説明

媒体処理装置

【課題】簡易な構成で、媒体収納部内でのカードの適切な搬送を行って、カードの適切な回収および/または発行を行うことが可能な媒体処理装置を提供すること。
【解決手段】媒体処理装置は、搬送路6と、搬送路6を搬送されるカード2が積層、収納される媒体収納部21と、媒体収納部21に積層されるカード2に当接する当接部材48を有し当接部材48に当接するカード2を一方向へ押圧する押圧機構26と、押圧機構26で押圧されるカード2または当接部材48に当接可能なカム面28aが外周側に形成されカード2の搬送方向に略直交する方向を回転軸59の軸方向として回転する偏心カム28とを備えている。カム面28aは、偏心カム28の回転に伴って、カード2の積層方向に当接部材48を移動させるとともに、搬送路6から媒体収納部21へ搬入されるカード2および/または媒体収納部21から搬送路6へ搬出されるカード2の搬送を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード状記憶媒体の回収動作、発行動作、あるいは回収発行動作を行う媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カード状記憶媒体である磁気カード等のカードの発行動作および回収動作を行うカード発行回収装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のカード発行回収装置は、所定枚数のカードが積層状態で収納されるカード収納部と、カード収納部の下方に配置されカード収納部に対するカードの搬入および搬出を行うカード搬送部とを備えている。
【0003】
また、このカード発行回収装置は、カード収納部の積層されたカードの最下位に新たなカードを回収し、あるいは、積層されたカードの最下位のカードを発行するために、積層されたカードを上方へ持ち上げるカム機構を備えている。このカム機構は、カード収納部の両側面に配置された2枚のカム板を備えている。そして、この2枚のカム板によって、カードの短手方向の両端部分を持ち上げることで、カム機構は、カード収納部内の最下位のカードの回収発行を可能にしている。
【0004】
なお、このカード発行回収装置では、カード搬送部が、カード収納部の下側に配置された搬送ベルトを備えている。カード収納部の下方でカードを適切に搬送するため、この搬送ベルトには、バキューム機構が装着され、搬送ベルトに形成された無数の孔を介して、カードが搬送ベルトに吸着されている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−203739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のカード発行回収装置では、カードの発行時および回収時に、カム機構によって、カード収納部の積層されたカードが持ち上げられている。そのため、カード収納部内でカードを搬送する搬送ベルトにバキューム機構が装着されていないと、カードの搬送力が低下して、カードを適切に搬送することができない。すなわち、特許文献1に記載のカード発行回収装置では、バキューム機構のような複雑な構成を用いないと、カード収納部内でカードを適切に搬送することができず、その結果、カードの適切な発行、回収を行うことができない。
【0007】
そこで、本発明の課題は、簡易な構成で、媒体収納部内でのカード状記憶媒体の適切な搬送を行って、カード状記憶媒体の適切な回収および/または発行を行うことが可能な媒体処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の媒体処理装置は、カード状記憶媒体が搬送される搬送路と、搬送路を搬送されるカード状記憶媒体が積層されて収納される媒体収納部と、媒体収納部の内部に積層されるカード状記憶媒体に当接する当接部材を有し、当接部材に当接するカード状記憶媒体を一方向へ押圧する押圧機構と、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材に当接可能なカム面が外周側に形成され、カード状記憶媒体の搬送方向に略直交する方向を回転軸の軸方向として回転する偏心カムとを備え、カム面は、偏心カムの回転に伴って、カード状記憶媒体の積層方向に少なくとも当接部材を移動させるとともに、搬送路から媒体収納部へ搬入されるカード状記憶媒体および/または媒体収納部から搬送路へ搬出されるカード状記憶媒体の搬送を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明の媒体処理装置では、カム面が、偏心カムの回転に伴って、カード状記憶媒体の積層方向に少なくとも当接部材を移動させている。すなわち、偏心カムの回転に伴って、カム面は、媒体収納部にカード状記憶媒体が収納されている場合には、収納されたカード状記憶媒体および当接部材を積層方向に移動させ、媒体収納部にカード状記憶媒体が収納されていない場合には、当接部材を積層方向に移動させている。そのため、媒体収納部内の、たとえば、最下位あるいは最上位へのカード状記憶媒体の回収等が可能になる。また、本発明の媒体処理装置では、カム面が、偏心カムの回転に伴って、搬送路から媒体収納部へ搬入されるカード状記憶媒体および/または媒体収納部から搬送路へ搬出されるカード状記憶媒体の搬送を行っている。そのため、本発明では、偏心カムを用いた簡易な構成で、媒体収納部内でのカード状記憶媒体の搬送と、カード状記憶媒体の適切な回収および/または発行が可能になる。
【0010】
また、本発明の媒体処理装置では、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材にカム面が当接可能となっている。そのため、押圧機構による押圧力によって、カード状記憶媒体の適切な搬送力をカム面に発生させることが可能になる。その結果、本発明では、偏心カムを用いた簡易な構成で、媒体収納部内でのカード状記憶媒体の適切な搬送が可能になる。
【0011】
さらに、本発明の媒体処理装置では、偏心カムによって、当接部材等の移動と、カード状記憶媒体の搬送とを同時に行うことが可能になるため、カード記憶媒体の回収時間や発行時間を短縮できる。
【0012】
本発明において、媒体処理装置は、搬送路に対して偏心カムよりも奥側に配置され、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材に当接可能な収納部内搬送ローラを備え、カム面は、大径部と大径部よりも径の小さい小径部とを備え、収納部内搬送ローラは、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と大径部とが当接するときには、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と当接しない位置に配置され、搬送路から媒体収納部へのカード状記憶媒体の搬入開始時には、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と大径部とが当接することが好ましい。
【0013】
このように、媒体処理装置が収納部内搬送ローラを備えていると、収納部内搬送ローラによって、媒体収納部内でのカード状記憶媒体のより適切な搬送が可能になる。ここで、収納部内搬送ローラは偏心カムよりも奥側に配置されるため、搬送路から媒体収納部へのカード状記憶媒体の搬入開始時に、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体に収納部内搬送ローラが当接していると、カード状記憶媒体に収納部内搬送ローラのスリップ痕が生じる。また、媒体収納部へのカード状記憶媒体の搬入開始時に、当接部材に収納部内搬送ローラが当接していると、収納部内搬送ローラが異常摩耗する。
【0014】
したがって、収納部内搬送ローラが、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と大径部とが当接するときには、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と当接しない位置に配置されるとともに、搬送路から媒体収納部へのカード状記憶媒体の搬入開始時には、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と大径部とが当接するように構成すると、上述のカード状記憶媒体へのスリップ痕や収納部内搬送ローラの異常摩耗の発生を抑制できる。
【0015】
本発明において、小径部は、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と収納部内搬送ローラとが当接するときには、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と当接しないように形成され、搬送路から媒体収納部へのカード状記憶媒体の搬入開始後、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と大径部との当接部分にカード状記憶媒体が到達する前あるいは到達時に、偏心カムは大径部から小径部に向かって回転を開始し、収納部内搬送ローラにカード状記憶媒体が到達する前あるいは到達時に、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と小径部とが対向した状態で偏心カムが停止することが好ましい。
【0016】
このように、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と大径部との当接部分に、カード状記憶媒体が到達する前あるいは到達時に、偏心カムが大径部から小径部に向かって回転を開始するように構成すると、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材とカム面との間に、搬入されるカード状記憶媒体を適切に入り込ませることができる。
【0017】
また、偏心カムでカード状記憶媒体を搬送する場合には、カード状記憶媒体の搬送速度を安定させることは難しい。そのため、収納部内搬送ローラにカード状記憶媒体が到達する前あるいは到達時に、押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材と小径部とが対向した状態で偏心カムが停止するように構成すると、収納部内搬送ローラによって、安定した搬送速度で、媒体収納部内にカード状記憶媒体を収納することが可能になる。
