説明

多方向変形によってスパッタリング物品を形成する方法

複数のスパッタターゲットを形成するよう分割するのに十分な寸法を有するバルブ金属のミル成形体を製造する方法が記載される。本方法は、約100μm以下の好ましい平均粒度及び/又は組織バンドの実質的にない組織を有するミル成形体を形成するためのインゴットの多方向変形を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属のビレット、スラブ、ロッド及びスパッタターゲットに関する。より詳しくは、本発明は、スパッタターゲット及び他の物体において使用するための、複数のスラブ又はビレットに分割するのに十分な寸法を有する、均一で微細な粒度と均質なミクロ構造をもつバルブ金属を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スパッタターゲット及びスパッタターゲット材料の幾つかの観測できる特性は、バルブ金属スパッタターゲットのスパッタリング性能を向上させるのに望ましい(例えば、Michaluk,「Correlating Discrete Orientation and Grain Size to the Sputter Deposition Properties of Tantalum」,JEM,January,2000;Michaluk,Smathers,and Field,Twelfth International Conference on Texture of Materials,J.A.Szpunar(編),National Research Council of Canada,1999,1357頁を参照されたい)。微細な粒度と鋭い組織バンドの実質的にない均質なミクロ構造がこのような特性の例である。一般的には金属材料、特にはターゲット材料の粒度、粒子均一性及び組織均質性が、例えば、その参照により全体として本明細書に含まれる米国特許第6,462,339号明細書(Michalukら)に記載されている方法によって測定できる特性である。
【0003】
したがって、進行中の興味は、上記の冶金及び組織の品質を有する高純度スパッタターゲットを製造するプロセスを開発するための関連した市場にある。1つ又は複数の中間のアニーリング工程並びに1つ又は複数の洗浄工程と組み合わせた鍛造及び/又は圧延工程を含む従来の金属加工の多工程シーケンスは、好適なミル成形体を製造するのに典型的に用いられ、一般にC.Pokrossの「Controlling the Texture of Tantalum Plate」,Journal of Metals,October 1989,46−49頁;及びJ.B.Clark,R.K.Garett,Jr,T.L.Jungling,R.I.Asfahaniの「Influence of Transverse Rolling on the Microstructural and Textural Development in Pure Tantalumn」,Metallurgical Transactions A,23A,2183−91頁で記載されており、これらの文献はその参照により全体として本明細書に含まれる。微細な粒度と均質な組織を有するタンタルスパッタターゲットを製造するための多工程の鍛造、洗浄、アニーリング及び圧延プロセスの例は、その参照により全体として本明細書に含まれる米国特許第6,348,113号明細書(Michalukら)において記載されている。
【0004】
従来のスパッタターゲットの製造方法の少なくとも1つの不利な点は、製品ロット当たりのスパッタターゲットの産出量が制限されることである。限られた量のスパッタターゲットの製造には少なくとも2つの欠点がある。第一には、非常に時間と費用がかかることがある。即ち、本発明で示されるように、ターゲットの製造効率は、受け板に結合させ、続いて複数のスパッタリングターゲットアセンブリに分割するのに好適な特大のターゲットグレードのプレートの形成と同様に、同時のターゲット材料の製造によって達成することができる。もう1つの欠点は品質管理に関係している。ターゲット材料の特性に影響を及ぼす金属加工操作の変量によって、連続的に製造されるスパッタターゲットの冶金及び組織の品質が変化する場合がある。
【0005】
したがって、優れた冶金及び組織の品質を有するスパッタターゲット材料を製造しかつこのような品質を示すスパッタターゲットの製造に関連したコストを低減するための方法に関してニーズがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ、本発明の特徴は、均一で微細な粒度と組織の均質性を有しかつ複数のビレット、スラブ又はスパッタターゲットに分割するのに十分な寸法を有するバルブ金属を製造する方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の特徴は、バルブ金属インゴットの多方向変形のためのプロセスを提供することである。
