説明

太陽電池の電極形成方法および太陽電池の製造方法

【課題】簡便且つ安価に電極形成を効率的に行うことが可能な太陽電池の電極形成方法を得ること。
【解決手段】半導体基板の電極形成面に電極を形成する太陽電池の電極形成方法であって、電極材料により前記電極のパターンが一面側に形成されたシート状基材における前記電極のパターンを前記半導体基板における電極形成面に対向させるとともに前記電極形成面における前記電極の形成位置に位置合わせする第1工程と、前記シート状基材における前記電極のパターンを包含する全領域を均一に押圧することにより前記シート状基材の一面側を前記半導体基板の電極形成面に圧接して、前記電極のパターンを前記半導体基板の電極形成面に転写する第2工程と、前記シート状基材を前記半導体基板の電極形成面から離間させる第3工程と、前記半導体基板に転写された前記電極のパターンを焼成して半導体基板の電極形成面に前記電極を形成する第4工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池の電極形成方法および太陽電池の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池の受光面側電極の形成における代表的な方法として、スクリーン印刷法を用いた方法がある。このスクリーン印刷法を用いた方法では、所望のパターンの透過部を有する印刷マスク版(スクリーン版)を用いて印刷ペーストをシリコン基板の所定の場所に印刷し、焼成炉で高温処理することにより受光面側電極を形成する。
【0003】
具体的には、まず印刷版枠にスクリーンメッシュと呼ばれる網状に編んだステンレス線を張り、四方を引っ張って緊張させて固定する。つぎに、スクリーンメッシュ上に版膜を作って必要な画線(透過部のパターン)以外の目を塞いでスクリーン版を形成する。そして、製作したスクリーン版をスクリーン印刷機にセットする。また、該スクリーン版に位置合わせしてシリコン基板を配置する。
【0004】
つぎに、スクリーン版上に印刷ペーストを載せて透過部のパターン上に押し広げる。続いて、スキージと呼ばれるゴム状の板をスクリーン版の内側の版膜を加圧しながら移動させる。これにより、印刷ペーストは版膜の形成されていない部分のスクリーンメッシュ(透過部のパターン)を透過し、スクリーン版の下に配置されたシリコン基板上に押し出され、密着して所望のパターンが形成される。その後、印刷ペーストは乾燥を経て焼成される。これにより、所望のパターンの受光面側電極が形成される。この様に、印刷版を用いることによって容易に電極のパターンを形成することができるため、現在ではこの方法が最も広く用いられている。
【0005】
一方、今後見込まれるシリコン太陽電池の急激な普及に対して、シリコン原料の不足が懸念されている。その対策として、太陽電池の発電効率を向上させることにより、従来と同じ量の原料であっても大きな電力を発電し、太陽電池の発電量当たりの単価を下げ、生産数を増加させることができる。シリコン太陽電池用に使用する基板の面積には標準的な規格があり、現在は156mm×156mmが一般的に用いられており、この基板1枚当たりの発電効率を向上させることが太陽電池の発電効率の向上につながる。
【0006】
発電効率を向上させる方法の1つに、例えば基板上の発電に寄与する実質的な受光面の面積を大きく確保して、1枚の基板から得られる電流の量を増加させる方法がある。この場合は、基板において発生した電流を流す電極であっても、受光面を遮るものは最小限の面積で形成することが必要である。
【0007】
従来のスクリーン印刷法により線幅の細いグリッド電極を形成する場合は、スクリーンメッシュが印刷ペーストによる目詰まりを起こし易くなり、この目詰まりを防止しようとすると印刷厚みを薄くせざるを得ない。この結果、グリッド電極の断面積が低減してグリッド電極自体の電気抵抗が増加するため、基板で得られた大きな電流を発電効率の増加につなげることができず、太陽電池の出力特性を向上させることができない。そこで、厚みの厚い電極パターンを形成するために複数回の重ね印刷が必要となり、スクリーン版の印刷ペースト抜け性改善とともに複数回の重ね印刷が可能な印刷ペーストが必要であった。したがって、この方法では印刷工程の複雑化とともに装置台数の増加、および新規材料の開発と価格上昇を招き、製造コストが大幅に増加する。
【0008】
また、ある程度の厚みを持った線幅の細いグリッド電極を形成するには、スクリーン印刷機とその印刷条件、スクリーン版とその仕様およびスクリーン印刷用印刷ペースト等の複雑に絡みあった特性を十分に熟知し、これらに適合したプロセス条件を構築することが必要である。しかしながら、太陽電池製造用として装置メーカーや材料メーカーが市場で販売しているものを購入して製造を行っているのが実情であり、上述したプロセス条件が伴っておらず、所望の形状のグリッド電極を形成することができない。すなわち、スクリーン印刷法による電極の形成には、限界がある。
【0009】
そこで、電極の形成方法として、スクリーン印刷法の代わりに、コーティングロールを基板に圧接させることにより、コーティングロール上に塗布されたペーストを基板に転写する方法が考えられている。具体的には、印刷ペーストを塗布させるためのノズルをパターン状に配置し、該ノズルの先端から噴出された印刷ペーストを回転するロール上にパターン状に塗布し、このロールと基板とを圧接することにより該基板上に印刷ペーストを転写する方法が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0010】
コーティングロールを備えた印刷機により受光面電極のパターンを形成する代表的な方法は以下の通りである。まず、グリッド電極形成用ノズルより、コーティングロール上に印刷ペーストをグリッド電極のパターン状に塗布する。それと同時に、バス電極形成用ノズルより、コーティングロール上に印刷ペーストをバス電極のパターン状に塗布する。この時、バス電極形成用ノズルはグリッド電極のパターンと直交してバス電極のパターンを配置するため、コーティングロール上をその回転と同期を取りながら斜めに移動する。このようにしてコーティングロール上に受光面電極のパターン状に形成された印刷ペーストは、ステージ上に真空吸着された基板にコーティングロールを圧接することによって転写される。その後、基板に転写されたパターンは乾燥した後、焼成される。
