説明

定量止水栓およびそれを用いた給湯装置

【課題】 定量止水栓の作動情報を流量変動で伝達するように構成させることで、電気的接続を必要とせずに定量止水栓の作動情報を外部に伝達することが可能な定量止水栓およびそれを用いた給湯装置を実現する。
【解決手段】 給湯制御装置12と流水開閉手段513の開弁/閉弁を制御する定量止水制御装置516とが設けられ、定量止水制御装置516は、定量止水栓5が予め設定した吐水量を吐水しているときに、流水開閉手段513の開弁/閉弁を制御させて定量止水栓5の作動情報を流量変動に暗号化するように構成するとともに、給湯制御装置12は、定量止水栓5に導く温水の流量変動を検知することで暗号化された作動情報を解読するように構成した。これにより、電気的接続を必要とせずに定量止水栓の作動情報を外部に伝達することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め設定した吐水量になると自動的に止水する定量止水栓およびそれを用いた給湯装置に関するものであり、特に、定量止水栓の作動情報の伝達に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の定量止水栓として、例えば、特許文献1に示すように、湯と水との混合量を調節する湯水混合手段と、混合された混合水の水路を開閉する流水開閉手段と、水車および発電機からなり混合水の流水エネルギーにより水車を回転させて発電する発電手段と、流水開閉手段の開弁によって吐水される混合水の吐水量を測定する吐水量測定手段と、この吐水量測定手段により検出され、吐水開始から吐水量の積算値であるお湯張り量を求めるお湯張り量演算手段と、予め設定された目標お湯張り量を記憶する目標お湯張り量記憶手段とを有し、お湯張り量が目標お湯張り量記憶手段により記憶された目標お湯張り量を吐水する定量お湯張り運転のときに、上記発電手段によって発電された電力を給電して流水開閉手段の開弁/閉弁を制御する第2制御手段を備える定量止水栓が知られている。
【0003】
これにより、定量止水栓の作動が外部からの電源手段に接続することなく制御できるように構成している(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−90072号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、定量止水栓の上流側に加熱手段である給湯器を接続し、その定量止水栓に加熱した温水を導いて浴槽内に所望する湯温の混合水を所定量のお湯張りする給湯装置においては、例えば、定量止水栓の機能のうちで、少なくとも吐水開始、吐水される湯温、吐水量、吐水終了などのいずれかの作動情報が浴室外で報知することができると利便性の優れる給湯装置となる。
【0005】
そのためには、例えば、定量止水栓の作動情報を報知するリモコンパネルおよび給湯器を制御する第1制御手段を設けて、その第1制御手段に定量止水栓の作動情報を伝達させてリモコンパネルに報知情報を出力する方法がある。一般的には、第1制御手段と定量止水栓とを電気的に接続するか、または相互間の送受信による通信手段を組み込むなどのいずれかの方法がある。電気的に接続する方法では施工の煩わしさが伴うとともに施工コストの増加を招く。一方、通信手段を組み込む方法では定量止水栓の小型化が損なわれるとともに部品コストの増加を招く問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、定量止水栓の作動情報を流量変動で伝達するように構成させることで、電気的接続を必要とせずに定量止水栓の作動情報を外部に伝達することが可能な定量止水栓およびそれを用いた給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項15に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、上水を加熱する加熱手段(1)と、水路を開閉する流水開閉手段(513)およびこの流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御する第2制御手段(516)を有し、加熱手段(1)により加熱された温水を導いて、予め設定した吐水量になると自動的に止水する定量止水栓(5)とを備える給湯装置において、 加熱手段(1)を制御する第1制御手段(12)が設けられ、第2制御手段(516)は、定量止水栓(5)が予め設定した吐水量を吐水しているときに、流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御させて定量止水栓(5)の作動情報を流量変動として暗号化するように構成するとともに、第1制御手段(12)は、定量止水栓(5)に導く温水の前記流量変動を検知することで暗号化された作動情報を解読するように構成したことを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、作動情報を流量変動で伝達および解読ができることで、第1制御手段(12)と第2制御手段(516)との間を電気的な接続をしなくても定量止水栓(5)の作動情報を第1制御手段(12)に伝達することが可能である。
【0009】
請求項2に記載の発明では、第2制御手段(516)は、定量止水栓(5)の作動情報を流水開閉手段(513)の開弁時間/閉弁時間および開弁/閉弁の繰り返し回数に基づいて流量変動として暗号化することを特徴としている。請求項2に記載の発明によれば、具体的に、流量変動は開弁時間/閉弁時間および繰り返し回数を用いることで暗号化を容易に行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、前記第2制御手段(516)は、前記定量止水栓(5)の作動情報をバーコードを用いて流量変動として暗号化することを特徴とする。請求項3に記載の発明によれば、伝達性能の信頼性が良好となる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、定量止水栓(5)には、水車および発電機からなり、湯水の流水エネルギーにより水車を回転させて発電する発電手段(514)が設けられ、第2制御手段(516)は、発電手段(514)によって発電された電力を給電して流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御するとともに、発電手段(514)によって出力される発電信号をパルスに変換し、このパルスをカウントして吐水量を計測することを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、定量止水栓(5)は外部からの電源接続もしくは乾電池交換などを不用にできるとともに、専用の流量計を設ける必要がないので小型、かつ安価な給湯装置を提供することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、定量止水栓(5)の作動情報を報知するリモコンパネル(2)が設けられ、第1制御手段(12)は、解読した定量止水栓(5)の作動情報をリモコンパネル(2)に出力することを特徴としている。請求項5に記載の発明によれば、定量止水栓(5)の作動情報がリモコンパネル(2)で報知できることで装置の利便性が向上する。
【0014】
請求項6に記載の発明では、第1制御手段(12)は、定量止水栓(5)の作動情報のうち、吐水開始、吐水残り時間、吐水終了、高温警告および吐水温度のいずれかがリモコンパネル(2)に報知されることを特徴としている。請求項6に記載の発明によれば、例えば、浴槽内へのお湯張り状況が遠隔で容易に認知できる。これにより、コストの増加を防止するとともに利便性が向上できる。
【0015】
請求項7に記載の発明では、定量止水栓(5)には、流水開閉手段(513)の開弁によって吐水する湯温を検出する温度センサ(517)が設けられ、第1制御手段(12)は、温度センサ(517)により検出された湯温に基づいて加熱手段(1)を制御することを特徴としている。請求項7に記載の発明によれば、湯温の確実なフィードバック制御ができる。
【0016】
請求項8に記載の発明では、流水開閉手段(513)は、ソレノイドからなる電磁弁(513a)、その電磁弁(513a)で開閉動作するパイロット弁(513b)、およびダイヤフラムからなる主弁(513c)、から構成したことを特徴としている。請求項8に記載の発明によれば、ウォータハンマー現象を発生することなく作動情報を伝達することができる。
