説明

太陽光発電と風力発電とを組み合わせた複合型発電装置

【課題】風車の回転効率及びソーラーパネルへの受光効率を高めることにより発電効率の向上を図った太陽光発電と風力発電を組み合わせた複合型発電装置を提供する。
【解決手段】発電装置100は太陽光発電装置2と風力発電装置3とにより構成され、太陽光発電装置2は、受光面が三角錐の形状になるように構成されて太陽光を光電変換する複数の太陽光発電パネル20、太陽光発電パネル20の下端周縁に沿って設けられ、太陽光の反射光を太陽光発電パネル20の受光面に導く反射ミラー兼州風板22等を備える。風力発電装置3は、可変翼風車6、角錐型パドル風車7、風杯型パドル風車及び固定鋭角傾斜風車のうちの2つ以上を重ねて太陽光発電パネル20の下部に配置され、この風車を取り囲むようにして取り込んだ風を風車に吹き付ける複数の集風ダクト63が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電と風力発電の両方を用いて発電して各種の電源に用いる太陽光発電と風力発電を組み合わせた複合型発電装置に係り、特に、昼夜24時間の連続発電を可能にし、これによって蓄電池を充電してクリーンなエネルギを得る太陽光発電と風力発電を組み合わせた複合型発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年地球温暖化対策として大気を汚染する気体の排気量を削減する動きが活発である。大気を汚染する気体の1つに森林の耕地化や化石燃料等の燃焼により発生する二酸化炭素(CO)があるが、このような化石燃料等の燃焼に基づくエネルギに代えてクリーンなエネルギ、特に、自然エネルギを利用する太陽光発電と風力発電から創出した電力エネルギ利用の普及が検討されている。
【0003】
従来、太陽光発電と風力発電とは個別のシステムとして開発が進められてきた。しかしながら、太陽光発電は天候に恵まれた日中に限られ、一方、風力発電は或るレベル以上の風力を必要とする。従って、24時間継続して安定した電力を得るためには、太陽光発電或いは風力発電の一方のみで行うことは困難である。そこで、本発明の発明者は、太陽光発電と風力発電の両方を用いて発電を行う発電装置の提案を行った(特許文献1参照)。
【0004】
この太陽光発電と風力発電を複合した発電装置は、太陽光を受けるソーラーパネルと、ソーラーパネルを支持するパネル受台、パネル受台をベース上で回転不能な状態で支持する支柱、支柱の周囲に回転可能に取り付けられた軸受けに固定されるとともに周囲に風を受ける複数の翼を備える風車及び風車が受けた回転エネルギを電気エネルギに変換し発電する発電機を備え、さらに、複数の翼は受けた風を偏向してソーラーパネルに送る角度及び形状を有している。これにより、自然エネルギを効率よく利用可能になるとともに昼夜及び四季を通じての発電を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4322252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の発電装置は風車に当たった風が風車の外部に逃げ易く、受けた風を効率的に回転に利用することが難しかった。そこで、かかる点を改善するべく風車を大型化することを検討したが、風車を大型化すると風車の回転方向への抵抗が強くなり、逆に発電効率を上げることができないということがわかった。そのため、360度のいずれの方向方角から吹く風も効率良く集風し、これを風車の最適位置に効率良く集中的に吹き付けられるようにする装置の開発が必要とされていた。
【0007】
また、風力発電に用いられる風杯型パドルは、回転軸の内輪から放射状に回転アーム先端にパドルを固定した受風効率の高い構造を有しているが、受風に対する回転起動力が大きい反面、風車全体に掛かる回転方向の風圧抵抗が風車の回転効率を妨げることになっていた。そのため、風車の回転起動力が十分に得られず、回転トルクの変換効率が悪いという問題があった。
【0008】
さらに、ソーラーパネルは、太陽光を長時間効率よく受光できるように、設置方向を太陽の昇る東向き又は南向きなどとし、さらに地面に対して35°前後に傾斜させて設置しているが、このようにしても発電可能な時間帯は早朝の太陽が直射する午前中から正午前後程度に限られるという問題があった。
【0009】
また、ソーラーパネルを設置する場合、ソーラーパネルを1枚の大きなサイズにするよりも、複数に分割して三角錐屋根のようにして設置する方が太陽の位置の変化に対応して安定に受光できる。しかし、このようなソーラーパネルでは、早朝の太陽光等を受光する面に対し、その受光面の反対側及び側面の一部に影が生じる。この影になった部分は散乱光の照射のために、直射目光に比べると発電効力が低くなる。そのため、ソーラーパネルが影になった場合の発電効力の改善が望まれていた。
【0010】