【0011】
また、電極パターンをコーティングロールから基板に直接転写するのではなく、一旦、焼成後に消失するシート状基材に転写し、そのシート状基材を基板に貼付する方法が開示されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0012】
また、グリッド電極を形成する別の手法として、LSIを製造する際に用いられるレジストを使用した転写法を模して、まずレジストの代わりとなるフィルムを基板に貼付し、そのフィルムにレーザー加工によって従来よりも線幅の細い電極パターンを有する開口部を形成した後に、この開口部に印刷ペーストを埋め込んだ後にフィルムを除去、乾燥を経て焼成される方法が開示されている(たとえば、特許文献3、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平8−97448号公報
【特許文献2】特開2002−314105号公報
【特許文献3】特開平5−36998号公報
【特許文献4】特開平5−326989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら特許文献1による方法では、スクリーン印刷機およびスクリーン版は使用しないものの、スクリーン印刷機に比べて複雑な機構を持つコーティングロールを備えた印刷機が必要であり、また例えば線幅が細く厚みの厚いグリッド電極を形成するには、従来のスクリーン印刷用の印刷ペーストでは不向きなため、新たに適した印刷ペーストを開発しなければならない。また、印刷工程そのものが省略される訳ではなく、簡便な工程とは言えない。
【0015】
また、特許文献2の方法では、基板の全面に形成する裏面電極形成のみを対象としており、パターンを有する受光面電極を対象としたものではなく、受光面電極については従来の手法が用いられているためグリッド電極などの微細なパターンを有する受光面電極を形成することは困難である。
【0016】
また、特許文献3、特許文献4の方法は、特許文献1や特許文献2の方法と比べて、グリッド電極などの微細なパターンを有する受光面電極を形成し易いと考えられるが、フィルムの貼付や除去に加えてパターン加工や印刷まで行わねばならず、効率的な量産方法とは言えない。
【0017】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電極形成を効率的に、簡便且つ安価に行うことが可能な太陽電池の電極形成方法および太陽電池の製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池の電極形成方法は、半導体基板の電極形成面に電極を形成する太陽電池の電極形成方法であって、電極材料により前記電極のパターンが一面側に形成されたシート状基材における前記電極のパターンを前記半導体基板における電極形成面に対向させるとともに前記電極形成面における前記電極の形成位置に位置合わせする第1工程と、前記シート状基材における前記電極のパターンを包含する全領域を均一に押圧することにより前記シート状基材の一面側を前記半導体基板の電極形成面に圧接して、前記電極のパターンを前記半導体基板の電極形成面に転写する第2工程と、前記シート状基材を前記半導体基板の電極形成面から離間させる第3工程と、前記半導体基板に転写された前記電極のパターンを焼成して半導体基板の電極形成面に前記電極を形成する第4工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電極の半導体基板への直接の製造工程においては、電極の印刷工程自体が不要となり、乾燥工程も不要となり、太陽電池の電極を効率良く、簡便に且つ安価に作製することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1−1】図1−1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの概略構成を示す断面図である。
【図1−2】図1−2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの概略構成を示す上面図である。
【図1−3】図1−3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの概略構成を示す下面図である。
【図2−1】図2−1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図2−2】図2−2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図2−3】図2−3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図2−4】図2−4は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図2−5】図2−5は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図2−6】図2−6は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図2−7】図2−7は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造工程を説明するための断面図である。
【図3】図3は、受光面側電極材料ペーストのパターンが形成されたベースフィルムを示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池セルの電極の形成方法を説明するための模式図である。
【図5】図5は、受光面側電極材料ペーストのパターンが形成されたベースフィルムを示す模式図である。
【図6】図6は、受光面側電極材料ペーストのパターンが第2ベースフィルムごと反射防止膜上に転写された状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明にかかる太陽電池の電極形成方法および太陽電池の製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
【0022】
実施の形態1.
