説明

安心表示システム

【課題】遠隔地に住む家族等の活動状況を適切に検出し、検出した活動状況を先方にてさりげなく表示できる安心表示システムの実現。
【解決手段】安心表示システムは、建物内が有人状態か無人状態かに応じて有人信号と無人信号を切り替えて出力する切替部と、建物内に設置され利用者の活動を検出して検出信号を出力するセンサと、切替部およびセンサからの信号に基づいて利用者の活動の活発さを表す活動指数を算出し、ネットワークを介して遠隔地の受信側制御装置に送信する送信側制御装置と、受信した活動指数に応じた表示を行う表示装置を制御する受信側制御装置と、を具備し、送信側制御装置は、有人信号を受けていると検出信号に基づいて活動指数を算出し、無人信号を受けていると活動指数を活動の無いことを表す基準値とする活動指数算出手段と、算出された活動指数を受信側制御装置へ送信する通信制御手段と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離れて暮らす家族等の様子を離れた場所でも感じることを可能にする安心表示システムに関し、特に家族等の様子を適切に検出し、表示する安心表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、相手の存在情報を知る場合に、人の思考が中断されず、また、相手の存在感をリアルタイムで抱くことができ、しかも、相手の存在情報を知る場合に、人の手を煩わすことがないつながり感を伝える通信端末が提案されている(特許文献1)。
かかる従来の通信端末は、人の存在、動き、環境にかかる情報を各種センサにて検出し、検出したセンサ情報を遠隔地に所在する家族へ送信する。また、センサ情報を受信すると、センサ情報に基づいて照明・光ファイバの動作などの制御をするものである。通信端末は、センサが検出すると人の動き速度など単一の情報をそのまま、即座に先方へ送信している。
【特許文献1】特開2002−314707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、人の存在感は、人が所在していること、人が動いていること、電灯を点灯していること、物音の強弱など種々の情報が組み合わされて、表現されるものである。従来の通信端末では、単に人の動いている速度が変化すればそのセンサ情報を送信して、照明等を制御することしかできず、種々の情報を組み合わせた、総合的な存在感を先方に伝えることができないという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、遠隔地に住む家族等の活動状況を適切に検出し、検出した活動状況を先方にてさりげなく表現できる安心表示システムの実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するために本発明は、建物内が有人状態か無人状態かに応じて有人信号と無人信号を切り替えて出力する切替部と、建物内に設置され利用者の活動を検出して検出信号を出力するセンサと、切替部およびセンサからの信号に基づいて利用者の活動の活発さを表す活動指数を算出し、ネットワークを介して遠隔地の受信側制御装置に送信する送信側制御装置と、送信側制御装置から活動指数を受信すると当該活動指数に応じた表示を行う表示装置を制御する受信側制御装置と、を具備する安心表示システムであって、送信側制御装置は、有人信号を受けていると検出信号に基づいて活動指数を算出し、無人信号を受けていると活動指数を活動の無いことを表す基準値とする活動指数算出手段と、活動指数算出手段が算出した活動指数を受信側制御装置へ送信する通信制御手段と、を具備することを特徴とした安心表示システム、を提供する。
【0006】
かかる構成によれば、有人状態では活動検出結果に応じた活動指数が算出され、無人状態では活動指数を基準値とするので、例えば照明装置を点灯したまま外出してしまったときなどに基準値を超える活動指数が算出されない。そのため、人の活動の実態に合致した表示が可能になり、互いに離れて暮らす者が相手の存在を適確に感じることができる。
【0007】
また、本発明においては、活動指数算出手段は、センサが人の動きの有を示す検出信号を受信すると、活動指数を当該検出信号の受信時からの時間経過とともに段階的に低くなるように算出することが好ましい。
【0008】
人の動きは、静止状態での活動やセンサの死角の存在により断続的に検出される。かかる構成によれば、動きセンサが人の動きを検出しなくなったときに活動指数は急激に下がらず時間経過とともに段階的に下がる。そのため、人の活動の実態に合致した表示が可能になり、互いに離れて暮らす者が相手の存在を適確に感じることができる。