【0017】
請求項9に記載の発明では、水路を開閉する流水開閉手段(513)および流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御する第2制御手段(516)を有し、予め設定した吐水量になると自動的に止水する定量止水栓(5)であって、
第2制御手段(516)は、定量止水栓(5)が予め設定した吐水量を吐水しているときに、流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御させて定量止水栓(5)の作動情報を流量変動として暗号化するように構成され、かつ定量止水栓(5)が吐水する流量変動を検知することで暗号化された作動情報を解読するように構成したことを特徴としている。
【0018】
請求項9に記載の発明によれば、流量変動に暗号化された作動情報を容易に検証することが可能となる。つまり、定量止水栓(5)の上流側および下流側における閉塞などによる通水抵抗の増加が生じたときに流量変動の検証ができる。
【0019】
請求項10に記載の発明では、第2制御手段(516)は、定量止水栓(5)が吐水する流量変動が予め設定された作動情報のときに、止水するように制御することを特徴としている。請求項10に記載の発明によれば、具体的には、解読された作動情報が、例えば、流水開閉手段(513)が開弁しているのに水流がなかった場合などの異常の検出を流量変動を解読することで容易にできる。
【0020】
請求項11に記載の発明では、上水を加熱する加熱手段(1A)と、水路を開閉する流水開閉手段(513)および前記流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御する第2制御手段(516)を有し、前記加熱手段(1A)により加熱された温水を導いて、浴槽(6)に貯められる浴水の湯量が予め設定した吐水量になると自動的に止水する定量止水栓(5A)とを備える給湯装置において、
吐水量および吐水温度を計測した値を用いて浴槽(6)に貯められる浴水の温度Tを算出し、算出した浴水の温度Tが異常温度であった場合に、
前記第2制御手段(516)は、前記流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御した所定の作動情報を流量変動として暗号化するとともに、
前記加熱手段(1A)を制御する第1制御手段(12A)は、前記第2制御手段(516)により暗号化された前記流量変動を検知することで浴水の温度が異常温度であることを認識して使用者に知らしめることを特徴としている。
【0021】
請求項11に記載の発明によれば、浴槽に貯められた浴水の温度が結果的にある温度よりも高温、または低温などの入浴に適さない異常な温度となった場合に、使用者にその結果を知らせるために、所定の作動情報を暗号化された流量変動として伝達することにより、電気的な信号を伝達するための装備および工事を不要にできるとともに、浴水温度の設定ミスによる不意の状況が起因となる事故を未然に防ぐことができる。
【0022】
請求項12に記載の発明では、前記定量止水栓(5A)は、温度調節機構を有さない湯水混合水栓であることを特徴としている。請求項12に記載の発明によれば、湯水混合水栓において、使用者が設定した冷水量と温水量の比率が設定ミスであった場合や、他の水栓の使用による水圧の変化で冷水量または温水量の変動が起こり温度設定が変化してしまった場合でも、浴水温度の不意の状況による事故を未然に防ぐことができる。
【0023】
請求項13に記載の発明では、前記浴水の温度Tを算出する手段は、単位時間当たりの吐水量qに単位時間当たりの平均吐水温度tを乗じた単位時間当たりの熱量qtを、吐水量が設定された湯張り量Qになるまで積算し、この積算した熱量を前記湯張り量Qで除して求めた結果をTとすることを特徴としている。請求項13に記載の発明によれば、簡単な算出式で前記浴水の温度をより精度高く算出することができる。
【0024】
請求項14に記載の発明では、前記浴水の温度Tを算出する手段は、単位湯量あたりの平均吐水温度tを、吐水量が設定された湯張り量Qになるまで前記tを算出して、これらの平均値を求めた結果をTとすることを特徴としている。請求項14に記載の発明によれば、簡単な算出式で前記浴水の温度を精度高く算出することができる。
【0025】
請求項15に記載の発明では、暗号化された前記流量変動は、湯張り終了時に発生させることを特徴としている。請求項15に記載の発明によれば、湯張りの終了と、異常温度であることの報知を同時に使用者に知らしめることができる。
【0026】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態における定量止水栓5を用いた給湯装置を図1ないし図17に基づいて説明する。図1は本発明を適用した給湯装置の全体構成を示す模式図であり、図2はリモコンパネル2の全体構成を示す外観図であり、図3は定量止水栓5の全体構成を示す外観図、構成図である。図4は定量止水栓本体51の全体構成を示す模式図、図5は第2制御手段である定量止水制御装置516の全体構成を示すブロック図である。
【0028】
まず、本実施形態の給湯装置は、図1に示すように、加熱手段である給湯器1、リモコンパネル2、浴室内に設置される定量止水栓5、台所に設置されるキッチン水栓7などから構成している。また、図中に示す3は上水が導水される給水用配管であり、給湯器1、定量止水栓5、キッチン水栓7の上流側に繋がれている。図中に示す4は給湯器1で加熱された温水を定量止水栓5、キッチン水栓7に導く給湯用配管である。
【0029】
また、図中に示す8は給湯制御装置12とリモコンパネル2とを電気的に接続されたリモコン線であり、図中に示す6は浴槽である。そして、給湯器1で加熱された温水を定量止水栓5またはキッチン水栓7に導いて、これらの水栓5、7で水道水である上水と混合して温度調節された給湯水を浴槽6もしくはキッチン水槽に給湯する装置である。
【0030】
給湯器1は内部に流通する上水を加熱する加熱装置11、およびその加熱装置11を制御する第1制御手段である給湯制御装置12から構成している。加熱装置11は内部に給水用配管3から導水される上水が流通する加熱用熱交換器(図示せず)とその加熱用熱交換器(図示せず)に流通する上水を外部から加熱する熱源装置(図示せず)とから構成している。
【0031】
そして、加熱装置11の下流側には加熱された温水の流量を検出する流量計13が設けられるとともに、加熱装置11の上流側に導水される上水の水温を検出する水温センサ14、加熱装置11の下流側に加熱された温水の湯温を検出する湯温センサ15が設けられている。そして、これらの各センサ13、14、15により検出された流量情報、温度情報が給湯制御装置12に入力されるように電気的に接続されている。なお、流量計13は流量カウンタなどからなり、加熱装置11の下流側を流通する流量を検出するセンサである。
【0032】
給湯制御装置12は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROM(図示せず)には、予め設定された制御プログラムが設けられており、各センサ13、14、15からの流量情報、温度情報、図示しない操作盤からの操作情報に基づいて加熱装置11およびリモコンパネル2を制御するように構成している。
【0033】
ところで、本実施形態の給湯制御装置12には、詳しくは後述するが、流量計13により加熱装置11から流れ出る流量を検出することで、暗号化された定量止水栓5の作動情報を解読する制御プログラムが設けられており、この解読プログラムの制御処理に基づいてリモコンパネル2を制御するようにしている。
【0034】
因みに、本実施形態のリモコンパネル2は、図2に示すように、湯張り中、湯温、お湯張りの残り時間を表示する表示部21と、お湯張りが終了したことや平均吐水湯温が、例えば45℃を超えるような高温であった場合に高温を報知(高温警告)する報知部22とから構成されている。つまり、浴室内に設けられた定量止水栓5の浴槽内へのお湯張りにおける作動情報を浴室外に報知するためのパネルであって、本実施形態では台所に設置されている。
【0035】
次に、定量止水栓5はお湯張り量が予め設定した目標お湯張り量に達すると自動的に止水する機能を有する水栓金具である。本実施形態の定量止水栓5は、浴室内の浴槽と洗い場とが隣接する壁面に取り付けるタイプであって、特に、浴槽内にお湯張りを行なうときに、図3(a)に示すように、定量止水栓本体51の上面に設けられた操作パネル511内の吐水/止水スイッチ511aを操作することで、定量お湯張り運転が開始され、吐水口51bより設定した湯温の混合水を自動で吐水し、予め設定された目標お湯張り量に達したときに自動的に止水するようにしている。