図1−1〜図1−3は、本実施の形態にかかる太陽電池の製造方法により作製した太陽電池セル1の概略構成を示す図であり、図1−1は、太陽電池セル1の断面図、図1−2は、受光面側からみた太陽電池セル1の上面図、図1−3は、受光面と反対側からみた太陽電池セル1の下面図である。図1−1は、図1−2のA−A方向における断面図である。
【0023】
太陽電池セル1は、図1−1〜図1−3に示されるように、光電変換機能を有する太陽電池基板であってpn接合を有する半導体基板11と、半導体基板11の受光面側の面(おもて面)に形成されて受光面での入射光の反射を防止する反射防止膜17と、半導体基板11の受光面側の面(おもて面)において反射防止膜17に囲まれて形成された第1電極である受光面側電極19と、半導体基板11の受光面と反対側の面(裏面)に形成された第2電極である裏面側電極21と、を備える。
【0024】
半導体基板11は、p型(第1の導電型)多結晶シリコン層13と、該p型多結晶シリコン層13の表面の導電型が反転したn型(第2の導電型)不純物拡散層15とを有し、これらによりpn接合が構成されている。受光面側電極19としては、太陽電池セルの表銀グリッド電極23および表銀バス電極25を含む。表銀グリッド電極23は、半導体基板11で発電された電気を集電するために受光面に局所的に設けられている。表銀バス電極25は、表銀グリッド電極23で集電された電気を取り出すために表銀グリッド電極23にほぼ直交して設けられている。また、裏面側電極21は、半導体基板11の裏面の全面に形成されている。
【0025】
このように構成された太陽電池セル1では、太陽光が太陽電池セル1の受光面側から半導体基板11のpn接合面(p型多結晶シリコン層13とn型不純物拡散層15との接合面)に照射されると、ホールと電子が生成する。pn接合部の電界によって、生成した電子はn型不純物拡散層15に向かって移動し、ホールはp型多結晶シリコン層13に向かって移動する。これにより、n型不純物拡散層15に電子が過剰となり、p型多結晶シリコン層13にホールが過剰となる結果、光起電力が発生する。この光起電力はpn接合を順方向にバイアスする向きに生じ、n型不純物拡散層15に接続した受光面側電極19がマイナス極となり、p型多結晶シリコン層13に接続した裏面側電極21がプラス極となって、図示しない外部回路に電流が流れる。
【0026】
以上のように構成された実施の形態1にかかる太陽電池セル1は、表銀グリッド電極23の線幅が80ミクロン、厚みが25ミクロン程度の細線且つ厚膜の細線電極とされており、受光面を遮る面積が極力低減されている。これにより、実施の形態1にかかる太陽電池セル1では、半導体基板11での発電に寄与する実質的な受光面の面積を大きく確保し、太陽電池セル1から得られる電流の量を増加させて、出力特性の向上が図られている。
【0027】
また、表銀グリッド電極23は、線幅が細いだけではなく、厚みが厚く形成されているため、断面積が広く確保されている。これにより、表銀グリッド電極23の線幅を細くしたことに起因して表銀グリッド電極23自体の電気抵抗が増加することが防止されており、発電された電流を発電効率の増加につなげることができ、出力特性の向上が図られている。
【0028】
したがって、実施の形態1にかかる太陽電池セル1においては、受光面側電極19として細幅且つ厚膜の表銀グリッド電極23を備えることにより、受光面積を広く確保し、光電変換効率に優れた太陽電池セルが実現されている。
【0029】
つぎに、このような太陽電池セル1の製造方法の一例について図2−1〜図4を参照して説明する。図2−1〜図2−7は、実施の形態1にかかる太陽電池セル1の製造工程を説明するための断面図である。
【0030】
まず、半導体基板として、例えば民生用太陽電池向けとして最も多く使用されているp型多結晶シリコン基板を用意する(以下、p型多結晶シリコン基板11aと呼ぶ)(図2−1)。
【0031】
p型多結晶シリコン基板11aは、溶融したシリコンを冷却固化してできたインゴットをワイヤーソーでスライスして製造するため、表面にスライス時のダメージが残っている。そこで、まずはこのダメージ層の除去も兼ねて、p型多結晶シリコン基板11aを酸または加熱したアルカリ溶液中、例えば水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して表面をエッチングすることにより、シリコン基板の切り出し時に発生してp型多結晶シリコン基板11aの表面近くに存在するダメージ領域を取り除く。
【0032】
また、ダメージ除去と同時に、またはダメージ除去に続いて、p型多結晶シリコン基板11aの受光面側の表面にテクスチャー構造として微小凹凸を形成してもよい(図示せず)。このようなテクスチャー構造をp型多結晶シリコン基板11aの受光面側に設けることで、太陽電池セル1の表面側で光の多重反射を生じさせ、太陽電池セル1に入射する光を効率的に半導体基板11の内部に吸収させることができ、実効的に反射率を低減して変換効率を向上させることができる。
【0033】