【0009】
また、本発明においては、活動指数算出手段は、検出信号から判定した利用者の居場所に応じた重みを付けて活動指数を算出することが好ましい。
【0010】
かかる構成によれば、寝室や居間といった居場所に応じた重みを付けた活動指数が算出される。そのため、人の活動の実態に合致した表示が可能になり、互いに離れて暮らす者が相手の存在を適確に感じることができる。
【0011】
また、本発明においては、表示装置は光量または色温度が異なる複数の表示パターンにて発光可能な発光部を具備し、受信側制御装置は、送信側制御装置からの活動指数に応じて予め設定された表示パターンにて発光部を発光させることが好ましい。
【0012】
かかる構成によれば、活動状況を光量や色温度の違いで表示するので、過度に注意を惹きつけたり生活を妨害したりせずにさりげなく活動状況を表示できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、各種センサおよび切替部からの情報を組み合わせて算出した活動指数を伝達・表示するので、互いに離れて暮らす者の間で相手の存在を適確に感じることのできる安心表示システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1を参照して、本発明の実施形態の一例である安心表示システム1について説明する。また、図2を参照して安心表示システム1の各部の配置例を説明する。
【0015】
安心表示システム1は、複数の安心表示ユニット2がネットワーク3を介して接続されてなる。
【0016】
安心表示ユニット2の1つは、互いに離れて暮らしており相手の存在を感じていたい者のうちの一方が生活する建物内に設置され、別の安心表示ユニット2の1つは他方が生活する建物内に設置される。例えば、互いに離れて暮らす者とは独居老人、独り暮らしの学生やОL、又は単身赴任者等と、その家族である。また、例えば、互いに離れて暮らす者とは遠距離恋愛中の男女である。
【0017】
ネットワーク3は、インターネット等の広域通信網である。
【0018】
安心表示ユニット2の1つが建物内の人の活動を検出し、検出結果を基に活動状況を表す活動指数を算出して別の安心表示ユニット2へ送信し、活動指数を受信した安心表示ユニット2が当該活動指数に応じた表示を行う。これにより互いに離れて暮らす者の間に、互いの生活を妨害することなく相手の存在を感じさせて、空間を超えた「つながり感」を提供する。
【0019】
活動指数は、人の活動が活発であるほど高く算出される。本実施形態においては、活動がない場合の活動指数を0(基準値)、最も活発な場合の活動指数を5とし、6段階の活動指数が算出される。
【0020】
安心表示ユニット2は、切替部4と、各種センサ5と、表示装置6とが制御装置7に接続されてなり、制御装置7はさらにネットワーク3に接続される。切替部4と制御装置7の接続形態、各種センサ5と制御装置7の接続形態は、それぞれ有線、無線のどちらでも良い。
【0021】
切替部4(図中の「B」)は、建物内が有人状態であるか無人状態であるかを入力操作するスイッチである。切替部4は、建物の利用者により外出時及び帰宅時に操作され、有人状態に切り替わると有人信号を出力し、無人状態に切り替わると無人信号を出力する。図2の例では、切替部4が建物の玄関付近に設置されている。
尚、警備モード(無人状態)と警備解除モード(有人状態)を切り替えるモードスイッチを備えた警備装置を切替部4として利用することもできる。
又、人の存在を検知するセンサーやRFタグを利用して建物内が有人状態であるか無人状態であるかを判定して自動的に切り替わるようにしてもよい。
【0022】
各種センサ5は、建物内での人の活動を検出して検出信号を出力するセンサである。各種センサ5は、各部屋に設置されて、人の活動の有無や人の居場所といった人の活動状況を検出する。また、各種センサ5には予め安全表示ユニット2内で個々を識別可能なセンサIDが付与されており、各種センサ5は検出信号に自己のセンサIDを含ませて出力する。
図中「M」は人の動きを検出する動きセンサである。各動きセンサは赤外線センサ又はマイクロ波センサなどで構成され、人の動きを検出すると検出信号を出力する。
図中「L」は建物内に設置されている照明装置の点消灯を検出する照明センサである。各照明センサは照度センサ又は電流検出器などで構成され、照明装置の点灯及び消灯を検出したときに検出信号を出力する。
