姿勢検出装置
【課題】
簡易に、かつ、精度良く被検体の姿勢を検出する。
【解決手段】
頭部に装着された個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれが、波長λjのビーム光を射出している間、処理部は、第1光検出部130A及び第2光検出部140Aの両方の検出部からのビーム光の到達検出結果を得るため、透過設定指令及び不透過設定指令を第1光検出部130Aへ送る。第1及び第2光検出部130A,140Aは、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出された光の到達を検出すると、検出結果を処理部へ送る。そして、処理部は、第1及び第2光検出部130A,140Aのそれぞれにおいて、いずれの個別光検出部が波長λjの光を検出したかに基づき、頭部の位置及び姿勢を特定する。
簡易に、かつ、精度良く被検体の姿勢を検出する。
【解決手段】
頭部に装着された個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれが、波長λjのビーム光を射出している間、処理部は、第1光検出部130A及び第2光検出部140Aの両方の検出部からのビーム光の到達検出結果を得るため、透過設定指令及び不透過設定指令を第1光検出部130Aへ送る。第1及び第2光検出部130A,140Aは、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出された光の到達を検出すると、検出結果を処理部へ送る。そして、処理部は、第1及び第2光検出部130A,140Aのそれぞれにおいて、いずれの個別光検出部が波長λjの光を検出したかに基づき、頭部の位置及び姿勢を特定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、姿勢検出装置に係り、より詳しくは、被検体の姿勢を検出する姿勢検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人体等の姿勢検出は、スポーツフォームの動作分析、スポーツ医療、リハビリテーション患者の生活活動分析、ロボット技術開発等の様々な分野において行われてきている。また、人体の姿勢検出結果は、アニメーションやゲームなどのキャラクターの人間らしい動きを再現するためにも利用されている。このように、人体等の姿勢検出は、広範囲な分野において行われている。
【0003】
こうした人体等の姿勢を検出する技術の一つとして、光を利用した技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。この従来例の技術では、対象物(例えば、頭部)の複数の所定位置に赤外線を発光する発光手段を固定し、発光手段に対して一意的に割り付けられた識別情報に応じて各発光手段を点滅させるとともに、3次元位置関係を表す3次元位置情報に応じて少なくとも一の発光手段を点滅させる。そして、対象物を含む赤外線画像を撮影し、当該赤外線画像を用いて発光手段を検出するとともに、発光手段の点滅状態から識別情報及び3次元位置情報を検出する。そして、当該検出結果に基づいて、3次元空間における対象物の姿勢を検出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−127536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来例の技術では、撮影した赤外線画像に基づいて、対象物の姿勢を検出する。こうした対象物の姿勢の検出には、画像解析を行わなければならず、対象物の姿勢の検出を精度良く行おうとすると、演算負荷の高い画像解析処理が必要となる。また、従来例の技術では、赤外線画像から得られた各発光手段の2次元位置に基づき、3次元空間における対象物の位置及び角度を検出する。こうした2次元情報からの3次元情報の導出は、容易に行えるとはいいがたく、演算量が大きなものとなる。
【0006】
このため、人体等の姿勢の検出に際して、人体等の画像撮影及び撮影された画像の解析処理を行うことなく、容易に、かつ、精度良く3次元空間における人体等の姿勢を検出することができる技術が待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0007】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、簡易に、かつ、精度良く被検体の姿勢を検出することができる新たな姿勢検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、関節機構を介して、個別部位が順次接続され、複数の前記個別部位には、隣接部位に対して、姿勢変化が可能な特定部位が含まれる被検体が所定空間内に存在している場合において、前記被検体の姿勢を検出する姿勢検出装置であって、前記特定部位における少なくとも1つの所定位置に装着され、互いに交差する異なる方向のビーム光を射出する少なくとも2つの個別光発生手段と;前記被検体の外側に配設され、前記個別光発生手段から発せられた光の到達の検出、及び/又は、前記個別光発生手段から発せられた光の通過又は透過のいずれかを行う第1光検出手段と;前記第1光検出手段の外側に配設され、前記個別光発生手段から発せられ、前記第1光検出手段を通過又は透過した光の到達を検出する第2光検出手段と;前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記特定部位の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定する特定手段と;を備えることを特徴とする姿勢検出装置である。
【0009】
この姿勢検出装置では、被検体の姿勢を検出するに際して、まず、特定部位における少なくとも1つの所定位置に装着された少なくとも2つの個別光発生手段が、互いに交差する異なる方向に進行するビーム光を射出する。そして、個別光発生手段のそれぞれから射出された光の到達の検出、及び/又は、当該射出された光の通過又は透過のいずれかを、第1光検出手段が行う。この第1光検出手段は、所定空間内に存在している被検体の外側に配設されている。そして、第1光検出手段を通過又は透過した光の到達の検出を、当該第1光検出手段の外側に配設されている第2光検出手段が行う。
【0010】
引き続き、特定手段が、第1光検出手段及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、特定部位の所定空間内における位置及び姿勢を特定する。この特定結果に基づいて、3次元空間における被検体の姿勢が検出される。
【0011】
したがって、本発明の姿勢検出装置によれば、簡易に、かつ、精度良く被検体の姿勢を検出することができる。
【0012】
本発明の姿勢検出装置では、前記少なくとも2つの個別光発生手段から射出されるビーム光の方向を、互いに直交するようにすることができる。この場合には、ビーム光の方向のなす角を90度よりも狭い角度にしたときと比べて、個別光発生手段のそれぞれから射出されたビーム光は、第1及び第2光検出手段の隔絶した位置に到達する。このため、特定部位の位置及び姿勢を、精度を確保しつつ特定することができる。
【0013】
また、前記少なくとも2つの個別光発生手段から射出されるビーム光の方向のなす角を、予め定められた角度とするようにすることもできる。この場合には、例えば凹凸のある特定部位の形状や、特定部位と当該特定部位以外の個別部位との位置関係を考慮してビーム光の方向のなす角を予め定めることにより、個別光発生手段から射出された光を、高確率で、第1及び第2光検出手段に到達させることができる。
【0014】
また、本発明の姿勢検出装置では、前記特定部位には、3つの個別光発生手段が装着されるようにすることができる。この場合には、個別光発生手段の数を2つにしたときと比べて、特定部位の位置及び姿勢の特定が不能となる事態を減少させるとともに、当該特定に際して精度を向上させることができる。なお、個別光発生手段の数を多くすれば、より特定部位の位置及び姿勢の特定が不能となる事態を減少させるとともに、より当該特定に際して精度を向上させることができることは勿論である。
【0015】
本発明の姿勢検出装置では、前記特定手段は、前記少なくとも2つのビーム光のそれぞれについて前記第1及び第2光検出手段における検出位置に基づいて、前記少なくとも2つのビーム光のそれぞれについて前記第1及び第2光検出手段における検出位置を結ぶ直線の交差位置を導出して前記所定空間内における前記特定部位の位置を特定するとともに、前記少なくとも2つのビーム光の方向を導出して前記特定部位の姿勢を特定するようにすることができる。このように本発明では、第1及び第2検出手段における検出位置を結ぶ直線の交差位置の導出、及び、ビーム光の方向の導出という非常に簡単な計算から、特定部位の位置及び姿勢を特定することができる。
【0016】
本発明の姿勢検出装置では、前記個別光発生手段のそれぞれは、異なる波長の光を射出し、前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、前記第1個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第1個別受光手段と;前記個別光発生手段からの光の透過及び不透過のいずれかの設定を、前記特定手段による制御のもとで行い、透過設定時には、前記個別光発生手段からの光を透過させるとともに、不透過設定時には、前記個別光発生手段からの光の一部を、前記第1個別受光手段のそれぞれへ導光するシャッター手段と;を備える構成とすることができる。そして、前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、前記第2個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第2個別受光手段と;前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段のそれぞれへ導光する個別導光手段と;を備える構成とすることができる。
【0017】
この場合には、特定手段が、第1個別光検出手段のシャッター手段に対して、個別光発生手段からの光の透過及び不透過の設定を行う。第1個別光検出手段は、不透過の設定が行われた場合には、個別光発生手段から射出されたビーム光を受光すると、シャッター手段が、入射ビーム光の一部を、第1個別受光手段へ導光する。この結果、特定手段が不透過の設定を行った場合には、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第1個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0018】
また、第1個別光検出手段は、透過の設定が行われた場合には、個別光発生手段から射出されたビーム光を受光すると、入射ビーム光の進行方向及びビーム径を維持しつつ、入射ビーム光を透過する。この結果、第2光検出手段は、個別光発生手段から射出されたビーム光をそのままに近い態様で受光する。
【0019】
そして、透過の設定が行われている第1個別光検出手段を透過したビーム光を受光した第2個別光検出手段では、個別導光手段が、受光したビーム光の一部を第2個別受光手段へ導光する。この結果、特定手段が透過の設定を行った場合には、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0020】
また、本発明の姿勢検出装置では、前記個別光発生手段のそれぞれは、異なる波長の光を射出し、前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、前記第1個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第1個別受光手段と;前記個別光発生手段からの光の一部を通過させるとともに、他の一部を前記第1個別受光手段のそれぞれへ導光する個別光振分手段と;を備える構成とすることができる。そして、前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、前記第2個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第2個別受光手段と;前記第1個別光検出手段を通過した光の一部を、前記第2個別受光手段のそれぞれへ導光する個別導光手段と;を備える構成とすることができる。
【0021】
この場合には、個別光振分手段による光の振分により、第1光検出手段は、個別光発生手段から発せられたビーム光の一部の通過、及び、個別光発生手段から発せられた光の到達の検出を並行して行う。当該光の到達の検出に際しては、個別光発生手段から射出されたビーム光の他の一部が、個別光振分手段により第1個別受光手段に導光されるため、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第1個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0022】
また、ビーム光の一部の通過に際しては、当該ビーム光を受光した第1個別光検出手段の個別光振分手段が、当該ビーム光の一部を、進行方向を維持した新たなビーム光として通過させる。この結果、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段に到達する個別光発生手段のそれぞれが射出した光の光量が確保される。
【0023】
そして、第1個別光検出手段を通過した新たなビーム光を受光した第2個別光検出手段では、個別導光手段が、受光した新たなビーム光の一部を第2個別受光手段へ導光する。この結果、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0024】
また、本発明の姿勢検出装置では、前記特定手段は、前記少なくとも2つの個別光発生手段から、順次、選択的に前記異なる方向のビーム光が射出されるように前記個別光発生手段を制御し、前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、前記第1個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段が射出する光を検出する第1個別受光手段と;前記個別光発生手段からの光の透過及び不透過のいずれかの設定を、前記特定手段による制御のもとで行い、透過設定時には、前記個別光発生手段からの光を透過させるとともに、不透過設定時には、前記個別光発生手段からの光の一部を、前記第1個別受光手段へ導光するシャッター手段と;を備える構成とすることができる。そして、前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、前記第2個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段が射出する光を検出する第2個別受光手段と;前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段へ導光する個別導光手段と;を備える構成とすることができる。
【0025】
この場合には、特定手段が、第1個別光検出手段のシャッター手段に対して、個別光発生手段からの光の透過及び不透過の設定を行う。第1個別光検出手段は、不透過の設定が行われた場合には、個別光発生手段から射出されたビーム光を受光すると、シャッター手段が、入射ビーム光の一部を、第1個別受光手段へ導光する。この結果、特定手段が不透過の設定を行った場合には、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第1個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0026】
また、第1個別光検出手段は、透過の設定が行われた場合には、個別光発生手段から射出されたビーム光を受光すると、入射ビーム光の進行方向及びビーム径を維持しつつ、入射ビーム光を透過する。この結果、第2光検出手段は、個別光発生手段から射出されたビーム光をそのままに近い態様で受光する。
【0027】
そして、透過の設定が行われている第1個別光検出手段を透過したビーム光を受光した第2個別光検出手段では、個別導光手段が、受光したビーム光の一部を第2個別受光手段へ導光する。この結果、特定手段が透過の設定を行った場合には、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0028】
また、この場合には、特定手段が、個別光発生手段のそれぞれに対して、互いに異なるタイミングで射出指令を発行する。このため、上述した個別光発生手段のそれぞれが異なる波長の光を射出する場合に比べて、第1個別受光手段及び第2個別受光手段は、1種類の波長の光を検出する機能を有していればよく、第1及び第2個別受光手段の構成を簡素化することができる。
【0029】
また、本発明の姿勢検出装置では、前記特定手段は、前記少なくとも2つの個別光発生手段から、順次、選択的に前記異なる方向のビーム光が射出されるように前記個別光発生手段を制御し、前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、前記第1個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段が射出する光を検出する第1個別受光手段と;前記個別光発生手段からの光の一部を通過させるとともに、他の一部を前記第1個別受光手段へ導光する個別光振分手段と;を備える構成とすることができる。そして、前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、前記第2個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段が射出する光を検出する第2個別受光手段と;前記第1個別光検出手段を通過した光の一部を、前記第2個別受光手段へ導光する個別導光手段と;を備える構成とすることができる。
【0030】
この場合には、個別光振分手段による光の振分により、第1光検出手段は、個別光発生手段から発せられたビーム光の一部の通過、及び、個別光発生手段から発せられた光の到達の検出を並行して行う。当該光の到達の検出に際しては、個別光発生手段から射出されたビーム光の他の一部が、個別光振分手段により第1個別受光手段に導光されるため、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第1個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0031】
また、ビーム光の一部の通過に際しては、当該ビーム光を受光した第1個別光検出手段の個別光振分手段が、当該ビーム光の一部を、進行方向を維持した新たなビーム光として通過させる。この結果、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段に到達する個別光発生手段のそれぞれが射出した光の光量が確保される。
【0032】
そして、第1個別光検出手段を通過したビーム光を受光した第2個別光検出手段では、個別導光手段が、受光したビーム光の一部を第2個別受光手段へ導光する。この結果、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0033】
また、この場合には、特定手段が、個別光発生手段のそれぞれに対して、互いに異なるタイミングで射出指令を発行する。このため、上述したように、第1個別受光手段及び第2個別受光手段は、1種類の波長の光を検出する機能を有していればよく、第1及び第2個別受光手段の構成を簡素化することができる。