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたもので、風車の回転効率及びソーラーパネルへの受光効率を高めることにより発電効率の向上を図った太陽光発電と風力発電を組み合わせた複合型発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために請求項1に記裁の発明は、太陽光発電と風力発電とを組み合わせた複合型発電装置において、太陽光を光電変換する複数の太陽光発電パネルと、太陽光発電パネルの下端側に設けられ、太陽光の反射光を太陽光発電パネルの受光面に導く反射面を有する反射板とを含む太陽光発電装置と、太陽光発電パネルの下部側の円周方向に沿って所定間隔に配設され、吹き付けられた風によって水平方向に回転する複数の受風部材を備えた風車と、風車による回転エネルギを電気エネルギに変換して発電を行う発電機と、風車を取り囲むようにして配設され、水平方向からの風を取り込んで集風した風を受風部材に吹き付ける複数の集風ダクトとを含む風力発電装置とを備え、受風部材は、その相互間に介在して空気抵抗の発生源となる空気を逃がす隙間を形成する機構が設けられていることを特徴とする複合型発電装置を提供する。
【0012】
上記課題を解決するために請求項2に記裁の発明は、請求項1に記載の複合型発電装置において、太陽光発電装置は、太陽光発電パネルの内部に強い風が吹き込んだときに自動的に開口して風圧を軽減するための風抜き機構を備えていることを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために請求項3に記裁の発明は、請求項1又は2に記載の太陽光発電と風力発電を複合した発電装置において、風力発電装置は、風車が上下方向に複数が重ねた状態に配設され、それぞれに集風ダクトが設けられていることを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するために請求項4に記裁の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の複合型発電装置において、複数の受風部材は、内側になる一端が回転部材に軸支され、外側になる他端が上下に回動できるように組み合わされた一対の可変翼を備えて構成され、吹き付けられた風の風圧、風量に応じて他端が上下に回動するとともに、回転力に寄与しないときには一対の可変翼の開角度が小さくなり、空気抵抗の発生源となる空気を一対の可変翼の外側に流すことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するために請求項5に記裁の発明は、請求項4に記載の複合型発電装置において、風車の受風部材は、内側になる一端が回転部材に軸支されるとともに外側になる他端が上下に回動でき、その縦断面が縦コ字形を成すとともに両側面が扇形を成し、その一方の側面に半円状の開口溝が設けられ、開口溝に設けられた結合金具によって角度可変に組み合わされた一対の可変翼であり、一端には回動の最大開角度を規制する過剰開放防止板及び最小開角度を規制する開放角度調整板が配設されていることを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するために請求項6に記裁の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の複合型発電装置において、受風部材は、回転部材の回転中心に面する側面からの風漏れを防止可能にし且つ回転部材に対して同軸にして回転部材の両面にリングが設けられていることを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するために請求項7に記裁の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の複合型発電装置において、風車は、横V字形を成すようにして回転部材に固定設置された一対の板状の固定翼を受風部材として複数組を備えた固定鋭角傾斜風車であることを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するために請求項8に記裁の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の複合型発電装置において、風車は、回転中心より放射状に設けられた角錐型又は杯型のパドルと、集風ダクトから風が吹き付けられているときにはパドルとともに受風部材を形成し、集風ダクトから風が吹き付けられていないときには空気抵抗の発生源となる空気を逃がせるようにしてパドルの中心部に設けられた角錐型又は杯型の開閉弁とを備えることを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決するために請求項9に記裁の発明は、請求項8に記載の複合型発電装置において、角錐型又は杯型のパドル及び角錐型又は杯型の開閉弁を備えた風車は、その上下方向に距離をもたせ且つ回転方向に相互に所定の角度をもたせて複数段に分けて設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る太陽光発電と風力発電を組み合わせた複合型発電装置によれば、風車の回転効率及びソーラーパネルへの受光効率を高めることができるので発電効率の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る複合型発電装置の好ましい一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示す複合型発電装置の平面図(一部断面図)である。
【図3】太陽光発電装置の太陽光発電パネルの正面図である。
【図4】風力発電装置の平面図である。
【図5】風力発電装置の可変翼風車の開いた状態を示す側面図である
