説明

多軸ウォームマシーンにおける材料を処理するための処理要素及び多軸ウォームマシーン

【課題】 処理される材料に作用するせん断流れ及び/又は伸張流れの調整において、高い柔軟性が生じさせられる一般的なタイプの多軸ウォームマシーンを提供する。
【解決手段】 長手方向の軸線Mと中心点として長手方向の軸線Mを有するそれぞれのコア半径Rと外径Rと長手方向の軸線M回りに延びている外側輪郭A(φ)とを有する多軸ウォームマシーンでの材料処理のための処理要素において、外側輪郭A(φ)は、角度部分Δφに沿って延びる少なくとも1つの外側輪郭部分A(Δφ)を有し、外側輪郭部分A(Δφ)は、長手方向の軸線Mから連続的に変化する距離D(Δφ)とエボリュートEを有し、エボリュートEはn個の点P(i)であり、2つの隣接した点P(i)とP(i+1)はそれぞれ、相互の距離Δr(i)を有しており、距離Δr(i)はR/2より短くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブル部分(所謂おいて書き部分)に基づく多軸ウォームマシーン(multi-shaft worm machine)、特に2軸ウォームマシーン(two-shaft worm machine)における材料を処理するための処理要素に関する。更に、本発明は、請求項15のプリアンブル部分に基づく多軸ウォームマシーン、特に2軸ウォームマシーン(two-shaft worm machine)に関する。
【背景技術】
【0002】
一条ねじ処理(single-threaded treatment)要素又はウォーム要素を有する2軸ウォームマシーンは、特許文献1で公知である。ウォーム要素の外側輪郭は、横断面において円弧から構成される。回転方向に置かれる能動的な側面は、外側輪郭を有する。それは、3つの円弧から構成され、それらの中心点は、ウォーム要素の外径上又は長手方向軸線上の何れかに位置している。その欠点は、ウォーム要素が、処理される材料に作用するせん断流れ(shear flows)及び/又は伸張流れ(extensional flows)の調節において、低い柔軟性を許すにすぎないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE 1 180 718 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、処理される材料に作用するせん断流れ及び/又は伸張流れの調整において高い柔軟性がもたらされるような一般的なタイプの処理要素を開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有する処理要素によって達成される。本発明によれば、従来技術から知られている処理要素は、コア半径に対する外径の比或いは割合が同じであれば、頂曲線(crest curve)を有する能動的な側面曲線(flank curve)について同じ交差角度を有することが確認された。ハウジングボア(housing bores)の内側半径は、処理要素の外径より半径方向の遊び(radial play)だけ大きい。したがって、ハウジングの内側輪郭と能動的な側面曲線の間の幾何学的に類似したくさびの形態が、外径に対する半径方向の遊びの一定の割合で常に生じさせられる。くさびで一般的なせん断流れ及び/又は伸張流れは、実質上その幾何学的形態に基づくため、それらは、頂の曲線を有する能動的な側面曲線の交差角度によってだけ調整され得る。交差角度は、内径に対する外径の割合にだけ基づくため、せん断流れ及び/又は伸張流れの調整は、くさびの幾何学的形状によって非常に限られた限度でだけ可能であるにすぎない。
【0006】
対照的に、本発明に係る処理要素は、横断面又は横断面投影(cross sectional projection)で見て、少なくとも1つの外側輪郭部分A(Δφ)を有している。それに関連したエボリュートEは、相当量のn点P(i)であり、i=1からnで、n≧3、特にn≧4で、特にn≧5であり、それぞれの点P(i)は、処理要素の長手方向軸線Mの外側で且つその外径Rの範囲内にある。2つの隣接したそれぞれの点P(i)とP(i+1)は、相互に距離Δr(i)を有する。それは、R/2より小さく、特にR/4より小さく、特にR/6より小さく、そして特にR/8より小さい。隣接点P(i)とP(i+1)は、隣接するインボリュート曲線E’(i)とE’(i+1)に属する。インボリュート曲線E’(i)、i=1からnは共に、エボリュートEに属する外側輪郭部分A(Δφj)を形成する。
【0007】
指数jは、エボリュートの数を特徴付ける。少なくとも1つの外側輪郭部分A(Δφ)は、処理要素の側面の少なくとも1つの部分を形成し、関連したくさびは、エボリュートEのタイプと配置によって柔軟に調整可能となる。対応して、処理要素によって生じさせられたせん断流れ及び/又は伸張流れは、エボリュートEのタイプと配置によって処理される材料に柔軟に合わせられ得る。
【0008】
平面内で延びている関連した外側輪郭部分A(Δφ)のエボリュートEは、曲率中心点(the center points of curvature)又は曲率円(circle of curvature)の中心点の位置又は曲線である。エボリュートEに属する外側輪郭部分A(Δφ)もインボリュートと呼ばれる。軸線間距離(axial spacing)aの長さを有する架空のロッドは、エボリュートE上で展開され、外側輪郭を構成し、第1のロッド端部が1つの処理要素の外側輪郭部分A(Δφji)を定義し、第2のロッド端部が別の処理要素の関連した外側輪郭部分Aj+1(Δφji+1)を定義する。それらは、多軸ウォームマシーンに取付られた時、相互にきつく噛み合う。
【0009】
本発明に係る処理要素の構成について高い限度の自由度は、エボリュートEのタイプ、配置、数によって与えられる。そのため、外側輪郭部分(Δφ)は、広い範囲にわたってそれらの曲率、長さ、それらの交差角度に関して変更可能である。したがって、側面とハウジングの内側輪郭の間のくさびは、設計の点で非常にフレキシブルである。これらのくさびで一般的なせん断流れ及び/又は伸張流れは、実質的に処理される材料の品質に影響を与えるため、品質は、本発明に係る処理要素によって最適化され、所定の要件に合わせられ得る。この場合、少なくとも1つの外側輪郭部分A(Δφ)は、回転方向にある能動的な側面の一部を特に形成する。
【0010】
処理要素は、混練要素又は混練ディスク(kneading disc)として構成され、長手方向の軸線Mの方向に一定の外側輪郭を有し得る。複数の混練要素が、混練ブロック(kneading blocks)に関して長手方向の軸線M回りに異なったオフセット角度で組み合わされ得る。混練ブロックは、一体に製造され、又は個々の混練要素から組み合わされ得る。
【0011】
更に、処理要素は、ウォーム要素として構成され得て、その外側輪郭は、一定の及び/又は連続的な動作(作用)によって長手方向の軸線Mの方向で捻られる。その捻れは、長手方向の軸線M周りに2つの回転方向で基本的に生じ得て、そのため、ウォーム要素は、搬送効果又は保持効果を選択的に有する。ウォーム要素の幾何学的形状に依存し、外側輪郭は、場合によっては横断面突起として理解され得る。
