説明

夫々1つの連結カラーを備える2つのパイプを連結するための連結スリーブ

【課題】 連結された2つのパイプの分離ないし連結解除を比較的容易に行うことができる連結スリーブの提供。
【解決手段】 夫々1つの連結カラー(2、3)を備える2つのパイプ(4、5)を連結するための連結スリーブであって、該連結スリーブは、第1パイプ(4)を受容するため1つの側部で開口するパイプ受容凹部(7)を備える基底プレート(6)と、対向して位置する2つの側部において前記パイプ受容凹部(7)に平行に前記基底プレート(6)に設けられた2つの側壁(9、10)と、夫々1つの側壁(9、10)に設けられると共に、それらの間に第2パイプ(5)が導入可能に構成された2つのカバープレート(11、12)と、一方の側壁(10)に結合され、屈曲領域(15)において前記基底プレート(6)の方向及び前記基底プレート(6)から離隔する方向に弾性的に揺動可能に構成されると共に、反対側の(他方の)側壁(9)の方向に延在する弾性アーム(13)を有し、前記弾性アーム(13)が、前記基底プレート(6)の方向に延在し、少なくとも1つの連結カラー(2、3)に形成されたロックリセス(17)に嵌り込むよう構成された係止爪(16)と、前記基底プレート(6)から離隔するよう延在する解除要素(19)を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夫々1つの連結カラーを備える2つのパイプを連結するための連結スリーブに関する。
【背景技術】
【0002】
DE3035669A1には、係止フックによって互いに対し分離可能に連結される少なくとも2つの部材を有する装置が記載されている。この装置では、第1の部材が、係止エッジを備え、第2の部材が、(開口部に嵌まり込んで)係止エッジにその背後から弾力的に係合する係止ノーズを有する係止フックを備える。係止ノーズは、係止方向(係止力が生成される方向)に対し横方向にシフトすることにより、その係止位置から係止エッジとの係合が解除された開放位置に移すことができるが、この開放位置では、係止ノーズは、横方向にシフトして再び係止位置に戻らないように係止装置によって保護される。このため、これらの(連結されるべき)部材は、多大な組立ての手間や特別な工具を必要とすることなく、比較的容易に互いに分離することは可能ではある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
FR2856770A1には、夫々1つの連結カラーを備えた2つの管を連結するためのスリーブが記載されている。このスリーブは、半径方向外方に突出する2つの舌状部を備え、該舌状部は、スリーブが連結カラーの周囲に配置される(外側から嵌め合わされる)ことにより、収容ケースに形成された係止ノーズに背後から係合する。しかしながら、係合フック(係合ノーズ)は収容ケースの内部に形成されており、従って、アクセスが困難なので、このスリーブの分離(取り外し)は比較的手間を要する。
【0004】
本発明の課題は、夫々1つの連結カラーを備える2つのパイプを連結するための連結スリーブであって、該(連結された)2つのパイプの分離ないし連結解除を比較的容易に行うことができる連結スリーブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、夫々1つの連結カラーを備える2つのパイプを連結するための連結スリーブが提供される。この連結スリーブは、請求項1の特徴を有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の連結スリーブは、連結されるべき(2つの)パイプの連結カラー(複数)に外側から(押し込んで)嵌め込むことができる。その際、ロック位置において、係止爪が、弾性アームの弾性的付勢力によって、連結カラーに形成されたロックリセスに嵌り込む(嵌入して係合する)。このため、連結スリーブは、意図しない(連結カラーからの)分離(連結解除)に対して保障される。連結スリーブを再び分離する(取り外す)ためには、係止爪とロックリセスとの嵌合(係合ロック)が解除され(係止爪がロックリセスから外れ)、連結スリーブが再び引出し可能になるまで、弾性アームは、相応に構成された工具と解除要素を係合した状態で、弾性的付勢方向に抗して揺動される(反らされる)必要がある。この操作は、容易に実行することはできるが、結合(連結)を解除するためには、意図的に実行されなければならない。
【0007】
本発明の更に有利な形態は、従属請求項の対象である。
【0008】
本発明の更に有利な形態および利点は、以下に詳述する図面を用いた実施例の説明から明らかになる。
【実施例】
【0009】
