説明

大気源からの粒子を用いた放射能測定値の補正

本発明は、材料本体内の放射性材料の測定値を補正する方法及び装置を提供し、本方法は、ガンマ放出物のような、放射性材料の特性を測定して測定値を提供するステップと、材料本体を通過していないミューオンにより生成された電子及び/又はミューオンを検出して第1の値を与えるステップと、材料本体を通過したミューオンにより生成された電子及び/又はミューオンを検出して第2の値を与えるステップと、材料本体の密度を表す係数のような、第1及び第2の値を処理して係数を与えるステップと、本発明材料本体の密度及び減衰や遮蔽のような付随的問題に対して補正するために、前記係数を用いて前記測定値を補正して材料本体の放射性材料の補正された測定値を得るステップとを含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば材料本体内から生ずる放射性物質の検出に適用される補正に関連した、検出及び改善に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の第1の局面によれば、我々は、材料本体内の放射性材料の測定値を補正する方法であって、
前記放射性材料の特性を測定して測定値を提供するステップと、
前記材料本体を通過していない大気源からの1種類以上の粒子を検出して第1の値を与えるステップと、
前記材料本体を通過した大気源からの1種類以上の粒子を検出して第2の値を与えるステップと、
前記第1及び第2の値を処理して係数を与えるステップと、
前記材料本体の放射性材料の補正された測定値を得るために、前記係数を用いて前記測定値を補正するステップとを含む、方法を提供する。
【0003】
本発明の第1の局面は、本文書のその他の所に記載された特徴、選択肢若しくは可能性を含んでよい。粒子は、ミューオン若しくはミューオンにより生成される電子であってよい。
【0004】
本発明の第2の局面によれば、我々は、材料本体内の放射性材料の測定値を補正する方法であって、
前記放射性材料の特性を測定して測定値を提供するステップと、
前記材料本体を通過していないミューオンにより生成された電子及び/又はミューオンを検出して第1の値を与えるステップと、
前記材料本体を通過したミューオンにより生成された電子及び/又はミューオンを検出して第2の値を与えるステップと、
前記第1及び第2の値を処理して係数を与えるステップと、
前記材料本体の放射性材料の補正された測定値を得るために、前記係数を用いて前記測定値を補正するステップとを含む、方法を提供する。
【0005】
本発明の第2の局面は、本文書のその他の所に記載された特徴、選択肢若しくは可能性を含んでよい。
【0006】
本発明の第3の局面によれば、我々は、材料本体内の放射性材料の測定値を補正する方法であって、
前記放射性材料の特性を調査するステップと、
前記材料本体を通過していないミューオンを直接検出して第1の値を与えるステップと、
前記材料本体を通過したミューオンを直接検出して第2の値を与えるステップと、
前記第1及び第2の値を考慮して係数を与えるステップと、
前記材料本体の放射性材料の特性の調査を改善するために、前記係数を用いるステップとを含む、方法を提供する。
【0007】
本発明の第3の局面は、本文書のその他の所に記載された特徴、選択肢若しくは可能性を含んでよい。調査は、好ましくは測定値を得るために、特性の測定であってよい。係数は、前記材料本体の放射性材料の補正された測定値を得るために、前記測定値を補正するために使用されてもよい。
【0008】
第1及び/又は第2及び/又は第3の局面は、次の任意の特徴、選択肢若しくは可能性を含んでよい。
【0009】
前記材料本体内の放射性材料の測定値は、密度に対して補正されてもよい。前記材料本体内の放射性材料の測定値は、減衰に対して補正されてもよい。前記材料本体内の放射性材料の測定値は、例えば放射性材料による自己遮蔽及び/又は非放射性材料による遮蔽のような、遮蔽に対して補正されてもよい。測定値は、密度、減衰若しくは遮蔽の1つ以上に対して補正されてもよい。
【0010】
材料本体は、材料に対する容器を含んでよい。容器は、貯蔵容器であってよい。容器は、輸送可能な容器であってよい。容器は、ISO貨物容器、七分高さのISO貨物容器、半分の高さのISO貨物容器、若しくは、3番目の高さのISO貨物容器であってよい。容器は、インターモデル(Intermodel)若しくはその部分サイズであってよい。材料本体は、1つ以上の放射性材料を含んでよい。
【0011】
本方法は、容器及びその材料本体の重量及び/又は質量を計測するステップを含んでよい。本方法は、容器及びその材料本体の正味重量及び/又は正味質量を測定してもよい。本方法は、材料本体の正味重量及び/又は正味質量を測定してもよい。重量若しくは質量は、測定位置及び/又はその他の位置で計測されてもよい。
【0012】
本方法は、容器及びその材料本体の計測密度若しくは材料本体単体の計測密度を計測するステップを含んでよい。密度の計測は、容器における材料本体の充填度合いを考慮してもよい。充填度合いは、検査及び測定及び/又は検査及び推定及び/又は測定単独により計測されてもよい。充填度合いは、送信源を用いて、材料本体及び/又は容器の他方の側の検出器により測定されてもよい。
【0013】
前記材料本体内の放射性材料の測定値は、前記材料本体の異なる部分に対して異なる態様で補正されてもよい。1つ以上の異なる部分は、粒子用の検出器の視野及び/又は視野の一部及び/又は2つ以上の検出器の視野の共通部分であってよい。2つの検出器の視野の共通部分は、第1の視野と第2の視野内に存在する部分であってよい。
【0014】
本発明の一実施例では、第1の視野と第2の視野の一方は、測定位置を見る検出器の視野及び/又は下方から材料本体を見る検出器の視野であってよく、第1の視野と第2の視野の他方は、測定位置を見る検出器の視野及び/又は側方から材料本体を見る検出器の視野であってよい。
【0015】
第1の視野と第2の視野の使用は、単一の視野の考慮から存在する不明瞭の解明を補助することができる。第1の視野と第2の視野の考慮は同時に生じてもよい。
【0016】
その他の実施例では、第1の視野と第2の視野の考慮は、第1の時間と第2の異なる時間に生じてもよい。1つ以上の検出器、より好ましくは材料本体は、第1の時間と第2の時間の間で向きが変化されてもよい。向きの変化は、第1の時間と第2の時間の間で検出器を超えて前進する容器及び/又は材料本体に起因して生じてもよい。好ましくは、容器及び/又は材料本体は、第1の時間中及び/又は第2の時間中、固定される。向きの変化は、第1の時間と第2の時間の間で容器及び/又は材料本体を超えて前進する検出器に起因して生じてもよい。好ましくは、検出器は、第1の時間中及び/又は第2の時間中、固定される。向きの変化は、例えば90度、回転に起因して生じてもよい。
【0017】
材料本体は、直線容積(レクティリニア・ボリューム)であってよい。1つ以上の異なる部分は、例えば直線セグメントのような、材料本体のセグメントであってよい。材料本体は、複数のセグメントから形成されてもよい。好ましくは、各セグメントは、材料本体の完全な高さ及び/又は幅に延在し、及び/又は、完全な長さに延在しない。1つのセグメントは、1つ以上の異なる部分を含んでよい。好ましくは、材料本体及び/又はセグメント及び/又は各セグメントは、第1の検出器及び第2の検出器の数の倍数である多数の異なる部分を含む。材料本体は、5から25つの間のかかるセグメント、より好ましくは8から18つのセグメント、理想的には10から16つのセグメントとして考慮されてもよい。
【0018】
放射性材料の特性の測定は、放射性材料による放出物の直接及び/又は間接の測定であってよい。放出物は、特には、ガンマ線であってよい。1つ以上のガンマ線エネルギが考慮されてもよい。測定は、放出物検出器によりなされてもよい。放出物検出器は、第1の検出器及び/又は第2の検出器とは異なってもよいが、好ましくは第1の検出器と同一である。
