説明

多発性硬化症のラキニモドでの治療

本発明は、再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における再発率を減少させるおよび/または身体能力障害の蓄積を減少させる方法を提供し、該方法は前記患者に一日量0.6 mg ラキニモドを経口的に投与することを含む。
また、本発明は、再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における再発率を減少させることに使用するためのおよび/または身体能力障害の蓄積を減少させることに使用するための0.6 mgラキニモドの薬学的な経口単位剤形を提供する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2009年6月19日に出願された米国仮出願番号61/269,070の優先権を主張する出願であり、その全体の内容は本明細書中に参照により援用される。
【0002】
本出願の全体において、様々な文献が第一著者名および公開年により参照される。 これら文献の完全なる書誌的事項は、本明細書の最後の「参考文献」に記載される。「参考文献」に記載される文献の開示の全体が、本明細書中で参照されることにより本出願に援用され、本明細書に記載される発明の発明時における技術の状況をより完全に説明する。
【背景】
【0003】
多発性硬化症 (MS)は、世界中で百万人以上が冒されている神経疾患である。 多発性硬化症 (MS)は、若年および中年の成人の神経学的な能力障害の共通の原因であり、対象者および彼等の家族、友人、および保健医療を担う団体(bodies)に多大なる身体的、心理学的、社会的および財政的な影響を及ぼす。(EMEA Guideline, 2006)。
【0004】
おそらく感染により惹起する何らかの自己免疫プロセスによりMSが媒介され、遺伝的な素因に重ねられることが一般的に想定された。 MSは、中枢神経系(CNS)のミエリンがダメージをうける慢性的な炎症状態である。 MSの病因は、ミエリン抗原に対する循環系からCNSへの自己反応性T細胞の浸潤によって特徴づけられる。(Bjartmar, 2002)。 炎症段階がMSで生じることに加えて、軸索欠損はこの疾患の経過の早期に生じ、時間をへて進行する可能性があり、続いて進行性で永続性の神経損傷(neurologic impairment)および頻繁に重篤な能力障害(disability)を発症するに至る。(Neuhaus, 2003)。 疾患と関連する症状には、疲労、痙性麻痺、運動失調、虚弱、膀胱および腸の障害、性的不能、疼痛、振戦、発作(paroxysmal manifestations)、視覚損傷(visual impairment)、心理学的な問題および認知不全(cognitive dysfunction)が含まれる。(EMEA Guideline, 2006)。
【0005】
様々なMS疾患のステージおよび/またはタイプは、多発性硬化症療法(Multiple Sclerosis Therapeutics)に記載される。(Duntiz, 1999)。 これらのステージおよび/またはタイプの中で、再発寛解型多発性硬化症(RRMS: relapsing-remitting multiple sclerosis)は、初期の診断時において最も一般的な形態である。 RRMSを伴う多くの対象者は初期に5-15年の再発寛解型の経過をたどり、次に二次的な進行性のMS(SPMS)疾患へと推移する。 再発は炎症および脱髄から生じ、神経伝導の修復および緩解は炎症の回復、脱髄したアクソンにおけるナトリウムチャネルの再分布および再ミエリン化を伴う。(Neuhaus, 2003; Noseworthy, 2000)。
2001年4月に、米国MS協会(National MS Society of America)に関係する国際委員会は、多発性硬化症に関する診断基準を推奨した。 これらの基準は、McDonald基準として知られるようになった。 McDonald基準は、MRI技術を使用し、Poser基準および旧来のSchumacher基準に置き換わって用いられることが意図されている。(McDonald, 2001)。 McDonald基準は、2005年3月に国際委員会により改訂された。(Polman, 2005)。
【0006】
MSの再発段階での疾患変更治療(disease-modifying therapy)による処置は、神経変性の蓄積を減少させるかまたは予防することを提案するものである。(Hohlfeld, 2000; De Stefano, 1999)。 RRMSおよびSPMSを含む再発性のMS(RMS)に使用することが承認された6つの疾患修飾薬物療法が存在する。(The Disease Modifying Drug Brochure, 2006)。 これら療法にはインターフェロンベータ1-a(Avonex(登録商標)および Rebif(登録商標))、インターフェロンベータ1-b (Betaseron(登録商標))、グラチラマー・アセテート(Copaxone(登録商標))、ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))およびナタリズマブ(Tysabri(登録商標))が含まれ、 その多くは免疫モジュレーター(immunomodulators)として作用することが信じられている。 ミトキサントロンおよびナタリズマブは、免疫モジュレーターとして作用すると信じられている。 しかしながら、各々の作用機構は、部分的に解明されただけである。 免疫抑制剤または細胞傷害剤は、従来療法が不成功であった後に若干の対象者で使用された。 しかしながら、これらの薬剤で誘導された免疫応答の変化とMSにおける臨床上の有効性との間の関係が確立されるにはほど遠い状況にある。(EMEA Guideline, 2006)。
【0007】
他の治療アプローチは、疾患により生じる症状を改善するために適用される全ての療法(EMEA Guideline, 2006)および急性再発をコルチコステロイドで治療することを含む。 ステロイドは、MSの経過には影響しないが、一部の対象者における発作の持続時間および重症度を低下させることできる。
ラキニモド
ラキニモドナトリウムは、経口投与で高いバイオアベイラビリティーを有する新規の合成化合物であり、MSの治療のための経口製剤として提案されてきた。(Polman, 2005; Sandberg-Wollheim, 2005)。
ラキニモドが再発性のMSにおける活動的なMRI病巣の発生を減少させることが研究により示された。(Polman, 2005)。 しかしながら、MRIの脳病巣減少単独に関する臨床上の重要性は、いまだ定まっていない。 幾つかの研究においてMRI病巣は、一次転帰の評価対象として使用されたが、他の事項はRRMSを伴う患者におけるMRI異常と臨床での疾患の活動性との間の相関性が弱いこと、また係る評価を臨床応答の代理マーカーとしてというよりむしろ二次転帰として使用すべきことを示唆した。(Rudick, 1999; Miki, 1999; Barkhof, 1999)。 更に、薬学関係の規制団体、例えば、European Medicines Agency (EMEA)によると、MRIの結果と臨床転帰との間の相関性は、MRIの結果を重要な研究における有効な代用(surrogate)の指標として認可するために十分に強いものであることが証明された。 このように、EMEAによると、臨床試験に関連する有効なパラメータは、能力障害および再発率(RRMSに関する)の蓄積である。(EMEA Guideline, 2006)。 このように、能力障害の再発率および進行は、RRMSに関する治療の有効性の現行の認められた指標である、しかし、これらの指標はこれまでラキニモドに関して確立されていない。
【0008】
EMEA MS臨床試験ガイドラインは、更にRRMSにおける年間の再発率が通常低いこと、また能力障害の進行は(一般に)数年かかることを記載している。 結果的に、疾患の経過を変化させることを意図する製品での確認試験は、再発するまたは能力障害が進行する患者の実質的な比率を含むよう大規模で且つ十分長いものであるべきである。 有効性を実証するためには2年が最小の期間であると考えられる。(EMEA Guideline, 2006)。
さらにまた、現存している文献において、MS治療に関するラキニモドの有効量について異なる結論に至った。 一つの研究(Polman, 2005)では0.3mg/日の経口用量が再発性MS(RRMSおよびSPMSを含む)の活動的なMRI病巣の発生を減少させることが示されたが、別の研究ではMRIにも臨床にも同用量はプラセボと比べて効果を有さない。(Comi, 2007)。
【発明の概要】
【0009】
本出願の明細書等に開示される事項は、0.6 mg ラキニモドの毎日の経口用量の投与によって、再発寛解型多発性硬化症においてEDSSの再発率および進行が減少し、同様にMRIでモニターされた疾患の活動性が減少するとの所見である。
【0010】
本発明は、再発寛解型多発性硬化症のヒト患者において再発率を減少させる方法を提供し、該方法はラキニモドまたは薬学的に許容されるラキニモドの塩を一日量0.6 mg ラキニモドで経口的に患者に投与して、再発率を減少させることを含む。
【0011】
また、本発明は、再発寛解型多発性硬化症のヒト患者において身体能力障害の蓄積を減少させる方法を提供し、該方法はラキニモドまたは薬学的に許容されるラキニモドの塩を一日量0.6 mg ラキニモドで経口的に患者に投与して、身体能力障害の蓄積を減少させることを含む。
【0012】
また、本発明は、再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における再発率を減少させることに使用するための0.6 mgラキニモドの薬学的な経口単位剤形を提供する。
【0013】
また、本発明は、再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における身体能力障害の蓄積を減少させることに使用するための0.6 mgラキニモドの薬学的な経口単位剤形を提供する。
【発明の詳細な記載】
【0014】
本発明は、再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における再発率を減少させる方法を提供し、該方法はラキニモドまたは薬学的に許容されるラキニモドの塩を一日量0.6 mg ラキニモドで経口的に患者に投与して、再発率を減少させることを含む。