【0018】
本発明において、媒体処理装置は、媒体収納部として、搬送方向に平行でかつ偏心カムの回転中心を通過する平面を境界面として配置される第1媒体収納部と第2媒体収納部との2個の媒体収納部を備えることが好ましい。このように構成すると、1個の偏心カムによって、2個の媒体収納部に対するカード状記憶媒体の適切な搬入および搬出が可能になる。
【0019】
本発明において、媒体処理装置は、搬送路と媒体収納部との間に配置される収納部前搬送ローラと、搬送路に対して偏心カムよりも奥側に配置され押圧機構で押圧されるカード状記憶媒体または当接部材に当接可能な収納部内搬送ローラとを備え、収納部前搬送ローラの回転軸の軸方向および収納部内搬送ローラの回転軸の軸方向は、境界面上でかつ偏心カムの回転軸の軸方向と平行であることが好ましい。このように構成すると、共通の収納部前搬送ローラおよび収納部内搬送ローラを用いて、第1媒体収納部および第2媒体収納部に対するカード状記憶媒体のより適切な搬入および搬出が可能になる。
【0020】
本発明において、媒体処理装置は、搬送路を搬送されるカード状記憶媒体を第1媒体収納部または第2媒体収納部へ振り分ける振分機構と、振分機構よりも第1媒体収納部側に配置され第1媒体収納部へ通じる第1搬送口と、振分機構よりも第2媒体収納部側に配置され第2媒体収納部へ通じる第2搬送口とを備え、振分機構は、第1搬送口または第2搬送口を塞ぐ振分部材と、収納部前搬送ローラおよび収納部内搬送ローラと逆方向へ回転する振分回転軸と、振分部材を振分回転軸の軸方向へ付勢する振分付勢部材とを備え、振分部材には、振分回転軸が回転可能に挿通され、振分回転軸は、振分部材の軸方向端面が当接する当接部を備え、振分付勢部材は、振分部材を当接部に付勢するとともに、振分部材は、第1搬送口または第2搬送口から搬出されるカード状記憶媒体が当接すると、振分回転軸に対して回動することが好ましい。
【0021】
このように構成すると、振分機構によって、カード状記憶媒体を収納したい第1媒体収納部または第2媒体収納部へ、カード状記憶媒体を適切に搬入することができる。また、振分部材が、第1搬送口または第2搬送口から搬出されるカード状記憶媒体が当接すると、振分回転軸に対して回動するため、簡易な構成で、第1媒体収納部または第2媒体収納部から搬送路へカード状記憶媒体を適切に搬出することができる。
【0022】
本発明において、第1媒体収納部は、境界面よりも上側に配置され、第2媒体収納部は、境界面よりも下側に配置されるとともに、押圧機構として、第1媒体収納部の内部に積層される最上位のカード状記憶媒体に当接する当接部材としての第1当接部材を有し第1当接部材に当接するカード状記憶媒体を下方へ押圧する第1押圧機構を備え、第1押圧機構は、第1当接部材を積層方向へ移動させる複数のアームと、アームを付勢して第1当接部材のカード状記憶媒体への押圧力を発生させるアーム付勢部材とを備え、第1当接部材が下方へ移動するにしたがって、押圧力が大きくなるように構成されていることが好ましい。
【0023】
このように構成すると、カード状記憶媒体の適切な搬送力をカム面に発生させることができる。すなわち、境界面よりも上側に配置される第1媒体収納部内のカード状記憶媒体の積層枚数が少ない場合でも、第1当接部材が下方へ移動することで大きくなる第1押圧機構の押圧力によって、最下位に配置されるカード状記憶媒体とカム面とを所定の当接力で当接させることができる。一方、第1媒体収納部内のカード状記憶媒体の積層枚数が多い場合には、積層されたカード状記憶媒体の自重と、第1当接部材が上方へ移動することで小さくなる第1押圧機構の押圧力とによって、最下位に配置されるカード状記憶媒体とカム面とを所定の当接力で当接させることができる。その結果、カード状記憶媒体の適切な搬送力をカム面に発生させることができる。
【0024】
本発明において、第1媒体収納部は、境界面よりも上側に配置され、第2媒体収納部は、境界面よりも下側に配置されるとともに、押圧機構として、第2媒体収納部の内部に積層される最下位のカード状記憶媒体に当接する当接部材としての第2当接部材を有し第2当接部材に当接するカード状記憶媒体を上方へ押圧する第2押圧機構を備え、第2押圧機構は、第2当接部材を積層方向へ移動させる複数のアームと、アームを付勢して第2当接部材のカード状記憶媒体への押圧力を発生させるアーム付勢部材とを備え、第2当接部材が上方へ移動するにしたがって、アーム付勢部材による押圧力が大きくなるように構成されるとともに、さらに、第2当接部材の下方に配置される圧縮コイルバネを備えることが好ましい。
【0025】
このように構成すると、カード状記憶媒体の適切な搬送力をカム面に発生させることができる。すなわち、境界面よりも下側に配置される第2媒体収納部内のカード状記憶媒体の積層枚数が少ない場合には、第2当接部材が上方へ移動することで大きくなるアーム付勢部材に基づく第2押圧機構の押圧力によって、最上位に配置されるカード状記憶媒体とカム面とを所定の当接力で当接させることができる。一方、第2媒体収納部内のカード状記憶媒体の積層枚数が多い場合には、積層されたカード状記憶媒体の自重とアーム付勢部材に基づく押圧力の低下分とを圧縮コイルバネでキャンセルすることが可能になるため、最上位に配置されるカード状記憶媒体とカム面とを所定の当接力で当接させることができる。その結果、カード状記憶媒体の適切な搬送力をカム面に発生させることができる。なお、圧縮コイルバネのみでも、カード状記憶媒体の適切な搬送力をカム面に発生させることは可能であるが、アーム付勢部材と圧縮コイルバネと併用すると、第2当接部材の積層方向への移動距離を長くできるため、第2媒体収納部内へのカード状記憶媒体の収納枚数を増やすことが可能になる。
【0026】
本発明において、媒体処理装置は、搬送路に配置され、カード状記憶媒体に所定の処理を行うカード処理機構を備え、カード処理機構による処理回数が所定回数未満であるカード状記憶媒体が第1媒体収納部および第2媒体収納部のいずれか一方に収納され、カード処理機構による処理回数が所定回数以上となったカード状記憶媒体が第1媒体収納部および第2媒体収納部のいずれか他方に収納されることが好ましい。
【0027】
このように構成すると、第1媒体収納部に収納されているか、第2媒体収納部に収納されているかによって、カード状記憶媒体の処理回数を識別できる。そのため、媒体処理装置の使い勝手を向上させることが可能になる。
【0028】
本発明において、媒体処理装置は、偏心カムを駆動する駆動モータと、偏心カムの回転軸に取り付けられるウォームホイールと、駆動モータの出力軸に取り付けられウォームホイールと咬合するウォームとを備えることが好ましい。
【0029】
このように構成すると、偏心カムで生じるカード状記憶媒体の搬送力の変動が駆動モータに伝達されないため、駆動モータの制御が容易になる。たとえば、収納部前搬送ローラと偏心カムとが協働して、カード状記憶媒体の搬送を行う場合、カム面の曲率が一定でないため、偏心カムの周速度と収納部前搬送ローラの周速度とが一致せず、収納部前搬送ローラによるカード状記憶媒体の搬送力の影響を偏心カムが受けるが、この場合でも、偏心カムが受ける影響は駆動モータに伝達されないため、駆動モータの制御が容易になる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明にかかる媒体処理装置では、簡易な構成で、媒体収納部内でのカード状記憶媒体の適切な搬送を行って、カード状記憶媒体の適切な回収および/または発行を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
(媒体処理装置の概略構成およびカードリーダ部の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカード回収発行装置1を一側面側から示す斜視図である。図2は、図1のカード回収発行装置1を他側面側から示す斜視図である。図3は、図1のカード回収発行装置1の内部構成を側面から説明するための図である。
【0033】
本形態の媒体処理装置1は、所定の情報が記録されたカード状記憶媒体2(以下、カード2とする。)の回収および発行を行うカード回収発行装置である。したがって、以下では、本形態の媒体処理装置1をカード回収発行装置1と表記する。このカード回収発行装置1は、たとえば、ゲーム機等の上位装置に搭載されて使用される。本形態のカード回収発行装置1は、図1等に示すように、カード2に情報の記録等を行うカードリーダ部3と、カード2の回収、発行を行うカード回収発行部4とを備えている。カードリーダ部3とカード回収発行部4とは、この順番で図1の紙面手前側から奥側に向かって配置された状態で、互いに固定されている。
【0034】
なお、以下の説明では、図1のX方向を「前後方向」、Y方向を「左右方向」、Z方向を「上下方向」とする。また、図1のX1方向側を「手前」、X2方向側を「奥」、Y1方向側を「右」、Y2方向側を「左」、Z1方向側を「上」、Z2方向側を「下」とする。さらに、X方向とY方向とから構成される平面をXY平面とし、図3における時計方向を「時計方向」、反時計方向を「反時計方向」とする。なお、本形態では、図1のX方向へカード2の搬送が行われるため、前後方向がカード2の搬送方向である。
【0035】
本形態のカード2は、厚さが0.18〜0.36mmで磁気情報によるプリペイド機能を備える矩形状のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードである。たとえば、カード2は、JISX6310に規定されるカードであって、その物理的特性、形状および寸法がJIS6311に規定されるカードである。このカード2には、磁気データが記録される磁気ストライプ(図示省略)および感熱方式で印字が行われる印字部(図示省略)が形成されている。なお、以下では、カード2の奥側端を「先端」、手前側端を「後端」とする。
【0036】
