説明

多機能ガスケット

【課題】透孔端面での絶縁性材料による被覆が完全になされ且つガスケットとしての適性を備えた多機能ガスケットを提供する。
【解決手段】被シール空所部5a、5bを含む2物体5、6間に介在して該空所部5a、5bを密封すると共に内部の状態情報が必要な空所部5aの電気的情報を取り出し得るよう機能する多機能ガスケット1であって、前記空所部5a、5bに対応する透孔が予め穿設された導電性金属基板11を、ポリアミドイミド樹脂とポリテトラフルオロエチレン樹脂との混合物からなる絶縁性塗膜12で被覆してなり、上記内部の状態情報が必要な空所部5a以外の空所部5bに対応する導電性金属基板の透孔の端面11aは予め曲面加工がなされた上で上記塗膜での被覆がなされ、内部の状態情報が必要な空所部5aに対応する導電性金属基板11の透孔の端面11bは該空所部5a内に露出するよう上記塗膜での被覆がされていないことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車用エンジンのシリンダヘッドとシリンダブロックとの間をガスシールするために挟装されるガスケットであって、更にエンジンの燃焼室内の燃焼状態を検出するイオンセンサ機能等をも備えた多機能ガスケットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用エンジン等にいて、導電性金属基板を絶縁層で被覆し、これをシリンダヘッドとシリンダブロックとに挟装させてガスシールすると共に検知体である導電性金属基板の先端電極部を燃焼室内に臨ませ、その先端電極部と、接地電極としてのシリンダヘッド或いはシリンダブロック等との間に電位をかけて、先端電極部に火炎が到達した瞬間の電流変化を計測することにより燃焼室の燃焼状態を検出するイオンセンサ機能をも備えたシリンダヘッドガスケットが開発され実用化されている。
【0003】
上記シリンダヘッドガスケットの製造においては、導電性金属基板の両面に絶縁性材料をコーティングした後、エンジンの構造上必要な各種透孔を打抜き形成する。シリンダヘッドガスケットには、エンジンの構造に応じて、シリンダボア(燃焼室)、冷却媒体流通路、締結用ボルト孔或いは位置決めピン用穴に対応する各種透孔が必要とされるが、冷却媒体流通路、締結用ボルト孔或いは位置決めピン用穴に対応する透孔では、その端面で導電性金属基板が露出していると、この部分で冷却媒体やボルト或いはピンに接して電気的な漏洩が生じ、正確な電気的情報が得られなくなる。そこで、上記打抜きの後、上記透孔の端面にはスプレーにより、絶縁性材料を塗布する処置がなされる。
【0004】
また、上記絶縁性材料としては、樹脂材料や有機或いは無機の繊維を混練したゴム材等が用いられているが、これらは絶縁性、シール性或いは耐圧縮強度に優れるものの、潤滑性や耐摩耗性にやや難点がある。特に、シリンダヘッドガスケットの場合、燃焼室内の衝撃に伴うシリンダヘッドとシリンダブロックとの相互の滑りを許容するような潤滑特性を有していることが望ましく、このような観点からは、上記絶縁性材料としての特性上の不十分さは否めなかった。特許文献1には、シリンダヘッドガスケットではないが、耐熱性、非粘着性が要求される食品調理用器具として好適な耐熱非粘着鋼板が開示されている、
【特許文献1】特開平10−264295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
然るに、打抜きによってバリ等が打抜き端面に不可避的に生じるが、上記スプレーにより透孔の端面に絶縁性材料を塗布する処置においては、このバリ等の先端の先鋭部分で塗膜がはじけ塗着がなされないことが多い。その為、この部分での電気的漏洩があり、イオンセンサとしての機能が十分になされないことがあった。また、特許文献1に開示された耐熱非粘着鋼板は、シリンダヘッドガスケットへの応用を意図するものではなく、シリンダヘッドガスケットとしての適性は未知であった。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたもので、透孔端面での絶縁性材料による被覆が完全になされ且つガスケットとしての適性を備えた多機能ガスケットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係る多機能ガスケットは、被シール空所部を含む2物体間に介在して該空所部を密封すると共に内部の状態情報が必要な空所部の電気的情報を取り出し得るよう機能する多機能ガスケットであって、前記空所部に対応する透孔が予め穿設された導電性金属基板を、ポリアミドイミド樹脂とポリテトラフルオロエチレン樹脂との混合物からなる絶縁性塗膜で被覆してなり、上記内部