【0012】
更に、処理要素は、移行要素(transition element)として構成されてもよく、それは、長手方向の軸線Mの方向において、開始外側輪郭(starting outer contour)と終了外側輪郭(end outer contour)を有し、それらは異なり、そして、開始外側輪郭が連続的に終了外側輪郭に変化するように、連続的な動作に従って長手方向の軸線Mの方向に変化する。
【0013】
したがって、本発明に係る処理要素は、きつく噛み合った多軸ウォームマシーン、特に同一方向又は反対方向で回転駆動させられ得る2軸ウォームマシーンにおいて関連した別の処理要素と共に使用可能となる。隣接し、きつく噛み合った処理要素は、この場合、処理要素グループを形成し、その処理要素は、一つの共通のエボリュートE又は複数の共通のエボリュートE上で長さaの架空ロッドを展開させることによって構成される。
【0014】
更に、本発明に係る処理要素の有利な構成は、請求項2から請求項14で明らかとなる。
【0015】
更に、本発明は、処理される材料に作用するせん断流れ及び/又は伸張流れの調整において、高い柔軟性が生じさせられる一般的なタイプの多軸ウォームマシーンを開発することの目的を基礎としている。
【0016】
この目的は、請求項15の特徴を有する多軸ウォームマシーンによって達成される。請求項1から請求項14の少なくと何れか1つに係る少なくとも2つの処理要素によって、側面とハウジングの内側輪郭との間のくさびは、柔軟に変化させられ得る。これによって、及ぼされるせん断流れ及び/又は伸張流れは、処理される材料に最適に合わせられ得る。少なくとも2つの処理要素は、それらがきつく噛み合い、対応する処理要素グループを形成するように構成されて配置される。これは、外径Rとコア半径Rの合計が軸線間距離aに実質的に対応することで達成される。実質的には、これは、実際には一般的である軸線間収縮(axial retraction)bが無視されることを意味する。軸線間収縮bが考慮されると、外径Rとコア半径Rの合計は、軸線間距離aと軸線間収縮bの差に対応する。
【0017】
処理要素グループの少なくとも2つの処理要素は、軸線間距離aの長さ又は軸線間収縮bを差し引いた軸線間距離aの長さを有する架空のロッドを展開することで少なくとも1つの共通のエボリュートEに構成される。
【0018】
エボリュートEのタイプ、配置、数に応じて、処理要素グループの処理要素は、対称、例えば軸対称及び/又は回転対称になったり、非対称になったり、及び/又は合同になったり、非合同になったりする。更に、少なくとも2つの処理要素は、請求項1に関する構成に従って開発され得る。本発明に係る多軸ウォームマシーンの更に有利な構成は、請求項16から請求項18で明らかとなる。
【0019】
本発明の更なる特徴、詳細そして利点は、図面を参照した複数の実施形態の以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係る2軸射出機として構成された2軸ウォームマシーンを示す概略図である。
【図2】図1に係る2軸ウォームマシーンを示す水平部分縦断面図(a horizontal part longitudinal section)である。
【図3】図1における断面線III−IIIに従って2軸ウォームマシーンを第1の回転位置で混練要素として構成された2つのきつく噛み合っている処理要素と共に示す垂直横断面図である。
【図4】図1における断面線III−IIIに従って2軸ウォームマシーンを第2の回転位置で混練要素として構成された2つのきつく噛み合っている処理要素と共に示す垂直横断面図である。
【図5】図3に係る複数の処理要素を示す斜視図である。
【図6】図3に係る処理要素の第1構造ステップを示す構造図である。
【図7】図3に係る処理要素の第2構造ステップを示す構造図である。
【図8】図3に係る処理要素の第3構造ステップを示す構造図である。
【図9】第2実施形態に係るウォーム要素として構成された複数のきつく噛み合った処理要素を示す斜視図である。
【図10】第3実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図11】図10に係る処理要素の構造ステップを示す構造図である。
【図12】第4実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図13】図12に係る処理要素の第1の構造ステップを示す構造図である。
【図14】図12に示す処理要素の第2の構造ステップを示す構造図である。
【図15】図12に示す処理要素の第3の構造ステップを示す構造図である。
【図16】第5実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図17】第6実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図18】第7実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図19】第8実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図20】第9実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図21】第10実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図22】第11実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図23】第12実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図24】第13実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図25】第14実施形態に係る処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図26】第15実施形態に係る二条ねじ処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図27】図26に示す処理要素の構造ステップを示す構造図である。
【図28】第16実施形態に係る二条ねじ処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図29】第17実施形態に係る二条ねじ処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図30】第18実施形態に係る三条ねじ処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図31】第19実施形態に係る一条ねじ処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図32】図31に示す処理要素の構造ステップを示す構造図である。
【図33】第20実施形態に係る一条ねじ処理要素を図3に従って示す垂直横断面図である。