カードリーダ部3は、図3等に示すように、手前側端部に配置されカード2が挿入されるカード挿入部5と、カード2が搬送される搬送路6と、カード2への磁気データの記録およびカード2に記録された磁気データの読取りを行う磁気ヘッド7と、カード2へ感熱方式で印字等を行うサーマルヘッド8と、搬送路6内に配置される複数の搬送ローラ9〜11とを備えている。また、カードリーダ部3は、カード挿入部5へのカード2の挿入を検出してカード回収発行装置1の各種の制御を行うための挿入検出装置12と、カード2の連続挿入やカード2以外の異物の挿入等を防止するため、挿入検出装置12での検出結果に基づいて上下動するシャッタ13とを備えている。
【0037】
搬送路6は、カード挿入部5から奥側に向かって直線状に形成されている。搬送ローラ9〜11はそれぞれ、搬送路6の手前側端部、前後方向の中心部および奥側端部に配置されている。搬送ローラ9〜11は、図1等に示すように、プーリ15やタイミングベルト16等から構成される伝達手段を介して駆動モータ17に連結され、駆動モータ17の動力で回転する。また、搬送ローラ9、11の上側には、搬送ローラ9、11に圧接するように、パッドローラ18が配置されている。なお、本形態の駆動モータ17はステッピングモータである。
【0038】
磁気ヘッド7は、搬送路6の前後方向の略中心位置に配置されている。本形態では、下側から搬送路6に向かって突出するように磁気ヘッド7が配置されている。また、磁気ヘッド7のギャップ部分(図示省略)に向かって付勢されたパッドローラ19が、磁気ヘッド7の上側に配置されている。
【0039】
サーマルヘッド8は、図3に示すように、カード2への印字およびカード2の印字の消去(以下、「カード2の印字/消去」とする。)を行う印字部8aを備え、磁気ヘッド7よりわずかに奥側で、かつ、搬送路6の上側に配置されている。本形態のサーマルヘッド8は、駆動モータ(図示省略)とこの駆動モータで駆動されるカム機構(図示省略)とによって、所定の回動軸を中心に回動する。このサーマルヘッド8の回動により、印字部8aが上下動する。そして、カード2の印字/消去を行うときには、図3に示すように、印字部8aが下降して搬送ローラ10が対向し、カード2の印字/消去を行わないときには、印字部8aは上昇している。なお、本形態では、サーマルヘッド8は、カード2に対して所定の処理を行うカード処理機構となっている。
【0040】
(カード回収発行部の構成)
図4は、図1に示すカード回収発行部4の内部構成を側面から説明するための図である。図5は、図4に示す第1カード収納部21よりも手前側の構成を説明するための斜視図である。図6は、図4のE部の拡大図である。図7は、図5に示すフラッパ機構25の構成を説明するための図である。図8は、図5に示すフラッパ機構25の動作を説明するための図であり、(A)は第1カード収納部21へカード2が搬入される状態を示し、(B)は第2カード収納部22へカード2が搬入される状態を示し、(C)は第1カード収納部21からカード2が搬出される状態を示す。図9は、図4に示す第1カード収納部21にカード2がフル回収された状態を示す図である。図10は、図4に示す偏心カム28を回転させるカム駆動部29の構成を説明するための斜視図である。なお、図4では、第1カード収納部21へのカード2の搬入(回収)が開始されたときの状態が図示されている。
【0041】
カード回収発行部4は、搬送路6からカード2を搬入することでカード2の回収を行うとともに、搬送路6に向かってカード2を搬出することでカード2の発行を行うように構成されている。このカード回収発行部4は、図4に示すように、回収後や発行前のカード2が積層されて収納される第1媒体収納部としての第1カード収納部21および第2媒体収納部としての第2カード収納部22を備えている。なお、以下では、第1カード収納部21と第2カード収納部22とをまとめて表す場合には、「カード収納部21、22」と表記する。
【0042】
また、カード回収発行部4は、図4、図10に示すように、カード収納部21、22と搬送路6との間(具体的には、カード収納部21、22の手前側近傍)に配置され、カード2の搬送を行う収納部前搬送ローラとしての第1搬送ローラ23と、第1カード収納部21と第2カード収納部22との境界部に配置され、カード2の搬送を行う収納部内搬送ローラとしての第2搬送ローラ24と、搬送路6から搬入されるカード2を第1カード収納部21または第2カード収納部22へ振り分ける振分機構としてのフラッパ機構25と、第1カード収納部21に収納されるカード2の表面を押圧する第1押圧機構26と、第2カード収納部22に収納されるカード2の表面を押圧する第2押圧機構27と、第1押圧機構26を構成する後述の第1当接部材48および第2押圧機構27を構成する後述の第2当接部材53をカード2の積層方向へ移動させる偏心カム28と、偏心カム28を回転させるカム駆動部29とを備えている。なお、以下では、第1押圧機構26と第2押圧機構27とをまとめて表す場合には、「押圧機構26、27」と表記し、第1当接部材48と第2当接部材53とをまとめて表す場合には、「当接部材48、53」と表記する。
【0043】
第1カード収納部21は、図5等に示すように、上面が開口した直方体の箱状に形成されている。第2カード収納部22は、直方体の箱状に形成されている。カード収納部21、22の内側面の左右方向の幅は、カード2の幅(短手方向の幅)よりもわずかに広くなっている。また、カード収納部21、22の内側面の前後方向の長さは、カード2の長さ(長手方向の長さ)よりもわずかに長くなっている。本形態では、第1カード収納部21にはたとえば、約140枚のカード2が収納可能となっている。また、第2カード収納部22にはたとえば、約90枚のカード2が収納可能となっている。
【0044】
本形態では、第1カード収納部21が上側に配置され、第2カード収納部22が下側に配置されている。具体的には、搬送路6の上下方向の中心位置を通過するXY平面に平行な面を境界面Pとして、境界面Pよりも上側に第1カード収納部21が配置され、境界面Pよりも下側に第2カード収納部22が配置されている。
【0045】
図6に示すように、第1カード収納部21の手前側の壁面となる前面壁21aの下端と、第1カード収納部21の底面21bとの間には、カード2が通過するゲート30が形成されている。すなわち、搬送路6から第1カード収納部21へのカード2の搬入および第1カード収納部21から搬送路6へのカード2の搬出を許容するゲート30が形成されている。また、図5等に示すように、ゲート30の左右方向の略中心位置には、底面21bから上方向へ突出する突出部21cが形成されている。本形態では、前面壁21aの下端と突出部21cとの隙間G(図6参照)は、1枚のカード2の厚さよりも広いが、2枚のカード2の厚さよりも狭くなっている。すなわち、隙間Gは、1枚のみのカード2が通過できる広さに設定されている。
【0046】
ゲート30の奥側近傍には、図6に示すように、ゲート30を通過するカード2の先端を検出する先端検出装置31が配設されている。先端検出装置31は、図示を省略する発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサである。
【0047】
同様に、第2カード収納部22の手前側の壁面となる前面壁22aの上端と、第2カード収納部22の天面22bとの間には、図6に示すように、カード2が通過するゲート32が形成されている。また、ゲート32の左右方向の略中心位置には、天面22bから下方向へ突出する突出部22cが形成され、前面壁22aの上端と突出部22cとの隙間Gは、1枚のカード2の厚さよりも広いが、2枚のカード2の厚さよりも狭くなっている。また、ゲート32の奥側近傍には、図6に示すように、先端検出装置31と同様の先端検出装置33が配設されている。
【0048】
本形態では、後述のように、サーマルヘッド8による印字/消去の回数が所定回数未満であり、その後も使用可能なカード2が第1カード収納部21に収納される。また、サーマルヘッド8による印字/消去の回数が所定回数以上となって、カード2の印字が汚れてしまうため、その後は使用しない使用済みのカード2が第2カード収納部22に収納される。すなわち、本形態では、第1カード収納部21へのカード2の回収および第1カード収納部21からのカード2の発行と、第2カード回収部22へのカード2の回収が行われ、第2カード収納部22からのカード2の発行は行われない。なお、第2カード収納部22からカード2の発行が行われるようにしても良い。
【0049】
そのため、第1カード収納部21には、第1カード収納部21内のカード2の枚数が収納可能枚数となるフル状態を検出する検出装置(図示省略)および第1カード収納部21内のカード2がなくなるエンプティ状態を検出する検出装置(図示省略)が配置されている。一方、第2カード収納部22には、第2カード収納部22内のカード2の枚数が収納可能枚数となるフル状態を検出する検出装置(図示省略)が配置されている。
【0050】
第1搬送ローラ23は、偏心カム28よりも手前側に配置され、第2搬送ローラ24は偏心カム28よりも奥側に配置されている。また、図4に示すように、第1搬送ローラ23の回転中心23aおよび第2搬送ローラ24の回転中心24aは、境界面P上に配置されている。そのため、第1カード収納部21に対するカード2の搬入搬出および第2カード収納部22に対するカード2の搬入搬出が、第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24によって可能となる。なお、本形態では、第1搬送ローラ23の径と第2搬送ローラ24の径とがほぼ同じとなっている。また、本形態の第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24は、表面がゴムで形成されたゴムローラである。
【0051】
第1搬送ローラ23の上側および下側にはそれぞれ、第1搬送ローラ23に圧接するように、パッドローラ36が配置されている。なお、第1搬送ローラ23でカード2の所定の搬送力を得ることができるのであれば、パッドローラ36は配設されなくても良い。
【0052】
第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24は、図2、図5に示すように、第1搬送ローラ23の回転軸や第2搬送ローラ24の回転軸等に固定されたプーリ37およびタイミングベルト38等から構成される伝達手段を介して、搬送ローラ9〜11を回転させる駆動モータ17に連結され、駆動モータ17の動力で回転する。本形態の第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24は、搬送ローラ9〜11と同方向へ回転する。