図2の例では、動きセンサが玄関、寝室、居間、脱衣所に設置され、照明センサが玄関、寝室、居間、風呂に設置されている。
【0023】
表示装置6は、遠隔地の建物における人の活動の様子を人が認知可能に表示する装置である。表示装置6は、複数のLED(Light Emitting Diode)からなる発光部が透過性のカバーに覆われて構成される。
発光部は赤色5個、緑色7個、青色7個の計19個のLEDで構成される。LEDの点灯数を制御することにより光量が調整され、点灯させるLEDの色の割合を制御することにより色温度が調整される。
カバーは、複数のLEDからの光が混ざって拡散するように和紙、すりガラス、乳白色のプラスチックなどで構成する。
尚、発光部はLEDに限らず、白熱灯、蛍光灯などで構成してもよい。白熱灯の場合は点灯数に代えて電圧を制御することによっても光量を調整することができる。
【0024】
制御装置7は、切替部4及び各種センサ5からの信号を基に活動指数を算出して他の制御装置7へ送信する。また、制御装置7は、他の制御装置7からの活動指数を受信し、表示装置6を制御して活動指数に応じた表示を行わせる。
【0025】
図3を参照して、制御装置7の構成を説明する。
【0026】
制御装置7は、切替部I/F71と、センサI/F72と、ネットワークI/F73と、記憶部74とが、制御部75に接続されてなる。
【0027】
切替部I/F71は、切替部4と接続され、有人信号及び無人信号を制御部75へ入力するインターフェース回路である。
【0028】
センサI/F72は、各種センサ5と接続され、検出信号を制御部75へ入力するインターフェース回路である。
【0029】
ネットワークI/F73は、ネットワーク3と接続され、活動指数等を送受信するインターフェース回路である。
【0030】
記憶部74は、ROM、RAM等のメモリ装置であり、各種プログラムや各種データを記憶し、制御部75との間でこれらを入出力する。各種データには表示用テーブル741、重みテーブル742が含まれる。
【0031】
表示用テーブル741は、活動指数と表示装置による表示パターンとを対応付けたテーブルであり、予め設定される。表示パターンは、LEDの点灯数及び点灯させるLEDの色の割合で表される。
図4は、表示用テーブル741を例示したものである。活動指数0に対しては全消灯の表示パターンが設定されている。以降、活動指数が高いほど点灯数の多い表示パターン、すなわち光量(単位;lx(ルクス))の高い表示パターンが設定されている。また、活動指数が高いほど緑色と青色の点灯割合が多く赤色の点灯割合が少ない表示パターン、すなわち色温度(単位;K(ケルビン))の高い表示パターンが設定されている。例えば、活動指数が5のときは19個のLEDが点灯し、そのうち赤色が5個(28%)、緑色が7個(36%)、青色が7個(36%)の表示パターンとなる。
【0032】
重みテーブル742は、各種センサ5により検出された人の活動と活動指数の基礎となる得点とを対応付けたテーブルであり、予め設定される。得点が集計されて活動指数が算出される。得点には、人の動きに着目した動き得点と、人の活動場所に着目した居場所得点の2種類が設定されている。
【0033】
図5(a)は、最後に動きセンサから検出信号を受信してからの経過時間と、動き得点とを対応付けたテーブルである。動き得点は、経過時間が5分未満であれば3点、以降5分、7分が経過した時点で1点ずつ下がり、経過時間が10分以上なら0点と設定されている。
動き得点は、経過時間が長くなるほど低くなるよう重み付けされている点に特徴がある。
【0034】
図5(b)は、各照明センサからの検出信号の受信により判定される人の居場所と、居場所得点を対応付けたテーブルである。寝室に設置された照明センサから照明装置の点灯が検出された場合の居場所得点は1点、同様に風呂なら2点、居間なら3点、廊下なら1点が設定されている。また、照明装置の消灯が検出された場合の居場所得点は、人の活動が無いとして部屋によらず0点が設定されている。
居場所得点は、部屋で専ら行われる活動の活発さを勘案して設定されている。例えば、寝室で行われる睡眠等は活発さが低いため最低点、居間で行われる娯楽活動等は活発さが高いため最高点が設定されている。このように居場所得点は、部屋の役務に応じて重み付けされている点に特徴がある。
【0035】
また、各制御装置7には、ネットワーク3において当該制御装置7を識別可能なIPアドレスが予め付与されている。記憶部74には通信相手の制御装置7のIPアドレスが予め設定されている。通信相手の制御装置7とは離れて暮らす相手が生活する建物内に設置されている制御装置7である。