【図6】可変翼機構の可変翼風車が風の吹き込み位置の反対側に位置して閉じた状態を示す側面図である。
【図7】可変翼風車における過剰開放防止板、開放角度調整板、ワッシャ支持棒及び結合金具の構成を示す斜視図である。
【図8】可変翼風車の可変翼の構成を示す斜視図である。
【図9】風力発電装置の集風ダクトの構成を示す斜視図である。
【図10】図4の風力発電装置の可変翼風車の正面図である。
【図11】図10の回転リングの詳細を示す斜視図である。
【図12】固定鋭角傾斜風車の平面図である。
【図13】図12に示す固定鋭角傾斜風車の正面図である。
【図14】角錐型パドルの構成を示す平面図である。
【図15】図14に示す角錐型パドルの正面図である。
【図16】図14に示す角錐型パドルの断面図である。
【図17】風杯型パドルの構成を示す平面図である。
【図18】図17に示す風杯型パドルの正面図である。
【図19】図17に示す風杯型パドルの断面図である。
【図20】本発明に係る複合型発電装置の第二の実施形態を示す斜視図である。
【図21】図20に示す角錐型パドルの動作を説明する図である。
【図22】本発明に係る複合型発電装置の第三の実施形態を示す斜視図である。
【図23】図22に示す風杯型パドルの動作を説明する図である。
【図24】本発明に係る複合型発電装置の第四の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第一の実施形態〕
以下、本発明に係る太陽光発電と風力発電を組み合わせた複合型発電装置の好ましい一実施形態ついて図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る太陽光発電と風力発電を組み合わせた複合型発電装置の第一の実施形態を示す正面図、図2は図1に示す複合型発電装置の平面図(一部を断面図で示す。)である。この複合型発電装置100は、概略として、基礎5上に立設された矢倉台1と、矢倉台1の屋根の部分に設置された太陽光発電装置2と、太陽光発電装置2の下部に設置された風力発電装置3と、矢倉台1の底部の基礎5上に設置されたバッテリーボックス4とを備えて構成されている。
【0023】
ここで、矢倉台1は、例えば、所定の高さを有して等間隔に立設された鉄骨を主体とした6本の支柱の相互を筋交いで固定して作られた鉄塔である。尚、複合型発電装置100を設置する場所は、図1に示した矢倉台1に限定されるものではなく、例えば、ビルの屋上、家屋の屋根、各種の鉄塔などの所定の高さ以上の建造物、構造物等に設置することができる。
【0024】
バッテリーボックス4は、図示しない二次電池を内蔵するとともに、太陽光発電装置2及び風力発電装置3の出力電圧を充電に適した電圧にし、さらに過充電を防止する機能を備えた図示しない充電回路を内蔵している。充電された二次電池の電源供給先として、バッテリーボックス4の二次電池の電流容量に見合った機器、例えば、街路灯、魚類の電照栽培、ハウス栽培の作業照明、野菜等の電照栽培、生花生産の電照栽培による開花調整、果樹農家の烏害防止用センサ、盗難防止用センサ、各種予報センサ、道路標識灯や安全灯などがある。また、未電化地域への電力供給にも利用できる。尚、負荷が交流電源を必要とする場合、二次電池にDC−AC変換回路が接続される。
【0025】
[太陽光発電装置の構成]
太陽光発電装置2は、図1及び図2に示すように、概略として、六角錐形状に組まれた複数(本実施形態では6枚)の太陽光発電パネル20,20と、複数の太陽光発電パネル20,20の頂点に設けられた風抜き機構21と、複数の太陽光発電パネル20,20の下端より突出する複数(本実施形態では6枚)の反射ミラー兼集風板(反射板)22とを備えて構成されている。太陽光発電パネル20,20は三角形の同一形状の6枚の光発電モジュール23からなり、それぞれが水平方向に対する傾斜角35°若しくはその前後で取り付けられると共に上方から見て全体が六角形を成すようにして相互に接合されている。
【0026】
また、太陽光発電パネル20,20は、外側から内側に向かって空気が自由に入り込めるように設置されており、太陽光発電パネル20,20の内側に台風や季節風等による強風や突風が吹き上げたとき、太陽光発電パネル20が上方に持ち上げられるなどして損傷する可能性がある。そこで、太陽光発電パネル20の頂部には強風や突風が内側に吹き込んだときに開口して上方へ逃がすための風抜き機構21が形成されている。内側に進入した風は風抜き機構21を介して上方へ抜け出せるようになっている。この風抜き機構21は、例えば、(本実施形態では6枚)複数の遮蔽板21a,21aと図示しないスプリング等の弾性部材によって構成される。すなわち、遮蔽板21a,21aは図示しない弾性部材の付勢力によって複数の遮蔽板21a,21aを押圧することによって閉られているが、強風や突風が吹き込んだときにその風圧によって上記弾性部材の付勢力に抗して図3に示すように複数の遮蔽板21a,21aが開いて開口部が形成されるように構成されている。
【0027】
反射ミラー兼集風板22は、その上面が光が反射し易いような反射面に加工または施工がなされており、その反射面に照射した太陽光を上側に配置された太陽光発電パネル20,20に反射させ、太陽光発電パネル20,20が影になった場合でも光が照射されるように形成されている。この構成により太陽光発電が効率よく機能することになる。また、反射ミラー兼集風板22は、風力発電装置3に対して空気流を誘導する機能をも併せて備えている。