【0008】
本発明の更なる特徴は、スパッタターゲットを製造するための大規模な製造プロセスを提供することである。
【0009】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の説明において部分的に記載され、この説明から部分的に明らかであるか又は本発明の実施によって知ることができる。本発明の目的及び他の利点は、この説明及び特許請求の範囲において特に指摘される構成要素及びその組み合わせによって実現及び達成されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これら及び他の利点を達成するため並びに本発明の目的に従って、本明細書で具体化されかつ概括的に記載されるように、本発明は、複数のスパッタターゲットを形成するよう分割するのに十分な寸法を有するバルブ金属材料の製造方法に関する。本方法は、約50μmよりも小さい平均粒度と組織バンドのない均一な組織とを有するミル成形体を形成するためのインゴットの多方向変形、及び任意選択で幾つかの圧延スラブ又はビレットを形成するための当該ミル成形体の分割を伴う。本方法は、第1寸法と、第1寸法に垂直な第2寸法と、第2寸法に垂直で第1及び第2寸法よりも小さい第3寸法とを有する予備成形体スラブを形成するためのインゴットの第1変形;並びに第2寸法を第3寸法よりも小さくして中間体スラブを形成するように、第3寸法を大きくしかつ第2寸法を小さくすることによる当該予備成形体スラブの第2変形を含む。本方法は、任意選択で、複数の圧延スラブを形成するための中間体スラブの分割を含む。本方法はまた、任意選択で、第1変形の後、第2変形の後、又は第1及び第2変形それぞれの後にバルブ金属のアニーリングを含む。
【0011】
さらに、本発明は、複数のスパッタターゲットを形成するよう分割するのに十分な寸法と、約100〜50μm以下の平均粒度とを有するミル成形体に関する。
【0012】
先の一般的な記載と以下の詳細な記載の両方は、例示的でかつ説明的なものでしかなく、特許請求の範囲に記載される本発明の更なる説明を提供しようとするものであると解されるべきである。
【0013】
添付図面は、本願に含まれかつその一部を構成し、本発明の種々の態様を本明細書とともに示し、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、複数のスラブ、ビレットなどを形成するよう分割するのに十分な寸法を有し、次いで、複数のスパッタターゲットに成形することができる多方向に変形されたバルブ金属を製造する方法に関する。当該バルブ金属は、優れた冶金及び組織の品質を有することができる。好ましくは、バルブ金属は、均一で微細な粒度と均質なミクロ構造を有する。例えば、バルブ金属は、約100μmよりも小さい平均粒度と(100)組織バンドの実質的にない組織とを有することができる。
【0015】
本発明による方法は、スラブ及びビレットのような複数の予備成形体を形成するよう分割するのに十分な寸法を有し、スパッタターゲットに成形することができるバルブ金属を製造することを伴う。本方法は、バルブ金属インゴットを、約250μmよりも小さい平均粒度と(100)組織バンドの実質的にない組織とを有する金属ミル成形体に多方向変形させること、及び当該ミル成形体を分割し、次いで、熱機械加工して好ましくは均一で微細な粒度と均質なミクロ構造とを有する複数のスパッタターゲットを形成することができる複数の圧延スラブ又はビレットを形成することを伴う。金属をアニーリングする任意選択の工程は、変形プロセスの様々な時点で実施することができる。
【0016】
本発明の目的のために、バルブ金属は、タンタル、ニオブ及びそれらの合金を一般に含み、さらにIVB、VB及びVIB族の金属、アルミニウム、銅、及びそれらの合金を含むこともできる。バルブ金属は、例えば、その参照により全体として本明細書に含まれる「Oxides and Oxide Films」,第1巻,94−95頁,1972,Marcel Dekker,Inc.,New YorkにおいてDiggleによって記載されている。バルブ金属は、一般的にはそれらの鉱石から抽出されて、一次金属処理装置による、例えば、米国特許第6,348,113号明細書に記載される化学還元を含むプロセスによって粉末に成形される。一次金属処理装置によって典型的に実施される更なる金属精製技術は、例えば、米国特許第6,312,642号明細書において記載されているように、金属粉末を熱凝集させること、凝集された金属粉末をゲッター材の存在下で脱酸素すること、次いで、脱酸素された金属粉末を酸浸出溶液において浸出することを含む。次いで、一次金属処理装置は、バルブ金属粉末又は溶解した供給原料を電子ビーム又は真空アーク溶解又は他の溶解技術にさらして金属インゴットを鋳造又は形成することができる。
【0017】