【0036】
そして、定量止水栓5は、湯水を混合する湯水混合栓本体52と混合された混合水の水路を開閉する定量止水栓本体51とを給水管51aを介して連結している。また、湯水混合栓本体52には、右端側に温度設定手段である温調ハンドル53、正面側に流路切替ハンドル54、左端側に流量調節ハンドル55が備えられている。56はシャワーホース、57は冷水流水路、および図3(a)では図示されていないが温水流水路58が設けられている。
【0037】
次に、湯水混合栓本体52の概略構成を図3(b)に基づいて説明する。図3(b)に示すように、湯水混合栓本体52には、湯と水を混合する湯水混合手段521の他に、湯水混合手段521により混合された混合水の流量を調節する流量調節手段522と、混合された混合水を給水管51aまたはシャワーホース56のいずれか一方に流路を切り替える流路切替手段523とから構成されている。
【0038】
また、湯水混合手段521の上流端は、給水用配管3を介して上水(水道管)に接続され、常温の水が流入される冷水流入路57と、給湯用配管4を介して給湯器1に接続され、給湯器1から吐出される温水が流入する温水流入路58とが備えられている。
【0039】
そして、湯水混合手段521は、内部にサーモワックスなどの感温体が収容されたサーモスタットからなる弁体(図示せず)、温調ハンドル53の回転角を往復動に変換する回転/往復変換部材(図示せず)、および温調ハンドル53から構成され、この温調ハンドル53を回転させることで、混合水を所望する湯温に設定できるようにしている。これにより、冷水流入路57および温水流入路58から流入した温水と水とが所望する湯温となるように混合される。
【0040】
また、流量調節手段522には、流量調節ハンドル55が設けられ、この流量調節ハンドル55を回転させることで、流量調節手段522による混合水の流量を調節できるようになっている。また、流路切替手段523には、流路切替ハンドル54が設けられ、この流路切替ハンドル54を回すことにより、混合水を給水管51aまたはシャワーホース56のいずれか一方に切り替えられるとともに、給水管51aまたはシャワーホース56のいずれへも止水するストップ機能を有している。
【0041】
次に、定量吐水栓本体51の全体構成を図4に基づいて説明する。定量吐水栓本体51は、図4に示すように、給水管51aから吐水口51bに至る水路51cを開閉する流水開閉手段513と、磁石を水車形状に成形した水車514aおよびコイル514bからなり、水路51cを流れる混合水の流水エネルギーにより水車514aを回転させて発電する発電手段514と、この発電手段514により発電された電力を蓄える蓄電手段である蓄電用コンデンサ515と、水車514aの回転を検出して水路51cを流れる混合水の吐水量を測定する吐水量測定手段(水車514aおよびコイル514b)と、蓄電用コンデンサ515により電源が供給されて流水開閉手段513の開閉を制御する第2制御手段である定量止水制御装置516と、水路51cを流れる混合水の湯温を検出する温度センサ517から構成されている。
【0042】
まず、流水開閉手段513は、ソレノイドなどからなる電磁弁513aにより開閉動作を行なうパイロット弁513bと、ダイヤフラムからなる主弁513cとで構成され、電磁弁513aを通電させて、混合水の一部を導いたパイロット弁513bを開弁することで、ダイヤフラムを作用させて主弁513cを開弁させるようになっている。
【0043】
これにより、電磁弁513aに付加する電力が小さくても、小さな動力で動作するパイロット弁513bを通過した混合水の圧力により、ダイヤフラムを作用させて大きな動力を必要とする主弁513cを動作させたものである。なお、電磁弁513aは定量止水制御装置516により制御されてパイロット弁513bを開弁/閉弁を行なうものである。
【0044】
なお、図中に示す513dは手動弁であって、使用者の人力により主弁513cを開弁させる弁である。これは、後述する蓄電用コンデンサ515に蓄えられた電力がないとき、または定量止水制御装置516、電磁弁513aなどの機器故障時に主弁513cを強制的に開弁させることができるようにしている。
【0045】
発電手段514は、吐水量測定手段も兼ねる水車514aおよびコイル514bとからなる。水車514aは、混合水の水路51c中に配設され、水路51cを流れる混合水の流水エネルギーを回転力に変換するとともに、コイル514bに対して交番磁界を発生することでコイル514bに誘起電力が発生し発電する。
【0046】
そして、発電された電力は、定量止水制御装置516内に設けられた後述する直流電源回路516dにより直流に変換され、さらに電圧調整された後、蓄電用コンデンサ515に蓄えるように構成されている。
【0047】
また、本実施形態では、吐水口51bから吐水する吐水量を測定するために、水車514aの回転により発生するコイル514bの出力波形を定量止水制御装置516に出力させて、その出力波形をパルスに変換してそのパルス数をカウントすることで水車514aの回転数に換算して積算吐水量を算出するようにしている。
【0048】
なお、ここで説明する吐水量は、混合水が吐水口51bから吐水する流量L/分を示すものであって、吐水量と水車514aの回転数との関係は略比例関係となっているため、カウントしたパルス数から回転数に変換させて吐水量が求められるように予め設定されている。
【0049】
また、水車514aの回転数をコイル514bから発する出力波形から回転数信号を求めたが、これに限らず、水車514aの回転数を検出する回転センサを設けて回転数信号を定量止水制御装置516に出力させても良い。なお、図中に示す51dは整流板であり吐水口51bから吐水された水流を整えて外部に吐水するようになっている。
【0050】
また、水車514aの下流側には吐水口51bから吐水される混合水の湯温を検出する湯温センサ517が設けられ、湯温センサ517で検出された温度情報を定量止水制御装置516に出力するように接続されている。さらに、操作パネル511には、湯温センサ517で検出された温度情報を報知するための湯温表示部511bが設けられている。
【0051】
次に、定量止水制御装置516の構成について説明する。定量止水制御装置516は、図示しない回路基板上に配設されたCPU、ROM、RAMを中心とした周知のマイクロコンピュータにより構成されているCPU516a、およびそのCPU516aに接続されるその他の電子部品から構成されて、操作パネル511の下方に設けられている。
【0052】
具体的には、図5に示すように、CPU516aは、操作モードに基づく主弁513cの開閉制御、発電手段514からの出力波形に基づく吐水量の計測と演算手段、湯温表示部511bの制御などを行なう制御プログラムの制御処理が設けられている。さらに、発電手段514からの出力波形に基づく吐水開始から吐水量の積算値であるお湯張り量を求めるお湯張り量演算手段と予め設定された目標お湯張り量を記憶する目標お湯張り量記憶手段が設けられている。
【0053】
516bは電磁弁駆動回路であり、CPU516aからの指令信号に基づいて電磁弁513aを駆動させて主弁513cを開閉する信号を出力する。516cは波形整形回路であり、発電手段514から出力される出力波形をCPU516aに入力するためのパルスに変換する。516dは直流電源回路であり、発電手段514で発生した交流電圧を整流、平滑して直流に変換後定電圧ICなどで電圧を安定化させる。
【0054】
なお、湯温表示部511bは、回路基板(図示せず)に設けられ、CPU516aからの指令に基づき湯温センサ517により検出された温度を操作パネル511に表示するように構成されている。また、電磁弁513aは電磁弁駆動回路516bに接続され、発電手段514は波形整形回路516cおよび直流電源回路516dに接続され、蓄電用コンデンサ515は、一端が直流電源回路516dに接続され、他端がCPU516aおよび湯温表示部511bの電源となるように接続されている。吐水/止水スイッチ511aは、湯温表示部511bと同じように、回路基板(図示せず)に設けられ、CPU516aに接続する電気回路を開閉する開閉スイッチを用いてCPU516aに電気的指示を出力するようにしている。
【0055】