【0036】
また、記憶部74には、各種センサ5のセンサIDとセンサの種別との対応関係、さらに照明センサについてはセンサIDと設置場所(人の居場所に相当)との対応関係が予めテーブル化されて設定されている。以下、このテーブルをセンサテーブル(不図示)と称する。
【0037】
制御部75は、DSP、MCU等の演算装置であり、活動指数算出手段751、通信制御手段752、表示制御手段753等の動作を記述したプログラムを記憶部74から読み出して実行することにより各手段として機能する。
また、制御部は不図示の計時手段を備え、現在時刻を取得したり、タイマーを利用したりすることができる。
【0038】
活動指数算出手段751は、各種センサ5及び切替部4からの信号に基づいて建物内での人の活動状況を活動指数として算出し、算出した活動指数を通信制御手段752へ出力する。
具体的には、活動指数算出手段751は、切替部4から有人信号を受けているときは各種センサ5からの検出信号に基づいて活動指数を算出し、切替部4から無人信号を受けているときは活動指数を基準値(=0)とする。
このように建物内が無人状態のときに活動指数を基準値とするので、照明装置を点灯したまま外出してしまったときなどに基準値を超える活動指数が算出されない。そのため、建物内における人の活動の実態に合致した活動指数を算出、伝達できる。
【0039】
各種センサ5からの検出信号に基づく活動指数の算出は、重みテーブル742から各検出信号に対応する得点を選択し、選択された得点を合算することで行われる。
【0040】
動きセンサからの検出信号に対応する動き得点の選択について説明する。
活動指数算出手段751は、動きセンサから検出信号を受信したときに受信時刻を記憶部74に記憶させておき、現在時刻と受信時刻との差を経過時間として求め、経過時間に対応する動き得点を重みテーブル742から選択する。検出信号が動きセンサによるものか否かは、受信した検出信号に含まれるセンサIDと対応する種別をセンサテーブルから選択することで判定できる。
【0041】
上述したように動き得点は経過時間が長いほど低く設定されているので、活動指数は人の動きの有を示す検出信号が受信されてからの時間経過とともに低くなるように算出される。逆に、短い時間間隔で検出信号が受信され続ける場合は高い動き得点が選択され続けるため、活動指数は高く維持される。
動きセンサが人の動きを検出しなくなっても、多くの場合、当該人は静止してその場で活動を続け、動きは断続的に検出される。また、動きセンサの数は限られるため死角ができ、人が移動中であっても動きは断続的に検出される。そのため、人の動きを検出されなくなると直ちに活動指数を下げるのではなく、時間経過とともに緩やかに活動指数を下げることで、建物内における人の活動の実態に合致した活動指数を算出、伝達できる。
【0042】
照明センサからの検出信号に対応する居場所得点の選択について説明する。
活動指数算出手段751は、照明センサから検出信号を受信したときに検出信号が表す照明装置の点灯状態を照明センサごとに記憶部74に記憶させておき、各照明装置の点灯状態に対応する居場所得点を重みテーブル742から選択する。検出信号が照明センサによるものか否か、及び照明センサが点灯を検出した人の居場所は、受信した検出信号に含まれるセンサIDと対応する種別、及び設置場所をセンサテーブルから選択することで判定できる。
【0043】
上述したように重みテーブル742には居場所ごとの活発さに応じた居場所得点が設定されているので、活動指数は、人の活動が活発なほど高く、活発でないほど低く算出される。
そのため、建物内における居場所に応じて人の活動の実態に合致した活動指数を算出、伝達できる。
【0044】
通信制御手段752は、活動指数算出手段751により新たに活動指数が算出されたときに、算出された活動指数をネットワーク3経由にて遠隔地に設置されている通信相手の制御装置7へ送信する。すなわち通信制御手段752は、通信相手の制御装置7のIPアドレスを宛先とし算出された活動指数を同梱したパケットをネットワークI/F73へ出力する。
また、通信制御手段752は、通信相手の制御装置7からの活動指数を受信して表示制御手段753へ出力する。すなわち通信制御手段752は、ネットワークI/F73が受信したパケットを開梱して通信相手の制御装置7からのパケットと確認されれば、パケットから取得した活動指数を表示制御手段753へ出力する。
【0045】