【0019】
測定値は、カウント値及び/又はカウント率及び/又は活性化レベル及び/又は質量等価値であってよい。
【0020】
1種類以上の粒子は、ミューオンを含んでよい。1種類以上の粒子は、ミューオンにより生成された電子を含んでよい。1種類以上の粒子は、ミューオンのみであってもよい。
【0021】
大気源は、地球の大気、特には、上層の大気の、1種類以上の宇宙線との相互作用であってよい。
【0022】
粒子は、材料本体から500メートルを超えて上昇してもよい。
【0023】
第1の値は、材料本体が存在しない状態で、測定位置及び/又は材料本体の下方に設けられる1つ以上の第1の検出器から取得されてもよい。好ましくは、第1の値は、測定位置及び/又は材料本体の上方に設けられる1つ以上の第2の検出器から取得される。第1の値は、材料本体が測定位置に無い状態で1つ以上の第2の検出器から取得されてもよいが、好ましくは、材料本体が測定位置にある状態で取得される。
【0024】
第2の値は、材料本体が存在する状態で、測定位置及び/又は材料本体の下方に設けられる1つ以上の第1の検出器から取得されてもよい。第2の値は、1つ以上の第1の検出器からのみ取得されてもよい。第2の値は、1つ以上の第3の検出器と協動して、1つ以上の第1の検出器から取得されてもよい。1つ以上の第3の検出器は、好ましくは、測定位置及び/又は材料本体の下方に設けられる。1つ以上の第3の検出器は、好ましくは、1つ以上の第1の検出器の下方に設けられる。第2の値は、1つ以上の第2の検出器と協動して、1つ以上の第1の検出器から取得されてもよい。第2の値が1つ以上の第1の検出器及び1つ以上の第3の検出器若しくは1つ以上の第1の検出器及び1つ以上の第2の検出器から取得される場合、第2の値は、第1及び第3の検出器若しくは第1及び第2の検出器の双方と相互作用するミューオン又は電子のカウント値及び/又はカウント率であってよい。
【0025】
粒子は、1つ以上の第2の検出器を設けることにより材料本体を通過せずに検出されてもよい。1つ以上の第2の検出器は、材料本体に対する測定位置及び/又は材料本体の25メートル以内に設けられてよい。好ましくは、1つ以上の第2の検出器は、材料本体の2メートル以内に設けられ及び/又は材料本体の上方に設けられ、理想的には材料本体の鉛直方向上方に設けられる。好ましくは、粒子は、測定位置に材料本体がある状態で及び/又は粒子が材料本体を通過して検出されるのと同時に、1つ以上の第2の検出器により材料本体を通過せずに検出される。
【0026】
第2の検出器は、各第1の検出器に対して設けられてよい。好ましくは、第2の検出器は、測定位置の材料本体若しくは測定位置それ故に第1及び第2の検出器の間で、第1の検出器の鉛直上方に設けられる。
【0027】
第1及び第2の検出器は、同一種類であってよく、好ましくは互いに同一である。第1及び第2の検出器は、好ましくは、ミューオン及びガンマ線に感応性がある。第1及び/又は第2の検出器は、シンチレータ、例えばプラスティックシンチレータであってよい。
【0028】
複数の第1及び/又は第2の検出器が設けられてよく、好ましくは対で設けられる。3つ若しくは4つの検出器は、好ましくは、測定位置の上方に設けられる。3つ若しくは4つの検出器は、好ましくは、測定位置の下方に設けられる。検出器は、2つ以上の検出器から形成されてもよく、それらの出力は1つのものと看做される。
【0029】
好ましくは、1つ以上の検出器、理想的には全ての検出器は、前記材料本体の前記容器の一部及び/又は測定位置の縁部の2m以内に設けられる。好ましくは、1つ以上の検出器、理想的には全ての検出器は、1.5m以内に設けられ、更に好ましくは、前記材料本体の前記容器の一部及び/又は測定位置の縁部の1m以内に設けられる。1つ以上の検出器の位置は調整可能であってよい。
【0030】
粒子は、測定位置に材料本体が存在しない状態で検出を提供することにより材料本体を通過せずに検出されてもよい。粒子は、材料本体が測定位置に導入される前及び/又は材料本体が測定値から除去された後のような検出を実行することにより、材料本体を通過せずに検出されてもよい。
【0031】
好ましくは、第1及び第2の値の双方は、互いに同一の場所及び/又は同一の時間での測定により取得される。
【0032】
粒子は、測定位置及び/又は材料本体の一方の側に1つ以上の検出器を設けることによって、材料本体を通過して検出されてもよい。好ましくは、1つ以上の検出器は、材料本体及び/又は測定値の下方に設けられる。好ましくは、1つ以上の検出器は、材料本体の1メートル以内に設けられ及び/又は材料本体の下方に設けられ、理想的には材料本体の鉛直下方に設けられる。好ましくは、粒子は、測定位置に材料本体がある状態で及び/又は粒子が材料本体を通過せずに検出されるのと同時に、1つ以上の第1の検出器により材料本体を通過して検出される。
【0033】
第1の値は、カウント率及び/又はカウント値及び/又はエネルギ値及び/又はエネルギ分布であってよい。
【0034】
第2の値は、カウント率及び/又はカウント値及び/又はエネルギ値及び/又はエネルギ分布であってよい。好ましくは、第1及び第2の値は、同一の種類である。
【0035】
第1及び第2の値は、1つ以上の第1の値及び1つ以上の第2の値に基づいて係数を付与するために処理されてもよい。第2の値のエネルギ分布と第1の値のエネルギ分布の間の変化は、係数に到達するために処理されてもよい。例えばエネルギとしての、第1の値と第2の値の変化は、係数に到達するために使用されてもよい。係数は、複数の第1の値及び/又は複数の第2の値の処理の結果、例えば複数の対の第1及び第2の値の処理の結果であってよい。
【0036】
第1の値及び/又は第2の値は、第1の検出器及び/又は第2の検出器により検出される全ての粒子に対して考慮されてもよい。第1の値及び/又は第2の値は、第1の検出器及び第2の検出器を通過し及び/又はそれらと相互作用する粒子に対して考慮されてもよい。好ましくは、第1の値及び/又は第2の値は、第1の検出器及び第2の検出器を通過し及び/又はそれらと相互作用する粒子のみに対して考慮される。好ましくは、同時に起こる粒子のみが考慮される。
【0037】
本発明の一実施例では、第1の検出器は、材料本体及び/又は測定位置の下方に設けられてよく、材料本体が測定位置に存在しないときに第2の検出器として機能する。
【0038】
本発明のその他の一実施例では、第1の検出器は、第2の検出器が材料本体及び/又は測定位置の上方に設けられる状態で、材料本体及び/又は測定位置の下方に設けられてよい。
【0039】
本発明のその他の一実施例では、1つ以上の第1の検出器は、1つ以上の第3の検出器が材料本体の下方に且つ好ましくは第1の検出器の下方に設けられる状態で、材料本体及び/又は測定位置の下方に設けられてよい。好ましくは、第1の検出器の1つ及び第3の検出器の1つを通過し若しくはそれらと相互作用する粒子のみが第2の値を得る際に使用される。第1の値は、好ましくは材料本体の上方に設けられる、1つ以上の第2の検出器から取得されてもよい。
【0040】
本発明のその他の一実施例では、1つ以上の、好ましくは複数の第1の検出器は、材料本体及び/又は測定位置の下方に設けられてよく、1つ以上の、好ましくは複数の第2の検出器が材料本体の上方に設けられる。好ましくは、第1の検出器及び第2の検出器を通過し若しくはそれらと相互作用する粒子のみが第2の値及び/又は第2の値を得る際に使用される。
【0041】
特に好ましい実施例は、材料本体及び/又は測定位置の下方に3つ若しくは4つの第1の検出器を設けると共に、材料本体の上方に3つ若しくは4つの第2の検出器を設ける。好ましくは、第1の検出器及び第2の検出器を通過し若しくはそれらと相互作用する粒子のみが第2の値及び/又は第2の値を得る際に使用される。
【0042】
係数は、密度若しくは密度に基づく係数であってよい。
【0043】