ところで、本実施形態の定量止水制御装置516は、上述した制御プログラムのほかに、本発明の特徴である定量止水栓5の作動情報を電気的な信号を介さずに第1制御手段である給湯制御装置12に伝達するように構成したので以下説明する。
【0056】
具体的には、定量止水栓5が予め設定した吐水量を吐水しているときに、流水開閉手段513の開閉により吐水口51bから吐水する流動を変動させ、その流量変動を給湯器1側に設けられた流量計13で検出して給湯制御装置12に伝達させている。つまり、定量止水制御装置516では、定量止水栓5の作動情報を流量変動という形で暗号化させて流水開閉手段513の開弁/閉弁を制御し、給湯制御装置12では、暗号化された流量変動を検出することで定量止水栓5の作動情報を解読している。
【0057】
ここで、定量止水栓5の作動情報の一例を図6に基づいて説明する。図6(a)は定量止水栓5のお湯張り量が予め設定した目標お湯張り量に達すると自動的に止水する場合の吐水開始から吐水終了までの流水開閉手段513の作動を示すタイムチャートであり、本実施形態では、この吐水している間に必要に応じてA〜Dに示す4種類の作動情報を組み込んでいる。
【0058】
ちなみに、図6(b)は(a)に示す各作動情報における流水開閉手段513の作動の詳細を示すタイムチャートである。ここでは、作動情報として、A:開始信号、B:温度信号、C:残り時間、D:終了信号を組み込んでいる。Aの開始信号は、定量止水栓5の吐水を開始したことを示す作動情報であり、例えば、図6(b)に示すように、流水開閉手段513の開閉を3秒間止水、3秒間吐水を3回繰り返すことでお湯張りの開始を示す。
【0059】
Bの温度信号は、湯温センサ517で検出された吐水の湯温を示す作動情報であり、例えば、予め検出湯温と閉弁時間T1sとの関係を図に示すように設定しておいて、その検出湯温に応じて閉弁時間になるように流水開閉手段513を閉弁させる。Cの残り時間は、目標お湯張り量までの吐水時間を示す作動情報であり、例えば、3秒間止水、1回で10分(2回のときは20分)、および次の閉弁時間T2sと分との関係を設定しておいて、残り時間に応じて流水開閉手段513を閉弁させる。
【0060】
そして、Dの終了信号は、定量止水栓5の吐水を終了することを示す作動情報であり、流水開閉手段513の開閉を5秒間止水、5秒間吐水を3回繰り返した後に閉弁させることでお湯張りの終了を示している。これにより、作動情報が流量変動として暗号化が可能となる。さらに、定量止水栓5の各作動情報に応じて生ずる上述した流量変動は、給湯器1を流通する温水で電気的な信号を介さずに容易に検出することができるため、流量計13で流量変動を検出させて、給湯制御装置12で作動情報を解読するようにしたものである。
【0061】
次に、本実施形態では、お湯張り制御プログラムを定量止水制御装置516に設けるとともに、解読制御プログラムを給湯制御装置12に設けたので図7および図8に基づいて以上の構成による給湯装置の作動について説明する。図7はお湯張り制御プログラムの制御処理を示すフローチャートであり、図8は解読制御プログラムの制御処理を示すフローチャートである。
【0062】
浴槽内に予め設定された目標お湯張り量を吐水させたいときは、図7に示すように、吐水/止水スイッチ511aを操作することでお湯張り制御プログラムの制御処理がスタートする。そして、ステップ610にて、吐水/止水スイッチ511aがONしたか否かを判定する。ここで、吐水/止水スイッチ511aがONしておれば、ステップ620にてCPU516aに電気的指示が入力されて電磁弁駆動回路516bに指令信号を出力する。
【0063】
そして、電磁弁駆動回路516bにより電磁弁513aを駆動させてパイロット弁513bを開弁させる。これにより、主弁513cを開弁させて、混合水が吐水口51bより吐水されてお湯張りが開始される。そして、吐水の水流エネルギーにより水車514aが回転されて、この水車514aの回転力により電力が発電されるとともに、蓄電用コンデンサ515に発電された電力が蓄えられる。
【0064】
そして、ステップ630にて、湯温センサ517により検出された湯温を読み込んで記憶する。そして、ステップ640にて、発電手段514より出力された出力波形が波形整形回路516cにより変換されたパルス数をカウントすることで水車514aの回転数に換算して流量を測定して記憶する。そして、ステップ650にてパルス数をカウントし積算することで積算吐水量(湯張り量)を算出して記憶する。
【0065】
そして、ステップ660にてお湯張り運転の残り時間Tを算出して記憶する。この残り時間は、上述のステップにて記憶した流量、湯張り量を用いて図中に示すように、(目標お湯張り量−湯張り量)/流量にて算出する。そして、ステップ670にて算出した残り時間が0以下となったか否かを判定する。ここで、残り時間Tがあれば、ステップ680にて、作動情報のデータ送信のタイミングであるか否かを判定する。
【0066】
ここで、データ送信のタイミングであれば、ステップ690にて、A:開始信号を発生させる。つまり、上述したように、流水開閉手段513の開弁/閉弁を3秒間止水、3秒間吐水を3回繰り返す制御をさせて図6に示すような流量変動に暗号化させる。同じように、ステップ700では、ステップ630にて記憶した温度信号をT1秒間止水させた流量変動に暗号化させる。
【0067】
さらに、ステップ710では、ステップ660にて記憶した残り時間Tを同じように3秒およびT2秒間止水する流量変動に暗号化させる。そして、ステップ670にて、残り時間Tが0に達するまでデータ送信のタイミングに応じて、A〜Cの信号による流量変動を実行させる。そして、残り時間Tが0以下に達したときに、ステップ720にて、流水開閉手段513の開弁/閉弁を3秒間止水、3秒間吐水を3回繰り返す制御をさせて、D:終了信号である流量変動に暗号化させる。そして、ステップ730にて、流水開閉手段513を閉弁させ、ステップ740にて、ステップ650にて積算していた湯張り量をリセットして0とする。
【0068】
これにより、お湯張り運転における、定量止水栓5の作動情報のうち、開始信号、お湯張りされる浴槽への吐水温度、お湯張りの残り時間、および終了信号が予め設定した流水開閉手段513の開弁/閉弁に基づいて流量変動に変換することができる。一方の給湯制御装置12側では、図8に示すように、ステップ210にて、流量計13で検出された流量計信号があるか否かを判定する。
【0069】
ここで、流量計信号があると判定された場合は、定量止水栓5またはキッチン水栓7が開かれて給湯が開始されたことを意味するため、ステップ220にて開始信号が検出するまで待つ。一方、ステップ210にて、流量計信号がないと判定された場合は、ステップ300にて、リモコンパネル2の表示部21内の「湯張り中」、「湯温」、「残時間」を消灯するように出力する。
【0070】
次に、ステップ220にて、正常な開始信号が検出されるとステップ230にて、リモコンパネル2の表示部21内の「湯張り中」を表示するように出力する。そして、ステップ240にて、正常な温度信号が検出されたか否かを判定する。ここで、正常な温度信号であれば、ステップ250にて、リモコンパネル2の表示部21内の「湯温」を表示するように出力する。
【0071】
そして、ステップ260にて、正常な残り時間信号が検出されたか否かを判定する。ここで、正常な残り時間信号であれば、ステップ270にて、リモコンパネル2の表示部21内の「残時間」を表示するように出力する。そして、ステップ280にて、正常な終了信号が検出されたか否かを判定する。ここで、正常な終了信号であれば、ステップ290にて、リモコンパネル2の報知ブザー22を所定時間作動させ、さらに、ステップ300にて、リモコンパネル2の表示部21内の「湯張り中」、「湯温」、「残時間」を消灯するように出力する。
【0072】
なお、ステップ220、ステップ240、ステップ260にて、正常な信号が検出されなかった場合は、ステップ280にて、終了信号であるか否かを判断し、終了信号でなければ、ステップ210に戻り、流量計信号があるか否かを判定する。
【0073】
これにより、浴室内に設けられた定量止水栓5の作動情報を定量止水栓5からリモコンパネル2に電気的接続せずにリモコンパネル2にて浴室外に居る人に向けて表示と報知が可能となる。なお、以上の実施形態では、定量止水栓5の作動情報のうち、お湯張りの残り時間を算出して、送信タイミングごとにリモコンパネル2にて表示するように構成したが、これに限らず、図9に示すように、E:湯張り量信号を定量止水栓制御装置516で発生させてリモコンパネル2に湯張り量を表示しても良い。