なお、本発明は電極形成にかかる発明であるので、テクスチャー構造の形成方法や形状については、特に制限するものではない。例えば、イソプロピルアルコールを含有させたアルカリ水溶液や主にフッ酸、硝酸の混合液からなる酸エッチングを用いる方法、部分的に開口を設けたマスク材をp型多結晶シリコン基板11aの表面に形成して該マスク材を介したエッチングによりp型多結晶シリコン基板11aの表面にハニカム構造や逆ピラミッド構造を得る方法、或いは反応性ガスエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を用いた手法など、何れの手法を用いても差し支えない。
【0034】
つぎに、このp型多結晶シリコン基板11aを熱酸化炉へ投入し、n型の不純物であるリン(P)の雰囲気下で加熱する。この工程によりp型多結晶シリコン基板11aの表面にリン(P)を拡散させて、n型不純物拡散層15を形成して半導体pn接合を形成する(図2−2)。本実施の形態では、p型多結晶シリコン基板11aをオキシ塩化リン(POCl)ガス雰囲気中において、例えば800℃〜850℃の温度で加熱することにより、n型不純物拡散層15を形成する。
【0035】
ここで、n型不純物拡散層15の形成直後の表面にはガラスを主成分とするリンガラス層が形成されているため、該リンガラス層をフッ酸溶液等を用いて除去する。
【0036】
つぎに、n型不純物拡散層15を形成したp型多結晶シリコン基板11aの受光面側に、光電変換効率改善のために、反射防止膜17として例えばシリコン窒化膜(SiN膜)を形成する(図2−3)。反射防止膜17の形成には、例えばプラズマCVD法を使用し、シランとアンモニアの混合ガスを用いて反射防止膜17としてシリコン窒化膜を形成する。反射防止膜17の膜厚および屈折率は、光反射を最も抑制する値に設定する。なお、反射防止膜17として、屈折率の異なる2層以上の膜を積層してもよい。また、反射防止膜17の形成には、スパッタリング法などの異なる成膜方法を用いてもよい。また、反射防止膜17としてシリコン酸化膜を形成してもよい。
【0037】
つぎに、リン(P)の拡散によりp型多結晶シリコン基板11aの裏面に形成されたn型不純物拡散層15を除去する。これにより、第1導電型層であるp型多結晶シリコン層13と、該p型多結晶シリコン層13の受光面側に形成された第2導電型層であるn型不純物拡散層15と、によりpn接合が構成された半導体基板11が得られる(図2−4)。
【0038】
p型多結晶シリコン基板11aの裏面に形成されたn型不純物拡散層15の除去は、例えば片面エッチング装置を用いて行う。または、反射防止膜17をマスク材として活用し、エッチング液にp型多結晶シリコン基板11aの全体を浸漬させる方法を用いてもよい。エッチング液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液を、室温〜95℃、好ましくは50℃〜70℃に加熱したものを用いる。また、エッチング液として、硝酸とフッ酸との混合水溶液を用いてもよい。
【0039】
つぎに、受光面側電極19(焼成前)、すなわち表銀グリッド電極23と表銀バス電極25とのパターンを反射防止膜17上に形成する。ここで、本実施の形態では、受光面側電極19のパターンを以下のようにして転写により形成する。
【0040】
まず、図3に示すように、予め表面が平滑な長尺状のシート状基材であるベースフィルム31上に、受光面側電極19の電極材料であって銀(Ag)、ガラス等を含む受光面側電極材料ペースト19aのパターンを形成しておく。図3は、受光面側電極材料ペースト19aのパターンが形成されたベースフィルム31を示す模式図である。受光面側電極材料ペースト19aのパターンは、受光面側電極19の形状、すなわち長尺状の細線かつ厚膜の表銀グリッド電極23の形状と、このパターンに略直交する帯状の表銀バス電極25の形状とに形成される。
【0041】
また、受光面側電極材料ペースト19aのパターンは、半導体基板11の1枚分を1単位として、ベースフィルム31の長手方向において規定の距離だけ離間させて複数単位分が形成される。半導体基板11の表面とは異なった、表面が平滑なベースフィルム31上に受光面側電極材料ペースト19aのパターンを形成することにより、面内方向における滲みがなく、垂直方向の形状が保持された電極パターンを形成することができる。
【0042】
ベースフィルム31上への受光面側電極材料ペースト19aのパターンの形成方法としては、特に限定されず、例えばオフセット印刷やスクリーン印刷等の手法を用いてもよい。受光面側電極材料ペースト19aのパターンが形成されたベースフィルム31は、図4に示すように、受光面側電極材料ペースト19aのパターンを外周側にしてロール状に巻かれた状態で送り出しロール32にセットされる。図4は、本実施の形態における電極の形成方法を説明するための模式図である。
【0043】