【0053】
フラッパ機構25は、搬送路6と第1搬送ローラ23との間に配置されている。より具体的には、フラッパ機構25は、搬送ローラ11と第1搬送ローラ23との間に配置されている。また、図4等に示すように、フラッパ機構25の奥側には、第1カード収納部21に通じる第1搬送口39と、第2カード収納部22に通じる第2搬送口40との2つの搬送口が形成されている。第1搬送口39と第2搬送口40とは、境界面Pに対して略対称に配置されている。
【0054】
また、フラッパ機構25は、図5、図7等に示すように、第1搬送口39または第2搬送口40を塞ぐ振分部材としてのフラッパ41と、フラッパ41に回動可能に挿通される振分回転軸としてのフラッパ回転軸42と、フラッパ41をフラッパ回転軸42の軸方向へ付勢する振分付勢部材としての圧縮コイルバネ43とを備えている。なお、フラッパ41をフラッパ回転軸42の軸方向へ付勢する振分付勢部材は、圧縮コイルバネ43には限定されず、板バネや引張りコイルバネ等であっても良い。
【0055】
フラッパ41は、図4に示すように、前後方向に平行な縦断面形状が略三角形状となるように形成され、その頂点が手前側を向くように配設されている。このフラッパ41には、フラッパ回転軸42が挿通される挿通孔が左右方向に貫通するように形成されている。
【0056】
フラッパ回転軸42は、図7に示すように、フラッパ41の左端面が当接する径の大きな当接部42aが左端側に形成された段付の軸である。このフラッパ回転軸42の両端側は、カード回収発行部4を構成するフレーム44に回転可能に保持されている。具体的には、フラッパ回転軸42の回転中心が境界面P上に配置されるように、フラッパ回転軸42の両端側がフレーム44に回転可能に保持されている。また、フラッパ回転軸42の右端には、図5に示すように、第1搬送ローラ23の回転軸に固定された歯車45と咬合する歯車46が固定されている。そのため、フラッパ回転軸42は、第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24の回転方向と逆方向へ回転する。
【0057】
圧縮コイルバネ43は、フラッパ回転軸42に挿通された状態で、フラッパ41の右端とフレーム44とに当接する位置に配置され、フラッパ41を当接部42aに向かって付勢している。本形態では、圧縮コイルバネ43のバネ力は、フラッパ機構25が後述の動作を行うように設定されている。
【0058】
以上のように構成されたフラッパ機構25は以下のように動作する。まず、第1カード収納部21へカード2を搬入する場合には、第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24は時計方向へ回転し、フラッパ回転軸42は反時計方向へ回転する。このフラッパ回転軸42の回転に伴って、フラッパ41は、図8(A)に示すように、搬送路6の底面6bに当接するまで反時計方向へ回動する。フラッパ41が底面6bに当接した後も、第1カード収納部21へのカード2の搬入中には、フラッパ回転軸42は回転を続けるが、当接部42aとフラッパ41との間に滑りが生じて、フラッパ41は、底面6bに当接した状態で、停止する。そのため、図8(A)に示すように、第1カード収納部21へのカード2の搬入が可能になる。
【0059】
また、第2カード収納部22へカード2を搬入する場合には、第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24は反時計方向へ回転し、フラッパ回転軸42は時計方向へ回転する。このフラッパ回転軸42の回転に伴って、フラッパ41は、図8(B)に示すように、搬送路6の天面6aに当接するまで時計方向へ回動し、その後は、フラッパ回転軸42が回転を続けても、当接部42aとフラッパ41との間に滑りが生じて、搬送路6の天面6aに当接した状態で、停止する。そのため、図8(B)に示すように、第2カード収納部22へのカード2の搬入が可能になる。
【0060】
一方、第1カード収納部21からカード2を搬出する場合には、第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24は反時計方向へ回転し、フラッパ回転軸42は時計方向へ回転する。このフラッパ回転軸42の回転に伴って、フラッパ41は、図8(B)に示すように、天面6aに当接するまで時計方向へ回動して停止する。この状態で、カード2が第1搬送口39から(すなわち、第1カード収納部21から)搬出され、カード2の後端がフラッパ41に当接すると、当接部42aとフラッパ41との間に滑りが生じて、フラッパ回転軸42が時計方向へ回転しているにもかかわらず、図8(C)に示すように、フラッパ41は反時計方向へ回動する。具体的には、搬送路6へのカード2の搬出が可能となる位置まで、フラッパ41は反時計方向へ回動する。そのため、図8(C)に示すように、第1カード収納部21からのカード2の搬出が可能になる。なお、第2搬送口40からカード2を搬出する場合にも同様に、搬送路6へのカード2の搬出が可能となる位置まで、カード2によって、フラッパ41は時計方向へ回動する。
【0061】
第1押圧機構26は、図4等に示すように、第1カード収納部21に積層される最上位のカード2の表面に当接する第1当接部材48と、第1カード収納部21の内部に配置され、カード2の積層方向である上下方向へ第1当接部材48を移動させる第1アーム49および第2アーム50と、第1アーム49および第2アーム50を付勢して第1当接部材48のカード2への押圧力を発生させるアーム付勢部材としての引張りコイルバネ51とを備え、第1カード収納部21に収納されたカード2を下方へ押圧する。
【0062】
第1当接部材48は、図4に示すように、第1アーム49の下端および第2アーム50の下端が取り付けられる取付部48aを備えている。取付部48aの手前側には、前後方向を長手方向とする長孔48bが取付部48aを貫通するように形成されている。
【0063】
第1アーム49は、第1カード収納部21の上端側でかつ奥側端側に回動可能に取り付けられている。また、第1アーム49の下端は、長孔48bに取り付けられている。具体的には、第1アーム49の下端が長孔48bに沿って前後方向へ移動可能でかつ第1当接部材48に対して回動可能となるように、第1アーム49の下端は、長孔48bに取り付けられている。
【0064】
第2アーム50は、取付部48aの奥側端側に回動可能に取り付けられている。また、第2アーム50の上端は、第1カード収納部21の上端側に長孔48bとほぼ同様に形成された長孔21dに取り付けられている。具体的には、第2アーム50の上端が長孔21dに沿って前後方向へ移動可能でかつ第1カード収納部21に対して回動可能となるように、第2アーム50の上端は長孔21dに取り付けられている。
【0065】
図4等に示すように、第1アーム49と第2アーム50とは、左右方向から見たときに、略X形状をなすように連結されている。具体的には、第1アーム49と第2アーム50との連結部52において、互いに回動可能となるように、第1アーム49と第2アーム50とが連結されている。そして、第1アーム49、第2アーム50および第1当接部材48の相互間の関係は、第1カード収納部21に収納されるカード2の枚数に応じて、たとえば、図4に示す状態から図9に示す状態に変化する。なお、図9では、引張りコイルバネ51および後述の引張りコイルバネ56の図示を省略している。
【0066】
引張りコイルバネ51は、その一端が第1アーム49の上端に取り付けられ、他端が第2アーム50の上端に取り付けられた状態で、第1カード収納部21の上端側に配置されている。本形態では、図5等に示すように、第1アーム49の左上端および第2アーム50の左上端に取り付けられた引張りコイルバネ51と、第1アーム49の右上端および第2アーム50の右上端に取り付けられた引張りコイルバネ51との2本の引張りコイルバネ51によって、第1当接部材48のカード2への押圧力を発生させている。
【0067】
第1押圧機構26では、引張りコイルバネ51の付勢力によって第1アーム49、第2アーム50に発生する上下方向の分力および前後方向の分力の作用で、第1当接部材48が下方へ移動するにしたがって、第1当接部材48による押圧力が大きくなり、第1当接部材48が上方へ移動するにしたがって、第1当接部材48による押圧力が小さくなる。すなわち、図4に示す状態では、第1当接部材48による押圧力が大きくなり、図9に示す状態では、第1当接部材48による押圧力が小さくなる。
【0068】
第2押圧機構27は、図4等に示すように、第2カード収納部22に積層される最下位のカード2の表面に当接する第2当接部材53と、第2カード収納部22の内部に配置され、上下方向へ第2当接部材53を移動させる第1アーム54および第2アーム55と、第1アーム54および第2アーム55を付勢して第2当接部材53のカード2への押圧力を発生させるアーム付勢部材としての引張りコイルバネ56と、第2当接部材53の下方に配置される圧縮コイルバネ57とを備え、第2カード収納部22に収納されたカード2を上方へ押圧する。
【0069】
第2当接部材53、第1アーム54、第2アーム55および引張りコイルバネ56はそれぞれ、第1当接部材48、第1アーム49、第2アーム50および引張りコイルバネ51とほぼ同一であるため、これらの各構成の説明は省略する。これらの構成間の配置関係、接続関係およびこれらの各構成と第2カード収納部22との配置関係、接続関係は、第1押圧機構26を上下反転させたものとほぼ同じであるため、その説明も省略する。
【0070】
なお、第2当接部材53の取付部53aおよび長孔53bはそれぞれ、第1当接部材48の取付部48aおよび長孔48bに相当し、第2カード収納部22に形成された長孔22dは、第1カード収納部21に形成された長孔21dに相当する。また、第1アーム54と第2アーム55との連結部58は、連結部52に相当する。
【0071】
圧縮コイルバネ57は、第2カード収納部22の底面に一端が当接し、第2当接部材53の下側に他端が当接するように、第2カード収納部22の内部に配置されている。本形態では、たとえば、2個または4個の圧縮コイルバネ57が第2カード収納部22の内部に配置されている。