本発明の1つの実施態様によれば、多方向に変形されたバルブ金属は、複数のスパッタターゲット、好ましくは1つ又は複数の試験又は品質管理試料を形成するよう分割するのに十分な寸法を有する。バルブ金属は任意の形状であることができ、好ましくは実質的に長方形の形状である。好ましくは、長方形は、42インチ×84インチ、20インチ×84インチ、又は24インチ×36インチである。バルブ金属は、好ましくは約0.1〜約0.5インチ、より好ましくは約0.25〜約0.35インチの厚さを有する。
【0018】
予備成形体スラブを形成するためのインゴットの第1変形に関して、インゴットを変形させるのに任意の方法を使用することができ、好ましくは、第1変形は、インゴットを鍛造又は圧延することによって達成される。予備成形体スラブは任意の形状を有することができ、好ましくは、第1寸法、例えば、長さと、第1寸法に垂直な第2寸法、例えば、幅と、第2寸法に垂直で第1及び第2寸法よりも小さい第3寸法、例えば、厚さとを有する実質的に長方形の形状である。第1変形は、予備成形体スラブの第1寸法(長さ)がインゴットの中心線に対して平行になるよう中心線に対して垂直にインゴットを平面鍛造(flat forging)することによって達成できる。本発明の目的のために、第1変形の工程は、第1方向における変形に相当する。
【0019】
予備成形体スラブの第2変形の工程は、任意の方法によって達成することができ、好ましくは鍛造によって達成される。本発明の1つの実施態様によれば、予備成形体スラブの第2変形は、第3寸法(厚さ)を大きくし、そして第2寸法(幅)を小さくして、第2寸法を第3寸法よりも小さくし、それにより中間体スラブを形成するようにする。本発明の1つの実施態様によれば、第2変形は、第2寸法を約25〜約80%小さくすることができる。第2変形は、例えば、プレス鍛造によって達成することができる。第1寸法は、実質的に同じままであることができるか又は第2変形によって大きくすることができる。本発明の目的のために、第2変形は、第2方向におけるバルブ金属の変形に相当する。したがって、第1変形と第2変形を組み合わせた工程は、バルブ金属の多方向変形に相当する。
【0020】
図2は、本発明の1つの実施態様による圧延スラブ100を得るための、バルブ金属インゴット10、例えば、タンタル又はニオブの多方向変形の1つの実施態様を示している。バルブ金属インゴット10は、鍛造により第1変形されて、例えば(例えば、矢印によって示されるように)予備成形体スラブ20を形成することができる。この予備成形体スラブ20は、第1寸法Lと、第1寸法Lに垂直な第2寸法Wと、第2寸法Wに垂直で第1寸法L及び第2寸法Wよりも小さい第3寸法Tとを有する長方形の形状であることができる。予備成形体スラブ20は、以下により詳細に記載されるように任意選択でアニーリングすることができる。予備成形体スラブ20は側方鍛造され、例えば(例えば、矢印によって示されるように)第3寸法Tを第2寸法Wよりも大きくして中間体スラブ30を形成するようにすることができる。この中間体スラブ30は、第1寸法L1と、第1寸法L1に垂直な第2寸法W1と、第2寸法W1に垂直で第1寸法L1及び第2寸法W1よりも小さい第3寸法T1とを有する長方形の形状であることができる。第2変形においては、TをW1に変形することができ、同時にWをT1に変形することができる。圧延スラブ100は、その参照により全体として本明細書に含まれる米国特許第6,348,113号明細書(Michalukら)並びに米国特許出願公開第2003/0037847号明細書;同第2003/0019746号明細書;同第2002/0157736号明細書;同第2002/0072475号明細書;及び同第2002/002695号明細書において記載されているように、スパッタターゲットにさらに加工することができる。スパッタターゲット又はターゲットブランクは、例えば、平面又は円筒形(例えば、中空カソードマグネトロン)であることができ、さらに受け板に結合させることができる。
【0021】
別の実施態様によれば、第2変形は、好ましくはブルームミルを用いた予備成形体スラブのブルーム圧延により達成することができる。図3は、第2変形が好ましくはブルームミル25を用いた予備成形体スラブ20のブルーム圧延により達成される本発明の1つの実施態様を示している。
【0022】
本発明によるバルブ金属の多方向変形によって、約250μmよりも小さい平均粒度と(100)組織バンドの実質的にない組織とを有する中間体スラブが製造される。中間体スラブは、好ましくは約100〜約150μm、より好ましくは50μm以下の平均粒度を有する。
【0023】