ベースフィルム31は、送り出しロール32から送り出されると、2つのサブロール33を経由するとともに、半導体基板11の保持部材であるステージ35上を通過して巻き取りロール34へと導かれて搬送される。そして、このベースフィルム31の搬送途中において、ベースフィルム31と半導体基板11との位置合わせを行ってベースフィルム31の搬送を停止する。すなわち、ベースフィルム31に形成された受光面側電極材料ペースト19aのパターンの位置を、受光面側を上にしてステージ35上に保持された半導体基板11における電極形成位置に合わせて、ベースフィルム31の搬送を停止する。
【0044】
つぎに、半導体基板11と略同等の面積をする略平板状の押圧部材であるスタンパー36をベースフィルム31の上から押下、加圧して、半導体基板11とベースフィルム31とを圧接させる。その後、スタンパー36を持ち上げてベースフィルム31を半導体基板11から離間させる。これにより、ベースフィルム31上に形成された受光面側電極材料ペースト19aのパターンが半導体基板11の表面の反射防止膜17上に転写される(図2−5)。すなわち、受光面側電極19として表銀グリッド電極23と表銀バス電極25とが反射防止膜17上に形成される(焼成前)。
【0045】
ここで、半導体基板11とベースフィルム31との圧接は、加圧のみで行ってもよく、また加圧に加えてステージ35を加熱することにより半導体基板11を加熱して行ってもよい。半導体基板11を加熱することにより、半導体基板11への受光面側電極材料ペースト19aの密着性を向上させることができる。
【0046】
受光面側電極材料ペースト19aのパターンの転写後、ベースフィルム31を規定の長さだけ搬送して巻き取りロール34により巻き取る。これにより、受光面側電極材料ペースト19aのパターンが半導体基板11に転写された部分のベースフィルム31は巻き取りロール34に巻き取られ、次の受光面側電極材料ペースト19aのパターンがステージ35上に移動する。そして、ステージ35上の半導体基板11を交換して、上記の処理を繰り返す。
【0047】
このように受光面側電極材料ペースト19aのパターンが形成されたベースフィルム31を予め準備しておき、該ベースフィルム31に形成された受光面側電極材料ペースト19aのパターンを転写することにより、受光面側電極19の半導体基板11への直接の製造工程においては、受光面側電極材料ペーストの印刷工程自体が不要となり、受光面側電極材料ペーストの乾燥工程も不要となる。また、半導体基板11の受光面全体を均一に押圧するため、半導体基板11の割れや欠けの発生が抑制され、歩留まりの向上を図ることができる。
【0048】
受光面側電極19(焼成前)の転写後、半導体基板11の裏面側の全面に、裏面側電極21の電極材料であってアルミニウム(Al)、ガラス等を含む裏面側電極材料ペースト21aをスクリーン印刷し、100℃〜300℃で乾燥する(図2−6)。
【0049】
そして、半導体基板11を例えば700℃〜1000℃で焼成することで、受光面側電極19および裏面側電極21が形成される(図2−7)。また、受光面側電極19中の銀が反射防止膜17を貫通して、n型不純物拡散層15と受光面側電極19とが電気的に接続する。
【0050】
以上のような工程を実施することにより、図1−1〜図1−3に示す実施の形態1にかかる太陽電池セル1を作製することができる。なお、電極材料であるペーストの半導体基板11への配置の順番を、受光面側と裏面側とで入れ替えてもよい。
【0051】
上述したように、実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法においては、半導体基板11に直接、受光面側電極材料ペースト19aのパターンを形成せずに、ベースフィルム31に形成された受光面側電極材料ペースト19aのパターンを半導体基板11に転写する。このようなこの手法を採用することにより、受光面側電極19、すなわち細線かつ厚膜の表銀グリッド電極23と表銀バス電極25のパターンを形成する工程と、形成したパターンを半導体基板11に配置する工程と、が分離される。
【0052】
そして、前者の工程では、半導体基板11とは異なった、表面が平滑なベースフィルム31上に受光面側電極材料ペースト19aのパターンを形成することにより、面内方向に滲みのない、垂直方向の形状が保持された電極パターンを形成することができる。また、後者の工程では、半導体基板11をスクリーン版やロール版でなぞりながら圧力をかけるのではなく、半導体基板11の受光面全体を均一に押圧するため、半導体基板11の割れや欠けの発生を抑制して、歩留まりの向上を図ることができる。
【0053】
また、予め受光面側電極材料ペースト19aのパターンが形成されたベースフィルム31から該受光面側電極材料ペースト19aのパターンを転写することにより、効率良く受光面側電極19を形成することができる。また、受光面側電極材料ペースト19aのパターンの転写は、簡略な装置および簡便な工程で実施可能であり、効率良く電極の形成が可能である。そして、半導体基板11に対する直接の印刷工程が無いため、製造ラインに印刷や乾燥のための装置が不要となり、電極形成コストが大幅に削減できる。