【0034】
本発明の姿勢検出装置では、前記第1及び第2検出手段は、被検体の全天にわたって配置されるようにすることができる。この場合には、特定部位の位置及び姿勢の特定に際して、死角の発生を防止することができる。
【0035】
また、本発明の姿勢検出装置では、特定部位は複数である、とすることができる。この場合には、複数の特定部位それぞれの位置及び姿勢を特定することができる。
【0036】
本発明の姿勢検出装置では、前記被検体は人体である、とすることができる。この場合には、所定空間内に存在している人体の姿勢を検出することができる。
【0037】
ここで、前記個別光発生手段の装着位置は、頭部における頭頂部、前額部及び両側頭部の少なくとも1つの所定位置であり、前記特定手段は、前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記頭部の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定するようにすることができる。この場合には、特定手段が、特定部位である頭部の所定空間内における位置及び姿勢を特定することができる。
【0038】
また、前記個別光発生手段の装着位置は、両肩部における前面及び側面の少なくとも1つの所定位置であり、前記特定手段は、前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記両肩部の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定するようにすることができる。この場合には、特定手段が、特定部位である肩部の所定空間内における位置及び姿勢を特定することができる。
【0039】
また、前記特定手段による特定結果の時間的変化を解析して、前記被検体の姿勢変化の態様を導出する導出手段を更に備える構成とすることができる。この場合には、個人ごとの姿勢変化の態様を取得することができる。
【発明の効果】
【0040】
以上説明したように、本発明の姿勢検出装置によれば、簡易に、かつ、精度良く被検体の姿勢を検出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係る姿勢検出装置の構成を説明するための図である。
【図2】図1の光発生部の頭部における装着位置、並びに、第1及び第2光検出部の設置位置を説明するための図である。
【図3】図1の個別光発生部の配置関係を説明するための図である。
【図4】図3の光発生部が頭部に装着されたときの各個別光発生部の配置位置を説明するための図である。
【図5】図2の第1及び第2光検出部の構成を説明するための断面図である。
【図6】図1、図2及び図5の第1光検出部の構成を説明するための図である。
【図7】図6の第1個別光検出部の構成を説明するための図である。
【図8】図1、図2及び図5の第2光検出部の構成を説明するための図である。
【図9】図8の第2個別光検出部の構成を説明するためお図である。
【図10】特定部位の位置及び姿勢の特定方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る姿勢検出装置の構成を説明するための図である。
【図12】図11の第1光検出部の構成を説明するための図である。
【図13】図12の第1個別光検出部の構成を説明するための図である。
【図14】図13の振分部材の形状を説明するための図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る姿勢検出装置の構成を説明するための図である。
【図16】図15の個別光発生部を説明するための図である。
【図17】図15の第1個別光検出部の構成を説明するための図である。
【図18】図15の第2個別光検出部の構成を説明するための図である。
【図19】変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0043】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1〜図10を参照して説明する。なお、本第1実施形態においては、被検体としての人体の「頭部」の姿勢を検出する姿勢検出装置を例示して説明する。
【0044】
<構成>
図1には、第1実施形態に係る姿勢検出装置100Aの概略的な構成がブロック図にて示されている。また、図2には、姿勢検出装置100Aの外観構成が示されている。ここで、図2における座標系(X,Y,Z)は、図示の通りに定義されている。また、人体HBは、後述する第1光検出部130A及び床面FLにより囲まれた所定空間内に存在しているものとする。
【0045】
図1に示されるように、姿勢検出装置100Aは、特定手段、解析手段としての処理部110Aと、光発生部120Aと、第1光検出手段としての第1光検出部130Aと、第2光検出手段としての第2光検出部140Aとを備えている。また、姿勢検出装置100Aは、操作部150と、表示部160とを備えている。
【0046】
上記の処理部110Aは、姿勢検出に関するデータ処理等を行う。本第1実施形態では、処理部110Aは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路から構成されている。処理部110Aによる処理の詳細については、後述する。
【0047】
上記の光発生部120Aは、本第1実施形態では、人体HBの頭部HPにおける前額部に装着されている(図2参照)。この光発生部120Aは、3個の個別光発生手段としての個別光発生部121A1,121A2,121A3を備えている。
【0048】
上記の個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれは、不図示の発光素子とコリメート光学系とを備えており、処理部110Aによる制御のもとで、コリメートされた波長λjのビーム光BLjを射出する。個別光発生部121Ajのそれぞれは、図3に示される位置に配置され、互いに交差し直交する方向のビーム光BLjを射出する。
【0049】
ここで、光発生部120Aにおける頭部HPとの装着面は、図4に示されるように、個別光発生部121A1を有する面と対向する面となっている。このため、人体HBが直立して全体を真っ直ぐにした(以下、「基準姿勢」ともいう)ときには、ビーム光BL1の方向は人体HBにとっての略正面方向となり、ビーム光BL2の方向は人体HBにとっての左方向となる。また、人体HBが基準姿勢をとったときには、ビーム光BL3の方向は当該人体HBにとっての上方方向となる。
【0050】
上記の第1光検出部130Aは、図2及び図5(A),(B)により総合的に示されるように、中空の立方形状であり、床面FLを除く人体HBの周囲にわたって配置されている。ここで、図5(A)は第1光検出装置130A及び第2光検出装置140AのX方向の中央部におけるYZ断面図であり、図5(B)は、第1光検出装置130A及び第2光検出装置140AのZ方向の中央部におけるXY断面図である。
【0051】
この第1光検出部130Aは、上述した図5(A),(B)及び図6に示されるように、K個の第1個別光検出手段としての第1個別光検出部131A1,131A2,…,131AKと、報告部135Aとを備えている。
【0052】
上記の第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のそれぞれは、図2及び図5(A),(B)により総合的に示されるように、床面FLを除く全面にわたって配列されている。そして、第1個別光検出部131Akのそれぞれを組み合わせると、ほぼ連続的な面が形成されている。このようにして配置された複数の第1個別光検出部131Akは、個別光発生部121A1,121A2,121A3のそれぞれから射出された光の到達の検出、及び、当該個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれから射出された光の透過を行う。
【0053】
これらの第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のそれぞれは、図7(A),(B)に示されるように、枠部材136kと、シャッター手段としてのシャッター部材137Akと、第1個別受光手段としての第1個別受光部138Akとを備えている。ここで、図7(A)は第1個別光検出部131Akの外観図であり、図7(B),(C)は第1個別光検出部131AkのA−A断面図である。
【0054】
上記の枠部材136kは、図7(A)〜(C)により総合的に示されるように、直方体状の内部空間が形成され、外形が底面及び上面の無い立方体の部材である。この枠部材136kの端部には、第1個別受光部138Akを構成する光検出器139k,1,139k,2,139k,3を取り付け固定することができるようになっている。
【0055】
上記のシャッター部材137Akは、枠部材136kの内部空間に収納され、接着剤等により、枠部材136kの内面に固定される。このシャッター部材137Akは、電圧を加えることによって液晶分子の配向を変化させることができる液晶シャッター等を備えて構成されている。シャッター部材137Akは、処理部110Aからの不透過設定指令を受けると、入射した光を散乱させつつ第1個別受光部138Akに導光する(図7(B)参照)。また、シャッター部材137Akは、処理部110Aからの透過設定指令を受けると、入射した光の進行方向及びビーム径をほぼ維持しつつ、入射した光を透過させる(図7(C)参照)。
【0056】
上記の第1個別受光部138Akは、上述したように、光検出器139k,1,139k,2,139k,3を備えている。ここで、光検出器139k,1は、例えば、波長λ1の光を選択的に通過させる波長フィルタと、受光素子とを備えて構成され、個別光発生部121A1が射出した波長λ1の光の到達を検出する。また、光検出器139k,2は、例えば、波長λ2の光を選択的に通過させる波長フィルタと、受光素子とを備えて構成され、個別光発生部121A2が射出した波長λ2の光の到達を検出する。また、光検出器139k,3は、例えば、波長λ3の光を選択的に通過させる波長フィルタと、受光素子とを備えて構成され、個別光発生部121A3が射出した波長λ3の光の到達を検出する。
【0057】
図6に戻り、上記の報告部135Aは、処理部110Aからの透過及び不透過の設定指令を受けると、当該設定指令を第1個別光検出部131Akのそれぞれへ送る。
【0058】
また、報告部135Aは、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)からの検出結果を受ける。そして、報告部135Aは、不透過設定がなされている期間における波長λ1の光の到達が検出された第1個別光検出部、波長λ2の光の到達が検出された第1個別光検出部、及び、波長λ3の光の到達が検出された第1個別光検出部の情報を、処理部110Aへ送る。
【0059】
上記の第2光検出部140Aは、図2及び図5(A),(B)により総合的に示されるように、上述した第1光検出部130Aと同様に中空の立方形状であり、第1光検出部130Aの外側に配置されている。この第2光検出部140Aは、上述した図5(A),(B)及び図8に示されるように、P個の第2個別光検出手段としての第2個別光検出部141A1,141A2,…,141APと、報告部145とを備えている。
【0060】
上記の第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のそれぞれは、図2及び図5(A),(B)により総合的に示されるように、上述した第1光検出部130Aと同様に床面FLを除く全面にわたって配列されている。そして、第2個別光検出部141Apのそれぞれの受光面を組み合わせると、ほぼ連続的な面が形成されている。このように配置された複数の第2個別光検出部141Apは、個別光発生部121A1,121A2,121A3のそれぞれから射出され、第1光検出部130Aを透過した光の到達を検出する。
【0061】
これらの第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のそれぞれは、図9(A),(B)に示されるように、個別導光手段としての枠部材146p及び光拡散部材147pと、第2個別受光手段としての第2個別受光部148Apとを備えている。ここで、図9(A)は第2個別光検出部141Apの外観図であり、図9(B)は第2個別光検出部141ApのA−A断面図である。
【0062】
上記の枠部材146pは、図9(A),(B)により総合的に示されるように、直方体状の内部空間が形成され、外形が底面の無い直方体の部材である。この枠部材146pでは、上面に第2個別受光部148Apを構成する光検出器149p,1,149p,2,149p,3を取り付け固定するための開口が形成されている。また、枠部材146pの内面には、ミラー面が施されている。
【0063】
上記の光拡散部材147pは、枠部材146pの内部空間に収納され、光透過性の接着剤等により、枠部材146pの内面に固定される。この光拡散部材147pは、本第1実施形態では、光散乱導光ポリマを材料として構成されており、図9(B)に示されるように、受光面から光が入射すると、光を散乱させつつ導光する。かかる光拡散部材147pによる光散乱導光と、枠部材146pの内面における反射との作用により、受光面における光の入射位置にかかわらず、入射光の一部が、光検出器149p,1,149p,2,149p,3の受光面に到達するようになっている。
【0064】
上記の第2個別受光部148Apは、上述したように、光検出器149p,1,149p,2,149p,3を備えている。ここで、光検出器149p,1,149p,2,149p,3のそれぞれは、上述した光検出器139k,1,139k,2,139k,3と同様に構成されている。すなわち、光検出器149p,1は個別光発生部121A1が射出した波長λ1の光の到達を検出し、光検出器149p,2は個別光発生部121A2が射出した波長λ2の光の到達を検出する。また、光検出器149p,3は個別光発生部121A3が射出した波長λ3の光の到達を検出する。
【0065】
図8に戻り、上記の報告部145は、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)からの検出結果を受ける。そして、報告部145は、透過設定がなされている期間、波長λ1の光の到達が検出された第2個別光検出部、波長λ2の光の到達が検出された第2個別光検出部、及び、波長λ3の光の到達が検出された第2個別光検出部の情報を、処理部110Aへ送る。
【0066】
図1に戻り、上記の操作部150は、複数のキーが配列されたキー部を備えて構成されている。かかるキー部としては、表示部160の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。利用者によるキー操作情報は、操作部150から処理部110Aに報告される。
【0067】
上記の表示部160は、例えば、液晶表示デバイスを備え構成される。この表示部160は、処理部110Aから送られてきた表示信号に従って、操作案内画像、被検体の位置情報、姿勢情報、姿勢変化の態様の解析結果等を表示する。
【0068】
次に、処理部110Aについて説明する。上述したように、処理部110Aは、姿勢検出装置100Aにおける検出動作を制御するとともに、第1光検出部130A及び第2光検出部140Aからの検出結果に基づく解析処理を行う。また、この処理部110Aは、姿勢変化の解析処理のための操作案内画像を表示部160に表示させる。そして、操作部150から解析の開始指令が入力されると、処理部110Aは、位置変化及び姿勢変化の解析処理を開始し、発光指令を生成して光発生部120Aへ送る。
【0069】
上述した頭部HPの各時点における位置及び姿勢を導出するために、処理部110Aは、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のそれぞれに対して、光発生部120Aから射出される光の透過及び不透過の設定指令を、切り替えて送る。そして、処理部110Aは、所定時間ごとに、第1光検出部130A及び第2光検出部140Aからの検出結果を受け、当該検出結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。かかる位置及び姿勢の特定に関する処理については、後述する。
【0070】
そして、処理部110Aは、所定時間ごとの特定結果の時間的変化に基づいて、頭部HPの姿勢変化の態様を導出する。ここで、所定時間は、検出する姿勢変化の内容(例えば、スポーツフォームの動作分析)に応じて、実験、シミュレーション、経験等に基づいて予め定められる。なお、本第1実施形態では、上述した発光指令は、所定時間ごとに光発生部120Aへ向けて送るものとする。
【0071】
また、処理部110Aは、人体HBの姿勢変化態様の導出結果から、表示部160に表示させるための表示信号を生成して、表示部160へ送る。
【0072】
<動作>
以上のようにして構成された姿勢検出装置100Aの動作について、頭部HPの姿勢検出処理に主に着目して説明する。
【0073】
この姿勢検出処理は、利用者が操作部150に、姿勢検出の開始指令を入力することにより開始する。処理部110Aは、当該開始指令を受けると、発光指令を生成して、光発生部120Aへ送る。
【0074】
当該発光指令を受けた光発生部120Aでは、個別光発生部121A1が波長λ1のビーム光を射出し、個別光発生部121A2が波長λ2のビーム光を射出する。また、個別光発生部121A3が波長λ3のビーム光を射出する(図3参照)。こうして射出された互いに交差し直交するビーム光BLj(j=1,2,3)のそれぞれは、人体HBの手等の部位により遮断されない限り、第1光検出部130A又は床面FLへ向けて進行する。なお、本第1実施形態では、ビーム光BLjのそれぞれは、第1検出部130A及び第2光検出部140Aに到達するものとして説明する。
【0075】
また、処理部110Aは、当該発光指令の発行と並行して、不透過設定指令を生成し、第1光検出部130Aの報告部135Aを介して、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のそれぞれへ送る。当該不透過設定指令を受けた第1個別光検出部131Akのそれぞれでは、光の到達の検出が可能な不透過設定となる。
【0076】
不透過設定時に第1光検出部130Aが、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれから射出されたビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Aへ送る。
【0077】
処理部110Aは、こうして第1光検出部130Aからの検出結果を受けると、透過設定指令を生成し、報告部135Aを介して、第1個別光検出部131Akのそれぞれへ送る。当該透過設定指令を受けた第1個別光検出部131Akのそれぞれでは、光の透過を行う透過設定となる。
【0078】
こうして第1個別光検出部131Akのそれぞれが透過設定となると、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれから射出されたビーム光は、進行方向及びビーム径をほぼ維持しつつ、第1光検出部130Aを透過する。そして、第1光検出部130Aを透過したビーム光は、第2光検出部140Aへ向けて直進する。
【0079】