1つの考えられる形態では、第2の値の第1の値に対する比、若しくはその逆の比は、材料本体に対する密度の指示値若しくは測定値を提供してよく、より好ましくは材料本体のセグメントに対する密度の指示値若しくは測定値を提供してよい。異なる密度値は、異なるセグメントに対して計測されてもよい。
【0044】
その他の考えられる形態では、第1の値及び第2の値において観測される同時計数値の第1の値に対する比、若しくはその逆の比は、材料本体に対する密度の指示値若しくは測定値を提供してよく、より好ましくは材料本体のセグメントに対する密度の指示値若しくは測定値を提供してよい。第1の値は、好ましくは、ミューオンの背景レベルの測度である。同時計数値は、好ましくは、材料本体、若しくはそのセグメントの、ミューオンのレベルに対する影響の測度である。異なる密度値は、異なるセグメントに対して計測されてもよい。
【0045】
その他の考えられる形態では、第1の検出器及び第3の検出器から得られる同時計数値の第1の値に対する比、若しくはその逆の比は、材料本体に対する密度の指示値若しくは測定値を提供してよく、より好ましくは材料本体のセグメントに対する密度の指示値若しくは測定値を提供してよい。第1の値は、好ましくは、ミューオンの背景レベルの測度である。同時計数値は、好ましくは、材料本体、若しくはそのセグメントの、ミューオンのレベルに対する影響の測度である。異なる密度値は、異なるセグメントに対して計測されてもよい。
【0046】
第1の値及び第2の値内から得られる同時計数値の比が考慮されてもよい。第1の値及び第2の値内から得られる同時計数値の第1の値に対する比が考慮されてもよい。同時計数値は、測定位置若しくは材料本体の下方に設けられる第1の検出器(複数も可)及び第3の検出器(複数も可)から取得されてもよいが、好ましくは、測定位置若しくは材料本体の下方に設けられる第1の検出器(複数も可)及び測定位置若しくは材料本体の上方に設けられる第2の検出器(複数も可)から取得される。第1の値は、好ましくは、ミューオンの背景レベルの測度である。同時計数値は、好ましくは、材料本体、若しくはそのセグメントの、ミューオンのレベルに対する影響の測度である。同時計数値の第1の値に対する比は、好ましくは分数で表現される。
【0047】
第1の値は、処理ステップで使用される前に補正されてもよい。第1の値は、検出器の幾何的配置の影響、特に第2の値を得るために用いられる第1及び第2の検出器の対及び/又は第1及び第3の検出器の対に関する幾何的配置の影響に対して補正されてもよい。処理ステップは、第1の値及び第2の値内から得られる同時計数値の比の考慮、より詳細には、第1の値及び第2の値内から得られる同時計数値の第1の値に対する比の考慮であってよい。
【0048】
別々の補正は、第1の値のそれぞれに対して付与されてもよい。好ましくは、別々の補正は、各第1の値に対して付与され、この補正は、第2の値を与える第1及び第2の検出器の対及び/又は第2の値を与える第1及び第3の検出器の対に特有のものである。
【0049】
好ましくは、第1の値は、第2の検出器を通過するが、検出器間に容器及び材料本体及び/又は材料本体が存在しない状態で第1の検出器を通過しない粒子の部分を、考慮するために補正される。好ましくは、第1の値は、特定の第2の検出器を通過するが、検出器間に容器及び材料本体及び/又は材料本体が存在しない状態で特定の第1の検出器を通過しない粒子の部分を、考慮するために補正される。
【0050】
補正は、第1及び第2の検出器若しくは第1及び第3の検出器の相対間隔及び/又は向きを考慮してもよい。補正は、第1及び/又は第2及び/又は第3の検出器の深さ及び/又は幅及び/又は長さのような、形状を考慮してもよい。
【0051】
補正は、試験的に計測されてもよい。好ましくは、1つ以上の補正係数が試験的に計測される。好ましくは、第2の検出器に対する補正係数は、第1の検出器との第2の検出器の各対に対して計測される。好ましくは、これは、各第2の検出器に対して繰り返される。好ましくは、第1の検出器に対する補正係数は、第3の検出器との第1の検出器の各対に対して計測される。好ましくは、これは、各第1の検出器に対して繰り返される。
【0052】
好ましくは、補正は、1つ以上の第1及び/又は第2及び/又は第3の検出器を、材料本体内の放射性材料を調査するために使用されるときと同一の幾何的配置で設け、材料本体の不在下で第1の値及び第2の値を取得することによって、試験的に計測される。第1の値及び第2の値は、少なくとも6時間の期間に亘って取得され、好ましくは少なくとも12時間、より好ましくは少なくとも20時間、理想的には40時間に亘って取得される。
【0053】
好ましくは分数としての、同時計数値の第1の値に対する比は、前記第2の検出器を通過する粒子、及び、前記材料本体及び/又は容器及び材料本体が無い場合に前記第1の検出器を通過することになるだろう経路、に対する前記材料本体及び/又は容器及び材料本体の影響を考慮するために用いられ、若しくは、前記第1の検出器を通過する粒子、及び、前記材料本体及び/又は容器及び材料本体が無い場合に前記第3の検出器を通過することになるだろう経路、に対する前記材料本体及び/又は容器及び材料本体の影響を考慮するために用いられる。好ましくは分数としての、同時計数値の第1の値に対する比は、材料本体若しくはそのセグメントに対する面密度の表現、理想的には面密度を算出するために使用されてもよい。
【0054】
面密度若しくは面密度の表現の算出は、ルックアップテーブル若しくは公式を使用してもよい。ルックアップテーブル若しくは公式は、好ましくは、試験的に導出される。算出は、分数を面密度に直接変換してもよい。
【0055】
2つ以上の第1の検出器及び/又は2つ以上の第2の検出器及び/又は2つ以上の第3の検出器が設けられる場合、好ましくは、同時計数値の第1の値に対する比は、2つ以上の異なる対の検出器に対して考慮される。対は、第1及び第3の検出器の形態であってよいが、好ましくは、第1及び第2の検出器の形態である。好ましくは、面密度の表現の算出、理想的には面密度の算出は、2つ以上の対に対して付与される。好ましくは、面密度の表現の算出、理想的には面密度の算出は、各考えられる対の検出器に対して付与される。
【0056】
好ましくは、複数の面密度の表現、理想的には複数の面密度は、材料本体に対して、若しくは、より好ましくは材料本体の各セグメントに対して取得される。好ましくは、面密度の表現、理想的には面密度は、材料本体用若しくはより好ましくはその各セグメント用の、第1及び第2の検出器の各考えられる対及び/又は第1及び第3の検出器の各考えられる対に対して取得される。
【0057】
好ましくは、複数の面密度の表現若しくは面密度が材料本体に対して若しくはより好ましくはセグメントに対して取得される場合、これらの表現若しくは面密度は、結合された面密度の表現若しくは結合された面密度を与えるために結合される。好ましくは、材料本体若しくはセグメントに対する全ての表現若しくは密度が結合される。9つの表現若しくは密度が使用されてもよく、より好ましくは16つの表現若しくは密度である。好ましくは、結合された密度の表現若しくは結合された密度は、2つ以上の表現若しくは密度の重み付け結合から得られる。好ましくは、重み付けは、検出器対間の材料本体を介した経路長、検出器対の検出器の鉛直方向の離隔距離、検出器対の検出器間に存在する実効容積、及び、検出器の当該対に対する計数率の精度値、のうちの1つ以上の考慮を伴う。結合された面密度表現若しくは結合された面密度は、少なくとも5つのセグメントのそれぞれに対して得られてよく、より好ましくは少なくとも10つのそれぞれ、理想的には少なくとも16つのセグメントのそれぞれに対して得られる。
【0058】
好ましくは、得られた同時計数値の第1の値に対する比は、考慮されてもよく、及び/又は、面密度の表現の算出、理想的には面密度の算出は、2対以上の検出器に対して付与され、及び/又は、面密度の表現若しくは面密度の結合は、複数のセグメントに対して、理想的には材料本体のセグメントの全てに対して、結合された面密度の表現若しくは結合された面密度を与えるために結合される。