【0054】
そして、実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法においては、ベースフィルム31は洗浄等の工程を経た上で、再生利用が可能であり、省資源化とともにコストの削減を図ることができる。
【0055】
したがって、実施の形態1にかかる太陽電池セルの製造方法においては、受光面側電極19として細幅且つ厚膜の表銀グリッド電極23および表銀バス電極25を効率良く、簡便に且つ安価に作製することができる。そして、受光面積が広く確保され、光電変換効率に優れた太陽電池セルを効率良く、簡便に且つ安価に作製することができる。
【0056】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1において説明した太陽電池セルの製造方法の変形例について説明する。なお、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法の基本的プロセスは実施の形態1の場合と同様なので、図2−1〜図2−4を参照して説明する。
【0057】
まず、実施の形態1において図2−1〜図2−4を用いて説明した工程を行って図2−4に示すようにpn接合が構成された半導体基板11を形成する。つぎに、受光面側電極19(焼成前)、すなわち表銀グリッド電極23と表銀バス電極25とのパターンを反射防止膜17上に形成する。ここで、本実施の形態では、受光面側電極19のパターンを以下のようにして転写により形成する。
【0058】
まず、図5に示すように、予め長尺状のシート状基材であるベースフィルム41上に、受光面側電極19の電極材料であって銀(Ag)、ガラス等を含む受光面側電極材料ペースト19aのパターンを形成しておく。図5は、受光面側電極材料ペースト19aのパターンが形成されたベースフィルム41を示す模式図である。ここで、ベースフィルム41は、第1ベースフィルム41aと、表面が平滑な第2ベースフィルム41bと、が積層された二重構造とされ、第2ベースフィルム41b上に電極パターン、すなわち受光面側電極材料ペースト19aのパターンを形成する。
【0059】
また、第2ベースフィルム41bには、受光面側電極材料ペースト19aのパターンを含有する半導体基板11と同等の大きさの領域を区画するように、厚み方向に切れ目42が設けられている。この切れ目42を設けることにより、後の転写処理において第2ベースフィルム41bの第1ベースフィルム41aからの剥離が容易となる。また、第2ベースフィルム41bの材料には、後の焼成工程において消失する材料が用いられる。
【0060】
また、受光面側電極材料ペースト19aのパターンは、半導体基板11の1枚分を1単位として、第2ベースフィルム41bの長手方向において規定の距離だけ離間させて複数単位分が形成される。半導体基板11の表面とは異なった、表面が平滑な第2ベースフィルム41b上に受光面側電極材料ペースト19aのパターンを形成することにより、面内方向における滲みがなく、垂直方向の形状が保持された電極パターンを形成することができる。
【0061】
第2ベースフィルム41b上への受光面側電極材料ペースト19aのパターンの形成方法としては、特に限定されず、例えばオフセット印刷やスクリーン印刷等の手法を用いてもよい。受光面側電極材料ペースト19aのパターンが形成されたベースフィルム41は、実施の形態1の場合と同様に、受光面側電極材料ペースト19aのパターンを外周側にしてロール状に巻かれた状態で送り出しロール32にセットされる。
【0062】
ベースフィルム41は、送り出しロール32から送り出されると、2つのサブロール33を経由するとともにステージ35上を通過して巻き取りロール34へと導かれて搬送される。そして、このベースフィルム41の搬送途中において、ベースフィルム41と半導体基板11との位置合わせを行ってベースフィルム41の搬送を停止する。すなわち、ベースフィルム41に形成された受光面側電極材料ペースト19aのパターンの位置を、受光面側を上にしてステージ35上に配置された半導体基板11における電極形成位置に合わせて、ベースフィルム41の搬送を停止する。
【0063】
つぎに、実施の形態1の場合と同様にスタンパー36をベースフィルム41の上から押下、加圧して、半導体基板11とベースフィルム41とを圧接させる。その後、スタンパー36を持ち上げてベースフィルム41を半導体基板11から離間させる。これにより、第2ベースフィルム41bが切れ目42に沿って第1ベースフィルム41aから剥離し、第2ベースフィルム41b上に形成された受光面側電極材料ペースト19aのパターンは図6に示すように第2ベースフィルム41bごと半導体基板11の表面の反射防止膜17上に転写される。すなわち、受光面側電極19として表銀グリッド電極23と表銀バス電極25とが反射防止膜17上に形成される(焼成前)(図2−5)。図6は、受光面側電極材料ペースト19aのパターンが第2ベースフィルム41bごと反射防止膜17上に転写された状態を示す模式図である。
【0064】