【0015】
一態様において、再発率は、少なくとも30%減少する。 別の態様において、再発率は、少なくとも70%減少する。
【0016】
一態様において、ラキニモドは、ラキニモドナトリウムの形態で投与される。
一態様において、ラキニモドは、再発寛解型多発性硬化症に関して単独療法として投与される。 別の態様において、ラキニモドは、他の再発寛解型多発性硬化症治療との補助療法(adjunct therapy)として投与される。 なお別の態様において、他の再発寛解型多発性硬化症治療は、インターフェロンベータ1-a、インターフェロンベータ1-b、グラチラマーアセテート、ミトキサントロンまたはナタリズマブの投与である。
【0017】
一態様において、投与は、24週以上の期間で行われる。
【0018】
また、本発明は、再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における身体能力障害の蓄積を減少させる方法を提供し、該方法はラキニモドまたは薬学的に許容されるラキニモドの塩を一日量0.6 mg ラキニモドで経口的に患者に投与して、身体能力障害の蓄積を減少させることを含む。
【0019】
一態様において、身体能力障害の蓄積は、カルツッケ拡大能力障害状態スケール(EDSS)スコアにより測定される確認された疾患の進行に対する時間で評価される。
一態様において、患者は、ラキニモド投与前に0-5.5のEDSSスコアを有していた。 別の態様において、確認された疾患の進行は、EDSSスコアの1ポイント増加である。
一態様において、患者は、ラキニモド投与前に5.5以上のEDSSスコアを有していた。 別の態様において、確認された疾患の進行は、EDSSスコアの0.5ポイント増加である。
【0020】
一態様において、確認された疾患の進行に対する時間は、20-60%増加する。 別の態様において、確認された疾患の進行に対する時間は50%増加する。
【0021】
一態様において、ラキニモドは、ラキニモドナトリウムの形態で投与される。
一態様において、ラキニモドは、再発寛解型多発性硬化症に関して単独療法として投与される。 別の態様において、ラキニモドは、他の再発寛解型多発性硬化症治療との補助療法(adjunct therapy)として投与される。 なお別の態様において、他の再発寛解型多発性硬化症治療は、インターフェロンベータ1-a、インターフェロンベータ1-b、グラチラマーアセテート、ミトキサントロンまたはナタリズマブの投与である。
【0022】
一態様において、投与は24週以上の期間で行われる。
【0023】
また、本発明は、再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における再発率を減少させることに使用するための0.6 mgラキニモドの薬学的な経口単位剤形を提供する。
【0024】
また、本発明は、再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における身体能力障害の蓄積を減少させることに使用するための0.6 mgラキニモドの薬学的な経口単位剤形を提供する。
前に記載の態様に関して、本出願の明細書等に開示される各々の態様は、他の開示された態様の各々に適用可能であることが意図される。
本出願に使用されるラキニモドの薬学的に許容される塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウムおよび鉄を含む。 ラキニモド塩の製剤および該製剤を調製するための方法は、例えば、米国特許出願第2005/0192315号およびPCTの国際公開WO 2005/074899号に記載され、これらの文献は参照によって本出願に援用される。
【0025】
単位剤形(dosage unit)は、単一の化合物またはその化合物の混合物を含んでもよい。単位剤形は、経口の剤形、例えば、錠剤、カプセル、丸剤、粉剤、および顆粒剤に調製できる。
ラキニモドは、意図する形態の投与に関連し、従来の薬学的な実施に沿って適切に選択される適切な薬学的な希釈剤、増量剤(extenders)、賦形剤、または担体(全体的に本明細書中で薬学的に許容される担体を意味する)と混合して投与することができる。前記単位は、経口投与に適切な形態で存在するだろう。ラキニモドは、単独で投与される。しかし、原薬は、一般的に薬学的に許容される担体に混合され、錠剤またはカプセル剤の形態、リポソーム、または塊状化粉末(agglomerated powder)として共に投与される。適切な固形の担体の例には、ラクトース、スクロース、ゼラチンおよび寒天が含まれる。カプセル剤または錠剤は、容易に製剤化でき、容易に嚥下または噛むために作出できる;他の固形の形態には、顆粒剤およびバルク粉剤が含まれる。錠剤は、適切な結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤(flavoring agents)流動誘発剤(flow-inducing agents)、および溶融剤(melting agents)を含んでもよい。
【0026】
当該技術の特定の例示、本発明の経口の剤形を製剤化するために使用しうる薬学的に許容される担体および賦形剤は、米国特許出願公開第2005/0192315号、PCT国際公開WO2005/074899号、WO2007/047863号、および2007/146248号などに記載されている。
本発明において有用な剤形を作出するための一般的な技術および組成物は、以下の文献に記載されている: 7 Modern Pharmaceutics, Chapters 9 and 10 (Banker & Rhodes, Editors, 1979); Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets (Lieberman et al., 1981); Ansel, Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 2nd Edition (1976); Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed. (Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985); Advances in Pharmaceutical Sciences (David Ganderton, Trevor Jones, Eds., 1992); Advances in Pharmaceutical Sciences Vol 7.(David Ganderton, Trevor Jones, James McGinity, Eds., 1995); Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms (Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Series 36 (James McGinity, Ed., 1989); Pharmaceutical Particulate Carriers: Therapeutic Applications: Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Vol 61 (Alain Rolland, Ed., 1993); Drug Delivery to the Gastrointestinal Tract (Ellis Horwood Books in the Biological Sciences. Series in Pharmaceutical Technology; J. G. Hardy, S. S. Davis, Clive G. Wilson, Eds.); Modern Pharmaceutics Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Vol.40 (Gilbert S. Banker, Christopher T. Rhodes, Eds.)。 これら文献の全体は、参照によって本出願に援用される。
【0027】
錠剤は、適切な結合剤、潤滑剤、崩壊剤、着色剤、香味剤(flavoring agents)流動誘発剤(flow-inducing agents)、および溶融剤(melting agents)を含んでもよい。一例を挙げると、錠剤またはカプセル剤の単位剤形形態での経口投与に対し、活性な薬成分を、経口、非毒性、薬学的に許容される不活性な担体、例えば、ラクトース、ゼラチン、寒天、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール、微結晶性セルロースなどと混合できる。適切な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然の糖、例えば、グルコースまたはβ-ラクトース、コーンスターチ、天然および合成のガム、例えば、アカシア、トラガカント、またはアルギン酸ナトリウム、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。これらの剤形に使用される潤滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム(sodium stearyl fumarate)、滑石などが含まれる。崩壊剤には、限定されることなく、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムなどが含まれる。
【0028】
用語
本出願の明細書等に使用され且つ他に記載がなければ、次ぎの用語は以下に記載される定義を有する。
【0029】
「0.6 mgラキニモドの用量」は、製剤中のラキニモド酸の量が製剤の形態にかかわらず0.6 mgであることを意味する。 従って、塩の形態、例えば、ラキニモドナトリウム塩、における場合に、0.6 mg ラキニモドの用量を提供するために必要な塩の形態の重量は、付加的な塩イオンの存在により0.6 mg以上であろう。
【0030】
「再発寛解型多発性硬化症」または「RRMS」は、完全な回復または続発症(sequelae)および回復に際して欠陥が残存することで明確に規定されることで特徴づけられる。また、疾患の再発の間の期間は、疾患が進行しないことで特徴づけられる。(Lublin, 1996)。