【0059】
セグメントの全てに対して結合された面密度表現若しくは結合された面密度は、材料本体及び/又は容器及び材料本体に対する計算された面密度関数を算出するために使用されてもよい。計算された面密度関数は、計測された密度と比較されてもよい。1つ以上のセグメント、好ましくは全てのセグメントは、計算された密度が計測された密度と異なる場合は、それぞれの面密度表現若しくは面密度が調整される。1つ以上のセグメント、好ましくは全てのセグメントは、好ましくは計測された密度に比較された計算された密度に基づいて、それぞれの面密度表現若しくは面密度が正規化されてもよい。
【0060】
より好ましくは、全てのセグメントに対する結合された面密度表現若しくは結合された面密度は、材料本体及び/又は容器及び材料本体に対する計算された質量若しくは重量を算出するために使用されてもよい。計算された質量若しくは重量は、計測された質量若しくは重量と比較されてもよい。1つ以上のセグメント、好ましくは全てのセグメントは、計算された質量若しくは重量が計測された質量若しくは重量と異なる場合は、それぞれの面密度表現若しくは面密度が調整される。1つ以上のセグメント、好ましくは全てのセグメントは、好ましくは計測された質量若しくは重量に比較された計算された質量若しくは重量に基づいて、それぞれの面密度表現若しくは面密度が正規化されてもよい。
【0061】
調整された面密度表現若しくは調整された面密度は、係数で使用されてもよい。好ましくは、セグメントに対する調整された面密度表現若しくは調整された面密度は、当該セグメントに対する係数で使用される。好ましくは、全てのセグメントは、この方法で処理される。
【0062】
係数を用いた測定値の補正は、測定値を増加させるものであってよい。測定値の増加は、観測値から実際に放出された測定値の値へと測定値を補正する。測定値の補正は、材料本体及び/又は放射性材料による遮蔽及び/又は減衰の効果を完全に若しくは部分的に考慮してもよい。測定値の補正は、材料本体若しくはそのセグメントの密度に比例するものであってよい。
【0063】
本発明の第4の局面によれば、我々は、材料本体内の放射性材料の測定値を補正する装置であって、
前記放射性材料の特性を測定して測定値を提供する1つ以上の検出器と、
測定位置の上方に設けられ、前記材料本体を通過していない大気源からの1種類以上の粒子を検出して第1の値を与える1つ以上の検出器と、
測定位置の下方に設けられ、前記材料本体を通過した大気源からの1種類以上の粒子を検出して第2の値を与える1つ以上の検出器と、
前記第1及び第2の値を処理して係数を与えるプロセッサと、
前記材料本体の放射性材料の補正された測定値を得るために、前記係数を用いて前記測定値を補正するプロセッサとを含む、装置を提供する。
【0064】
本発明の第4の局面は、本文書のその他の所に記載された特徴、選択肢若しくは可能性を含んでよい。
【0065】
本発明の第5の局面によれば、我々は、材料本体内の放射性材料の測定値を補正する方法であって、
前記放射性材料の特性を測定して測定値を提供するステップと、
第2の検出器を用いて、前記材料本体を通過していない大気源からの1種類以上の粒子を検出して第1の値を与えるステップと、
第1の検出器を用いて、前記材料本体及び前記第2の検出器を通過した大気源からの1種類以上の粒子を検出して第2の値を与えるステップと、
前記第1及び第2の値を処理して、前記第1の値と校正係数の積により除算された前記第2の値の関数である密度表現の係数を与えるステップと、
前記材料本体の放射性材料の補正された測定値を得るために、前記係数を用いて前記測定値を補正するステップとを含む、方法を提供する。
【0066】
本発明の第5の局面は、本文書のその他の所に記載された特徴、選択肢若しくは可能性を含んでよい。
【0067】
本発明の第6の局面によれば、我々は、材料本体内の放射性材料の測定値を補正する方法で用いられる係数の誤りを確立する方法であって、
前記放射性材料の特性を測定して測定値を提供するステップと、
第2の検出器を用いて、前記材料本体を通過していない大気源からの1種類以上の粒子を検出して第1の値を与えるステップと、
第1の検出器を用いて、前記材料本体及び前記第2の検出器を通過した大気源からの1種類以上の粒子を検出して第2の値を与えるステップと、
前記第1及び第2の値を処理して、前記第1の値と校正係数の積により除算された前記第2の値の関数である密度表現の係数を与えるステップと、
前記材料本体の放射性材料の補正された測定値を得るために、前記係数を用いて前記測定値を補正するステップとを含み、
前記係数の誤りを確立することは、
前記第1の値が正確に測定されており、前記校正係数が正確に知られており、且つ、前記第2の値が確率により乗算された前記第1の値であると看做すことを含み、前記確率は、前記第2の値及び前記第1の値に寄与する粒子の確率である、方法を提供する。
【0068】
本発明の第6の局面は、本文書のその他の所に記載された特徴、選択肢若しくは可能性を含んでよい。
【0069】
第2の値の誤りは、第1の値と確率の積の平方根であると看做されてもよい。第2の値の誤りは、第2の値の平方根であると看做されてもよい。
【0070】
係数の誤りは、第1の値と校正係数の積により除算された第2の値の平方根であると看做されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
本発明の種々の実施例がこれより、添付図面を参照して例によってのみ説明される。
【0072】
種々の状況において、材料本体内の放射性材料の量及び/又は特性を正確に計測する必要がある。かかる計測は、安全上の理由や他の理由から、材料本体に適用される保管戦略を決定する上で有用である。一般的に、計測は、材料本体に対して適切な位置に放射性材料の特性に感応性がある1つ以上の検出器を配置することによって成すことができる。
【0073】
かかる計測は、多数の源から潜在的な誤りを受ける。例えば、放射性崩壊プロセスから実際に生ずる特性のレベルは、放射性材料を残す時間までの当該特性のレベルよりも高くなりうる。これは、例えば実質的な塊として存在する場合における放射性材料による自己遮蔽に起因して生じうる。当該レベルであって、非放射性材料や材料本体内の他の放射性材料の塊による遮蔽に起因して、材料本体の縁部に到達する時間までのレベルよりも高い場合がある。特性のレベルの潜在的な減少と同様、特性の性質が変化される潜在性もある。減衰は、例えば、特性のエネルギを減少させることができる。
【0074】
放射性材料及び/又は材料本体による遮蔽及び/又は減衰に対する補正を可能とする試みがなされてきた。これらの試みは、しばしば、既知の特性の放出物を有する送信源の選択を伴う。次いで、これは、材料本体の一方の側に配置される。次いで、これらの放出物に感応する検出器は、送信された放出物と比較された送信源からの検出された放出物の間の差は、材料本体及び/又はその中の放射性材料に関する情報を与え、材料本体内の放射性材料から生ずる放出物へのそれらの影響に関する情報を与える。
【0075】
出願人は、従前に使用されていたものとは異なるアプローチを送信源に用いることを提案する。
【0076】
ISO貨物容器や高さ半分のISO貨物容器のような、大型の材料本体に対して計測を成すことの必要性が高まっている。かかる場合に補正目的で送信源を使用することは、(十分な放出物が、材料本体を通過し、対向する検出器に到達することを保証するために)高いレベルの放出物を備える大型の送信源の使用を伴うだろう。かかる大型の源は、安全問題を引き起こし、使用時に露出し不使用時に遮蔽するための複雑で高価な機構を必要とする。
【0077】
それ故に、新たなアプローチとして、出願人は、考慮される特性のための異なる源及び異なる源が使用できるような多数の異なる方法を提案する。
【0078】