表示制御手段753は、表示装置6を制御して受信した活動指数に応じた表示を行わせる。すなわち表示制御手段753は、通信制御手段752から入力された活動指数に対応する表示パターンを表示用テーブル742から選択し、選択した表示パターンに応じた制御信号を表示装置6へ出力する。
上述したように表示装置6は活動指数の違いを光量や色温度の違いで表示するので、光の明滅や音、映像とは異なり過度に注意を惹きつけたり生活を妨害したり相手のプライバシーを侵害したりせず、遠隔地の建物における人の活動の様子をさりげなく表示できる。
また、表示装置6は3以上の段階で表示するので、人の活動による変化を視認させることができ、遠隔地の建物において人が活動していることを実感させることができる。
【0046】
次に、図6を参照して安心表示システム1の動作を説明する。
【0047】
制御装置7の制御部75は、起動されるとまず各部、各手段を初期化する(S1)。活動指数は0に初期化される。また、活動指数の更新周期(例えば1分間)をセットしてタイマーをスタートさせる。初期化後、制御部75はS2〜S10の処理を繰り返し行う。
【0048】
S2〜S7の処理が実行されるとき、制御装置7は送信側制御装置として動作し、当該制御装置が設置された建物内における人の活動指数を定期的に算出して送信する。
【0049】
まず、制御部75の活動指数算出手段751は、各種センサ5からの検出信号を受信しているか確認し(S2)、受信していればその受信記録を生成する(S3)。すなわち動きセンサのいずれかからの検出信号であれば受信時刻(動きセンサの別を問わない共通の記録)を記憶部74に記憶させ、照明センサからの検出信号であれば検出された状態が点灯か消灯かを照明センサごとに記憶部74に記憶させる。
【0050】
次に、活動指数算出手段751は、タイマーを参照して更新時刻の到来を確認し(S4)、到来していれば活動指数の算出を行う(S5)。
【0051】
図7を参照して活動指数算出処理の詳細を説明する。
【0052】
まず、活動指数算出手段751は切替部4からの信号を確認し(S50)、信号が無人状態を表す無人信号であれば活動指数を基準値の0とする(S51)。
一方、信号が有人状態を表す有人信号であれば、活動指数算出手段751はS52〜S63の処理を実行して各種センサ5からの検出信号に応じた活動指数を算出する。
【0053】
S52〜S55では、動きセンサからの検出信号に応じた活動指数が算出される。
すなわち、活動指数算出手段751は、図6のS3にて生成された受信記録の中に動きセンサの受信記録があるか確認し(S52)、受信記録があれば現在時刻と受信時刻の差を経過時間として算出し(S53)、経過時間に対応した動き得点を重みテーブル742から選択する(S54)。一方、受信記録がない場合、活動指数算出手段751は動き得点を0とする(S55)。
【0054】
S56〜S60では、照明センサからの検出信号に応じた活動指数が算出される。
すなわち、活動指数算出手段751は、照明センサについてのループ処理を設定し(S56,S60)、各照明センサについて図6のS3にて生成された受信記録を参照して対応する部屋の照明装置が点灯しているか消灯しているかを判定し(S57)、判定結果に対応した居場所得点を重みテーブル742から選択して(S58)、選択した居場所得点を順次累積する(S59)。
【0055】
こうして全てのセンサ5について処理を終えると、活動指数算出手段751はS54にて選択された動き得点とS59にて算出された居場所得点の累積値を合算して活動指数を算出する(S61)。このとき算出された活動指数が最大値の5を超えていれば(S62−はい)、活動指数を5に修正する(S63)。
【0056】
図6に戻り、制御部75の活動指数算出手段751は算出された活動指数を記憶部74に記憶させ(S6)、制御部75の通信制御手段752は算出された活動指数を通信相手の制御装置7へ送信する(S7)。活動指数はネットワーク3により通信相手の制御装置7に伝送される。
【0057】
S8〜S10の処理が実行されるとき、制御装置7は受信側制御装置として動作し、遠隔地にて算出された活動指数を受信して表示を行う。
【0058】
すなわち、制御部75の表示制御手段753は通信相手の制御装置7から活動指数を受信しているか確認し(S8)、受信していれば受信した活動指数に応じた表示パターンを表示用テーブル741から選択して(S9)、選択した表示パターンに応じた制御信号を表示装置6へ出力する(S10)。表示装置6は発光部を制御信号に対応する表示パターンにて点灯させる。尚、このとき、表制御手段753は、節電のために切替部4からの信号を確認して信号が有人状態を表す有人信号であるときだけS9及びS10を実行してもよい。