の状態情報が必要な空所部以外の空所部に対応する導電性金属基板の透孔の端面は予め曲面加工がなされた上で上記塗膜での被覆がなされ、内部の状態情報が必要な空所部に対応する導電性金属基板の透孔の端面は該空所部内に露出するよう上記塗膜での被覆がされていないことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、上記2物体が、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドであり、上記内部の状態情報が必要な空所部がエンジンの燃焼室であり、内部の状態情報が必要な空所部以外の空所部が冷却媒体の流通路、ボルト或いは位置決めピン用孔であることを特徴とする。そして、この場合の本発明の多機能ガスケットは、請求項3の発明のように、上記導電性金属基板の燃焼室内に臨む端面がイオン電流検知電極とされ、一方導電性金属基板のエンジン外側部に導出された部分がイオン電流導出電極とされ、該導電性金属基板が燃焼室内の燃焼特性を電気的情報として検出するイオンセンサとして用いられるものとすることができる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1〜3の発明に係る多機能ガスケットによれば、内部の状態情報が必要な空所部以外の空所部に対応する導電性金属基板の透孔の端面は予め曲面加工がなされた上で上記塗膜での被覆がなされたものであるから、この部分では塗膜がはじけることなく塗着し完全に被覆されて絶縁がなされる。従って、イオンセンサ付ガスケット等として使用した場合、この部分からの電気的漏洩がなく、信頼性の高い電気的情報が得られる。また、ポリアミドイミド樹脂とポリテトラフルオロエチレン樹脂との混合物からなる絶縁性塗膜で被覆されて絶縁層が形成されるから、絶縁性に優れることに加え、潤滑性、耐熱性、耐圧縮強度及び耐摩耗性に優れる。特に、絶縁層はポリテトラフルオロエチレン樹脂を含み、該樹脂がバインダーとしてのポリアミドイミド樹脂に担持された状態となるから、その潤滑性、耐熱性とポリアミドイミド樹脂の耐圧縮強度及び耐摩耗性とが相乗して、自動車用エンジンのシリンヘッドガスケットとしての適性が非常に優れたものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明の最良の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の多機能ガスケットを自動車用エンジンのシリンダヘッドガスケットに適用した例の平面図、図2は図1におけるX−X線部の拡大断面図、図3は本シリンダヘッドガスケットをイオンセンサ付ガスケットとして組込んだ自動車用エンジンの要部の縦断面図、図4は導電性金属基板の加工の要領を概略的に示す図である。
【実施例】
【0011】
図1に示すシリンダヘッドガスケット(イオンセンサ付ガスケット)1は、3気筒(或いは6気筒の片側)の自動車用エンジンのシリンダブロック及びシリンダヘッドの間に介装されるものであり、3個のシリンダボア用透孔2…と、その周囲の複数の冷却媒体(水、油、不凍液等)用透孔3…と、複数の締結ボルト用透孔4…とが、シリンダブロック及びシリンダヘッドの構造に応じて形成されている。尚、図では省略したが、シリンダブロック及びシリンダヘッドの位置決めピンが設けられる場合にはそれに対応する透孔が形成されるべきことは言うまでもない。
【0012】
図2に示すように、イオンセンサ付ガスケット1は、後記するように所定の透孔が穿設された導電性金属基板11をポリアミドイミド樹脂とポリテトラフルオロエチレン樹脂との混合物からなる絶縁性塗膜で被覆して絶縁層12を形成してなるものである。このイオンセンサ付ガスケット1の製造方法を略述すれば、ステンレス鋼、銅板、アルミニウム板等の導電性金属基板11に上記シリンダボア用透孔2…、冷却媒体用透孔3…及び締結ボルト用透孔4…に対応する透孔を打抜きプレスにて形成する。図4(a)に示すように打抜かれた透孔の端面部11aには、バリやカエリが生じ、このまま塗装(コーティングも含む)すると、その先鋭部分で塗料(コーティング剤も含む)がはじかれ塗膜での被覆がなされなくなる。そこで、端面部11aに、ブラスト、酸洗い或いはプレス(面押し)等の処置を施し、図4(b)に示すように、曲面加工がなされる。
【0013】