【0028】
[風力発電装置の構成]
風力発電装置3は水平回転方式であり、可変翼風車6と角錐型パドル風車7とが太陽光発電パネル20の下部に上下に重ねられた状態で配置されている。ここで、風車は、可変翼風車6及び角錐型パドル風車7以外にも、例えば、風杯型パドル風車8(図15参照)や、固定鋭角傾斜風車9(図10参照)等を用いることもできる。従って、上記4種のうちのいずれか2種或いは2種以上を太陽光発電パネル20の下部に上下に重ねた状態で配置することができる。上記のように、図1に示す風力発電装置3は可変翼風車6と角錐型パドル風車7の組み合わせになっている。
【0029】
[可変翼風車の構成]
可変翼風車6による風力発電装置3は、図2及び図4に示すように、概略として、垂直方向に立設された回転軸内に配置された発電機60と、回転軸としても機能する発電機60に取り付けられた円環状の外輪ハブ(回転部材)61と、外輪ハブ61の上下に突出するように設けられた一対の円筒形状の回転リング10と、外輪ハブ61に取り付けられた複数(本実施形態では8つ)の可変翼機構62と、横方向からの風を可変翼機構62へ集中的に導く集風ダクト63(図1、図2、図9参照)と、外輪ハブ61の中心より放射状にして外輪ハブ61に設けられた歪み防止用の補強リブ64とを備えて構成されている。また、図4に示すように外輪ハブ61は補強リブ64の相互間に開口610を有し、可変翼65A,65Bの間に風76が均等に吹き付けられるようにしている。
【0030】
図5は可変翼機構62の可変翼65A,65Bが開いた状態を示す側面図、図6は可変翼機構62の可変翼が風の吹き込み位置の反対側に位置して閉じた状態を示す側面図である。可変翼機構62は図5及び図6に示すように、概略として、外輪ハブ61を挟んで両側にその一端が取り付けられて開き角度が可変可能な受風部材としての一対の可変翼65A,65Bと、可変翼65A,65Bの最大開角度を規制する過剰開放防止板67(図7(a)参照)と、可変翼65A,65Bの内側に設けられて最小開角度を規制する開放角度調整板68(図7(b)参照)とを備えて構成されている。過剰開放防止板67及び開放角度調整板68は外輪ハブ61を介挿する状態で外輪ハブ61にねじ止め固定されている。
【0031】
可変翼65A,65Bは、図8(a),(b)に示すように、対称の形状を有し、側壁の一方は扇形で、他方の側壁は三角形状となっている。そして、上記一方の側壁は他方の側壁よりも高く形成されると共に、扇形の円弧の近傍には円弧に沿って開口溝によるルーズホール69が設けられている。そして、図8(a)に示す可変翼65Aと図8(b)に示す可変翼65Bとは図5及び図6に示すように組み合わされ、ルーズホール69のそれぞれには図7(c)に示すワッシャ支持棒40が遊嵌され、このワッシャ支持棒40は結合金具41によって外輪ハブ61にねじ止め固定される。以上の構成による可変翼機構62は、図5に示す右側から風76が吹き付けられると、その風圧、風量に応じて可変翼65A,65Bは結合金具41に案内されて上下方向に動いて開角度が可変(例えば、40〜80°)し、その開角度に応じた空気取り入れ口が形成される。
【0032】
図2に示すように、可変翼機構62のそれぞれの外側には漏斗形状の集風ダクト63が配設されている。この集風ダクト63は、図9に示すように、可変翼機構62に面して配置されるノズル部632を有し、このノズル部632は可変翼65A,65Bによって形成される受風口の開口面積と同等かやや大きい開口面積を有する一方、受風口631の開口面積はノズル部632よりも大きく(例えば、10倍以上)形成されている。受風口631は、例えば、水平方向に140°の開口を有し、その中間には曲面を有する仕切り板633が設けられている。このような集風ダクト63が全体で6つ配設されているので、全方位からの風を集めて後段に設置された可変翼機構62に導くことができる。集風ダクト63の1つで集風した風が一組の可変翼65A,65Bに吹き付けられるので、可変翼65A,65Bの受風圧力は極めて強いものになり、外輪ハブ61を回転させる強力な回転力が得られる。
【0033】
図10は図4の風力発電装置3の可変翼風車6の正面図である。図10においては回転リング10の構成を分かりやすくするため、回転リング10の前方の可変翼機構62は図示していない。また、図11は回転リング10の詳細を示す斜視図である。回転リング10は、可変翼65A,65Bの内側(外輪ハブ61の中心側)の近傍に至る長さの径を有する輪状の部材であり、外輪ハブ61を挟んで上下に配置されて外輪ハブ61の表裏にそれぞれネジ止め固定されている。回転リング10を設けたことによって可変翼65Aと可変翼65Bとの間に吹き込まれた風のうち、外輪ハブ61の中心方向に向かおうとする風は可変翼65Aと可変翼65Bの間の空間に閉じ込められるため、受風効率を高めることができる。尚、回転リング10の形状は円筒形状に限定されるものではなく、他にも例えば、八角形等の外形を有するものであってもよい。
【0034】
ここで、風力発電装置3を構成する可変翼風車6に代えて、図12(平面図)及び図13(正面図)に示す固定鋭角傾斜風車9を用いることもできる。固定鋭角傾斜風車9は、概略として、外輪ハブ61と、補強リブ64と、外輪ハブ61の両面にねじ止めされた長板状の上下一対の固定翼(受風部材)91A,91Bとを備えて構成されており、図5及び図7に示した可変翼65A,65B、ワッシャ支持棒40及び結合金具41は用いられない。この固定翼91A,91Bは、それぞれ水平方向に対する傾斜角60°(開口の角度は120°)で外輪ハブ61に取り付けられている。