【0072】
第1押圧機構26と同様に、第2押圧機構27では、引張りコイルバネ56の付勢力によって発生する第2当接部材53の上方向への付勢力は、第2当接部材53が上方へ移動するにしたがって大きくなり、第2当接部材53が下方へ移動するにしたがって小さくなる。一方、圧縮コイルバネ57の付勢力によって発生する第2当接部材53の上方向への付勢力は、第2当接部材53が上方へ移動するにしたがって小さくなり、第2当接部材53が下方へ移動するにしたがって大きくなる。
【0073】
偏心カム28は、POM(ポリアセタール)等の比較的硬度の高い樹脂材料によって形成されている。図6等に示すように、偏心カム28の外周面には、第1当接部材48および第2当接部材53に当接可能なカム面28aが形成されている。カム面28aは、大径部28bと、大径部28bよりも径の小さい小径部28cと、大径部28bと小径部28cとの間に形成され、大径部28bから小径部28cに向かって径が連続的に小さくなる移行径部28dとから構成されている。
【0074】
本形態のカム面28aには、角度θ1の範囲で大径部28bが形成され、角度θ2の範囲で小径部28cが形成され、大径部28bと小径部28cとの間に角度θ3の範囲で2つの移行径部28dが形成されている。すなわち、円周方向における大径部28bの中心位置28eと小径部28cの中心位置28fとが、円周方向で180°離れた位置に配置されており、中心位置28eと中心位置28fとを通過する面は、偏心カム28の回転中心28gを通過するとともに、カム面28aは、中心位置28eと中心位置28fとを通過する面に対して対称に形成されている。なお、たとえば、角度θ1は約205°であり、角度θ2は約45°であり、角度θ3は約50°である。
【0075】
偏心カム28の回転中心28gは、境界面P上に配置されている。また、大径部28bの径は、第2搬送ローラ24の径よりも大きく、かつ、小径部28cの径は、第2搬送ローラ24の径よりも小さくなっている。そのため、図4等に示すように、第1カード収納部21の最下位に配置されるカード2あるいは第1当接部材48に大径部28bが当接している状態では、第1カード収納部21の最下位に配置されるカード2あるいは第1当接部材48に第2搬送ローラ24は当接しない。一方、第1カード収納部21の最下位に配置されるカード2あるいは第1当接部材48に小径部28cが対向する状態では(図11参照)、第1カード収納部21の最下位に配置されるカード2あるいは第1当接部材48に第2搬送ローラ24が当接する。
【0076】
同様に、第2カード収納部22の最上位に配置されるカード2等に大径部28bが当接している状態では、第2カード収納部22の最上位に配置されるカード2等に第2搬送ローラ24は当接しない。また、第2カード収納部22の最上位に配置されるカード2等に小径部28cが対向する状態では、第2カード収納部22の最上位に配置されるカード2等に第2搬送ローラ24が当接する。
【0077】
また、偏心カム28の回転軸59は、搬送方向となる前後方向に略直交する左右方向を軸方向としており、回転軸59の軸方向は、第1搬送ローラ23の回転軸の軸方向および第2搬送ローラ24の回転軸の軸方向と平行である。そして、本形態の偏心カム28は、第1当接部材48および第2当接部材53を上下方向へ移動させるとともに、カム面28aによって(具体的には、大径部28bと移行径部28dの一部とによって)カード2の搬送も行う。
【0078】
カム駆動部29は、図10に示すように、偏心カム28を回転させる駆動モータ61と、駆動モータ61の出力軸に固定されるウォーム62と、偏心カム28の回転軸59に固定され、ウォーム62に咬合するウォームホイール63とを備えている。本形態の駆動モータ61はDCモータである。そのため、カム駆動部29は、駆動モータ61の回転距離を検出して、偏心カム28の回転量を検出するための回転量検出装置64を備えている。また、カム駆動部29は、偏心カム28のイニシャル状態(ホームポジション)を検出するための状態検出装置65を備えている。図1に示すように、駆動モータ61や状態検出装置65等は、カード回収発行部4の左端側に配置されている。
【0079】
回転量検出装置64は、駆動モータ61の回転軸に取り付けられたスリット板66と、図示を省略する受光部と発光部とによってスリット板66を挟み込むように配置されたフォトセンサ67とを備えている。スリット板66には、複数のスリット(図示省略)が等角度ピッチで円周方向に隣接するように形成されている。
【0080】
また、状態検出装置65は、回転軸59の軸端(具体的には左端)に固定された検出板68と、図示を省略する受光部と発光部とによって検出板68を挟み込むように配置されたフォトセンサ69とを備えている。検出板68には、検出部68aが、径方向内側に向かって切り欠かれるように形成されている。本形態では、図10に示すように、フォトセンサ69の受光部と発光部と間に検出部68aが配置されるときに、偏心カム28のホームポジションが検出される。
【0081】
(カード回収発行装置の概略動作)
以上のように構成されたカード回収発行装置1の概略動作の一例を以下で説明する。なお、以下で説明する概略動作は、カード回収発行装置1の概略動作の一例であり、カード回収発行装置1の動作は下記に説明するものには限定されない。
【0082】
たとえば、カード回収発行装置1が搭載されたゲーム機等の上位装置をユーザが使用する場合、ユーザは、カード挿入部5からカード2を挿入する。挿入されたカード2を挿入検出装置12が検出すると、シャッタ13が退避して、搬送ローラ9〜11が回転する。そして、カード2が磁気ヘッド7を通過するまで、搬送ローラ9〜11によって、カード2を搬送し、カード2に記録された磁気データを読み取る。この磁気データの中には、たとえば、挿入されたカード2の印字/消去回数が含まれており、読み取った磁気データから、挿入されたカード2の印字/消去回数が所定回数未満(たとえば、20回未満)であるか否かを判断する。
【0083】
挿入されたカード2の印字/消去回数が所定回数未満である場合には、磁気ヘッド7で磁気データの消去を行うとともに、サーマルヘッド8で印字の消去を行い、その後、カード2をカードリーダ部3の搬送路6内に保留する。そして、ユーザが上位装置の使用を終えると、搬送路6内に保留していたカード2にサーマルヘッド8で印字を行うとともに、磁気ヘッド7で磁気データの記録および記録された磁気データの確認を行い、カード挿入部5からカード2を排出する。なお、挿入されたカード2の印字/消去回数が所定回数未満である場合に、第1カード収納部21へカード2を搬入して、カード2を第1カード収納部21へ一旦回収し、その後、同じカード2を第1カード収納部21から搬出しても良い。
【0084】
一方、挿入されたカード2の印字/消去回数が所定回数以上である場合には、挿入されたカード2の磁気データおよび印字の消去を行った後、あるいは、そのまま、挿入されたカード2を第2カード収納部22へ回収する。そして、ユーザが上位装置の使用を終えると、第1カード収納部21から別のカード2を搬出(発行)し、印字、磁気データの記録および記録された磁気データの確認を行った後、カード挿入部5からカード2を排出する。なお、第1カード収納部21に収納されたカード2に対しては予め、磁気データおよび印字の消去を行っている。
【0085】
また、第1カード収納部21に配置された検出装置(図示省略)によって、第1カード収納部21のエンプティ状態を検出すると、たとえば、上位装置の管理者が、カード挿入部5から順次、カード2を挿入し、第1カード収納部21のフル状態が検出されるまで、挿入されたカード2を順次、第1カード収納部21へ回収する。なお、この第1カード収納部21への回収の際に、カード2に対して磁気データおよび印字の消去を行っても良いし、予め、磁気データおよび印字の消去が行われたカード2をカード挿入部5から順次、挿入しても良い。
【0086】
また、第2カード収納部22へ回収された使用済みのカード2によって、第2カード収納部22がフル状態になると、上位装置の管理者が、上位装置を開けて、第2カード収納部22から使用済みのカード2を取り除く。なお、第2カード収納部22から使用済みのカード2を順次、搬出して(すなわち、カード挿入部5からカード2を順次、排出して)、第2カード収納部22から使用済みのカード2を取り除いても良い。
【0087】
(カードの回収発行動作)
図11は、図4に示すカード回収発行部4において、第1カード収納部21へのカード2の搬入(回収)が終了する直前の状態を示す図である。図12は、図4に示すカード回収発行部4において、第1カード収納部21からカード2が搬出(発行)されるときに状態を示す図である。
【0088】
以下、図4、図11および図12に基づいて、カード回収発行部4におけるカード2の回収動作および発行動作を説明する。なお、第1カード収納部21に対する回収、発行動作と、第2カード収納部22に対する回収、発行動作とでは、第1搬送ローラ23、第2搬送ローラ24および偏心カム28の回転方向が異なるのみで、基本的な動作は同じである。そのため、以下では、第1カード収納部21に対する回収、発行動作の説明のみを行い、第2カード収納部22に対する回収、発行動作の説明は省略する。
【0089】
はじめに、第1カード収納部21へのカード2の回収動作について説明する。
【0090】
第1カード収納部21へのカード2の回収動作を行う場合には、まず、偏心カム28をホームポジションで停止させる。本形態では、図4に示すように、カム面28aの大径部28bが、第1カード収納部21の最下位に収納されたカード2あるいは第1当接部材48に当接し、かつ、第2カード収納部22の最上位に収納されたカード2あるいは第2当接部材53に当接するとともに、小径部28cが手前側を向いている状態が偏心カム28のホームポジションである。したがって、図4に示す状態となるように、偏心カム28を回転させ、停止させる。このとき、第2搬送ローラ24は、第1カード収納部21の最下位に収納されたカード2あるいは第1当接部材48に当接していない。なお、第1カード収納部21へのカード2の回収動作を行う際の偏心カム28のホームポジションは、図4に示す状態には限定されず、大径部28bが、第1カード収納部21の最下位に収納されたカード2あるいは第1当接部材48に当接している状態であれば良い。
【0091】