【0074】
より具体的には、Eの湯張り量信号は、定量止水栓5で予め設定した目標お湯張り量を示す作動情報であり、図9に示すように、3秒間止水、1回で100L(2回のときは200L)、および次の閉弁時間T2sと湯量(L)との関係を設定しておいて、湯張り量に応じて流水開閉手段513を閉弁させる。
【0075】
以上の第1実施形態による給湯装置によれば、定量止水制御装置516は、定量止水栓5が予め設定した吐水量を吐水しているときに、流水開閉手段513の開弁/閉弁を制御させて定量止水栓5の作動情報を流量変動として暗号化するように構成するとともに、給湯制御装置12は、定量止水栓5に導く温水の流量変動を検知することで暗号化された作動情報を解読するように構成したことにより、浴室内に設置される定量止水栓5の作動情報を流量変動で伝達および解読ができることで、給湯制御装置12と定量止水制御装置516との間を電気的な接続をしなくても定量止水栓5の作動情報を給湯器1側に伝達することが可能となる。
【0076】
また、定量止水制御装置516は、定量止水栓5の作動情報を流水開閉手段513の開弁時間/閉弁時間および開弁/閉弁の繰り返し回数に基づいて流量変動に暗号化することにより、具体的に、流量変動は開弁時間/閉弁時間および繰り返し回数で暗号化が容易にできる。
【0077】
また、定量止水栓5には、水車および発電機からなり湯水の流水エネルギーにより水車を回転させて発電する発電手段514が設けられ、定量止水制御装置516は、発電手段514によって発電された電力を給電して流水開閉手段513の開弁/閉弁を制御するとともに、発電手段514によって出力される発電信号をパルスに変換し、このパルスをカウントして吐水量を計測することにより、定量止水栓5が外部からの電源接続もしくは乾電池交換などを不用にできるとともに、専用の流量計を設ける必要がないので小型、かつ安価な給湯装置を提供することができる。
【0078】
また、給湯制御装置12は、定量止水栓5の作動情報のうち、吐水開始、吐水残り時間、吐水終了、高温警告、および吐水温度のいずれかがリモコンパネル2に報知されることにより、浴槽内へのお湯張り状況が遠隔で容易に認知できる。これにより、コストの増加を防止するとともに利便性が向上できる。
【0079】
なお、本実施形態では、ソレノイドからなる電磁弁513a、その電磁弁513aで開閉動作するパイロット弁513b、およびダイヤフラムからなる主弁513cから流量開閉手段513を構成したことにより、ウォータハンマー現象を発生することなく作動情報を伝達することができる。
【0080】
(第2実施形態)
以下に第2実施形態について説明する。図10は、本実施形態における定量止水栓5Aを用いた給湯装置の全体構成を示す模式図であり、図11は、定量止水栓5Aの内部の構成を示した構成図である。図12は、定量止水栓5Aの開閉動作とそれに伴う流量変化との関係を示したタイムチャート(算出した浴水の温度Tが高温であった場合)である。図13は、定量止水栓5Aの開閉動作とそれに伴う流量変化との関係を示したタイムチャート(算出した浴水の温度Tが低温であった場合)である。
【0081】
本実施の形態の給湯装置は、加熱手段である給湯器1A、リモコンパネル2、浴室内に設置され、温度調節機構を有さない湯水混合水栓である定量止水栓5A、定量止水栓5Aから流出される湯水混合温水が貯められる浴槽6、および台所に設置されるキッチン水栓7から構成されている。上水が導入される給水配管3は、給湯器1Aの上流側に接続され、定量止水栓5Aおよびキッチン水栓7の冷水側に接続されている。給湯用配管4は、流量計13を間に介して、加熱装置11の下流側で加熱装置11と定量止水栓5Aを連結し、給湯器1で加熱された温水を定量止水栓5Aに導いている。また、給湯用配管4は、定量止水栓5Aの上流側で分岐して給湯器1で加熱された温水をキッチン水栓7に導くように接続されている。
【0082】
給湯器1Aに設けられる給湯制御装置12Aとリモコンパネル2は、電気的に接続された有線のリモコン線8で接続されている。給湯器1Aには、内部を流通する上水を加熱する加熱装置11、および加熱装置11を制御する第1制御手段である給湯制御装置12Aが設けられている。加熱装置11は内部に給水用配管3から導水される上水が流通する加熱用熱交換器(図示せず)とその加熱用熱交換器(図示せず)に流通する上水を外部から加熱する熱源装置(図示せず)とから構成されている。
【0083】
給湯制御装置12Aは、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROM(図示せず)には、予め設定された制御プログラムが設けられており、流量計13からの流量情報、および図示しない操作盤からの操作情報に基づいて加熱装置11およびリモコンパネル2を制御する。給湯制御装置12Aは、第1実施の形態の給湯制御装置12と同様に、流量計13により加熱装置11から流れ出る流量を検出することで、暗号化された定量止水栓5Aの作動情報を解読する制御プログラムが設けられており、この解読プログラムの制御処理に基づいてリモコンパネル2を制御している。
【0084】
リモコンパネル2は、第1実施形態に記載のものと同一であり、その説明は省略する。
【0085】
次に、定量止水栓5Aは、お湯張り量が予め設定した目標お湯張り量に達すると自動的に止水する機能を有する水栓金具であり、浴室内の浴槽と洗い場とが隣接する壁面に取り付けられる。
【0086】
図11に示すように、定量止水栓5Aは、冷水と温水が混合される湯水混合手段101と、冷水側のバルブの開度を調節するための水量調節ハンドル102と、温水側のバルブの開度を調節するための湯量調節ハンドル103と、混合された湯水が流通する通湯路100と、流水開閉手段である弁体106と、第2制御手段である制御部105と、スイッチ手段108と、表示器110と、混合された湯水の温度を計測する湯温センサ109と、流量計104と、弁体106が開口することで流通する湯水が浴槽6に向けて排出される吐出口107とから構成されている。
【0087】
湯水混合手段101は、給水配管3と給湯用配管4が接続され、水量調節ハンドル102と湯量調節ハンドル103とが設けられ、それぞれのハンドルの開度を調節することで水と湯の混合率が定まり、内部で混合した湯水を送り込むものである。
【0088】
弁体106は、制御部105と接続されて制御部105からの命令によって通湯路100内を流れる湯の開閉を行っている。
【0089】
流量計104は、上述した流量計13と同様の構成であり、混合された湯水の流量を計測し、その計測した情報を制御部105に伝達する。
【0090】
制御部105は、流量計104、弁体106、湯温センサ109、スイッチ手段108、および表示器110と電気的に接続され、スイッチ手段108のオン信号に基づいて、弁体106の開閉動作を行うように制御するとともに、内部に記憶手段を有しており、この記憶手段に格納するあらかじめ定められた量と、流量計104の計測流量を積算した値とを比較して、計測流量の積算値が記憶手段に記憶された量に達すると弁体106の閉弁を行うように制御する。
【0091】
なお、定量止水栓本体51Aおよび定量止水制御装置の構成については、第1実施形態で説明した定量止水栓51(図4に示す)、および定量止水制御装置516(図5に示す)と同一であり、その説明は省略する。
【0092】
図12を用いて、浴槽6に湯張りされた浴水の温度が高温であった場合における、定量止水栓5Aの開閉動作とそれに伴う流量変化との関係を説明する。図12(a)は、弁体106の開閉動作を示すタイムチャートであり、図11に示す定量止水栓5Aのスイッチ手段108がオンされ、これにより定量止水栓5Aの制御部105が弁体106を開弁して浴槽6への湯張りが開始される。
【0093】
そして、定量止水栓5Aに内蔵される流量計104による計量流量の積算値(湯張り量)が、制御部105が保持する設定値に達したときに、浴槽6に湯張りされた浴水の温度T(算出方法は後述する)が所定温度より高温であった場合に、制御部105は所定温度より高温であることと、湯張り完了とを流量変動として伝えるために、所定の作動情報として、ts時間だけ弁体106を閉弁し、さらにto時間だけ弁体106を開弁する動作を所定回数(本実施形態では3回)分繰り返す。
【0094】