【0035】
[角錐型パドル風車の構成]
次に、角錐型パドル風車7の構成について説明する。図14は角錐型パドル風車7の構成を示す平面図、図15はその正面図、図16(a)(b)はその断面図である。尚、図16(b)は風が角錐型パドル72の開口部の反対側から吹き付けられたときの動作状態を示している。角錐型パドル風車7は、概略として、回転中心に配置された発電機70と、回転中心とされた発電機70から放射状に設けられた複数(本実施形態では8本)のアーム71と、アーム71の各先端に設けられた角錐型のパドル72と、パドル72の背部に設けられた角錐型開閉弁73とを備えて構成されている。ここで、パドル72と角錐型開閉弁73とにより受風部材が形成されている。尚、角錐型開閉弁73は、図15、図16に示すように、角錐型パドル72の一部として構成されるものであり、上部に設けられた蝶番74によって角錐型パドル72に揺動可能に取り付けられている。この構成により、開口部の方向から風76を受けた場合には風圧によって角錐型開閉弁73が押圧され、隙間なく風を受ける。一方、角錐型パドル風車7が風76を受けて約90°回転した位置に来ると、今度は風76が角錐型パドル72の開口部の反対側から吹き付けることとなるので、角錐型開閉弁73は風圧により蝶番74を軸に揺動し、揺動によって生じた隙間から風を逃がす。その結果、回転方向の風圧抵抗が軽減されることとなる。
【0036】
[風杯型パドル風車8の構成]
次に、風杯型パドル風車8の構成について説明する。図17は風杯型パドル風車8の構成を示す平面図、図18はその正面図、図19はその断面図である。尚、図19(b)は風が風杯型パドル風車8の開口部の反対側から吹き付けられたときの動作状態を示している。風杯型パドル風車8は、概略として、回転中心に配置された発電機80と、回転中心とされた発電機80から放射状に設けられた複数(本実施形態では8本)のアーム81と、アーム81の各先端に設けられたパドル82と、パドル82の背部に設けられた風杯型開閉弁83とを備えて構成されている。ここで、集風ダクト63によって風が吹き付けられる側にあるパドル82と風杯型開閉弁83とは、受風部材を形成している。尚、風杯型開閉弁83は図18、図19に示すように上部が蝶番84によって揺動可能に取り付けられており、上述した角錐型パドル風車7と同様の動作を行う。
【0037】
〔複合型発電装置の動作〕
次に、複合型発電装置100の動作について、太陽光発電パネル20と風力発電装置3とに分けて説明する。太陽光発電パネル20は、あるレベル以上の日照が得られると発電を行い得られた電力をバッテリーボックス4内の図示しない二次電池に蓄える。太陽の位置や時間等によって太陽光発電パネル20に部分的に影が生じた場合でも反射ミラー兼集風板22によって太陽光の照射が得られるので効率よく発電が行われる。
【0038】
[太陽光発電パネル20の動作]
太陽光発電パネル20の下方側から台風や季節風等による強風や突風が吹き付けた場合には、図3に示すように、風抜き機構21が開いて吹き込んだ強風や突風を逃がす。従って、台風や季節風等によって太陽光発電パネル20,20が持ち上げられたり、吹き飛ばされたりして損傷する等の事故が未然に防止される。
【0039】
[風力発電装置3の動作]
次に、風力発電装置3の動作について説明する。まず、可変翼風車6を用いた風力発電装置3について説明する。図5に示すように、水平方向からの風76は、この風76の流れに対向するように配置された集風ダクト63(図1、図2、図9参照)の受風口631に取り込まれる。集風ダクト63はノズル部632に向かって狭くなっているため、風速が早まった状態で図5に示す可変翼機構62の可変翼65A,65Bに吹き付けられる。可変翼65A,65Bは、集風ダクト63からの風力が極めて少ないとき及び開口部とは反対側から風77が吹き込まれた状態のときには、図6に示すように、開放角度調整板68の外側に当接して約40°の開角度になっており、また、集風ダクト63からの風力が多いときには過剰開放防止板67の内側に当接して90°に近い開角度になっている。これにより、可変翼機構62は集風ダクト63からの風力及び風向に応じて可変翼65A,65Bの開角度を変化させながら回転する。ここで、可変翼65A,65Bは、ルーズホール69に遊嵌されたワッシャ支持棒40を支点にして図5に示す位置と図6に示す位置との間を上下動する。可変翼機構62の回転数に応じて発電機60が発電し、その発電出力によってバッテリーボックス4内のバッテリーが充電される。
【0040】
ここで、可変翼機構62が回転するとき、風76が吹き付けられた可変翼65A,65Bに対して反対側にある可変翼65A,65Bは、その前方の一対の可変翼65A,65Bを細い矢印(→)で示す方向に流れる風(空気)77で押しながら時計方向へ回転することになり、いわゆる風圧抵抗が発生する。しかし、この部分における可変翼65A,65Bは図6に示すように開角度が40°程度になっており、風は可変翼65A,65Bの上下にできた隙間を通過する。したがって、一対の可変翼65A,65Bの前後の空間に存在する風77は、可変翼機構62の回転を弱めるような風圧抵抗を形成しないので、発電効率を向上させることができる。