【0031】
「確認された再発(Confirmed Relapse)」は、一または二以上の新しい神経学的な異常の出現または一または二以上の以前に観察された神経学的な異常の再出現と規定され、臨床状態の変化は少なくとも48時間持続し、少なくとも三十(30)日の神経学的な状態の改善が前の再発の開始の直前に存在する。 この基準は、僅かに24時間の症状の持続を必要とする再発の臨床上の規定と異なる。(EMEA Guideline, 2006)。 「試験において」再発の規定は以下に議論されるとおり対象者の神経学的な評価によりサポートされなければならないので、神経脱落症候は偽再発を除外するために十分に長く持続されなければならない。
【0032】
対象者の症状が少なくとも次の一つの事項に一致する対象とする症状が観察される対象の神経学的な変化を伴う場合のみ再発である:つまり、前の評価と比べてEDSSスコアの少なくとも0.5の増加、前の評価と比べて7項目のFS機能の2またはそれ以上のスコアの1段階の増加、または前の評価と比べて1項目のFSスコアの2段階の増加である。
加えて、対象者は、何らかの急性の代謝変化、例えば、発熱または他の医学的な異常性を経験していてはならない。 腸/膀胱機能または認知機能の変化は、EDSSまたはFSスコアの変化の主たる原因であってはならない。
【0033】
「再発率(Relapse Rate)」は、単位時間あたりの確認された再発の数である。 「再発年率(Annualized relapse rate)」は、各患者の確認された再発数に365を乗じてその患者が試験薬で治療される日数で除した数の平均値である。
【0034】
「拡大能力障害状態スケール(Expanded Disability Status Scale)」または「EDSS」は、多発性硬化症を伴う人々の状態を分類し、標準化するために頻繁に使用される評価体系である。 スコアは、正常な神経学的な検査値を表す0.0からMSが原因の死亡を表す10.0までの範囲で変動する。 スコアは、神経学的な試験および身体の機能を制御する中枢神経系の領域である機能系の検査に基づく。 機能系は、錐体(歩行する能力)、小脳(調節)、脳幹(言語および嚥下)、感覚(触覚および疼痛)、腸および膀胱の機能、視覚的、精神的、および他の事項(MSが原因の任意の他の神経学的な所見を含む)である。(Kurtzke JF, 1983)。
【0035】
EDSSの「確認された進行」またはEDSSスコアにより測定された「確認された疾患の進行」は、ベースラインのEDSSが0および5.0の間である場合にベースラインのEDSSからの1ポイント増加、またはベースラインのEDSSが5.5である場合にベースラインのEDSSからの0.5ポイント増加と規定される。 確認された進行を考慮するために、変化(1ポイントまたは0.5ポイントの何れか)は少なくとも3月の間持続されなければならない。 加えて、進行の確認は、再発の間に行うことはできない。
「有害事象(Adverse event)」または「AE」は、薬物が投与された臨床試験の対象者における治療との因果関係を有さない何らかの有害な医学的な事象の出現を意味する。 従って、有害事象は、試験薬物と関連するかいなかにかかわらず、異常な検査所見、症状、または疾患を含む試験薬物の使用と時間的に関連する任意の望ましくない徴候および意図されない徴候であってもよい。
「移動指標(Ambulation Index)」または「AI」は、25フィート歩行するために必要とされる時間および補助の程度を評価することによる移動度(mobility)を評価するためのハウザー等により開発された評定尺度(rating scale)である。 スコアは、0(無症候且つ完全に活動性)から10(寝たきり)の範囲である。 患者は、可能な限り急速かつ安全に印をつけた25フィートのコースを歩行するよう求められる。 審査員は、時間および必要な補助〔例えば、杖、ウォーカー(walker)、松葉杖〕のタイプを記録する。(Hauser, 1983)。
【0036】
「EQ-5D」は、健康状態および治療の特定の範囲に適用可能な医療効果の基準として使用する標準化した調査手段である。 この手段によって、保健医療および集団健康調査の臨床上の評価および経済上の評価に使用できる健康状態に関する単純で記述的なプロフィールおよび単一の指標値が提供される。 EQ-5Dは、最初にイギリス、フィンランド、オランダ、ノルウェーおよびスウェーデンの七つのセンターの国際的な学際的な研究者の多言語ネットワークを含む「EuroQoL」グループにより開発された。 EQ-5Dの調査票(questionnaire)は、パブリックドメインに存在し、EuroQoLから得ることができる。
【0037】
「Gd増強病巣(Gd-enhancing lesion)」の用語は、血液脳関門が崩壊した結果生じる病巣を意味し、ガドリニウム造影剤を使用した対比試験で出現する。 ガドリニウムの増強は、典型例では病巣の形成の六週間以内に生じ、Gd増強病巣として病巣の経過時間に関する情報を提供する。
【0038】
「磁化移動画像(Magnetization Transfer Imaging)」または「MTI」は、バルク(bulk)の水プロトンおよび巨大分子のプロトンの間の(双極性および/または化学的な交換による)磁化相互作用に基づいている。 オフ共鳴の高周波パルス(off resonance radio frequency pulse)を巨大分子のプロトンに適用することにより、これらのプロトンの飽和がバルクの水プロトンに移される。 その結果、組織の巨大分子とバルク水との間のMTの程度に応じて、シグナルが減少する(可視のプロトンのネット磁化は減少する)。 「MT」または「磁化移動(Magnetization Transfer)」は、限定的な運動を有する水の水素核から大きな自由度で移動する水の水素核への縦磁化の移動を意味する。 MTIで(例えば、膜または脳組織における)巨大分子の存在または非存在をみることができる。(Mehta, 1996; Grossman, 1994)。
「核磁気共鳴分光法(Magnetization Resonance Spectroscopy)」または「MRS」は、磁気共鳴映像法(MRI)と関連する特殊な技術である。 MRSを使用して体組織中の異なる代謝物のレベルが測定される。 MRシグナルは、「励起(excited)」された同位体の異なる分子配置に対応する共鳴スペクトルを生じる。 このシグナルを使用して特定の代謝障害、特に脳に影響を及ぼす障害、が診断され、(Rosen, 2007)、同様に腫瘍代謝の情報が提供される。(Golder, 2007)。
【0039】
「変型疲労影響スケール(Modified Fatigue Impact Scale)」または「MFIS」は、MSの人間の生活における疲労(fatigue)の影響を評価するために開発された特定の有効な対象者が報告した転帰の評価である。 この手段によって、身体的、認知的、および心理社会的な機能の点に関して疲労の影響の評価が提供される。 MFISは全部で21項目からなるが、省略されたバージョンは5項目からなる。(Fisk et al, 1994)。
【0040】
「MS機能複合(MS Functional Composite)」または「MSFC」は、MSに関する臨床転帰の評価である。 MSFCは、MSの鍵となる臨床上の特徴、即ち、脚の機能/移動、腕/手の機能、および認知機能の定量的な機能の測定値を含む。 このような要素の測定値のスコアは、標準スコア(z-スコア)に転換され、このスコアは平均されて単一のMSFCスコアを形成する。(Fischer, 1999)。
【0041】
「SF-36」は、機能的な健康(functional health)および健康度(well-being)のスコアおよび精神測定学に基づく身体的および精神的な健康の総括としての測定値および嗜好に基づく健康効用指数(preference-based health utility index)の8つの尺度でのプロフィールが得られる36項目の質問に基づく多目的で簡易型の健康調査であり、 特定の年齢、疾患、または治療群を標的とするものとは対照的な一般的な測定値である。 前記調査は、クオリティメトリックMetric(QualityMetric, Inc. of Providence, RI)により開発され、クオリティメトリックから入手できる。
【0042】
「T1強調MRI画像(T1-weighted MRI image)」の用語は、T1コントラストが強調されるMR画像を意味し、これにより病巣が可視化されうる。 T1強調画像における異常な領域は、「低強度(hypointense)」であり、暗いスポットとして現れる。 これらのスポットは、一般的に古い病巣である。
「T2強調MRI画像(T2-weighted MRI image)」の用語は、T2コントラストが強調されるMR画像を意味し、これにより病巣が可視化されうる。 T2病巣は、新規の炎症活動(inflammatory activity)を示す。
「薬学的に許容される担体」は、利益/危険性の妥当な比率の釣り合いがとれ、過度に有害な副作用(例えば、毒性、刺激作用、およびアレルギー応答)なくヒトおよび/または動物で使用するために適切な担体または賦形剤である。 その担体は本発明の化合物を対象者に送達するための薬学的に許容される溶媒、懸濁剤またはビヒクルであってもよい。
【0043】
パラメータの範囲が提供される場合に、その範囲内の全ての整数、およびその十分の一の値(tenths thereof)が本発明により提供される。 例えば、「5-10%」は、10.0%までの5.0%、5.1%、5.2%、5.3%、5.4%などを含む。
【0044】
本発明は以下の例を参照することに更に理解される。 当業者は、詳細に説明される特定の実験が、本出願の特許請求の範囲においてより完全に記載される本発明の単なる例であることを容易に理解する。
[例]
例1: 臨床試験(第三相) ― MS進行の予防における経口ラキニモドの評価
多国間、多施設(約175施設)、無作為、二重盲検、並行群、プラセボ対照臨床試験(「ALLEGRO」)が、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)の対象者におけるラキニモド 0.6 mgの一日経口投与の安全性、耐容性および有効性を評価するため実施される。