本発明によるバルブ金属の多方向変形は、例えば、図1a及び1bに示される2つ以上の方向におけるスラブの横方向圧延と対比することができる。横方向圧延プロセスにおいては、金属ワークピース90が第1方向(A)に圧延され、次いで、第1方向(A)に垂直な第2方向(B)に圧延されて、長さと幅が大きくされ、最も小さい寸法(例えば、厚さ)が小さくなるようにされる。したがって、横方向圧延は、本発明の多方向変形プロセスによってもたらされる金属90のミクロ構造に対する実質的な変化を生じさせることなく、金属ワークピースを所望の厚さに平坦化するという効果を有する。本発明によるバルブ金属の多方向変形はまた、例えば、米国特許出願公開第2002/0112789号明細書において示される金属ワークピースを先の形状に復元又は実質的に復元する冗長性鍛造(redundant forging)とは異なる。
【0024】
本発明の1つの実施態様は、中間体スラブを分割して、プレートに又はスパッタターゲットを形成するのに好適な他の形状にさらに熱機械加工することができる複数の圧延スラブを形成することをさらに伴う。分割は、中間体スラブを所定の数の所定の形状の圧延スラブに分離することにより達成することができる。分割は、例えば、切断、機械加工、ウォータージェット切断、パンチプレス、プラズマ切断、炎切断、ミリング、粉砕、のこ引き、レーザー切断、ボーリング、電極放電加工、又はそれらの任意の組み合わせによって行うことができる。1つ又は複数の圧延スラブは、特に試験又は品質管理試料として使用するためにサイズ設定することができる。圧延スラブは、方位像顕微鏡(OIM)又は他の好適な技術によって測定されるように、厚さ全体を実質的に通じて約250〜約100μm、好ましくは約150〜約100μm、より好ましくは50μm以下の平均粒度を有することができる。
【0025】
本発明の1つの実施態様は、予備成形体スラブをアニーリングして少なくとも部分的な再結晶化を達成する更なる工程を含む。アニーリングは、5×10-4torr以上の真空において、予備成形体スラブを確実に回復させるか又はその再結晶化を完了するのに十分な温度及び時間で達成されることが好ましい。アニーリング温度は、他の温度を使用することもできるが、約950〜約1300℃が好ましい。アニーリング時間は、他のアニーリング時間を使用することもできるが、約1〜約8時間が好ましい。好ましくは、予備成形体スラブは、約1050℃の温度で約2時間アニーリングされる。任意選択で、予備成形体スラブをアニーリングする代わりに又はそれに加えて、中間体スラブをアニーリングすることができる。中間体スラブのアニーリングは、予備成形体スラブに関して記載されたのと実質的に同様に達成することができる。
【0026】
本発明の1つの実施態様によれば、予備成形体スラブの第2変形工程は、予備成形体を実質的にロッドの形状に形成し、さらに当該ロッドを分割して複数のビレットを形成することを含む。ロッドの分割は、上記のような任意の方法によって行うことができる。ビレットは、プレートに又はディスク、円筒若しくは種々の他の形状の他のターゲットを形成するのに好適な他のミル成形体にさらに熱機械加工するのに好適な任意の所定の長さであることができる。図4は、ロッド40を得るためのバルブ金属、例えば、タンタル又はニオブインゴットの多方向変形の1つの実施態様を示している。次に、ロッドは、米国特許第6,348,113号明細書(Michalukら)に従って、加工するのに好適なビレット50に切断することができる。任意選択で、ロッドはビレットへの切断の前にアニーリングすることができる。
【0027】
本発明の1つの実施態様は、第1寸法に対して直角に予備成形体スラブを分割して複数の中間体スラブを形成することを伴う。結果として、個々の中間体スラブは、予備成形体スラブの第1寸法よりも小さい第1寸法と、中間体スラブの第1寸法に垂直な第2寸法と、中間体スラブの第2寸法に垂直で予備成形体スラブの第1寸法及び第2寸法よりも小さい第3寸法とを有する。本方法は、中間体スラブの第1寸法を第3寸法よりも小さくし、それにより圧延スラブを形成するように、中間体スラブの第3寸法を大きくしかつ第1寸法を小さくすることによる中間体スラブの少なくとも1つの第2変形をさらに含む。第1及び第2変形工程は、インゴットの多方向変形に相当する。好ましくは、圧延スラブは、約100μm以下若しくは約50μm以下の平均粒度、及び/又は組織バンド、例えば、(100)組織バンドの実質的にない組織を有する。組織は、一次(111)若しくは一次(100)組織又は混合(111)(100)組織であることができ、これら組織のすべては、好ましくは表面上で及び/又は厚さを通して均一である。任意選択で、予備成形体スラブ、中間体スラブ又はその両方は、1回又は複数回アニーリングすることができる。
【0028】
図5は、第1寸法に対して直角に予備成形体スラブ20を分割することで、複数の中間体スラブ60が形成される本発明の実施態様を示している。結果として、個々の中間体スラブ60は、予備成形体スラブ20の第1寸法よりも小さい第1寸法と、中間体スラブ20の第1寸法に垂直な第2寸法と、中間体スラブ20の第2寸法に垂直で予備成形体スラブ20の第1寸法及び第2寸法よりも小さい第3寸法とを有する。本方法は、中間体スラブ20の第1寸法を第3寸法よりも小さくし、それにより圧延スラブ100を形成するように、中間体スラブ20の第3寸法を大きくしかつ第1寸法を小さくすることによる中間体スラブ20の少なくとも1つの第2変形をさらに含む。