【0041】
[固定鋭角傾斜風車9の動作]
次に、図12及び図13に示される固定鋭角傾斜風車9を用いた風力発電装置3について説明する。集風ダクト63(図2参照)の受風口631(図4参照)に取り込まれた風はその風速が早められ、図12に示す固定鋭角傾斜風車9の固定翼(受風部材)91A,91B(図13参照)に吹き付けられる。この固定鋭角傾斜風車9では、固定翼91A,91Bは可変翼風車6と異なって角度は固定(120°)であるが、集風ダクト63のノズル部632から該ノズル部632に対向する固定翼91A,91Bに吹き付けられた風の風力及び風量に応じた回転数で固定鋭角傾斜風車9が回転し、これに応じた発電出力が発電機60によって得られ、その発電出力によってバッテリーボックス4内のバッテリーが充電される。
【0042】
[角錐型パドル風車7の動作]
次に、角錐型パドル風車7を用いた風力発電装置3について図14及び図16を参照して説明する。この角錐型パドル風車7では、集風ダクト63によって取り込まれた風が集風ダクト63のノズル部632に対向して配置されたパドル72及び角錐型開閉弁73からなる受風部材に風76として吹き付けられる(図16(a)参照)。そして、その風76の風力及び風量に応じた回転数で角錐型パドル風車7が回転し、この回転に応じた発電出力が発電機70によって得られ、その発電出力によってバッテリーボックス4内のバッテリーが充電される。
【0043】
ここで、図14及び図16(a)に示すように、ノズル部632から風76が吹き付けられているパドル72及び角錐型開閉弁73に対し、その反対側に位置するパドル72及び角錐型開閉弁73では、前方のパドル72及び角錐型開閉弁73が風77に逆らいながら図14における時計方向に回転することになり、風圧抵抗を生じる。この風圧抵抗に対して角錐型開閉弁73が機能することとなる。即ち、角錐型開閉弁73は、風77に対して図16(b)に示すように、蝶番74を支点にして揺動してその自由端がパドル72内に入り込むことで、パドル72と角錐型開閉弁73との間に隙間(図16(b)に示す通気口75)を生じさせ、この通気口75を介して風77を通過させるので風圧抵抗が軽減されることになる。
【0044】
[風杯型パドル風車8の動作]
次に、風杯型パドル風車8を用いた風力発電装置3について図17及び図19を参照して説明する。この風杯型パドル風車8では、集風ダクト63によって取り込まれた風76が集風ダクト63のノズル部632に対向するパドル82及び風杯型開閉弁83からなる受風部材に対し、ノズル部632から図17及び図18(a)に示すように風76が吹き付けられ、その風力及び風量に応じた回転数で風杯型パドル風車8が回転し、この回転に応じた発電出力が発電機80によって得られ、その発電出力によってバッテリーボックス4内のバッテリーが充電される。
【0045】
風杯型パドル風車8においても、図17及び図19(a)に示すように、ノズル部632から風76が吹き付けられているパドル82及び風杯型開閉弁83に対し、その反対側にあるパドル82及び風杯型開閉弁83では風77に逆らいながら図17における時計方向に回転することになるので風圧抵抗を生じる。この風圧抵抗に対して風杯型開閉弁83が機能することとなる。即ち、風杯型開閉弁83は、風77に対して、図19(a)に示すように、蝶番84を支点にして揺動し、パドル82と風杯型開閉弁83との間に隙間(図19(b)に示す通気口85)を生じさせ、この通気口75を介して風77を通過させるので風圧抵抗が軽減される。
【0046】
[第一の実施形態の効果]
本実施形態に係る複合型発電装置によれば、太陽光発電パネル20は、下部の周縁に反射ミラー兼集風板22を設けたことで、太陽光発電パネル20の受光面の全域に太陽光を照射できるようになり、これによって発電効率を向上させることができる。
【0047】
また、太陽光発電パネル20に風抜き機構21を設けたので太陽光発電パネル20内の風圧を軽減でき、これにより太陽光発電パネル20を強風や突風から保護することができるという効果がある。
【0048】
さらに、太陽光発電パネル20を傾斜角を設けて設置したので、太陽光発電パネル20上に落下した落ち葉、黄砂等の砂塵は雨水で容易に洗い流され、また、積雪し難くなるという効果がある。
【0049】
また、太陽光発電パネル20を傾斜角を設けて設置したので、冬至や夏至の太陽の軌道の変化に対して全方位に受光できることによって受光効率が高められるという効果がある。そして、常に太陽光自動追尾装置の如くに機能し、どの方角からでも太陽光を受光して発電することができる。
【0050】
一方、風力発電装置3は、可変翼風車6、角錐型パドル風車7、風杯型パドル風車8及び固定鋭角傾斜風車9の4種のうちの2種または2種以上を太陽光発電パネル20の下部に上下に重ねた状態で配置したことにより、電力需要、コスト、耐久性、保守等、ユーザの要望に応じて多様な風車の組み合わせを採用できるという効果がある。
【0051】
風力発電装置3に可変翼風車6を用いることで、その可変翼65A,65Bの開角度を取り込んだ空気の風圧や風量に応じて、例えば40〜80°に可変できることにより、回転方向の風圧抵抗を低減できるという効果がある。
【0052】
また、可変翼風車6においては、回転リング10を設けたことにより、可変翼65A,65Bに吹き付けられた風を可変翼65A,65B内に閉じ込めることができるため、回転効率を上げることができるという効果がある。