図12(b)は、図12(a)と同様に、台所水栓の開閉動作を示すタイムチャートである。図12(c)は、図12(a)、および図12(b)に示すような弁の開閉動作がなされたときの、流量計13による計量流量の変化を示したものであり、上述のように、流量計13を介して第1制御手段である給湯制御装置12Aが、ts時間の流量減およびto時間の流量増が所定回数(本実施形態では3回)分検出すると、湯張り完了とともに、浴槽6に湯張りされた浴水の温度Tが高温であることをリモコン2に送信するなどして使用者に知らしめることになる。
【0095】
一方、図13を用いて、浴槽6に湯張りされた浴水の温度が低温であった場合における、定量止水栓5Aの開閉動作とそれに伴う流量変化との関係を説明する。図13(a)は、弁体106の開閉動作を示すタイムチャートであり、図11に示す定量止水栓5Aのスイッチ手段108がオンされ、これにより定量止水栓5Aの制御部105が弁体106を開弁して浴槽6への湯張りが開始される。
【0096】
そして、定量止水栓5Aに内蔵される流量計104による計量流量の積算値(湯張り量)が、制御部105が保持する設定値に達したときに、浴槽6に湯張りされた浴水の温度T(算出方法は後述する)が所定温度より低温であった場合に、制御部105は、所定温度より低温であることと、湯張り完了とを流量変動として伝えるために、所定の作動情報として、ts時間だけ弁体106を閉弁し、さらにto時間だけ弁体106を開弁する動作を、上述の高温の場合と異なる所定回数(本実施形態では1回)行う。
【0097】
図13(b)は、図13(a)と同様に、台所水栓の開閉動作を示すタイムチャートである。図13(c)は、図13(a)、および図13(b)に示すような弁の開閉動作がなされたときの、流量計13による計量流量の変化を示したものであり、上述のように、流量計13を介して第1制御手段である給湯制御装置12Aが、ts時間の流量減およびto時間の流量増が所定回数(本実施形態では1回)分検出すると、湯張り完了とともに、浴槽6に湯張りされた浴水の温度Tが低温であることをリモコン2に送信するなどして使用者に知らしめることになる。
【0098】
次に、図14に示すフローチャートを用いて定量止水栓5Aの制御フローを説明する。
使用者が浴槽6に湯張りを行いたいときは、定量止水栓5Aの水量調節ハンドル102と湯量調節ハンドル103を操作したうえでスイッチ手段108を操作すると制御フローがスタートする。
【0099】
まず、ステップ400で、スイッチ手段108が押されたか否かを判断する。ここでスイッチ手段108が押されていれば、ステップ405で、CPU516aに電気的指示が入力されて電磁弁駆動回路516bに指令信号を出力することになる。そして、電磁弁駆動回路516bにより電磁弁513aを駆動させてパイロット弁513bを開弁させる。これにより主弁513cを開弁させて混合された湯水が吐出口107、51bより吐水されて湯張りが開始される。そして、吐水のエネルギーにより水車514aが回転されて、この水車514aの回転力により電力が発電されるとともに、蓄電用コンデンサ515に発電された電力が蓄えられる。
【0100】
次に、ステップ410で、発電手段514より出力された出力波形が波形整形回路516cにより変換されたパルス数をカウントすることで水車514aの回転数に換算し流量を計測(流量計104で計測)して、単位時間当たりの吐水量q[l/s]を算出する。ステップ415で、湯温センサ109、517により計測された湯温から単位時間当たりの平均吐水温度t[℃]を算出する。さらにステップ420で、単位時間当たりの吐水量q[l/s]と単位時間当たりの平均吐水温度t[℃]との積である単位時間当たりの熱量qtを算出する。そして、ステップ425で、Σqtを求めるべくステップ420で得られたqtを加算する。ステップ410〜425について、浴槽への湯張り量Qがあらかじめ設定した湯張り量Qになるまで繰り返す(ステップ430)。湯張り量Qがあらかじめ設定した湯張り量Qになったときには、ステップ435で、得られたΣqtをあらかじめ設定した湯張り量Qで除して浴水の温度Tを算出する(T=Σqt/Q)。
【0101】
次に、ステップ440で、得られたTが所定の温度の一例である46℃以上であるか否かを判断し、46℃以上であれば、図12に示すように、高温警告であることを伝達する手段として、流量開閉手段513の開閉動作を3回繰り返し(ステップ445)、続いて弁を閉じる(ステップ460)ことで、流量変動パルスの伝達を終了する。一方、34℃以下か否かを判断し(ステップ450)、34℃以下であれば、図13に示すように、低温警告であることを伝達する手段として、流量開閉手段513の開閉動作を1回行って(ステップ455)、続いて弁を閉じる(ステップ460)ことで、流量変動パルスの伝達を終了する。また、34℃<T<46℃であれば、湯張り温度は適温であるとして、流量変動パルスの伝達は行わずそのまま弁を閉じて(ステップ460)、終了する。
【0102】
次に、本実施形態の異常温度報知システムにおける給湯器側の第1制御手段による制御フローを、図15に示したフローチャートを用いて説明する。ステップ800において、第1制御手段である給湯制御装置12Aは、流量計13から流量情報の有無を検知し、ts時間、流量が減少したか否かを確認する。ts時間流量が減少したことが確認できたときは、次にto時間、流量が増加するか否かを確認し(ステップ805)、流量が増加したことを確認できたときには、流量増減カウンタN1のカウント値を1増加させる(ステップ815)。このようにして定量止水栓5Aの開閉動作によって生じる流量変化の回数をカウントする。
【0103】
次にステップ800に再び戻り、ts時間、流量が減少したか否かを確認し、ts時間流量が減少したことが確認できないときは、ステップ810に進み、所定時間以上、流動信号がないかどうかを確認し、流量信号がなければ湯張りが完了したものと判断して、流量増減カウンタN1のカウント値を確認し(ステップ820)、そのカウント値が3であれば、リモコン2側に湯張り完了のお知らせをするとともに、湯張り浴水の温度が高温であることを報知、または表示部に表示して(ステップ830)、流量増減カウンタN1をクリアする(ステップ845)。一方、流量増減カウンタN1のカウント値が1であれば、リモコン2側に湯張り完了のお知らせをするとともに、湯張り浴水の温度が低温であることを報知、または表示部に表示して(ステップ825、835)、流量増減カウンタN1をクリアして(ステップ845)、終了する。また、流量増減カウンタN1のカウント値が3や1でないときは、リモコン2側に湯張り完了のお知らせのみを行い(ステップ840)、流量増減カウンタN1をクリアして(ステップ845)、終了する。
【0104】
このように、定量止水栓5Aに内蔵した湯温センサ109により吐水温度を計測するとともに、流量計104により流量を計測し、この2つの計測データを逐次取り込み、熱量を計算することにより、最終的な湯張りの浴水温度を算出する構成としたので、給湯側、または給水側の水圧変動により吐水流量や吐水温が変動しても正確に浴水温度が推定できる。
【0105】
また、この浴水温度が入浴に適さない温度であった場合、定量止水栓5Aは湯張り終了時にコード化された流量変動パターンを発生させ、これを給湯器1A側の流量計13で検出し、給湯制御装置12Aで認識して使用者にリモコン2を介して高温警告、または低温警告を知らしめる構成としたので、給湯器1Aと定量止水栓5Aとのわずらわしい電気配線無しに給湯装置が構築できる。これにより、機能アップや、修理交換のために、定量止水栓だけを後で取り替えるということが可能となる。
【0106】
また、定量止水栓5Aは、温度調節機構を有さない湯水混合水栓であることとしたので、湯水混合水栓において、使用者が設定した冷水量と温水量の比率が設定ミスであった場合や、他の水栓の使用による水圧の変化で冷水量または温水量の変動が起こり温度設定が変化してしまった場合でも、浴水温度が不意であったときの事故を未然に防ぐことができる。
【0107】
また、浴水の温度Tを算出する手段は、単位時間当たりの吐水量qに単位時間当たりの平均吐水温度tを乗じた単位時間当たりの熱量qtを、吐水量が設定された湯張り量Qになるまで積算し、この積算した熱量を湯張り量Qで除して求めた結果をTとすることとしたので、簡単な算出式で浴水の温度をより精度高く算出することができる。
【0108】
また、暗号化された流量変動は、湯張り終了時に発生させることとしたので、湯張りの終了と、異常温度であることの報知を同時に使用者に知らしめることができる。