【0045】
治験の標題
再発寛解型多発性硬化症(RRMS)の対象者におけるラキニモド 0.6 mgの一日経口投与の安全性、耐容性および有効性を評価するための多国間、多施設、無作為、二重盲検、並行群、プラセボ対照臨床試験。
【0046】
治験期間
スクリーニング期間: 1月。
【0047】
二重盲検治療期間: 0.6 mgのラキニモドまたは対応するプラセボの一日量の毎日一回の経口投与を24月。
【0048】
集団の進行に関する盲検試験の分散および効力の再評価(最初に対象者が20月の治療を完了する前に計画される)に際し、二重盲検試験の期間は30月に延長されうる。 この延長は、能力障害の蓄積におけるラキニモドの影響を検出するための統計的検出力(statistical power)を増強するために計画される。 治験期間延長に関する推薦は既定のルールに基づいて行われる。
【0049】
治験集団
再発寛解型多発性硬化症(RRMS)。
【0050】
試験計画
適格な対象者は、以下の治療アームの一つに等しく無作為化される:
1. ラキニモドカプセル 0.6 mg。 0.6 mgのラキニモドは、カプセル中に0.6 mgのラキニモド酸にメグルミンを伴うものを含有するラキニモドカプセルとして投与される。
【0051】
2. 対応するプラセボカプセル。
【0052】
対象者は、-1 (スクリーニング)、0 (ベースライン)、1、2、3、6、9、12、15、18、21および24月(終了/早期中断)で二重盲検期間の12回の予定された訪問時に研究施設で評価された。 6月の間の延長試験において、対象者は、27月および30月(延長試験の終了/早期中断)に研究施設で評価された。このケースにおける24 月は標準での予定された訪問である。
試験を問題なく完了する対象者は、1年のオープンラベル延長試験に参加する機会を提案される。
以下の評価は、特定の時点で行われる:
1. バイタルサインは、各試験の訪問時に測定される。
【0053】
2. 理学的検査は、-1(スクリーニング)、0(ベースライン) 1、3、6、12、18および24月(中心的な試験の終了/早期中断)に行われる。 6月間の延長試験のケースにおいて、付加的な検査が30月(延長試験の終了/早期中断)に行われる。
【0054】
3. 以下の安全性の臨床検査試験が行われる:
a. 全ての予定された訪問時の異なる全血球計算値(CBC)。 網状赤血球数は、0月(ベースライン)および24/30月(終了/早期中断)でCBCに加えられる。
【0055】
b. 全ての予定された訪問時での血清化学検査(電解質、肝臓酵素、直接および総ビリルビンおよび膵アミラーゼおよびCPKを含む)、および検尿。
【0056】
c. 迅速尿β-hCG検査は、ベースライン(0月)とその後の予定された試験訪問(施設)とで妊娠している可能性がある女性に関して行われる。
【0057】
d. 妊娠している可能性がある女性関するβ-hCGは、全ての予定された訪問時に行われる。
【0058】
e. 3月での訪問後に開始される、迅速尿β-hCG検査は、妊娠している可能性がある女性で28(±2)日毎に行われる。 対象者は、検査が実施されることが予定された後72時間内に電話で連絡をうけ、検査に関する特定の質問について問い合わせされる。 妊娠が疑われるケース(尿β-hCG 検査結果が陽性)において、連絡者は試験薬が中断(discontinued)されることを確認し、対象者は全ての試験薬とともに可能な限り早く施設を訪問するように指示される。
【0059】
4. スクリーニングの訪問時、ベースラインの訪問時およびその後の全ての予定された訪問時に炎症マーカーの検査(血清の従来のC反応性タンパク質およびフィブリノーゲン)。
【0060】
5. 最初の3月間に施設の職員による定期的な電話連絡が二週毎に行われる。 血管血栓症を示唆する徴候/症状に関連する既定の質問のリストが対象者に提示される。
【0061】
6. ECGは、-1月(スクリーニング; QTcが450ミリ秒未満である場合に30分間隔てて追加の記録が行われる)、(ベースライン; 三回記録、15分間隔)、1、2、3、6、12、18および24月(終了/早期中断)に行われる。 6月間の延長試験のケースにおいて、ECGは30月(延長試験の終了/早期中断)に行われる。
【0062】
7. 胸部X線は、(スクリーニング訪問前の7月間内に行われていない場合に)、-1月(スクリーニング)に行われる。
8. 有害事象(AEs)は、試験をとおしてモニターされる。
9. 同時に行われる薬物治療は、試験をとおしてモニターされる。
【0063】
10. 拡大能力障害状態スケール(EDSS)、25フィート歩行検査/移動指標(AI)、機能系(FS: Functional systems)を含む神経学的な評価は、試験および延長試験期間の間で-1(スクリーニング)、0(ベースライン)および3月毎に行われる。
【0064】
11. MS機能複合(MSFC: MS functional Composite)は、-1月 (スクリーニング) (訓練目的のみでの三回の練習)、0月(ベースライン)、6、12、18および24(終了/早期中断)に評価される。 6月間の延長試験のケースにおいて、最終のMSFCは30月(延長試験の終了/早期中断)に行われる。
【0065】
12. 対象者が報告した疲労は、変型疲労影響スケール(MFIS)により0、6、12、18、および24月(終了/早期中断)に評価される。 6月間の延長試験のケースにおいて、付加的なMFISが30月(延長試験の終了//早期中断)に行われる。
13. 一般的な健康状態は、0月(ベースライン) および24月(試験の終了/早期中断)にEuroQoL (EQ5D)調査票により評価される。 6月間の延長試験のケースにおいて、最後のEuroQoL(EQ5D)は、24月の代わりに30月(延長試験の終了/早期中断)に行われる。
【0066】
14. 一般的な健康状態は、0月(ベースライン)と、その後は終了/早期中断まで6月毎に簡易型一般健康調査(SF-36)の対象者報告調査票により評価される。
【0067】
15. 対象者は、0(ベースライン)、6、12、18および24月(終了/早期中断)での各評価において100%、2.5%および1.25%のコントラストレベルチャート[スローン文字またはタンブリングE]を用いる両眼での低コントラスト視力(low-contrast visual acuity)を5回評価される。 6月間の延長試験のケースにおいて、両眼での低コントラスト視力の評価は30月(延長試験の終了/早期中断)に行われる。
【0068】
16. 血清サンプルは、0、1、12および24月にラキニモドの潜在的な作用機序およびMS疾患の付加的な炎症のバイオマーカーおよび潜在的なバイオマーカーを調査するために全ての対象者から収集される。 6月間の延長試験のケースにおいて、最後の血清サンプルは、24月の代わりに30月(延長試験の終了/早期中断)に検査される。
【0069】
17. 対象者は、0 (ベースライン)、12および24月(終了/早期中断)に3回のMRIスキャンをうける。 6月間の延長試験のケースにおいて、付加的なMRIが30月(延長試験の終了/早期中断)に行われる。
【0070】
18. 集団のPK試験(PPK): PPK評価のための血液サンプルは、全ての対象者から1、12および24月に収集される。 6月間の延長試験のケースにおいて、最後のPPK評価は、24月の代わりに30月(延長試験の終了/早期中断)に行われる。
【0071】
19. 再発は、試験をとおして確認/モニターされる。 「試験において」再発の規定は対象者の神経学的な評価によりサポートされなければならないので、神経脱落症候は偽再発を除外するために十分に長く持続されなければならない。 従って、実験1において、再発は一または二以上の新しい神経学的な異常の出現または一または二以上の前に観察された神経学的な異常の再出現であり、臨床状態の変化は少なくとも48時間持続し、少なくとも三十(30)日の神経学的な状態の改善が前の再発の開始の直前に存在する。
【0072】
20. 再発に対して許可された治療は、静脈内メチルプレドニゾロン 1 gr/日を5連続日までである。
【0073】
再同意基準(Re-consent criteria)
MS再発の診断の確認、(プロトコールにおいて規定される)またはEDSSの>2.0 ポイントの増加、>3月の持続、に際して、以下の対処が採択される:
1. 対象者は、インフォームドコンセントの用紙に記載されるように現行の利用可能なMSの薬物療法と試験を終了する機会とを指摘される。
【0074】
2. 対象者は、同じ治療の割当において試験への関与を継続する対象として選択された場合にインフォームドコンセントの用紙に改めてサインすることが要求される。
安全性に対する中止のルールは、1)肝臓酵素の上昇、2)炎症事象、3) 血栓事象および4)膵炎の管理のために設定される。
【0075】
補助的な試験:
1. 頻回のMRI(選択された国および施設のみ): T1-Gd増強病巣の累積数を0、3、6、12、および24月、および試験が延長された場合に30月で得られるスキャンから取得する。 補助的な試験に関する付加的なMRIは、3および6月に行われる。
【0076】
2. 磁化移動(MT)(選択された国および施設のみ): ベースラインから12および24/30月の磁化移動MRIの変化。 MTは、0(ベースライン)、12および24(終了/早期中断)で評価される。 6月間の延長試験のケースにおいて、最後のMTは、24月の代わりに30月(延長試験の終了/早期中断)に行われる。
3. 核磁気共鳴分光法(MRS)(選択された国および施設のみ): ベースラインから24/30月の核磁気共鳴分光法(NAAS: 病巣におけるCr比、通常は白質として現れる)の変化。 MRSは、0月(ベースライン)、および24月(終了/早期中断)で評価される。 6月間の延長試験のケースにおいて、最後のMRSは、24月の代わりに30月(延長試験の終了/早期中断)に行われる。
4. 遺伝薬理学的な(PGx)評価: PGxパラメータに関する血液サンプルはスクリーニングで全ての対象者から集められる。
【0077】
5. 特定のスキャンから引き続くスキャンでの脳容積の変化のパーセンテージにより規定される脳萎縮、この試験は主な試験(頻回のMRIの同齢集団)において行われる測定に加えられる。