【図34】図33に示す処理要素の構造ステップを示す構造図である。
【図35】第21実施形態に係る偏心配置された処理要素を図28に従って示す垂直横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1実施形態を、図1から図8を参照して以下に述べる。2軸射出機(two-shaft extruder)として構成された2軸ウォームマシーン(two-shaft worm machine)1は、前後に配置され、ハウジング区分として示された複数のハウジング部分3,4,5,6からなるハウジング2を有する。ハウジング2内に、第1のハウジングボア7と第2のハウジングボア8がハウジングを貫通して構成されている。それらの関連した軸線9,10は、相互に平行に延びている。ハウジングボア7,8の貫通領域において、ハウジング部分3〜6は、上部の第1の三角隅壁(interstice)11と対応して構成された下部の第2の三角隅壁(interstice)12を有している。
【0022】
駆動モータ15によって回転駆動され得るシャフト13,14は、それぞれ関連した軸線9,10に関して同心状にハウジングボア7,8に配置されている。分岐伝動装置(branch gearing)16が、シャフト13,14と駆動モータ15の間に配置されている。そしてクラッチ17が、駆動モータ15と分岐伝動装置16の間に配置されている。シャフト13,14は、同一方向に、言い換えれば、軸線9、10回りで同一の回転方向18,19に駆動される。したがって軸線9,10もまた、回転軸線を意味する。
【0023】
漏斗形状をした材料供給部(material feed)20が、分岐伝動装置16に近接した第1ハウジング部分3上に配置される。材料供給部20を通って、調製されるべき又は加工されるべきプラスチック材料がハウジングボア7,8の中に供給され得る。材料は、搬送方向21において第1のハウジング部分3から最後のハウジング部分6へハウジング2を通って搬送され、例えばハウジング2を閉じるノズルプレート22を通ってウォームマシーン1を離れる。
【0024】
ウォームマシーン1は、搬送方向21に前後して、供給域(feed zone)23と溶融域(melting zone)24と混合域(mixing zone)25と圧力増大域(pressure build-up zone)26を有している。夫々対のように互いに関連して、第1のウォーム要素(warm element)27,28と、第1の混練要素(kneading element)29,30と、第2の混練要素31,32と、第2のウォーム要素33,34が、搬送方向21に前後して、処理要素として夫々、歯付きシャフト(toothed shafts)として構成されたシャフト13、14上に配置されている。ウォーム要素27,28,33,34と混練要素29,30,31,32の両方は、相互に噛み合っている。言い換えれば、きつく噛み合って構成されている。夫々、対のように互いに隣接して配置されたウォーム要素27,28は、第1の処理要素グループ35を形成する。したがって、混練要素29,30、混練要素31,32及びウォーム要素33,34は、更なる処理要素グループ36,37,38を形成する。
【0025】
図3〜図8に基づいて以下に、混練要素31、32からなる処理要素グループ37を詳細に記載する。1つの要素処理グループだけが、明瞭さの理由から図3及び図4に示される。後に続く処理要素グループ37の混練要素31,32は、例えばそれぞれの長手方向軸線Mの回りに30°のオフセットアングルを有している。混練要素31,32は、一条ねじ(single-threaded)であり、相互に関して一致するように構成されている。これは、混練要素31,32がそれぞれの長手方向軸線M又はMの回りの移行/回転によって一致させられ得ることを意味する。長手方向軸線M及びMは、シャフト13,14の関連した回転軸線9,10と同心である。長手方向軸線M、Mに対して垂直に延びる横断面の平面に、夫々の混練要素31,32は、関連した長手方向軸線M,Mの回りに延びる外側輪郭A(φ),A(φ)を有する。φは、それぞれの長手方向軸線M,Mの回りの角度であり、0°≦φ≦360°である。混練要素31,32が相互に一致するように、それら外側輪郭A(φ)及びA(φ)は等しい。以下で、外側輪郭A(φ)及びA(φ)並びに長手方向軸線M及びMを区別することは重要でなく、それらはA(φ)又はMによって共通に示される。
【0026】
外側輪郭A(φ)は、それぞれの長手方向軸線M、つまり中心点の役割を果たす軸線Mに関して、最小コア半径(core radius)Rと最大外径R(outer radius)を有する。外径Rは、ハウジングボア7,8の内径Rより半径方向の遊び<S>だけ小さい。混練要素31,32がきつく噛み合っているように構成されるので、コア半径Rと外径Rの合計は、回転軸線9,10の軸線方向の間隔aと実質的に等しい。これは、僅かな軸線方向の押し戻し(retraction)bは無視されることを実質的に意味する。これが考慮されるならば、コア半径Rと外径Rの合計は、軸線間距離(axial spacing)aと軸線方向の押し戻しbの差に等しくなる。軸線方向の押し戻しbは、以下では無視される。
【0027】
外側輪郭A(φ)の構造と延び具合を、以下に詳細に記載する。外側輪郭A(φ)は、それらの長手方向軸線Mからそれぞれの間隔D(φ)を有している。そこにそれぞれR≦D(φ)≦Rが当てはまる。外側輪郭A(φ)は、頂A(Δφ)とベースA(Δφ)と2つの側面A(ΔφF1)とA(ΔφF2)を有している。角度部分Δφ,Δφ,Δφは、頂角度とベース角度と側面角度を意味する。これは、図8に図示される。
【0028】
第1の側面A(ΔφF1)は、角度部分Δφを有する第1の外側輪郭部分A(Δφ)と、移行角度Δφを有する移行部分A(Δφ)から構成され、それぞれの回転方向18,19に混練要素31,32の作用(能動的な)側面を形成する。第2の側面A(ΔφF2)は、角度部分Δφを有する第2の外側輪郭部分A(Δφ)と一致し、それぞれの回転方向18、19と逆方向にある混練要素31、32の受動的な側面を形成する。外側輪郭部分A(Δφ)と外側輪郭部分A(Δφ)は、それぞれの長手方向軸線Mから連続的に変化する距離D(Δφ)とD(Δφ)を有し、それらは、それぞれR<D(Δφ)<Rである。これは、図7に示される。
【0029】
外側輪郭部分A(Δφ)と外側輪郭部分A(Δφ)は、関連したエボリュート(evolute)Eを有する。それは、3点P(i)の数量であり、i=1〜3である。点P(i)は、それぞれの長手方向軸線Mの外側で外径Rの内側にある。
【0030】