この状態で、第1カード収納部21へカード2を回収する方向(すなわち、時計方向)に第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24を回転させる。第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24を回転させると、フラッパ機構25は、図8(A)に示す状態となり、第1カード収納部21へのカード2の搬入が始まる。この搬入開始時には、偏心カム28をホームポジションで停止させている。
【0092】
カード2の先端が第1搬送口39およびゲート30を順次通過し、先端検出装置31がカード2の先端を検出すると、カード回収発行装置1の制御部(図示省略)は、駆動モータ17のパルス数をカウントする。そして、パルス数のカウント値に基づいて、搬入されるカード2の先端が、第1カード収納部21の最下位に収納されたカード2あるいは第1当接部材48と偏心カム28との当接部分に到達する直前(図4に示す状態からもう少し奥側へカード2を搬送した後)に、駆動モータ61を起動して偏心カム28を時計方向へ回転させ、第1搬送ローラ23と偏心カム28とによって、奥側へカード2を搬入する。偏心カム28が回転すると、カム面28aの形状に応じて、第1カード収納部21に収納されたカード2および第1当接部材48、あるいは、第1当接部材48は、上下動する。
【0093】
なお、このときには、第1搬送ローラ23の周速度と偏心カム28の平均径による周速度とがほぼ一致するように、駆動モータ61を駆動する。そのため、第1搬送ローラ23の周速度と偏心カム28の周速度との間に速度差が生じる場合がある。上述のように、本形態では、第1搬送ローラ23はゴムローラであり、また、偏心カム28は硬質の樹脂材料から形成されているため、この場合には、偏心カム28とカード2との間で滑りが生じ、カード2は第1搬送ローラ23に追従する。
【0094】
また、駆動モータ61の起動タイミングは、第1カード収納部21の最下位に収納されたカード2あるいは第1当接部材48と偏心カム28との当接部分に搬入されるカード2の先端が到達する直前でなくそれよりも早いタイミングであっても良い。また、駆動モータ61の起動タイミングは、第1カード収納部21の最下位に収納されたカード2あるいは第1当接部材48と偏心カム28との当接部分に搬入されるカード2の先端が到達するのと同時であっても良い。
【0095】
その後、回転量検出装置64での検出値に基づいて、偏心カム28を、図4に示す状態から90°あるいは450°回転させて、図11に示すように、搬入中のカード2と小径部28cとが対向する位置で、駆動モータ61を停止させ、偏心カム28を停止させる。この位置で偏心カム28を停止させると、第1カード収納部21の最下位に収納されたカード2あるいは第1当接部材48に第2搬送ローラ24が当接する状態となる。すなわち、これ以降、カード2の回収が完了するまで、第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24、あるいは、第2搬送ローラ24によってカード2の搬入を行う。
【0096】
なお、偏心カム28を、図4に示す状態から90°回転させて停止させる場合には、偏心カム28を、図4に示す状態から90°回転させた直後に、カード2の先端が、第1カード収納部21の最下位に収納されたカード2あるいは第1当接部材48と第2搬送ローラ24との当接部分に到達するように、偏心カム28と第2搬送ローラ24との間隔を設定したり、カード2の搬送速度を設定することが好ましい。
【0097】
また、第1カード収納部21へのカード2の回収が完了した状態(すなわち、図11に示すように、第1カード収納部21に収納された最下位のカード2と小径部28cとが対向した状態)では、ゲート30の奥側に、第1カード収納部21に収納された最下位のカード2の後端が配置されるため、次のカード2を第1カード収納部21に搬入することはできない。すなわち、次のカード2を第1カード収納部21に搬入する場合には、偏心カム28を図4に示すホームポジションまで反時計方向に回転させる。
【0098】
続いて、第1カード収納部21からのカード2の発行動作について説明する。
【0099】
第1カード収納部21からカード2を搬出(発行)する場合には、まず、図11に示すように、第1カード収納部21に収納された最下位のカード2と小径部28cとが対向する位置で偏心カム28を停止させる。このとき、第2搬送ローラ24は、第1カード収納部21の最下位に収納されたカード2に当接する。
【0100】
この状態で、第1カード収納部21からカード2を発行する方向(すなわち、反時計方向)に第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24を回転させる。第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24を回転させると、第1カード収納部21からのカード2の搬出が始まる。この搬出開始時には、第1カード収納部21に収納された最下位のカード2と小径部28cとが対向する位置で偏心カム28を停止させている。
【0101】
その後、回転量検出装置64での検出値に基づいて、搬出されるカード2の先端が、この搬出されるカード2と第2搬送ローラ24との当接部分を通過した直後に、図12に示すように、駆動モータ61を起動して偏心カム28を反時計方向へ回転させる。そして、第1搬送ローラ23と偏心カム28とによって、手前側へカード2を搬出する。
【0102】
なお、偏心カム28を反時計方向へ回転させると、搬出されるカード2の上に重なって収納されているカード2は、第2搬送ローラ24に当接しなくなる。特に、本形態では、大径部38bが形成される角度θ1が大きいため、第1カード収納部21からのカード2の搬出が終わるまで、搬出されるカード2の上に重なって収納されているカード2は、第2搬送ローラ24に当接しない。そのため、カード2が連続的に第1カード収納部21から搬出されることがなく、カード2を1枚ずつ確実に搬出できる。
【0103】
また、駆動モータ61の起動タイミングは、搬出されるカード2の先端が、この搬出されるカード2と第2搬送ローラ24との当接部分を通過した直後よりも遅いタイミングであっても良い。また、駆動モータ61の起動タイミングは、搬出されるカード2の先端が、この搬出されるカード2と第2搬送ローラ24との当接部分を通過すると同時であっても良い。
【0104】
カード2の搬出開始後、図8(B)に示すように、搬送路6の天面6aに当接していたフラッパ41は、第1搬送ローラ23と偏心カム28とによって搬出されるカード2の後端がフラッパ41まで到達すると、カード2によって、図8(C)に示す状態まで回動される。そして、カード2は、搬送路6に向かって搬出される。
【0105】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のカード回収発行装置1では、偏心カム28の回転に伴って、カム面28aが、第1カード収納部21にカード2が収納されている場合には、収納されたカード2および第1当接部材48を上下方向へ移動させ、第1カード収納部21にカード2が収納されていない場合には、第1当接部材48を上下方向へ移動させている。また、本形態では、偏心カム28の回転に伴って、カム面28aが、搬送路6から第1カード収納部21へ搬入されるカード2および第1カード収納部21から搬送路6へ搬出されるカード2の搬送を行っている。そのため、本形態では、第1カード収納部21の最下位にカード2を回収等するために第1カード収納部21内のカード2等を押し上げる偏心カム28と、第1搬送ローラ23とによって、第1カード収納部21でカード2を搬送して、第1カード収納部21の最下位にカード2を適切に回収でき、かつ、第1カード収納部21の最下位のカード2を発行できる。また、偏心カム28によって、第1カード収納部21内のカード2等の押し上げ動作と、カード2の搬送動作を同時に行うことができるため、カード2の回収時間や発行時間を短縮できる。
【0106】
同様に、本形態では、第2カード収納部22の最上位にカード2を回収等するために第2カード収納部22内のカード2等を押し下げる偏心カム28と、第1搬送ローラ23とによって、第2カード収納部22でカード2を搬送して、第2カード収納部22の最上位にカード2を適切に回収でき、かつ、第2カード収納部22の最上位のカード2を適切に発行することが可能になる。
【0107】
また、本形態では、押圧機構26、27で押圧されるカード2または当接部材48、53にカム面28aが当接可能となっている。そのため、押圧機構26、27よる押圧力によって、カード2の適切な搬送力をカム面28aに発生させることができる。そのため、本形態では、第1搬送ローラ23と偏心カム28とを用いて、カード収納部21、22内でカード2を適切に搬送できる。
【0108】
本形態では、カード回収発行部4は、偏心カム28よりも奥側に配置され、カード収納部21、22に収納されたカード2または当接部材48、53に当接可能な第2搬送ローラ24を備えている。そのため、カード収納部21、22の奥側まで確実にカード2を搬入し、また、カード収納部21、22から確実にカード2を搬出できる。
【0109】
また、本形態では、カード収納部21、22へのカード2の搬入開始時、および、搬出されるカード2の先端が搬出されるカード2と第2搬送ローラ24との当接部分を通過した後は、押圧機構26、27で押圧されるカード2または当接部材48、53と大径部48bとが当接しており、第2搬送ローラ24は、押圧機構26、27で押圧されるカード2または当接部材48、53と当接していない。そのため、押圧機構26、27によって、カード収納部21、22に収納されたカード2が押圧される場合であっても、第2搬送ローラ24に起因するカード2のスリップ痕の発生を抑制できる。また、当接部材48、53と第2搬送ローラ24とが当接していることで生じうる第2搬送ローラ24の摩耗も抑制できる。
【0110】
本形態では、カード収納部21、22へのカード2の搬入開始後、押圧機構26、27で押圧されるカード2または当接部材48、53と大径部28bとの当接部分にカード2の先端が到達する直前に、偏心カム28が、大径部28bから小径部28cに向かって回転を開始している。そのため、カード収納部21、22の最下位または最上位に、搬入されるカード2を適切に入り込ませることができる。