6. 全血および血清サンプル(選択された国および施設のみ)は、ラキニモドでの治療への免疫学的な応答の評価および潜在的な作用機序における更なる調査のために収集される。 全血サンプルは、0、1、3、6、12および24月に収集される。 血清サンプルは、0、1、6、12および24月(試験が30月に延長されたとしても)に収集される。
7. 臨床、MRIおよび安全性のパラメータの点に関して、PGxとラキニモドへの応答の間の関係。
【0078】
対象者の数
約1000の対象者。
【0079】
参加/除外基準
参加基準
1. 対象者は、改訂McDonald基準(Polman, 2005)で規定されるように再発寛解型疾患の経過を示すとの診断が確認され且つ記録されなければならない。
【0080】
2. 対象者は、0-5.5のカルツッケ(Kurtzke)の転換EDSSスコアで通院(ambulatory)しなければならない。
【0081】
3. 対象者は、スクリーニング(-1月)の30日前に、安定な神経学的な状態であり、コルチコステロイド治療[静脈内(iv)、筋肉内(im)および/または経口的(po)]を施されていてはならない。
【0082】
4. 対象者は、以下のうちの一つを経験しなければならない:
a. スクリーニングの12月前に少なくとも一回の再発の記録。
【0083】
b. スクリーニングの24月前に少なくとも二回の再発の記録。
【0084】
c. スクリーニング前の12月以内で行われるMRIの少なくとも一つのT1-Gd増強病巣の記録によるスクリーニング前の12および24月の間の一回の再発の記録。
5. 対象者は、包括的に年齢18および55の間でなければならない。
【0085】
6. 対象者は、スクリーニング前に少なくとも(最初の症状から)6月間の疾患の持続時間を有さなければならない。
【0086】
7. 妊娠している可能性がある女性は、許容される産児制限法を行わなければならない。 本試験の許容される産児制限法は、外科的な滅菌法(surgical sterilization)、子宮内装置、経口避妊薬、避妊薬パッチ、長時間作用する避妊薬の注射可能剤、パートナーの精管切除またはダブルバリア法(コンドームまたは殺精子剤つきの隔膜ペッサリー)を含む。
【0087】
8. 対象者は、試験に参加する前にインフォームドコンセントにサインと日付を記載することが可能でなければならない。
【0088】
9. 対象者は、試験期間の間のプロトコールが要求する事項に進んで応じ且つ応じることができなければならない。
除外基準
1. 進行型のMSの対象者。
【0089】
2. -1月(スクリーニング)および0月(ベースライン)の間の再発の開始、不安定な 神経学的な状態またはコルチコステロイド[(iv)、筋肉内(im)および/または経口(po)]またはACTHでの治療。
【0090】
3. 実験薬または試験薬の使用、および/またはスクリーニング前6月内に薬物の臨床試験への参加。
【0091】
4. スクリーニング訪問前6月内にミトキサントロン(Novantrone(登録商標))を含む免疫抑制剤または細胞傷害剤の使用。
5. ナタリズマブ(Tysabri(登録商標))、カルドリビン(caldribine)、ラキニモドの何れか一つの以前の使用。
【0092】
6. スクリーニング訪問前2月内にグラチラマー・アセテート(copaxone(登録商標)) インターフェロン-β(1aまたは1b何れか)またはIVIGでの治療歴。
【0093】
7. スクリーニング訪問前2月内に>30日の連続期間の全身性のコルチコステロイド治療。
8. 以前の放射線全身照射またはリンパ節全身照射(total lymphoid irradiation)。
【0094】
9. 以前の幹細胞治療、自己の骨髄移植またはアロジェニックな骨髄移植。
【0095】
10. 結核の病歴。
【0096】
11. ベースライン訪問前二週間の急性感染。
【0097】
12. ベースライン前二週間の重度の外傷または手術。
【0098】
13. ベースライン訪問前二週間内のCYP3A4インヒビターの使用(フルオキセチンに関して1月)。
【0099】
14. スクリーニング訪問前2年内のアミオダロンの使用。
15. 妊娠または母乳栄養(breastfeeding)。
【0100】
16. スクリーニングでのALTまたはASTの何れかの>3xULNの血清上昇。
【0101】
17. スクリーニングでの>2xULNの血清の直接ビリルビン。
【0102】
18. 以下から得られる450 msec(機械の出力による)のQTc間隔:
a. スクリーニング訪問での二つのECGの記録、または
b. 3回のベースラインでのECG記録から計算された平均値。
【0103】
19. 病歴、理学的検査、ECG、臨床検査試験または胸部X線により決定される、安全で且つ完全な試験の参加を妨げる臨床上顕著なまたは不安定な医学的または外科的な状態にある対象者。 係る状態は、以下が含まれうる:
a. 試験プロトコールで許可される標準の治療で良好に制御できない心血管または肺の障害。
【0104】
b. 試験薬の吸収に影響しうる胃腸障害。
【0105】
c. 腎臓または代謝疾患。
【0106】
d. 任意の形態の慢性肝疾患。
【0107】
e. 既知のヒト免疫不全症ウイルス(HIV陽性の状態)。
【0108】
f. QT延長症候群の家族歴。
g. 薬物および/またはアルコール乱用の病歴。
【0109】
h. 重篤な精神医学的な障害。
【0110】
20. Gdに対する感受性の既往歴。
【0111】
21. MRIスキャニングを無事に受診する能力の欠如。
22. マンニトール、メグルミンまたはフマル酸ステアリルナトリウム(sodium stearyl fumarate)への過感受性などのラキニモドの投与を妨げるだろう既知の薬剤過敏症。
経路および剤形
0.6mg アーム: 0.6 mg ラキニモドを含む一つのカプセルが、経口的に一日一回投与される。 0.6 mg ラキニモドカプセルは、カプセル毎にメグルミンと共に0.6 mg のラキニモド酸を含有する。
【0112】
0.6 mg ラキニモドカプセルは、2007年12月21日に公開されたPCT国際出願の公開番号WO/2007/146248に開示された方法にしたがい製造される(10頁、5行〜11頁、3行を参照されたい)。
【0113】
ラキニモドアーム(laquinimod arm)に対応するプラセボ: 一つのカプセルが一日一回投与される。
【0114】
転帰の評価(Outcome Measure)
一次転帰の評価
二重盲検試験期間の間に確認された再発数。
【0115】
二次転帰の評価
1. 試験期間の間のEDSSの確認された進行に対する時間により測定された身体能力障害の蓄積(EDSSの確認された進行は、ベースラインのEDSSが0および5.0の間である場合にベースラインからの1ポイント増加、またはベースラインEDSSが5.5である場合にベースラインからの0.5ポイント増加と規定され、3月後に確認される。 進行は、再発の間に確認できない)。
【0116】
2. 治療期間の最終(24/30月)のMSFCスコアにより評価される能力障害。
【0117】
3. 12および24月(6月間の延長試験のケースにおいて30月)に得られるスキャンにおける新しいT2病巣の累積数。
【0118】
4. 12および24月(6月間の試験の延長のケースにおいて30月)に得られるT1強調イメージにおける増強病巣の累積数。
【0119】
安全性および耐容性の転帰の評価
1. 有害事象。
【0120】
2. バイタルサイン。
【0121】
3. ECGの所見。
【0122】
4. 臨床検査パラメータ。
【0123】
5. 試験を早く中断した対象者の比率、中断の理由および中断までの時間。
【0124】
6. AEsが原因で試験を早く中断した対象者の比率および中断までの時間。
【0125】
付加的な探索指標
次の評価は、探索様式(exploratory manner)で行われる:
1. 12および24月(6月間の試験の延長のケースにおいて30月)での増強したT1スキャンにおける新しい低強度病巣の累積数を評価すること。
【0126】
2. 変型疲労影響スケール(MFIS)により評価される対象者が報告した疲労。
【0127】
3. EuroQoL(EQ5D)調査票による一般的な健康状態。
【0128】
4. 簡易型一般健康調査(SF-36)対象者報告調査票により評価される一般的な健康状態。
【0129】
5. 試験期間の間に最初に確認された再発までの時間。
【0130】
6. 入院および/またはIVステロイドを必要とする試験期間の間に確認された再発の割合。
【0131】
7. 再発を生じない対象者の比率。
【0132】
8. ベースラインから12月、12月から24/30月およびベースラインから24/30月の変化により規定されるT2病巣容積の変化。
【0133】
9. ベースラインから12月、12月から24/30月およびベースラインから24/30月の変化により規定されるT1低強度病巣容積の変化。
【0134】
10. 脳容積におけるベースラインから12月、12月から24/30月およびベースラインから24/30月の変化のパーセンテージにより規定される脳萎縮。
【0135】
11. 血清サンプルは、ラキニモドの潜在的な作用機序およびMS疾患の付加的な炎症のバイオマーカーおよび潜在的なバイオマーカーを調査するために全ての対象者から収集される。 これらの血清サンプルは、0(ベースライン)、1、12および24月(試験が30月に延長されたとしても)に収集される。
【0136】
12. 異なる共変量(covariates)に対する集団モデルの適応度が評価される集団PK(性別、年齢、同時に行われる薬物治療、重量、AEのプロフィール、習慣などの共変量)。
【0137】
13. 100%、2.5%および1.25%コントラストレベルのスローン文字またはタンブリングEチャートを2メートルの距離から正確に読んだ文字数により評価される両眼の視力におけるベースラインから24/30月(終了/早期中断)の変化。
【0138】
試験期間の間に確認された再発の総数の分析は、ベースラインを調整したQuasi-Likelihood(過分散型)ポアソン回帰に基づいて行われる。
【0139】
身体能力障害の蓄積の分析は、Cox比例ハザードモデルに基づいて行われる。
【0140】
MSFCの分析は、ベースラインを調整した共分散分析に基づいて行われる。
【0141】
二次的なMRIの指標の分析は、ベースラインを調整した負の二項回帰に基づいて行われる。
【0142】
結果