外側輪郭部分A(Δφ)と外側輪郭部分A(Δφ)の構造は、図6に示される。その構造に関して比喩的に言えば、軸線間距離(axial spacing)aの長さを有する架空のロッド(rod)は、エボリュートE上で展開され、つまり第1のロッド端部は、一方の混練要素31の第1の外側輪郭部分A(Δφ)を定義し、第2のロッド端部は、他方の混練要素32の第2の外側輪郭部分A(Δφ)を定義する。逆の関係で定義されることもある。言い換えれば、架空のロッドは、点P(1)〜P(3)によって形成されたポリゴンコース(polygon course)で展開される。その際、ロッド端部は、初めのうちはコア半径R又は外径R上にある。コア半径R上に元々あるロッド端部が外径R上に当たる時に、展開は終了させられる。展開は、架空のロッドがポリゴンコースの次の点、つまりP(2)上に当たるまで、架空のロッドが点P(1)回りに回転させられることを意味するものとする。そして、架空のロッドが次の点、つまりP(3)上に当たるまで、架空のロッドは、点P(2)回りに回転させられる。そして、架空のロッドの端部が外径R上に当たるまで、架空のロッドは、点P(3)回りに回転させられる。この展開は、図6に示される。つまり架空のロッドは、巻き戻しが破線によって示される間は、個々の位置で示される。
【0031】
したがって、外側輪郭部分A(Δφ)と外側輪郭部分A(Δφ)は、3つの円弧によって形成され、それらと関連した中心点は、点P(1)〜P(3)である。点P(1)〜P(3)の隣り合った両点は、互いに一定間隔Δr(i)=Δrを有する。これは、隣接する円弧の半径が間隔Δr(i)=Δrだけ異なることを意味する。隣接する円弧は、またインボリュート曲線(involute curve)E’(1)〜E’(3)とも呼ばれる。間隔Δrは、RよりもR/2よりも小さい。特に間隔Δrはまた、R/4より小さくても、特にR/6より小さくても、そして特にR/8より小さくても良い。点P(1)〜P(3)に属する円弧は、一定の中心角度Δε(i)=Δεを有している。中心角度Δε(i)=Δεは、60°より小さい。中心角度Δεもまた、特に45°より小さく、特に30°より小さくても良い。
【0032】
一定の間隔Δrと一定の中心角度Δεのため、点P(1)〜P(3)は、同じままである曲率(湾曲)の方向を有する円の形態をした連続的かつ微分可能な曲線上にある。
【0033】
図7は、第1の側面A(ΔφF1)の更なる構造を示す。第1の側面A(ΔφF1)は、第1の外側輪郭部分A(Δφ)と移行角度Δφを有する移行部分A(Δφ)から構成されている。移行部分A(Δφ)は、移行半径Rを有する中心点M回りの円弧である。中心点Mは、外径Rと第2の外側輪郭部分A(Δφ)との接触点から生じさせられる。移行半径Rは、軸線間距離aに対応する。比喩的に言えば、軸線間距離aの長さを有する架空のロッドは、いったんそのロッドの端部が外径R上に当たると、そのロッドが長手方向の軸線Mを越えるまで、この接触点の回りに、言い換えれば中心点M回りに回転させられる。そして、可動ロッドの端部は、コア半径R上に落ち着く(停止する)。
【0034】
図8は、頂A(Δφ)とベースA(Δφ)の構造を示す。頂A(Δφ)は、中心点として長手方向の軸線M、外径Rに対応する半径を有する円弧である。ベースA(Δφ)もまた、中心点として長手方向の軸線M、コア半径Rに対応する半径を有する円弧である。比喩的に言えば、架空のロッドは、いったんこれが長手方向の軸線Mに当たっていると、そのロッドの端部がそれらの開始点(starting point)に再び当たるまで軸線Mの回りに回転させられる。したがって、頂角度Δφは、ベース角度Δφに対応する。
【0035】
そのロッドの端部は、外側輪郭A(φ)又はA(φ)の1つをそれぞれ定義するので、記載されたプロセスは、混練要素31,32のそれぞれのための完全な外側輪郭A(φ)又はA(φ)を定義するために、再び繰り返されなければならない。外側輪郭部分A(Δφ)と外側輪郭部分A(Δφ)が共通のイボリュートE上に形成され、又は共通のエボリュートEを有するという事実のため、構造プロセスから生じる外側輪郭A(φ)とA(φ)は一致する。これは、上記の構造プロセスがこの特殊なケースのために繰り返される必要はないことを意味する。両方の混練要素31、32はそれによって既に構築されているためである。
【0036】
外側輪郭部分A(Δφ)と外側輪郭部分A(Δφ)は、それらのそれぞれの角度部分ΔφとΔφに亘ってカーブさせられ、直線部分を有していない。更に、外側輪郭部分A(Δφ)と外側輪郭部分A(Δφ)は、曲率(湾曲)の一様な方向を有している。
【0037】
図3及び図4から分かるように、混練要素31、32と関連し同一であるエボリュートEは、その方向に軸線間距離aだけ直線変位によって相互に移動させられ得る。両エボリュートE又は両エボリュートEの点P(i)がある曲線の、接触点Bからの距離の合計は、それぞれの回転位置における軸線間距離aの方向において軸線間距離aと実質的には等しい。それによって、混練要素31、32は、きつく噛み合っている。
【0038】
ハウジングボア7,8の内側輪郭と能動的な側面A(ΔφF1)との間のくさび(wedge)Kと内側輪郭と受動的な側面A(ΔφF2)との間の対応するくさびKは、本発明に係る混練要素31、32において柔軟に調整させられ得る。それによって、せん断流れ及び/又は伸張流れ(extensional flows)は、処理されるべきプラスチック材料に最適に合わせられ得る。頂A(Δφ)と能動的な側面A(ΔφF1)の能動的な交差角αは、0°である。頂A(Δφ)と受動的な側面A(ΔφF2)の受動的な交差角αは、0°より大きい。
【0039】
全ての回転位置における混練素子31、32の両エボリュートEの距離は、軸線間距離aに対応するために、混練素子31、32は、きつく噛み合っていて、それらのそれぞれの接触点Bに共通の接線を有する。
【0040】
本発明に係る第2実施形態は、図9を参照して以下に記載される。第1実施形態とは対照的に、処理要素31a,32aはウォーム要素として形成されている。外側輪郭A(φ)と外側輪郭A(φ)は、第1実施形態に対応する。これらは、一定で連続した作用でそれぞれの回転軸線9,10に沿って捻じられている。動作の更なる態様に関しては、第1実施形態が参照される。
【0041】
本発明に係る第3実施形態は、図10及び図11を参照して以下に記載される。混練要素31bと混練要素32bは、互いに合同でもなければ、対称でもない。混練要素31b、32bは、それぞれ2つのエボリュートEを有しており、j=1及び2である。エボリュートEのそれぞれは、3点P(i)の数量であり、i=1〜3である。第1のエボリュートEは、点P(1)〜P(3)から形成されたポリゴンコース(a polygon course)であり、点P(1)〜P(3)の隣接点は異なる間隔Δr(i)を有する。第2のエボリュートEは、第1実施形態のそれに対応している。外側輪郭部分A(Δφ11)と外側輪郭部分A(Δφ12)は、第1のエボリュートEで架空のロッドを展開することによって形成される。第1実施形態に従って、それから移行部分A(ΔφT1)は、中心点MT1回りに架空のロッドを回転させることで形成される。そして、中心点M回りに架空のロッドを回転させることによって、頂A(ΔφK2)とベースA(ΔφG1)は、第1実施形態に従って形成される。
【0042】