上記のように打抜き等の加工がなされた導電性金属基板11を、ポリアミドイミド樹脂とポリテトラフルオロエチレン樹脂との混合物溶液に浸漬し、或いはこの混合物溶液をスプレーにて塗布し、乾燥・加熱して固化させ、導電性金属基板11の全体を絶縁性塗膜で被覆した絶縁層12を形成する。この時、上記のようにバリ等を有する端面部11aは事前に曲面加工されているから、この部分での塗料(同上)のはじきがなく、均一に被覆される。また、シリンダボア用透孔2に臨む導電性金属基板11の端部11bは、その周囲の絶縁層12を剥離してイオン電流検知電極とされる。更に、導電性金属基板11の周辺部に突片11cが延出されこの周囲の絶縁層12も剥離されてイオン電流導出電極とされる。斯くしてイオンセンサ付ガスケット1が完成する。
【0014】
図3は、上記のようなイオンセンサ付ガスケット1を組込んだ自動車用エンジンEを示し、シリンダブロック5の上にイオンセンサ付ガスケット(シリンダヘッドガスケット)1を配し、これを挟装するようにシリンダヘッド6を載置してボルト(不図示)により締付け組立てられる。7はシリンダブロック5のシリンダボア5a内を上下往復動するピストンであり、このピストン7の上端とシリンダヘッド6の下面とで形成される空間が燃焼室(空所部)8である。5bはシリンダブロック2に掘設形成された冷却媒体流通孔(空所部)であり、シリンダブロック5の上端面で開口している。この冷却媒体流通孔5bには、水、不凍液、油等が供給され流通される。
【0015】
6aはシリンダヘッド6に形成された冷却媒体流通孔(空所部)であり、この冷却媒体流通孔6aは、シリンダブロック5の冷却媒体流通孔5bと連通するものであることを示している。シリンダブロック5びシリンダヘッド6間で冷却媒体流通孔5b、6aが互いに連通している場合は、冷却媒体がシリンダブロック5及びシリンダヘッド6間で流通しながら循環する。シリンダブロック5とシリンダヘッド6との対向面には、イオンセンサ付ガスケット1が挟装され、これにより燃焼室8内の燃焼ガスが外部に漏出しないよう完全にシールされる。また、絶縁層12は、ポリアミドイミド樹脂とポリテトラフルオロエチレン樹脂との混合物からなる絶縁性塗膜によりなるから、このシール性に加え、潤滑性、耐熱性、耐圧縮性、耐磨耗性も付与され、シリンダヘッドガスケットとしての適性が向上する。特に、潤滑性は燃焼室8の衝撃によるシリンダブロック5とシリンダヘッド6との滑りを許容し、それに順応するよう機能させるもので、その特性はエンジンにとって特筆されるものである。
【0016】
イオンセンサ付ガスケット1は、上記のように構成され、シリンダボア5a、冷却媒体流通孔5b及び冷却媒体流通孔6aに対応してシリンダボア用透孔2及び冷却媒体用透孔3が形成されている(図3では締結ボルト用透孔4は図示せず)。冷却媒体用透孔3では、上記の通り導電性金属基板11の透孔端面部11aが絶縁層12で被覆され、流通する冷却媒体と接触しないようになされている。
【0017】
上記導電性金属基板11のシリンダボア用透孔2側端部11bは、エンジンEの燃焼室8内に露出状態で臨むよう配置されイオン電流検知電極とされている。一方導電性金属基板11のエンジンEの外側部側には前記突片11cが延出してイオン電流導出電極とされている。上記イオンセンサ付ガスケット1は、エンジンEの組立の際、シリンダブロック5とシリンダヘッド6との間に介装され、図3に示すように、ボルト(不図示)を介した締結によりシリンダブロック5とシリンダヘッド6との間に挟圧一体とされる。そして、上記突片(以下、イオン電流導出電極と云う)11cには、電源13、アンプ14及び信号処理部15が接続される。また、シリンダブロック5及びシリンダヘッド6は、接地5d、6cされるが、この接地はどちらか一方でも良い。
【0018】
斯くして、シリンダブロック5とシリンダヘッド6との間にイオンセンサ付ガスケット1が挟圧された状態においては、絶縁層12が圧縮され、その復元弾力によりシリンダブロック5とシリンダヘッド6との間の面圧が高く維持され、燃焼室8のガスシール或いは冷却媒体の漏出防止が確実になされる。また、シリンダブロック5におけるシリンダボア用透孔2を流通する冷却媒体が、絶縁層12によって遮断され、導電性金属基板11に直接接することがないから、電気的な漏洩が生じる懸念がない。更に、図示はしないが締結ボルト用透孔4の内周縁部には、導電性金属基板11が露出しないようになされているから、導電性金属基板11がボルトに接することがなく、この部分での電気的漏洩の防止も確実になされる。
【0019】
そして、上記電源13をして、イオン電流導出電極11cと接地電極としてのシリンダブロック5及びシリンダヘッド6との間に、例えば90Vの電位をかけると、燃焼室8内に臨設された上記端部(以下、イオン電流検知電極と云う)11bに火炎が到達した瞬間にイオン状態の火炎帯を通じてイオン電流が流れて閉回路が形成されるので、閉回路に設けた検出抵抗Rを流れる電流値変化をアンプ14により増幅し信号処理部15で処理することによって、燃焼室8内の燃焼状態が検出される。従って、本発明のイオンセンサ付ガスケット1においては、導電性金属基板11が、ガスケットの芯材として機能すると共に、燃焼室8内の火炎の状態を検出するイオンセンサとしても機能する。