この試験は、RRMS対象者におけるプラセボと比べた一日量0.6 mg ラキニモドの有効性、耐容性および安全性を評価する。
【0143】
0.6 mg ラキニモドの連日経口投与によって、確認された再発が減少し、そのため二重盲検試験期間の間の再発寛解型患者の再発率が減少する。
【0144】
また、0.6 mg ラキニモドの連日経口投与によって、EDSSの確認された進行に対する時間により測定される再発寛解型多発性硬化症患者における身体能力障害の蓄積が減少する。
【0145】
また、0.6 mg ラキニモドの連日経口投与によって、T1強調イメージ、T1スキャンにおける新しい低強度病巣の累積数、および新しいT2病巣の累積数により測定される再発寛解型多発性硬化症患者においてMRIでモニターした疾患の活動性が減少する。
例 2: 臨床試験(第三相) ― Avonex(登録商標)およびラキニモドの利益と危険性の評価
多国間、多施設、無作為、並行群、臨床試験は、RRMSの対象者で行われる(「BRAVO」)。 BRAVOは、二重盲検の試験計画においてプラセボに対するラキニモドのおよび評価者盲検(rater-blinded)の試験計画においてインターフェロン β-1a (Avonex(登録商標))の対照アーム(reference arm)の有効性、安全性および耐容性を評価するために実施される。
【0146】
MS臨床試験のための2006年のEMEAガイドラインは、少なくとも再発を予防することを意図する新しい治療の利益/危険性の比を比較するために、新しい治療と既に承認された治療とを比較する活性対照並行群試験(active control parallel group trials)が必要であることを記載している。 プラセボ、検査製品および活性対照での三アーム試験は、好適な計画である。
Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ-1a)は、ヒトインターフェロンベータ遺伝子が導入された遺伝的に操作されたチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いる組換えDNA技術により製造された166アミノ酸の糖タンパク質である。 Avonex(登録商標)のアミノ酸配列は、天然のヒトインターフェロンベータのものと同一である。
【0147】
Avonex(登録商標)は、身体能力障害の蓄積を緩やかにし、臨床症状悪化の頻度を減少させる再発型のMS患者の治療適用を表示した市場で販売されている薬である。 有効性が表示された多発性硬化症患者には、臨床上の最初の発病を経験し、MSと一致するMRI特性を有する患者が含まれる。
【0148】
Avonex(登録商標)の推奨量は、筋肉内週一回注射での30mcgである。
治験の標題
二重盲検試験計画でプラセボに対するラキニモドの対照アームの有効性、安全性および耐容性を評価するためのおよび評価者盲検試験計画でインターフェロン β-1a (Avonex(登録商標))の対照アームの有効性、安全性 および 耐容性を評価するための再発寛解型多発性硬化症(RRMS)被験者において行われる多国間、多施設、無作為、並行群試験。
【0149】
治験期間
スクリーニング期間: 1月。
【0150】
治療期間: 24月のラキニモド 0.6 mgの一日一回の経口投与、対応する経口プラセボまたは週一回のインターフェロンβ-1a(Avonex(登録商標)) 30 mcgの筋肉内投与。
【0151】
治験集団
RRMSの対象者。
【0152】
試験計画
適格な対象者は、1:1:1の比(経口ラキニモド:経口プラセボ:Avonex(登録商標))に無作為化され、以下の三つの治療アームの一つに割り当てられる:
1. ラキニモド 0.6 mgを経口で一日一回(400 対象者)。 0.6 mgのラキニモドは、カプセル毎に0.6 mgのラキニモド酸とメグルミンを含有するラキニモドカプセルとして投与される。
2. 対応するプラセボ(ラキニモドに対する)を経口で一日一回(400対象者)。
3. インターフェロンβ-1a (Avonex(登録商標)) 30 mcgを筋肉内注射で週一回(400 対象者)。
【0153】
経口投与の対象者は、二重盲検の様式で管理される。 Avonex(登録商標)での注射可能剤治療に割り当てられた対象者および彼らを治療する神経学者/医師は治療の割当には非盲検であるが、検査する神経学者/医師により盲検様式で神経学的に評価される(潜在的なIM注射部位がカバーされる)。
【0154】
治療期間の間、対象者は、-1 (スクリーニング)、0 (ベースライン)、1、2、3、6、9、12、15、18、21および24月(終了/早期中断)での全体で12回の予定された訪問時に研究施設で評価された。
【0155】
試験を問題なく完了する対象者は、1年のオープンラベル延長試験に参加する機会を提案され、この試験では0.6 mg ラキニモド/日が投与される。
【0156】
試験期間の間に、以下の評価が(治療の割当にかかわらず)特定の時点で行われる:
1. バイタルサインは、各試験の訪問時に測定される。
【0157】
2. 理学的検査は、-1(スクリーニング)、0(ベースライン) 1、3、6、12、18および24月(終了/早期中断)に行われる。
【0158】
3. 以下の安全性の臨床検査試験が行われる:
a. 全ての予定された訪問時の差次的な全血球計算値(CBC)。 網状赤血球数は、0月(ベースライン)および24/30月(終了/早期中断)に、同様に、ヘモグロビンが顕著に減少した際にCBCに加えられる。
【0159】
b. 全ての予定された訪問時での血清化学(電解質、肝臓酵素、直接および総ビリルビンおよびCPKおよび膵アミラーゼを含む)、および検尿。
c. 血清TSH、T3および遊離T4は、0(ベースライン)、6、12、18および24月(終了/早期中断)に測定される。
【0160】
d. 迅速尿β-hCG検査は、ベースライン(0月; 全ての対象者)とその後の予定された試験訪問(施設で経口治療に割り当てられた対象者のみ)とで妊娠している可能性がある女性において行われる。
【0161】
e. 妊娠している可能性がある女性におけるβ-hCGは、各々の試験訪問時に行われる。
【0162】
f. 3月の訪問後に開始される迅速尿β-hCG検査は、妊娠している可能性がある女性(経口治療に割り当てられた女性のみ)において28(±2)日毎に行われる。 対象者は、検査が実施されると予定された72時間後に電話で連絡をうけ、検査に関する特定の質問について問い合わせをされる。 妊娠が疑われるケース(尿β-hCG 検査結果が陽性)において、連絡者は試験薬が中断(discontinued)されることを確認し、対象者は全ての試験薬とともに可能な限り早く施設を訪問するように指示される。
【0163】
4. 炎症マーカー(血清の従来のC反応性タンパク質およびフィブリノーゲン)は、全ての予定された訪問時に測定される。
【0164】
5. 血清サンプルは、ラキニモドまたはAvonex(登録商標)の何れかで治療した際の免疫学的なパラメータおよび応答の評価およびラキニモドの作用の潜在的な機構の更なる調査のためにまたは感染因子の検出のために収集される。 これらのサンプルは、0、12および24月に収集される。
【0165】
6. 試験の最初の3月間に施設の職員による定期的な電話連絡が二週毎に行われる。 血管血栓症を示唆する徴候/症状に関連する既定の質問のリストが、対象者に提示される。 血栓事象が疑われるケースにおいて、対象者は、更なる評価のために直ちに施設を訪問するように要求される。
【0166】
7. ECGは、-1月(スクリーニング; QTcが>450msecである場合に30分間隔てて追加の記録が行われる)、0(ベースライン; 三回記録、15分間隔)、1、2、3、6、12、18および24月(終了/早期中断)に行われる。
【0167】
8. 胸部X線は、-1月(スクリーニング)に行われる(スクリーニング訪問前6月内に行われていない場合)。
【0168】
9. 有害事象(AEs)は、試験をとおしてモニターされる。
【0169】
10. 同時に行われる薬物治療は、試験をとおしてモニターされる。
【0170】
11. 神経状態[機能系(FS)、拡大能力障害状態スケール(EDSS; 転換スケール)、移動指標(AI)]および特定時間での25フィート歩行検査を含む神経学的な評価は、-1(スクリーニング)、0(ベースライン)並びにその後の終了/早期中断まで3月毎に行われる。 (スクリーニング訪問で、特定時間での25フィート歩行検査は、MSFCの一部として練習目的で3回行われる)。
【0171】
12. MS機能複合(MSFC: MS functional Composite)は、-1月(スクリーニング) (訓練目的のみの三回の練習)、0月(ベースライン)、6、12、18および24月(終了/早期中断)に評価される。
【0172】
13. 一般的な健康状態は、0月(ベースライン)および24月(終了/早期中断)にEuroQoL(EQ5D)調査票により評価される。
【0173】
14. 一般的な健康状態およびクオリティオブライフのパラメータは、0月(ベースライン)と、その後は終了/早期中断まで6月毎に簡易型一般健康調査(SF-36)対象者報告調査票により包括的に評価される。
【0174】
15. 対象者が報告した疲労は、変型疲労影響スケール(MFIS)により0(ベースライン)、2、6、12、18、および24月(終了/早期中断)に評価される。
【0175】
16. 全ての対象者は、0 (ベースラインでの訪問前の13-7日)、12 および24月(終了/早期中断)に3回のMRIスキャンを受診する。
【0176】
17. 全ての対象者は、0(ベースライン)、6、12、18 および24月(終了/早期中断)での各評価において1.25%、2.5%および100%のコントラストレベルチャート[スローン文字またはタンブリングE]を用いる両眼での低コントラスト視力(low-contrast visual acuity)を5回評価される。
【0177】
18. V因子のLeiden 変異に関する血液検査は、スクリーニング訪問の際に行われる。
【0178】
19. BおよびC型肝炎ウイルスに関する血清学的検査は、スクリーニング訪問の際に行われる。
【0179】