第2光検出部140Aは、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出され、第1光検出部130Aを透過したビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Aへ送る。
【0080】
次いで、処理部110Aは、頭部HPの位置及び姿勢を特定するために、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、波長λj(j=1,2,3)のビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Aは、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が、波長λjのビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。
【0081】
ここで、波長λ1のビーム光を検出した第1及び第2個別検出部の配置位置を、それぞれPI1,PO1とし、波長λ2のビーム光を検出した第1及び第2個別検出部の配置位置を、それぞれPI2,PO2とする。また、波長λ3のビーム光を検出した第1及び第2個別検出部の配置位置を、それぞれPI3,PO3とする(図10参照)。
【0082】
引き続き、処理部110Aは、点PI1,PO1を通る直線L1、点PI2,PO2を通る直線L2、及び、点PI3,PO3を通る直線L3を求める。そして、処理部110Aは、直線L1〜L3の交点を頭部HP(より詳しくは、前額部)の位置と特定する。なお、検出誤差等により交点の位置が求まらないときには、処理部110Aは、最小二乗法により3つの直線から最も近い点を頭部の位置と特定する。
【0083】
また、処理部110Aは、点PI1から点PO1へ向う直線L1の方向、点PI2から点PO2へ向う直線L2の方向、及び、点PI3から点PO3へ向う直線L3の方向を求める。そして、処理部110Aは、これらの方向及び光検出部120Aの頭部HPにおける装着位置に基づいて、頭部HPの姿勢を特定する。
【0084】
以後、処理部110Aは、上述した発光指令の発行処理、姿勢検出処理である頭部HPの位置及び姿勢の特定処理を所定時間ごとに行う。そして、処理部110Aは、検出された位置及び姿勢の時間変化に基づいて、姿勢変化の態様を導出する。処理部110Aは、姿勢検出処理の結果や、姿勢変化態様の導出結果を、表示部160に表示させる。
【0085】
以上説明したように、本第1実施形態では、処理部110Aが、発光指令を生成して光発生部120Aへ発行すると、頭部HPに装着された個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれが、互いに交差し直交する方向の波長λjのビーム光を射出する。また、処理部110Aは、当該発光指令の発行と並行して、不透過設定指令を生成し、第1光検出部130Aへ送る。そして、第1光検出部130Aが、不透過設定時に、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出されたビーム光の到達を検出すると、検出結果が処理部110Aへ送られる。
【0086】
処理部110Aは、第1光検出部130Aからの検出結果を受けると、透過設定指令を生成し、第1光検出部130Aへ送る。こうして第1光検出部130が透過設定となると、個別光発生部121Ajから射出されたビーム光は、進行方向及びビーム径をほぼ維持しつつ、第1光検出部130Aを透過し、第2光検出部140Aへ向けて進行する。そして、第2光検出部140Aが、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出されたビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Aへ送る。
【0087】
引き続き、処理部110Aは、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、波長λj(j=1,2,3)のビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Aは、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が、波長λjのビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。そして、処理部110Aは、当該取得結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。このため、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)が射出したビーム光の到達を、いずれの第1及び第2個別光検出部が検出したかという簡易な方向で、頭部HPの位置及び姿勢の特定を行うことができる。
【0088】
そして、処理部110Aは、位置及び姿勢の特定結果の時間的変化を解析して、人体HBの姿勢変化の態様を導出する。
【0089】
したがって、本第1実施形態によれば、被検体である人体HBの各時点における姿勢を、簡易に、かつ、精度良く検出することができる。そして、検出された各時点の姿勢の時間変化に基づいて、人体HBの姿勢変化の態様を導出することができる。
【0090】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図11〜図14を主に参照して説明する。
【0091】
<構成>
図11には、第2実施形態に係る姿勢検出装置100Bの概略的な構成がブロック図にて示されている。この図11に示されるように、姿勢検出装置100Bは、上述した姿勢検出装置100Aと比べて、処理部110Aに代えて処理部110Bを備える点、及び、第1光検出部130Aに代えて第1光検出部130Bを備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
【0092】
上記の処理部110Bは、姿勢検出に関するデータ処理等を行う。この処理部110Bは、上述した処理部110Aと同様に、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路から構成されている。処理部110Bによる処理の詳細については、後述する。
【0093】
上記の第1光検出部130Bは、図12に示されるように、上述した第1光検出部130Aと比べて、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)に代えて第1個別光検出部131Bkを備える点、及び、報告部135Aに代えて報告部135Bを備える点が異なっている。
【0094】
上記の第1個別光検出部131Bk(k=1,2,…,K)のそれぞれは、図13に示されるように、上述した第1個別光検出部131Akと比べて、シャッター部材137Akに代えて個別光振分手段としての振分部材137Bkを備える点が異なっている。なお、座標系(s,t,u)は、図示の通りに定義されている。
【0095】
上記の振分部材137Bkは、枠部材136kの内部空間に収納され、接着剤等により、枠部材136kの内面に固定される。この振分部材137Bkは、光散乱導光ポリマを材料として構成され、第1個別光検出部131Bkに入射した光の一部を通過させる多数の孔が成形加工により形成されている。ここで、図14(A)は振分部材137Bkを拡大したst平面図である。また、図14(B)は、図14(A)に示した領域HARの斜視図である。そして、図14(A),(B)に示した線分B−Bを含む断面図が、図14(C)に示されている。こうして成形加工された振分部材137Bkは、ビーム光が入射すると、入射光を、当該ビーム光の進行方向を維持しつつ孔を通過する一部と、光散乱導光ポリマ内へ入射し、光散乱導光ポリマにより散乱される他の一部とに振り分ける。当該他の一部の光は、光散乱導光ポリマによる散乱の結果、相当量が第1個別受光部138Akに導光される(図14(C)参照)。
【0096】
なお、振分部材137Bkに形成される孔の径は、光の回折現象が起こらない程度の大きさであり、約2ミリメートル程度となっている。また、第1個別受光部138Akは、光の強度が所定値以上のときに、第1個別光検出部131Bkへの光の到達を検出するようになっている。
【0097】
上記の処理部110Bは、姿勢検出装置100Bにおける検出動作を制御するとともに、第1光検出部130B及び第2光検出部140Aからの検出結果に基づく解析処理を行う。処理部110Bは、上述した処理部110Aと同様に、姿勢変化の解析処理のための操作案内画像を表示部160に表示させる。そして、操作部150から解析の開始指令が入力されると、処理部110Bは、位置及び姿勢変化の解析処理を開始し、発光指令を生成して光発生部120Aへ送る。
【0098】
また、処理部110Bは、上述した処理部110Aと同様に、所定時間ごとに、第1光検出部130B及び第2光検出部140Aからの検出結果を受け、当該検出結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。そして、処理部110Bは、所定時間ごとの特定結果の時間的変化に基づいて、頭部HPの姿勢変化の態様を導出する。なお、本第2実施形態においても、上述した発光指令は、所定時間ごとに光発生部120Aへ向けて送るものとする。
【0099】
また、処理部110Bは、上述した処理部110Aと同様に、人体HBの姿勢変化態様の導出結果から、表示部160に表示させるための表示信号を生成して、表示部160へ送る。
【0100】
<動作>
以上のようにして構成された姿勢検出装置100Bの動作について、頭部HPの姿勢検出処理に主に着目して説明する。
【0101】
この姿勢検出処理は、第1実施形態の場合と同様に、利用者が操作部150に、姿勢検出の開始指令を入力することにより開始する。処理部110Bは、当該開始指令を受けると、発光指令を生成して、光発生部120Aへ送る。
【0102】
当該発光指令を受けた光発生部120Aでは、第1実施形態の場合と同様に、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれが、波長λjのビーム光を射出する(図3参照)。こうして射出された互いに交差し直交するビーム光BLjのそれぞれは、人体HBの手等の部位により遮断されない限り、第1光検出部130B又は床面FLへ向けて進行する。
【0103】
第1光検出部130Bは、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出されたビーム光を、当該ビーム光の進行方向を維持しつつ孔を通過する一部と、光散乱導光ポリマ内へ入射し、光散乱導光ポリマにより散乱される他の一部とに振り分ける。当該一部の光は、ビーム光の進行方向を維持しつつ第1光検出部130Bを通過し、当該他の一部の光は、光散乱導光ポリマによる散乱の結果、相当量が第1光検出部130Bにより検出される。そして、第2光検出部140Aは、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出され、第1光検出部130Bを通過したビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Bへ送る。
【0104】
処理部110Bは、頭部HPの位置及び姿勢を特定するために、第1実施形態の場合と同様に、第1個別光検出部131Bk(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、波長λj(j=1,2,3)のビーム光の到達を検出したかという検出結果から、当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Bは、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が波長λjのビーム光の到達を検出したかという検出結果から、当該個別検出部の位置情報を取得する。
【0105】
引き続き、処理部110Bは、上述した位置及び姿勢の特定方法と同様の方法で、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。
【0106】
以後、処理部110Bは、上述した発光指令の発行処理、姿勢検出処理である頭部HPの位置及び姿勢の特定処理を所定時間ごとに行う。そして、処理部110Bは、第1実施形態の場合と同様に、検出された位置及び姿勢の時間変化に基づいて、姿勢変化の態様を導出する。また、処理部110Bは、姿勢検出処理の結果や、姿勢変化態様の導出結果を、表示部160に表示させる。
【0107】
以上説明したように、本第2実施形態では、処理部110Bが、発光指令を生成して光発生部120Aへ発行すると、頭部HPに装着された個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれが、互いに交差し直交する方向の波長λjのビーム光を射出する。そして、第1光検出部130Bが、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出されたビーム光を、当該ビーム光の進行方向を維持しつつ孔を通過する一部と、光散乱導光ポリマ内へ入射し、光散乱導光ポリマにより散乱される他の一部とに振り分ける。当該一部の光は、ビーム光の進行方向を維持しつつ第1光検出部130Bを通過し、当該他の一部の光は、光散乱導光ポリマによる散乱の結果、相当量が第1光検出部130Bにより検出される。そして、第2光検出部140Aは、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出され、第1光検出部130Bを通過したビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Bへ送る。
【0108】
引き続き、処理部110Bは、第1個別光検出部131Bk(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、波長λj(j=1,2,3)のビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Bは、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が、波長λjのビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。そして、処理部110Bは、当該取得結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。このため、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)が射出したビーム光の到達を、いずれの第1及び第2個別光検出部が検出したかという簡易な方向で、頭部HPの位置及び姿勢の特定を行うことができる。
【0109】
そして、処理部110Bは、位置及び姿勢の特定結果の時間的変化を解析して、人体HBの姿勢変化の態様を導出する。
【0110】
したがって、本第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、被検体である人体HBの各時点における姿勢を、簡易に、かつ、精度良く検出することができる。そして、検出された各時点の姿勢の時間変化に基づいて、人体HBの姿勢変化の態様を導出することができる。
【0111】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を、図15〜図18を主に参照して説明する。
【0112】
<構成>
図15には、第3実施形態に係る姿勢検出装置100Cの概略的な構成がブロック図にて示されている。この図15に示されるように、姿勢検出装置100Cは、上述した姿勢検出装置100Aと比べて、処理部110Aに代えて処理部110Cを備える点、光発生部120Aに代えて光発生部120Cを備える点、第1光検出部130Aに代えて第1光検出部130Cを備える点、及び、第2光検出部140Aに代えて第2光検出部140Cを備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
【0113】
上記の処理部110Cは、姿勢検出に関するデータ処理等を行う。この処理部110Cは、上述した処理部110Aと同様に、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路から構成されている。処理部110Cによる処理の詳細については、後述する。
【0114】
上記の光発生部120Cは、上述した光発生部120Aに比べて、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)に代えて、3個の個別光発生手段としての個別光発生部121C1,121C2,121C3を備える点が異なっている。上記の個別光発生部121Cj(j=1,2,3)のそれぞれは、図16に示されるように、共に波長λのビーム光BLjを射出する。この結果、個別光発生部121C1,121C2,121C3から射出されるビーム光BLjは、共に波長λを有するようになっている。
【0115】
ここで、個別光発生部121C1,121C2,121C3は、処理部110Cからの発光指令に応答して発光を行い、処理部110Cからの発光停止指令に応答して発光停止を行う。なお、処理部110Cは、個別光発生部121C1,121C2,121C3のいずれか1個の個別光発生部を選択的に発光させるように、発光指令及び発光停止指令を発行するようになっている。
【0116】
上記の第1光検出部130Cは、上述した第1光検出部130Aに比べて、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)に代えて、図17に示されるように構成されたK個の第1個別光検出手段としての第1個別光検出部131C1,131C2,…,131CKを備える点が異なっている。この図17に示されるように、第1個別光検出部131Ckは、第1個別光検出部131Akと比べて、3種の光検出器139k,1,139k,2,139k,3を備える第1個別受光部138Akに代えて、1種の光検出器139kを備える第1個別受光部138Ckを備える点が異なっている。
【0117】
ここで、光検出器139kは、例えば、波長λの光を選択的に通過させる波長フィルタと、受光素子とを備えて構成され、個別光発生部121C1,121C2,121C3が発生する波長λの光の到達を検出する。
【0118】
上記の第2光検出部140Cは、上述した第2光検出部140Aに比べて、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)に代えて、図18に示されるように構成されたP個の第2個別光検出手段としての第2個別光検出部141C1,141C2,…,141CPを備える点が異なっている。この図18に示されるように、第2個別光検出部141Cpは、第2個別光検出部141Apと比べて、3種の光検出器149p,1,149p,2,149p,3を備える第2個別受光部148Apに代えて、1種の光検出器149pを備える第1個別受光部148Cpを備える点が異なっている。
【0119】
ここで、光検出器149pは、波長λの光を選択的に通過させる波長フィルタと、受光素子とを備えて構成され、個別光発生部121C1,121C2,121C3が発生する波長λの光の到達を検出する。
【0120】
