することができる:(1)界面活性剤、溶解した高分子構造化剤、可塑剤及び他の任意成分を含む加工混合物を調製する工程、(2)その混合物内にガスを導入することにより混合物を気泡化する工程、(3)湿潤気泡化混合物を所望の1つ以上の形状に形成する工程、(4)湿潤気泡化混合物を所望の最終水分含量(例えば、エネルギーを加えることにより約0.1〜約25%の水分)まで乾燥させる工程。
【0098】
加工混合物の調製
加工混合物は、一般に水、可塑剤及び他の任意成分の存在下でポリマー構造剤を溶解し、熱し、続いて冷却することにより調製する。このことは、任意の好適な熱せられたバッチ攪拌システムにより、又は単軸押出機若しくは双軸押出機若しくは熱交換器を、高せん断又は静的混合に使用する任意の好適な連続的なシステムにより達成することができる。任意の工程は、ポリマーが水、界面活性剤、可塑剤、及び成分の任意の組み合わせのプレミックス部分による段階的加工を含む他の任意成分の存在下で、最終的に溶解するように想定され得る。
【0099】
本発明の加工混合物は、乾燥前の加工混合物の重量で、約20%〜約50%の固体、1つの実施形態においては約25%〜約45%の固体、別の実施形態においては約30%〜約40%の固体を含み、かつ、約5Pa・s(5000cps)〜約150Pa・s(150,000cps)、1つの実施形態においては約7.5Pa・s(7,500cps)〜約125Pa・s(125,000cps)、別の実施形態においては約10Pa.s(10,000cps)〜約100Pa・s(100,000cps)、更に別の実施形態においては約12.5Pa・s(12,500cps)〜約75Pa・s(75,000cps)の粘度を有する。加工混合物の粘度の値は、25℃において30秒にわたって1.0レシプロカル秒(reciprocal seconds)のせん断速度で、4.0cm直径の平行プレート及び1,200マイクロメートルのギャップを備えるTA Instruments AR500 Rheometer(TA Instruments,New Castle,DEから入手可能)などの好適なレオメーターで、又は25℃において2分にわたって1.0レシプロカル秒のせん断速度で、CP−41及びCP−42スピンドルを備えるBrookfieldモデルのDV−1 PRIME Digital Viscometerなどの標準粘度計(Brookfield Engineering Laboratories,Inc.,Middleboro,MAから入手可能)で、測定することができる。固形分率含有量は、水及び低沸騰アルコールのような明らかに揮発性のいずれの物質も除く、固形分、半固形分及び液体成分の全ての総加工混合物の重量による重量パーセントの合計である。
【0100】
加工混合物の気泡化
加工混合物の気泡化は、ガスをその混合物内に導入することにより、好ましくは機械的混合エネルギーによって達成することができるが、また化学的な方法によって達成してもよい。気泡化は、任意の好適な機械的加工方法によって達成されてもよく、その方法には、(i)遊星ミキサー又は他の好適な混合容器を含む機械的混合によるバッチタンク気泡化、(ii)食品業界で使用される(加圧及び非加圧)半連続的又は連続的気泡化装置、若しくは(iii)多孔質固体物を形成するために熱を有している金型内などで圧縮され得る気泡化ビーズ又は粒子を形成するために、加工混合物をスプレー乾燥させる工程、が挙げられるが、それらに限定されない。
【0101】
特定の実施形態においては、本発明の溶解性多孔質固体物は、食品産業においてマシュマロの製造時に従来利用される半連続的及び連続的加圧気泡化装置中で調製できることが明らかにされた。好適な加圧気泡化装置としては、Morton泡たて器(Morton Machine Co.,Motherwell,Scotland)、Oakes連続自動ミキサー(E.T.Oakes Corporation(Hauppauge,New York))、Fedco連続ミキサー(Peerless Group,Sidney,Ohio)、及びPreswhip(ホソカワミクロングループ、日本、大阪市)が挙げられる。
【0102】
湿潤気泡化加工混合物の形成