【0109】
(第3実施形態)
以下に第3実施形態について説明する。本実施形態は、浴水の温度Tの他の算出方法を示すものである。
【0110】
図16に示すフローチャートを用いて定量止水栓の他の制御フローを説明する。使用者が浴槽6に湯張りを行いたいときは、定量止水栓5Aの水量調節ハンドル102と湯量調節ハンドル103を操作したうえでスイッチ手段108を操作すると制御フローがスタートする。
【0111】
まず、ステップ900で、スイッチ手段108が押されたか否かを判断する。ここでスイッチ手段108が押されていれば、ステップ915で、CPU516aに電気的指示が入力されて電磁弁駆動回路516bに指令信号を出力することになる。そして、電磁弁駆動回路516bにより電磁弁513aを駆動させてパイロット弁513bを開弁させる。これにより主弁513cを開弁させて混合された湯水が吐出口107、51bより吐水されて湯張りが開始される。そして、吐水のエネルギーにより水車514aが回転されて、この水車514aの回転力により電力が発電されるとともに、蓄電用コンデンサ515に発電された電力が蓄えられる。
【0112】
次に、ステップ920で、吐出口107から吐出される混合された湯水が、所定の単位吐水量(例えば1リットル)であるか否かを判断する。所定の単位吐水量である場合は、湯温センサ109、517により計測された湯温からその単位吐水量当たりの平均吐水温度t[℃]を求め(ステップ925)、引き続きこの単位吐水量当たりの平均吐水温度t[℃]を求めて積算するとともに(ステップ930)、積算するごとに積算回数をカウントする(ステップ935)。そして、ステップ920〜940について、この計算を吐水量が設定された湯張り量Qに達するまで繰り返す(ステップ940)。湯張り量Qがあらかじめ設定した湯張り量Qになったときには、ステップ945で、得られたΣtをカウントした積算回数nで除してTを算出する(T=Σt/n)。
【0113】
次に、ステップ950で、得られたTが所定の温度の一例である46℃以上であるか否かを判断し、46℃以上であれば、図12に示すように、高温警告であることを伝達する手段として、流量開閉手段513の開閉動作を3回繰り返し(ステップ955)、続いて弁を閉じる(ステップ970)ことで、流量変動パルスの伝達を終了する。一方、34℃以下か否かを判断し(ステップ960)、34℃以下であれば、図13に示すように、低温警告であることを伝達する手段として、流量開閉手段513の開閉動作を1回行って(ステップ965)、続いて弁を閉じる(ステップ970)ことで、流量変動パルスの伝達を終了する。また、34℃<T<46℃であれば、湯張り温度は適温であるとして、流量変動パルスの伝達は行わずそのまま弁を閉じて(ステップ970)、終了する。
【0114】
このように、浴水の温度Tを算出する手段は、単位流量あたりの平均吐水温度tを、吐水量が設定された湯張り量Qになるまで前記tを算出して、これらの平均値を求めた結果をTとすることとしたので、簡単な算出式で浴水の温度をより精度高く算出することができる。
【0115】
(第4実施形態)
以上の第1、第2、および第3実施形態では、定量止水栓5、5Aに設けられた湯温センサ517で検出された温度情報をリモコンパネル2に表示するように構成したが、これに限らず、湯温センサ517で検出された温度情報に基づいて、給湯器1から導入される温水の温度制御をさせる構成としても良い。具体的には、図17に示すように、給湯制御装置12、12Aの解読制御プログラムにおいて、ステップ240にて、正常な温度信号が検出されたか否かを判定する。
【0116】
ここで、正常な温度信号であれば、ステップ245にて、湯温が設定温度と同等であるか否かを判定する。そして、同等でなければ、ステップ255にて、給湯器1、1Aの温水温度が設定温度となるように温度制御する。これによれば、湯温の確実なフィードバック制御が行うことができる。なお、ステップ245、ステップ255にて、湯温データが予め設定された湯温でなければ、給湯器1、1Aからの出湯温度を調節し設定温度になるように調節をすると良い。
【0117】
(第5実施形態)
これまでに説明した実施形態では、本発明を定量止水栓5、5Aの上流側に給湯器1、1Aを接続する給湯装置に適用させて、給湯器1、1A側に流量計13、解読制御プログラムを有する給湯制御装置12、12Aを設けたが、解読制御プログラムを定量止水制御装置516に設けて、定量止水栓5、5A自体をフィードバック制御しても良い。
【0118】
具体的には、図18に示すように、定量止水栓5、5Aの吐水口51bに、例えば、軟質チューブ9を接続させて水撒きなどを行うときに、軟質チューブ9の先端を指で潰すことで流量変動が発生する。このときに、解読制御プログラムにおいて、定量止水栓5、5Aに設けられた発電手段514でこの流量変動を検出し、その流動変動が予め設定した流動変動であったときに、定量止水栓5、5Aが止水するように制御するように構成しても良い。
【0119】
これによれば、流量変動に暗号化された作動情報を容易に検証することが可能となる。つまり、定量止水栓5、5Aの上流側および下流側における閉塞などによる通水抵抗の増加が生じたときに流量変動の検証ができる。また、定量止水栓5、5Aの流水開閉手段513が開弁しているときに、水流がなかったときなどの異常の検出が流量変動を解読することで容易にできる。
【0120】
なお、上述の実施形態では、給水管51aから吐水口51bに至る水路51cを開閉する流水開閉手段513をソレノイドからなる電磁弁513a、その電磁弁513aで開閉動作するパイロット弁513bおよびダイヤフラムからなる主弁513cから構成したが、これに限らず、パイロット弁513b方式の他に、主弁513cを直に開閉する直動式の開閉弁であっても良い。ただし、このときには、開閉の応答性を速くすることができるが、急激な流量変化が生ずることでウォータハンマー現象が発生しやすい欠点がある。
【0121】
また、上述の実施形態では、流量変動を図6もしくは図9に示すように、流水開閉手段513の開弁/閉弁の繰り返しを数回程度で構成したが、流量変動を周知のバーコード化となるように流水開閉手段513の開弁/閉弁を制御しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の第1実施形態における定量止水栓5を用いた給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるリモコンパネル2の構成を示す外観図である。
【図3】本発明の第1実施形態における(a)は定量止水栓5の全体構成を示す斜視図、(b)は定量止水栓5の全体構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態における定量止水栓本体51の全体構成を示す模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態における定量止水制御装置516の全体構成を示すブロック図である。
【図6】(a)は流水開閉手段513の作動により流量計13で検出される流量変動を示すタイムチャート、(b)は(a)に示す作動情報の詳細を示すタイムチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態における定量吐水制御装置516の制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態における給湯制御装置12の制御処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態の変形例における(a)は流水開閉手段513の作動により流量計13で検出される流量変動を示すタイムチャート、(b)は(a)に示す作動情報の詳細を示すタイムチャートである。(b)は定量止水栓5の全体構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2実施形態における定量止水栓5Aを用いた給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【図11】第2実施形態における定量止水栓5Aの内部の構成を示した構成図である。
【図12】第2実施形態で浴水温度Tが高温であった場合において、(a)は定量止水栓5Aの開閉動作とそれに伴う流量変化との関係を示したタイムチャートであり、(b)は台所水栓の開閉動作とそれに伴う流量変化との関係を示したタイムチャートであり、(c)は流量計による計量流量の変化を示したタイムチャートである。