上記の処理部110Cは、姿勢検出装置100Cにおける検出動作を制御するとともに、第1光検出部130C及び第2光検出部140Cからの検出結果に基づく解析処理を行う。処理部110Cは、上述した処理部110Aと同様に、姿勢変化の解析処理のための操作案内画像を表示部160に表示させる。そして、操作部150から解析の開始指令が入力されると、処理部110Cは、姿勢変化の解析処理を開始し、発光指令又は発光停止指令を生成して光発生部120Cへ送る。
【0121】
ここで、処理部110Cが発行する発光指令及び発行停止指令は、上述したように、個別光発生部121C1,121C2,121C3のいずれか1個の個別光発生部を選択的に発光させるようになっている。
【0122】
また、処理部110Cは、頭部HPの各時点における位置及び姿勢を導出するために、第1個別光検出部131Ck(k=1,2,…,K)のそれぞれに対して、光発生部120Cから射出される光の透過及び不透過の設定指令を、切り替えて送る。
【0123】
そして、処理部110Cは、上述した処理部110Aと同様に、所定時間ごとに、第1光検出部130C及び第2光検出部140Cからの検出結果を受け、当該検出結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。そして、処理部110Cは、所定時間ごとの特定結果の時間的変化に基づいて、頭部HPの姿勢変化の態様を導出する。
【0124】
また、処理部110Cは、上述した処理部110Aと同様に、人体HBの姿勢変化態様の導出結果から、表示部160に表示させるための表示信号を生成して、表示部160へ送る。
【0125】
<動作>
以上のようにして構成された姿勢検出装置100Cの動作について、頭部HPの姿勢検出処理に主に着目して説明する。
【0126】
この姿勢検出処理は、第1実施形態の場合と同様に、利用者が操作部150に、姿勢検出の開始指令を入力することにより開始する。処理部110Cは、当該開始指令を受けると、発光指令を生成して光発生部120Cの個別光発生部121C1へ送るとともに、不透過設定指令を生成して、第1個別光検出部131Ck(k=1,2,…,K)のそれぞれへ送る。
【0127】
発光指令を受けた個別光発生部121C1は、波長λのビーム光を射出する。そして、不透過設定時の第1光検出部130Cが、個別光発生部121C1から射出されたビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Cへ送る。
【0128】
処理部110Cは、こうして第1光検出部130Cからの検出結果を受けると、透過設定指令を生成し、第1個別光検出部131Ckのそれぞれへ送る。当該透過設定指令を受けた第1個別光検出部131Ckのそれぞれでは、光の透過を行う透過設定となる。そして、第2光検出部140Cが、個別光発生部121C1から射出され、第1光検出部130Cを透過したビーム光の到達を検出すると、検出結果が処理部110Cへ送られる。
【0129】
引き続き、処理部110Cは、個別光発生部121C2から射出される光を検出するための処理を行う。かかる処理に際して、処理部110Cは、不透過設定指令を生成して第1個別光検出部131Ckのそれぞれへ送るとともに、発光指令を生成して個別光発生部121C2へ送る。そして、処理部110Cは、第1光検出部130Cからのビーム光の検出結果を受けると、透過設定指令を生成して第1個別光検出部131Ckのそれぞれへ送る。
【0130】
この後、処理部110Cは、第2光検出部140Cからのビーム光の検出結果を受けると、引き続き、個別光発生部121C3から射出される光を検出するための処理を行う。かかる処理に際して、処理部110Cは、不透過設定指令を第1個別光検出部131Ckのそれぞれへ送るとともに、発光指令を個別光発生部121C3へ送る。そして、処理部110Cは、第1光検出部130Cからのビーム光の検出結果を受けると、透過設定指令を個別光検出部131Ckのそれぞれへ送る。この後、第2光検出部140Cが、個別光発生部121C3から射出され、第1光検出部130Cを透過したビーム光の到達を検出すると、検出結果が処理部110Cへ送られる。
【0131】
処理部110Cは、頭部HPの位置及び姿勢を特定するために、第1個別光検出部131Ck(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、ビーム光BLj(j=1,2,3)の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Cは、第2個別光検出部141Cp(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が、ビーム光BLjの到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。
【0132】
そして、処理部110Cは、上述した位置及び姿勢の特定方法と同様の方法で、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。
【0133】
以後、処理部110Cは、上述した発光指令及び発行停止指令の発行処理、姿勢検出処理である頭部HPの位置及び姿勢の特定処理を所定時間ごとに行う。そして、処理部110Cは、第1実施形態の場合と同様に、検出された位置及び姿勢の時間変化に基づいて、姿勢変化の態様を導出する。また、処理部110Cは、姿勢検出処理の結果や、姿勢変化態様の導出結果を、表示部160に表示させる。
【0134】
以上説明したように、本第3実施形態では、処理部110Cが、順次、選択的に異なる個別光発生部からビーム光が射出されるように発光指令及び発光停止指令を生成して各個別光発生部へ送る。また、処理部110Cは、第1光検出部130C及び第2光検出部140Cの両方の検出部からのビーム光の到達検出結果を得るため、透過設定指令及び不透過設定指令を生成して、第1光検出部130Cへ送る。
【0135】
引き続き、処理部110Cは、第1個別光検出部131Ck(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、ビーム光BLj(j=1,2,3)の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Cは、第2個別光検出部141Cp(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が、ビーム光BLjの到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。そして、処理部110Cは、当該取得結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。このため、個別光発生部121Cj(j=1,2,3)が射出したビーム光の到達を、いずれの第1及び第2個別光検出部が検出したかという簡易な方向で、頭部HPの位置及び姿勢の特定を行うことができる。
【0136】
そして、処理部110Cは、位置及び姿勢の特定結果の時間的変化を解析して、人体HBの姿勢変化の態様を導出する。
【0137】
したがって、本第3実施形態によれば、上述した第1及び第2実施形態と同様に、被検体である人体HBの各時点における姿勢を、簡易に、かつ、精度良く検出することができる。そして、検出された各時点の姿勢の時間変化に基づいて、人体HBの姿勢変化の態様を導出することができる。
【0138】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0139】
例えば、第2実施形態においては、波長の異なる3種のビーム光を検出するため、第1及び第2個別光検出部は3種の光検出器を備えることとした。これに対して、第2実施形態において、光発生部を第3実施形態と同様の構成を採用し、個別光発生部のそれぞれが単一の波長のビーム光を射出し、第1及び第2個別光検出部のそれぞれが1種の光検出器を備えるようにしてもよい。この場合には、処理部は、第3実施形態の場合と同様に、順次、選択的に異なる個別光発生部からビーム光が射出されるように発光指令及び発光停止指令を生成して各個別光発生部へ送ることになる。
【0140】
また、上記の第1〜第3実施形態では、頭部の姿勢を検出するために光発生部を前額部に装着することとしたが、光発生部の装着位置は、頭頂部、左側頭部、右側頭部のいずれであってもよく、また、前額部を含む複数の部分に光発生部を装着するようにしてもよい。
【0141】
また、上記の第1〜第3実施形態では、頭部の姿勢を検出することとしたが、肩等、他の部位の姿勢を検出するようにしてもよい。例えば、肩の姿勢を検出するためには、両肩部における前面及び側面の少なくとも1つの位置に、光検出部を装着するようにすればよい。
【0142】
また、上記の第1〜第3実施形態では、光発生部は3個の個別光発生部を備えることとしたが、個別光発生部の数は、2個又は4個以上であってもよい。
【0143】
また、上記の第1〜第3実施形態では、光発生部が備える3個の個別光発生部は、互いに交差し直交するビーム光を射出することとしたが、特定部位の形状等を考慮して、個別光発生部から射出されるビーム光の方向のなす角を、予め定められた任意の角度とするようにしてもよい。
【0144】
また、上記の第1〜第3実施形態では、第1及び第2光検出部の形状を、図2及び図5(A),(B)に示されるように立方体形状としたが、例えは、図19(A),(B)に示されるように、第1及び第2光検出部の形状を半球型のドーム形状にしてもよい。
【0145】
また、第1光検出部の構成は、半導体素子を用いた検出器や光電効果を利用した検出器等、個別光発生部から発せられた光の到達の検出、及び/又は、個別光発生部から発せられた光の透過を行うものであれば、任意の構成とすることができる。
【0146】
また、上記の第1〜第3実施形態では、第2個別光検出部を、枠部材と、光拡散部材とを備えて構成したが、入射したシート状光の少なくとも一部を第2個別受光部へ導光できる構成であれば、任意の構成とすることができる。
【0147】
また、上記の第1〜第3実施形態においては、人体の姿勢を検出する姿勢検出装置に本発明を適用したが、ロボットなどの運動体の姿勢を検出する姿勢検出装置にも本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
以上説明したように、本発明の姿勢検出装置は、被検体の姿勢を検出する姿勢検出装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0149】
100A,100B,100C…姿勢検出装置、110A,110B,110C…処理部(特定手段、解析手段)、120A,120C…光発生部、121A1〜121A3,121C1〜121C3…個別光発生部(個別光発生手段)、130A,130B,130C…第1光検出部(第1光検出手段)、131A1〜131AK,131B1〜131BK,131C1〜131CK…第1個別光検出部(第1個別光検出手段)、135A,135B…報告部、136k…枠部材、137Ak……シャッター部材(シャッター手段)、137Bk…振分部材(個別光振分手段)、138Ak,138Ck…第1個別受光部(第1個別受光手段)、139k,1,139k,2,139k,3,139k…光検出器、140A,140C…第2光検出部(第2光検出手段)、141A1〜141AP,141C1〜141CP…第2個別光検出部(第2個別光検出手段)、145…報告部、146p…枠部材(個別導光手段の一部)、147p…光拡散部材(個別導光手段の一部)、148Ap,148Cp…第2個別受光部(第2個別受光手段)、149p,1,149p,2,149p,3,149p,…光検出器、150…操作部、160…表示部、HP…頭部、HB…人体(被検体)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、姿勢検出装置に係り、より詳しくは、被検体の姿勢を検出する姿勢検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人体等の姿勢検出は、スポーツフォームの動作分析、スポーツ医療、リハビリテーション患者の生活活動分析、ロボット技術開発等の様々な分野において行われてきている。また、人体の姿勢検出結果は、アニメーションやゲームなどのキャラクターの人間らしい動きを再現するためにも利用されている。このように、人体等の姿勢検出は、広範囲な分野において行われている。
【0003】
こうした人体等の姿勢を検出する技術の一つとして、光を利用した技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。この従来例の技術では、対象物(例えば、頭部)の複数の所定位置に赤外線を発光する発光手段を固定し、発光手段に対して一意的に割り付けられた識別情報に応じて各発光手段を点滅させるとともに、3次元位置関係を表す3次元位置情報に応じて少なくとも一の発光手段を点滅させる。そして、対象物を含む赤外線画像を撮影し、当該赤外線画像を用いて発光手段を検出するとともに、発光手段の点滅状態から識別情報及び3次元位置情報を検出する。そして、当該検出結果に基づいて、3次元空間における対象物の姿勢を検出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−127536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来例の技術では、撮影した赤外線画像に基づいて、対象物の姿勢を検出する。こうした対象物の姿勢の検出には、画像解析を行わなければならず、対象物の姿勢の検出を精度良く行おうとすると、演算負荷の高い画像解析処理が必要となる。また、従来例の技術では、赤外線画像から得られた各発光手段の2次元位置に基づき、3次元空間における対象物の位置及び角度を検出する。こうした2次元情報からの3次元情報の導出は、容易に行えるとはいいがたく、演算量が大きなものとなる。
【0006】
このため、人体等の姿勢の検出に際して、人体等の画像撮影及び撮影された画像の解析処理を行うことなく、容易に、かつ、精度良く3次元空間における人体等の姿勢を検出することができる技術が待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0007】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、簡易に、かつ、精度良く被検体の姿勢を検出することができる新たな姿勢検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、関節機構を介して、個別部位が順次接続され、複数の前記個別部位には、隣接部位に対して、姿勢変化が可能な特定部位が含まれる被検体が所定空間内に存在している場合において、前記被検体の姿勢を検出する姿勢検出装置であって、前記特定部位における少なくとも1つの所定位置に装着され、互いに交差する異なる方向のビーム光を射出する少なくとも2つの個別光発生手段と;前記被検体の外側に配設され、前記個別光発生手段から発せられた光の到達の検出、及び/又は、前記個別光発生手段から発せられた光の通過又は透過のいずれかを行う第1光検出手段と;前記第1光検出手段の外側に配設され、前記個別光発生手段から発せられ、前記第1光検出手段を通過又は透過した光の到達を検出する第2光検出手段と;前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記特定部位の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定する特定手段と;を備えることを特徴とする姿勢検出装置である。
【0009】
この姿勢検出装置では、被検体の姿勢を検出するに際して、まず、特定部位における少なくとも1つの所定位置に装着された少なくとも2つの個別光発生手段が、互いに交差する異なる方向に進行するビーム光を射出する。そして、個別光発生手段のそれぞれから射出された光の到達の検出、及び/又は、当該射出された光の通過又は透過のいずれかを、第1光検出手段が行う。この第1光検出手段は、所定空間内に存在している被検体の外側に配設されている。そして、第1光検出手段を通過又は透過した光の到達の検出を、当該第1光検出手段の外側に配設されている第2光検出手段が行う。
【0010】
引き続き、特定手段が、第1光検出手段及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、特定部位の所定空間内における位置及び姿勢を特定する。この特定結果に基づいて、3次元空間における被検体の姿勢が検出される。
【0011】
したがって、本発明の姿勢検出装置によれば、簡易に、かつ、精度良く被検体の姿勢を検出することができる。
【0012】
本発明の姿勢検出装置では、前記少なくとも2つの個別光発生手段から射出されるビーム光の方向を、互いに直交するようにすることができる。この場合には、ビーム光の方向のなす角を90度よりも狭い角度にしたときと比べて、個別光発生手段のそれぞれから射出されたビーム光は、第1及び第2光検出手段の隔絶した位置に到達する。このため、特定部位の位置及び姿勢を、精度を確保しつつ特定することができる。
【0013】
また、前記少なくとも2つの個別光発生手段から射出されるビーム光の方向のなす角を、予め定められた角度とするようにすることもできる。この場合には、例えば凹凸のある特定部位の形状や、特定部位と当該特定部位以外の個別部位との位置関係を考慮してビーム光の方向のなす角を予め定めることにより、個別光発生手段から射出された光を、高確率で、第1及び第2光検出手段に到達させることができる。
【0014】
また、本発明の姿勢検出装置では、前記特定部位には、3つの個別光発生手段が装着されるようにすることができる。この場合には、個別光発生手段の数を2つにしたときと比べて、特定部位の位置及び姿勢の特定が不能となる事態を減少させるとともに、当該特定に際して精度を向上させることができる。なお、個別光発生手段の数を多くすれば、より特定部位の位置及び姿勢の特定が不能となる事態を減少させるとともに、より当該特定に際して精度を向上させることができることは勿論である。
【0015】
本発明の姿勢検出装置では、前記特定手段は、前記少なくとも2つのビーム光のそれぞれについて前記第1及び第2光検出手段における検出位置に基づいて、前記少なくとも2つのビーム光のそれぞれについて前記第1及び第2光検出手段における検出位置を結ぶ直線の交差位置を導出して前記所定空間内における前記特定部位の位置を特定するとともに、前記少なくとも2つのビーム光の方向を導出して前記特定部位の姿勢を特定するようにすることができる。このように本発明では、第1及び第2検出手段における検出位置を結ぶ直線の交差位置の導出、及び、ビーム光の方向の導出という非常に簡単な計算から、特定部位の位置及び姿勢を特定することができる。
【0016】
本発明の姿勢検出装置では、前記個別光発生手段のそれぞれは、異なる波長の光を射出し、前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、前記第1個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第1個別受光手段と;前記個別光発生手段からの光の透過及び不透過のいずれかの設定を、前記特定手段による制御のもとで行い、透過設定時には、前記個別光発生手段からの光を透過させるとともに、不透過設定時には、前記個別光発生手段からの光の一部を、前記第1個別受光手段のそれぞれへ導光するシャッター手段と;を備える構成とすることができる。そして、前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、前記第2個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第2個別受光手段と;前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段のそれぞれへ導光する個別導光手段と;を備える構成とすることができる。