図1は、夫々1つの連結カラー2、3を備える2つのシリンダー状パイプ4、5を連結するための本発明の連結スリーブ1の一実施例の斜視図である。この実施例では、連結カラー2、3は矩形状の形状(外形)を有し、パイプ4,5を越えて半径方向に延在している。
【0010】
プラスチックの射出成形又は金属薄板の打ち抜き・折り曲げにより製造された連結スリーブ1は、1つの側部において開口するパイプ受容凹部7を有する平坦な基底プレート6を有する。パイプ受容凹部7は、連結スリーブ1の長手方向(嵌込方向、図1で水平方向)において、その開口側から横方向に延在する接続ウェブ8まで延在し、例えば第1パイプ4の外径に相当する幅を有する。連結スリーブ1の長手方向に平行に配向される(延在する)基底プレート6の互いに向い合う2つの縁部には、この実施例では、基底プレート6に対し直角に配向され(延在し)かつパイプ4、5の長手方向における2つの連結カラー2、3の厚さに相当する所定の距離をもって基底プレート6から夫々同じ方向に延在する全体的に平面的な側壁9、10が設けられる。
【0011】
基底プレート6から離隔する側の側壁9、10の端部には、基底プレート6に平行に配向され(延在し)、互いに向って延在するカバープレート(ないしデッキプレート)11、12が設けられる。側壁9、10から離隔する側のカバープレート11、12の端面間の距離は、第2パイプ5の外径に相当するが、パイプ4、5が同様に形成されている場合は、パイプ受容凹部7の幅にも相当する。更に、図1から分かるとおり、連結スリーブ1は、断面において矩形ないし方形の弾性アーム13を有する。この弾性アーム13は、基底プレート6から所定の距離に配置され、図1の実施例の場合、第2側壁10から第1側壁9の方向に延在しかつパイプ受容凹部7の横方向におけるほぼ中央部においてパイプ受容凹部7の上方で終端する。
【0012】
図2は、図1の実施例において、組合わされた(繋ぎ合わされた)2つの連結カラー2、3に連結スリーブ6が外側から(押し込んで)嵌め込まれた状態を、カバープレート11、12の上側から見た斜視図である。図2から分かるとおり、弾性アーム13は、第2側壁10から第1側壁9の方向に延在し関連するカバープレート12から所定の距離に形成される取付基部14を介して第2側壁10に結合するが、取付基部14は弾性アーム13よりもより大きな断面を有する。このため、取付基部14は弾性アーム13よりも曲げ抵抗性が著しく大きいので、弾性アーム13は、弾性アーム13から取付基部13[14の誤記]への移行部にある可撓(屈曲)領域15において(基点として)、基底プレート6の(に向う)方向及び基底プレート6から離隔する方向に揺動される(反らされる)ことができる。
【0013】
詳述されない一実施例では、矩形断面を有する弾性アーム13は、カバープレート11、12の面内(の方向)において、この面に直交する方向におけるよりもより大きな材料厚さ(部材の厚さ)を有するので、基底プレート6に向うように又は基底プレート6から離隔するように弾性アーム13を揺動する(反らす)ために要する力の大きさは、弾性アーム13をカバープレート11、12の面内(の方向)において曲げるために要する力の大きさよりも著しくより小さい。
【0014】
さらに、図2から明確に分かるとおり、弾性アーム13には、カバープレート11、12の互いに向い合う端面間のほぼ中央部に、図2では見えないパイプ受容凹部7の開口側から(見て)斜めに離隔するよう形成された(斜面を有する)舌状部分の形態の係止爪16が形成されているが、この舌状部分(係止爪16)は、図2の組立て状態では、第2連結カラーに形成された(好ましくは第1連結カラーにも形成される)ロックリセス17に嵌り込む(嵌入して係合する)。
【0015】
可撓(屈曲)領域15の反対側に位置する弾性アーム13の末端部18には、係止爪16の領域に、解除要素19が形成される。解除要素19は、図示の実施例の場合、弾性アーム13に(その延在方向に対し)直角に形成され連結スリーブ1の長手方向に延在する長手部分20と、長手部分20に付加され(から延出し)基底プレート6及びカバープレート11、12から斜めに離隔するように延在する傾斜部分21と、長手部分20から離隔する側の傾斜部分21の末端部からカバープレート11、12に平行な面においてカバープレート11、12から離隔するよう延在する操作部分22を含んで構成される。
【0016】
操作部分22は、基底プレート6を指向する側に、図示の実施例では平坦な工具作用面を備える。このため、例えば図2には記載されていないねじ回しの先端部(ブレード)を工具作用面に当接して基底プレート6から離隔する方向にねじ回しの先端部(ブレード)を動かすことにより、弾性アーム13の係止爪16とロックリセス17との間の嵌合(係合ロック)を解除することができ、その結果、連結カラー2、3は連結スリーブ1の長手方向でパイプ受容凹部7の開口側の方向における連結スリーブ1と連結カラー2、3との間での相対運動によって容易に取り出され、パイプ4、5は再び互いに分離可能になる。