【図13】第2実施形態で浴水温度Tが低温であった場合において、(a)は定量止水栓5Aの開閉動作とそれに伴う流量変化との関係を示したタイムチャートであり、(b)は台所水栓の開閉動作とそれに伴う流量変化との関係を示したタイムチャートであり、(c)は流量計による計量流量の変化を示したタイムチャートである。
【図14】第2実施形態における定量止水栓5Aの制御フローを示したフローチャートである。
【図15】第2実施形態における給湯器側の第1制御手段による制御フローを示したフローチャートである。
【図16】本発明の第3実施形態における定量止水栓の制御フローを示したフローチャートである。
【図17】本発明の第4実施形態における給湯制御装置12の制御処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第5実施形態における定量止水栓5を単独で用いたときの概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0123】
1、1A…給湯器(加熱手段)
2…リモコンパネル
5、5A…定量止水栓
12、12A…給湯制御装置(第1制御手段)
513…流水開閉手段
513a…電磁弁
513b…パイロット弁
513c…主弁
514…発電手段
516…定量止水制御装置(第2制御手段)
517…湯温センサ(温度センサ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上水を加熱する加熱手段(1)と、水路を開閉する流水開閉手段(513)および前記流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御する第2制御手段(516)を有し、前記加熱手段(1)により加熱された温水を導いて、予め設定した吐水量になると自動的に止水する定量止水栓(5)とを備える給湯装置において、
前記加熱手段(1)を制御する第1制御手段(12)が設けられ、
前記第2制御手段(516)は、前記定量止水栓(5)が予め設定した吐水量を吐水しているときに、前記流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御させて前記定量止水栓(5)の作動情報を流量変動として暗号化するように構成するとともに、
第1制御手段(12)は、前記定量止水栓(5)に導く温水の前記流量変動を検知することで暗号化された作動情報を解読するように構成したことを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記第2制御手段(516)は、前記定量止水栓(5)の作動情報を前記流水開閉手段(513)の開弁時間/閉弁時間および開弁/閉弁の繰り返し回数に基づいて流量変動として暗号化することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記第2制御手段(516)は、前記定量止水栓(5)の作動情報をバーコードを用いて流量変動として暗号化することを特徴とする請求項2に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記定量止水栓(5)には、水車および発電機からなり、湯水の流水エネルギーにより水車を回転させて発電する発電手段(514)が設けられ、
前記第2制御手段(516)は、前記発電手段(514)によって発電された電力を給電して前記流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御するとともに、前記発電手段(514)によって出力される発電信号をパルスに変換し、このパルスをカウントして吐水量を計測することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項5】
前記定量止水栓(5)の作動情報を報知するリモコンパネル(2)が設けられ、前記第1制御手段(12)は、解読した前記定量止水栓(5)の作動情報を前記リモコンパネル(2)に出力することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項6】
前記第1制御手段(12)は、前記定量止水栓(5)の作動情報のうち、吐水開始、吐水残り時間、吐水終了、高温警告、および吐水温度のいずれかが前記リモコンパネル(2)に報知されることを特徴とする請求項5に記載の給湯装置。
【請求項7】
前記定量止水栓(5)には、前記流水開閉手段(513)の開弁によって吐水する湯温を検出する温度センサ(517)が設けられ、
前記第1制御手段(12)は、前記温度センサ(517)により検出された湯温に基づいて前記加熱手段(1)を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の給湯装置。
【請求項8】
前記流水開閉手段(513)は、ソレノイドからなる電磁弁(513a)、その電磁弁(513a)で開閉動作するパイロット弁(513b)、およびダイヤフラムからなる主弁(513c)から構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の給湯装置。
【請求項9】
水路を開閉する流水開閉手段(513)および前記流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御する第2制御手段(516)を有し、予め設定した吐水量になると自動的に止水する定量止水栓(5)であって、
前記第2制御手段(516)は、前記定量止水栓(5)が予め設定した吐水量を吐水しているときに、前記流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御させて前記定量止水栓(5)の作動情報を流量変動として暗号化するように構成され、かつ前記定量止水栓(5)が吐水する流量変動を検知することで暗号化された作動情報を解読するように構成したことを特徴とする定量止水栓。
【請求項10】
前記第2制御手段(516)は、前記定量止水栓(5)が吐水する流量変動が予め設定された作動情報のときに、止水するように制御することを特徴とする請求項9に記載の定量止水栓。
【請求項11】
上水を加熱する加熱手段(1A)と、水路を開閉する流水開閉手段(513)および前記流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御する第2制御手段(516)を有し、前記加熱手段(1A)により加熱された温水を導いて、浴槽(6)に貯められる浴水の湯量が予め設定した吐水量になると自動的に止水する定量止水栓(5A)とを備える給湯装置において、
吐水量および吐水温度を計測した値を用いて浴槽(6)に貯められる浴水の温度Tを算出し、算出した浴水の温度Tが異常温度であった場合に、
前記第2制御手段(516)は、前記流水開閉手段(513)の開弁/閉弁を制御した所定の作動情報を流量変動として暗号化するとともに、
前記加熱手段(1A)を制御する第1制御手段(12A)は、前記第2制御手段(516)により暗号化された前記流量変動を検知することで浴水の温度が異常温度であることを認識して使用者に知らしめることを特徴とする給湯装置。
【請求項12】
前記定量止水栓(5A)は、温度調節機構を有さない湯水混合水栓であることを特徴とする請求項11に記載の給湯装置。
【請求項13】
前記浴水の温度Tを算出する手段は、単位時間当たりの吐水量qに単位時間当たりの平均吐水温度tを乗じた単位時間当たりの熱量qtを、吐水量が設定された湯張り量Qになるまで積算し、この積算した熱量を前記湯張り量Qで除して求めた結果をTとすることを特徴とする請求項11または12に記載の給湯装置。
【請求項14】
前記浴水の温度Tを算出する手段は、単位湯量あたりの平均吐水温度tを、吐水量が設定された湯張り量Qになるまで前記tを算出して、これらの平均値を求めた結果をTとすることを特徴とする請求項11または12に記載の給湯装置。
【請求項15】
暗号化された前記流量変動は、湯張り終了時に発生させることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−71260(P2006−71260A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46063(P2005−46063)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】