【0053】
さらに、風力発電装置3の風車として、角錐型開閉弁73を備えた角錐型パドル風車7や風杯型開閉弁83を備えた風杯型パドル風車8を用いることにより、風杯型パドル風車8内に生じる風圧抵抗を低減することができるという効果がある。
【0054】
[第二の実施形態]
次に、第二の実施形態について説明する。図20は本発明に係る複合型発電装置の第二の実施形態を示す斜視図である。本実施形態は第一の実施形態における角錐型パドル風車7におけるアーム71、パドル72、角錐型開閉弁73及び蝶番からなる下段の風車機構78U及び下段の風車機構78Lを上下二段に設けたものであり、その他の構成は第一の実施形態と同様である。上段の風車機構78Uは四つ、下段の風車機構78Lは四つであるが、風車機構78Uと風車機構78Lとでは胴回り方向の角度が45°ずれるように配設されている。風車機構78U及び風車機構78Lのそれぞれのアーム71は発電機80側がL字形状を成し、上側の風車機構78Uと下側の風車機構78Lとの間に距離ができるようにしている。
【0055】
図21は図20に示す角錐型パドル7の動作を説明する図である。図20に示すように、上側の風車機構78Uと下側の風車機構78Lは異なる高さ位置に配設されている。このため、図21に示すように風76は同時に複数の上側の風車機構78Uと下側の風車機構78Lに吹き付けられる。このように複数の上側の風車機構78Uと下側の風車機構78Lに同時に風76が吹き付けられることにより、第一の実施形態に比べて見かけの受風面積が広くなることで回転力が強まり、これによって発電効率を高めることができるという効果がある。
【0056】
[第三の実施形態]
次に、第三の実施形態について説明する。図22は本発明に係る複合型発電装置の第三の実施形態を示す斜視図である。本実施形態は第一の実施形態における風杯型パドル風車8におけるアーム81、パドル82、風杯型開閉弁83及び蝶番からなる上側の風車機構86U及び下側の風車機構86Lを上下二段に設けたものであり、その他の構成は第一の実施形態と同様である。上段の風車機構86Uは四つ、下段の風車機構86Lは四つであるが、上段の風車機構86Uと下段の風車機構86Lとでは胴回り方向の角度が45°ずれるように配設されている。上側の風車機構86U及び下側の風車機構86Lのそれぞれのアーム81は発電機80側がL字形状を成し、上側の風車機構86Uと下側の風車機構86Lとの間に距離ができるようにしている。
【0057】
図23は図22に示す風杯型パドル8の動作を説明する図である。図20に示すように、上側の風車機構86Uと下側の風車機構86Lは異なる高さ位置に配設されている。このため、図21に示すように風76は同時に複数の上段の風車機構86Uと下段の風車機構86Lに吹き付けられる。このように複数の上側の風車機構86U及び下側の風車機構86Lに同時に風76が吹き付けられることにより、第一の実施形態に比べて見かけの受風面積が広くなることで回転力が強まり、これによって発電効率を高めることができるという効果がある。
【0058】
[第四の実施形態]
図24は本発明に係る複合型発電装置の第二の実施形態を示す正面図である。本実施形態は、その用途を街路灯に特化したものであり、第一の実施形態で用いた太陽光発電装置2及び風力発電装置3をコンクリート柱等による街路灯柱201の上端に設置し、これらによって得られた電力を街路灯柱201の所定の高さ位置に道路側に向けて取り付けられ照明器具200の電源にしたものである。街路灯に第一の実施形態に示した矢倉台1を用いた場合、矢倉台1が大きいために照明器具200の照明光に影が生じやすく、また、道路を通行する人や車両の搭乗者にとって視界の妨げになる。そこで、本実施形態では柱状の街路灯柱201にしている。尚、照明器具200は、例えば、所望の明るさが得られる数の発光ダイオード(LED)を用いて低消費電力に構成されている。
【0059】
この第二の実施形態に係る複合型発電装置100によれば、山間地等のように100Vや200Vの商用電源を容易に確保できない場合でも街路灯を設置することができる。さらに、商用電源の配電及び電柱が不要になるので、景観を良くすることができる。
【0060】
尚、第二の実施形態において、太陽光発電装置2及び風力発電装置3の両方を設置せずにいずれか一方を街路灯柱201に搭載する構成にすることもできる。このような構成により、設置コストを低減することができる。
【0061】
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。
【0062】
例えば、上記各実施形態において、風力発電装置3における外輪ハブ61の外径を大きくすることで、可変翼機構62の一対の可変翼65A,65Bの対数を多くすることができる。これによって可変翼機構62の設置数を増加できる機構である。
【0063】
また、上記各実施形態において、バッテリーボックス4を矢倉台1に設置したが、他の場所、例えば、上記した各種の栽培地、作業場所、各種センサの近傍等であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 矢倉台
2 太陽光発電装置
3 風力発電装置
4 バッテリーボックス
5 基礎
6 可変翼風車
7 角錐型パドル風車
8 風杯型パドル風車
9 固定鋭角傾斜風車
20 太陽光発電パネル
21 風抜き機構