【0017】
図3は、図2の組立て状態に関し、係止爪16がロックリセス17に嵌まり込む様子の断面を示す。図3から分かるとおり、係止爪16の傾斜構成によって、連結スリーブ1への導入方向に関する長手方向での連結カラー3の運動は、弾性アーム13または係止爪16が破壊されてしまうような大きな力が作用しない間はこの運動方向に抵抗する(反対方向に作用する)傾斜構成によって阻止され、他方、導入方向への運動の際には、弾性爪(係止爪)16は、導入方向において前方に位置する第2連結カラー3の縁部において(上方に)弾性的に反る(跳ね上げられる)ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の連結スリーブおよび夫々1つの連結カラーを備える2つのパイプの一実施例の斜視図。
【図2】図1の実施例において、本発明の連結スリーブが(2つの)連結カラーに外側から(押し込んで)嵌め込まれた状態の斜視図。
【図3】本発明の連結スリーブの一例の係止爪と連結カラーの一例に形成されたロックリセスとの嵌合(係合ロック)状態の断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々1つの連結カラー(2、3)を備える2つのパイプ(4、5)を連結するための連結スリーブであって、
該連結スリーブは、
第1パイプ(4)を受容するため1つの側部で開口するパイプ受容凹部(7)を備える基底プレート(6)と、
対向して位置する2つの側部において前記パイプ受容凹部(7)に平行に前記基底プレート(6)に設けられた2つの側壁(9、10)と、
夫々1つの側壁(9、10)に設けられると共に、自身の間に第2パイプ(5)が導入可能に構成された2つのカバープレート(11、12)と、
一方の側壁(10)に結合され、可撓領域(15)において前記基底プレート(6)の方向及び前記基底プレート(6)から離隔する方向に弾性的に揺動可能に構成されると共に、反対側の(他方の)側壁(9)の方向に延在する弾性アーム(13)を
有し、
前記弾性アーム(13)が、前記基底プレート(6)の方向に延在し、少なくとも1つの連結カラー(4)に形成されたロックリセス(17)に嵌り込むよう構成された係止爪(16)と、前記基底プレート(6)から離隔するよう延在する解除要素(19)を有する
ことを特徴とする連結スリーブ。
【請求項2】
前記弾性アーム(13)は、矩形状断面を有すること
を特徴とする請求項1に記載の連結スリーブ。
【請求項3】
前記弾性アーム(13)は、前記カバープレート(11、12)の面内において、この面に直交する方向におけるよりも、より大きな材料厚さを有すること
を特徴とする請求項2に記載のスリーブ。
【請求項4】
前記弾性アーム(13)は、前記側壁(10)に形成され、当該弾性アーム(13)よりもより大きい曲げ抵抗性を有するよう構成された取付基部(14)に設けられること
を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の連結スリーブ。
【請求項5】
前記係止爪(16)は、平坦な舌状部分として構成されること
を特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の連結スリーブ。
【請求項6】
前記舌状部分は、前記パイプ受容凹部(7)の開口側から前記基底プレート(6)の方向に向って斜めに離隔するよう延在すること
を特徴とする請求項5に記載の連結スリーブ。
【請求項7】
前記解除要素(19)は、前記基底プレート(6)に平行に配向された操作部分(22)を有すること
を特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の連結スリーブ。
【請求項8】
前記操作部分(22)は、当該操作部分(22)の前記基底プレート(6)を指向する側に、平坦な工具作用面を有すること
を特徴とする請求項7に記載の連結スリーブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−541669(P2009−541669A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515742(P2009−515742)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005190
【国際公開番号】WO2007/147510
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(507046288)アー ライモント エ カンパニュイ (71)
【Fターム(参考)】