湿潤気泡化加工混合物の形成は、所望の1つの形状又は複数の形状にその混合物を形成するための任意の好適な方法によって達成することができ、それらの方法には、限定するものではないが、以下の方法が挙げられる:(i)テフロン(登録商標)、金属、HDPE、ポリカーボネート、ネオプレーン、ゴム、LDPE、ガラス及び同様物を含む非干渉及び非付着性表面を備える特別に設計された金型への気泡化混合物の堆積、(ii)浅底のトレーに入っている乾燥粒状デンプン内に刻み込まれている空洞の中への気泡化混合物の堆積(菓子産業で広く利用されるデンプン成型形成技術)、並びに(iii)後でスタンプされ、カットされ、ロール上にエンボス加工され又は保管され得る、任意の非干渉又は非付着性材料テフロン(登録商標)、金属、HDPE、ポリカーボネート、ネオプレーン、ゴム、LDPE、ガラス及び同様物を備える連続的ベルト又はスクリーン上への気泡化混合物の堆積。
【0103】
形成された湿潤気泡化加工混合物の乾燥
形成された湿潤気泡化加工混合物の乾燥は、任意の好適な方法によって達成することができ、それらの方法には、限定するものではないが、以下を含む:(i)制御された温度及び圧力又は大気条件を備える部屋を含む乾燥室、(ii)制御された温度及び任意の湿度を備える非対流式又は対流式オーブンを含むオーブン、(iii)トラック/トレー乾燥機、(iv)多段式直列乾燥機、(v)衝突オーブン、(vi)回転式オーブン/乾燥機;(vii)直列焙煎機、(viii)急速高伝熱オーブン及び乾燥機;(ix)二重プレナム焙煎機、(x)コンベヤー乾燥機、(xi)マイクロ波乾燥技術、及びこれらの組み合わせ。好ましくは、凍結乾燥法を含まない任意の好適な乾燥法を使用できる。
【0104】
上述の4種の加工工程のいずれかの間に、又は乾燥工程の後でも任意成分を与えることができる。
【0105】
本発明の溶解性多孔質固体物は、化学的な発泡剤でその場のガス形成(発泡系によるCO2形成を含む、1つ以上の成分の化学反応を介する形成)によっても調製することができる。
【0106】
使用方法
本発明の溶解性物品は、毛髪及び/又は皮膚などの哺乳類ケラチン性組織を処理するのに使用することができ、かつ速やかなすすぎ能力を提供することができる。毛髪をコンディショニングする方法は、以下の工程を含んでよい:a)溶解性多孔質固体物の有効量を手に適用する工程、b)溶解性多孔質固体物を水で濡らし、かつ固体物をこすって溶解する工程、c)溶解した物質をトリートメントするために毛髪又は皮膚のいずれかに適用する工程、及びd)薄められたトリートメントを水を用いて毛髪又は皮膚からすすぐ工程。これらの工程は、所望のトリートメント効果を達成するために所望に応じて何度でも繰り返すことができる。
【0107】
適用する組成物の量、適用頻度及び使用期間は、適用目的、与えられた組成物の成分の濃度及び望まれる調整の程度により大幅に変わる。例えば、組成物を全身又は全頭髪のトリートメントに適用する時、効果的な量は、概して投与量当たり約0.5グラム〜約10グラム、好ましくは投与量当たり約0.7グラム〜約5グラム、より好ましくは投与量当たり約0.9グラム〜約3グラムの範囲である。
【実施例】
【0108】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明し、かつ、実証する。これら実施例は、例示目的のためにのみ提供され、しかも、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、それらの多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。別段の指定がない限り、例示される量は全て、全組成物の重量を基準とした濃度、すなわち、重量/重量百分率である。
【0109】
実施例1:界面活性剤のエトキシレート及びアルキルの鎖長%の計算
この実施例は、この実施例において示される界面活性剤についてのエトキシレートの重量%、アルキルの重量%、C9〜C11アルキルの重量%、C12〜C16アルキルの重量%、C9〜C11/C12〜C16の比率及びEO/アルキルの比率の計算を行う。下表に示されているように質量分析法により、アルキル鎖長及びエトキシル化度の標準化分布が決定される。
【0110】
【表4】

【0111】
【表5】

【0112】