架空のロッドは更に半回転する。架空ロッドは、最初に第2のエボリュートE上で展開され、その結果、外側輪郭部分A(Δφ21)と外側輪郭部分A(Δφ22)は形成される。中心点MT2回りに架空のロッドを回転させることで、そして移行部分A(ΔφT2)は、第1実施形態と同じように形成される。中心点M回りに架空のロッドを回転させることによって、ベースA(ΔφG2)と頂A(ΔφK1)は形成され、外側輪郭A(φ)と外側輪郭A(φ)は、閉じられる。したがって、外側輪郭部分A(Δφ11)と外側輪郭部分A(Δφ12)は、エボリュートE上に生じるのに対して、外側輪郭部分A(Δφ21)と外側輪郭部分A(Δφ22)は、これとは異なったエボリュートE上に生じる。したがって、くさびKa1とくさびKa2又はくさびKp1とくさびKp2、及び交差角αa1と交差角αa2又は交差角αp1と交差角αp2もまた異なって構成される。動作と構造の更なる態様に関しては、第1の実施形態が参照される。
【0043】
本発明に係る第4の実施形態は、図12〜15を参照して以下に記載される。前の例とは対照的に、エボリュートEは、中心点M回りの円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。数学的にみると、このエボリュートEは、第1実施形態に係る中心角度Δεに対してゼロへの極限移行(limit transition)が実行されるように形成され得る。そして、両点P(i)の距離Δrは、弧の長さdsになり、中心角度Δεは、接線方向の変化dεになる。したがって、エボリュートEは曲率半径R=ds/dεを有する。そのため、エボリュートEは、無限大の数の点P(i)を有する円弧であり、極限移行でi=1〜∞である。図13と図14における側面A(ΔφF1)と側面A(ΔφF2)の構造は、第1の実施形態に従って生じ、エボリュートEは、既に述べたように、円弧である。外側輪郭部分A(Δφ)と外側輪郭部分A(Δφ)は、同一のエボリュートEを有し、混練要素31cと混練要素32cは互いに合同である。しかしながら、混練要素31cと混練要素32cは、対称でない。能動的な交差角度は、α=0°である。したがって、受動的な交差角度は、α>0°である。くさびKとくさびKは、それゆえ、処理されるべきプラスチック材料に柔軟に合わせられ得る。更なるファンクションと構造の態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0044】
本発明に係る第5実施形態は、図16を参照して以下に記載される。混練要素31dと混練要素32dは、第4実施形態に従って構成され、エボリュートEを有する。エボリュートEは、円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。コア半径Rに対する外径Rの割合は、1.55に等しい。頂角度は、Δφ=20°であり、能動的な交差角度は、α=0°である。受動的な交差角度は、α>0°である。関連したくさびKとKは、それゆえ、処理されるべきプラスチック材料に柔軟に合わされ得る。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0045】
本発明に係る第6実施形態は、図17を参照して以下に記載される。混練要素31eと混練要素32eは、第4実施形態に従って構成され、エボリュートEを有する。エボリュートEは、円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。コア半径Rに対する外径Rの割合は、1.55に等しい。頂角度は、Δφ=80°である。能動的な交差角度は、α=0°である。受動的な交差角度は、α>0°である。関連したくさびKとKは、それゆえ、処理されるべきプラスチック材料に柔軟に合わされ得る。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0046】
本発明に係る第7実施形態は、図18を参照して以下に記載される。混練要素31fと混練要素32fは、第4実施形態に従って構成され、エボリュートEを有する。エボリュートEは、円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。コア半径Rに対する外径Rの割合は、1.55に等しい。頂角度は、Δφ=20°である。能動的な側面A(ΔφF1)に関連した能動的な交差角度は、α=15°である。受動的な側面A(ΔφF2)に関連した受動的な交差角度は、α=20°である。関連したくさびKとKは、それゆえ、処理されるべきプラスチック材料に柔軟に合わされ得る。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0047】
本発明に係る第8実施形態は、図19を参照して以下に記載される。混練要素31gと混練要素32gは、第4実施形態に従って構成され、エボリュートEを有する。エボリュートEは、円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。コア半径Rに対する外径Rの割合は、1.55に等しい。頂角度は、Δφ=20°である。能動的な側面A(ΔφF1)に関連した能動的な交差角度は、α=5°である。受動的な側面A(ΔφF2)に関連した受動的な交差角度は、α=10°である。関連したくさびKとKは、それゆえ、処理されるべきプラスチック材料に柔軟に合わされ得る。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0048】
本発明に係る第9実施形態は、図20を参照して以下に記載される。混練要素31hと混練要素32hは、第4実施形態に従って構成され、エボリュートEを有する。エボリュートEは、円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。コア半径Rに対する外径Rの割合は、1.55に等しい。頂角度は、Δφ=20°である。能動的な関連した交差角度は、α=5°である。受動的な交差角度は、α=20°である。関連したくさびKとKは、それゆえ、処理されるべきプラスチック材料に柔軟に合わされ得る。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0049】
本発明に係る第10実施形態は、図21を参照して以下に記載される。混練要素31iと混練要素32iは、第4実施形態に従って構成され、エボリュートEを有する。エボリュートEは、円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。コア半径Rに対する外径Rの割合は、1.55に等しい。頂角度は、Δφ=20°である。能動的な交差角度は、α=10°である。受動的な交差角度は、α=10°である。同一の交差角度αとαのため、混練要素31iと混練要素32iは、合同で対称である。関連したくさびKとKは、同様に構成される。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0050】
本発明に係る第11実施形態は、図22を参照して以下に記載される。混練要素31jと混練要素32jは、第4実施形態に従って構成され、エボリュートEを有する。エボリュートEは、円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。コア半径Rに対する外径Rの割合は、1.55に等しい。頂角度は、Δφ=0である。したがって、頂A(Δφ)は、単点、つまり中心点Mになる。能動的な側面A(ΔφF1)に関連した交差角度αは、最大となる。受動的な側面A(ΔφF2)に関連した交差角度αもまた最大となる。同一の交差角度αとαのため、混練要素31jと混練要素32jは、合同で対称である。関連したくさびKとKは、それゆえ、処理されるべきプラスチック材料に柔軟に合わせられ得る。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0051】