【0017】
この場合には、特定手段が、第1個別光検出手段のシャッター手段に対して、個別光発生手段からの光の透過及び不透過の設定を行う。第1個別光検出手段は、不透過の設定が行われた場合には、個別光発生手段から射出されたビーム光を受光すると、シャッター手段が、入射ビーム光の一部を、第1個別受光手段へ導光する。この結果、特定手段が不透過の設定を行った場合には、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第1個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0018】
また、第1個別光検出手段は、透過の設定が行われた場合には、個別光発生手段から射出されたビーム光を受光すると、入射ビーム光の進行方向及びビーム径を維持しつつ、入射ビーム光を透過する。この結果、第2光検出手段は、個別光発生手段から射出されたビーム光をそのままに近い態様で受光する。
【0019】
そして、透過の設定が行われている第1個別光検出手段を透過したビーム光を受光した第2個別光検出手段では、個別導光手段が、受光したビーム光の一部を第2個別受光手段へ導光する。この結果、特定手段が透過の設定を行った場合には、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0020】
また、本発明の姿勢検出装置では、前記個別光発生手段のそれぞれは、異なる波長の光を射出し、前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、前記第1個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第1個別受光手段と;前記個別光発生手段からの光の一部を通過させるとともに、他の一部を前記第1個別受光手段のそれぞれへ導光する個別光振分手段と;を備える構成とすることができる。そして、前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、前記第2個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第2個別受光手段と;前記第1個別光検出手段を通過した光の一部を、前記第2個別受光手段のそれぞれへ導光する個別導光手段と;を備える構成とすることができる。
【0021】
この場合には、個別光振分手段による光の振分により、第1光検出手段は、個別光発生手段から発せられたビーム光の一部の通過、及び、個別光発生手段から発せられた光の到達の検出を並行して行う。当該光の到達の検出に際しては、個別光発生手段から射出されたビーム光の他の一部が、個別光振分手段により第1個別受光手段に導光されるため、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第1個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0022】
また、ビーム光の一部の通過に際しては、当該ビーム光を受光した第1個別光検出手段の個別光振分手段が、当該ビーム光の一部を、進行方向を維持した新たなビーム光として通過させる。この結果、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段に到達する個別光発生手段のそれぞれが射出した光の光量が確保される。
【0023】
そして、第1個別光検出手段を通過した新たなビーム光を受光した第2個別光検出手段では、個別導光手段が、受光した新たなビーム光の一部を第2個別受光手段へ導光する。この結果、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0024】
また、本発明の姿勢検出装置では、前記特定手段は、前記少なくとも2つの個別光発生手段から、順次、選択的に前記異なる方向のビーム光が射出されるように前記個別光発生手段を制御し、前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、前記第1個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段が射出する光を検出する第1個別受光手段と;前記個別光発生手段からの光の透過及び不透過のいずれかの設定を、前記特定手段による制御のもとで行い、透過設定時には、前記個別光発生手段からの光を透過させるとともに、不透過設定時には、前記個別光発生手段からの光の一部を、前記第1個別受光手段へ導光するシャッター手段と;を備える構成とすることができる。そして、前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、前記第2個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段が射出する光を検出する第2個別受光手段と;前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段へ導光する個別導光手段と;を備える構成とすることができる。
【0025】
この場合には、特定手段が、第1個別光検出手段のシャッター手段に対して、個別光発生手段からの光の透過及び不透過の設定を行う。第1個別光検出手段は、不透過の設定が行われた場合には、個別光発生手段から射出されたビーム光を受光すると、シャッター手段が、入射ビーム光の一部を、第1個別受光手段へ導光する。この結果、特定手段が不透過の設定を行った場合には、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第1個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0026】
また、第1個別光検出手段は、透過の設定が行われた場合には、個別光発生手段から射出されたビーム光を受光すると、入射ビーム光の進行方向及びビーム径を維持しつつ、入射ビーム光を透過する。この結果、第2光検出手段は、個別光発生手段から射出されたビーム光をそのままに近い態様で受光する。
【0027】
そして、透過の設定が行われている第1個別光検出手段を透過したビーム光を受光した第2個別光検出手段では、個別導光手段が、受光したビーム光の一部を第2個別受光手段へ導光する。この結果、特定手段が透過の設定を行った場合には、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0028】
また、この場合には、特定手段が、個別光発生手段のそれぞれに対して、互いに異なるタイミングで射出指令を発行する。このため、上述した個別光発生手段のそれぞれが異なる波長の光を射出する場合に比べて、第1個別受光手段及び第2個別受光手段は、1種類の波長の光を検出する機能を有していればよく、第1及び第2個別受光手段の構成を簡素化することができる。
【0029】
また、本発明の姿勢検出装置では、前記特定手段は、前記少なくとも2つの個別光発生手段から、順次、選択的に前記異なる方向のビーム光が射出されるように前記個別光発生手段を制御し、前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、前記第1個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段が射出する光を検出する第1個別受光手段と;前記個別光発生手段からの光の一部を通過させるとともに、他の一部を前記第1個別受光手段へ導光する個別光振分手段と;を備える構成とすることができる。そして、前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、前記第2個別光検出手段のそれぞれが、前記個別光発生手段が射出する光を検出する第2個別受光手段と;前記第1個別光検出手段を通過した光の一部を、前記第2個別受光手段へ導光する個別導光手段と;を備える構成とすることができる。
【0030】
この場合には、個別光振分手段による光の振分により、第1光検出手段は、個別光発生手段から発せられたビーム光の一部の通過、及び、個別光発生手段から発せられた光の到達の検出を並行して行う。当該光の到達の検出に際しては、個別光発生手段から射出されたビーム光の他の一部が、個別光振分手段により第1個別受光手段に導光されるため、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第1個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0031】
また、ビーム光の一部の通過に際しては、当該ビーム光を受光した第1個別光検出手段の個別光振分手段が、当該ビーム光の一部を、進行方向を維持した新たなビーム光として通過させる。この結果、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段に到達する個別光発生手段のそれぞれが射出した光の光量が確保される。
【0032】
そして、第1個別光検出手段を通過したビーム光を受光した第2個別光検出手段では、個別導光手段が、受光したビーム光の一部を第2個別受光手段へ導光する。この結果、個別光発生手段のそれぞれが射出したビーム光の射出方向に設置されている第2個別光検出手段により、個別光発生手段のそれぞれが射出した光を確実に検出することができる。
【0033】
また、この場合には、特定手段が、個別光発生手段のそれぞれに対して、互いに異なるタイミングで射出指令を発行する。このため、上述したように、第1個別受光手段及び第2個別受光手段は、1種類の波長の光を検出する機能を有していればよく、第1及び第2個別受光手段の構成を簡素化することができる。
【0034】
本発明の姿勢検出装置では、前記第1及び第2検出手段は、被検体の全天にわたって配置されるようにすることができる。この場合には、特定部位の位置及び姿勢の特定に際して、死角の発生を防止することができる。
【0035】
また、本発明の姿勢検出装置では、特定部位は複数である、とすることができる。この場合には、複数の特定部位それぞれの位置及び姿勢を特定することができる。
【0036】
本発明の姿勢検出装置では、前記被検体は人体である、とすることができる。この場合には、所定空間内に存在している人体の姿勢を検出することができる。
【0037】
ここで、前記個別光発生手段の装着位置は、頭部における頭頂部、前額部及び両側頭部の少なくとも1つの所定位置であり、前記特定手段は、前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記頭部の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定するようにすることができる。この場合には、特定手段が、特定部位である頭部の所定空間内における位置及び姿勢を特定することができる。
【0038】
また、前記個別光発生手段の装着位置は、両肩部における前面及び側面の少なくとも1つの所定位置であり、前記特定手段は、前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記両肩部の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定するようにすることができる。この場合には、特定手段が、特定部位である肩部の所定空間内における位置及び姿勢を特定することができる。
【0039】
また、前記特定手段による特定結果の時間的変化を解析して、前記被検体の姿勢変化の態様を導出する導出手段を更に備える構成とすることができる。この場合には、個人ごとの姿勢変化の態様を取得することができる。
【発明の効果】
【0040】
以上説明したように、本発明の姿勢検出装置によれば、簡易に、かつ、精度良く被検体の姿勢を検出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係る姿勢検出装置の構成を説明するための図である。
【図2】図1の光発生部の頭部における装着位置、並びに、第1及び第2光検出部の設置位置を説明するための図である。
【図3】図1の個別光発生部の配置関係を説明するための図である。
【図4】図3の光発生部が頭部に装着されたときの各個別光発生部の配置位置を説明するための図である。
【図5】図2の第1及び第2光検出部の構成を説明するための断面図である。
【図6】図1、図2及び図5の第1光検出部の構成を説明するための図である。
【図7】図6の第1個別光検出部の構成を説明するための図である。
【図8】図1、図2及び図5の第2光検出部の構成を説明するための図である。
【図9】図8の第2個別光検出部の構成を説明するためお図である。
【図10】特定部位の位置及び姿勢の特定方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る姿勢検出装置の構成を説明するための図である。
【図12】図11の第1光検出部の構成を説明するための図である。
【図13】図12の第1個別光検出部の構成を説明するための図である。
【図14】図13の振分部材の形状を説明するための図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る姿勢検出装置の構成を説明するための図である。
【図16】図15の個別光発生部を説明するための図である。
【図17】図15の第1個別光検出部の構成を説明するための図である。
【図18】図15の第2個別光検出部の構成を説明するための図である。
【図19】変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0043】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1〜図10を参照して説明する。なお、本第1実施形態においては、被検体としての人体の「頭部」の姿勢を検出する姿勢検出装置を例示して説明する。
【0044】
<構成>
図1には、第1実施形態に係る姿勢検出装置100Aの概略的な構成がブロック図にて示されている。また、図2には、姿勢検出装置100Aの外観構成が示されている。ここで、図2における座標系(X,Y,Z)は、図示の通りに定義されている。また、人体HBは、後述する第1光検出部130A及び床面FLにより囲まれた所定空間内に存在しているものとする。
【0045】
図1に示されるように、姿勢検出装置100Aは、特定手段、解析手段としての処理部110Aと、光発生部120Aと、第1光検出手段としての第1光検出部130Aと、第2光検出手段としての第2光検出部140Aとを備えている。また、姿勢検出装置100Aは、操作部150と、表示部160とを備えている。
【0046】
上記の処理部110Aは、姿勢検出に関するデータ処理等を行う。本第1実施形態では、処理部110Aは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路から構成されている。処理部110Aによる処理の詳細については、後述する。
【0047】
上記の光発生部120Aは、本第1実施形態では、人体HBの頭部HPにおける前額部に装着されている(図2参照)。この光発生部120Aは、3個の個別光発生手段としての個別光発生部121A1,121A2,121A3を備えている。
【0048】
上記の個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれは、不図示の発光素子とコリメート光学系とを備えており、処理部110Aによる制御のもとで、コリメートされた波長λjのビーム光BLjを射出する。個別光発生部121Ajのそれぞれは、図3に示される位置に配置され、互いに交差し直交する方向のビーム光BLjを射出する。
【0049】
ここで、光発生部120Aにおける頭部HPとの装着面は、図4に示されるように、個別光発生部121A1を有する面と対向する面となっている。このため、人体HBが直立して全体を真っ直ぐにした(以下、「基準姿勢」ともいう)ときには、ビーム光BL1の方向は人体HBにとっての略正面方向となり、ビーム光BL2の方向は人体HBにとっての左方向となる。また、人体HBが基準姿勢をとったときには、ビーム光BL3の方向は当該人体HBにとっての上方方向となる。
【0050】
上記の第1光検出部130Aは、図2及び図5(A),(B)により総合的に示されるように、中空の立方形状であり、床面FLを除く人体HBの周囲にわたって配置されている。ここで、図5(A)は第1光検出装置130A及び第2光検出装置140AのX方向の中央部におけるYZ断面図であり、図5(B)は、第1光検出装置130A及び第2光検出装置140AのZ方向の中央部におけるXY断面図である。
【0051】
この第1光検出部130Aは、上述した図5(A),(B)及び図6に示されるように、K個の第1個別光検出手段としての第1個別光検出部131A1,131A2,…,131AKと、報告部135Aとを備えている。
【0052】
上記の第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のそれぞれは、図2及び図5(A),(B)により総合的に示されるように、床面FLを除く全面にわたって配列されている。そして、第1個別光検出部131Akのそれぞれを組み合わせると、ほぼ連続的な面が形成されている。このようにして配置された複数の第1個別光検出部131Akは、個別光発生部121A1,121A2,121A3のそれぞれから射出された光の到達の検出、及び、当該個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれから射出された光の透過を行う。
【0053】
これらの第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のそれぞれは、図7(A),(B)に示されるように、枠部材136kと、シャッター手段としてのシャッター部材137Akと、第1個別受光手段としての第1個別受光部138Akとを備えている。ここで、図7(A)は第1個別光検出部131Akの外観図であり、図7(B),(C)は第1個別光検出部131AkのA−A断面図である。
【0054】
上記の枠部材136kは、図7(A)〜(C)により総合的に示されるように、直方体状の内部空間が形成され、外形が底面及び上面の無い立方体の部材である。この枠部材136kの端部には、第1個別受光部138Akを構成する光検出器139k,1,139k,2,139k,3を取り付け固定することができるようになっている。
【0055】
上記のシャッター部材137Akは、枠部材136kの内部空間に収納され、接着剤等により、枠部材136kの内面に固定される。このシャッター部材137Akは、電圧を加えることによって液晶分子の配向を変化させることができる液晶シャッター等を備えて構成されている。シャッター部材137Akは、処理部110Aからの不透過設定指令を受けると、入射した光を散乱させつつ第1個別受光部138Akに導光する(図7(B)参照)。また、シャッター部材137Akは、処理部110Aからの透過設定指令を受けると、入射した光の進行方向及びビーム径をほぼ維持しつつ、入射した光を透過させる(図7(C)参照)。
【0056】