【0111】
また、本形態では、カード2の回収時には、第2搬送ローラ24にカード2の先端が到達する前に、押圧機構26、27で押圧されるカード2または当接部材48、53と小径部28cとが対向した状態で偏心カム28が停止している。そのため、搬入されるカード2がカード収納部21、22の最下位または最上位に適切に入り込んだ後は、搬送速度が安定した第2搬送ローラ24によって、カード収納部21、22内に適切にカード2を回収できる。
【0112】
本形態では、偏心カム28の回転中心28gを通過する境界面Pを境界として配置される第1カード収納部21と第2カード収納部22とを備えている。そのため、1個の偏心カム28によって、2個のカード収納部21、22へカード2を適切に回収し、2個のカード収納部21、22からカード2を適切に発行できる。また、本形態では、第1搬送ローラ23の回転中心23aおよび第2搬送ローラ24の回転中心24aが境界面P上に配置されているため、共通の第1搬送ローラ23および第2搬送ローラ24を用いて、2個のカード収納部21、22に対するカード2の搬入および搬出を行うことができる。その結果、カード回収発行装置1の構成を簡素化できる。
【0113】
本形態では、搬送路6から搬入されるカード2を第1カード収納部21または第2カード収納部22へ振り分けるフラッパ機構25を備えている。そのため、カード2を回収したいカード収納部21、22へカード2を確実に搬入できる。また、フラッパ41は、第1搬送口39または第2搬送口40から搬出されるカード2がフラッパ41に当接すると、フラッパ回転軸42に対して回動する。そのため、簡易な構成で、カード収納部21、22から搬送路6へカード2を適切に搬出できる。
【0114】
本形態では、第1押圧機構26は、第1当接部材48が下方へ移動するにしたがって、押圧力が大きくなるように構成されている。そのため、カード2の適切な搬送力をカム面28aに発生させることができる。すなわち、第1カード収納部21内のカード2の積層枚数が少ない場合でも、第1当接部材48が下方へ移動することで大きくなる第1押圧機構26の押圧力によって、最下位に配置されるカード2とカム面28aとを適切な当接力で当接させることができる。一方、第1カード収納部21内のカード2の積層枚数が多い場合には、積層されたカード2の自重が最下位に配置されるカード2とカム面28aとの当接部分にかかるが、第1当接部材48が上方へ移動することで第1押圧機構26の押圧力が小さくなるため、最下位に配置されるカード2とカム面28aとを適切な当接力で当接させることができる。その結果、カード2の適切な搬送力をカム面28aに発生させることができる。
【0115】
本形態では、第2押圧機構27は、第2当接部材53が上方へ移動するにしたがって、押圧力が大きくなるように構成されるとともに、第2当接部材27の下方に配置される圧縮コイルバネ57を備えている。そのため、カード2の適切な搬送力をカム面28aに発生させることができる。すなわち、第2カード収納部22内のカード2の積層枚数が少ない場合には、第2当接部材53が上方へ移動することで大きくなる引張りコイルバネ56に基づく第2押圧機構27の押圧力によって、最上位に配置されるカード2とカム面28aとを適切な当接力で当接させることができる。一方、第2カード収納部22内のカード2の積層枚数が多い場合には、積層されたカード2の自重と引張りコイルバネ56に基づく押圧力の低下分とを圧縮コイルバネ57でキャンセルできるため、最上位に配置されるカード2とカム面28aとを適切な当接力で当接させることができる。その結果、カード2の適切な搬送力をカム面28aに発生させることができる。
【0116】
また、引張りコイルバネ56と圧縮コイルバネ57とを併用することで、第2当接部材53の上下方向への移動距離を長くできるため、第2カード収納部22内へのカード2の収納枚数を増やすことができる。
【0117】
本形態では、サーマルヘッド8による印字/消去の回数が所定回数未満であるカード2が第1カード収納部21に収納され、印字/消去の回数が所定回数以上となった使用済みのカード2が第2カード収納部22に収納されている。そのため、第1カード収納部21に収納されているか、第2カード収納部22に収納されているかによって、カード2がその後、使用可能であるか否かを識別できる。したがって、カード回収発行装置1の使い勝手を向上させることが可能になる。
【0118】
本形態では、偏心カム28と駆動モータ61とが、ウォーム62およびウォームホイール63を介して連結されている。そのため、たとえば、第1搬送ローラ23の周速度と偏心カム28の周速度とが一致せず、偏心カム28で生じるカード2の搬送力が変動する場合であっても、その変動が駆動モータ61に伝達されない。したがって、駆動モータ61の制御が容易になる。
【0119】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0120】
上述した形態では、第1押圧機構26は、第1アーム49と第2アーム50との2本のアームを備えている。この他にもたとえば、図13に示すように、2本の第1アーム49と、2本の第2アーム50との4本のアームを用いて第1押圧機構を構成しても良い。すなわち、上側に配置される第1アーム49の上端および第2アーム50の上端を上述した形態と同様に取り付け、下側に配置される第1アーム49の下端および第2アーム50の下端を上述した形態と同様に取り付けるとともに、上側に配置される第1アーム49の下端と下側に配置される第2アーム50の上端とを連結部52で回動可能に連結し、上側に配置される第2アーム50の下端と下側に配置される第1アーム49の上端とを連結部52で回動可能に連結して、第1押圧機構を構成しても良い。
【0121】
このように構成すると、第1カード収納部21の上下方向の高さを高くして、カード2の収納枚数を増やした場合であっても、収納されるカード2を適切に押圧することが可能になる。その結果、カード2の適切な搬送力をカム面28aに発生させることができる。なお、3本以上の第1アーム49と、3本以上の第2アーム50とを用いて同様に、第1押圧機構を構成しても良い。また、図13では、上述した形態と同一の構成には、同一の符号を付している。
【0122】
また、図14に示すように、4本のアーム79をひし形のパンタグラフ状に連結して、連結されたアーム79の図示下側に、取付部78aを有する第1当接部材78を回動可能に取り付けることで、第1押圧機構を構成しても良い。この第1押圧機構では、4本のアーム79はそれぞれ連結部72で回動可能に連結されている。また、アーム79の連結部72にねじりコイルバネ等が配設されることで、この第1押圧機構では、押圧力を発生させている。
【0123】
また、図13や図14に示す構成に圧縮コイルバネ57を加えて第2押圧機構を構成しても良い。
【0124】
上述した形態では、カード2は、厚さが0.18〜0.36mmであるPETカードである。この他にもたとえば、カード2は、厚さが0.7〜0.8mm程度の塩化ビニール製のカード(塩ビカード)であっても良い。カード2が塩ビカードである場合、印字部や磁気ストライプがカード2の表面に形成されても良いし、IC接点がカード2の表面に固定されても良い。また、通信用のアンテナがカード2に内蔵されても良い。さらに、カード2は紙製の紙カード等の他のカードでも良い。
【0125】
上述した形態では、カード回収発行部4は、第1カード収納部21と第2カード収納部22との2個のカード収納部を備えている。この他にもたとえば、第1カード収納部21または第2カード収納部22のいずれか一方のみで、カード回収発行部を構成しても良い。この場合には、第2搬送ローラ24の回転中心24aは必ずしも、境界面P上に配置される必要はない。ただし、第2搬送ローラ24は、カード収納部21、22に収納される最下位または最上位のカード2または当接部材48、53と大径部28bとが当接するときには、押圧機構26、27で押圧されるカード2または当接部材48、53と当接しない位置に配置されることが好ましい。また、第2搬送ローラ24は、カード収納部21、22に収納される最下位または最上位のカード2と小径部28cとが対向する場合に、カード収納部21、22に収納される最下位または最上位のカード2と当接する位置に配置されることが好ましい。
【0126】
上述した形態では、カード回収発行装置1は、カード2の回収および発行を行っている。この他にもたとえば、上述した形態と同一の構成を用いて、カード2の回収動作のみを行うカード回収装置を構成しても良いし、カード2の発行動作のみを行うカード発行装置を構成しても良い。
【0127】
上述した形態では、カード2には、磁気ストライプおよび印字部が形成され、カードリーダ部3は、磁気ヘッド7およびサーマルヘッド8を備えている。この他にもたとえば、カード2には、磁気ストライプまたは印字部のいずれか一方のみが形成されて良い。また、カードリーダ部3は、磁気ヘッド7またはサーマルヘッド8のいずれか一方のみを備えても良い。また、カード2に印字部のみが形成され、カードリーダ部3はサーマルヘッド8のみを備えるようにしても良いし、カード2に磁気ストライプのみが形成され、カードリーダ部3は磁気ヘッド7のみを備えるようにしても良い。カードリーダ部3が磁気ヘッド7のみを備える場合には、磁気データの記録/消去の回数で、カード2を第1カード収納部21に回収するか、第2カード収納部22に回収するかを判断しても良い。また、この場合、磁気ヘッド7は、カード2に対して所定の処理を行うカード処理機構となる。
【0128】
上述した形態では、カード回収発行部4は、第2搬送ローラ24を備えている。この他にもたとえば、偏心カム28のみで、カード収納部21、22へのカード2の回収およびカード収納部21、22からのカード2の発行を適切に行うことができるのであれば、カード回収発行部4は、第2搬送ローラ24を備えていなくても良い。
【0129】
上述した形態では、偏心カム28を駆動する駆動モータ61はDCモータである。この他にもたとえば、駆動モータ61はステッピングモータであっても良い。この場合には、偏心カム28で生じるカード2の搬送力が変動する場合であっても、偏心カム28の回転軸59に取り付けられたウォームホイール63と、駆動モータ61の出力軸に取り付けられたウォーム62とによって、駆動モータ61の脱調を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカード回収発行装置を一側面側から示す斜視図である。