受光面側電極材料ペースト19aのパターンを第2ベースフィルム41bごと第1ベースフィルム41aから剥離して半導体基板11の表面の反射防止膜17上に転写するため、第1ベースフィルム41aと第2ベースフィルム41bとの接着強度を調整することにより、実施の形態1の場合よりも小さい加圧力で受光面側電極材料ペースト19aのパターンを反射防止膜17上に転写することができる。
【0065】
また、半導体基板11とベースフィルム41との圧接は、加圧のみで行ってもよく、また加圧に加えてステージ35を加熱することにより半導体基板11を加熱して行ってもよい。半導体基板11を加熱することにより、半導体基板11への受光面側電極材料ペースト19aの密着性を向上させることができる。
【0066】
受光面側電極材料ペースト19aのパターンの転写後、ベースフィルム41を規定の長さだけ搬送して巻き取りロール34により巻き取る。これにより、受光面側電極材料ペースト19aのパターンが半導体基板11に転写された部分のベースフィルム41は巻き取りロール34に巻き取られ、次の受光面側電極材料ペースト19aのパターンがステージ35上に移動する。そして、ステージ35上の半導体基板11を交換して、上記の処理を繰り返す。
【0067】
このように受光面側電極材料ペースト19aのパターンが形成されたベースフィルム41を予め準備しておき、該ベースフィルム41に形成された受光面側電極材料ペースト19aのパターンを転写することにより、実施の形態1の場合と同様に受光面側電極19の半導体基板11への直接の製造工程においては、受光面側電極材料ペーストの印刷工程自体が不要となり、受光面側電極材料ペーストの乾燥工程も不要となる。また、半導体基板11の受光面全体を均一に押圧するため、半導体基板11の割れや欠けの発生が抑制され、歩留まりの向上を図ることができる。
【0068】
受光面側電極19(焼成前)の転写後、半導体基板11の裏面側の全面に、裏面側電極21の電極材料であってアルミニウム(Al)、ガラス等を含む裏面側電極材料ペースト21aをスクリーン印刷し、100℃〜300℃で乾燥する(図2−6)。
【0069】
そして、半導体基板11を例えば700℃〜1000℃で焼成することで、受光面側電極19および裏面側電極21が形成される(図2−7)。また、受光面側電極19中の銀が反射防止膜17を貫通して、n型不純物拡散層15と受光面側電極19とが電気的に接続する。また、受光面側電極材料ペースト19aのパターンとともに反射防止膜17上に転写された第2ベースフィルム41bは、焼成時に焼き飛ばされて消滅する。
【0070】
以上のような工程を実施することにより、図1−1〜図1−3に示す太陽電池セル1を作製することができる。なお、電極材料であるペーストの半導体基板11への配置の順番を、受光面側と裏面側とで入れ替えてもよい。
【0071】
上述したように、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法においても、半導体基板11に直接、受光面側電極材料ペースト19aのパターンを形成せずに、ベースフィルム41に形成された受光面側電極材料ペースト19aのパターンを半導体基板11に転写する。このようなこの手法を採用することにより、実施の形態1の場合と同様に受光面側電極19、すなわち細線かつ厚膜の表銀グリッド電極23と表銀バス電極25のパターンを形成する工程と、形成したパターンを半導体基板11に配置する工程と、が分離される。
【0072】
そして、前者の工程では、実施の形態1の場合と同様に半導体基板11とは異なった、表面が平滑なベースフィルム31上に受光面側電極材料ペースト19aのパターンを形成することにより、面内方向に滲みのない、垂直方向の形状が保持された電極パターンを形成することができる。また、後者の工程では、半導体基板11をスクリーン版やロール版でなぞりながら圧力をかけるのではなく、半導体基板11の受光面全体を均一に押圧するため、半導体基板11の割れや欠けの発生を抑制して、歩留まりの向上を図ることができる。
【0073】
また、予め受光面側電極材料ペースト19aのパターンが形成されたベースフィルム41から該受光面側電極材料ペースト19aのパターンを転写することにより、効率良く受光面側電極19を形成することができる。また、受光面側電極材料ペースト19aのパターンの転写は、簡略な装置および簡便な工程で実施可能であり、効率良く電極の形成が可能である。そして、半導体基板11に対する直接の印刷工程が無いため、製造ラインに印刷や乾燥のための装置が不要となり、電極形成コストが大幅に削減できる。
【0074】
そして、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法においては、受光面側電極材料ペースト19aのパターンを第2ベースフィルム41bごと第1ベースフィルム41aから剥離して半導体基板11の表面の反射防止膜17上に転写するため、第1ベースフィルム41aと第2ベースフィルム41bとの接着強度を調整することにより、実施の形態1の場合よりも小さい加圧力で受光面側電極材料ペースト19aのパターンを反射防止膜17上に転写することができ、転写処理の省力化が可能である。