上記の第1個別受光部138Akは、上述したように、光検出器139k,1,139k,2,139k,3を備えている。ここで、光検出器139k,1は、例えば、波長λ1の光を選択的に通過させる波長フィルタと、受光素子とを備えて構成され、個別光発生部121A1が射出した波長λ1の光の到達を検出する。また、光検出器139k,2は、例えば、波長λ2の光を選択的に通過させる波長フィルタと、受光素子とを備えて構成され、個別光発生部121A2が射出した波長λ2の光の到達を検出する。また、光検出器139k,3は、例えば、波長λ3の光を選択的に通過させる波長フィルタと、受光素子とを備えて構成され、個別光発生部121A3が射出した波長λ3の光の到達を検出する。
【0057】
図6に戻り、上記の報告部135Aは、処理部110Aからの透過及び不透過の設定指令を受けると、当該設定指令を第1個別光検出部131Akのそれぞれへ送る。
【0058】
また、報告部135Aは、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)からの検出結果を受ける。そして、報告部135Aは、不透過設定がなされている期間における波長λ1の光の到達が検出された第1個別光検出部、波長λ2の光の到達が検出された第1個別光検出部、及び、波長λ3の光の到達が検出された第1個別光検出部の情報を、処理部110Aへ送る。
【0059】
上記の第2光検出部140Aは、図2及び図5(A),(B)により総合的に示されるように、上述した第1光検出部130Aと同様に中空の立方形状であり、第1光検出部130Aの外側に配置されている。この第2光検出部140Aは、上述した図5(A),(B)及び図8に示されるように、P個の第2個別光検出手段としての第2個別光検出部141A1,141A2,…,141APと、報告部145とを備えている。
【0060】
上記の第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のそれぞれは、図2及び図5(A),(B)により総合的に示されるように、上述した第1光検出部130Aと同様に床面FLを除く全面にわたって配列されている。そして、第2個別光検出部141Apのそれぞれの受光面を組み合わせると、ほぼ連続的な面が形成されている。このように配置された複数の第2個別光検出部141Apは、個別光発生部121A1,121A2,121A3のそれぞれから射出され、第1光検出部130Aを透過した光の到達を検出する。
【0061】
これらの第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のそれぞれは、図9(A),(B)に示されるように、個別導光手段としての枠部材146p及び光拡散部材147pと、第2個別受光手段としての第2個別受光部148Apとを備えている。ここで、図9(A)は第2個別光検出部141Apの外観図であり、図9(B)は第2個別光検出部141ApのA−A断面図である。
【0062】
上記の枠部材146pは、図9(A),(B)により総合的に示されるように、直方体状の内部空間が形成され、外形が底面の無い直方体の部材である。この枠部材146pでは、上面に第2個別受光部148Apを構成する光検出器149p,1,149p,2,149p,3を取り付け固定するための開口が形成されている。また、枠部材146pの内面には、ミラー面が施されている。
【0063】
上記の光拡散部材147pは、枠部材146pの内部空間に収納され、光透過性の接着剤等により、枠部材146pの内面に固定される。この光拡散部材147pは、本第1実施形態では、光散乱導光ポリマを材料として構成されており、図9(B)に示されるように、受光面から光が入射すると、光を散乱させつつ導光する。かかる光拡散部材147pによる光散乱導光と、枠部材146pの内面における反射との作用により、受光面における光の入射位置にかかわらず、入射光の一部が、光検出器149p,1,149p,2,149p,3の受光面に到達するようになっている。
【0064】
上記の第2個別受光部148Apは、上述したように、光検出器149p,1,149p,2,149p,3を備えている。ここで、光検出器149p,1,149p,2,149p,3のそれぞれは、上述した光検出器139k,1,139k,2,139k,3と同様に構成されている。すなわち、光検出器149p,1は個別光発生部121A1が射出した波長λ1の光の到達を検出し、光検出器149p,2は個別光発生部121A2が射出した波長λ2の光の到達を検出する。また、光検出器149p,3は個別光発生部121A3が射出した波長λ3の光の到達を検出する。
【0065】
図8に戻り、上記の報告部145は、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)からの検出結果を受ける。そして、報告部145は、透過設定がなされている期間、波長λ1の光の到達が検出された第2個別光検出部、波長λ2の光の到達が検出された第2個別光検出部、及び、波長λ3の光の到達が検出された第2個別光検出部の情報を、処理部110Aへ送る。
【0066】
図1に戻り、上記の操作部150は、複数のキーが配列されたキー部を備えて構成されている。かかるキー部としては、表示部160の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。利用者によるキー操作情報は、操作部150から処理部110Aに報告される。
【0067】
上記の表示部160は、例えば、液晶表示デバイスを備え構成される。この表示部160は、処理部110Aから送られてきた表示信号に従って、操作案内画像、被検体の位置情報、姿勢情報、姿勢変化の態様の解析結果等を表示する。
【0068】
次に、処理部110Aについて説明する。上述したように、処理部110Aは、姿勢検出装置100Aにおける検出動作を制御するとともに、第1光検出部130A及び第2光検出部140Aからの検出結果に基づく解析処理を行う。また、この処理部110Aは、姿勢変化の解析処理のための操作案内画像を表示部160に表示させる。そして、操作部150から解析の開始指令が入力されると、処理部110Aは、位置変化及び姿勢変化の解析処理を開始し、発光指令を生成して光発生部120Aへ送る。
【0069】
上述した頭部HPの各時点における位置及び姿勢を導出するために、処理部110Aは、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のそれぞれに対して、光発生部120Aから射出される光の透過及び不透過の設定指令を、切り替えて送る。そして、処理部110Aは、所定時間ごとに、第1光検出部130A及び第2光検出部140Aからの検出結果を受け、当該検出結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。かかる位置及び姿勢の特定に関する処理については、後述する。
【0070】
そして、処理部110Aは、所定時間ごとの特定結果の時間的変化に基づいて、頭部HPの姿勢変化の態様を導出する。ここで、所定時間は、検出する姿勢変化の内容(例えば、スポーツフォームの動作分析)に応じて、実験、シミュレーション、経験等に基づいて予め定められる。なお、本第1実施形態では、上述した発光指令は、所定時間ごとに光発生部120Aへ向けて送るものとする。
【0071】
また、処理部110Aは、人体HBの姿勢変化態様の導出結果から、表示部160に表示させるための表示信号を生成して、表示部160へ送る。
【0072】
<動作>
以上のようにして構成された姿勢検出装置100Aの動作について、頭部HPの姿勢検出処理に主に着目して説明する。
【0073】
この姿勢検出処理は、利用者が操作部150に、姿勢検出の開始指令を入力することにより開始する。処理部110Aは、当該開始指令を受けると、発光指令を生成して、光発生部120Aへ送る。
【0074】
当該発光指令を受けた光発生部120Aでは、個別光発生部121A1が波長λ1のビーム光を射出し、個別光発生部121A2が波長λ2のビーム光を射出する。また、個別光発生部121A3が波長λ3のビーム光を射出する(図3参照)。こうして射出された互いに交差し直交するビーム光BLj(j=1,2,3)のそれぞれは、人体HBの手等の部位により遮断されない限り、第1光検出部130A又は床面FLへ向けて進行する。なお、本第1実施形態では、ビーム光BLjのそれぞれは、第1検出部130A及び第2光検出部140Aに到達するものとして説明する。
【0075】
また、処理部110Aは、当該発光指令の発行と並行して、不透過設定指令を生成し、第1光検出部130Aの報告部135Aを介して、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のそれぞれへ送る。当該不透過設定指令を受けた第1個別光検出部131Akのそれぞれでは、光の到達の検出が可能な不透過設定となる。
【0076】
不透過設定時に第1光検出部130Aが、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれから射出されたビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Aへ送る。
【0077】
処理部110Aは、こうして第1光検出部130Aからの検出結果を受けると、透過設定指令を生成し、報告部135Aを介して、第1個別光検出部131Akのそれぞれへ送る。当該透過設定指令を受けた第1個別光検出部131Akのそれぞれでは、光の透過を行う透過設定となる。
【0078】
こうして第1個別光検出部131Akのそれぞれが透過設定となると、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれから射出されたビーム光は、進行方向及びビーム径をほぼ維持しつつ、第1光検出部130Aを透過する。そして、第1光検出部130Aを透過したビーム光は、第2光検出部140Aへ向けて直進する。
【0079】
第2光検出部140Aは、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出され、第1光検出部130Aを透過したビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Aへ送る。
【0080】
次いで、処理部110Aは、頭部HPの位置及び姿勢を特定するために、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、波長λj(j=1,2,3)のビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Aは、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が、波長λjのビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。
【0081】
ここで、波長λ1のビーム光を検出した第1及び第2個別検出部の配置位置を、それぞれPI1,PO1とし、波長λ2のビーム光を検出した第1及び第2個別検出部の配置位置を、それぞれPI2,PO2とする。また、波長λ3のビーム光を検出した第1及び第2個別検出部の配置位置を、それぞれPI3,PO3とする(図10参照)。
【0082】
引き続き、処理部110Aは、点PI1,PO1を通る直線L1、点PI2,PO2を通る直線L2、及び、点PI3,PO3を通る直線L3を求める。そして、処理部110Aは、直線L1〜L3の交点を頭部HP(より詳しくは、前額部)の位置と特定する。なお、検出誤差等により交点の位置が求まらないときには、処理部110Aは、最小二乗法により3つの直線から最も近い点を頭部の位置と特定する。
【0083】
また、処理部110Aは、点PI1から点PO1へ向う直線L1の方向、点PI2から点PO2へ向う直線L2の方向、及び、点PI3から点PO3へ向う直線L3の方向を求める。そして、処理部110Aは、これらの方向及び光検出部120Aの頭部HPにおける装着位置に基づいて、頭部HPの姿勢を特定する。
【0084】
以後、処理部110Aは、上述した発光指令の発行処理、姿勢検出処理である頭部HPの位置及び姿勢の特定処理を所定時間ごとに行う。そして、処理部110Aは、検出された位置及び姿勢の時間変化に基づいて、姿勢変化の態様を導出する。処理部110Aは、姿勢検出処理の結果や、姿勢変化態様の導出結果を、表示部160に表示させる。
【0085】
以上説明したように、本第1実施形態では、処理部110Aが、発光指令を生成して光発生部120Aへ発行すると、頭部HPに装着された個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれが、互いに交差し直交する方向の波長λjのビーム光を射出する。また、処理部110Aは、当該発光指令の発行と並行して、不透過設定指令を生成し、第1光検出部130Aへ送る。そして、第1光検出部130Aが、不透過設定時に、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出されたビーム光の到達を検出すると、検出結果が処理部110Aへ送られる。
【0086】
処理部110Aは、第1光検出部130Aからの検出結果を受けると、透過設定指令を生成し、第1光検出部130Aへ送る。こうして第1光検出部130が透過設定となると、個別光発生部121Ajから射出されたビーム光は、進行方向及びビーム径をほぼ維持しつつ、第1光検出部130Aを透過し、第2光検出部140Aへ向けて進行する。そして、第2光検出部140Aが、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出されたビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Aへ送る。
【0087】
引き続き、処理部110Aは、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、波長λj(j=1,2,3)のビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Aは、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が、波長λjのビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。そして、処理部110Aは、当該取得結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。このため、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)が射出したビーム光の到達を、いずれの第1及び第2個別光検出部が検出したかという簡易な方向で、頭部HPの位置及び姿勢の特定を行うことができる。
【0088】
そして、処理部110Aは、位置及び姿勢の特定結果の時間的変化を解析して、人体HBの姿勢変化の態様を導出する。
【0089】
したがって、本第1実施形態によれば、被検体である人体HBの各時点における姿勢を、簡易に、かつ、精度良く検出することができる。そして、検出された各時点の姿勢の時間変化に基づいて、人体HBの姿勢変化の態様を導出することができる。
【0090】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図11〜図14を主に参照して説明する。
【0091】
<構成>
図11には、第2実施形態に係る姿勢検出装置100Bの概略的な構成がブロック図にて示されている。この図11に示されるように、姿勢検出装置100Bは、上述した姿勢検出装置100Aと比べて、処理部110Aに代えて処理部110Bを備える点、及び、第1光検出部130Aに代えて第1光検出部130Bを備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
【0092】
上記の処理部110Bは、姿勢検出に関するデータ処理等を行う。この処理部110Bは、上述した処理部110Aと同様に、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路から構成されている。処理部110Bによる処理の詳細については、後述する。
【0093】
上記の第1光検出部130Bは、図12に示されるように、上述した第1光検出部130Aと比べて、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)に代えて第1個別光検出部131Bkを備える点、及び、報告部135Aに代えて報告部135Bを備える点が異なっている。
【0094】
上記の第1個別光検出部131Bk(k=1,2,…,K)のそれぞれは、図13に示されるように、上述した第1個別光検出部131Akと比べて、シャッター部材137Akに代えて個別光振分手段としての振分部材137Bkを備える点が異なっている。なお、座標系(s,t,u)は、図示の通りに定義されている。
【0095】
上記の振分部材137Bkは、枠部材136kの内部空間に収納され、接着剤等により、枠部材136kの内面に固定される。この振分部材137Bkは、光散乱導光ポリマを材料として構成され、第1個別光検出部131Bkに入射した光の一部を通過させる多数の孔が成形加工により形成されている。ここで、図14(A)は振分部材137Bkを拡大したst平面図である。また、図14(B)は、図14(A)に示した領域HARの斜視図である。そして、図14(A),(B)に示した線分B−Bを含む断面図が、図14(C)に示されている。こうして成形加工された振分部材137Bkは、ビーム光が入射すると、入射光を、当該ビーム光の進行方向を維持しつつ孔を通過する一部と、光散乱導光ポリマ内へ入射し、光散乱導光ポリマにより散乱される他の一部とに振り分ける。当該他の一部の光は、光散乱導光ポリマによる散乱の結果、相当量が第1個別受光部138Akに導光される(図14(C)参照)。
【0096】
なお、振分部材137Bkに形成される孔の径は、光の回折現象が起こらない程度の大きさであり、約2ミリメートル程度となっている。また、第1個別受光部138Akは、光の強度が所定値以上のときに、第1個別光検出部131Bkへの光の到達を検出するようになっている。
【0097】
上記の処理部110Bは、姿勢検出装置100Bにおける検出動作を制御するとともに、第1光検出部130B及び第2光検出部140Aからの検出結果に基づく解析処理を行う。処理部110Bは、上述した処理部110Aと同様に、姿勢変化の解析処理のための操作案内画像を表示部160に表示させる。そして、操作部150から解析の開始指令が入力されると、処理部110Bは、位置及び姿勢変化の解析処理を開始し、発光指令を生成して光発生部120Aへ送る。
【0098】
また、処理部110Bは、上述した処理部110Aと同様に、所定時間ごとに、第1光検出部130B及び第2光検出部140Aからの検出結果を受け、当該検出結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。そして、処理部110Bは、所定時間ごとの特定結果の時間的変化に基づいて、頭部HPの姿勢変化の態様を導出する。なお、本第2実施形態においても、上述した発光指令は、所定時間ごとに光発生部120Aへ向けて送るものとする。
【0099】
また、処理部110Bは、上述した処理部110Aと同様に、人体HBの姿勢変化態様の導出結果から、表示部160に表示させるための表示信号を生成して、表示部160へ送る。
【0100】
<動作>
以上のようにして構成された姿勢検出装置100Bの動作について、頭部HPの姿勢検出処理に主に着目して説明する。
【0101】
この姿勢検出処理は、第1実施形態の場合と同様に、利用者が操作部150に、姿勢検出の開始指令を入力することにより開始する。処理部110Bは、当該開始指令を受けると、発光指令を生成して、光発生部120Aへ送る。