各界面活性剤について、上記で測定された平均鎖長及びエトキシル化平均モルに基づいて、平均分子量を計算する。分子のエトキシル化部分の分子量(上記エトキシル化平均モルに基づく)を総平均分子量で除算することにより、平均エトキシレート重量%を各界面活性剤について計算する。同様に、分子のアルキル部分の分子量(上記平均鎖長に基づく)を総平均分子量で除算することにより、平均アルキル重量%を各界面活性剤について計算する。同様に、C9〜C11の鎖長の上記標準化百分率を合計し、この比率に、累積計算した平均アルキル重量%を乗じることにより、各界面活性剤についてC9〜C11アルキル重量%を計算する。同様に、C12〜C16の鎖長の上記標準化百分率を合計し、この比率に、累積計算した平均アルキル重量%を乗じることにより、各界面活性剤についてC12〜C16アルキル重量%を計算する。実施例において行われた界面活性剤についてのこれらの計算値は、以下に与える:
【0113】
【表6】

【0114】
エトキシレート重量%、アルキル重量%、C9〜C11アルキル重量%及びC12〜C16アルキル重量%の組成計算値について、組成物中の各界面活性剤の重量百分率に上記計算値を乗じ、次に合計して、各組成について全体の対応値を得る。C9〜C11の重量%をC12〜C16の重量%で除算することにより、C9〜C11/C12〜C16の組成比率を計算する。同様に、エトキシレートの重量%をアルキルの重量%で除算することにより、エトキシレート/アルキルの組成比率を計算する。
【0115】
実施例2:(比較用)小売液体毛髪シャンプー製品(Pantene Pro−V)
本発明に対する比較目的のために液体毛髪シャンプー製品を購入する。液体シャンプー製品は、Pantene Pro−V 2 in 1 Smooth & Sleekのシャンプー+コンディショナー、750mLであり、これはProcter and Gamble(Cincinnati,OH)により流通している。この製品は2008年に購入され得、ロット番号3101LCHを有する。成分は、水、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ジステアリン酸グリコール、ジメチコン、セチルアルコール、塩化ナトリウム、コカミドMEA、芳香剤、ポリクオタニウム−10、クエン酸ナトリウム、水素添加ポリデセン、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、PEG−7M、トリメチロールプロパントリカプリレート/トリカプレート、クエン酸、パンテノール、パンテニルエチルエーテル、キシレンスルホン酸アンモニウム、メチルクロロイソチアゾリノン及びメチルイソチアゾリノンを含む。この小売液体毛髪シャンプー製品は、液体組成物のおよそ18.4重量%の界面活性剤全体の濃度を有し、この界面活性剤濃度の内訳は、およそ10%のラウレス−3硫酸アンモニウム、6%のラウリル硫酸アンモニウム、1.5%のコカミドMEA及び0.9%のセチルアルコールとなっている。
【0116】
実施例3〜8:界面活性剤/ポリマー液体加工組成物
以下の界面活性剤/ポリマー液体加工組成物を、以下に記載のように示された重量百分率で調製した。液体組成はアニオン性界面活性剤のタイプにより異なる。
【0117】
【表7】

1 Superol K,USP FCC EPグリセリン、供給元:Procter & Gamble Chemicals
2 Sigma−Aldrich Catalog No.363081、分子量85,000〜124,000、87〜89%加水分解
3 0/0.3/0.9/0.5/71.5/1/20/1.9/3.9/0の推定C8/C9/C10/C11/C12/C13/C14/C15/C16/C18アルキル鎖長分布を有し、平均2.0モルのエトキシル化を受けた25%活性でのラウレス−3硫酸アンモニウム、供給元:Procter & Gamble Chemicals
4 0/0/0.6/93.6/5.1/0.7/0/0/0/0の推定C8/C9/C10/C11/C12/C13/C14/C15/C16/C18アルキル鎖長分布を有する24%活性でのウンデシル硫酸アンモニウム、供給元:Procter & Gamble Chemicals
5 0/0.3/1.3/0.5/69.6/1.1/21.8/1.2/4.2/0の推定C8/C9/C10/C11/C12/C13/C14/C15/C16/C18アルキル鎖長分布を有し、平均0.82モルのエトキシル化を受けた70%活性でのラウレス−1硫酸アンモニウム、供給元:Procter & Gamble Chemicals