【図2】図1のカード回収発行装置を他側面側から示す斜視図である。
【図3】図1のカード回収発行装置の内部構成を側面から説明するための図である。
【図4】図1に示すカード回収発行部の内部構成を側面から説明するための図である。
【図5】図4に示す第1カード収納部よりも手前側の構成を説明するための斜視図である。
【図6】図4のE部の拡大図である。
【図7】図5に示すフラッパ機構の構成を説明するための図である。
【図8】図5に示すフラッパ機構の動作を説明するための図であり、(A)は第1カード収納部へカードが搬入される状態を示し、(B)は第2カード収納部へカードが搬入される状態を示し、(C)は第1カード収納部からカードが搬出される状態を示す。
【図9】図4に示す第1カード収納部にカードがフル回収された状態を示す図である。
【図10】図4に示す偏心カムを回転させるカム駆動部の構成を説明するための斜視図である。
【図11】図4に示すカード回収発行部において、第1カード収納部へのカードの搬入(回収)が終了する直前の状態を示す図である。
【図12】図4に示すカード回収発行部において、第1カード収納部からカードが搬出(発行)されるときに状態を示す図である。
【図13】本発明の他の形態にかかる第1押圧機構を示す側面図である。
【図14】本発明の他の形態にかかる第1押圧機構を示す側面図である。
【符号の説明】
【0131】
1 カード回収発行装置(媒体処理装置)
2 カード(カード状記憶媒体)
6 搬送路
7 磁気ヘッド(カード処理機構)
8 サーマルヘッド(カード処理機構)
21 第1カード収納部(媒体収納部、第1媒体収納部)
22 第2カード収納部(媒体収納部、第2媒体収納部)
23 第1搬送ローラ(収納部前搬送ローラ)
24 第2搬送ローラ(収納部内搬送ローラ)
25 フラッパ機構(振分機構)
26 第1押圧機構(押圧機構)
27 第2押圧機構(押圧機構)
28 偏心カム
28a カム面
28b 大径部
28c 小径部
28g 回転中心
39 第1搬送口
40 第2搬送口
41 フラッパ(振分部材)
42 フラッパ回転軸(振分回転軸)
42a 当接部
43 圧縮コイルバネ(振分付勢部材)
48 第1当接部材(当接部材)
49、54 第1アーム(アーム)
50、55 第2アーム(アーム)
51、56 引張りコイルバネ(アーム付勢部材)
53 第2当接部材(当接部材)
59 回転軸
61 駆動モータ
62 ウォーム
63 ウォームホイール
79 アーム
P 境界面
X 前後方向(搬送方向)
Z 上下方向(積層方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード状記憶媒体が搬送される搬送路と、
該搬送路を搬送される前記カード状記憶媒体が積層されて収納される媒体収納部と、
該媒体収納部の内部に積層される前記カード状記憶媒体に当接する当接部材を有し、該当接部材に当接する前記カード状記憶媒体を一方向へ押圧する押圧機構と、
該押圧機構で押圧される前記カード状記憶媒体または前記当接部材に当接可能なカム面が外周側に形成され、前記カード状記憶媒体の搬送方向に略直交する方向を回転軸の軸方向として回転する偏心カムとを備え、
前記カム面は、前記偏心カムの回転に伴って、前記カード状記憶媒体の積層方向に少なくとも前記当接部材を移動させるとともに、前記搬送路から前記媒体収納部へ搬入される前記カード状記憶媒体および/または前記媒体収納部から前記搬送路へ搬出される前記カード状記憶媒体の搬送を行うことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
前記搬送路に対して前記偏心カムよりも奥側に配置され、前記押圧機構で押圧される前記カード状記憶媒体または前記当接部材に当接可能な収納部内搬送ローラを備え、
前記カム面は、大径部と該大径部よりも径の小さい小径部とを備え、
前記収納部内搬送ローラは、前記押圧機構で押圧される前記カード状記憶媒体または前記当接部材と前記大径部とが当接するときには、前記押圧機構で押圧される前記カード状記憶媒体または前記当接部材と当接しない位置に配置され、
前記搬送路から前記媒体収納部への前記カード状記憶媒体の搬入開始時には、前記押圧機構で押圧される前記カード状記憶媒体または前記当接部材と前記大径部とが当接することを特徴とする請求項1記載の媒体処理装置。
【請求項3】
前記小径部は、前記押圧機構で押圧される前記カード状記憶媒体または前記当接部材と前記収納部内搬送ローラとが当接するときには、前記押圧機構で押圧される前記カード状記憶媒体または前記当接部材と当接しないように形成され、
前記搬送路から前記媒体収納部への前記カード状記憶媒体の搬入開始後、前記押圧機構で押圧される前記カード状記憶媒体または前記当接部材と前記大径部との当接部分に前記カード状記憶媒体が到達する前あるいは到達時に、前記偏心カムは前記大径部から小径部に向かって回転を開始し、前記収納部内搬送ローラに前記カード状記憶媒体が到達する前あるいは到達時に、前記押圧機構で押圧される前記カード状記憶媒体または前記当接部材と前記小径部とが対向した状態で前記偏心カムが停止することを特徴とする請求項2記載の媒体処理装置。
【請求項4】
前記媒体収納部として、前記搬送方向に平行でかつ前記偏心カムの回転中心を通過する平面を境界面として配置される第1媒体収納部と第2媒体収納部との2個の媒体収納部を備えることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項5】
前記搬送路と前記媒体収納部との間に配置される収納部前搬送ローラと、前記搬送路に対して前記偏心カムよりも奥側に配置され前記押圧機構で押圧される前記カード状記憶媒体または前記当接部材に当接可能な収納部内搬送ローラとを備え、
前記収納部前搬送ローラの回転軸の軸方向および前記収納部内搬送ローラの回転軸の軸方向は、前記境界面上でかつ前記偏心カムの回転軸の軸方向と平行であることを特徴とする請求項4記載の媒体処理装置。
【請求項6】
前記搬送路を搬送される前記カード状記憶媒体を前記第1媒体収納部または前記第2媒体収納部へ振り分ける振分機構と、該振分機構よりも前記第1媒体収納部側に配置され前記第1媒体収納部へ通じる第1搬送口と、前記振分機構よりも前記第2媒体収納部側に配置され前記第2媒体収納部へ通じる第2搬送口とを備え、
前記振分機構は、前記第1搬送口または前記第2搬送口を塞ぐ振分部材と、前記収納部前搬送ローラおよび前記収納部内搬送ローラと逆方向へ回転する振分回転軸と、前記振分部材を前記振分回転軸の軸方向へ付勢する振分付勢部材とを備え、
前記振分部材には、前記振分回転軸が回転可能に挿通され、前記振分回転軸は、前記振分部材の軸方向端面が当接する当接部を備え、前記振分付勢部材は、前記振分部材を前記当接部に付勢するとともに、
前記振分部材は、前記第1搬送口または前記第2搬送口から搬出される前記カード状記憶媒体が当接すると、前記振分回転軸に対して回動することを特徴とする請求項5記載の媒体処理装置。
【請求項7】
前記第1媒体収納部は、前記境界面よりも上側に配置され、前記第2媒体収納部は、前記境界面よりも下側に配置されるとともに、
前記押圧機構として、前記第1媒体収納部の内部に積層される最上位の前記カード状記憶媒体に当接する前記当接部材としての第1当接部材を有し該第1当接部材に当接する前記カード状記憶媒体を下方へ押圧する第1押圧機構を備え、
該第1押圧機構は、前記第1当接部材を前記積層方向へ移動させる複数のアームと、該アームを付勢して前記第1当接部材の前記カード状記憶媒体への押圧力を発生させるアーム付勢部材とを備え、前記第1当接部材が下方へ移動するにしたがって、前記押圧力が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項4から6いずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項8】
前記第1媒体収納部は、前記境界面よりも上側に配置され、前記第2媒体収納部は、前記境界面よりも下側に配置されるとともに、
前記押圧機構として、前記第2媒体収納部の内部に積層される最下位の前記カード状記憶媒体に当接する前記当接部材としての第2当接部材を有し該第2当接部材に当接する前記カード状記憶媒体を上方へ押圧する第2押圧機構を備え、
該第2押圧機構は、前記第2当接部材を前記積層方向へ移動させる複数のアームと、該アームを付勢して前記第2当接部材の前記カード状記憶媒体への押圧力を発生させるアーム付勢部材とを備え、前記第2当接部材が上方へ移動するにしたがって、前記アーム付勢部材による前記押圧力が大きくなるように構成されるとともに、さらに、前記第2当接部材の下方に配置される圧縮コイルバネを備えることを特徴とする請求項4から7いずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項9】
前記搬送路に配置され、前記カード状記憶媒体に所定の処理を行うカード処理機構を備え、
該カード処理機構による処理回数が所定回数未満である前記カード状記憶媒体が前記第1媒体収納部および前記第2媒体収納部のいずれか一方に収納され、該カード処理機構による処理回数が所定回数以上となった前記カード状記憶媒体が前記第1媒体収納部および前記第2媒体収納部のいずれか他方に収納されることを特徴とする請求項4から8いずれかに記載の媒体処理装置。
【請求項10】
前記偏心カムを駆動する駆動モータと、前記偏心カムの回転軸に取り付けられるウォームホイールと、前記駆動モータの出力軸に取り付けられ前記ウォームホイールと咬合するウォームとを備えることを特徴とする請求項1から9いずれかに記載の媒体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−105832(P2008−105832A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−292287(P2006−292287)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】