【0059】
以上の実施形態においては、各種センサ5がセンサIDを含めた検出信号を出力し、活動指数算出手段751がセンサIDによりセンサ5を識別する例を示した。別の実施形態においては、活動指数算出手段751は有線接続された各種センサ5をセンサI/F72における接続端子の別によって識別する。
また、以上の実施形態においては、各種センサ5はセンサIDを含めた検出信号を出力し、活動指数算出手段751は検出信号に含まれるセンサIDを基にセンサ5の種別や設置場所を判定する例を示した。別の実施形態においては、各種センサ5は種別や設置場所を含めた検出信号を出力する。
また、以上の実施形態においては、各種センサ5として動きセンサ及び照明センサの両方を用いる例を示した。別の実施形態においては各種センサ5として動きセンサのみ、或いは照明センサのみを用いる。動きセンサのみの場合、センサID及びセンサテーブルの設定は不要である。
【0060】
以上の実施形態においては、表示装置6は光量及び色温度を変化させることで活動状況を表示する例を示した。別の実施形態においては表示装置6は光量のみ、或いは色温度を変化させることで活動状況を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態である安心表示システム1の構成例を示す図
【図2】安心表示システム1の各部の配置の一例を示す図
【図3】制御装置7の構成例を示す図
【図4】表示用テーブル741の一例を示す図
【図5】重みテーブル742の一例を示す図
【図6】安心表示システム1の動作例を示すフローチャート
【図7】活動指数算出手段751の動作例を示すフローチャート
【符号の説明】
【0062】
1・・・安心表示システム、
2・・・安心表示ユニット、
3・・・ネットワーク、
4・・・切替部、
5・・・各種センサ、
6・・・表示装置、
7・・・制御装置、
74・・・記憶部、
741・・・表示用テーブル、
742・・・重みテーブル、
751・・・活動指数算出手段、
752・・・通信制御手段、
753・・・表示制御手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内が有人状態か無人状態かに応じて有人信号と無人信号を切り替えて出力する切替部と、
前記建物内に設置され利用者の活動を検出して検出信号を出力するセンサと、
前記切替部および前記センサからの信号に基づいて前記利用者の活動の活発さを表す活動指数を算出し、ネットワークを介して遠隔地の受信側制御装置に送信する送信側制御装置と、
前記送信側制御装置から前記活動指数を受信すると当該活動指数に応じた表示を行う表示装置を制御する受信側制御装置と、
を具備する安心表示システムであって、
前記送信側制御装置は、
前記有人信号を受けていると前記検出信号に基づいて前記活動指数を算出し、前記無人信号を受けていると前記活動指数を活動の無いことを表す基準値とする活動指数算出手段と、
前記活動指数算出手段が算出した前記活動指数を前記受信側制御装置へ送信する通信制御手段と、
を具備することを特徴とした安心表示システム。
【請求項2】
前記活動指数算出手段は、前記センサが人の動きの有を示す検出信号を受信すると、前記活動指数を当該検出信号の受信時からの時間経過とともに段階的に低くなるように算出する請求項1に記載の安心表示システム。
【請求項3】
前記活動指数算出手段は、前記検出信号から判定した前記利用者の居場所に応じた重みを付けて前記活動指数を算出する請求項1または請求項2に記載の安心表示システム。
【請求項4】
前記表示装置は光量または色温度が異なる複数の表示パターンにて発光可能な発光部を具備し、
前記受信側制御装置は、前記送信側制御装置からの前記活動指数に応じて予め設定された前記表示パターンにて前記発光部を発光させる請求項1ないし請求項3の何れかに記載の安心表示システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−122913(P2010−122913A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296098(P2008−296098)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000108085)セコム株式会社 (596)
【Fターム(参考)】