6 0/0.3/1.1/0.5/70.6/1.1/20.9/1.6/4.1/0の推定C8/C9/C10/C11/C12/C13/C14/C15/C16/C18アルキル鎖長分布を有する25%活性でのラウリル硫酸アンモニウム、供給元:Procter & Gamble Chemicals
7 NINOL COMF、供給元:Stepan Company,Northfield,IL
8 CO−1694セチルアルコールNF、供給元:Procter & Gamble Chemicals
【0118】
【表8】

1 Superol K,USP FCC EPグリセリン、供給元:Procter & Gamble Chemicals
2 Sigma−Aldrich Catalog No.363081、分子量85,000〜124,000、87〜89%加水分解
3 0/0.3/0.9/0.5/71.5/1/20/1.9/3.9/0の推定C8/C9/C10/C11/C12/C13/C14/C15/C16/C18アルキル鎖長分布を有し、平均2.0モルのエトキシル化を受けた25%活性でのラウレス−3硫酸アンモニウム、供給元:Procter & Gamble Chemicals
4 0/0/0.6/93.6/5.1/0.7/0/0/0/0の推定C8/C9/C10/C11/C12/C13/C14/C15/C16/C18アルキル鎖長分布を有する24%活性でのウンデシル硫酸アンモニウム、供給元:Procter & Gamble Chemicals
5 0/0.3/1.3/0.5/69.6/1.1/21.8/1.2/4.2/0の推定C8/C9/C10/C11/C12/C13/C14/C15/C16/C18アルキル鎖長分布を有し、平均0.82モルのエトキシル化を受けた70%活性でのラウレス−1硫酸アンモニウム、供給元:Procter & Gamble Chemicals
6 0/0.3/1.1/0.5/70.6/1.1/20.9/1.6/4.1/0の推定C8/C9/C10/C11/C12/C13/C14/C15/C16/C18アルキル鎖長分布を有する25%活性でのラウリル硫酸アンモニウム、供給元:Procter & Gamble Chemicals
7 NINOL COMF、供給元:Stepan Company,Northfield,IL
8 CO−1694セチルアルコールNF、供給元:Procter & Gamble Chemicals
【0119】
従来のオーバーヘッド撹拌棒(IKA(登録商標)Works,Inc.,Wilmington,DEから入手可能なIKA(登録商標)RW20DZM Stirrer)及びホットプレート(Corning Incorporated Life Sciences,Lowell,MA)を用いて、上記組成物の各々について300グラムの目標重量を調製する。適切な寸法の洗浄した容器の中に、蒸留水及びグリセリンを加えて100〜150rpmで均質になるまで撹拌する。ポリビニルアルコールを好適な容器に計量し、目に見える塊が形成されるのを避けてスパチュラを用いて攪拌し続けながら少しずつ主混合物にゆっくりと加える。混合速度は泡の形成を最小限に抑えるように調整する。混合物をゆっくりと75〜80℃に加熱し、その後、界面活性剤を添加する。次に、混合物を攪拌し続けながら85℃に加熱し、次いで室温まで冷ます。蒸発して失われた水を埋め合わせるために更に蒸留水を添加する(容器の元々の自重に基づく)。最終的なpHは5.2〜6.6の間であり、必要であればクエン酸で調整するか又は水酸化ナトリウムで希釈する。混合物の粘度を測定し、記録する。
【0120】
実施例10〜15:異なる界面活性剤系及び密度を含む溶解性多孔質シャンプー固体物
溶解性シャンプー固体物の実施例10、11、12、13、14及び15を実施例3、4、5、6、7及び8からの界面活性剤/ポリマー液体加工溶液からそれぞれ以下に記載され、下表に要約されているように調製する。
【0121】
【表9】

1 残留含水量を5重量%とみなして計算。
【0122】
【表10】

1 残留含水量を5重量%とみなして計算。
【0123】
【表11】

1 残留含水量を5重量%とみなして計算。
【0124】