本発明に係る第12実施形態は、図23を参照して以下に記載される。混練要素31kと混練要素32kは、第4実施形態に従って構成され、エボリュートEを有する。エボリュートEは、円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。コア半径Rに対する外径Rの割合は、1.55に等しい。頂角度は、Δφ=100である。能動的な交差角度αは、最大となる。受動的な交差角度αもまた最大となる。同一の交差角度αとαのため、混練要素31kと混練要素32kは、合同で対称である。受動的な側面A(ΔφF2)は、前の実施形態とは対照的に、外側輪郭部分A(Δφ)とその先の(更に先の)移行部分A(ΔφT2)とから形成される。第2の移行部分A(ΔφT2)は、軸線間距離aに対応する移行半径Rを有する中心点MT2周りの円弧として生成される。関連したくさびKとKは、それゆえ、処理されるべきプラスチック材料に柔軟に合わせられ得る。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0052】
本発明に係る第13実施形態は、図24を参照にして以下に記載される。混練要素31lと混練要素32lは、2つのエボリュートEとEを有し、それらは、第4実施形態に従って構成され、円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。それゆえ、混練要素31lと混練要素32lは、合同ではないが対称である。コア半径Rに対する外径Rの割合は、1.55に等しい。頂角度は、Δφ=0である。したがって、頂A(Δφ)は、単点、つまり中心点Mになる。交差角度αa1及び交差角度αp1並びに交差角度αa2及び交差角度αp2は、同一であり、そのため、くさびKa1及びくさびKp1並びにくさびKa2及びくさびKp2は同一に生成される。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0053】
本発明に係る第14実施形態は、図25を参照して以下に記載される。混練要素31mと混練要素32mは、2つのエボリュートEとEを有し、それらは、第4の実施形態に従って構成され、円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。それゆえ、混練要素31mと混練要素32mは、合同ではないが対称である。コア半径Rに対する外径Rの割合は、1.55に等しい。頂角度は、Δφ=120である。交差角度αa1及び交差角度αp1並びに交差角度αa2及び交差角度αp2は、同一であり、そのため、くさびKa1及びくさびKp1並びにくさびKa2及びくさびKp2は、同一に生成される。エボリュートEとエボリュートEは、共通の接線Tを有し、そのため、外側輪郭部分A(Δφ11)及び外側輪郭部分A(Δφ21)並びに外側輪郭部分A(Δφ12)及び外側輪郭部分A(Δφ22)は、連続的で微分可能なように相互に推移する。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0054】
本発明に係る第15実施形態は、図26と図27を参照して以下に記載される。混練要素31nと混練要素32nは、二条ねじである。混練要素31nと混練要素32nは、4つのエボリュートE〜Eを有し、それらは、円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。混練要素31nと混練要素32nは、合同である。混練要素31nの外側輪郭A(φ)は、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ11)、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ21)、中心点MT11回りの移行部分A(ΔφT11)、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ31)、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ41)、中心点MT21回りの移行部分A(ΔφT21)、から構成される。混練要素32nの外側輪郭A(φ)は、従ってエボリュートE〜Eにによって生成され、移行部分A(ΔφT12)は中心点MT12を、移行部分A(ΔφT22)は中心点M22を有する。能動的な交差角度αa1とαa2は、0に等しい。受動的な交差角度αp1とαp2は同一であり、0より大きい。したがって、能動的なくさびKa1及びKa2並びに受動的なくさびKp1及びKp2は同一である。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0055】
本発明に係る第16実施形態は、図28を参照して以下に記載される。混練要素31oと混練要素32oは、第15実施形態に従った二条ねじであり、円弧の形態をした4つのエボリュートE〜Eを有する。混練要素31oと混練要素32oは、合同ではないが対称である。処理要素31oの外側輪郭A(φ)は、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ11)、中心点M回りの頂A(ΔφK1)、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ21)、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ31)、中心点M回りの頂A(ΔφK2)、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ41)から構成される。エボリュートE及びエボリュートE並びにエボリュートE及びエボリュートEは、それぞれ共通の接線T及び接線Tを有する。そのため、外側輪郭部分A(Δφ21)、外側輪郭部分A(Δφ31)、外側輪郭部分A(Δφ41)、外側輪郭部分A(Δφ11)は、連続的で微分可能なように相互に推移する。処理要素32oの外側輪郭A(φ)は、エボリュートE〜Eに従って形成され、外側輪郭部分A(Δφ12)とA(Δφ22)が、ベースA(ΔφG1)によって接続され、外側輪郭部分A(Δφ32)とA(Δφ42)がベースA(ΔφG2)によって接続される。処理要素31oの能動的な交差角度αa1と受動的な交差角度αp1は、およそ33°である。処理要素32oの能動的な交差角度αa2と受動的な交差角度αp2は、0°である。その結果、くさびKa1とくさびKp1は同一である。同じことがくさびKa2とくさびKp2に当てはまる。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0056】