材料本体に近傍に配置されその物理的な位置を調整することができる、製造される源からの放出物を用いることに代えて、使用される放出物は、地球の大気に入る宇宙線により生成される。特に、放出物の使用は、地球の大気で生成されるミューオンの自然発生する束である。ミューオンは、単一の帯電した粒子であり、電子の質量の205倍の質量106MeVを備える。ミューオンは、地球表面での宇宙線束の主要部分である。ミューオンは、一般的に100sMeVから100sGeVの間の、広い範囲のエネルギで発生する。束は、コサインの二乗の関数により鉛直からの角度が増加するにつれて減少する。
【0079】
非常に大きな物体をも通過する少なくとも幾らかのミューオン束の能力は、問題となる補正状況で有用となる。異なるエネルギでの材料内のミューオンの範囲の幾つかの例が表1に示される。
【0080】
【表1】

ミューオンを用いる第1の方法は、図1に示される。検出器1は、測定位置3の下方に設けられる。ISO貨物容器5無しで測定値を取リ、且つ、図示のように、その存在下で測定値を取ることによって、ISO貨物容器5及びその内容物、材料本体、及びその中の放射性材料の、通過するミューオンに対する影響を確立することができる。ミューオンの経路内の材料の密度が大きいほど信号の減少が大きい。
【0081】
ミューオン束は時間と共に変化し、検出器は比較的低コストであるので、更なる検出器6は、ミューオンに対する“無し”値を測定するために設けられてもよい。これは、ISO貨物容器5が測定位置にあるときと無いときとでの検出器1による測定の必要性を無くす。測定はより早くなり(2つの測定が同時になされるので)、より正確(同一の束が同時に測定される)になる。
【0082】
かかるシステムは、異なるエネルギに基づいてガンマ分布と検出器信号に対するミューオンの寄与の間を区別することができる。検出器とのミューオンの相互作用は、即座の検出のために適切である。ミューオンは、プラスティックシンチレータで約2.2MeV・cm−1のエネルギ損失を有し、ミューオンの減少するエネルギで上昇する。数センチの厚さの検出器は、10MeV・cm−1若しくはそれ以上の信号を容易に生成することができ、これは、放射性材料からのガンマ線から生ずる信号から、かかる信号を容易に認識可能とする。
【0083】
ミューオンの源及び鉛直から離されるコサインの二乗の減少により、実質的に、鉛直に平行化されたビームが提供される。計測は、図示の例では略円錐である、検出器1の視野7内の材料本体及び任意の放射性材料の全体としての密度に関する情報を供する。視野7は、ISO貨物容器5の全長を含んでいないので、ISO貨物容器5を検出器1に対して移動させることは、ISO貨物容器5及びその内容物の異なる部分X,Y,Zに関する潜在的に異なる密度情報を提供する。
【0084】
本発明の第2の形態では、図2に示すように、測定位置下方の検出器1は、同一種類の第2の検出器9により補足される。この場合、2つの検出器間で同時に起こるミューオンが考慮される。即ち、同一のミューオンが検出器1を通過し次いで検出器9を通過する瞬間である。双方の検出器を介する通路のためのこの要求は、そこからミューオンが来ていなければならない視野を制約する。この場合、矩形断面のピラミッド型の視野11は、使用されるスラブ型検出器1,9に起因して生ずる。この場合、ミューオン信号は、エネルギと同時性の双方に起因してガンマから識別可能である。
【0085】
結果としてのより密な視野11は、より多くの位置特有の密度測定を成すことを可能とする。
【0086】
本発明の第1の形態に関して、ISO貨物容器5の束レベルに対する影響の前の束レベルは、検出器6を並列に用いることにより若しくは検出器1,9を用いてISO貨物容器5のあるときと無いときに測定を行うことにより、計測されることができる。
【0087】
図3に示す本発明の第3の形態では、検出器1は、考慮されるべきISO貨物容器5及び内容物、材料本体の下方に配置され、同等の種類の更なる検出器15は、ISO貨物容器5の上方に設けられる。同様に、ミューオンと更なる検出器15との間の相互作用は、信号を生み、同一のミューオンが当該検出器1を通過したときに検出器1にも信号が生じ、同時の検出が生じる。2つの検出器1,15からの信号のタイミングは、同一のミューオンと相互作用する双方の検出器1,15から生じたと看做されるこれらの信号を確立するものと考えられる。2つの相互作用の低い方のエネルギに対するエネルギの減少は、2つの検出器1,15の間の経路中にある材料本体及び/又は放射性材料の影響によるものと看做される。エネルギの減少が大きいほど、密度が大きく、従って、遮蔽及び/又は減衰作用が大きい。
【0088】
動作の同一の原理は、3つの検出器1a,1b,1c及び3つの更なる検出器15a,15b,15cのそれぞれに対して適用する。検出器15a及び1b等のような、種々の組み合わせ間での更なる同時性も考慮されることができ、これにより全体で9つの計数チャンネルが付与される。この数の検出器は、図示の目的だけであり、ISO貨物容器5の全長に沿って配置されたより大きな数の及び/又は同様のセットの検出器が可能である。多数の検出器1及び多数の更なる検出器15をかかる構成で使用することは、ISO貨物容器のセグメント20の良好な有効範囲(カバレージ)が、検出器組み合わせに対する重なり合う視野に起因して、達成され、セグメントに対する特有の密度を計測することができ、更なるセグメント特有の更なる計測が可能であることを意味する。
【0089】
更なる検出器15は、また、ISO貨物容器5の前の束経路内の位置に起因してISO貨物容器5に遭遇する前に束を検出する機能を果たすことができる。
【0090】
多数の検出器1及び更なる検出器15の設置は、また、セグメント20により密度部分布に関する情報を得ることができることを意味する。これは、異なる組み合わせに対してそれらの視野の幾何学形状と連携して観測される差異を考慮することによって成されることができる。例示される6つの検出器の場合、セグメントに対する潜在的に異なる密度の3×3ピクセルの表示が提供されうる。より大きな数の検出器1及び更なる検出器15は、セグメント内でのより大きな分解能を可能とするだろう。
【0091】
好ましくは、検出器1は、ISO貨物容器5の底部に非常に近くに搭載されることができ、これにより、下方の深さ空間の必要性を無くす。側方に配置される検出器は、あいまいさを低減し若しくは更なる分解能を付与するために使用されることができる。
【0092】
当然ながら、かかる配置の検出器1は、上述の例と同様の態様で、更なる検出器15からの切り離された考慮で使用されうる。
【0093】
上述の説明では、我々は、材料本体自体からであれ及び/又はその中の放射性材料からであれ、材料本体内で遭遇する材料の密度に関する情報を得るためにミューオンの使用に注目してきた。随伴するミューオン束は、ミューオン束レベルの約35から40%で電子の束である。かかる電子は、特に比較的高い密度の材料のような、相当な厚さの材料を通過するのには不十分な貫通性であるが、より薄い材料及び/又は小さい密度の材料に関する情報を与えるために同様の態様で使用されることができる。一般的に、電子は、15cmの厚さの鉛(密度167g・cm−1)により全体的に遮蔽されるだろう。
【0094】
図1,2及び3を参照して上述した本発明の実施例では、アプローチは、ミューオン若しくは電子に対する計数率に対する材料本体の影響の測定値に依存してきた。計数率は、ミューオン若しくは電子の検出若しくはそれらに伴う同時性の検出に関連する。これは、次いで、測定が実行される対象のセグメント内の材料本体の密度の直接の測定値を与えるために使用される。次の実施例では、代替的なアプローチが取られる。
【0095】
図4に示すように、本システムの一般的な構成は、上述と同様である。ISO貨物容器5は、測定位置3内に設けられる。4つの検出器20が測定位置3の上方に設けられ、更なる4つの検出器22は、測定値3の下方に設けられる。
【0096】