【0029】
本発明の他の実施態様は、本明細書を考慮し、本明細書に開示される本発明を実施することにより当業者に明らかであろう。本明細書及び例は単に例示的なものとみなされ、本発明の真の範囲及び趣旨は、特許請求の範囲及びそれと同等なものによって示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1a】横方向圧延プロセスを示す。
【図1b】横方向圧延プロセスを示す。
【図2】本発明の1つの実施態様による多方向変形プロセスの略図である。
【図3】本発明の1つの実施態様による多方向変形プロセスの略図である。
【図4】本発明の1つの実施態様による多方向変形プロセスの略図である。
【図5】本発明の1つの実施態様による多方向変形プロセスの略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスパッタターゲットを形成するよう分割するのに十分な寸法を有する多方向に変形されたバルブ金属を製造する方法であって、
第1寸法と、第1寸法に垂直な第2寸法と、第2寸法に垂直で第1及び第2寸法よりも小さい第3寸法とを有する予備成形体スラブを形成するためのインゴットの第1変形;並びに
第2寸法を第3寸法よりも小さくして約250μmよりも小さい平均粒度を有する中間体スラブを形成するように、第3寸法を大きくしかつ第2寸法を小さくすることによる当該予備成形体スラブの第2変形
を含む、方法。
【請求項2】
前記中間体スラブを分割して複数の圧延スラブを形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中間体スラブが、組織バンドの実質的にない組織を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記予備成形体スラブをアニーリングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記中間体スラブをアニーリングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記インゴットがタンタル又はニオブである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記インゴットが、電子ビーム溶解及び鋳造により形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1変形が、鍛造、圧延又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2変形が、鍛造、圧延、ブルーム圧延又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2変形が、前記第2寸法を約25〜約80%小さくすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記圧延スラブが、約100μm以下の平均粒度を有する、請求項2に記載の方法によって形成された圧延スラブ。
【請求項12】
前記圧延スラブが、約50μm以下の平均粒度を有する、請求項2に記載の方法によって形成された圧延スラブ。
【請求項13】
複数のスパッタターゲットを形成するよう分割するのに十分な寸法を有する多方向に変形されたバルブ金属を製造する方法であって、
第1寸法と、第1寸法に垂直な第2寸法と、第2寸法に垂直で第1及び第2寸法よりも小さい第3寸法とを有する予備成形体スラブを形成するためのインゴットの第1変形;
約250μmよりも小さい平均粒度を有するロッドを形成するための当該予備成形体スラブの第2変形;並びに
複数のビレットを形成するための当該ロッドの分割
を含む、方法。
【請求項14】
前記ロッドが、組織バンドの実質的にない組織を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記予備成形体スラブをアニーリングすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ロッドをアニーリングすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記インゴットがタンタル又はニオブである、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記インゴットが、電子ビーム溶解及び鋳造により形成される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1変形と前記第2変形が、鍛造、圧延又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記ビレットが、約100μm以下の平均粒度を有する、請求項13に記載の方法によって形成されたビレット。