250グラムの界面活性剤/ポリマー液体加工溶液(実施例1〜7から)を5クオートのKitchenAid(登録商標)Mixer Model K5SS(Hobart Corporation,Troy,OHから入手可能)のステンレス鋼ボウルに移し、平たい泡立て取付具を取り付ける。立方センチメートル当たりおよそ0.18グラム又は立方センチメートル当たり0.22グラムの湿潤密度が達成されるまで最大速度設定10にて混合物を激しく起泡する(表に時間を記録)。既知の体積を有するカップを充填して、スパチュラを用いてカップの頂部を均一にこすり取って重さを測ることにより、密度を測定する。得られた気泡化混合物を次にスパチュラで6.5mmの深さを有する160mm×160mmの正方形のアルミニウム金型に広げ、過剰な湿潤発泡体を、角度45°に固定した大きな金属スパチュラの直線状端部を金型表面に対して一定方向にゆっくりと引くことにより除去する。アルミニウム金型を次に75℃の対流式オーブン内におよそ120分にわたって、又は、蒸発に起因する重量喪失が各金型内の元々の発泡体重量の67%〜69%になるまで、定置する。金型を室温に冷まし、ほぼ乾燥した多孔質固体物を薄いスパチュラ及びピンセットの助けを借りて金型から取り出す。
【0125】
得られた160mm×160mmの正方形パッドを、カッティングダイ及びSamco SB20切断機を用いて、各々9つの43mm×43mmの正方形(丸めた端部を有する)に切り出す(各正方形はおよそ16.9平方センチメートルの表面積を示す)。次に、得られた小さい方のパッドをジップロックの袋の中に収容する。個々の平均パッド重量及び個々の平均パッド厚さを測定する。
【0126】
本明細書に開示された任意の活性物質及び/又は組成物は、以下の米国特許出願:米国特許第61/229981号、同第61/229986号、同第61/229990号、同第61/229996号、同第61/230000号、同第61/230004号、並びに、これらに優先権を主張する任意の出版物に開示されている物品、特に家庭用ケア物品、の内部で及び/又はそれらと共に使用できることに留意すべきである。このような物品は、以下のうちの1種以上を含んでもよい:洗浄性界面活性剤、可塑剤、酵素、石鹸泡抑制剤、石鹸泡促進剤、漂白剤、漂白安定剤、キレート剤、洗浄溶媒、向水性物質、二価イオン、柔軟仕上げ添加物(例えば、第四級アンモニウム化合物)、非イオン性界面活性剤、香料及び/又は香料送達系。このような物品は、洗濯機に投入して布地を洗浄及び/又は処理すること、食器洗浄機に投入して食器を洗浄及び/又は処理すること、並びに、水に投入して布地及び/又は硬質表面を洗浄及び/又は処理すること、が挙げられるがこれらに限定されない方法において利用され得る。
【0127】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0128】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0129】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)約23%〜約75%の界面活性剤と、
(b)約10%〜約50%の水溶性ポリマーと、
(c)約1%〜約15%の可塑剤と、
を含む多孔質溶解性固体構造形態の溶解性物品であって、前記界面活性剤は約0.001〜約0.45の平均エトキシレート/アルキル比率を有し、前記物品は約0.03g/cm3〜約0.20g/cm3の密度を有する、溶解性物品。
【請求項2】
前記エトキシレート/アルキル比率が約0.025〜約0.40であり、好ましくは前記エトキシレート/アルキル比率が約0.05〜約0.35であり、より好ましくは前記エトキシレート/アルキル比率が約0.075〜約0.30であり、更に好ましくは前記エトキシレート/アルキル比率が約0.10〜約0.25である、請求項1に記載の溶解性物品。
【請求項3】
前記界面活性剤が約0.05〜約0.99のC9〜C11/C12〜C16アルキル鎖長比率を有し、好ましくは前記C9〜C11/C12〜C16アルキル鎖長比率が約0.10〜約0.975であり、より好ましくは前記C9〜C11/C12〜C16アルキル鎖長比率が約0.20〜約0.95であり、より好ましくは前記C9〜C11/C12〜C16アルキル鎖長比率が約0.30〜約0.925であり、更に好ましくは前記C9〜C11/C12〜C16アルキル鎖長比率が約0.40〜約0.90である、請求項1に記載の溶解性物品。
【請求項4】
1種以上の界面活性剤がアニオン性界面活性剤である、請求項1に記載の溶解性物品。
【請求項5】