検出器20,22は、ISO貨物容器5に理に適う範囲でできるだけ近くに配置される。同様の構成は、広範な容器種類に対して使用されることができる。ISO貨物容器の状況では、1/3.1/2,2/3及び3/4の高さの容器は、考慮されることができる。検出器20の上列の位置は、下側の検出器22と上側の検出器20の間の最小の離間距離を達成するように、減少した高さの容器に合わせて下方に調整されてもよい。
【0097】
検出器20,22は、通常、互いに同一の種類、形状及びサイズである。検出器20,22のそれぞれ1つは、実際には、出力が1つとして扱われる一連の小型の検出器であってよい。プラスティックシンチレータが使用され、それぞれ光倍増器若しくはその類に接続され、光倍増器からの出力を高速の選別器に供給する。高速の選別器は、宇宙線派生計数、ミューオン等とガンマ線との間を識別するために用いられる。高速の選別器からの出力は、コンピューター制御ハードウェア若しくはソフトウェアにより動作される計数ステップに供給される。
【0098】
ISO貨物容器5の正味重量は、本発明のこの実施例に対して必要とされる。正味重量は、放射性測定前若しくは後又はその間にISO貨物容器が設けられる重量ステーションにて取得されてもよい。重量ステーションは、測定位置3にあってもよい。
【0099】
ISO貨物容器5の正味重量は、後に処理で使用され、観測された重量として考慮される。
【0100】
ISO貨物容器5が測定位置3に導かれる前に、ミューオン若しくは電子の背景計数の測定は、同時性の検出器20,22の性能を確かめるために実行される。更なるかかる測定は、ISO貨物容器5が測定位置3から出発した後にもなされる。
【0101】
測定方法中、10から16つの測定値は、ISO貨物容器5の全長に沿った異なる位置で取られて、ISO貨物容器5を10から16つのセグメントに実質的に分割するようにする。かかる数は、ISO貨物容器5の6mの長さを効率的に考慮している。ISO貨物容器5は、各測定中は固定状態である。
【0102】
各測定中、測定位置3の上方に設けられる検出器20A,20B,20C,20Dを参照し、測定位置3の下方に設けられる検出器22A,22B,22C,22Dを参照して、次の計数が確立される。
20A信号計数;
20B信号計数;
20C信号計数;
20D信号計数;
22A信号計数;
22B信号計数;
22C信号計数;
22D信号計数;
20Aと22Aの同時計数;
20Aと22Bの同時計数;
20Aと22Cの同時計数;
20Aと22Dの同時計数;
20Bと22Aの同時計数;
20Bと22Bの同時計数;
20Bと22Cの同時計数;
20Bと22Dの同時計数;
20Cと22Aの同時計数;
20Cと22Bの同時計数;
20Cと22Cの同時計数;
20Cと22Dの同時計数;
20Dと22Aの同時計数;
20Dと22Bの同時計数;
20Dと22Cの同時計数;及び
20Dと22Dの同時計数。
【0103】
これらの測定値の全ては、後の取り出し及び処理のために記憶される。
【0104】
続く処理は、各測定時に16つの同時計数のそれぞれをとり、適切な上側の検出器20に対する信号計数の分数として表現するが、連携して考慮される対の検出器の幾何的な配置の影響に対して補正された信号計数率が用いられる。従って、20A及び22Aに対する同時性は、検出器対20A及び22Aの幾何的配置に対して補正された信号計数率による20Aの信号計数の分数として表現され、20A及び22Bに対する同時性は、検出器対20A及び22Bの幾何的配置に対して補正された信号計数率による20Aの信号計数の分数として表現され、20D及び22Aに対する同時性は、検出器対20D及び22Aの幾何的配置に対して補正された信号計数率による20Dの信号計数の分数として表現され、以下同様である。各対の場合の同時計数は、当該対に対する補正された信号計数により除算される。
【0105】
幾何的配置に対する補正は、材料本体の不在状態で、幾何的配置に起因して、上側の検出器を通過するが下側の検出器を通過しないだろう粒子のフラクションを考慮する補正である。基本的には、このフラクションは、検出器20A及び22Dのような、オフセットした対の検出器に対しては、検出器20A及び22Aのような、互いに鉛直方向に一直線となる対の検出器に対してよりも、高くなる。
【0106】
このフラクションは、幾何的配置の校正を介して取得される。各検出器の対に対して、幾何的配置の校正は、材料本体の不在状態で、材料本体の測定に対してと同一の幾何的配置の検出器により測定を実行することによって、取得される。好ましくは、フラクションを計測するための測定は、十分な期間に亘って、例えば1日若しくは2日に亘って実行され、各対に対してフラクションの満足の行く良好な測定を与えるようにする。対に対する結果は、実際のサンプルの測定での使用のために値若しくは式又はルックアップテーブルとして、記憶されてもよい。
【0107】
基本的には、補正は、ミューオンの束Nが、幾何的配置のみに単に起因して、上側若しくは第2の検出器20を通過するが、束Cのみが下側若しくは第1の検出器22に到達するであろうことを言う。以下で詳説する如く、材料本体が存在する状態では、下側若しくは第1の検出器22に到達するであろう束は、材料本体に更に起因して束Lへと減少する。特定の対に対する補正の結果として、同時計数に対する幾何的配置の影響は取り除かれる。
【0108】
上記の例において、この処理は、材料本体の当該セグメントの測定値に対して16つの補正されたフラクションを生む。
【0109】
処理の次の段階では、材料本体の幾何的配置の影響が考慮される。基本的には、材料本体の存在に起因して、上側の検出器を通過するが下側の検出器を通過しないだろう粒子のフラクションが考慮される。これは、幾何的配置に起因した影響は既に除去されている下側の検出器計数に影響する他の因子である。基本的には、この影響は、低い密度の材料本体よりも高い密度の材料本体の方が高いだろう。
【0110】
影響の考慮は、面密度校正データを参照することにより得られる。面密度校正データは、ルックアップテーブル若しくは公式のいずれかで用いられる。面密度校正データは、モデル化から生成し、若しくは、より好ましくは、異なる面密度によるフラクション計数に対する吸収剤の影響を計測するために、広範な異なる吸収材料の実際の測定から生成する。校正データの一例は、図5に示され、面密度に応じたフラクション計数率のプロットである。上側と下側の検出器の間の離間距離を最小にすることは、高い密度値で面密度の正確な解明を可能とする計数率を得る上で非常に重要である。
【0111】
基本的には、本アプローチでは、上側の検出器での束がNであり、幾何的配置及び材料本体の影響は、下側の検出器で束Lに減少させる。
【0112】
16つのフラクションの値のそれぞれは、例えば図5に示すような試験的に得られた値及び校正データを用いて面密度値に変換される。
【0113】
セグメントに対する16つの面密度は、当該セグメントに対する結合面密度を与えるために結合される。結合処理は、好ましくは、重み付けされる。種々の係数は、16つの面密度値のそれぞれに対する重みを決定するために使用されることができる。係数は、当該対の検出器に対するISO貨物容器5を通る経路長、検出器の鉛直方向の離間距離、各検出器対によりサンプリングされた実効容積、当該検出器対に対する計数率の精度を含んでよい。
【0114】
各セグメントに対するこの処理を繰り返すことによって、単一の結合された面密度値が各セグメントに対して得られる。
【0115】
これらの結合された面密度値は、次いで、ISO貨物容器の計算重量を生成するためにISO貨物容器5の寸法と共に使用されることができる。次いで、計算重量は、観測重量に対して考慮され、2つの間の変動は、各セグメントに対する結合面密度値の値を正規化するために使用される。各セグメントに対する正規化された結合面密度値は、結果として生成される。
【0116】
セグメントに対する正規化された結合面密度値は、次いで、補正されたガンマ放出物の測定値を与えるために当該セグメントに対する測定されたガンマ放出物の測定値を補正するために使用される。この値は、次いで、ISO貨物容器5の更なる考慮で使用される。