本発明に係る第17実施形態は、図29を参照して以下に記載される。混練要素31pと混練要素32pは二条ねじである。混練要素31pと混練要素32pは、合同はないが対称である。混練要素31pと混練要素32pは、4つのエボリュートE〜Eを有し、それらは、それぞれ円弧の形態をした連続的で微分可能な曲線である。エボリュートE〜Eは、星芒形(astroid)を形成し、それは、以下の方程式によって表現され得る。
x=c・(cos(t))
y=d・(sin(t))
因数c及び因数d並びに指数nに関し、c>dでn=3である。混練要素31pの外側輪郭A(φ)は、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ11)、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ21)、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ31)、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ41)から構成される。エボリュートE〜Eは、それぞれ、対になって共通の接線T〜Tを有し、そのため、外側輪郭部分A(Δφ11)〜A(Δφ41)は、連続的で微分可能なように相互に推移する。混練要素32pの外側輪郭A(φ)は、それに従って構成される。混練要素31pの能動的な交差角度αa1と受動的な交差角度αp1は、同一であり、そのため、くさびKa1とくさびKp1も同一である。同じことが混練要素32pの能動的な交差角度αa2と受動的な交差角度αp2と、対応するくさびKa2とくさびKp2に当てはまる。しかしながら、交差角度αa2と交差角度αp2は、交差角度αa1と交差角度αp1より小さい。混練要素31pと混練要素32pの頂とベースは、単点になる。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0057】
本発明に係る第18実施形態は、図30を参照して以下に記載される。混練要素31qと混練要素32qは、三条ねじである。混練要素31qと混練要素32qは、合同であり、対称である。それらは、3つのエボリュートE〜Eを有する。それらエボリュートは、それぞれ連続的で微分可能な曲線であり、合わせて三尖頭形(tricuspoid)を形成する。混練要素31qの外側輪郭A(φ)は、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ11)、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ21)、エボリュートE上で展開された外側輪郭部分A(Δφ31)、対応する展開プロセス(unwinding process)で形成された外側輪郭部分A(Δφ41)〜A(Δφ61)から構成される。エボリュートE〜Eがそれぞれ対になって共通の接線T〜Tを有するので、外側輪郭部分A(Δφ11)〜A(Δφ61)は、連続的で微分可能なように相互に推移する。能動的な交差角度αa1及びαa2並びに受動的な交差角度αp1及びαp2は、同一のサイズである。そのゆえに、対応するくさびKa1、くさびKa2、くさびKp1、くさびKp2は、生じさせられる。混練要素32qの外側輪郭A(φ)は、混練要素31qに従って形成される。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。
【0058】
本発明に係る第19実施形態は、図31と図32を参照して以下に記載される。混練要素31rと混練要素32rは、一条ねじである。それらは、合同であるが、対称ではない。混練要素31rと混練要素32rはエボリュートEを有する。エボリュートEは、螺旋(spiral)の形態をして連続的で微分可能な曲線である。螺旋は、方程式によって表現され得る。
ρ=k・t
ここで、ρは半径であり、kは定数であり、tは螺旋の角度(極座標(polar coordinates)における)である。混練要素31rと混練要素32rは、頂角度Δφ=20°を有している。能動的な交差角度は、α=0°である。受動的な交差角度は、αp1>0°である。指数nは、2.5に等しい。螺旋形状のエボリュートEは、更に180°回転させられる。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態、特に第4実施形態が参照される。
【0059】
本発明に係る第20実施形態は、図33と図34を参照して以下に記載される。混練要素31sと混練要素32sは、一条ねじであり、合同ではない。混練要素31sと混練要素32sは、2つのエボリュートEとEを有する。それらは、それぞれ螺旋の形態をして連続的で微分可能な曲線を形成する。頂角度は、Δφ=20°である。したがって、ベース角度は、Δφ=20°である。能動的な交差角度は、αa1=20°である。能動的な交差角度αa2は、10°に等しい。指数は、n=1.0である。螺旋状のエボリュートEとEは、120°と100°だけ回転させられる。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態、特に第3実施形態と第19実施形態が参照される。
【0060】
本発明の第21実施形態は、図35を参照して以下に記載される。混練要素31tと混練要素32tは、第16実施形態に従って構成される。前の実施形態とは対照的に、混練要素31tと混練要素32tは、長手方向の軸線Mと軸線Mを有し、関連した回転軸線9と回転軸線10に関して偏心して配置される。したがって、長手方向の軸線Mと軸線Mは、偏心を特徴とする関連した回転軸線9、回転軸線10からの距離eを有する。その偏心配置のため、くさびKa1とくさびKp1又はくさびKa2とくさびKp2の形状と、交差角度αa1と交差角度αp1又は交差角度αa2と交差角度αp2の大きさは、混練要素31tと混練要素32tの回転位置に依存する。回転軸線9,10に沿った距離eは、一定であってもよく異なっていてもよい。更に、混練要素31tと混練要素32tが偏心して動かされる角度は、一定であってもよく異なっていてもよい。動作や構造の更なる態様に関しては、前の実施形態が参照される。特に、前の実施形態で記載された処理要素31、32から31s、32sもまた、第21実施形態に従って偏心して配置されてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 2軸ウォームマシーン
2 ハウジング
3,4,5,6 ハウジング部分
7,8 ハウジングボア
9,10 軸線
11,12 三角隅壁
13,14 シャフト
15 駆動モータ
16 分岐伝動装置
18,19 回転方向
20 材料供給部
21 搬送方向
22 ノズルプレート
23 供給域
24 溶融域
25 混合域
26 圧力増大域
27,28 第1のウォーム要素
29,30 第1の混練要素
31,32 第2の混練要素
33,34 第2のウォーム要素
35,36,37,38 処理要素グループ
E エボリュート
M 軸線
a 軸線間距離
b 押し戻し

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の軸線Mと、
中心点として前記長手方向の軸線Mを有するそれぞれのコア半径Rと外径Rと、