【0102】
当該発光指令を受けた光発生部120Aでは、第1実施形態の場合と同様に、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれが、波長λjのビーム光を射出する(図3参照)。こうして射出された互いに交差し直交するビーム光BLjのそれぞれは、人体HBの手等の部位により遮断されない限り、第1光検出部130B又は床面FLへ向けて進行する。
【0103】
第1光検出部130Bは、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出されたビーム光を、当該ビーム光の進行方向を維持しつつ孔を通過する一部と、光散乱導光ポリマ内へ入射し、光散乱導光ポリマにより散乱される他の一部とに振り分ける。当該一部の光は、ビーム光の進行方向を維持しつつ第1光検出部130Bを通過し、当該他の一部の光は、光散乱導光ポリマによる散乱の結果、相当量が第1光検出部130Bにより検出される。そして、第2光検出部140Aは、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出され、第1光検出部130Bを通過したビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Bへ送る。
【0104】
処理部110Bは、頭部HPの位置及び姿勢を特定するために、第1実施形態の場合と同様に、第1個別光検出部131Bk(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、波長λj(j=1,2,3)のビーム光の到達を検出したかという検出結果から、当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Bは、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が波長λjのビーム光の到達を検出したかという検出結果から、当該個別検出部の位置情報を取得する。
【0105】
引き続き、処理部110Bは、上述した位置及び姿勢の特定方法と同様の方法で、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。
【0106】
以後、処理部110Bは、上述した発光指令の発行処理、姿勢検出処理である頭部HPの位置及び姿勢の特定処理を所定時間ごとに行う。そして、処理部110Bは、第1実施形態の場合と同様に、検出された位置及び姿勢の時間変化に基づいて、姿勢変化の態様を導出する。また、処理部110Bは、姿勢検出処理の結果や、姿勢変化態様の導出結果を、表示部160に表示させる。
【0107】
以上説明したように、本第2実施形態では、処理部110Bが、発光指令を生成して光発生部120Aへ発行すると、頭部HPに装着された個別光発生部121Aj(j=1,2,3)のそれぞれが、互いに交差し直交する方向の波長λjのビーム光を射出する。そして、第1光検出部130Bが、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出されたビーム光を、当該ビーム光の進行方向を維持しつつ孔を通過する一部と、光散乱導光ポリマ内へ入射し、光散乱導光ポリマにより散乱される他の一部とに振り分ける。当該一部の光は、ビーム光の進行方向を維持しつつ第1光検出部130Bを通過し、当該他の一部の光は、光散乱導光ポリマによる散乱の結果、相当量が第1光検出部130Bにより検出される。そして、第2光検出部140Aは、個別光発生部121Ajのそれぞれから射出され、第1光検出部130Bを通過したビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Bへ送る。
【0108】
引き続き、処理部110Bは、第1個別光検出部131Bk(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、波長λj(j=1,2,3)のビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Bは、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が、波長λjのビーム光の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。そして、処理部110Bは、当該取得結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。このため、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)が射出したビーム光の到達を、いずれの第1及び第2個別光検出部が検出したかという簡易な方向で、頭部HPの位置及び姿勢の特定を行うことができる。
【0109】
そして、処理部110Bは、位置及び姿勢の特定結果の時間的変化を解析して、人体HBの姿勢変化の態様を導出する。
【0110】
したがって、本第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、被検体である人体HBの各時点における姿勢を、簡易に、かつ、精度良く検出することができる。そして、検出された各時点の姿勢の時間変化に基づいて、人体HBの姿勢変化の態様を導出することができる。
【0111】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を、図15〜図18を主に参照して説明する。
【0112】
<構成>
図15には、第3実施形態に係る姿勢検出装置100Cの概略的な構成がブロック図にて示されている。この図15に示されるように、姿勢検出装置100Cは、上述した姿勢検出装置100Aと比べて、処理部110Aに代えて処理部110Cを備える点、光発生部120Aに代えて光発生部120Cを備える点、第1光検出部130Aに代えて第1光検出部130Cを備える点、及び、第2光検出部140Aに代えて第2光検出部140Cを備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
【0113】
上記の処理部110Cは、姿勢検出に関するデータ処理等を行う。この処理部110Cは、上述した処理部110Aと同様に、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路から構成されている。処理部110Cによる処理の詳細については、後述する。
【0114】
上記の光発生部120Cは、上述した光発生部120Aに比べて、個別光発生部121Aj(j=1,2,3)に代えて、3個の個別光発生手段としての個別光発生部121C1,121C2,121C3を備える点が異なっている。上記の個別光発生部121Cj(j=1,2,3)のそれぞれは、図16に示されるように、共に波長λのビーム光BLjを射出する。この結果、個別光発生部121C1,121C2,121C3から射出されるビーム光BLjは、共に波長λを有するようになっている。
【0115】
ここで、個別光発生部121C1,121C2,121C3は、処理部110Cからの発光指令に応答して発光を行い、処理部110Cからの発光停止指令に応答して発光停止を行う。なお、処理部110Cは、個別光発生部121C1,121C2,121C3のいずれか1個の個別光発生部を選択的に発光させるように、発光指令及び発光停止指令を発行するようになっている。
【0116】
上記の第1光検出部130Cは、上述した第1光検出部130Aに比べて、第1個別光検出部131Ak(k=1,2,…,K)に代えて、図17に示されるように構成されたK個の第1個別光検出手段としての第1個別光検出部131C1,131C2,…,131CKを備える点が異なっている。この図17に示されるように、第1個別光検出部131Ckは、第1個別光検出部131Akと比べて、3種の光検出器139k,1,139k,2,139k,3を備える第1個別受光部138Akに代えて、1種の光検出器139kを備える第1個別受光部138Ckを備える点が異なっている。
【0117】
ここで、光検出器139kは、例えば、波長λの光を選択的に通過させる波長フィルタと、受光素子とを備えて構成され、個別光発生部121C1,121C2,121C3が発生する波長λの光の到達を検出する。
【0118】
上記の第2光検出部140Cは、上述した第2光検出部140Aに比べて、第2個別光検出部141Ap(p=1,2,…,P)に代えて、図18に示されるように構成されたP個の第2個別光検出手段としての第2個別光検出部141C1,141C2,…,141CPを備える点が異なっている。この図18に示されるように、第2個別光検出部141Cpは、第2個別光検出部141Apと比べて、3種の光検出器149p,1,149p,2,149p,3を備える第2個別受光部148Apに代えて、1種の光検出器149pを備える第1個別受光部148Cpを備える点が異なっている。
【0119】
ここで、光検出器149pは、波長λの光を選択的に通過させる波長フィルタと、受光素子とを備えて構成され、個別光発生部121C1,121C2,121C3が発生する波長λの光の到達を検出する。
【0120】
上記の処理部110Cは、姿勢検出装置100Cにおける検出動作を制御するとともに、第1光検出部130C及び第2光検出部140Cからの検出結果に基づく解析処理を行う。処理部110Cは、上述した処理部110Aと同様に、姿勢変化の解析処理のための操作案内画像を表示部160に表示させる。そして、操作部150から解析の開始指令が入力されると、処理部110Cは、姿勢変化の解析処理を開始し、発光指令又は発光停止指令を生成して光発生部120Cへ送る。
【0121】
ここで、処理部110Cが発行する発光指令及び発行停止指令は、上述したように、個別光発生部121C1,121C2,121C3のいずれか1個の個別光発生部を選択的に発光させるようになっている。
【0122】
また、処理部110Cは、頭部HPの各時点における位置及び姿勢を導出するために、第1個別光検出部131Ck(k=1,2,…,K)のそれぞれに対して、光発生部120Cから射出される光の透過及び不透過の設定指令を、切り替えて送る。
【0123】
そして、処理部110Cは、上述した処理部110Aと同様に、所定時間ごとに、第1光検出部130C及び第2光検出部140Cからの検出結果を受け、当該検出結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。そして、処理部110Cは、所定時間ごとの特定結果の時間的変化に基づいて、頭部HPの姿勢変化の態様を導出する。
【0124】
また、処理部110Cは、上述した処理部110Aと同様に、人体HBの姿勢変化態様の導出結果から、表示部160に表示させるための表示信号を生成して、表示部160へ送る。
【0125】
<動作>
以上のようにして構成された姿勢検出装置100Cの動作について、頭部HPの姿勢検出処理に主に着目して説明する。
【0126】
この姿勢検出処理は、第1実施形態の場合と同様に、利用者が操作部150に、姿勢検出の開始指令を入力することにより開始する。処理部110Cは、当該開始指令を受けると、発光指令を生成して光発生部120Cの個別光発生部121C1へ送るとともに、不透過設定指令を生成して、第1個別光検出部131Ck(k=1,2,…,K)のそれぞれへ送る。
【0127】
発光指令を受けた個別光発生部121C1は、波長λのビーム光を射出する。そして、不透過設定時の第1光検出部130Cが、個別光発生部121C1から射出されたビーム光の到達を検出すると、検出結果を処理部110Cへ送る。
【0128】
処理部110Cは、こうして第1光検出部130Cからの検出結果を受けると、透過設定指令を生成し、第1個別光検出部131Ckのそれぞれへ送る。当該透過設定指令を受けた第1個別光検出部131Ckのそれぞれでは、光の透過を行う透過設定となる。そして、第2光検出部140Cが、個別光発生部121C1から射出され、第1光検出部130Cを透過したビーム光の到達を検出すると、検出結果が処理部110Cへ送られる。
【0129】
引き続き、処理部110Cは、個別光発生部121C2から射出される光を検出するための処理を行う。かかる処理に際して、処理部110Cは、不透過設定指令を生成して第1個別光検出部131Ckのそれぞれへ送るとともに、発光指令を生成して個別光発生部121C2へ送る。そして、処理部110Cは、第1光検出部130Cからのビーム光の検出結果を受けると、透過設定指令を生成して第1個別光検出部131Ckのそれぞれへ送る。
【0130】
この後、処理部110Cは、第2光検出部140Cからのビーム光の検出結果を受けると、引き続き、個別光発生部121C3から射出される光を検出するための処理を行う。かかる処理に際して、処理部110Cは、不透過設定指令を第1個別光検出部131Ckのそれぞれへ送るとともに、発光指令を個別光発生部121C3へ送る。そして、処理部110Cは、第1光検出部130Cからのビーム光の検出結果を受けると、透過設定指令を個別光検出部131Ckのそれぞれへ送る。この後、第2光検出部140Cが、個別光発生部121C3から射出され、第1光検出部130Cを透過したビーム光の到達を検出すると、検出結果が処理部110Cへ送られる。
【0131】
処理部110Cは、頭部HPの位置及び姿勢を特定するために、第1個別光検出部131Ck(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、ビーム光BLj(j=1,2,3)の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Cは、第2個別光検出部141Cp(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が、ビーム光BLjの到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。
【0132】
そして、処理部110Cは、上述した位置及び姿勢の特定方法と同様の方法で、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。
【0133】
以後、処理部110Cは、上述した発光指令及び発行停止指令の発行処理、姿勢検出処理である頭部HPの位置及び姿勢の特定処理を所定時間ごとに行う。そして、処理部110Cは、第1実施形態の場合と同様に、検出された位置及び姿勢の時間変化に基づいて、姿勢変化の態様を導出する。また、処理部110Cは、姿勢検出処理の結果や、姿勢変化態様の導出結果を、表示部160に表示させる。
【0134】
以上説明したように、本第3実施形態では、処理部110Cが、順次、選択的に異なる個別光発生部からビーム光が射出されるように発光指令及び発光停止指令を生成して各個別光発生部へ送る。また、処理部110Cは、第1光検出部130C及び第2光検出部140Cの両方の検出部からのビーム光の到達検出結果を得るため、透過設定指令及び不透過設定指令を生成して、第1光検出部130Cへ送る。
【0135】
引き続き、処理部110Cは、第1個別光検出部131Ck(k=1,2,…,K)のうちのいずれの第1個別光検出部が、ビーム光BLj(j=1,2,3)の到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。また、処理部110Cは、第2個別光検出部141Cp(p=1,2,…,P)のうちのいずれの第2個別光検出部が、ビーム光BLjの到達を検出したかという検出結果から当該個別検出部の位置情報を取得する。そして、処理部110Cは、当該取得結果に基づいて、頭部HPの位置及び姿勢を特定する。このため、個別光発生部121Cj(j=1,2,3)が射出したビーム光の到達を、いずれの第1及び第2個別光検出部が検出したかという簡易な方向で、頭部HPの位置及び姿勢の特定を行うことができる。
【0136】
そして、処理部110Cは、位置及び姿勢の特定結果の時間的変化を解析して、人体HBの姿勢変化の態様を導出する。
【0137】
したがって、本第3実施形態によれば、上述した第1及び第2実施形態と同様に、被検体である人体HBの各時点における姿勢を、簡易に、かつ、精度良く検出することができる。そして、検出された各時点の姿勢の時間変化に基づいて、人体HBの姿勢変化の態様を導出することができる。
【0138】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0139】
例えば、第2実施形態においては、波長の異なる3種のビーム光を検出するため、第1及び第2個別光検出部は3種の光検出器を備えることとした。これに対して、第2実施形態において、光発生部を第3実施形態と同様の構成を採用し、個別光発生部のそれぞれが単一の波長のビーム光を射出し、第1及び第2個別光検出部のそれぞれが1種の光検出器を備えるようにしてもよい。この場合には、処理部は、第3実施形態の場合と同様に、順次、選択的に異なる個別光発生部からビーム光が射出されるように発光指令及び発光停止指令を生成して各個別光発生部へ送ることになる。
【0140】
また、上記の第1〜第3実施形態では、頭部の姿勢を検出するために光発生部を前額部に装着することとしたが、光発生部の装着位置は、頭頂部、左側頭部、右側頭部のいずれであってもよく、また、前額部を含む複数の部分に光発生部を装着するようにしてもよい。
【0141】
また、上記の第1〜第3実施形態では、頭部の姿勢を検出することとしたが、肩等、他の部位の姿勢を検出するようにしてもよい。例えば、肩の姿勢を検出するためには、両肩部における前面及び側面の少なくとも1つの位置に、光検出部を装着するようにすればよい。
【0142】
また、上記の第1〜第3実施形態では、光発生部は3個の個別光発生部を備えることとしたが、個別光発生部の数は、2個又は4個以上であってもよい。
【0143】
また、上記の第1〜第3実施形態では、光発生部が備える3個の個別光発生部は、互いに交差し直交するビーム光を射出することとしたが、特定部位の形状等を考慮して、個別光発生部から射出されるビーム光の方向のなす角を、予め定められた任意の角度とするようにしてもよい。
【0144】
また、上記の第1〜第3実施形態では、第1及び第2光検出部の形状を、図2及び図5(A),(B)に示されるように立方体形状としたが、例えは、図19(A),(B)に示されるように、第1及び第2光検出部の形状を半球型のドーム形状にしてもよい。
【0145】
また、第1光検出部の構成は、半導体素子を用いた検出器や光電効果を利用した検出器等、個別光発生部から発せられた光の到達の検出、及び/又は、個別光発生部から発せられた光の透過を行うものであれば、任意の構成とすることができる。
【0146】
また、上記の第1〜第3実施形態では、第2個別光検出部を、枠部材と、光拡散部材とを備えて構成したが、入射したシート状光の少なくとも一部を第2個別受光部へ導光できる構成であれば、任意の構成とすることができる。
【0147】
また、上記の第1〜第3実施形態においては、人体の姿勢を検出する姿勢検出装置に本発明を適用したが、ロボットなどの運動体の姿勢を検出する姿勢検出装置にも本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
以上説明したように、本発明の姿勢検出装置は、被検体の姿勢を検出する姿勢検出装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0149】