21. 再発は、試験をとおして確認/モニターされる。 「試験において」再発の規定は対象者の神経学的な評価によりサポートされなければならないので、神経脱落症候(neurological deficit)は偽再発(pseudo-relapses)を除外するために十分に長く持続されなければならない。 従って、実験2において、確認された再発は一または二以上の新しい神経学的な異常の出現または一または二以上の以前に観察された神経学的な異常の再出現であり、臨床状態の変化は少なくとも48時間持続し、少なくとも三十(30)日の神経学的な状態の改善が前の再発の開始の直前に存在する。
【0180】
20. 再発に対して許可された治療は、静脈内メチルプレドニゾロン 1 gr/日を5連続日までである。
【0181】
再同意基準(Re-consent criteria)
MS再発の診断が確認されたケース(プロトコール中に規定される)またはEDSSが>2.0 ポイント増加し、>3月持続するケースにおいて、以下の対処が採択される:
1. 対象者は、現行の利用可能なMSの薬物療法/治療および試験を終了する機会を指摘される。
【0182】
2. 対象者は、同じ処理割当での試験への関与を継続する対象者として選択された場合にインフォームドコンセントフォームに改めてサインすることが要求される。
【0183】
モニタリング
安全性のモニタリングプランおよび中止のルールは、1) 肝酵素の上昇、2) 炎症事象、3)血栓事象および4)膵炎の管理のために設定される。
【0184】
補助的な試験
遺伝薬理学的(PGt)評価: EC/IRBによるこの補助的な試験の承認に際し、PGtパラメータに関する血液サンプルをインフォームドコンセントフォームに0月(ベースライン)にサインした全ての対象者から収集した。
臨床、MRIおよび安全性のパラメータに関して、PGtとラキニモドまたはAvonex(登録商標)への応答との間の関係は、全ての施設で評価される。
【0185】
一般的な健康および利用される症状の重症度の影響は、作業の生産性および活動の障害により評価される; 一般的な健康(WPAI-GH)の調査を0月(ベースライン)およびその後は24月(終了/早期中断)の訪問時まで3月毎に行う(この評価は、米国の施設のみに由来する全ての対象者において行われる)。
【0186】
対象者数
約1200の対象者。
【0187】
募集期間が終わる前に、盲検での再発率およびサンプルサイズの再評価が行われる。 新しく予測された集団の再発率に基づいて、サンプルサイズは増加してもよい。
参加/除外基準
参加基準
1. 対象者は、改訂McDonald基準[Ann Neurol 2005:58:840-846]による規定のように再発寛解型疾患の経過を示すMSとの診断が確認され且つ記録されなければならない。
【0188】
2. 対象者は、スクリーニングおよびベースラインでの訪問時の双方で0-5.5の転換EDSSスコアで通院(ambulatory)しなければならない。
【0189】
3. 対象者は、スクリーニング(-1月)前の30日間におよびスクリーニング(-1月)とベースライン(0月)との間に、神経学的な状態が安定し、コルチコステロイド治療[静脈内(IV)、筋肉内(IM)および/または経口的(PO)]をうけていないことが必要とされる。
【0190】
4. 対象者は、以下のうちの一つを経験していなければならない:
a. スクリーニング12月前に少なくとも1回の再発の記録、または
b. スクリーニング24月前に少なくとも2回の再発の記録、または
c. スクリーニング前12月以内に行われるMRIの少なくとも一つのT1-Gd増強病巣の記録によりスクリーニングされる前の12および24月の間に再発が一回記録されたこと。
5. 対象者は、年齢18歳ないし55歳の間でなければならない。
6. 妊娠している可能性がある女性は、産児制限を許容される方法により行わなければならない。 本試験で許容される産児制限法は、外科的な滅菌法(surgical sterilization)、子宮内装置、経口避妊薬、避妊薬パッチ、長時間作用する避妊薬の注射可能剤、パートナーの精管切除またはダブルバリア法(コンドームまたは殺精子剤を付着させた隔膜ペッサリー)を含む。
【0191】
7. 対象者は、試験に参加する前にインフォームドコンセントにサインと日付を記載することが可能でなければならない。
【0192】
8. 対象者は、試験期間にプロトコールが要求する事項に進んで応じ且つ応じることができなければならない。
【0193】
除外基準
1. -1月(スクリーニング)および0月(ベースライン)の間の再発の開始またはコルチコステロイド[静脈内(IV)、筋肉内 (IM) および/または経口(PO)]またはACTHでの治療。
【0194】
2. 進行型のMSの対象者。
【0195】
3. 実験薬または試験薬の使用、および/またはスクリーニング前6月内に薬の臨床試験への参加。
4. スクリーニング訪問前6月内に免疫抑制剤〔ミトキサントロン(Novantrone(登録商標)を含む〕または細胞傷害剤の使用。
【0196】
5. ナタリズマブ(Tysabri(登録商標))、クラドリビン、ラキニモド、インターフェロンベータ-1a (Avonex(登録商標)またはRebif(登録商標))、インターフェロンベータ ベータ-1b (Betaseron(登録商標)/Betaferon(登録商標))またはMSのための任意の他の試験的なインターフェロンベータの何れかの以前の使用。
【0197】
6. スクリーニング訪問前2月内にグラチラマーアセテート(copaxone(登録商標))またはIVIGでの治療歴。
7. スクリーニング訪問前2 月内の長期(30日の連続日をこえる)の全身性(IV、POまたはIM)のコルチコステロイド治療。
8. 以前の放射線全身照射またはリンパ節全身照射(total lymphoid irradiation)。
【0198】
9. 以前の幹細胞治療、自己の骨髄移植またはアロジェニックな骨髄移植。
10. 結核の病歴。
【0199】
11. ベースライン訪問前2週内の急性感染。
【0200】
12. ベースライン訪問前2週内の重度の外傷または手術。
【0201】
13. 既知のヒト免疫不全症ウイルス(HIV)陽性の状態。
【0202】
14. ベースライン訪問前二週内のCYP3A4インヒビターの使用。
【0203】
15. スクリーニング訪問前2年内のアミオダロンの使用。
【0204】
16. 妊娠または母乳栄養(breastfeeding)。
【0205】
17. スクリーニングでのALTまたはASTの何れかの>3xULNの血清上昇。
【0206】
18. スクリーニングでの>2xULNの血清の直接ビリルビン。
【0207】
19. 以下から得られる> 450 msec(機械の出力による)のQTc間隔:
a. スクリーニング訪問での二回のECGの記録、または
b. 3回のベースラインのECG記録から計算された平均値。
【0208】
20. 調査者の意見では、病歴、理学的検査、ECG、臨床検査試験または胸部または胸部X線により決定される、安全で且つ完全な試験の参加を妨げる臨床上顕著なまたは不安定な医学的または外科的な状態の対象者。 係る状態は、以下を含みうる:
a. 試験プロトコールで許可される標準の治療で良好に制御できない心血管または肺の障害。
【0209】
b. 試験薬の吸収に影響しうる胃腸障害。
【0210】
c. 腎臓、代謝性または血液学的な疾患。
【0211】
d. 甲状腺疾患: 甲状腺機能亢進症を有する対象者は、試験に参加することは許可されない。 甲状腺機能低下症を有する対象者は、試験に参加することは許可されうる。、但し、前記対象者は、臨床上は甲状腺機能正常であり、安定であると考えられる。
【0212】
e. 肝疾患、例えば、肝硬変。
【0213】
f. QT延長症候群の家族歴。
【0214】
g. 薬物および/またはアルコール乱用の病歴。
【0215】
h. 自殺思考(suicidal ideation)が有るかまたは自殺思考が無い精神分裂病または重篤な鬱病を含む現時点の重篤な精神医学的な障害。
【0216】
i. スクリーニング訪問前12月内に生じる最後の痙攣を伴う発作障害の病歴。
【0217】
21. ガドリニウムに対する感受性の既往歴。
【0218】
22. MRIスキャニングを問題なく受診する能力の欠如。
23. マンニトール、メグルミンまたはフマル酸ステアリルナトリウム(sodium stearyl fumarate)への過感受性などのラキニモドの投与を妨げるだろう薬剤過敏症の既往歴。
【0219】
24. 天然または遺伝子組換え型インターフェロンベータ、ヒトアルブミン、またはAvonex(登録商標)の製剤の任意の他の成分への過感受性の既往歴。
【0220】
経路および剤形
ラキニモドアーム: 0.6 mg ラキニモドを含む一つカプセルが、経口的に一日一回投与される。 0.6 mg ラキニモドカプセルは、カプセル毎に0.6 mgのラキニモド酸をメグルミンと共に含有する。
0.6 mg ラキニモドカプセルは、2007年12月21日に公開されたPCT国際出願の公開番号WO/2007/146248に開示された方法にしたがい製造される(10頁、5行〜11頁、3行を参照されたい)。
【0221】
ラキニモドアームのための対応するプラセボ: 一つのカプセルが経口で一日一回投与される。
【0222】
Avonex(登録商標)アーム: インターフェロンβ-1a(Avonex(登録商標)) 30 mcgの単回注射が筋肉内に毎週一回投与される。
【0223】
転帰の評価(Outcome Measure)
一次転帰の評価
治療期間の間に確認された再発数。
二次転帰の評価
タイプIのエラーは、次の順番にしたがい階層的に手続きすることにより制御される(即ち、各指標は、先行する指標がプラセボとの比較に対してラキニモド 0.6 mgに対して0.05未満または0.05に等しいp値を有するケースにおいてのみ分析される):
1. 治療期間の最終のMSFCスコアにより評価される能力障害。
【0224】
2. 治療期間の終了時にベースラインからの脳容積の変化のパーセンテージにより規定される脳萎縮。
【0225】
3. EDSSの進行が確認されるまでの時間により測定される身体能力障害の蓄積(EDSSの進行の確認は、ベースラインが0および5.0の間である場合にEDSSスコアにおけるベースラインからの1ポイント増加、またはベースラインEDSSが5.5である場合に0.5ポイントの増加と規定され、3月後に確認される。 進行は、再発の間に確認できない)。
【0226】
安全性および耐容性の転帰の評価
1. 有害事象。
【0227】
2. バイタルサイン。
【0228】
3. ECGの所見。
【0229】