前記アニオン性界面活性剤がアルキルサルフェートであり、好ましくは前記アルキルサルフェート界面活性剤が約0.0〜約1.9のエトキシル化平均モルを含み、より好ましくは前記アルキルサルフェート界面活性剤が約0.0〜約1.5のエトキシル化平均モルを含み、更に好ましくは前記アルキルサルフェート界面活性剤が約0.0〜約1.0のエトキシル化平均モルを含む、請求項11に記載の溶解性物品。
【請求項6】
前記アルキルサルフェートがアンモニウム対イオンを含む、請求項12に記載の溶解性物品。
【請求項7】
前記1種以上のアニオン性界面活性剤がラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−1硫酸アンモニウム、ラウレス−2硫酸アンモニウム及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは前記アニオン性界面活性剤が以下の構造に従うアルキルサルフェートであり、
【化1】

式中、R1は、平均約9〜約11.9個の炭素原子を含む置換アルキル系、約9〜約11個の炭素原子を含む非置換アルキル系、平均約9〜約11.9個の炭素原子を含む直鎖アルキル系、平均約9.0〜約11.9個の炭素原子を含む分枝鎖アルキルのアルキル系、及び、平均約9〜約11.9個の炭素原子を含む不飽和アルキル系からなる群から選択されるC結合一価置換基であり、R2は、2〜3個の炭素原子を含むC結合二価の直鎖アルキル系及び2〜3個の炭素原子を含むC結合二価の分枝鎖アルキル系からなる群から選択され、M+は、ナトリウム、アンモニウム及びトリエチルアンモニウムから選択される一価対イオンであり、xは0〜3である、請求項11に記載の溶解性物品。
【請求項8】
前記R1のC結合一価置換基が平均値約10.0〜約11.75個の炭素原子を含み、好ましくは前記R1のC結合一価置換基が平均値約10.75〜約11.25個の炭素原子を含む、請求項7に記載の溶解性物品。
【請求項9】
前記多孔質溶解性固体物が、約1mm3〜約90mm3の星形体積と負でない約0.0〜約3.0の範囲の構造モデル指数とを有することにより定義される気泡間結合性を有する、請求項1に記載の溶解性物品。
【請求項10】
前記水溶性ポリマーが、約40,000〜約500,000の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の溶解性物品。
【請求項11】
多孔質溶解性固体構造形態である溶解性物品を製造する際の使用に好適なプレミックスであって、前記プレミックスは、
(a)約3%〜約20%の水溶性ポリマーと、
(b)約0.3%〜約7%の可塑剤と、
(c)約8%〜約30%の界面活性剤と、
を含み、前記界面活性剤は約0.0〜約0.45の平均エトキシレート/アルキル比率を有し、前記プレミックスは、約20%〜約50%の固形分と、約5Pa・s(5000cps)〜約150Pa・s(150,000cps)の粘度と、を有する、プレミックス。
【請求項12】
多孔質溶解性固体構造形態の溶解性物品であって、前記物品は、
a.プレミックスを調製する工程であって、前記プレミックスは界面活性剤と、水溶性ポリマーと、可塑剤と、1種以上の界面活性剤と、を含み、前記界面活性剤は、約0.001〜約0.45の平均エトキシレート/アルキル比率を有し、前記プレミックスは約20%〜約50%の固形分と、約5Pa・s(5,000cps)〜約150Pa・s(150,000cps)の粘度と、を有する、プレミックスの調製工程と、
b.気体を前記プレミックス中に導入することにより前記プレミックスを気泡化して、湿潤気泡化されたプレミックスを形成する工程と、
c.前記湿潤気泡化されたプレミックスを所望の1種以上の形状に形成して、成形された湿潤プレミックスを形成する工程と、
d.前記成形した湿潤プレミックスを最終含水量に乾燥させることにより前記溶解性物品を形成する工程と、を含むプロセスにより形成され、前記最終含水量が約0.1%〜約25%の水分である、溶解性物品。

【公表番号】特表2012−511049(P2012−511049A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540822(P2011−540822)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/067130
【国際公開番号】WO2010/077650
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】