【0020】
尚、図例では導電性金属基板11が3気筒(或いは6気筒の片側)のエンジンに共役する例を示しているが、各気筒毎に分断し、各燃焼室の燃焼状態の情報を個別に取り出すようにした多チャンネル方式とすることも可能である。また、イオンセンサ付ガスケット1の上下にビード付のメタルガスケット或いはラバーガスケット等を配して更にシール性を向上させるようにしてもよい。更に、イオンセンサ付ガスケットの例を述べたが、燃焼室8内に各種センサを埋め込み取り付け、このセンサと絶縁された導電性金属基板11とを電気的に結線し、このセンサによる電気的情報を電気信号に変換して取り出すようになすことも可能である。このセンサしては、圧力により比抵抗が変化することを利用したピエゾ抵抗式圧力センサ、空燃比を検出する半導体チタニアOセンサ、温度測定と抵抗値測定を目的とするイットリア系ペロブスカイト半導体を用いたセンサ、圧力−電圧変換素子としてのシリコーンひずみゲージ、或いは振動検出用のノックセンサ等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の多機能ガスケットを自動車用エンジンのシリンダヘッドガスケットに適用した例の平面図である。
【図2】図1におけるX−X線部の拡大断面図である。
【図3】本シリンダヘッドガスケットをイオンセンサ付ガスケットとして組込んだ自動車用エンジンの要部の縦断面図である。
【図4】導電性金属基板の加工の要領を概略的に示す図であり、(a)は導電性金属基板を打抜き加工した状態の断面図、(b)は端面加工がなされた状態の断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 イオンセンサ付ガスケット(シリンダヘッドガスケット、多機能ガスケット
11 導電性金属基板
11a 透孔の端面
11b 端部(透孔の端面、イオン電流検知電極)
11c 突片(イオン電流導出電極)
12 絶縁層(絶縁性塗膜)
2 シリンダボア用透孔
3 冷却媒体用透孔
4 締結ボルト用透孔
5 シリンダブロック(2物体の1方)
5a シリンダボア(燃焼室、内部の状態情報が必要な空所部)
5b 冷却媒体流通孔(内部の状態情報が必要な空所部以外の空所部)
6 シリンダヘッド(2物体の他方)
6a 冷却媒体流通孔(内部の状態情報が必要な空所部以外の空所部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被シール空所部を含む2物体間に介在して該空所部を密封すると共に内部の状態情報が必要な空所部の電気的情報を取り出し得るよう機能する多機能ガスケットであって、
前記空所部に対応する透孔が予め穿設された導電性金属基板を、ポリアミドイミド樹脂とポリテトラフルオロエチレン樹脂との混合物からなる絶縁性塗膜で被覆してなり、上記内部の状態情報が必要な空所部以外の空所部に対応する導電性金属基板の透孔の端面は予め曲面加工がなされた上で上記塗膜での被覆がなされ、内部の状態情報が必要な空所部に対応する導電性金属基板の透孔の端面は該空所部内に露出するよう上記塗膜での被覆がされていないことを特徴とする多機能ガスケット。
【請求項2】
請求項1に記載の多機能ガスケットにおいて、
上記2物体が、エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドであり、上記内部の状態情報が必要な空所部がエンジンの燃焼室であり、内部の状態情報が必要な空所部以外の空所部が冷却媒体の流通路、ボルト或いは位置決めピン用孔であることを特徴とする多機能ガスケット。
【請求項3】
請求項2に記載の多機能ガスケットにおいて、
上記導電性金属基板の燃焼室内に臨む端面がイオン電流検知電極とされ、一方導電性金属基板のエンジン外側部に導出された部分がイオン電流導出電極とされ、該導電性金属基板が燃焼室内の燃焼特性を電気的情報として検出するイオンセンサとして用いられるものであることを特徴とする多機能ガスケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−37756(P2006−37756A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215131(P2004−215131)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000225359)内山工業株式会社 (204)
【Fターム(参考)】