前記長手方向の軸線M回りに延びている外側輪郭A(φ)と、
を有する、多軸ウォームマシーンでの材料処理のための処理要素であって、
φは、前記長手方向の軸線M回りの角度であり、
前記長手方向の軸線Mから外側輪郭A(φ)の距離D(φ)は、R≦D(φ)≦Rである、前記処理要素において、
前記外側輪郭A(φ)は、角度部分Δφに沿って延びる少なくとも1つの外側輪郭部分A(Δφ)を有し、
前記外側輪郭部分A(Δφ)は、R<D(Δφ)<Rを満たす、前記長手方向の軸線Mから連続的に変化する距離D(Δφ)を有し、
前記外側輪郭部分A(Δφ)は、関連したエボリュートEを有し、
前記エボリュートEは、i=1からnでn≧3である相当量のn個の点P(i)であり、
前記点P(i)のそれぞれは、前記長手方向の軸線Mの外側であって外径Rの範囲内にあり、
2つの隣接した点P(i)とP(i+1)はそれぞれ、相互の距離Δr(i)を有しており、
前記距離Δr(i)は、R/2より短い、ことを特徴とする処理要素。
【請求項2】
2つの隣接した点P(i)とP(i+1)はそれぞれ、相互の距離Δr(i)を有し、
前記距離Δr(i)は、R/4より短く、特にR/6より短く、そして特にR/8より短く、
2つの隣接した点P(i)とP(i+1)はそれぞれ、隣接したインボリュート曲線E’(i)とE’(i+1)に属することを特徴とする請求項1に記載の処理要素。
【請求項3】
2つの隣接した点P(i)とP(i+1)はそれぞれ、相互から一定の距離Δrを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の処理要素。
【請求項4】
前記点P(i)に属するインボリュート曲線E’(i)はそれぞれ中心角度Δε(i)を有し、
前記中心角度Δε(i)は、60°より小さく、特に45°より小さく、そして特に30°より小さいことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の処理要素。
【請求項5】
前記点P(i)に属するインボリュート曲線E’(i)は、一定の中心角度Δεを有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の処理要素。
【請求項6】
前記点P(i)は、連続的で微分可能な曲線上にあり、
前記曲線は、同じままの曲率の方向を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の処理要素。
【請求項7】
前記エボリュートEは、少なくとも部分ごとに前記曲線と等しいことを特徴とする請求項6に記載の処理要素。
【請求項8】
前記少なくとも1つの外側輪郭部分A(Δφ)は、全体の角度部分Δφに亘ってカーブさせられることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の処理要素。
【請求項9】
前記外側輪郭A(φ)は、少なくとも2つの外側輪郭部分A(φ)とA(φ)を有し、そして特に少なくとも4つの外側輪郭部分A(φ)〜A(φ)を有することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の処理要素。
【請求項10】
前記外側輪郭A(φ)は、共通のエボリュートEを有する少なくとも2つの外側輪郭部分A(Δφ)とA(Δφj+1)を有することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の処理要素。
【請求項11】
前記外側輪郭A(φ)は、少なくとも2つの外側輪郭部分A(Δφ)とA(Δφj+1)を有し、
少なくとも2つの関連したエボリュートEとEj+1は、異なっていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の処理要素。
【請求項12】
前記外側輪郭A(φ)は、少なくとも2つの外側輪郭部分A(Δφ)とA(Δφj+1)を有し、
少なくとも2つの関連したエボリュートEとEj+1は共通の接線(T)を有することを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の処理要素。
【請求項13】
前記外側輪郭A(φ)は、一様な曲率方向を有することを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の処理要素。
【請求項14】
前記外側輪郭A(φ)は、多条ねじであり、特に2条ねじであることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の処理要素。
【請求項15】
ハウジング(2)と、
相互に貫通し、相互に平行な少なくとも2つのハウジングボア(7,8)と、
前記ハウジングボア(7,8)の中に同心に配置された少なくとも2つのシャフト(13、14)と、
材料を処理するための相当量の処理要素(27〜34)と、
を備える多軸ウォームマシンであって、
前記少なくとも2つのシャフト(13、14)は、関連した回転軸線(9,10)回りに回転駆動し、特に同じ方向に回転駆動し、
前記少なくとも2つのシャフト(13、14)は、前記回転軸線(9,10)の軸線間距離aを有し、
前記相当量の処理要素(27〜34)は、前記少なくとも2つのシャフト(13,14)上で軸方向に相前後して相対回転不能に配置され、
前記相当量の処理要素(27〜34)は、相互にきつく噛み合って構成されている、多軸ウォームマシーンにおいて、
相互に直接隣り合って配置された少なくとも2つの処理要素(31、32;31a、32a〜31t、32t)は、請求項1〜14の何れか1項に従って構成され、
コア半径Rと外径Rとの合計は、実質的に前記軸線間距離aに等しいことを特徴とする多軸ウォームマシーン。
【請求項16】
相互に隣り合って配置された前記処理要素(31、32;31a、32a〜31t、32t)のエボリュートEは、前記軸線間距離aの方向に直線変位によって、相互に移動可能であることを特徴とする請求項15に記載の多軸ウォームマシーン。
【請求項17】
前記直線変位は、前記軸線間距離aに対応することを特徴とする請求項16に記載の多軸ウォームマシーン。
【請求項18】
相互に隣り合って配置された前記処理要素(31t、32t)の前記長手方向の軸線Mは、前記関連した回転軸線(9,10)に関して偏心して配置されていることを特徴とする請求項15〜17の何れか1項に記載の多軸ウォームマシーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2013−505864(P2013−505864A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531306(P2012−531306)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062660
【国際公開番号】WO2011/039016
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(501164665)コペリオン ゲーエムベーハー (20)
【Fターム(参考)】