【0075】
また、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法においては、第1ベースフィルム41aは洗浄等の工程を経た上で、再生利用が可能であり、省資源化とともにコストの削減を図ることができる。
【0076】
したがって、実施の形態2にかかる太陽電池セルの製造方法においては、実施の形態1の場合と同様に受光面側電極19として細幅且つ厚膜の表銀グリッド電極23および表銀バス電極25を効率良く、簡便に且つ安価に作製することができる。そして、受光面積が広く確保され、光電変換効率に優れた太陽電池セルを効率良く、簡便に且つ安価に作製することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上のように、本発明にかかる太陽電池の電極形成方法は、微細なパターンを有する太陽電池の電極を簡便且つ安価に形成する場合に有用である。
【符号の説明】
【0078】
1 太陽電池セル
11 半導体基板
11a p型多結晶シリコン基板
13 p型多結晶シリコン層
15 n型不純物拡散層
17 反射防止膜
19 受光面側電極
19a 受光面側電極材料ペースト
21 裏面側電極
21a 裏面側電極材料ペースト
23 表銀グリッド電極
25 表銀バス電極
31 ベースフィルム
32 送り出しロール
33 サブロール
34 巻き取りロール
35 ステージ
36 スタンパー
41 ベースフィルム
41a 第1ベースフィルム
41b 第2ベースフィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の電極形成面に電極を形成する太陽電池の電極形成方法であって、
電極材料により前記電極のパターンが一面側に形成されたシート状基材における前記電極のパターンを前記半導体基板における電極形成面に対向させるとともに前記電極形成面における前記電極の形成位置に位置合わせする第1工程と、
前記シート状基材における前記電極のパターンを包含する全領域を均一に押圧することにより前記シート状基材の一面側を前記半導体基板の電極形成面に圧接して、前記電極のパターンを前記半導体基板の電極形成面に転写する第2工程と、
前記シート状基材を前記半導体基板の電極形成面から離間させる第3工程と、
前記半導体基板に転写された前記電極のパターンを焼成して半導体基板の電極形成面に前記電極を形成する第4工程と、
を含むことを特徴とする太陽電池の電極形成方法。
【請求項2】
前記第2工程では、前記半導体基板を加熱しながら前記シート状基材の一面側を前記半導体基板の電極形成面に圧接すること、
を特徴とする請求項1に記載の太陽電池の電極形成方法。
【請求項3】
前記シート状基材は、第1シート状基材と、前記電極のパターンが一面側に形成されるとともに前記電極のパターンを外側にして前記第1シート状基材に貼付された第2シート状基材と、が積層された積層構造を有し、
前記第2工程では、前記第2シート状基材ごと前記電極のパターンを前記半導体基板の電極形成面に転写すること、
を特徴とする請求項1に記載の太陽電池の電極形成方法。
【請求項4】
第1導電型の半導体基板の一面側に、第2導電型の不純物元素が拡散された不純物拡散層を形成する第1工程と、
前記不純物拡散層上に反射防止膜を形成する第2工程と、
電極材料により受光面側電極のパターンが一面側に形成されたシート状基材における前記受光面側電極のパターンを前記反射防止膜に対向させるとともに前記反射防止膜上における前記受光面側電極の形成位置に位置合わせする第3工程と、
前記シート状基材における前記受光面側電極のパターンを包含する全領域を均一に押圧することにより前記シート状基材の一面側を前記反射防止膜に圧接して、前記受光面側電極のパターンを前記反射防止膜上に転写する第4工程と、
前記シート状基材を前記反射防止膜から離間させる第5工程と、
前記半導体基板の他面側に電極材料により裏面側電極のパターンを配置する第6工程と、
前記受光面側電極のパターンおよび裏面側電極のパターンを焼成して前記反射防止膜を貫通して前記不純物拡散層に電気的に接続する前記受光面電極と、前記裏面側電極と、を形成する第7工程と、
を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図2−6】
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【図2−7】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−263015(P2010−263015A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111370(P2009−111370)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】