4. 臨床検査パラメータ。
【0230】
5. 試験を早く中断した対象者の比率、中断の理由および中断までの時間。
【0231】
6. AEsが原因で試験を早く中断した対象者の比率および中断までの時間。
【0232】
利益/危険性の評価
Avonex(登録商標)対照アームは、ラキニモド群およびプラセボ群の間の比較に関して同じ指標に対するプラセボ治療と比較される。
【0233】
これらの指標は、以下を含む:
1. 治療期間の間に確認された再発数。
【0234】
2. EDSSおよびMSFCの神経学的なスケールに基づく能力障害の評価。
【0235】
3. MRIパラメータ。
【0236】
4. 有害事象、バイタルサイン、ECGおよび臨床検査パラメータにより評価される安全性。
【0237】
5. 耐容性
6. クオリティオブライフのスケール、例えば: 変型疲労影響スケール(MFIS)、EuroQoL (EQ5D)調査票および簡易型一般健康調査(SF-36)対象者報告調査票により評価される一般的な健康状態。
【0238】
二つの活性アーム〔ラキニモド および Avonex(登録商標)〕の間の利益/危険性の比の比較評価は、以下の側面に基づく:
1. 有効性パラメータ(能力障害、MRIパラメータ、他の再発関連の指標)。
【0239】
2. 安全性および耐容性。
【0240】
3. クオリティオブライフ。
【0241】
付加的な探索指標
以下の評価は、探索様式(exploratory manner)で表される:
1. 12および24月(終了/早期中断)に得られたT1強調イメージにおける増強病巣の総数。
【0242】
2. 12月に得られるT1強調イメージにおける増強病巣の数。
【0243】
3. 24月(終了/早期中断)に得られるT1強調イメージにおける増強病巣の数。
【0244】
4. 12および24月(終了/早期中断)に得られる増強T1スキャンにおける新しい低強度病巣(「ブラックホール(black holes)」)の総数。
【0245】
5. 12月に得られる増強T1スキャンにおける新しい低強度病巣(「ブラックホール」)の総数。
【0246】
6. 24月(終了/早期中断)に得られる増強T1スキャンにおける新しい低強度病巣(「ブラックホール」)の総数。
【0247】
7. 12および24月(終了/早期中断)に得られるスキャンにおける新しい/新しく拡大するT2病巣の総数。
【0248】
8. 12月に得られるスキャンにおける新しい/新しく拡大しているT2病巣の数。
【0249】
9. 24月(終了/早期中断)に得られるスキャンにおける新しい/新しく拡大しているT2病巣の総数。
【0250】
10. 0月(ベースライン)および24月(終了/早期中断)の間のT2病巣容積の変化。
【0251】
11. 治療期間の終了/早期中断でのT2病巣の容積。
【0252】
12. ベースラインから24月(終了/早期中断)までの増強T1スキャンにおける低強度病巣の容積の変化。
【0253】
13. 1)ベースラインから12月およびb)12月から24月(終了/早期中断)の脳容積変化のパーセンテージにより規定される脳萎縮。
【0254】
14. 1.25%、2.5%および100%コントラストレベルのスローン文字またはタンブリングEチャートを2メートルの距離から正確に読んだ文字数により評価される両眼の視力におけるベースラインから24月(終了/早期中断)の変化。
【0255】
15. 変型疲労影響スケール(MFIS)により評価される対象者が報告した疲労。
【0256】
16. 治療期間の間に最初に確認された再発までの時間。
【0257】
17. 再発を生じない対象者の比率。
【0258】
18. 入院および/またはIVステロイドを必要とする治療期間の間に確認された再発の割合。
【0259】
19. EuroQoL(EQ5D)調査票により評価される一般的な健康状態。
【0260】
20. 簡易型一般健康調査(SF-36)対象者報告調査票により評価される一般的な健康状態および健康に関連するクオリティオブライフ。
【0261】
結果
本試験は、二重盲検試験計画でプラセボに対するラキニモドの対照アームの有効性、安全性および耐容性を評価し、また評価者盲検試験計画でインターフェロン β-1a (Avonex(登録商標))の対照アームの有効性、安全性および耐容性を評価して、ラキニモド経口剤およびインターフェロンβ-1a (Avonex(登録商標))注射可能剤の間の利益/危険性の評価の比較を行う。
【0262】
0.6 mg ラキニモドの連日経口投与によって、再発寛解型多発性硬化症患者において再発率に直接関連する確認された再発数が減少する。
また、0.6 mg ラキニモドの連日経口投与は、治療期間の最終のMSFCスコア、およびEDSSの確認された進行に対する時間により測定される再発寛解型多発性硬化症患者における身体能力障害の蓄積を減少させる。
また、0.6 mg ラキニモドの連日経口投与は、再発寛解型多発性硬化症患者において、ベースラインから治療期間最終までの脳容積変化のパーセンテージにより測定される脳萎縮を減少させる。
【0263】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における再発率を減少させるための方法であって、ラキニモドまたは薬学的に許容されるラキニモドの塩を一日量0.6 mg ラキニモドで経口的に患者に投与して、再発率を減少させることを含む方法。
【請求項2】
前記再発率は少なくとも30%減少する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記再発率は少なくとも70%減少する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ラキニモドはラキニモドナトリウムの形態で投与される、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ラキニモドは再発寛解型多発性硬化症に関して単独療法として投与される、請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ラキニモドは他の再発寛解型多発性硬化症治療との補助療法として投与される、請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記他の再発寛解型多発性硬化症治療はインターフェロンベータ1-a、インターフェロンベータ1-b、グラチラマーアセテート、ミトキサントロンまたはナタリズマブの投与である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記投与は24週以上の期間である、請求項1〜7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における身体能力障害の蓄積を減少させるための方法であって、ラキニモドまたは薬学的に許容されるラキニモドの塩を一日量0.6 mg ラキニモドで経口的に患者に投与して、身体能力障害の蓄積を減少させることを含む方法。
【請求項10】
身体能力障害の蓄積はカルツッケ拡大能力障害状態スケール(EDSS)スコアにより測定される確認された疾患の進行に対する時間で評価される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記患者はラキニモド投与前に0-5.5のEDSSスコアを有していた、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記患者はラキニモド投与前に5.5以上のEDSSスコアを有していた、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
確認された疾患の進行は、EDSSスコアの1ポイント増加である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
確認された疾患の進行は、EDSSスコアの0.5ポイント増加である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
確認された疾患の進行に対する時間は20-60%増加する、請求項9〜14の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
確認された疾患の進行に対する時間は50%増加する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ラキニモドはラキニモドナトリウムの形態で投与される、請求項9〜16の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ラキニモドは再発寛解型多発性硬化症に関して単独療法として投与される、請求項9〜17の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記ラキニモドは他の再発寛解型多発性硬化症治療との補助療法として投与される、請求項9〜17の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記他の再発寛解型多発性硬化症治療はインターフェロンベータ1-a、インターフェロンベータ1-b、グラチラマーアセテート、ミトキサントロンまたはナタリズマブの投与である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記投与は24週以上の期間である、請求項9〜20の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における再発率を減少させることに使用するための0.6 mgラキニモドの薬学的な経口単位剤形。
【請求項23】
再発寛解型多発性硬化症のヒト患者における身体能力障害の蓄積を減少させることに使用するための0.6 mgラキニモドの薬学的な経口単位剤形。

【公表番号】特表2012−530701(P2012−530701A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516065(P2012−516065)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/001759
【国際公開番号】WO2010/147665
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】