【0117】
幾つかの例では、結果は、ISO貨物容器5が特定の更なる考慮を必要とすることを示唆する。かかる状況の例は、1つ以上のセグメントに対する面密度が所定の範囲外である及び/又は上限値を超えている及び/又は下限値を下回っている場合でありうる。
【0118】
ISO貨物容器5が満載で無い場合、計算重量若しくは観測重量が調整されてもよい。調整は、材料本体が実際に充填されているISO貨物容器5の割合を反映するだろう。これは、材料本体の物理的な検査から、及び/又は、満載レベルよりも下方に位置するときに検出が遮蔽され満載レベルよりも上方の位置が検出されたときに検出される送信源により判断されうる。
【0119】
次の章は、アプローチの特性により改善されたレベルで考慮されることができる、かかるアプローチ及び態様を取ることにより存在する誤りに関する。
【0120】
第1の選択肢において、材料本体が存在しない状態での対の検出器20A及び22Aの同時計数を、材料本体が存在する状態での対20A及び22Aの同時計数に対して考慮することは可能である。しかし、双方の計数率は、直交で加わるそれらに関連付けられた同様の不確定さを有する。更に、気圧変化及び太陽の活動変化(その間ミューオン束が減少するフォアブシュ事象に関連する)も誤りを引き起こし、別々に考慮される必要があるだろう。
【0121】
本発明の好ましいアプローチでは、代替的な考慮がなされる。基本的には、本アプローチは、ミューオンの束Nが、上側若しくは第2の検出器20を通過するが、上側と下側の検出器間の介入プロセスに起因して、減少された束Lのみが下側の検出器22に到達する可能性があることを言う。プロセスの確率は、Pと表すことができる。確率は、2つの損失機構を有する。これらは、使用される検出器の対の幾何的配置と、使用される対の検出器間にある材料本体の吸収に起因する。
【0122】
上側の検出器20は、問合せ束Nを測定し、従って、これは、正確に知られる。問合せ束Nは、下側の検出器により検出される同時計数により測定される送信束Lに変化される。同時性は、損失プロセスの影響及び問合せ束Nに対するその確率Pを測定し、これは、同一性は送信束のサンプルである第1の選択肢と比較する。
【0123】
好ましいアプローチを適用すると、密度計算は、次のとおりである。
【0124】
【数1】

ここで、Kは、幾何的配置の影響が対処済みであるので材料本体の影響に関連する正確な校正係数であり、Nは、上側の検出器に到達する問合せ束であり、正確に測定され、Lは、下側の検出器に到達する束であり、以下のように分布される。
【0125】
【数2】

二項分布から、測定されるように次のとおりとなる。
【0126】
【数3】

尚、これは、上述の第1の選択肢における不確定性の1/√2であり、従って、第1の選択肢に比較された測定値において減少した誤りを与え、問合せ束N、確率Pでの損失プロセス、及び送信束Lとして測定値を看做すことから基本的な効果を実証する。このアプローチは、また、外部の事象(大気圧変化や太陽の活動変化)に起因した問合せ束の変動を直接的に測定し補償する。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図。
【図2】本発明の第2の実施例を示す図。
【図3】本発明の第3の実施例を示す図。
【図4】本発明の第4の実施例を示す図。
【図5】面密度と共に分数の変動を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料本体内の放射性材料の測定値を補正する方法であって、
前記放射性材料の特性を測定して測定値を提供するステップと、
前記材料本体を通過していないミューオンにより生成された電子及び/又はミューオンを検出して第1の値を与えるステップと、
前記材料本体を通過したミューオンにより生成された電子及び/又はミューオンを検出して第2の値を与えるステップと、
前記第1及び第2の値を処理して係数を与えるステップと、
前記材料本体の放射性材料の補正された測定値を得るために、前記係数を用いて前記測定値を補正するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記材料本体内の放射性材料の測定値は、密度に対して補正される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記材料本体内の放射性材料の測定値は、前記材料本体の異なる部分に対して異なる態様で潜在的に補正される、先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
容器及びその材料本体の重量及び/又は質量又は前記材料本体の重量及び/又は質量を計測して計測重量を提供するステップを更に含む、先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の値及び第2の値に寄与するミューオン及び/又は電子は、同時計数値を付与し、前記同時計数値の前記第1の値に対する比は、前記係数の算出時に考慮される、先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の値は使用される前に補正される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の値は、前記第2の値を得るために用いられる第1及び第3の検出器の対及び/又は第1及び第2の検出器の対に関する幾何的配置の影響に対して補正される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
別々の補正は、各第1の値に対して提供され、補正は、前記第2の値を与える第1及び第3の検出器の対及び/又は第1及び第2の検出器の対に対して特有である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記同時計数値の前記第1の値に対する比は、前記第2の検出器を通過する粒子、及び、前記材料本体及び/又は容器及び材料本体が無い場合に前記第1の検出器を通過することになるだろう経路、に対する前記材料本体及び/又は容器及び材料本体の影響を考慮するために用いられる、請求項5又は請求項5に従属する先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記同時計数値の前記第1の値に対する比は、前記第1の検出器を通過する粒子、及び、前記材料本体及び/又は容器及び材料本体が無い場合に前記第3の検出器を通過することになるだろう経路、に対する前記材料本体及び/又は容器及び材料本体の影響を考慮するために用いられる、請求項5又は請求項5に従属する先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記同時計数値の前記第1の値に対する比は、前記材料本体若しくはその一部に対する面密度若しくは面密度の表現を算出するために用いられる、請求項5又は請求項5に従属する先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
2つ以上の第1の検出器及び/又は2つ以上の第2の検出器及び/又は2つ以上の第3の検出器が設けられ、前記同時計数値の前記第1の値に対する比は、2つ以上の異なる対の検出器に対して考慮される、請求項5又は請求項5に従属する先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
対の検出器は、第1及び第3の検出器若しくは第1及び第2の検出器から形成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
面密度若しくは面密度の表現の計算は、2つ以上の対の検出器に対して提供される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