100A,100B,100C…姿勢検出装置、110A,110B,110C…処理部(特定手段、解析手段)、120A,120C…光発生部、121A1〜121A3,121C1〜121C3…個別光発生部(個別光発生手段)、130A,130B,130C…第1光検出部(第1光検出手段)、131A1〜131AK,131B1〜131BK,131C1〜131CK…第1個別光検出部(第1個別光検出手段)、135A,135B…報告部、136k…枠部材、137Ak……シャッター部材(シャッター手段)、137Bk…振分部材(個別光振分手段)、138Ak,138Ck…第1個別受光部(第1個別受光手段)、139k,1,139k,2,139k,3,139k…光検出器、140A,140C…第2光検出部(第2光検出手段)、141A1〜141AP,141C1〜141CP…第2個別光検出部(第2個別光検出手段)、145…報告部、146p…枠部材(個別導光手段の一部)、147p…光拡散部材(個別導光手段の一部)、148Ap,148Cp…第2個別受光部(第2個別受光手段)、149p,1,149p,2,149p,3,149p,…光検出器、150…操作部、160…表示部、HP…頭部、HB…人体(被検体)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節機構を介して、個別部位が順次接続され、複数の前記個別部位には、隣接部位に対して、姿勢変化が可能な特定部位が含まれる被検体が所定空間内に存在している場合において、前記被検体の姿勢を検出する姿勢検出装置であって、
前記特定部位における少なくとも1つの所定位置に装着され、互いに交差する異なる方向のビーム光を射出する少なくとも2つの個別光発生手段と;
前記被検体の外側に配設され、前記個別光発生手段から発せられた光の到達の検出、及び/又は、前記個別光発生手段から発せられた光の通過又は透過のいずれかを行う第1光検出手段と;
前記第1光検出手段の外側に配設され、前記個別光発生手段から発せられ、前記第1光検出手段を通過又は透過した光の到達を検出する第2光検出手段と;
前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記特定部位の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定する特定手段と;
を備えることを特徴とする姿勢検出装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つの個別光発生手段から射出されるビーム光の方向は互いに直交する、ことを特徴とする請求項1に記載の姿勢検出装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの個別光発生手段から射出されるビーム光の方向のなす角は、予め定められた角度である、ことを特徴とする請求項1に記載の姿勢検出装置。
【請求項4】
前記特定部位には、3つの個別光発生手段が装着される、ことを特徴とする請求項2に記載の姿勢検出装置。
【請求項5】
前記特定手段は、前記少なくとも2つのビーム光のそれぞれについて前記第1及び第2光検出手段における検出位置に基づいて、前記少なくとも2つのビーム光のそれぞれについて前記第1及び第2光検出手段における検出位置を結ぶ直線の交差位置を導出して前記所定空間内における前記特定部位の位置を特定するとともに、前記少なくとも2つのビーム光の方向を導出して前記特定部位の姿勢を特定する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項6】
前記個別光発生手段のそれぞれは、異なる波長の光を射出し、
前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、
前記第1個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第1個別受光手段と;
前記個別光発生手段からの光の透過及び不透過のいずれかの設定を、前記特定手段による制御のもとで行い、透過設定時には、前記個別光発生手段からの光を透過させるとともに、不透過設定時には、前記個別光発生手段からの光の一部を、前記第1個別受光手段のそれぞれへ導光するシャッター手段と;を備え、
前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、
前記第2個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第2個別受光手段と;
前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段のそれぞれへ導光する個別導光手段と;を備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項7】
前記個別光発生手段のそれぞれは、異なる波長の光を射出し、
前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、
前記第1個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第1個別受光手段と;
前記個別光発生手段からの光の一部を通過させるとともに、他の一部を前記第1個別受光手段のそれぞれへ導光する個別光振分手段と;を備え、
前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、
前記第2個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第2個別受光手段と;
前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段のそれぞれへ導光する個別導光手段と;を備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項8】
前記特定手段は、前記少なくとも2つの個別光発生手段から、順次、選択的に前記異なる方向のビーム光が射出されるように前記個別光発生手段を制御し、
前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、
前記第1個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段が射出する光を検出する第1個別受光手段と;
前記個別光発生手段からの光の透過及び不透過のいずれかの設定を、前記特定手段による制御のもとで行い、透過設定時には、前記個別光発生手段からの光を透過させるとともに、不透過設定時には、前記個別光発生手段からの光の一部を、前記第1個別受光手段へ導光するシャッター手段と;を備え、
前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、
前記第2個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段が射出する光を検出する第2個別受光手段と;
前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段へ導光する個別導光手段と;を備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項9】
前記特定手段は、前記少なくとも2つの個別光発生手段から、順次、選択的に前記異なる方向のビーム光が射出されるように前記個別光発生手段を制御し、
前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、
前記第1個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段が射出する光を検出する第1個別受光手段と;
前記個別光発生手段からの光の一部を通過させるとともに、他の一部を前記第1個別受光手段へ導光する個別光振分手段と;を備え、
前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、
前記第2個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段が射出する光を検出する第2個別受光手段と;
前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段へ導光する個別導光手段と;を備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項10】
前記第1及び第2検出手段は、被検体の全天にわたって配置される、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項11】
前記特定部位は複数である、ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項12】
前記被検体は人体である、ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項13】
前記個別光発生手段の装着位置は、頭部における頭頂部、前額部及び両側頭部の少なくとも1つの所定位置であり、
前記特定手段は、前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記頭部の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定する、
ことを特徴とする請求項12に記載の姿勢検出装置。
【請求項14】
前記個別光発生手段の装着位置は、両肩部における前面及び側面の少なくとも1つの所定位置であり、
前記特定手段は、前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記両肩部の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定する、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の姿勢検出装置。
【請求項15】
前記特定手段による特定結果の時間的変化を解析して、前記被検体の姿勢変化の態様を導出する導出手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項1】
関節機構を介して、個別部位が順次接続され、複数の前記個別部位には、隣接部位に対して、姿勢変化が可能な特定部位が含まれる被検体が所定空間内に存在している場合において、前記被検体の姿勢を検出する姿勢検出装置であって、
前記特定部位における少なくとも1つの所定位置に装着され、互いに交差する異なる方向のビーム光を射出する少なくとも2つの個別光発生手段と;
前記被検体の外側に配設され、前記個別光発生手段から発せられた光の到達の検出、及び/又は、前記個別光発生手段から発せられた光の通過又は透過のいずれかを行う第1光検出手段と;
前記第1光検出手段の外側に配設され、前記個別光発生手段から発せられ、前記第1光検出手段を通過又は透過した光の到達を検出する第2光検出手段と;
前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記特定部位の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定する特定手段と;
を備えることを特徴とする姿勢検出装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つの個別光発生手段から射出されるビーム光の方向は互いに直交する、ことを特徴とする請求項1に記載の姿勢検出装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの個別光発生手段から射出されるビーム光の方向のなす角は、予め定められた角度である、ことを特徴とする請求項1に記載の姿勢検出装置。
【請求項4】
前記特定部位には、3つの個別光発生手段が装着される、ことを特徴とする請求項2に記載の姿勢検出装置。
【請求項5】
前記特定手段は、前記少なくとも2つのビーム光のそれぞれについて前記第1及び第2光検出手段における検出位置に基づいて、前記少なくとも2つのビーム光のそれぞれについて前記第1及び第2光検出手段における検出位置を結ぶ直線の交差位置を導出して前記所定空間内における前記特定部位の位置を特定するとともに、前記少なくとも2つのビーム光の方向を導出して前記特定部位の姿勢を特定する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項6】
前記個別光発生手段のそれぞれは、異なる波長の光を射出し、
前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、
前記第1個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第1個別受光手段と;
前記個別光発生手段からの光の透過及び不透過のいずれかの設定を、前記特定手段による制御のもとで行い、透過設定時には、前記個別光発生手段からの光を透過させるとともに、不透過設定時には、前記個別光発生手段からの光の一部を、前記第1個別受光手段のそれぞれへ導光するシャッター手段と;を備え、
前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、
前記第2個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第2個別受光手段と;
前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段のそれぞれへ導光する個別導光手段と;を備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項7】
前記個別光発生手段のそれぞれは、異なる波長の光を射出し、
前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、
前記第1個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第1個別受光手段と;
前記個別光発生手段からの光の一部を通過させるとともに、他の一部を前記第1個別受光手段のそれぞれへ導光する個別光振分手段と;を備え、
前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、
前記第2個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段のそれぞれに対応して配置され、対応する個別光発生手段が射出する波長の光を検出する第2個別受光手段と;
前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段のそれぞれへ導光する個別導光手段と;を備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項8】
前記特定手段は、前記少なくとも2つの個別光発生手段から、順次、選択的に前記異なる方向のビーム光が射出されるように前記個別光発生手段を制御し、
前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、
前記第1個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段が射出する光を検出する第1個別受光手段と;
前記個別光発生手段からの光の透過及び不透過のいずれかの設定を、前記特定手段による制御のもとで行い、透過設定時には、前記個別光発生手段からの光を透過させるとともに、不透過設定時には、前記個別光発生手段からの光の一部を、前記第1個別受光手段へ導光するシャッター手段と;を備え、
前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、
前記第2個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段が射出する光を検出する第2個別受光手段と;
前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段へ導光する個別導光手段と;を備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項9】
前記特定手段は、前記少なくとも2つの個別光発生手段から、順次、選択的に前記異なる方向のビーム光が射出されるように前記個別光発生手段を制御し、
前記第1光検出手段は、複数の第1個別光検出手段を備え、
前記第1個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段が射出する光を検出する第1個別受光手段と;
前記個別光発生手段からの光の一部を通過させるとともに、他の一部を前記第1個別受光手段へ導光する個別光振分手段と;を備え、
前記第2光検出手段は、複数の第2個別光検出手段を備え、
前記第2個別光検出手段のそれぞれは、
前記個別光発生手段が射出する光を検出する第2個別受光手段と;
前記第1個別光検出手段を透過した光の一部を、前記第2個別受光手段へ導光する個別導光手段と;を備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項10】
前記第1及び第2検出手段は、被検体の全天にわたって配置される、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項11】
前記特定部位は複数である、ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項12】
前記被検体は人体である、ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【請求項13】
前記個別光発生手段の装着位置は、頭部における頭頂部、前額部及び両側頭部の少なくとも1つの所定位置であり、
前記特定手段は、前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記頭部の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定する、
ことを特徴とする請求項12に記載の姿勢検出装置。
【請求項14】
前記個別光発生手段の装着位置は、両肩部における前面及び側面の少なくとも1つの所定位置であり、
前記特定手段は、前記第1及び第2光検出手段による検出結果に基づいて、前記両肩部の前記所定空間内における位置及び姿勢を特定する、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の姿勢検出装置。
【請求項15】
前記特定手段による特定結果の時間的変化を解析して、前記被検体の姿勢変化の態様を導出する導出手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の姿勢検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−208981(P2011−208981A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74611(P2010−74611)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(502265286)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(502265286)
【Fターム(参考)】
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