22 反射ミラー兼集風板(反射板)
23 光発電モジュール
40 ワッシャ支持棒
41 結合金具
60 発電機
61 外輪ハブ(回転部材)
62 可変翼機構
63 集風ダクト
64 補強リブ
65A 可変翼(受風部材)
65B 可変翼(受風部材)
67 過剰開放防止板
68 開放角度調整板
69 ルーズホール(開口溝)
70 発電機
71 アーム
72 パドル
73 角錐型開閉弁
74 蝶番
75 通気口
76 風
77 風
78U 上側の風車機構
78L 下側の風車機構
80 発電機
81 アーム
82 パドル
83 風杯型開閉弁
84 蝶番
85 通気口
86U 上側の風車機構
86L 下側の風車機構
91A 固定翼(受風部材)
91B 固定翼(受風部材)
100 複合型発電装置
200 照明器具
201 街路灯柱
610 開口
631 受風口
632 ノズル部
633 仕切り板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電と風力発電とを組み合わせた複合型発電装置において、
太陽光を光電変換する複数の太陽光発電パネルと、該太陽光発電パネルの下端側に設けられ、太陽光の反射光を前記太陽光発電パネルの受光面に導く反射面を有する反射板とを含む太陽光発電装置と、
前記太陽光発電パネルの下部側の円周方向に沿って所定間隔に配設され、吹き付けられた風によって水平方向に回転する複数の受風部材を備えた風車と、
前記風車による回転エネルギを電気エネルギに変換して発電を行う発電機と、
前記風車を取り囲むようにして配設され、水平方向からの風を取り込んで集風した風を前記受風部材に吹き付ける複数の集風ダクトとを含む風力発電装置とを備え、
前記受風部材は、その相互間に介在して空気抵抗の発生源となる空気を逃がす隙間を形成する機構が設けられていることを特徴とする複合型発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の複合型発電装置において、
前記太陽光発電装置は、前記太陽光発電パネルの内部に強い風が吹き込んだときに自動的に開口して風圧を軽減するための風抜き機構を備えていることを特徴とする複合型発電装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の複合型発電装置において、
前記風力発電装置は、前記風車が上下方向に複数が重ねた状態に配設され、それぞれに前記集風ダクトが設けられていることを特徴とする複合型発電装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の複合型発電装置において、
前記複数の受風部材は、内側になる一端が回転部材に軸支され、外側になる他端が上下に回動できるように組み合わされた一対の可変翼を備えて構成され、吹き付けられた風の風圧、風量に応じて前記他端が上下に回動するとともに、回転力に寄与しないときには前記一対の可変翼の開角度が小さくなり、前記空気抵抗の発生源となる空気を前記一対の可変翼の外側に流すことを特徴とする複合型発電装置。
【請求項5】
請求項4に記載の複合型発電装置において、
前記風車の前記受風部材は、内側になる一端が回転部材に軸支されるとともに外側になる他端が上下に回動でき、その縦断面が縦コ字形を成すとともに両側面が扇形を成し、その一方の側面に半円状の開口溝が設けられ、該開口溝に設けられた結合金具によって角度可変に組み合わされた一対の可変翼であり、前記一端には前記回動の最大開角度を規制する過剰開放防止板及び最小開角度を規制する開放角度調整板が配設されていることを特徴とする複合型発電装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の複合型発電装置において、
前記受風部材は、前記回転部材の回転中心に面する側面からの風漏れを防止可能にし且つ前記回転部材に対して同軸にして前記回転部材の両面にリングが設けられていることを特徴とする複合型発電装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の複合型発電装置において、
前記風車は、横V字形を成すようにして回転部材に固定設置された一対の板状の固定翼を前記受風部材として複数組を備えた固定鋭角傾斜風車であることを特徴とする複合型発電装置。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか1項に記載の複合型発電装置において、
前記風車は、回転中心より放射状に設けられた角錐型又は杯型のパドルと、
前記集風ダクトから風が吹き付けられているときには前記パドルとともに受風部材を形成し、前記集風ダクトから風が吹き付けられていないときには前記空気抵抗の発生源となる空気を逃がせるようにして前記パドルの中心部に設けられた角錐型又は杯型の開閉弁と、
を備えることを特徴とする複合型発電装置。
【請求項9】
請求項8に記載の複合型発電装置において、
前記角錐型又は杯型のパドル及び前記角錐型又は杯型の開閉弁を備えた前記風車は、

その上下方向に距離をもたせ且つ回転方向に相互に所定の角度をもたせて複数段に分けて設けられていることを特徴とする複合型発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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