複数の面密度若しくは面密度の表現は、前記材料本体若しくはその一部に対して得られる、先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
複数の面密度若しくは面密度の表現が得られ、該面密度若しくは表現は、結合された面密度若しくは面密度の表現を与えるために結合される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
2つ以上の面密度若しくは面密度の表現の重み付け結合が提供される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
面密度若しくは面密度の表現は、前記材料本体及び/又は前記容器及び材料本体の算出された質量若しくは重量を算出するために用いられる、先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記材料本体及び/又は前記容器及び材料本体の算出された質量若しくは重量が得られ、前記算出された質量若しくは重量は、前記計測された質量若しくは重量と比較される、請求項4又は請求項4に従属する先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記算出された質量若しくは重量が前記計測された質量若しくは重量と異なる場合に1つ以上の面密度若しくは面密度の表現が調整される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
1つ以上の面密度若しくは面密度の表現は、前記計測された質量若しくは重量と比較された前記算出された質量若しくは重量に基づいて正規化される、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記調整された面密度若しくは面密度の表現は、前記係数に用いられる、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記係数を用いた前記測定値の補正は、前記測定値を増加させる、先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の値は、材料本体内の放射性材料の測定がなされるときに材料本体が設けられる測定位置の下方に設けられる1つ以上の第1の検出器から得られ、前記第1の値は、前記材料本体の不在下で得られる、先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の値は、材料本体内の放射性材料の測定がなされるときに材料本体が設けられる測定位置の下方に設けられる1つ以上の第1の検出器から得られ、前記第2の値は、前記材料本体の存在下で得られる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の値の前記第1の値に対する比若しくはその逆の比は、前記材料本体に対する密度の指示値若しくは測定値を提供する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の値は、材料本体内の放射性材料の測定がなされるときに材料本体が設けられる測定位置の上方に設けられる1つ以上の第2の検出器から得られる、先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の値は、材料本体内の放射性材料の測定がなされるときに材料本体が設けられる測定位置の下方に設けられる1つ以上の第1の検出器から得られ、前記第2の値は、前記材料本体の存在下で得られる、先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の値及び前記第2の値において観測される前記同時計数値の、前記第1の値に対する比、若しくは、その逆の比は、前記材料本体に対する密度の指示値若しくは測定値を提供する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の値は、1つ以上の第3の検出器と共に1つ以上の第1の検出器から得られる、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の検出器及び第3の検出器から得られる前記同時計数値の前記第1の値に対する比若しくはその逆の比は、前記材料本体に対する密度の指示値若しくは測定値を提供する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記検出器の全ては、前記材料本体の前記容器及び/又は前記材料本体の一部及び/又は測定位置の縁部の2m以内に設けられる、先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
材料本体内の放射性材料の測定値を補正する装置であって、
前記放射性材料の特性を測定して測定値を提供する1つ以上の検出器と、
測定位置の上方に設けられ、前記材料本体を通過していない大気源からの1種類以上の粒子を検出して第1の値を与える1つ以上の検出器と、
測定位置の下方に設けられ、前記材料本体を通過した大気源からの1種類以上の粒子を検出して第2の値を与える1つ以上の検出器と、
前記第1及び第2の値を処理して係数を与えるプロセッサと、
前記材料本体の放射性材料の補正された測定値を得るために、前記係数を用いて前記測定値を補正するプロセッサとを含む、装置。
【請求項34】
好ましくは請求項1による、材料本体内の放射性材料の測定値を補正する方法であって、
前記放射性材料の特性を測定して測定値を提供するステップと、
第2の検出器を用いて、前記材料本体を通過していない大気源からの1種類以上の粒子を検出して第1の値を与えるステップと、
第1の検出器を用いて、前記材料本体及び前記第2の検出器を通過した大気源からの1種類以上の粒子を検出して第2の値を与えるステップと、
前記第1及び第2の値を処理して、前記第1の値と校正係数の積により除算された前記第2の値の関数である密度表現の係数を与えるステップと、
前記材料本体の放射性材料の補正された測定値を得るために、前記係数を用いて前記測定値を補正するステップとを含む、方法。
【請求項35】
材料本体内の放射性材料の測定値を補正する方法で用いられる係数の誤りを確立する方法であって、
前記放射性材料の特性を測定して測定値を提供するステップと、
第2の検出器を用いて、前記材料本体を通過していない大気源からの1種類以上の粒子を検出して第1の値を与えるステップと、
第1の検出器を用いて、前記材料本体及び前記第2の検出器を通過した大気源からの1種類以上の粒子を検出して第2の値を与えるステップと、
前記第1及び第2の値を処理して、前記第1の値と校正係数の積により除算された前記第2の値の関数である密度表現の係数を与えるステップと、
前記材料本体の放射性材料の補正された測定値を得るために、前記係数を用いて前記測定値を補正するステップとを含み、
前記係数の誤りを確立することは、
前記第1の値が正確に測定されており、前記校正係数が正確に知られており、且つ、前記第2の値が確率により乗算された前記第1の値であると看做すことを含み、前記確率は、前記第2の値及び前記第1の値に寄与する粒子の確率である、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−530630(P2009−530630A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500926(P2009−500926)
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001026
【国際公開番号】WO2007/107765
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(508252077)ヴイティー ニュークリア サービシズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】