【請求項21】
前記ビレットが、約50μm以下の平均粒度を有する、請求項13に記載の方法によって形成されたビレット。
【請求項22】
複数のスパッタターゲットを形成するよう分割するのに十分な寸法を有する多方向に変形されたバルブ金属を製造する方法であって、
第1寸法と、第1寸法に垂直な第2寸法と、第2寸法に垂直で第1及び第2寸法よりも小さい第3寸法とを有する予備成形体スラブを形成するためのインゴットの第1変形;
当該予備成形体スラブを第1寸法に対して直角に分割して複数の中間体スラブを形成するための予備成形体スラブの分割であって、それぞれの中間体スラブが、予備成形体スラブの第1寸法よりも小さい第1寸法と、中間体スラブの第1寸法に垂直な第2寸法と、中間体スラブの第2寸法に垂直で予備成形体スラブの第1寸法及び第2寸法よりも小さい第3寸法とを有する、予備成形体スラブの分割;並びに
少なくとも1つの中間体スラブの第1寸法を、当該少なくとも1つの中間体スラブの第3寸法よりも小さくして約250μmよりも小さい平均粒度を有する圧延スラブを形成するように、少なくとも1つの中間体スラブの第3寸法を大きくしかつ少なくとも1つの中間体スラブの第1寸法を小さくすることによる中間体スラブの少なくとも1つの第2変形
を含む、方法。
【請求項23】
前記圧延スラブが、組織バンドの実質的にない組織を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記予備成形体スラブをアニーリングすることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記中間体スラブの少なくとも1つをアニーリングすることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記インゴットがタンタル又はニオブである、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記インゴットが、電子ビーム溶解及び鋳造により形成される、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記第1変形と前記第2変形が、鍛造、圧延又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記第2変形が、前記中間体スラブの第1寸法を約25〜約80%小さくすることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記圧延スラブが、約100μm以下の平均粒度を有する、請求項22に記載の方法によって形成された圧延スラブ。
【請求項31】
前記圧延スラブが、約50μm以下の平均粒度を有する、請求項22に記載の方法によって形成された圧延スラブ。
【請求項32】
前記中間体スラブが、厚さを通して均一な組織を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記中間体スラブが、表面上に及び/又は厚さを通して、一次(111)、一次(100)又は混合(111)(100)組織を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記ロッドが、厚さを通して均一な組織を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項35】
前記ロッドが、表面上に及び/又は厚さを通して、一次(111)、一次(100)又は混合(111)(100)組織を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項36】
前記圧延スラブが、厚さを通して均一な組織を有する、請求項22に記載の方法。
【請求項37】
前記圧延スラブが、表面上に及び/又は厚さを通して、一次(111)、一次(100)又は混合(111)(100)組織を有する、請求項22に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−516352(P2007−516352A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533580(P2006−533580)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/017972
【国際公開番号】WO2004/111295
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(391010758)キャボット コーポレイション (164)
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
【Fターム(参考)】